ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!」

1: 名無しさん 2015/09/02(水) 22:02:10 ID:pPdByLJc
ーーー


ケン「まぁ、でもさ……? なんだかんだで、ヤムチャもいい感じになってきたじゃねぇか? なぁ……?」

リュウ「マイクは不安だが……戦力にはなったな、うん……」

ケン「今日もさ……? ダルシムさんの出番の時、ちょこちょこ動き回ってて……なぁ……?」

ヤムチャ「アピールはしていかないといけないって、思いましたからね」

ケン「……アレ、いつも俺がやってるんだぞ? お前の時にはな? わかってんのか?」

ヤムチャ「そりゃ、勿論わかってますし……感謝もしてますよ!」

ケン「ただ、次の試合は……ねぇぞ……? だって、シングルなんだからさ……?」

ヤムチャ「シングルは、経験は二回か……ダルシムさんと、ブランカさん……それだけですねぇ……」

4: 名無しさん 2015/09/02(水) 22:15:02 ID:pPdByLJc
サガット「……シャドルー抗争では、初だな。課題はそこだろうな」

リュウ「……あぁ、しかも大一番だ」

ダン「……それで、多分こいつが頭だろ?」

ヤムチャ「……頭?」

ダン「お前とバイソン戦が……抗争の頭になるんだよ……ヤムチャ、バイソン始まり……ケンとバルログと続いて……最後にリュウとサガットで締めだよ……」

ヤムチャ「あぁ、そっか……弱い人から、順々に行かないといけませんもんね……」

バイソン「弱い人……って、言い方は感心しねぇな……」

ヤムチャ「……えっ?」

バイソン「特攻隊長とか……切り込み隊長って所だな……全ては、俺とヤムチャ君の試合から始まる……これが、下っ端の難しさでもあり、楽しさでもあるな」

5: 名無しさん 2015/09/02(水) 22:23:56 ID:pPdByLJc
プーアル「やっぱり、一対一でも……ダルシムさんや、ブランカさんとの試合より……派手で凄い事が要求されますよねぇ……?」

ヤムチャ「……おいおいおい、ちょっと待て、プーアル。脅す事ねぇじゃねぇか」

ダン「いや~、脅すってよぉ……? プーアル君の言ってる事は当然だと思うぞ?」

ケン「アピールするなら、自分自身でしなくちゃいけねぇ……俺がお前の代わりにアピール……なんて事は出来ないんだから……」

バルログ「場外戦をするにしても……その間はリングが空っぽになってしまいます……ある意味、リスクのある行為です……」

リュウ「……何より、動きっぱなしだ。休んでる時間はない」

ヤムチャ「おいおい……皆して、皆して……ちょっと、脅しすぎじゃありませんかねぇ?」

6: 名無しさん 2015/09/02(水) 22:32:55 ID:pPdByLJc
バイソン「次は大舞台でしょうが……! 気合を入れなさいっ! 今日、意気込み語っただろがっ! あの姉ちゃんの前で!」

ヤムチャ「そうっすね。はい……」

リュウ「おい、ヤムチャ……お前、確か関節技は持ってなかったよな……?」

ヤムチャ「一応ね、コブラツイストはありますよ……コブラツイストは……」

リュウ「……最近の試合では、見てないな」

サガット「最近の俺達の試合は、動きすぎだからな……ゆっくり関節技をかけている時間は、勿体無い。だが、シングルとなれば別だ……」

ヤムチャ「関節技で、じっくり攻めて……時間を稼げと……」

バルログ「……サガット、新技教えるとか言ってませんでした?」

サガット「あ~、そうそうそう……新技を教えると言ってるいたなぁ……」

ヤムチャ「おっ、やったっ! また、技が増えるぞっ! 今日もね……俺、一つ新技作ったんですよっ!」

9: 名無しさん 2015/09/02(水) 22:40:32 ID:pPdByLJc
ダン「……新技? お前、何かやったっけ?」

ヤムチャ「いやいやいや、ディージェイを最後に……派手にぶん投げたじゃないですかっ!?」

サガット「……あぁ」

ヤムチャ「ありゃねぇ……俺の新技……『ウルフ・スラム』ですよっ! どうですか、今回はネーミング失敗してませんよ?」

ダン「あ~、そういや、やってたなぁ……でもなぁ、ヤムチャ……? 俺は、そのネーミングはやめた方がいいと思う……」

ヤムチャ「えっ、何で……?」

サガット「『パワースラム』だな……」

ヤムチャ「パワーのある……ボディスラムですね……でも、それだったら、ウルフ・スラムでもいいじゃないですか……?」

サガット「……残念ながら、既存の技だ」

ヤムチャ「……えっ?」

13: 名無しさん 2015/09/02(水) 22:52:01 ID:pPdByLJc
バイソン「いい技だよなぁ? フォールにも持っていけるし……カウンターで使うのも、よしっ……! 昔は俺も、結構使ってたぜ?」

ヤムチャ「えぇっ!? ウルフ・スラムは、バイソンさんも使ってたんですか!?」

サガット「……パワースラムだよ。いわゆる、ボディスラムの派生技だ」

ヤムチャ「俺、試合中に……頑張ったんですよ……? ねぇ……?」

リュウ「中堅所の技だな……本田さんも使うよ……ジミーさんも使うよ……俺も昔使ってたよ……」

キャミィ「……ローズさんなんかも、使えますよ」

ヤムチャ「俺のオリジナルがっ……! 俺の新必殺が……えぇっ……!? 本田さんに……ブランカさんに……ローズさんまでっ!?」

ケン「……そうそう、簡単に新必殺技なんて生まれませんよ」

バイソン「投げの新技は難易度高ぇよ……うん、うん……」

ヤムチャ「……な、なんてこった」

サガット「まぁ、いいじゃないか……新しい投げ方を覚えたというのは、試合運びのバリエーションが増えたという事だ……それは、それでいい事だ……」

ヤムチャ「……いい事だけども、ちょっとショックだなぁ」

15: 名無しさん 2015/09/02(水) 23:02:28 ID:pPdByLJc
バルログ「ヤムチャ君、私はパワースラムより……断空脚の方が、気になりましたよ……?」

ヤムチャ「……えっ?」

ダン「俺の技だぞっ! ありゃ、俺の技っ! 元祖は俺だっ! 俺、俺っ!」

バイソン「……ダンさん、ジタバタしてただけじゃないっすか」

バルログ「ホラ、今日……ルチャ・リブレみたいな動きを見せてたじゃないですか……ロープの反動を利用して飛んで……本田さんに仕掛けましたよね……?」

ヤムチャ「バルログさんみたいな動きとは、程遠いんですが……ちょっと、真似してみた感じですね……」

バルログ「断空脚って、ああいう使い方すれば……まだまだ、伸びる気がしますよ……」

ヤムチャ「えっ……? まだ、伸びるんですか? あの技……」

16: 名無しさん 2015/09/02(水) 23:10:37 ID:pPdByLJc
バルログ「断空脚の一番強い使い方は、相手を踏み台にして、そこから連続です。このキックコンビネーションですよ」

ヤムチャ「……はいはい」

バルログ「今日のは、変則ですよね……ロープを踏み台にして、そこから……奇襲のような形で……」

ヤムチャ「はいはい……なるほど、なるほど……」

バルログ「例えば、バイソンを踏み台にして……そこから、三角跳びのような形で、私に二発目、三発目……私に打ち込むとか……? う~ん、難しいかな……?」

サガット「……う~ん、ちょっと危険な絵が見える」

ヤムチャ「それが、出来れば俺が二人一気に倒したりできますねぇ……でも、どうでしょうねぇ……ちょっと人間離れした動きが必要になってきそうですねぇ……」

ケン「……お前は結局、打撃がメインだな。やっぱり」

リュウ「ただ、打撃しか出来ない、と……打撃をメインにしているは……違う物だぞ……?」

ヤムチャ「……あぁ、はい」

17: 名無しさん 2015/09/02(水) 23:21:03 ID:pPdByLJc
ダン「お前ら、明日オフだろ……? でも、明後日には大一番が待ってるんだかろよぉ……?」

リュウ「……そうですね。こりゃ遊んでる暇はなさそうです」

ケン「まぁ、試合内容ぐらいは決めておかないとね……なぁ、ヤムチャっ……!?」

ヤムチャ「あっ、はいっ……! あの、サガットさん……新技教えて下さい……! それで、バイソンさん……明日、次の試合どうするか……決めましょう……」

バイソン「どうなるんだろうね、結果は……まぁ、勝ちパターンと負けパターンの二つ作ればいいか。ボツになった方も、どこかで使えるだろうしね……」

バルログ「……三連戦、どういう結果になるんでしょう」

19: 名無しさん 2015/09/02(水) 23:27:27 ID:pPdByLJc
リュウ「やっぱり、どっちかが三連勝かな……?」

サガット「……勝った軍団が勢いづく、と」

バイソン「シャドルーは、キャミィちゃんって秘策があるからね……一回ピンチになって……キャミィちゃんって引き抜いて、また勢力拡大って所じゃねぇのか……?」

キャミィ「……でも、私はまだ確定してませんよ? 今日も、インタビューで曖昧な答えでしたし」

バルログ「……その辺りは、さくらさんに任せてる感じですか?」

キャミィ「そうですね。ここからの女子部の動向は……さくらさんが頑張って考えて下さってます」

ダン「……それで、さくらはいつ来るんだよ? 遅ぇぞ、オイっ!」

ケン「……そりゃ、こんな状況なんですから。残業ですよ今日は」

ダン「我が、愛弟子さくらの姿がないとはどういう事だっ! 華がない、華がないっ! 今日は華がないぞ、おいっ!」


ヤムチャ「……そういや、さくらちゃん遅いね? 大変なのかな、やっぱり」

プーアル「……大変なんでしょうね。きっと」

40: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:01:06 ID:pF0ddNXI
ーーー


さくら「……あ~、こりゃ飲み会合流出来そうにないかな? メールだけしておきましょう」

ベガ「……そういや、さくら?」

さくら「……どうしたんですか?」

ベガ「私は……古いか……?」

さくら「……はぁ? どういう事ですか?」

ベガ「いや、今日な……ヤムチャ君から、入場曲変更の要望があってな……?」

さくら「ベガさんの趣味は……ちょっと、古いかもしれませんねぇ……? でも、ヤムチャさんもそんなに興味があるタイプじゃないですよ……?」

41: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:07:40 ID:pF0ddNXI
ベガ「ディージェイ君、いるだろ……? ホラ、彼……昔、音楽をやってた……」

さくら「あ~、はいはい……ディージェイさんは、いい曲作りますよ? 自分もこの前、聞きました」

ベガ「ディージェイ君がな……どうやら、ヤムチャ君に作ってあげたらしい……それで、こっちの曲にしたいと……ヤムチャ君から、私の方に要望あったんだよ……」

さくら「……ちょっと、聞かせてもらってもいいっすか?」

ベガ「……おう、いいぞ。そこだ」

さくら「え~っと……ウルフハリケーン……じゃあ、聞いてみます……ふんふん……」

ベガ「……どうだ?」

さくら「……まだ、イントロっすよ。ウッハ、ウッハしか言ってませんっ!」

42: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:13:17 ID:pF0ddNXI
さくら「うわぁ、何これ……凄~い、いい感じじゃないっすか!?」

ベガ「……やっぱり、そっちの方がいいのか?」

さくら「そりゃ、こっちの方がいいっすよっ! 今の曲より確実にいいっすっ!」

ベガ「じゃあ、それに変更するか……シャドルー侵略計画に合わせて……変更してきた……そういう体でいこう……」

さくら「……もう、ディージェイさんは、こっち一本でもいけますよ? 正直な話」

ベガ「……そんなに、いい曲なのか? それは」

さくら「ベガさん、やっぱり古いっすね……だって、わかってないですもん……この曲の良さを……」

43: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:20:23 ID:pF0ddNXI
ベガ「まぁ、音楽の世界では相当だったらしいからな……当然と言えば、当然の事か……」

さくら「ディージェイさんは、こっちは出来るのに……どうして本業の方はねぇ……?」

ベガ「……上手くストーリーに組み込めないものかなぁ?」

さくら「ストーリーって……?」

ベガ「ディージェイ君が、そこそこの実力を持っている所まで、持っていく……いわゆる、若手選手の壁になる……」

さくら「……今のディージェイさんには、無理でしょう」

ベガ「今は、無理だが将来的にだ……そしてディージェイ君に認められる試合をした人間は……ディージェイ君に、曲を作って貰えるんだ……古臭い私のセンスの曲から、凄くいい曲になる……」

さくら「……はぁ」

ベガ「そこから、そいつのプッシュが始まる……現在の対象では、フェイロン・ホーク……ユンとヤン……コーディとガイ辺りだな……」

47: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:33:00 ID:pF0ddNXI
さくら「その六人より……正直な所、ディージェイさんはねぇ……」

ベガ「……あ~っ、もう少しディージェイ君も上手く使っていきたい所だ」

さくら「ギャグ要員にしておくのは、勿体無いっすけど……現状のディージェイさんではねぇ……」

ベガ「……ディージェイ君の事は、保留だ。様子見だ」

さくら「様子見が結構、続いてますよ……?」

ベガ「プロレス以外の部分が、どんなに優れていようとも……プロレスが出来んのでは、ストーリーには組み込めん……後から入った、ヤムチャ君が出世していってるのはわかるだろ……危機感とか感じて貰いたいんだけどな……」

さくら「……結構ヤムチャさんって、特別な人っすよ? 多分、大当たりです」

49: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:44:31 ID:pF0ddNXI
そしてーー


ヤムチャ「結局、さくらちゃんが合流する事は……なかったじゃねぇか……なぁ、どうなってるんだよ、プーアル……おい……」

プーアル「……仕方ないですよ。きっと色々と忙しいんでしょう」

ヤムチャ「忙しいって、言ったってなぁ……まぁ、仕方ねぇか……」

プーアル「……寂しかったですか?」

ヤムチャ「だから、そういう意味で言ってるんじゃないよ……別に下心から言ってるんじゃないよ、これは……」

プーアル「……明日は、休日返上ですよ、ヤムチャ様?」

ヤムチャ「あぁ、わかってるよ。明日は休日返上して……サガットさん達と特訓だ。バイソンさんとのシングルも控えてるんだし……気合入れていかねぇとな!」

50: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:51:19 ID:pF0ddNXI
プーアル「新しい戦いが始まるのなら……新しい技を覚えてね……頑張りましょうっ!」

ヤムチャ「そうだな。皆も気合入ってるし……俺も気合入れねぇといけねぇなっ!」

プーアル「それに、ディージェイさんに新しい入場曲も頂きましたからねっ!」

ヤムチャ「次の試合ってさ……? 新入場曲と、新必殺技引っさげて、挑む一戦なんだぜ……? 本当、新しい戦いが始まるって感じじゃねぇか?」

プーアル「僕も次の試合は、勝って欲しいですけど……ここは、本人がいくら頑張っても、どうしようもないんですよね~?」

ヤムチャ「そうそうそうっ! そこは、ベガさんのサジ加減次第なんだよっ! 俺がどれだけ頑張っても……試合結果は、最初に言われちゃうからね?」

52: 名無しさん 2015/09/03(木) 22:58:05 ID:pF0ddNXI
ヤムチャ「でもさぁ……? 俺、わかったんだよ……」

プーアル「わかったって、何がですか……?」

ヤムチャ「今、俺とプーアルが感じてる……『勝ちたい』って気持ち……それは本物だ……次の試合、負ける結果になるかもしれねぇが……その次か、その次には……リベンジのチャンスが来るんだよ。だから、そこまで……この気持ちを切らずに、キープしておけって事だよっ!」

プーアル「最終的には、絶対正義が勝ちますもんね」

ヤムチャ「そう、その通りっ! 勝つまで、何度でも絶対に諦めないという、その気持ち……俺は、それを失ってたよっ!」

プーアル「……戻ってきましたか?」

ヤムチャ「どうせ俺には、結果は出せねぇ……そんな事ばかり考えるようになってたよ、俺は……今回は、違うぞっ! 勝つ時が来るまで……この気持ちをキープし続けてやるっ!」

プーアル「……ヤムチャ様、素晴らしいっ!」

ヤムチャ「リベンジのチャンスは必ず来るからね……ちょっとは、俺もプロレスわかってきたんじゃないかな……?」

54: 名無しさん 2015/09/03(木) 23:05:29 ID:pF0ddNXI
プーアル「でも、次のバイソンさんとの試合……『勝つ』って、可能性もちゃぁ~んと、あるんですからね……?」

ヤムチャ「……ん?」

プーアル「負けた時には、勝つまで頑張るって、気持ちを切らないようにしておく……それは、大切です……でも、勝てたらどうします? 次は何を目標にしますか……?」

ヤムチャ「そうだよな、うん……次の試合で勝てる可能性も、結構あるんじゃねぇかな……そうだよな、そうだよ……」

プーアル「……この前は、バイソンさんから勝ちましたしねぇ」

ヤムチャ「勝ったら、勝ったで……次の事も考えていかなきゃいけねぇだろ……? そうだよな、勝ったらどうしようかな……?」

プーアル「……なんだかんだで、負けてからの事しか、考えてませんでしたね」

ヤムチャ「やっぱりね……プロレス、難しいわ」

56: 名無しさん 2015/09/03(木) 23:12:55 ID:pF0ddNXI
翌日ーーー


ヤムチャ「おはようございま~す」

プーアル「皆さん、おはようございます!」

バイソン「おうっ! ヤムチャ君、おはようさんっ!」

バルログ「おはようございます」

サガット「おはよう。今日は、軽めにしておこう。明日控えてるからな……」

ヤムチャ「そうですね。あくまで、本題は明日の試合です……今日はその為の下準備って所ですからね……」

プーアル「リュウさんと……ケンさんは……まだ、来てないんですか……?」キョロキョロ

サガット「……その内、来るんじゃないかな? 今の所は来てない。まぁ、とにかく、始めようか」

57: 名無しさん 2015/09/03(木) 23:21:55 ID:pF0ddNXI
ヤムチャ「今日は新技……教えて貰えるんですよね……?」

サガット「そうだな、先に新技を教えてからの方が、試合を組み立てるバリエーションも増えるからな」

ヤムチャ「……今回は、どんな技を教えて貰えるんですか?」

サガット「先ず今回、教えるのはサブミッション……関節技だ……いつもは、六人や四人で試合をしているが……次の試合では、二人だ……」

ヤムチャ「あまり、早く早く試合を進めすぎると……最後に出す技なくなっちゃう事もあり得ますからねぇ……」

サガット「関節技なら、一分、二分……場合によっては、三分、四分……出来る……その間に、呼吸を整える事だって、出来る……」

ヤムチャ「……四分って、ちょっと長くないですか?」

サガット「そこでだ……今回は、応用の効きそうな技をチョイスした……」

ヤムチャ「関節技にも、応用とかあるんですか……」

サガット「ヤムチャ君のイメージだったら……サソリ固め……スコーピオン・デス・ロックなんかも、似合いそうだったんだがな……」

ヤムチャ「……それ、名前格好いいですね?」

サガット「だが、今回チョイスしたのは……『足4の字固め』だ……『フィギュアフォー・レッグロック』とも言う」

79: 名無しさん 2015/09/04(金) 22:03:22 ID:CvvkVWDs
ヤムチャ「4の字固め……聞いた事あるような気もしますんねぇ……」

サガット「これは結構有名な技だ、使い勝手もいいし……華もある……状況によっては、フィニッシュホールドにもなる技だ……」

ヤムチャ「フィニッシュホールドになるってのが、いいですね。試合のオチに今までとは違ったパターンを持って来れるって事になりますもんね……」

サガット「よし、早速教えようか……バルログ、バイソンっ……! リングに来てくれっ!」

バルログ「はい、わかりました」

バイソン「オーケー、オーケー、了解だ……」

ヤムチャ「あれ……? これ、どういった感じで、教えるんですか……?」

サガット「関節技はな、一歩間違えれば大怪我になってしまう……今日は、俺がやるのを、真似してみてくれ……一つずつ、順序を辿って教えていくからな……」

ヤムチャ「あっ、はーい」

80: 名無しさん 2015/09/04(金) 22:14:50 ID:CvvkVWDs
サガット「それじゃあ……バルログ、バイソン……寝てくれ……」

バルログ「了解です」ベタッ

バイソン「オーケー」ベタッ

サガット「先ず、この技は……仰向けに寝ている、仕掛ける技だ……」

ヤムチャ「……なんだかんだで、俺相手が倒れたら、また引き起こしてますからね。寝ている相手に、そのままいけるってのは、ありがたいですね」

サガット「寝てる相手の股ぐら……相手の右足と左足の間に、立とう……」

ヤムチャ「はいはいはい……ここですね……?」

サガット「そうすると、相手の右足が……自分の左側にあるだろう……? それを左手で抱えるように持つんだ……」ヒョイッ

ヤムチャ「これを小脇に抱えると……それじゃあ、バイソンさん、失礼しま~す」ヒョイッ

バイソン「はいなはいなっ!」

81: 名無しさん 2015/09/04(金) 22:20:21 ID:CvvkVWDs
サガット「相手の右足を掴んだまま……自分の右足で跨ぎつつ……そのまま相手に、背を向ける……」クルッ

ヤムチャ「一回、股から……左足を軸にして外に出る感じですね……こうですか……?」クルッ

サガット「そうだそうだ……今は、半回転して相手に背を向けているが……そのまま、もう半回転だ……足を持ったまま、また半回転……相手の正面を向こう……」クルッ

ヤムチャ「ようは、足を跨いで……一回転するって感じですね……よっと……」クルッ

サガット「一回転した事によって……相手の捉えた右足が、自分の左足の内側を通って巻きついているだろう……?」

ヤムチャ「はいはい。俺の左足にバイソンさんの右足が、巻きつくように引っかかてます」

サガット「丁度、相手の右足が『くの字』になってるだろう? これが数字の『4』の字の一画目に当たるんだ」

ヤムチャ「あ~、はいはいっ! 太腿部分が……『4』の字の斜めの部分で……丁度関節で折れ曲がって、脛の部分が……『4』の字の横の部分になるんですね?」

サガット「そうだそうだ」

84: 名無しさん 2015/09/04(金) 22:31:23 ID:CvvkVWDs
サガット「二画目……『4』の字の縦棒の部分だな……それは、相手の左足に当たるわけだ……」

ヤムチャ「はいはいはいはいっ……! 『くの字』に曲がった右足と……まっすぐの左足で……『4の字』ですっ! 『4の字』が出来てますよ!?」

サガット「曲げた相手の右足を……まっすぐ伸びている相手の左足の上に乗せる……」チョコン

ヤムチャ「これで完全な『4』ですね。もう、完成ですよっ!」

サガット「バルログ……お前は、もういい……後は、ヤムチャ君とバイソンに直接教える……」

バルログ「はいはい、わかりました……」

ヤムチャ「あれ……? これ、もう完成じゃないんですか……?」

サガット「まぁまぁ、慌てるな……慌てるな、ヤムチャ君……」

86: 名無しさん 2015/09/04(金) 22:40:54 ID:CvvkVWDs
サガット「今、ヤムチャ君は……バイソンの右足を……左足の関節部分……左膝の上に置いているだろう……?」

ヤムチャ「……そうっすけど?」

サガット「これはいわゆる……『完全に決まった』と言う状態だ……」

ヤムチャ「……完全に決まった?」

サガット「ヤムチャ君は、そのままバイソンの足を離さないでいてくれよ? 関節技とは、テコの原理で仕掛ける技だ……例えば、左足からはみ出たバイソンの右足……これを俺が少~し、上から押すだけで……」ググッ

バイソン「あ~だだだだっ! 痛い痛い痛いっ……! サガット、ダメっ……! それは無理っ……!」

サガット「バイソンは、たったこれだけの力で、こんなにも痛がってしまう……これを本気でやったら、どうなる……?」

ヤムチャ「そ、そりゃねぇ……」

サガット「一瞬でポキンだ……バイソンの足は折れ……暫く試合が出来ない状態になってしまう……」

87: 名無しさん 2015/09/04(金) 22:48:11 ID:CvvkVWDs
サガット「だからだ……相手の右足を左足の上に乗せる位置は、ここだ……」チョコン

ヤムチャ「あっ、一個分ぐらい下にするんですね……?」

サガット「脛の上……膝の下……ここなら、上から圧を加えても……」ググッ

バイソン「いででで……それでも、痛いもんは痛いんだけどね……?」

サガット「まぁ、痛がっているが……さっきよりかは、随分とマシだろう……?」

ヤムチャ「……なるほどなるほど。折ったらいけませんもんね。関節部分は避けると」

サガット「これが、『完全に決まっていない状態』……乗せる位置を関節部分に近づければ近づける程……『決まっている状態』に近づいていくというわけだ……」

ヤムチャ「……なるほどなるほど」

サガット「そして、これはあくまで、防御法の指導だ……もし、ヤムチャ君が『4の字固め』をかけられたら……こうやって、ダメージ軽減させましょうという指導だ……」

88: 名無しさん 2015/09/04(金) 22:53:30 ID:CvvkVWDs
バイソン「別にヤムチャ君がそこまで、気を使わなくても、俺は自分で足の位置をズラして、ダメージ軽減させるし……」

バルログ「相手がこの程度の防御法を知らない、初心者なら……そんな相手に本気を出す必要はありません……」

サガット「……そんな相手には、自分から手加減してやれ」

ヤムチャ「……なるほど」

サガット「……という事にしておこうか、今回は? ハハハ!」

ヤムチャ「……わかりました」

サガット「少し、脱線したな。さぁ、ここからだ……後は、左足からはみ出ているバイソンの右足を……上から、自分の右足で押し付けてみようか……自分自身もリングに寝そべって構わないぞ……?」

バイソン「……ゆっくりやれよっ! ゆっくりっ! まだ、加減わかってねぇんだからなっ!」

ヤムチャ「はい、じゃあ……仕掛けてみま~す。バイソンさん、いきますよ~?」ググッ

89: 名無しさん 2015/09/04(金) 23:01:34 ID:CvvkVWDs
バイソン「あだだだだっ……! 痛い痛い痛いっ……!」

サガット「……これが、『足4の字固め』というわけだ」

ヤムチャ「おおっ、新技『足4の字固め』マスターしたぜっ!」

サガット「これなら、ジワリジワリと痛めつける技だから……試合展開を進めずに、試合時間を伸ばす事が出来る……」

ヤムチャ「そうですね。ここから、バイソンさんがロープブレイクするまで……一分、二分ぐらいは稼げるんじゃないですかね……?」

サガット「……稼ぐ方法はそれだけじゃないぞ? ヤムチャ君?」ニヤリ

バイソン「へへへ……じゃあ、ヤムチャ君……身を持って、味わいな……」コロンッ

ヤムチャ「……んっ? なんだ?」コロンッ

92: 名無しさん 2015/09/04(金) 23:09:51 ID:CvvkVWDs
バイソン「オラァっ! くたばれヤムチャっ! この野郎っ!」

ヤムチャ「……あたたたっ! 痛い痛い痛いっ! なんだなんだなんだっ!?」

プーアル「……あれ(ヤムチャ様が、痛がってません? これ?」

サガット「『足4の字固め』というのは、反転して裏返しの体勢になると……仕掛けた方がダメージを喰らってしまう技なんだ……」

ヤムチャ「俺の足が巻き込まれてるってっ……! 痛い痛い痛いっ……! なんだ、この技っ!? 欠陥品じゃねぇかっ!?」

バルログ「大丈夫ですよ、ヤムチャ君……またひっくり返れば、痛みはなくなりますし……ダメージを喰らうのはバイソンです……ほら、頑張ってっ!」

ヤムチャ「ひっくり返ればいいの……!? ひっくり返れば、痛くなくなるのっ……!? よしよしよしっ……! だったら……ふぬぬぬっ……!」

バイソン「おっ……おっ……おぉ~っと……」

ヤムチャ「……うるあぁっ!」コロンッ

93: 名無しさん 2015/09/04(金) 23:15:28 ID:CvvkVWDs
バイソン「あたたたたっ……! 今度は俺が痛いっ……! 俺が痛いっ……!」

ヤムチャ「はぁっ……はぁっ……なんだ、この技……」

サガット「ただ、一方的にダメージを与えるのではなく、一瞬にして攻守を切り替え……そういった攻防にも使えるワケだ……」

バイソン「よっしゃっ! もう一回、いきましょうかね……? 右回転かな……?」ググッ

ヤムチャ「いやいやいやっ……! ダメダメダメっ……! もうダメ……もうダメですよ、バイソンさんっ……!」ググッ

サガット「このように、攻撃を仕掛けつつも……攻守切り替えの攻防を見せる事も出来る……」

プーアル「……なる程、今はバイソンさんが、ひっくり返っての反撃を狙ってますね。仕掛けてるはずのヤムチャ様がピンチです」

バイソン「……だったら、左回転だっ! うおおおぉぉっ!」ググッ

ヤムチャ「……ダメですって、バイソンさんっ! ダメですっ!」ググッ

94: 名無しさん 2015/09/04(金) 23:20:58 ID:CvvkVWDs
サガット「ひっくり返る……ひっくり返らない……攻防で出来るのはそれだけではない……ヤムチャ君、この技は下半身を使って仕掛ける技だ……上半身は自由に動くだろう……」

ヤムチャ「手は自由に動きますよ……?」

サガット「だったら、自由に動く手で……バイソンを張って、動きを止めてやれっ!」

ヤムチャ「……えっ? いいんですか?」

バイソン「でも、俺も手は自由に動くぜ……? まぁ、張ってみなよ……? カマンカマーン……」クイクイ

ヤムチャ「え~っと、それじゃあ……おりゃ……」ペシッ

バイソン「痛ぇな、この野郎っ……! 倍返しだっ! オラッ!」ビシッ

ヤムチャ「……痛っ! 俺、そこまで強くやってませんよ?」

サガット「このように、互いが上体を起こして、技を仕掛けつつの殴り合いだって出来たりするワケだな」

95: 名無しさん 2015/09/04(金) 23:26:46 ID:CvvkVWDs
サガット「試合がまだ盛り上がっていない序盤なんかには、グラウンドでモゾモゾやっていれば、盛り下がる事もあるからな……フリーな上半身を使って、盛り上げていこう……」

ヤムチャ「なるほど……関節技を仕掛けつつ……殴り合いも出来ると……」

サガット「試合が終盤なら……上半身は、アピールに使ってもいいな?」

ヤムチャ「これで決めるぜっ! みたいに、腕を突き上げるんですね?」

サガット「それもいいし、上体を倒すと同時にマットの叩くのも効果的だぞ?」

ヤムチャ「え~っと……マット叩くって……」

サガット「受け身と同じだ……上体を倒しつつ、両手でマットをバチーンとな」

ヤムチャ「じゃあ、やってみます……よいしょっとっ!」バチーンッ

バイソン「……うぐああぁぁっ!」

97: 名無しさん 2015/09/04(金) 23:32:39 ID:CvvkVWDs
プーアル「わぁ、凄い凄いっ! 迫力が出ましたよっ!」

サガット「『足4の字固め』は技を仕掛けつつ、アピールも出来る……反撃される事も出来る……攻防も出来る……そういった、素晴らしい技だ……」

ヤムチャ「なるほどねぇ……技を仕掛けつつ……場内の状況によっては、フリーな上半身で、何かプラスαしていけって事ですね」

サガット「その通りだ」


リュウ「う~っす。おはよう」

ケン「なんだ、俺達が最後かよ……んっ、なんだヤムチャ……足4の字固めか……?」

ヤムチャ「あっ、リュウさん、ケンさん、おはようございますっ! そうです、足4の字固め教わってましたっ!」

サガット「これで、全員集合だな……ここからは、明日に向けてのミーティングだ」

133: 名無しさん 2015/09/07(月) 21:59:44 ID:9F/kwyYg
ケン「ところでお前ら、アレ見た……?」

サガット「アレ……? なんだ、アレって……?」

ケン「PVだよ、PV……ほら、昨日インタビューしただろ?」

バイソン「あぁ、そういや……もう出来てるのか……?」

リュウ「もう、出来てるみたいだぞ。カードも発表されてる」

バルログ「どんな感じに仕上がったんでしょうかねぇ……?」

134: 名無しさん 2015/09/07(月) 22:02:46 ID:9F/kwyYg
ヤムチャ「プーアル、何か見れる方法ないの……? 俺も、見てみたい」

プーアル「……え~っと、どうしましょう」

バルログ「……携帯からとかでも見れます?」

ケン「見れねぇ事はねぇけど……画面、小さいだろ……?」

バイソン「だったら、ここはバイソン様の出番だな、ちょっと俺の鞄にiPad入ってるからさ……? それ出してくれない……?」

プーアル「……あっ、はいっ! バイソンさん、わかりましたっ!」

リュウ「……似合わねぇなぁ。お前、iPadとか持ってるのかよ」

バイソン「バイソンちゃんはねぇ……流行を取り入れていくスタイルなの……」

プーアル「バイソンさん、これですね? はい、どうぞっ!」ヒョイッ

バイソン「よ~し、これなら皆で見れるじゃねぇか……おい、ヤムチャ君、4の字外してくれよ……まさか、このままの体制で見るってワケじゃねぇよなぁ……?」

ヤムチャ「あっ、はいっ……! わかりましたっ……! 俺にも、見せて下さいよ」サッ

135: 名無しさん 2015/09/07(月) 22:05:35 ID:9F/kwyYg
サガット「……俺にも、見せてくれ」ヒョイッ

バルログ「……サガット、邪魔です。貴方は大柄なんですから」ググッ

ヤムチャ「……どんな感じになってるんでしょうねぇ?」

バイソン「まぁまぁ、そう急かすな……今、準備してますから……」


ケン「リングで大の男達が一つの画面眺めて……なぁ~に、やってんだ……家で見ろ、家で……」

リュウ「……全くだ」


バイソン「おうおうおう、なんか新しいのが増えてるぞ……? トップ画面から見れるみたいだな……? よ~し、それじゃあ早速……スタートっとっ!」

151: 名無しさん 2015/09/08(火) 22:02:27 ID:a9iKzcuE
ーーー


サガット「……ほ~う」

バルログ「へぇ~、あのヴァイパーさんって人……なかなかやりますねぇ……」

バイソン「おいおいおい、これバイソンちゃん、結構イケメンに見えるんじゃねぇか……? イケメンだよなぁ……? 格好良く見えてるんじゃねぇのっ!?」

プーアル「これなら、明日も盛り上がりそうですね! ねっ、ヤムチャ様っ!」

ヤムチャ「……」

プーアル「……ヤムチャ様? 聞いてるんますか?」

ヤムチャ「……おい、プーアル」

プーアル「……どうしたんですか?」

ヤムチャ「俺のインタビューさぁ……めちゃくちゃカットされてるぞ、おい……」

プーアル「……はぁ?」

152: 名無しさん 2015/09/08(火) 22:10:13 ID:a9iKzcuE
ヤムチャ「俺、もっと喋ったじゃねぇかっ! あのインタビューでっ! 何回もやり直してさ……何回も撮り直してさっ……!?」

バイソン「……あ~、ありゃ長かったな」

バルログ「……ヴァイパーさんも、困ってましたねぇ」

ヤムチャ「今の映像、見たろ……? 俺『結構馬鹿にされてるみたいですね。でもそう簡単にはいきません。俺も力になってなりますよ』しか言ってないじゃんっ!」

プーアル「……いい感じに仕上がってるじゃないですか。何が不満なんですよ?」

ヤムチャ「いや、不満じゃないけどさ……? 他の台詞だよ、他の台詞……俺、他にもいっぱい言ったんじゃないかなぁ……? それ、何処行ったのかなぁ?」

バイソン「……まぁ、いわゆる『お蔵入り』と言う奴だな」

バルログ「……『編集』とも言います」

サガット「インタビュー全てがカットされたワケじゃないんだ……気にする事はない……」

153: 名無しさん 2015/09/08(火) 22:22:30 ID:a9iKzcuE
ケン「まぁ、簡潔に済ませねぇお前が悪いんだ。俺も家で見てて、あれだけ撮り直したのにこれだけかよ……なんて、お前のシーン見て笑っちまったよ」

ヤムチャ「……なんか、ショックです」

リュウ「……俺も、結構カットされてるからな。ヤムチャの事は笑えないな」

ヤムチャ「あぁ、リュウさんもインタビュー受けてた時より……この映像は、量少なかったですね……」

リュウ「ザンギエフ関連の事が……全部なくなってるんじゃないかな……? つまり、そこは俺が上手く纏められなかったって事なんだろな……」

サガット「……今回は、空手軍団対シャドルーなんだ。ザンギエフさんの事はいいだろう?」

リュウ「そうだな。ヤムチャ……あまり気にしすぎるのは、よくないけど……お前、マイク苦手なんだろ……?」

ヤムチャ「あっ、はい……」

リュウ「……下手糞だったら、こうなるんだよ。わかったか?」

ヤムチャ「……精進します」

154: 名無しさん 2015/09/08(火) 22:28:16 ID:a9iKzcuE
バルログ「……意外とロレント君が、マイク上手かったですよね?」

ケン「……吹っ切れやがったよなぁ、本当に」

バイソン「タッグにゃ、ヒールがいなかったからな……こりゃもう、ヒールポジション安泰ですよ」

サガット「……彼らのプッシュが始まるのかな? どうなんだろ?」

リュウ「俺達だけじゃなく、タッグの方も手をかけ始めてるな……それと女子部も……」

ケン「……キャミィちゃんのインタビューは短かったな? やっぱり、アレは上手く言えなかったのかね?」

バイソン「上手く言えなかったってワケじゃないけど……アレは最初から、あの台詞だけだった……」

ケン「……なんで、お前が知ってんだ?」

バイソン「俺とヤムチャ君はねぇ、キャミィちゃんのインタビュー、見学してたんだよ」

155: 名無しさん 2015/09/08(火) 22:37:40 ID:a9iKzcuE
ヤムチャ「アレも、俺と同じぐらい時間がかかってましたね……」

ケン「……一言だろ?」

バイソン「いやぁ~、何回も何回も撮り直しさせられてたんだよ……見ててキャミィちゃんも、可哀想だったぜ……?」

ケン「……一言なのに!?」

バイソン「はい。一言なのに……です……」

ケン「キャミィちゃんも可哀想だねぇ……」

バイソン「まぁまぁ、キャミィちゃんもな……練習していけばいいんだよ……練習、練習……」

リュウ「明日は、全部で7試合だが……カードを見る限り……」

サガット「……俺達の三連戦がメインだな」

156: 名無しさん 2015/09/08(火) 22:42:44 ID:a9iKzcuE
サガット「まぁ、いいものが見れた……これで、より一層明日に向けて、気合が入るというものだ……」

リュウ「そうだな」

サガット「メインは、俺とお前だ……」

リュウ「お前とメインか……ザンギエフを越える物……作っていかないと、いけないな……」

サガット「……今日は、とことん付き合ってもらうぞ、リュウ」

リュウ「明日に向けて……下準備でもしておきますかっ……! よし、そろそろ始めるかっ!」


バルログ「……何気に、シングルでの数は多いんですよね? どうします?」

ケン「カードは出てるけど、結果は当然わかんねぇからね……まぁ、中盤ぐらいまでは作れるでしょう。今日はガッツリしておきましょう」

バルログ「そうですね」

159: 名無しさん 2015/09/08(火) 22:53:20 ID:a9iKzcuE
バイソン「そろそろ、お喋りタイムも終了か……よし、じゃあプーアル君悪いけど、このiPad片付けておいてくれ」ヒョイ

プーアル「はいはい、わかりました~」

バイソン「よ~しっ! ヤムチャ君は、俺と特訓だっ!」

ヤムチャ「あっ、はいっ! わかりましたっ! 特訓って、何するんですかね?」

バイソン「さっき習った4の字固めを、どういう風に有効利用していくか……それが課題だな……さっきの映像見ただろ……? あれだけ煽られてんだ。失敗は許されねぇ……」

ヤムチャ「そうですね。ぶっつけ本番よりも……ここで、予習とかしていた方がいいですね」

バイソン「それと、激しいシングルのやり方……そいつを練習していきましょう」

ヤムチャ「うっす、わかりましたっ! 俺達が頭ですもんねっ! ド派手なシングル、見せてやりましょうっ!」

160: 名無しさん 2015/09/08(火) 23:00:42 ID:a9iKzcuE
そしてーー


サガット「……うおおおっ!」ドシーンッ

リュウ「……くっ!」


バルログ「ヒャオっ! ヒャオっ!」シュシュッ

ケン「……くっ、くっ!」


ヤムチャ「右足取りつつ……そのまま、半回転と……」クルッ

バイソン「……は~い、その体制で一旦ストップっ!」

ヤムチャ「ねぇねぇ、バイソンさん……?」

バイソン「……どうした?」

161: 名無しさん 2015/09/08(火) 23:07:25 ID:a9iKzcuE
リュウ「……ふんぬっ!」ググッ

サガット「……お~う、その受け身いいな。綺麗だ綺麗」


ケン「……で、ここで俺が反撃にいくと」ガスガス

バルログ「そうです……はいっ……!」


ヤムチャ「……皆、ドタバタやってるのに、俺達だけこんな地味な感じでいいんですかね? 明日、間に合いますか?」

バイソン「間に合わせる為に、地道にコツコツやってんでしょうがっ! 他所は他所、うちはうちですっ!」

ヤムチャ「……あっ、はい」

バイソン「……続けるぞ、いいか?」

162: 名無しさん 2015/09/08(火) 23:11:45 ID:a9iKzcuE
バイソン「足4の字固めで、俺の右足を取りつつ、反転して……今、俺に背を向けてんだろ……?」

ヤムチャ「はい。言われた通りに止まってますよ?」

バイソン「それで、俺がここで……空いてる左足で……ヤムチャ君のケツを押し出すように……蹴るとっ……!」ググッ

ヤムチャ「う、うおっとっとっと……!」ヨロッ

バイソン「なっ……? バランス崩れて手を離しちまうだろ……? これが、足4の字固めの脱出法ってワケだ……」

ヤムチャ「……あ~、はいはい。なるほど」

バイソン「この関節技には、こういう返し方がある……なんてのも、結構あるからな……? 足4の字固めみたいな有名な技なら、対処法だって結構作られてる。そういうのも学んでいかなければ、いけねぇ」

ヤムチャ「……他にも、脱出法があったりするんですか?」

バイソン「俺は使わねぇけど、スクールボーイで丸め込む……なんて方法もあるぜ……? やってやろうか……?」

ヤムチャ「あっ、はいっ! じゃあ、それもお願いしますっ!」

164: 名無しさん 2015/09/08(火) 23:20:49 ID:a9iKzcuE
さくら「お疲れ様っすっ! ちょ~っと、ドタバタしすぎじゃないっすかね? 明日は大一番っすよっ!」


ヤムチャ「あっ、さくらちゃんっ!」

プーアル「あっ、さくらさん、お疲れ様ですっ!」


さくら「皆さん揃ってるようなので、手を止めてもらって見てもらいたい物があるんすけど……ちょっと、いいですかね?」

ヤムチャ「……見てもらい物って、何?」

さくら「……昨日、ヴァイパーさんにインタビュー受けて、PV作るって話あったじゃないですか? それが出来たんで見て貰いたいっす」

ヤムチャ「……あっ、それ皆で見たよ?」

さくら「ありゃ……? もう、皆さん見て下さったんですか……? じゃあ、話が早い……」

168: 名無しさん 2015/09/08(火) 23:25:02 ID:a9iKzcuE
さくら「試合結果の報告といいますかね……? 指示をお伝えしようという事っす」

サガット「……試合結果がわかってるとこっちも作りやすいからな。有り難い」

リュウ「……どうすればいいんだ?」

さくら「リュウさんと、サガットさんの結果は……」

サガット「……」

リュウ「……」

さくら「……です」

サガット「……なる程」

リュウ「……了解」

172: 名無しさん 2015/09/08(火) 23:28:49 ID:a9iKzcuE
さくら「ケンさんのバルログさんの、結果は……です」

バルログ「はいはいはい」

ケン「うんうん」

さくら「それで、ヤムチャさんとバイソンさんの結果は……です」

バイソン「なるほど。そうするんだな」

ヤムチャ「うん、わかった」

さくら「試合時間はそれぞれ……です」

176: 名無しさん 2015/09/08(火) 23:32:56 ID:a9iKzcuE
さくら「明日、成功するかしないかで、これから先が決まります。皆さん、どうか、よろしくお願いしますっ!」

サガット「……今日は、ガッツリ合わせようか? なっ、リュウっ?」

リュウ「……任せておけ」

ケン「よし、続けるか……バルログっ……!」

バルログ「試合結果もわかった事だし……はい、やりましょうか!」

さくら「あ~、あ~っ! あまり激しい事はダメっすよっ……! 今日は流す程度で……流す程度でお願いしますっ!」


ヤムチャ「よし、バイソンさん……じゃあ、俺達も……」

バイソン「……ヤムチャ君は、先ず足4の字固めの脱出法だ。そこからだ」

ヤムチャ「あっ、それ続いてたんですね……?」


さくら「今日は、こういう地味なヤツが理想っすっ! 地味なヤツがっ! 別に動き回る必要はないっすよっ!」

223: 名無しさん 2015/09/10(木) 22:01:35 ID:4LzN3Cuo
そしてーー


ヤムチャ「なんだかんだで、今日は一日だったんじゃねぇか!? なぁ、プーアル!?」

プーアル「そうですね。皆さんが集合して合同練習……こんな機会は初めてでしたからね」

ヤムチャ「これで、後は明日を待つだけだ……なっ……?」

プーアル「後はゆっくり、明日に備えて休みましょう……」


さくら「あっ、ヤムチャさん……? 終わったんすか? お疲れ様っすっ!」


ヤムチャ「おっ、さくらちゃん……? ついさっき、終わったよ? お疲れ様っ! さくらちゃんも、お仕事終わったの……?」

さくら「こっちも終わりましたよ。昨日、残業させられましたからね……」

ヤムチャ「そうだよ、昨日飲み会来れなかったじゃん、さくらちゃん……ダンさんが華がないなんて嘆いてたよ?」

さくら「アハハ、そうっすよね。あの濃い面子の中にキャミィさん一人だけっすもんね? 凄い濃い飲み会の絵っすよ」

225: 名無しさん 2015/09/10(木) 22:16:21 ID:4LzN3Cuo
さくら「今日も皆さんで、飲みに行くんっすか……?」

ヤムチャ「あっ、今日はねぇ……明日に備えてって事で、そのまま解散ですよ」

さくら「あら、そうっすか」

ヤムチャ「……飲みに行く?」

さくら「……ん?」

ヤムチャ「いや、だから……もし、この後空いてるんだったら……二人で、飲みに行こうよ?」

さくら「あら、今回はスマートなお誘い」

ヤムチャ「ナハハ、今回はスマートでしょ? 俺、出すよ……飲みに行こうよ?」

さくら「……いやいや、割り勘でいいっすよ」

226: 名無しさん 2015/09/10(木) 22:27:34 ID:4LzN3Cuo
ヤムチャ「いやいや、誘ったのは俺なんだから、俺が出すよ……そこは、出させてよ……」

さくら「ヤムチャさん、残念ながらねぇ。自分はヤムチャさんの、お給料……知ってる身分なんっすよね……?」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「ヤムチャさん……気を使わなくて大丈夫っす……ねっ? 割り勘で大丈夫っす……なんなら、自分が六割出してもいいっすよ……?」

ヤムチャ「おい、プーアル……これ、俺……さくらちゃんに稼ぎで負けてるって事か……?」

プーアル「……まぁ、ヤムチャ様は平ですからね。あっ、でも決して悪いお給料ではありませんよ?」

ヤムチャ「……うわ、なんだよオイ。すっげぇ、ショック」

さくら「ヤムチャさんは入団したてっすからね……でも、次は絶対アップしますよ! 大幅アップ間違いなしっすっ!」

228: 名無しさん 2015/09/10(木) 22:36:15 ID:4LzN3Cuo
ヤムチャ「いいのかね……? ザンギエフさんがいなくなって……ピンチなんじゃないの……? そんな俺の給料アップなんて、約束しちゃってさ……?」

さくら「でも、その分ヤムチャさんには責任あるポジションについてもらってるでしょ? ほら、明日の試合だって……」

ヤムチャ「まぁ、そうだけどね。うん」

さくら「とりあえず、今日の所は割り勘で大丈夫っすよ。それに、こっちも丁度ヤムチャさんに相談事がありましたから……」

ヤムチャ「えっ……? 相談事って、何……? 俺で大丈夫……? サガットさんとかさぁ……まだ、探したら残ってるんじゃ……」

さくら「う~ん、下手に色々知ってるサガットさんとかよりも……まぁ、ヤムチャさんの方がいいかなぁ~、なんて思いましてね……?」

ヤムチャ「あぁ、はい……わかりました……」

さくら「……それじゃあ、行きましょうか? ねっ?」

ヤムチャ「……はい」

229: 名無しさん 2015/09/10(木) 22:44:02 ID:4LzN3Cuo
BARーー


さくら「……なんで、BARなんすか?」

ヤムチャ「お洒落でいいじゃん」

さくら「まぁ、そうっすけどね」

ヤムチャ「とりあえず、中ジョッキでお願いします。中ジョッキで」

さくら「……結局、ビール頼んでるじゃないっすか?」

ヤムチャ「さくらちゃんは好きなの頼んでいいよ……? ジントニックがいいのかな……? モスコミュールがいいのかな……?」

さくら「……じゃあ、ハイボールお願いします」

ヤムチャ「やっぱり、女の子はお洒落っ! そうだよ、こういう所ではハイボールとかを……ハイボールっ!?」

さくら「……ハイボールお願いします」

ヤムチャ「いやいや、もっとお洒落なの頼んでいいんだよ……? ほらほら、グラスワインとか……あるよ……?」

さくら「それとね……このミックスナッツってのを……二人前お願いします……」

ヤムチャ「ナッツなのっ……!? チーズとかさぁ……? ピザとかあるよ……? ほらほら、カルパッチョなんかも……!?」

さくら「あっ、ミックスナッツでお願いします……は~い……」

232: 名無しさん 2015/09/10(木) 22:53:54 ID:4LzN3Cuo
ヤムチャ「……これじゃあ、居酒屋でいいじゃねぇかっ!?」

さくら「だ~から、言ったじゃないっすか、も~う……」

ヤムチャ「おっかしいな……おっかしいなぁ……なんかBARっぽくないぞ……なんでだ……」

さくら「……ヤムチャさんって、普段こういう所で、遊んでるんっすか?」

ヤムチャ「ナッハッハッハ。何を言ってるのやら……」

さくら「……前は、山籠もりばかりしてたって言ってませんでした?」

ヤムチャ「ナッハッハッハ。何の事やら、何の事やら……」

さくら「……あっ、はぐらかされた」

ヤムチャ「おぉ~っと、おっと……ドリンクが来たみたいだな……飲もうよ飲もうよ……そして二杯目は、もっとお洒落なのを頼もう……」

さくら「……まぁまぁ、構わないっすけどね、うん」

237: 名無しさん 2015/09/10(木) 23:04:24 ID:4LzN3Cuo
ヤムチャ「それで……? え~、相談事って……何よ……?」

さくら「あっ、もう本題っすか……?」

ヤムチャ「早かったかな……? じゃあ、もっとお喋りする……?」

さくら「お喋りって……! なんっすか、それ……!?」

ヤムチャ「何か、話題振ってくれればさぁ……? 俺、頑張って盛り上げるよっ!」

さくら「……ここのお勧めの、ドリンクは?」

ヤムチャ「……わかんねぇ」

さくら「……ここのお勧めの、メニューは?」

ヤムチャ「……わっかんねぇ」

さくら「……この人との話は、盛り上がらないなぁ!」クスクス

ヤムチャ「えっ? 俺、結構盛り上がってるよ? いい感じじゃん? 今、凄くいい感じじゃない?」ケラケラ

238: 名無しさん 2015/09/10(木) 23:13:32 ID:4LzN3Cuo
さくら「もう、いいっす。本題行きましょう。本題……」クスクス

ヤムチャ「はいはい。どうぞ~」

さくら「う~ん、そうだなぁ……ヤムチャさんってね……?」

ヤムチャ「……うん」

さくら「女の人の裸とか……そういうセクシー路線みたいなの、興味あります……?」

ヤムチャ「……ん、どういう事?」

さくら「じゃあ、例えば……試合で、自分が負けて……その結果、脱ぐ……みたいな事になったら、どう思います?」

ヤムチャ「……なんで、脱ぐの?」

さくら「だから、そういう風になったら……って、話っす」

ヤムチャ「……ビックリするよ。そんなの」

239: 名無しさん 2015/09/10(木) 23:20:26 ID:4LzN3Cuo
さくら「も~うっ……! この人は当てにならないなぁ……!」クスクス

ヤムチャ「違うよ、違うよ……? なんだなんだ……? 俺には、さくらちゃんが何を言ってるのかが、わからないんだよ……脱ぐとか、脱がないとかって……何……? 何の話……?」

さくら「……あ~、はい。すいません」

ヤムチャ「……胸の大きさ、気にしてるの?」

さくら「……バーカ」

ヤムチャ「違うでしょ? ねっ? いきなり、そんな事言われてもわっかんねぇよ……? 何かあったの……? 昨日と今日で……ねぇ……?」

さくら「……まぁ、あったって言えばあったんすけどね」

ヤムチャ「それを、説明してよ……? ねっ……?」

さくら「……はい」

ヤムチャ「俺、ちゃんと聞くからさぁ……? 相談事なら、ちゃんと聞くよ……俺……」

240: 名無しさん 2015/09/10(木) 23:26:00 ID:4LzN3Cuo
さくら「今日、明日に向けて……ヤムチャさん達の合同練習あったじゃないっすか……?」

ヤムチャ「はいはい。今日はね、いい一日でしたよ」

さくら「……明日の一戦に向けて、皆一丸となってやってるじゃないっすか? 明日はそういう日っすからね?」

ヤムチャ「そうだね。PVってヤツでも、凄くメインになってたね」

さくら「明日は、ヤムチャさん達がああいう感じでメインになりますけど……アレを女子部やったらどうなるか……って話なんですよ?」

ヤムチャ「あっ、そういう日が来るんだ?」

さくら「いや、まぁ……来たら……の、話です」

ヤムチャ「あっ、はい」

241: 名無しさん 2015/09/10(木) 23:31:47 ID:4LzN3Cuo
さくら「サガットさん、バルログさん、バイソンさん……リュウさん、ケンさん、それにヤムチャさん……ウチの団体のトップ格六人が、勢揃いでやってるじゃないですか?」

ヤムチャ「自分の事、トップ格って言うのは照れ臭い部分があるけど……まぁ、そうだね……」

さくら「それが、女子部の場合だったら……キャミィさんと、ローズさんと、かりんと……自分……これだけなワケっすね……?」

ヤムチャ「……はいはい」

さくら「人数も少ないし……やっぱり、人気の方もヤムチャさん達には格落ちする……」

ヤムチャ「……う~ん」

さくら「……どう考えても、女子部では明日みたいな事、出来ないっすよねぇ?」

ヤムチャ「……さくらちゃんは、もう明日の次の事、考えてるんだね」

さくら「……まぁね」

242: 名無しさん 2015/09/10(木) 23:35:35 ID:4LzN3Cuo
さくら「それで、やっぱり……そういう事するには……さっき言った、お色気路線みたいなのも入れていかなきゃいけないのかな……? って、思ったんすよ……」

ヤムチャ「その……負けたら、罰ゲームで脱いじゃう……みたいな事……?」

さくら「罰ゲームってワケじゃないっすけどね……まぁまぁ、理由をつけてビリビリと……」

ヤムチャ「え~、それはでもさぁ……? キャミィさんとか、ローズさんとか、かりんさんからしたら、どうなの……?」

さくら「それは、だから……そっちに押し付けずに……そういう事やるなら、自分が脱ぎますよ……」

ヤムチャ「……さくらちゃんが、脱ぐの?」

さくら「……やるなら、自分しかいないでしょ?」

ヤムチャ「ダメダメダメダメっ! そんなの絶対ダメダメっ! さくらちゃん、自分を大切にしなさいっ!」

287: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:01:52 ID:yJgIeXZw
さくら「……ヤムチャさんは、反対と」

ヤムチャ「反対って言うか……まぁ、盛り上がるって言えば盛り上がるけど……絶対、ダメだね。目に見えてわかるよ」

さくら「……なんで、わかるんすか?」

ヤムチャ「昔、いたんだよ……そういう奴が……天下一武道会でさ……?」

さくら「……天下一武道会に、そんな人がいたんっすか?」

ヤムチャ「お色気作戦とか言ってさ……? こう、服を脱いでね……相手が油断してる隙に、攻撃するっ……! みたいな女の人がいたんだよ?」

さくら「……予選っすか?」

ヤムチャ「いやっ……! 本戦まで出てたのっ! 本戦まで、辿りついちゃったの、その人っ!」

さくら「……へ~、じゃあ凄い人じゃないっすか」

290: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:09:59 ID:yJgIeXZw
ヤムチャ「その人は、本戦まで出れたから、大勢の人達の前で……服脱いで……お色気作戦を使ったんだよ?」

さくら「……どうなったんすか?」

ヤムチャ「まぁ、盛り上がった事は盛り上がったんじゃないかな……? でも、結局その試合では負けちゃってね……一回戦敗退だよ……ナハハ、俺と同じだ」

さくら「盛り上がる事は盛り上がるんっすね……それなら……」

ヤムチャ「でも、俺はその時……客席にいて、見てたからね……わかるんだけど……」

さくら「……あぁ、はい」

ヤムチャ「そういうので盛り上がってるのって、助平なおじさんばかりだよ……? 俺の所の師匠も……あの人、助平だから盛り上がってたと思うけど……結構、ポカーンとしてる人もいたよ……」

294: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:18:43 ID:yJgIeXZw
ヤムチャ「そもそもさぁ……? 本戦まで、出たんだよ……? 女の人なのに……普通にやればいいんだよ……」

さくら「……まぁ、そうっすねぇ」

ヤムチャ「普通に戦って……それで負けても……『女の人なのにここまで来るなんて凄いよ!』なんて、言ってもらえたんじゃないかな……? でも、結局……脱いで……負けて……だよ……?」

さくら「……話聞く限りでは、色モンですねぇ」

ヤムチャ「そりゃ、さくらちゃんが脱いだら、ワッって盛り上がるよ。絶対、盛り上がるよ、うん」

さくら「……はい」

ヤムチャ「でも、それって男のサガと言うかね……そういう感じで盛り上がる事であってさぁ……?」

さくら「……そうっすよねぇ」

ヤムチャ「盛り上げました! 女って、凄いでしょ!? 強いでしょ!? なんて、言われても……それは絶対、違うよ」

297: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:31:52 ID:yJgIeXZw
ヤムチャ「……そんな事しなくてもさぁ? 普通にしてれば、いいんだよ。普通にしてれば」

さくら「……普通っすか」

ヤムチャ「だってねぇ……俺、まだまださくらちゃん達に負けてるなぁ、って思う部分も沢山あるんだもん」

さくら「……はぁ」

ヤムチャ「俺ねぇ、昨日……飲み会で話したんだけど、新技作ったんだよ。新技を一つね……?」

さくら「……おっ、新技? なんすか?」

ヤムチャ「それがねぇ……俺の中では、新技だったんだけど……どうやら、既存の技だったらしくてねぇ……それ『パワースラム』だね。な~んて、皆に言われたよ」

さくら「ありゃりゃ」クスクス

ヤムチャ「俺、凄いショックだったよ。『ウルフ・スラム』なんて名前もつけてたんだからね!?」

さくら「アハハ、今回のネーミングはいいっすね」

300: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:42:34 ID:yJgIeXZw
ヤムチャ「それで、よくよく聞けば……この技って、ローズさんも使えるんでしょ……?」

さくら「使えますよ」

ヤムチャ「俺がさぁ……? 必死こいて、辿り着いた道を……ローズさんは、もうとっくに通過してたんだよ……」

さくら「ローズさんはねぇ……まぁ、長いっすから」

ヤムチャ「今日もね、新技の足4の字固めを教わってたんだけど……足4の字固め固めって、有名な技だから、対策も結構あるんでしょ……?」

さくら「そうっすね。蹴ったり……丸め込んだり……」

ヤムチャ「それも、合わせてバイソンさんに教えてもらってたんだけどさぁ……? その対策使える人は……女子部にどれくらいいるの……?」

さくら「……スクールガールは、皆使えますよ?」

ヤムチャ「ほら……俺が、必死に覚えた足4の字固め……もう、皆に対策取られてるじゃない……?」

301: 名無しさん 2015/09/11(金) 23:02:00 ID:yJgIeXZw
ヤムチャ「皆、俺より凄いじゃない? 男、女の違いはあるかもしれないけどさぁ……? 俺より、技術では前に進んでるじゃない……?」

さくら「……アハハ」

ヤムチャ「それをね……人気がちょっと負けてるから……女だから……脱いじゃおうかな……? なんて、方法は見たくないね……やっぱり、技術で凄い所が見たいよ」

さくら「……そうっすよね、はい」

ヤムチャ「人気を上げるって言うのはさぁ……? まだ、俺にはよくわかんないけど……」

さくら「……はい」

ヤムチャ「脱ぐとか、脱がないとかは……違うんじゃないかな……? ねっ……?」

302: 名無しさん 2015/09/11(金) 23:09:48 ID:yJgIeXZw
さくら「……ありがとうございます」

ヤムチャ「……やっぱり、そっちはそっちで、盛り上げていく方法考えてるんだ?」

さくら「そうっすね。ちょっと状況が変わりましたからね」

ヤムチャ「う~ん……脱いじゃダメって、言っちゃったけど……じゃあ、代わりにどうやって盛り上げていくか……な~んて事、言われると難しいなぁ……」

さくら「いや~、そこはもういいっすよ……! そこは、自分で考えますっ!」

ヤムチャ「いやいや、これは乗りかかった船だ……俺も何か考えるよ……俺の素晴らしいアイディア、捻り出すから……ちょっと待ってて……う~ん……」

さくら「……ヤムチャさん」

ヤムチャ「う~ん……う~ん……何か出て来い……何か出て来い……」

さくら「……今日ね、ヤムチャさんに相談したのはね?」

ヤムチャ「……ん?」

303: 名無しさん 2015/09/11(金) 23:14:53 ID:yJgIeXZw
さくら「……言って欲しかったんっすよ」

ヤムチャ「……何を?」

さくら「そんな事しなくていいよ……なんて事を……誰か、男の人に言って欲しかったんすよ……」

ヤムチャ「あっ、そう……」

さくら「昨日と今日……色々あって、考える事も多くて……変な方向に考えが行き着いてるんじゃないかってね……ハッと、気がついて……」

ヤムチャ「……うん」

さくら「サガットさんとかなら……そこの都合もわかってるから……仕方ない事なんじゃないか……? なんて、言われるかもしれないって思ってたんっすよ……」

ヤムチャ「……大丈夫でしょ? サガットさんも、脱げとは言わないよ?」

304: 名無しさん 2015/09/11(金) 23:19:52 ID:yJgIeXZw
さくら「ここから先はね……もう大丈夫っす。脱がずに、安易にお色気路線に走らずに……こっちはこっちで盛り上がる方法、なんとか考えてみます」

ヤムチャ「色々あって大変そうだけどさ……? あまり一人で考え込まない方がいいんじゃないかな?」

さくら「……じゃあ、その時はまた相談乗ってもらえます?」

ヤムチャ「……勿論」

さくら「ありがとうございます」ニコッ

ヤムチャ「まぁ、俺も……何か考えておくよ……さくらちゃん達の女子部を盛り上げる、明日みたいなイベントみたいな事……?」

さくら「大丈夫っすよ、大丈夫……こっちはこっちでやりますから……」

ヤムチャ「あっ、待って……? 俺、閃いたかもしれないよ……?」

さくら「だから、それは大丈夫ですって。まぁ、一応聞きますよ……? なんすか……?」

ヤムチャ「春麗さん、いるじゃん? 今、怪我で休んでる……それで、昨日出歩いてたじゃない……? あの春麗さんが復活する時に……ほら、明日みたいなPVってヤツ作って……盛り上がるってのはどうかな……!?」

さくら「あっ、それいいっすね。採用っす」

ヤムチャ「ねっ!? ホラ、俺役立つじゃんっ!」

349: 名無しさん 2015/09/12(土) 22:01:39 ID:FwOJylVQ
ーーー


さくら「それじゃあ、今日は色々とね……ありがとうございました」

ヤムチャ「……二件目行く?」

さくら「アハハ、明日もあるんだから……」

ヤムチャ「そっか……一人で帰れる……? なんだったら、送って行って……」

さくら「大丈夫っす。大丈夫、大丈夫……」

ヤムチャ「……そっか。じゃあ、今日の所はお開きだね。また二人で、飲みに行こうよ?」

さくら「……プーアルさんもいますよ?」

プーアル「……僕は数に入っていませんよ」

ヤムチャ「そういや、今日プーアル、大人しかったなぁ……どうしたんだ……?」

プーアル「……そういう日だってありますよ」

さくら「それじゃあ、ヤムチャさん、プーアルさん。今日はありがとうございましたっ! 明日……期待してますよ!?」

ヤムチャ「お~う、任せておいてよっ! 今日はゆっくり休んでね……明日しっかりやってみせるからっ!」

プーアル「さくらさん、お疲れ様でしたっ!」

350: 名無しさん 2015/09/12(土) 22:12:37 ID:FwOJylVQ
ヤムチャ「……行っちゃったか」

プーアル「……いいんですか? ここで終わりにして」

ヤムチャ「いいんだよ、明日もあるし……それに……おっと……」フラッ

プーアル「あっ、ヤムチャ様……大丈夫ですか……?」

ヤムチャ「くそぉ……さくらちゃん、意外と酒強いんだな……これ以上、飲んだら……俺の方が先に潰れちまうかもしれねぇ……」

プーアル「……前に一回、グデングデンに酔っ払ってた時、ありましたよねぇ?」

ヤムチャ「だからあの日は、相当飲んだんだろ……」

プーアル「アレって、確か春麗さんが怪我した日……じゃ、ありませんでしたっけ……?」

ヤムチャ「あぁ、そういやそうだったっけな……? だから、盛り上げていく方法ってのを……いつも考えてるんだろうね、さくらちゃんは……」

プーアル「……ヤムチャ様はただ試合をすれば、いいだけですからね」

ヤムチャ「……そんな事ねぇよ。俺だって考えてるよ」

351: 名無しさん 2015/09/12(土) 22:19:45 ID:FwOJylVQ
ヤムチャ「帰るか……寂しい我が家によぉ……?」

プーアル「今日ねぇ……もうちょっと頑張れば、いけたんじゃないですかねぇ……?」

ヤムチャ「いいんだよ、酔わして潰して……なっ……? ワンナイトラブを狙ってるワケじゃないの……ワンナイトラブを……」

プーアル「はい」

ヤムチャ「……ちゃんとした家庭が欲しいんだよ、俺は」

プーアル「……僕も応援してますよ」

ヤムチャ「今日は、これでいいのこれでいいの……寂しい我が家だけど……なっ? 今日は一緒に寝ようぜ、プーアルっ!?」ダキッ

プーアル「うわっ……! 酒、臭っ……! 嫌ですよっ……! お酒臭いですよ、ヤムチャ様っ!」

ヤムチャ「へへへ、寂しい事言ってるんじゃねぇよ……相棒よぉ……!?」

プーアル「今日、かなり入ってますね……!? ヤムチャ様っ!? 明日大丈夫ですか? 二日酔いとか……大丈夫ですか……!?」

ヤムチャ「……そこん所わかってるからこそ、切り上げたんだよ、ちくしょうっ!」

プーアル「……今日は、タクシーで帰りましょう。タクシーで。墜落事故が怖いです」

352: 名無しさん 2015/09/12(土) 22:28:39 ID:FwOJylVQ
自宅ーー


ヤムチャ「あ~っ……今日は疲れた……休日なのに身体を動かして、疲れた……もう寝る……」ボフッ

プーアル「……歯磨きっ!」

ヤムチャ「歯磨きは、ねっ……? 明日でいいよ、明日で……今日、身体動かして疲れてんだ……今日はもう休ませてくれ……」

プーアル「ヤムチャ様っ! それはアルコールでしょ!? ヤムチャ様はちょっとやそっと身体動かしたぐらいで、そんな……」

ヤムチャ「Zzz……Zzz……」

プーアル「……あ~ぁ」

ヤムチャ「Zzz……Zzz……」

プーアル「ヤムチャ様っ! 大丈夫ですか!? 明日は『プロレス団体で悪者と戦うぞ!』ですよ!? 大丈夫ですか!? 出来ますか!?」

ヤムチャ「大丈夫、大丈夫……明日……しっかりやります……プーアル、うるせぇ……」

プーアル「……も~う」

354: 名無しさん 2015/09/12(土) 22:37:02 ID:FwOJylVQ
プーアル「こういう時こそ……マネージャーの僕がしっかりしないといけませんね……え~っと、目覚ましセットして……朝ご飯なんかも、もう作っておきましょうかねぇ……?」ガチャガチャ


プルルルルル……プルルルルル……


ヤムチャ「おぉ~い、プーアル……やかましいぞ……電話だ電話だ……」

プーアル「はいはいはい。わかってますよ。も~う、誰だこんな時間に……はい、こちらヤムチャですっ!」ガチャ

ヤムチャ「う~ん……う~ん……」

プーアル「……あっ、はいっ! お久しぶりですっ!」

ヤムチャ「う~ん、うるさいよ……プーアル……」

プーアル「今、ヤムチャ様ねぇ……酔っ払ってダウンしてるんですよ……はい……はい……そうです……アハハハハ!」

357: 名無しさん 2015/09/12(土) 22:45:14 ID:FwOJylVQ
プーアル「叩き起こしてもいいんですけどねぇ……あぁ、そうですか……? わざわざかけてくれたのに、すいませんねぇ……」

ヤムチャ「Zzz……Zzz……」

プーアル「そうです……明日、ヤムチャ様はね……そういう事になってまして……アレ……? なんで、知ってるんですか……?」

ヤムチャ「Zzz……Zzz……」

プーアル「あぁ、見て下さってたんですね……? ありがとうございますっ……! それは、いつから……? あっ、最初から……あらあら、本当ありがとうございますっ!」

ヤムチャ「Zzz……Zzz……」

プーアル「……アハハ、やっぱりそういう目線で見てるんですね?」

ヤムチャ「Zzz……Zzz……」

プーアル「そうですね、はい。じゃあ、ヤムチャ様にもね……伝えておきますっ! 明日、お待ちしてますねっ! クリリンさんっ!」

ヤムチャ「う~ん……クリリン……アイツも暖かい家庭築いてやがるよな……ちくしょう……」

358: 名無しさん 2015/09/12(土) 22:47:38 ID:FwOJylVQ
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ーー完

引用元: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!!」