前回 漢「うーむ、奴隷を買うかな……」奴隷商人「やすくしとくよ、旦那」

14: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 21:45:44.88 ID:2G4Pb/4J0
大臣「漢……あなた方も人質を寄越しなさい……その奴隷をね」

奴隷「!!」ビクッ

漢「なに……?」

青年「人質ならもう十分じゃないっすか!!」

大臣「いいえ……この男だけではあなた方の決定的な抑止力となりえません……ですからその奴隷を寄越せと言っているのですよ?」

大臣「漢君はその奴隷が大のお気に入りのようですからねぇ……?」

漢「……ッ!」

奴隷「……」

奴隷「……主様……私は大丈夫です」

20: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 21:50:59.56 ID:2G4Pb/4J0
漢「何を……!」

奴隷「……主様は国にとって王様の命と奴隷の命、どちらが大切だとお思いですか?」

漢「……それは……!」

奴隷「だから……私は大丈夫ですから、ちゃんと戻ってきます」

奴隷「だって私決めましたから、絶対に主様から離れないって」

漢「……ッ……」

奴隷「……」スタスタ……

奴隷「これでいいのですね、大臣様」スッ

大臣「……ええ、キチンと躾の効いた奴隷のようですね?ククッ」

26: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 21:56:16.09 ID:2G4Pb/4J0
大臣「なぁるほど……近くで見ると良く分かります……」ジロジロ

奴隷「……」

大臣「似ていますね……あの女と……フフフ……」ニヤッ

奴隷(この人……ダメだ……すごく気持ちが悪い……!本能が拒否してるのがわかるくらい邪悪……)グッ……

大臣「……ご老人……あなたも似てると、そう思うでしょう?」

爺「……さぁな……ジジイは一昨日の飯のことも覚えとらんからな」

30: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:00:27.30 ID:2G4Pb/4J0
大臣「あれはもう五年も前になりますか……ねぇ?漢君」

漢「……それがどうした」

大臣「私はね、あの日の事が忘れられないんですよ……あの女を魔女として処刑した日のことがね……!」

奴隷「!」

爺「なんじゃと……!?」

漢「……」ギリッ……

大臣「ああ、そちらのご老人は知らなかったのですね……まぁ確かに娘を惨たらしく殺した相手の事など話したくないでしょう!」

大臣「あの女は美しかった……!」

45: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:05:20.35 ID:2G4Pb/4J0
大臣「体を幾度と斬られようと決して悲鳴をあげなかったのですよ……」ゾクゾク……

大臣「歯を食いしばり唇を噛み締め痛みを我慢した!それは何故か!」ゾクゾクゾク……

大臣「……漢君が目の前に居たからなんですよねぇ」ゾクゾクゾクッ!

漢「大臣……大臣ッ!!」

大臣「いい、良いですねその表情!!どうしようもなく憤るしかないその表情……!!」

大臣「あの時と同じです!全く持って同じ!」ゾクゾク……!

53: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:10:41.34 ID:2G4Pb/4J0
大臣「ご老人……あなたの娘が最後になんて言ったかわかりますか?」

漢「やめろッッ!!それ以上その汚い口から……アイツの話をするな!」ガバッ!!

大臣「……殺しますよ?」チャキッ

奴隷「ひっ……!」

漢「ッ!!」ピタッ

大臣「立場をわきまえてくださいね?……こんな女殺すのなんて一瞬で済むんですから」ニタニタ

漢「テメェ……!」

大臣「おっと……話の途中でした……」

大臣「お待たせして申し訳ございませんねご老人!」

爺「……」

65: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:16:38.82 ID:2G4Pb/4J0
大臣「私があの女を十数回に渡り斬りつけ爪を剥ぎいたぶり尽くした最後……」

大臣「いざ私が心臓を突き刺し息の根を止めようとしたその時!」

大臣「彼女はね……漢君に向かって歪に笑ってこう言ったんですよ……」

大臣「『ごめんね』と言って、そして心臓を貫かれたんですよ!!」ゾクゾクゾクゾク!!

漢「うぁぁぁぁぁぁっ!!テメェっ……テメェだけはぁぁぁぁっ!!」

青年「旦那っ!ダメです!落ち着いて!落ち着いて下さい!」

爺「……」

87: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:22:40.39 ID:2G4Pb/4J0
大臣「どうでしたか!?目の前で最愛の女を殺された気分は!?どうでしたか!?最後に笑顔で謝罪された気分は!?」

大臣「顔についた彼女の血はどんな味がしましたか!?色は!?香りはどう感じましたか!?」

漢「うぁぁぁぁぁぁっ!!大臣……!大臣ーーッ!!」

青年「旦那っ……ダメっす!落ち着いてください……!!」

漢「コイツだけは俺が殺す!!コイツだけは……コイツだけはー!!」

爺「……」スゥ……

爺「……落ち着かんか!!漢!!」

漢「!!」

青年「!!」

奴隷「!!」

119: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:30:21.72 ID:2G4Pb/4J0
大臣「貴方は、平然としているのですねご老人……?」

爺「……寧ろ、最高の気分じゃよ」ククッ……

大臣「なんですと……?」

爺「ワシの娘は誇るべき娘じゃったということが知れた」

爺「死ぬ最後の一瞬まで人のために生きることができた……自分の娘とは思えないよくできた娘じゃ」

大臣「……」イラッ……

漢「爺……さん……」

爺「……」

144: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:37:10.98 ID:2G4Pb/4J0
兵士4「大臣殿っ!!金をご用意致しました!!」ドチャッ

兵士5「これで全部です!!……さぁ!はやく人質の解放を!!」

大臣「おやおや、やっとですか……遅かったですねぇ……」

青年「はやく人質を解放するっす!!」

大臣「……まだですよ?金だけもらっても私は逃げられないじゃないですか」

大臣「さぁ、道を開けなさい……私が無事に外まで出ることができれば人質を解放しましょう」

154: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:41:17.82 ID:2G4Pb/4J0
大臣「道を開けなさい……人質の首が惜しいならね?」スタスタ

ザザザザザッ……

大臣「……それでいいのです……さぁ、二人とも、歩きなさい」スタスタ……

王「……」スタスタ……

奴隷「……」スタスタ……

漢「……」

大臣「……お前もどくんだよ……漢……」ニタッ

漢「……」スッ……

167: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:46:41.05 ID:2G4Pb/4J0
大臣「しかし……あなたには疫病神でもついてるんじゃなですか?漢……」スタスタ……

漢「なんだと……?」ピクッ

大臣「あなたに関わった者はいつも酷い仕打ちを受けていますね」

漢「……」

大臣「この奴隷もかわいそうに……あなたに関わったばかりにこんな目にあっている……」ペロッ……

奴隷「!!」ビクッ

大臣「綺麗な肌ですね……おもわず舐めてしまいました」

漢「……やめろ……そいつに変なことをするな……」

大臣「ん?変なこととは一体なんでしょうかねぇ?」ペロッ……

奴隷「ひっ……!!」ガタガタガタ……!

183: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:52:19.49 ID:2G4Pb/4J0
漢「やめろ!」

大臣「おー怖い怖い!実に恐ろしい!」

大臣「ですが……彼女はなぜこんな目にあっているのでしょう?」

漢「……ッ」

大臣「それは紛れもなく、あなたのせいだ」ニヤッ

大臣「あなたがこの子を買ったから、あなたがあの娘を恋人にしたから……」

大臣「あなたは疫病神だ!……関わった者全てを歪ませ不幸を生む者なんですよ!!」

漢「……俺……は!」グッ

奴隷「……それは……違います……主様……」

漢「!」

193: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 22:57:27.15 ID:2G4Pb/4J0
奴隷「私は……不幸なんかじゃありません……」

奴隷「きっとそれは……お爺さんも、青年さんもそう思っている筈です……」

漢「だが……俺のせいで皆……!」

奴隷「……偶然です」

漢「……偶然……?」

奴隷「そう、ただの偶然……主様が……関わったからじゃない……元からそうなる運命だったんです」

奴隷「そこにただ、主様が関わっただけ……」

漢「だが……っ!」

奴隷「主様……私は奴隷です」

201: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:05:22.83 ID:2G4Pb/4J0
奴隷「犬や猫のように人に買われ、虐げられる生き物……人以下の動物です」

漢「……違う……!」

奴隷「そう……主様はそのようには扱いませんでした……それは主様が優しいから……」

奴隷「奴隷市場にいた頃、何回も他の奴隷が買われていくところを見ました」

奴隷「ある時は貴族の方が奴隷に首輪をつけて地べたを這わせて来店したのも見たことがあります」

奴隷「それが奴隷なのです……その扱いこそが奴隷という生き物に対する正しい扱い……」

漢「……」

奴隷「だけど……私は」ドカッ!!

奴隷「ぐけっ……ふっ!?」ゲホッ!!

大臣「人質がペラペラペラペラと……いつまで話すつもりです……かっ!」ゲシッ!!

210: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:11:01.22 ID:2G4Pb/4J0
漢「テメェっ……!」ギロッ!!

大臣「お喋りな奴は嫌いなんですよ……立場をわきまえてくださいねと言った筈です」グシッ……

奴隷「うぐ……」クッ……

大臣「ハートフルな会話は私のいないところでしてもらいたいモノですね」

奴隷「……大臣……さん……あなたは主様が疫病神だと言いました」

大臣「……それが何か……?」

奴隷「……主様は……疫病神なんかじゃない……主様は……主様です……!」

223: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:18:19.82 ID:2G4Pb/4J0
奴隷「紛れもなく……私や皆に幸せな気持ちをくれる……優しい……主様なんです……!」

奴隷「きっと……お爺さんの娘さん……主様のかつての恋人だった方も……そんな主様が好きだったんでしょう……」

奴隷「……私と……同じように!」グッ

大臣「……あ?」イラッ

奴隷「あなたがなんと言おうと……私は幸せです……!!」

奴隷「あなたの穢れ紡がれた言葉など……屁でもない……!!」

奴隷「あなたは人の悪口しか言えない寂しい人……!」

大臣「ッ……!?」ピキッ……

227: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:22:11.76 ID:2G4Pb/4J0
ーーー『貴方は……寂しい人ね……』


大臣「……なんだと……?なんでお前がそれを知ってる……?」ピキピキピキッ……

奴隷「なにを言って……!」

大臣「なんでお前があの女と同じことを言える……!?」

奴隷「あの……女……?」

大臣「あの女もそうだった……あの女も自身の体を斬りつけられながら……まるで俺をかわいそうな捨てられた動物を見るような目でそのセリフを吐きやがった!!」

230: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:28:27.39 ID:2G4Pb/4J0
大臣「ふざけやがって……!俺はこの国で大臣まで登り詰めた男だぞ……!?」

大臣「その俺に向かって……犬猫に言うように……!!」

大臣「寂しい人だと!?」ガリガリガリッ……!

大臣「……殺す……お前だけは……殺さなきゃならない……」カチャ

大臣「あの女と同じことを俺に言う女など……生かしておくことはできない!!」グワッ!!

奴隷「!!」ビクッ!!

漢「ッ!!よせっ!!そいつに……そいつに手を出すなッ!!」バッ!

大臣「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああッッッッッ!!!あぁっ!!」ブオッ!!



ズバァッ……!

239: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:33:35.09 ID:2G4Pb/4J0
ポタ……ポタタ……ッ

漢「ッ……!!」

奴隷「な、なんで……!どうして……!」

ズバッ……ブシャアッ……!

大臣「……」

大臣「これはこれは……どういうことですかねぇ……?」

奴隷「どうして……!どうして……っ!!」



王「……無事か、少女……ゲホッ……!」ブシャァァァッ……

254: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:38:52.15 ID:2G4Pb/4J0
兵士4「お、王っ……!!」

兵士6「王が……王が斬られた……!?」

大臣「……王……?」

王「……くっ……痛いな……やはり斬られるとはこんなにも痛いものなのか……ゲホッゴホッ……」ボタタッ……

漢「おい!!大丈夫か!?」グッ……

奴隷「王様っ……王様どうして……!!」

王「ふっ……漢よ……これで私はもはや腑抜けとは呼ばれまい……?」

漢「な、なにを……!」

王「……無知とは……罪なものだ……ゲホッ……」

262: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:44:51.04 ID:2G4Pb/4J0
王「やはり私は父のようには出来なかった……」

王「国のこともわからぬ、民のこともわからぬ……何も、何もわからぬ……」

王「だが……そんな私でも……やっと父を超えることができたかもしれんな……ゲホッ……」ボタボタッ……

奴隷「お……うさま……!どおし……て……?」グスッ……ズズッ……!!

王「……奴隷とて、この国に住まう民……」

王「王たる私が護るのに……なんの理屈もいらなかろう……?」

奴隷「おうさま……っ!!」ブワッ……

271: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:49:34.37 ID:2G4Pb/4J0
大臣「……お……う……?」

大臣「……?」

『信頼しているぞ、大臣』

大臣「……これ……は……」

爺「……お前さんも、案外人の道から外れることができなかった男かもしれぬのう。大臣」

大臣「ご……ろう……じん……?」

『お前に任せておけば全て安泰だな……頼んだ』

爺「……聞こえるんじゃろ?記憶の中にあるあの王の声が」

『……お前が大臣か……よし、決めた。お前は今日から私の右腕だ』

大臣「記憶の中の……声……?」

276: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/29(火) 23:54:58.66 ID:2G4Pb/4J0
ーーー

先代の王『大臣。今日からお前にわしの息子の教育係になって貰いたいんじゃ』

過去の大臣『……王の仰せのままに、私は王のものでございます』

先代の王『おい、こっちにこんか!』

王子『……』

過去の大臣『こちらが王の息子……王子様ですね……?』

先代の王『そうじゃ、こいつはちとばかし悪戯者でのう?教育係をどうしようかと悩んでおったんじゃ』

王子『……フン……』

280: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:00:13.34 ID:g2xOGNjJ0
メイド『きゃー!』バサッ!!

王子『へへっ!やりぃ!』タタタ!!

メイド『もう!王子様!いい加減にしてくださーい!!』

王子『スカートなんて履いてる方が悪いんだー!やーい!』タタタ……ドンッ!!

王子『あ、あいたっ!』ドスン

大臣『……王子。また悪戯を?』

王子『……な、何だよ……悪いのか!!』

大臣『いえいえ……ですが……』

大臣『……王子様はその程度の悪戯にて満足なのですか?』

王子『……なに?』

288: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:04:47.97 ID:g2xOGNjJ0
ガチャ…… バシャアッ!!

先代の王『うぉぉっ!?なんで扉をあけた途端に上から水が!?』

王子『いえーい!トラップ成功ー!』

先代の王『ま、また王子かー!こらーっ!!』

王子『ほら!逃げるぞ大臣!』タタタ!!

大臣『はい、王子』タタタ!!

先代の王『だ、大臣!?さ、さてはこのトラップは貴様の入れ知恵か!?』

大臣『教育を頼まれましたので……もっと高度な悪戯を教えて差し上げたのですよ……』タタタ!!

先代の王『そ、そんな教育はたのんどらーん!!』

王子『やーい!ばーかばーか!』タタタ!!

299: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:13:02.80 ID:g2xOGNjJ0
王子『あはははー……傑作だったな父上のあの顔は!』ゲラゲラ

大臣『それはよかったですね王子……』

王子『お前なかなかやるな!他にもなんかあるのか』

大臣『……あんなものは扉を開ければ針のムシロになるトラップの簡易版……あの程度の物ならいくらでも……』

王子『な、なんと……!』キラキラキラ!!

王子『よし、決めた……今日からお前は私の右腕だ』ビシッ!

大臣『右腕……ですか……』

王子『ふん!光栄だろ!光栄だといえ!』

大臣『……クク……ハハハ……!いいでしょう。あなた様の悪戯……私が王子の右腕となりアドバイスして差し上げましょう……』ニヤッ

王子『おう!』

304: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:18:57.17 ID:g2xOGNjJ0
大臣「……ああ……!」ガタンッ……

大臣「あ……!ああ……!」ズルッ……

大臣「王……!お……う……!」

大臣「私は……私は……!!」ガタガタガタ……!!

大臣「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!ゲホッ……ゲロッ……!!」

大臣「おえっ……げ……ぇっ!」ベシャベシャベシャッ……

爺「……所詮悪魔のふりをしようと、お前さんはどこまでも人間の域を出ることができなかったようじゃな」

308: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:27:00.17 ID:g2xOGNjJ0
大臣「私は……今まで……!」

爺「……ワシはジジイだからよくわからんが」

爺「お主は、欲と悪しき本能に飲まれすぎた」

大臣「な……ぜ……!」ガシッ!!

爺「……ワシから教えられることはここまでじゃ。後は自分で考えい」

爺「……それと、これは長く生きたジジイとしてではなく、一人の親としてやらせてもらう……」ガシッ……

大臣「!」

爺「どぉりゃアッ!!」バキィッ!!

大臣「うぐっ……!!」ドカァッ!!

315: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:33:04.60 ID:g2xOGNjJ0
ドシャアッ!!

大臣「ご……ろう……じん……」ゲホッ……

爺「……娘の仇分じゃ……噛み締めろ……」スタスタ……

大臣「……わ、たし……は……」ヘタッ……

爺「……」スタスタ……

爺「やれやれ、なんじゃこりゃ……」

爺「とっくに未練などないと思っておったがの……」ズルッ……

爺「今さらになって……涙なんぞ出てきおったわ……」ポタ……ポタタ……

爺「歳をとると涙も小便も漏れやすくなってしょうがないわい……」ボタボタッ……ボタタッ……

318: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:39:37.83 ID:g2xOGNjJ0
漢「おいっ!!すぐに救護班を呼べ!!」

兵士6「は、はいっ!!」

漢「薬を!!止血剤と消毒薬!はやく!!」

奴隷「は、はい!主様……!」ササッ

青年「どうなんすか旦那!!……助かるんスか!?」

漢「どうもこうもない……!傷はそこまで深くはないが出血が多い!とにかく早く止血して縫合を……!」

兵士5「ダメです!!今日は城に兵しか呼ばれておらず……救護にあたっている医者達全員ここまで来るのにかなりかかるかと」

322: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:46:50.23 ID:g2xOGNjJ0
漢「クソッ……薬だけじゃどうにもできん……!」

奴隷「そ、そんな……!王様……!!」

王「……」

漢「出血量が多過ぎたんだ……気を失っている……!」

奴隷「どうにか……どうにか方法……なにかないのですか主様っ……!」

漢「……無い……!」グッ…

漢「クソ……こんな時に魔法が使えれば……!!」ドスッ!!

青年「……魔法……?」

329: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:51:43.48 ID:g2xOGNjJ0
青年「旦那今魔法が使えればって言ったすよね?」

漢「ああ……魔法の中には自己治癒能力を強力に活性化して怪我を回復させる効果がある物もあるんだ……!」

青年「回復させる魔法……回復させる魔法……」ブツブツ

青年「ああっ!!そうだ!!」パチーン!

奴隷「ど、どうしたんですか……?」

青年「確かこのファイルに……!」バサバサバサ!!

青年「あった!!旦那!ありましたよ!回復魔法の情報!!」 バンッ!

335: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 00:55:41.56 ID:g2xOGNjJ0
青年「これ!魔術適性のある人がこの紙に書いてあるとおりにやれば回復魔法はできるっす!」

漢「なっ……!お前魔術適性なんてあったのか!?」

青年「いや俺は無理でした!毛ほども使えませんでした!」

漢「じゃあダメじゃねーか!」ゲシッ!!

青年「い、痛いっす!ち、違うっすよ!いるじゃないですか!絶対に魔術適性のある子が!」ゲシゲシ!!

漢「何……?誰だ」

青年「んなもんきまってるっすよ!奴隷ちゃんっす!」

奴隷「えっ!?私!?」ビクッ!

342: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:01:16.65 ID:g2xOGNjJ0
青年「奴隷ちゃんはエルフと人間のハーフっすよ!必ず魔術適性がある筈です!」

漢「そ、そういえばそうだった……」

奴隷「だ、ダメです!私魔法なんて使ったことないですっ……!」オロオロ

青年「ダメもヘチマもないっすよ!とにかく駄目で元々当って砕けろ可能性があるならなんでもするべきっす」

奴隷「く、砕けちゃうの!?」

漢「とにかく!……頼む!試してみてくれ!」

奴隷「で、でももし失敗してもっと大変な事になったら……」オロオロ……

漢「……やらなきゃどっちみちコイツは死んじまう……やるしかないだろ!」ガシッ!!

奴隷「主様……」

349: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:07:27.13 ID:g2xOGNjJ0
奴隷「すぅ……はぁ……」ドキドキドキ……

奴隷「……覚悟を決めました……!やります!」

青年「これっす、この説明のとおりにやればできるはずっす……!」ガサ……

奴隷「え、えと……両手の親指と人差し指で三角形を作って……呪文を唱える……」スッ

漢「……」ジッ……

青年「……」ジッ……

奴隷「……すぅ……」

奴隷「ーーーー……ーーーーーーー……ーーーーーーー!!」カッ!!

パァァァァァァァ……!!

355: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:13:38.57 ID:g2xOGNjJ0
パァァァァァァァァ……

青年「す、すごい……これが、魔法……」ゴクリ……

漢「この青い光は……」

ーーーー『ほら、怪我したの?どれどれ愛しの彼女様に見せてごらんなさい!』

漢「あいつの魔法と……同じ光……」

爺「ほっ?……これは何事じゃ?」スタスタ

青年「奴隷ちゃんが回復魔法を使って王様の怪我を治してるんす!すごいっすよ!!」

奴隷「ーーーー……ーーーー……ーーーーーーー」ブツブツ……

パァァァァァァァァ……

爺「……漢、やはり似ているな……まるで本人のようじゃ……」

青年「……ああ……」

357: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:14:18.95 ID:g2xOGNjJ0
>>353
残念だな新気功砲だよ

363: ■修正版■ 2014/07/30(水) 01:17:03.26 ID:g2xOGNjJ0
パァァァァァァァァ……

青年「す、すごい……これが、魔法……」ゴクリ……

漢「この青い光は……」

ーーーー『ほら、怪我したの?どれどれ愛しの彼女様に見せてごらんなさい!』

漢「あいつの魔法と……同じ光……」

爺「ほっ?……これは何事じゃ?」スタスタ

青年「奴隷ちゃんが回復魔法を使って王様の怪我を治してるんす!すごいっすよ!!」

奴隷「ーーーー……ーーーー……ーーーーーーー」ブツブツ……

パァァァァァァァァ……

爺「……漢、やはり似ているな……まるで本人のようじゃ……」

漢「……ああ……」

369: 青年知らないのに「ああ」とか答えてんじゃねぇよ知ったか男! 2014/07/30(水) 01:21:52.47 ID:g2xOGNjJ0
奴隷「はぁ……はぁ……」

青年「す、すごい……綺麗さっぱり治ってる」

兵士5「王……!王ー!」

兵士6「起きてください!王!」

王「……う……む……?」グッ……

青年「お、王様!気がついたんすね!」

王「私は……なぜ生きて……?」ムクッ……

漢「……こいつの魔法で助かったんだ。感謝しろよ」

王「少女の……そうか……助けたと思ったが……逆に私がたすけられてしまうとはな……」

373: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:27:29.61 ID:g2xOGNjJ0
奴隷「王様……よかった……」ドサッ……

王「!どうした……!?」

青年「ど、奴隷ちゃん!?」

漢「おいっ!どうしたんだ!おいっ!!」ユサユサ!!

爺「こらこら、そっとしておきなさい。疲れて眠ってしまったんじゃよ」

奴隷「……スゥスゥ……」zzz……

爺「生まれて初めて魔法を、それもあれほどのケガを治すほどの力を使ったんじゃ、疲れて当然じゃよ」

王「そうか……この子には悪いことをした……」

376: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:32:06.18 ID:g2xOGNjJ0
王「……私のような罪人は……簡単に死ぬこともできぬようだ……」

漢「バカ野郎、当たり前だ」

王「漢……」

漢「まだアンタには仕事が残ってんだろ?」

王「私の……仕事……?」

漢「……この国を正しく導け。それがお前の仕事だ」

王「しかし……この国を誤った方向へ進めてしまった私に……そのような権利はない……」

漢「……はぁ……」ボリボリ

漢「甘えてんじゃねぇよ。自分のケツくらい自分で拭け」

378: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:37:53.62 ID:g2xOGNjJ0
王「しかし……私には……もはや王たる事さえも許されないだろう……兵が、民が黙ってはいない……」

爺「カッカッカッ、若者よ。こやつらを見てもそんなことが言えるかの?」

王「なに……?」

兵士4「王!!王……!!」ポロポロ……

兵士5「良かった……お目覚めになられたのですね……王!」グスッ

兵士6「みんなー!王が!王がめざめられたぞー!」

兵士達「王!!」「一時はどうなることかと思いましたよ!」「よかった!本当によかった!」

ザワザワザラザワ……

382: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:42:18.19 ID:g2xOGNjJ0
王「な、なぜ……私を許すというのか……お前たちは……?」

兵士5「なにをおっしゃるんですか!当然です!」

兵士6「というか俺達王にはいろいろ世話してもらったしな?」

兵士4「そうそうその通り!家族のためにもいろいろ気をかけてもらったり労いとして王が宴を開いてくれたりな!」

ワハハハハ…

王「お前……たち……」

爺「どうじゃ?これがお前に不平を持つ者たちに見えるかの?」

385: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:47:47.41 ID:g2xOGNjJ0
爺「お前さんはまだ若い。失敗することもあるじゃろう……だが若さというのはそういう時に再び立ち上がる力もくれる」

爺「……お前は見てきたのだろう?……先代の王の背中を」

王「父の……背中……」

爺「次はその背中の後ろをついていくのではなく、その背中を追い越さんとやれ」

王「……」グッ

兵士6「王様!俺たちまだまだついてきますよ!」

兵士5「操られっぱなしじゃシャクじゃないですか!」

王「ああ……」ズズッ……

王「……そうだな……そのとおりだ……!」ボタボタッ……グスッ……!

388: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:52:21.92 ID:g2xOGNjJ0
兵士7「おらっ!きりきり歩け!」グイッ!

大臣「……」スタ……スタ……

漢「……」

王「……大臣……」

大臣「……」チラッ……

兵士8「止まるな!あるけ!!」グイッ!

大臣「……言われずとも……解っていますよ……」スタ……スタ……

王「……大臣」

王「今まで……俺の悪戯に付き合ってくれて……ありがとう……」

大臣「!!」

392: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 01:59:24.44 ID:g2xOGNjJ0
ーーー

青年「……これで……全部終わったんすかね……」スタスタ……

漢「ああ」スタスタ……

爺「国盗りはできなかったが……それ以上の結果にはなったんじゃないか?」スタスタ……

漢「フッ……そうだな」

奴隷「ムニャムニャ……あ、るじ様……」zzz……

爺「おや?寝言かの?ええのう愛されとるのう?」コノコノ!!

漢「うっせぇジジイ。黙って歩け!」

青年「お?旦那もしかして照れてるんすか~?」

バキッ!

青年「いひゃい……」メシッ……

漢「ったく……どいつもこいつも面倒くさい奴ばっかりだよ本当に……」ニッ……

393: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:04:31.30 ID:g2xOGNjJ0
一週間後


カンカンカンカンカン!!

新聞屋「号外!!号外だよー!」

カンカンカンカンカン!!

ザワザワザラザワ ザワザワザラザワ

新聞屋「王が税金を着服し私腹を肥やしていたというあの事件!真実が明らかに!!」

カンカンカンカンカン!!

新聞屋「なんと真犯人は大臣だった!裏でこっそりと金を盗むたァ太い野郎だ!」

ザワザワザラザワ……

398: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:09:56.69 ID:g2xOGNjJ0
漢「……『真犯人見つかる!大臣の大いなる陰謀』ねぇ……?」ピラッ

漢「まぁ見出しとしたら悪くはないのかもしれないが……この新聞はだめだな」

漢「アンタはどう思うよ」ズズッ

男「……大臣の事ばかりではなく、富裕層の需要へと偏った市場を元に戻そうとしてるという内容も入れて欲しいものだな」ズズッ……

漢「それに加えてなんだ。今奴隷の人権の向上も掲げてるらしいじゃないか」

男「ああ、いずれは奴隷市場というのは無くすことができるようになるかもしれないな」モグモグ

403: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:15:22.54 ID:g2xOGNjJ0
男「その後どうなんだ。調子は」

漢「ああ?なんの問題もない。いつもどおり薬作って売ってるさ」モグモグ

男「そうか……」

漢「だがよ、街に出る旅に思うんだがよ。この街、いい空気になったと思わないか」

男「……ああ……これが正しき街の空気なのだな」ゴクゴク……

漢「案外、今の街は悪くないと思うぜ。俺は……」スクッ

男「もう行くのか」

漢「ああ、アイツが待ってんだ。早いとこ帰らないと大目玉くらっちまうぜ」

407: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:20:58.65 ID:g2xOGNjJ0
漢「……ま、これからこの国がどうなっていくか期待しといてやるよ」

男「……ああ、そうしてくれ」

漢「じゃあな、またどこかで会おうぜ『王様』……いや、街にいるときは男って呼んだほうが良かったんだったな」スタスタ……

男(王)「ああ……また、どこかでな」

スタスタ……

男(王)「……やはり、あの『漢』の後ろ姿はなかなか様になっているな」

男(王)「私にも、あの男のように『漢』のなれる日が来て欲しいものだ……」グビッ


ワイワイガヤガヤ…… ワイワイガヤガヤ……

411: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:26:24.63 ID:g2xOGNjJ0
ガチャ……バタン……

漢「今帰ったぞー」

青年「おかえりなさいっす旦那ー!」モグモグ

漢「……なんでお前がいるんだ」

青年「やだなー仕事の依頼持ってきたんすよー」モグモグ

漢「嘘つけ……飯たかりに来たんだろ」ハァ

奴隷「漢様ー!一体どこをほっつき歩いていたんですかー!」

漢「い、いや、ちょっと街をブラブラと……」

奴隷「今日は早く帰ってくるって約束だったのに……」プクー

413: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:30:30.20 ID:g2xOGNjJ0
漢「お前……なんか最近ワガママになってきたな」

奴隷「そ、そんなことはありませんよ~」ヒュー フスーッ

青年「口笛吹けてないっすよ」モグモグ

奴隷「う、うるさいなー青年さんは!ご飯あげませんよ!」

青年「マジ口笛うまいっすね!まるで一流音楽家の奏でるリコーダーのようだ!」

漢「青年……本当に安い男だなこいつ……」

リンリーン!!

爺『おーい!ワシじゃー!あけとくれー!』

415: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:34:29.42 ID:g2xOGNjJ0
奴隷「あ、お爺さんだ。はーい、今開けまーす」トテテテ……

爺「ふー、外は暑くて適わんわい!」

漢「何の用だよ爺さん」

爺「いや、野菜の仕入れに行ったらなかなかいいスイカを見つけてな……ほれ!」

奴隷「おおっ、本当だ!すごく大きい!」ポンポン!

爺「ふぅ、重いもの運んで疲れたわい……汗びっしょりじゃ」

漢「薬茶飲むか?汗止まるぞ」

爺「ありゃまずいから嫌じゃ」

416: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:37:58.88 ID:g2xOGNjJ0
奴隷「……あの、ちょっとこの薬茶飲んでくださいませんか?」スッ

爺「え、ええ……なんで嫌いじゃと言ったそばからそんなの持ってくるの……?ジジイ奴隷ちゃんがそんなに鬼畜だと思わんかった……」

奴隷「い、いえ!あの!とりあえず飲んでみてください!お願いします!」

爺「はぁ……そこまで頼まれちゃ無下には断れぬのぉ……」グビッ……

爺「ん……?」

青年「どうしたんすか?」

爺「この薬茶……美味い……!」

漢「なんだって?」ガタッ

419: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:42:07.54 ID:g2xOGNjJ0
爺「すごく飲みやすいし口当たりすっきりじゃ!汗も止まる!」ゴクゴク!!

青年「ちょ、ちょっと俺も一杯いいっすか?」

奴隷「は、はい!どうぞ!」トクトクトク……

青年「どれどれ……」ゴクゴク……

青年「本当だ、うまいっすねこれ……旦那の薬茶がドブの水だとしたらこれは白鳥の湖の水っすよ!」

漢「誰の薬茶がドブの水だと?つーかお前の喩えはわかりにくいんだよ」ベシッ

青年「あいたっ!」

奴隷「漢様も……ど、どうぞ!」

漢「お、おう……」

420: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:46:49.74 ID:g2xOGNjJ0
漢「……本当だ……美味いな……」グビッ……

奴隷「えへへ、実は色んな果物から旨み成分を抽出してそれを調合したものを混ぜて味を整えてみたんです……」

漢「すごいな……」

奴隷「なんていうか、トマトケチャップのことを思い出したんです」

漢「トマトケチャップ……?」

奴隷「漢様が私にオムライスを作った時にしてくれた話です」

奴隷「『既存の物を掛け合わせてより良いものを作り出す』……」

漢「……」

奴隷「それにお料理するようになって、なんとなーく美味しさの出し方っていうのがわかって」

漢「そうか……」

425: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:51:32.66 ID:g2xOGNjJ0
爺「こりゃ大陸一の薬師の座も危ないんじゃないかのぅ?漢よ」

青年「そういえばエルフ族には人間の作るどんな薬よりもすごい薬を作ることができる者もいるって話を聞いたことがあるっす!」

爺「こりゃ本格的に危ないのぅ!」

漢「うるせぇ」

ワッハッハッハッハ……

ーーー

爺「……ふぅ、それじゃあそろそろおいとまするかの」スクッ

青年「そうっすね!」スクッ

奴隷「あ、お見送り致します!」

434: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 02:57:12.51 ID:g2xOGNjJ0
爺「そいじゃあのお二人さん……まあ暇を見つけてくるでの」

漢「いいよ来なくて。どうせまた精力増強剤作ってくれって言うんだろ」

爺「ええじゃろ別に!」

青年「んじゃ、俺も依頼が来たらまた来ますんで!」

漢「飯時以外に来いよ?」

青年「嫌っすね」キッパリ

奴隷「それではお爺さん、青年さん。またあいましょうね」フリフリ



奴隷「行ってしまいましたね……」

漢「ああ、はやく家に入れ。今夜は冷えるぞ」

奴隷「……はい、漢様」ニコッ

443: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 03:05:07.32 ID:g2xOGNjJ0
ーーー

???「こうしてこの国を助けた二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ……めでたしめでたし……」

息子「えー?それでどうなったのー?」

娘「めでたしめでたしじゃなんもわかんないよー!」

???「うーん、そうは言ってもなぁ……」

???「流石にこの後のことを子供に話すのはアウトだし……///」ボソッ

息子「ねーねーおしえておしえてー!」

娘「おしえておしえてー!」グイグイ

???「こ、困ったわねー……」アセアセ

451: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 03:09:12.70 ID:g2xOGNjJ0
父「おいお前たち……あまり母さんを困らせるんじゃない」

母「あ、漢さん」

娘「おとこさんだー!」

息子「おとこさん!おとこさんー!」

父「おい、子供の前では父さんで通してくれよ……こいつら完全に俺の事漢さんって呼ぶようになっちまったじゃないか」

母「えへ、ごめんなさい」

父「はぁ……やれやれ」

460: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 03:13:36.27 ID:g2xOGNjJ0
母「でも時が経つのって早いですよね……もう5年も前ですよ!」

父「……そうだな」ナデナデ

母「♪」

息子「おとこさんぼくもー!」グイグイ

娘「わたしもー!」グイグイ

父「はいはいわかったわかった!やってやるから引っ張るな!」

母「ダメよ!まだママ全然堪能してないんだから!」

父「いや、そこは子供達に譲れ」

母「嫌です」キッパリ

467: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 03:21:48.66 ID:g2xOGNjJ0
母「……漢さん……」ギュッ

父「な、急にどうしたんだよ」

母「私、幸せです。間違いなく幸せ……」

父「……そうか」ギュッ

母「……好きですよ、漢さん」チュッ

父「……ああ」チュッ……

息子「……」

娘「……」

娘「おとうとよ、われわれはくうきをよもうか」ニッ

息子「わがあねよ、ここはふたりっきりにしていいふいんきをつくってやるとしよう」グッ

477: 以下、 VIPがお送りします 2014/07/30(水) 03:35:13.92 ID:g2xOGNjJ0
『好きですよ……漢さん……』ニコッ




『……ああ……そうだな』ニッ




『ちゃんと言って』ギュッ




『……好きだよ……』






ーー漢「うーむ、奴隷を買うかな……」奴隷商人「やすくしとくよ、旦那」
ーー漢「奴隷を買ったら」奴隷「国盗りすることになりました」


ー終幕

引用元: 漢「奴隷を買ったら」奴隷「国盗りすることになりました」