ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!!」

ヴァイパー「春麗! PVの第一弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!!」 

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!」

1: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:01:11 ID:Q8FMWPMQ
ーーあれから一週間


ベガ「さぁ、今日のメインは一味違うぞ……良い方に動くか、悪い方に動くか……そいつはわからんが、とにかくやるしかないな……」

さくら「そうっすね」

ベガ「この一週間のメインは、パートナーを変えてお茶を濁していたが……」

さくら「……結局の所はベガさんとリュウさんでしたね。一週間、出突っ張りでしたよ」

ベガ「そうでもしないと、埋まらんだろ……?」

さくら「……はい」

ベガ「しかし、今日は違う。空手軍団の頭とシャドルーの頭……そこの抗争はメインにはない……ここをカードとして成立させる事が出来れば、リュウや私が出突っ張りという状況から抜け出す事が出来るだろう」

4: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:10:31 ID:Q8FMWPMQ
ベガ「新しい物を作っていかないとな。ロレントとソドム……鍵はこいつらと……」

さくら「……」

ベガ「……そしてお前達女子部だ」

さくら「口では、そう言ってますけど……」

ベガ「……んっ?」

さくら「本当に、女子部に任せる気……あるんすかねぇ……?」

ベガ「勿論、あるに決まっているだろう……? どういう事だ……?」

さくら「……昨日のカード」

5: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:16:43 ID:Q8FMWPMQ
さくら「……どうして第五試合でやらせてくれなかったんっすかね? こっちはベルト戦っすよ?」

ベガ「仕方ない事だ……タッグ組の人気も上げていかなければいかないからな……」

さくら「昨日のタッグ組は、ベルト戦じゃないですよねぇ!? こっちはベルト戦なんっすよっ!? 女子部を押していく気があるなら……第五試合でもよかったんじゃないっすかねぇ!?」

ベガ「……シャドルーを貸しているだろう?」

さくら「春麗さんの復帰試合はメインやらせてくれる……な~んて、言ってますけど、結局タッグ組の下じゃないっすかっ!? やらせてくれる気……本当にあるんすか!?」

ベガ「メインにヤムチャを持って来る事……どうやら、やりすぎたみたいだったようでな……」

6: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:20:58 ID:Q8FMWPMQ
ベガ「急激にプッシュしすぎたせいで、どうやらタッグ組の中で不満を募らせている者がいるようだ……」

さくら「隠さなくても、検討はつきますよ……ユンさんと、ヤンさんでしょ……?」

ベガ「……」

さくら「カマかける気もないっす。そりゃ、ヤムチャさんがメインデビューした日に、第二試合に行ってるんっすから……そう思うのも当然っすよ。昨日はユンさんヤンさんが第五試合でしたしね……」

ベガ「ただでさえ駒が少ない状況で……今、彼らに抜けられるの困るのだよ……」

さくら「……だからって、女子部がそれの犠牲になるんすか?」

ベガ「やはり、女子部にメインは厳しいのかもな……仕方がない、タッグベルトを……」

さくら「……メインはやらせてもらいます」

7: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:25:09 ID:Q8FMWPMQ
さくら「こんなチャンス、二度とないっすからね……現状の扱いの悪さは、自分だけじゃなく、女子部全員が感じてる事っすよ……」

ベガ「……」

さくら「ここ、きっかけに……変えてやりますよ」

ベガ「……あぁ、頼む」

さくら「今日も第三試合っすけど……バルログさんとバイソンさん借りますよ……? 」

ベガ「……好きにしろ」

8: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:31:12 ID:Q8FMWPMQ
ーーー


バイソン「カードが発表されてから、一週間……長かったような、短かったような……」

バルログ「そうですね。ついに来ました」

バイソン「今日のメインはサガットちゃんと、ベガ様だ」

サガット「……あぁ」

バイソン「シャドルー頂上決戦って所だな……空手軍団の事は俺とバルログちゃんに任せておけ」

バルログ「今日の私達は第五試合で……リュウ君とヤムチャ君相手ですね」

リュウ「……今日はこの二人が相手か」

ヤムチャ「リュウさんがベルト戦じゃないのは、そのなんと言うか……と、とにかく頑張りましょう、リュウさんっ!」

9: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:35:44 ID:Q8FMWPMQ
ヤムチャ「あ、あの~……それでね、リュウさん……?」

リュウ「……どうした?」

ヤムチャ「こんな日に、こういう事言うのも……な~んか、変なタイミングなんですけどね……? その、あの……ねっ……?」

リュウ「言いたい事があるなら、はっきり言えよ」

ヤムチャ「じゃあ、言いますっ……! あのっ……今日俺、活躍してもいいですかね……?」

リュウ「……んっ?」

ヤムチャ「昨日、俺プーアルと一週間の反省……それと、これからの課題……そういうの予習してたんですけど……」

バイソン「おうおう、いい心がけじゃねぇか」

ヤムチャ「ちょ~っとねぇ……俺、バルログさん相手には……ホラ、まともに戦えてないと言うか……ねっ……?」

10: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:39:47 ID:Q8FMWPMQ
ヤムチャ「今日はメインじゃないっすけど……ホラ、こういう時だからこそ、バルログさんと戦うチャンスが欲しいって言うか……」

リュウ「……」

ヤムチャ「別に、勝ちは望んでないですよ……!? 玉砕覚悟でいいから、いってみたいんですよ。今日、そのチャンス……貰えませんかねぇ……?」

ケン「……ほ~う」

ヤムチャ「この試合って試合展開は、見えてる試合だと思うんですよ。だって、空手軍団ナンバーワンのリュウさんと、ナンバースリーの俺達でしょ?」

ケン「……俺は今日休みだな」

ヤムチャ「それで……相手は、シャドルーナンバーツーのバルログさんと、ナンバースリーのバイソンさんです。戦力的には、俺達の方が上ですよね……?」

リュウ「……確かに上だ」

11: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:44:45 ID:Q8FMWPMQ
ヤムチャ「だから、俺が予想外の行動をして……盛り上げていきたいって言うかね……? 積極的にバルログさんに挑んでいって……まぁ、最終的にはやられますよ」

リュウ「はは、最終的にはな」

ヤムチャ「そこをリュウさんが、ガツンと」

リュウ「決めるのは、俺と」

ヤムチャ「リュウさんがいれば……この戦力なら、圧勝できるんですが……敢えて……敢えてですよっ!? そこ、俺に任せて五分の勝負に持っていく……みたいな事出来ませんかね……?」

リュウ「……お前も、色々考えてるんだな。うん」

ヤムチャ「この一週間で、バルログさんのファイトスタイルに対応していかなきゃいけない……そういう課題が見えてきたんですよ」

12: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:48:55 ID:Q8FMWPMQ
バルログ「……大丈夫ですか、ヤムチャ君? 私の技で失敗なんてすると、試合が壊れてしまいますよ?」

ヤムチャ「イメージトレーニングは、完璧ですっ……! 多少は慣れてきた部分はありますし……ここらで実戦いっておきたいんですよ」

バイソン「何気にバルログちゃんにターゲット絞ってるけど、俺もいるんだぜ? バルログちゃんに行くには、順番的には俺を始末してからだ……そこの所もわかってんのか……?」

ヤムチャ「勿論、わかってますっ! バイソンさんとも、しっかり戦いますっ!」

リュウ「雑魚相手に無双した所で、自分の格が上がるとは思えない……なぁ、サガット……?」

サガット「……耳が痛い」

リュウ「いいだろう、ヤムチャ……バルログと戦えよ。お前にももっと経験が必要だ」

ヤムチャ「……ありがとうございますっ!」

13: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:55:33 ID:Q8FMWPMQ
リュウ「メインじゃないけど、試合を盛り上げていく……その事に変わりはないからな……ヤムチャがバルログにやられて、波乱が起こるならそうすればいいさ」

ケン「トチるんじゃねぇぞ、ヤムチャっ!」

ヤムチャ「勿論です、任せて下さいっ!」

バイソン「バルログちゃん……怪我するなよっ……!?」

バルログ「私が怪我するかどうかは、ヤムチャ君にかかってますよ……いいですね……?」

ヤムチャ「この一週間でバルログさんの研究はしてますっ! 怪我させないように、やってやりますよっ!」

14: 名無しさん 2015/11/25(水) 22:59:25 ID:Q8FMWPMQ
ベガ「おう、お前達……全員揃ってるみたいだな」

さくら「お疲れさまっす」

キャミィ「お疲れ様です」


プーアル「あっ、ベガさんにさくらさんに、キャミィさんまで」

ヤムチャ「お、お疲れ様です……なんだなんだ、総動員ですねぇ……」

バイソン「キャミィちゃんまで来るって事は……な~んだ、シャドルー関係か……?」

バルログ「……そうでしょうねぇ、きっと」

15: 名無しさん 2015/11/25(水) 23:04:53 ID:Q8FMWPMQ
ベガ「今日は色々とややこしいぞ……お前達に指示がある。その為にさくらとキャミィ君にも同席してもらった」

さくら「今日は皆さん、よろしくお願いします」

ベガ「先ず、ケン……」

ケン「んっ、俺……?」

ベガ「お前、解説だ……メインイベントの私とサガット試合……解説に行け……」

ケン「俺が解説……? けどよぉ……?」

ベガ「わかってる。わかってる。だからだ……」

16: 名無しさん 2015/11/25(水) 23:10:59 ID:Q8FMWPMQ
ベガ「リュウ……ヤムチャ……」

リュウ「……」

ヤムチャ「は、はい」

ベガ「お前らも解説だ……第五試合が終わったら、実況席に合流しに行け」

リュウ「……第五試合終わりに、メインのサガットの試合を解説か」

ヤムチャ「え、えぇ~!? お、俺も……!?」

プーアル「……ヤムチャ様、嘆かない」

ケン「……もうお前はうんうん頷いてればいいよ。俺がなんとかしてやる」

18: 名無しさん 2015/11/25(水) 23:17:07 ID:Q8FMWPMQ
ベガ「私とサガットの試合は……空手軍団総動員での解説という事だ。どうだ、これなら盛り上がるだろう?」

バイソン「リュウとヤムチャ君も大変だねぇ……試合後に解説だなんてよぉ……?」

ベガ「バイソン、バルログ……お前達は試合後ではない……試合前だ……」

バルログ「試合前……と言いますと、キャミィさんもこの場にいますし……キャミィさんをシャドルーへの勧誘ですね……?」

バイソン「でもよぉ、今日キャミィちゃん試合ねぇじゃねぇか? どうするんだ?」

ベガ「……さくら」

さくら「そこも説明します」

19: 名無しさん 2015/11/25(水) 23:24:51 ID:Q8FMWPMQ
さくら「第三試合が終わった後に……キャミィさんを呼び出します。王者に挑戦表明って形でね……?」

バイソン「ははぁ~ん。それでそこに俺達が後から、呼ばれて飛び出てババババーンって事だね……?」

バルログ「……わかりました」

さくら「バルログさん、バイソンさん……そしてキャミィさん……三人にはまだやってもらう事があります」

バルログ「……ん?」

バイソン「……なんだなんだ?」

ベガ「リュウ、ケン、ヤムチャ……お前達三人にもしてもらう事があるぞ……?」

リュウ「まだあるのか……」

ケン「……なんだなんだ?」

ヤムチャ「な、なんか……今日、皆忙しいなぁ……バルログさんと打ち合わせてる時間あるのかよ……」

50: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:01:27 ID:hNenQ87I
ーーー


コーディ「……はっはぁ!」ブンッ

ダルシム「……おおっ」ダダッ


実況「さぁ、この場面……コーディはダルシムの身体をロープへと振っていきます」

ローズ「いいんじゃないでしょうか?」


ダルシム「う、うおおっ……」ダダッ

コーディ「……それっ!」


実況「さぁさぁ、ダルシムの身体がロープから返ってきた。コーディはタイミングを合わせつつ……おっと、ダルシムの身体を一度透かし、左腕を腹部へと回したっ!」

51: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:09:01 ID:hNenQ87I
コーディ「……そぉらっ!」ググッ

ダルシム「お、おおっ……!」


実況「さぁ、コーディは……そのまま右手ダルシムの足をすくい上げ……抱え上げていったぁ!」

ローズ「上手く、サイドバスターの形へと捉えましたね」


コーディ「そぉら……おっとっとっと……」グルンッ


実況「さぁ、コーディはダルシムの身体を脇へと抱え上げたまま……おっとおおと、さらにさらに前進しつつ……旋回していくっ!」

52: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:15:53 ID:hNenQ87I
コーディ「……そぉらっ!」

ダルシム「……ぐうぅぅっ!」ドスーンッ


実況「そして、落としていくっ! ダルシムの身体をマットへと叩きつけていくっ!」

ローズ「いいですね」

実況「カウンターで決めていったぁ! コーディのサイドバスターっ! ダルシムの身体が背中からマットへと突き刺さりますっ!」


コーディ「……よしっ!」ムクッ

ガイ「……いいぞ、コーディっ!」


実況「さぁ、コーディはすかさず起き上がっていくっ!」

53: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:25:18 ID:hNenQ87I
コーディ「よ~し、一回交代だ……次はガイだ……」

ガイ「……任せておけっ!」


実況「さぁ、立ち上がったコーディは……自軍コーナー付近へと近づいていって、これは交代でしょうかねぇ?」

ローズ「上手く、選手を切り替え切り替え……そうですね。このタッグチーム……結構、上手く機能しているんじゃないでしょうか?」


コーディ「……行ってこいっ!」パシッ

ガイ「……任せておけっ!」パシッ


実況「さぁさぁ、ここでコーディはガイへとタッチっ! 交代していきますっ! ここで試合権は……ガイへと移りましたぁ!」

ローズ「若手タッグチーム対ベテランタッグチーム……試合前はどうなる事かと思いましたが……」

実況「そうですねぇ! 思っていたより健闘していますっ! と言うか、これは……コーディ・ガイの方に流れはあると見ていいのではないでしょうか……!?」

ローズ「実際にあると思いますよ? 上手く試合を優位に進めていますよ」

54: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:31:31 ID:hNenQ87I
ガイ「よし……!」


実況「さぁ、そしてここでガイがリングインっ! 勢いよくリングインっ! コーディはエプロンサイドへと引き下がりますっ!」

ローズ「ガイ選手も、この流れのままいきたいですね」


ダルシム「……う、ううっ」ムクッ

ガイ「いくぞっ……!」


実況「さぁさぁ、ガイは起き上がろうとしているダルシムに……近づいていくっ! 近づいていくっ!」

55: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:37:46 ID:hNenQ87I
ガイ「はぁっ、はぁっ……!」ガスガス

ダルシム「くっ……ぐっ……!」


実況「さぁ、ダルシムの起き上がりに合わせて……おぉ~っと、ガイはその顔面へと打ち込んでいくっ! スナップを効かせた裏拳気味の拳っ! おぉ~と、二発いったぁ!」


ガイ「……はぁっ!」ドスッ

ダルシム「……がっ!」

ガイ「……だあぁっ!」ガスッ

ダルシム「……ぐあっ!」


実況「更に更に、中段突きィ! 腹部に打ち込んでいくっ! おぉ~っと、そして肘打ちィ! 顔面へと打ち込んでいくっ!」

ローズ「……おっ?」

実況「ここは……ガイの流れるような連続攻撃と言った所でしょうかっ!? ダルシムを滅多打ちにしていきますっ!」

56: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:42:12 ID:hNenQ87I
ガイ「倒れろっ……! はああぁっ……!」シュッ


実況「さぁ、そしてここで足を高く上げての……回し蹴りっ! ガイの流れるようなコンビネーションっ!」


ダルシム「……甘いっ!」ググッ

ガイ「……う、うおっ!」スカッ


実況「あぁ~っと、しかしここは……ダルシム、上手く身体を屈めて……その蹴りを避けていくっ!」

ローズ「あらら、ダルシム選手よく見ていますね」

実況「ガイの蹴りは空を切るっ! ガイの蹴りは空を切るっ! ここはダルシム……よく見ていたっ!」

57: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:46:59 ID:hNenQ87I
ダルシム「甘いぞ、若僧っ……それっ……!」クルッ

ガイ「お、おっと……!」


実況「さぁ、ダルシムは身体を沈ませたままガイの懐に潜り込み、身体を反転させつつ、ガイの頭部を両手で捉えるっ!」

ローズ「……あららら」


ダルシム「フライングメイヤーだっ……! それっ……!」クルンッ

ガイ「う、うおっ……!」ドテッ


実況「ダルシムはガイの身体をそのまま前方に一回転させるように投げていったぁ! ここはフライングメイヤーっ! ガイの身体が、尻餅をつくようにマットへと落ちたぁ!」

59: 名無しさん 2015/11/26(木) 22:53:00 ID:hNenQ87I
ダルシム「……少し休ませてもらうかな。それっ」シュルッ

ガイ「……くおっ」


実況「おぉ~っと、ダルシムはそのまま背後から……おっと尻餅状態のガイの首筋に手を回して……こいつはスリーパーホールドの体勢でしょうか?」

ローズ「そうですね。ここはダルシム選手……ジックリと攻めて、リズムを取り戻しに来ましたかね? この辺りがダルシム選手のやり口ですね」

実況「激しく攻め立てず……ジワリジワリと、攻めていく……な~んとも、ベテランらしいやり口ですね?」


ダルシム「さぁさぁ、じっくり……んっ……?」

ガイ「ぬぬぬぬぬっ……! う、うおおぉっ……!」ググッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、おっとおっとおっとっ! ローズさん、見て下さいっ! 見て下さいよっ!」

ローズ「……あら」

60: 名無しさん 2015/11/26(木) 23:00:33 ID:hNenQ87I
ガイ「ぬぬぬぬぬっ……! う、うおおっ……!」ググッ

ダルシム「なんと……立ち上がってくるか……」


実況「この場面ガイは首を絞められつつも……上体を反らしながら、無理矢理立ち上がっていきますっ!」

ローズ「あらあら、まだまだガイ選手とコーディ選手の勢いは止まりませんね?」


ガイ「……うおおぉっ! はぁっ!」ガシッ

ダルシム「……くっ!」


パチパチ……パチパチ……

実況「さぁ、そのガッツ溢れるファイトに場内からも、拍手が沸き起こるっ!」

ローズ「いいですね」

実況「見せろ、ヤング・パワーっ! さぁ、ガイは完全に立ち上がったっ! そして、背後にあるダルシムの頭部を両手で掴んだっ!」

61: 名無しさん 2015/11/26(木) 23:07:48 ID:hNenQ87I
ガイ「フライングメイヤーだっ……! はぁっ……!」クルンッ

ダルシム「……う、うおっと」ドテッ


実況「お~っと、今度はガイがフライングメイヤーっ! ダルシムの身体をクルリと一回転させつつ、前方に投げ飛ばしていくっ! 今度はダルシムが尻餅をつくようにマットへと落ちるっ!」

ローズ「いいですよ、いいですよ」


ガイ「よし……いくぞっ……」ダダッ


実況「さぁ、そしてここでガイはダルシムの横をすり抜けるようにして……ロープへと向かっていったぁ!」

ローズ「流れるようにいきましたね」

62: 名無しさん 2015/11/26(木) 23:12:22 ID:hNenQ87I
ガイ「……ふんっ!」ググッ


実況「さぁ、ガイはそのままロープの反動をつけて……尻餅をついているダルシムの正面から、向かっていくっ! 突っ込んでいくっ!」

ローズ「ガイ選手はスピーディ攻め立てますよね」


ガイ「はああぁぁっ……! たあぁっ!」スパーンッ

ダルシム「……ぐ、ぐわああぁぁっ!」バターンッ


実況「そして、正面からの……低空ドロップキックを、ダルシムの胸元に突き刺していったぁ!」

ローズ「おぉ、いい感じじゃないですか」

実況「ガイもいい動きを見せていきますっ! これはこれは、ダルシムも……内心では焦っているのではないでしょうか?」

ローズ「そうかもしれませんね」

63: 名無しさん 2015/11/26(木) 23:17:22 ID:hNenQ87I
ダルシム「くっ……う、うおおっ……」

ガイ「……まだまだっ!」ガシッ


実況「さぁ、ガイは続けていくっ! すぐ様、立ち上がり……仰向けに倒れているダルシムの両足を自身の脇下へと抱え込んでいくっ!」

ローズ「ここは攻める場面ですね」


ガイ「……それっ!」グイッ

ダルシム「う、うおっ……!」


実況「ガイはダルシムの身体を跨いで……おぉ~と、ダルシムの身体を反転させていき……」

ローズ「ここは逆エビ固めですね」


ガイ「……うおおおぉぉっ!」ググッ

ダルシム「……ぐ、ぐわああぁぁっ」


実況「そのまま足を反り返らせて、腰を極めていくっ! ここはガイの逆エビ固めっ! 逆エビ固めだぁっ! これはガイも仕留めにいったか!?」

64: 名無しさん 2015/11/26(木) 23:21:12 ID:hNenQ87I
ダン「おい、どうするっ……!? ギブかっ……!? ギブアップかっ!?」

ダルシム「う、うおおっ……ノーだっ! ノーっ……!」


実況「さぁ、レフェリーが確認を取るっ! しかし、ダルシムは首を横に振るっ!」

ローズ「ガイ選手……一気にいきたいですねぇ」


本田「……何やっとんじゃっ! ロープまで逃げんかいっ!」

ダルシム「う、ううっ……わかってるよ……はぁっ、はぁっ……!」ズルズル

ガイ「お、おっと……」


実況「あ~っと、しかしここは……ダルシムも這いずるにしながら、なんとかロープブレイクを狙っているかっ……!? 徐々にロープへと近づいていきますっ!」

ローズ「……これは逃げられそうですかね? う~ん」

65: 名無しさん 2015/11/26(木) 23:27:24 ID:hNenQ87I
実況「非力なダルシムにこうも簡単に逃げられてしまうとは……う~ん、これはもう少しガイにもパワーが欲しいといった所でしょうかねぇ?」

ローズ「私はどちらかと言うと……ガイ選手はスピードで攻めていくタイプなんじゃないかなと思いますよ? パワーは……どちらかと言うとコーディ選手の方じゃないでしょうか?」

実況「あ~、確かに……どちらかと言えば、ガイはそんな印象ですねぇ?」

ローズ「足りない部分を補うのも大切ですが、それ以上に自分の得意な部分を伸ばしていく事……それって大事な事だと思いますよ?」

実況「……確かに!」

ローズ「それに……面白くありませんかね、この二人……?」

実況「……面白いと言いますと?」

ローズ「ほら、スピードのガイとパワーのコーディ……な~んか、凸凹コンビって感じがして、面白いじゃありませんか?」

実況「確かに……同じスタートラインから始まった二人でしたが、こうして見ると、やはりそれぞれ違った得意分野というものが出てくるのでしょうか?」

ローズ「今日の試合この二人……結構いい物出せてるんじゃないですかねぇ?」

78: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:00:41 ID:zGo3IKrs
ダルシム「くっ……掴んだぞっ……!」ガシッ

ダン「ロープブレイクだっ! ロープブレイクっ! ガイ、離せっ!」

ガイ「……くっ」


実況「おぉ~っと、ここは……ロープブレイクですっ! なんとかダルシムの腕がロープへと届きました。これには、ガイも技を解きますっ!」


ダルシム「少しやられすぎたようだ……ここは、一度変わってくれ……」パシッ

本田「よ~っしゃっ! 任せておけぃっ!」パシッ


実況「おっと、そしてそのままダルシムの腕が本田へと伸びますっ! ここは、ベテラン組……選手を入れ替えて来ましたかねっ!?」

ローズ「そうですね。本田選手出てきましたね」

79: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:09:03 ID:zGo3IKrs
本田「よ~っしゃ、ワシの出番やぁ! お前は、休んどれぇっ!」ササッ

ダルシム「そうさせてもらうよ……すまないな……」ゴロンッ


実況「さぁさぁ、本田がリングイン、リングインっ! 意気揚々とリングインっ! ダルシムはそのまま転がってエプロンサイドへと逃げ帰っていきますっ!」

ローズ「本田選手はダルシム選手程、甘くはないんじゃないですかね? でも、頑張って貰いたいですね」


本田「よぉ~っしゃっ! ほな、いくでぇっ! ガイっ!」ズガズガ

ガイ「……よしっ」ムクッ


実況「こちらは、ダルシムと違ってかなりの大柄っ! さぁ、本田は近づいていくっ! ガイも負けてられないっ!」

80: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:17:27 ID:zGo3IKrs
ガイ「……来たっ!」クルッ

本田「い~くでぇ、ほら、ど~すこ~いっ!」バチーンッ

ガイ「……ぐっ!」


実況「本田は振り返ったガイに……おぉ~っと、打ち込んでいくっ! 得意の張り手攻撃っ!」

ローズ「あ~、いきなり強烈なの……入っちゃいましたかね……?」


本田「まだまだぁっ! ど~すこ~いっ!」バチーンッ

ガイ「……くっ」

本田「もう一丁っ! ど~すこ~いっ!」バチーンッ

ガイ「……ぐっ」


実況「おぉ~っと、本田は連続でいく連続でいくっ! 重い重い張り手の連続攻撃っ! やはり、容赦なしだっ!」

ローズ「あの体格から打ち出される張り手っていうのは……重いでしょうねぇ」

81: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:21:37 ID:zGo3IKrs
本田「ど~すこ~いっ!」バチーンッ

ガイ「……くっ」ヨロッ

本田「ど~すこ~いっ!」バチーンッ

ガイ「……ぐっ」ヨロヨロ


実況「さぁ、本田の連続張り手攻撃で、徐々にガイの身体が後退していきますっ! なす術なしと言った所かっ!?」

ローズ「……頑張って貰いたいですけどね」


ガイ「……うおっ」ドスッ

本田「なんやなんやっ!? しかし、もう逃げ場はないでぇっ!?」


実況「おっとっ! そしてここでガイの身体がコーナーまで押し込まれたっ!」

ローズ「あらら」

82: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:26:25 ID:zGo3IKrs
コーディ「……ここは俺に任せろっ!」パシッ

ガイ「……すまぬっ!」


実況「おぉ~っと、しかし押し込まれた場所は幸か不幸か自軍コーナーっ!」

ローズ「あっ、コーディ選手がたまらず動いてきましたね」

実況「コーディはエプロンサイドからガイの身体を叩きますっ! これはタッチ成立っ! 再び試合権はコーディへと映りましたっ!」


本田「なんやなんや……相手は、コーディかぁ……?」

ガイ「……そこっ!」ガシッ

本田「……んあっ?」


実況「おぉ~っと、そしてここでコーナーに追い詰められながらも……ガイは本田の頭部捉え、脇下へと押し込みますっ! 動きを止めていくっ!」

ローズ「ガイ選手……落ち着いてますね」

83: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:33:35 ID:zGo3IKrs
本田「なんやなんや……おおぉ……離せ離せっ……」モガモガ

ガイ「コーディ……早くしろっ……!」

コーディ「そう急かさないでくれよ……今行くからさ……」ササッ


実況「さぁ、ガイが本田の動きを止め……そしてコーディがリングインしてきますっ!」

ローズ「なかなか機能してるんじゃないですか? この二人」


コーディ「……はっはぁっ!」ドスッ

本田「……ぐおっ!」


実況「ここは二人掛かりでの連携攻撃を仕掛けていくっ! コーディのスレッジハンマーっ! 本田の背中へと打ち込んでいくっ!」

ローズ「いいですね。自分達のリズムを作れてますよね」

84: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:39:20 ID:zGo3IKrs
ーーー


バイソン「結構、コーディ・ガイ組機能してやがるな……うんうん……」

サガット「そうだな」

バイソン「今までは保護者同伴のタッグチームだったけど……うん、今日は二人でタッグチーム……いいじゃんいいじゃん、いいんじゃねぇの、これ」

サガット「……ディージェイ君より使えるようになってきたんじゃないか?」

バイソン「ディージェイの野郎……今日、第一試合だからな……若手に負けてんじゃねぇよ、アイツも……」

サガット「……最近はジミーさんとが多いな」

バイソン「ジミーさん以外……面倒見切れねぇんだろ……ところで……」

85: 名無しさん 2015/11/27(金) 22:54:45 ID:zGo3IKrs
バルログ「……ヒャオっ!」

ヤムチャ「……ぐあぁっ!」ズドーンッ

バルログ「……立ってっ!」

ヤムチャ「わかってますっ……!」ムクッ

バルログ「来てっ……!」

ヤムチャ「わかってますってっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ

バルログ「……ヒャオっ!」

ヤムチャ「……ぐああぁぁっ!」ズドーンッ


バイソン「ドッタンバッタン大変だなぁ、おい……バルログちゃんも、ヤムチャ君も……」

サガット「この二人が、上手く機能しないと……こちらも上手くいきそうにないからなぁ……? 今日は念入りにだ……」

86: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:00:51 ID:zGo3IKrs
バイソン「そりゃ、わかってるけど……おい、バルログちゃん、あまりはしゃぎすぎるんじゃねぇぞ? 俺達の出番……この後の試合だぞ……? 乱入あるんだぞ?」

バルログ「……試合、どれくらい進んでます?」

サガット「中盤戦終わって……終盤戦に向かってるって所かな……? まだ、第二試合だ」

バルログ「……まだ、大丈夫じゃないですか。ヤムチャ君、もう一本いきましょう」

ヤムチャ「お願いしますっ!」

バルログ「じゃあ、コルバタ……いきましょうか……この辺、受けれないと話になりませんからね……」

ヤムチャ「コルバタ……大丈夫です……いけますいけます、お願いしますっ!」


バイソン「……怪我させんなよ~、おい」

サガット「な~に、大丈夫だろう……ヤムチャ君も慣れてきたさ……」

87: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:07:42 ID:zGo3IKrs
ーーー


さくら「ローズさんは、ちょっと取られていますが……次の試合、女子部総動員で盛り上げていきましょうっ!」

かりん「春麗さんも、昨日会場入りした事ですし、波は今来てますわよっ! 多分……」

さくら「キャミィさんも、ねっ……? よろしくお願いします!」

キャミィ「……頑張ります」

さくら「ここ、上手く行ったら……ひょっとしたら、女子部がメイン……な~んて事もあり得るかも知れませんよっ!?」

かりん「……メイン?」

さくら「そうっす! 春麗さんの復帰試合でメインイベント……可能性としてはありそうじゃないですか。ねっ!?」

88: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:12:27 ID:zGo3IKrs
キャミィ「そうなると春麗さんも喜びますね。頑張りましょう」

さくら「そ~っすっ! 春麗さんが、戻ってくるには……それなりの舞台が必要っすから!」

かりん「……ねぇ、さくら?」

さくら「どうしたっすか?」

かりん「……そういう話が出てますの?」

さくら「……えっ?」

かりん「だから、今の話……私達を鼓舞する為の、夢物語……? それとも……」

さくら「いや~、それはねぇ……」

かりん「本当にそういう話が出てますの? このタイミングで女子部がメインだなんて……ちょっと出来過ぎですわよ?」

89: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:17:47 ID:zGo3IKrs
さくら「あれ、おかしいっすね……? 間違えたかな……? かりん……かりん……?」

かりん「……そういう話が出てますのね?」

さくら「あの……あ~、いやぁ……それは、ね……?」

キャミィ「……本当にメインで出来るんですか?」

さくら「あれっ……? おっかしいなぁ……な~んで、こんな感じになっちゃった……試合前に……」

かりん「……なんで、そんなに大事な事を黙ってますの?」

さくら「……」

かりん「……ねぇ?」

90: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:23:04 ID:zGo3IKrs
さくら「……皆に余計なプレッシャー、与えたくなかったんっすよ。只でさえ、厳しい状況なのに。黙ってて申し訳ないっす」

かりん「……一人で抱え込んで、どうにかなる問題じゃないでしょ? ねぇ?」

さくら「……申し訳ないっす」

キャミィ「かりんさん、かりんさん……試合前に……やめましょうよ……」アセアセ

かりん「今日の一戦きっかけにして……メインまで持っていくの……?」

さくら「そこはね……確定事項では、ないっす……ロレントさん達も来てますからね……ベガさん、リュウさんがいないメインの枠を……ロレントさん達と女子部が奪い合う……そんな形でしょうね……」

かりん「……ロレントさん達も、来てますからね」

さくら「でもっ……! 春麗さんの復帰試合は……第五試合にはなると思いますよっ! どっちにしろ、いい位置では出来ますっ! ここは確定事項っすっ!」

91: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:29:48 ID:zGo3IKrs
かりん「第五試合とメインイベント……この差は大きいですわよ……どうせやるなら、メインの方がいいですわね……」

キャミィ「……」

さくら「ほらほら、早速気負ってる気負ってるっ……! だから、伏せておこうと思ったんすよっ! ほら、キャミィさんも……ねっ……? 普通でいいっすよ、普通でっ! いつも通りにいきましょう!」

かりん「普通にやってても……」

さくら「試合中に無茶されるのが一番怖いんすよ、こっちはっ! これ以上、怪我人出たらどうなるんすかっ!? 本当に女子部が回らなくなりますよっ!」

キャミィ「……」

さくら「キャミィさんも……ねっ……? 気負わなくていいっすから……ねっ。? 打ち合わせ通りに……打ち合わせ通りにいきましょうっ!」

キャミィ「……はい」

92: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:34:13 ID:zGo3IKrs
ーーー


実況「さぁ、惜しくも敗れてしまったコーディ・ガイ組……では、ありましたが……こいつは、大健闘と言っていいんではないでしょうかねぇ!?」

ローズ「そうですね。場数を踏んだベテランコンビ相手に……想像以上に検討してくれましたよね?」

実況「さぁ、退場していく両者に……場内から拍手が飛んでおりますっ! 次回期待しましょうっ!」

ローズ「そうですね。期待ですね」

実況「さぁ、以上が第二試合となりました。おっと……ここで、お時間が余ったと……? あららら……」

ローズ「あらら」

実況「それではね、ゲスト解説に……でへへ、ローズさんが来てくれたというのですから……ここからは、楽しく私とお喋りな~んかをね……? していこうではありませんかっ!」

ローズ「ふふ、構いませんよ」

93: 名無しさん 2015/11/27(金) 23:41:43 ID:zGo3IKrs
実況「そう言えば、先日……春麗選手が、会場に来日しましたよねぇ?」

ローズ「そうですね」

実況「復帰まで秒読み……カウントダウンが進んでいると言った所でしょうが、これからますます盛りがっていく事になるんではないでしょうか!?」

ローズ「う~ん……私にとっては、嫌なライバルが戻って来た……なんて感じもしますけどね?」

実況「仲間であると同時に……敵でもあるっ……! この辺りは複雑な関係だっ!」

ローズ「そうですね。嫌なライバルには違いませんが……同じ女子選手として、尊敬出来る部分も多く持っています」

実況「春麗の復帰戦……こちら、対戦カードはもう決まっていたりするんでしょうかねぇ……?」

ローズ「まだ、未定の状態ではありますが……う~ん、どうしましょう? 立候補してみるのも悪くありませんね?」

実況「おぉ~っと、復帰試合は春麗対ローズか……? その時は私、精一杯実況させていただきますっ!」

ローズ「ふふ、ありがとうございます」

109: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:01:39 ID:9tgWAoSk
ローズ「……でも、どうなんでしょうねぇ? う~ん」

実況「おっとぉ、どうなされましたか?」

ローズ「やっぱり、私の他にも復帰戦の相手……狙っている相手はいるんじゃないですかね? 先日、かりん選手ともそういう話をチラッとしましたよ」

実況「……あらら、かりんもですかっ!?」

ローズ「ええ。どうやら……虎視眈々と狙っているみたいですよ……?」

実況「まぁ、確かに春麗と言えば……それぞれ、思う部分もあるでしょうっ!」

ローズ「なかなか、倍率の高い試合……かも、しれません……」

実況「さぁさぁ、そんなかりんですが……これ、次の試合ですねぇ……?」

ローズ「そうですねぇ。次の試合は……かりん選手対さくら選手ですね」

実況「是非とも、華やかな試合を期待したいっ! そして……これから、どうなっていくのかも、期待したいっ!」

110: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:13:20 ID:9tgWAoSk
ローズ「皆さん、女子選手の事もどうかよろしくお願いします」

実況「……ローズ選手も負けないで下さいよっ!?」

ローズ「勿論です」

実況「さぁさぁ、それではそろそろお時間となってしまいましたっ! 本日のゲスト解説は……」

ローズ「ローズです。ありがとうございました」

実況「さぁ、CMの後はかりん対さくらっ! かりん対さくらっ! 春麗復帰が近づいている今……若い選手達は何を思うのかっ……!?」

ローズ「……次の試合も、可愛いゲスト解説が来ますよ?」ニコッ

実況「おぉ~っと、その通りっ! ゲスト解説も見逃すなっ! いやぁ~、本日私役得だっ! 頑張って実況するぞっ! CMの後は、かりん対さくらっ……!」

111: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:20:55 ID:9tgWAoSk
ーーー


バルログ「……ヒョオオオォォッ!」ブンッ

ヤムチャ「……う、うおおぉぉっとっとっと!」ズドーンッ

バルログ「……タイミングはバッチリですよっ!」

ヤムチャ「うおおぉぉっ……! おおおぉぉぉっ……!」ゴロゴロ


バイソン「おうおう……転がってる、転がってるよ、おい……」

サガット「……ハハハ。いい受けだ」


ヤムチャ「こ、こんな感じで……いいですかねぇ……? バルログさん……?」ムクッ

バルログ「いやぁ、ヤムチャ君……足腰しっかりしてますねぇ……こちらもやりやすいですよ。オッケーじゃないですかね……」

ヤムチャ「……よしっ!」

112: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:26:19 ID:9tgWAoSk
サガット「……形にはなったかな?」

バイソン「よ~し、それじゃあバルログちゃん……第二試合、終わったぞ……? 次の試合が女子部の試合……乱入の準備、そろそろしておこうか……」

バルログ「それでは私は、乱入の準備がありますので……ヤムチャ君、本番の方も、よろしくお願いしますよ……?」

ヤムチャ「はい、任せて下さいっ……! それじゃあ、バルログさんにバイソンさん……さくらちゃん達の試合……盛り上げに行って来て下さいっ!」

バイソン「……任せなさぁ~いっ! こういう事は、バイソン様の得意分野だからよぉ! 目一杯盛り上げてやるからよぉ!?」

バルログ「……頼もしい相棒がいますね。私は半分付き添いですね。では、行ってきますよ」

バイソン「ヤムチャ君も、バイソン様の勇姿を見て……ちっとは勉強しろ~いっ! よぉ~し、それじゃあ出陣じゃ~!」ズガズガ

プーアル「ヤムチャ様、勉強の量が多いですね……でも、頑張って下さいねっ!」

ヤムチャ「身体の勉強の後は……頭の勉強か……ちくしょう、俺こっちは苦手なんだよなぁ……」

113: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:34:08 ID:9tgWAoSk
サガット「試合前に体力を使いきって、試合中バテている……な~んて、事じゃ困る……とりあえず、その辺りで切り上げておこうか……他人の試合を見て学ぶ事も大切だ……」

ヤムチャ「バルログさんも行っちゃった事だし……そうですね……」

サガット「飲み込み早かったじゃないか……? いい受けっぷりだったぞ……?」

ヤムチャ「こういう身体に染み込ませる……ってのは、いけるんですよ……ただ、脳ミソに染み込ませていく……ってのは、苦手なんですよねぇ……」

プーアル「……ヤムチャ様は、ちょ~っと抜けてる所がありますからねぇ」

ヤムチャ「バルログさんが、帰ってきたらね……試合の流れ……? もう一回だけ確認しておきたいと思います……しくじったら、俺じゃなくバルログさんが怪我しちゃいますからね……」

サガット「そうだ、その通りだな」

114: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:40:52 ID:9tgWAoSk
ヤムチャ「……あの~?」

サガット「んっ……? どうした……?」

ヤムチャ「サガットさんは……その、大丈夫なんですか……? メインイベントがあるってのに……」

サガット「……俺は、ヤムチャ君の指導役だよ。ジミーさんにも頼まれてるからな」

ヤムチャ「……あぁ、そうっすか」

サガット「……」

ヤムチャ「……余裕なんですねぇ?」

サガット「……」

ヤムチャ「……ねぇ?」

サガット「……まぁな」

115: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:47:19 ID:9tgWAoSk
ーーー


さくら「イエーイっ! リングイーンっ!」


実況「さぁ、さくらがリングインっ! リングインっ! これで両者が出揃いましたっ!」

ワー、 ワーワー

実況「第三試合はかりん対さくらっ……! かりん対さくらのシングルマッチでございますっ! そ~れでは、ゲスト解説を御紹介していきましょうっ! 本日のゲスト解説はこちらの方だっ!」

キャミィ「……」

実況「え~っ……ほ、本日のゲスト解説はこちらの方ですっ……!」

キャミィ「……」

実況「あ、あ~っとっ……! 本日のゲスト解説には、なんとなんと女子王者のキャミィ選手が来て下さいました~っ!」

キャミィ「……」

実況「キャミィさんっ……? 本日は……どうぞ、よろしくお願いしますっ!」

キャミィ「……はい」

116: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:52:17 ID:9tgWAoSk
実況「え、え~っと……ま、まぁキャミィさんは、私なんかと違いまして……こう、クールと言いますか……冷静と言いますか……ねっ……?」

キャミィ「……」

実況「……ねっ!?」

キャミィ「……はい」

実況「いや~、私もよく元さんに叱られたりするんですよっ!? お前は喋りすぎだっ! な~んて、言われましてねっ……?」

キャミィ「……」

実況「……ねっ!?」

キャミィ「……そうですか」

実況「いや~、熱くなりすぎると少々周りが見えなくなると言うか……いやぁ、自覚しているのですが……なかなか治らない、悪い癖だっ! ガハハハ」

キャミィ「……」

117: 名無しさん 2015/11/28(土) 22:59:31 ID:9tgWAoSk
実況「本日はね……私の解説に、イキすぎた部分なんかがあったりしたら……その時は、是非とも女子王者であるキャミィ選手に……私を止めていただきたいっ! どうかよろしくお願いしますよっ!?」

キャミィ「……」

実況「キャミィ選手……? あ、あの~、キャミィ選手……?」

キャミィ「……あの」

実況「あっ、はいっ……! どうされましたかっ!?」

キャミィ「集中して試合が見たいんですけど……まだ、続けますか……?」

実況「あっ……! いやぁ~、その……それはそれは……」

キャミィ「……試合を見ましょう」

実況「あ~っ! はいはい、そうですねっ……! 私の無駄話にキャミィ選手を付き合わせる事はありませんよねっ……!? それでは、早速実況していきましょうっ! 実況はこの私と、解説はキャミィ選手でございますっ!」

118: 名無しさん 2015/11/28(土) 23:06:54 ID:9tgWAoSk
ダン「よ~しっ! それじゃあ、ゴングを鳴らせっ! ゴングをよぉっ!」


カーンッ


かりん「……いきますわっ!」

さくら「よぉ~しっ! いくっすっ!」


実況「さぁ、今……戦いの鐘の音が響き渡ったぁ! それと同時に両者が突っ込んでいくっ!」

キャミィ「……」


かりん「……それっ!」ガシッ

さくら「……ふぬぬっ!」ガシッ


実況「同時に両者がリング中央で組み合っていくっ! 先ずは、ロックアップから入っていきましたっ!」

キャミィ(上手く盛り上げる事が出来れば……女子部がメインで出来るかもしれない……? だったら、頑張らなきゃ……私も頑張らなきゃ……)

119: 名無しさん 2015/11/28(土) 23:14:13 ID:9tgWAoSk
かりん「……それっ!」クルッ

さくら「んっ……? あ、あたたたたっ……!」


実況「さぁ、先に動いたのはかりん……と言った所かっ!? さくらの左腕を両腕を取りつつ持ち上げて、回転しつつその下を潜り抜けていくっ!」

キャミィ「……」

実況「さくらの腕を捻りつつ、背後へと回っていったぁ! 先ずはハンマーロックっ!」


かりん「……腕を取りましたわよっ!」ギリギリ

さくら「くっ……くっ……」モガモガ


実況「その背後から、さくらの腕を絞りあげていくっ! さぁ、さくらは身動きが取れないかっ!?」

120: 名無しさん 2015/11/28(土) 23:23:40 ID:9tgWAoSk
かりん「……それそれっ」ギリギリ

さくら「あたたたっ……痛いなぁ、も~う……」ヨロヨロ


実況「さぁ、かりんに背後から腕を捻られ捉えられているさくらっ……! おっと、しかし捉えられながらも……?」

キャミィ「……」


さくら「……よっとっ」コロンッ

かりん「……あらっ?」


実況「おぉ~っと、さくらは腕を掴まれながらも……そのまま前方に一回転っ! 腕を捻られて捉えられているのならば……腕ではなく、自身の身体を同方向へ回転させていくっ!」

キャミィ「……」

121: 名無しさん 2015/11/28(土) 23:28:42 ID:9tgWAoSk
さくら「これで、捻られた腕は元通りっ……!」ムクッ

かりん「……あらら」


実況「自身の身体を回転させていく事によって、捻られた腕は元に戻るっ! ここはさくらが前転で切り返していくっ! さぁ、さくらはそのまま立ち上がるっ!」

キャミィ「……」


さくら「……今度はこっちの番っすよ。よ~いしょっとっ!」ググッ

かりん「あ、あらっ……? あらあら……?」


実況「さぁ、そのままさくらは……かりんの身体を押しやって、ロープ際までへと運んでいくっ!」

122: 名無しさん 2015/11/28(土) 23:33:11 ID:9tgWAoSk
さくら「……それっ!」グイッ

かりん「……あらっ?」


実況「ロープ際までかりんの身体を運んでいったさくらは……そのままロープに押し付け、反動を利用して……」


さくら「そ~れっ! いってこいっ……!」ブンッ

かりん「……くっ!」ダダッ


実況「かりんの身体を逆側のロープ目掛けて振っていくっ! 捉えていた腕も引き剥がされてしまったぁ!」

123: 名無しさん 2015/11/28(土) 23:37:53 ID:9tgWAoSk
さくら「さ~あ、いくっすよっ!」ガバッ

かりん「くっ……!」ダダッ


実況「さぁ、さくらは両腕を大きく広げながら前進っ! そしてかりんの身体がロープの反動によって返ってきたぁ! これは、カウンター攻撃……狙っているんでしょうかねぇ?」

キャミィ「……」


さくら「そ~れっ! カウンターで決めてやるっすよっ!」シュルッ

かりん「……くっ」


実況「さぁ、さくらはかりんの首筋に手を回しながらそのまま背後へと回っていくっ! ここは、ロープカウンターのさくら締めっ! スリーパーホールドで捉えていったぁ!」

125: 名無しさん 2015/11/28(土) 23:42:21 ID:9tgWAoSk
さくら「それっ……それっ……!」ググッ

かりん「くっ……くっ……」モガモガ


実況「さぁさぁ、今度はかりんが身動きが取れないっ! 背後からのスリーパーホールドで捉えられているっ! 今度は、さくらが捉えたっ!」

キャミィ「……」

実況「……この辺り、結構クラシックな立ち上がりとなってきたでしょうか?」

キャミィ「……」

実況「……ねぇ、キャミィさん?」

キャミィ「……」

実況「……ねぇ!?」

キャミィ「……普通です」

実況「あ、あぁ……そうですか……まぁ、試合はまだ始まったばかりですからね!? ここから、どうなっていくか……ですっ!」

141: 名無しさん 2015/11/29(日) 22:02:35 ID:eYPRnPXg
数十分後ーー


さくら「せぇ~のっ……!」ググッ

かりん「……きゃ、きゃあっ!」


実況「さぁさぁ、さくらはかりんの頭部を脇へと抱えて……おぉ~っと、そのまま真っ逆さまへと持ち上げていったぁ!」

キャミィ「……」


さくら「……よっとっ!」

かりん「……くああぁぁっ!」ズドーンッ


実況「そして、そのままかりんの身体を後方へと倒していくっ! ここはブレーンバスターっ! さくらがかりんをマットへと打ち付けていくっ!」

キャミィ「……」

実況「やはり、女子選手だと言えども……パワーを感じますねぇ、キャミィさんっ!?」

キャミィ「……」

142: 名無しさん 2015/11/29(日) 22:10:53 ID:eYPRnPXg
さくら「……よしよしっ!」ムクッ

かりん「くっ……ああっ……」


実況「さぁ、そしてさくらが上体を起こしますっ! これはもう、完全にさくらペースになってきたと言ってもいいんではないでしょうかねぇ、キャミィさん!?」

キャミィ「……」

実況「う~ん……まぁ、これはさくらのペースなんでしょうっ! ねぇっ!?」


さくら「さぁ~、そろそろ止めにしてやるっすよっ……!」ググッ


オー、オーオー

実況「さぁ、さくらがここで立ち上がり……そして右腕を大きく突き上げるっ! こいつは、フィニッシュ宣言かっ!?」

キャミィ「……咲桜拳にいくと思います」

実況「おぉ~っとっ……咲桜拳っ……!? やはり、ここは決めにきたか……さくらっ……!?」

143: 名無しさん 2015/11/29(日) 22:18:59 ID:eYPRnPXg
さくら「カモン、カモン……スタンダーップ……スタンダーップ……」クイクイ

かりん「くっ……う、ううっ……」ムクッ


オー、オーオー

実況「さぁ、さくらは右の拳を握り締めながら……おぉ~っと、ゆっくりと左手を上下に動かしているっ!」

キャミィ「……」

実況「早く立ち上がってこい……立ち上がってこいと言わんばかりに、誘っているっ!」


かりん「……ううっ」ヨロッ

さくら「よしっ、いくよっ……! せぇ~のっ……!」ダダッ


実況「誘われる課のように、ゆっくりと立ち上がってくるかりんっ……! さぁ、しかしさくらはもう狙いを定めているっ! かりんに対して、突っ込んでいったぁ!」

144: 名無しさん 2015/11/29(日) 22:24:45 ID:eYPRnPXg
さくら「咲桜拳っ……! たああぁぁっ!」ズガアァァッ

かりん「……カッ、ああっ」


ワー、ワーワー

実況「いったぁ! 勢いよく前進しながら、かりんの顎へと拳を打ち込んいったぁ! ここは、さくらが決めにいったかっ! 咲桜拳っ!」

キャミィ「……多分、決まったと思います」


かりん「……あ、ああっ」バターンッ

さくら「よしっ……! レフェリー、フォールっすよっ……! カウント、お願いしますっ!」ガバッ

ダン「オーケー、任せておきなっ!」


実況「コイツを喰らい、かりんは大きく大きく大きくダーウンっ!」

キャミィ「……」

実況「そして、さくらはかりんの身体へとそのまま覆い被さるっ……! フォールの体勢っ! さぁ、今レフェリーが駆け寄ってきたぞっ! どうなるっ!?」

145: 名無しさん 2015/11/29(日) 22:30:54 ID:eYPRnPXg
ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリイイィィっ!」

さくら「……よぉしっ!」

ダン「カウントスリーだっ! カウントスリーっ! ゴングを鳴らせぇっ! ゴングをよぉ!」


カンカンカーン


実況「こ~こ~で、スリーカウントっ! スリーカウントォ! かりん……返せないっ! スリーカウントが入りましたっ!」

キャミィ「……」

実況「さくらの咲桜拳で、試合は決着ゥ! 試合は決着ゥ! かりん対さくらの試合は……さくらが勝利しましたぁっ!」

146: 名無しさん 2015/11/29(日) 22:38:24 ID:eYPRnPXg
さくら「……よ~しっ!」ググッ


ワー、ワーワー

実況「さぁさぁ、さくらがリング中央で……両腕を挙げて、今勝ち名乗りを受けていますっ! 第三試合……かりん対さくらの試合……結果はさくらの勝利っ……! さくらが勝者となりましたっ!」


さくら「いや~、レフェリー……ちょっと、マイクいいっすか……?」

ダン「……なんだなんだぁ? なぁ~んか、言いたい事があるのか? ほれ」サッ


実況「おぉ~っと、そしここでリング上のさくらが……レフェリーから、マイクを受け取りましたっ!」

147: 名無しさん 2015/11/29(日) 22:53:39 ID:eYPRnPXg
さくら「いや~、最近……な~んか、最近スランプ続き……そ~んな感じがしてたんですけどね……?」


実況「さぁさぁ、さくらがここで言葉を発しますっ! まぁ、静かに聞こうではありませんかっ!」

キャミィ「……」


さくら「色々、考えた事もあったんですよ……へへ、慣れない事に手を出したり……そんな事もしちゃってね……?」


実況「おぉ~っと、どうしたどうした……? いつものさくららしくない……そ~んな言葉のような気がします……」

キャミィ「……」

148: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:01:47 ID:eYPRnPXg
さくら「でもっ……! 今日の試合で気づきましたっ……! やっぱり、自分はこういう事しか、出来ないんだな~ってね……?」

オー? オーオー?

さくら「今日はね……? 自分らしい試合が出来たんじゃないか……な~んて、思うんですよっ! なんだか、調子が取り戻せてきた……そ~んな予感がしますよっ!」


実況「まぁ、ここ最近のさくらは……何かが噛み合ってない……そ~んな感じがする事も多々ありましたっ! しかし、今日の勝利は確かにさくららしいファイトスタイルであったのではないでしょうかっ!?」


さくら「この調子だったら……なんとか、いけような予感がしますよっ……! ここで、お知らせですっ!」


オー? オーオー?

実況「さぁさぁ、さくらはスランプ脱出のきっかけを掴んだと言った所でしょうかっ!? リング上にはいつもの元気なさくらの姿が、そこにはありましたっ!」

キャミィ「……」

実況「さぁ、そして……? ここでさくらから、何やらお知らせがあるそうですっ!」

150: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:15:18 ID:eYPRnPXg
さくら「皆さんも知っての通り……春麗選手の、復帰が迫っていますっ! もう、後僅かですっ!」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、お知らせとは……どうやら、春麗の復帰の事だったようですっ!」


さくら「春麗選手の復帰試合も勿論、行われるのですが……」

オー! オーオー!

さくら「……へへ、ごめんなさい。まだ、カードの方は白紙の状態なんですよねぇ」

エー? エーエー?


実況「おぉ~っと、春麗の復帰試合の方は……まだ、カードは白紙の状態あったようですねぇ……? しかし、もうすぐそこに迫っている事なのではないでしょうかっ!」

151: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:22:58 ID:eYPRnPXg
さくら「でも、大丈夫っ! 春麗選手の復帰試合は盛大に盛り上げていきますよっ! 何故ならっ……!」

オー? オーオー?

さくら「自分がその相手を勤めますっ!」

オー! オーオー!

かりん「……えっ!?」ムクッ


実況「おぉ~っと、なぁ~んとここでカードが決定かっ!? 春麗の復帰試合……この対戦相手は……さくらなのかっ!?」

キャミィ「……」

実況「しかしこれ……私はローズ選手にも話を聞いたのですがねぇ……? どうやら、ローズ選手も狙っている……そういった事を言っていました。これは……さくらでいいのでしょうかっ?」

153: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:31:20 ID:eYPRnPXg
かりん「ちょっと、ちょっと……何、勝ってな事言ってますの……?」フラフラ

ダン「お、おいっ……! かりん……無茶するなよ……?」


実況「あ~っと……しかし、この発言で……リングに倒れ込んでいたかりんも黙ってはいませんっ! 慌てて立ち上がり、フラフラとさくらに詰め寄っていくっ! どうやら、春麗の復帰戦……かりんも狙っていたのでしょうかね?」


さくら「へへ、べ~だ。べ~だ。早いもん勝ちですよ~だっ! 立候補は自分一番乗りで~すっ! こういうのは……早い物勝ちなんですよ~!」ササッ

かりん「……ズルいですわよっ!」


実況「あ~っと、しかしさくらは……そんなかりんから、おっと距離を取りますっ! まぁ、確かにこういうのは……早い者勝ち……言った者勝ちみたいな所も、あるとは思うのですが……」

キャミィ「……」

実況「……キャミィさんなんかは、どうなんですかね?」

キャミィ「……私は」

155: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:37:17 ID:eYPRnPXg
さくら「春麗選手の復帰試合は、この春日野さくらが盛大に勤めますっ! 今、ここでカードを決定させますよっ!」

オー! オーオー!

さくら「ただの試合より……ねぇっ……!? どデカイ物、賭けてやった方が……きっと、喜んでくれるはずでしょうっ……! ねぇっ……!?」

オー! オーオー!

さくら「……ヘーイっ! そこの放送席にいるチャンピオンっ!」ビシッ

ワー! ワーワー!


実況「えっ……? えっ……? あっとっとっとっ……! おぉ~と、さくらが……さくらが、我々の放送席の方を指差して……」

キャミィ「……」

156: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:43:27 ID:eYPRnPXg
さくら「リングに上がって来てもらいましょうかっ……! ヘーイ、カモーンっ!」クイクイ


実況「お~っとっとっと……リング上から、さくらが……あ~っと、我々放送席にいるキャミィさんを……呼び寄せていますっ!」

キャミィ「……」


さくら「あ~んたが、ここに来ないと……始まらないんですよ……ほら、来てもらいましょうかねぇ……?」


キャ・ミ・ィ ! キャ・ミ・ィ !

実況「おぉ~っと、おぉ~っと……こいつはこいつは、どうやらさくらは我々放送席にいる……」キョロキョロ

キャミィ「……呼ばれているみたいなので」スッ

実況「あっ、あ~っ!? キャミィさんっ……!? キャミィさ~んっ!?」

157: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:52:14 ID:eYPRnPXg
キャミィ「……」スッ

さくら「……来ましたね」


ワー! ワーワー!

実況「あ~っと、今放送席からキャミィさんが……リングに行ってしまいました……キャミィさんがさくらの元に相対しますっ!」


さくら「自分の言いたい事は、もうわかってると思いますが……改めて、言わせてもらいますよ……」

キャミィ「……」

さくら「自分は春麗選手の復帰試合を、盛大に盛り上げるつもりです……だけど、現段階じゃ……ピースが揃ってません……」

キャミィ「……」

さくら「……あんたが持ってる物が必要なんですよ」

160: 名無しさん 2015/11/29(日) 23:57:16 ID:eYPRnPXg
さくら「ベルト、譲ってもらいましょうか……? 復帰試合を盛大に盛り上げるには……そいつが必要なんですよ……」

キャミィ「……」

さくら「明日でもいい……今からでもいいっ……! 自分には、そのベルトが必要なんですよ……! 挑戦、受けてもらえますか……? ねぇ……?」

キャミィ「……」

さくら「調子の戻ってきた今ならっ……! 誰にも、負ける気がしませんよっ……! あんたにもっ……! そして春麗選手にもねっ……!」

キャミィ「……」

さくら「次の挑戦者は自分っすっ……! この挑戦、受けてもらえますかねぇっ!? 現チャンピオンさんっ!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁさぁ、ここでさくらが……キャミィ挑戦表明っ! 挑戦表明っ! リングに呼び出し……挑戦表明っ! やはり、女子部の絶対王者の春麗が戻って来るという事は……それぞれ、思う事があるでしょうっ! しかし、真っ先に動いてきたのは、さくらぁ!」

161: 名無しさん 2015/11/30(月) 00:01:50 ID:Svv3K0Uc
バイソン「お~い、コラ小娘。一人でヒートアップしてんじゃねぇぞ、ゴルアァ」

さくら「……んっ?」


ザワ……ザワ……

実況「あ~っと、あ~っとっ! しかししかしっ……! おっとおっとおっとっ……! ここで花道から……花道からっ……!」


バイソン「勝手にポンカラポンカラ話を進めてんじゃねぇぞ、この野郎……舐めてやがんのか……? その話……ストップだ……ストップストップ……」ズガズガ

バルログ「……フフフ、醜いですね」


ブー! ブーブー!

実況「ここで花道からバイソンがマイクを片手に現れましたっ! バイソンだけではないっ……! バルログもいますっ! バルログもっ! バイソンとバルログが現れましたぁ!」

162: 名無しさん 2015/11/30(月) 00:03:06 ID:Svv3K0Uc
今日はここまで

175: 名無しさん 2015/11/30(月) 22:00:30 ID:Svv3K0Uc
バイソン「……よっと」ググッ

バルログ「……フフ」ググッ


ブー! ブーブー!

実況「さぁ、このブーイングの中……バイソンとバルログが入場してきて……そしてリングインっ! 招かざる客の登場と言った所か……!? 場内からは鳴り止まないブーイングっ!」


ブー! ブーブー!

バイソン「おいおいおいおいっ……! やかましい、やかましいっ……! 俺は勘違いしてるこの小娘に教えてやるだけだ……ち~っとは黙ってろっ!」

さくら「……あぁっ!?」

バイソン「おい、コラ……おめぇらのチンケな祭り事の為によぉ……? ベルトを使う……? あぁっ……? お前、何言ってんだこの野郎っ……!」

176: 名無しさん 2015/11/30(月) 22:06:45 ID:Svv3K0Uc
バイソン「ベルトってのは、そういう事に使うもんじゃねぇだろ……ベルトってのはよぉ……?」

さくら「……」

バイソン「……覇権を手にする為に使うもんなんだよぉ」


ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、おぉ~っと……なんと言いますか……なんと言いますか……バイソンの横やりっ……! そして、鳴り止まないブーイングゥ!」


バイソン「このストリートプロレス……今、支配してるのは誰だ……? 俺達シャドルーだ……」

バルログ「……フフフ」

バイソン「何故、支配してるか……へへへ、答えは簡単だ……ベガ様がベルトを手にしてるからこそ……このストリートプロレスは、俺達シャドルーの支配下にあるわけだな……」

177: 名無しさん 2015/11/30(月) 22:15:30 ID:Svv3K0Uc
バイソン「春麗の復帰試合……? 知るか、ボケ……春麗って、誰だ……? 知らねぇよ……」


ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、おっと……バイソンは止まらない止まらないっ! 春麗の事まで侮辱していきますっ! こいつは許されないぞっ!?」


バイソン「てめぇらの、仲良しごっこの為に……ベルトを使う……? は~ぁ? お前、何言ってんだよ……バーカっ!」

さくら「……あぁっ!?」

バイソン「なぁ、キャミィ……? もういいだろ……? こ~んな、チンケな奴らに付き合う必要はねぇよ……?」

キャミィ「……」

バイソン「お前は、強いんだ……間違いなくぶっちぎりで強い……だから、シャドルーに入る資格がある……俺達ともっとデカい事をしようぜ……? なぁ……?」

178: 名無しさん 2015/11/30(月) 22:29:35 ID:Svv3K0Uc
バルログ「……キャミィさん、どうぞ」スッ

キャミィ「……」


実況「さぁ、そしてここでバルログがキャミィの前にシャドルーTシャツを差し出すっ! やはり、勧誘だぁっ! 今回もシャドルーの勧誘がきたぁ!」


バイソン「バカが一人で熱くなってるだけだ……そんな奴は放っておけばいい……なっ……? キャミィ、お前の居場所はこっちだ……」

さくら「……なんだってっ!?」ギリギリ

ダン「さくらっ……! やめろっ……! やめろってっ……! 相手が悪いっ……!」

バイソン「受け取れ……キャミィ……もう、いいだろ……」

179: 名無しさん 2015/11/30(月) 22:34:30 ID:Svv3K0Uc
バルログ「……受け取って下さい。そして、我々と盛り上げていきましょうよ。ねっ?」

キャミィ「……」スッ


ザワ……ザワ……

かりん「……えっ?」

さくら「……キャミィっ!」

ダン「あ、あの野郎っ……」


実況「おぉ~っとっ! なんとなんとなんとっ……! ここでキャミィがっ……! 受け取りましたっ! シャドルーTシャツをその手にしましたっ! キャミィはシャドルーTシャツを受け取ったぁ!」

180: 名無しさん 2015/11/30(月) 22:42:00 ID:Svv3K0Uc
バルログ「……フフフ」

バイソン「よぉ~しっ! お前らよく覚えておけっ! こいつがシャドルーの新メンバー……キャミィだ~っ!」ググッ

キャミィ「……」


実況「キャミィがTシャツ受け取ったっ……! と、言う事はシャドルー加入っ……! な~んと言う事だぁ! バイソンはキャミィの腕を掴み、高々と掲げますっ!」


さくら「……キャミィっ!」

かりん「……キャミィっ!」


実況「春麗の復帰が近づき……それぞれの選手が想いを寄せる中……現チャンピオンであるキャミィは、よりにもよってシャドルー加入の道を選んでしまったぁ!」

181: 名無しさん 2015/11/30(月) 22:53:41 ID:Svv3K0Uc
ブー! ブーブー!

実況「場内から、ブーイングが飛び交いますっ! ブーイングが飛び交いますっ!」


バイソン「へへへ、ようやく……これで……」

キャミィ「……くっ!」ブンッ

バイソン「……んっ?」


実況「おっとっとっ! んっ……!? キャミィは、バイソンに抱え上げられた腕を……力強く振り払ってっ……!?」


キャミィ「……はあぁっ!」ガスッ

バイソン「……ぐ、ぐおぉっ!」


オー! オーオー!

実況「お~っとっ! そしてここでバイソンの顔面にエルボーバットォ! なんだなんだなんだぁ!? どうしたどうしたぁ!? キャミィが打ち込んだぁ!」

182: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:00:23 ID:Svv3K0Uc
バイソン「う、うおぉっ……! 何しやがるっ……あの糞アマ……」クラクラ

バルログ「バ、バイソンっ……! 大丈夫ですかっ……!?」

キャミィ「……邪魔だ、退けっ!」ドンッ

さくら「……うおっと」

キャミィ「……はああぁぁっ!」ダダッ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、キャミィは受け取ったTシャツを投げ捨て……そして、さくらの身体を押しやって……ロープへ向かって走っていったぁ!」


かりん「……キャ、キャミィ!?」キョロキョロ

キャミィ「……はああぁぁっ!」ダダッ


実況「ロープの反動をつけて……そしてキャミィがいくっ! キャミィがいくっ……! 狙うは……バイソンだぁ!」

183: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:10:29 ID:Svv3K0Uc
バイソン「くあっ、あの糞アマ……不意打ちで思いっきりぶちかましてきやがった……ちくしょうっ……んっ……?」フラフラ

キャミィ「……キャノンスパイクだっ!」ズガアアァァッ

バイソン「……うぐあああぁぁっ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そしていったぁっ! キャミィがいったぁ! 体勢を低くした状態から……勢いよくバイソンの顎に蹴りを見舞いつつ、そのまま後方にクルッと一回転っ! こいつは、キャノンスパイクだあぁっ!」


キャミィ「……」

バイソン「く、くそっ……このアマ……」ゴロゴロ


実況「キャミィっ……! シャドルー加入かと一瞬、思われたがっ……! こいつは、驚きの展開っ! なんと……あのバイソン相手に一歩も引かず、正面から向かっていったぁ! バイソンはそのまま大きくダウンして……転がって場外へと落ちていったぁ!」

184: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:17:37 ID:Svv3K0Uc
バルログ「コイツっ……! 舐めた真似をっ……! 女だろうが容赦はしませんよっ! ヒャオっ……!」グイッ

さくら「……危ないっ!」


実況「あぁ~っと、あっとっ! しかし、仲間がやられたとなれば……やはりバルログも黙ってはいないかっ!? キャミィを掴まえようとしますっ!」


キャミィ「……お前もっ!」ヒョイッ

バルログ「……くっ!」スカッ


実況「おぉ~っと、しかしキャミィはそんなバルログの動きに合わせてヒラリとバックステップっ! おぉ~っと、ここは危機一髪と言った所かっ!?」

185: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:21:56 ID:Svv3K0Uc
キャミィ「……帰ってろっ!」クルッ

バルログ「くっ……! こいつ……素早いっ……!」


実況「距離を取ったと思いきや、すかさずターンして突っ込んでいくっ!」


キャミィ「……はああぁぁっ!」ドスッ

バルログ「……ぐっ!」

キャミィ「アクセルスピンナックルっ……!」ズガアアァァッ

バルログ「……くあああぁぁ!」バターン


ワー! ワーワー!

実況「そして、バルログへと肘打ちっ! 裏拳っ! 連続で叩きこんでいくっ! こいつはアクセルスピンナックルだぁ! アクセルスピンナックルっ! キャミィのアクセルスピンナックルがバルログへと炸裂したぁ!」

186: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:26:40 ID:Svv3K0Uc
バルログ「く、くそっ……!」ゴロゴロ


ワー! ワーワー!

実況「バルログはダーウンっ! バルログはダーウンっ! そして、そのまま大きく転がってリング外へと落ちていきましたぁっ! これによってっ……! 招かれざる客のバイソンっ……! そしてバルログっ……! シャドルーがリングの上から排除されたぁ!」


キャミィ(これで……シャドルーとは、もうお別れ……)


ワー! ワーワー!

実況「今まで、幾度となくシャドルーの勧誘はありましたっ! しかし、キャミィは無言を貫き通してきましたぁっ!」


キャミィ(ここから先は……自分一人で……私一人の、足で……)


ワー! ワーワー!

実況「しかししかししかぁ~しっ! 今日は違うっ! 今日は違うっ! キャミィはバイソンの顔面へと強烈なエルボーバットォ! そして、キャノンスパイクっ! おまけにアクセルスピンナックルときた物だ、この野郎ォっ!」

187: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:33:13 ID:Svv3K0Uc
実況「決別決別決別決別ゥ! こいつは完全決別と言っても、過言ではなぁ~いっ!」


ワー! ワーワー!

キャミィ(盛り上げていかなきゃ……私、一人の力で盛り上げていかなきゃ……だけど……)


実況「拒否ィ! 拒~否ィ! 拒ォォォ否っ! 拒否拒否拒否拒否拒否ィィっ! キャミィはシャドルーへの勧誘を……完全に拒否していったぁ!」


ワー! ワーワー!

キャミィ(私が、頑張らなきゃ……メインの話はない……くっ、言えるのか……私に言えるのかっ……!?)


バルログ(さぁ、キャミィさん……後は、貴方のマイクだけですよっ……!)

バイソン(ま~た、な~んか一人で考えこんでんじゃねぇの、オイ……? こりゃ、前日のアドバイス……思い出して貰わないといけませんな、おいおい……)ムクッ

188: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:40:56 ID:Svv3K0Uc
バイソン「うおおおぉぉっ……! 人が下手に出てりゃあ、調子に乗りやがってっ……! この糞アマがあぁぁっ……!」

キャミィ「……んっ?」チラッ


実況「おぉ~っと、おっとおっとっ!? ここでバイソンが場外で物凄い形相をしながら吠えていますっ! 吠えていますっ! だがしかしっ……あれこそが奴の本性だっ!」


バイソン「ベガ様が、どれだけお前の事を評価してるか知らねぇけどよぉ……? そもそも、俺様はハナからお前みたいな奴の事は、気に食わなかったんだよ、この糞アマがぁっ……!」

バルログ「バ、バイソンっ……! 計画は失敗ですっ……! 落ち着きなさいっ……!」ガシッ

バイソン「おめぇはよぉ……!? いつもいつも、だんまり決め込みやがってっ……! この糞がっ……! えぇっ……!? お前、何考えてるかわかんねぇんだよ、糞がっ!」

キャミィ「……」

189: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:46:11 ID:Svv3K0Uc
バイソン「勧誘はこれが初めてじゃねぇよなぁ、おいっ……! 何度も何度も、俺様達が足を運んでやったよなぁ、オイっ……!」

キャミィ「……」

バイソン「おめぇはその度に、だんまり決め込んでよぉっ……! そういう所が気に食わなかったんだよ、糞ったれがぁ、オイっ!」

キャミィ「……」

バイソン「おめぇ、ず~っと、ず~っとっ……! そのベルト取ってから……何考えてたんだ、ええっ!? そういう所が、わかんねぇんだよっ……! 気に喰わねぇんだよ、糞がぁ!」

キャミィ(ベルトを取ってから……私が、思っていた事……)

バイソン「てめぇ、いつもいつも……何考えてるんだよっ……! 糞があぁぁっ! お前だけは、わけわかんねぇ奴なんだよ、オイっ……!」

キャミィ(そうだ……ベルトを取ってから……私が思っていた事を言えばいい……それを言えばいいんだ……それを言えば、きっと伝わる……そう言われてた……)

190: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:51:30 ID:Svv3K0Uc
バルログ(キャミィさんっ……! バイソンの言う通りですっ……! 昨日のアドバイス通りにっ……!)ガシッ

バイソン「離せぇっ! 離しやがれ、バルログっ! 俺はぶん殴るっ……! あの機械人間をぶん殴るっ……! も~う、我慢ならねぇっ……!」モガモガ


キャミィ(バイソンさん……バルログさん……お別れした直後だってのに……まだ、私に……)


実況「おぉ~っと、おっとおっとおっとっ! バイソンは止まらない止まらないっ! 喚き散らしているっ! それをなんとか、バルログが抑えていると言った所かっ……!? このままでは、リング上の女子選手……あ~っと、これ以上は想像したくないっ!」


さくら(……キャミィさんっ!)

かりん(……キャミィっ!)


キャミィ(バイソンさんもいる……バルログさんもいる……それに、さくらさんもかりんさんも……大丈夫、大丈夫……言える、言えるっ……!)

ザワ……ザワ……

キャミィ(全部は上手く言えないかもしれないけど……ちょっとぐらいの間違いだったら、きっと皆が助けてくれるはず……だから……)スッ

オー? オーオー?

キャミィ(言おう……自分の気持ちを……これまで溜め込んきた物を……)


実況「おぉ~っと、ここで……キャミィがリングに落ちているマイクを……拾い上げましたっ! あのマイクは、バイソンは持ち込んだきた物ですねぇ、確か。どうやら、リング上に吹っ飛んでいたようですっ!」

191: 名無しさん 2015/11/30(月) 23:53:33 ID:Svv3K0Uc
今日はここまで

202: 名無しさん 2015/12/01(火) 22:00:20 ID:zLGpDA2o
キャミィ「……黙ってろっ!」


オー! オーオー!

実況「おぉ~とっ! そしてここでキャミィが、場外で吠え倒しているバイソンに……一括っ! 一括っ! キャミィが叫んだっ! キャミィが叫んだぁ!」


バイソン「……あぁっ!? なんだぁ?」

バルログ「あの小娘っ……!」


実況「おぉ~っと、どうしたどうしたっ……! クールなキャミィ……いつも終わってしまえば、まるで猫のように飄々とリングから去ってうキャミィが……今日は、どうしたどうしたっ! マイクを手を取り……そして叫びますっ!」

ザワ……ザワ……

実況「予想外の行動っ! これには、バイソンも驚いていますっ……! バルログもっ……! そして勿論、私もっ!」

203: 名無しさん 2015/12/01(火) 22:11:07 ID:zLGpDA2o
キャミィ「私がベルトを取ってから……」


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、ここはキャミィはトーンを落として……そして、場外にいるバイソンとバルログに向かって言っていくっ!」


キャミィ「多くの事が起きた……試合が終われば必ず、お前達が現れ……」

バイソン「……」

キャミィ「リングで喚き散らし……そして、帰っていった……」

バルログ「……」

204: 名無しさん 2015/12/01(火) 22:19:40 ID:zLGpDA2o
キャミィ「……不快だったぞ」ギロリ


オー、オーオー

実況「おぉ~っとっ! ここで、キャミィがシャドルーを睨みつけますっ! 鋭く睨みつけますっ! 確かにキャミィはシャドルーにしつこくしつこく勧誘されていましたっ! やはり、その心中には思う事があったようだっ!」


バイソン「ケッ、何言ってやがる……クソが……」

バルログ「……もう、あの小娘はダメですね。とんだ見込み違いだったようです」


キャミィ「さくら……かりん……お前達もだっ……!」ギロリッ

さくら「……えっ?」

かりん「……えっ?」


ザワ……ザワ……

実況「おっと、そして……キャミィはさくら……そして、かりんっ……! そちらの方を振り向いていくっ!」

205: 名無しさん 2015/12/01(火) 22:31:40 ID:zLGpDA2o
キャミィ「私がベルトを取ってから……お前達は私を目の敵かのように……執拗に、執拗に……狙い続けたな……?」

かりん「……」

キャミィ「特にさくら……お前には一番、狙われてたような気がするよ……」ジリジリ

さくら「……」


実況「おっと、ここでキャミィは落ち着いたトーン話しつつも……ゆっくりと、さくらに近づいて行ってっ……!?」


キャミィ「……不快だったぞ?」ニコッ

さくら「……」


ザワ……ザワ……

実況「おぉ~っと、キャミィはさくらの目前僅か30cmまで近づいていって……そ~して、ニッコリ微笑みますっ! しかし、言葉が言葉なだけに……これは、なんとも不気味だっ!」

206: 名無しさん 2015/12/01(火) 22:38:41 ID:zLGpDA2o
キャミィ「全てが不快だった……自分の身にこんな事が、起こるだなんて……想像もしてなかったよ……」

さくら「……」

キャミィ「……この数週間、私は頭がおかしくなりそうだった」クルッ


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、キャミィは淡々と続けながら……おっと、そしてここでさくらの目の前から、クルッと反転して再び距離を取ります……キャミィは淡々と続けるっ!」


キャミィ「……だが、私は耐え続けたっ!」


ザワ……ザワ……

実況「おぉ~っとっ! しかし、ここでキャミィが声を荒げたっ!」

208: 名無しさん 2015/12/01(火) 22:46:30 ID:zLGpDA2o
キャミィ「これこそが王者の宿命……ベルトの重圧だと思い……私は耐えたっ……!」

ザワ……ザワ……

キャミィ「お前達の挑戦を跳ね除け……私はベルトを守った……守り続けたっ……! 何故だか、わかるかっ……!?」


ザワ……ザワ……

実況「確かに、決起になって自分に向かってくる他の選手達っ……! そして、そこにシャドルーの勧誘も加わりますっ! キャミィのこの王者防衛ロードっ……! 振り返ってみれば、茨の道でしたっ!」


キャミィ「一番っ……くっ、一番っ……!」

さくら「……」

キャミィ「一番ベルトの似合う人間に、なろうと思ったからだっ……!」

209: 名無しさん 2015/12/01(火) 22:54:22 ID:zLGpDA2o
キャミィ「ベルトの使い方が、わかっていないのはお前達だ……」


オー、オーオー

実況「さぁ、キャミィは高まった感情を抑えるように……続けていきますっ……!」


キャミィ「覇権を手にする為に使う物……?」

バイソン「……」

キャミィ「違う……それは、違う……」フルフル


オー、オーオー

実況「さぁ、キャミィは場外にいるバイソンとバルログを見つめながら……首を振っていくっ!」

210: 名無しさん 2015/12/01(火) 23:06:09 ID:zLGpDA2o
キャミィ「復帰選手の試合を盛り上げる為の道具……? お前が……?」ギロリ

さくら「……」

キャミィ「違う……それは、違うぞ……ベルトはそんなに安い物ではないぞ……?」フルフル


オー、オーオー

実況「さぁ、キャミィは続けてさくらの方も振り向き……そして、またも首を横に振っていくっ!」


キャミィ「相応しい選手と相応しい選手が戦う……その隣に……」ジリジリ

さくら「……」


実況「さぁ、キャミィはここでゆっくりとさくらに近づいていくっ……!」


キャミィ「……ベルトは在るべきだ。お前じゃない」ギロリ

さくら「……」


オー! オーオー!

実況「そしてここでキャミィが鋭くさくらを睨みつけるっ! 睨みつけていくっ!」

211: 名無しさん 2015/12/01(火) 23:14:45 ID:zLGpDA2o
キャミィ「後、何人倒せば……私がチャンピオンとして認められるか……それは、わからない……だけど……」

さくら「……」

キャミィ「もう一度、私が春麗を倒せば……今度こそは認めざるを得ないだろう……?」ニコッ


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、確かにキャミィが防衛ロードが始まった時辺りに……春麗の離脱がありましたっ……! キャミィはこれまで、幾度となく防衛を重ねてきたのですが……その防衛ロードに離脱の春麗は含まれてはいなかったっ!」


キャミィ「もう、誰にも軽視される事はなくなる……不快な日々は終わるんだっ……!」

さくら「……」


ワー! ワーワー!

実況「その辺りが、王者キャミィの軽視に繋がってたと言えばいいのでしょうかねぇ!? しかし、離脱している選手とは戦う術はないっ! この辺り……きっと、キャミィにもジレンマのような物があったんでしょうねぇ、きっとっ!」

ワー! ワーワー!

実況「いやぁ、私キャミィの胸の内が初めてここで聞けたような気がしますっ! キャミィはこれまでずっとずっと……思っていたのでしょうねぇっ!」

213: 名無しさん 2015/12/01(火) 23:21:38 ID:zLGpDA2o
キャミィ「……さっきの挑戦表明は、受けてやる。これもきっと、私が一番ベルトの似合う人間になる為の条件の一つなんだろうからな」

さくら「……」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、そしてここで……キャミィがさくらの挑戦表明を……受けたぁ!」


キャミィ「だが、春麗の復帰試合……一番相応しい形で、務める事が出来るのは……」

さくら「……」

キャミィ「お前じゃないっ……! 私だっ……!」


ワー! ワーワー! イイゾー! キャミィー! ワー! ワーワー!

実況「さ~ぁ! しかしキャミィは……目の間のさくら戦ではなく……も~う、これは春麗の復帰戦へと標的を定めてると言っても過言ではないでしょうっ! そして、そこにベルト賭ける事も……望んでいるでしょうっ!」

229: 名無しさん 2015/12/02(水) 22:00:35 ID:3CgU.9Vk
キャミィ(終わった……やりきった……今まで、ずっと溜め込んできた物を……全部、吐き出した……)


キャミィ! キャミィ! キャミィ! キャミィ!

実況「さぁ、場内からはキャミィコールと、そして鳴り止まない手拍子っ……! 旧・女帝春麗の復帰が近づいている今……それぞれ思うべき事はあったっ……! ありましたっ……!」


キャミィ(皆、認めてくれたかな……? もう、さくらさん達にも……シャドルーにも祭り上げられる必要はない……この声援は……そう思っても、いいんだよね……?)


キャミィ! キャミィ! キャミィ! キャミィ!

実況「だがしかし、それはキャミィにも当然っ……! 当然ありましたっ……! 新・女帝のしてのプライドォ! 意地ィ! 誇りィ! これ程までに絶好の機会はないっ……! 王者としてっ……! 王者としてっ……! この一戦だけは、誰にも譲れないっ!」


キャミィ(くっ……まだ、泣くなっ……! まだ退場があるっ……! まだ泣くのは早いっ……!)

230: 名無しさん 2015/12/02(水) 22:12:12 ID:3CgU.9Vk
キャミィ「……マイクだ」サッ

ダン「……おう」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そして……キャミィは手にしたマイクを、レフェリーに預け……」


キャミィ(後は任せて、帰ろう……これ以上、ここにいたら……多分、ダメだ……)

さくら「……」


実況「そのまま、ロープを潜り……おぉ~っと、花道を引き下がっていくっ! おっと、おっと……キャミィは退場していくようですかねっ!?」

231: 名無しさん 2015/12/02(水) 22:20:13 ID:3CgU.9Vk
キャミィー! ガンバレー!

キャミィ「……」

キャミィー! オウエンシテルゾー!

キャミィ「……」

キャミィー! フッキセンハ、オマエガイケー!

キャミィ「……」


実況「さぁ、キャミィの胸の内が聞けた事によって……おっと、それにシャドルー勧誘拒否もあったぁっ! 場内からは、キャミィに声援っ……! 大声援が飛び交っていますっ!」

キャミィ! キャミィ! キャミィ! キャミィ!

実況「だがっ……! キャミィは何も応えないっ……! いつもの飄々としたキャミィの姿が……そこにはあったぁ! さぁ、今キャミィが……退場していったぁ!」

232: 名無しさん 2015/12/02(水) 22:26:15 ID:3CgU.9Vk
バイソン「ケッ……なんだよ、どいつもこいつも騒ぎやがって……つまんねぇな……」

バルログ「しかし、勧誘は拒否されてしまいましたねぇ……どうしたものか……残ってる小娘の中に、戦力になりそうな者はいますかねぇ……?」

バイソン「……リングに残ってる奴らは小粒揃いで、話になんねぇだろ? ここは撤退だ、ちくしょう」

バルログ「……そうですね。帰りますか」


実況「さぁ、キャミィの退場によって……場内の熱狂が、少々収まってきたという所でしょうかねぇ? あ~っと、そんな中……今、バルログとバイソンが引き下がっていきますねぇ!? キャミィに拒絶された両者っ……! その背中が小さく見えるっ!」

233: 名無しさん 2015/12/02(水) 22:37:00 ID:3CgU.9Vk
ーーー


ローズ「……キャミィちゃん、お疲れ様」

キャミィ「……お疲れ様です」

ローズ「……頑張ったね?」ニコッ

キャミィ「う、ううっ……はい……」

ローズ「うん、うん……キャミィちゃんは、一番辛かったもんね……? 一番辛い役割りしてたもんね、うんっ……!」ギュッ

キャミィ「ううっ……はいっ……!」ポロッ

ローズ「頑張ったっ……! うん、うんっ……! よく頑張ったっ……! よく頑張ったよっ……!」ポンポン

キャミィ「……はいっ!」

237: 名無しさん 2015/12/02(水) 22:49:53 ID:3CgU.9Vk
ーーー


サガット「いやぁ、何と言うか……風格がついてきたんじゃないか……なぁ……?」

ヤムチャ「一歩どころじゃ、ないです。二三歩、先に行かれた……そんな気がします……」

ケン「……お前も、見習え」

サガット「今までは、無理にチャンピオンを演じていたが……これで、立派なチャンピオンになったんじゃないか……? 復帰戦で、新旧チャンピオン対決……ここの結果……さくらちゃんは、どうするんだろうな……?」

リュウ「……先に行かれちまったな、ちくしょう」

ヤムチャ「……リュウさん」

リュウ「でも、あの子はずっと耐え続けてやってたからな……続けていく事で、ファンの心を掴んだんだろう……」

240: 名無しさん 2015/12/02(水) 23:02:53 ID:3CgU.9Vk
ーーー


実況「さぁ、場内には静寂が訪れましたかね……? お~っと、ここでさくらが……何か言うのか……!?」


さくら「ちょっと……うん、ちょっと彼女……キャミィ選手の事……」


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、そしてさくらがここで言葉を発しますっ!」


さくら「誤解してたような部分もあります……自分、ちょっと単細胞な所もあるんで……ごめんなさいっ……!」

ザワ……ザワ……

さくら「でも、今日の彼女の言動……行動……それを見て、自分は思いますっ……!」

241: 名無しさん 2015/12/02(水) 23:17:16 ID:3CgU.9Vk
さくら「……相手にとって不足なしっ!」

オー? オーオー?

さくら「自分だって……! 自分だって負けないぐらい、ベルトへの想いっ……! そして、憧れの春麗選手っ……! その復帰試合の相手を努めたいという想いはありますっ……!」

オー、オーオー

さくら「キャミィ選手……彼女が、受けてくれた事に感謝っ……! 自分にだって、目標はありますっ……! ここは、譲れないっ……!」

オー、オーオー

さくら「キャミィ選手っ……! いやっ……! チャンピオンっ……!」

オー! オーオー!

さくら「一つ、その胸を借りさせて頂きますよっ……! 勝った方が、春麗選手の復帰試合の対戦相手……それでいきましょうっ……!」

オー! オーオー!

244: 名無しさん 2015/12/02(水) 23:25:05 ID:3CgU.9Vk
実況「さぁ、どうやら春麗の復帰試合の対戦相手を賭けての……さくら対キャミィの試合が、近日中に行われる事になりそうでしょうかねぇ……!?」


さくら「自分だって、負けないっすよっ! 絶対絶対絶対、負けないっ……!」


ガンバレ、ガンバレー

実況「さぁ、さくらはリングの四方に向けて、アピールしていきますっ! さくらはキャミィの胸を借りる……と、言いましたっ!」

ワー、ワーワー

実況「春麗戦へ向けての前哨戦っ……! さくらにとっては、ここが最後のチャンスっ……! アピールポイントっ! そして、キャミィにとってはこれも受けざるを得ない王者の宿命っ……!」

ワー、ワーワー

実況「どちらが勝つのか……勝者は二人はいないっ……! 勝ち残るのは、一人だけっ! さぁ、ここからの流れが私も非常に気になってきましたっ! さぁ、そんな所ですが、残念ながらそろそろお時間となってしまいましたっ!」

ワー、ワーワー

実況「さくらのアピールが続いてる中……第三試合の中継を終了させて頂きますよ! 実況は私と……そして、解説は……この場にはもういませんが、キャミィ選手でしたありがとうございますっ! さぁ、CMの後は第四試合っ!」

263: 名無しさん 2015/12/04(金) 22:02:32 ID:lNUkqqk6
ーーー


さくら「いやぁ、よしよし……お疲れ様ですっ……!」

かりん「お疲れ様ですわ」

ローズ「さくらちゃんも、かりんちゃんも、お疲れ様。これならきっと春麗も喜んでくれると思うわ」

かりん「あら……? バルログさんと、バイソンさんは……?」キョロキョロ

ローズ「あぁ、あの二人なら戻っちゃったみたい……打ち合わせ、まだ残ってるらしいわよ?」

かりん「……キャミィ?」

キャミィ「……はい」

かりん「あっ……ううん……今はいいですわ。後で……また後にします……」

264: 名無しさん 2015/12/04(金) 22:09:05 ID:lNUkqqk6
さくら「よしよし、パーっと盛り上がっていきたい所っすが……ちょ~っと、席外してもいいっすかね……?」

ローズ「ん……? 何処に行くの……?」

さくら「……ベガさんに報告してきます」

ローズ「そうね、うん」

さくら「今日は、やりきりましたよ……これなら文句の付け所もないはずっすよ。これなら、しばらく女子部はいい位置で出来る事、間違いないっす……!」

かりん「復帰までの一週間……ここも踏ん張りどころですわね……」

さくら「一週間で終わらせてたまるもんかっ……! 二週間、三週間と……続けてやりますよっ……! 早速、報告行ってきますっ……!」

ローズ「……あらあら、気合入っちゃって」クスクス

265: 名無しさん 2015/12/04(金) 22:20:54 ID:lNUkqqk6
ーーー


バイソン「う~す。只今戻りましたよ~ん」

バルログ「……お疲れ様です」

ケン「……なんだお前ら? 戻ってきたのか?」

バイソン「……な~んだよ、その言い方」

ケン「だって、もう第四試合始まってんぞ……? お前ら、こっち戻ってきてもすぐ試合だろうが……」

バイソン「……まぁ、野暮な事はしたくなかったんでね」

ケン「……野暮な事?」

ヤムチャ「あ~っ、バルログさん……戻ってくるの待ってたんですよ……!? あの、もう一回確認しておきたいんですけど、いいですかね……? これを最終確認って形で」

バルログ「……はいはい、わかりました。もう、試合始まってますからね。手短に終わらせましょう」

バイソン「まぁ、いいじゃねぇか……こうやって、最終確認が出来るんだからよ……?」

266: 名無しさん 2015/12/04(金) 22:28:45 ID:lNUkqqk6
サガット「……リュウ、お前はいいのか?」

リュウ「そうだな、確認しておくか……今日は、ヤムチャと組んで試合……その後、お前の試合の解説……」

サガット「……よろしく頼む」

リュウ「はいはい……あ~っ、ったく……おぉ~い、バルログにヤムチャ……俺も混ぜろ混ぜろ……仲間に入れてくれ……」

ヤムチャ「あ~、はいはいっ……! リュウさんリュウさんも……ここ入って下さい……どうぞどうぞ……」

バイソン「……じゃあ、バイソンちゃんも加わるとしましょうか」

バルログ「そろそろ時間もありませんからね……では……」

サガット「……ケン、お前もよろしく頼むぞ」

ケン「……あいよ」

267: 名無しさん 2015/12/04(金) 22:35:34 ID:lNUkqqk6
ーーー


コンコン

ベガ「……さくらか? 入れ」

さくら「……失礼します」

ベガ「なんだなんだ……? どうした……? そんな怖い面をして……」

さくら「……」

ベガ「……結果を出したんだ。もっと、笑え」

さくら「……って事は」

ベガ「春麗の復帰試合……メイン確定させよう……今回のPVはそれでいこう……」

さくら「……よっしゃっ!」ググッ

270: 名無しさん 2015/12/04(金) 22:46:02 ID:lNUkqqk6
ベガ「それとだ……引き続き、シャドルーの勧誘だが……確認しておくぞ……? 本当にもう、必要ないんだな……?」

さくら「……大丈夫っす。十分、協力していただきました。キャミィさんは、シャドルー抜きでも盛り上げる事の出来るチャンピオンっす。次の自分との前哨戦で、それを証明してみせますよ」

ベガ「いや、女子部全体として……という事だ……キャミィの勧誘に失敗したシャドルーは……次は、誰を勧誘する……? ここのターゲットに、女子部を含めないでいいのか……? 大丈夫か……?」

さくら「……」

ベガ「かりんだって、ローズだっていいんだぞ……? 春麗ってのも、面白い……お前達が、必要ないのなら……こっちはこっちで、別の人間を考える……」

さくら「……」

ベガ「……どうする?」

さくら「……ちょっと、頼み事いいっすか?」

ベガ「……構わんよ。聞こう」

271: 名無しさん 2015/12/04(金) 22:53:43 ID:lNUkqqk6
ーーー


ソドム「Catch!」ガシッ

ガイル「……ぐっ!」


実況「さぁっ! ソドムがガイルを掴まえたっ!」

元「いやぁ……それよりそれより……」


ソドム「……And!」ググッ

ガイル「う、うおおっ……!」


実況「そして、そのまま大きく飛び上がりながらっ……!?」

元「いやぁ、だからだから……さぁ……?」


ソドム「Yeahhhhhhh! BUTSU-METSU buster!」

ガイル「……うぐあああぁぁっ!」ズドーンッ


実況「ガイルの身体をマットへと叩きつけていくっ! 仏滅バスターっ! 仏滅バスターっ! ソドムがガイルの身体を強烈にマットへと叩きつけていったぁ!」

272: 名無しさん 2015/12/04(金) 23:01:03 ID:lNUkqqk6
実況「なんとも、恐ろしい響きがしますっ……! 仏滅バスターっ!」

元「……なんで、仏滅なの? ねぇねぇ、なんでなんで?」

実況「元さん、これはねぇ……どうやらソドム曰く、相手に忌み嫌われる言葉を浴びせる事によって……相手の心……つまり、精神ですね! そちらにもダメージを与えていく……という、ソドムなりの考えだそうです」

元「……な~んだ、その理論!?」

実況「だから、ソドムの技には……縁起の悪い言葉が含まれているわけですね……? ほらほら『大凶』だとか……? 『地獄』だとか……?」

元「余計な言葉ばかり覚えるんだねぇ~? なぁ~んで、そんな言葉から覚えちゃうんだよ? ちゃんとした言葉を覚えましょう!」

実況「しかし、おはようございますラリアットだとか……ありがとうございますタックル……そうなってしまうと、それはそれで……ねぇ……?」

元「……彼には放送コードに引っかからない程度の言葉で済ませてもらいたいね」

実況「あ~、それは……勿論、私もそう思いますっ!」

273: 名無しさん 2015/12/04(金) 23:13:47 ID:lNUkqqk6
ロレント「ヒャーハッハッハッハっ!」ググッ

ナッシュ「……ぐ、ぐがが」


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、あっと……見て下さいっ! 元さん、元さんっ……! 場外を見て下さいっ!」

元「あ~、場外でちょこちょこやってると思ってたら……ま~た、あの棒っきれ取り出したよ?」

実況「あれもロレント曰く、棒っきれではなく……ロッドだそうですよ!?元さん、棒っきれではありませんっ!」

元「……知らないよ! 凶器には変わりないでしょ!」

実況「まぁ、そうですが……ロレントは場外でナッシュの背後から……首筋にロッドを押し付けながら、圧迫させて締め付けていくっ! 勿論、反則攻撃ですっ!」

274: 名無しさん 2015/12/04(金) 23:19:19 ID:lNUkqqk6
ダン「おいっ……! この野郎っ……! ロレントっ……!」


実況「おっと、レフェリーが場外のロレントに気づいたかっ!」

元「よ~し、止めに行けっ!」


ソドム「……chance!」ガバッ

ガイル「ううっ……んあぁっ……!」

ソドム「HAHAHA! I 'll kill you!」ググッ

ガイル「ガッ、グッ……ゴ、ゴホっ……!」


ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、ソドムはダウンしているガイルに馬乗りになり……そして、上から両手で首を絞めていくっ! こちらも首絞め攻撃っ! こちらも首絞め攻撃っ! 勿論、反則ですっ!」

元「あ~、もうっ……! リングの上でも下でも……本当に……」

275: 名無しさん 2015/12/04(金) 23:24:55 ID:lNUkqqk6
ダン「あ~っ! お前まで……何やってんだ、コラっ……!」

ソドム「HAHAHA! HAHAHA!」ググッ

ガイル「ガッ……レフェリー……止めろっ……!」

ダン「おいっ……! ソドムっ……! やめろ……やめろってのっ……!」ユサユサ


ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、ここでレフェリーが気づいたかっ……!? ソドムに駆け寄り、なんとか引き剥がそうとしていくっ!」

元「……ありゃ、何首絞めなんだ?」

実況「しかし、ソドムは止めないっ……! ガイルの首を絞め続けていくっ! おぉ~っと、ここでソドムのラフファイトっ!」

元「……あのラフファイトは、何首絞めなんだ? 技に大凶とか、仏滅とかつけてるんでしょ?」

実況「……う~ん、何首絞めなんでしょうねぇ? 『不幸首絞め』とか、そういった感じなんでしょうかねぇ?」

元「やかましいわっ!」

294: 名無しさん 2015/12/05(土) 23:00:07 ID:S1QnJi9w
ーーー


ヤムチャ「いやぁ、相変わらずロレントさんとソドムさん……大暴れですねぇ……バイソンさんに通じる物がありますね……あの二人……」

リュウ「……そうだな。あの二人もきてるな」

プーアル「あの二人はヒールですけど……やっぱり、試合の度に盛り上がってますからね……」

ヤムチャ「でも……負けてられねぇぞ、ちくしょうっ……! 試合形式は二対二で同じだけど……俺達の方が一ついい位置で、やらせてもらってるんだ……だったら、それ相応の試合を見せていかなきゃなっ……!」

プーアル「その通りですよ、ヤムチャ様っ!」

リュウ「……はは、トチるんじゃねぇぞ」

295: 名無しさん 2015/12/05(土) 23:04:42 ID:S1QnJi9w
プーアル「あっ、ソドムさんがナッシュさんから、3カウント取りましたよっ!」

ヤムチャ「よ~しっ……! それじゃあ、次は俺達の……」

リュウ「……慌てんな慌てんな。落ち着け落ち着け」

ヤムチャ「……ん?」

リュウ「……ほら、制裁が始まるよ。制裁が。ま~た、制裁が始まるんだよ。まだだよ」

ヤムチャ「あっ、そっかそっか……ロレントさん達は、勝ってボコボコにするまでがワンセットですもんね……」

リュウ「……これが、また長いんだよ」

297: 名無しさん 2015/12/05(土) 23:18:15 ID:S1QnJi9w
ーーー


ロレント「口は一流……腕、三流……」

ソドム「HAHAHA!」グリグリ

ガイル「……ぐっ、ちくしょう」


ブー! ブーブー!

実況「さぁ、王者組……またしてもベルトの防衛に成功しました……がっ! 始まりましたぁ! 恐怖の時間っ!」

元「……僕は、いい試合だったと思うよ!? ダメなの? ねぇ、これでもダメなの!?」

実況「ソドムはガイルを踏みつけていますっ! そして、マイクを手にしたロレントがリングに入ってきたぁ!」

298: 名無しさん 2015/12/05(土) 23:29:11 ID:S1QnJi9w
ロレント「お前達は大きな口を叩く……だが、肝心の試合内容は……この通り、薄っぺらい……中身はスッカスカだ……」

ソドム「HAHAHA! SUKA–SUKA! SUKA–SUKA!」

ロレント「まるでお前自身を象徴したかのような……試合だったと思わないか……?」

ガイル「……あぁっ?」


実況「さぁ、ロレントはガイルの目の前で大き手を広げ……」


ロレント「奇抜なのは、そのイカれたヘアースタイルだけで……」チョンチョン

ガイル「……この野郎っ!」

ロレント「肝心のお前自身は……スッカラカンの空っぽだ……」


実況「おぉ~っと、ここでロレントは自身の頭を指差しながらっ……ガイルの自慢のヘアースタイルを貶していくっ!」

元「う~んっ……これは……ダメだよっ……!それは、ダメだよっ……!」

299: 名無しさん 2015/12/05(土) 23:37:26 ID:S1QnJi9w
ロレント、イイズギダゾー!

ロレント「……何かの化学実験にでも巻き込まれたのかな?」

ロレント、チョットヒドイゾー!

ロレント「その、ヘアースタイルを整える時間があるのなら……腕立て伏せの10回や20回でも出来るだろう……!? 何故、貴様は鍛錬を怠るっ……!?」

ロレント、モウ、ヤメテヤレー!

ロレント「そういう所だっ……! お前の、そういう所がこの結果に繋がっているんだっ……! わかるか……? この今日の不甲斐ない試合……これは、お前のそういった部分が招いた結果なのだっ……!」


クスクス……クスクス……

実況「なんという屈辱っ……! なんという屈辱っ……! これは……くぅ~っ! 悔しいですねぇ、元さんっ!」

元「ちょっとわかる部分もあるだけにね……? 尚更、悔しいよね、うん……」

301: 名無しさん 2015/12/05(土) 23:45:26 ID:S1QnJi9w
ガイル「てめぇっ……この野郎っ……! もう、許さねぇっ……!」ガバッ


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、これにはこれにはガイルも我慢の限界かっ!? ソドムの足を跳ね除け……そして、立ち上がるっ!」

元「……まぁ、こうなるわ」

実況「キレてますかっ……? 元さん、キレてますか、コレ!? ガイルはキレましたかっ!?」

元「キレてますよ」


ガイル「……てめぇっ!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「ロレントに取っ組みかかっていくガイルっ! この王者組の傍若無人な態度にもう、我慢の限界だぁ! ガイルはキレてますっ! 完全にキレていますっ!」

302: 名無しさん 2015/12/05(土) 23:59:39 ID:S1QnJi9w
ロレント「ソドムっ……! こいつを殺れっ……!」

ソドム「……Yes!」ガバッ

ガイル「……うおっ!」


ザワ……ザワ……

実況「おぉ~っと、しかしそんなガイルを……背後から、ソドムが掴んでいくっ! 腰回りを掴んでいくっ!」

元「……あぁっ」


ソドム「SWEAT HERO GULLY!(訳:このイカれ頭が!)」ズドーンッ

ガイル「……ぐわあああぁぁ!」


実況「そして、ガイルの身体を後方に反り投げ……ジャーマンスープレックス叩きつけていくっ……! ガイルの抵抗っ……! だがっ……! 返り討ちっ……!」

元「自慢のヘアースタイルを侮辱されて……それで、このジャーマンスープレックスはガイル君の得意技だよ……悔しいねぇ……」

303: 名無しさん 2015/12/06(日) 00:06:44 ID:sgsN2qHU
ガイル「うっ……うああっ……」

ソドム「HAHAHA! SEI–SAI!SEI–SAI!」

ブー! ブーブー!

ロレント「これで、コイツにも規律は叩き込まれただろう……諸君、安心しろ……これから、ストリートプロレスに……イカれたヘアースタイルの男が現れる事はない……」

ブー! ブーブー!

ロレント「生まれ変わった、ガイル二等兵の姿を……その目で確かめてくれ……」


実況「さぁ、やはり制裁を受けてしまう形になってしまったガイルっ……! そして、次のガイルの試合……ヘアースタイルがどうなっているのか……ロレントの言う通り、ガイルはトレードマークのヘアースタイルを変更してしまうのかっ!?」

元「ほ~んと、何でもかんでも難癖つけてくるよねぇ……?」

304: 名無しさん 2015/12/06(日) 00:12:45 ID:sgsN2qHU
ロレント「さぁ、そして次に我々が規律を叩き込むべき人間は……」


ザワ……ザワ……

実況「おぉ~っと、ロレントは続けますっ……! 次にロレントが難癖をつける相手は……!?」

元「難癖なのか、挑戦者の指名なのかわからないよね。これじゃあ」


ロレント「ユンっ……そして、ヤンっ……! あの二人だな……」


キャー! キャー! オー! オー!

実況「次のロレントのターゲットはっ……!? おぉ~っと、ユンとヤンかっ!? ユンとヤンかっ!? ユンとヤンが、ターゲットにされてしまったかっ!?」

元「ユン君とヤン君は……そういや、まだ制裁受けてないねぇ?」

実況「場内から、女性の悲鳴が飛び交いますっ! これはこれは……ユンとヤンっ……! また、どエライ奴に狙われてしまったぁっ!?」

元「いやぁ、でもある意味……ベルト取るチャンスでもあるよ……?」

305: 名無しさん 2015/12/06(日) 00:42:06 ID:sgsN2qHU
ーーー


ベガ「ユンに……ヤン……う~ん……」

さくら「……どうしたんですか?」

ベガ「……コイツらにベルト移動させて大丈夫か?」

さくら「……女性客は喜びそうっすね。男性客はどうかわかりませんが」

ベガ「そうだよなぁ……う~ん……何で、アイツら男性人気が上がらんのだろうなぁ……」

さくら「ユンさんとヤンさんが、いい場面見せる度……黄色い声援が巻き起こって、男性客のヘイトが上がるんじゃないっすか……?」

ベガ「負のスパイラルだな……ケンやナッシュは、女性客の指示を掴みつつ……男性客の指示も、掴んでいるというのに……どうしてこの二人は……う~ん……極端すぎるんだよ……」

322: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:01:52 ID:sgsN2qHU
ベガ「……どうするかなぁ」

さくら「……ベルトは移動させたいんすか? ロレントさん達から」

ベガ「……移動させたい」

さくら「それは、ユンさんとヤンさんじゃなきゃダメなんすか……?」

ベガ「……ロレント達が出る前は、タッグ組ではナンバー2だったんだぞ? まぁ、女性人気だけで持っていたがな」

さくら「……」

ベガ「そろそろ、限界だろ。アイツらも……私の耳に届くぐらい、溜め込んでいる……」

323: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:06:03 ID:sgsN2qHU
ーーー


ユン「……ちっくしょうっ!」ガンッ

ヤン「おいおい、どうしたどうした……!?」

ユン「どうしたもこうしたも、ねぇだろうがっ……!? ロレントさん達が、マイクで俺達の事、煽ってるんだぜ……?」

ヤン「……次の挑戦者は、俺達だろうな」

ユン「だったら、ここで……俺達が乱入して……アピールしていくべきじゃないのかよっ……!?」

ヤン「今日はそういう指示出てないだろうが……あぁ言ってるんだから、試合は確定だよ。ロレントさん達にベルトが渡ってから、挑戦してないのは俺達だけなんだから……」

ユン「わかってねぇな、お前はっ……! あ~っ……!」イライラ

ヤン「だから、なんだよっ……! どうしたっ……!?」

324: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:11:07 ID:sgsN2qHU
ユン「……女子部の試合見てたのかよっ!?」

ヤン「……見てたよ」

ユン「数週間前から、シャドルーが盛り立てて……喋らないキャミィも喋ったっ……! あれだけプッシュされりゃ、そりゃああもなるわっ!」

ヤン「……」

ユン「俺達、この一週間何したっ!? まともなカード組まれたかっ!? ベテラン組と試合しただけじゃねぇかっ!?」

ヤン「そうだけど……」

ユン「こんな状態で試合して……どっちが盛り上がるんだよっ!? 女子部にすら食われるんじゃねぇのかっ!?」

ヤン「……じゃあ、どうするんだよ?」

ユン「だから、言ってるだろ……今、ここで俺達が乱入するんだよっ!」

325: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:21:24 ID:sgsN2qHU
ユン「……俺が、スケートボードに乗って登場するっ!」

ヤン「……じゃあ、俺はインラインスケートか?」

ユン「そうっ……! それで、颯爽と入場していくんだよっ……!」

ヤン「だったら入場テーマも変更しなきゃな……『よ~うこそ~、ここへ~、遊ぼ~うよパラダイ~ス』なんてな……?」

ユン「……茶化すんじゃねぇっ! 俺は大真面目だっ!」

ヤン「だって、それじゃあ昔のアイドルじゃねぇかよっ!?」

ユン「俺達はアイドル路線で売ってるからいいんだよっ!」

ヤン「……アイドル路線ねぇ」

328: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:26:13 ID:sgsN2qHU
ユン「それで、俺がスケートボードでロレントさんを……どっかぁ~んっ!」

ヤン「……スケートボードで殴るのか!?」

ユン「殴るんだよっ……! それで、倒れたロレントさんに向かって俺がマイクで一言……『このユン・ヤンコンビを舐めるんじゃねぇっ!』」

ヤン「それじゃあ、まるでヒールじゃないかよ……アイドル路線は何処に行ったんだ……それに、俺はどうしたらいいんだ?」

ユン「……あぁっ!?」

ヤン「お前はスケートボードだからいいよ。だけど、俺はインラインスケートだ。どうすんだ……? 俺は、靴で殴るのか?」

ユン「……知るかっ! そんなもんは、自分で考えてなんとかしやがれっ!」

ヤン「なんとかって……お前が言い出した事だろうがっ……!」

330: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:33:24 ID:sgsN2qHU
ユン「とにかくっ……! それくらいしていくべきなんだよっ……!」

ヤン「お前は、思いついた事ポンカラポンカラ言ってるだけじゃねぇか! お前はちょっとせっかちすぎるんだよっ! そういう所を直せっ!」

ユン「お前が呑気すぎるだけなんだよっ! お前こそ、そういう所を直せっ!」

ヤン「……あぁっ!?」

ユン「納得出来ないカードばかり組まされ……出世していくのは、キャミィにヤムチャにロレントさんっ……! 上に気に入られてる奴らばかりだっ!」

ヤン「……仕方ねぇだろ、そういう物なんだから」

ユン「言っておくが、女性人気だけなら俺はケンさんとだって張り合えるんだぞっ!? そんな俺達を差し置いて……絶対、押すべき人間を間違ってるだろがっ!」

ヤン「だからって、指示も出てないのに……今、ここで乱入するのかよ……? いいから、落ち着けよ……お前は、もう少し先の事を予測してから行動しろ……」

ユン「先の事を予測した結果は、このまま埋もれていく未来がもう見えてるんだよっ……! これは俺の直感がそう言ってるんだっ! 間違いねぇっ!」

333: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:38:58 ID:sgsN2qHU
ーーー


ベガ(女子部はやりきった……うん、間違いなくやりきった……これをメインに持って来ないと……)ジーッ

さくら「んっ……?」

ベガ(さくらは……まぁ、納得しないなぁ……他の女子メンバーも……)

さくら「……ど、どうしたんすか?」

ベガ(かと言って、女子部をメインに持ってくるとなると……う~ん、満場一致の賛成には、間違いなくならんよなぁ……)

さくら「……ベガさん?」

ベガ(ガイルの報告では……確実にユンとヤンは不満を溜めているらしい……発散させんとマズいよなぁ……しかし、奴らをプッシュした所で、喜ぶのは女性客だけだといったもんだ……)

335: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:46:24 ID:sgsN2qHU
ベガ(女性……女性……女性……んっ……?)

さくら「……んっ?」

ベガ「女性だ……」

さくら「……はぁっ?」

ベガ「そうかっ……! その手があったかっ……!」ガタッ

さくら「ちょっと、ちょっとっ……! ベガさん、どうしたんですかっ……!?」

ベガ「……おい、さくらっ!」

さくら「……は、はいっ!」

338: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:50:30 ID:sgsN2qHU
ーーー


実況「さぁ、フラつきながらナッシュとガイルが退場していきますっ……! ロレント・ソドム組っ! またしても防衛しましたっ! この王者政権は何処まで続くのでしょうかっ!?」

元「でも、なんだかんだ言ってねぇ……貫禄もついてきたよね……? ロレント君と、ソドム君も……」

実況「さぁ、そしてっ……! ロレントがマイクで次のターゲットに予告したのは……ユンとヤンですっ!」

元「うん。ユン君とヤン君……頑張ってほしいねぇ」

実況「ロレントの口から、ユンとヤンの名前が出された時……聞きましたか? 元さん、あの場内の悲痛な叫びをっ!」

元「……まぁ、ユン君とヤン君は女性ファンが多いからね」

実況「……全くっ! けしからん二人組ですよっ!」

元「……あっ、君そっちの肩持つんだ?」

実況「あ~、いえいえっ……! そんな事はありませんっ……! そんな事は……ありませんよぉ~!」

339: 名無しさん 2015/12/06(日) 22:57:21 ID:sgsN2qHU
実況「ロレント達の標的にされた、ユンとヤンっ……! これから、どうなってしまうのかっ……!?」

元「まぁね、何とか返り討ちにしてやりましょう、返り討ちにっ!」

実況「悲痛な女性の声は聞きたくないっ! やはり、女性は笑っていた方が素敵だっ!」

元「その通りです」

実況「是非とも、ユン・ヤンコンビがロレント達の餌食にならない事を願いましょうっ! さぁ、そんな所ですが……そろそろお時間となってしまいましたっ!」

元「はい」

実況「それでは、これで第四試合の中継を終了させて頂きますっ! 実況は私と……」

元「解説の元です。ありがとうございました」

実況「さぁ、CMの後は第五試合ですっ! 第五試合っ……! いよいよ、空手軍団の出陣ですっ!」

340: 名無しさん 2015/12/06(日) 23:02:28 ID:sgsN2qHU
ーーー


ガイル「……お疲れさ~ん」

ロレント「お疲れ様です」

ソドム「お疲れ様でした」

ナッシュ「……お疲れ~、シャワー行ってくるよ」

ロレント「あっ……あの、ナッシュさん……すいませんでしたっ……!」

ナッシュ「……気にしてな~いよ」スタスタ

ロレント「あ、あぁっ……行っちゃいましたか……」

ソドム「気にする必要はない。君は与えられた事をやりきっただけだ……そして、彼も……」

ロレント「い、いやぁ……でも……」

ガイル「……ったく、どいつもこいつも」

341: 名無しさん 2015/12/06(日) 23:08:31 ID:sgsN2qHU
ロレント「あ、あのっ……! ガイルさんも、すいませんでしたっ……!」ペコッ

ガイル「あぁっ、なんで謝るんだよ……?」

ロレント「いや、だから……髪の事ですよ、髪の事……」

ガイル「……俺が弄れって言ったんだけどね?」

ロレント「いやぁ、でも……思ってたより変な感じになってしまって……」

ガイル「元々変な髪だからいいんだよ……今日の一件は、あくまで反応を見る為……反応を……」

ロレント「……反応?」

ガイル「そうそう……お前ら、やっぱりダークヒーロー路線の方がいいと思うわ……」

ロレント「ダ、ダークヒーロー……?」

342: 名無しさん 2015/12/06(日) 23:19:33 ID:sgsN2qHU
ガイル「お前らがヒールで出世していった所で……シャドルーだってヒールだ。ヒールは二つもいらねぇだろ」

ロレント「……は、はぁ」

ガイル「空手軍団は、ヒーローだ……シャドルーは、ヒール……それで、お前らは……ダークヒーローなワケだよ。これならキャラも被らねぇ」

ロレント「……ダークヒーロー」

ガイル「皆が思ってる事の代弁者になれ……例えば、俺の場合は……この髪だ……わかってて、こっちは奇抜な髪にしてるんだからよぉ?」

ロレント「……は、はい」

ガイル「ホークの場合は、筋肉バカ……脳ミソは空っぽとでも、言っておけ……アイツは、抜けてる所があるからな……」

ロレント「……それ、リングで言うんですか?」

ガイル「……皆、知ってる事だよ。知らねぇのは当人だけだ」

348: 名無しさん 2015/12/06(日) 23:31:43 ID:sgsN2qHU
ガイル「それで、ユンとヤンの場合は……まぁ、アイドル気取りのバカって所だな……」

ロレント「……マジっすか?」

ガイル「うちの相方の悪い部分を全部吸収しちまってるよ、アイツらは……リングの上でガツンと言えば、アイツらも目が醒めるだろ……?」

ロレント「……はぁ」

ガイル「お前は、ヒールとして試合後に相手をボッコボコに叩きのめすが……言ってる事は正論、ベビーにするんだよ……なっ……?」

ロレント「俺に、出来ますかねぇ……」

ソドム「ロレント君、君は私と同じで気が弱い所がある……それなら、いっそこういうキャラだと決めてした方がいいと思うよ、私も……」

ロレント「……ソドムさん、そんな気弱じゃないでしょう?」

ソドム「ハハハ、気弱だからこそ、わけのわからない仮面を被り……そしてわけのわからないキャラをしてるんだよ!」

ロレント「……はぁ」

351: 名無しさん 2015/12/06(日) 23:44:50 ID:sgsN2qHU
ガイル「プッシュされたのは、ちょっとした気まぐれだったけどよぉ? お前は上手くこなしてこなして、ここまで来ただろ……?」

ロレント「……はい」

ガイル「このチャンスを逃すな……絶対に逃すな……ソドムさんって、いい相方も見つかったんだろが……勿論、お前の進んで来た道も……ここから、先も……同じ茨の道だよ……?」

ロレント「……はい」

ガイル「今日、髪の毛弄らせたのは実験だよ……お前がダークヒーロー路線いけるか……反応伺ってみたんだよ……」

ロレント「……どうでしたか?」

ガイル「いやぁ、俺はいけると思うぞ? 結構、反応よかったもん。いけるいける、続けていこうぜ?」

ロレント「まぁ、折角ファイトスタイル変えて成功したんだから……何処までいけるか試してみたい部分はあります……」

ガイル「俺の髪の毛、弄った奴は成功するってジンクスがあるんだよ!」

ロレント「……そんなのあるんですか?」

ガイル「昔、ケンにも弄られたよ。このパイナップル野郎ってなっ! そしたら、アイツ出世しやがった! お前も同じように出世させてやるよ! まぁ、任せとけっての!」

ロレント「……ありがとうございます」ペコッ

353: 名無しさん 2015/12/06(日) 23:58:13 ID:sgsN2qHU
ーーー


さくら「……本気っすかっ!?」

ベガ「いいじゃないか……私はお前の条件を全面的に飲んだんだぞ……?」

さくら「でも、それは……そっちの問題じゃないんですかね……?」

ベガ「私も、ザンギエフもガイルも硬派な男性像を、ユンとヤンに求めすぎていた……のかもしれん……」

さくら「……やめましょう、やめましょう。思いつきはやめましょう」

ベガ「現状、女性に受けているのだったら……もう、そういう扱いにしてしまえばいい……女性に受けるアイドルレスラー……そういうのがいてもいいだろう」

さくら「それを……自分がプロデュースするんすか……?」

ベガ「……女性目線だ。お前は女だろう?」

さくら「ベガさん……? ユンさんとヤンさんの扱い……面倒くさくなってませんか……?」

354: 名無しさん 2015/12/06(日) 23:59:03 ID:sgsN2qHU
今日はここまで

384: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:01:02 ID:rM.nlWp2
ベガ「面倒臭いわけじゃない。女性客に人気な二人だからこそ……女性目線でのプロデュース能力が必要になってくる……と、言う訳だ。それが、お前だ」

さくら「いやいやいやいや……あのですねぇ……」

ベガ「キャミィを正統派王者路線に持っていく事が出来たお前なんだ……ユンとヤンぐらい……こうちょいちょいちょいっとな……?」

さくら「い、いや……それとこれとは……」アセアセ

ベガ「うむ……よくよく考えたらな、我が団体所属のレスラーはどいつもこいつも男臭い……空手軍団然り、シャドルー然り……ガイル達も、ロレント達も、ホーク達も、皆そうだ」

さくら「いやいや……だからって……」

ベガ「ユンとヤンに関しては……女子部をここまで盛り上げたお前の手腕に賭けてみるとしよう。一つ……よろしく頼むぞ」

さくら「女子部がようやく一段落ついたと思ったら……なぁ~んすか、それっ!」

ベガ「た~の~む~よ、さ~くら~……お前しかいないんだ、お前しか……」

さくら「……だああっ! も~うっ!」

385: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:07:44 ID:rM.nlWp2
ーーー


ダン「さぁ、試合はいよいよ第五試合……空手軍団VSシャドルー軍団……因縁のスペシャルタッグマッチでございますっ!」

ワー、 ワーワー

ダン「その正義の拳で奴らを倒せっ……! 空手軍団っ……!」

ワー、 ワーワー

ダン「リュウ選手っ! ヤムチャ選手の入場ですっ!」

ワー、 ワーワー


リュウ「よしっ……! いくぞ、ヤムチャっ……! 今日は燃えろよっ!」

ヤムチャ「勿論、燃えまくってますよっ……! 今日は、仲間のいい刺激受けてますからねっ……! 俺だってやってやりますよ、試合で見せてやりますっ!」


ワー、 ワーワー

386: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:15:34 ID:rM.nlWp2
実況「さぁ、本日の第五試合……空手軍団VSシャドルーっ! 二対二のスペシャルタッグマッチですっ!」

リュウ「いくぜっ……!」

実況「さぁ、先陣を切って歩くのはリュウっ! 今日も気合いに満ち溢れていますっ!」

ヤムチャ(キャミィさんに、二三歩先に行かれた気はするが……)

実況「さぁ、そして……その後方から……ヤムチャっ! ヤムチャが続くっ!」

ヤムチャ(だったら、この試合で追いつくまでだっ……!)

実況「本日の空手軍団は……リュウと、ヤムチャっ! リュウとヤムチャの二人ですっ!」

ヤムチャ(トリッキーな相手……格上の相手……それと、戦うチャンスを俺は貰えたんだ……)

実況「この二人が……シャドルーに向かうっ! さぁ、両者が今ゆっくりと花道を歩み進んでおりますっ!」

ヤムチャ「だったら……気合い入れて、いかねぇとなっ! よ~し、いくぜっ!」

実況「おぉ~っと、ヤムチャも気合いに満ち溢れているっ! 吠えたぁ!」

388: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:23:46 ID:rM.nlWp2
リュウ「よしっ……!」シュタッ

ヤムチャ「……よっと」シュタッ


実況「さぁ、今リュウとヤムチャの両者が……エプロンサイドに昇ったぁ!」


リュウ「……ちょっと、待ってろ。身体温めておきな」ススッ

ヤムチャ「……了解っす」グイグイ


実況「さぁ、そして……リュウはそのまま、コーナー付近の方へとエプロンサイドを移動していきますっ! ヤムチャはエプロン中央で、トップロープを使っての……屈伸運動っ!」

389: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:29:32 ID:rM.nlWp2
リュウ「……よっとっ」ガシッ


実況「さぁ、そしてリュウはコーナーに昇っていき……」


リュウ「……一番凄い試合を見せてやるぜっ!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「コーナーポストの上で右腕を突き上げるっ! 勝利を約束するかのような、築き上げた拳っ! 頼もしい姿でありますっ!」


リュウ「……よっと」シュタッ


ワー! ワーワー!

実況「そして、コーナーポスト上から……リングへと降り立ちますっ! ドーラゴンリングインっ! 先ずはリュウが入場したっ!」

390: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:36:21 ID:rM.nlWp2
リュウ「……ヤムチャ、もういいぞ。入ってきなっ!」クイクイ

ヤムチャ「待ってましたよ……せぇ~のっとっ……!」ググッ


実況「さぁ、そしてここでリング内からリュウがヤムチャを呼び寄せるとっ……!」


ヤムチャ「……よっとっ!」クルッ


ワー! ワーワー!

実況「呼び寄せられたヤムチャは、トップロープを掴み、そのままクルッと前方宙返りをして……リングイーンっ! さぁさぁ、ヤムチャもド派手に決めてきますっ!」


リュウ「今日は、この二人だっ……!」ググッ

ヤムチャ「やってやりますよっ!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そして両者が……リング中央で両腕を大きく挙げるっ! 息の合った入場を見せていきますっ! 場内からは大声援だっ!」

391: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:44:29 ID:rM.nlWp2
ダン「続きましては……プロレス界から世界征服を狙う……シャドルー軍団っ……!」

ダン「バルログ選手っ! バイソン選手の入場ですっ!」


バイソン「……ったく、キャミィに殴られて今日の俺様は機嫌が悪いんだよ」

バルログ「同感です、が……女相手に手を出すわけにもいきませんからね……」

バイソン「……とりあえず、あの二人ボッコボッコにして、鬱憤晴らしでもするか。行こうぜ」

バルログ「……そうですね」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、続いてはシャドルー軍団っ……! バルログとバイソンの入場だっ! 両者が今、ブーイングの中花道を進んでいくっ!」

392: 名無しさん 2015/12/08(火) 22:52:37 ID:rM.nlWp2
バルログ「……ヒャオッ」

バイソン「……よっこいしょっと」


実況「さぁ、そして今……シャドルーの両者が、リングインしましたっ! これで、役者が出揃いましたっ! それでは、解説の元さん……引き続き、よろしくお願いしますっ!」

元「はい、よろしくお願いします」

実況「今回のスペシャルタッグマッチ……対戦カードは、リュウ・ヤムチャ組VSバルログ・バイソン組ですが……あっ、おっとっとっと……?」


バルログ「……レフェリー、マイクを貸してください」

ダン「あぁっ……? 何に使うんだ……?」

バルログ「……いいから、貸しなさいっ!」バシッ

ダン「……何だよ、ったく」


実況「おぉ~っと、ここでバルログが……レフェリーから、マイクを受け取りました。マイクを受け取りましたっ! こいつは、何か言うのでしょうか?」

元「……まぁ、言うんだろうねぇ、うん」

393: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:00:52 ID:rM.nlWp2
バルログ「皆様……ようこそストリートプロレスに……! 御来場、誠に感謝しますっ……!」スーッ


ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、そしてここでバルログは……優雅に優雅に、リングの四方に頭を下げていくっ! 貴族が行うかのような、優雅な礼を見せていくっ!」

元「なんて言うか……一々、行動が格好つけだよねぇ……?」

実況「まぁ、そこはナルシストのバルログですからっ!」


バルログ「さぁさぁ、皆様皆様……ここまで、退屈な時間をお過ごしだったでしょう……醜い試合をお見せしました……誠に誠に、申し訳ございません……私が代表させて、謝罪させていただくので……どうぞ、お許しください……」ペコッ


ブー! ブーブー!

実況「さぁ、バルログは続けますっ!」

394: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:08:24 ID:rM.nlWp2
バルログ「しかし、ここからが本番です……このストリートプロレス……いや……」

バイソン「……ストリートプロレスじゃねぇよ、バルログちゃん」

バルログ「……シャドループロレスですね!」

バイソン「そうっ! シャドループロレスっ!」


ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、なんだなんだなんだっ!? シャドループロレスっ……! シャドループロレスだとっ!?」

元「あらあらあらあら……」


バルログ「我々シャドルー、総動員で盛り上げていきますので……何卒、よろしくお願い致します……」ペコッ

395: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:12:26 ID:rM.nlWp2
バルログ「しかし、このシャドループロレス……マナーを守れない醜き輩が……非常~に、多い……」


実況「さぁ、バルログは続けていきますっ!」

元「マナーの守れない輩って……自分達が、一番そうでしょう……」

実況「……確かにっ!」


バルログ「シャドルーが活躍しているのに……声援ではなく、ブーイングを飛ばす輩がいるんですよ……困ったものですねぇ……」

ブー、ブーブー

バルログ「おぉ~っと、おぉ~っと……それそれそれっ……! 一人出てきましたよ、醜き輩が……!」ビシッ

ブー! ブーブー!

バルログ「おっと……二人……三人……四人……!? なんだなんだ、何人いるんだ……これですよ、これこれ……マナーの守れない醜き輩が、数えきれない程いるようですねぇ……」

396: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:19:37 ID:rM.nlWp2
実況「さぁ、バルログの観戦マナー講座……とでも、言えばいいのでしょうかねぇ!? 今、リング上で行われていますが……」

元「大丈夫です。お客さん達の反応は、正当な反応です。間違っていません」


バルログ「この後に控えているメインイベントで……貴方達のような輩に、吠えられてしまうと……非常に困るんですよ……」

ブー! ブーブー!

バルログ「メインイベントを務めるのは……我々、シャドルーの総帥、ベガ様っ……!」

ブー! ブーブー!

バルログ「そして、ナンバーツーのサガットっ……!」

ブー! ブーブー!

バルログ「こ~んな、醜い輩に吠えられていては困るんですよ……シャドルーの一大イベントだと言うのに……何処から紛れ込んだのですか、この輩達は……」

397: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:23:57 ID:rM.nlWp2
バルログ「そこで、醜き輩の貴方達に……私……そして、バイソン……」

バイソン「……よろしくっ!」

バルログ「この二人で、貴方達に観戦マナーを叩き込む……前座戦を今から、行ってあげましょう」


ヤムチャ「……前座戦?」

リュウ「……」


実況「おぉ~っと、前座戦……前座戦ですって……元さんっ!?」

元「だから、この試合は……メインのベガ君達の試合を盛り上げる為の……そういう事だよね……?」

実況「ま、まぁバルログの口ぶりからするに……そうでしょうっ!」

398: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:37:12 ID:rM.nlWp2
バルログ「一度、練習してみましょうか……我々、シャドルーの選手が活躍した時には……大きく、手拍子をして下さいっ! ハイ拍手っ!」

バイソン「オラオラオラオラ、大きく手を叩けっ!」パンパンッ


実況「さぁ、バルログが場内に指示をするっ! そして、その隣でバイソンが大きく大きく手を打ち鳴らすっ! そして……場内の反応はっ……!?」


ブー! ブーブー!

バルログ「はぁ……わかってない、バカ共だ……」

バイソン「何やってんだよ、オラァっ! シャドルーが喋ってる時には、拍手しろや、ボケェ!」パンパンッ


ブー! ブーブー!

実況「しかし、場内からは……大ブーイングっ! 大ブーイングっ! 拍手ではなく……大ブーイングが、巻き起こるっ!」

元「……当然の反応だね」

399: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:43:14 ID:rM.nlWp2
バルログ「その反応は、違いますよ……その反応は……いいですか……? ブーイングを飛ばすのは……」ビシッ

リュウ「……」


実況「おぉ~っと、そしてここでバルログは、リュウを指をさし……」


バルログ「……この醜き者が、活躍した時にするのです」

リュウ「……」

バルログ「……彼になら、どれだけ罵声を浴びせても構いません」

リュウ「……」スッ

バルログ「さぁ、皆さん……どうぞ……? 罵声を浴びせてやって下さい……」


実況「おっと、ここで……ゆっくりと、リュウがバルログに近づいて行って……」

400: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:48:05 ID:rM.nlWp2
リュウ「……」バシッ

バルログ「……んっ?」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、そしてここで……リュウがバルログから、マイクを奪い取ったっ!」


リュウ「前座戦……前座戦、か……うん……」

バルログ「……前座戦でしょ?」


実況「さぁ、そしてリュウは……ここでバルログを見つめながら……」


リュウ「……舐めてんじゃねぇぞ、この野郎っ!」ガスッ

バルログ「……プゲァっ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、おぉ~っとっ! マイクを投げ捨て……そして殴ったぁっ! エルボーバーットっ!」

401: 名無しさん 2015/12/08(火) 23:52:11 ID:rM.nlWp2
ワー! ワーワー! イイゾー! リュウー! ワー! ワーワー!

バルログ「……くあぁっ」

リュウ「……くそっ、ふざけやがって」


ヤムチャ「……お前も、黙って聞いてりゃ、いい気になりやがってっ!」ダダッ

バイソン「……んあっ!?」


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っとっ! そして、ここでヤムチャもバイソンに突っ込んだぁ!」

元「……おぉっ!」


ヤムチャ「うるああぁっ……!」ズガアァッ

バイソン「……うげええぇぇっ!」バターンッ


ワー! ワーワー! ヤムチャモ、イイゾー! ワー! ワーワー!

実況「そして、フロントのハイキックを……バイソンの顔面へと打ち込んでいったぁ!」

418: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:01:19 ID:.4hz98ZM
ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リュウだけじゃなくっ……! これには、ヤムチャも怒り心頭っ!」

元「まぁ、そうだよね、うん。今日の二人の神経を逆撫でしていっちゃ……こうなるよ」


ダン「あぁ、くそっ……なんだよ、こいつら……もういいっ……! ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉ! 試合おっ始めるぞっ!」


カーンッ!

実況「おぉ~っと、そしてこのタイミングでゴングが鳴らされたっ!」

元「おぉっ! いきなり始まっちゃった」

実況「リュウ・ヤムチャの空手軍団組対……バルログ・バイソンのシャドルー組……ここで、試合開始ですっ! 空手軍団の奇襲のような形から始まったぁっ!」

419: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:09:01 ID:.4hz98ZM
バイソン「うぐぐ……うがが……いいのかよ……ヒーローが……不意打ちなんてしてもいいのかよ……」

ヤムチャ「……うるせぇっ!」

リュウ「……放っておけ、ヤムチャっ! それより、こっち手伝えっ!」

ヤムチャ「……うっすっ!」クルッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、試合が始まってしまいましたが……これ、リング上にはまだ両軍入り乱れておりますっ! まぁ、奇襲のような形で始まってしまいましたからね……しかし、空手軍団側からのこういった行為……少々、珍しいですかね?」

元「……いやぁ、でもこれはある意味、仕方ない行為だと思う」

実況「ほ~う……と、言いますと……?」

元「いやぁ、やっぱりバルログ君も言ってたからね……これは、メインイベントに向けての前座戦ってね……?」

420: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:15:32 ID:.4hz98ZM
リュウ「……起こせ、ヤムチャっ!」ググッ

ヤムチャ「了解っ……! 起きやがれっ……バルログっ……!」ググッ

バルログ「う、ううっ……ここにも、いたか……醜き輩が……」ヨロッ


実況「さぁ、ここでリュウとヤムチャが……揃って、バルログの身体を引き起こしていくっ! あ~、元さん、続けてどうぞ」

元「そりゃねぇ……バルログ君と、バイソン君にとっては……前座戦かもしれないよ。この後の王者戦は、ベガ君とサガット君なんだからね。これ以上にない、シャドルー頂上決戦だ……」


リュウ「ロープに……振るぞっ……! そらっ……!」ブンッ

ヤムチャ「うおおぉぉっ……! いっけえぇっ……!」ブンッ

バルログ「くっ……!」


実況「さぁ、そして両者が同時に……バルログの身体をロープに振っていったぁ!」

元「ただ……そういう、前座戦……? みたいな扱いにされると、まぁ空手軍団としては、面白くはないよね……?」

実況「確かに……何が、哀しくてベガの前座を勤めないといけないんだっ! と、いう話になってきますっ!」

421: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:25:05 ID:.4hz98ZM
ヤムチャ「……俺は、こっちっ!」ダダッ


オー! オーオー!

リュウ「俺は、こっちだっ……!」ダダッ


オー! オーオー!

実況「さぁ、ヤムチャがバルログに狙いを定めて……ロープへと走るっ! おぉ~っと、そして……? ワンテンポ遅れて、リュウの側面のロープへと走っていくっ!」

元「……特に、リュウ君は納得していなかったからね。今回のベガ君対サガット君のカード」


バルログ「……くっ!」ダダッ

ヤムチャ「いっくぜぇっ……! ど頭から、見せてやるっ……!」ダダッ


実況「さぁ、バルログの身体がロープで返ってきたぁ! 先ずは、ヤムチャがそこに突っ込むっ!」

元「そこをねぇ……ああ言った形で挑発されちゃうと……リュウ君だとしてもねぇ……」

422: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:33:08 ID:.4hz98ZM
ヤムチャ「そらっ……! いっくぜぇっ……!」ドスッ

バルログ「……ぐっ!」

ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! このまま……上げてっ……!」ググッ


オー、オーオー

実況「さぁ、ヤムチャがバルログの腹部へと肩口から突っ込み……そして、両太腿を捉え、リング中央で持ち上げていったぁ!」

元「……あら?」


ヤムチャ「このまま……後方にっ……! リュウさん、いきますよっ……!」ググッ

リュウ「ナイスパスっ……! そらっ、受け取ったぜっ……!」ピョンッ

バルログ「……くっ!」


オー! オーオー!

実況「ヤムチャはそのままフラップ・ジャックの体勢でバルログの身体を後方に落としていくっ! そして、そこにリュウが合流っ! ジャンプして、バルログの頭部を掴んでいくっ! こちらは、ダイヤモンド・カッターの体勢っ!」

元「お~っとっとっとっと」

423: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:37:54 ID:.4hz98ZM
リュウ「いくぞっ……! ヤムチャァっ……!」

ヤムチャ「うるあぁぁっ……! 落ちやがれっ……!」


ズドーンッ

バルログ「……くああああぁぁっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そして、二人掛かりでバルログの身体をリング中央へと叩きつけていったぁ!」

元「お~、お~、お~……いきなり、飛ばしてるねぇ」

実況「いきなりの合体攻撃っ! い~きなりの合体攻撃ィ! リュウとヤムチャの3Dがバルログに炸裂したぁ!」

元「お~っとっとっと……ぼ、僕の話は聞いてたかな……?」

実況「勿論、聞いていましたよ、元さんっ! 本日の空手軍団……自分達はベガのかませ犬なんかではないっ……! このストリートプロレスの主役は誰かっ……!? それを思い知らせる為への意気込みで、この一戦に望んでいるといった所でしょうかっ!?」

元「……あっ、聞いててくれたのね」

424: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:42:17 ID:.4hz98ZM
バルログ「ううっ……く、くそっ……!」ゴロゴロ


実況「さぁ、自慢の顔面からマットへと打ち付けられてしまったバルログっ……! ここは、大きく転がって一度、場外へとエスケープっ!」

元「いや~、初っ端から大きいの貰っちゃったねぇ、うん」


ヤムチャ(いきなり激しい展開が出来るのも……バルログさんが、煽ってくれたおかげ……うん、やっぱりマイク出来なきゃダメだな……うんっ……!)ムクッ

リュウ「よし……出足好調っ……!」ムクッ

ヤムチャ(ここからは……俺も、頑張っていこうっ……! 人が言った事に乗っかるだけだっ……!)


実況「さぁ、そして……ここでリュウとヤムチャが揃って、起き上がるっ!」

425: 名無しさん 2015/12/09(水) 22:52:38 ID:.4hz98ZM
リュウ「バルログは……え~っと、何て言ったかな……? 確か、シャドルーの選手がやられた時には……?」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そして……おっと、ここでリュウが大きく手を広げて、客席に反応を伺っているっ!」


ヤムチャ「確か、拍手で盛り上げていきましょうって、言ってましたよねぇっ! じゃあ拍手しましょうっ!」パチパチ


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、そしてその隣でヤムチャが……大きく大きく手を打ち鳴らすっ! 場内へと拍手を要求するっ!」


リュウ「そうだっ! こういう時こそ……盛り上がっていくんだっ!」パチパチ

ヤムチャ「そ~れ、それそれっ……! 盛り上がっていきましょうっ!」パチパチ


ワー! ワーワー! パチパチ

実況「さぁ、リュウとヤムチャが揃って大きく大きく手を打ち鳴らしていくっ! 改めて……本日の主役は誰なのかを……場外に問いかけていくっ!」

元「うん、そうだよ。やっぱりシャドルーの好きにやらせてるだけじゃ、面白くないよ」

426: 名無しさん 2015/12/09(水) 23:00:10 ID:.4hz98ZM
ワー! ワーワー! ワー! ワーワー!

バイソン「ちくしょう……なんだよ、こりゃ……面白くねぇな……」ムクッ


実況「さぁ、しかしここでバイソンが、立ち上がってくるっ!」


リュウ「……とりあえず、バイソンと遊んでおいてくれ」ポンッ

ヤムチャ「……了解っ!」

リュウ「俺は、暫くバルログの相手をしておくよ……さぁ、いこうか……」


実況「さぁ、ここでリュウはポンとヤムチャの肩を叩き……そして、自身は……おぉ~っと、場外のバルログですね。バルログの追撃へと向かいますっ! 今、ロープを潜り場外へと降りたっ!」

元「とりあえず、リング上の事はヤムチャ君に任せると言った所かな?」

427: 名無しさん 2015/12/09(水) 23:04:49 ID:.4hz98ZM
イケー! ヤムチャー!

ヤムチャ「よ~しっ……!」ズガズガ


実況「さぁ、両軍入り乱れていたリング上がここで落ち着いたか? 先ずは、ヤムチャ対バイソンっ! ヤムチャ対バイソンっ! ヤムチャは自信たっぷりにバイソンにへと近づいていくっ!」


ヤムチャ「……そらっ!」スパーンッ

バイソン「……うおっ」ヨロッ


オー! オーオー!

実況「そして、胸元への……逆水平チョーップっ! 強烈な一撃をバイソンへと打ち込んでいくっ!」

元「流れは、完全にこっちかな?」

428: 名無しさん 2015/12/09(水) 23:07:09 ID:.4hz98ZM
ヤムチャ「もう一丁っ……! そらっ……!」スパーンッ

バイソン「……く、くおっ!」ヨロッ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、よろけたバイソンの胸元へと……もう一撃ィ! 強烈な逆水平チョップっ!」


ヤムチャ「もう一撃だっ……! そらっ……!」スパーンッ

バイソン「ぐおっ……! んっ……?」ドスッ


実況「さぁ、ヤムチャがチョップの連打連打で……バイソンの身体をコーナー付近へと追いやっていくっ! そして、ここバイソンの身体がコーナーまで追いやられたっ!」

429: 名無しさん 2015/12/09(水) 23:14:18 ID:.4hz98ZM
ヤムチャ「……それっ、次は」ガシッ

バイソン「……んあっ?」


実況「さぁ、そしてヤムチャはそのままバイソンの腕を掴んで……!?」


ヤムチャ「向こうだっ……! 行ってこいっ……!」ブンッ

バイソン「う、うおおっ……!」ダダッ


実況「そのままバイソンの身体を対角線コーナーの方へと振っていったぁ!」


バイソン「……ぐあっ!」ドスッ

ヤムチャ「よ~しっ! いくぜっ!」ググッ


イイゾー! ヤムチャ、イケー!

実況「さぁ、バイソンの身体がコーナーマットへと突き刺さるっ! そして、ヤムチャはそんなバイソンに狙いを定め……ググッと右腕を挙げたぁ!」

元「ここは串刺し攻撃かな?」

430: 名無しさん 2015/12/09(水) 23:18:47 ID:.4hz98ZM
ヤムチャ「……うるああぁっ!」ダダッ


ワー、ワーワー

実況「さぁ、ヤムチャが対角線コーナー目掛けて……一直線に向かっていったぁ!」


ヤムチャ「フライング・フォア・アーム……いくぜっ……!」フワッ


オー、オーオー

実況「さぁ、そしてヤムチャが跳ぶっ! 高い跳躍をみせつつ、バイソンに向かってっ……!」


バイソン「……甘ぇんだよ、バカ」スッ

ヤムチャ「喰らえぇっ……! って、アレ……?」ガスッ


実況「あ~っと、しかしここはバイソンがよく見ている。飛び込んでくるヤムチャの動きに合わせて……クルリと身体を翻し、その軌道上から身体を逸らしていくっ!」

元「あらら、見てたか」

実況「ヤムチャの右肘は……おぉ~っと、バイソンではなく、コーナーマットへと突き刺さったっ!」

431: 名無しさん 2015/12/09(水) 23:24:09 ID:.4hz98ZM
ヤムチャ「……ちくしょう、避けられたか」

バイソン「……よっとっ」ガシッ

ヤムチャ「……んっ?」


実況「さぁ、そしてここでバイソンは……ヤムチャの背後から、後頭部を両腕で掴んで……!?」


バイソン「せぇ~のっ……!」ググッ

ヤムチャ「お、おおっ……!」

バイソン「……ドーンっ!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐ、ぐわあああぁぁ!」


実況「おぉ~っと、そのままヤムチャの顔面を……目の前にあるコーナーマットへと打ち付けていくっ! ヤムチャの顔面がコーナーマットへめり込んだぁ!」

元「……あぁ、ちょっとイケイケすぎたかなぁ?」

442: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:01:04 ID:uBSkiwmg
ヤムチャ「う、ううっ……痛ぇ……」フラッ

バイソン「……おっとっ! 休めると思うなよっ!?」ガシッ


実況「これには、ヤムチャも大きくフラつくっ! おっと、しかしバイソンは逃さないっ! 再びヤムチャの後頭部を掴むっ……!」


バイソン「二発目っ……! せぇ~のっ……!」グイッ

ヤムチャ「お、おおっ……!」


実況「その後頭部を、大きく大きく後方へと振っていってっ……!」


バイソン「……ドーンっ!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁっ!」


実況「再び、ヤムチャの顔面をコーナーマットへと打ち付けていったぁ!」

元「おぉ~っとっと」

443: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:09:24 ID:uBSkiwmg
ヤムチャ「く、くそっ……ここにいるのは……マズいかも……」フラッ


実況「さぁ、ヤムチャはおぉ~っと、顔面を抑えつつ……身体を反転して、リング中央へとフラフラと歩みを進めていくっ!」

元「あの位置で捕まえたかったんだろうけど、攻撃を避けられて逆に捕まっちゃったからねぇ……当てが外れたかな?」


バイソン「おっと、待てよ……何処行くんだ……? ヘイっ……!」ガシッ

ヤムチャ「……うおっ」


実況「がっ……! バイソンは逃さないっ! コーナー付近から、移動しようとするヤムチャの……その名の通り、後ろ髪を掴んでいくっ!」


バイソン「なんだなんだ……? 今度はそっちに叩きつけられてぇってか……? オーケー、オーケー……それじゃあ、お望み通りにっ……!」ググッ

ヤムチャ「おっ……おおっ……!」


実況「そして、バイソンもクルっと身体を反転させつつ……後頭部を押し込みつつ、今度はヤムチャの身体をリング中央付近へと運んでいくっ!」

444: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:18:26 ID:uBSkiwmg
バイソン「イケメンの顔面はぶっ潰れろっ……! これが、バイソン流の整形手術だっ! うるぁ……!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁ!」


実況「そして力任せに、ヤムチャの身体をマットへと叩きつけていくっ!」

元「……おぉ~っとっとっと。バイソン君も飛ばしているねぇ」

実況「顔面からマットへと叩きつけられたヤムチャっ! おぉ~っと、うつ伏せに倒れ込みますっ!」


ヤムチャ「くっ、くそっ……ちくしょうっ……!」ゴロゴロ

バイソン「ん~っと……ん~っと……え~っと……え~っと……」キョロキョロ


実況「ヤムチャは顔面を抑えて苦しみ、悶えていますっ! そして、バイソンは……首をキョロキョロと動かし、辺りの様子を確認しておりますっ!」

元「う~ん、油断大敵と言うか……バイソン君は、やっぱりこういうラフファイトの連続で流れを作っていくからねぇ……ちょっとヤムチャ君、飛ばしすぎたかもしれない……かな……?」

445: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:25:45 ID:uBSkiwmg
バイソン「おいおい、どうしたどうしたゴミ共……シャドルーが活躍したんだぞ……? こういう時は、どうするんだった……? あぁ……?」パンパン


ブー、ブーブー

実況「おぉ~っと、そしてここでバイソンは辺りを見回しながら、その両手を叩いていくっ!」

元「……う~ん、やっぱり余裕は出てきてるねぇ」


バイソン「そうじゃねぇだろが、ゴミっ……! お前ら、もう言われた事忘れたのかっ……!? 拍手するんだよ、拍手をよぉ……! ボケ共がっ!」パンパン


ブー、ブーブー

実況「ここはバイソン……場内へと拍手を要求しているのでしょうかっ? 自ら率先して手拍子を打っていきますっ! だがしかし、場内からは手拍子ではなく、ブーイングが飛んでくるっ!」

元「……この辺は、バイソン君の思うようにはいかないね」

446: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:33:22 ID:uBSkiwmg
ヤムチャー! シッカリシロー!

バイソン「ケッ、なんだよなんだよ……どうしようもねぇバカばっかりじゃねぇか……くだらねぇ……もういいよ……」


実況「さぁ、なかなか場内をシャドルー色に染めていくという事は難しいかっ!?」

元「染められても困りますけどね」

実況「バイソンも切り替えていくっ! ここは、手拍子を打つのを止めて……そして、うつ伏せにダウンしているヤムチャへと近づいていくっ!」


ヤムチャー! タテー!

バイソン「とりあえず、また後で試してみるか……今は、攻めよう……よっと……」ガシッ


実況「そして、ダウンしているヤムチャの左足を……右手で脇に抱え込むように掴んでいきますっ!」

447: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:38:34 ID:uBSkiwmg
ヤムチャ「ちくしょうっ……! ちょっと、いいようにやられはしたがっ……!」コロンッ

バイソン「……んっ?」


実況「さぁ、そしてバイソンはそのままヤムチャの身体をうつ伏せから……仰向けへと反転させて……」

元「……いや、これはヤムチャ君が自分から回転してるよ」

実況「……おっとっ!?」


ヤムチャ「攻め続けさせはしねぇよっ……! 掴んでるんじゃねぇっ……! 離せっ……! オラっ……!」ガスッ

バイソン「……うぐぁっ!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そしてここでヤムチャがっ……!」

元「……上手いっ!」

実況「空いている右足で……バイソンの顔面へと、蹴りを打ち込みますっ! ダウンしながらも、バイソンの顔面へと押し出す蹴りをヒットさせていったぁ!」

448: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:47:37 ID:uBSkiwmg
バイソン「く、くそっ……! こいつ……!」ガクッ


実況「これにはバイソンも、掴んでいた足を離し……そして、片膝から崩れてしまうっ!」

元「ちょっと、さっきバイソン君のペースなんじゃないかって言っちゃったけど……」

実況「……ヤムチャも負けてませんねぇ! 元さんっ!」

元「そうそう、そういう事、そういう事っ!」


ヤムチャ「よしっ……! ここからだっ……! そらっ……!」シュタッ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っとっ! 更に更に更にっ……! ここはヤムチャっ……! ハンドスプリングで素早く立ち上がるっ! 立ち上がってくるっ!」

元「おうおうおうおう、乗ってるじゃない、乗ってるじゃない」

449: 名無しさん 2015/12/10(木) 22:55:05 ID:uBSkiwmg
ヤムチャ「今度はこっちの番だっ……! そらっ……!」ガスッ

バイソン「……うぐっ!」


オー、オーオー

実況「そしてヤムチャは片膝をついているバイソンの顔面に……エルボーバーットっ! 打ち込んでいくっ!」


バイソン「うぐぐ……あ~、くそっ……痛ぇな、コラっ……」ムクッ

ヤムチャ「もう一丁っ……! いくぜっ……! そらっ……!」ガスッ

バイソン「……ぐおっ!」フラッ


オー、オーオー

実況「ここは、バイソンも堪えて立ち上がってくるっ……! だがしかし、ヤムチャは攻めていくっ! 起き上がってくるバイソンに対して、もう一撃ィ! 打ち込んでいったぁ!」

450: 名無しさん 2015/12/10(木) 23:06:42 ID:uBSkiwmg
リュウ「……はぁっ!」ガスッ

バルログ「くっ……ヒャオっ……!」ガスッ


実況「本日の試合は、両軍試合開始から飛ばしていますっ! 飛ばしておりすっ!」

元「場外でリュウ君とバルログ君もまだやり合ってるねぇ。う~ん、今日は皆飛ばしてるねぇ」


ヤムチャ「この一撃でっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ


ワー、 ワーワー

実況「おぉ~っと、そしてここでっ……!? ヤムチャが握った拳を力強く、天に挙げたぁ!」


ヤムチャ「ダウンさせるっ……! うおおおぉぉっ……! 寝てろっ……!」ズガアァ

バイソン「……うぐああぁぁっ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そしてその腕をバイソンの顔面にっ……! 今度は振り抜いていくっ! ヤムチャのエルボーバーットっ! おぉ~っとっ! バイソンをダウンさせていったぁ!」

451: 名無しさん 2015/12/10(木) 23:11:06 ID:uBSkiwmg
リュウ「そらっ……! バルログっ……!」ガシッ

バルログ「……くっ!」

リュウ「お前は、鉄柵に……行ってろっ……! はぁっ……!」ブンッ

バルログ「……く、くああっ!」ガッシャーンッ


バイソン「く、くそっ……!」

ヤムチャ「見たか、オラっ……! 俺だって、負けてねぇんだっ!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、バイソンをダウンさせたヤムチャは力強い握り拳を作っていくっ! そしてっ……! そこに声援が飛んでくるっ! おぉ~っと、そしてリュウも……場外でバルログを鉄柵へと振り投げていきましたっ!」

元「おぉ~っと、場外でもか……」

実況「まぁ、反撃されてしまう場面はありましたが……序盤の攻防を制したのは、ヤムチャ……と言ってもいいでしょうかねぇ? 元さんっ!」

元「まだまだ油断大敵だよ。この流れを切らない事……だね」

459: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:02:33 ID:j7CMP/sE
ヤムチャ「そらっ……! 続けていくぜっ! よっとっ……!」ドスッ

バイソン「……ぐっ!」


イイゾー! ヤムチャー!

実況「さぁっ! では、その流れを切らない為にも……どんどん攻めていきたいっ! ヤムチャはダウンしたバイソンへと近づいて……そのままエルボードロップっ! 硬い硬い肘を落としていきますっ!」

元「まぁ、この様子を見てると……僕が言わずもがな、ヤムチャ君はわかってるみたいだろうけどね」


ヤムチャ「よぉ~し、今日は調子がいいぜ……さぁ、バイソン……お前も起きろ……」ググッ

バイソン「……チィっ!」


実況「肘を落としつつ、マットへと倒れ込んでいったヤムチャは……おっと、そのままバイソンの頭部を持ちつつ、起き上がっていくっ! ここは一度、引き起こしていくっ!」

460: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:09:39 ID:j7CMP/sE
リュウ「……なかなか上手くやってるみたいじゃないか。いいぞ、ヤムチャ」ピョンッ

ヤムチャ「リュウさんっ……! そっち、振りますよっ……! お願いしますっ!」

リュウ「……んっ?」


実況「さぁ、場外で争っていたリュウとバルログも落ち着いていたか? リュウはエプロンサイドに乗り……おぉ~っと、そんなリュウに……何やら、ヤムチャが声を掛けましたかね?」

元「……おっ、そうだね」


ヤムチャ「よ~し、それじゃあバイソンっ……! ロープに……行ってこいやっ……!」ブンッ

バイソン「……う、うおっ」


実況「さぁ、ヤムチャはバイソンの腕を掴み……そして、その身体をロープ方向へと振っていったぁ!」

461: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:16:33 ID:j7CMP/sE
実況「さぁ、バイソンの身体が大きくロープへ振られたぁ! おぉ~っとっ!?」


リュウ「あ~、ったく……忙しいっ……! そらっ……!」スパーンッ

バイソン「く、くあっ……!」クラッ


実況「振られたロープの先……エプロンサイド中央には、リュウが待っていたぁ! リュウはトップロープを掴み身体を固定しながら、突っ込んできたバイソンに向かって、カウンターのハイキックを当てていくゥ!」

元「……おぉ~っと、顔面直撃だぁ!」

実況「強烈な蹴りがカウンター気味にバイソンの顔面へと炸裂したぁ! これにはバイソンの身体もグラついて大きく後方に……」


ヤムチャ「……おっとっ! まだダウンはさせないぜっ!」ガシッ

バイソン「……んあっ?」


オー、オーオー

実況「いやっ……! そこにすかさずヤムチャが突っ込んでくるっ! 大きくグラついているバイソンの腰回りを背後から掴み……そして、脇下へと頭を潜り込ませたっ!」

462: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:22:15 ID:j7CMP/sE
ヤムチャ「うおおぉぉっ……! このまま持ち上げてっ……!」ググッ

バイソン「お、おおっ……」


実況「そして、そのままバイソンの身体を抱え上げていき……!」


ヤムチャ「うるあぁっ……! バックドロップだあぁっ……!」ズドーンッ

バイソン「……ぐげええぇぇっ!」


オー! イイゾー! ヤムチャー!

実況「そのまま後方へと反り返り、バイソンの身体をマットへと叩きつけていくっ!」

元「おぉ、リュウ君の強烈な蹴りでフラついた所に……間髪入れずに仕掛けていったねぇ」

実況「ここはヤムチャのバーックドロップっ! バイソンに強烈な一撃を叩き込んでいったぁ!」

463: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:31:32 ID:j7CMP/sE
ヤムチャ「へへ……リュウさん、協力感謝します……」ムクッ

ダン「……何時までもエプロン中央にいるんじゃねぇ! 戻れっ!」ビシッ

リュウ「わかってます……戻りますよ……」スッ


実況「さぁ、ヤムチャは……上体を起こしていくっ! ここは連携攻撃気味に、バックドロップを仕掛けていきましたっ!」

元「うんうん、いい感じだねぇ」


ヤムチャ「レフェリー……何処見てるんですか……? ほらほら、こっちですよ……?」ササッ

ダン「……んあっ?」

ヤムチャ「ほらほら、フォールっすよ……フォール……カウント取って下さい」

ダン「お、おうっ……! わかったぜ……!」


実況「おっと、そしてここで……? ヤムチャはバイソンの身体に覆い被さり……フォールの体勢に入りましたっ!」

元「おっ、フォールにいったか……どうだ!?」

464: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:36:46 ID:j7CMP/sE
実況「さぁ、今レフェリーが駆け寄ってきますっ……! どうだっ!? 電光石火の勝利となるかっ!?」


ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」

バイソン「くっ……! 舐めんなっ……!」ガバッ

ヤムチャ「……おっと、いいの決まったと思ったのに、ダメだったか」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


実況「しかし、ここはカウントツーでバイソンの肩が上がりますっ!」

元「まぁ、そう上手くはいかないよね」

465: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:44:21 ID:j7CMP/sE
ヤムチャ「まぁ、いいや……よし、いくか……」ムクッ


実況「さぁ、電光石火の勝利とはなりませんでしたが……依然、ペースは変わらず空手軍団と言った所でしょうか? ヤムチャは立ち上がってくるっ!」

元「まぁ、あの様子を見てると、ここで決まらないのはある程度想定内だったのかもしれないね」


バイソン「……くそっ、調子乗ってんじゃねぇぞ」ムクッ


実況「そして、ワンテンポ遅れて……バイソンも立ち上がってきますっ! こちらは少々、リズム掴むのに苦戦していると言った所か!?」

元「ヤムチャ君、バイソン君相手に上手く立ち回ってるんじゃない?」


ヤムチャ(ここで苦戦してるようじゃ、バルログさんを相手にする事は出来ないからな……バイソンさん相手だろうが……優位に試合を進めていかなきゃいけねぇっ……!)

466: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:51:58 ID:j7CMP/sE
ヤムチャ「そぉ~らっ! まだまだいくぜっ……! せいやあぁっ!」バッチーンッ

バイソン「……うおっ!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「そして、ヤムチャは……起き上がりのバイソンに合わせて……逆水平チョーップっ! その胸元へと打ち込んでいくっ!」


ヤムチャ「もう一丁っ……! そらっ……! だああぁっ!」バッチーンッ

バイソン「……ぐっ!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「続けて……もう一撃ィ! バイソンの身体を押し込むように……ヤムチャのチョップの連打連打ァ! バイソンの身体を再び、コーナー付近まで押し込んでいきますっ!」

467: 名無しさん 2015/12/11(金) 22:57:06 ID:j7CMP/sE
ヤムチャ「よし、完全に俺達のペースっすよ………後は任せますっ!」パシッ

リュウ「……よしっ! いい立ち上がりだったぞっ!」パシッ


オー? オーオー?

実況「さぁ、バイソンの身体を自軍コーナー付近まで押し込んでいったヤムチャは……おっと、ここで……? エプロンサイドにいるリュウの手を叩きましたっ!」

元「おっ……? ここで交代してくるのか?」

実況「おぉ~っと、おぉ~っと……ここは、一度選手を交代してきますっ! 試合権がヤムチャからリュウへと移りましたっ!」


リュウ「ヤムチャっ……! わかってるな……!?」ググッ

ヤムチャ「勿論、わかってますよっ……! せぇ~の……っと!」ググッ

バイソン「……おおっ!」


実況「タッチを受けたリュウは……おっと、エプロンサイドからコーナーポストへと昇っていくっ! そして、ヤムチャはバイソンの股下に手を差し伸べ……おっと、抱え上げていったっ!」

469: 名無しさん 2015/12/11(金) 23:07:50 ID:j7CMP/sE
ヤムチャ「ボディスラムだっ! よいしょっ!」ドスッ

バイソン「……ぐっ!」


実況「さぁ、ヤムチャはバイソンの身体を抱え上げ、そのまま叩きつけていったぁ! ここはボディスラムっ!」


リュウ「よしっ……! 下がってろっ……!」

ヤムチャ「……了解っすっ!」スッ


実況「そしてヤムチャは、ロープを潜りエプロンへと引き下がっていくっ! さぁっ! そして、コーナーポスト上から……リュウがそんなバイソンに狙いを定めて……」


リュウ「次は、俺だぁっ! いくぞ、バイソンっ……!」ピョンッ

バイソン「……くっ!」


オー、オーオー

実況「飛び込んでいったぁ!」

470: 名無しさん 2015/12/11(金) 23:20:55 ID:j7CMP/sE
リュウ「ダイビングエルボードロップだっ! はああぁぁっ!」ズドーンッ

バイソン「……ぐわあああぁぁ!」


ワー! ワーワー!

実況「トップロープ上から飛び込み、バイソンの身体に肘を落としていきますっ! ダイビングエルボードロップっ! ダーイビングエルボードロップっ!」

元「おうおうおう、いいねぇいいねぇ」

実況「ここは、空手軍団……タッグワークを駆使していきますっ!」

元「うん、さっきもしてたよね? これは、いい流れで……リュウ君が出てきたじゃない?」


リュウ「よぉ~しっ……! 誰が主役かを……思い知らせてやろうじゃないかっ……!」ムクッ


オー! イイゾー! リュウー!

実況「さぁ、そして力強い握り拳を作り、そして雄叫びをあげながらリュウが立ち上がるっ! 乗っていますっ! 今日のリュウも乗っていますっ!」

元「今日はこのままガンガンいきたいねぇ」

471: 名無しさん 2015/12/11(金) 23:28:43 ID:j7CMP/sE
リュウ「よしっ……! バイソン、起きろっ……!」ググッ

バイソン「ううっ……」


実況「さぁさぁ、試合権が移ったリュウが出てきたっ……! リュウは、バイソンに近づいて、そして引き起こしていくっ!」


リュウ「……そらっ!」ガシッ

バイソン「……くっ!」


実況「そして、バイソンに組みかかっていくっ! バイソンの頭部を脇に抱えこんで締め上げていくっ! ここは、ヘッドロックの体勢に捉えたっ!」

元「おっ、掴まえてきたね」

472: 名無しさん 2015/12/11(金) 23:33:04 ID:j7CMP/sE
リュウ「……そらそらっ!」ギリギリ

バイソン「……くっ!」


実況「さぁ、リュウがヘッドロックでバイソンの頭部を絞り上げていくっ! そのままリング中央付近へと歩みを進めていくっ!」


リュウ(あんまり激しくやりすぎるとバイソンが本当に動けなくなっちまうからな……)ググッ

バイソン「……んあっ?」


実況「さぁ、そしてここでリュウが体勢を低くして……」


リュウ(ここは、基本に忠実にいくか……よっとっ……!)

バイソン「……うおおぉっ」ビターンッ


実況「バイソンの身体を自身の腰に乗せつつ……そのまま回転させつつマットへとマットへと叩きつけていくっ!」

元「おっとぉ、ここはグラウンドへ移行したね」

482: 名無しさん 2015/12/12(土) 22:00:51 ID:1yusyqvc
リュウ「さぁ、じっくりいこうぜ……なぁ、バイソンっ……?」ギリギリ

バイソン「……チィ」


実況「バイソンの身体をマットに転がしつつも……掴んだその手は離さないっ! さぁ、ここはグラウンド・ヘッドロックっ!」


バイソン「くっ、いつまでも……締め付けてるんじゃねぇよ、ボケ……」モガモガ

リュウ「……まぁまぁ、暴れんなよ。少し、大人しくしておきな」ググッ


実況「さぁ、バイソンもなんとか身体を捻らせ捩らせ、脱出を試みようとしておりますが……」

元「……上手くリュウ君がコントロールしているんじゃない?」

実況「上からしっかりと体重をかけつつ、リュウが押さえ込んでいるっ!」

483: 名無しさん 2015/12/12(土) 22:08:10 ID:1yusyqvc
バイソン「く、くそっ……! こ、この野郎っ……!」ググッ


実況「さぁ、ここからどうするバイソン。おぉ~っと、ここでバイソンが右手をぐぐっと伸ばし……そして、リュウの頭部に手をかけようと……」


バイソン「……うざってぇんだよ、ゴラっ! 離せっ!」ガリッ

リュウ「……痛っ!」


実況「あ~、いやっ……! 違うっ……! ここはバイソン、頭部を締め付けられながらも……右腕をリュウの顔面付近へと伸ばし……そして、爪を立てて引っ掻いていくっ! 顔面を掻きむしっていくっ!」

元「……あ~らら、手癖が悪いねぇ」


バイソン「……オラ、聞こえねぇのかゴラっ! 離せって言ってんだよっ!」ガリッ

リュウ「……痛っ!」


実況「しつこくバイソンは、再びリュウの顔面付近へと手を伸ばし……おぉ~っとっ! また、爪を立てて掻きむしっていったぁ!」

484: 名無しさん 2015/12/12(土) 22:13:35 ID:1yusyqvc
バイソン「……へへへ、どうだどうだ。こういうテクニックもあるんだよ、馬鹿野郎め。お利口なレスリングにゃないテクニックだな、へへへ」

リュウ「……くそっ、この野郎っ!」ガシッ

バイソン「……んあっ?」


実況「こいつはたまらなぁ~いっ! おっと、ここでリュウは……バイソンの頭部をクラッチしている右腕を外して……そして、その右腕でバイソンの右腕を掴んでいくっ!」

元「……引っ掛かれちゃうからね、うん」


リュウ「……やらせないぞ、この野郎っ!」ビタッ

バイソン「……チィっ!」


実況「左脇にバイソンの頭部を抱え込みながら……バイソンの右腕を掴み、そしてバイソンの頭部の上っ! マットへと強く強く押し付けていくっ!」

元「……なんとか、右腕は塞がったねぇ。ちょっとロックは甘くなっちゃったかもしれないけどね」

485: 名無しさん 2015/12/12(土) 22:22:59 ID:1yusyqvc
バイソン「それなら、こっちだっ……! この野郎っ……!」ガシッ

リュウ「うっ……い、いてててっ……!」


実況「さぁ、なんとか悪い右腕は……おぉ~っとっとっとっ!」

元「あっ……! 今度はそっちかっ……!」


バイソン「右腕がダメなら……こっちを使うまでなんだよ、バーカっ!」ググッ

リュウ「い、いってぇなぁ……この野郎っ……!」

バイソン「オラオラ、いい加減にしねぇと……後頭部がツルッパゲになっちまうぜぇ……?」


実況「バイソンは、リュウの左脇の下から……自身の左腕を通し……そしてリュウの後頭部を掴むっ!」

元「……今度は、そっちかぁ」

実況「髪ですっ! 髪の毛を掴んでいますっ! リュウの後ろ髪を掴み……そして、そのまま引っ張っていくっ! 右腕だけではなく、左腕も手癖が悪いっ!」

486: 名無しさん 2015/12/12(土) 22:37:07 ID:1yusyqvc
ヤムチャ「レフェリーさんっ……! 髪掴んでるんじゃないんすか、ソレ……?」

ダン「んっ……? あぁっ……! おめぇ……バイソンっ……!」


バイソン「色気づいて髪なんか伸ばしてるから、こうなるんだよっ……! 男ってのは、坊主が基本だっ……! このバイソン様が世界基準なんだよ、この野郎っ……! うらうら、わかったならてめぇも坊主にしやがれっ……!」グイグイ

リュウ「いてててっ……いてっ……いてっ……!」


実況「バイソンがリュウの後頭部の髪っ……! 掴んでグイグイと後方へと引っ張っているっ!」

元「ある意味見事ではあるね。必要最低限の動きでグラウンドから脱出しようとしているんだからね」

実況「おっと、エプロンのヤムチャも気づいたかっ!? エプロンサイドからレフェリーに抗議をしているぞ!?」

元「ただ、今の所全部反則なんだけどね!?」

487: 名無しさん 2015/12/12(土) 22:46:20 ID:1yusyqvc
リュウ「この野郎っ……! いい加減にしやがれっ……!」ガシッ

バイソン「……んあっ?」


実況「おぉ~っと、しかしここはリュウが対応していくかっ!? リュウはバイソンの頭部を抱え込んでいた左腕を解いて……そしてバイソンの左腕っ! 二の腕付近を掴んでいくっ!」

元「……よぉしよし」


リュウ「……好き放題やりやがって、この野郎っ!」ビタッ

バイソン「……チィ!」


実況「さぁ、そしてその左腕も……! マットに力強く力強く押し付けていくっ!」

元「悪い腕はこれで塞がったね」

実況「さぁ、リュウがバイソンの右腕と左腕を上からマットへと押し付けているっ! 力強く押し付け、バイソンをマットに貼り付けにするっ!」

488: 名無しさん 2015/12/12(土) 22:53:27 ID:1yusyqvc
リュウ「……よし、ここから」ググッ

バイソン「ああっ……くそっ……! 押さえ込んでんじゃねぇよっ……!」


実況「さぁさぁ、ここから……? おっと、リュウはバイソンを押さえ込みつつ、片膝を立てて……」


リュウ「……そらっ!」シュタッ

バイソン「……あ~ててててっ! 体重掛けてくるんじゃねぇよっ!」


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、バイソンの両腕を押さえ込みつつ……その場で足を揃えて、腕を支点に飛び上がるっ!」

489: 名無しさん 2015/12/12(土) 23:01:38 ID:1yusyqvc
リュウ「そぉ~らっ! 落とすぜっ! だあぁっ!」ガスッ

バイソン「……うがっ!」


実況「振り子のように振られたリュウの膝が戻ってきたぁ! そして、バイソンの肩口辺りに膝を打ち込んでいくっ!」

元「上手く相手を押さえ込みつつ、膝を入れていったねぇ」


バイソン「ぐあっ……いってぇな、ちくしょうっ……!」

リュウ「今だっ……! それっ……!」シュルッ

バイソン「……んあっ!?」


実況「おぉ~っと、そしてっ……!? 膝を打ち込んでいったリュウは軽く跳ねるようにして体勢の整え、そしてバイソンの左腕を自身の両脚の間に挟み込んでいくっ!」

490: 名無しさん 2015/12/12(土) 23:04:18 ID:1yusyqvc
リュウ「取ったぞっ……! いくぜっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ

バイソン「あっ……ガッ……ガァッ……! うがああぁぁっ……!」


オー! オーオー!

実況「さぁ、バイソンの左腕を取ったっ! 極めていったっ! ここは腕ひしぎ逆十字固めにいったぁ!」

元「おっ!? いいんじゃないっ!?」


リュウ「手こずらせやがってっ……! だがっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

バイソン「あっ……ガッ……グガっ……! ガッ……! ガッ……!」バタバタ

ダン「おいっ……! バイソン、どうするっ……!? ギブアップかっ!? ギブアップすんのかっ!?」


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、おぉ~っと、おぉ~っとっ! バイソンが足を大きく大きくバタつかせて暴れているっ! 暴れているぅ! これ、決まり具合はどうなんでしょうか、元さんっ!?」

元「おぉ、これ……かなりいいの決まってるんじゃないのっ!?」

491: 名無しさん 2015/12/12(土) 23:12:29 ID:1yusyqvc
リュウ「……終わらせてやるぜっ!」ググッ

ダン「だから、バイソン……どうすんだっ……!? ギブアップかっ!? ギブアップするのかっ!?」

バイソン「グガッ……! ガッ……! うぎゃあああぁぁっ!」バタバタ


オー! イイゾー!

実況「さぁ、バイソンの暴れようが尋常ではないっ! しかし、そんな事御構い無しっ! 容赦なくリュウが腕を締め上げていくっ! さぁ、どうだっ!?」

元「……あぁっ!」


バルログ「……チィっ! リュウっ!」シュタッ

ヤムチャ「……あっ!」


実況「おぉ~っとっ! しかしここでっ……! バルログが戻ってきましたっ! バルログが戻ってきましたっ! バルログは素早い動きで、自軍コーナーのポスト上へと昇っていくっ!」

元「あ~、くそっ……! いい感じだったのに……嫌なタイミングで戻ってきたねぇ……」

492: 名無しさん 2015/12/12(土) 23:24:03 ID:1yusyqvc
バルログ「バイソン……今、助けますっ……!」


実況「さぁ、コーナーポスト上へと昇りきったバルログっ……! いくのかっ……!? そこからいくのかっ……!?」

元「いくんじゃないかなぁ?」


バルログ「……ヒョオオオオォォッ!」シュタッ


実況「おぉ~っとっ! いったぁ! バルログが……コーナーポスト上から、リュウ目掛けて飛んでいったぁ!」


バルログ「……ヒャオっ!」ズドーンッ

リュウ「……グガッ」


実況「そして、腕ひしぎ逆十字を仕掛けているリュウの上半身に……飛び込んでいくっ! リュウの首筋に膝裏を落としていったぁ!」

元「ちょっとちょっとぉ……カットが強引すぎるんじゃないかなぁ……?」

実況「ここはバルログのダイビング・レッグ・ドロップっ! ダーイビング・レッグ・ドロップっ! 一歩、目測を誤ればバイソンに命中してしまうかもしれないこの状況っ……! だがバルログっ! ここは的確にリュウに決めていきますっ!」

493: 名無しさん 2015/12/12(土) 23:28:35 ID:1yusyqvc
リュウ「ぐっ……ぐっ……くそっ……!」


ブー! ブーブー!

実況「これは予想外の一撃だったか……? おぉ~っと、リュウは首筋を抑えて苦しんでいますっ!」

元「……まさか、あんな大技で来るとは思わないだろうからねぇ」


バイソン「ああっ……くそ……お前、今まで何処にいたんだよ……遅ぇよ……」

バルログ「……失礼っ」ムクッ

ダン「おいっ……! バルログっ……! おめぇっ……!」


実況「さぁ、バルログはリング上で立ち上がるっ! さぁ、そんなバルログにレフェリーが近寄って……」

元「……試合権持ってない人が、あ~んな大技出すのはいけないよ」


バルログ「……貴方との話は後ですっ! 退いてなさいっ!」ドンッ

ダン「……痛っ! 何しやがるっ!」


実況「あ~っと、あ~っとっ! しかし、バルログは……そんなレフェリーを突き飛ばしますっ! 突き飛ばしましたよ、元さんっ!?」

494: 名無しさん 2015/12/12(土) 23:34:17 ID:1yusyqvc
ヤムチャ「……この野郎っ!」ダダッ

バルログ「……来いっ!」


ヤムチャー! イケー!

元「まぁ、ヤムチャ君が突っ込んでるからねぇ」

実況「おぉ~っと、ここで……ヤムチャがリングインして……バルログ目掛けて一直線に突っ込んでいくっ!」

元「ちょっと乱暴すぎるカットだったからねぇ。まぁヤムチャ君もカチンときたのかな?」


ヤムチャ「この野郎っ……! 好き放題暴れてるんじゃねぇよっ……!」ダダッ

バルログ「最初に暴れたのは貴方達です……そして、今も……また……」


実況「おぉ~っと、試合が落ち着いてきたかと思いましたがっ……! また、こいつは荒れ模様の予感かっ!? ヤムチャもリングに雪崩れ込んでくるっ!」

514: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:00:18 ID:EwofpUVQ
ヤムチャ「うるせぇっ……! いくぜぇっ……!」ダダッ

バルログ「甘いっ……! ヒャオっ……!」シュタッ

ヤムチャ「うおっ……!」


実況「さぁ、ヤムチャがバルログ目掛けて一直線っ! おぉ~っとっ!?」

元「……あらっ!?」

実況「ここはバルログ、よく見ているっ……! 正面から突っ込んできたヤムチャに対して……その場で高く飛び上がり、そしてその肩に飛び乗ったっ!」


バルログ「いきますよっ……! ヒョオオオオっ……!」ググッ

ヤムチャ(俺は、バルログさんの動きに……合わせつつ……!)

バルログ(フックを外せば失敗しても、ヤムチャ君が私を叩きつけた形にはなりますし、受け身も取りやすいでしょう……万が一もあります……ここは投げっぱなしですっ……!)サッ


実況「ヤムチャの肩に飛び乗ったバルログはその頭部を両足で挟み込み……そしてそのまま、後方に回転していくっ!」

515: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:07:57 ID:EwofpUVQ
ヤムチャ(ここで前方に回転しながら飛び込んでいくっ……!)シュタッ

バルログ「……ヒャオっ!」

ヤムチャ「う、うおおおぉぉっ……!」


実況「ここはバルログがよく見ているっ! カウンターで決めていくっ! フランケンシュタイナーだっ! ヤムチャの身体がそのまま前方へと一回転っ!」

元「おぉ~っと、投げっぱなしだ」


ヤムチャ「……うげっ!」ズドーンッ


実況「ヤムチャの身体がそのまま一回転して……マットへと叩きつけられますっ!」

元「よく見てるねぇ……カウンターで仕掛けてきたよ……」

実況「ここは、カウンターでの投げっぱなしフランケンシュタイナーっ! 投げっぱなしフランケンシュタイナーっ!」

516: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:12:35 ID:EwofpUVQ
ダン(おっ、フランケンシュタイナーか……ま~た、派手に受けやがったなぁ、アイツ……)

ヤムチャ(うおっ、自ら飛び込んだと言えども……これだけの勢いでマットに飛び込んでいくと、やっぱり痛ぇっ……! だが、どうだっ……!? 身体を張って受けたぞっ……!)

ダン(でも、下手に躊躇してふんわりいったり……無茶して首から落ちたりしなくてよかったよ……よしよし、ヤムチャ……その感じだっ……!)


実況「突っ込んでいった勢いをそのまま利用されてしまったかっ!? ヤムチャは勢いそのままマットへと強く打ち付けられたっ!」

元「う~ん……ちょっとリングに入っていくタイミングがワンテンポ遅かったかな……?」


バルログ「よしよし……どうやら、上手くいったみたいですね……バイソンっ! 貴方も休んでいる暇はありませんよっ!」ムクッ

バイソン「お、おうっ……!」


実況「さぁ、そしてバルログが立ち上がるっ! 立ち上がっていくっ!」

517: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:18:46 ID:EwofpUVQ
バルログ「とりあえず、私がリュウを抑えますっ……! 貴方はそこのゴミを掃除しておいて下さいっ!」

バイソン「……オーケー。掃除なら任せておけ」ムクッ


実況「さぁ、そして……おぉ~っと、続いてバイソンも立ち上がってくるっ!おぉ~っと、ここはシャドルーが優勢へとなってきたかっ!?」

元「ちょ~っと、バルログ君のド派手な カットインから流れが変わっちゃったかもしれないねぇ」


バルログ「先程は、よくもやってくれましたね……ヒャオっ!」ガスッ

リュウ「……ぐっ!」

バイソン「オラオラ、ゴミが……出しゃ張るから、そういう目に合うんだよっ……だあぁっ!」ガスッ

ヤムチャ「……うげっ!」


実況「バルログはリュウに近づいていき……バイソンはヤムチャへと近づいていくますっ! そして、ストンピングっ! それぞれ、踏みつけていくっ!」

518: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:32:21 ID:EwofpUVQ
カラテグンダンー! シッカリシロー!

バルログ「ヒャオっ……! ヒャオっ……!」ガスガス

リュウ「ぐっ……ぐっ……」


実況「さぁ、バルログは二発三発と連続してリュウの身体を踏みつけていくっ! ストンピングの連打連打っ!」


バイソン「オラオラっ……! てめぇはリングより場外の方がお似合いなんだよっ……! 邪魔だから、消えてろっ……!」ググッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」


実況「そして、バイソンはヤムチャの身体を足で押し出し……おぉ~っと、サードロープ下から、ヤムチャの身体を場外へ押し出そうとしていますっ!」

元「あ~っと、ちょっとこれはマズいんじゃないかな?」

519: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:38:44 ID:EwofpUVQ
バイソン「オラオラ、邪魔だっ! 消えてろっ……!」ググッ

ヤムチャ「く、くそっ……!」ガシッ

バイソン「……掴んでんじゃねぇっ! ボケがっ!」ググッ


実況「ヤムチャの身体がエプロンサイドまで押し出されたっ! ヤムチャもサードロープを掴み、場外へ転落するまいとしているが……おぉ~っと、なかなk辛い体勢だっ!」


バルログ「バイソンは順調ですね……よし、それなら……リュウ、貴方は起きなさいっ!」ググッ

リュウ「……くっ」


実況「さぁ、バルログは……おぉ~っと、リング中央でリュウの頭部を掴み……そして引き起こしていくっ!」

520: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:45:29 ID:EwofpUVQ
バルログ「そらっ……! 次はコーナーですよっ……! ヒャオっ……!」ブンッ

リュウ「……くっ」ダダッ


実況「そしてリュウの身体を……コーナー目掛けて振っていったぁ!」


リュウ「……ぐっ!」ドスッ

バルログ「さぁさぁ、リュウ……いきますよ……」ササッ

ダン「あ~っ! なんだよなんだよ……どいつもこいつも好き放題暴れやがって……」


実況「そして、バルログはリュウに狙いを定めたまま……対角線コーナーの方へと移動していきますっ! 狙っているのかっ!? バルログは狙っているのかっ!?」

元「狙ってますねぇ」

521: 名無しさん 2015/12/14(月) 22:54:53 ID:EwofpUVQ
バイソン「いい加減、落ちやがれっ……! ゴルァっ!」ググッ

ヤムチャ「う、うおっ……! くそっ……! うげっ……!」ボトッ

バルログ「いきますよっ……! ヒョオオオオっ……!」ダダッ


実況「さぁ、そしてバルログがコーナーにいるリュウ目掛けて……一直線に突っ込んでいったぁ!」

元「……あっ、ヤムチャ君も場外に落ちたっ!」


バルログ「私の美しい技をご賞味あれ……ヒャオっ……!」シュタッ


実況「リュウ目掛けて突っ込んでいったバルログは……おぉ~っと、先ずはコーナー付近のセカンドロープへと飛び乗っていくっ!」

元「おぉっ!?」

522: 名無しさん 2015/12/14(月) 23:04:47 ID:EwofpUVQ
バルログ「そしてっ……!」ドスッ

リュウ「……うぐっ!」

バルログ「……ヒャオっ!」クルッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、バルログはセカンドロープに飛び乗り……その反動を利用して更に飛ぶっ! そしてリュウの胸板に蹴りを打ち込みつつ……クルっと後方に一回転っ!」

元「サルトモルタルですね」

実況「そしてそのまま着地ィ! リュウを踏み台にして空中回転を見せたバルログが、再びリュウの目の前へと降りてきたぁ!」


バルログ「まだまだっ……! ヒャオっ……!」ドスッ

リュウ「……ぐがっ!」


実況「間髪入れずにドロップキーックっ! 連続でリュウに打ち込んでいくっ!」

元「……得意のロープワークを駆使した攻撃だっ!」

523: 名無しさん 2015/12/14(月) 23:12:27 ID:EwofpUVQ
バルログ「フフフ、どうです……? 美しいでしょう……」ムクッ


実況「ここは、バルログっ……! 得意のルチャ殺法を見せてくるっ! サルトモルタルっ! ドロップキックでリュウの身体をコーナーマットへと打ち付けていくっ!」

元「まぁ、バルログ君らしい攻撃だね」


ダン「おいおいおいおいっ……! バルログっ……! 勝手な事してるんじゃねぇぞっ!」ズガズガ

バルログ「……むっ?」


実況「おぉ~っと、しかしここでそんなバルログに……おっと、レフェリーが近づいていきますっ!」

元「ちょっと、乱戦気味でごちゃごちゃしちゃったけど……バルログ君は今、試合権持ってないからね」

524: 名無しさん 2015/12/14(月) 23:17:17 ID:EwofpUVQ
ダン「お前は試合権持ってねぇだろがっ……! あぁっ……!? 何やってんだ、下がれっ!」

バルログ「ちょっとちょっと……わかりましたよ……話ぐらいは聞いてあげます……ここじゃ、邪魔になりますから……ちょっと移動しましょう……こっちこっち……」ササッ


実況「確かに……リングで大暴れのバルログではありますが……これ、タッチは受けていませんっ! 試合権はありませんっ! さぁ、レフェリーがかなり強い口調でバルログに詰め寄っているっ!」

元「あ~っ……こりゃ、バルログ君がレフェリーの注意引きつけてるよ……?」

実況「……ぬっ?」

元「ほら……バイソン君が……」


バイソン「よぉ~し……次は、俺が突っ込む番だな……覚悟しな、リュウ……」ササッ


実況「おぉ~っとっ! 先程までヤムチャの相手をしていたバイソンは……対角線コーナーの方へと移動していくっ! リュウに狙いを定めているっ!」

525: 名無しさん 2015/12/14(月) 23:25:54 ID:EwofpUVQ
バイソン「リュウは……流石に、二対一でいかねぇと困るからな……よ~しっ! それじゃあ、いくぜっ! うおおおぉぉっ!」ダダッ


実況「さぁっ! そして今度はバイソンがっ……! 対角線コーナーから、一直線にリュウ目掛けて突っ込んでいったぁ!」

元「あ~、こっちの二人もコンビネーションはいいんだよねぇ」


バイソン「串刺しだああぁぁっ! くたばりやがれっ! リュウっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ

リュウ「くっ……お前にはやられんっ……! だぁっ!」グイッ

バイソン「んっ……? うげっ……!」ズガッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、しかしここはっ……!? リュウが大きく足を振り上げ、突っ込んできたバイソンの動きに上手く合わせたっ!」

元「おっ……!? 迎撃したかっ!?」

実況「上手くカウンターを合わせていったぁ! バイソンはリュウの足に顔面からぶつかりますっ! ここはリュウっ……! 上手く返したっ!」

526: 名無しさん 2015/12/14(月) 23:31:17 ID:EwofpUVQ
バイソン「くっ……くそっ……! まだ動けたのかよ……こいつ……」フラフラ

リュウ「まだ動けるんだよっ……! いくぜっ……!」ダダッ


実況「大きく大きくフラつくバイソンっ……! さぁ、そしてそこに間髪入れずにリュウが突っ込んでいったっ!」

元「いいんじゃないっ!?」


リュウ「……それっ!」ガシッ

バイソン「……ぐっ」


実況「リュウは突っ込んだ勢いのまま、バイソンの頭部をヘッドロックの体勢に捉えるっ! 脇に抱え込んでいくっ!」


リュウ「マットに打ち付けるぞっ……! はああぁぁぁっ!」ズドーンッ

バイソン「ぐ、ぐわあああぁぁっ……!」


オー、オーオー

実況「そして、その勢いのまま大きく前方に飛び込んで、バイソンの顔面をマットへと叩きつけていったぁ!」

元「よ~し、ブルドッギング・ヘッドロックだっ!」

527: 名無しさん 2015/12/14(月) 23:36:49 ID:EwofpUVQ
リュウ「……先ずは、バイソンっ!」ムクッ

バルログ「くっ……! バイソンっ……! 何しくじってるんですかっ……!?」


実況「ここは、連続攻撃仕掛けてきたシャドルーでしたが……リュウっ! 返していきますっ! さぁ、すかさずリュウは立ち上がるっ!」


バルログ「このっ……! 今度は私がっ……!」

リュウ「……試合権がない奴は引っ込んでろっ! はあぁっ!」ズガァッ

バルログ「く、くああぁっ……!」バターンッ


ワー、ワーワー

実況「さぁ、バルログも慌ててリュウに向かっていきますがっ……! ここはリュウ、落ち着いているっ! バルログの顔面へとエルボーバーットっ! なぎ倒していったぁ!」

元「うんうん、よく見てるよ。落ち着いているね」

528: 名無しさん 2015/12/14(月) 23:41:58 ID:EwofpUVQ
バルログ「く、くそっ……リュウめっ……! んっ……?」ズルッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、バルログはダウンっ! おっ……!? そしてここで……? ダウンしたバルログの身体がリング外へと移動していくっ!」

元「おっ!」


ヤムチャ「こっちだよ……こっちこっち……試合権のない奴の居場所は、こっちだよっ……!」グイグイ

バルログ「くっ……! こいつ……!」ズルズル


イイゾー! ヤムチャー!

実況「異変の正体はヤムチャだぁっ! おぉ~っと、ヤムチャが場外をグルッと周り、バルログ付近に移動していたようだっ! そして、ダウンしたバルログの腕を場外から掴んでいきますっ!」

元「いいよいいよっ!」

実況「そして、場外からバルログの身体を引っ張り、引きずり出していますっ!」

534: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:01:00 ID:VWt39Bl6
ヤムチャ「……うらっ!」ズルッ

バルログ「くっ……くそっ……!」ボトッ


イイゾー! イイゾー!

実況「さぁ、そしてバルログの身体が……場外へと落ちたぁ! ヤムチャが引きずり出したぁ!」

元「これでリングも、ちょっとは落ち着いて来たんじゃない!?」


ヤムチャ「リュウさんっ……! 遅れましたっ……! そっちは、任せますよっ……!」

リュウ「よ~しっ……! お前はそっちで、そいつを抑えておいてくれっ……! ここで決めてやるっ!」


実況「シャドルー得意の乱戦気味の展開へと持ち込もうとしていたが……ここは、空手軍団っ……! 落ち着いて対処していったかっ!?」

元「うん。こっちの二人も上手く協力しあってるよね」

535: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:06:40 ID:VWt39Bl6
リュウ「それじゃあ……いくぜっ……!」ズシッ

バイソン「あぁ、ちくしょう……顔面から打ち付けやがって、この野郎……」


実況「さぁ、リュウはうつ伏せに倒れているバイソンの頭部側へと回り込んでいき……そのまま馬乗りになっていくっ!」


リュウ「そらっ……!」ガシッ

バイソン「……くっ」


実況「バイソンの上半身部分で右足っ! 片膝を突き立てて、馬乗りになっていき、そして両腕でバイソンの左腕を掴んでいくっ!」

元「……おっ?」


リュウ「さぁ、いくぜっ……! もう一度……腕を決めてやるっ……!」ググッ

バイソン「うっ……うおっ……! ぐがああぁぁっ!」


オー、オーオー

実況「さぁ、そのままその捉えた腕を持ち上げていくっ! 股下を通して……そしてバイソンの左腕の関節部分を突き立てた右膝へと強く強く……MAXパワーで押し当てていくっ!」

元「おぉっ! 昇龍結界だ」

536: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:12:52 ID:VWt39Bl6
リュウ「……うおおおぉぉっ!」ギリギリ

バイソン「ガッ……! ガガッ……! グガっ、この野郎っ……!」バタバタ


リュウー! リュウー!

実況「さぁ、バイソンがうつ伏せ状態のまま……大きく大きく足をバタつかせて悶えているっ! 苦しんでいるっ! これは……決まっているんでしょうかね、元さんっ!?」

元「結構決まってるんじゃない? それに……さっき、リュウ君は腕に仕掛けてたからね? これも、同じ部分を狙ってるから苦しいでしょう」

実況「どうやら腕に狙いを定めたかっ……!? リュウっ……! さぁ、強く強く絞り上げていくっ!」


バイソン「ガガガっ……! うがががっ……! ロ、ロープ……ロ、ロープっ……!」

リュウ「無駄だっ……! これで終わりだっ……! うおおおぉぉっ……!」ギリギリ

バイソン「う、うがああぁぁっ……!」


リュウー!リュウー!

実況「さぁ、バイソンもなんとかロープブレイクを狙おうとしているようだが……おぉ~っとっ! ここは身体が動かないっ! リュウがしっかりとバイソンの上に馬乗りになっておりますっ!」

元「バイソンを右手をねぇ……リュウ君、左足で踏みつけて固定してるのよ。結構、上半身は固定されてると思うよ?」

537: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:18:47 ID:VWt39Bl6
実況「さぁ、バイソン苦しいっ……! こうなってくるとここはバルログの救助を待ちたい所ですが……」


ヤムチャ「さっきの仕返しだっ……! そらっ……!」ガスッ

バルログ「……くあっ!」


実況「そうは問屋がおろさないっ……! バルログは場外で捕まっているゥ! おぉ~っと、今エプロンに叩きつけられたぁ!」

元「うん、上手くヤムチャ君が止めててくれています」


バルログ「くっ……くそっ……! バイソンっ……!」

ヤムチャ「他人の心配してるんじゃねぇっ……! 今は自分の心配しなっ! お前の相手は俺だっ……!」


実況「さぁ、こうなってくるともう邪魔者はいないィ! リング上でリュウががっつりバイソンの腕を絞り上げていくっ! どうだっ!? ここで決まってしまうのかっ!?」

538: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:36:13 ID:VWt39Bl6
リュウ「……うおおおぉぉっ!」ギリギリ

ダン「バイソンどうするっ!? ギブアップかっ!? ギブアップするのかっ!?」

バイソン「ぐっ……ガガッっ……! うおおっ……! ノーだっ……! ノー、ノーっ……!」


リュウー! リュウー!

実況「さぁ、レフェリーが今バイソンに確認を取るっ! だがしかし、バイソンは首を横に振るっ! 首を横に振っていくっ!」

元「でもキツい状況だよ、これはっ!」


リュウ「我慢していてもいい事はないぞっ……! うおおおぉぉっ……!」ギリギリ

バイソン「ぐ、ぐぎゃあああぁぁっ……!」


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「リュウは容赦無しに締め上げていくっ! バイソンを腕を締め上げていくっ!」

元「いけいけぇ!」

実況「そして場内からはここで仕留めてしまえと言わんばかりのリュウコールが巻き起こるっ!」

539: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:42:20 ID:VWt39Bl6
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

ヤムチャ「よしよしっ……! いい感じじゃねぇかっ……! リングはリュウさんに任せて……俺はここで……そらっ、もう一発だっ……!」

バルログ「くっ、雑魚の癖にっ……! いい加減にしなさいっ……!」ガリッ

ヤムチャ「い、痛ぇっ……! この野郎っ……顔面引っ掻くのは……」

バルログ「……フンっ!」ガシッ

ヤムチャ「反則じゃ……ねぇのかよ……」

バルログ「五月蝿いっ……! 貴方は、鉄柵にでも行ってなさいっ……! ヒャオっ……!」ブンッ

ヤムチャ「う、うおっ……! ちくしょうっ……! しくじったっ……!」ダダッ


実況「さぁ、バイソンとっては絶望的なこの状況っ! ここで決まるのかっ!? ここで決まってしまうのかっ!?」

元「あ~っ! いやっ……! 場外のバルログ君が、ヤムチャ君を振り切ったっ!」

実況「……おぉっとっ!」

540: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:48:10 ID:VWt39Bl6
ヤムチャ「……ぐ、ぐげええぇっ!」ガッシャーンッ


実況「おぉ~っとっ! 場外のバルログの足止めを行っていたヤムチャですが……ここはバルログ、なんとか振り切ったかっ!? ヤムチャは鉄柵へと振られましたっ!」

元「う~んっ!」


バルログ「バイソンっ……! 今、助けますよっ……! ヒャオっ……!」シュルッ


実況「そしてヤムチャ振り切ったバルログは、素早くサードロープ下を潜り、リングインっ……! カットに走りますっ!」

元「今度はトップロープに昇らず……急いで来たねぇ。まぁ、そんな時間もないか?」


バルログ「くっ、リュウっ……! その手を離しなさいっ!」ドスッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「そして、バイソンを締め上げているリュウに向かっていき……スレッジハンマーっ! 背中に打ち込んでいきますっ! リュウの身体が前方に崩れたぁ!」

元「あ~っ……まぁまぁ、でもでも結構ダメージは与えれたんじゃないかなぁ?」

541: 名無しさん 2015/12/15(火) 22:53:46 ID:VWt39Bl6
アー、アーアー

実況「ここで決まらなかった事に対する場内からの落胆のような事も届いておりますが……」

元「現状、優勢なのはこちらです。めげずにいきましょう」

実況「そうですっ! その通りですっ! 優勢なのは空手軍団っ!」


ダン「カットが終わったなら下がれっ……! もう好き勝手に暴れさせはしねぇぞっ!」

バルログ「わかってますよっ……! 下がればいいんでしょ、下がれば……」スッ


実況「なんとか、バイソンを救出したバルログは……おっと、ここは素早く自軍コーナーの方へと引き下がっていきますっ!」

元「う~ん、まぁそうなるでしょうね」

542: 名無しさん 2015/12/15(火) 23:00:11 ID:VWt39Bl6
バルログ「バイソン、こっちですっ……! こっちこっちっ……! 一度交代しましょうっ!」バンバン


実況「さぁ、自軍コーナーエプロンサイドに引き下がったバルログは……おぉ~っと、コーナーポストをバンバンと叩き大きな音を立て、そしてそこから腕を大きく伸ばしますっ! ここは、交代を要求しているっ!」

元「今の所、バイソン君が出突っ張りの状況だからねぇ……腕の負担も大きいだろうし……シャドルー陣営からしたら、ここらで交代しておきたいね」


バルログ「何をしているんです、バイソンっ……! こっちですよ、こっちこっちっ!」バンバン

バイソン「ううっ……わ、わかった……一回変わってくれ、ちくしょう……」ムクッ


実況「コーナーにいるバルログもこの状況……かなり、慌てているかっ!? 大声でバイソンを呼ぶっ! さぁ、そしてその声に引き寄せられるかのように……バイソンが立ち上がったぁ!」

元「これは、交代だね」

543: 名無しさん 2015/12/15(火) 23:06:39 ID:VWt39Bl6
バイソン「……ううっ」フラッ


実況「フラついた足取りでバルログのいる自軍コーナーへと戻っていくバイソンっ! 一歩っ……! また一歩とここは歩みを進めていくっ!」

元「……結構ダメージ受けてるねぇ」


リュウ「……逃がしはしないっ!」ムクッ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、おっとっ!? しかし、ここでリュウが……立ち上がるっ! 立ち上がってくるっ!」

元「……おっ!?」


リュウ「交代されると厄介だからな……もう暫くリングにいてもらうぞ、バイソンっ……!」ガシッ

バイソン「……んあっ?」

バルログ「くっ……!何モタモタしてるんですよ、バイソンっ……!」


実況「そしてコーナーに引き下がろうとしているバイソンに素早く向かっていき……そして、背後からバイソンの胴回りを掴んだっ!」

544: 名無しさん 2015/12/15(火) 23:11:40 ID:VWt39Bl6
リュウ「いくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

バイソン「くっ……! ちくしょうっ……!」


実況「そしてバイソンの身体を抱え上げていくリュウっ……!」


リュウ「リングに戻ってろっ……! だああぁぁっ……!」ズドーンッ

バイソン「……ぐわあああぁぁ!」


オー、イイゾー、リュウー

実況「そして、そのまま身体を捻りつつ……バイソンの身体を後方へと投げ飛ばしていったぁ!」

元「裏投げですね」

実況「バルログのいるコーナーまで、後三歩と言った所でしょうかっ!? しかし、そんなバイソンの身体を……リング中央付近へと再び戻していく裏投げだぁ!」

545: 名無しさん 2015/12/15(火) 23:17:12 ID:VWt39Bl6
バルログ「く、くそっ……!」


実況「これにはバルログも渋い顔っ! 自軍コーナーエプロンサイドで渋い顔をしながら、リング上を見つめていますっ!」

元「うん、交代のチャンスを潰されちゃったら、ああもなるね」

実況「これは、どうなんでしょう……? 空手軍団は、もうバイソン一人にターゲットを絞っていると考えてもいいんでしょうかね?」

元「う~ん、ここからバイソン君とバルログ君……どっちからの方が取りやすいかって言ったら……まぁ、バイソン君になるだろうからね」

実況「はいっ!」

元「やっぱり、相手を妨害していく……ってのも、立派な戦略だからね。いい感じのリズムでいけてるんじゃないかな?」

実況「なる程っ! ありがとうございますっ!」

550: 名無しさん 2015/12/16(水) 22:02:18 ID:uHS15x7M
リュウ「……ふう」グイッ


実況「さぁ、バイソンを再びリング中央付近へと叩きつけていったリュウは、上体を起こし、そして額の汗を拭い去りますっ!」

元「この流れのまま攻めていきたいねぇ、うん」


ヤムチャ「ちくしょう、バルログを逃がしちまったか……とりあえず、コーナーに戻ろう……」ササッ

リュウ「ヤムチャは……戻って来てるか……そういう事なら……」ムクッ

バイソン「くっ、くそったれめ……ちくしょう……」

リュウ「おっと、寝ている場合じゃないぞっ! さぁ、バイソン起きろっ……!」ググッ

バイソン「……くっ!」


実況「そしてリュウは立ち上がり……バイソンの身体を再び引き起こしていくっ!」

551: 名無しさん 2015/12/16(水) 22:11:40 ID:uHS15x7M
リュウ「また、移動してもらうぞっ……! それっ……!」ガシッ

バイソン「……くっ!」


実況「そしてリュウはバイソンの腕を掴み……」


リュウ「こっちだっ……! はああぁぁっ……!」ブンッ

バイソン「う、うおっとっ……!」ダダッ


実況「そしてそのまま自軍コーナーの方へと、バイソンの身体を大きく振っていったぁ!」

元「あ~っと、バイソン君またバルログ君から遠ざかっちゃったね」


バイソン「……ぐっ!」ドスッ


実況「さぁ、バイソンの身体が背中からコーナーマットへと突き刺さるっ! この場面リュウは落ち着いて……バイソンの身体をバルログから遠ざけていくっ!」

元「短いように見えるけど……長いんだよ、あの距離は」

552: 名無しさん 2015/12/16(水) 22:16:30 ID:uHS15x7M
リュウ「さぁ、バルログからまた遠くなったぞ……バイソン……」

バイソン「かぁ~っ……ちくしょうっ……!」

リュウ「そして、いくぜっ……! はああぁぁっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「そしてリュウはそのままバイソンに狙いを定め……一直線に突っ込んでいったぁ!」


リュウ「……突き刺すっ!」クルッ

バイソン「くぅ、ちくしょう……ちと辛いな……」

リュウ「……はぁっ!」ドスッ

バイソン「……ぐがっ!」


実況「勢いよく突っ込んでいったリュウは……バイソンの目の前でクルリと旋回しながら……バック・スピン・エルボーっ! 打ち込んでいきますっ!」