リュウ「……ヤムチャっ!」

ヤムチャ「はいっ……!」シュタッ


実況「バルログから距離を取り……出来る限り、自軍陣営付近での展開に持ち込んでいく……と、言った所でしょうか?」

元「そういう事でしょうね。何かあった時………やっぱり、仲間の距離が近い方がいいからね」

実況「さぁさぁ、今ヤムチャも戻ってきましたっ! エプロンサイドにピョンと飛び乗りますっ!」


リュウ「スタミナ温存……と、いこうか……次はお前だ。ヤムチャっ!」パシッ

ヤムチャ「……了解っすっ!」パシッ


実況「そしておっとここで……? エプロンサイドに戻ってきたヤムチャに……おっと、リュウがタッチですっ! タッチしていきますっ!」

元「おっと、ここは交代してきたね」

554: 名無しさん 2015/12/16(水) 22:29:38 ID:uHS15x7M
ヤムチャ「よ~し、いくぜっ……!」ササッ


実況「さぁ、今ロープを潜りヤムチャがリングインしてきますっ! ここは元さん……リュウはスタミナ温存と考えてもよろしいでしょうかね?」

元「まぁ、そうだろうね。この状況なら……ヤムチャ君が出てきても大丈夫でしょう」

実況「この辺りは空手軍団……タッチワークも駆使していこうと言う作戦でしょうか……?」

元「そうでしょうね。相手の交代を妨害して……自分達は交代交代で、負担を分散させていく……タッグ戦の基本でもあるよ」


リュウ「戻る前に……ちょ~っと、手伝ってやるよ……ほらヤムチャ、早く来いっ……!」

ヤムチャ「……了解っすっ!」


実況「さぁ、ここで試合権は再びリュウからヤムチャへと移ったぁ! そして、リュウとヤムチャが……コーナーにもたれかかっているバイソンの正面へと並んで立ちますっ!」

555: 名無しさん 2015/12/16(水) 22:45:32 ID:uHS15x7M
リュウ「いくぞっ……! せぇ~のっ……!」

ヤムチャ「……そらっ!」


バッチーンッ


バイソン「……ぐがっ!」


オー、オーオー

実況「そして……二人掛かりでの強烈な逆水平チョーップっ! バイソンの胸板に強烈に叩き込んでいくっ!」

元「今日は連携も上手く取れてるんじゃないの? うん」

556: 名無しさん 2015/12/16(水) 22:55:16 ID:uHS15x7M
ダン「タッチしたのなら、下がれっ……! リュウっ……!」

リュウ「わかってます。下がりますよ……」スッ


実況「そして、ここでリュウが引き下がっていくっ! さぁ、試合は再びヤムチャ対バイソンっ! ヤムチャ対バイソンですっ!」

元「とは言っても、ダメージ受けてるバイソン君と……まだまだ、元気なヤムチャ君だ……」


ヤムチャ(ここで、リュウさんが引き下がる……格下の俺が出る……でも、しっかり盛り上げていかないとな……)

バイソン「くあっ……くそっ……今度はこいつか……」

ヤムチャ「よ~しっ! 次は俺の出番だっ……! まだまだいくぜっ!」


オー! イケー! ヤムチャー!

実況「確かにヤムチャは元気だぁ! まだまだ元気だぁ! しかも乗っているっ! ここで力強く叫んでいくゥ!」

元「まぁ、流れがきてる時はこんな感じになるよね」

557: 名無しさん 2015/12/16(水) 23:00:49 ID:uHS15x7M
ヤムチャ「よ~しっ……! それじゃあ、いくぜっ……! うるぁっ……!」バシッ

バイソン「……ぐあっ!」


実況「さぁ、そしてトップロープを両腕で掴んで身体を固定しながら……バイソンの胸元に強烈なキーックっ! 蹴り打ち込んでいきますっ!」


ヤムチャ「まだまだっ……! だあぁっ……!」バシッ

バイソン「……うげっ!」

ヤムチャ「ここは押す場面っ……! もっとっ……! もっとだっ……!」バシッ

バイソン「……ぐがっ!」


実況「おぉ~っと、おっとヤムチャは続けて打ち込んでいくっ! 連続で二発っ……! 三発っ……! おぉ~っと、まだいくっ! 自軍コーナーへと追い込んだバイソンに対して……ここは蹴りの嵐・嵐・嵐ィ!」

元「いいねぇいいねぇ。流れがきてる時には、とことん行きましょう」

558: 名無しさん 2015/12/16(水) 23:04:58 ID:uHS15x7M
オー、オーオー

リュウ「いいぞいいぞ……もっと、テンポ上げていけ……ほらほら……」パンパン

ヤムチャ「了解っ……! うるぁっ……! うるぁっ……!」バシバシ

バイソン「ぐっ……! ぐっ……!」


イイゾー! イイゾー!

実況「さぁ、ヤムチャの蹴りの嵐・嵐・嵐っ! コーナーで逃げ場のないバイソンに対して打ち込んでいくっ! 打ち込んでいくゥ! エプロンサイドにいるリュウも、そんなヤムチャを盛り立てていくかのように、手を打ち鳴らすっ!」

元「いいよいいよ~」

実況「さぁ、そしてそれに応えるかのようにヤムチャがテンポアップして打ち込んでいくっ! バイソンを滅多打ちだぁ!」


ヤムチャ「うらぁっ……! 止めの……一撃だっ……!」ズバーンッ

バイソン「……ぐがあぁっ!」


実況「さぁ、そして止めの一撃を言わんばかりに……強~い蹴りをバイソンの胸元へと打ち込んいったぁ!」

元「こりゃ、そろそろバイソン君もガス欠なんじゃないかな?」

559: 名無しさん 2015/12/16(水) 23:12:24 ID:uHS15x7M
バイソン「ううっ……ちくしょう……この野郎……」ギロリ

ヤムチャ「どうしたどうした、バイソンっ……! 元気がねぇぞっ……!? ほら、来いよっ!」クイクイ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、そしてここでヤムチャが……バイソンの目の前で手をクイクイ動かし、誘っていますっ! バイソンを煽るかのように誘っていきますっ! やはり乗っているのかっ!?」

元「ちょ~っと、乗りすぎじゃない? それとも、ケン君に似てきたのかな……?」


バイソン「この野郎っ……! 吠え面かかせてやるっ……! くたばれっ……!」ブンッ


実況「これにはバイソンも頭に血がのぼったかっ!? おぉ~っと、体勢を起こしヤムチャに殴りかかっていくっ! 左腕を振り抜いていくっ!」

560: 名無しさん 2015/12/16(水) 23:20:35 ID:uHS15x7M
ヤムチャ「……へへっ」ググッ

バイソン「……んあっ!?」スカッ


実況「しかし、ヤムチャはそんな拳を体勢を低くして……避けていくっ! バイソンの拳は空を切るっ!」

元「んっ……? これは攻撃を誘ったのかな……?」


ヤムチャ「痛めてる左腕で攻撃するだなんて……」

バイソン「ちくしょう……避けられたかっ……!」

ヤムチャ「マヌケだなっ……! せいやああぁっ!」ズバッ

バイソン「う、うぎゃあああぁぁっ……!」


実況「おぉ~っと、そして立ち上がる勢いも利用しつつ……攻撃にきたバイソンのその左腕を……蹴り上げていったぁ!」

元「誘ったんだね!?」

561: 名無しさん 2015/12/16(水) 23:27:40 ID:uHS15x7M
バイソン「こいつ……こいつ……! 舐めやがってっ……!」ヨロヨロ


イイゾー! ヤムチャー!

実況「バイソンの左腕はリュウの執拗な関節技によって痛めつけられていますっ! そ~んな右腕を……ヤムチャは慈悲なく蹴り上げていったぁ!」

元「狙ってたんでしょうねぇ!」

実況「これは効いたかっ!? バイソンはけられた左腕を抑えて……大きく大きく苦しんでいるぞっ!」


ヤムチャ「……今だっ! それっ!」ググッ

バイソン「く、くそっ……くそっ……!」


実況「そしてヤムチャはその隙を逃さないっ……! すかさずバイソンの懐へと潜り込んでいくっ!」

元「お~お~お~、いいねいいねぇ」

562: 名無しさん 2015/12/16(水) 23:31:37 ID:uHS15x7M
ヤムチャ「うおおぉぉっ……! 持ち上げてっ……!」ググッ

バイソン「……くっ!」


実況「ヤムチャはバイソンの股下に手を差し伸ばし、そしてそのまま抱え上げていくっ!」


ヤムチャ「ウルフ・スラム……もといっ……!」グイッ


オー、オーオー

実況「そしてそのまま身体を捻りつつバイソンの身体を後方に……」


ヤムチャ「パワー・スラムだっ……! くらええぇっ……!」ズドーンッ

バイソン「……ぐわあああぁぁ!」


実況「叩きつけていったぁ! 攻撃を誘い……避け……カウンターっ……! そして大きく大きく投げていったぁ!」

元「おぉ~っと、いいパワースラムだ」

569: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:00:40 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「よしっ……!」ムクッ


実況「バイソンをパワー・スラムで叩きつけていったヤムチャは……ここはフォールにいかず、素早く立ち上がるっ!」

元「おっと」


ヤムチャ「次はこっちだっ……! 急ぐぜっ……!」ダダッ


実況「そして、自軍コーナーの方へと急いで移動していくっ!」

元「交代かな……? 違うよね?」


ヤムチャ「いくぜっ……!」スッ

リュウ「よしっ……! 俺もいくぜっ……!」スッ


実況「ヤムチャはロープを潜ってエプロンサイドへ……そして、それと入れ違いになるように、リュウがロープを潜りリングインしてきたぁ!」

570: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:05:06 ID:u45f0WMU
リュウ「いくぜっ……! バルログっ……! はああぁぁっ……!」ダダッ

バルログ「くっ……! 来たかっ……!」


オー、オーオー

実況「そのままリュウは一直線っ! バルログに向かって一直線に突っ込んでいくっ!」

元「おっ、分断作戦だね」


リュウ「……はあぁっ!」ガスッ

バルログ「……ぐあっ」


実況「そして、そのまま大きく足を上げて蹴り上げていくっ! ここはフトントのハイキックをバルログに打ち込んでいくっ! さぁ、バルログの身体が場外へと落ちたぁ!」ボトッ

元「おうおう、いいじゃない、いいじゃない」

571: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:14:35 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「よしっ、邪魔者はいないっ……! これでゆっくり狙いをつけられるぜっ……!」ガシッ


実況「そしてヤムチャはエプロンサイドからロープに足をかけコーナーポストへと昇っていくっ! 昇っていくゥ!」

元「ミサイル断空脚かな……? ここはリュウ君がバルログ君にちょっかい出されるのを、先に封じにいったというワケだ……」

実況「この辺りは阿吽の呼吸と言った所でしょうかっ!? さぁ、ヤムチャはコーナーポスト上へと昇りきったぁ!」


ヤムチャ「後は、ぶち当てるだけだっ……! さぁ、起きろっ……! バイソンっ……!」

リュウ「さぁ、バルログ……もう少し付き合ってもらうぞ……」ググッ


実況「コーナーポスト上からバイソンを狙うヤムチャっ! そしてリュウは場外に落ちていったバルログをロープ潜り更に追いかけていくっ!」

元「よ~し、よしよし……いいじゃない、いいじゃない……」

572: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:23:45 ID:u45f0WMU
バイソン「う、ううっ……ちくしょうっ……」ムクッ

ヤムチャ「……よし」


実況「さぁ、そして今バイソンがゆっくりと起き上がるっ! コーナーポスト上から獲物を狙う瞳で見つめるヤムチャっ!」

元「……よぉしっ!」


ヤムチャ「起き上がりに合わせて……!」

バイソン「野郎っ……! くっ、あんな所にもう昇ってやがるっ! 猿か、ちくしょうっ……! 」

ヤムチャ「よぉ~しっ……! 今だっ……! いっくぜぇっ! うおおぉぉっ……!」シュタッ


オー、オーオー

実況「さぁ、バイソンの起き上がりに合わせて……ヤムチャがコーナーポスト上から飛んだあぁっ!」

元「いけぇっ!」

573: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:29:28 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「ミサイル断空脚だっ……! せいやああぁっ!」ズガアァッ

バイソン「う、うげああぁぁっ……!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そのまま突き出す蹴りをバイソン目掛けて打ち込んでいくっ! ここはミサイル断空脚っ! ミサイル断空脚だあぁっ!」

元「よぉ~しっ!」

実況「こいつを喰らい……バイソンは大きく大きくダーウンっ! 再びマットに倒れ込んだぁ!」


ヤムチャ「終わりだっ……! よし、フォールするっ……! さぁ、レフェリーカウントをお願いしますっ!」ガバッ

ダン「オーケー! 任せておきなっ……!」


実況「そして、ヤムチャはバイソンの身体に覆い被さるっ! 覆い被さっていくっ! フォールの体勢っ!」

元「おおっ!」


バルログ「くっ……くっ……! バイソンっ……!」モガモガ

リュウ「……おっと、リングには入れさせないぞ」ガシッ


実況「バルログはリュウに捕らえられているっ! 場外でがっしりリュウがその身体を掴み、リングインを妨害しているっ! さぁ、どうだっ!? ここで決まってしまうかっ!?」

574: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:33:24 ID:u45f0WMU
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

バイソン「糞ったれがっ……! 舐めんなっ……!」ガバッ

ヤムチャ「……くっ!」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


アー、アーアー

実況「おぉ~っとっ! しかしここはバイソンの肩が上がるっ! バイソンの肩が上がりますっ! カウントは2.9っ! 2.9でバイソンの肩が上がりましたっ!」

元「あ~っと、返してきたかぁ……」

実況「粘りを見せるバイソンっ! 粘りを見せるバイソンっ! ここはバイソンも気力を振り絞って、何とか返してきましたっ!」

575: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:40:31 ID:u45f0WMU
イケー! ヤムチャー! キメロー!

ヤムチャ「決まりは……しなかったがっ……!」ムクッ


元「でもねっ……! 場内のムードはまだまだこっちにあるよっ! ここは押していこうっ!」

実況「ヤムチャもその事は身体で理解しているのかっ!? ここは気落ちせず、すぐさま立ち上がっていくっ!」


バルログ「くっ……くっ……バイソンっ……!」モガモガ

リュウ「ヤムチャっ……! こいつは俺が抑えておくっ……! だから、決めろっ……!」ガシッ

ヤムチャ「勿論っすっ……! よし、狙うぜっ……!」ググッ


ワー、ワーワー

実況「そしてヤムチャは……おっとここで、体勢を低くして……構えるっ!」

元「おっ……? ウルフ・バスターかな?」

576: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:49:49 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「早く起きやがれっ……! ほらほら、モタモタしてんじゃねぇよっ……!」

バイソン「くっ……くうぅっ……!」ムクッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、ここで空手軍団が揃って勝負をかけてきたかっ!? バイソンの目の前で狙いを定めるヤムチャっ! そしてそれに誘われるかのように、バイソンが立ち上がってくるっ!」


バイソン「くっ、くっ……こんな野郎にっ……!」

ヤムチャ「いっくぜええぇっ……! これで終わりだっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「いったぁ! そしていったぁ! バイソンの起き上がりに合わせて……ヤムチャが零距離から突っ込んでいったぁ!」

元「よぉ~しっ!」

577: 名無しさん 2015/12/17(木) 22:55:34 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「……うるあぁっ!」ガシッ

バイソン「……ぐっ!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁっ! ヤムチャはバイソンに突っ込んでいき、そのままその両太腿をガッツリ捉えたぁ!」


ヤムチャ「このままっ……持ち上げるっ……!」ググッ

バイソン「くっ、このっ……! このっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「ヤムチャはそのままバイソンの身体をハイアングル気味へと高く高く持ち上げていき……!」


バイソン「ふんがああぁっ……! 舐めてんじゃねぇよっ……!」ガスッ

ヤムチャ「あぐっ……!」


実況「あっ、いやっ……! おぉ~と、おぉ~っとっ!?」

元「……あっ!」

実況「ここはバイソン、返していくっ……! 身体半分持ち上げられた所で……右の拳を大きく振り、ヤムチャの側頭部に打ち込んでいくっ! 側頭部に打ち込んでいったぁ!」

578: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:02:04 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「……い、いてぇっ! ちくしょう」ヨロッ

バイソン「へへへ……失敗って、ワケだ……」ストンッ


実況「おぉ~っと、これはヤムチャも予想外だったかっ!? 手を離してしまうっ! そしてバイソンは身体半分は抱えられたが……上手くマットに着地ィ!」

元「あ~っ、バイソン君も……粘るねぇ……」


バイソン「調子に乗りやがってこの野郎っ……! 覚悟は出来てんだろうなぁ? ボケがっ!」

ヤムチャ「く、くそっ……」

バイソン「てめぇにゃ、キツ~い一撃を打ち込んでやらなきゃ勘弁ならねぇ……うおおぉぉっ! いくぜぇっ!」ダダッ


実況「側頭部を抑えてフラつくヤムチャっ! そんなヤムチャを尻目に……おぉ~っと、バイソンは背後のロープ目掛けて走り込んでいったぁ!」

579: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:07:02 ID:u45f0WMU
バイソン「うるあぁっ……! その顔面をぶっ潰してやるっ……!」ダダッ


実況「さぁ、ロープを反動をつけて……バイソンがヤムチャの元へ向かってきたぁ!」

元「……こりゃマズいっ!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

ヤムチャ「く、くそっ……」

バイソン「くたばりやがれええぇっ……! バイソン式……アックスボンバーだああっ……!」ブンッ


実況「バイソンが大きく右腕を振りかぶり……そしてヤムチャの顔面目掛けてっ……!」


ヤムチャ「……やられてたまるかよっ!」ググッ

バイソン「うるああぁぁっ……! あっ……!? ああっ……!?」スカッ


実況「振りかざして……いやっ……! おぉ~っと、おっとおっとっ!」

元「おっ!?」

実況「ここはヤムチャもよく見ているっ……! 体勢を低くして、バイソンの腕を避けていったぁ!」

580: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:11:40 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「頭部を取りつつ……足をフックっ……! それっ……!」シュルッ

バイソン「……くっ!」


オー! オーオー!

実況「ヤムチャはバイソンの頭部を両腕で巻き込みつつ……左脚を自身の左腕で背後からフックしつつ捉えていったぁ!」

元「……上手いっ!」

実況「ここはカウンターで仕掛けていったぁ! コブラツイストっ!」


ヤムチャ「どうやら……スリーカウントじゃなくて……ギブアップがお望みらしいなっ……!」

バイソン「ち、ちくしょうっ……!」モガモガ


ワー! ワーワー!

実況「この場面はヤムチャも慌てず騒がず……冷静に対処していきましたぁ!」

元「うんうんっ! よく見てたよく見てたっ!」

581: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:17:37 ID:u45f0WMU
バルログ「くそっ……! 今、カットしますよっ……! バイソンっ……!」ササッ


実況「あ~っと、しかしここはバルログがリュウを振り切ったかっ!? リング外からサードロープ下を潜り、すかさずリングインしてきますっ!」

元「くっ……! いやっ……!」


リュウ「……逃がすかっ!」ササッ


実況「しかし、即座にリュウもリングインしてくるっ! サードロープ下を潜りリングインっ! バルログを追うっ! バルログを追っていくっ!」

元「捕まえようっ!」


バルログ「くっ……! バイソンっ……!」

リュウ「逃がすかっ……! そらっ……!」シュルッ

バルログ「……くっ!」


実況「バイソンに駆け寄るバルログっ……! いやっ! ここはリュウが捕まえたかっ!? 捕まえたかっ!?」

元「よしっ……!」

実況「ここはリュウが捕まえたっ! バルログの後方から首筋に右腕を回し……脇に抱え込むように、頭部を掴んでいくっ!」

582: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:21:23 ID:u45f0WMU
リュウ「そらっ……! これでもう動けないぞっ……!」ガシッ

バルログ「……く、くそっ!」


オー! イイゾー! リュウー!

実況「そして、バルログの左腕っ! 脇の下から左腕を通し……バルログの背中付近で両手を掴み合わせて固めていくっ!」

元「よぉ~しっ! ドラゴンスリーパーの体勢に捉えたっ!」


リュウ「邪魔はさせないっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

バルログ「うっ……ううっ……」ガクッ


実況「さぁ、そして目一杯の力でバルログを締め上げていくリュウっ……! おぉ~っと、バルログの身体が崩れるっ! ガックリと崩れていくっ!」

元「よ~しよし、いいよいいよ~!」

実況「さぁ、今バルログの身体が……ガックリと崩れ落ち……尻から落ちたぁ!」

583: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:24:36 ID:u45f0WMU
バイソン「ち、ちくしょうっ……! 何やってんだ、バルログっ……!」

リュウ「ヤムチャっ……! こっちは抑えてるっ! 後はそいつを……黙らせてやりなっ……!」

ヤムチャ「了解っすっ……! それじゃあ……締め付けてやるぜっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

バイソン「ぐ、ぐあっ……! ぐああああぁぁっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、バルログはリュウに捕らえられたっ……! そしてここでヤムチャも大きく大きく背筋を伸ばしていくっ! バイソンの身体を締め付けていくっ!」

元「いよぉ~しっ!」


ヤムチャ「どうだどうだっ……! おらおらっ……! ギブアップしちまいなっ……!」ググッ

ダン「バイソンっ……! どうするっ……!? ギブアップかっ……!? ギブアップするのかっ……!?」

バイソン「ガ、ガガっ……! ぐぎゃあああぁぁっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「強く締め付けられ、バイソン悶え苦しむっ! 悶え苦しむっ! さぁ、レフェリーがバイソンに確認を取っているっ! どうだっ!?」

元「いいよ~いいよ~、リング二人がガッチリ決めているよ~っ!」

584: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:27:40 ID:u45f0WMU
リュウ「……うおおぉぉっ!」ググッ

バルログ「……く、くあぁっ」

ヤムチャ「……うるあああぁぁっ!」ググッ

ダン「バイソンどうすんだ、おいっ!? ギブアップかっ!? ギブアップするのかっ!?」

バイソン「ぐわあああぁぁ……! くああぁぁっ……! くああぁっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リング上で空手軍団の二人が一方的にシャドルーの二人を締め付けているっ! ヤムチャはバイソンをコブラツイストでっ! そして、リュウはバルログにドラゴンスリーパーホールドだっ!」

元「いいよいいよ~。今日は連携もしっかり取れてるっ! さぁ、後は決めるだけだっ!」

実況「レフェリーも必死にバイソンに確認をとるっ! さぁ、どうだっ!? ギブアップかっ!? バイソン……ギブアップするのかっ……!?」

585: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:30:31 ID:u45f0WMU
ワー! ワーワー!

ベガ「……何だコレは。まるで一方的な試合ではないか」スッ

ヤムチャー! リュウー!

ベガ「バルログとバイソンも、もう少しやってくれると思っていたのに……フンっ……」

ワー! ワーワー!

ベガ「前座戦がこれでは困る……仕方がないな……」

ベガダー! ベガガキタゾー!

ベガ「チャンピオンの、この私自らが参加してやるとするか……フハハハ……フハハハハっ……!」ダダッ

586: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:33:25 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「……うおおぉぉっ!」ググッ

リュウ「……はああぁぁっ!」ググッ


実況「さぁっ、今日の試合は一方的な展開となってきたかっ!? ヤムチャとリュウがリング上でシャドルーを締め付けていくっ!」

元「まぁ、何だかんだでねぇ……? この二つのチームじゃ、格が……あっ……!」

実況「おっと、どうなされました、元さん……あ~っ!」


ベガ「フハハハハっ……! フハハハハっ……! 前座戦を王者自らが盛り上げてやるのだ……光栄に思うがいい……フハハハハっ!」ダダッ


実況「ベガですっ! ベガですっ! ベガですっ! 花道の奥から……ベガがやってきておりますっ! そしてリングに目掛けて猛ダッシュっ! ベガが来ましたっ! ここでベガが現れましたよっ!?」

元「……何しに来たっ!?」

588: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:36:31 ID:u45f0WMU
ベガ「ハーッハッハッハッハっ!」ズザーッ


ザワ……ザワ……

実況「ベガの乱入っ……! ベガの乱入ですっ……! ここでチャンピオンベルトを持ったベガが、花道の奥から現れ……おぉ~っと、今リングに滑り込みましたっ!」

元「おいおいおいおいっ……! 何する気だっ……!?」


ベガ「フハハハハ……バイソン……今、助けてやるぞ……?」ニヤニヤ


実況「空手軍団の二人は、花道に背を向けておりベガの乱入にまだ気づいてはいないかっ!?」

元「あ~、後レフェリーもっ……!」

実況「さぁ、そして……ベガが今、ゆっくりと……ゆっくりと空手軍団の正面へと周り込んでいくっ!」

589: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:39:39 ID:u45f0WMU
ヤムチャ「……うおおぉぉっ!」ググッ

ベガ「……その辺りにしておいてもらおうか?」ググッ

ヤムチャ「えっ……?」


実況「さぁ、ここでベガっ……! 先ずはヤムチャの正面へと回り込んだっ! さぁ、ヤムチャがベガ存在に気づいたかっ!?」

元「お~いおいおい……ベルト振りかぶってるよっ!?」


ベガ「ハーッハッハっ……! 死ねええぇぇいっ!」ズガアァッ

ヤムチャ「……うぐあああぁぁっ!」バターンッ


ブー! ブーブー!

実況「そして、手に持ったベルトで……おぉ~っとっ! ヤムチャの顔面に一撃ィ! ベルトの硬い硬い金属部分で……顔面を殴っていったぁ!」

元「なっ……! なぁ~っ……!」

実況「ヤムチャは大きく大きく大きくダーウンっ! 顔面に打ち込まれたっ! 顔面に打ち込まれてしまったぁ!」

590: 名無しさん 2015/12/17(木) 23:42:47 ID:u45f0WMU
ダン「……べ、ベガっ!?」

リュウ「な、何っ……!?」


実況「先ずはヤムチャがベガの餌食となってしまったかっ!? おっとここで……リュウとレフェリーが……ベガの存在にようやく気づいたかっ!?」

元「ちょ~っと、ちょっとちょっと……何とかしないとっ……!」


ベガ「リュウ……これがお前の、欲しがっている……」ググッ

リュウ「こ、こいつ……!」

ベガ「ベルトだああぁぁっ……! ハーッハッハっ! お前も死ねええぇぇっ……!」ズガアァッ

リュウ「……ぐがああぁぁっ!」バターンッ


ブー! ブーブー!

実況「ベガは止まらないっ! 止まらないっ……! おぉ~っと、ここで再びベルトを振りかぶり……そして今度はリュウに一撃ィ! 顔面に打ち込んでいったぁ!」

元「おいおいおいおいっ……!」

600: 名無しさん 2015/12/18(金) 22:02:31 ID:oNQK2PuE
ベガ「ハーッハッハっ……! 王者の登場だっ……! 王者自らが登場だっ……! 讃えるがいい……私を讃えるがいいっ……!」ググッ


ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っとっ! ベガはリング中央でベルトを持った右腕を掲げ、場内に見せてつけていくっ! 見せつけていくっ!」

元「おいおいおいおい……なんだなんだ、こんなタイミングで……」


バイソン「……ベガ様っ!」ムクッ

バルログ「……助かりましたっ!」ムクッ

ベガ「情けないぞ……バルログ、バイソン……ここは私に任せて……お前達は、一度体勢を整えろ……」

601: 名無しさん 2015/12/18(金) 22:09:26 ID:oNQK2PuE
リュウー! シッカリシロー!

リュウ「く、くそっ……! ベガの野郎っ……!」ムクッ


実況「完全にシャドルーの二人をリング上で制していた空手軍団でしたがっ……! そこに三人目のシャドルーが現れましたっ! しかも、その相手はベガですっ……!」

元「ちょっとちょっとっ……! おいおいおいっ……!」

実況「リュウは額を抑えながら起き上がろうとしていますがっ……!」


ベガ「……間抜けがぁ。どうやら、まだ殴られ足りないらしいなぁ?」ググッ

リュウ「……ち、ちくしょうっ!」


実況「おっとっ! ベガはベルトを構えるっ! そして再びリュウに狙いを定めているっ!」

元「おいおいおい……ベルトはあんな風に使う物じゃ……」

602: 名無しさん 2015/12/18(金) 22:18:12 ID:oNQK2PuE
ベガ「リュウっ……! これが王者ならではの攻撃だあぁっ……! ハーッハッハっ!」ズガアァッ

リュウ「……うぐあああぁぁっ!」バターンッ


ブー! ブーブー!

実況「そして起き上がりのリュウの額目掛けて……おぉ~っとっ! もう一発っ……! ベルトを振りかざしていったぁ! 叩きつけていきますっ!」

元「ちょっとちょっと……やりたい放題すぎるよ、おいおいおいっ……!」


バルログ「今はベガ様に任せて……私達は一度体勢を整えましょう……バイソン、こっちです……」

バイソン「そうだな……交代してくれっ……!」


実況「さぁ、リング上でベガが大暴れっ! 大暴れでございますっ! おっと、そして……? バイソンとバルログはそんなベガを尻目に……自軍コーナーの方へと移動していきますっ!」

元「ちょっとちょっとちょっとっ……! レフェリーもなんとかしようよっ……!」

603: 名無しさん 2015/12/18(金) 22:21:42 ID:oNQK2PuE
ダン「てめぇっ……! 何やってやがるっ……! オイ、ベガっ……!」ズガズガ

ベガ「……おぉ~っと」


実況「いやっ……! 大丈夫です、元さんっ! 今、ここでレフェリーがベガに詰め寄り……激しく警告しているんでしょうかねぇ!?」

元「と、とりあえず……追い出そうっ……! ベガ君を追い出そうっ……!」


バルログ「さぁ、バイソン……私に交代を……」パシッ

バイソン「わぁ~ってるよ……よし、任せるぜ……」パシッ


実況「おぉ~っと、そしてベガが暴れたその隙に……ここでバルログがエプロンサイドに引き下がり……そして、バイソンがタッチっ! ここで、シャドルー陣営交代していきますっ!」

元「そんな事、どうでもいいでしょうっ!?」

実況「いや、しかし元さんっ……!?」

元「だぁ~って、そもそもレフェリー見てないでしょ……!?」

604: 名無しさん 2015/12/18(金) 22:31:09 ID:oNQK2PuE
ダン「下がれっ……! 下がええぇっ……!」ズガズガ

ベガ「やかましい奴だ。まぁいい……とりあえず、空手軍団の二人は蹴散らした……従ってやるとするか……」

ダン「いいから、下がれええぇっ……!」ズガズガ

ベガ「……わかってるさ。ホラ、これでいいんだろ?」スッ


実況「レフェリーが激しくベガに詰め寄り、ロープ際まで追い込んでいきますっ! そして、ベガがここで……サードロープ下を潜り、場外へと降りましたっ!」

元「よ~しよしよしっ……!」


バルログ「さぁ、ようやく私に出番が回ってきましたよ……それでは、いきましょうか……」ガシッ


実況「しかし、ピンチの状態は以前続いていると言った所かっ!? さぁ、自軍コーナーエプロンサイドでバイソンからタッチを受けたバルログは……そのまま、コーナーポストへと昇っていきますっ! 昇っていっておりますっ!」

元「……ちょ~っと、乱入でぐちゃぐちゃになっちゃねぇ」

605: 名無しさん 2015/12/18(金) 22:41:07 ID:oNQK2PuE
ダン「よしっ……! ベガは、下がった……次は……あぁっ……!?」キョロキョロ

バルログ「フフ……それでは……」

ダン「馬鹿野郎っ……! 試合権のねぇ奴が、何であんな所に昇ってんだっ……! ちくしょう、止めねぇとっ……!」ズガズガ


実況「さぁ、コーナーポスト上でポーズを取り決めていくバルログっ! ここは、ヤムチャに狙いを定めているのかっ……!? それとも、リュウかっ……!?」

元「レフェリーがバルログ君の方に駆け寄っていってるねぇ……」


ベガ「……おいっ! お前達、これを預かっておけっ!」ガシッ


元「……んっ!?」

実況「あ~っと、そして今っ……! ベガがですね、我々本部席の元にやってきて……そして、チャンピオンベルトを我々の実況テーブルの上に乱暴に起きましたっ!」

元「と、とりあえずこれは……僕達が預かっておきましょうか……」

606: 名無しさん 2015/12/18(金) 22:52:18 ID:oNQK2PuE
ベガ「フハハハ……フハハハ……! 下がれ……? なぁ~にを言っているんだ、馬鹿め……まだだ……まだ足りんよ……」


実況「元さんっ……! そして、ベガがまたリングの方へと向かっていますよっ!?」

元「……おぉ~いっ!」


ベガ「……次は場外戦といこうか? なぁ、リュウ?」ガシッ

リュウ「……くっ!」

ベガ「そぉ~ら、そらそらっ……! こっちに来いっ……! こっちに来るんだ、リュウっ……!」ズルズル


実況「ベガはサードロープ下からリュウの身体を掴み、引きずり出していますっ! リュウの身体を場外へと引きずり出していますっ!」

元「なんだなんだ、まだやるのかっ!? ちょっと……ちょっとレフェリーっ……!」

607: 名無しさん 2015/12/18(金) 23:02:38 ID:oNQK2PuE
ダン「バルログっ……! お前は試合権持ってねぇだろっ……!? そんな所昇っっちゃ……」

バイソン「ヘイヘイ、落ち着けレフェリー……バルログちゃんとは、さっき交代したんだよっ!」

ダン「んあっ……!? どういう事だっ……!?」

バイソン「これは、てめぇが見てなかった不手際だ……俺達はちゃ~んと、タッチして交代したぜ……? その責任を俺達に押し付けるんじゃねぇよ……」


実況「ダメです、元さんっ! レフェリーは今、コーナーポストへと昇っているバルログの対応追われていますっ! ベガには気づいていませんっ!」

元「レフェリーが、後二人いるよっ……!」


ベガ「さぁ、場外戦だっ……! 来いっ……! リュウっ……!」ズルッ

リュウ「……くっ!」ボトッ


実況「ベガはリュウの身体を場外へと引きずり落としたぁ!」

608: 名無しさん 2015/12/18(金) 23:08:29 ID:oNQK2PuE
リュウー! ヤムチャー! レフェリー! ブー! ブーブー!

実況「完全にシャドルー得意の乱戦試合かっ!? 乱戦モード突入かっ!? 場内もパニック気味だっ! 勿論、私もっ!」

元「ど~しようかねぇ……!?」


バイソン「バルログちゃん、止めんじゃねぇよ、馬鹿野郎っ……! 仕事内容間違えるな、仕事内容っ……! このボケがっ……!」

ダン「だったら、おめぇが下がれこの野郎っ……! タッチしたんだったら、おめぇは今試合権持ってねぇんだろっ……!? あぁっ……!?」


ヤムチャ「ち、ちくしょうっ……! 顔面に喰らっちまったっ……!」ムクッ

バルログ「……フフフ」


ワー! ワーワー!

実況「一体何処から実況すればいいか……この私も……」

元「リング上でヤムチャ君が立ち上がってきた……けどっ……!」

実況「あぁ~っ! ダメだ、ヤムチャっ! 今はマズいっ! バルログに狙われているぞっ!」

609: 名無しさん 2015/12/18(金) 23:14:41 ID:oNQK2PuE
バルログ「ヒャオオオォォっ……!」ズガアァッ

ヤムチャ「ぐ、ぐわあああぁぁっ……!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「立ち上がったヤムチャに対してっ……! バルログはコーナーポスト上から仕掛けたっ……! ミサイルキックだっ! ミサイルキーックっ! ヤムチャの背中に打ち込んでいくっ!」

元「これは……狙われてたねぇ……!」

実況「こ~いつを喰らい、ヤムチャは再びダーウンっ! うつ伏せにダーウンっ……!」


バイソン「……さっきの仕返しだっ! 俺は、忘れてねぇぞこの野郎っ!」ダダッ

ダン「おいっ、バイソンっ……! 何処に行くっ……! 下がれって言ってんだろがっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「ここでバイソンも突っ込んでいくっ……! レフェリーの制止を振り払いっ……! ダウンしたヤムチャに即座に突っ込んでいくっ!」

元「だから、バイソン君もいったら……もう、ダメだってっ……! 収まらないって、コレっ……!」

610: 名無しさん 2015/12/18(金) 23:20:07 ID:oNQK2PuE
バイソン「そぉ~れ、背中に……よぉ~っこいしょ~っとっ!」ズドーンッ

ヤムチャ「ガっ……ガガガっ……!」


実況「勢いをつけながらバイソンはヤムチャの身体に向かって飛び込んでいき……おぉ~っと、エルボードロップっ! 肘を落としていくっ! 背中へと突き刺していくっ!」

元「ちょっと、ちょっとっ……!」


リュウ「……ぐがっ!」ガッシャーンッ

ベガ「ハーッハッハっ……! 鉄柵に叩きつけられ、いいざまだ……だが、まだ終わらんっ……!」ダダッ

ダン「鉄柵の音……? って、おいっ……! ベガ、あの野郎っ……! 引き下がったんじゃねぇのかよっ……!?」


ワー! ワーワー!

実況「場外では、リュウがベガに身体を振られ……おぉ~っとっ! 鉄柵へと叩きつけられましたっ!」

元「ちょっと、ちょっとちょっと……リングも場外も……おいっ……!」

実況「そして、ベガはリュウに突っ込んでいくっ! 鉄柵に振られたリュウ目掛けて一直線っ!」

611: 名無しさん 2015/12/18(金) 23:25:30 ID:oNQK2PuE
ベガ「そぉ~ら、顔面だぁっ……! 死ねええぇぇっ……!」ガスッ

リュウ「……ぐっ!」


リュウー! リュウー!

実況「勢いよくリュウへと突っ込んでいったベガは……そのまま、足を大きく振り上げ、フロントハイキックっ! リュウの顔面へと打ち込んでいくっ!」

元「あ~っ! もうっ……! あっちもこっちも好き放題にっ……!」


ダン「く、くそっ……! ベガの野郎っ……それにバイソンっ……! くそっ……! どうするどうする……!?」キョロキョロ

バルログ「フフフ……どうやら、パニックでレフェリーも対応出来ないようですね……それなら、今がチャンスです……」ムクッ


実況「リング上では、バルログとバイソンがヤムチャをっ……! そして場外ではベガがリュウをっ……! もうシャドルーがやりたい放題だっ!」

元「あ~っ! ちくしょうっ……!」

実況「おぉ~っと、リング上のバルログは……起き上がり、そしてロープを潜りエプロンサイドへと移動しますっ! リング内のヤムチャを狙うのかっ!? それともターゲットを変えて、場外のリュウを狙いに行くのかっ!?」

612: 名無しさん 2015/12/18(金) 23:30:01 ID:oNQK2PuE
バルログ「さぁ、いきますよ……ヤムチャ……」

バイソン「おぉ~っと、狙ってるみてぇだな……それじゃあ、俺は邪魔にならねぇように……」ムクッ


ヤムチャー! リュウー! レフェリー! ブーブー!

実況「エプロンサイドへと移動したバルログは……そのままトップロープを両手で掴んで、おっとリング内の方を見ますっ……! これは、狙いはリング内のヤムチャっ……! でしょうっ!」

元「そうだろうねぇ」

実況「となってくると……シャドルーの作戦はリュウをベガが抑え、そしてヤムチャをバルログとバイソンの二人掛かりで攻めていくといった事でしょうかねぇ!?」

元「あのねぇ……!? 君、ナチュラルにそういう事言ってるけど、ベガ君は試合に参加してないよっ!? わかってるのっ!?」

実況「しかし、元さんっ……!? ベガは現に参加しておりますっ!」


ベガ「さぁさぁ、リュウっ……! まだまだだぞっ……! そぉ~ら、次は鉄柱だっ……!」ズガアァッ

リュウ「……ぐわああっ!」


元「……そ~れは」

実況「場外のベガはリュウの後頭部を掴み……そして鉄柱へとリュウの顔面を打ち付けていきますっ! 参加しておりますっ! ベガは完全に試合に参加しておりますっ!」

621: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:01:20 ID:bGnUJrmk
バルログ「……ヒャオっ!」シュタッ


実況「あ~っと! エプロンサイドのバルログは……そこから、トップロープへと飛び乗っていくっ……!」

元「ちょっと、ちょっとぉ……マズいよマズいよ……」


バルログ「ロープの反動を利用して……ヒョオオォォォっ……!」シュタッ


実況「トップロープに飛び乗り……更にそこからロープの反動を利用して……おぉ~っと、リング内へと飛び込んでいくっ!」

元「おぉ~いっ!」


バルログ「喰らいなさいっ……! ヒャオっ……!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁ!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

実況「そのままバルログはうつ伏せにダウンしているヤムチャへと、尻餅をつくように飛び込んでいくっ! 首筋に膝裏を落としていくっ! エプロンサイドからの、ダイビング・レッグ・ドローップっ!」

元「ちょっと、ちょっと……レフェリーも……レフェリーもさぁ……?」

622: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:09:43 ID:bGnUJrmk
バルログ「フッ……虫はそのまま潰れてばいいんですよ……」

ヤムチャ「ぐ、ぐぐっ……ちくしょう……」

バイソン「おっと、こんなもんじゃ終わらねぇぜ……? ワンモアだっ……!」ガシッ

バルログ「……あら?」


レフェリー! レフェリー!

実況「おっとっ……!? そして、リング内へと飛び込んでいったバルログの後方へとバイソンが移動していき……そして、バルログの腰回りを掴むっ!」

元「あぁっ……! 何だぁ……!?」


バイソン「そぉ~らっ……! 持ち上げるぜっ……! ふんぬぬぬっ……!」ググッ

バルログ「……少し乱暴じゃありませんかねぇ、バイソン?」


実況「バイソンは後方から左腕でバルログの腰に手を回し、そして右腕は右太腿の下に差し込み……おぉ~っとっ! 背後からバルログの身体を抱え上げていくっ!」

623: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:15:39 ID:bGnUJrmk
ダン「だぁ~っ、ちくしょうっ……! とりあえず、試合権のない奴を止めねぇとっ……! オイ、バイソンっ……!」ズガズガ

バイソン「……うるぁっ! 旋回して、勢いもつけてやるよっ!」ブンッ


実況「バイソンは、持ち上げたまま回転していくっ! バルログの身体を大きく旋回させて……遠心力をつけていくっ!」


ダン「この野郎っ……! バイソンっ……! んっ……? うげっ……!」バターンッ

バルログ「んっ……? 今、足に何か当たりましたね……?」


実況「バルログを持ち上げ……大きく大きく振り回すバイソンっ……! あっ……!」

元「あらっ……!? レフェリーにぶつかったっ……!?」

実況「おぉ~っと、おっとおっとっ……! バイソンに駆け寄ったレフェリーに……バルログの足が命中しましたかねっ!? レフェリーが倒れますっ!」

元「も~うっ……! 気をつけなさいよっ……!」

624: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:24:02 ID:bGnUJrmk
バイソン「そぉ~らっ……! もう一回だあぁっ……! よぉ~っこいしょ~っとっ……!」ポイッ

バルログ「……ヒャオオオォォっ!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐ、ぐがああぁぁっ!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

実況「バルログの身体を抱え上げ……旋回させて勢いをつけ……そして、バイソンはヤムチャの上へと放り投げていったぁ!」

元「んあ~っ……合体攻撃っ……!」

実況「再び、バルログの身体がうつ伏せにダウンしているヤムチャの首筋に尻餅をつくように落ちるっ! ここは、合体でのレッグ・ドロップっ! ヤムチャに落としていくっ!」


バイソン「へへへ、上手く決まったぜぇ……なぁ、バルログちゃん……?」

バルログ「ええ、さぁ……フォールです……それっと……」ガバッ


実況「バルログはうつ伏せのヤムチャの身体を仰向けに転がし……そして、ここで覆い被さりますっ! フォールに入りましたっ!」

625: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:28:39 ID:bGnUJrmk
バイソン「ガハハハっ……! シャドルーの完全に勝利だなっ……! 俺も手伝ってやるよっ……!」ドガッ


実況「バイソンもヤムチャの上に覆い被さっているバルログの身体を跨ぎ……そして、その背中に尻から乗っていくっ! 上から押さえつけるっ!」

元「二人掛かりで、フォールか」

実況「バイソンはもう、勝利を確信したかのように両腕を突き上げているっ!」


バルログ「レフェリーっ……! 何をしてるんですっ……! フォールして……んっ……?」

バイソン「おいコラ、何やってんだ、このクソボケっ……! 仕事をしろ、仕事……ありゃ……?」

ダン「……う、ううっ」


実況「しかし、ここはレフェリーが戦闘不能っ! 戦闘不能っ……! レフェリーはリング上で倒れ込んでいますっ! ここは、カウントは取れませんっ!」

元「これは、助かりましたね」

実況「なんとか、九死に一生を得たヤムチャっ……! と、言った所でしょうかっ!? カウントは取られませんっ……!」

626: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:36:59 ID:bGnUJrmk
バルログ「なるほど……先程、私の足に当たったのはレフェリーでしたか……ちょっと、バイソン……乱暴に振り回しすぎだったんじゃないですか……?」

バイソン「あの野郎……何してやがる、ちくしょう……」ズガズガ


実況「さぁ、ここでバイソンは……バルログの背中から移動して……おぉ~っと、レフェリーの元へと近づいていきますっ……!」


バイソン「おいコラ、クソレフェリー……な~に、やってんだよ……起きろ……ホラ、起きろ……」コツン

ダン「……う、ううっ」


実況「そして、バイソンはダウンしているレフェリーを……おぉ~っと、足で小突くように、蹴飛ばしていくっ! こ~いつは、いけませんっ……!」

元「そうだよ、自業自得なんだから」

実況「……この隙に空手軍団はなんとか、打開策を考えていきたいですねぇ!?」

元「そうだね。九死に一生は得たけど……悪い状況はまだ、変わってないもんねぇ……?」

627: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:48:10 ID:bGnUJrmk
ベガ「ハーッハッハっ……! 死ねえぇっ……! 死ねえぇいっ……! リュウっ……!」ググッ

リュウ「……くそっ、舐めるなっ!」ガシッ

ベガ「……ぬっ?」

リュウ「……はああぁぁっ!」ドスッ

ベガ「……ぐっ!」ヨロッ


オー! イイゾー! リュウー!

実況「場外では以前リュウはベガに捕まって……あっ、いやおっとっ……!?」

元「おっ……? どうしたっ……!?」

628: 名無しさん 2015/12/19(土) 22:54:25 ID:bGnUJrmk
リュウ「大将自ら出てくるとは……面白いじゃないか……だったら、ここでやってやるよっ……! はぁっ……! だぁっ……!」ガスガス

ベガ「ぐっ……ぐっ……」


イケー! リュウー!

実況「場外のリュウ……あれ、ちょっと優勢じゃないですかねぇ!? ベガの頭部を両腕で掴み……そして、腹部に膝蹴りの連打連打っ!」

元「おっ、本当だっ!」

実況「おぉ~っと、おっとおっと……リュウはこの混乱の中……体勢を立て直してきているかっ……!?」


リュウ「この野郎っ……! 喰らえっ……! はあぁっ……!」ガスッ

ベガ「……ぐっ!」


イイゾー! リュウー!

実況「一度、掴んだ腕を解き……そして、その腕でベガの顔面へとエルボーバーットっ! 場外で打ち込んでいくっ!」

元「よしよしっ……! リュウ君は……立て直してきたんじゃないかなっ……!?」

629: 名無しさん 2015/12/19(土) 23:03:44 ID:bGnUJrmk
リュウ「……はぁっ!」ガスッ

ベガ「……ぐっ」

リュウ「……だあぁっ!」ガスッ

ベガ「……ぐおっ」

リュウ「……せやあぁっ!」ガスッ

ベガ「くそぉ……生意気な奴め……」


イイゾイイゾ、リュウー!

実況「場外でリュウはベガにエルボーバット、エルボーバット、エルボーバットっ……! おぉ~っとっ! ベガ相手に一歩も引いていないっ!」

元「よ~し、ここからだ……ここから体制を立て直そう」

実況「シャドルーの好き放題にはさせないっ……! さぁ、リュウっ……! 先ずは場外でベガから仕留めてくれっ!」

元「……君も簡単に言うねぇ」

実況「これは、我々全員の願いですよ、元さんっ!」

630: 名無しさん 2015/12/19(土) 23:13:01 ID:bGnUJrmk
バイソン「あっ、あの野郎っ……! ベガ様に何してやがるんだ、ちくしょうっ……!」

バルログ「……バイソン、こっちはいいです。貴方はベガ様を助けに行きなさいっ!」

バイソン「わ~ってるよ、こんちくしょう……あの野郎……リュウっ……! 調子に乗ってるんじゃねぇぞ、ボケがっ……!」ズガズガ


実況「さぁ、ここでリュウがベガを仕留めきる事が出来れば……おそらく、この混乱は静まり、再び空手軍団へと……」

元「あ~、くそっ……! バイソン君がいったぞっ……!?」


リュウ「……はあぁっ!」ガスッ

ベガ「ぐっ……! ヤムチャ相手に二人掛かりかぁ……? 違うだろ、おいっ……! いつまで、遊んでいる……バイソンっ……!」ヨロッ

バイソン「リュウっ……! この野郎っ……! 調子に乗ってんじゃねぇぞっ……!」ググッ


実況「バイソンはロープを潜り、エプロンサイドへと移動したぁっ! そしてそこから、リュウを見ているっ! リュウを見ているっ!」

元「くっそぉ……乱戦が止まらないねぇ……こうなってくると、レフェリーが今倒れてるのもマズいんじゃないの……?」

631: 名無しさん 2015/12/19(土) 23:19:20 ID:bGnUJrmk
バイソン「いい加減にしやがれっ……! リュウっ……! うおおぉぉっ……!」ピョンッ

リュウ「……んっ?」


実況「さぁ、バイソンは両腕で大きく振りかぶって……そしてエプロンサイドから、狙いを定めリュウに向かって飛び込んでいくっ!」

元「あ~、くそっ……!」


バイソン「……うるああぁっ!」ドスッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「そして、その振りかざした両腕を……リュウ磨けて振りかざしていくっ! エプロンサイドからのダブル・スレッジハンマーをリュウへと打ち込んでいくっ!」

元「ちょっといい流れがきたらすぐこれだっ……!」


ベガ「……遅いっ! バイソンっ!」

バイソン「す、すんませんっ……! でも、来ましたっ!」

ベガ「ここからは、二人掛かりでリュウを攻めるぞっ!」

632: 名無しさん 2015/12/19(土) 23:24:30 ID:bGnUJrmk
バイソン「おらぁっ……!」ガスッ

リュウ「……くっ」

ベガ「……フンっ!」ガスッ

リュウ「……くそっ」


ブー! ブーブー!

実況「場外でリュウが捕まったぁ! 再び捕まってしまったぁ! 今度はバイソンも加わり……二対一ですっ!」

元「う~ん……それぞれ、孤立化させられてるねぇ……マズい……うん、マズいマズい……」


バルログ「さて、レフェリーが目を覚ますまでの間……」ムクッ

ヤムチャ「う、ううっ……」

バルログ「私は貴方をもう少し、痛めつけるとしますか……さぁ、起きなさい……」ググッ


実況「そして、リング上のバルログも……ここは立ち上がり、ヤムチャの身体を引き起こしていくっ! 引き起こしていきますっ!」

元「レフェリーがダウンしてるから今はフォールにいけない状況ではあるけど……ちょっと、ここでいかれるのは……色々とマズいよねぇ……?」

実況「混乱が止まりませんっ! 混乱が止まりませんっ! リングの中も外も……シャドルーが大暴れでございますっ! この状況は止まらないかっ……!?」

648: 名無しさん 2015/12/21(月) 22:00:42 ID:GcS.3P1Q
バルログ「それっ……!」ググッ

ヤムチャ「……くっ!」


実況「バルログはヤムチャを左腕を両腕で取りつつ持ち上げて、回転しつつその下を潜り抜けていくっ!」

元「腕を捻ってきたね。ハンマーロックだよ」


バルログ「さぁ、腕を捻りましたよ……」ギリギリ

ヤムチャ「い、いででで……」

バルログ「……しかし、まだまだですっ! ヒャオっ!」ドスッ

ヤムチャ「……どわっ!」


実況「そして、腕を捻りつつ……おぉ~っと、正面からショルダータックルっ! 腕を取りヤムチャの動きを止めて、そして正面から肩を打ち込んでいきますっ!」

元「リングはちょっと落ち着いてきたのかな……? う~ん、でも場外がねぇ……」

649: 名無しさん 2015/12/21(月) 22:11:41 ID:GcS.3P1Q
バイソン「ヒャッハーっ……!」ドガッ

リュウ「……ぐっ」

ベガ「ハーッハッハッハっ!」ガスッ

リュウ「くそっ……!」


リュウー! ガンバレー!

実況「バイソンが場外のリュウに向かって事で、リング上は少し落ち着いた気もしますが……その分、場外が荒れるっ! 荒れに荒れるっ! あ~っ、ベガとバイソンが二人掛かりでリュウに仕掛けていますっ! 二対一ですっ!」

元「そもそも、おかしいんだよっ! 二対一って状況がさぁ!?」


ベガ「……バイソン、少し任せるぞ」サッ

バイソン「あ、あれ……? ベガ様……一緒にやらないんすか……?」

ベガ「……椅子を調達してくる」


実況「あっと、しかし……ここでベガがリュウにクルリと背を向け……? おぉ~っと、これはこれは……ここらでベガは退散するのでしょうかね!?」

元「う~ん、まぁその方がいいんじゃない? あまりやりすぎると、反則負けになっちゃうからね。ここらで退散する方がいいよ」

650: 名無しさん 2015/12/21(月) 22:26:06 ID:GcS.3P1Q
バルログ「ヒャオっ……! ヒャオっ……!」ドスドス

ヤムチャ「ぐっ……ぐっ……!」ヨロヨロ


ヤムチャー! ガンバレー!

実況「リング上ではバルログのショルダータックルっ! ショルダータックルゥ! 至近距離からヤムチャの身体に肩を何度も何度もぶつけていきますっ!」

元「なんとか……なんとか……」


バルログ「さぁさぁ、お次はそっちですよ……ほらほらほら……」ググッ

ヤムチャ「ち、ちくしょうっ……!」


実況「ここでバルログは、左腕でヤムチャの左腕を捻って捉えつつ……右腕は離し、ヤムチャの胸板を押すようにしながら、その身体を押しやっていくっ! ロープ付近まで移動させていくっ!」


バルログ「さぁ、あちらのロープに走りなさいっ……! ヒャオっ……!」ブンッ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」ダダッ


実況「そしてヤムチャの身体を一度ロープに押し付け、その反動を利用して……逆方向のロープへと振っていったぁ!」

651: 名無しさん 2015/12/21(月) 22:35:51 ID:GcS.3P1Q
ヤムチャ「く、くそぉぉっ……!」ダダッ

バルログ「……フフ、さぁ来なさいっ!」スッ


実況「さぁ、ヤムチャの身体がロープに振られて返ってきたぁ! そして、バルログはそんなヤムチャに狙いを定めつつ、リング中央付近へと移動していくっ!」

元「あ~、カウンター……狙ってるねぇ……」


ヤムチャ「また来る……また来るぞ……何か摩訶不思議な技が……」ダダッ

バルログ「失敗は許されませんよっ……! ヒャオっ……!」ググッ

ヤムチャ「う、うおおぉぉっ……!」


実況「そして、バルログは身体を屈めて……左腕を左脇下に、右腕を右脇下にっ……! 両腕をクロスさせつつ、ヤムチャの胸回りを捉えるっ!」

652: 名無しさん 2015/12/21(月) 22:42:40 ID:GcS.3P1Q
バルログ「……ヒョオオォォォっ!」グルンッ

ヤムチャ「う、うおおぉぉっ……!」


実況「ロープに振られて返ってきたヤムチャの勢いを殺さずそのまま利用して……おぉ~っと、バルログはヤムチャの身体を持ち上げていくっ! ヤムチャの身体が一回転っ! 高速回転しながら持ち上げられるっ!」

元「おぉ~っとっ!」


バルログ「そして……膝にっ……!」スッ

ヤムチャ「う、うおっ……おおっ……」

バルログ「よく出来ましたよ、ヤムチャ君っ……! ヒャオオオォォっ……!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁ!」


実況「バルログは右膝を立てて、マットへと座り込むっ! そして、その膝にっ……! 回転させて持ち上げていったヤムチャの身体を……腰から落としていったぁ!」

元「ケブラドーラ・コン・ヒーロだ。バルログ君得意のルチャ殺法だね」

実況「ケブラドーラ・コン・ヒーロっ! ケブラドーラ・コン・ヒーロォ! ヤムチャの腰を回転させながら破壊していったぁ!」

653: 名無しさん 2015/12/21(月) 22:47:46 ID:GcS.3P1Q
ヤムチャ「ぐわあああぁぁっ……! くそっ……くそっ……!」モガモガ


ヤムチャー! ガンバレー!

実況「さぁ、ヤムチャの身体がバルログの膝の上から滑り落ちたぁ! おぉ~っと、苦しんでいますっ! ヤムチャは背中抑えて悶え苦しんでおりますっ!」

元「走り込んだ勢いとか、回転の勢いとか……色々混ざってるからね、コレ……」

ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、なんだなんだ、このブーイングはっ!? どうしたどうしたっ!」

元「あ~っ……! 場外だっ!」


ベガ「椅子の調達完了だっ……さぁ、いこうか……フハハハ……」ズガズガ


実況「おぉ~っと、おっとおっとっ! ベガが椅子を手にしていますっ! 場外ベガが……椅子を手にしていますっ!」

元「……退散する気なんて、さらさらなかったんだねぇ」

実況「椅子を手にしたベガは……リュウに向かっていくっ! リュウに向かっていきますっ!」

654: 名無しさん 2015/12/21(月) 22:52:48 ID:GcS.3P1Q
バイソン「オラオラ、リュウっ……! くたばれやっ……! ヒャッハーっ……!」ズガァ

リュウ「……ぐっ」

ベガ「バイソン退けぇっ……! 次は私だっ……! ハーッハッハッハっ!」バッチーンッ

リュウ「ぐわあああぁぁっ……!」


ブー! ブーブー!

実況「そして打ち込んだぁ! リュウ目掛けて……ベガはパイプ椅子を打ち込んでいったぁ!」

元「ちょっと、も~うっ……! レフェリーっ……! あぁ、ダメだ倒れてるや……」

実況「ベガの暴走は止まらないっ! 止まる事を知りませんっ! 乱入の次は……凶器攻撃っ! 止まりませんっ! ベガは止まりませんっ!」

655: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:00:06 ID:GcS.3P1Q
バルログ「場外は……いい感じですね……フフ……」

ヤムチャ「う、ううっ……腰が……腰が……」モガモガ

バルログ「おっと、悶えてる暇などありませんよ……貴方にはまだ苦しんでもらいます……ヒャオっ……!」シュルッ

ヤムチャ「ぐっ……!」


実況「さぁ、場外ではリュウがピンチですっ! 大ピンチですっ!」

元「……あっと、リング上でも」

実況「おぉ~っと、リング上では……バルログはダウンしているヤムチャの上体付近へと移動して……そして、ヤムチャの頭部を素早く両足で挟み込みながら……グラウンドへと移行するっ!」


バルログ「さぁさぁ……苦しみなさい……ほらほら……」グイグイ

ヤムチャ「ぐっ……うぐぐっ……」


実況「両足で強く挟み込み……そして圧迫していくっ! ここはヘッドシザーズっ! グラウンドでのヘッドシザーズですっ!」

656: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:08:03 ID:GcS.3P1Q
ベガ「次は何処がいい……? 背中か……? ハーッハッハッハっ……!」バッチーンッ

リュウ「……ぐっ!」ガクッ

ベガ「ハーッハッハッハっ……! 良い様だな、リュウっ……! よし、バイソンっ……! 今だ、蹴り倒せっ……!」

バイソン「了解ィ……!」


実況「リング上ではヤムチャが捉えられ締め付けられているっ……! 場外のリュウもここは助けに行きたいが……あ~っと、ダメだっ! ベガの容赦ない凶器攻撃に崩れてしまうっ!」

元「あ~っ……! くそっ……!」


ベガ「……死ねィ!」ドゴォ

バイソン「オラオラっ……! シャドルーを舐めてるんじゃねぇよっ……!」ドゴォ

リュウ「ぐっ……ぐっ……」


実況「ガックリ崩れ込んだリュウにも容赦はしないっ! ここで、ベガとバイソンが……二人掛かりでストンピングっ! リュウの身体を容赦なく踏みつけていきますっ!」

元「完全にリュウ君も捕まっちゃってるよ……おいおいおいっ……!」

657: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:15:32 ID:GcS.3P1Q
バルログ「それそれっ……!」グイグイ

ヤムチャ「くっ……くっ……!」


実況「リング上では、ヤムチャの頭部が圧迫されているっ! 呼吸が出来ないっ! 非常に、辛い辛い展開ですっ! ヤムチャもなんとか、�燧いているが……あぁ~っと、その動きが徐々に小さくなってくるっ……!」

元「う~んっ……!」


バルログ「レフェリーが倒れているので、ギブアップすら出来ませんよ……さぁさぁ、苦しいですか……ヤムチャ君……?」

ヤムチャ「……」

バルログ「あら、落ちましたかね……?」

ヤムチャ「……」

バルログ「フフフ、どうやら落ちたみたいですね……それでは、楽にして差し上げましょう……ヒョオオォォォ……!」ググッ


実況「おぉ~っと、そしてここでっ……!? バルログは両足でヤムチャの頭部を挟み込んだまま……倒立のような体勢で……ヤムチャの身体を、下半身の力で持ち上げていきますっ!」

元「ああぁっ……! なぁ~んか、狙ってるよ~?」

658: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:22:30 ID:GcS.3P1Q
バルログ「ヒャオっ……! 吹き飛びなさいっ……!」クルンッ

ヤムチャ「……かっ」ブンッ


実況「そしてバルログは、その場で身体を横方向へと回転させて……! ヤムチャの身体をホイップさせて、吹き飛ばしていったぁ!」

元「あ~っ……! コークスクリュー・ヘッドシザーズだっ……!」


ヤムチャ「……あああ」フラッ


実況「ヤムチャの身体が大きく吹き飛ばされ……おっと、ロープ方向まで吹き飛んでいったぁ!」

元「おいおいっ……! 意識ないんじゃないのっ……!?」


ヤムチャ「……あっ」ガクッ

バルログ「フフフ、狙いはバッチリ……完璧ですっ……!」ムクッ


実況「ヤムチャの身体はそのままガックリと崩れ落ち……おぉ~っとっ! セカンドロープに引っかかったっ! うつ伏せにガックリと崩れた状態で……セカンドロープから、その上半身だけがエプロンサイドへと露出しているっ!」

元「おいおいおいおいっ……! バルログ君相手に……その体勢はマズイよっ……!」

実況「バルログは狙ってロープ方向へとヤムチャを投げていったぁ! こいつはマズイっ……! さぁ、バルログが立ち上がるっ!」

659: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:31:35 ID:GcS.3P1Q
バルログ「いつまで寝てるんですっ……! 早く、起きなさいっ……!」ドスッ

ダン「……ぐっ!」


実況「バルログはヤムチャとは逆側のロープ方向へと移動して……あっと、ここでレフェリーにストンピングっ! レフェリーを踏みつけましたっ!」

元「こうなってくると、レフェリーには倒れていてもらってた方が好都合なんだけど……」


ダン「うっ……ううっ……」ググッ


実況「あ~、バルログに踏みつけられ事によってレフェリーの意識も戻ったっ!? 今、ゆっくりと立ち上がろうとしていますっ!」

元「……あ~っ、起きちゃった」


バルログ「レフェリーも起きた事ですし……これで準備完了ですね……さぁ、いきますよ……」


ヤムチャー! シッカリシロー!

実況「さぁ、そしてバルログが今ロープ方向へと移動したぁっ! そこから逆側のロープへと倒れ込んでいるヤムチャへと狙いを定めるっ!」

元「お~い、おいおいおいおいっ……!」

660: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:40:03 ID:GcS.3P1Q
バルログ「いきますっ……! ヒョオオォォォっ……!」ダダッ


実況「そしてバルログが、今ヤムチャ目掛けて突っ込んでいったぁ! 後方から一直線に猛ダッシュっ!」

元「リュウ君は捕まってるし……ヤムチャ君は意識あるのかないのか、わかんないし……レフェリーは最悪のタイミングで起きちゃったし……あ~っ! も~うっ!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

バルログ「……ヒャオっ!」


実況「勢いよく突っ込んだバルログはっ……! ロープに倒れ込んでいるヤムチャの隣っ……! トップロープとセカンドロープを掴みっ……!」

元「あ~っ……!」


バルログ「……ヒョオオォォォ!」ブンッ


実況「ロープの間を潜り抜けるように……自身の身体を大きく大きくスイングさせていくっ! そして、スイングされたバルログの身体が戻ってきたぁ!」

662: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:49:12 ID:GcS.3P1Q
バルログ「……ヒャアアオオッ!」ズガアァッ

ヤムチャ「あっ……あああっ……!」バターンッ


ヤムチャー! ヤムチャー!

実況「そして、エプロンサイドへと露出されているヤムチャの上半身っ……! いや、顔面へとバルログが両脚で蹴りを打ち込んでいったぁ!」

元「……ああ~っ!」

実況「619ですっ! 6・1・9! シックス・ワン・ナーインっ! ヤムチャの顔面へと打ち込んでいったぁ! 顔面に打ち込まれて……ヤムチャは大きく大きく吹っ飛んだぁ~っ!」

元「おいお~い……あぁ、マズイよ……マズイよマズイよ……」


バルログ「……完璧に決まりましたね。美しい」シュタッ


実況「さぁ、バルログはそのままエプロンサイドへと着地っ! エプロンサイドへと着地しますっ!」

元「あ~っ……あ~っ……ちくしょうっ……!」

663: 名無しさん 2015/12/21(月) 23:53:55 ID:GcS.3P1Q
バルログ「さぁ~、終わりにしましょうかっ……! 美しく仕留めますよっ……!」ササッ


実況「バルログはそのままエプロンサイドを移動して……コーナー付近へと移動しますっ! 移動していきますっ!」

元「あ~っ、おいおいおいおいっ……!」


バルログ「ヒャオっ……!」シュタッ


実況「そして、リングに背を向ける形で……おぉ~っと、コーナーポストへと飛び乗ったっ! コーナーポスト最上段にバルログが飛び乗ったぁ!」

元「あ~っ……! 来るよ来るよっ……!」


バルログ「さぁ、レフェリーが起き上がると同時に……貴方に仕掛け、終わりにしてやるとしましょうか……」

ダン「……う、ううっ」ググッ


実況「さぁ、バルログはコーナーポスト最上段で……後方を伺っているっ……! ヤムチャの様子を伺っているっ!」

元「あ~、くそっ……レフェリーも、もうちょっと倒れておけばいいのに……」

664: 名無しさん 2015/12/22(火) 00:00:19 ID:/8m3xlq.
バルログ「……早く立ちなさい、レフェリーっ!」

ダン「う、ううっ……」ググッ

ヤムチャ「あれは……ムーンサルトプレス……あいつの一番の攻撃だ……」


ベガ「ハーッハッハッハっ! 死ねぃ、リュウっ……!」ガスッ

バイソン「オラオラオラオラっ……! くたばれっ……! くたばれ、リュウっ……!」ガスッ

リュウ「ぐっ……ぐっ……」


実況「リュウは場外で捕まっているっ! ベガとバイソンっ……! 二人に完全に捕らえられているっ!」

元「あ~、くそっ……! リュウ君はいけないよっ……!」


バルログ「……ちょっと、遅いんじゃないですか? 貴方がいないと、試合の決着がつかないでしょうっ! 早く立ち上がりなさいっ!」

ダン「ううっ、試合だ……試合……俺が試合を裁かねぇとっ……!」ムクッ

バルログ「いよぉ~しっ……! ようやく、起きましたね……それでは止めですっ! いきますっ……!」シュタッ

665: 名無しさん 2015/12/22(火) 00:03:19 ID:/8m3xlq.
実況「そしてバルログがっ……! 今飛んだぁっ! リング内のヤムチャ目掛けて……コーナーポスト上から、飛んでいったぁ!」


バルログ「……ヒョオオォォォ!」ググッ

ヤムチャ「来た……必殺技の……ムーンサルトプレスが……来た……」


実況「バルログがトップロープ上から後方宙返りをして……大きく大きく美しい弧を描きつつ……ヤムチャ目掛けて振ってきたぁ!」


バルログ「これで終わりですっ……! ヒョオオォォォっ……!」ググッ

ヤムチャ「……だが、俺はそれの返し方を知っているっ!」グイッ

バルログ「……んっ!?」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っとっ! おっとしかしっ……! ここでっ……! ヤムチャがバルログの動きに合わせて……おっとっ! ダウンしたまま、両膝を突き立てていったぞっ!?」

元「おぉっ!?」

666: 名無しさん 2015/12/22(火) 00:06:37 ID:/8m3xlq.
ヤムチャ「身体の上じゃなくてっ……! 膝の上に落ちてろっ……!」

バルログ「ゴッ……! ドッ……! グガアアァァっ……!」ズドーンッ

ヤムチャ「……うげっ、俺も痛ぇっ!」


オー! イイゾー! ヤムチャー!

実況「バルログのムーンサルトプレスっ! ヤムチャの上に落ちてきますが、ヤムチャは膝を突き立て待ち構えていましたぁ! バルログが落ちたのは身体ではなく、硬い硬い膝の上だぁ!」

元「よぉ~しっ! よく動いたよ、ヤムチャ君っ!」

実況「剣山ですっ! ここは剣山ですっ! バルログの腹部に……ヤムチャの硬い硬い膝が剣山のように突き刺さっていきますっ! めり込んでいきますっ! ヤムチャが返したぁっ!」


バルログ「ガッ……ゴッ……うっ……うっ……ウゴゴっ……!」ヨロヨロ

ヤムチャ「こっちも、足は痛いけど……そっちよりかは、随分マシみたいだなっ……!」ムクッ


ワー! ワーワー!

実況「バルログの身体が大きく大きくバウンドォっ! おぉ~っと、そしてバルログは腹部を抑えながら立ち上がりましたっ! 強烈に突き刺さったかっ!? フラついていますっ! これは苦しそうですっ!」

元「ちょ~っと、トップロープ上でモタモタしてたんじゃないかなぁ!?」

実況「そして、続け様にヤムチャも立ち上がってくるっ! こちらも足を抑えておりますがっ……!」

元「まぁ、剣山ってのは自爆技でもあるからね」

実況「ここは攻めたいっ……! バルログはフラついているっ! 大きく大きく大きくフラついているっ!」

667: 名無しさん 2015/12/22(火) 00:09:18 ID:/8m3xlq.
ヤムチャ「痛みはまだあるけど……いくぜええぇっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


ワー! ワーワー!

元「ヤムチャ君もそこは重々承知みたいだねっ!」

実況「さぁ、ヤムチャが突っ込んだっ! 痛みを堪え……残された力を振り絞り……バルログ目掛けて突っ込んだぁ!」


ヤムチャ「うおおおっ……!」ガシッ

バルログ「ガッ……くおっ……」

ヤムチャ「スパインバスターだっ……! ぶっ倒れろっ……!」ズドーンッ

バルログ「……うぐああぁっ!」


実況「バルログに突っ込んでいき、そして両太腿を抱えて持ち上げなぎ倒していきますっ! ここは強烈なスパインバスターを仕掛けていったぁ!」

元「いよぉ~しっ!」


ヤムチャ「レフェリーっ……! 今がチャンスだっ……! フォールっ……! フォールしてますよっ!」ガバッ

ダン「お、おおっ……! フォールかっ! よし、わかったっ!」


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、そして……バルログの身体をなぎ倒していったヤムチャは……そのまま覆い被さり、フォールの体勢っ……! フォールの体勢ですっ!」

元「おぉっ!? どうだっ!?」

実況「レフェリーは今、生きておりますっ! 生きておりますっ! さぁ、ここでヤムチャのフォールっ……! レフェリーが駆け寄ってきたっ! どうだどうだどうだっ!?」

675: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:01:19 ID:/8m3xlq.
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

バルログ「……ぐっ!」ガバッ

ヤムチャ「……くそっ!」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


アー、アーアー

実況「あ~っとっ! しかし、ここはカウントツーっ! 2カウントでバルログの肩が上がりますっ! ここは、バルログっ……! 返してきましたっ……!」

元「あ~っ……! くそっ……!」

実況「シャドルー猛攻の中……なんとか光明への道を切り開いたヤムチャですがっ……! 惜しくもここはカウントツーっ……! カウントツーですっ!」

元「いやぁ~、でも……これキッカケに流れ変えていこうよっ!」

676: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:10:49 ID:/8m3xlq.
ヤムチャ「チィ……ツーカウントかっ……! だが、俺がここで頑張らねぇとっ……!」ムクッ


実況「そこはヤムチャも理解しているかっ!? 暗雲に包み込まれた中に照らされた一筋の光の道ィ! 進むならこの道しかないっ! さぁ、ヤムチャは切り替えて素早く立ち上がるっ!」

元「そうそうっ! 落ち込んでる暇なんて、今はないんだからっ! それでいいっ!」


バイソン「オラオラっ……! くたばれや、リュウっ……!」ガスッ

ベガ「ハーッハッハッハっ! 死ねえぇぃ、リュウっ……!」ガスッ

リュウ「ぐっ……ぐっ……!」

ダン「あぁっ……あの野郎共、場外でまだ暴れてやがったのかっ……!? くそっ、俺が止めにいかねぇとっ……!」

ヤムチャ「レフェリーっ……! 場外はいいっ……! あんたはこっちを見ていてくれっ!」

ダン「……ああっ!?」クルッ

677: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:15:59 ID:/8m3xlq.
ヤムチャ「俺が……俺がここで決まればっ……!」ググッ

バルログ「う、ううっ……」ムクッ


オー! イケー! ヤムチャー!

実況「おぉ~っとっ……! ここでヤムチャが体勢を低くして……構えるっ……! バルログの起き上がりに合わせて……体勢を低くして構えたっ!」

元「よぉ~しよしっ! 攻めろ攻めろっ……!」


ヤムチャ「空手軍団の勝利で終わりなんだよぉっ……! あんたはしっかり、スリーカウントこっちでとってくれっ……!」ダダッ

ダン「お、おうっ……!」

ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! いっくぜぇっ! ウルフ・バスターだっ……!」ガシッ

バルログ「……くあっ!」


ワー! ワーワー!

実況「ヤムチャは零距離からバルログに突っ込みっ……! そしてバルログの両太腿を捉えたっ! そして抱え上げていくっ!」

元「いっけぇっ! 決めろぉっ!」

678: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:24:02 ID:/8m3xlq.
ヤムチャ「……うおおおぉぉっ!」ググッ

バルログ「この醜き者がっ……! ふざけた真似をっ……!」ガシッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁっ! ヤムチャはバルログの身体をそのまま、ハイアングル気味へと抱え上げていくっ!」


バルログ「いい気になるなっ……! このカスがっ……! ヒャオっ……!」シュタッ

ヤムチャ「な、何っ……!?」スポッ


実況「あ~っ! おぉ~っと、しかしここはっ……!? バルログはタイミングを合わせてヤムチャの肩に腕を乗せ……おぉ~っと、ヤムチャの身体をそのまま下に押し込み、持ち上げられながらもヤムチャの頭上までそのまま飛んだぁ!」

元「あ~っ! 抜け出したっ!」


バルログ「……ヒャオっ!」ガシッ

ヤムチャ「く、くそっ……!」


実況「ヤムチャの後方へと脳天から真っ逆さまに落ちるバルログっ! しかし、バルログはヤムチャの腰回りを背後から掴み、身体を固定するっ!」

679: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:32:28 ID:/8m3xlq.
バルログ「……ヒョオオォォォっ!」クルンッ

ヤムチャ「う、うおおぉっ……おおっ……!」グルンッ


実況「バルログは勢いを殺さず、そのままヤムチャの股下へと潜り込むように前方回転っ……! ヤムチャの身体もバルログと共に回転して、転がされるっ!」

元「あ~っ……! くそっ……! まだ、動けたかこの野郎っ……!」


ヤムチャ「く、くそっ……! してやられたっ……!」モガモガ

バルログ「さぁ、レフェリーっ……! カウントを取りなさいっ……!」

ダン「バ、バカ野郎っ……! フォールするって言ったのに……フォールされてんじゃねぇよっ……!」

バルログ「……レフェリーっ! 早くしなさいっ!」ギロリ

ダン「く、くそっ……! 仕方ねぇ……これも仕事だっ……!」


実況「ここはバルログっ……! ローリング・クラッチ・ホールドっ! クイックでヤムチャの身体を丸め込んでいくっ! バルログが返しましたっ!」

元「ちょ~っとっ! ちょ~っとっ!」

実況「フォールの体勢っ! さぁ、そしてレフェリーがカウントを取りますっ! どうだっ……!? どうだぁっ!?」

680: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:39:08 ID:/8m3xlq.
ダン「ワンっ……!」

ヤムチャー! カエセー!

ダン「ツーっ……!」

ヤムチャー! ガンバレー!

ダン「……スリ」

ヤムチャ「だああぁぁっ……! ちくしょうっ……!」ガバッ

バルログ「……くっ!」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っとっ! 危ない危ないっ! ここはカウントツーでヤムチャの肩が上がりますっ! 一瞬の隙をつかれましたが……ヤムチャは返しましたっ!」

元「あ~、もうっ……! ヒヤヒヤさせるんじゃないよっ……!」

実況「正に一瞬の油断が死に直結すると言っても過言ではないでしょうっ……! しかしっ! ヤムチャは返しましたっ! 返しましたっ!」

681: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:46:06 ID:/8m3xlq.
バルログ「チィっ……! 粘りますねぇ……クズの分際でっ……!」ムクッ

ヤムチャ「負けねぇぞ、バルログっ……! うおおっ……!」ムクッ


ヤムチャー! イケー!

実況「さぁ、バルログが立ち上がるっ……! しかし、ヤムチャも立ち上がってくるっ!」

元「さぁ、いけいけいけ」


ヤムチャ「うおおっ……! 先に仕掛けさせてもらうぜっ……! 喰らいな、バルログっ……!」ブンッ


イケー! イケー!

実況「先に仕掛けたのはヤムチャっ……! ここは大きく腕を振りっ……! 右腕でのショートレンジラリアットを仕掛けていくっ!」


バルログ「……甘いっ!」ググッ

ヤムチャ「……くっ!」スカッ


実況「あ~っと、しかしここはバルログが体勢を低くして前進っ! タイミングを合わせて避けていくっ! 避けていくっ! あ~っとぉ! ヤムチャの腕は空を切ったぁ!」

元「……あ~っ!」

682: 名無しさん 2015/12/22(火) 22:51:16 ID:/8m3xlq.
バルログ「そんな単調な攻撃が、私に通用するワケないでしょうがっ……! ヒャオっ……!」ガスッ

ヤムチャ「……ぐあっ!」ヨロッ


実況「ヤムチャの攻撃を避けたバルログは……そのまま後方から、足を伸ばしてトラースキック気味の蹴りっ! ヤムチャの後頭部を蹴りつけていくっ!」

元「……あ~っ!」


ヤムチャ「くそっ……! 舐めんなっ……!」ガスッ

バルログ「……ぐっ!」ヨロッ


オー! オーオー!

実況「しかし、ここはヤムチャも負けてはいないっ! すかさず、バックハンドエルボーを打ち込んでいくっ! 体勢を整えつつ、バルログの胸元へと打ち込んでいったぁ!」

元「よぉ~し、よしよしっ!」

683: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:02:01 ID:/8m3xlq.
ダン「おいおいおい……どうするどうするっ……!? やっぱり、これ場外止めに行った方がいいんじゃねぇのかっ……!?」キョロキョロ

ヤムチャ「今度は当ててやるぜっ……! 喰らいなっ……!」ブンッ


実況「そして、間髪入れずにヤムチャが仕掛けるっ……! 今度は左腕を大きく振りかぶりっ……! 左でのショートレンジラリアットっ! 振りかざしていくっ!」


バルログ「……だから、単調なんですって」ググッ

ヤムチャ「だああぁぁっ……! くそっ……!」スカッ


実況「だがしかし、これもバルログは避けていくっ……! 体勢を低くして、避けていくっ……! またもヤムチャも腕は空を切るっ!」

元「あ~っ! くそっ!」


ヤムチャ「くそっ……! くそっ……! なんで当たらねえんだ、こいつ……!」イライラ

バルログ「フフフ……そんな物ですか、ヤムチャ君……? ほら、もっと打ってきてもいいんですよ……?」クイクイ


実況「さぁ、攻撃を透かしヤムチャを背後へと回ったバルログは……おぉ~っと、指をクイクイと動かし挑発していますっ! 少し余裕が出てきたかっ!? 対するヤムチャは少々苛立っているような感じがしますっ!」

元「落ち着けっ……! 焦るなっ……!」

684: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:08:22 ID:/8m3xlq.
ヤムチャ「ちくしょうっ……! だったら、今度はっ……!」クルッ


実況「さぁ、ヤムチャはここで振り返ってバルログの方を向くっ! 少々落ち着いていきたい所かっ!?」

元「うん、そうだね」


ヤムチャ「蹴りだ、オラっ……! その脳天にぶち当ててやるぜっ……! はああぁっ……!」シュッ


実況「今度は蹴りでいった蹴りでいったぁ! バルログの頭部を狙うハイキックっ!」

元「あ~っ!」


バルログ「フフフ……フフフ……当たらない攻撃を、連発連発……美しいですねぇ……」ググッ

ヤムチャ「……くっそぉっ!」スカッ


実況「だがしかし、これもバルログっ……! 避けていくっ……! 身体を沈み込ませ、そのまま前進っ……! ヤムチャの背後へと回っていくっ!」

元「だから、もうちょっと相手の動きを見た方がいいんじゃないかなぁ?」

685: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:16:24 ID:/8m3xlq.
ダン「くそっ……もうリングはいいから、場外のアイツらを……」

バルログ「ヒャオっ……!」シュルッ

ヤムチャ「……んあっ!?」


実況「おぉ~っと、ここでバルログはヤムチャの背後に回り込みつつ、股下に手を差しのばし、そしてそのままヤムチャを右脚を抱えるっ!」

元「あ~っ!」


バルログ「そ~ら、そらそら……倒れなさい……」ググッ

ヤムチャ「……う、うおっ」ゴロンッ


実況「ヤムチャの足を抱えて……そのまま自らも後方に倒れ込んでヤムチャの身体を転がしていくっ! 後方に転がして倒し込んでいくっ!」

元「おいおいっ……! しっかりしろっ……!」


バルログ「そぉ~ら、再びフォールですよっ! さぁ、レフェリーっ……! カウントをお願いしますっ……!」

ダン「あのバカっ……! またフォールされやがったっ……! く、くそっ……これも仕事だ、ちくしょうっ……!」


実況「ここはバルログっ……! スクールボーイっ! スクールボーイでヤムチャの身体を丸め込んでいったぁ! ここで再び、バルログのクイック技っ!」

元「あ~っ、たっ……! も~うっ……!」

実況「さぁ、今レフェリーがカウントを取るっ……! どうだどうだどうだっ……!?」

686: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:24:14 ID:/8m3xlq.
ダン「ワンっ……!」

ヤムチャー! ナニヤッテルンダー!

ダン「ツーっ……!」

ヤムチャー! シッカリシロー!

ダン「……スリ」

ヤムチャ「……ちくしょうっ!」ガバッ

バルログ「……あら」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツー! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー! ワーワー!

実況「危ない危ないっ! 危ない危ないィ! ここはカウントツーでヤムチャの肩が上がりますっ! なんとかここも……ヤムチャの肩が上がりますたっ! ツーカウントですっ! ツーカウントっ!」

元「返せたのはいいけど……う~んっ……! ちょ~っと、バルログ君にスピードでついていけてないねぇ。ヤムチャ君の攻撃も悪いワケじゃないんだけど……」

実況「再び、ジワリジワリと流れがシャドルーサイドに向かっていると言った所かっ!? ヤムチャはバルログに翻弄されている……と言ったような印象が見受けられますっ!」

687: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:28:42 ID:/8m3xlq.
バルログ「カウントはツーですか……まぁ、いいでしょう……」ムクッ


ヤムチャー! シッカリシロー!

実況「さぁ、この場面……先に立ち上がったのは、バルログっ……! バルログですっ……! 表情からも、少しばかりの余裕が感じられるか!?」


バルログ「さぁさぁ、起きなさい……起き上がりなさい、ヤムチャ君……」クイクイ

ヤムチャ「ち、ちくしょうっ……!」ムクッ


実況「さぁ、バルログを指をクイクイと動かし、ヤムチャに立ち上がれと言わんばかりに挑発しているっ! この辺り、かなり余裕が出てきたと見てもいいでしょうっ! そしてヤムチャもここで立ち上がってくるっ!」


バルログ「フフフ……バーカっ……!」ドンッ

ヤムチャ「うげっ……痛っ……!」


実況「さぁ、バルログは起き上がったヤムチャの胸を……両腕で強く押したっ……! 突き飛ばすっ!」

688: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:33:00 ID:/8m3xlq.
バルログ「ほらほら、おバカさんっ……! 追って来なさいよっ……! ほらほらほらほらっ……!」ダダッ

ヤムチャ「くそっ……! 待て、この野郎っ……!」


実況「そして、バルログはヤムチャを背を向け……そのまま、ロープ方向へと走っていくっ! 走り込んでいくっ! ここは逃すまいと、ヤムチャも慌てて後を追うっ……!」

元「なっ……! なっ……!? 見え見えの挑発じゃないかっ!? 乗ってんじゃないよっ……!」


ヤムチャ「待ちやがれっ……! バルログっ……!」ダダッ

バルログ「単細胞の相手は……楽でいいですねぇ……フフフ、ヒャオっ……!」シュタッ

ヤムチャ「……んあっ!?」ピタッ


実況「ロープ付近まで逃げていったバルログは……おっとっ! ヤムチャに背を向けながら、そのままセカンドロープに飛び乗るっ! 飛び乗っていくっ!」

元「だから、これが狙いだったんだよっ!」

689: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:46:20 ID:/8m3xlq.
バルログ「マヌケめっ……! さぁ、再びフォールにいきますよっ……! ヒャオオオォォっ……!」シュタッ


実況「ここはバルログっ! セカンドロープの反動を利用していったぁ! セカンドロープに飛び乗り、そしてその反動を利用してジャーンプっ! 身体を捻りつつ追ってきた後方のヤムチャへと仕掛けていくっ!」

元「……だああっ!」

実況「ロープの反動を利用した、フライング・ボディプラスっ! フライング・ボディプラスっ! バルログのルチャ殺法っ!」


バルログ「……潰れないっ! ヒャオっ!」

ヤムチャ「……うおおおっ! ふんがああぁっ!」ガシッ

バルログ「んっ……? んっ……!? あ、あらっ……!?」


オー!オーオー!

実況「さぁ、バルログの身体がヤムチャに覆い被さるように……いやっ……! おっとおっとおっとっ……!?」

元「おっ……!?」

690: 名無しさん 2015/12/22(火) 23:50:38 ID:/8m3xlq.
ヤムチャ「へへへ……ようやく、捕まえれたぞ……もう逃がさねぇぞ……」ガシッ

バルログ「くっ……! くそっ……!」モガモガ


オー! イイゾー! ヤムチャー!

実況「ここはヤムチャっ……! 空中から飛び込んできたバルログの身体を、そのまま捉えたっ! キャッチ、キャッチ、キャッチっ!」

元「おぉっ……!? 狙ってたのかなぁ!?」

実況「強引に胴回りに手を回し、バルログの身体を捉えたっ! 空中で捉えたっ……! ヤムチャがここでバルログを捕まえましたっ……!」

元「よぉ~し、よしよしっ……! ここはパワー勝ちじゃないのっ!?」


ヤムチャ「素早い野郎だが……ようやく捕まえれたぜ……さぁ、いくぜっ……!」ガシッ

バルログ「く、くそっ……!」モガモガ

ヤムチャ「今度は、逃さねぇっ……! ド派手にマットに叩きつけてやるっ……!」ブンッ

バルログ「……う、うおおっ!」


実況「さぁっ! バルログの身体を捉えたヤムチャは……そのままそのまま大きく大きく、身体を旋回させながらっ……!」


ヤムチャ「ウルフ・スラムっ……! 元い、パワー・スラムだっ……! 喰らいええぇっ……!」ズドーンッ

バルログ「……ぐわあああぁぁ!」


ワー! ワーワー!

実況「そのまま、バルログの身体をスイングさせつつ、後方へと叩きつけていくっ! スロイダーっ……! ここはスロイダーっ! ヤムチャがバルログの身体をマットへと大きく叩きつけていったぁ!」

元「ちょっと、翻弄されてるような展開が多かったからね……よしよしよしっ……! これはいいよっ!」

699: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:03:00 ID:tikT.vlk
バルログ「う、ううっ……くそっ……馬鹿力めっ……!」

ヤムチャ「よしっ……! 手間取ったが、ようやくいけたぜっ……! そしてっ……!」ゴロゴロ


イイゾー! ヤムチャー!

実況「さぁっ! バルログの身体をリング中央付近へと大きく大きく叩きつけたヤムチャは……おっと、そのまま転がりながらコーナー付近へと移動していくっ!」

元「おっとぉ、ここは距離を取るのか……!?」


ヤムチャ「さぁ、立て……立つんだっ……! 俺っ……!」ガシッ


実況「さぁ、コーナー付近まで転がって移動したヤムチャは……そのまま、寝そべりながら、セカンドロープに手を掛け……」

元「ここはいく場面だと思うよ!?」


ヤムチャ「おおおっ……! くっ……! いくぜ……決めてやる……ここで決めてやるっ……!」ググッ


実況「セカンドロープを掴みながら身体を起こし……おっと、今度はトップロープを掴んで、更に身体を起こしていくっ! ロープを支えにしながら、ヤムチャがここは気力を振り絞り、立ち上がってくるっ!」

元「あ~、なんだかんだで、結構ダメージも受けてるだろうからねぇ……でも、休んでる場合ではないっ……!」

700: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:09:35 ID:tikT.vlk
ヤムチャ「はぁっ……はぁっ……バルログは……?」チラッ

バルログ「う、ううっ……」ググッ


実況「さぁ、ヤムチャは前屈みの体勢でロープに身体を預けながら……少し、呼吸を整えてると言った所かっ!? おっと、ここで横目でバルログの姿を確認したかっ!?」

元「う~ん……スタミナ消費が激しいのかな……? いきたい場面なんだけどねぇ……」


ヤムチャ「やっぱり、案の定って言うか……すぐに起き上がってくるな……だがっ……!」ズドンッ


オーッ!


実況「おぉ~っと、しかしバルログの姿を確認したヤムチャは……少し、身体を起こし、トップロープを掴んだまま……音を立てて大きくマットを踏みつけるっ!」

元「そうだそうだっ! 攻めよう攻めようっ!」


ヤムチャ「起き上がりに合わせて……ぶち込んでやるぜ……さぁ、起きろ……バルログっ……!」ズドンッ

バルログ「う、ううっ……」ググッ


オーッ!


実況「大きくマットが揺れるっ! 揺れていく揺れていくっ! さぁ、ヤムチャはバルログに狙いを定めつつ……マットを踏み鳴らしていくっ!」

元「よ~し、よしよしっ……! 狙え狙えっ……!」

701: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:14:13 ID:tikT.vlk
ヤムチャ「……うおおおぉぉっ!」ズドンッ


オーッ!


ベガ「……んっ?」チラッ

バイソン「何の騒ぎだ……? あっ……!」チラッ


ヤムチャ「ここで……決めるぜっ……!」ズドンッ


オーッ!


バイソン「あっ……! あの野郎っ……! 狙ってやがるなっ……!?」

ベガ「チィっ……! バイソン……リュウは私に任せて、お前はアイツを止めろっ……!」

バイソン「わっかりました、ベガ様ァ!」ササッ

702: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:20:50 ID:tikT.vlk
ヤムチャ「終わりにしてやるっ……! とっとと起きろっ……! バルログっ……!」ズドンッ


オーッ!


実況「ヤムチャがマットを踏み鳴らすっ! それに合わせて場内から声援が飛び交うっ! 地響きのような声援っ! 会場全体が一丸となったミュージックっ! まさにオーケストラっ! 」

元「よ~しよしよしよしっ!」


ヤムチャ「早くしろっ……!」ズドンッ

バルログ「う、ううっ……くっ……」ムクッ


オーッ!

実況「そして今、バルログがゆっくりと立ち上がってくるっ! さぁ、ヤムチャっ! ここでブチかませっ! 準備は整ったぞっ! Tune up the band!」

元「あっ……! ああぁ~っ……!?」


バイソン「馬鹿野郎っ……! やらせるとでも思ってるのかっ……!? うるあぁぁっ……!」ササッ


実況「あ~っと、あっとあっとっ……! ここでバイソンが来たっ! バイソンが来たぁっ! 素早くサードロープ下を潜り……リング内へと雪崩れ込んできますっ! ここでバイソンが来たぞっ!」

元「あ~っ……! くそっ……!」

703: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:26:56 ID:tikT.vlk
ヤムチャ「く、くそっ……! 最悪のタイミングで……! どうするっ……!?」キョロキョロ


実況「これには、ヤムチャの動きが止まるっ……! ヤムチャの動きが止まるっ!」

元「くそっ……! こういう場面で数の利が生きてくるワケなんですよっ……!」


バイソン「てめぇをぶっ飛ばして……力づくで止めてやるよっ……! うおおおぉぉっ!」ムクッ


実況「バイソンは起き上がり、そしてヤムチャに目掛けて、一直線……あっ、いやっ……! おっとおっとっとっ!?」

元「……おおっ!?」


ダン「試合権のねぇ奴は参加するなっていつもいつも言ってんだろがっ……! おめぇは、いつになったら学習するんだよ、この野郎がああぁっ……!」ドスッ

バイソン「ぐっ……! な、なんだてめぇっ……!?」


オー! イイゾー! レフェリー!

実況「起き上がったバイソンに対して……ここはレフェリーが突っ込んだぁっ! 身体を屈めて、バイソンの腹部に突っ込みしがみつくっ! 強引に動きを止めていくっ!」

元「ようやく、レフェリーらしい事してくれたんじゃない? 彼っ……!」

実況「シャドルーな傍若無人な行為に……レフェリーもついにキレたかっ!? もう警告などではないっ! ここからは、直接身体を張ってでのレフェリングだっ!」

704: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:32:23 ID:tikT.vlk
ヤムチャー! イケイケー!

ヤムチャ「よっしゃっ……! なんか、知らんが大ラッキーっ……! 後は、狙うだけだっ……!」

バルログ「くっ……くううっ……!」ムクッ


バイソン「くそっ……! くそっ……! なんで、てめぇが止めるんだよっ……! オラオラ、離せやこのクソカスっ……!」ドゴドゴ

ダン「痛っ……! 痛っ……! てめぇっ……! あまりやりすぎると、ノーコンテストにするぞっ……! いいのかっ……!?」

バイソン「やれるもんならやってみろよっ……! とにかく、離せやオラオラっ……!」ドゴドゴ

ダン「ぐっ……ぐっ……!」


実況「さぁ、バイソンはレフェリーに抑えられているっ! おっとおっと、バイソンが暴れる暴れるっ! レフェリーの背中に、おぉ~っと打ち込んでいますっ!」

元「完全に暴行になってるけどねっ……! とにかく、ヤムチャ君っ……! 今がチャンスだっ……!」

705: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:41:31 ID:tikT.vlk
ヤムチャ「よしっ……! 打ち込んでやるっ……! いっくぜええぇぇっ……!」ズドンッ


イケー! ヤムチャー!

実況「さぁ、ヤムチャは大きくマットを踏みならし、そしてサイドステップをしながら突っ込んでいったぁ!」

元「んんっ……!?」


ヤムチャ「退いてろ、レフェリーっ……! 巻き添え喰うぞっ……!」ササッ

ダン「えっ……!? えっ……!?」

ヤムチャ「いいから退けぇっ……! 屈めぇっ……! なんでもいいから離れろっ……!」

ダン「……お前は大馬鹿野郎だっ! くそっ!」ググッ


実況「しかし、ヤムチャが突っ込んだのはバルログっ……! ではなく、バイソンっ……! ヤムチャはバイソンの方へとサイドステップをしながら突っ込んでいったぁ!」

元「……そっちいくのかっ!?」

706: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:51:08 ID:tikT.vlk
ヤムチャ「……狙いはその顎だっ! うるあぁぁっ!」スパーンッ

バイソン「……うげえあああぁっ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「大きく大きく踏み込みつつのトラースキックっ! 甘いリズムに乗せてバイソンの顎に的確にヒットさせていったぁ! ここでバイソンが大きく大きくダーウンっ! しかし、これは……元さんっ……!?」

元「まぁ、レフェリーを助けたって事じゃないかなぁ……?」


ダン「なんでわざわざ俺を助けに……これも俺の仕事だよっ……!」

ヤムチャ「なんで……? 人を助けるのに理由なんていらないでしょっ! な~んか、ボカスカやられてんの見えたから、身体が動いただけですよっ! それだけですっ!」

ダン「……お前はよぉっ!」

ヤムチャ「さぁ、もう一撃だっ……! バイソンの次は……バルログっ……!」

707: 名無しさん 2015/12/23(水) 22:56:33 ID:tikT.vlk
バルログ「フフフ、バイソンに行くとは……その判断ミス……私は逃しませんよっ……! ヒョオオっ……!」ダダッ

ヤムチャ「さぁ、次はバルログに……って、えっ……!?」クルッ


実況「さぁ、ヤムチャはダウンしたバイソンにクルリと背を向け、今度はバルログを狙うっ……! だがしかし、そこにバルログはもう突っ込んでいるっ!」

元「……だああぁっ!」


バルログ「それっ……! ヤムチャ君っ……! 支えてもらいますよっ……!」クルンッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」

バルログ「ヒャオっ!」ガシッ


実況「突っ込んでいったバルログはヤムチャの目の前でゆったりとした前方宙返りを見せつつ……その肩口に足を引っ掛け昇っていくっ! ヤムチャの肩に飛び乗っていったぁ!」

元「だああっ……! くそっ……! バルログ君も一瞬の隙を逃してはくれないねぇっ……!」


バルログ「……ヒャオっ!」クルンッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」


実況「そしてバルログは身体をクルッと回してヤムチャの後方に回るっ! 回っていくっ! ヤムチャの上に肩車の形でバルログが乗っているっ!」

708: 名無しさん 2015/12/23(水) 23:03:18 ID:tikT.vlk
バルログ「それでは、いきますっ……! ヒャオっ……! ヒャオっ……!」ガスガス

ヤムチャ「ガッ……ガッ……!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

実況「そしてそこから腕をLの字に折りながら、エルボーバット! エルボーバットォ! おぉ~っと、ヤムチャの側頭部へとバルログがまさに暴風雨のようにエルボーバットを打ち込んでいくっ!」

元「あ~っ……! くそっ……!」


バルログ「さぁさぁ、眠りなさい眠りなさいっ……! ヒャオっ……! ヒャオっ……!」ガスガス

ヤムチャ「あっ……ううっ……」


ヤムチャー! ガンバレー!

実況「バルログの頭上からのエルボーの連打連打に……ヤムチャの身体も徐々に沈み込んでいきますっ! 沈み込んでいきますっ!」

元「くっそぉ……」

実況「これ、やっぱり元さんっ……!? ヤムチャはバイソンにいかずに、バルログに仕掛けた方が良かったんじゃないですかねぇっ!?」

元「いやぁ~、でもそうすると、リング上にバイソン君が生きてる事になるでしょ……? それは、結果論だよ……」

709: 名無しさん 2015/12/23(水) 23:10:28 ID:tikT.vlk
ベガ「バイソンは犠牲になったが、バルログが盛り返してくれたな……フフ……」

リュウ「ううっ……」

ベガ「さぁ、リュウ……お前も起きろ……いつまでも寝ているんじゃない……お前は場外で私に付き合っていてもらうぞ……?」ググッ

リュウ「う、ううっ……」

ベガ「さぁて、次は鉄柵かな……? 鉄柱かな……? それとも……パイプ椅子かな……?」ニヤニヤ

リュウ「くそっ……! 舐めるな……バイソンがいなくなった一対一の状況なら……はあぁっ……!」ガスッ

ベガ「……ぐおっ!」ヨロッ

リュウ「はぁっ……はぁっ……ベガっ……!」ガシッ

ベガ「……ぬっ?」

710: 名無しさん 2015/12/23(水) 23:16:24 ID:tikT.vlk
ヤムチャ「う、ううっ……」

バルログ「さぁ、弱ってきましたねぇ……それではっ……! 止めにして差し上げましょうっ……!」スルッ


実況「そしてここでバルログは……おぉ~っと、前屈みの体勢になってきたヤムチャの肩の上から腰の上へとポジションを移動するっ!」

元「あ~っ……! これはっ……!」

実況「ヤムチャの背後から脇を通し、自身の足を内太腿にロックしてバランスを保っていくっ!」


バルログ「これで……終わりですっ……! ヒャオオォッ……!」ガシッ

ヤムチャ「……ぐっ!」


実況「そこからヤムチャの両腕を捉えて……後方に引き伸ばしていくっ! 引き伸ばしていくゥ! さぁ、ヤムチャの肩口を極めていったぁ!」

元「パロ・スペシャルだっ!」


バルログ「ギブアップをしなさいっ……! 華やかに散りなさいっ……! ヒョオオオォォッ……!」ググッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁ!」


実況「脱出不能のサブミッションっ! パロ・スペシャルっ! もがけばもがく程、深みにはまってしまうパロ・スペシャルっ! ヤムチャが蜘蛛の巣に捕らえられてしまったぁ!」

元「しかも、この技はここから叩きける技にも移行出来るからねぇ……パロ・スペシャル・ジ・エンドっ……!」

実況「苦しい展開ですっ! 苦しい苦しい苦しい展開ですっ!」

711: 名無しさん 2015/12/23(水) 23:20:54 ID:tikT.vlk
リュウ「お前とここで……決着をつけたい所だがっ……! はぁぁっ……!」ブンッ

ベガ「……う、うおっ」ガッシャーンッ

リュウ「ヤムチャを助けないとっ……! ヤムチャっ……! よく粘ったっ……! 今、いくっ……!」ササッ


バルログ「さぁさぁ、言うんです……ギブアップと言うんですっ……! ほらほらほらっ……!」ググッ

ダン「ヤ、ヤムチャっ……! ど、どうする……!? ど、どうするっ……!?」

ヤムチャ「ノーだっ! ノーノーっ……! ノーに決まってんだろがっ……!」フルフル


実況「さぁ、レフェリーがヤムチャに今確認を取っていますっ……! ヤムチャは首を横に振っているがっ……! 苦しそうですっ……! その表情は苦しそうですっ……!」

元「あっ……! おぉ~っ……! やったやったっ! リュウ君が来たよっ!」

実況「おぉ~っとっ!?」

721: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:00:16 ID:0V6WQtH2
ワー! ワーワー!

リュウ「ヤムチャっ……! 今助けるぜっ……! だああぁっ……!」ダダッ


実況「さぁさぁ、リュウが来たリュウが来たぁ! ようやくベガを振り切る事が出来たかっ!? リング上がったリュウは、ヤムチャを捉えているバルログへと突っ込んでいくっ!」

元「よしよしっ! 走れ走れっ!」


リュウ「うおおぉぉっ……! だああぁっ……!」ドスッ

バルログ「……ぐっ」ズルッ

ヤムチャ「お、おおっ……!? おっ……助かった……」ヨロッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リュウはヤムチャの腰上に乗っているバルログの脇腹に……スレッジハンマーっ! 両腕で叩き込むっ! よぉ~し、バルログの身体がヤムチャの身体からずり落ちたぁ!」

元「よぉ~しっ!」

722: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:07:34 ID:0V6WQtH2
リュウ「ヤムチャっ……! 少し離れていてくれっ……!」

ヤムチャ「うっ、ううっ……了解っす……」フラフラ

リュウ「よしっ……いくぜ、バルログっ……!」ガシッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そしてリュウはバルログに正面から近づいていって……そして組かかっていくっ!」


リュウ「いくぜっ……! はああぁぁっ……!」ブンッ

バルログ「……くっ!」

リュウ「なぎ倒れろっ……! だああぁぁっ……!」ズドーンッ

バルログ「……くあああぁっ!」


イイゾー! リュウー!

実況「リュウは大きく足を振り上げ……そしてその足でバルログの足を刈り取りながら、リングになぎ倒していくっ! 強く強く打ち付けていくっ!」

元「大外刈りだっ!」

723: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:15:24 ID:0V6WQtH2
ヤムチャ「どうやら……俺の出番は、もう終わりみたいだな……よし、次の行動に備えよう……」ヨロヨロ

リュウ「よし、これで暫くはバルログの動きは止まるだろう……次は……」ムクッ


ワー! ワーワー!

実況「リュウの救出ですっ! リュウの救出っ……! この、ピンチの場面でリュウが助けにやってきましたっ!」

元「いやぁ、よかったよかった」

実況「さぁ、リュウは立ち上がり……おっと、そして今度はダウンしているバイソンの方へと近づいていくっ!」


リュウ「お前は場外に落ちてろっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

バイソン「うっ……ああっ……うっ……くおっ……!」ボトッ


実況「バイソンに近づいていったリュウは……おっと、そのままトップロープを掴みながら、ダウンしているバイソンの身体を……場外へ蹴り出していくっ! 蹴り出していくっ!」

元「よぉ~しよしよしっ……! とにかく、邪魔者は片付けていこうっ!」

実況「そしてバイソンの身体が……場外へと落ちたぁ! 邪魔者がここでリング上から消えたぁ!」

724: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:23:57 ID:0V6WQtH2
ベガ「チィ、少し目を離すと……すぐこうなる……やらせんぞっ……! うおおおぉっ……!」ササッ

ダン「おい、てめぇっ……! 普通に参加してるんじゃねぇぞ、コラァっ!」


リュウー!ベガモキタゾー!

実況「あぁ~っとっ! しかしここで……ベガが来ましたベガが来ましたっ……! サードロープ下を素早く潜り抜け……ベガがリングに雪崩れ込んできますっ! 雪崩れ込んできますっ!」

元「あ~っ、もうっ……! 一人処分したら、またすぐに次の一人が補充されるんだからっ……!」


リュウ「やっぱり来たな、ベガっ……! お前があっさり帰るワケないとこっちも思ってたよ……さぁ、いくぜっ……!」ササッ


実況「あ~っと、しかしここはリュウもある程度は想定内……と言った所かっ!? 落ち着いてベガの方を振り向き……そして乱入してきたベガに向かっていくっ!」

元「おっ……!? ここ場面で落ち着いているのはいいよっ!」

725: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:28:31 ID:0V6WQtH2
ベガ「全く……お前達には、お仕置きしてやらないと……んっ……?」ムクッ

リュウ「……そらっ!」ガシッ

ベガ「……くっ!」


イイゾー! リュウー!

実況「さぁ、ベガが立ち上がるっ……! だがしかし、それを待っていたかのように、リュウが近づいて即座に組かかっていくっ!」

元「よぉ~しっ!」


リュウ「……こっちだっ! そらそらっ!」ジリジリ

ベガ「くっ……! くっ……!」


実況「リュウはベガの頭部を両腕で掴みながら……おっと、そのままジリジリと後退っ……! ベガの身体を前方に引きずりつつ、体勢を崩して……!」

726: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:39:51 ID:0V6WQtH2
リュウ「……そらっ!」ゴロンッ

ベガ「おっ……おおっ……!」


実況「リュウはそのまま身体を丸めて、後方へと倒れ込むように転がるっ……! そして、その勢いのままベガの身体を持ち上げていき……!」

元「よぉ~しっ!」


リュウ「巴投げだっ……! はああぁぁっ……!」ブンッ

ベガ「う、うおおぉぉっ……! くっ……!」ズドーンッ


イイゾー! リュウー!

実況「ベガの腹に押し付けた自身の両脚を伸ばして、後方へと跳ね上げいくっ! 巴投げの要領で、ベガの身体を後方へと弾き飛ばしていったぁ!」

元「いよぉ~しっ! モンキーフリップだねっ!」

実況「ここは、モンキーフリップっ! モンキーフリップっ! 再びリングに乱入してきたベガを即座に投げていきますっ!」

727: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:46:07 ID:0V6WQtH2
リュウ「どうせ大したダメージは受けてないだろっ……! だったらっ……!」ムクッ

ベガ「う、ううっ……くっ、不意を突かれたか……」ググッ


実況「さぁ、ここでリュウは即座に起き上がっていくっ! あっと、だがしかしベガも早いっ……! すぐ様、立ち上がって体勢を整えようとしていますっ!」

元「まぁ~、そんなに大きいダメージ与える技でもないからね……うん、でも早いね」


リュウ「……いくぜっ! はああぁぁっ!」ダダッ

ベガ「……クソがっ!」ムクッ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、起き上がったリュウはそのまま前方のロープ目掛けて一直線に向かっていくっ! しかし、ワンテンポ遅れて……ここで、ベガも立ち上がってくるっ!」

元「いやっ……! これはねぇ……起き上がりに合わせて、狙ってるんじゃないのっ……!?」

実況「おぉ~っとっ!」

728: 名無しさん 2015/12/24(木) 22:55:54 ID:0V6WQtH2
ベガ「お前達の好きにはさせんぞっ……!」クルッ

リュウ「いくぜ、ベガっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ

ベガ「……何ィ!?」


イケー! リュウー!

実況「振り返ってリュウの姿を確認するベガっ! おぉ~っと、だがしかしそこにリュウがもう突っ込んでいるっ! ロープの反動を利用して返ってきたリュウがもう突っ込ん来ているっ! そしてリュウはググッと拳を握ったぁ!」

元「よぉ~しっ! いってやれぇっ!」


リュウ「昇龍拳だっ……! はあああぁぁっ……!」ズガアァッ

ベガ「あぐっ……ぐおおおぉぉっ……!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そしていったぁ! リュウがここでいったぁ! ベガの顎を打ち砕くっ! 握った右の拳で打ち砕いていくっ! 」

元「いよぉ~しっ! 昇龍拳っ……! 決まったぁ!」

実況「昇龍拳っ! 昇龍拳ですっ! 昇龍拳っ! ベガの起き上がりに合わせて……リュウが完全に打ち込んでいったぁ! ベガはダウンっ! ダウンっ! ダーウンッ!」

729: 名無しさん 2015/12/24(木) 23:01:09 ID:0V6WQtH2
リュウ「こんなもんじゃ借りを返せたとは言えないが……渾身の一撃は、入れてやったぜっ……! さぁ、どうだっ……!?」

ベガ「ああっ……! ううっ……! く、くそっ……!」ゴロゴロ


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っとダウンしたベガは……そのままゴロゴロと転がって、場外へとエスケープっ! エスケープしていくゥ!」

元「いい一撃が入ったからねぇっ!? これで、もう大人しくしてるんじゃないのっ!?」

実況「再びリングに上がってきたベガでしたがっ……! ここはリュウの昇龍拳の餌食へとなったぁ! さぁ、ベガは再びベガは場外へと逆戻りっ! 逆戻りィ!」


リュウ「さぁ、よしっ……! 次は……」チラッ

ヤムチャ「へ、へへ……リュウさん、こっちですよ……こっちこっち……」

リュウ「……ああっ!」ササッ


実況「リング上からシャドルーが一掃されたぁ! 残るはバルログだけだっ……! そしてリュウは自軍コーナー、コーナーマットに座り込んでもたれかかっているヤムチャの姿を確認して……」

元「おっ、ヤムチャ君も戻ってたかっ!?」

実況「そして、ヤムチャの方へと近づいていくっ! 近づいていくっ! ここでリュウが自軍コーナーサイドへと戻っていきますっ!」

730: 名無しさん 2015/12/24(木) 23:06:01 ID:0V6WQtH2
リュウ「……さぁ」ググッ


実況「さぁ、自軍コーナーへと戻ったリュウは……ここでロープを潜り一度エプロンサイドへと出ますっ!」

元「よぉしっ!」


リュウ「今日は長い時間よくやってくれた……と、言いたい所だが……」

ヤムチャ「……んっ?」

リュウ「まっ……そういう事は、また後でだな……ホレ、タッチしろタッチタッチ……」ニヤニヤ


実況「さぁ、そしてエプロンサイドからリュウがヤムチャに向かって手を差し伸ばすっ!」


ヤムチャ「……うっすっ!」パシッ

リュウ「よしっ……! それじゃあ、後はゆっくり休んでろ……ここからは俺がいくぜっ……!」パシッ


実況「さぁ、そしてここでタッチですっ! 交代ですっ! 試合権がここで移りましたぁ! ここで試合権がヤムチャからリュウへと移りますっ!」

元「よぉ~しよしよしっ!」

731: 名無しさん 2015/12/24(木) 23:12:13 ID:0V6WQtH2
イケー! リュウー!

リュウ「ああっ……! いくぜっ……!」ガシッ


リュウー! リュウー!

実況「さぁ、そのままエプロンサイドからコーナーポストへと昇っていくリュウっ!」

元「色々、混乱する展開だったけど……いやぁ、頑張って立て直したよっ!」

実況「ええっ! 先程のリング上でのリュウがシャドルーをなぎ倒していく姿っ! 見ているこちらも痛快でしたよっ!」

元「それだけじゃないっ……! ヤムチャ君もよく粘ったっ! リング上でよく頑張ったっ!」

実況「そうですっ! ヤムチャも粘りましたっ! 混乱の中……耐えに耐え、粘りに粘り……ここまで、試合を持ってくる事が出来ましたっ!」

元「この状況の中……今日は二人共、凄くよくやってると僕は思うよっ!」

実況「やはり、空手軍団は……シャドルーの咬ませ犬ではないという事を、試合で証明すると言った所でしょうかねっ!? さぁ、そして今リュウがコーナーポスト上へと昇りきったぁ! 試合は立て直してきたっ! 立て直してきたっ! 再び空手軍団へと風が吹いてきているっ!」

740: 名無しさん 2015/12/25(金) 22:00:28 ID:wEPtrPOU
リュウ「さぁさぁ、狙うぜっ……! ほらほらほらっ……!」パンパン

ヤムチャ「俺は邪魔にならないように、引っ込んでおくか……」ササッ


リュウー! リュウー!

実況「さぁ、コーナーポスト上に昇りきり……大きく大きく手を叩くリュウっ……! ヤムチャもエプロンサイドへと引き下がるっ!」


バルログ「う、ううっ……くっ……」ググッ

リュウ「もっとだっ……! さぁ、もっと乗っていこうっ……! ほらほらっ……!」パンパン


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「リュウはバルログに狙いを定めながら、コーナーポスト上で場内を煽っていく、煽っていくゥ! さぁ、そしてここで今っ! バルログが動いたかっ!?」

元「よぉ~しっ! 狙え狙えっ!」

741: 名無しさん 2015/12/25(金) 22:10:23 ID:wEPtrPOU
バルログ「……くそっ!」ムクッ

リュウ「いっくぜえぇっ……! うおおぉぉっ……!」シュタッ


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「そしてバルログが起き上がってくるっ!」

元「いっけぇっ!」

実況「それと同時に……リュウが飛んだァ! コーナーポスト上から、バルログに狙いを定め……飛び込んでいったァ!」


リュウ「ミサイル竜巻旋風脚だああぁぁっ……! だああぁぁっ……!」ズガアァッ

バルログ「だっ……! ぐ、ぐわあああぁぁ……!」バターンッ


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「そしてっ……! ミサイル竜巻旋風脚っ! トップロープ上から飛び込みつつ、バルログに打ち込んでいく! 打ち込んでいくっ! おぉ~っと、バルログの身体が大きく吹っ飛んでいったぁ!」

元「さぁ、この流れのまま押し切っていこうっ!」

742: 名無しさん 2015/12/25(金) 22:16:56 ID:wEPtrPOU
リュウ「……よしっ!」シュタッ


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「さぁ、リュウはそのまま着地っ! リング上へと降り立ちますっ!」

元「押せ押せ、いけいけぇ!」


リュウ「さぁさぁ、声援もきてる事だし……スパートかけていくぜっ……! 寝てる暇はないぞ、バルログっ……!」ググッ

バルログ「ああっ……うっ……ううっ……」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、リュウはそのままバルログに近づいて……そして、バルログの身体を引き起こしていきますっ! バルログに休む暇を与えませんっ!」

元「ここでモタモタしてたらね、せっかくの流れが変わっちゃうかもしれないからねっ! そうです、押しましょう押しましょうっ!」

743: 名無しさん 2015/12/25(金) 22:26:39 ID:wEPtrPOU
リュウ「……はああぁぁっ!」ガシッ

バルログ「……くっ!」


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「そしてリュウは引き起こしたバルログの頭部を……脇に抱えるっ! 脇下へと抱え込んでいくっ!」


リュウ「いくぜっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

バルログ「う、うおおぉっ……!」


イケー! イケー!

実況「そしてバルログの身体を真っ逆さまへと抱え上げていくっ! 抱え上げていくっ!」

元「ブレーンバスターだっ!」

実況「見事な人間トーテムポール完成ィ! さぁ、リュウの頭上にバルログの身体が真っ逆さまにそびえ立つ!」

744: 名無しさん 2015/12/25(金) 22:38:03 ID:wEPtrPOU
リュウ「落とすぜっ……! だああぁぁっ!」ズドーン

バルログ「……ぐがあああぁぁっ!」


イイゾー! イイゾー!

実況「自ら後方へと倒れ込みながら、バルログの身体を背面からリングへと叩きつけていったぁ! ここはブレーンバスターっ! リュウのブレーンバスターっ!」

元「いよぉ~しっ!」


リュウ「まだまだっ……! こんなもので終わると思うなよっ……?」ガシッ

バルログ「う、うっ……くそっ……」


実況「おっとぉ……? バルログを後方へと叩きつけたリュウだが……? まだ、腕は離していないか……?」

元「あっ、本当だ。ロックしたままだね」

実況「リング上に両者が倒れ込んでいる状況ですが……おっと、リュウは依然バルログの頭部を捉えたままですっ! さぁ、どうするっ!?」

745: 名無しさん 2015/12/25(金) 22:47:53 ID:wEPtrPOU
リュウ「……うおおぉっ!」ググッ


オー! オーオー!

実況「おっと、リュウはバルログの首筋を捉えたまま……腰を高く上げていくっ! 足を天高く突き上げていくゥ!」

元「おっとぉ、ロコモーション式かっ!?」


リュウ「……それっ!」グルッ

バルログ「……うあっ」グルッ


オー! オーオー!

実況「そしてリュウは突き立てた腰を横に捻り、その反動で自身の身体とバルログの身体を纏めて回転っ! 仰向けだった両者が、うつ伏せに変わったっ!」

元「おぉっ!」


リュウ「さぁ、起きるんだ……バルログっ……!」ムクッ

バルログ「あ、ああっ……ううっ……」


リュウー! リュウー!

実況「そしてバルログの頭部を捉えたまま……リュウは立ち上がっていくっ! 立ち上がっていくっ!」

元「いいよいいよっ! そうやって間を空けずに、バンバンいこうっ!」

746: 名無しさん 2015/12/25(金) 22:54:40 ID:wEPtrPOU
リュウ「さぁ、いこうか……バルログっ……!」

バルログ「く、くそっ……醜き者がっ……!」


リュウー! リュウー!

実況「さぁ、リュウが再びバルログの身体をブレーンバスターの体勢で引き起こしたっ!」

元「よぉ~し、もう一発っ!」


リュウ「……少し、黙っていてもらおうか。それっ!」ドスッ

バルログ「……ぐっ!」ヨロッ


実況「おっと、ここで……リュウはバルログの頭部を脇に抱え込んだまま……その腹部に一撃ィ! 膝を打ち込んでいきますっ!」

元「まぁ、暴れて抵抗されちゃ困るからね」


リュウ「ここで……距離を取るっ……! そらっ……!」ドンッ

バルログ「……く、くおっ」ヨロッ


実況「あっ、おっとっ……!? リュウは捉えていたバルログの頭部から腕を離し……そしてバルログの胸を押すっ! 両腕で強く押し飛ばしていくっ!」

元「あらっ……? ロック外しちゃったよ。投げないのか?」

747: 名無しさん 2015/12/25(金) 23:00:17 ID:wEPtrPOU
リュウ「……さぁ、いくぜっ! バルログっ!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「あ~っと、見て下さい元さんっ!? リュウのあの構えっ……! あの構えはっ……!」

元「おぉ~っと、連続投げるより……更にキツいのが待ってたよっ!」

実況「リュウはその場で身体を横に大きく捻りながら構えるっ……! そしてそしてそしてっ……!?」


リュウ「真空竜巻旋風脚だああぁぁっ……!」ズガガガガ

バルログ「が、ががっ……! ぐっ……ががっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「その場でリュウが大回転っ! 大回転しながら、バルログに連続で蹴りを打ち込んでいくゥ!」

元「真空竜巻旋風脚だっ!」

実況「リュウがいったいったいったっ! 真空竜巻旋風脚っ! ここでいったぁっ! 真空竜巻旋風脚ですっ!」

748: 名無しさん 2015/12/25(金) 23:08:47 ID:wEPtrPOU
ヤムチャ「よしよし、これで……んっ……?」チラッ

ベガ「ああっ……ううっ……痛いのを喰らってしまったな……」ムクッ

ヤムチャ「ど、どうするっ……!? 起きたぞ……俺が食い止めにいくか……!?」

ベガ「チィ……全く……」フラフラ

ヤムチャ「あ、あれ……? 何処行くんだ……?」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リュウの真空竜巻旋風脚で……バルログを滅多打ちっ! 滅多打ちだぁ!」

元「あ~っ……! でも、場外でベガ君がまた立ち上がったよっ!? これ、また来るんじゃないのっ!?」

実況「あ~っとっ! ここで再びベガが起き上がりましたかっ!? ここはヤムチャに……んっ……?」

元「あらっ……? リングに入らないねぇ……?」

実況「おっとおっとおっと……? 場外でベガが起き上がりましたが……ベガはリング上に上がらず、そのまま大きく回って……移動していますっ!」

元「まぁまぁ、このタイミングで乱入しないのは……ありがたい事だけどねぇ……?」

749: 名無しさん 2015/12/25(金) 23:15:12 ID:wEPtrPOU
リュウ「……フィニッシュっ!」ズガアァッ

バルログ「……うぐああぁぁっ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リング上ではリュウが最後の一撃をバルログへと打ち込み、大きく大きくダウンさせました……がっ……!」

元「まぁ、ベガ君の動向でしょうねぇ」


ヤムチャ「リュウさん、リュウさんっ……! ベガが起きてますっ……! と、とりあえず気をつけて下さいっ……!」ビシッ

リュウ「……ベガか」チラッ


実況「さぁ、エプロンサイドのヤムチャもベガを指して、リュウに警戒するように伝えるっ! そして、リュウもベガの存在に気づくっ!」

元「まぁ、警戒は必要だね。ここまで散々やられてるんだから」

750: 名無しさん 2015/12/25(金) 23:19:39 ID:wEPtrPOU
ベガ「……はぁ」ウロウロ

リュウ「……ベガ」

ダン「もう、入れさせねぇぞ……レフェリー舐めるのも大概にしやがれっ……!」


実況「さぁ、場外をうろつくベガっ……! しかし、リング上のリュウは警戒していますっ! レフェリーを目を光らせていますっ!」

元「……油断は禁物だよ?」

実況「う~ん……しかし、ベガはリング上には目もくれず、淡々と場外をウロつきますっ……!」

元「あっ、わかったっ……! バイソン君の所行くんじゃない……? ほら、バイソン君、場外で伸びてるじゃん……?」

実況「あ~、なる程なる程……そういう事ですねっ!」

751: 名無しさん 2015/12/25(金) 23:24:58 ID:wEPtrPOU
バイソン「う、ううっ……」

ベガ「……フン」ウロウロ


実況「あ~っと、いやっ……! 違います違いますっ! ベガは……場外でダウンしているバイソンには目もくれず……その隣を素通りっ! 素通りですっ!」

元「仲間なんだからさぁ……? そこは助けてもいいんじゃ……あぁ、やっぱり試合権ないからダメだね」

実況「ベガはいったい何を考えているんでしょうかっ……!? さぁ、今ベガは我々放送席の前を通過して……」


ベガ「……これは、私の物だ。返してもらおうか」グイッ


実況「あ~っとっ! そして今ベガがっ……! 放送席に保管していた……チャンピオンベルトを……チャンピオンベルトを強奪しましたっ! 強奪しましたよっ!?」

元「ま、まぁ……落ち着きなさい……アレは一応、彼の物です……一応、チャンピオンだからね……?」

実況「しかし、元さんっ……!? ベガが乱入した時を、もう忘れてしまったんですかっ!?」

元「う~んっ……! まぁまぁまぁ……そうだけど……」

752: 名無しさん 2015/12/25(金) 23:31:18 ID:wEPtrPOU
ベガ「さぁ……充分に前座戦は盛り上がっただろ……もう、帰るか……」ウロウロ


実況「ベガがまたあのベルトを使って、リュウを……あらっ……?」

元「んっ……?」

実況「いやっ……ベルトを手にしたベガですが……相変わらず、リングには目をくれず……そのまま場外グルっと回っておりますっ!」


ベガ「これ以上続けると、次の試合に影響が出る……そいつはよくない……もういいもういい……私自らが助太刀してやったというのに、この体たらくとは……もうそこまでだ……」ウロウロ


実況「元さん……こいつはいったい……?」

元「……帰るんじゃないかなぁ?」

実況「帰るんですかっ!? しかし、このシャドルーが追い詰められているこの状況でですか……!?」

元「だから……サジを投げたんだよ。サジをね……」

760: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:01:03 ID:cbDNXyRE
リュウ「あいつ……」

ダン「んっ、なんだ……? あの野郎、帰るのか……? だったら、それでいいけど……」


実況「まぁ、ベガが帰るなら……ねっ……!? これで一安心と言った所でしょうかねぇ……!?」

元「あ~っと……でも、そうは言ってられない状況かも……」

実況「……んっ!?」


バルログ「ううっ……うっ……くそっ……!」ムクッ


実況「あ~っと、あっとあっとっ! ここでバルログが……バルログが起き上がってきてますかねぇ……!?」

元「ベガ君に気を取られてる場合じゃないかもしれないねぇ……!? バルログ君にも注意しないと……!」

実況「リュウは場外のベガの動きを目で追っていると言った所でしょうかねぇ!? バルログは見ていませんっ……! バルログの事は見ていませんっ……!」

761: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:08:42 ID:cbDNXyRE
バルログ「くそっ……くそっ……舐めやがって……」フラフラ


リュウー! リュウー!

実況「そしてバルログがフラフラと歩みを進め……リュウに近づいていくっ! 近づいていくゥ!」

元「あ~っ、あ~っ! もうベガ君の事はいいよっ……!」


バルログ「……ヒャオっ!」ガシッ

リュウ「んっ……? ああっ……!?」


実況「バルログはリュウの背後から近づいていって……そしてリュウの後頭部を掴んだっ!」

元「あ~っ! ちょっと、油断しちゃったかな~!?」


バルログ「このゴミがっ……! 喰らいなさいっ……! ヒャオっ……!」ズドーンッ

リュウ「しまったっ……! ぐ、ぐわああぁっ……!」


実況「バルログはそのまま前方へと飛び込みつつ……掴んだリュウの頭部をマットへと叩きつけていくっ! フェイスクラッシャーだっ! ここはフェイスクラッシャーっ!」

元「だぁ~っ!」

762: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:17:22 ID:cbDNXyRE
リュウ「う、ううっ……油断した……」

バルログ「バカめっ……! 甘く見ているからこうなるんですよ……ヒャオっ……!」ムクッ


実況「そしてバルログは立ち上がるっ……! リュウに背を向けた状態で……すぐ様立ち上がっていくっ!」

元「お~いおいっ……! 油断大敵だよっ……!?」


バルログ「ヒョオオォっ……!」クルンッ


実況「バルログはダウンしたリュウに対して……おぉ~っと、その場で後方宙返りをしつつ……!」

元「だぁ~っ!」


バルログ「ヒャオっ……!」ズドーンッ

リュウ「……うぐあっ!」


実況「のしかかっていくっ! その場飛びでの……ムーンサルト・プレスだっ! リュウの背中にバルログが落ちてきたぁ!」

元「あ~たたたたっ!」

763: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:25:29 ID:cbDNXyRE
バルログ「これで……これで……決着をつけますっ……! よっとっ……!」ガシッ

リュウ「……う、うおっと」ゴロン


実況「さぁ、リュウの背の上に覆い被さるように乗ったバルログは……おっと、ここでそのままリュウの身体を転がし、うつ伏せの状態から仰向けへとしていきますっ!」

元「お~いおいおいおいっ……!」


バルログ「さぁ、レフェリーっ……! フォールですよっ! 早くしなさいっ……!」

ダン「あ、ああっ……! お、おうっ……!」


実況「フォールに入ったっ! フォールに入ったぁ! リュウがベガに気を取られてる隙に……おぉ~っと、バルログが素早くリュウをダウンまで持っていったぁ! そしてここでフォールっ! さぁ、どうなるっ!?」

元「いやぁ、まぁまぁ……大丈夫だとは、思うけど……!」

764: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:33:58 ID:cbDNXyRE
ヤムチャ「俺がまだ残ってるのを忘れてるんじゃねぇぞっ……! うおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「ここは、エプロンサイドにいたヤムチャが即座にいきますっ! おぉ~っと、これはいい反応ですっ!」

元「そうそう、ヤムチャ君も生きてるからねっ!」


リュウー! ヤムチャー!

ダン「ワンっ……!」

バルログ「来てますね……勿論わかってますよっ……!」ムクッ

ダン「あ、あれっ……!?」


実況「ヤムチャはカットに走るっ……! あ~、いやいやっ……! ここはバルログ……リュウの身体に覆い被さっていましたが……フォールを自ら取り止め……立ち上がりますっ! 立ち上がっていきますっ!」

元「ありゃりゃっ!? 冷静だねぇ!」

765: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:39:05 ID:cbDNXyRE
ヤムチャ「あ、あれっ……!? カットしに来たのに……お前、やめるのか……!?」ピタッ

バルログ「どうせ続けていても、貴方の邪魔されるだけでしょ……?」ブンッ

ヤムチャ「ああ、それは……うん、そうだね……んっ……?」

バルログ「だから……貴方を始末してから、やり直させて頂きますよっ……! ヒャオっ……!」ズガァ

ヤムチャ「うげっ……! いってぇっ……!」バターン


実況「バルログは立ち上がり……そしてカットの為に突っ込んで来たヤムチャに対して、右腕を振りかざしていくっ! 振りかざしていくっ!」

元「あちゃ~っ! これは、誘われたのかな……?」

実況「バルログは落ち着いているっ! 冷静をフォールを取り止め……そして突っ込んで来たヤムチャを迎撃っ! ここでラリアットを打ち込んでいったぁ! ヤムチャはダーウンっ!」


ヤムチャ「あっ……うっ……痛ぇ……ちくしょう……」ゴロゴロ


実況「さぁ、ヤムチャはそのまま転がりながら……場外へとエスケープっ! 場外へとエスケープっ! ここでヤムチャが失われてしまいましたっ!」

元「いやぁ、バルログ君も粘るねぇ……!」

766: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:46:41 ID:cbDNXyRE
ベガ「あ~、あ~っ……疲れた疲れた……帰るか帰るか……」


実況「さぁ、絶体絶命、瀕死の状態から……シャドルーも盛り返してきましたかねぇ!? しかし、ベガはそんなリング上には目もくれず……あ~っと、今花道を引き下がってますねぇ……?」

元「今、ベガ君の事は……いいでしょ……?」

実況「しかし、元さんっ……! ベガはサジを投げたと言いますが、この状況なら……」

元「だから、いいってのっ! あの人は元々この試合にはいない人なんだからっ……!」


ベガ「フンっ……! お疲れさん……」スッ


実況「サジを投げるには少し早かったのではないかっ……!? あ~っと、ベガの姿が今っ……! ここで花道の奥へと消えていったぁ!」

元「だから、リングの中の実況をしろってのっ! リングの中のっ!」

実況「あ~、はいっ……! では、戻りましょうかっ!」

768: 名無しさん 2015/12/26(土) 22:52:57 ID:cbDNXyRE
バルログ「形成逆転とまでは、いってませんでしょう……どうせ、貴方もそこまで深いダメージは受けてないでしょ……? ねぇ、リュウ……?」

リュウ「あ~、痛てて……ちくしょう、油断したな……」ググッ

バルログ「だが……ヤムチャを消す事には成功しました……後は貴方に、より深いダメージを与えるだけです……」


実況「さぁ、リング上ではバルログがリュウの様子を伺い……立ち上がるのを待っている……と、言った所でしょうかねぇ!?」

元「なぁ~んか、狙ってる感じがするねぇ……!?」


リュウー! リュウー!

リュウ「だがっ……! まだまだだっ……!」ムクッ

バルログ「ヒョオオっ……! いきますっ!」ダダッ


実況「ここでリュウが立ち上がってくるっ……! だがしかしっ……! バルログはその起き上がるに合わせて、突っ込んでいったぁ!」

元「くあ~っ! な~に、狙ってるんだっ!?」

769: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:01:04 ID:cbDNXyRE
バルログ「ヒャオっ……!」シュルッ

リュウ「んっ……!?」


実況「リュウに突っ込んだバルログは……おっと、身体を捻りつつ飛び込み、腹這いの状態でリュウの腰回りを両脚で挟み込むっ! バルログはリュウに手押し車をされているかのような状態っ!」

元「おっと、これは……!」


バルログ「さぁさぁっ……! ここから、昇っていきますよっ……! ヒャオっ……!」バンッ


実況「バルログの上半身が重量によって落下するっ! だがしかし、バルログは両手でマットを強く叩き、バウンドっ! 落下した上半身に勢いをつけていくっ!」

元「おぉ~っとっ!」


バルログ「……ヒョオオォォォっ!」ググッ


実況「そして背筋も使い、身体を大きく大きくエビ反り状に反らし上体を上げていくっ! ここでバルログの上体がグングンと持ち上がっていくっ!」

元「こいつは……狙ってるねぇっ……!?」

770: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:08:23 ID:cbDNXyRE
バルログ「……ヒャオっ!」ガシッ

リュウ「……くっ!」


実況「バルログはリュウの頭部付近まで上体を持ち上げ……そして、後手でリュウの首筋を掴むっ!」

元「また、顔面狙いだっ……!」


バルログ「さぁ、叩きつけて差し上げましょうっ……! ヒャオっ……!」ブンッ


実況「ここでバルログは腰回り挟み込んでいた両脚のロックを外し、前方に漕ぐようにしながら勢いをつけていくっ!」

元「くあっ!」


バルログ「ヒョオオォォォっ……! んっ……?」

リュウ「……捉えたっ!」 ガシッ


実況「そのままリュウの身体を大きく大きく前方に……おぉ~っとっ!? おっとおっと!?」

元「おっ……!? 堪えたかっ……!?」

771: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:14:44 ID:cbDNXyRE
バルログ「くっ……くっ……! 何っ……! こいつ……!」

リュウ「惜しかったな……バルログっ……!」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っとっ! ここはリュウが堪えました、堪えましたっ! バルログの胴回りに手を回し……そして、踏ん張ってマットへ叩きつけられるのを、堪えていますっ!」

元「おぉ~っ! いいよいいよっ! パワー勝ちだっ!」


バルログ「くっ……こ、このっ……!」

リュウ「そらっ……! いくぜっ……! はああぁぁっ……!」ズドーンッ

バルログ「……ぐ、ぐわあああぁぁっ!」


オー! オーオー!

実況「リュウはそのまま、前方ではなくっ……! 後方へと倒れ込むっ! バルログの身体を……自身の後方へと落としていくっ!」

元「おぉ~、よしよしよしっ……! いいよ、いいよっ!」

実況「ここはリュウが返したっ! リュウが返したっ! バックドロップの形で……バルログの身体をマットへと叩きつけていったぁ!」

772: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:23:34 ID:cbDNXyRE
ワーワー! イイゾー! リュウー!

リュウ「……よしっ!」ムクッ


実況「さぁさぁ、ここでリュウが立ち上がるっ! 立ち上がってくるっ!」

元「流れは相変わらずきてるねぇ! いいよいいよっ!」


バルログ「く、くそっ……! しくじりましたか……」ムクッ


実況「あ~っと、しかしこの場面……バルログも粘るっ……! 必死に粘っていますっ! 即座に体勢を立て直し、今立ち上がろうとしていますっ!」

元「あ~っと、そこまでダメージはなかったのかな……? いや~、でも……」


リュウ「いくぜぇっ……! バルログっ……!」ダダッ

バルログ「くっ……! 何っ……!? もう来たかっ……!?」


オー! オーオー!

実況「しかしここでリュウがいくっ! リュウがいくっ! バルログに目掛けて一直線っ! 一直線に向かっていくっ!」

元「そうそうっ! 体勢立て直させるなっ!」

773: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:28:19 ID:cbDNXyRE
リュウ「うおおぉぉっ……!」ガシッ

バルログ「……くっ!」

リュウ「……そらっ!」シュタッ


実況「リュウはマットに片膝をついているバルログのその片膝の上へと飛び乗るっ……! さぁ、そしてそいつを踏み台にしつつ飛び込みながらっ……!」

元「おおっ!」


リュウ「側頭部に……喰らええぇっ……!」ズガアアァッ

バルログ「……う、うぐああぁぁっ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「バルログの側頭部へと膝蹴りを叩き込んでいったぁ! ここで決めたぁ! リュウがここで決めたぁ!」

元「よぉ~しっ! シャイニング・ウィザードっ!」

実況「リュウがここで決めたっ! ここで決めたぁ! シャイニング・ウィザードですっ! 閃光魔術っ! バルログの側頭部に強烈な一撃を打ち込んでいったぁ! バルログはダウンっ! ダウンダウンダーウンっ!」

774: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:38:06 ID:cbDNXyRE
ワー! ワーワー!

リュウ「……さて」ムクッ


実況「ここで、リュウは立ち上がり……少し、場外の様子を確認っ!」

元「あ~、そうだね」


バルログ「く、くっ……やべぇな……くあ~、ちくしょう……」


実況「リュウの視線の先には、バイソンと言った所でしょうかっ!? バイソンの様子を伺っていますっ!」

元「バイソン君も、そろそろ復活はするよね。でも……」


ヤムチャ「良からぬ事、考えてるんじゃねぇだろな……? 邪魔はさせねぇぞ……! うるあぁっ!」ガシッ

バイソン「……くあっ! なんだ、てめぇっ!?」


実況「ここは先程、場外に落とされたヤムチャが……リング外をグルっと周り、バイソンの元へとやってきていましたっ! そして、バイソンの身体にしがみつき、動きを止めますっ!」

元「そうそうっ! 抑えておこう、抑えておこうっ! 邪魔者は抑えておこうっ!」

775: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:45:42 ID:cbDNXyRE
バイソン「てめぇっ……! てめぇっ……! このクソが、離せよっ……! 苛めるぞ、この野郎っ……!」ガスガス

ヤムチャ「痛っ……! 痛っ……! リュウさん、もう決めちまって下さいっ……! そんなに持たないかもしれませんっ……!」


実況「抵抗していくバイソンっ……! だが、ヤムチャは離しませんっ! バイソンにガッシリと掴みかかっているっ!」

元「ここにきて、ようやくタッグ戦らしくなってきたよね!? 二対二の!」


リュウ「よし、わかった……決めてやるぜ……さぁ、バルログ……起きろっ……!」ググッ

バルログ「……う、ううっ」


実況「さぁ、ヤムチャがバイソンを封じている事を確認したリュウは……ここでバルログに近づいて、その身体を引き起こしていくっ!」

元「ここで決めないと、次に決めるチャンスいつになるかわからないよっ!?」

776: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:51:56 ID:cbDNXyRE
リュウ「……そらっ!」ググッ

バルログ「……くっ!」


イケー! リュウー!

実況「さぁ、リュウは引き起こしたバルログの身体を前屈みの状態にして……そして、その頭部を股下へと押し込んでいったぁ! パワーボムかっ! フィニッシュホールドはパワーボムかっ!?」

元「いよぉ~しっ!」


リュウ「うおおおぉぉっ……!」ググッ

バルログ「く、くおっ……!」


オー! オーオー!

実況「バルログの胴回りに両腕を回し、そして今リュウがバルログの身体を頭上まで抱え上げていったぁ! これで決まりかっ!? こいつで決まりかっ!?」

元「油断しちゃダメっ! バルログ君はここから返す技も持ってるんだからっ!」

777: 名無しさん 2015/12/26(土) 23:57:49 ID:cbDNXyRE
リュウ「終わりだああぁっ……!」ズドーンッ

バルログ「……く、くああっ」


ワー! ワーワー!

実況「いやっ……! 大丈夫だっ! リュウがバルログの身体を叩きつけたっ! マットに大きく大きく叩きつけたぁ!」

元「いよぉ~しっ!」


リュウ「さぁ、レフェリーっ……! カウントをっ……!」

ダン「オーケー、任せておきなっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「そしてそのままフォールの体勢っ! フォールの体勢ですっ! さぁ、今レフェリーが駆け寄ってきましたっ!」


バイソン「てめぇっ……! てめぇ、コラっ……! 離せよ、クソがっ……!」ガスガス

ヤムチャ「痛っ……痛ぇな、このっ……! けど、離さねぇよっ……!」


実況「バイソンの様子は……大丈夫そうだっ! ヤムチャがしっかりとリングインさせないように捉えているっ! そしてレフェリーによってカウントが取られますっ!」

778: 名無しさん 2015/12/27(日) 00:01:40 ID:hZXEUqRQ
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリイイィィっ!」

ワー! ワーワー!

ダン「スリーカウントだっ! スリーカウントっ! ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉっ!」


カンカンカーン


ワー! ワーワー! リュウー! ワーワー!

実況「決まったぁ! ここで決まったぁ! スリーカウントっ! スリーカウントですっ! リュウのパワーボムで、バルログをマットへと沈めましたっ! スリーカウントっ! スリーカウントですっ!」

799: 名無しさん 2015/12/28(月) 22:01:22 ID:N7xMg3zQ
リュウ「よしっ……! 俺達の勝ちだっ……!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「荒れに荒れた試合でしたが、終わってしまえばなんのそのっ! 勝利したのは空手軍団っ……! 空手軍団ですっ……!」

元「いやぁ~、よかったよかったっ!」

実況「さぁ、リュウはフォールを解き、そして……ガッツポーズっ! 力強い握り拳を見せてくれておりますっ!」


ヤムチャ「よし、終わった……」

バイソン「……今日は、いい所無しだからな。こんなもんじゃ俺は終われねぇ」

ヤムチャ「……んっ?」

バイソン「とりあえず……一発殴っておくぞ……? なっ……? オラァっ……!」ドゴォ

ヤムチャ「ぐ、ぐえええぇぇっ……!」

800: 名無しさん 2015/12/28(月) 22:07:48 ID:N7xMg3zQ
リュウ「前座戦……? ふざけてんじゃねぇっ……! これが本戦だっ……!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リュウのアピールは続く続くゥ! 場内に向けてアピール続けているっ!」


バイソン「……チィ、調子に乗りやがって」ササッ


実況「あ~っと、しかしここで……バイソンが場外からリングインしてきたぞっ! リュウっ……! 気をつけろっ!」

元「いやいや、まぁまぁもう試合は終わったんだから……」

実況「まぁ、そうではございますが……やはり、そこはバイソンっ! ここからまた一波乱起きても不思議ではないっ!」

元「う~ん、まぁそうなんだけどね……」

801: 名無しさん 2015/12/28(月) 22:17:16 ID:N7xMg3zQ
リュウ「おっと、バイソンまだやるのか……?」クルッ

ダン「おいおい……おいおいバイソン、てめぇ……」

バイソン「……うるせぇ。バルログちゃんの解放に来ただけだよ、ボケが」


実況「ここでリュウもリングに上がって来たバイソンの方を振り向く……がっ……! お~っと、ここはバイソン、そんなリュウには目もくれず、倒れているバルログに駆け寄っていきますっ!」

元「あ~、ほらほら。大丈夫じゃない。ちょ~っと、君は心配しすぎだよ」


バイソン「ヘイ、ヘイヘイ……バルログちゃん……聞こえるか……? 大丈夫か……!?」

バルログ「う、ううっ……申し訳ありませんでした……」

バイソン「なぁ~に、言ってんだゴラっ……! 気にすんなっ……!」

802: 名無しさん 2015/12/28(月) 22:22:17 ID:N7xMg3zQ
ヤムチャ「あ~たたた……ちくしょう、最後の最後で殴られちまったなぁ……」ササッ

リュウ「おっ、ヤムチャ……」


実況「さぁ、ここでヤムチャも合流っ! ヤムチャも合流っ……! ヤムチャが場外から、今リング上にやってきましたっ!」


バイソン「終わりだ終わりだ……フン……おぉ~い、バルログちゃん立てるか……?」

バルログ「ううっ……肩を貸して頂けますか……?」

バイソン「オーケー、オーケー……じゃあ、とりあえず場外に出ろ……退場まで肩貸してやるよ……」

バルログ「は、はいっ……」ゴロゴロ

バイソン「チィっ……! リュウ……ヤムチャ……この借りは忘れねぇぞ……覚えてろ……」ギロリ


実況「おっと、そしてバルログの意識も回復したか!? しかし、ダメージは多そうだっ! バルログは這いずるようにしながら……そして、転がって……リングから去っていきますっ!」

元「バルログ君とバイソン君も健闘はしたんじゃない……? でも、ちょっと及ばなかったね」

実況「バイソンは鋭い目つきでリング上のリュウとヤムチャを睨みつけているゥ!」

803: 名無しさん 2015/12/28(月) 22:31:49 ID:N7xMg3zQ
ヤムチャ「……なんだよ、まだやるのかこの野郎っ!」ギロリ

バイソン「……うるせぇ、もうやらねぇよ。バーカ」ササッ


実況「しかし、バルログがあの状態っ! いくら無鉄砲なバイソンでもこれ以上は続行不可能でしょうっ! バイソンは恨めしそうな目で両者を睨みつつも……ここで、場外へと去っていきますっ!」


バイソン「ヘイ、ヘイっ……! 今日の所は撤退だ……ほれっ……! ほれ、肩っ……!」

バルログ「ううっ……は、はい……お願いします……」ガシッ


実況「そして、場外でバイソンはバルログに肩を貸して……おぉ~っと、退場していきますっ! 今……シャドルーの両者が退場していきますっ!」

元「まぁ、大人しく帰ってくれて……これでいいんじゃない?」

実況「悪は去っていくっ! 悪は去っていくっ……! 本日の試合っ……! 勝利したのは空手軍団ですっ! 空手軍団っ……!」

804: 名無しさん 2015/12/28(月) 22:43:38 ID:N7xMg3zQ
リュウ「……レフェリー、マイクを」

ダン「おう。ほれ……」ヒョイ


オー? オーオー?

実況「おぉ~っと、そしてここで……リュウがマイクを受け取りました受け取りましたっ! レフェリーから、マイクを受け取りましたっ!」

元「……おおっ?」


リュウ「バルログっ……! バイソンっ……!」

バルログ「……んっ?」チラッ

バイソン「あぁっ……? なぁ~んだぁ~?」チラッ


オー! オーオー!

実況「そして、ここでリュウは退場していくバルログとバイソンに向けて……叫んだぁ!」

805: 名無しさん 2015/12/28(月) 22:53:20 ID:N7xMg3zQ
リュウ「試合前には、随分と意気込んでいたようだが……」

バルログ「……くっ!」

バイソン「……チィ、言わせておけ」

リュウ「……これが、結果だっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そうですっ! その通りですっ! これが結果ですっ! こいつが結果ですっ! 本日の試合……勝者は空手軍団ですっ! こいつは揺るぐ事のない結果でございますっ!」


リュウ「……ベガにも伝えておきなっ!」

バルログ「……」

バイソン「うるせぇ、うるせぇ……もう帰ろうぜ……帰ろう帰ろう……」


オー! オーオー!

実況「さぁ、リュウは続けるっ……! 続けていくっ……!」

806: 名無しさん 2015/12/28(月) 23:01:40 ID:N7xMg3zQ
リュウ「もうこの場にはいないみたいだが……今日の試合……なぁ……? 途中参加で、随分と楽しんでいったみたいじゃないか……だが、この結果だっ……!」

オー! オーオー!

リュウ「言っておけっ……! お前一人が加わろうが、大した問題じゃないってなっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「確かにっ……! 今日の試合にはベガがの乱入もありましたっ! 乱入もありましたっ!」

元「うん。殆ど、二対三……みたいな状況になってたからねぇ?」

実況「だがしかしっ……! それでも空手軍団は、退けましたっ! シャドルーを退けましたっ!」

元「ああいう状況を退けたって事はね……うん、ちゃ~んと念押ししておかないといけないよね」

807: 名無しさん 2015/12/28(月) 23:07:02 ID:N7xMg3zQ
リュウ「お前らの大将、ベガ様は……その程度の男なんだよっ!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リュウは続ける続けるっ! おぉ~っと、そしてここでベガの事をっ……!」

元「おぉ~、『その程度の男』扱いかぁ~」


リュウ「身の置き場……考えた方がいいんじゃないか……? なぁ、バルログ……バイソン……シャドルー……大丈夫なのかな……?」


ワー! ワーワー!

バルログ「……」

バイソン「言わせておけ……関係ねぇよ……シャドルーは無敵だ……」


実況「さぁ、リュウは続けていますが……バルログ、バイソンっ……! 一切耳を傾ける素振りを見せませんっ! あ~っと、ここでシャドルーの二人が……花道の奥へと消えていったぁ!」

元「二人は聞いてないみたいだけど……でもね……うん。この大将込みでの二対三の状況で敗北したという事実は……シャドルーに重くのしかかってくるんじゃないかなぁ?」

808: 名無しさん 2015/12/28(月) 23:17:48 ID:N7xMg3zQ
リュウ(メインも控えてる事だし……こんな物にしておくかな……)

ヤムチャ(うん。試合中は頑張ったとか、やってやったって自覚はあるけど……マイクアピールになると俺、なぁ~んにもしてねぇや……ただ突っ立ってるだけだわ……)


実況「さぁさぁ、リュウはバルログとバイソンが消え去っていった花道の奥を見つめていますっ……! そしてヤムチャもっ!」

元「まぁまぁ、聞く耳持たず……って言った所だったかな? うん」


リュウ「……レフェリー、それじゃあマイクを返すよ。勝ち名乗りを上げてくれ」ヒョイ

ダン「オーケー。お疲れさんっ……!」


実況「そして、ここでリュウは……レフェリーへとマイクを返していきますっ!」

元「まぁまぁ、色々とあったけどね……うんっ! いい結果になってよかったよっ!」

実況「そしてここでレフェリーによって、勝ち名乗りが上げられますっ! さぁ、繰り返しましょうっ! 本日の試合っ……! 勝利したのは空手軍団っ……! 空手軍団ですっ……!」

809: 名無しさん 2015/12/28(月) 23:21:50 ID:N7xMg3zQ
ワー! ワーワー!

実況「さぁ、場内に今、リュウのテーマが響きますっ!」


リュウ「……よし、退場するか」

ヤムチャ「……うっす」


実況「さぁ、そして……リュウとヤムチャが揃って退場していきますっ! 退場していきますっ! 第五試合……リュウ・ヤムチャ組対バルログ・バイソン組は荒れに荒れた試合となりましたが……勝利したのは空手軍団っ! 空手軍団っ!」

元「うん、いい結果だ」

実況「では、この試合を……再び、元さんと振り返っていきましょうかっ!?」

元「振り返るって言ったってねぇ……何処から振り返っていいのか……まぁ今日はね、ベガ君の乱入があって……非常に不利な状態から、この結果に持っていった。それが全てじゃないかなぁ?」

実況「まぁまぁ、リュウがリング上でマイクで言った発言……そのままではないですか!?」

元「まぁ、そうだけどね。あっ、でもね……? 僕、一つ気になるのは……」

実況「あっ、はい。どうぞどうぞ……」

元「やっぱり、乱入してきたベガ君の事だよね……だって、ベガ君……この試合の次に……試合控えてるんでしょ……?」

816: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:01:33 ID:McC7FTyI
実況「あ~、それは……はいっ! 確かにベガは試合を控えておりますねぇ!?」

元「しかも、ベルト戦でしょ?」

実況「はい、その通りっ! ベルト戦でございますっ! 対戦相手は、サガットっ!」

元「……大丈夫なのかなぁ?」

実況「まぁ、その辺りも含めて……王者の余裕っ! と、でも言えばいいのでしょうかねぇ……?」

元「う~ん……僕の考え、言ってみてもいいかな……?」

実況「あ~、はいはい。元さん、どうぞどうぞ」

元「僕はね、今の試合……えっと、このリュウ君達とバルログ君達の試合の事ね? 分はリュウ君達にあるとは、思ってたんだよ」

実況「はいはい」

元「6・4かな……? う~ん……それとも、7・3ぐらいかな……? まぁまぁ、とにかくそれくらいリュウ君達に分があると、睨んでたワケだよ」

実況「……つまり、その差を埋める為にベガが乱入してきたと!?」

元「あ~、いや……まだまだ……話には、まだ続きがあります」

実況「あ~、はいはい。どうぞどうぞ」

817: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:07:25 ID:McC7FTyI
元「実際、そういう分が悪い状態で試合望む事って言うのは、あります。でも、そういう時ってね……悪いなりにも、作戦ってのは用意してるもんなんだよ、普通はね……?」

実況「……はいはい」

元「奇策だったり……タッグの試合だったら、まぁ……連携攻撃なんかで攻めてみたりね……?」

実況「まぁ、そうなりますよね。相手の裏をかく……そういった事も、立派な戦略でございますっ!」

元「だから、多分……バルログ君とバイソン君も……そういった戦略……用意してきてたと思うんだよ」

実況「え~っと……ありましたかね……?」

元「……そこなんだよっ!」

実況「……おっと」

818: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:14:22 ID:McC7FTyI
元「この試合……まぁ、途中からぐっちゃぐちゃになっちゃったけど、一番最初の方覚えてる……? ど~んな感じで試合が進んでいったか覚えてる……?」

実況「え~っと、それはですね……」

元「僕の印象では、リュウ君とヤムチャ君……空手軍団が主導権を握って、シャドルーサイドからすれば、流れが一切掴めないような……試合だったとは、思うんだよ。これは、ベガ君が乱入してくる前までの話ね?」

実況「確かにっ……! 試合直後から、ベガの乱入までは……空手軍団が主導権を握り続けていたような印象でしたねぇ」

元「なんとか、バルログ君とバイソン君も、用意してきた策を出したい……だけど、流れが掴めない……それどころか、相手に連携攻撃とかされちゃって、もっともっと流れが悪くなっていっちゃう……」

実況「ほうほうほうほうっ!」

元「だから……見るに見かねて……ベガ君は乱入してきたんじゃないかな……? とは、思うんだよ……」

実況「ほ~うっ!」

元「だからねぇ……王者の余裕で乱入してきと言うよりかは……焦り……そういった感情で乱入してきたんじゃないかと、睨んでるよ?」

実況「ほうほうっ!」

819: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:21:38 ID:McC7FTyI
元「だって、王者戦控えてるのに……一つ前の試合で、ドンパチドンパチやらないでしょう? 連戦になっちゃうんだよ……?」

実況「でも、結果的には……ベガは乱入もしてきましたし……連戦と言う形には、なりますよねぇ?」

元「うん、そうだね」

実況「元さん、そうなってくると……この試合で大暴れして、スタミナを消費したベガ……確か、リュウの昇龍拳も喰らいましたよね……?」

元「……そうですね」

実況「そして、万全の体制で王者戦を控えているサガット……サガットは、乱入してきませんでしたからね。次は、この二人の試合が始まるというワケなのですが……」

元「そうなりますね」

実況「そうなってくると……ですよ……? これ、サガットにも勝算が生まれてくるのではないでしょうかねぇ……? シャドルーナンバー2がナンバー1の首を掻っ切る……そう言った可能性も出てくるのではないでしょうかっ!?」

820: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:30:07 ID:McC7FTyI
元「う~ん……どうなんだろうねぇ……? 途中でベガ君、帰っちゃったじゃん……? あれはね……これ以上続けると、次のサガット君との試合にまで影響が出る……と、考えたから帰ったんだと僕は睨んでるんだよ」

実況「ほうほうほうほう……」

元「こう……ふと、我に帰ったんじゃないかな……?」

実況「う~んっ……! なる程……」

元「勿論ね、余力は残してるとは思うよ。王者戦するだけの体力はね……? でも、ですよ……でもっ……!」

実況「はいっ……!」

元「これね、サガット君がベガ君を倒して……王者になる可能性……出てきたんじゃないかなぁ……?」

実況「まぁ、そうなりますよねぇっ……!? これ、サガットの勝利……目が出てきたんじゃないでしょうかっ!? ベルトの移動……あり得ますっ!」

元「ただ、ベルトが移動した所で……結局の所はシャドルーの手の中にあるのが、残念な所なんだけどね……」

821: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:35:19 ID:McC7FTyI
実況「いやっ……! お待ち下さい、元さんっ……!」

元「んっ……? どうしたの……?」

実況「これ、サガットがベルトを手にするとなると……これ、王者交代の他にも、もう一つ……シャドルーの構図が入れ替わってしまう事にもなりますっ!」

元「サガット君がナンバー1で……ベガ君がナンバー2になっちゃうかもね……」

実況「そうなってくると……今、シャドルーはこれベガの独裁主義によって、このストリートプロレスを荒す悪の軍団となっておりますが……」

元「はいはい」

実況「ベガによる独裁主義が終了する事になるのではないでしょうかっ!? サガットによる……民主主義の……シャドルー軍団が誕生する可能性だってあり得るのではないでしょうかっ!?」

元「えっ……!? サガット君は民主主義なの……? 違うでしょ」

822: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:42:46 ID:McC7FTyI
実況「そうなってくると、どうだっ……!? 大衆の意見を聞く事によって、悪事をせず……大衆の為に行動する、Newシャドルーが誕生するのではないでしょうかっ!?」

元「ないね……ないない……それはない……そういう人なら、そもそもシャドルーに入らないもん」

実況「元さんっ! 私が言ってるのは可能性の一つでありますよっ!」

元「……すんごぉ~い、小さい可能性だとは思うけどね」

実況「元さん、最初から諦める事はよくありませんっ! 希望というものはいつだってっ……! いつの日も、持っておくべきですよっ!」

元「いきなり、民主主義にはならないよ……でも、そうだね……サガット君がナンバー1になる事によって……今より、ちょ~っとマシなシャドルーになる可能性……ってのは、あるよね」

実況「……でしょっ!? そうでしょう!?」

823: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:50:02 ID:cxgqocvk
実況「そうなってくると、次の試合ですよ……これ、面白味も出てきたのではないでしょうか?」

元「そうかもね。ベルト戦と、シャドルーの頂上決戦みたいな所もあるからね」

実況「そして何より、ベガは疲労しているっ! 連戦へとなってしまいますっ! こいつは自らの首を絞めてしまったかっ!?」

元「ベルトはどっちに転んでもシャドルーという状況ではあるけど……まぁまぁ、そういう所もあるからね……うん、どういう結果になるか……うん、期待出来るかもね」

実況「さぁ、盛り上がってきた所ではございますが……ここで一旦CMっ! CMでございますっ!」

元「はぁい」

実況「さぁ、CMの後はメインイベントォ! ベガ対サガットっ! ベガ対サガットの王者戦っ! そして、ゲスト解説も来るぞっ! 今回のゲスト解説は豪華だぞぉ!」

元「引き続き、僕も解説していきます」

824: 名無しさん 2015/12/29(火) 22:59:02 ID:McC7FTyI
ーーー


プーアル「リュウさん、ヤムチャ様っ! お疲れ様でしたっ!」

ヤムチャ「お~、プーアル……お疲れお疲れ……どうだった……? 俺、バルログさんに上手くやられてたかな……?」

プーアル「……今はそれどころじゃ、ありませんよ、ヤムチャ様っ!」

ヤムチャ「そ、それどころっ……!? な、なんだよソレっ……! 大事な事だろがっ! 練習したんだぞっ! 沢山沢山、練習したんだぞっ……!」

プーアル「解説ですよ、解説っ……! その話は、また後にしましょうっ……!」

ヤムチャ「んっ……? ああっ……? か、解説……?」

プーアル「ほら、次の試合……ヤムチャ様も解説なんですから……ゆっくりしてる暇はないですよっ!?」

ヤムチャ「あ、ああっ……そっかそっか……そうだったそうだった……」

825: 名無しさん 2015/12/29(火) 23:06:34 ID:McC7FTyI
リュウ「……プーアル君、ケンは?」

プーアル「もう、先に行ってますっ! 後は、二人が合流するだけです」

リュウ「わかった、ありがとう……それじゃあ、ヤムチャ急ごう……急がないと試合が始まっちまう……」

ヤムチャ「は、はいっ……! わ、わかりましたっ……! で、でも俺……何にも言えないと思いますよ……!? 大丈夫ですかね……?」

リュウ「大丈夫、大丈夫っ……! 突っ立ってるだけでいいからっ……! お前には最初から期待してないって……! それは、最初に言っただろ……!」

ヤムチャ「期待してないって……はぁ~い……」

リュウ「お前は、試合だけしっかりしてたらいいんだよっ……! とにかく急げホラっ……! ついて来いっ……!」ドタバタ

ヤムチャ「は、はいっ……! じゃあ、行きましょうかっ……!え~っと……プーアル……また後でなっ!」」ドタバタ


プーアル「はぁ~いっ! リュウさん、ヤムチャ様っ! 頑張ってきて下さいねっ!」

837: 名無しさん 2016/01/04(月) 22:03:08 ID:rGqeZYwo
ーーー


実況「さぁ、いよいよメインイベントですっ! メインイベントォ!」

元「はいっ!」

実況「っと、その前に本日のメインイベントの……ゲスト解説をご紹介しましょうかっ! 本日のメインイベントは、なぁ~んとなんと、元さんの他にもゲスト解説の方が起こしになってくれましたっ! ゲスト解説は、こちらの方だぁ!」

ケン「はい、どうも。ケンだっ! よろしくなっ!」


キャー、ケーン

実況「そうですっ! 本日のゲスト解説は、空手軍団からケンさんが起こしになってくれましたぁ!」

元「いやぁ~、ケン君、よろしくね」

実況「いやぁ~、早速ですよ。早速……場内から、黄色い声援がこの本部席に飛んできておりますっ! この声援……少しばかり私にも分けて頂きたい物ですよっ!」

ケン「ありがたい話って言えば、ありがたい話ですけどね。でもやっぱり、こういうのは、試合の中で浴びるってのが……一番ですかね……?」

838: 名無しさん 2016/01/04(月) 22:10:04 ID:rGqeZYwo
実況「まぁ、そう言った物はね……今回は解説の方で、是非ともお見せになって下さいっ!」

元「そうそうそうそう。なぁ~んか、カックいい言い回しをね……一つ頼むよ……」

ケン「そんな事、言われましてもねぇ……こんな事言うのも失礼かもしれませんが、俺は今回の解説……実の所、あまり乗り気じゃないんですよ……」

実況「……あらっ!?」

元「これまた……どうして……?」

ケン「どうしてって……そんなの、ねぇ……? ベガと……サガットでしょ……?」

実況「まぁまぁまぁまぁ……確かにメインイベントは、ベガとサガットの王者戦ではありますが……」

ケン「どっちが勝っても、なんと言うか……この大一番でやるような試合なんですかねぇ……?」

実況「しかし、この一戦はシャドルーのねっ……!? 頂上決戦という事になるのではないでしょうかっ!?」

839: 名無しさん 2016/01/04(月) 22:20:01 ID:rGqeZYwo
ケン「頂上決戦ですか……頂上決戦なら、それなりの試合を見せてくれるんでしょうかね……?」

実況「見せてくれるでしょうっ!」

ケン「今日、ここに来たのはね……殆ど偵察みたいなもんですよ。大口叩いたシャドルーの二人が、メインでどんな試合を見せるのか……そいつを見物に来た。ただそれだけです」

実況「な~る程……偵察でございますかっ!」

元「まぁ、そうなるよね……相手の戦い方をじっくり見たら……何か次に戦う時の為の、糸口のようなものも見つかるかもしれないしね……?」

ケン「そういう事です、そういう事……まぁ、じっくりと拝見させてもらいますよ。そのシャドルー頂上決戦ってヤツをね……空手軍団揃って……」

実況「……おっとぉ?」

840: 名無しさん 2016/01/04(月) 22:26:52 ID:rGqeZYwo
リュウ「よ~し、ヤムチャ……ほら、あそこだ……」

ヤムチャ「急げ急げ……よしよし……」


オー、オーオー

ケン「お~、来た来た……ほれ、こっちだ……こっちこっち」

実況「おぉ~っと、おっとおっとっ!? 今、観客席の中を掻き分け……そして我々本部席の元にやってきたのはっ……!?」

元「おぉっ!?」

リュウ「……どうも」

ヤムチャ「……うっすっ!」

実況「なぁ~んと、我々本部席の元にやってきたのは……先程試合を終えたばかりの、リュウっ……! そしてヤムチャでありますっ……!」

元「お~、お~、続々と増えてきたねぇ……大丈夫、コレ……? テーブル足りる……?」

841: 名無しさん 2016/01/04(月) 22:35:28 ID:rGqeZYwo
実況「え~っと、ケンさん……これは……?」

ケン「まぁ、見ての通りですかね……? 今日は、シャドルーがメインの大一番をするんでしょ……? だったら、それがどの程度の物か……空手軍団総動員で、見させて頂きますよ」

実況「おぉ~っと、おっとおっとっ……! なぁ~んと、なんとケンさんの他にも……更にゲスト解説が追加されたぁ! こいつはこいつは……本部席が非常に豪華になってきましたっ!」

リュウ「……え~、お疲れ様です」

ヤムチャ「え~っと……これ……? これかな……? このマイクをつければいいのかな……? おぉ、リュウさんもう勝手につけちゃってるよ……」

元「……じっとしてなさい。僕がつけてあげるから。ねっ?」ササッ

ヤムチャ「あっ……お願いします……」

842: 名無しさん 2016/01/04(月) 22:45:30 ID:rGqeZYwo
実況「え~、それでは折角ですのでね……? リュウさんにもお話を伺っていくとしましょうか。先ずは、リュウさん……先程の試合、お疲れ様でございますっ!」

リュウ「はい、お疲れ様です」

実況「リュウさんも、これはケンさんと同じように、シャドルーの偵察……そういった事でよろしいでしょうかねぇ……?」

リュウ「そうですね、はい。ベルト賭けた大一番……そういう試合は、この目で見ておきたいですからね。映像ではなく、生でね……」

実況「そう言った意味で、この解説に足を運んだと! 試合を終えたばかりで、こういった解説席に足を運んで頂くという事は、我々としてはありがたい事なのですが……大丈夫でしょうか? 試合疲れ……みたいな物はね、大丈夫でしょうか……!?」

リュウ「試合を終えたばかりではありますが……まぁ、さっきの試合はね……ヤムチャが頑張ってくれたので大丈夫ですよ」

843: 名無しさん 2016/01/04(月) 22:56:46 ID:rGqeZYwo
実況「ヤムチャさんも、マイクの装着が完了しましたかねぇ? ヤムチャさんも、お疲れ様ですっ!」

ヤムチャ「えっ……!? は、はいっ……! お、お疲れ様ですっ……!」

実況「先程の試合……私もこちらで拝見させて頂きましたが、いやぁ~、非常にガッツ溢れるファイトを見せて頂きましたよっ!」

ヤムチャ「あ~、え~っ……それは……ありがとうございます……」

実況「ヤムチャさんも、試合疲れ……そういった物は大丈夫ですかねっ!?」

ヤムチャ「え~、それは……」

ケン「こいつはね、結構スタミナあるんですよ……ゾンビ的な所がありますね。だから大丈夫です」

実況「なる程っ!」

ケン「ただ、ちょ~っと不器用な所があるんでね……喋りの方は、あまり期待出来ないかもしれませんね。まぁ、そこ含めて経験ですよ……とりあえず、座れや。いつまで突っ立ってんだ、おいヤムチャ……」

元「ここ、ここ……ここ座りなさい……」ポンポン

ヤムチャ「あっ、はいっ……!」

844: 名無しさん 2016/01/04(月) 23:08:56 ID:rGqeZYwo
元「いやぁ、リュウ君とヤムチャ君が来て、なんだか賑やかになってきたねぇ。これテーブル二つじゃ足りないんじゃないかなぁ?」

実況「しかし、こうして空手軍団が全員集合で解説席に座るという事になりますと……これは、豪華ですよ元さんっ! なんだか、私も空手軍団の一員になったような気がしますっ!」

元「君は違うよ」

リュウ「メインイベントを務めるのは、俺達ではなくシャドルー……では、ありますが……」

実況「あっ、はいっ……! リュウさんっ……!」

リュウ「どれだけの物を見せれるのか……それを空手軍団全員で、ここから拝見させてもらうとしますよ」

元「こういうのってアレじゃない……? ベガ君と、サガット君も……ちょ~っと、プレッシャーになるんじゃないかなぁ……?」

実況「否が応でも、本部席にこの空手軍団が揃っている光景は、リング上のベガとサガットの瞳に映るでしょうからねっ! しかし、そんなプレッシャーに負けているようでは……王者戦は務まらないでしょうっ!」

リュウ「そろそろ、始まるんじゃないですかね……? さぁさぁ、俺達もしっかりと解説してやりますよ……今日は、辛口にいってやりますよ」

845: 名無しさん 2016/01/04(月) 23:17:55 ID:rGqeZYwo
ダン「ベルトを賭けたこの一戦……王者が初防衛に成功するのかっ……!? それとも、新たな王者が誕生するのかっ……!?」

ワー、ワーワー

ダン「さぁ、いよいよメインイベントっ……! 皆様、その目に焼き付けて下さいっ! 60分一本勝負でございますっ!」

ワー、ワーワー

ダン「先ずは挑戦者っ……! 不撓の帝王っ……! サガット選手の入場ですっ!」


実況「さぁ、いよいよメインイベントっ! メインイベントだぁ! それでは引き続き、元さんっ……! そして、空手軍団の皆様もよろしくお願いしますっ!」

リュウ「はい」


サガット「さぁ、メインイベントだ」


実況「先ずは、サガットっ……! 挑戦者のサガットが姿を現したっ! この一戦に勝てば、ベルトを手にする事ができ……そして、シャドルーナンバー1の称号もついてくるっ! さぁ、サガット……この一戦……どう見せるっ!?」

846: 名無しさん 2016/01/04(月) 23:25:01 ID:rGqeZYwo
実況「さぁ、今ゆっくりとサガットがリングへと向かっているっ……!」


サガット「……」


実況「さぁ、寡黙にリングへと真っ直ぐ向かうサガットっ……! 思えば、この一週間……王者戦へと向けて、サガットは様々な相手と戦い、この一戦に向けて準備をしてきましたっ!」

元「結構、シングルマッチ多かったんじゃない……?」

実況「シングルマッチでは、この一週間負けなしでございますっ……! ナッシュ・ガイル・ホークと続き……その度に圧倒的な力の差を見せつけてきましたっ!」

元「問題は、このベガ君相手にそのシングルマッチの強さが発揮出来るかどうかだね……?」


サガット「……よし」ググッ


実況「さぁ、新たな王者が誕生する事になるのかっ……!? さぁ、サガットがリングインっ……! 今、リングインしますっ! さぁ、先ずはサガットがリングに現れたっ!」

847: 名無しさん 2016/01/04(月) 23:32:10 ID:rGqeZYwo
ダン「続きましては……闇をまとう魔人……王者、ベガ選手の入場ですっ……!」

ベガ「さぁ、メインイベントだ……相手はサガットだ……」


実況「さぁ、続いて……王者、ベガの名がコールされますっ! そしてベガが花道の奥から姿を現したっ! 闇から魔人が姿を現したぁっ!」


ベガ「どうした、どうした……? メインイベントなんだ。もっと盛り上がったらどうなんだ……? 王者の試合なんだぞ……? ホラ、このベルトが目に入らんのか……?」ググッ


ブー、ブーブー

実況「おぉ~っと、ベガはベルトを掲げ、場内へと見せつけていきますっ! しかしっ……! 返ってくるのは、声援ではなく……ブーイングだっ!」

元「まぁ、ここまでファンに支持されてない王者ってのは……珍しいね……」

リュウ「本当は、俺達がなんとかしないといけないんですけどね……」

元「う~ん……まぁ、そうだね」

857: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:03:44 ID:MK0AfdyI
ベガ「ほらほら、ゴミクズ共……王者を讃えろ……讃えるのだ……」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、今ベガがベルトを見せつけるようにしながら……入場しておりますっ! ゆっくりと入場しておりますっ!」

リュウ「……」

実況「だがしかしっ……! その嫌味ったらしい態度に、返ってくるのは声援ではなくブーイングっ! ブーイングでありますっ! やはり、この辺りが……支持されていない王者と言う事なのかっ!?」

元「まぁ、シャドルーの大将なんかがベルトを持ってちゃいけませんよ。ねっ、リュウ君……?」

リュウ「……そうですね」

実況「こいつが……ベガにとっての初防衛戦でありますっ! 相手はサガットっ……! さぁ、ベガはゆっくりと歩みを進め……そして、今リングイーンっ!」

858: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:10:31 ID:MK0AfdyI
ベガ「まぁ、一つ胸を貸してやるとするか……なぁ、サガット……?」

サガット「……」

ベガ「ん……? なんだなんだ、緊張してるのか……? リラックスしろ、サガット……リラックス~」ニヤニヤ


実況「さぁ、リング上に両者が出揃いましたっ! サガットは変わらず寡黙な表情でベガを見ていますっ! おっと、そして……ベガは……? 笑っているのかっ……!?」

元「う~んと……表情からは余裕が見えるねぇ……?」

実況「笑っておりますっ……! ベガは笑っておりますっ! ベガは余裕の表情だっ!」


ダン「ベルト持ったままじゃ、試合出来ねぇだろ……? ほれ、預かっておくよ。寄越せ……」

ベガ「……フン、さっさとしろ」ササッ


実況「さぁ、そしてここで一度、チャンピオンベルトの返還が行われますっ!」

859: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:14:48 ID:MK0AfdyI
実況「さぁ、いよいよですっ……! いよいよメインイベントっ……! サガット対ベガの王者戦でありますっ! いよいよこれから、開戦ですっ! それでは元さんっ……! 元さんは、この試合どう予想されるでしょうかっ!?」

元「う~ん、そうだねぇ……折角だからさぁ……? 僕じゃなくて、リュウ君に聞いてみようよ」

実況「おぉ~っとっ……!」

元「リュウ君は、この試合……どう予想するかな……?」

リュウ「……そうですね」

実況「そうですねっ! 本日はゲスト解説が非常に豪華でありますっ! こんな機会はまたとないのですから、リュウさんに伺っていくとしましょうかっ!? では、改めましてリュウさん……! この試合……どう予想しますかっ……!?」

リュウ「え~、そうですね……先ず、サガット……」

実況「はいっ!」

860: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:22:41 ID:MK0AfdyI
リュウ「サガットとベガを比べると、サガットがベガより上回っている点……というのは、やっぱり見ての通りパワーですね」

実況「そうですねぇ! サガットは非常に大柄でありますっ……!」

リュウ「ここ最近のシングルマッチを見てるとやはり、力比べから押し込んで……そのまま、どんどん自分のペースに持ち込んでいく……そういった展開が多かったですからね。そういう事が、サガットの性分だとは思っています」

実況「……なる程っ!」

リュウ「ですから……ベルトを取りたいのなら、自分の得意なパワーに勝負に持ち込んでいく……そういった事が重要視されるのではないでしょうか……? アイツのパワーには、自分もよく苦戦していますしね……」

実況「なる程っ! パワー勝負に持ち込む事が、サガットにとってのポイントだとっ!」

元「そうだね、うん。僕も同意見かな?」


ヤムチャ(お~、お~……リュウさん凄ぇなぁ……やっぱり解説も出来るんだなぁ……)

ケン(……別に難しい事、なぁ~んにも言ってねぇけどね)

861: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:31:23 ID:MK0AfdyI
実況「では、対するベガっ……! ベガからすれば、どのように挑んでいくべきでしょうか……!?」

元「リュウ君、どうぞ」

リュウ「確かに、先程サガットにはパワーがあると言いました。しかし、それ以上のパワーファイター……具体例を出すと、ザンギエフ選手ですね」

実況「はいはいはいっ!」

リュウ「ベガは、パワーファイターというタイプではありませんが……それでも、サガット以上のパワーファイター……ザンギエフ選手から、奪取しています」

実況「確かに、そうですねぇ……このチャンピオンベルトっ……! ベガが手にしたのは、あの赤きサイクロン、ザンギエフからでしたっ!」

リュウ「敢えて、サガットが上回っている点から説明させて頂きましたが……それでも……ベガに分があるんじゃないかと、睨んでいます。そうですね……相手の裏をかく戦い方が得意と言うか……少なくても、何らかの策は持っているだろうと思います」

実況「なる程っ……! 確かに、そういうファイトスタイルがベガの性分と言いますか……こう、気がつけばいつの間にかベガのペースになっている……なんて事も、多々見られますからねぇ……!?」

リュウ「そうですね、はい」

862: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:37:06 ID:MK0AfdyI
元「う~ん……僕はね……?」

実況「おぉ~っと、元さんどうなされました……?」

元「……案外、五分五分の勝負じゃないかって睨んでるんだよ」

実況「おぉ~っと、ここは……リュウさんと元さんの読みが違いますっ!」

元「と言うのも、僕は一種のハンデ戦……みたいな物と睨んでいるからね」

リュウ「……ハンデ戦ですか?」

元「これは、さっきチラッと話したんだけど……ホラ……ベガ君は、さっき君達の試合の時に乱入してきたじゃない……?」

リュウ「そうですね。いい流れで試合を進めていたのに、少し水を差された部分もありましたね……」

元「まぁまぁまぁ、それでも勝てたんだから、オッケーだよ」

863: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:46:35 ID:MK0AfdyI
元「あの騒動の一件で……僕はベガ君は今、スタミナが少し減った状態だと思うからね。ある意味、これは連戦だよ。そんなに急に回復はしない。そして、連戦は辛い」

リュウ「……なる程」

元「この辺りが僕が考える、ハンデ戦って理由だよ。万全の状態で挑めるサガット君と……連戦になるベガ君だ……」

実況「その予想結果が……五分五分と言うワケですねっ!?」

元「まぁ、そうだね。僕は、リュウ君の予想程、ベガ君に絶対性はないと思う。サガット君の予想に関しては同感……だからサガット君が自分のペースで……自分の得意な分野でガンガンガンガン攻めていけば……」

実況「はいっ!」

元「これは、王者交代もあり得る試合になると思います」

実況「な~る程っ! 元さんは、そう言った読みのようですっ!」

864: 名無しさん 2016/01/05(火) 22:54:13 ID:MK0AfdyI
ダン「よ~し、そろそろ始めるぞ……!? 準備はいいなっ……!?」

ベガ「いつでもどうぞ……」

サガット「……」


実況「おっと、リング上ではベルト返却が終わり……そして、タイトルマッチ宣言が行われたようですっ! そろそろかっ……!? そろそろ始まるかっ……!?」

元「まぁまぁ、この王者戦がどういう風になるか……ここでじっくりと見守ろうよ、リュウ君……」

リュウ「そうですね」


ダン「よぉ~しっ! それじゃあ……ゴングを鳴らせっ! ゴングをよぉっ!」


カーンッ


実況「さぁ、そして今戦いの鐘の音が響き渡ったぁ! こいつがメインイベントっ! ベルト防衛戦っ! そしてシャドルー頂上決戦っ! 開幕ですっ! 今、開幕ですっ! サガット対ベガっ! 今、スタートですっ!」

865: 名無しさん 2016/01/05(火) 23:03:02 ID:MK0AfdyI
実況「引き続き、実況・解説はこの私とそして元さんっ! さらに、空手軍団の皆様でお送りしていきますっ!」

元「はいっ!」

リュウ「お願いします」

ケン「よろしくっ!」

ヤムチャ「はいっ!」


ベガ「……フフ」スーッ

サガット「……」スーッ


実況「さぁ、ゴングと同時に両者が動きだすっ! しかし、ここは……? 先ずは相手の出方を伺う……と言った所か!? 互いに、少々距離を取り……そしてリング上をグルっと円を描くように移動しながら……先ずは様子を見ているっ!」

元「おっと、意外と慎重な立ち上がりなんだね?」

リュウ「そうですねぇ……」

866: 名無しさん 2016/01/05(火) 23:07:11 ID:MK0AfdyI
ベガ「……フフ」スーッ

サガット「……」スーッ


実況「予想と裏腹に、静かな立ち上がり……と言った所かっ!? 両者が様子を伺うっ……! 静かに相手の様子を伺うっ……! さぁ、まだ両者は距離を取ったままだっ!」

元「まぁ、最初の一手ってのは慎重になるもんだからね」

リュウ「そうですね」

ケン「これは……でも、サガットからしたら、もうとっとと攻めちまった方がいいんじゃないですかね……?」

実況「おぉ~っと、ケンさんっ!?」

ケン「いや、だって……ベガがスタミナ減ってるんだったら……これは、開幕からじっくりやるよりかは……一気に仕掛けた方がいいんじゃないですか……? 俺ならそうしますよ……?」

実況「え~、どうなんでしょう……? 元さん……?」

元「まぁ、そういう考え方もあるよね……うん……」

867: 名無しさん 2016/01/05(火) 23:12:44 ID:MK0AfdyI
ベガ「……フフ」スーッ

サガット「……」スーッ


実況「さぁ、両者はまだ様子を伺っているっ!」

ケン「サガットの奴……大将のベガに牙をむく事に……抵抗があるんじゃないですか……?」

実況「お~っとっとっと……ケンさんの辛いコメントが続きますっ!」

元「まぁ、サガット君からしたら、やり辛い部分はあるかもしれないね」

ケン「情けねぇ試合……これでいいのかね……?」

リュウ「ケン……まだ、始まったばかりだ……」

ケン「おっと、失礼」

実況「サガットからすれば、ベガ相手と戦うのはやり辛い部分もあるのかもしれませんが……だがこれは王者戦っ! 遠慮など無用だっ! しかし、両者はまだ様子を伺い続けているっ!」


ヤムチャ(俺だけ何も言ってねぇなぁ……う~ん、でも……無理しない……無理はしないぞっ……!)

868: 名無しさん 2016/01/05(火) 23:17:30 ID:MK0AfdyI
ベガ「なんだなんだぁ……? 遠慮をしてるのか、サガット……そういう事なら……」ピタッ

サガット「……ぬっ?」

ベガ「ほれ……私から、誘ってやろう……? ほれ……ほれ……」スーッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、ここでベガが……足を止め……」

元「……おっ?」

実況「そして、ベガは中腰となり……おっとぉ、サガットに向かって右手を差し伸ばしますっ!」

リュウ「……ベガから誘いましたね」

実況「互いに様子見の膠着状態が続いておりましたが……それを打ち破ったのは、ベガっ……! ベガですっ……! ここは先ず、ベガが仕掛けていくっ!」

869: 名無しさん 2016/01/05(火) 23:22:56 ID:MK0AfdyI
ベガ「ほら、ほら……誘いに乗ってこいよ……? こいよ、サガット……」クイクイ

サガット「……」


実況「さぁ、サガットに向かって右腕を伸ばし、そして指先をクイクイと動かし誘っていくベガっ!」

元「さぁ、サガット君はどうする?」


サガット「……よし」スーッ


実況「おぉ~っと、ここでサガットも動いたっ! ベガと同じように中腰の体勢になり、そしてベガの右腕に……自身の左腕を伸ばしていくっ! ここはサガットが誘いに乗った形だっ!」

リュウ「力比べですかね……? これならサガットの方が、少しばかり優位にいけるんじゃないですかね……?」

実況「さぁ、ここでようやく試合が動き始めたかっ!? 先ずは互いの力比べからと言った所かっ!? さぁ、ベガの右手とサガットの左手が今、触れ合うっ!」

870: 名無しさん 2016/01/05(火) 23:27:29 ID:MK0AfdyI
ベガ「……そぉらっ!」ブンッ

サガット「……おっと」ググッ


実況「おぉ~っと、ここは先にベガが仕掛けたかっ!? 自身の右腕にサガットの注意を引きつけつつ……左腕を伸ばし、サガットの首筋を掴もうとするっ!」

元「おっ」

実況「しかしサガット、首を後方に逸らして、それを避けていくっ! ベガの左腕は空を切るっ……! 首を捉えさせないっ!」


ベガ「おいおい……どうしたどうした……随分と逃げ腰じゃないか……? ほら、来いよ……?」クイクイ

サガット「……」スーッ


実況「さぁ、変わらず右手の指先をクイクイと動かしながらサガットを誘っているベガっ! さぁ、そしてサガットもその手に自身の腕を伸ばすっ! 静かな攻防だっ! 静かな攻防が始まっているっ!」

元「こういう試合もするんだね。あの二人って……」

ケン「……俺達の時は一切しませんけどね」

871: 名無しさん 2016/01/05(火) 23:31:59 ID:MK0AfdyI
実況「これは、いわゆるシャドルー同士……フェアな試合をしようと言った所なのでしょうか……?」

元「う~ん、そうかもしれないねぇ……」

実況「さぁ、そして再びベガとサガットの指先が触れ合ったっ!」


ベガ「……今度は逃さんっ! ほれっ!」ガシッ

サガット「……おっとっ!」ガシッ


実況「おぉ~っとっ! ここでベガが再びサガットの首筋に左腕を回すっ! そして今度は捉えるっ! サガットの首筋を掴んだっ!」

元「お~っと」

実況「しかし、サガットも同じようにベガの首筋に腕を回し、組みかかっていくっ! ロックアップっ! リング中央で両者が組み合ったっ! ここは力比べかっ!? それともレスリング・スタイルへと移行するのかっ!?」

875: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:01:59 ID:DsL6POGk
ベガ「先ずは力比べといこうか……フンっ……!」ググッ

サガット「……おおおぉぉっ!」ググッ


実況「おぉ~っと、どうやらここは力比べのようだっ! リング中央でガッツリと組み合った両者が互いに力を込めあっていくっ!」

元「ほ~う、サガット君相手に……力比べを挑むってワケか……」


サガット「……おおおぉっ!」ググッ

ベガ「……おっと」ジリッ

サガット「……ごおおぉぉっ!」ググッ

ベガ「くっ……やはり、パワーはあるようだな……」ジリジリ


実況「そうですねぇ! サガット相手に力比べを挑んだベガですが……」

元「うん」

実況「やはり、パワーではサガットの方が勝っているのかっ!? おっと、ここはベガが一歩押し込まれ後退っ……! おぉ~っと、そしてまた一歩……また一歩と押し込まれていくっ!」

876: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:10:12 ID:DsL6POGk
サガット「おおおぉぉっ!」ググッ

ベガ「う、うおっと……やるではないか……」ジリジリ


実況「さぁ、目一杯力を込めてベガの身体を押し込んでいくサガットっ……! おぉ~っと、ベガの身体がどんどんとロープ際へと押し込まれていくぞっ!? どうですかね、リュウさん?」

リュウ「この辺りは、サガットの得意分野ですからね」


サガット「おおおぉぉっ……!」ググッ

ベガ「くっ……おぉ~っと、もういいもういい……わかったわかった……ロープブレイクだ……ホレ、離せ……」スーッ


実況「ベガの身体がどんどんと押し込まれ……おぉ~っと、そしてここでベガの身体がロープまで押し込まれたぁ!」

リュウ「まぁ、こういう結果にはなると思います」

実況「しかし、ロープにその背が触れた事によって……ここはロープブレイクとなりますっ! おっと、ここでベガは両手をスッとあげ……ロープブレイクっ! ロープブレイクをアピールしていきますっ!」

877: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:15:54 ID:DsL6POGk
ベガ「いつまで掴んでいる……ホレ、ロープブレイクだ……ルールは守れ……おい、レフェリーっ……!」

ダン「お、おうっ……! わかったっ……! 一旦、仕切り直しだなっ!」


実況「さぁ、ベガはロープブレイクをアピールしているっ! さぁ、今レフェリーやって来て……両者の間に割って入りますっ!」


ダン「おい、サガットっ……! 離せっ……! 仕切り直しだっ……! 一旦、仕切り直しっ……!」

サガット「……わかった」サッ

ベガ「……そうそう、それでいい」


実況「さぁ、ここでサガットがベガを首筋を掴んでいた両腕を離しますっ! ここはロープブレイクっ! ロープブレイクだっ!」

元「まぁまぁ、こういう力比べを続けていたら、サガット君にも勝算はあるんじゃない? ここは一旦、仕切り直しだけどね」

878: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:24:28 ID:DsL6POGk
サガット「……」ジーッ

ダン「何、ボーっと突っ立ってんだっ! 仕切り直しって言ってんだろがっ!? リング中央に戻れっ!」


実況「さぁ、サガットはベガの様子を伺いながら……あぁ~っと、しかしレフェリーはリング中央に戻るようサガットに警告しているっ!」

元「まぁ、ここは仕切り直しだ」


サガット「……わかったよ」ジリッ


ブー、ブーブー

実況「さぁ、ここはレフェリーの指示に従い、視線はベガから外さずに一歩後退するサガット……おぉ~っと、どうしたっ!?」

元「……あらっ?」


ブー、ブーブー

サガット「……んっ?」キョロキョロ

ダン「……なぁ~んだぁ?」キョロキョロ

879: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:35:00 ID:DsL6POGk
ブー、ブーブー

実況「ここで、場内からブーイングっ! ブーイングでございますっ!」

元「え~っ、これブーイングするタイミングかね……?」キョロキョロ

ケン「そりゃ、ブーイングするのも当然でしょう」

実況「おぉ~っと、ケンさん、どういう事でしょうか!?」

ケン「普段のサガットだったら、あ~んなロープブレイクの指示にあっさり従いましたかね……? 従わないでしょ……? そんな指示無視して……ベガの胸元に、一撃ぶち込んでるでしょ?」

実況「う~ん……まぁ、そうなるんですかねぇ……?」

元「……まぁ、否定は出来ないね」

ケン「それなのになんだ……? あっさりと従いやがって……普段はルール無用でやってる癖に……ベガ相手だったら、ルールを守ってお利口に戦いますよ……ってか……?」

実況「う~ん……しかし、これは王者戦なのですから、やはりフェア精神を持って……」

ケン「フェア精神……? ふざけんなっ! シャドルーの何処にフェア精神があるってんだよっ! 身内だからって、手ェ抜いてんじゃねぇよ、バカがっ!」

880: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:42:33 ID:DsL6POGk
リュウ「……まぁまぁ、ケン」

実況「おぉ~っと、少々ケンさんがご立腹っ……! ご立腹でありますっ!」

元「まぁまぁまぁ……そうだよね。普段、ケン君達はああいう状態からバチーンとやられてるからね……?」


ブー、ブーブー

サガット「何故、俺にブーイングを飛ばすんだ……コイツらは……」キョロキョロ


実況「しかし、この場内の反応……これはサガットも予想外と言ったと所かっ!? おぉ~っと、辺りを見回し……戸惑っていると言った感じですかねぇ?」

ケン「だから、そもそもおめぇはそんな事気にするようじゃ奴じゃねぇだろが、ホレ、いけっ! ベガ相手だろうが、ガツンといけや、オラっ!」

元「まぁまぁまぁ、ケン君落ち着いて……」

ヤムチャ(お、おおっ……ケンさん喋るなぁ……で、でも俺は無茶しない……無茶しないぞっ……!)

881: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:49:27 ID:DsL6POGk
サガット「チィ、やり辛いなぁ……」キョロキョロ

ベガ「何故、ブーイングが起きたか……わかるか……? サガット……?」スッ


実況「この辺り、本日の場内の反応が特殊でありますっ! ルールに従ったクリーンなファイトをしたはずなのに……場内からはブーイングが飛び交うっ!」

元「だからまぁ……ケン君も言ってるけど、普段の行いが行いだから、こうなるんだろうね……」

実況「さぁさぁ、ここで……ロープにもたれかかっていたベガも身体を起こし、体勢を立て直したっ! そして、一歩サガットへと近づくっ!」


ベガ「教えてやろう、サガットっ……! それはっ……!」ググッ

サガット「……んっ?」

ベガ「お前にルールなどに縛られている大馬鹿だからだぁ……! ふぬあぁっ……!」ズガァッ

サガット「……おぐっ!」ヨロッ


実況「おぉ~っと、おっとおっとっ!? ここでベガが大きく右腕を振りかざし……!」

リュウ「……おっ」

実況「そして、サガットの額へとナックルパートっ! ナックルパートっ! 不意打ち気味の一撃ィ! サガットの額に拳を打ち込んでいったぁ!」

882: 名無しさん 2016/01/06(水) 22:53:48 ID:DsL6POGk
オー! オーオー!

サガット「……くおっ」フラッ

ダン「ちょ、ちょっと待ておいっ……! 拳は反則だろうがっ……! 拳はっ……!」

ベガ「勿論、知っている……だが、私には関係ない……さぁ、まだまだいくぞっ……!」ググッ


実況「大きくフラつくサガットっ! 慌ててレフェリーも警告するっ!」

元「おぉ~っと、拳は反則だよっ!」

実況「だが、ベガは気にする素振りなど一切なしっ……! おっと、そして再び右腕大きく振りかぶったぁ!」


ベガ「そぉ~らっ……! 容赦はせんぞっ……! ふぬあぁっ……!」ズガァッ

サガット「……ぐおっ」ヨロッ


オー! オーオー!

実況「そしてもう一撃ィ! サガットの額へとナックルパートォ! ベガは拳を打ち込んでいくっ!」

ケン「ほらほら、それでいいんだよ。仲間だろうが、関係なしにいつもみたいに暴れろや。そっちの方が盛り上がってるじゃねぇかよっ!」

元「そうだけどさぁ~? でも反則じゃん……?」

883: 名無しさん 2016/01/06(水) 23:03:02 ID:DsL6POGk
ベガ「ハーッハッハッハっ! 間抜けがぁ……私は遠慮はしない……遠慮はしないぞサガットっ……!」ググッ

ダン「だから、拳は反則だってのっ……! 聞いてんのか、おいっ……!」


実況「さぁ、連続で打ち込んでいくベガっ! おぉ~っと、そして今度はその突き上げた拳を場内に見せつけるようにしながら……」


ベガ「……寝てろぉっ! この大馬鹿者がぁ!」ズガアァッ

サガット「ぐ、ぐわあああぁぁ……!」バターン


オー! オーオー!

実況「止めの一撃と言わんばかりに、サガットの額目掛けて拳を振り抜いていったぁ! そして、サガットはダウンっ! 大きくダーウンっ!」

ケン「サガットの野郎……格好つけてるからこうなるんだよ……」

実況「シャドルー同士の試合……サガットはフェアなファイトをしようとしていたのかもしれませんが……しかし、ベガは容赦しないっ! 相手がサガットだろうが容赦なしにラフ・ファイトを仕掛けていきますっ!」

元「う~ん……ベガ君らしいって言っちゃ、ベガ君らしいかな……?」

884: 名無しさん 2016/01/06(水) 23:11:26 ID:DsL6POGk
ベガ「そらっ……! 続けていくぞっ……!」シュタッ


実況「ベガが間髪入れずに……おっと、ダウンしているサガットに狙いを定めて……そしてその場で大きくジャンプして飛び込んでいくっ!」

元「……おっ?」


ベガ「……フンッ!」ズガアァァッ

サガット「……ご、ごふっ!」


オー! オーオー!

実況「両腕を組みながら、ダウンしているサガットの腹部へと飛び乗っていくっ! ここはフットスタンプっ! 間髪入れずにフットスタンプっ! 両足で踏みつけていきますっ!」

ケン「へへ、いいぞいいぞ……争え争え……仲間同士で潰し合えばいいんだよ……」

元「う~ん、まぁベガ君は容赦ないねぇ。サガット君も……遠慮している場合ではないかもしれないね……」

885: 名無しさん 2016/01/06(水) 23:19:29 ID:DsL6POGk
ベガ「裏で頭を悩ませるより、リングの方が楽しい……ハーッハッハッハっ……!」

サガット「く、くおおっ……おおっ……」モガモガ


実況「さぁ、ベガはサガットの腹部からおりますっ! そしてリング上をうろついていくっ! 一方、サガットは……おぉ~っと、腹部を抑えて苦しんでいるかっ!?」


ベガ「ハーッハッハッハっ……! ハーッハッハッハっ……! サガットが回復するまで、少し待ってやるか……私は優しいからな……ハーッハッハッハっ!」ウロウロ

サガット「う、ううっ……」モガモガ


実況「この辺り……ベガへの服従心とでも言えばいいのか……? そいつが仇になってしまったか、サガットっ!?」

元「そうだね、うん。これは王者戦なんだから……そういった物は、無用になってくるよね」

実況「さぁ、サガットはまだ苦しんでいるっ! さぁ、ベガはそんなサガットには目もくれず……満足気な表情をして、リング上をうろついているっ!」

886: 名無しさん 2016/01/06(水) 23:24:50 ID:DsL6POGk
ベガ「さて、どうするか……んっ……?」ウロウロ


実況「さぁ、ここはベガはじっくりと間を取っていくと言った所でしょうか?」

元「う~ん、そうなのかな……?」


ベガ「1……2……3……おぉ~っと、どうしたどうした……なんだなんだ……? ゴミが三人紛れ込んでいるぞ……?」


実況「あっ、いや……ここでベガがロープ越しに、リング上から我々放送席の方を見ていますよっ!?」

元「あっと、こっちに気づいたのかな……?」


ベガ「なぁ~んだ、なんだ……? どうしたどうした……? 空手軍団……王者戦を見に来たのか……? ハーッハッハッハっ! そうだな……お前達は参加出来ないからなぁ……」


実況「おぉ~っと、おっとおっとっ……! そして、ベガがロープ越しに……こちらの本部席に向かって、何やら叫んでいますっ!」

リュウ「……チィ」ガタッ

実況「おっとぉ! リュウさん、落ち着いて下さいっ!」

887: 名無しさん 2016/01/06(水) 23:30:50 ID:DsL6POGk
オー! オーオー!

ベガ「介入はなしだぞ、大馬鹿者がっ……! これは王者戦だぁ……! お前はそこで大人しく座って見てろぉ!」ビシッ


実況「ここでベガがロープ越しに我々本部席……いや、空手軍団ですねっ! 空手軍団を指差して、何やら挑発しているっ! おぉ~っと、そして私隣のリュウさんも立ち上がったぞっ!」

元「まぁまぁまぁ……リュウ君、リュウ君……落ち着きましょう……ほら、座ろう座ろう……」

リュウ「……チィ」スッ


ベガ「そうだっ……! その通りだっ……! お前達はそこで大人しく座って、自分の仕事をしていればいい……王者戦に参加出来ないのなら……解説だけでも頑張ればいいっ……! ハーッハッハッハっ!」


実況「おぉ~っと、ベガは本部席の空手軍団も……挑発していくゥ! ちょ~っと、私何が起きるかわからないので……恐ろしいですっ!」

元「ほらほら、彼怯えてるからさぁ……? リュウ君も、あんな安い挑発に乗っちゃダメだよ」

リュウ「いや、大丈夫です。随分と……ベガの奴は、余裕なんですね……」

896: 名無しさん 2016/01/07(木) 22:00:05 ID:G4TNFWsU
ベガ(折角、呼んだんだ……放送席の空手軍団も弄っておかないとな……まぁ、これくらいにしておくか……)

サガット「……く、くっ!」ムクッ

ベガ「お~、よしよし……起きたか起きたか……いいタイミングだな……」クルッ


実況「まぁ、確かに……! 少々、ベガからは余裕が見られるようになってきたと言った所でしょうかねぇ!? やはり、この辺りが……ナンバーワンとナンバーツーの差だと言った所かっ!?」

元「う~ん、そうかもしれないねぇ……」

実況「しかしサガットも、ただただやられているだけではないっ! ここは、立ち上がってくるっ! おっと、ベガは身体を反転させてそんなサガットの方を振り向いていくっ!」


ベガ「そぉ~ら……いくぞ、サガットっ……!」ググッ

サガット「……くっ!」

ベガ「……フンっ!」ガシッ


実況「さぁ、ベガは体勢を低くしてサガットに突っ込んでいくっ! そして、胴回りを掴んだぁ!」

897: 名無しさん 2016/01/07(木) 22:11:03 ID:G4TNFWsU
ベガ「そぉ~ら……背後は頂きだっ……!」クルッ

サガット「……くっ!」


実況「そのまま流れるように、身体を反転させつつ……サガットの背後に回っていくっ! ここはベガがバックを取っていくっ!」

元「おっとっとっ!」


ベガ「簡単に背後を取られてはいかんな……よぉ~し、このまま……」ググッ


実況「背後からサガットの腰回りを掴み……おっと、そしてそのままベガが力を込めて……このまま投げるのかっ!?」

元「ジャーマンか……バックドロップ辺り狙ってるね……?」


サガット「……フンっ!」ググッ

ベガ「……おぉ?」


実況「しかし、ここはサガットも堪えていくっ! 大きく大きく踏ん張って……ここは堪えていくっ! 投げさせないっ!」

元「うんうんうん、まぁそれでいいんじゃない?」

898: 名無しさん 2016/01/07(木) 22:20:53 ID:G4TNFWsU
ベガ「くっ……くっ……そう踏ん張られては……持ち上がらんなぁ……困った、困った……」モガモガ

サガット「……よし」


実況「ここはサガットが耐えていくっ! ベガに背後を掴まれながらも……しっかりと重心を落とし、そして踏ん張り、堪えていくっ!」

リュウ「サガットみたいなゴツい奴に、ああやって耐えられると……投げるのには苦労しそうですね……」

元「そうだね、上手く耐えてるよ」

実況「ここはサガット……自身のその巨体を利用して、落ち着いて対処していく……と、言った所か……!?」


ベガ「……なぁ~んちゃって」シュル

サガット「……ぬっ?」


実況「おっとぉ! しかしここでベガは腰回りを掴んでいた腕を……少し下ろし……サガットの両太腿辺りを掴んでいくっ!」

899: 名無しさん 2016/01/07(木) 22:34:19 ID:G4TNFWsU
ベガ「後ろがダメなら……前に倒せばいい……ただ、それだけの話だ……そぉ~れ……!」ググッ

サガット「う、うおおぉっ……! くっ……!」ビターン


実況「そして、自身の体勢を一度低くして……伸びる勢いを利用しながら……おぉ~っと、サガットの両足をすくい上げていくっ!」

元「おぉ~っと、ここは切り返してきた。固執しないのはいい事だ」

実況「サガットの両足をすくい上げ……おぉ~っと、前のめりへと倒していくっ! ここはテイクダウンっ! ベガがここでテイクダウンを取ったぁ!」


ベガ「また、ダウンしたなぁ……? 今度は間髪入れずに仕掛けるぞ……それっ……!」ググッ


実況「さぁ、サガットを前のめりに倒したベガは……おぉ~っと、そのままその背中へと覆い被さっていくっ! ここは、グラウンドに持ち込んでいくっ!」

元「いや~、上手くやってるねぇ……うん……」

900: 名無しさん 2016/01/07(木) 22:41:31 ID:G4TNFWsU
ベガ「先ずは、足を……ロックをするんだったよなぁ……?」シュル


実況「ベガはサガットの左脚を……自身の両足で挟み込みつつ、サガットに覆い被さり……!」

元「……んんっ!?」


ベガ「そして、このまま……お前の顔面を抱え込み……締め付ければ完成だっ……! フンっ……!」ガシッ

サガット「こ、これはっ……!」


オー、オーオー

実況「サガットに覆い被さりながら足をロックした状態で……更に、サガットの顔面を両腕で抱え込んで……フェイスロックを仕掛けていくベガっ! おっとおっと、この技はっ……!?」

元「おぉ~っと、STFだよ。サガット君の得意技じゃないか、これは」

実況「なんとなんと、ここでベガがSTFですっ! STFを仕掛けましたぁ! ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロックっ! 掟破りのSTFだぁ!」

901: 名無しさん 2016/01/07(木) 22:50:59 ID:G4TNFWsU
ベガ「誰が使うが知らんが……顔、足……それに腰もか……同時にダメージを与える事の出来るいい技だなぁ……ハーッハッハッハっ!」ギリギリ

ダン「どうするサガット、おいっ……! ギブアップかっ……!? ギブアップするのかっ……!?」

サガット「くっ……! 舐めるなっ……!」


オー、オーオー

実況「掟破りのSTFっ! 掟破りのSTFっ! ここはサガットっ……! 自身の技に苦しめられているっ!」

元「いや~、ベガ君はとことん相手を挑発って言うかね……? 神経を逆撫でしていくんだね。それは……相手がサガット君だろうが、容赦無しだね」

実況「確かに、サガットにとっては屈辱的ですっ! こいつは屈辱的な行為っ! さぁ、どうだっ……!? ここで決まってしまうのかっ!?」

リュウ「……いや、大丈夫でしょう。これでは、絶対に決まりませんよ」

実況「おぉ~っと、リュウさんっ……!」

リュウ「屈辱的な行為ではあるとは、思いますが……これは、技の本質が見えてませんね」

実況「え~、少し解説してもらってもよろしいでしょうか……?」

902: 名無しさん 2016/01/07(木) 22:59:15 ID:G4TNFWsU
リュウ「この技は、サガットの長身から繰り出される技だからこそ……効果があるんですよ。足を極めながら、同時を顔を極め……出来る事なら、相手の上体を反らし、腰にも負担を与えていく……」

実況「そうですね! STFとはそういった技でございますっ!」

リュウ「サガットに比べると……ですが、ベガは小さいですよね? おまけに、今技をかけられている、サガットは長身です。ほら、フェイスロックの部分……よく見て下さいよ……?」


ベガ「くっ……くっ……! ちょっと、体勢が厳しいな……」グイッ

サガット「くっ、ロープまで行く」ズルズル


リュウ「辛うじて、フェイスロックの形にこそはなっていますが……あれは、殆ど力が入ってませんね」

実況「あ~っと……確かに……少々、無茶な体勢で仕掛けていますねぇ、これは……」

元「うん、サガット君は大柄だからね。ちょっと無茶な体勢だね」

リュウ「あれじゃあ、顔へのダメージは期待出来ません……当然、上体を反らし腰へのダメージを期待する事も出来ません……それどころか、抑え込む事すら難しいんではないでしょうか……?」

903: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:06:38 ID:G4TNFWsU
ダン「おいっ……! サガットっ……!」

サガット「黙ってろっ……! ロープまで行けばいいんだろっ……! 今、行くっ……!」ズルズル

ベガ「お~、お~お~……やるなぁ……」

ダン「お、おう……こりゃ、大丈夫そうだな……」


実況「あ~っと、確かにっ……! STFを仕掛けられているにも関わらず……サガットは、おぉ~っと力一杯這いずりながらロープへと向かっていくっ! ロープブレイクを狙うっ! ベガの身体ごと……自身の身体を運んでいくっ!」

リュウ「ダメージを与えたいのであれば……ここは、別の技を仕掛けた方が良かったと思いますね。挑発……神経を逆撫でするって意味では、効果もあるのかもしれませんけどね?」

元「いや~、今日解説、楽だわ。うん」


サガット「……そらっ! これでロープブレイクだっ! 文句はないだろっ!」ガシッ

ダン「よし、オッケーっ! ロープブレイクだっ! ロープブレイクっ! ほら、ベガ止めろっ!」


実況「ここでサガットの腕がロープを掴んだぁ! ロープブレイクですっ! ロープブレイクっ! 確かに、ベガのSTFはあっさりとロープブレイクされてしまいましたぁ! そして、元さんっ! ダメですよっ!? 貴方もしっかりと解説をして下さいっ!」

元「……ありゃりゃ、聞こえてたのね」

905: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:12:00 ID:G4TNFWsU
ベガ「まぁ、こうなるか……そうだな、うん……こうなるか……」ムクッ


実況「さぁ、ここでベガはレフェリーに従い、技を解きますっ! そして、立ち上がっていくっ!」

ケン「だから、あっさり解いてんじゃねぇよ。いつもはどうなんだって話だよ」

リュウ「でも、あの技を続けた所で……どうにもならないとは思うぞ……?」

ケン「う~ん……あ~、まぁそうか……」


サガット「……くっ!」ムクッ


実況「さぁ、我々本部席の方も盛り上がってまいりましたっ! そして……確かにサガットにもダメージはあまりないかっ……!? ここはサガットもすぐ様、ロープを掴みつつ立ち上がってくるっ!」

元「まぁ、そうだね。ダメージはなさそうだね」

ヤムチャ(俺だけ何も喋ってねぇぞっ……! だけど、無茶はしねぇぞっ……! 無茶はっ……!)

907: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:20:26 ID:G4TNFWsU
ベガ「私の強さに、手も足も出んか……ハハハ、そうだよなぁ……そうだよなぁ、サガットっ……フンっ……!」ズガァッ

サガット「……ぐっ!」ヨロッ

ダン「だから、拳はダメだってのっ……! 聞いてんのか、おめぇはっ……!」


実況「しかし、立ち上がったサガットに対して……おぉ~と、即座にベガが仕掛けていくっ! 再びナックルパートォ! 拳を打ち込んでいくっ! 側頭部辺りに入ったかっ!?」


ベガ「拳は、ダメなのか……? んっ……? 拳で殴るのは、反則なのか……?」

ダン「あぁっ! 反則だっ!」

ベガ「そうか、反則か……しかしっ……! 関係ないっ……! フンっ……!」ズガァッ

サガット「……ぐっ!」


実況「レフェリー警告などお構い無しにベガが拳を打ち込んでいくっ! ここでもう一撃ィ! サガットの側頭部へと振り抜いていったぁ! おっと、これにはサガットもバランスを崩して、ロープへと持たれかかっていくっ!」

908: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:25:39 ID:G4TNFWsU
ベガ「さぁ、サガット……いくぞ……?」ガシッ

サガット「……くっ」


実況「そして、ここでベガはロープに寄りかかっているサガットを腕を掴み……」


ベガ「そぉ~れ、行ってこいっ……! フンっ……!」ブンッ

サガット「……くっ!」ダダッ


実況「一度サガットの身体をロープ押し付け……そしてその反動を利用して……ここは逆方向へのロープへと振っていったぁ!」

元「まぁ、ベガ君のペースにはなってるねぇ」


ベガ「フフフ……さぁ、これで終わりにしてやろう……!」スッ


実況「おぉ~っと、そしてここでベガが素早く首を掻っ切るポーズっ! こいつは何か狙っているかっ!? 狙っているのかっ!?」

元「狙っているんじゃないかなぁ?」

909: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:31:14 ID:G4TNFWsU
ベガ「……いくぞっ!」ググッ

サガット「……くっ」ダダッ


実況「さぁ、サガットの身体がロープの反動で返ってきたぁ! そして、ベガの自身の背後のロープの反動をつけて、サガットに向かっていったぁ!」


ベガ「さぁ、終わりにしてやろうっ……! こいつは、お前だけではなく……色んな連中も使う技だ……私も一つ使わせてもらうかね……?」ググッ

サガット「……ぬっ!?」


実況「ベガとサガットの身体が互いに向かっていくっ! 正面衝突寸前っ! そして、ベガがここで右の拳をググッと握り込むっ!」

リュウ「……んっ?」


ベガ「いくぞっ……! そぉ~らっ……! タイガーアッパーカットだああぁっ!」ズガアアァッ

サガット「……ぐわあああぁぁ!」バターン


実況「そして、ここでベガが……あ~っ! あ~っ!」

ケン「……あの野郎っ!」

910: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:35:56 ID:G4TNFWsU
ブー! ブーブー!

ベガ「ハーッハッハッハっ! なんだなんだぁ……私にも使えるじゃないか……うむ、素晴らしい……」


実況「ベガは繰り出した技は……なんとっ……! なぁ~んとっ!?」

ケン「昇龍拳じゃねぇかっ! あの野郎っ……! 舐めやがってっ……!」

元「まぁまぁ、ケン君落ち着きなよ……案外さ……? タイガーアッパーカットかもしれないよ……? ほら、さっきサガット君のSTFも使ってたじゃん……?」

ケン「あの野郎っ……! くそっ……! 舐めやがってっ……!」

実況「ベガが繰り出したのは昇龍拳なのでしょうか……? それとも、タイガーアッパーカットなのでしょうかっ……!? とにかく、ここでもベガは他人を技を使っていきますっ! そしてサガットはダウンっ! ダーウンっ!」

リュウ「……くそっ」

911: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:40:27 ID:G4TNFWsU
ブー! ブーブー!

実況「とにかく、ただ一つ言える事っ……! それは場内の反応はよろしくないっ! 非常によろしくないっ! ブーイングが飛び交っていますっ!」


ベガ「……さぁ、フォールだ。レフェリーをカウントを」ガシッ

ダン「お、おうっ……!」


実況「そして、ここでベガはダウンしているサガットの身体を片足で踏みつけ……おぉ~っと、挑発するかのようのフォールだっ!」

ケン「……あの野郎、舐めてやがるな。ここにいる全員を」

実況「さぁ、そしてレフェリーがやってきたぁ! カウントを取りますっ! さぁ、どうだっ!?」

リュウ「見てくれだけ真似しても、本質を極めない限り……それは、技とは言えません……あれじゃあ、決まらないでしょう……」

912: 名無しさん 2016/01/07(木) 23:45:15 ID:G4TNFWsU
ダン「ワンっ……!」

ブー! ブーブー!

ダン「ツーっ……!」

ブー! ブーブー!

ダン「スリーっ……! って……えっ……?」

ベガ「ハーッハッハッハっ! 私の勝ちだ!」


エー? エーエー?

実況「ちょっと待てちょっと待てちょっと待てっ!? サガットは動かないぞ、動かないぞっ!?」

元「えっ……!?」

ケン「はぁ……!? どういう事だっ……!?」

実況「レフェリーは今、三つマット叩いたように見えましたが……!? え~、これはスリーカウントなのでしょうか!? サガットは起きる素振りを一切見せませんっ!」

926: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:00:59 ID:BlZJjEhk
ダン「と、とにかくスリーカウントだ……決まっちまったもんは仕方ねぇ……ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉ!」


カンカンカーン


エー? エーエー?

実況「あ~っとっ! ここでゴングが打ち鳴らされますっ! ゴングが打ち鳴らされますっ! やはり、これで決まってしまったようだっ! 今、戦いの終わりを告げる鐘の音が場内へと響き渡りましたっ!」

リュウ「……ふざけるなっ!」ガタッ

実況「サガット対ベガの試合……結果はなんと、僅か……あっ!? リュウさんっ!? リュウさんっ!?」

ケン「お、おいっ……! リュウっ……!」

実況「あ~っと、あっとあっとっ! え~、おっとぉ、今我々本部席のリュウさんが立ち上がり……あ~っと、リングに向かっておりますっ! リュウさんが……リングへと向かいましたぁ!」

元「いや~、こういう結果になったらねぇ……? まぁ、そうかそうか……」

927: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:08:37 ID:BlZJjEhk
ベガ「ハッハッハ、私の勝ちだ。これで防衛記録が1となったワケだ。この記録をどんどんと伸ばしていくとするか……」


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、ベガは……リング上で両腕を大きく突き上げ……勝ち誇っていますっ! 勝ち誇っていますっ! しかし、場内からはその……なんと言うか、ブーイングだぁ!」

元「う~ん……まぁねぇ……う~ん……」


ベガ「さて……サガットよ……」チラッ

サガット「……」


実況「さぁ、そしてここでベガはダウンしているサガットを横目で見るっ!」

元「サガット君にも、もうちょっと……」


ベガ「おい、起きろ……起きろ、起きろ……もう起き上がっていいぞ、サガットよ……」クイクイ

サガット「……はっ!」ムクッ


エー? エーエー?

実況「そしてベガはダウンしているサガットに向かって……んあぁっ……!?」

928: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:17:28 ID:BlZJjEhk
ダン「お、おいっ……! お前、無事なのか……!? お、おいっ! 無事なのかっ……!?」

サガット「……フン」


エー? エーエー?

ケン「あぁっ……!? どうなってやがるっ……!?」

元「あれっ……? 普通に起き上がっちゃったよ……!?」

実況「スリーカウントを受けたサガットでは、ありますが……その、なんと言うか、なんと言うか……あっさりと立ち上がりましたっ! ピンピンしておりますっ……! これだったら……ねぇ……!?」

元「そうだよ。まだ試合、続けれたんじゃないのっ……!?」

ケン「……八百長かっ! ちくしょう、ふざけやがってっ!」ガタッ

実況「……八百長っ!?」

929: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:22:26 ID:BlZJjEhk
ケン「とことん舐めてやがるな、あの野郎は……くそっ、もう許せねぇ……おいっ! ヤムチャっ……! 俺達もいくぞっ……!」

ヤムチャ「あっ……! はいっ……!」

実況「ケンさんも立ち上がりましたっ! そして、ヤムチャさんも立ち上がりましたっ……! あ~っと、そして今二人に向かって行きますっ!」

元「え~っとね……? う~ん……これはなんと言うか、おかしな展開だよね……? これは……うん、ケン君達にも行ってもらった方がいいんじゃない……?」


ベガ「……おい、レフェリー。マイクを寄越せ」

ダン「お、おいっ……! ベガっ……! お前、これ……どうなってやがる……」

ベガ「……話が聞こえんのか、馬鹿がぁ! いいからマイクを寄越せっ!」ガシッ


実況「あ~っと、ここで……リング上のベガが、レフェリーからマイクを奪いましたっ! 何か言うのでしょうかねぇ……!?」

元「う~ん、何か言うんだろうねぇ……」

930: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:29:32 ID:BlZJjEhk
ベガ「これで、防衛成功と言ったワケだ……どうだ……? チャンピオンらしい……いい試合だっただろう……?」


フザケンナー! フザケンナ、ベガー!

実況「さぁ、マイクを握ったベガは……ここで語り始めますっ! どういう事だっ!? こいつは一体、どういう事だっ!? 説明してもらうぞ、ベガっ……!?」

元「そうだよそうだよ。これは説明して貰わないといけないねぇ……」


ベガ「まぁ、お前もそれなりに健闘はしたようだが……なっ……? サガット……」

サガット「……はっ!」スッ


実況「おっと、そしてここで……サガットのベガの前で片膝をつくっ! 片膝をついていくっ!」

元「だからね……? なんと言うか……その……元気だよね……?」

実況「そうですっ! その通りですっ! サガットはピンピンしておりますっ! ピンピンしておりますっ!」

931: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:35:28 ID:BlZJjEhk
ベガ「私の敵ではなかったようだな……? ハッキリ言おう、ヌルい……ヌルすぎるぞ……サガット……」

サガット「……精進いたしますっ!」


フザケルナー! フザケルナ、サガットー!

実況「さぁ、ベガはサガットに向かって、語りますが……! なんと言うか、コレ……? サガットはまだ戦えたのではないでしょうかねぇ……!?」

元「いや~、そうだよそうだよ。戦えたよ……うん、戦えるよ……だって、まだピンピンしてるもん……」

実況「場内からは……ベガだけではなく、サガットに対しても罵声飛び交いますっ!」

元「まぁね……こんな試合をしていたら……そりゃ、そうなるよ……」


ベガ「まぁ、何はともあれ……これで、私の防衛記録が一つ、増えたと言うワケだ……この調子で、どんどんと増やしていくとするか……」

サガット「……健闘を祈りますっ!」

ベガ「これなら……あのザンギエフの記録を抜く日も……そう遠くはないな……フハハハっ……!」

932: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:45:41 ID:BlZJjEhk
ブー! ブーブー!

実況「確かに、この一戦の勝利によって、ベガの防衛記録は一つ増えましたが……」

元「なる程ね……そういう事か、狙いは防衛記録だったってワケか……」

実況「おっと、元さんっ……!? どういった事ですかねぇ……!?」

元「う~ん、なんと言うかね……まぁ、結論から言うと、サガット君はベガ君の犬だったよ……」

実況「……犬ですとっ!?」


リュウ「おいおいおいっ……! ふざけた事をしてるんじゃないぞ……おいっ……! おいっ……!」シュタッ

ベガ「……んっ?」チラッ


オー! リュウー! イイゾー!

実況「おっと、ここでリュウがリングに辿り着きましたっ! 今、エプロンサイドに飛び乗り……そして、そこからベガに何やら言っておりますっ!」

元「ここは……うん……リュウ君になんとかしてもらいたいよねぇ……」

933: 名無しさん 2016/01/08(金) 22:56:07 ID:BlZJjEhk
リュウ「ふざけるなベガっ……! こんな試合は、認めないぞっ……! 再試合だっ……! 再試合しろっ……!」

ベガ「お前がいくら吠えようとも結果は変わらんよ……おい、サガット……」

サガット「……はっ!」スッ


実況「さぁ、エプロンサイドから、何やら抗議……でしょうか……!? リング上のベガに向かって強く言い放つリュウっ……! 今にもリングに乗り込んでいきそうですっ!」

元「……あっ、サガット君が」

実況「おっと、しかし片膝ついていたサガットが……!? ここで立ち上がり……エプロンサイドにいるリュウへと向かっていきますっ!」


サガット「……邪魔だ。消えてろ、リュウ」ギロリ

リュウ「お前は、満足なのか……? あぁ……? こんな試合で……お前は、満足なのか……!? あぁっ……!?」ギロリ

サガット「……黙ってろ」


実況「さぁ、サガットはエプロンサイドのリュウへと近づいて行って……そして、ロープ越しにリュウへと凄んでいるっ! 凄んでいるゥ! リュウがリング上に上がって来るのを阻止しているっ! まるで用心棒だっ!」

934: 名無しさん 2016/01/08(金) 23:01:44 ID:BlZJjEhk
ベガ「少し水を差されてしまったな……まぁ、いい……話を続けようか……」

リュウ「おいっ……! ベガっ……! お前もだっ……! お前も、こんな試合で満足なのかっ……!?」

サガット「……お前は黙ってろっ!」


リュウー! リュウー!

実況「さぁ、エプロンサイドにやってきたリュウの事は、用心棒のサガットへと任せ……そしてベガは話を続けるっ! 再び、語り出すっ!」


ベガ「ここで、次の王者戦の知らせだ……少々、場内やかましいようだが……おいっ……! ゴミ共、耳の穴をかっぽじってよく聞け……再び、私が挑戦者を指名させてもらう……」


実況「おぉ~っと、そしてここで……ベガが次の王者戦の予告ですっ! 次の王者戦……というか、この試合は本当にこれで終わりなのでしょうかっ!? 本当の本当に……これで終わりでよろしいのでしょうかっ……!?」

元「……サガット君はね、わざと負けたんだよ」

実況「……なんですとっ!?」

935: 名無しさん 2016/01/08(金) 23:09:37 ID:BlZJjEhk
ベガ「刻は一週間後……次の挑戦者には一週間の準備期間を与えるっ……! フフ、私は優しいからな……そして、次の挑戦者は……」

ブー、ブーブー

ベガ「……バルログだぁ」ニヤリ


ブー! ブーブー!

実況「ここでベガの口から次の挑戦者の名が発表されたぁ! バルログだっ……! バルログだっ……! 次の挑戦者はバルログっ……! 再び、シャドルー内からの指名ですがっ……!」

元「まぁ、そうだよね。防衛記録狙いならそういう風になるよね。だって、同じシャドルーのバルログ君なら……今回と同じように、ワザと負けてくれんだもん」

実況「元さん、お待ち下さいっ……! とりあえず、一つずつ整理しましょうっ! 先ず、今回の試合……サガットはいとも容易く、ベガに敗北してしまいましたが……」

元「これは、サガット君がおそらくワザと負けたんでしょうね」

実況「この試合……サガットはワザと負けたと……何の為にっ……!?」

元「ベガ君の防衛記録を伸ばす事に協力する為だね。現時点での最多防衛記録の保持者は……ザンギエフ君……その記録を塗り替える事に、サガット君は身体を張って、協力したってワケだ。まぁ、身体張ったかどうかはわかんないけどね……」

936: 名無しさん 2016/01/08(金) 23:17:14 ID:BlZJjEhk
実況「なんと言う事だ、なんと言う事だっ……! 我々はシャドルーのナンバーワン決戦が行われるのではないかと予想しておりましたがっ……!」

元「蓋を開ければ、サガット君はベガ君の忠実な犬だった……ってワケだね。なぁ~にが、不撓の帝王だよ……笑わせてくれるね……」

実況「な~んとなんとなんとっ! サガットは犬だったぁ! ベガの犬だったぁ! こいつは許されないっ……! 許されてはいけないっ……!」

元「そして、次のバルログ君……これも、サガット君と同じ、シャドルーだよね……?」

実況「……と言う事は!?」

元「まぁ、十中八九は……今回と同じような試合になるんじゃないかなぁ……? ベガ君が防衛記録を伸ばしたいのなら……そりゃ、シャドルー軍団から挑戦者を指名するのが、一番いいに決まってるもん。だって、皆ベガ君の犬だもん」

実況「これはいけませんっ! これはいけませんっ! 神聖な王者戦で……そのような行為が許されていいワケがありませんっ……!」


ケン「おいっ……! ベガっ……! 好き放題やってんじゃねぇぞっ……!」シュタッ

ヤムチャ「こういうのは……よくないですよっ……! ちゃんと戦いましょうよっ……!」シュタッ


ケーン! ヤムチャー!

実況「これは……暴挙と言っても過言ではないのではないかっ……!?」

元「はい、暴挙です」

実況「あ~っと、ここでケンも来ましたっ……! そして、ヤムチャも来ましたっ……! 今、ケンとヤムチャの二人がエプロンサイドに飛び乗りますっ! やはり、二人もリュウと同じように納得していないようだっ!」

937: 名無しさん 2016/01/08(金) 23:24:20 ID:BlZJjEhk
ベガ「おぉ~っと、おっとおっと……三人か……少しマズいな……」キョロキョロ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、空手軍団の三人がリングを取り囲むっ! 取り囲んでいくっ!」

元「うん……ここはなんとかしてもらいたいかな……?」


リュウ「いい加減に……そこを退けっ……!」

サガット「くっ、三人か……ゾロゾロと集まって来たな……」キョロキョロ

ケン「とりあえず、ヤムチャっ……! アイツをぶん殴るぞっ……! いくぞ、オラっ……!」ググッ

ヤムチャ「……了解っす!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「リュウはサガットに足止めされているが……おぉ~っと、ここでケンとヤムチャの二人が、リングに雪崩れ込んでいったぞぉ!」

元「こんな事は許されていいはずがありませんっ! ここは戦いましょうよっ!」

947: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:02:01 ID:tDaBdp7M
ヤッチマエー! ケーン! ヤムチャー!

サガット「好き放題にはさせんぞっ……! お前達っ……!」ササッ

ケン「……好き放題やってるのは、どっちだコラっ!」

ヤムチャ「ちゃんと戦わなきゃ……ちゃんと試合しなきゃダメですよっ……!」


実況「ケンとヤムチャが突っ込んでいくっ! あっと、しかしっ……! ここで用心棒のサガットがそんなケンとヤムチャへと向かうっ!」

元「ほらほら、元気じゃない? サガット君も、絶対一汗かいた方がいいよ。いけいけ、やっちまえやっちまえっ!」


サガット「……ここは通さんぞっ!」ガシッ

ケン「うるせぇっ! このクソ野郎がっ……! オラァっ……! ヤムチャ、おめぇも暴れろっ……!」ガスッ

ヤムチャ「了解っすっ……! はいやぁっ……!」ガスッ


実況「ケンとヤムチャを抑えにかかるサガットっ……! あっと、しかしケンとヤムチャはやはりこのような結果に納得はしていないっ! さぁ~、サガットに仕掛けていくっ!」

元「こ~んな事じゃ終われないからね! 今日は暴れてよしだっ!」

948: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:09:48 ID:tDaBdp7M
ベガ「ここは、サガットに任せて……私はもう引き下がった方がよさそうだな……」

リュウ「待てよ、ベガっ……! お前……これで終われると思うなよっ……!? うおおぉぉっ……!」ダダッ

ベガ「……ぬっ!?」


オー! リュウモヤッチマエー!

実況「おぉ~っと、そしてサガットがケンとヤムチャに向かって行った事で……足止めされていたリュウもフリーになったぁ!」

元「よぉ~しっ! いけぇっ!」


ベガ「……チィ!」

リュウ「ふざけた事しているんじゃないぞっ……! はああぁぁっ……!」ガスッ

ベガ「……ぐおっ!」ヨロッ


オー! オーオー!

実況「そしてリュウはベガへと突っ込んでいき……おぉ~っと、ここで仕掛けていったぁ!」

元「いけいけぇ! やれやれぇ!」

949: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:18:22 ID:tDaBdp7M
ケン「舐めてんじゃねぇぞっ……! 試合をやり直せっ……! うるあぁっ!」

サガット「ぐっ……! これが結果だっ……! 戯言抜かすと張っ倒すぞ、ごおおぉっ……!」

ヤムチャ「いでっ……! ダメですよっ……! 試合はちゃんとしないと……ちゃんと……せいやぁ……!」


リュウ「この野郎っ……! これが……これが……チャンピオンの試合かっ……!? あぁっ……!? はあぁっ……!」

ベガ「うぐっ……! フン、これがチャンピオンの試合だ……文句を言うんじゃない……だああっ……!」

ダン「おいおい……止めろよ……止めろよ、おめぇらっ……! と、とにかく暴れるんじゃねぇよ、コラっ……!」アタフタ


ワー! ワーワー! ヤレヤレー!

実況「そして、リング上では大乱闘が始まってしまったぁ! おっとおっとおっとぉ!」

元「やれやれやれぇ! 今日は暴れてね、皆でいい汗をかこう。やっちゃえやっちゃえ」

950: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:24:33 ID:tDaBdp7M
ワー! ワーワー!

ダン「おめぇらっ……! 一斉に暴れると、俺もどこから止めていいかわかんねぇだろがっ……! やめろっ……! やめろってのっ……!」アタフタ


実況「王者戦は納得のいかない結果に終わりました。しかし、その代償として……この結果ですっ! 大乱闘っ! 大乱闘が始まってしまいましたっ!」

元「いけいけ、やれやれっ!」

実況「元さんも乗っていますが……あの~、いいんでしょうか……!? この様な結果で……!?」

元「なぁ~に言ってんだよ? 納得出来ない結果で終わったんだったら……納得の出来る形で終わらせる事をしなきゃいけないでしょ……? 場内だって、ほら……僕と同じ反応だよ」

実況「う~ん……まぁ、確かに……そうですが……」

元「シャドルーが暴挙に出たんだったら、それを止めるのは誰……? 空手軍団しかいないでしょ……? あ~んな形で終わらせてはいけません。なんとしてでも、納得出来る形で終わらせないと」

951: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:32:59 ID:tDaBdp7M
ワー! ワーワー!

ダン「あ~、ちくしょうっ……! と、とりあえず……落ち着けってのっ……! おいっ……!」ガシッ

リュウ「……おいっ! 止めるなっ!」

ベガ「おぉ~っと、ナーイスタイミングだ……レフェリー……それでは今うちに……」ササッ

リュウ「ベガっ……! 待てっ……!」

ダン「落ち着けっ……! 落ち着け、リュウっ……! 俺が纏めるから……! 俺が纏めてやるから……!」ガシッ


実況「しかし、この大乱闘からの納得の出来る結末と言うのも……あ~、おっとっ!」

元「あ~、こらこらっ……! レフェリー、邪魔しちゃいけないよ……なぁ~にやってんだよっ!」

実況「レフェリーはリュウの身体にしがみついて、リュウを止めますっ! おっと、その隙にベガが場外へと……あ~っと、あっとあっとっ……! 逃げた逃げたぁ!」

952: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:39:23 ID:tDaBdp7M
ベガ「全く……頭の良からぬ輩に絡まるとウザったいな……さて……」


実況「さぁ、場外に逃げたベガは……我々本部席の目の前辺りにいますねぇ……!? ベガは逃げましたっ! おっと、そして……ベガは我々本部席の元へとやってくるっ!」

元「おいおい……レフェリーっ……! ちょ~っと、空気呼んだ方がいいんじゃないかなぁ……?」


ベガ「さぁ、防衛に成功したという事は……これは再び、私の物だと言う事だ……返してもらうぞ……?」ググッ


実況「あ~っと、そしてベガは……今、本部席に保管しております、ベルトォ! チャンピオンベルトを強奪していきますっ!」

元「細かい事、言うようだけどね……強奪ってのは、違うよ、だってベガ君は一応防衛したじゃない?」


ベガ「……さぁ、帰るか」


実況「元さんっ……! 落ち着いている場合じゃないですよっ……! ここままではベガが逃げますっ……! ベルトを取って逃亡しますっ! なんとかしないとっ! なんとかしないと、このままではベガの思う壺でございますっ!」

元「あ~、ごめんごめんごめん……で、でも君もさぁ……? ほら、ちょっと乗ってきてるじゃない……? やっぱり、ほら……? 納得出来る形で終わらせて欲しいんでしょ……?」

実況「レフェリー何をしているっ!? 相手を間違えるなっ! 抑えるのはリュウのかっ……!? 本当にリュウなのかっ……!? おぉ~いっ!?」

953: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:45:07 ID:tDaBdp7M
ブー! ブーブー!

リュウ「離せっ……! 離せよっ……!」

ダン「どうどうどう……落ち着け……落ち着けってのっ……!」ガシッ

リュウ「チィ……ケンっ……! ベガが逃げたぞっ……! 頼む、お前が追ってくれっ……!」

ケン「くっ、あの野郎……ベルトもちゃっかり回収してやがる……くそっ、逃がすか……ヤムチャっ……! このデカ物は、ちっと任せるぞっ……!」チラッ

ヤムチャ「了解っすっ……! よぉ~し、いくぜっ……! はいやああぁっ……!」

サガット「ぐっ……! よし、ベガ様は上手く退却出来たようだな……そして、俺の相手はお前一人になったと言うワケか……」

ケン「……リュウ、任せろっ! 俺が奴を追うっ!」ダダッ


実況「このままベガを逃がしてはいけないっ……! こんな暴挙を許していいワケがないっ……! おぉ~っとっ! ここでケンっ……! ケン、ケン、ケンっ……!」

元「おっと、ケン君が行くかっ!?」

実況「ここでケンがリング上から場外に向かいますっ! よし、ケン行けぇっ……! ベガを逃がすなっ……!」

954: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:50:22 ID:tDaBdp7M
ケーン! ベガヲニガスナー!

ベガ「おっとぉ……? ケンか……捕まると危ないな……ここは早めに退散するとするか……」ダダッ


実況「あ~っと、しかし場外のベガは……ここで逃げるように、足を早め……おぉ~っと、そして花道方へと向かっていくっ!」

元「ケン君……ケン君、追え追えっ……!」


ケン「逃がさねぇぞっ……! 待てベガっ……!」ダダッ

ベガ「お~、怖い怖い……こりゃ、早く逃げるか……とっとと退散した方がよさげだ……」ダダッ


実況「さぁ、場外からベガを追うケンっ……! 捕まえろっ……! 逃亡するベガを捕まえろっ……!」

元「早くしないと……ちょっとちょっと……逃げられちゃうよっ……!?」

955: 名無しさん 2016/01/09(土) 22:58:49 ID:tDaBdp7M
ヤムチャ「……ぐえええぇぇっ!」バターンッ

サガット「……フンっ!」

リュウ「おいっ……! ヤムチャっ……! 大丈夫かっ……!?」

ケン「……んっ?」チラッ


実況「あ~っと、ここでしかしケンの足が止まるっ! リング上を見るっ!」

元「あ~っとっとっと……ヤムチャ君が……やられちゃったかな……?」

実況「リング上ではいつの間にやら、ヤムチャがダウンしているっ! どうした、サガットにやられたかっ!?」


ケン「お、おいっ……! ヤムチャっ……! あ~、くそっ……アイツ一人にサガットを任せたのは……失敗だったかっ!?」

ベガ「さぁさぁ……退散退散……とっとと退散だ……」ササッ


実況「ケンは心配そうにリング上のヤムチャを見つめるっ! しかし、その間にベガは逃げていくっ! 逃げていくぞ、おいっ!」

元「今はヤムチャ君の事より……ベガ君、追いかけて行った方がいいんじゃないかなぁ……?」

956: 名無しさん 2016/01/09(土) 23:04:46 ID:tDaBdp7M
ヤムチャ「う、ううっ……」

サガット「これで、騒動も収まったな……よし、それじゃあ、俺も退散だ……」

リュウ「おいっ……! サガットっ……! お前っ……!」モガモガ

ダン「落ち着け……落ち着け、リュウっ……! 試合はもう終わったんだっ……!」

サガット「そうだ。試合は終わったんだ……じゃあな、リュウ……」ササッ


実況「あ~っと、そしてここでリング上のサガットも……おっと、これはこれは……退却していくのかっ……!? ロープを跨ぎ、場外へとおりますっ!」

元「おいおいおいおいっ……! ベガ君にも、サガット君にも、逃げられちゃうよ……レフェリー、ちょっとさ……?」


サガット「……ベガ様、終わりましたね」

ベガ「お~、お前も脱出が出来たか……あれだな……試合より、試合後の騒動の方が手間取ったんじゃないか……?」


ブー! ブーブー!

実況「あ~っと、そして今花道でベガとサガットが合流っ……! お~っと、これはこれは……」

元「あ~っと……逃げられちゃったかねぇ……?」

958: 名無しさん 2016/01/09(土) 23:11:26 ID:tDaBdp7M
ベガ「ハーッハッハっ! ざまあみろ、空手軍団っ!」クルッ


実況「おっと、ここでベガが振り返ってリング上を振り向くっ!」

元「うあ~っ!」


ベガ「ベルトは……私の物だぁ! ここからの記録は誰にも止められはせんぞっ!」ググッ


ブー! ブーブー!

実況「そしてここで……ベルトを掲げるっ! ベルトを掲げていくっ! 見せつけていくかのように……ベルトを掲げていくゥ!」

元「何を自慢気に……ロクでもない試合をしちゃってさぁ……?」

実況「どうやら、場内も……元さんと同じ思いのようですっ! ブーイングですっ! 容赦のないブーイングが……場内からベガに浴びせられますっ!」


ベガ「さて、帰るか……なぁ、サガット……」

サガット「……はい」


ブー! ブーブー!

実況「しかし、ベガっ……! そしてサガットは、そんなブーイングを気にする素振りを見せず……あ~っと、ここで消えていくっ! 花道の奥へと消えていったぁ!」

959: 名無しさん 2016/01/09(土) 23:19:31 ID:tDaBdp7M
ブー! ブーブー!

リュウ「おいおい、どうするんだよ……これでいいのかよ……? あんたが止めたせいなんじゃないのか……? どうすんだよ、この反応……」

ダン「わかってるよ。俺が纏めるから……俺が……ちょっと待ってろ……」ササッ


実況「え~、シャドルーが暴挙に出て……空手軍団もリングに乗り込んでいったのですが……しかし、シャドルーは去っていきましたっ! リング上から去っていきましたっ!」

元「これは、何だ……? んっ……? これで、終わりか……?」

実況「え~、今レフェリーが……おっと、マイクを手にしましたねぇ……? う~ん……この場内の反応……どう収めるのでしょうか……?」


オマエモ、リュウトメテンジャネェヨ、レフェリー!

ダン「試合に関係ない奴が、入ってきたら止めるしかねぇだろが……おい、ヤムチャ……おめぇもいつまで寝てるんだよ……? 起きろ……」

ヤムチャ「う、ううっ……」ムクッ


実況「マイクを手にしたレフェリーっ……! さぁ、どうするっ……!? ここからどうするっ……!?」

元「とりあえず、今のサガット君とベガ君の試合……ノーコンテストにするってのが、落とし所かもしれないよね?」

実況「確かにっ……! あの様な試合をされていては困りますっ……! ここは無効試合というのもありでしょうっ!」

960: 名無しさん 2016/01/09(土) 23:25:35 ID:tDaBdp7M
ブー! ブーブー!

ダン「え~、皆さんお静かに……お静かに下さいっ……!」


実況「さぁ、ここでレフェリーが口を開いたっ! さぁ、ここからどうなるっ!?」

元「聞こうか」


ダン「ただいまのメインイベント……サガット選手対ベガ選手のタイトルマッチ……」

リュウ「……」

ダン「勝者はベガ選手となりますっ! ベガ選手っ……! 王座防衛に成功ですっ……!」


エー? エーエー?

実況「おぉ~っと、なんとなんとぉ!? 試合は成立かっ!? 無効試合ではなく……試合は成立かっ!?」

元「え~!? それでいいのっ……!?」


ダン「そして、本日の興行は以上となりますっ! 御来場、誠にありがとうございましたっ!」

引用元: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」