1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 03:24:24.01 ID:btoZd+v40
美希「あはっ! なーんちゃって~!」

春香「み、美希!」

美希「え? どうしたの、春香~」

春香「うしろ……」

美希「うしろ?」クルッ


P「…………」


美希「あ……」

P「くっ……!」

美希「ち、ちがうのハニー! ミキはね、別に、
   ハニーの髪の毛が薄いからってバカにしたわけじゃ……だからこっち向いてっ!」

P「ほ、本当か?」クルッ

ピカッ!!

美希「うわっまぶしいっ! これがほんとのハニーフラッシュなのwwwwww」

美希「……あ」

P「……! ……!」プルプル

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 03:33:14.87 ID:btoZd+v40
美希「ハニー、怒ってあっちいっちゃった……」

春香「当然だよ……」

美希「ミキ、ほんとにバカにしたわけじゃないのにな……」

春香「思うに、草を生やしたのがマズかったんじゃないかな」

美希「草? なんのこと?」

春香「こっちの話」

……

春香「それにしても美希って、ほんとにプロデューサーさんのこと好きなんだね」

美希「うんっ! ハニーは優しいし、ミキのお願いなんでも聞いてくれるし、
   アイドル活動してるミキのこと、一番に応援してくれるから!」

春香「……髪の毛が、その……、控えめな感じでも、気にしないの?」

美希「毛がないことなんて、カン毛ーないの。
   それにそもそも、見た目が一番大事だったら、ハニーを選ばないってカンジ!」

P「…………」プルプル

春香(……プロデューサーさん、遠くで震えてる)

春香(美希はちょっと素直すぎるところがあるわね)

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 03:39:06.65 ID:btoZd+v40
P「……美希、そろそろ仕事行こうか」

美希「うん! それじゃあね、春香~」

春香「いってらっしゃ~い……」

春香(……私だって別に、プロデューサーさんの見た目でどうとか思っているわけじゃないけど)


テクテク……

美希「ねぇねぇハニー、今日はなんのお仕事なの?」

P「昨日言っただろ、グラビア撮影だよ」

美希「あはっ☆ そーいうお仕事なら、ミキにまかせとけってカンジなの!」

P「頑張ろうな……」


春香(こうしてふたりで並んで歩いているのを眺めていると、
   蛍光灯の光がふたりの頭を照らして、とてもまぶしい)

春香(美希は明るい金髪だし、プロデューサーさんは……)

春香(……いや、ダメよ春香。それ以上はいけない)

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 03:47:34.60 ID:btoZd+v40
~撮影スタジオ~

カメラマン「……す、すみません! まさかこんなことになるなんて」

P「いえいえ、いいんですよ。代わりのものは、すぐ届きそうですか?」

カメラマン「それが……今渋滞に巻き込まれてて、もうしばらくかかるらしくて……」

P「ええ!? そうですか……うーん、困ったなぁ。
 このあとすぐじゃないとはいえ、予定は詰まってるんだけど……」

美希「ねぇねぇ、ハ……じゃなくて、プロデューサーさん。
   なにかあったの? 撮影はまだ?」

P「美希……いやー実はさ、撮影に使うレフ板が突然全部割れちゃったらしいんだ」

美希「れふばん?」

P「ああ。光を反射して美希の身体を照らして、キレイに明るく見せるための道具だよ」

美希「光を反射……」

P「でも、代わりのものがまだ来ないらしくてな……」

カメラマン「全部割れるなんて、前代未聞です……本当に申し訳ございません」


美希「……ひらめいたの! あはっ、ミキに良い考えがあるよ!」

P「えっ? ほ、ほんとうか!?」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 03:55:11.16 ID:btoZd+v40
カメラマン「あ、あの……」

P「…………」ピカー

カメラマン「……本当にいいんですか?
      確かに、奇跡的に良い具合にはなりましたけど」

P「構いまぜん。これも美希のためでずから」

カメラマン(泣いている……)

……

美希「ほらほら、カメラマンさーん。早く撮って~」

P「美希もこう言っていますからお願いしまず。早くっ!!」

カメラマン「は、はぁ……それじゃあ、撮影開始しまーす」


──パシャッ!


P(……美希の機転のおかげで、良い写真撮影となった)

P(でもなぜだろう、涙が止まらない……!
 だけどこれも、美希をトップアイドルにするためだ。俺が弱音を吐いてはいられないよな……!)

パーフェクトコミュニケーション!

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 04:05:09.65 ID:btoZd+v40
P「はぁ……」

美希「どうしたのハニー、なんか元気ないね」

P「おっと、ごめんごめん……なんでもないよ。ちょっと眠くなっちゃっただけ」

美希「そーなんだ~……あはっ☆ それじゃあそれじゃあ、ミキといっしょだね!」

P「いっしょ?」

美希「……あふぅ。ミキもなんだか、お仕事したら眠くなっちゃったの……」

P「あはは……」

P(美希に心配をかけさせるわけにはいかないよな。
 この子に悪気がないってことは、俺が一番よく知ってるんだから……)

……

P「……というか美希、外でハニーは禁止だってば」

美希「え~、いいじゃんいいじゃん! ここは誰もいない駐車場だし~」

P「とはいえ、誰が見ているかもわからないし……」

美希「……ハニーは、ミキにハニーって呼ばれるの、ヤ?」ジッ

P(うわっ、かわいい! 上目遣いはズルイだろ……
 なんで美希はハゲに向かってこんな表情をしてくれるんだそうか天使か)ドキドキ

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 04:12:11.89 ID:btoZd+v40
P「い、嫌とかそういうわけじゃないけど……」

美希「あはっ! それじゃあそれじゃあ、いいよねっ!」ギュー

P「……なぁ、美希」

美希「んー? なぁに?」

P「どうして俺なんかに向かって、そんな風に言ってくれるんだ?
 そ、その……なんだ、ハニーとか、あとなんていうか……」

美希「大好き、とか~?」

P「……うん」

美希「だってそんなの、好きだからだよ。好きな人に好きって言って、なにがおかしいの?」

P「だって、俺、ハゲだぞ……その上ブサメンだ。
 とても美希に好意を持ってもらうのにふさわしい男だなんて思えないんだけど……」

美希「むぅ~……」プクー

P「ど、どうした? なんでそんなに可愛いしかめっ面を浮かべるんだよ」

美希「……ハニーのキライなところ、ミキ、一個だけあるよ」

P「え……」

美希「それは~……そうやって、自分に自信のないところ!
   ハニーがハニーの悪口言ったら、ミキ、悲しくなっちゃうの……」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 04:19:56.20 ID:btoZd+v40
P「美希……」

美希「ミキ的には、ハニーの髪の毛がちょろちょろっとしかないのだって、
   角度によっては可愛いな~って思うもん」

P「か、可愛い!? あ、あはは、そんなこと言われたの、初めてだな!」

P(そうだよな……美希はこういう子だ)

P(むしろ、腫れ物扱いせずにズバズバ言ってくれるだけ、俺としては気が楽なのかもしれない。
 事務所のアイドルのみんなは、なんとなくいつも目線を下に向けてるから……)

P(もちろん、それもみんなの優しさだとは思うけど……)

……

美希「……うんうん! やっぱり、アレにそっくりってカンジ!」

P「フフ……アレってなんのことだい?」


美希「オバケのQ太郎!」

P「」


美希「あ、あれ? どうしたの? 顔が真っ白になって、
   ますますQ太郎みたいになっちゃってるよ?」

P「は、はは……うん、ありがとう……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 04:32:50.60 ID:btoZd+v40
~某喫茶店~

記者「……最近ご活躍の星井美希さんですが、ズバリ、
   パワーの秘訣を教えてください!」

美希「うん! ミキはね、おにぎりとお昼寝がだーいすきなの!
   それとそれと、甘いもの……例えば、キャラメルマキアートとか……」

記者「ふんふん、なるほど……」カキカキ

P(撮影が終わった美希は今、ここ某喫茶店で記者からインタビューを受けている。
 良い記事になるといいな……)

……

記者「……いやー、ありがとうございました! 星井さんは元気だし明るいし、
   こういう子をインタビューできるのはこちらとしても嬉しいですよ」

美希「あはっ☆ どういたしましてなの~」

記者「ところで、さっきからプロデューサーさんの方をチラチラ見てるけど、もしかして……」

美希「え!? そ、それは~……」

P「お、おい、美希、変なことは言うなよ……」

美希「ほ、ほら! プロデューサーさんの頭のほうから、
   ピカピカーって光が目に入るのが、なんか気になるな~って思って!」

P「…………」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 04:42:08.37 ID:btoZd+v40
美希「だから、別に、プロデューサーさんのことが気になるとかじゃなくてね……」

記者「……」チラッ

P「…………そういうことにしておいてください」

記者(涙は流していないけれど、心で泣いている顔だ……)

記者「……オフレコにしておきますね」


……


美希「ふぃ~……なんとかゴマかせたの」

P「ああ、そうだな……うまいこと言ったよ、美希……」

P(いつもお世話になってる信頼できる記者さんだったから良かったものの……、
 そうじゃなかったら何を書かれるかわかったもんじゃないけどな)

P(……まぁ、結果オーライだよな。そうだよ、
 誰も傷ついてないし、誰も悲しい気持ちになんてならなかったんだ……うん)

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 04:46:23.70 ID:btoZd+v40
美希「えへへ、それじゃあ、褒めて褒めて~! 頭を撫でて、ギュってして!」

P「こ、こんな場所でそんなことできるわけないだろ」

美希「えー……じゃあ、誰もいなかったら、してくれるの?」

P「え!? そ、それはその……」

美希「……じ~……」

P「……ま、まぁ……誰もいなかったら、な」

美希「約束! ゆびきりして!」

P「……ああ、わかったよ」

P(美希は本当に、世界の誰よりも可愛いな……)


美希「ゆーびきりげんまん……」ブンブン

P「うっそついたら?」

美希「んーと、それじゃあ……ハニーの残りの髪の毛、ひっこ抜く!」

P「……!?」

美希「ゆーびきった! あはっ☆」

P(絶対にやぶってはいけない約束が出来てしまった……)

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 04:58:34.30 ID:btoZd+v40
~765プロ事務所~

P「ただいま戻りましたー」ガチャッ

亜美「でやぁぁぁ! 兄ちゃん覚悟ー!」

P「ほっ」ヒョイッ

亜美「あれ!? うあうあ~、避けられちゃったよ~!」

P「ふふふ、甘い甘い。そう来るのはお見通しさ」

真美「ふっふっふ……甘いのはどっちかなっ、兄ちゃん!」ヒュンッ

P「よっ!」ヒョイッ

真美「んぎゃっ!」ドテッ

美希「きゃんっ!」

P「ああ、美希! 大丈夫か!?」

美希「う、うん、ヘーキだよ」

真美「うあうあ~! 真美の心配もしてよ~!
   兄ちゃんいっつも、ミキミキにばっかり優しい~!」

P「そ、そうか?」

美希「ふふん♪ ハニーはミキのプロデューサーさんなんだから、トーゼンってカンジ!」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 05:06:27.12 ID:btoZd+v40
P(……俺が隙を見せるたびにこんな風に双子が攻撃をしかけてくるのも、
 もはや日常になってしまったな)

P(でもそれが、単なるスキンシップとかならいいんだけど──……)

……

美希「もー、亜美、真美? ハニーのことイジめちゃダメだよ」

真美「だって~」

亜美「もうあれしかないんだから、むしろ残しとくなんてみっともないっしょ!」

真美「あっ! ねぇねぇ亜美、知ってる?
   毛っていう漢字はね、『もう』って読んだりするんだって!」

亜美「え、それほんと~!? んっふっふ~、それじゃあ亜美はいま、
   『毛(もう)あれしかないんだから』って言ったんだねっ!」

真美「こーいうの、なんて言ったっけ~……あーうー……
   その、ダブル、ダブルミー……」

亜美「ダブルミーティング!」

真美「ああっ! そうそう、それっぽーい! ダブルミーティング!」

P「それを言うなら、ダブルミーニングな……」


P(……双子が俺を狙う理由は、この残り少ない髪の毛をひっこ抜くためなのであった)

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 05:17:15.16 ID:btoZd+v40
亜美「兄ちゃんはやっぱ、つるつるにしたほうが良いんじゃないかな~。
   今は元気のないワカメがひっついてるみたいに見えるし」

真美「うんうん。兄ちゃん、男には決断のときも必要だぜぇ~?
   兄ちゃんが髪の毛剃れば、事務所ももっと明るくなるもんねっ!」

P「お前らよってたかってひどすぎるだろ……」


P(……まぁ、亜美も真美もまだ小学生のガキンチョだ)

P(小学生にとって、ハゲは格好の餌食になる。
 それくらい俺もわかっているつもりだから、怒りはしないけど)


真美「ねぇねぇ、ミキミキもそう思うっしょ?」

美希「でも、ダメーっ! ハニーの髪の毛を抜くのはミキなんだって、約束したんだもん!」

亜美「えー、そうなの~!? ずるい~!」

真美「真美も、真美も! 真美も兄ちゃんの髪の毛ひっこ抜きたい~!」

P「ええいうるさい! そもそもそんな約束はしとらんわっ!」クワッ

ピカッ!!

亜美・真美・美希「うわー、まぶしいっ! あはっ、あはははっ!」

P「やっぱり泣いていいかな、俺……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 05:28:29.58 ID:btoZd+v40
亜美・真美・美希「やいのやいの~!」

P「うぅ……」

千早「……ちょっと、あなたたち?」

美希「千早さん、どうしたの~?」

千早「ここは事務所、遊ぶ場所じゃないのよ?
   いつまでも騒いでないで、少しは静かにしてちょうだい」

亜美「う……はーい……」

千早「それにさっきから聞いていれば、
   プロデューサーの見た目のことをどうこうって……」

P「千早……」


P(もしかして千早は、俺の味方をしてくれてるのかな……)

P(そうだよな。千早は真面目な女の子だ、こういうことは許せないんだろうきっと)

P(まぁ、俺も本気で怒ったり悲しんでるわけじゃないけど、
 こういう気持ちを感じるのは嬉しいもんだな……!)

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 05:36:15.45 ID:btoZd+v40
千早「いい? プロデューサーは確かに今は美希を中心にプロデュースをしているけれど、
   それでもいつだって、私達のことを気にかけてくださっているのよ」

千早「それなのに、よりにもよって見かけでからかったりするのは──……」チラッ

P「え?」キラン

千早「……っ」

P「お、おい千早、どうしたんだ? 急にそっぽ向いて」

千早「……い、いえ……」

P「そっちになにかあったのか? どれどれ……」

千早「う、動かないでください、プロデューサーっ!
   そ、その、光が目に……まぶしくて……」

P「……」

千早「あ……ご、ごめんなさい! 私ったら、つい本音が」

P「……いや、いいんだ」ピカッ

千早「……っ、……ぷ、ぷぷ……っ!」プルプル


P(──無愛想だと思われがちな千早すらも、こうやって笑顔に出来る)

P(それだけで、この頭にも意味があるものなんだと、俺はそう思えるんだ……)

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 05:51:21.49 ID:btoZd+v40
 
カァ、カァ……

P「おっと、そうこうしてるうちにもうこんな時間か……」

P「ほらほら、いつまでも事務所に残ってないで、もう家に帰るんだ。
 今日はもうみんな、仕事もないんだからな」

亜美「はーい」

真美「んっふっふ~、兄ちゃん、明日こそはひっこ抜くかんね!」

P「ひっこ抜けるほど髪が残ったまま明日を迎えられれば、それだけで俺は幸せだよ」

……

P「さて、それじゃあ俺もそろそろ……」

美希「……ねね、ハニー」

P「あれ、美希? まだ残ってたのか」

美希「うん……そ、そのね、約束……」

P「約束? っていうと……」

美希「……ふたりきりになったら、ギュってしてくれるって言ったでしょ?
   ミキ、だから残ってたんだよ。お腹も減ってるのに……」ぐ~

P「……あ、ああ、そういう……」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 06:01:37.21 ID:btoZd+v40
美希「ね、ハニー……いま、誰もいないよ?」

P「そ、そうだな」

美希「だから……ね?」

P「……っ」

バックンバックン……

P(ちゅ、中学生相手に、何を緊張しているんだ俺は!)

P(でも……)


美希「ん……」

P「……ごくり」


P(こうして見ると、美希、やっぱり可愛い……)

P(プロデューサーとしてはいけないことかもしれないが、
 俺だってもちろん、美希のことを、その……)

P(……ええい、俺も男だ! 美希もさっき言っていた、
 自信のないところが、唯一の俺のダメなところなんだって!)

P(飛べないハゲは、ただのハゲだ! それにここで拒否したら、
 残りの髪の毛もひっこ抜かれてしまうわけだし……よ、よし、いくぞ……!)

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 06:08:56.08 ID:btoZd+v40
P「よし、それじゃあ……いくぞ」

美希「う、うん……!」

P「……」

美希「……」

美希(ゆっくりミキに近づいてくるハニーの頭が、
   窓の外から差し込んでくる夕日に照らされて、
   とってもキレイに赤く光って見えたの)

美希(それはまるで──……)


ぎゅうっ……


美希「! えへへ……」

P「こ、こんな感じかな。痛くないか?」

美希「うん……ハニーの頭って、宝石みたいだね」

P「宝石?」

美希「そうだよ……ルビーの宝石……」

美希「ハニーは、ミキだけの、大事な大事な宝物……」ギュー

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 06:21:37.98 ID:btoZd+v40
P「美希……」

P(……俺のコンプレックスだったこの頭を、美希は宝石だと言ってくれた。
 キミにそう言ってもらえるだけで、俺は、何よりも自信が持てるんだ……)


美希「ねぇ、ハニー……」

P「ん?」

美希「ミキはね、ハニーの全部が好きだよ。ハニーは、どう? ミキのこと、好き?」

P「……ああ、もちろん」

美希「! ほ、ほんと!?」パァァ

P「本当。俺にとっては、美希以外、考えられないよ。たとえ何があってもさ」

美希「何があっても……それじゃあそれじゃあ、
   ミキの髪の毛がぜーんぶ無くなっちゃっても?」

P「あはは! そしたら、おそろいでいいじゃないか!」

美希「おそろい……! そ、それじゃあミキ、髪の毛、切ってきちゃおっかなぁ」

P「いや、それは落ち着け」

美希「えー、なんで?」

P「……俺は美希のその髪の毛も、大好きだからだよ」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/14(火) 06:28:55.21 ID:btoZd+v40
P(……俺は今日まで、この残りわずかな髪の毛をとてもとても大切に扱ってきた)

P(でも今なら、たとえ明日起きてこの髪の毛が無くなっていたとしても、
 それでもいいとさえ思えるんだ)

P(だって、なぜならそれは──……)


美希「あはっ☆ ジョーダンなの!」

P「あはは……」

美希「でも、ハニー……もしも、ミキがおばあちゃんになって、
   ほんとのほんとに髪の毛が少なくなっちゃっても、それでも好きでいてくれる?」

P「当たり前だよ。俺だって、美希のことを、見た目だけで好きになったわけじゃないんだからな」

美希「えへへ……それじゃあそれじゃあ!」


P(──なぜなら、それは……そこに、キミがいるから)

P(キミは、髪の毛なんかよりずっとずっと大切な……俺の宝物だ)



美希「ハニー、ずっとずーっと、いっしょにいようね!」

P「ああ! 約束だ!」
                                    おわり

引用元: 美希「ハニーフラッシュwwwwwwwww」