ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!!」

ヴァイパー「春麗! PVの第一弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!!」 

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 後編

1: 名無しさん 2016/01/11(月) 22:01:56 ID:feuHOJ0s
ダン「お帰りの際には、お忘れ物等ないようお気をつけて……」

リュウ「おいっ……! 何言ってるっ……! ちょっと、マイク貸せっ……」ガシッ

ダン「お、おいっ……! 今、俺が締めてるだろがっ……!?」


オー? オーオー?

実況「いや~、消化不良と言うか……何とも残念な結果になってはしまいましたが、しかしこれも……んっ……!?」

元「……おや?」

実況「おぉ~っと、ここでリュウがレフェリーからマイクを奪い取りました、奪い取りましたっ! どうしたどうしたっ!?」


リュウ「おいおいおいっ……! 本日の興行は以上……? これで終わり……? おいおいおいっ……! いいのかよっ……!? これで終わっていいのかよ、なぁ……!?」

ダン「おいっ……! リュウっ……!?」

5: 名無しさん 2016/01/11(月) 22:20:10 ID:feuHOJ0s
リュウ「あんな試合がメインイベントで、満足なのかっ……!? おい、満足でいいのかよっ……!? 皆、どうだっ……!? 満足したのかっ……!?」


シナーイ! シナーイ!

実況「お~っと、おっとおっとっ……! ここでリュウは場内に問いかけていくっ! 問いかけていくっ!」

元「おっとっと」

実況「そして、やはりっ……! 場内は満足いってないようだっ! 答えが返ってくるっ!」


リュウ「そうだよなぁ……!? 満足いかねぇよなぁ……!? だったら、どうするっ……!? おいっ……! おいっ……!」

ダン「お、おいっ……! リュウ、何やってるっ……! 煽るんじゃねぇっ……! もう終わっただろがっ……!?」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リュウはリング上を動き回りながら……おぉ~っと、ロープ越しにリングの四方に向かって問いかけるように語っていくゥ! リュウは続けていくゥ!」

6: 名無しさん 2016/01/11(月) 22:26:34 ID:feuHOJ0s
ダン「だから、リュウっ……! お、おいっ……!」

リュウ「答えは簡単じゃねぇかっ……! 満足出来る試合を見せて、終わるっ……! なぁ、そうだろっ……!?」


ソウダソウダー! マンゾクサセロー!


リュウ「ケン……上がって来いっ……!」

ケン「んっ……?」

リュウ「ケンっ……! 早くしろっ……!」

ケン「お、おうっ……!」ササッ


実況「おっと、そしてここで……? リュウはリング上にケンを呼び寄せますっ! 呼び寄せていきますっ! さぁ、場外のケンがリングへと上がって来ましたっ!」

7: 名無しさん 2016/01/11(月) 22:33:36 ID:feuHOJ0s
リュウ「お前……今日、試合してないよなぁ……?」

ケン「お、おう……そうだけど……」

リュウ「さぁ、ケン……メインイベントのやり直しだ……」


オー? オーオー?

実況「おぉ~っと、ここでリュウはケンに向かって言い放ちますっ!」

元「確かに、今日ケン君の試合は……なかったよねぇ……?」

実況「確かに、こんな形で終われば……折角、この会場に足を運んで頂いたファンの皆様に頭は上がりませんっ……! まぁ、満足して帰って頂く為には……ケンが試合した方がいいのかもしれませんっ!」

元「え~っと……そうなってくると、試合相手は誰だ……? 今日、試合をしていないのは……」

実況「そうですねっ! ケンの対戦相手が誰になるか……ですねっ……!? え~、本日試合をしていないのは、ガイル……ナッシュ……それに、ユン・ヤンなどがいますねぇ……? その辺りを呼び寄せましょうかっ……!?」

元「ナッシュ君なんかが、いいんじゃないかな……? こ~う、男前対決……みたいな感じでね……?」

8: 名無しさん 2016/01/11(月) 22:40:43 ID:feuHOJ0s
リュウ「俺と戦うぞっ!」

ケン「……お、お前とかよっ!? ほ、本気かよっ!?」


オー! オーオー!

実況「いやっ……! おぉ~っと、違う違う違うっ……! なんとここは……対戦相手にはリュウっ……! リュウ自らが立候補しましたっ!」

元「え~っ!? リュウ君がいくのっ!?」


リュウ「メインイベントをシャドルーに任せたのが……そもそもの間違いだったんだ……シャドルーには頼らない……もう、あいつらなんかには頼らない……」

ケン「で、でも……お前はよぉ……?」

リュウ「公開スパーリングといこうか……ただし、手加減は一切無用だっ……! 全力でやるぞっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「なんとなんとなんとっ……! リュウ対ケンっ……! リュウ対ケンのカードが今から行われるのかっ!? 空手軍団同士の対戦……こいつはなかなか見られる物ではないぞっ……!?」

元「まぁ~、でもそうだよねぇ? メインイベントがこういう結果になっちゃったって責任を取る意味では……ここはケン君だけじゃなく、リュウ君もやるべきだよねぇ……!?」

11: 名無しさん 2016/01/11(月) 22:51:08 ID:feuHOJ0s
リュウ「さぁ、メインイベントのやり直しだ……シャドルーにメインイベントは荷が重かったようだな……俺達、空手軍団がメインイベントをしてやるよっ! シャドルーなんて、初めからいなかったんだっ!」


イイゾー! イイゾー! ヤレー! ヤレー!

実況「一つ、気がかりなのはリュウっ……! リュウは先程、ヤムチャと組んでバルログ・バイソン戦をこなしておりますっ! 責任を取ると言っても……ここは二戦目になりますっ!」

元「でも、その辺も含めて……面白そうな試合じゃない……? 僕、見たいよコレ」


リュウ「さぁ、レフェリーっ……! 試合開始だっ……! ゴングを要請しろっ!」

ダン「……あ~の~なぁ?」


実況「さぁ、緊急メインイベントが開催されたと言ってもいいかっ!? リュウ対ケンっ……! リュウ対ケンでありますっ……!」

元「よ~し、僕も解説の準備しようっと……ちょっと、今の内にお水飲んでおくね……?」

実況「おぉ~っと、なんだなんだ……? 放送席の元さんも……やる気が出てきたようですっ!」

13: 名無しさん 2016/01/11(月) 23:00:11 ID:feuHOJ0s
リュウ「どうしたっ……!? 早く、ゴングを鳴らしてくれっ……!」

ダン「もう終わったんだよ……? なぁ、勝手に話を進めて……なぁ、おいっ……?」


ゴングナラセー! ゴングヲナラセー!

実況「あっと……? しかし、レフェリーは動かないっ! 動きませんっ……! ゴングを要請しませんっ!? まぁ、なんと言うか……緊急の事で、準備が出来ていないと言うのもあるんでしょうが……」


リュウ「チィ、何をモタモタ……もういいっ……! ヤムチャっ……! お前がゴングを鳴らしてきてくれっ……!」

ヤムチャ「あっ、はい……! 了解っすっ……!」ササッ

ダン「お、おいっ……!」


オー、イイゾー! ヤムチャー!

実況「まぁ、突然の事でどうしていいのかわからないレフェリーの気持ちもわかりますが……あ~っと、しかしここでリュウが痺れを切らしたっ! ここはヤムチャに指示をしますっ! ヤムチャはゴングを鳴らしに……走ったぁ!」

15: 名無しさん 2016/01/11(月) 23:07:27 ID:feuHOJ0s
ワー! ワーワー!

リュウ「ホラ、マイクを返すよ。それと、しっかり裁定してくれよ……レフェリー……」

ダン「チィ……どいつもこいつも勝手な事ばかりしやがって……」


実況「さぁ、今リュウは握ったマイクをレフェリーへと返していったぁ!」

元「さぁ、メインイベント……始まるかな!?」


リュウ「気合い入れろよ……ケンっ……!」

ケン「こうなっちまったのは、当然俺達にも責任があるから試合はするが……俺よりお前だよ……お前お前……」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リング上で睨み合うリュウとケンっ……! リュウとケンっ……! メインイベントのやり直しは……リュウ対ケンですっ!」

元「さぁ、どういう試合になるのかな……? さっきみたいな試合だけはゴメンだよ……?」

16: 名無しさん 2016/01/11(月) 23:16:47 ID:feuHOJ0s
ヤムチャ「それじゃあ、ゴング鳴らしますよっ!? 準備はいいですかっ……!?」

リュウ「いいぞっ……! ヤムチャっ……!」

ケン「……鳴らせっ!」

ヤムチャ「それじゃあ……よっとっ……!」


カーン


実況「そして、ここでヤムチャがゴングを鳴らしたぁ! 今、戦いの鐘の音が場内へと響き渡りますっ!」

元「よぉ~しっ!」

実況「さぁ、リュウ対ケンっ……! リュウ対ケンでありますっ! 空手軍団同士の対決ゥ! そして……今度は場内をさせる試合をして頂きたい物だっ! 全力勝負だからこそ、試合には価値があるゥ!」

元「二人共……遠慮はしちゃいけないよ……!?」

27: 名無しさん 2016/01/12(火) 22:01:22 ID:dd8FrMVg
リュウ「さぁ、試合開始だ。いくぜ、ケンっ……!」

ケン「とは言っても……お前、これで二戦目だろ……? おいおい、大丈夫なのかよ……?」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、ゴングと同時に同時に両者が動き出すっ! 動き出しますっ!」

元「よ~し、始まったかっ!」


リュウ「遠慮は無用と言ったはずだっ……! 来ないならこっちからいくぞっ……! そらっ……!」ガシッ

ケン「……おっとっ」


実況「先に仕掛けたのは……リュウかっ……!? リュウが仕掛けたかっ……!? おぉ~っと、先ずはケン組みかかっていくっ!」

元「おぉ~っと、やる気充分だっ!」

28: 名無しさん 2016/01/12(火) 22:14:18 ID:dd8FrMVg
リュウ「そらっ……!」ガシッ

ケン「……おっとっと」


実況「リュウはケンの胴回りを掴み……おっと、いやっ……! ここは、左腕ですね……!? ケンの左腕を両手で捉えていくっ!」


リュウ「……それっ!」シュルッ

ケン「お~っとっとっとっ……!」


実況「そして、その捉えた左腕を高く上げ、ケンの脇下を潜っていくっ! 捉えた左腕を捻っていくっ!」


リュウ「アームロックだっ……!」ガシッ

ケン「……いてててて、あ~っ、ててて」


実況「さぁ、先ずはアームロックの体勢へと捉えていったぁ! 左腕を極めていきますっ!」

元「うん。さぁ、どうなるか……」

29: 名無しさん 2016/01/12(火) 22:20:55 ID:dd8FrMVg
リュウ「さぁ、手加減はしないぞ……ケン……?」サッ

ケン「いてててて……んっ……?」


実況「さぁ、リュウはケンの左腕を両腕で捉えてながら……いや、おっとここで自信の右腕を離していくっ!」


リュウ「そら、打ち込むぜっ……! はああぁっ……!」バッチーンッ

ケン「うげっ、いってぇ……」ヨロッ


オーッ!

実況「おぉ~っと、そしてそのままケンの胸元へと……チョップを打ち込んでいくっ! 左腕を固定した状態で……おぉ~っと、胸元に熱~い一撃をお見舞いだぁ!」


リュウ「そらっ……! もう一発っ……!」バッチーンッ

ケン「……うげっ!」ヨロッ


オーッ!

実況「さぁ、リュウはもう一撃打ち込んでいくっ! ケンの左腕を捻りつつ固定したまま、胸元な強烈なチョップを打ち込みケンの身体を押しやっていくっ!」

30: 名無しさん 2016/01/12(火) 22:28:01 ID:dd8FrMVg
ケン「いてててて……お、おいっ……! ちっと、キツくないか……? リュウ……?」

リュウ「全力勝負と言ったはずだっ……! そっちこそ、遠慮している場合ではないぞ……おおっ……!」ググッ


実況「チョップチョップでケンの身体を押し込み押し込み……おっと、そしてケンの身体がロープ際まで運ばれていったぁ!」


リュウ「お前も本気出してこいっ……! うおおおぉぉっ……!」ブンッ

ケン「おっ……おおっ……!」ダダッ


実況「さぁ、そしてケンの身体をロープに押し付け、その反動を利用して……ここで逆方向のロープへと振っていったぁ!」

元「結構、試合開始からリュウ君、飛ばしてるんじゃない?」

31: 名無しさん 2016/01/12(火) 22:41:47 ID:dd8FrMVg
ケン「チィ……」ダダッ

リュウ「……よしっ、いくぞっ!」ダダッ


実況「さぁ、ケンの身体がロープの反動で返ってきたぁ! そしてリュウもそんなケンに狙いを定めつつ……ロープの反動をつけ、勢いよく向かっていくゥ!」


リュウ「いくぞおおぉぉっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

ケン「……んっ?」


オー! オーオー!

実況「勢いよくケンに突っ込んでいったリュウは……おぉ~っとっ! おっとっとォ! ここで右の拳をググッと握るっ! これはこれはこれはっ……!?」

元「おおぉっ! いきなりかぁ!?」


リュウ「昇龍拳だああぁぁっ……! はあああぁぁっ……!」


実況「いきなりだっ! いきなりリュウが見せていくっ! ここは昇龍拳っ! カウンターでの昇龍拳だあぁっ!」

元「お~、お~っ! 飛ばしてるなんてもんじゃないよっ!」

32: 名無しさん 2016/01/12(火) 22:52:29 ID:dd8FrMVg
ケン「危ねぇっ……! おぉ~っとっ……!」ゴロンッ

リュウ「……まぁ、そうでなくちゃ困る」スカッ


オー! オーオー!

実況「だがしかし、ここはケンもよく見ているっ……! 前方に飛び込むようにしながら、リュウの脇を転がり……おぉ~っと、ここは避けていくっ! 避けていくっ!」

元「まぁまぁまぁまぁ……いきなり喰らってるようじゃねぇ……?」


ケン「おいおい、マジかよマジかよ……おいおいおい……初手からぶっ放してきやがったっ……!」ムクッ

リュウ「俺は本気だっ……! だから、お前も全力で来るんだっ……!」クルッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁっ、リュウは振り返りケンを見るっ……! ケンもリュウの方を振り向きながら片膝をついて立ち上がるっ……! 両者が睨み合う、両者が睨み合うっ! 少しばかりケンからは驚きの表情が伺えますっ!」

元「ハハハ、こりゃリュウ君は本気だ。ケン君は……う~ん、どうなんだろ……? まだ、遠慮してるのかな……?」

33: 名無しさん 2016/01/12(火) 23:00:05 ID:dd8FrMVg
ケン「……おいおい」

リュウ「……来い。さぁ、立て」


ワー! ワーワー!

実況「ここは両者が睨み合うっ……! じっくりと睨み合っていきますっ!」

元「これね……リュウ君は、二戦目になるけど……ある意味、エンジンが温まりきった状態で試合に臨めるっていう風にも捉えられるね」

実況「確かにっ……! リュウはのエンジンはもう完全に温まっているのではないでしょうかっ!? いきなりだっ……! いきなり見せてきたっ!」


ダン「お~いっ……! おめぇが、勝手にゴング鳴らしちまったから、アイツらがおっ始めちまったじゃねぇか……!? おめぇのせいだぞっ! おめぇのせいだぞ、オイっ……!」

ヤムチャ「そんな事、言われても俺は言われた事をただ……」

ダン「うるせぇ、馬鹿野郎っ……! おめぇはもう、引っ込んでろっ!」


実況「さぁ、試合開始直後からリュウが飛ばしているっ! 飛ばしているゥ! ただし一つ問題がありますっ! この試合、誰が裁定するのか……ですっ……! 突然の流れでそのまま始まってしまったこの試合……レフェリーのダンは、裁定してくれるのでしょうかっ!?」

元「う~ん、何か場外のヤムチャ君に言ってるねぇ……? まぁ、でもいいんじゃない……? 彼が裁定しないのなら、ヤムチャ君にでもレフェリーしてもらいましょうよ」

34: 名無しさん 2016/01/12(火) 23:07:24 ID:dd8FrMVg
ケンモ、イケー! ヤレヤレー!

ダン「ったく……! 勝手な事ばかりしやがって……おいっ、リュウっ……!」ビシッ

リュウ「……んっ?」


実況「あ~っと、ここでレフェリーが険しい表情をしながらリュウとケンに近づいて行って……レフェリーはリュウに指を差したっ!」


ダン「それに……ケンも、おいっ……!」ビシッ

ケン「……あぁっ?」


実況「右手でリュウに指を指しつつ……そして左手でケンを指差して……」


ダン「こうなっちまったのは、お前らの責任だぞっ……! てめぇのケツはてめぇらで拭いてもらうからなっ……! ほんのちぃ~っとだけ、手伝ってやるっ……! オラっ、好きなだけやりあえやっ……!ファイっ!」グイッ

リュウ「……感謝するっ!」

ケン「おうおうおう……皆、揃って煽りやがって……」


ワー! ワーワー!

実況「いやっ、おぉ~っとっ! ここでレフェリーはリュウに指を差していた右腕をケンにっ……! ケンに指を差していた左腕はリュウにっ……! 身体の正面でクロスさせるように、入れ替えていくっ! これはこれはこれはっ……!?」

元「おぉ~っ! いいじゃんいいじゃんっ! なんだよ、話わかる人じゃんっ! ゴーサインきたよっ! ゴーサインが来たよっ!」

35: 名無しさん 2016/01/12(火) 23:14:04 ID:dd8FrMVg
実況「さぁ、これは試合が成立したと言ってもいいでしょうっ! レフェリーの許可が出ましたぁ!」

元「いやぁ、レフェリーに試合を強制終了なんかされちゃあ、たまらないからねっ!? こう言った動きを見せてくれるのは、ありがたいねっ!」


ダン「おい、ケンっ……! いつまで、チンタラしてんだっ! やる気ねぇなら終わらせるか、おいっ……! ほらほら、スタンダップスタンダップっ! 戦え戦えっ……!」クイクイ

ケン「……ったく」ムクッ


ワー! ワーワー!

実況「そしてレフェリーは、片膝をついているケンを……立ち上がれと言わんばかりに急かしていきますっ! さぁ、選手が揃ったっ! そしてレフェリーも揃ったぁ! これで完璧だっ……! そして、ここで片膝をついていたケンが立ち上がってきたっ!」

元「選手……レフェリー……と揃ったんだったら、ついでにゲスト解説なんかも呼んじゃおうかっ!? ほら、一人余ってるからね……? おぉ~い、おぉ~いっ……!」クイクイ


ヤムチャ(くっ、呼ばれてるっ……! 来たぞ、ここが俺の正念場っ……!)

38: 名無しさん 2016/01/12(火) 23:22:33 ID:dd8FrMVg
ケン「こりゃ、俺もマジにならねぇとな……よしっ……!」パチンッ


実況「さぁ、立ち上がったケンは、おっと自身の顔を両手でパチンと叩いて……気合いを注入していきますっ! 一つ、ふんどしを締めなおしていくと言った所かっ!?」

元「そうだね。甘~い、考えしてたら……こりゃ、返ってリュウ君に失礼になっちゃうからね。ここは気合いを入れてしっかり臨んでいった方がいいよっ!」


ケン「そっちがその気なら、俺だって容赦はしねぇぞ、リュウっ……!」ズガズガ

リュウ「……来いっ!」


イケー! イケー!

実況「さぁ、そして気合いを入れ直したケンが……リュウに近づいていくっ! 近づいていくゥ!」

ヤムチャ「あ、あの……ども……」スッ

元「マイクつけよう。マイクマイク……ほらほら……」

ヤムチャ「あ~、はいっ……! お願いしますっ……!」

40: 名無しさん 2016/01/12(火) 23:30:45 ID:dd8FrMVg
ケン「そぉ~らっ! いくぜっ、だああぁぁっ……!」バッチーンッ

リュウ「ぐっ……!」


オーッ!

実況「さぁ、リュウに近づいていったケンは、おっとぉ! 右腕を振りかぶり……そして胸元へと打ち下ろし気味のチョップを打ち込んでいったぁ! 大きな音が場内に響き渡るっ!」


リュウ「やるなっ……! だが、こっちもっ……! はああぁぁっ……!」バッチーンッ

ケン「……ってぇなぁ!」


オーッ!

実況「だが、しかしリュウも負けはしないっ……! 同じようにケンの胸元へと打ち下ろし気味のチヨーップっ! 熱~い熱~いチョップのケンへと打ち込んだぁ!」

41: 名無しさん 2016/01/12(火) 23:38:48 ID:dd8FrMVg
ケン「舐めんなっ……! だああぁぁっ……!」バッチーンッ

オーッ!

リュウ「はああぁぁっ……!」バッチーンッ

オーッ!


実況「しかしすかさずケンも打ち込んでいくっ! あ~っと、リュウもうちこんでくっ! ここはチョップ合戦かっ!? 互いが互いの胸元へとキツ~い、チョップを打ち込んでいくっ! さぁ、そしてここでゲスト解説のヤムチャさんが戻って来て下さりましたっ!」

ヤムチャ「ヤムチャです。よろしくお願いしますっ!」

元「いや~、突然の呼び出しで……悪かったね……? 折角だからね、ヤムチャ君にもこっち盛り上げるのを手伝って貰おうと思ってね?」

実況「おっと、再びケンが打ち込むっ……! あ~っと、しかしリュウもまた打ち込んでいったぁ!」

ヤムチャ(何、喋っていいかわかんないが……大丈夫、大丈夫だ……俺には魔法の言葉があるんだっ……! それだけは、ちゃんと予習してきたからなっ……!)

58: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:00:37 ID:WEDkQI8E
ヤムチャ「あ~、いや、大丈夫です。俺がリングの外でチョロチョロしてたら、邪魔になっちゃうかもしれませんからね?」

元「ハハハ、そうかもしれないね」

実況「さぁ、負けずにケンが打ち込むっ……! だが、リュウも負けてはいないっ……! 打ち込んでいくっ!」

ヤムチャ「それだったら、俺もこっちで手伝わせて頂きますよ!」

元「それじゃあ、よろしくねっ!」

ヤムチャ「はいっ!」

実況「さぁ、再びケンが打ち込むっ! ここはチョップの応酬、応酬ゥ! 互いが一歩も引かずに、その胸元に打ち合っていくっ!」


ケン「よぉし、エンジンかかってきたぜっ! オラっ、どうしたリュウっ……! お前も打って来いやっ……!」

リュウ「チョップ合戦は、そろそろお開きといこうか……そぉらっ!」バッチーンッ

ケン「……うげっ!」ヨロッ


オーッ!

実況「そしてお次はリュウが……あ~っ! いや、ここでリュウは鋭くケンの頬を張ったぁ! 張っていったぞっ! ケンの身体がフラつきますっ! 鋭いビンタをケンに見舞っていくっ!」

59: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:11:28 ID:WEDkQI8E
ケン「く、くあっ……うっ、痛っ……」ヨロヨロ

リュウ「まだ、温まってないんじゃないか? だけどこっちは容赦しないぞ……」クルッ


実況「これには、ケンの動きが止まるゥ! おっと、そしてここでリュウはケンに背を向けて……」

元「おっ」


リュウ「さぁ、いくぞっ! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「ここは一直線にロープ目掛けて走っていったぁ!」


ケン「舐めてんじゃねぇぞ、おいっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ


オー! オーオー!

実況「あ~っと、しかしここはケンも負けてはいないっ! ロープに走ったリュウを……すかさず、追いかけていくっ! ケンも走っていったぁ!」

60: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:16:12 ID:WEDkQI8E
リュウ「さぁ、いくぞっ……! んっ……?」ググッ


実況「ここでリュウが身体を反転させてロープの反動をつけていくっ! だがっ……!」

元「お~、ケン君もいってるねぇ!」


ケン「誰に、狙いを定めてんだコラ……? へへ、俺はこっちだぜ……?」ググッ

リュウ「……おっと、追いかけて来てたのか」ダダッ


実況「リュウの脇を逸れて、ケンもロープへ向かうっ! 身体を反転させてロープの反動を利用するっ! そして……先にロープへと辿り着いたリュウを再び追っていくゥ!」


リュウ「……やるなっ!」ピタッ

ケン「へへ、それじゃあ一発……」ダダッ

リュウ「だがっ……!」クルッ


実況「ケンは、そこにはいないっ! リュウはリング中央付近でストップっ! 慌てて、振り返るっ! だがしかし、ケンはリュウに対して突っ込んでいくっ!」

61: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:21:55 ID:WEDkQI8E
リュウ「カウンターだっ! そらっ!」ブンッ


実況「あ~っとっ! しかしここはリュウもよく見ている、よく見ているっ! ケンの動きに合わせて、左腕を振っていくっ! ここはカウンターのラリアットっ!」

元「見てるねぇ」


ケン「来ると思ってたぜ……お前は見え見えなんだよっ……!」ググッ

リュウ「……おっ!?」スカッ

ケン「……うらっ!」ガシッ


オー! オーオー!

実況「あ~っと、しかしケンは体勢を低くして……これを避けていくっ! 頭を屈めてながらリュウに突っ込んでいったぁ! リュウの左腕は空を切ったぁ!」

元「お~、お~。こっちもよく見てるっ!」


ケン「……背後はもらうぜっ! そらっ!」クルッ


実況「ケンはリュウの胴回りを掴み……おぉ~っと、勢いそのままバックへと回ったっ! ここはケンが背後を取ったぁ!」

元「お~、お~! ケン君も負けてはいないっ!」

62: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:33:31 ID:WEDkQI8E
ケン「このまま、ぶん投げてやるっ……! だああぁっ……!」ググッ

リュウ「……う、うおっ!」


実況「そして、そのままケンはリュウの身体を持ち上げていったぁ! おぉ~っと、ここは投げていくかっ!?」

元「バックドロップかな!?」


ケン「バックドロップだっ! 叩きつけてやるぞっ! うるああぁっ!」ググッ

リュウ「させないっ……! うおおっ……!」ジタバタ

ケン「あぁ、あぁっ……!? 暴れるんじゃねぇっ……!」


実況「あ~っと、しかしここはリュウも堪えていくっ! 身体半分持ち上げられたところで、大きく大きく足をバタつかせ、なんとか堪えていくっ!」

元「おっとおっと、簡単にはやらせてくれないみたいだねぇ!?」

63: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:40:22 ID:WEDkQI8E
リュウ「なんとか、堪えたぞっ……! はあぁっ……!」ガスッ

ケン「……くっ!」


実況「ここはリュウが堪えたっ! なんとか着地っ! そして、すかさずケンの頭部にエルボースタンプっ! 肘を落としていくっ!」


リュウ「さぁ、いくぞっ!」ガシッ

ケン「……チィ」


実況「おっと、そしてリュウは体勢を低くして、背後のケンの首筋を捉えていくっ! 両腕を首に巻きつけていくっ!」


リュウ「そらっ……! 腰車だっ……!」グルンッ

ケン「うげっ……! いってぇ……!」ズドーン


実況「そのままフライングメイヤーっ! ケンの身体を前方に一回転させ、マットへと落としていくっ! ケンは尻餅をつくように、マットへと落ちたぁ!」

64: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:49:21 ID:WEDkQI8E
リュウ「続けるぞ、それっ……!」ググッ

ケン「……うおおぉ」


実況「おっと、リュウは続けていくっ! 自身も身体を沈め、尻餅をついているケンの首筋に背後から腕を回していくっ!」

元「ここはスリーパーホールドか」

実況「フライングメイヤーからそのままいったぁ! ここはスリーパーホールドっ! スリーパーホールドっ! 背後から、首筋に腕を回し頚動脈を締め付けていくっ! スリーパーホールドに持っていったぁ!」


リュウ「さぁ、締め付けるぞっ……!」ググッ

ケン「舐めてんじゃねぇぞ……? おおっ……!」モガモガ

リュウ「……んっ?」

ケン「よっ……よっ……!」ググッ


オー、オーオー

実況「おっとぉ! だがしかし、ここはケンも首筋を捉えてられながらも……なんとか、立ち上がっていくっ! そのまま立ち上がり、体勢を整えてくるっ!」

元「おおっ!?」

65: 名無しさん 2016/01/13(水) 22:57:26 ID:WEDkQI8E
ケン「……うるぁ!」ムクッ

リュウ「だが、まだこっちが優位な状況は変わりはしないぞっ……!」ググッ


実況「さぁ、ケンは完全に立ち上がったっ! しかし、首筋を捉えられている状況は変わらないかっ!? リュウはスタンディングでケンの首筋を締め付けているっ! スタンディングでのスリーパーホールドっ!」

元「リュウ君からしたら、もう一回グラウンドへ持っていきたい所じゃないかな?」


ケン「……そんな事は」ガシッ

リュウ「……んっ?」

ケン「わかってんだよぉっ! そらっ……!」ピョンッ


実況「ここでケンは背後のリュウの頭部を掴んで、おぉ~っと、そして自身の肩口に乗せて垂直に飛んでいくっ!」

66: 名無しさん 2016/01/13(水) 23:05:02 ID:WEDkQI8E
ケン「……うらあああぁぁっ!」ズドーンッ

リュウ「ぐっ……ガッ……!」


オー、オーオー

実況「垂直に飛んだケンは両膝を折り曲げ、膝からマットへと着地ィ! そして、その勢いでリュウの頭部……顎を自身の肩口へと強く強く打ち付けていったぁ!」

元「お~、上手いっ! チンクラッシャーで返したっ!」


リュウ「ううっ……おおっ……」ヨロッ

ケン「へへへ、背後取ったからって安心してんじゃねぇぞ……」ムクッ


実況「ここはケンがチンクラッシャーっ! チンクラッシャーで返していったぁ! これにはリュウも掴んでいた首筋から手を離してしまうっ! そして、顎を抑えてフラついているかっ!?」

元「普段は仲間な分ね……この二人は相手の出方をよく知ってる……そんな感じがするね!?」

実況「ああきたら、こういくっ……! こうきたら、ああいくっ……! そのような事が互いにわかっていると言った感じでしょうかっ!? さぁ、ケンが返したっ! そしてケンはすかさず、立ち上がっていくっ!」

67: 名無しさん 2016/01/13(水) 23:12:04 ID:WEDkQI8E
ケン「さぁさぁさぁ! いくぞ、オイっ……! ヘイヘイヘイっ……!」パチパチ


ワー、ワーワー

実況「さぁ、苦しんでいるリュウを尻目に、ここでケンは大きく大きく手を打ち鳴らしていくっ! 打ち鳴らしていくっ!」

元「お~、お~。乗ってる乗ってる」


ケン「キツイの一撃っ……!」ググッ

リュウ「……くっ」


ワー、ワーワー

実況「そしてケンは大きく振り被るっ! 右腕を大きく振り被り……溜めて溜めて溜めてっ……!」


ケン「お見舞いしてやるぜええぇっ! うるああぁっ!」バッチーンッ

リュウ「……うぐああぁぁっ!」バターンッ


オー! オーオー!

実況「体重を乗せた逆水平チョップをリュウの胸元へと打ち込んでいったぁ! そして、これによりリュウはダウンダウンダーウンっ!」

68: 名無しさん 2016/01/13(水) 23:18:04 ID:WEDkQI8E
ケン「どうだ、見たかっ! こいつがケン様の実力だっ!」ググッ


オー、イイゾー! ケーン!

実況「さぁ、ケンはここで両腕を突き上げるっ! 突き上げていくっ!」

元「お~、お~。乗ってる乗ってる」

実況「ケンがリュウからダウンを奪いましたっ! ダウンを奪いましたっ! 空手軍団の大将から、ケンが……ダウンを奪いましたっ! こいつは、どうだどうだっ……!? ケンが空手軍団の大将になるのかっ!?」

元「ハハハ、気が早いっての。ワンダウン奪っただけでしょ」


ケン「空手軍団はリュウだけじゃねぇって事だっ! オラオラ、もっと騒げ騒げ騒げっ!」パンパン


イイゾイイゾ、ケーン!

実況「しかし、ケンは乗っていますっ! 乗っていますっ! リング上をうろつきながら、大きく大きく手を叩き、場内を煽っていきますっ! ケンは乗っておりますっ!」

元「まぁ、ムードも作っていかなきゃね、うん」

69: 名無しさん 2016/01/13(水) 23:24:41 ID:WEDkQI8E
ケン「んっ……? ところで、あの野郎は何処行ったんだ……? あっ、いたっ……! アイツ、放送席にいやがるのかっ……!?」キョロキョロ


実況「さぁ、ケンは場内を見回しながら……おっと、今こちらの方を見たかっ……!? 我々、放送席の方を見たか?」

元「……んっ?」


ケン「おい、ヤムチャっ……! なぁ~んで、そんな所にいるんだよ、オイっ! しかも、大人しくしやがってよぉ? 俺が活躍した時はどうするんだ……? あぁ、どうすんだオイっ……!?」


実況「あ~、ケンは完全に我々放送席の方を見ていますねぇ!? そして、こちらに向かって何やら言っておりますっ!」

元「……これは、ヤムチャ君に何か言ってるのかな?」

ヤムチャ「ナハハ、そうでしょうね。多分、俺に盛り上げていけ……とか、言ってるんだと思います」

70: 名無しさん 2016/01/13(水) 23:30:01 ID:WEDkQI8E
実況「でしたら、ヤムチャさんも盛り上げていかないとっ!」

元「そうだよ、さっきからちょっと大人しいんじゃない?」

ヤムチャ「そう言われましてもね……? これ俺にとっちゃ、なかなか難しいと言いますかね……?」

実況「……ほう」

元「思った事言えばいいんだよ、思った事を」

ヤムチャ「違うんですよ。ホラ、やっぱりケンさんが活躍した時には、ヤッターって思いがありますよ? そりゃ、当然ありますよ。ヤッターってのが」

実況「それでは、言いましょう! 声を出していいましょうっ! ヤッターっと!」

ヤムチャ「いや、でもね……? 今戦ってるのは、リュウさんじゃないですか……? だから、俺にとってはね、ヤッターと同時に……リュウさん頑張れっ! って気持ちがあるんですよ!?」

実況「あ~、確かに……なる程なる程……」

元「ハハハ、そりゃそうだ。リュウ君がやられてるのに、ヤッターなんて喜べないもんね?」

80: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:01:26 ID:kKtBuc9U
ヤムチャ「兄弟子同士の試合……これは、目に焼き付けておかなきゃいけない試合ですけどね、俺が下手に余計な事言っちゃって水差すのも、変ですしね」

元「う~ん、うんうん。そうかもしれないねぇ、うんうん」

実況「さぁ、ここでケンは放送席から視線をリュウへと移し、そしてリュウへと歩みを進めていくっ!」

ヤムチャ「ナハハ、ケンさんも無茶言ってくるなぁ。ああいう所あるんですよ、ケンさんって」

元「まぁまぁ、それならそれなら……しっかりと二人の試合を目に焼き付けていってよ」

ヤムチャ「そうですね。ここでしっかりと二人の戦い……俺は見守らせて頂きます!」

実況「さぁ、リュウに近づいていったケンは……おっと、そのままダウンしているリュウの左脚を掴んだぁ!」

元「おっとぉ、リング上には動きがあったかな?」


ヤムチャ(ナハハハ! 言ったぞ、言ったぞっ! 言ってやったぞ、オイっ! 俺は集中して試合を見てるから……これ、気軽にお喋りが出来る状況じゃないんだよっ! 黙ってても、不自然にならねぇんだよっ! 後は『上手い』とか『おぉ』だけ言ってりゃいいんだよ。ケンさん、アドバイスありがとうっ!)

ケン(ヤムチャは上手く喋っててくれるかな……? まぁ、試合も進めなくちゃな……そらっ……!)

81: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:09:12 ID:kKtBuc9U
ケン「……オラァ!」ガシッ

リュウ「……くっ!」


実況「さぁ、ケンはリュウの左脚を抱え……そのまま自身もグラウンドへと寝そべっていくっ! そして、手首をリュウの足首に強く強く押し当て、極めていくっ!」


ケン「先ずは、その動きを封じる所からスタートだっ! オラっ、アキレス腱固めだっ! どうだっ!」ググッ

リュウ「ぐっ、ぐっ……!」


実況「手首をリュウの足首……アキレス腱ですねっ! そこに押し当て、その足を極めていくっ!」

元「先ずは、足から入ったか」

実況「ここはアキレス腱固めですっ! アキレス腱固めっ! ここはケンがグラウンドでのアキレス腱固めを仕掛けたっ! さぁ、リュウの足首を締め付けていくっ!」

83: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:17:44 ID:kKtBuc9U
ダン「リュウ、どうするっ!? ギブアップか、おいっ!」


実況「さぁ、そしてレフェリーもしっかりと裁定してくれているっ! すかさず
リュウに確認を取っているぞっ!」

元「やっぱり、彼が仕事してくれるのは有難い事だね。彼がレフェリングしてくれないと、裁定するのはヤムチャ君になる所だったんだから」

ヤムチャ「いやいや、俺は無理ですよっ……! 無理無理無理っ……!俺にこんな大一番裁定するだなんて……無理無理無理ですっ……!」

元「ハハハ、そうかもしれないね」


リュウ「いや、大丈夫だレフェリー……問題はない、それっ……!」ズルッ

ケン「……おっと」


オー、オーオー

実況「あ~っとっ! しかし、ここはリュウの動きが早いっ! 仕掛けたられた直後に……すかさずロープへと向かって、ケンの身体ごと自身の身体を引きずっていくっ!」

84: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:24:52 ID:kKtBuc9U
リュウ「そらそら、あっと言う間だ……」ズルズル

ケン「……あ~、上手くいかないもんだね」


オー、オーオー

実況「力強くロープへと向かっていくリュウっ! さぁ、もうロープはその目の前だっ!」

元「お~、お~、お~、スタミナ有り余ってるねぇ。これが二試合目になるってのに……いや~、タフだ」


リュウ「……そらっ!」ガシッ


オー! オーオー!

実況「ここはリュウが間髪入れずにロープブレイクっ! 今、サードロープに手を伸ばし、ガッツリ掴みますっ! ロープブレイクっ! ロープブレイクですっ!」

ヤムチャ「よしっ……! あっ、って……喜んでいいのかなコレ……」

元「まぁまぁまぁ、ケン君に申し訳ないとか……そういう事は、今は抜きにしよう」

85: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:30:30 ID:kKtBuc9U
ダン「ロープブレイクだ、ロープブレイクっ! ほれ、ケンっ! 手を離せっ!」

ケン「……オーケー」サッ


パチパチ……パチパチ……

実況「さぁ、レフェリーがケンに声を掛けるっ! ケンもリュウの足から手を離していくっ! ロープブレイクなら手を離すっ……! 当たり前の事だが、これがクリーンな試合だっ!」

元「そうですね。お客さんも拍手してくれてます」

実況「空手軍団リュウ対ケンの対決ですが……これは、やはり、らしい試合っ! クリーンな試合を期待していきましょうっ!」


ケン「やれやれ……二試合目だってのに、タフな野郎だな……まぁ、そうでなくちゃ面白くはねぇけどよぉ……」ムクッ

リュウ「……ふう」ムクッ


実況「さぁ、ケンは少し後退りしながら……リュウの方を向きつつ、立ち上がってくるっ! しかし、リュウもすかさず立ち上がってくるっ!」

86: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:42:24 ID:kKtBuc9U
ダン「チンタラやってんじゃねぇっ! 立ち上がったのなら、戦えオラっ! ファイっ!」ビシッ

ケン「言われなくても、いくぜっ! オラオラ、まだまだいくぜっ!」ズガズガ


実況「さぁ、レフェリーも両者を指差し、そして再びその手をクロスさせるっ! おぉ~っと、それと同時にケンが向かっていくっ! 立ち上がったリュウに向かって近づいていくっ!」


ケン「オラっ、手加減無用だっ……! 喰らいなっ……!」バッチーンッ

リュウ「……うおっ」ヨロッ


オーッ!

実況「さぁ、ケンは再びリュウの胸元へと熱~い逆水平チョップっ! 打ち込んでいきますっ!」


ケン「今度は、ぶん投げてやるぜ。そらっ……!」スッ

リュウ「……うっ」


実況「そして、動きの止まったリュウの股下に手を差し伸ばすっ! 差し伸ばしていくっ!」

87: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:49:18 ID:kKtBuc9U
ケン「いっくぜぇ、オイっ……! うおおっ……!」ググッ

リュウ「……くっ」


実況「そして、そのままリュウの身体を抱え上げていくっ! ここはボディスラムかっ!? それともここから、何か派生技かっ!?」


リュウ「……させないぞっ! そらっ!」バタバタ

ケン「だっ……! な、なんだなんだっ……! 暴れんなコラ、バランスが……」ヨロッ


オー、オーオー

実況「あ~っと、あっとあっとっ! しかし、肩の高さまで抱え上げられた所で……ここはリュウが大きく大きく足をバタつかせるっ! バタつかせていくっ!」

元「おっと」


リュウ「投げは、させないっ……!」シュタッ

ケン「……チィ」


オー、オーオー

実況「リュウはそのままケンの背面へと着地ィ! 着地していくっ! ここはリュウが返したぁ!」

ヤムチャ「おおぉっ」

88: 名無しさん 2016/01/14(木) 22:58:15 ID:kKtBuc9U
リュウ「……バックは貰ったっ!」ガシッ

ケン「……くそっ!」


実況「即座に、ケンの胴回りを掴んでいくリュウっ! 背後を捉えたぁ!」

元「上手く返したねぇ」


リュウ「そらっ、バックドロップだっ……! うおおぉぉっ!」ググッ

ケン「やらせっかよっ……! この野郎、うるあっ……!」バタバタ


オー、オーオー

実況「そしてそのままケンの身体を抱え上げ……あ~っと、いやいやいやっ! ここはケンも、身体半分持ち上げられた所で足をバタつかせ、堪えていきます! 堪えていきますっ!」

ヤムチャ「おおぉっ」

89: 名無しさん 2016/01/14(木) 23:05:15 ID:kKtBuc9U
ケン「……簡単にはやらせねぇよ、この野郎」シュタッ


実況「そしてケンがマットへと着地ィ! この辺りは互いが互いの手の内を読んで、その一歩先をいっているという事でしょうかっ!?」

元「そういう事でしょうっ!」


リュウ「堪えたか……だが、それならっ……! そらっ……!」ドンッ

ケン「……うおっ」ヨロッ


実況「あっと、しかしここはリュウも切り返してくるかっ!? 今度はケンの背中を強く押し、突き飛ばしていくっ! ケンから少々距離を取るっ!」

元「お~っと、おっとおっと……どうなるんだ……? どうなるんだ……?」


リュウ「……いっくぜえぇ、ケンっ!」ダダッ


実況「おぉ~っと、リュウはそのままケンへと突っ込んでいったっ! 一直線に突っ込んでいくっ!」

90: 名無しさん 2016/01/14(木) 23:10:50 ID:kKtBuc9U
リュウ「……はああぁぁっ!」ドスッ

ケン「う、うおっ……おおっ……」ヨロッ


実況「リュウはそのままケンの背中へとドロップキーックっ! 突き刺していくっ!」

元「ここは、リュウ君が一歩先を行ったかな?」


ケン「く、くそっ……お、おおっ……! や、やべぇ……!」ボトッ


オー、オーオー

実況「ケンの身体が大きく大きく前へと押され……おぉ~っと、そしてトップロープを超えて、場外へと落ちたぁ!」


ケン「……ぐああぁぁ!」ズドーンッ

リュウ「……さて」ムクッ


実況「場外へと落下したケンっ! 落下したケンっ! そしてリュウはリング上で立ち上がるっ!」

91: 名無しさん 2016/01/14(木) 23:18:34 ID:kKtBuc9U
リュウ「後は、タイミングを合わせて……さぁケン、立て……」チラッ

ケン「ううっ……ちくしょう……」ググッ


実況「さぁ、リング上でリュウはケンの様子を見ているっ! これは……何か、狙っているかっ!? 狙っているのかっ!?」

元「恐らく、狙ってるとは思いますね」


ケン「あぁっ、ちくしょうっ……!」ムクッ

リュウ「よしっ、起きたな……それなら、いくぜっ……! はああぁぁっ!」ダダッ


オー、オーオー

実況「さぁ、ここで場外のケンが立ち上がるっ! そして、それを確認したリュウは……おぉ~っと、ここで一度ケントは逆側のロープへと走っていったぁ!」

元「や~っぱり、狙ってたみたいだねぇ」

92: 名無しさん 2016/01/14(木) 23:25:22 ID:kKtBuc9U
リュウ「……いくぜっ!」ダダッ


実況「さぁ、リュウは反動で勢いをつけたぁ! そして場外のケンに対して向かっていくっ! ここは得意のドラゴン・ロケットっ! 見せてくるかっ!?」

元「見せてくれるんじゃない!?」


ケン「あぁ、ちくしょう……もう来てやがるのか……だが……」

リュウ「……いくぜっ!」ガシッ

ケン「逃げればいいんだよ、逃げればっ……! ほら、お前も場外に落ちてろや、リュウっ……!」ササッ


実況「いや、ここはリュウは両手でトップロープを掴むっ! どうやら、ここはプランチャ・スイシーダのようですねっ!?」

元「あ~、そうだね」

実況「あ~っと、あっとあっとっ! しかし、ここはケンっ……! そんなリュウの動きに合わせつつ……大きく移動っ! 大きく移動っ! ここはケンは避けていくぞっ!」

元「あらっ!?」

93: 名無しさん 2016/01/14(木) 23:31:17 ID:kKtBuc9U
リュウ「いくぜっ……そおぉ~らっ……!」ピョンッ


実況「リュウはトップを飛び越え、場外へと飛ぶっ! 場外へと飛ぶっ! だが、ケンはもう移動しているっ!」

元「ケン君もまだまだ動けるみたいだね」


リュウ「……着地っ!」シュタッ


オー、オーオー

実況「リュウの身体は誰もいない場外へ……あ~、いや違うぞっ!? リュウはトップロープを飛び越えたが……そのまま身体を捻りつつ、エプロンサイドへと着地したぞっ!?」

元「おぉ~っとっ!」


リュウ「そう来る事は、俺も読んでいたぞ……さぁ、ケン……いくぞっ……!」ダダッ

ケン「……んっ?」


実況「どうやら、プランチャ・スイシーダはフェイントっ! フェイントだったようだっ! さぁ、リュウはそのままエプロンサイドを走り……そして、場外を移動したケンへと向かっていくっ!」

94: 名無しさん 2016/01/14(木) 23:36:02 ID:kKtBuc9U
リュウ「いくぜっ、そらっ……!」クルッ

ケン「くそっ……! フェイントだったかっ!」


実況「助走をつけたリュウはそのまま一回転しながらケンへと飛び込んでいったぁ!」

ヤムチャ「おおぉっ」


リュウ「……はああぁぁっ!」ズガアアァ

ケン「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そしてその背中をケンへとぶつけていくゥ! ここはトペ・アトミコだ! トペ・アトミコっ! ケンに自身の身体をぶつけ、なぎ倒していったぁ! ケンは場外でダーウンっ!」

元「やっぱり、互いのやり口がわかっている……そんな感じがするよね。一手先はどうなるかわからないよ」

実況「しかし、全力勝負という物はこうでなければいけませんっ! 互いのやり口を理解した上で……その一手先をいった者が、勝者となり得るのだぁ!」

109: 名無しさん 2016/01/16(土) 22:01:35 ID:Ge.Pt1Gw
リュウ「……よしっ!」ムクッ

ケン「うぐぐぐ……逃げるのは、そっちも想定内だったってワケか……」

ダン「両者場外だなっ! それじゃあ、場外カウント取るぞっ! 1っ……! 2っ……!」


実況「さぁ、リュウはすぐ様立ち上がるっ! 立ち上がって来るっ! おぉ~っと、ここでリング上のレフェリーが場外カウントを取り始めました」

元「おっ、カウント始まったね」

実況「20カウント以内にリングに戻らなければ、これは両者失格となってしまいますっ! 両者失格……そぉ~んな結末は見たくないっ! 見たくないぞっ!」

元「そうだよ。せっかく、こうやって試合が組まれたんだから、決着はリングの上でつけてもらいたいよね」


リュウ「起きろっ……! ケンっ……!」ググッ

ケン「くっ、ああっ……」


実況「そしてリュウは場外でダウンしているケンの身体を引き起こしていくっ! 引き起こしていきますっ!」

110: 名無しさん 2016/01/16(土) 22:07:17 ID:Ge.Pt1Gw
ダン「3っ……! 4っ……!」

リュウ「こっちだ、ケンっ……!」ググッ

ケン「おおっ、おおっ……なんだなんだ……」ヨロヨロ


実況「さぁ、リュウはケンの首筋に手を回し……そのままケンの身体を押しやっていくっ!」


リュウ「リングに戻るぞっ……! そぉ~らっ……!」ググッ

ケン「ううっ、おおっ……」ゴロンッ


実況「おぉ~っと、そしてここでサードロープ下からケンの身体を再びリング内へと押し込んでいくっ! 押し込んでいくっ!」

元「おっと、戦場はリング内へと戻るのかな?」


ダン「おっ、ケンは戻ったな……それで、リュウは……」チラッ

リュウ「ほら、もうカウントはいいだろ……? 俺も戻ったぞっ……!」シュタッ


実況「さぁ、舞台は場外からリング内へと移りますっ! ここでリュウもリング内へと戻るっ! 今、エプロンサイドに飛び乗りましたっ!」

111: 名無しさん 2016/01/16(土) 22:21:59 ID:Ge.Pt1Gw
ダン「そこはエプロンだっ! リングでやるなら、ちゃんとやれっ! オラ、入って来いっ!」

リュウ「……ここからなんですよ、レフェリー」スタスタ


オー、オーオー

実況「おっと、ここでエプロンサイドに飛び乗ったリュウはそのまま移動っ! エプロンサイドを歩き、そしてそのままコーナーポストの方へと近づいていくっ!」

元「お~、ここはまた飛ぶのかな?」


リュウ「さぁ、狙わせてもらうぜ……よっとっ!」ガシッ


オー、オーオー

実況「リュウはそのまま、コーナーポストの付近のセカンドロープに足をかけ……おっと、今コーナーポストに昇っていますっ! さぁ、リング内へと戻していったケンを、再びコーナーポスト上から狙うっ!」

112: 名無しさん 2016/01/16(土) 22:35:08 ID:Ge.Pt1Gw
リュウ「よし、いくぞっ!」ググッ


イケー! イケー!

実況「さぁ、そしてリュウが今コーナーポスト上へと昇りきったぁ! そして右腕を突き上げるっ!」

元「おおっ!」


ケン「ちくしょう……あ~、くそっ……」

リュウ「いつまでも寝てると……はああぁぁっ!」シュタッ


ワー、ワーワー

実況「さぁ、リング上でダウンしているケン目掛け……ここでリュウが飛んだああぁっ!」


リュウ「痛い追い討ちが待ってるぜっ! そらっ、ダイビングエルボードロップだっ!」ズドーンッ

ケン「う、うぐあああぁぁっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「そして、肘を落としていくっ! 肘を突き刺していくっ! ここはダイビングエルボードロップっ! ダーイビングエルボードロップだっ! コーナーポスト最上段からの肘をケンの腹部へと突き落としていったぁ!」

ヤムチャ「おおぉっ」

113: 名無しさん 2016/01/16(土) 22:44:58 ID:Ge.Pt1Gw
ケン「ぐ、ぐあっ……くそっ……」

リュウ「さぁ、このまま足をとって……そら、片エビ固めだっ……!」ググッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そしてここでリュウがケンの足を取り、そのまま持ち上げるっ! そして自身の背中でケンの身体を押さえつけ、両肩をマットへとつけるっ! そのまま片エビ固めへと入ったっ!」

元「おっ、流れのままフォールにいったかっ!?」


リュウ「レフェリーっ……! フォール入ってるぞ、さぁカウントだっ!」

ダン「オーケー、任しておきなっ!」


実況「リュウがフォールに入ったリュウがフォールに入ったぁ! さぁ、そしてここでレフェリーがやってきたぁ!」

元「どうなの!? 決まっちゃうのっ!?」

実況「ここで3カウント……決まってしまうのかっ!? さぁ、今レフェリーがカウントを取り始めますっ!」

114: 名無しさん 2016/01/16(土) 22:52:15 ID:Ge.Pt1Gw
ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」

ケン「……こんなもんで終われるかっ! うるぁっ!」ガバッ

リュウ「……おっと」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー! ワーワー!

実況「いやっ……! ここはカウントツーでケンの肩が上がりますっ! 覆いかぶさっていたリュウの身体を跳ね除けますっ! 2カウントですっ! 2カウントでケンの肩が上がりましたぁ!」

ヤムチャ「おおぉっ」

実況「一瞬、ここで決まってしまうのかも知れないと思って、ヒヤリとしましたが……どうやら、ケンはまだいけるようだっ!」

115: 名無しさん 2016/01/16(土) 23:01:50 ID:Ge.Pt1Gw
元「折角始まった試合なんだからね……こんなもんじゃ終われないよ、こ~んなもんじゃ。場内の皆さんも納得してくれないよ」

実況「いやぁ、思わずヤムチャさんからも、安堵の声が聞こえましたねぇ!?」

ヤムチャ「あ、ああっ……」

実況「……ねぇ!? ヤムチャさんっ!?」

ヤムチャ「あ、ああっ……そ、そうですねぇ……!? 俺もその……もうちょっと二人の戦いを見ていていたいと言うか……そこは、ケンさんに返してもらいたいと、言いますか……ねっ……?」

実況「はいっ! わかりますよ、そのお気持ちっ!」

ヤムチャ「だから、ここはその~……う~ん……大丈夫ですかね……? 俺、今ケンさんよりになってませんかね……!? 勿論、リュウさんも応援してるんですよ!? 応援は」

元「男なんだから、細かい事気にしてるんじゃないよ。大丈夫だよっ!」


ヤムチャ(あれっ……? あれっ……? 『おおぉっ』ってだけ言ってりゃいいんじゃないの……? なんか、話膨らまされてきたぞ……? や、やべぇぞ……! いつ終わるんだ、この話っ……!)

117: 名無しさん 2016/01/16(土) 23:11:25 ID:Ge.Pt1Gw
リュウ「まぁ、そうでなくちゃな。ほらほら、どうした……ケン……」ムクッ

ケン「チィっ……くそっ……!」ググッ


ケーン! ガンバレー!

実況「さぁ、そしてリングが立ち上がるっ! ワンテンポ遅れて……ケンも立ち上がってくるっ! ここは、ケン……少々、頑張っていきたい所かっ!?」

元「場内の皆さんも……うん、ほらヤムチャ君と同じ気持ちだと思うよ? ほら、ケン君応援されてるよ」

ヤムチャ「あっ、本当ですね……」


ケン「くそっ……ちょっと、攻められてんな……いい所なしだぜ……」ムクッ

リュウ「さぁ、ケンっ……! まだまだいくぞっ……!」


実況「さぁ、立ち上がってきたケン……だがしかし、リュウはそんなケンに仕掛けていくっ!」

元「片方応援したら、もう片方に角が立つ……なぁ~んて、ワケじゃないよ。こりゃ、今ケン君応援されてるけど、それはリュウ君がどうのこうってワケじゃなくて……単純にケン君の頑張ってる姿が見たい……そういう事なんだよ」

ヤムチャ「あ~、はい……」

118: 名無しさん 2016/01/16(土) 23:16:53 ID:Ge.Pt1Gw
リュウ「……そらっ! いくぜっ!」シュッ

ケン「……ぐっ!」


ケーン! ガンバレー!

実況「さぁ、そしてリュウが……ここで蹴りでいったかっ! ローキックっ! ケンに仕掛けていくっ!」

元「ヤムチャ君だって、あるでしょ……? ホラ、試合中にさぁ、応援されて……頑張ろうって気持ちになる事は」

ヤムチャ「あ~、それは……勿論ありますよ」


リュウ「そらっ……! 続けて、いくぜっ……!」シュッ

ケン「……ぐあっ!」


ケーン! ケーン!

実況「さぁ、続けてもう一発っ! 今度はミドルキックかっ!? リュウが攻めていく、攻めていくっ!」

元「それは……どんな時よ……? どんな時、どんな時……?」


ヤムチャ(あれっ……? これ、お爺ちゃんの助け船なのか……? え~っと、だったら……応えなきゃ……頑張って応えなきゃ……リュウさんとケンさんが、リングであれだけ盛り上げてるのに……俺が、ここでアタフタしてるだけじゃ……ダメだろ、オイっ……!)

元(う~ん……この子は、解説が苦手みたいだねぇ、何を緊張してるんだか……まぁ、でも頑張ってみなさい。僕も手伝ってあげるから)

119: 名無しさん 2016/01/16(土) 23:24:24 ID:Ge.Pt1Gw
リュウ「……そらっ!」シュッ

ケン「……くっ!」


ケーン! ケーン!

実況「さぁさぁ、流れはリュウが掴んできたと言ってもいいかっ!? リュウが打ち込んでいく、打ち込んでいくっ!」

ヤムチャ「やっぱり……ピンチの時と言いますか……こう辛い時にガンバレーなんて言ってもらえるのは、嬉しいですよねぇ」

元「ほ~う、それは今のケン君の状況とも一致する所もあるねぇ」


リュウ「……そらっ!」シュッ

ケン「……うぐっ!」


ケーン! ケーン!

実況「さぁ、リュウは打ち込む打ち込む打ち込むっ! 例えそれがケンであろうともっ……! 勝負と言う名の土俵に上がれば、もうそこには情けは無用だっ! しかし、それが正しき姿っ! 正しき勝負の形であるっ!」

ヤムチャ「これだけ応援されてんだったら……やらなきゃ……なんとかやらなきゃって、こ~う……」

元「頑張ってやろうっ……! って、力が湧いてくるワケだ!?」

ヤムチャ「そうそうそうっ……! そんな感じです、そんな感じです! だから今、ケンさんもね……? ちょっと辛い状況かも知れないけど……声は届いていると、思いますっ……!」

120: 名無しさん 2016/01/16(土) 23:29:56 ID:Ge.Pt1Gw
リュウ「……そらっ!」シュッ

ケン「……くっ!」


ケーン! ケーン!

実況「ならばケンっ……! その声に応えたい所かっ……!? 流れを再び引き戻したいっ!」

元「う~ん……でも、ちょっと打たれ続けてる状況が続いているねぇ……こりゃ、ケン君も厳しいんじゃないかなぁ……?」

ヤムチャ「いや~、そんな事は……ないですっ……! ケンさんもねぇ……なんだろうなぁ……反撃のチャンスを伺ってるんじゃないかなぁ……?」


リュウ「もう一丁っ……! はああぁぁっ……!」シュッ

ケン「ビシバシビシバシ……舐めてんじゃねぇぞっ……! うるあぁっ!」ガシッ

リュウ「……んっ?」


オー! オーオー!

実況「さぁ、リュウはケンを……あっ、いやっ! おっとおっとおっとぉ! ここでケンが、リュウの足を掴んだっ! 掴んだ掴んだっ! 蹴りを打ってきたリュウの右脚捉え……小脇に抱え込んだっ!」

ヤムチャ「あ~っ! ホラっ、ホラっ……! ねっ……!?」

元「おぉ~っと、こりゃ皆の声が……ケン君に届いたのかねっ!?」

121: 名無しさん 2016/01/16(土) 23:34:52 ID:Ge.Pt1Gw
ケン「足をとれば、もう打つ事は出来ねぇだろ……? くそ、ビシバシ打ちやがって、この野郎っ……!」

リュウ「くそっ……だがっ……!」


オー、オーオー

実況「さぁ、足を捉え片足立ちの状態のリュウっ! ここはケンも苦しい展開だったか、なんとか反撃にいくっ!」

ヤムチャ「あ~、でもここで安心しちゃダメですよっ! ここから、また反撃ってのもありますっ!」

元「そうだねぇ。足取っただけで安心してたら、いけないよ」


リュウ「だが……ここから、延髄斬りを……」

ケン「させねぇよっ、この野郎っ……! とりあえず、あっち向いてろっ……! そぉ~らっ!」ブンッ

リュウ「……うおっ」クルンッ


実況「そこはケンも重々承知かっ!? ここは即座にいくっ! 捉えたリュウの足を大きく横に振ってスイングさせつつ離すっ! その勢いにより、リュウの身体がクルッと半回転っ!」

ヤムチャ「おおぉっ」

元「おっとぉ、リュウ君の背中が見えたよっ!」

127: 名無しさん 2016/01/17(日) 22:00:47 ID:PHY/gurA
ケン「後頭部に……喰らっておけやっ……! うるぁ!」ガスッ

リュウ「……くおっ!」ヨロッ


実況「そして間髪入れずにケンが打ち込んでいくっ! リュウの後頭部へとエルボーバットォ! 肘を打ち込んでいったぁ! リュウはフラつくゥ!」


ケン「そんでもって、ここは……よっとっ……!」ガシッ

リュウ「ううっ……んっ……?」


実況「お~っと、そしてケンはリュウの背後から、その股下に右腕を差し伸ばしていくっ! さらに、左腕は首筋へと回したっ!」

元「おおっ! 背後を捉えたっ!」


ケン「さぁ、いくぜっ……! せぇ~のっ!」ググッ

リュウ「う、うおおっ……!」


実況「さぁ、そして捉えたその身体を抱え上げていくっ! リュウの身体を力任せに抱え上げていったぁ!」

128: 名無しさん 2016/01/17(日) 22:07:40 ID:PHY/gurA
ケン「リバース・パワースラムだっ……! 落ちろおぉっ!」ズドーンッ

リュウ「……ぐわあああぁぁ!」


オー! オーオー!

実況「そして身体を捻りつつ、リュウの身体を後方へと抱え上げ、落としていったぁ!」

元「リバース・パワースラムだね」

実況「ここはリバース・パワースラムっ! リバース・パワースラムっ! パワースラムとは表裏逆の状態でリュウの身体をマットへと落としたぁ! おぉ~っと、リュウは顔面からマットへと叩きつけられたかっ!?」


ケン「……よしっ!」ムクッ

リュウ「う、ううっ……くっ……」ググッ


実況「さぁ、そしてケンはすぐ様立ち上がるっ! あっと、しかしここはリュウも……顔面を抑えつつも、なんとか立ち上がろうとしているかっ!?」

元「まぁ、一撃返しただけだからね。ケン君はここから攻めていかないと」

129: 名無しさん 2016/01/17(日) 22:17:07 ID:PHY/gurA
ケン「ここは、間を空けねぇっ……! すぐいくぜ、うおおぉぉっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そこはケンも重々承知か!? さぁ、立ち上がったケンはそのままリュウに向かって勢いよく突っ込んでいくっ!」


ケン「顔面打ったみてぇだな……なら、ちっとの間はこっち動きも見えねぇだろ……」

リュウ「う、ううっ……」

ケン「……急ぐぜっ!」ダダッ


実況「いやっ……! ここはケンっ! リュウの脇を逸れるっ! どうやら狙いはロープでしたっ! ケンの狙いはロープだったようですっ! ケンはロープへと向かっていくっ!」

元「そうだね。いくなら、このタイミングがいいのかな?」

130: 名無しさん 2016/01/17(日) 22:30:10 ID:PHY/gurA
リュウ「ああっ……!」ググッ

ケン「へへ……それじゃあ、もう一撃っ……!」ダダッ


実況「さぁ、リュウは体勢を整えるっ! だが、そんなリュウにロープの反動をつけたケンが再び突っ込んできたぁ! 片膝ついて立ち上がろうとしているリュウ背後から一直線にケンが突っ込んでくるっ!」


イケー! ケーン!

ケン「後頭部に……喰らいなっ……! うるああぁっ……!」ズガアァッ

リュウ「うっ、ぐがっ……」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そしてケンは走り込んだ勢いのまま……硬い硬い膝をぶつけていくゥ! 左腕での膝蹴りをリュウの後頭部へと打ち込んいったぁ!」

元「お~、お~、顔面・後頭部と……お~、お~、容赦ないねぇ」

実況「見えない位置からきたぁ! 見えない位置から打ち込まれたぁ! こ~いつは効いたかっ!? お~っと、リュウは再び前のめりに倒れ込みますっ!」

131: 名無しさん 2016/01/17(日) 22:37:06 ID:PHY/gurA
ケン「ふう……ちっとは格好いい所、見せれたんじゃねぇか……やられっぱなしってのは、性に合わねぇからな……」


イイゾー、イイゾー、ケーン

実況「さぁ、ケンは軽く右腕を挙げて……これは、場内へのアピールかっ!?」

元「そうだろうね」

実況「さぁ、そしてうつ伏せにダウンしているリュウの身体を跨ぐように移動していきますっ!」


ケン「それじゃあ……よっと……」ガシッ

リュウ「ぐっ……」


実況「さぁ、そしてケンはそのまま腰を落とし……リュウの背中の辺りへと乗っていくっ!」


ケン「顔面打ってるはずだからな……だったら、追い打ちだっ……! それっ……!」シュルッ

リュウ「……くっ」


実況「さぁ、そしてそのまま背中上からリュウの頭部に手を回すっ! これは……フェイスロックかっ!?」

元「フェイスロックですね。リュウ君は、さっきリバース・パワースラムで顔からいっちゃったからね。まぁ、そこをさらに……という事でしょう」

132: 名無しさん 2016/01/17(日) 22:46:02 ID:PHY/gurA
ケン「締め付けるぜ……そぉ~らよっとっ……!」ググッ

リュウ「ぐっ……うぐぐ……」


オー、オーオー

実況「ここはリバース式のフェイスロックできたか、ケンっ……! さぁ、ケンはリュウの顔面を締めてつけていくっ! 回した腕に力を込めて、容赦なくリュウの顔面を締め付けていくっ!」


ケン「どうせだったら、腰にも負担与えておくかっ……! そぉ~ら、いくぜっ……! おおおおぉぉぉっ……!」ググッ

リュウ「う、うぐぐぐっ……ぐがっ……!」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っとっ! ここでケンは更に、リュウの上体を持ち上げていきますっ! リュウの上体をエビ反り状へと持ち上げていくっ! フェイスロックを仕掛けたまま……キャメルクラッチように、上体を持ち上げていったぁ!」

元「おぉ~っと、これは腰にも負担がかかってくるからねぇ!? なかなか、キツい技になってるよっ!?」

133: 名無しさん 2016/01/17(日) 22:58:04 ID:PHY/gurA
ケン「オラオラオラっ……! どうだどうだどうだっ……!」ググッ

ダン「リュウっ……! どうするっ……!? ギブアップかっ!?」

リュウ「ぐっ……ノーだっ……! ノーっ……!」


実況「ここでレフェリーがリュウに確認を取るっ! さぁ、顔面だけではなく、腰にも負担を与えるキツい技へとなってきましたっ! 元さん、どうでしょう? これ、ギブアップまでいってしまいますかねぇ!?」

元「う~ん、まぁキツい技にはなってるけど、どうなんだろうねぇ? ヤムチャ君なんかは、どう思うよ……?」

ヤムチャ「えっ、俺っすか……?」


ケン「オラオラオラっ……!」ググッ

リュウ「ぐっ……ぐっ……!」


実況「さぁさぁ、ケンは容赦なく絞り上げていくっ! 例えそれがリュウであろうとも、容赦は無しだぁ!」

ヤムチャ「う~ん……ケンさんがここで、反撃に出てきてくれたのは嬉しいんですけど……」

元「うん」

ヤムチャ「……俺は、リュウさんにもここで終わって欲しくはないです」

134: 名無しさん 2016/01/17(日) 23:14:21 ID:PHY/gurA
元「リュウ君、いけるかな……?」

ヤムチャ「少なくても、俺は……この場面はなんとかしてもらいたいですっ……!」

実況「さぁ、先程まではケンよりだったヤムチャさんが、今度はリュウよりへとなったぁ!」

ヤムチャ「いや、そういう意味じゃ……」


リュウモ、ガンバレー! カエセー!

ケン「なんだよ、おいっ……! さっきまで、俺応援してたんじゃねぇのかよっ……!」ググッ

リュウ「うおおぉぉっ……! 負けねぇぞっ……!」


実況「だがしかし、それは場内も同じ思いようだっ! ここで、リュウへも声援が飛んでくるっ!」

ヤムチャ「あっ、おっ……」

実況「我々は生温い戦いなど見たくはないのだぁ! 互いがベストを尽くした……好勝負が見たいのであるっ! ここで根をあげるリュウなど誰も見たくはないっ! だからと言って、手を抜くようなケンも誰も見たくはないっ! それが試合だぁ!」

135: 名無しさん 2016/01/17(日) 23:22:35 ID:PHY/gurA
ケーン! イケイケー!

ケン「おぉっ、よかったよかった……俺への声援も、ちゃんとあるじゃねぇかよ……よしっ……! だったら、ここでギブアップ奪ってやるぜ、うおおおぉぉ……!」ググッ


実況「おぉ~っと、しかし場内からはリュウだけではなく、ケンへのコールもあるかっ!? ケンへここで下克上を見せてくれと言わんばかりのコールが鳴るっ!」


リュウー! ガンバレー!

リュウ「ああっ……! 負けねぇよっ……!」


実況「リュウへのコールもあるっ! こんな場面で終わるなっ! 維持を見せろと言うコールが鳴るっ!」

ケーン! リュウー! ケーン! リュウー!

実況「さぁ、場内からはケンのコールとリュウのコールが入り乱れておりますっ! 少々、カオスな状況になってきたかっ!?」

ヤムチャ「……この試合」

元「おっ、どうしたの……?」

136: 名無しさん 2016/01/17(日) 23:27:42 ID:PHY/gurA
ヤムチャ「どっちを応援するか……とか、そういう事じゃなくて……」

元「……うん」

ヤムチャ「俺は、この目に焼き付ける必要がある……そんな試合かもしれませんね」

元「そうだね」

ヤムチャ「俺も、同じです。どっちにも頑張ってもらいたいし……だからと言って、手を抜くような真似はしてはもらいたくない……」

元「うん」

ヤムチャ「リュウさん、ケンさん……二人の真剣勝負……それをここで、目に焼き付けますよ」

元「ここは、特等席だからね」

ヤムチャ「今は……そうですね。リュウさんより……ですね。はい。まだ、こんな所で終わって欲しくはありません。もっと見たいです」

実況「さぁ、弟弟子のヤムチャもここで見ているぞっ! リュウっ……! ケンっ……!」


ヤムチャ(そうだよそうだよ、別に両方応援するでいいんだよ。お客さんだって、そういう感じなんだから……不利な方を応援する……それでいいんじゃねぇか……なんか、苦手意識とかプレッシャーで……俺、変な方行ってたんじゃないか……? 感じたままに言えばいいんだよ)

144: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:00:48 ID:Ij31VeH.
リュウー! ガンバレー!

リュウ「くおおぉぉっ……! とにかく、腰だけでも……!」ググッ

ケン「う、うおっと……! チィ、まだパワーが残ってやがったかっ!」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、ここでリュウが振り絞るっ! 力を振り絞って、持ち上げれた上体を下ろしていくっ! やはりこんな物で終われないと言う意気込みを感じるぞぉ!」

ヤムチャ「お、おおぉっ! やった、返したかっ!?」

元「いや、まだ返せてないっ!」


リュウ「少し……楽になったぞ、ケンっ……!」

ケン「腰を極めるのは、あくまでおまけだっ……! フェイスロックはまだ解けてねぇぜ……? うおらああぁぁっ……!」ググッ

リュウ「くっ……くっ……!」


実況「リュウは耐えていく、耐えていくっ! 上体の力を振り絞り、なんとか持ち上げられた上半身再び下ろしていくっ! キャメルクラッチ状に、エビ反りの体勢になっていたリュウの上半身が、マットへと下りていったぁ!」

元「ただ、フェイスロックはまだ続いているんだよね。まぁ、この体勢に戻った事で、腰の負担は軽減されるでしょう」

ヤムチャ(……勇み足っ!)

145: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:09:38 ID:Ij31VeH.
実況「確かに、ケンのフェイスロックはまだ続いておりますっ! リュウの背中の上に覆い被さるようにしながら、ケンはフェイスロックを続けているっ!」

元「リュウ君にとって、不利な体勢という事には……まぁ、まだ変わりはないね」


ケン「そぉ~らっ、もう一度……持ち上げてやるぜっ……! うおらあぁぁっ……!」ググッ


実況「確かに、これはリュウにとっては非常に不利な……あぁ~っとっ! ここでケンはもう一度、力を振り絞るっ!」

元「あっと……こりゃ、また持ち上げてくるかな……?」


リュウ「……させるかっ」ガシッ

ケン「……んあっ!?」


実況「おぉ~っと、そうはさせないっ! 持ち上げはさせないっ! ここはリュウ、後ろ手でケンを掴むっ! ケンの首筋を掴み、そして自身の身体に押し付けるようにして、なんとか堪えているか……?」

元「そうだね。強引だけど、持ち上げられないようにはしてるね」

146: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:15:40 ID:Ij31VeH.
ケン「おいおいおいっ……! なんだなんだ、おいっ……!」

リュウ「くっ……くっ……」ズルズル


実況「さぁ、リュウが下からケンの身体を抑えつけて堪えていくっ! ただし、状況は苦しいっ!」

元「なんとか、体勢を変えようとはしているねぇ」

実況「おっと、そのままリュウは下半身をなんとか横にズラし……これは脱出試みよう言った所かっ!?」

元「まぁ、完全にバックを取られてる状況よりかは、下半身は抜いた方がいいよ」


リュウ「……くあっ!」ズルッ

ケン「……チィっ!」


実況「さぁ、ここでなんとか下半身を抜いていったリュウっ! しかしケンはまだ顔面を締め上げているっ! リバース式のフェイスロックから、サイドフェイスロックになったと言った所かっ!?」

元「まぁ、でもこれでなんとか足は何とか使えるようになったんじゃない?」

147: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:22:47 ID:Ij31VeH.
リュウ「……よしっ!」ガシッ

ケン「んあぁ……? なんだなんだ……?」


オー、オーオー

実況「さぁ、ここでリュウが片膝を立てたっ! しかし、依然ケンのフェイスロックは続いているっ! さぁ、少々リュウは呼吸を整えているのかっ!?」


リュウ「よしっ、いくぞっ……! それっ……!」ガシッ

ケン「……うおっ!」


実況「おっと、ここでリュウは首筋を掴んで押さえつけていた腕を離し、そしてケンの胴回りを掴んでいくっ!」

元「……おっ!」


リュウ「いつまでも、やらせはしないぞっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ

ケン「う、うおおっとっとっ……!」


実況「そしてそのまま立ち上がる勢いを利用しつつ……ケンの身体を持ち上げていったぁ!」

元「おぉ~っと、強引にいったねぇ!」

148: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:30:16 ID:Ij31VeH.
リュウ「……バックドロップだっ!」ズドーンッ

ケン「……うげっ」


オー! オーオー!

実況「さぁ、ここはリュウがなんとか返したかっ!? ケンの身体をぶっこ抜いての低空バックドロップっ! 低空バックドロップで叩きつけていきますっ! リュウの顔を締め上げていたケンの腕もここで離れたぁ!」

ヤムチャ「おおぉっ! これは、返しました……よね……?」

元「まぁ、流石にマットに叩きつけられりゃねぇ!」


リュウ「ううっ……ようやく、返せたが……」ムクッ


実況「さぁ、リュウが立ち上がって来ますっ!」

ヤムチャ「よ~し、それじゃあここからリュウさんが……」


リュウ「……くそっ、結構長時間やられてたからな」フラッ


ヤムチャ「あっ……でも、苦しそうですね……」

元「う~ん、まぁ結構長時間やられてたからね……それなりにダメージ溜まってるでしょ」

実況「リュウは顔面を抑えて、フラついているかっ!? ケンのフェイスロックによって、ダメージが蓄積されているっ!」

149: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:41:38 ID:Ij31VeH.
ケン「へへへ、そりゃそうだ……あれだけやれば、そりゃダメージも溜まるってもんだよ……」ムクッ


実況「さぁ、リュウは一つ呼吸を整えるっ! あ~、いやっ! しかしここでケンがすぐ様立ち上がって来るっ!これは……先程のバックドロップのダメージは、あまりないのかっ!?」

元「ないってワケじゃないだろうけど、まぁ低空だったからね。大きな物ではないでしょ」


ケン「完全に俺のペースだな、オラっ! いっくぜええぇっ!」バッチーンッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「さぁ、ケンはリュウに近づいていって……そのまま逆水平チョーップっ! リュウの胸元へと打ち込んでいくっ!」

元「いや~、ケン君リュウ君相手に……これ、押してるんじゃないかな?」

ヤムチャ「いや~、ケンさんの力は折紙付きですけど、リュウさんの力も……こんなもんじゃないとは、思いますっ!」

150: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:53:03 ID:Ij31VeH.
ケン「そらっ……! いくぜっ!」ガシッ

リュウ「……くっ」


実況「そうは言ってもリュウにとっては苦しい時間が続くかっ!? さぁ、ここでケンは両腕でリュウの頭部を掴んだっ!」

ヤムチャ「いや~」


ケン「……そぉ~ら、反転しな」ググッ

リュウ「う、うおおっ……」


実況「ケンはゆっくりと掴んだ頭部をスイングさせてリュウの身体を反転させていくっ! そして、自身もその腕を潜るようにしながら、身体を反転させるっ! さぁ、今両者が背中合わせになったっ!」


ケン「今度の狙いは……首だっ! そらっ……!」ズドーンッ

リュウ「……くああっ!」


実況「リュウの頭部を自身の肩に乗せて……そして、尻餅つくようにマットに落ちていくっ! リュウの首を自身の肩へと落とし、衝撃を与えていくゥ!」

元「ショルダー・ネックブリーカーですね」

実況「ここは、ショルダー・ネックブリーカーっ! ショルダー・ネックブリーカーっ! おぉ~っと、リュウの身体がマットへと落ちたぁ!」

151: 名無しさん 2016/01/18(月) 22:59:41 ID:Ij31VeH.
ケン「よしっ、いい感じだぜっ!」ムクッ


実況「さぁ、ケンは立ち上がるっ! すぐ様立ち上がってくるっ!」

元「いいリズムだね、うん」


ケン「ついでに、追い打ち……いっておくかっ! そぉ~らっとっ!」ドスッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「そして、ダウンしているリュウに対して、そのまま肘を突き立て落としていくっ! 落としていくっ! ここはエルボードロップっ! 即座にいったぁ! 胸元へと突き刺したぁ!」

元「これ……ケン君、凄いいいリズムでいってると思うんだよ。これ、リュウ君にもさぁ……? 勝てるんじゃないのかな!?」

実況「下剋上となってしまうのかっ!? 下剋上となってしまうのかっ!? ケンがリュウから勝利するのかっ!?」

ヤムチャ「だから、リュウさんもまだまだいけますってのっ……! もうっ……!」

元「そ~んなに、怒らなくてもいいじゃない」

152: 名無しさん 2016/01/18(月) 23:07:14 ID:Ij31VeH.
ケン「よっしゃっ! そろそろ終わりにしてやるかっ!」ムクッ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、そんなヤムチャさんの気持ちとは裏腹に……ここでケンは立ち上がり右腕を突き上げますっ! これはこれは……!?」

元「おぉ~っと、フィニッシュ狙ってるんじゃないかなぁ!?」

ヤムチャ「え~っ……! いや~、あの~」


ケン「さぁ、起きなっ……! リュウっ……!」ググッ

リュウ「……くっ」


実況「そしてケンはここでリュウ身体を引き起こしていくっ! 引き起こしていきますっ!」


ケン「……そらっ!」ガシッ

リュウ「……くっ」


実況「さぁ、ケンはリュウの頭部を脇に抱えて……ここはブレーンバスターの体制へと捉えたっ!」

153: 名無しさん 2016/01/18(月) 23:14:22 ID:Ij31VeH.
ケン「いっくぜええぇっ! うおおおぉぉっ!」ググッ


実況「おぉ~っと、そして間髪入れずに、リュウの身体を真っ逆さまへと抱えげていったぁ!」

ヤムチャ「う~んっ……!」


ケン「回転しつつ……」クルッ

リュウ「う、うおおぉっ……!」

ケン「……叩きつけるっ! そぉ~らっ!」ズドーンッ

リュウ「……ぐわあああぁぁ!」


実況「リュウを抱え上げ、ケンは身体を捻りつつ……開脚しながらリュウの身体をマットへと叩きつけていったぁ! ここは、間髪入れずに投げていったぁ!」

元「ファルコン・アローですね」


ダン「よし、フォールだな……! カウントは任せておけっ!」ダダッ


実況「そしてそのままフォールの体勢っ! さぁ、レフェリーがやってきましたっ! ここでカウントを取りますっ!」

ヤムチャ(これ、そのままフォールいける技なのか……はぁ~、ダンさんも反応早ぇなぁ……)

154: 名無しさん 2016/01/18(月) 23:19:28 ID:Ij31VeH.
ダン「よし、カウントいくぞっ……!」

ケン「焦るなよ……こんな技じゃ決まんねぇよ……」

ダン「……ありゃ?」


オー? オーオー?

実況「そしてレフェリーのカウント……あ~っと、いやっ……! ここでケンは自らフォールを解きますっ! 解きますっ! どういった事でしょうっ!?」

元「まぁ、この技ではリュウ君からフォールは……どうかな……? やっぱり、確実にいくなら、もう一つ大技いっておきたいよね」

実況「……なる程っ!」

ヤムチャ(なる程っ……! 扱い的には、俺のスパイン・バスターと同じなワケだ……)


ケン「止めを刺すなら、それなりの技でいかねぇとな……って事で、止めはコレだっ! 狙うぞっ!」パチンッ


実況「さぁ、ここでケンは立ち上がり、おぉ~っと今度は自身の足……太腿辺りを大きく叩いていきますっ! これはこれは……!?」

元「おっ……? 大技来るんじゃないの……?」

155: 名無しさん 2016/01/18(月) 23:26:32 ID:Ij31VeH.
ケン「よしっ……! ダウンしている隙に……行くぜっ……!」ダダッ


オー! オーオー!

実況「そのままケンは一直線にコーナー付近へと向かっていくっ! こいつはこいつはっ……!」

元「恐らく、ミサイル竜巻旋風脚でしょう。これなら、フィニッシュにも持っていけるかもしれないね」

実況「リュウの起き上がりに合わせて、ケンは狙って来るでしょうっ! ミサイル竜巻旋風脚っ!」


ケン「……よしよし、いくぜ」ガシッ

リュウ「……よし」ムクッ

ケン「……んっ?」


オー! オーオー!

実況「さぁ、一度エプロンサイド出て……そしてそこからコーナーへと昇っていくケンっ! 今、セカンドロープに足をかけたっ! おぉ~とっ!?」

元「あっ!」

156: 名無しさん 2016/01/18(月) 23:35:51 ID:Ij31VeH.
ケン「ちょっと待てちょっと待て、早いぞ早いぞっ……! まだ昇ってねぇぞっ……!」

リュウ「昇りきったらアウトだからな……このタイミングしかないだろ……! いくぜええぇぇっ!」ダダッ


リュウー! リュウー!

実況「ここの起き上がりが早いっ! 早いぞっ! ケンがコーナーに昇るよりも早く起きがってくるっ! そしてコーナーにいる向かって突っ込んでいくっ!」

ヤムチャ「いよぉ~しゃっ! 待ってましたぁ!」


ケン「く、くそっ……! 間に合わねぇっ……! 逃げ場もねぇっ……!」

リュウ「だあああぁぁっ!」ドスッ

ケン「……うげっ!」


ワー! ワーワー!

実況「ケンはここでようやくコーナーポスト上に昇りきったっ! しかし、そこに突っ込んでいったリュウは、そのままドロップキーックっ!」

元「おぉ、おぉ、打点が高いねぇ」

実況「ここはリュウが返したぁ! リュウが返したぁ! 高い打点のドロップキックケンへと突き刺していきますっ!」

ヤムチャ「ほら、だから俺言ったでしょっ!? リュウさんはまだまだいけるってっ!」

163: 名無しさん 2016/01/19(火) 22:00:35 ID:MNIqYUL6
ケン「……ちくしょうっ!」ベタッ

リュウ「……よしっ!」ムクッ


実況「下からの対空攻撃っ! さぁ、これを受けてケンはコーナーポスト上に尻をついてしまうっ! おっと、そしてここはリュウの動きが早いっ! すぐ様、立ち上がってくるっ!」

元「ここ防げたのは大きいんじゃないかな。さぁ、どうなる」


リュウ「……いくぞっ!」シュタッ

ケン「くっ……」

リュウ「そらっ、掴まえたぞっ……!」ガシッ


実況「立ち上がったリュウはそのままセカンドロープに飛び乗り……おぉ~っと、そしてコーナーポスト上のケンの頭部を掴まえるっ! 自身の脇へと抱え込んでいくっ!」

164: 名無しさん 2016/01/19(火) 22:06:10 ID:MNIqYUL6
リュウ「昇った所、悪いが……再び落ちてもらうぜっ……! はああぁぁっ……!」ググッ

ケン「う、うおおぉぉっ……! ぐわあああぁぁ!」ズドーン


オー! オーオー!

実況「そしてケンの身体を持ち上げ後方にっ……! コーナーポスト上から落としていったぞぉ!」

元「雪崩式ブレーンバスターだっ!」

実況「ここは雪崩式のブレーンバスターっ! セカンドロープからの雪崩式ブレーンバスターァ! ケンの身体をコーナーポスト上から、マットへと叩きつけていったぁ!」


ケン「く、くそっ……まだ、動けやがったのか、こんちくしょう……」

リュウ「ああっ、まだまだ動けるぜ……さぁ、続けていくぞっ……!」ムクッ


実況「ここで反撃に出たリュウ……と、言った所かっ!? おぉ~っと、リュウは続けていくっ! すぐ様、立ち上がっていくっ!」

元「そうだね。一撃だけじゃなくて、いくならもっともっとジャンジャンいきたいねぇ」

165: 名無しさん 2016/01/19(火) 22:18:22 ID:MNIqYUL6
リュウ「今度は俺が昇らせてもらうぜっ……!」ガシッ


オー! オーオー!

実況「おっと、そしてここでリュウは、自身の目の前……コーナーポストに昇っていくっ! セカンドロープに足をかけて昇っていくっ!」

元「おっ」


リュウ「……よしっ!」ガシッ


実況「さぁ、リュウがリングに背を向けたまま……ダウンしているケンに背を向けたまま、今ここでコーナーポスト上への昇りきったぁ!」

元「……ムーンサルトプレス辺りかな?」


リュウ「……よっとっ!」クルッ


実況「いやっ……! この場面リュウは、コーナーポスト上で軽く飛びつつ、体を入れ替えていくっ! リングに背を向けていたリュウは、クルッと反転してリングの方を向いたぁ!」

元「……ムーンサルトプレスじゃなかったみたいだね」

ヤムチャ(お爺ちゃんも間違えるんだね……でも、普通に続けるんだね……この辺が慣れなんだろうなぁ……)

166: 名無しさん 2016/01/19(火) 22:30:06 ID:MNIqYUL6
リュウ「さぁ、立つんだ……ケン……」ググッ

ケン「ううっ……くっそぉ……」ムクッ

リュウ「起き上がりに合わせて……俺が逆にお見舞いしてやるよ……」パチン


オー! オーオー!

実況「そのままコーナーポスト上でリュウはケンの様子を伺うようにしながら、ゆっくりと立ち上がっていくっ! お~っと、そしてここで……!? リュウは、自身の太腿辺りを叩いたかっ! これはこれはっ……!?」

元「お~、お~、お~……なる程ね……」

ヤムチャ「あれ、これってさっきの……」


ケン「だが、こっちだってまだまだ動け……んあっ……!?」

リュウ「こいつを狙ってたんだろっ……!? さぁ、ケンいくぞっ……! 俺が代わりに打ってやるっ……!」シュタ


ワー、ワーワー

実況「ここでケンが起き上がり、そしてリュウの方を振り向くっ! リュウはそんなケンに狙いを定め……コーナーポスト上から飛び込んでいったぁ!」

167: 名無しさん 2016/01/19(火) 22:37:32 ID:MNIqYUL6
リュウ「ミサイル竜巻旋風脚だあぁっ……! はああぁぁっ……!」ズガアァ

ケン「ぐ、ぐわあああぁぁ……!」バターン


ワー! ワーワー!

実況「コーナーポスト上からのミサイル竜巻旋風脚っ! ミ~サイル竜巻旋風脚っ! ここでリュウがケンの起き上がりに合わせて打ち込んでいったぁ!」

元「こりゃ、さっきケン君が狙ってたヤツだよね。そうだよ、これはリュウ君も使えるからね」

実況「こいつを喰らい、ケンの身体が大きく吹っ飛びダーウンっ! 自身が狙ってたいた技を……逆にリュウ打ち込まれてしまいますっ!」

元「ハハ、リュウ君も負けず嫌いだよ」


リュウ「さぁ、レフェリーっ……! フォールだ、カウントをっ……!」ガバッ

ダン「オーケー、任せておきなっ!」


実況「おぉ~っと、リュウはそのまま急いでダウンしているケンに近づいていき、そしてその身体に覆い被さるっ! ここでフォールだっ! リュウがフォールに入ったっ!」

元「この流れでのフォールを……ケン君は狙ってたワケだ。ただ、リュウ君が早かった」

実況「さぁさぁさぁさぁ、ここで決まってしまうのかっ!? 今、レフェリーがカウントを取りますっ!」

168: 名無しさん 2016/01/19(火) 22:42:39 ID:MNIqYUL6
ダン「……ワンっ!」

ワー、ワーワー

ダン「……ツーっ!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」

ケン「……まだまだぁ!」ガバッ

リュウ「まぁ、そうだよな……」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ、決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー! ワーワー! イイゾー! ケーン!

実況「おぉ~っとっ! しかしここはケンの肩が上がるゥ! カウントは2.6と言った所かっ!? ケンの肩が上がっていきますっ!」

元「まぁ、大きいのは貰っちゃけど……うん、まだまだでしょうっ!」

169: 名無しさん 2016/01/19(火) 22:51:35 ID:MNIqYUL6
リュウ「所詮は単発……ここで決まらない事は予想済みだぜ……だからっ……!」シュルッ

ケン「……んっ!?」


オー! オーオー!

実況「あっとっ!? しかし即座に動くっ! 即座に動いていくっ! ここは腕を取ったかっ!?」

元「おっとぉ!? 取ったかな!?」


リュウ「スリーカウントじゃなくて……ギブアップを狙わせてもらおうかっ……!」ググッ

ケン「うあっ……ぐあっ、ガッ……!」


オー! オーオー!

実況「リュウはケンの左腕を両脚で挟み込み……そのままグラウンドへと寝っ転がり、膝ィ! 関節部分を自身の股に押し当て、極めていくゥ!」

元「即座にいったねぇ。腕ひしぎ逆十字固めだっ!」

実況「ここは間髪入れずにリュウが仕掛けていったぁ! 腕ひしぎ逆十字固めっ! 腕ひしぎ逆十字固めですっ!」

170: 名無しさん 2016/01/19(火) 23:01:38 ID:MNIqYUL6
リュウ「うおおおぉぉっ……! どうだっ……!」ギリギリ

ケン「ぐがっ……がががっ……! だああぁっ……!」ジタバタ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、ケンはかなり暴れているぞっ!? 大きく足をバタつかせ、暴れているぞぉ!? これ、極まり具合はどうなんでしょう、元さんっ!?」

元「これ、ガッチリ極ってんじゃないのっ!?」


リュウ「そらそらそらそらっ……!」ググッ

ダン「うおっとっ……! おい、どうするケンっ……! ギブアップかっ!? ギブアップするのかっ!?」

ケン「ノーだっ……! ノーっ……ノーっ……!」ジタバタ


ワー、 ワーワー

実況「ケンの暴れようが尋常ではないっ! 尋常ではなぁ~いっ! ここはレフェリーも慌てて確認を取りますっ!」

元「フォールを返す事にちょっと意識がいってたかな……? そこに即座に来たもんだからねぇ。こりゃ、ガッツリいったんじゃないの?」

171: 名無しさん 2016/01/19(火) 23:08:11 ID:MNIqYUL6
ケン「こりゃ、長時間喰らえねぇっ……! ちくしょうっ……!」ブンッ

リュウ「……おっと」


オー! オーオー!

実況「ケンが即座に動くっ! 自身の足を空中に蹴り上げ、その反動で自身の身体を動かしていくっ! ここはすかさず、キックアウトだっ!」

元「そうだね、長時間は喰らえないからね。逃げるなら、とっとと逃げなきゃ」

ヤムチャ「ロープブレイクですよね……?」


ケン「くああぁっ……くそっ……うらぁっ……! うらぁっ……!」ブンッ

リュウ「……やるじゃないか」


ワー! ワーワー!

実況「ケンも必死の抵抗を見せるっ! まるで陸に打ち上げられた魚のように、何度も何度も身体を跳ね上げ……少しずつではあるが、ロープへと近づいていくっ! ここはロープブレイクを狙っていくっ!」

元「こりゃ、ケン君も辛そうだねぇ。おぉ~っと」

172: 名無しさん 2016/01/19(火) 23:15:12 ID:MNIqYUL6
ケン「うるああぁっ……! レフェリー、ロープだっ! 足を見てくれっ!」ガシッ


オー! オーオー!

実況「さぁ、ここでケンの足がロープへと触れたぁ! ロープへとたどり着いたぁ!」

元「おっ、逃げ切ったぁ!」


ダン「よしっ! リュウ、ロープブレイクだ。オラッ、離せっ!」

リュウ「……了解っ」サッ


実況「ここはロープブレイクですっ! ケンが逃げ切りましたっ! リュウの腕ひしぎ逆十字固めは、かなりのピンポイントで極っていたのですが……ここは、ケンがロープまで辿り着きましたっ!」

元「でもねぇ、今ので結構スタミナは奪われたと思うよ……?」

実況「う~ん……必死の抵抗でしたからねぇ。さぁ、リュウはケンの腕から手を離しますっ! 離していきますっ!」

173: 名無しさん 2016/01/19(火) 23:24:14 ID:MNIqYUL6
リュウ「流れは戻って来たな……よしっ……!」ムクッ

ダン「おい、ケンっ……! 腕、大丈夫か……?」

ケン「問題はねぇ……大丈夫だっ……!」ガシッ


実況「さぁ、即座にリュウは起き上がるっ! そして……ロープを掴みながらなんとか立ち上がってくるケンの様子を、少し観察していると言った所か!?」

元「ちょっと、余裕が出てきたんじゃないの? リュウ君も」


ケン「ちくしょうっ……! まだまだだっ……!」クルッ

リュウ「よしっ……! いくぞ、はあぁっ……!」シュッ

ケン「……ぐああぁっ!」ヨロッ


実況「さぁ、ここでケンが立ち上がりリュウの方を振り向くっ……! だがしかし、そんなケンの動きに合わせて、ここはリュウが右での蹴りを打ち込んでいくっ! ハイキックだっ! 左肩辺りにヒットしたかっ!?」

元「こりゃ、意図的に狙ったんでしょうねぇ」

174: 名無しさん 2016/01/19(火) 23:29:55 ID:MNIqYUL6
リュウ「まだまだぁっ……! そらっ……!」ドスッ

ケン「……ふぐっ!」


実況「ケンの身体がフラついたかっ!? だがリュウは容赦はしないっ! お次は左脚での膝蹴りィ! 腹部へと打ち込んでいくっ! こいつを喰らい、ケン身体が今度は前のめりになったかっ!?」


リュウ「……それっ!」ガシッ

ケン「……く、くそっ」


実況「さぁ、そして前のめりになったケンの頭部を……ここでリュウは脇に抱え込むっ!」


リュウ「打ち付けるぞっ……! はああぁぁっ……!」ズドーン

ケン「……うぐああぁぁっ!」


オー! オーオー!

実況「そしてそのまま後方に倒れ込み、ケンの頭部をマットに打ち付けていくっ! 突き刺していくっ!」

元「DDTですね」

実況「ここはDDTっ! DDTですっ! おぉ~っと、ケンは頭部を強くマットに打ち付けられ……そのままグルンと一回転しながらマットへと仰向けに倒れたぁ!」

185: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:01:54 ID:TMiIyEGI
リュウ「よぉ~しっ! どんどんいくぞぉ!」ムクッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そしてリュウは立ち上がるっ! 立ち上がってくるっ!」

元「流れを引き戻してきたんじゃないの?」


ケン「……う、ううっ」

リュウ「さぁ、寝ている場合ではないぞ……ケンっ……! 立てっ……!」ググッ

ケン「……くっ」ムクッ


実況「立ち上がったリュウは、ここで近づいていき、その身体を引き起こしていきますっ!」

元「掴んだ流れを逃さず、攻め立てたいね」

186: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:09:02 ID:TMiIyEGI
リュウ「そらっ、いくぞっ……! はああぁぁっ……!」バッチーンッ

ケン「……くおっ」ヨロッ


オーッ!

実況「リュウはググッと拳を握って……おぉ~っと、ここで逆水平チョップっ! ケンの胸元へと打ち込んでいくっ!」


リュウ「もう一丁っ……! はああぁぁっ……!」バッチーンッ

ケン「……くあっ」ヨロッ


オーッ!

実況「さぁ、連続でもう一発っ! ケンの胸元に熱~い逆水平チョップをお見舞いだぁ! フラリとフラリとケンの身体が後退していくっ!」


リュウ「まだまだぁ! はああぁぁっ……!」バッチーンッ

ケン「……チィっ」ドスッ


オーッ!

実況「まだまだ続けるっ! もう一発っ! おぉ~っと、そしてケンの身体がコーナーマットへと持たれかかるっ! ここはリュウ、チョップの連打連打でケンの身体をコーナーへと押しやっていったぁ!」

187: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:16:47 ID:TMiIyEGI
ケン「くそっ、これだけ打ち込まれると、ちっと辛い物があるな……」

リュウ「縛らくそこにいてもらうぞっ……! はああぁぁっ……!」バッチーンッ

ケン「……うげぇっ!」


オーッ!

実況「リュウはここで今度は、振り下ろし式のチョップを胸元に見舞うっ! コーナーに追いやられ、逃げ場のないケンの胸を強く打っていくっ!」

元「ちょ~っと、ケン君も辛そうな表情見せてきたんじゃないかな?」


ケン「く、くそっ……」

リュウ「どうした……? へばったか……!?」ススッ


実況「コーナーマットに寄りかかり、なんとか体勢保っていると言ったケンかっ!? そろそろスタミナの消費も気になってきた所かっ!? さぁ、リュウは動きの止まったケンに視線を定めたまま……おっと、ここは少し後退していくっ!」

ヤムチャ「ケンさんのスタミナ……減ってきてますかぁ……」

元「まぁ、シングルマッチの相手がリュウ君ときたもんだからね。まぁ、でもよくやってると僕は思うよっ!」

188: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:22:55 ID:TMiIyEGI
リュウ「反撃する力も、そろそろ残ってないんじゃないか……? それなら……」ジリジリ


オー、オーオー

実況「さぁ、リュウが間合いを測りつつ、ジリジリと後退していき……お~っと、おっとおっとっ! リュウはかなり下がっていくぞっ!?」

元「おっと、結構下がっていくねぇ」

実況「リュウはそのまま対角線コーナーの方まで下がっていったぁ! さぁ、コーナーに寄りかかりいるケンっ……! いつの間にやら、一番距離のある地点へ到着しましたっ!」


リュウ「ここから、勢いつけて……いくぞっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「リュウはケンに狙いを定めて……!? おぉ~っと、対角線コーナーから一直線にケンに突っ込んでいったぁ! 加速をつけつつ向かっていくゥ!」

元「ここは串刺し攻撃だね」

189: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:27:38 ID:TMiIyEGI
リュウ「いくぜっ、串刺しラリアットだっ……! はああぁぁっ……!」ダダッ

ケン「くそっ、これ以上やられるワケには……とにかく、返すだけでもっ……!」ググッ

リュウ「んっ……? う、うあっ……ガッ……!」ヨロッ


オー! オーオー!

実況「リュウはそのままコーナーへのケンへと……あ~っとっ! あっとあっとっ!」

ヤムチャ「おおぉっ! コレ、返したんじゃないですかっ!?」

元「おっ、返したねぇ」

実況「ここはケンが右脚を大きく振り上げ……突っ込んでくるリュウを上手く迎撃っ! ケンの振り上げた足に、リュウは顔面から突っ込むっ! ここはケンが返したっ!」


ケン「……へへ、一直線だったな?」

リュウ「う、うっ……しくじったか……」ヨロッ


実況「さぁ、顔面を抑えて苦しむリュウっ! 勢いをつけて行っただけに、ここは自身が大きくダメージを喰らってしまうっ!」

元「おっ……!? ケン君に、背中見せたじゃない!?」

190: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:34:42 ID:TMiIyEGI
リュウ「くそっ……」フラフラ

ケン「とりあえずは……返せたが……」


ヤムチャ「ケンさん……なんで、なんでいかないんだっ……!?」

元「いきたい場面ではあると思うよ……ケン君も……」

実況「リュウを上手くカウンターで迎撃はしたが……ここは、ケンっ……! 身体が重いかっ! コーナーマットに身体を預けたまま……動けないっ! 一歩が出ないっ!」

元「スタミナ……だね……」

ヤムチャ「嘘だろ、お~いっ……!」


ケン「ちょっとばかり、呼吸を整えねぇと……こりゃ、いけねぇわ……はぁっ、はぁっ……」

リュウ「くっ、上手く返したようだが……まだまだぁ……!」クルッ


実況「一撃は返したが、その先っ……! その先が出ないケンっ……! あ~っと、そんな隙にリュウも体勢を立て直してきたっ! 再びケンの方を振り向くっ!」

192: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:42:00 ID:TMiIyEGI
リュウ「さぁ、やり直しだっ……! はああぁぁっ……!」ダダッ


実況「さぁ、体勢立て直したリュウが再びケンに向かうっ! 突っ込んでいくっ!」

元「う~ん、勿体無い場面ではあったとは思う」


ケン「今度は、さっきみたいに加速がついてねぇから、狙いやすいぜっ……! うらぁっ……!」シュタッ


実況「あ~っと、しかしここはケンっ……! 今度はトップロープ掴んで上半身固定しつつ、その場で飛び上がり……!?」

元「おっ」


ケン「……うるぁっ!」スパーンッ

リュウ「……くあっ」ヨロッ


実況「ここは、正面飛びの延髄斬りでしょうかっ!? 再び突っ込んできたリュウの側頭部を蹴っていき、その動きを止めるっ! 突っ込んできたリュウの動きを再び封じるっ!」

193: 名無しさん 2016/01/20(水) 22:51:08 ID:TMiIyEGI
ケーン! ガンバレー!

ヤムチャ「こ~こですよっ! ここっ! もう一踏ん張りなんですよっ! ケンさんっ!」

元「まぁ、そうだよね。ここでやっぱりね……兄弟子だったら、ここで踏ん張ってくれる所、見せてもらいたいよね!?」

実況「さぁっ! ケン、防戦一方ではいつまでも持たないぞっ! ここは一歩っ……! その一歩を踏み出せっ! 弟弟子のヤムチャもここで見ているぞっ!?」


ケン「うおおおおぉぉっ! うるあああぁぁっ!」ググッ


オー! オーオー!

ヤムチャ「おおぉっ!」

元「よぉ~しっ! 力を振り絞ろうっ!」

実況「おぉ~っと、いくかいくかいくかっ!? ここでケンがいくかっ!? ケンが吠えたっ! ここはケンっ……! 寄りかかっていたコーナーマットから身体を起こし……そして、身体を支えていたトップロープからも手を離したぁ! 前へと進んでいきますっ!」

194: 名無しさん 2016/01/20(水) 23:01:02 ID:TMiIyEGI
ケン「炎の魂、見せてやるぜっ! だああぁぁっ、疾風迅雷脚だっ!」ズガアァッ

リュウ「何っ……!? うぐぁっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っとぉ! ここでいったぁ! こ~こでいったぁ! ケンが回し蹴りをリュウ頭部へと打ち込んでいくっ!」

ヤムチャ「おおおおぉっ!」

元「この位置からって事は……疾風迅雷脚かっ!?」


ケン「オラオラオラオラァ……! 容赦はしねぇぞ、リュウっ……! オラァ……!」ズガズガ

リュウ「ぐっ……くあっ……く、くっ……」


ワー! ワーワー!

実況「反撃に出た……などと言う、生易しい物ではないっ! ここはケンも勝負をかけてきたかっ!? 疾風迅雷脚だっ! 回し蹴りの連打連打でリュウを押し込んでいくっ! リュウの身体はもうリング中央まで運ばれていったぁ!」

元「勝負……かけてきたんじゃないのっ!?」

195: 名無しさん 2016/01/20(水) 23:09:36 ID:TMiIyEGI
ケ・ン ! ケ・ン !

ケン「オラオラオラオラァ……! 逆に……追い詰められたのは、お前だっ……! リュウっ……!」

リュウ「く、くそっ……そうだ、ケンにはこれが……くっ……!」ドスッ


実況「場内からはケンコールっ! ここでケンコールが鳴り響くっ! さぁ、そしてケンの回し蹴り連打連打で、リュウの身体が対角線コーナーまでと押しやられたぁ!」


ケン「こいつで……フィニッシュだっ……! うるああぁっ……!」ズガアァッ

リュウ「……ぐ、ぐわああぁぁっ!」


ワー! ワーワー!

実況「逃げ場のない場所まで運んでいき……そしてフィニッシュの竜巻旋風脚を打ち込んでいくっ! ここはケンの疾風迅雷脚っ! 疾風迅雷脚だぁ! ケンにはこれがあるっ!」

元「追い詰められた状態から、一発逆転狙うのに使えるからね。いい技だよ、本当に」

ヤムチャ「お~、お~!」

196: 名無しさん 2016/01/20(水) 23:16:24 ID:TMiIyEGI
リュウ「う、ううっ……くそっ……」ガクッ


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、リュウはそのままガックリと倒れるっ! 前のめりにガックリ倒れるっ! さぁ、リュウはマットにうつ伏せにダーウンっ!」


ケン「うおおおぉぉっ! 終わりにしてやるぜぇっ!」ググッ


実況「おっと、そしてここでケンが右腕を突き上げたぁ! 右腕を突き上げながら叫ぶっ! 吠えるっ! こいつはこいつは……!?」

元「おぉ~っと、フィニッシュ宣言じゃないのっ!?」

ヤムチャ「お、お、おおっ……」

197: 名無しさん 2016/01/20(水) 23:23:30 ID:TMiIyEGI
ケン「ちっと角度が違うな……よっと……」ググッ

リュウ「……くっ」ズルッ


実況「さぁ、ここでケンはダウンしているリュウ身体を……おっと、ここは屈み込み向きを変えていますね!?」

元「コーナーポスト対して、横向きにしていってるね」


ケン「よし、オッケー。さぁ、いくぜっ……!」ガシッ


実況「そして、ケンはリングのに背を向けながら……ダウンしているリュウに背を向けながら……付近のコーナーポストへと昇っていくっ! さぁ、ケンが今、コーナーポストへと昇りきったぁ!」

元「ムーンサルトプレスかな!?」


ケン「これで、止めだぁ! いくぜ、うるあああぁぁっ!」シュタッ


ワー! ワーワー!

実況「そしてケンが飛んだぁ! コーナーポスト上から、後方宙返りをしつつ……リングにダウンしているリュウに向かって飛んでいったぁ!」

元「お~、いったぁ!」

207: 名無しさん 2016/01/21(木) 22:01:28 ID:ThfIW3Kw
ケン「終わりだああぁぁっ!」ズドーンッ

リュウ「……ぐ、ぐわああぁっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そしてケンの身体が降ってきたっ! 大きく大きく美しい弧を描きながら……そのままリュウ身体の上へと落ちてきたぁ!」

元「おぉ、いったぁ!」

実況「うつ伏せにダウンしているリュウの上へとケンが落ちてくるっ! リュウの背骨が軋むゥ! ここはムーンサルトプレスだっ! ケンのムーンサルトプレスがリュウに炸裂ゥ!」


ケン「これで……決まりだろ、オラっ……!」ググッ

リュウ「う、ううっ……」ゴロン

ケン「オラ、レフェリーっ! フォールだよ、カウント取ってくれやっ!」

ダン「オーケー。任せておきなっ!」


ワー! ワーワー!

実況「ケンはうつ伏せにダウンしているリュウの身体を、ここで仰向けへと戻すっ! そして、その上へと覆いか被さっていくっ! フォールだっ! ここでフォールに入ったっ!」

元「さぁ、どうだっ!?」

実況「ケンも決めにいったかっ!? どうだどうだどうだっ!? さぁ、今レフェリーがカウントを取り始めますっ!」

208: 名無しさん 2016/01/21(木) 22:10:58 ID:ThfIW3Kw
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

リュウ「……うおおおぉぉっ! まだだああぁっ!」ガバッ

ケン「く、くそっ……! まだ粘りやがるのか、この野郎っ……!」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


オー! オーオー!

実況「いやっ! ここはリュウの肩が上がるっ! 肩が上がっていくっ! ここはリュウも粘りを見せますっ! リュウがここで踏ん張ったぁ!」

ヤムチャ「お~っしっ!」

実況「カウントは2.9ゥ! 2.9だぁ! カウント2.9でリュウの肩が上がったぁ! リュウが気力で返したぁ!」

209: 名無しさん 2016/01/21(木) 22:23:12 ID:ThfIW3Kw
実況「こんな物では終われないっ! こ~んな物では終われないっ! リュウも底意地見せてくるっ! そしてその姿に、本部席のヤムチャさんも思わずガッツポーズっ!」

元「まだまだ二人の死闘は……続きそうだね?」

ヤムチャ「どっちが勝っても……どっちが破れても……最後まで、悔いのない戦いを……!」

実況「拳と拳ィ……! 身体を身体をぶつけ合い、男達は語り合うっ……! さぁっ、リュウっ……! ケンっ……! まだまだ思う存分語り合えっ! 我々が見届け人だっ!」


ケン「くそぉ……今のは決めにいったってのに……」ムクッ

リュウ「はぁっ……はぁっ……まだだ……まだ、終わらないっ……!」ググッ


実況「さぁ、ケンはここで立ち上がってくるっ! しかし、リュウも残された力を振り絞り……なんとか、立ち上がろうと身体に力を込めるっ!」

元「一番辛い時間帯かもね……でも、ここを制した者が、試合を制するよっ!」

210: 名無しさん 2016/01/21(木) 22:34:34 ID:ThfIW3Kw
ワー! ワーワー!

リュウ「……くっ」ググッ

ケン「チィ……完全に立ち上がられちゃ厄介だ……ここは……」


実況「さぁ、残された力を振り絞りなんとか立ち上がって……あ~、いやっ! 立ち上がろうとしているリュウの背後から、ここはケンが近づいていくっ!」

元「まぁ、ケン君の方が一歩早かったからね」


ケン「大人しくしてろっ……! うるぁっ!」ドスッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「そして、リュウの背中へとスレッジハンマーっ! 両腕を落としていくっ! 叩き込んでいくっ!」

ヤムチャ「まだ、ケンさんの方が有利……ですよね……?」

元「そうだね。返す事は返したけど……流れはケン君寄りかな?」

211: 名無しさん 2016/01/21(木) 22:44:11 ID:ThfIW3Kw
リュウ「くっ、なんとか……なんとか……」ググッ

ケン「このまま……押し切ってやるっ……! うるあぁっ……!」ドスッ


実況「さぁ、立ち上がろうとするリュウの背中へとケンは打ち込んでいくっ! スレッジハンマーっ! おぉ~っと、しかしリュウはそれに立ちつつ……立ち上がってくるっ!」

元「ここは、なんとか耐えつつ……ねぇっ!?」


ケン「結局、立ち上がっちまったか……だけど、背後がガラ空きなんだよぉ!」ガシッ

リュウ「……くっ」


オー! オーオー!

実況「あっとっ! しかし、ケンはすぐ様そんなリュウの背後を取るっ! 胴回りに手を回し……おっとぉ! ここでバックを取ったぁ!」

元「う~ん……まぁ、大きいの連続で貰ってるからねぇ」

212: 名無しさん 2016/01/21(木) 22:54:05 ID:ThfIW3Kw
ケン「このまま、ぶん投げてやるぜっ……! そして、今度こそは決めるっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

リュウ「……くおっ」


オー! オーオー!

実況「そのままケンは力を込めるっ! そしてリュウの身体を後方へと叩きつけようと……ここは、狙うかっ!? ジャーマンスープレックスっ!」

元「狙ってるねぇ!」


ケン「うらああぁぁっ……!」ググッ

リュウ「くっ……くっ……くっ……!」ジタバタ

ケン「……チィっ!」


オー! オーオー!

実況「リュウの身体が抱え上げられるっ! しかし、ここはリュウも粘るっ! 抵抗していくっ! 大きく大きく、足をバタつかせ……なんとか堪えていくっ! 身体半分抱え上げられはしたが……ここは一旦着地ィ!」

元「ケン君も決めに来てるだろうからねぇ……ここは堪えていかないと」

213: 名無しさん 2016/01/21(木) 23:04:35 ID:ThfIW3Kw
ケン「抵抗するんだったら……この野郎っ……!」サッ


実況「あっとっ! この場面ケンっ……! リュウの胴回りから、その手を離すっ! ここは切り返してくるかっ!?」

元「おっと、切り返してくるんじゃないっ!?」


ケン「先ずは、残りのスタミナ……全部奪いきってやるぜぇ……! うるあぁっ!」ゴスッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「ここはケンっ……! リュウの後頭部へと肘を打ち込んでいくっ! 後頭部へのエルボーバットォ!」

元「おぉ~っと、打ち込んできたっ!」


ケン「オラオラオラっ……!」ゴスゴス

リュウ「ぐっ……ぐっ……」フラッ


実況「お~っと、一撃では終わらないっ! ニ撃、三撃とリュウの後頭部へと連続で打ち込んでいくっ! リュウもフラついたぁ!」

214: 名無しさん 2016/01/21(木) 23:13:03 ID:ThfIW3Kw
ケン「フラついてきたなっ! そろそろ充分だろっ……! いくぜっ!」ガシッ

リュウ「……くそぉっ!」


オー! オーオー!

実況「そして、ここで再びケンがリュウの胴回りを掴んでいくっ! バックを取って、再びジャーマンスープレックスの体勢っ!」

元「狙いは変わらず……かっ!?」


ケン「今度こそ決めてやるっ……! これで終わりだっ……! うるあああぁぁっ!」ググッ


実況「ケンは間髪入れずにいったぁ! 今度は間髪入れずにいったぁ! 捉えたリュウ身体を、間髪入れずに抱え上げていったぁ!」

215: 名無しさん 2016/01/21(木) 23:23:11 ID:ThfIW3Kw
リュウ「……うおおおぉぉっ!」クルッ

ケン「ジャーマンスープレックスで……んああっ……!?」


オー! オーオー!

実況「リュウの身体がそのまま後方へと叩きつけられ……あ~っと、あっとあっとぉ!」

ヤムチャ「おおぉっ! 逃れたぁ!」

元「切り返したぁ!」

実況「ここはリュウっ……! 投げられるタイミングに合わせて、自ら飛んできたかっ!? リュウの身体がバク宙の要領で、そのまま後方へと一回転っ! 一回転していくっ!」


リュウ「はぁっ……はぁっ……まだまだっ……!」シュタッ

ケン「ちくしょうっ……! 飛んできやがったか……だがっ……!」ムクッ


実況「リュウはそのまま後方へ着地ィ! ここは逃れていったぁ! 切り返していったぁ! しかし、ケンも……慌てて立ち上がり、リュウ方を振り向くっ!」

元「ちょっと、逃れる事で精一杯だったかな……? ここでの一歩が……出ないねぇ……!」

ヤムチャ「う、う~んっ……!」

216: 名無しさん 2016/01/21(木) 23:34:13 ID:ThfIW3Kw
ケン「体勢整える暇は与えねぇぜっ……! ここは即座にいくっ! うおおぉぉっ!」ダダッ


実況「この場面で先に動いたのはケンだっ! ケンっ! ケンは即座にリュウに突っ込んでいくっ! 息つく間も与えないっ! スタミナ残量ではケンの方が上なのかっ!?」

元「ひょっとしたら、ここに来て連戦の重みってのが来てるかもしれないねぇっ!」


リュウ「うおおおぉぉっ……! カウンターだああぁぁっ!」ググッ

ケン「……んあっ!?」

リュウ「だあああぁぁっ!」ブンッ


実況「おぉ~っとっ! いやいやいやっ! 待て待て待てっ! ここでリュウが突っ込んでケンの動きに合わせて……大きく大きく右腕を振っていくゥ!」

元「おおぉっ! いったか!?」

217: 名無しさん 2016/01/21(木) 23:40:45 ID:ThfIW3Kw
リュウ「これで……逆転だああぁぁっ……! はああぁぁっ!」ズガアァ

ケン「なっ……!? が、がああぁぁっ……!」ブワァッ


ワー! ワーワー!

ヤムチャ「おおおぉぉっ! なんだぁ!?」

実況「カウンターのラリアットっ! カウンターでのラリアットだあぁっ! リュウが突っ込んできたケンの顔面目掛けて、右腕を振っていくゥ!」

元「うおおぉぉっ! これ、完全にカウンター気味に入ったよっ!?」

実況「ケンの身体が『く』の字に折れ曲がり……そして浮き上がるっ!」


ケン「くっ……ぐああぁっ……!」ズドーンッ

リュウ「はぁっ……はぁっ……やったぞ……」


実況「『く』の字に折れ曲がり、浮き上がったケンの身体が……おぉ~っと、ここで今背中からマットへと落ちたぁ!」

元「いやぁ~、タイミングバッチリ……今のは、いいよいいよっ!」

実況「ケンの首を刈ったかっ! ここはリュウっ……! 決めてきたぁ! 起死回生のラリアットォ! 完全にカウンター気味で打ち込んでいったぁ!」

225: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:01:04 ID:6s0GhpFM
ワー! ワーワー!

リュウ「これで……これで、決まったぜ……」ガクッ


実況「おぉ~っとっ! しかしながら、打ち込んでいったリュウの方も……もうスタミナは限界に近づいているかっ!? そのまま、膝から崩れ落ちますっ!」

元「あららら……今のが、最後の力だったのかな……?」


リュウ「とにかく……これで、終わりだっ……!」クルッ

ダン「……おぉっ!?」

リュウ「レフェリー……フォールだ……カウントを……」ガバッ

ダン「オーケー。カウントだな!? 任せておきなっ!」


ワー! ワーワー!

実況「あっと、しかしっ! ここでリュウは崩れ落ちながらも……上手く体を入れ替え、なんとかケンの身体の上へと覆い被さっていくっ!」

元「おっ……!? フォールに入れたかっ!?」

実況「リュウがフォールに入ったっ! フォール入ったぁ! さぁ、レフェリーがやってきたぞっ! カウンターでの一撃から……逆転勝利へとなるかぁ!? 今、レフェリーがカウントを取りますっ!」

226: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:05:36 ID:6s0GhpFM
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

ケン「まだだああぁ! まだ、終われるかこの野郎ォォっ!」ガバッ

リュウ「……くっそおおぉぉっ!」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー! ワーワー! ワー! ワーワー!

実況「肩が上がったぁ! ここはケンも最後の力を振り絞ったかっ!? 肩が上がりますっ! その肩が上がっていきますっ!」

ヤムチャ「おおおぉぉっ!」

元「お~っ、上がったかぁ!? 返したかぁっ!?」

実況「カウント2.9っ! カ~ウント2.99っ! ケンの肩が上がりますっ! ここはケンが返した返した返したぁ! 気力で返してきたぁ!」

227: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:12:05 ID:6s0GhpFM
ワー! ワーワー!

リュウ「くそおおぉぉっ! ちくしょうっ……!」ムクッ


実況「リュウも重い身体に鞭を打ち、なんとかここは立ち上がってくるっ!」

元「表情見る限り……今ので決めれると思ってたんじゃないかな?」


ケン「はぁっ、はぁっ……危なかった……今のは、危なかった……だが、返したぜっ……!」ググッ


ヤムチャ「あっ、でもケンさんも……」

実況「おぉ~っと、ここはケンも負けてはいられないかっ!? その身体に鞭を打ち、立ち上がってくるっ! 立ち上がってきますっ!」

元「強烈なカウンター貰ったってのに……立てるのか~。凄いねぇ」

実況「両者が限界を越えて立ち上がるっ! 立ち上がってくるっ! 最後に立っていられるのは何方なのかっ!? 試合の終局も見えてきたかっ!?」

228: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:17:18 ID:6s0GhpFM
ケン「くあっ……! 後一踏ん張りっ……!」ムクッ

リュウ「一手遅いっ……! はああぁぁっ……!」シュタッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、ここでケンが立ち上がったっ! しかし、立ち上がっていたリュウが、その起き上がりに合わせて……飛び込みつつ、至近距離から突っ込んでいったぁ!」


リュウ「……だああぁぁっ!」スパーンッ

ケン「……くっ」ヨロッ


ワー! ワーワー!

実況「そして膝ァ! ジャンピングニーアタックっ! ケンの側頭部辺りへと打ち込んでいったかっ!? そして、リュウはそのままケンの目の前へと着地ィ!」


リュウ「終わらせてやるぞっ……! うおおぉぉっ……!」ブンッ

ケン「く、くあっ……!」ダダッ


実況「正面にいるケンの腕を掴んで……おぉ~っとっ! ここでリュウがロープへと振っていったぁ!」

229: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:24:06 ID:6s0GhpFM
リュウ「昇龍拳、いくぞおおおぉぉっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そしてリュウが吠えたっ! 吠えた吠えたぁ! 元さん、聞こえましたかっ!?」

元「聞こえたよっ! 昇龍拳だってねぇっ!?」

実況「ここで使うぞ昇龍拳っ! 必殺の昇龍拳っ! ここまで残しておいたリュウの昇龍拳っ!」


ワー! ワーワー!

ケン「……くっ!」ダダッ

リュウ「決めるぜっ……!」ダダッ


実況「さぁ、ケンの身体がロープ反動で返ってきたぁ! リュウは背後にあるロープの反動を利用して……そしてケンに突っ込んだぁ! ここでリュウが狙うっ!」

230: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:35:16 ID:6s0GhpFM
ワー! ワーワー!

リュウ「うおおおぉぉっ……! これで終わりだっ……!」ググッ

ケン「うらああぁぁっ……!」ググッ


オー! オーオー!

実況「リュウが拳を握るっ! そして……いや、おっとぉっ! ケンも拳を握ったぞっ!? 同じフォームっ!? 両者が全くの同じフォームで突っ込んでいくっ! こいつはこいつはっ……!?」

元「そうだよ……ケン君もまだ使ってないよねぇ……? って、事は……」

ヤムチャ「えっ……!? えっ……!? って、事は……」


リュウ「昇龍拳だっ……! はああぁぁっ……!」ズガアアァ

ケン「昇龍拳だっ……! うらあぁぁっ……!」ズガアアァ


オー! オーオー!

実況「リュウが打ったぁ! しかしケンも打ったぁ! 両者が同時に打ち込んでいったぁ! 昇龍拳と昇龍拳っ……! ここは同時に打ち込んでいったぁ!」

233: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:48:51 ID:6s0GhpFM
リュウ「……ぐわあああぁぁ!」バターンッ

ケン「……くわあああぁぁ!」バターンッ


オー! オーオー!

実況「そして相打ちィ! ここは両者の身体が大きく大きくマットへと倒れ込みますっ!」

元「まぁ、そうだよねぇ……互いに決めるなら……昇龍拳を使ってくるよねぇ……」


リュウー! リュウー!

リュウ「う、ううっ……」

ダン「お、おいっ……! リュウっ……!」

ケーン! ケーン!

ケン「う、ううっ……」

ダン「お、おいっ……! ケンっ……!」


実況「リュウも動かないっ……! ケンも動かないっ……! 両者がマットに倒れこんだままピクリとも動かないっ!」

元「互いに決まっちゃったからねぇ……?」

234: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:49:44 ID:6s0GhpFM
リュウー! ケーン! リュウー! ケーン!

ダン「へいへい、どうしたどうした……!? お前ら、立てよっ……!」

リュウ「う、ううっ……」

ケン「う、ううっ……」


実況「これは立てない……両者立てないかっ……!?」

元「う~んっ……! どうなんだろ……!?」

ヤムチャ「え~、じゃあ……これどうなっちゃうんですか……?」


ダン「チィっ……! ダブルノックダウンか……だったらカウント取るぞっ……! 1っ……!」


実況「あっと、ここでレフェリーをカウントを取りますっ! ダブルノックダウンのカウントを取り始めますっ!」

ヤムチャ「あっ、これは……」

元「10カウント以内に立ち上がらないと……うん、KO……ノックダウン負けだね……」

235: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:54:37 ID:6s0GhpFM
ダン「2っ……! 3っ……!」


リュウー! タテー!

リュウ「う、ううっ……」

ケーン! タテー!

ケン「う、ううっ……」


実況「さぁ、カウントが取られ始めていますが……両者、動かないっ! いやっ、動けないっ……!」

ヤムチャ「……二人と立てなかったら?」

元「……そんときゃ、引き分けだ」


ダン「4っ……! 5っ……!」


実況「さぁ、無情なカウントは進んでいくっ! 進んでいくっ! もう半分いったぁ! しかし、両者は全く動く素振りを見せないっ!」

元「ちょっと、そろそろ動いていかないと危ないんじゃないの……?」

ヤムチャ「そ、そうですよねぇ……?」

236: 名無しさん 2016/01/22(金) 22:59:31 ID:6s0GhpFM
ダン「6っ……! 7っ……!」


リュウー! ケーン!

実況「カウントはもうセブンっ……! しかし両者は動けないっ! 動けないっ!」

ヤムチャ「いやいや、そろそろ立たないと……これ、マズいんじゃ……」

元「う~ん……二人共、立ち上がりたいとは思ってるんだろうけど……」


ダン「8っ……! 9っ……!」


リュウー! ケーン! リュウー! ケーン!

実況「カウントは進んでいくっ! カウントは進んでいくっ! 残された時間はないぞっ!? しかし、両者は動かないっ! 全く持って動かないっ!」

元「……んっ!? こりゃ、ダブルノックダウンかっ!?」

ヤムチャ「いやいやいや……ちょっとちょっとっ……」

実況「引き分けかっ……!? リュウ対ケンっ……! この試合の結末は引き分けなのかっ!? 両者、動く素振りを一切見せないっ!」

237: 名無しさん 2016/01/22(金) 23:06:47 ID:6s0GhpFM
ダン「10っ……!」


実況「そしてここで10カウントだああっ! 10カウントォォっ! 無情の10カウントが取られてしまったぁ!」

ヤムチャ「えっ……!? って事は……」

実況「この結末を誰が予想したかっ!? リュウ対ケンの対決は……引き分けですっ! 引き分けに終わりましたああぁっ!」

ヤムチャ「引き分け……なのかぁ……」


リュウ「ううっ……」

ケン「ううっ……」


実況「10カウント取られた後も……両者は動けませんっ! 全く持って動けませんっ! ダブルノックダウンっ! ダーブルノックダウンだああぁっ!」

239: 名無しさん 2016/01/22(金) 23:14:19 ID:6s0GhpFM
元「……いや、待ちなさいっ!」

実況「おっと、元さん……どうされましたっ……!?」

元「……なんだか、レフェリーの様子がおかしいよっ!?」

実況「……むむっ!?」


ダン「ンンンンンっ……!」ピタッ


実況「おっと、ここはレフェリー……振り上げた両腕を……何やら堪えるように、ピタッと動きを止めていますっ!」

ヤムチャ「えっ、えっ……!? どうなってるんすか、コレ……!?」

元「10カウント目の途中で……カウント中断したって、認識でいいのかな、コレ……!?」

実況「おぉ~っとっ! なんとぉっ!」

241: 名無しさん 2016/01/22(金) 23:19:44 ID:6s0GhpFM
ダン「なぁ~に、やってんだ、この野郎共っ……! オラッ、立てっ……! 早く立てやっ!」ブンッ


ワー! ワーワー! ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っとっ! どうやら、カウントはストップされているようだ、ストップされているようだっ! 10カウント目の途中で……ここはレフェリー判断でカウントがストップされたっ!」

元「ねっ!? そうでしょっ!?」

実況「それどころかレフェリーは、腕を仰ぎダウンしている両者に早く起き上がれと言わんばかりのジェスチャーを見せていきますっ! 試合は続行されているっ! 試合がまだ、続行されていますっ!」

ヤムチャ「なんだなんだ、どうなってんだっ!?」


ダン「しょっぺぇ試合のやり直しをお前らがするんじゃねぇのかっ!? ダブルノックダウン……? 両者引き分け……? こんな試合で責任とったつもりか、オラッ……! ホラ、立てっ! 早く立ちやがれっ……!」パンパン


ワー! ワーワー! ワー! ワーワー!

実況「レフェリーは大きく大きく手を叩き鳴らし、リュウとケンの意識を呼び戻しているっ! 試合を続行させますっ! レフェリーは試合を続行させますっ!」

元「まぁ、引き分けより……そりゃ、決着つくような形が見たいからねぇ……こりゃ、レフェリーの判断した気持ちも、わかるよ僕は」

249: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:01:42 ID:mVqolQU.
リュウー! オキロー! ケーン! オキロー!

リュウ「う、ううっ……立て……立つんだっ……!」

ケン「くっ、くっ……後一踏ん張りっ……!」

ダン「オラオラ、立て立て、戦え戦えっ! 白黒ハッキリつけやがれ、この野郎っ……!」パンパン


実況「確かに、元々ノールールで始まったようなこの試合……レフェリー不在の状態で始まる可能性すらあったこの試合っ……! ならば、決着はこういった形の方が正しい形なのかもしれないっ! カウントを中断したレフェリーは、大きく大きく手を打ち鳴らすっ!」

元「最後の一踏ん張りだっ! 二人共、頑張ろうっ!」

ヤムチャ「た、立てぇっ……! 頑張れっ……!」


リュウ「ううっ……くおおぉぉっ……!」ググッ

ケン「うおおおぉぉっ……! らああああぁぁっ……!」ググッ


オー! オーオー!

実況「おぉ~っとっ! おっとおっとォ! そしてここで……リュウが動いたっ! あっ、いやっ……! ケンも動いたかっ!? 両者の意識が戻ったかっ!? ここで両者が動きますっ!」

元「先に立ち上がってくるのは……どっちだっ!?」

250: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:09:58 ID:mVqolQU.
リュウ「はぁっ……はぁっ……」ムクッ

ケン「はぁっ……はぁっ……」ムクッ


ワー! ワーワー!

実況「同時ですっ! 同時同時、ほぼ同時ィ! リュウとケンっ……! 残された力を振り絞り……両者、ほぼ同時に立ち上がってきたぁ!」

元「おぉ~っとっ! 同時かぁ!?」


ダン「よぉ~しっ、立ち上がったなっ! それじゃあ……ファイっ!」ビシッ

リュウ「いくぜっ……」フラフラ

ケン「来やがれ……」フラフラ


ワー! ワーワー!

実況「両者、足元がオボつかないっ! オボついていないィ! だが、しかし向かっていくっ! 相手に向かっていくっ! 精も根も尽きた状態で相手へと向かっていくゥ! 二人を動かすものは一体何なのだぁ!?」

元「闘争本能ですよっ!」

実況「闘争本能っ! 闘争本能ォ! 闘争本能のみで……両者は動いているっ! さぁ、この試合には引き分けなどは存在しないィ! 無事にリングに降りれるのは……どちらかただ一人だぁ! ここが最後の勝負所ォ!」

251: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:17:40 ID:mVqolQU.
リュウ「うおおおぉぉっ……! だあぁっ……!」ガスッ

ケン「ぐっ……! やられっかよおおぉっ!」ガスッ


ワー! ワーワー!

実況「リュウが仕掛けるっ……! いやっ、だがケンも仕掛けていくっ! 残された力を振り絞り……渾身のエルボーを相手へと見舞っていくっ!」

元「二人とも、ここまで……まだ見せてないんだよねぇ」

実況「残された体力は少ないっ! もう、ここで狙うしかないだろうっ! とすると……両者はここで狙っているのかっ!?」

元「……おそらくねっ!」


リュウ「狙うは……真・昇龍拳だ……うらぁっ……!」ガスッ

ケン「神龍拳で……決めてやるっ……! だああぁっ……!」ガスッ


ワー! ワーワー!

実況「両者が打ち合う打ち合うっ! 互いにエルボーバットを打ち合っていくっ! そして……両者、恐らく狙っているだろうっ……! さぁ、この状況の中先に決めるのはどちらだぁ!」

252: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:23:44 ID:mVqolQU.
リュウ「うおおぉぉっ……!」

ケン「今だっ……! 喰らえっ……!」


オー! オーオー!

実況「さぁ、両者が機を伺いながら……あ~っとっ! ここでケンが拳をググッと構えたっ! 来るか来るか来るかっ!?」

元「……来るよっ!」


ケン「神龍……」

リュウ「……カウンターだっ! だああぁっ!」ドスッ

ケン「……ぐおおぉっ!」


オー! オーオー!

実況「ショートレンジの昇龍拳をリュウに打ち込み、そしてそこから……おぉ~っとっ! いやっ……! いやっ……! ここはリュウがカウンターっ! カウンターでの正拳突きィ!」

元「おおおぉぉっ! 合わせてきたかぁっ! って、事は……」

実況「リュウの強烈なボディがケンに炸裂ゥ! 土手っ腹に正拳突きを打ち込み、ケンの動き止めるゥ! そしてそしてそしてっ……!?」

253: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:30:28 ID:mVqolQU.
リュウ「うおおおぉぉっ! 真・昇龍拳っ……!」ズガアアァァッ

ケン「……ぐわあああぁぁ!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「ケンの顎へと打ち込んだっ! ケンの顎へと打ち込んだぁ! 最後の勝負所……物にしたのは、リュウっ! リュウだリュウだリュウだああぁっ!」

元「ケン君も狙ってたんだろうけど……一歩上をいったねぇ!」

実況「リュウの真・昇龍拳っ! 真・昇龍拳がケンに炸裂だああぁ! これを喰らい、ケンは大きく大きく大きくダーウンっ!」


リュウ「終わった……だろ……ああっ……!」バタッ

ダン「おっと……フォールになってるな、こりゃ……よしっ! カウントだっ!」


実況「リュウも最後の力を振り絞ったかっ!? そのまま、ガックリと倒れ……ダウンしているケンの上へと背中から被さっていくっ! フォールに入った、フォールに入ったぁ!」

元「いや~踏ん張ったっ!」

実況「さぁ、そこにレフェリーがやってきたっ! 今、カウントを取りますっ! カウントを取っていきますっ!」

254: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:38:13 ID:mVqolQU.
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリイイィィっ!」

ワー! ワーワー!

ダン「スリーカウントだっ! スリーカウントっ! ゴングを鳴らせ、ゴングよぉっ!」


カンカンカーン


ワー! ワーワー! リュウー! ワーワー!

実況「決まったぁ! ここで決まったぁ! スリーカウントですっ! スリーカウントですっ! リュウの真・昇龍拳で試合は決着ゥ! 試合は決着だぁ! リュウ対ケンっ……! 空手軍団同門対決は、リュウが意地を見せたぁ!」

258: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:49:07 ID:mVqolQU.
元「いや~、最後はリュウ君が決めたけど……ねぇっ!? ケン君も後一歩だったんじゃないっ!?」

実況「確かにっ……! ケンも後一歩という所でしたっ! しかし、勝利したのはリュウっ……! リュウですっ! リュウが空手軍団の大将としての意地を見せましたぁ!」


ワー! ワーワー!

リュウ「……ううっ」

ケン「……ううっ」


実況「場内は……盛り上がっておりますが……ケンは大の字っ! そして、リュウも大の字っ……! 互いに起き上がる事が出来ませんっ!」

元「まぁ、そうだよね。KO状態から無理矢理続けたような部分もあるし、まぁすぐには起き上がれはしないでしょう」

ヤムチャ「あ、あの……?」

元「おっと、ヤムチャ君どうしたの……?」

259: 名無しさん 2016/01/23(土) 22:56:36 ID:mVqolQU.
ヤムチャ「俺、二人の所……行ってもいいですかね……? ホラ、あの……」

元「あ~、はいはいはい。そうだねそうだね……行ってきなさい」

実況「さぁ、ここでヤムチャさんが……今、リングへと向かうようですねっ! 激闘を終えた兄弟子達の元へとヤムチャさんが向かいますっ! ここは労いの言葉でもかけてあげましょうっ!」

ヤムチャ「それじゃあ……行ってきますっ……!」ササッ

元「はいはい、いってらっしゃい」

実況「ゲスト解説は、空手軍団三番弟子ヤムチャさんでしたっ! ありがとうございますっ!」

ワー! ワーワー!

実況「さぁ、場内の声援が鳴り止みませんっ! リュウ……ケンっ……! 両者の激闘に、場内からも鳴り止まない声援で応えますっ!」

元「いや~、まぁでもこれでね……お客さん達も満足してくれるんじゃないかな?」

260: 名無しさん 2016/01/23(土) 23:08:13 ID:mVqolQU.
実況「元々は、メインイベントがなんとも言い難い結末に終わってしまい、不満を持っていた場内を納得させるという為に始まったこの試合……異例のメインイベントのやり直しっ!」

元「……ねっ!?」

実況「そこに立ち上がったのはリュウですっ……! そして、ケンですっ! 空手軍団の二人が、その為に立ち上がりましたっ! 空手軍団の同門対決が始まりましたっ!」

元「ねぇ」

実況「リュウは一切、手を抜かなかったっ……! ケン一切手を抜かなかったっ……! リング上では、身体と身体をぶつけ合い……拳と拳で語らい合う男達の姿がそこにはありましたっ!」

元「いや~、よく頑張ったよ。二人共」

ワー! ワーワー!

実況「そしてこの声援でございますっ……! 納得していただけたでしょうっ! ええっ! 場内は納得していただけたでしょうっ!」

261: 名無しさん 2016/01/23(土) 23:14:01 ID:mVqolQU.
ワー! ワーワー!

リュウ「ううっ……」

ケン「ううっ……」

ヤムチャ「二人共っ……!」ササッ


実況「ケンは立ち上がれないっ……! 同じく、リュウも立ち上がれないっ……! おっと、先程までこちらの放送席にいたヤムチャが、今リングへと辿り着きましたかね……?」

元「二人共全力でぶつかり合ったからね……まぁ、ここはゆっくりさせてあげたいね」


ヤムチャ「リュウさんっ……! ケンさんっ……!」

ケン「ううっ……」

リュウ「うっ、ヤムチャか……」


実況「さぁ、リング上ではヤムチャが激闘を終えたリュウとケン……二人に声をかけていますっ!」

262: 名無しさん 2016/01/23(土) 23:21:30 ID:mVqolQU.
リュウ「うっ……ああっ……」ググッ

ヤムチャ「あっ、リュウさんっ……!」


リュウー! リュウー!

実況「あっと、ここでリュウがなんとか上体を起こしましたかね……?」

元「おっ、そうだね」


リュウ「ヤムチャ……俺はいいよ……ケンを頼む……」

ヤムチャ「はいっ……! わかりましたっ……!」


実況「あっと、しかしリュウは駆け寄ってきたヤムチャに……ケンの解放をするように頼み込んでいるのでしょうかね?」

元「まぁ、ケン君の方がダメージは深いかもしれないね。どっちもどっちって言えばどっちもどっちなんだろうけどね」


ヤムチャ「ケンさんっ……! ケンさんっ……!」

ケン「ううっ……」

リュウ「……疲れた」ヨロヨロ


実況「さぁ、ヤムチャはケンへと声を掛けている、そしてリュウは……おぉ~っと、そのままヨロヨロとコーナーの方へと向かっていくっ!」

263: 名無しさん 2016/01/23(土) 23:27:00 ID:mVqolQU.
リュウ「……よいしょっと」ドガッ


実況「さぁ、リュウはそのままコーナーマットへと寄りかかり……おぉ~っと、そのまま座り込んだっ! 様子を見る限り……やはりこれはリュウも限界寸前だったと言う事かっ!?」

元「まぁ、そうでしょう」


リュウ「ケンは……無事かな……?」

ヤムチャ「ケンさんっ……! ケンさんっ……!」

ケン「う、ううっ……」


実況「さぁ、そのままケンの姿を見つめているリュウっ……! ケンはヤムチャ解放しておりますっ! ヤムチャがケンを解放する姿を……リュウはただ見つめているっ!」


ケン「くっ……ああっ……」ググッ

ヤムチャ「あっ、ケンさんっ……!」


実況「あっとぉ、ここでケンが……動いたか? 動いたかっ? どうやら、無事ではいたようですねっ!」

元「そうだね。無事だったみたいだね」

264: 名無しさん 2016/01/23(土) 23:34:00 ID:mVqolQU.
ケン「ううっ……ちくしょう……」ググッ

ヤムチャ「ああっ、無茶はダメですよ……試合終わったばかりなんだから……」


ケーン! ケーン!

実況「さぁ、ここでケンも上体起こしてきましたっ! どうやら、ケンは無事でしたっ! 無事でしたっ!」


ケン「ちくしょうっ……! 後一歩だったってのに……ちくしょうっ……!」ギリギリ

ヤムチャ「ちょっと……ちょっとケンさんっ……!」


パチパチ……パチパチ……

実況「悔しそうな表情を浮かべるケンっ! あ~っと……やはり悔しい所があるかっ!?」

元「まぁ、惜しい所まで持っていけてただけにね……ここは悔しい部分もあるでしょう」

実況「しかし、そんなケンに対して……場内からは拍手……賛辞の拍手が送られますっ!」

265: 名無しさん 2016/01/23(土) 23:40:08 ID:mVqolQU.
リュウ「ケンは無事だったか……よかっよかった……」

ダン「……ったく、おめぇらは勝手な事を始めやがってよぉ」

リュウ「レフェリー……ここまできたら、ついでだ……もう一つ頼まれてくれないか……?」

ダン「あぁ……? なんだよ……?」

リュウ「マイクだ……マイクを取ってきてくれ……ちょっと動けない……」

ダン「……オーケー、マイクだな。了解っと」ササッ


実況「あ~っと、そしてコーナーで休んでいるリュウが……今、近くに寄ってきたレフェリーと何やら話し込んでいます」


ダン「……ほれ、マイクだ。取ってきてやったぞ」ヒョイ

リュウ「ありがとう」パシッ


実況「あ~、どうやらマイクを持ってきてくれと頼み込んでいた様ですね! 今、レフェリーがマイクを持ってきて……そしてリュウへと手渡しましたっ! リュウがマイクを握りましたっ!」

元「何か言うんだろうね。まぁ、この試合……感じる物も多いだろうからね……ちょっと何言うか、期待しちゃうね」

271: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:01:07 ID:jq5.GTy.
リュウ「はぁっ、はぁっ……ケン……」


オー! オーオー!

実況「さぁ、ここでリュウが口を開きましたっ! 言葉を発しましたっ! リュウはケンに語りかけますっ! さぁ、何を言うんだっ!? 何を言うんだリュウっ!」

元「あんた、毎回毎回やかましいよ。マイクの時ぐらい静かにできないの……?」


リュウ「付き合わせて……悪かったな……だが……」

ケン「……」

リュウ「……ありがとう」


オー! オーオー!

実況「ありがとうっ……! ありがとうとリュウは言いましたっ! 礼に始まり、礼に終わるっ……! 戦いが終わった後は相手に敬意を払わなねばならないっ! 礼節を重んじるリュウは、先ずはケンに戦えた事の礼を言うっ!」

元「そうだよ。今日、ケン君はね……本当は試合がなかったんだから……準備不足とかそういう部分もあったと思う。それでも、よくやってくれたよ。本当リュウ君だけじゃなく……ケン君もありがとうね」

273: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:11:07 ID:jq5.GTy.
ケーン! ヨカッタゾー! オシカッタゾー!

ケン「んっ……? んああっ……?」キョロキョロ

ヤムチャ「惜しかったっすよっ……! 後一歩……後一歩でしたっ……!」


パチパチ……パチパチ……

実況「さぁ、場内からそんなケンに対して……暖かい拍手が送られますっ! いやぁ~、元さんっ! 我々も拍手を送りましょうっ! ケンに対して拍手を送りましょうっ!」

元「いや~、本当本当……よくやってくれたよっ! うんうん」

実況「ケンっ……! 下を向くなっ……! 前を見ろっ……! 胸を張れっ……! ナーイスファイトっ!」


リュウ「今の試合は、多分……少しだけ……ほんの少しだけ……う、ううっ……」ググッ


実況「さぁ、ここでリュウは、重い身体を起こし……立ち上がりながら続けるっ……!」

元「おっと」


リュウ「俺にツキがあったんだと、思う……」

274: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:17:08 ID:jq5.GTy.
オー! オーオー!

実況「確かにっ……! 実力は拮抗していたのかもしれませんっ! ケンも後一歩……本当に後一歩の所まで、リュウを追い詰めていましたっ!」

元「まぁ、勝負は時の運……な~んて、言うからね。今日、幸運の女神様はリュウ君に微笑んだんだろうね」


リュウ「ここまで追い詰められるとは……はは、次は……もう、わからん……次やって、同じような結果に出来るか……はは、それはもうわからないよ……」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、ここでリュウから軽く笑みが零れるっ! 強敵と戦えた喜びっ……! こいつはそういった物なのでしょうかねっ!?」

元「うんうん。リュウ君も満足いく試合が出来たんじゃないの? なかなか、ケン君と直接対決……みたいな機会も少ないからね……」

275: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:28:42 ID:jq5.GTy.
リュウ「俺は、メインイベントでお前と戦えた事……光栄に思うよ……」

オー! オーオー!

リュウ「ただ……まぁ、この試合は……なっ……? なっ……?」


キニスンナー! イイシアイダッタゾー!

実況「まぁ、確かにこのカード……本来予定されていた物ではなく、超特別試合として行われた物ではありますっ……! リュウからすれば、その部分が一つ心残りとでも言えばいいんでしょうかねぇ?」

元「気にしちゃいけないよっ! この試合が行われなかったら……ど~う、なってたかわかんないだから~、本当にさぁ」


リュウ「次……やる時は……」

ケン「……んっ?」

リュウ「……」クイクイ

ケン「……へへ、そうしてくれると、ありがたいね」

リュウ「……だなっ!?」ニカッ


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、そしてここでリュウは、自身の腰回りにベルトを臭わすようなジャスチャーを浮かべ……ケンに語りかけますっ!」

元「そうだね、うん。このカード……次はね、そこでやりましょうっ!」

276: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:38:49 ID:jq5.GTy.
リュウ「ケンっ……!」ズガズガ

ケン「……んっ?」

リュウ「約束だぞっ……!」スーッ


オー! オーオー!

実況「さぁ、ここでリュウはケンに近づいていって……おぉ~っと、手を差し伸ばしたっ!」

元「うんっ!」


ケン「早い所、シャドルーからぶんどらねぇと……続きはいつまで経ってもできねぇからなっ……!」ガシッ

リュウ「それまでは……お預けに、させてくれ……悪いな……」ガシッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そしてケンはリュウが差し出した腕を握り返すっ! 強く強く握り返していくっ! リング上でリュウと、ケンっ……! 固い握手が結ばれたぁ!」

元「こういう風にね……握手で終われるってのはいいね。うんっ!」

277: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:43:51 ID:jq5.GTy.
リュウ「……よっとっ!」ググッ

ケン「おっ、サンキュー……それと、マイクを俺にも貸してくれっ……!」ムクッ

リュウ「……おう」ヒョイ


実況「リュウがその手に力を込め、ケンの身体を引き起こすっ! ケンが立ち上がるっ! あっと、そして……ケンがここでマイクを受け取りましたっ! リュウから受け取りましたっ!」


ケン「今日のリベンジは必ずさせてもらうぜ……こっちも、負けず嫌いな性分なもんだからなぁ……? えぇっ、それはお前も知ってんだろ……? なぁ……?」

リュウ「……はは、勿論」


オー! オーオー!

実況「そして……立ち上がったケンはリュウに向かい……先ずはリベンジ宣言っ……! リベンジ宣言ですっ!」

元「いや~、負けん気が強いっ!」


ケン「だが……なっ……! そっちの言う通り、どうせやるならそれ相応の舞台って方が、俺も好みだ……だから……」

リュウ「……あぁ」

ケン「早い所、シャドルーから奪っちまおうぜ、オイっ……! それまでは……協力してやるぜ、相棒よぉ!」


ワー! ワーワー!

実況「この試合の続きはどうやら、ベルト戦になりそうだっ! ケンもそれを望んでいるっ! だがしかし、現在ベルト保持しているのは……シャドルーのベガっ! シャドルーのベガでありますっ! 先ずは、ベガからベルトを奪わねばならないっ……!」

278: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:51:49 ID:jq5.GTy.
ケン「メインを締めたのは、俺達空手軍団だぁ!」ググッ

リュウ「シャドルーじゃないぞっ……! 空手軍団だぞっ……! ベルトだってすぐ取ってやるよっ!」ググッ

ヤムチャ(俺、やる事ねぇなぁ……拍手とかしておくのが自然かな……?)パチパチ


ワー! ワーワー!

実況「ここでリュウとケンが手を握り合って、その腕を高々と挙げていくっ! ケンのリベンジは……ベルト戦が、望ましいっ……! だがしかし、その為にはシャドルーのベガっ! シャドルーのベガが行く手を塞ぐっ!」

元「でも、こういう風な結果になったって事は、そのベルトを奪う為にね……リュウ君とケン君、より協力しあえるようになるんじゃないかなぁ? 同じ目標が出来たって事だもん」

実況「雨降って地固まると言うヤツかっ!? 目標は、打倒ベガっ……! 二人は打倒ベガっ……! 同じ目的を共有しているっ!」

元「ヤムチャ君もいるから、三人だ」

実況「そうですっ! ヤムチャもいますっ! ヤムチャはリュウとケン……そんな両者に拍手を送っているっ!」

279: 名無しさん 2016/01/24(日) 22:58:35 ID:jq5.GTy.
ワー! ワーワー!

ダン「よぉ~しっ、うんっ! マイクを貸せ、マイクを……」ヒョイッ

ケン「おっ、なんだなんだ……」


実況「おっと、そしてこの盛り上がりの最中……レフェリーがケンからマイクを奪いましたっ!」

元「おっ、なんだっ!?」


ダン「さぁ、皆さまいかがでしたかっ!? 本日のストリートプロレスっ! 本日の興行は以上となりますっ! 特別試合っ……! 特・別・試・合を含めた興行は以上を持って終了させて頂きますっ!」


デシャバンナー! レフェリー!

実況「さぁ、これにて本日のストリートプロレス……全六試合プラス特別試合の一試合っ……! 計七試合が終了しましたっ! レフェリーは『特別試合』の部分を強調している気がするが……そ~れは気のせいかっ!?」

元「自分の手柄みたいにしちゃってさぁ……? あの人、最初は乗り気じゃなかたよねぇ……?」

実況「ま~ぁ、しかし……レフェリーも結局の所は、付き合ってくれましたっ! リュウのケンの特別試合……レフェリーはしっかりと裁定してくれましたっ!」

280: 名無しさん 2016/01/24(日) 23:02:42 ID:jq5.GTy.
ダン「さぁ、皆様っ……! 特・別・試・合を行って頂いた両者に……今一度、大きな大きな拍手をお送り下さいっ!」


ワー! ワーワー! パチパチ ワー! ワーワー!

リュウ「……ありがとう」

ケン「ありがとな!」


ワー! ワーワー! パチパチ ワー! ワーワー!

実況「リュウとケン……両者に拍手っ……! そして、声援が送られますっ!」

元「この声援は試合を行ったって事だけじゃなくて……その次の……ベガ君からベルトを奪うって事への期待も入ってるんだからね!?」

実況「是非とも、奪って頂きたい物ですっ! 奪って頂きたい物ですっ!」

元「……応えなきゃいけないよ~?」


ダン「よし……お疲れさんっ……! 後は、俺に任せて……退場しろっ……!」

リュウ「はい」

ケン「お~い、ヤムチャ……肩貸せ、肩……」

ヤムチャ「あっ、はい……」

281: 名無しさん 2016/01/24(日) 23:07:21 ID:jq5.GTy.
実況「さぁ、ケンはヤムチャの肩を借りながら……今、空手軍団の三人が揃って退場していきますっ!」

元「いや~、終わったか~」

実況「まぁ、何はともあれ……ねぇ……? 上手く締まってよかったと言った所でしょうかっ!?」

元「うん、そうだね」

実況「本日、シャドルーDay……シャドループロレスになるのではないのかと予想された一日でしたが……終わってみれば、何のそのっ! なんと、空手軍団Dayのような結末になりましたっ!」

元「ホントホント。僕もリュウ君とケン君の試合が組まれるなんて思ってなかったもん」

実況「全てがハッピーエンド……ハッピーエンドで終わったと、言いたい所なのですがっ……!」

元「……うんっ!」

実況「そうはいかないのが、このストリートプロレスっ……! 元さん、この状況の中……水を差すのは非常に申し訳ない事なのですがっ……! 一つ語ってもよろしいでしょうかっ!?」

元「……まぁまぁまぁまぁ、言いたい事はわかるよ。どうぞどうぞ」

282: 名無しさん 2016/01/24(日) 23:13:53 ID:jq5.GTy.
実況「ベガの試合ですよっ! ベガの試合……本日第六戦目に行われた、ベガ対サガットのベルト防衛戦っ……!」

元「あ~、やっぱりそこね」

実況「……何なのですか、アレはっ!?」

元「う~ん……アレはねぇ……」

実況「私、長らくこの場所で実況を担当しておりますが……あんな試合は、見た事がありませんっ! 前代未聞ですよっ! 前・代・未・聞っ!」

元「……まぁまぁまぁまぁ」

実況「確認しますよ、元さん? あれは、試合中にサガットが何処か負傷か何かをして……試合続行不可能……そういう状況になった……そういう事では……」

元「……恐らく、ないと思います」

実況「と言う事は、やはりサガットはワザと……?」

元「恐らく、ワザとベガ君に負けたのでしょう」

実況「それは……え~、ベガの防衛記録を伸ばす為……?」

元「そう考えるのが、まぁ一番自然だね」

283: 名無しさん 2016/01/24(日) 23:20:12 ID:jq5.GTy.
実況「いいのですか、元さんっ! 神聖である王者戦であの様な行為が行われるっ……! 行われると言うのは、ど~うなのですかっ!?」

元「う~ん……よくありません」

実況「しかもですよっ……!? しかもしかもっ……! リュウとケンは、ベルトを狙っている……二人の目標が一致した……空手軍団団結してベガからベルトを奪いいくとは言ってはおりますが……」

元「……はい」

実況「ベガが指名した次の対戦相手はバルログっ……! バルログですよねぇ、元さんっ!?」

元「そうですねぇ」

実況「バルログもシャドルーでございますっ! シャドルー所属という事は……?」

元「今回と同じような形になる可能性が、非常に高いと言った所でしょう」

実況「いいのですか、元さんっ!?」

元「……よかないです」

実況「それじゃあ、コレ……どうしましょう……?」

元「どうしようなんて僕に言われてもねぇ……カードはもう決まっちゃったのかな……? 変更とかは……どうなんだろうねぇ……?」

284: 名無しさん 2016/01/24(日) 23:28:35 ID:jq5.GTy.
実況「王者戦は一週間後を予定されてはおりますが……これ、また同じ事が起こるとなると大変ですよ、元さんっ!?」

元「う~ん」

実況「今日は、空手軍団がいたからいいですよ。空手軍団が特別試合として試合を行ってくれたから、納得のいく形になりました」

元「そうですね。頑張ってくれました」

実況「しかし、一週間後にまた同じ事が行われるとすると……どうする……? また、これは空手軍団が特別試合をするのですか……?」

元「……いや~、そういう事をしていたら身体が持たないよ」

実況「……ですよねぇ!?」

元「……うん」

実況「ならば、どうしましょう……!?」

元「う~ん……ちょっと、問題ですよねぇ」

285: 名無しさん 2016/01/24(日) 23:35:44 ID:jq5.GTy.
実況「まぁ、王者戦のカード変更……その辺りも視野に入れて……と言った所でしょうかね?」

元「ベガ君が従うか……従わないか……う~ん……」

実況「とにかく、今回の試合のような物は許されてはいけないのですっ! 許されてはいけないのですよっ!」

元「本当、とんでもない人にベルトが渡っちゃったね。あの人だけには渡していけなかったのかもしれない……」

実況「さぁ、ベガの暴挙は何時まで続くだろうかっ……!? しかし、そう安々と続けれる物ではないっ……! 何故なら、このストリートプロレスには次世代のニューヒーローっ! 空手軍団がいるからだぁ!」

元「本当、止めて欲しいよね」

実況「本日、ストリートプロレスがシャドルーに侵食されていていくのを止めたのは誰だぁ!? このストリートプロレスを正義色に染めたのが誰だぁ!? 見ただろうっ!」

元「はい」

実況「一週間後の王者戦……こいつは非常に不安ではありますがっ……! 是非とも、ここは空手軍団になんとかしてもらう事を期待しましょうっ! 本日のようにっ!」

元「そうですよ。あんな試合を続けているようじゃ、ダメです。王者戦までに……動きがあればいいんだけどね」

実況「さぁさぁ、どうなっていくこのストリートプロレスっ……! ますます見逃せない事になってきそうだっ! と、言った所で残念ながらお時間となってしまいましたっ! 本日の『ストリートプロレス』の中継はここまでですっ! 実況は私と……」

元「解説は私、元でお送りしました」

実況「次回のストリートプロレスも……必ず見て下さいねっ!? そしてベガの野望を打ち砕けぇっ!」

298: 名無しさん 2016/01/25(月) 22:01:39 ID:xd8Pr176
ーーー


プーアル「リュウさん、ケンさん、ヤムチャ様っ! お疲れ様でしたっ!」

ヤムチャ「おお、プーアル……お疲れお疲れ……って、言っても俺は何もしてないけどな。やったのはリュウさんとケンさんだ」

ケン「とりあえず、お疲れさんっと……」

リュウ「……何とか、無事に終わったみたいだな。これでよかったのか?」

ベガ「うむ、よくやってくれたな。リュウ……ケン……お前達が見事に締めてくれたよ。よかったぞ」

ケン「あぁ、そうか……」

ベガ「特にリュウ……お前はダブルヘッダーだ……二戦目とは思えない程の動きだったぞ。よかったぞ」

299: 名無しさん 2016/01/25(月) 22:13:12 ID:xd8Pr176
リュウ「まぁ、一戦目はヤムチャが試合の大半を引き受けてくれたから、問題ない……そこは、問題はない……ただ……」

ベガ「うむ」

リュウ「問題は一週間後だよ……また、王者戦するんだろ……?」

ベガ「……そのつもりだ。王者戦は定期的に行う」

リュウ「相手は……バルログ……?」

ベガ「……そうだな。バルログだ」

バルログ「……」

リュウ「それで……どうするの……? また、今日みたいな試合か……?」

ベガ「……そうだな」

リュウ「って事は、一週間後……また、俺がダブルヘッダーになるってワケか……? おいおいおいおい……」

ベガ「いや~、待て待て……そうはしない、そうはしない……私に考えがある……」

リュウ「……んっ?」

300: 名無しさん 2016/01/25(月) 22:24:06 ID:xd8Pr176
ベガ「よし、それじゃあ全員揃った事だし、一週間後どうするかを説明しよう」パンッ

サガット「……お願いします」

バルログ「そうですね、是非聞かせて頂きたいです」

バイソン「うっしゃっ!」

ベガ「先ず、一週間後のカード……これは今日の時点で発表する。カードを作る……ヴァイパーさんにも急かさせている……今日はヴァイパーさん、来てるからな……この後、一週間後に向けてのインタビュー、またしてもらうぞ? PV作ってもらうからな」

ヤムチャ「……今日、インタビューあるんだぁ。ちくしょう」

プーアル「……ヤムチャ様、嘆かない」

ケン「そうだぞ、お前マイク……と、言うか今日お前……マイクちゃんと出来たんだろうなぁ……?」

ヤムチャ「あっ、あっ……それはね……頑張ったと思うんですが……」

ベガ「おい、ケン……ヤムチャ……私語厳禁だ……話を続けるぞ……?」

301: 名無しさん 2016/01/25(月) 22:32:54 ID:xd8Pr176
ベガ「一週間後……これは春麗の復帰だ。だから、メインイベントは……春麗対キャミィ……このカードにする」

リュウ「……女子部にメインイベントを渡すってのか」

ケン「今日の女子部は盛り上がってたけど……」

ヤムチャ「春麗さん対キャミィさんって事は……あぁ、さくらちゃん負けちゃうんだ……」

ベガ「今日の女子部の反応を……メインに置けるかどうかのテストも兼ねていたんだが……まぁ、いけるだろう。いけるいける。なんとかなる」

サガット「それはここから一週間……女子部をプッシュしていくという考えで、よろしいのでしょうか……?」

ベガ「まぁ、そうなるな……現状、第三・第四試合で試合を行っている女子部がいきなりメインじゃな……しばらくは第四……もしくは、第五でやってもらいたい。だから、ここからの一週間は……女子部に重点を置きたい」

ケン「復帰に向けて盛り上がってきた傾向は見せてきていると思うが……大丈夫なのか……?」

302: 名無しさん 2016/01/25(月) 22:37:23 ID:xd8Pr176
ベガ「そこでだ……リュウ……お前に間に入ってもらいたい……」

リュウ「……間?」

ベガ「私達と、女子部の間ではないぞ……? 私達と……ファンの間だ……お前に入ってもらいたい……」

リュウ「……どういう事だ?」

ベガ「一週間後には春麗対キャミィの他に、私とバルログの王者戦も控えている。本来なら……今までのやり方なら、我々の王者戦がメインイベントだ。女子より男子方が格上……誰が決めたかわからんが、そういった傾向……流れ……」

リュウ「……」

ベガ「それが、ファンの心に根付いている。そこを壊していきたい」

リュウ「……」

ベガ「一週間後、私とバルログは王者戦を行う……が……それは今日と同じような試合形式にする。バルログ……お前には私に刃向かう事なく、寝てもらう……私の防衛記録を伸ばす為に、寝てもらう……ファンに取ってつまらない試合をしてもらう」

バルログ「そういった試合形式なら……女子部の方がメインイベントに相応しいですね」

ベガ「だから、私とバルログ王者戦……これは第一試合だ」

307: 名無しさん 2016/01/25(月) 22:52:22 ID:xd8Pr176
バイソン「えぇっ……!?」

サガット「前座……じゃないですか……!?」

ベガ「前座だ……前座の試合を行うよ……今日の試合だって、前座みたいなもんだっただろ。私とサガットでリュウとケンのメインイベントの前座をしたではないか」

サガット「そう……ですが……」

ベガ「このベルトの存在は女子部にとっては目の上のたんこぶになっているぞ……? 女子部を押すなら、ここしかない。バルログ……一週間後、お前は私と前座戦だ。私達が下がれば、他の者は相対的に上がる。下がるなら、ここしかない」

バルログ「第一試合から王者戦……う~ん……あぁ、でも試合内容は……あ~、そうですもんねぇ……」

ベガ「そして、この提案を……リュウ……お前がした事にしてくれ」

リュウ「……んっ?」

311: 名無しさん 2016/01/25(月) 23:05:08 ID:xd8Pr176
ベガ「私のバルログの王者戦はメインイベントを予定されていたが……そこに、リュウ……お前が割って入るんだ……」

リュウ「……」

ベガ「あんなふざけた試合は許さねぇ。どうしてもしたいのなら……第一試合でやれ……とな。リュウ……お前の提案で我々の王者戦は第一試合になるというワケだ……」

リュウ「カード発表は今日って事は……今からのインタビューでそうしろと……」

ベガ「そうだ。そして、メインイベントは女子部にやらせた方がいいんじゃないかという提案……それも、お前からの提案にしてくれ。お前が、女子部に譲ってやる……器の広い所を見せつけてやってくれ」

リュウ「……」

ベガ「いきなり、このカードを発表するのは暴挙だ。ファンは納得しない。しかし、お前が間に入る事によって……成立させる事が出来る。今、ベビーのトップはお前だ。お前の仕事だ」

319: 名無しさん 2016/01/25(月) 23:19:04 ID:xd8Pr176
リュウ「女子部を上げたいのは、わかった……確かに、時期もいいし盛り上がってきてる……だが……」

ベガ「……ん?」

リュウ「俺達……の方はどうなるんだ……? そもそも、ベルトをそんなに邪険に扱っていいのか……? そのベルトの価値……こんな事してて大丈夫なのか……?」

ベガ「安心しろ。ベルトには私なりの価値を見出してやる……ザンギエフとは違う別の価値をな……? それに、まだお前と戦うのは時期早々だ……」

リュウ「……」

ベガ「お前は今日……私と戦わずにして、シャドルーが支配していた場内を……空手軍団の色に染めただろう……? 私を喰ったではないか? あの歓声……聞こえなかったのか……?」

リュウ「……あぁ」

ベガ「ベルトには挑戦させない……まだ、挑戦させない……だが、お前に悪い扱いをさせはしない……だから、リュウ……」

リュウ「……」

ベガ「来るべき日に備えて、お前はいつだって、このストリートプロレスの主役でいろ。今日のお前は間違いなく主役だったぞ」

324: 名無しさん 2016/01/25(月) 23:36:38 ID:xd8Pr176
ケン「ちなみに……一週間後、その他のカードはどうなってるんだ……? 俺達の相手は誰だ……?」

ベガ「リュウ・ケン……お前達は、ガイル・ナッシュとだ……」

ケン「ガイル達かよ……久しぶりだなぁ……」

ベガ「お前達がシャドルー抗争に入って……ヤツらがタッグ王者になってからは、なかなか試合が組まれる機会に恵まれなかったからなぁ。今はヤツらは王者ではない。やるならこの辺りがチャンスかもしれない。第五試合だ」

ヤムチャ「俺は……?」

ベガ「ヤムチャ君……君は、ロレント・ソドム組と戦って欲しいのだが……」

ヤムチャ「えっ……? ロレントさんとソドムさん達ですか……!?」

ベガ「君もレスラーらしくなってきた……シャドルー以外の相手とも手を合わせる事も……いけるだろう……?」

バイソン「ベガ様、タッグ戦っすか? パートナーは誰になるんですか?」

ベガ「……本田君だ」

329: 名無しさん 2016/01/25(月) 23:46:09 ID:xd8Pr176
ヤムチャ「本田さんとは、戦った事はあるけど……組んだ事はありませんねぇ……」

ベガ「本田君は、まぁ色々とあってロレント君とのタッグパートナーを解消して、今ジミー君やディージェイ君とを主戦場としているが……どういうワケか、再浮上の兆しが見えてきた……」

バイソン「相撲と同じだね。粘りだ、粘りっ!」

ベガ「なかなか濃いキャラだろ……? あのまま埋めるには、勿体無いと思ってなぁ……」

ケン「おい、待てよ……? って事はヤムチャ・本田組を作っていくって事か?」

ベガ「あくまで応急だ……元パートナーが、暴虐の限りを尽くしているのを見かねた本田君が……ヤムチャ君に助っ人を頼んだ……そういう感じでいこう」

ケン「……ほう」

ベガ「ロレント・ソドム組……ここは期待株だからな……場内の反応はいい……元パートナーの因縁ありの本田君と、空手軍団のヤムチャ君……彼らにとってなかなかの好敵手には、なるんじゃないかな?」

352: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:00:11 ID:7ST6S8PI
バルログ「タッグ組の中では、現状敵なしと言った所でしょうかね……それなら、空手軍団……もしくは、私達シャドルー辺りと試合を組んでいくのも……」

バイソン「……ありって言えばありだな。え~、俺とサガットちゃんはアイツらと試合して負けたからな」

サガット「……問題があるとすれば」

ベガ「そうだな。ロレント君達とは、ほぼ初顔合わせ……経験がないと言う事だ……だが、シャドルー以外とは手を合わせれません……そんな事では、レスラーとは呼べないなぁ」

ヤムチャ「え~っと……本田さんの事は知ってます。これは、経験がありますからね……それで、ロレントさん……ソドムさん……この二人に関しては、確かに試合の経験はありません。ありません、が……」

ベガ「……うむ」

ヤムチャ「試合は、よく見てます。今日もリュウさんと二人で試合……見てましたし、ねっ……?」

リュウ「俺達の一つ前でやる場合が多いからな。全くもって知らない……って、ワケでないな」

ヤムチャ「大丈夫ですっ! 俺、いけますよっ!」

ベガ「……ほう、頼もしい返事だ」

353: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:11:01 ID:7ST6S8PI
ヤムチャ「助っ人なんですよねぇ……? 本田さんの助っ人に俺がいく形……つまり、空手軍団から戦力外……って、ワケではないんですよね?」

ベガ「それは違う。君には変わらず、こちらの抗争には参加してもらう。とりあえずは、この一戦だ……」

ヤムチャ「そういう事なら……喜んでやりますよっ!」

ベガ「ふむ」

ヤムチャ「本田さんの力になれるってのは……俺にとっては、面白い事だし……それに、ロレントさんとソドムさん」

ベガ「……ふむ」

ヤムチャ「ロレントさん達にとって俺が好敵手って扱いなんだったら……それは、俺も戦っていかないとねぇ……?」

ベガ「よし、決まりだな。今回は一週間の猶予あるからな……その間に、ロレント君、ソドム君と準備をしてくれ」

ヤムチャ「ただ、あの~……一つ、聞きたいんですけどね……?」

ベガ「……どうした?」

354: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:18:51 ID:7ST6S8PI
ヤムチャ「ロレントさん達って……その~、プライベートでもああいう方なんではないですよね……?」

ベガ「……はぁ?」

ヤムチャ「いや~、ホラ……ロレントさんって、なんか凄い人じゃないですか……? それに、ソドムさん……あの人も、何喋ってるかわかんない所あるし……」

プーアル「……あのねぇ、ヤムチャ様」

ヤムチャ「流石に、プライベートまであのままの人達だったら……俺、コミュニケーション取る自信ないですよっ! 普通の人達ですよねっ!? 本当は、普通の人達なんですよねっ!?」

プーアル「プライベートであんな性格の人がいつワケないじゃないじゃですかっ!? ロレントさんも、ソドムさんもプライベートでは普通の人ですよっ!」

バイソン「……安心しろ。あいつらは普通の人だ。ジミーさんの例があるだろう。キャラだキャラ」

バルログ「……ソドムさんも、ちゃ~んと喋れます」

ベガ「……まぁ、交流するのにはいい機会だろう。一週間後のお前達のカードはそんな感じだ。よ~し、それじゃあ付いて来い。インタビューだ。ヴァイパーさんは遅れるとやかましいぞ~」

355: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:25:19 ID:7ST6S8PI
ーーー


ユン「このユン・ヤンコンビにかかれば……どんな相手だろうが、お茶の子さいさいだぜっ!」

ヤン「……」

ユン「ロレント・ソドム組……王者戦でけちょ~んけちょ~んのコテンパンにしてやるっ! そして、このユン・ヤンコンビが最強の座を掴むっ! イエーイっ!」

ヤン「……」

ユン「……なっ!?」

ヤン「あぁ……?」

ユン「……なっ!?」

ヤン「あぁ、はい……うん……」

ユン「一週間後の王者戦が、楽しみだぜっ! ロレント……ソドム……覚悟しておきなっ!」

ヤン「……」

ユン「……なっ!?」

ヤン「あぁ、はい……うん……」

358: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:33:34 ID:7ST6S8PI
ユン「見事、タッグベルトを獲得したこのユン・ヤンコンビっ! だけど、俺達の大きな大きな野望は止まらないっ! ドリーム・カム・トゥルーっ! 夢は叶うっ!」

ヤン「……」

ユン「ロレント・ソドム組の次は……シャドルーだっ! 覚悟しろっ! この最強ユン・ヤンコンビがぶっ潰してやるぜっ!」

ヤン「……潰します」

ユン「シャドルーの次は……空手軍団だぁ! そして俺達がナンバーワーンっ! イエーイっ!」

ヤン「……ナーンバーワーン」

ユン「一週間後の王者戦は……新しい時代の幕開けでもあるっ! イエーイっ!」

ヤン「なぁ、ユンよ……?」

ユン「あぁ……!? なんだっ!?」

362: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:40:54 ID:7ST6S8PI
ヤン「お前、さっきからずっと何してるんだ……? 俺はわからない……わからないぞ……」

ユン「マイクの練習……インタビューの練習……だよ、バカっ!」

ヤン「インタビューの練習って言ったってさぁ……? 俺達はないだろうが……?」

ユン「おっかしいよなぁ……おっかしいよなぁ……前のヤツ、見た……? あのPVをっ!」

ヤン「……見た見た。あれ作ったの春麗さんの知り合いの人なんだって」

ユン「キャミィさんや……あのヤムチャってヤツまで、あぁやって宣伝されてるのにさぁ……? なぁ~んで、俺達の出番がないんだよっ! こっちは準備出来てるぞっ!」

ヤン「知らねぇよ……いい位置でやってっからだろ……お前は出たがりかっ!」

ユン「だって、今回は本田さんが出るんだぞっ!? あの本田さんがっ! 今頃、インタビュー受けてるんじゃないか……!?」

ヤン「まぁ、本田さんは意外だったけどな。うん」

365: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:49:58 ID:7ST6S8PI
ユン「キャミィさん……ヤムチャ……本田さん……なぁ~んで、俺達には話が来ないかねぇ……おっかしいなぁ……」

ヤン「知るか……文句ばかり言ってんじゃねぇよ……」

ユン「あ~あ~、納得いかない納得いかない……だって、俺達タッグ組のナンバーツーだったじゃねぇか……」

ヤン「そうだけど……」

ユン「ベガさんがブッカーになってから、おかしいよ……絶対、変な方向に行ってるって……ダメになっちまうよ……」

ヤン「そういう聞かれたらマズいような話を、お前は大声でベラベラベラベラ……」

ユン「いやっ……! 違うなっ……! やっぱり、ザンギエフさんの時点で充分おかしかったよ……だって、あのヤムチャを入団させたのはザンギエフさんだもんっ! ザンギエフさんだもんっ!」

ヤン「だ~か~ら……んっ……?」


コンコン


ヤン「誰か来たみたいだぞ~、ちょっと黙ってろ……」

ユン「……は~い」

ヤン「は~い、開いてますよ~。どうぞどうぞ~」

370: 名無しさん 2016/01/26(火) 22:58:26 ID:7ST6S8PI
ーーー


ヴァイパー「……はい、遅いですよ。待ちくたびれました」

ベガ「すまない、ヴァイパーさん……遅くなったな……」

本田「ガハハ、そない待っとらんやろ。小煩い姉ちゃんや」

ヤムチャ「あっ、本田さんっ! 」

本田「よおぅ! ヤムチャ君、よろしゅうなっ!」

ヤムチャ「あ~、はいはい……こちらこそ、よろしくお願いしますっ!」ペコッ

ヴァイパー「それじゃあ、最初はリュウさんとケンさんから……いきましょうか」

リュウ「はい」

ケン「了~解」

371: 名無しさん 2016/01/26(火) 23:07:10 ID:7ST6S8PI
ヤムチャ「あれ、俺は……?」

ヴァイパー「ヤムチャさんは、別で~す。本田さん、お願いしま~す」

本田「あ~、はいなはいな……あ~、ヤムチャ君はな……リュウ君とケン君がインタビュー受けとる間……控え室で待っとったという設定になっとるらしい」

ヤムチャ「あぁ、じゃあ俺はインタビューは……なしと……」

本田「馬鹿たれ。あるからこうして呼ばれとるんやないかい。その控え室におるヤムチャ君の元に……ワシがやってきた……そういう設定やそうや……」

ヤムチャ「あ~、なるほどなるほど……」

本田「ほんで、その控え室の様子を撮影する……そういう段取りらしいわ」

ヤムチャ「えっ……? それで……いつ喋るんですか……?」

本田「なんか、台本渡されたわ……これを、ワシとヤムチャ君でやるねんて……読むか……?」ヒョイ

ヤムチャ「あっ、はい。読みます読みますっ!」

373: 名無しさん 2016/01/26(火) 23:11:25 ID:7ST6S8PI
ヤムチャ「ふ~ん……んっ……?」マジマジ

本田「しっかり、頭に叩き込んどきや。聞いるで……前はえらいNGを出して……怒られたんやってなぁ? 今回はしっかりしいや」

ヤムチャ「……えっ!? 嘘っ!?」マジマジ

本田「ガハハ、おもろい台本やろ?」

ヤムチャ「あの……この台本に書かれてる内容を……俺と本田さんでするって事ですか……?」

本田「……まぁ、そういうこっちゃ。頑張ろな?」

ヤムチャ「本田さん……これはよくない……俺は、こういう事はよくないと思いますねぇ……」

本田「別にヤムチャ君は損する話やないやないかっ!? ワシがヤムチャ君の控え室を訪問して……ヤムチャ君に土下座するだけやないかいっ!」

ヤムチャ「土下座なんてしてくれなくても、俺は本田さんとタッグパートナー組みますよっ! 土下座なんて……格好悪いでしょ! 本田さんっ!」

ベガ「……おい、あまり騒ぐな。やかましいぞ」ギロリ

本田「あぁ、すまへんすまへん……」

ヤムチャ「あっ、すいませんっ……!」

376: 名無しさん 2016/01/26(火) 23:26:04 ID:7ST6S8PI
ーーー


ユン「……マジでっ!?」

ヤン「えっ、それは……本当の話なんですか……?」

さくら「そうっすね。ベガさんが二人の事を生かしきれてない……と、言いますか……そこは、非常に二人に申し訳ない思いをさせたっす……」

ユン「そうだよ、そうだよっ! 生かしきれてないんだよ、ベガさんはさぁ!」

ヤン「……やめとけっての」

さくら「二人は、女性客の指示が強いじゃないっすか……? そこをね……自分は生かしていくべきだと思うんすよ」

ユン「その通りっ……! 俺達は女性客の指示が強いっ! 第二のケンさんになれるポテンシャルは秘めてるんだよっ! それっ……! それそれっ……!」

ヤン「それで……さくらさんが……」

さくら「そうっすね。春麗さんの復帰でね……女子部も少し落ち着いてくるとは思うので、無理を言ってベガさんに二人のプロデュースを頼み込んだんすよ」

ユン「来たぜ来たぜっ! ついに来たぜっ……! 俺達の時代がっ……!」

ヤン「まだ、来てねぇぞ……? これからだぞ……これから、俺達の時代を作って貰うんだぞ……?」

さくら「ハハハ、まぁそういう事っすね。これからっす……これからこれから……」

380: 名無しさん 2016/01/26(火) 23:35:37 ID:7ST6S8PI
ユン「でも、プロデューサーがさくらさんになるって事は……俺達もっと自由に出来るって事でしょ!?」

さくら「あっ……! 完全自由とはいきませんよっ……!? でも、今まで通りのやり方とは、違うやり方でね……二人の方向性を……」

ユン「方向性はね、もう決まってますよっ! 俺達はアイドルレスラー路線で進んでいくべきだと思うですよっ! アイドル・レスラーっ! どうよ、この案っ!」

さくら「……あぁ、はい」

ユン「とにかく、俺達の格好よさ……そこをアピールしていくべきだと思うんだよっ! ホラ、俺もヤンも……ホラ、顔立ちはいい方でしょ? イケメンでしょ……? イケメンでしょ……?」

さくら「でもね……男の格好良さってのは、顔立ちとかだけじゃなくて……」

ユン「だからね……!? そこをアピールしていくべきなんだと思うんだよっ!とにかく、俺達は格好よく……格好よくプロデュースしてくれよっ! そこがザンギエフさんにはなかったわけだっ!」

さくら「……そうっすよねぇ。格好よくしていかなきゃいけないっすよね」

419: 名無しさん 2016/01/28(木) 22:00:38 ID:xc1ODcnk
本田「ヤムチャ君、ちょっとこっちで話しよか……話を……ワシら、邪魔なっとるらしいわ……」

ヤムチャ「いやいや……本田さん……本田さんっ……!」

本田「ええか……? ヤムチャ君、ワシは土下座をする事が格好悪いとは思っとらん。と言うか、頭を潔く下げる事こそが……日本男児の美学やっ!」

ヤムチャ「本田さんにとっては美学かもしれませんが……じゃあ、周りですよ……ちゃんと周りの人は美学と思ってくれますかっ!? 本田さんみたいな人が……俺みたいな奴に頭を下げて……土下座してっ……!」

本田「……」

ヤムチャ「俺は、本田さんの事を尊敬してますよっ! あぁ、尊敬してますよっ! こんな事しなくても……『よっ、ヤムチャ君。ワシとタッグ組まんか?』な~んて言ってくれればオッケーしますよ。そうしましょうよ!? ねっ!?」

本田「……」

ヤムチャ「さっぱりとして豪放な……本田さんっ……! そんな感じでいきましょうよっ!?」

本田「ガハハ、嬉しい言葉ではあるが……まぁ、皆役割ちゅうもんがあんねや……なっ……?」

ヤムチャ「……役割?」

420: 名無しさん 2016/01/28(木) 22:08:47 ID:xc1ODcnk
本田「言うても、ヤムチャ君は人気者や……空手軍団の中ではドベかもしらんけど、空手軍団っちゅうのがそもそもワシより格上じゃろが?」

ヤムチャ「いや、そりゃわかってますよ……わかってますけど……だけど……」

本田「ええか……? ワシが頭を下げるのは、ヤムチャ相手やないんや……ヤムチャ君に頭を下げるワケやない……」

ヤムチャ「……じゃあ、誰に頭を下げるんですか?」

本田「ファンの皆様やがな!」

ヤムチャ「……ファン」

本田「せやっ! ヤムチャ君に頭を下げるというのは、建前やないか……ここでワシが頭を下げる事によって……ファンの皆様に『人気も顔もよくないこのワシが、人気のあるヤムチャ君とタッグチームを組む事を、どうかどうか広い心でお許し下さい』ってアピールするんやがなっ!」

ヤムチャ「……はぁ」

本田「そんなもん 、ワシが『よっ、ヤムチャ君っ! ワシとタッグ組まんか?』な~んて、言うてみいや? そらキャリアはワシの方が長いけど……どの面下げて偉そうに言うとんねやて、ファンに怒られるわ」

ヤムチャ「でも、それじゃあ本田さんの立場といいますか……そんなの、格好悪いっすよ、絶対……」

本田「格好悪い事は、皆しとるがな……何を言うとんねや、阿呆」

ヤムチャ「……え~?」

421: 名無しさん 2016/01/28(木) 22:18:12 ID:xc1ODcnk
本田「そもそも、ロレント君達と戦った相手見てみいや……? 試合後にボッコボコにやられて……なじられて……皆、格好悪い所は見せとるがな」

ヤムチャ「まぁ、そうっすけど……」

本田「そりゃ、ヤムチャ君かて一緒や。ようバイソン君にやられて……股間にも攻撃喰ろとるわ……せやけど、ヤムチャ君かてちゃんと悶えて、苦しんで……格好悪い姿見せとるがな……」

ヤムチャ「それはだって……そういう風にするって決まってますし……」

本田「ワシかて一緒や……ここに、本田がヤムチャに土下座するって決まっとる事やから、すんねや。まぁでも、書いてへんでもするんちゃうかな……?」

ヤムチャ「だぁ~っ! も~うっ……!」

本田「そりゃ、思てる事はわかるで……? 本田はヤムチャに頭を下げる程まで落ちぶれたか……そう、思うファンもおるかもしれんっ!」

ヤムチャ「そうそうそうっ! 俺が言いたいのは、そういう事っ!」

本田「ワシは、それを試合で覆したる。ロートルの底力、舐めたらあかんで? ワシはその力……まだ、残っとる……」

ヤムチャ「……んっ?」

422: 名無しさん 2016/01/28(木) 22:24:49 ID:xc1ODcnk
本田「久々の好敵手相手やからのぉ……ジミーやダルシム相手ではなく、今一番油の乗っ取るロレント・ソドム組や。そりゃもう、ワシが美味しく料理したる」

ヤムチャ「試合は……真面目にやるんですか……?」

本田「そりゃそうや。ヤムチャ君に土下座までしてカードが組まれたのに……試合で一つもええ所ないんやったら、それこそワシは阿呆丸出しやないかい……今回はお遊び、一切なしや」

ヤムチャ「百貫落とし失敗して……ケツ抑えて痛がるってのも……」

本田「……ありゃ、お笑いマッチ様や。本気のワシは、そんな事せぇへんわ。そんな事しとったら、隙だらけやないか阿呆か」

ヤムチャ「ナハハ、そりゃそうっすね……」

本田「ワシがふざけるのは、ジミーとディージェイとダルシム相手の時や……コーディとガイの時は、おふざけ要素は控えめにして……ベテランのテクニックを見せとる。本気でやらんとあかん相手には、それなりのやり方ちゅうもんがある……」

ヤムチャ「……あ~、そういや言ってましたねぇ」

本田「ワシにも、ちっとは本気やらせてくれや。ワシは、第二試合でおこぼればっかり拾っとる。たまには、本気のワシ……出させてくれや」

ヤムチャ「あ~、そうですよねぇ……本田さんも、マジでやりたい時ってありますよねぇ……」

424: 名無しさん 2016/01/28(木) 22:39:52 ID:xc1ODcnk
本田「それにや……ここまで、ワシの都合ばっかり話しとるが……何やかんや言うたって、ヤムチャ君にかて利点はあるんやで?」

ヤムチャ「えっ、俺の利点ってのは……?」

本田「やっぱり、ロレント君とソドム君はヤムチャ君にとっては初顔合わせや。試合はどうなるか……少し、先の見えん所もあるなぁ……ひょっとしたら、何かミスが起きてしまう事があるかもしれん……」

ヤムチャ「ちょっとちょっと……試合の前から、脅さないで下さいよ……」

本田「そういう時に、役立つのが……ワシみたいなベテラン組というワケや!」

ヤムチャ「あ~、確かに……なぁ~んか、いざって時には頼もしいですねぇ……」

本田「ベテラン組……こりゃ、ワシとジミーとダルシム……三人おるな……?」

ヤムチャ「はい」

本田「さぁ、問題や。この三人の中で……一番のガッチガチの、激闘を繰り広げられそうなタッグパートナー……誰やと思うっ!?」

ヤムチャ「ダルシムさんは……ちょっとゆったりした所あるし……ブランカさん限っては、もう論外だし……って事は……」

本田「……ワシやろ?」ニヤリ

ヤムチャ「……本田さんですね」

428: 名無しさん 2016/01/28(木) 22:57:31 ID:xc1ODcnk
本田「ワシが頭を下げて、ヤムチャ君のタッグパートナーになってやるって言っとんねや。ええんか? パートナーがジミーで……ダルシムで……」

ヤムチャ「……本田さんですね」

本田「形式上は、ヤムチャ君の下にはつくが……試合となれば違う……ベテランのワシのいざって時のフォローも担当したる。そこさえ、わかっといてくれればワシはええ。役割の上では、ワシには敬意などいらん。ロートル言うて舐め腐っといてくれればええ」

ヤムチャ「……」

本田「役割以外の部分でこうやって敬意を持ってくれとるのは嬉しい事や。せやけど、ごっちゃにしたらアカンっ!」

ヤムチャ「……」

本田「カードは決まった事や……もう、後には引けへんやろ……ほな、こうしようっ!」

ヤムチャ「……んっ?」

本田「ワシは土下座はするけど……ヤムチャ君は、モヤモヤしたもんを感じるかもしれんけど……それは、いつまで経っても相手を敬う心忘れるな……そういう仏さんの警告……そういう事なんやと言う事にしようやないか」

ヤムチャ「ったぁ、もうっ……! わっかりましたよっ! わかりましたっ! その変わり試合はマジでやって下さいよっ! 今まで以上の……本田さん、見せて下さいよっ!」

本田「当たり前やっ! 油の乗っ取るロレント・ソドム組に……空手軍団引き連れて挑めるってもんやっ! 地道にコツコツ、コーディやガイの相手をしとった事が……よ~やく、実ってきたわっ!」

430: 名無しさん 2016/01/28(木) 23:10:03 ID:xc1ODcnk
ーーー


ユン「俺ね、特技あるんだよっ! 実は黙ってたけど特技あるんだよっ! そういうのを有効利用していこうよっ!」

さくら「使えそうな物なら、有効利用していきたいっすけどね。特技って何すか……?」

ユン「スケボーっ!」

さくら「……ス、スケボー?」

ユン「だからね、スケボーに乗って……サーっと爽快に入場するんだよっ! どうよどうよ、これならインパクトあるでしょ!?」

さくら「スケボーかぁ……う~ん、でもまぁ人殴るのには手頃ないい凶器かもしれませんね……」

ユン「ねっ!? ホラ、やっぱりいいアイディアじゃんっ! ヤン、見たかっ!?」

ヤン「えっ、スケボー通るのか……? じゃあ、俺はインラインスケート……なのか……?」

さくら「……イ、インラインスケートって何すか?」

436: 名無しさん 2016/01/28(木) 23:22:17 ID:xc1ODcnk
ユン「あ~、それとそれとね……! ホラ、ロレントさん達ってさぁ……? マイクパフォーマンスでガーってブレイクしたじゃないっ!?」

さくら「あ~、はいはい」

ユン「だからね、俺達もっ……! マイクパフォーマンスっ! マイクパフォーマンスが必要だよねっ! だってさぁ、ホラ……今日のキャミィは、マイクパフォーマンス盛り上がったじゃんっ!?」

ヤン「……う~ん、でもマイクはいると思うわ。俺も」

ユン「なっ……!? さっきも練習してたんだよなっ!? マイクパフォーマンスっ! さくらさん、聞くっ!? 聞くっ!? 俺のマイクパフォーマンスっ!」

さくら「え~っ……今、ここやるんすか……?」

ユン「あら、反応薄いね!? マイクは、違うか……!? キャラ、被っちまうか……!? へへへ……」

さくら「マイクをするならするで……そこに持っていくまでの……」

ユン「え~っとねっ……! それじゃあそれじゃあ……!」

さくら「あ、あらら……」

440: 名無しさん 2016/01/28(木) 23:34:04 ID:xc1ODcnk
ユン「入場コスチュームっ! なんかも~っとね……!?」

さくら(弟のつくしも……ちっちゃい頃、こんな感じだったなぁ……あはは……)

ユン「違うっ……!? じゃあ、入場曲っ! どうよどうよっ……!?」

さくら(あれする……? これする……? な~んて、纏まりのない意見を……津波のように投げかけてくるんすよ……」)

ユン「さくらさん、反応薄いねぇ!? 聞いてるの……!?」

さくら「あっ、いやいや……聞いてますよ……」

ヤン「……というか、お前が一気に投げかけてすぎなんだよ、バカっ!」

ユン「ちょっと待てよ……俺はこうやって、アイディアを提供する事でさくらさんがもっと俺達を動かしやすいように……」

さくら(……そう)

ユン「ねぇ、さくらさんっ……!?」

さくら(ここに、悪気はないんすよね……)

445: 名無しさん 2016/01/28(木) 23:46:06 ID:xc1ODcnk
ユン「というかさぁ……? ヤン、お前が落ち着きすぎなんだよ、バーカっ!」

ヤン「……あぁ?」

ユン「こうやって、変わるきっかけが目に見えてわかる形できたっ……! なのに、なんでお前は落ち着いてられるっ!? そんなに落ち着いてられるっ!?」

ヤン「だから俺は、お前のような思いつきでは……」

ユン「お前の、そういう所が嫌いっ……! お前はなぁ……!」

さくら「あぁ……ちょっとちょっとちょっと……二人とも、喧嘩しない喧嘩しない……」

ユン「あっ、ごめんなさい……」

ヤン「いや、俺は絡まれただけで……」

さくら「ユン君が、非常にうちの団体へ貢献してくれようとしてくれる、熱~い思いは伝わりました……全~部、全~部伝わりました……」

ユン「いやいや、俺はさぁ……?」

さくら「ただ、今言った事……全~部、一気にするのは……ちょ~っと、流石に難しい事だとは思うっす」

ユン「……え~?」

ヤン「……正論だ、バカ」

467: 名無しさん 2016/01/29(金) 22:02:46 ID:uoC3T5pM
さくら「なるべく……ユンさんの希望が通るようには、こっちも持っていきたいとは思います。そこはまぁ、ベガさんと交渉っすね……」

ユン「よぉ~しっ! さくらさん……頑張ってくれよなっ!?」

ヤン「いやいや、さくらさん……こいつの言ってる事、全部通したら……それこそ、大変な事になると思いますよ。ひょっとしたら、今より変な感じに……」

さくら「……へ、へへへ」

ユン「おいっ! なんだと、ヤンっ! お前、俺のとっておきのアイディアに対して、何をっ……!」

ヤン「うるせぇっ! さくらさんも困ってんじゃないかよっ!」

ユン「えっ……! 嘘っ……!?」チラッ

さくら「あ~、あ~、喧嘩しない喧嘩しない……大丈夫。困っては……ないっす。とにかく、二人は早急に自分がなんとか……ねっ、なんとか……」

ユン「あ~、ビックリしたっ! ほら、さくらさんは大丈夫って言ってくれてるじゃないかっ!」

ヤン「……はぁ、呆れた奴だ」

さくら(困った二人っすが……まっ、何となくは……見えてきたかもね……)

468: 名無しさん 2016/01/29(金) 22:19:20 ID:uoC3T5pM
ーーー


ヤムチャ「自然体……自然体でと……本田さんが、入ってきて……それから俺は……え~っと、え~っと……」

ヴァイパー「……ヤムチャさん、準備オッケーですか?」

ヤムチャ「……はい」

ヴァイパー「それじゃあ、始めましょう……本田さん、お願いしますっ! よ~い、スタートっ!」


コンコン


ヤムチャ(ドアのノック音がする……ヤムチャ、そっちを振り向く……だったな……)チラッ

本田「……ヤムチャ君」ガチャ

ヤムチャ(予期せぬ来客に……驚くヤムチャ……だったよな、うんうん……)

469: 名無しさん 2016/01/29(金) 22:28:21 ID:uoC3T5pM
本田「ヤムチャ君っ! 頼むっ……! ワシとタッグを組んでくれっ!」ベタッ

ヤムチャ(叫びながら土下座をする本田……ヤムチャは呆気にとられつつも……慌てて本田に声をかける……)

本田「……」ベターッ

ヤムチャ(あっ……! そうだっ! 俺のセリフだっ!)

本田「……お、遅いな」ベターッ

ヤムチャ「ちょっとー! な、なにやってるんですかーほんださーんー! いきなりどげざだなんて、どーしたんですかー」


ヴァイパー「一回……一回、止めませんか、コレ……? コレは、違うような気がします……」

本田「なーにをやっとんねや、馬鹿もーんっ! なんや、その棒読みはっ……! 変な間もあったぞっ! もうちょっと、ちゃんとやってくれや、馬鹿たれがっ!」ガバッ

ヤムチャ「ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ……! だって、さっき台本読んだばかりじゃないっすか……? ねっ……? ねっ……?」

470: 名無しさん 2016/01/29(金) 22:38:58 ID:uoC3T5pM
ヴァイパー「ヤムチャさんのセリフって……それと、最後と相槌ぐらいだったと思うんですけど……」

ヤムチャ「いや、他にもあったじゃないですか……ほら、なんか振り向くとか……表情がどうのこうのとか……」アセアセ

ヴァイパー「あ~、そういった部分もして下さってるんですね。あ~、これはまた残業コースかな~?」

本田「そんなもん、だいたいでわかるやろがっ! わかるやろがヤムチャ君っ! 君は……下っ手糞やなぁ!?」

ヤムチャ「本当、ごめんなさい……本当、ごめんなさい……本田さん……」

本田「こら、アカンで……!? 多分、ワシのデコが擦り切れるぐらいまで土下座せなあかんのちゃうかっ……!? なぁ……!?」

ヴァイパー「……そうなるかも、しれませんねぇ」

ヤムチャ「いや~、あの……次は決めますっ……! 次はちゃんとしっかり決めますからっ……! ねっ……!?」

ヴァイパー「……本田さん、それじゃあノックの所からまたしてもらってもいいですかね?」

本田「はいなはいな……ったぁ、もう……ヤムチャ君……次はしっかりしてなっ!?」

ヤムチャ「も、勿論っす……!」

472: 名無しさん 2016/01/29(金) 22:46:26 ID:uoC3T5pM
ーーー


本田「……ったく、もう」ガチャ

バルログ「あれ? 本田さん、出てきましたよ……?」

バイソン「本田さん、もう終わったの……?」

本田「終わったわけあるかい……NGや……初っ端からNG出してくれよったわ……」

プーアル「……ヤムチャ様、本田さんが楽屋に入ってから1分も経ってないと言うのに、も~う」

ケン「早速、一回目か……こりゃ、何処まで記録が伸びるかな……?」

プーアル「本田さん……ヤムチャ様が、本当に本当に……申し訳ありませんっ……!」

本田「今日は、完全にワシの土下座祭りやな。ガハハ、皆笑ろてくれや」

474: 名無しさん 2016/01/29(金) 22:55:05 ID:uoC3T5pM
ヴァイパー「それじゃあ、本田さんお願いします。よ~い、スタートっ!」

本田「あぁ、また出番やな……」コンコン

プーアル「……ヤムチャ様、本当にお願いしますよっ!」

本田「……ほな、行ってくるわ」ガチャ

サガット「確かに……いきなりこういった事を、ヤムチャ君に要求するのは……」

リュウ「でも、いつまで経っても俺達がマイクを変わっやるというのも……」


本田「……だから、何でやっ! またやないかいっ!」


サガット「んっ……? 本田さんが、怒鳴ってるぞ……? そういうシーンがあるのか……?」

リュウ「今、入ったばかりだぞっ!? おいおい、まさか……!?」

478: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:04:36 ID:uoC3T5pM
本田「……った~く、もうっ!」ガチャ

サガット「ほ、本田さん……? また、ですか……?」

リュウ「アイツ……何やってんだっ……!」

本田「またやっ……! また、NGやっ!」

ベガ「……こりゃ、長くなるなぁ」

本田「長なるでぇ!? こりゃ、長丁場になるでぇ、ベガっ!」

ベガ「よし、決めたっ……! 本田君、サガット……そしてリュウ……この場はお前達任せる。ヴァイパーさんの手足となって、終わったら報告に来い……」

サガット「……えっ?」

ベガ「私には、別の仕事がある……別の仕事が、なっ……? だから、この場はお前達がヴァイパーさんの言う事を、よく聞くように……それじゃあ、なっ!」

リュウ「あの野郎……逃げやがった……何が、現場監督だっ……!」

480: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:15:16 ID:uoC3T5pM
そしてーー


ヤムチャ(これで何度目の土下座だ、この野郎っ……! いい加減にしねぇと、本当に本田さんに怒られちまうっ……! 今回は決めるっ……! 今回こそは決めるっ……!)

本田「ワシとタッグを組んでくれっ!」ベタッ

ヤムチャ「ちょっと、何やってるんですか、本田さんっ……! いきなり土下座だなんて、どうしたんですかっ……!?」

本田「……頼むっ!」ベターッ

ヤムチャ「いいから、顔を上げて下さいっ……! いいから、顔を上げて下さいってっ……! いきなり土下座して……タッグ組ませてくれだなんて……どういう事か、説明して下さいよっ!」

本田「あぁ、せやったせやった……せやな……いきなり、こんな事されても困るわな……困るだけやな……せやな、順を追って話をしよか……」

481: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:20:50 ID:uoC3T5pM
本田「隣……座らせて貰うで……? どっこいしょっと……」ズシッ

ヤムチャ「どうぞどうぞ……」

本田「話があると言うのは……タッグ戦線の事やねや……」

ヤムチャ「……はぁ」

本田「今、このストリートプロレス……タッグ戦線が非常に危うい事になっとんねや……なんでか、わかるか……?」

ヤムチャ「それは……」

本田「ロレント・ソドム組っ……! 奴らの存在やっ……!」

ヤムチャ「……あ~」

483: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:28:21 ID:uoC3T5pM
本田「奴らは、シャドルーに負けず劣らずの、悪の力を身につけておるっ……! わかるやろっ……!? ガイル君らも、フェイロン君らもやられたっ……!」

ヤムチャ「……はい」

本田「ワシが挑みたい……ワシがあの二人に挑んで、その歪んだ根性……叩きなおしたい……いや、ワシは叩き直さなあかんねや……」

ヤムチャ「……ほう」

本田「ロレントはなぁ……ワシと組んでたんや……ワシの元・タッグパートナーなんや……」

ヤムチャ「……えっ?」

本田「あのけったいなマスクをつけた奴と、組んで……タッグ戦線を荒らし回っとんねやっ! ワシはなぁ……我慢出来んっ! アイツらの暴挙を許しておくわけにはいかへんっ……! そういう事なら、ワシ自らの手で叩きのめしたるっ!」ギリッ

485: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:34:34 ID:uoC3T5pM
本田「しかし、ワシにはタッグパートナーがおらへんっ! ロレント・ソドム組は二人で一人やが……このエドモンド本田は一人っ……! タッグ戦線に参加する事すら出来へんっ!」

ヤムチャ「……」

本田「アイツらと戦うんやったら、生半可なタッグパートナーじゃ勝てへんっ! もう、アイツらの脅威はそこまで来とるっ……! せやから、ヤムチャ君っ……!」

ヤムチャ「……」

本田「無理を承知で頼むっ……! ワシとタッグを組んでくれっ! ワシとタッグ組んで……ロレント・ソドム組と戦ってくれっ……! 頼むっ……! この通りやっ……!」ペコッ

ヤムチャ「あ~、あ~……頭は上げて下さい……頭は上げて下さい……」

486: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:39:49 ID:uoC3T5pM
ヤムチャ「え~っと、なんだったっけなぁ……あっ、そうだ……そういう事なら……」

ヴァイパー「……はい、カットです」

ヤムチャ「……んんっ!?」

本田「なんでやっ!? 今、ええ所やったやないかっ! ワシの熱演っ……! ワシの熱演はなんやったんやっ!?」

ヴァイパー「……ヤムチャさ~ん、なんで口出しちゃいますかねぇ?」

ヤムチャ「えっ……だって、次俺のセリフでしょ……?」

ヴァイパー「……いや、そういう事じゃなくて」

本田「姉ちゃん……コレ、また最初からか……?」

ヴァイパー「いや~『頼む、この通りや』ぐらいからでいけると思いますよ……? 間に煽りとか挟んでいくんで」

ヤムチャ「俺、またNG出したのか……? でも、何がいけなかったんだ……んんっ……!?」

489: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:48:57 ID:uoC3T5pM
ーーー


ベガ「いきなりは難しいかなぁ。う~ん……でも、撮り直しはきくし、ヴァイパーさんには申し訳ないが、いい練習にはなるな。フハハハ」


コンコン


ベガ「おっ……? 終わったか……? 入れ~」

さくら「……失礼します」ガチャ

ベガ「……なんだ、さくらか」

さくら「……なんだじゃないっすよ、なんだじゃ」

ベガ「なぁ~にを、そんなにイライラしておる……」

さくら「ユンさんと、ヤンさんの事……人に押し付けておいて、よくもまぁ、そ~んな抜け抜けと……」

ベガ「……女性目線だよ。女性目線」

492: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:52:54 ID:uoC3T5pM
さくら「ユンさんと、ヤンさんと……まぁ、ちょこっと話はしたんですよ……」

ベガ「……私への不満とか、言ってたりしたか?」

さくら「……大丈夫っすね」

ベガ「……そうか」

さくら「それで、まぁユンさんと話した印象って言いますか……それがね……?」

ベガ「……ほう」

さくら「……つくし、そっくりでした」

ベガ「……つくし?」

さくら「……弟っす」

ベガ「あ~、そういやお前、弟いたな……」

494: 名無しさん 2016/01/29(金) 23:56:34 ID:uoC3T5pM
さくら「なんと言いますか、末っ子気質と言いますかね……?」

ベガ「あ~、あ~、なるほどなるほど。わからん事もない……」

さくら「ユンさん自身、沢山やりたい事は持ってると思うんですよ。ちょっと話した結果……こういう事したい……ああいう事したい……そう言った意見を、自分に投げかけてくれました」

ベガ「ほうほう……」

さくら「だから、今感じてるユンさんの不満ってね……? そういう、自分の思い描いてる事が出来ない……みたいな所から、来てるとは思うんすよ」

ベガ「そりゃそうだろ……? 不満は誰にでもあるさ。私にだってあるさ」

さくら「ユンさんはねぇ……もうちょっと、ノビノビやってもらった方が向いてるんじゃないかな……とは、思いますね……」

ベガ「お前、完全に弟と照らし合わせてるだろ……? それじゃあ、子供じゃないか……」

さくら「だから、子供ですよ、子供……ガキ……ガキキャラ……ガキキャラとか、凄く自然体でいけそうな気がするんですよね。何かを演じる……とか、じゃなくて」

513: 名無しさん 2016/01/30(土) 22:01:17 ID:C2MznteM
ーーー


ヤムチャ「そういう事なら……俺と組みましょうっ! 本田さんっ!」

本田「ほ、ほんまかっ!?」

ヤムチャ「タッグ戦線に、そういう奴らがいるって事……話には聞いてましたよ」

本田「……ああっ!」

ヤムチャ「……そういう奴らには、お灸を据えてやらなくちゃ、いけませんよね?」

本田「……せやっ!」

ヤムチャ「本田さんっ! 俺と組んで……二人で、ロレント・ソドムと……戦いましょうっ!」

本田「よぉ~っしゃっ!」

515: 名無しさん 2016/01/30(土) 22:18:48 ID:C2MznteM
本田「ロレント・ソドムっ……! 覚悟してろよっ! お前らの今回の相手……今までのように、簡単な相手とちゃうでぇ!?」

ヤムチャ(よぉ~し……俺のセリフ終わったぁ! 後はドヤ顔しとけばいいんだよなっ! よぉ~しよし……)

本田「今回のお前らの相手は、このエドモンド本田とぉっ!」

ヤムチャ(へへへ……本田さん、NGは勘弁して下さいよぉ~。俺、もう二度と出来ませんよ~)ニヤニヤ

本田「そして……空手軍団っ……! ヤムチャやっ……!」

ヤムチャ「……フッ」キリッ

本田「スペシャルタッグマッチで……お前らに、正義の鉄槌……お見舞いしたるっ……! 覚悟しとれっ……!」ビシッ


ヴァイパー「は~い、オッケーです。ありがとうございます」

519: 名無しさん 2016/01/30(土) 22:35:51 ID:C2MznteM
ヤムチャ「やった~! 終わったぞぉ~!」

本田「よっしゃっ! よぉ~やく、終わったかっ!」

ヤムチャ「いや~、本田さん……本当に申し訳ありません……本当に何度も何度もNG出して……申し訳ありませんねぇ……」

本田「ガハハ! ホンマやでぇ!?」

ヤムチャ「でもねぇ……? 俺はあくまで、武道家であって……レスラーであって……こんな、役者ではないんですよっ!? 上手く出来ないのも……そりゃ、ねぇっ……!?」

本田「まぁ、ワシらの時代も……こういう事はなかった……あまりこういう事する機会はなかった。ただ、やっぱり今の時代……こういった事もしていかなあかんとは思うわ」

ヤムチャ「そうは言っても……」

本田「こうなんて言うかなぁ……? 全く知らへん人と……全く知らへん人の戦いがありますよ……! な~んて、言っても……これ、残念ながら世の中のお客さんは、もう興味を持たへんのかもしらへんのかもなぁ……?」

520: 名無しさん 2016/01/30(土) 22:56:33 ID:C2MznteM
本田「だって、本家の人までこういう事やっとんねんで……? ヤムチャ君、あのミスターサタン知っとるか!? ミスターサタンっ!?」

ヤムチャ「あ~、知ってますよ。俺ね……生で見た事ありますよ」

ヴァイパー「……へぇ~、凄い」

本田「あの人とか凄いやんっ……!? 試合前にはワシらレスラー顔負けのマイクパフォーマンスをベラベラベラベラ言いよってからに……」

ヴァイパー「……ねぇ」

本田「ほんで試合前には決まって、今までの試合とかが……ガーって30分ぐらいかけて、流れよんねん。あれ、試合より長い時あるよなぁ……? なぁ……!?」

ヤムチャ「……へぇ~」

本田「やっぱり、この人はこういう人なんですっ……! ほんで、こうこうこういう戦う理由があるんですっ……! 対する相手は、こうこうこういう人ですっ……! ほんで、こっちの人にもこうこうこういう戦う理由があるんです……ちゅうのをアピールしていかな、あかんようなってきとんねん」

ヤムチャ「そんな事まで、していかなきゃいけないんですかね……」

本田「ワシらは試合で銭をもろとるワケや。試合を見て楽しんだお客さんが……ワシらに銭をくれるワケや。そこらでやっとる喧嘩を見て……ヤムチャ君は銭払おうと思うか? 思わんやろ」

ヤムチャ「あ~あ、なるほど……」

522: 名無しさん 2016/01/30(土) 23:08:08 ID:C2MznteM
本田「説教すんのも、鬱陶しがられるやろうけど……ヤムチャ君、NGもようさん出したわ……マイクアピールすんのも、苦手やろ……?」

ヤムチャ「あっ、はい……すいません……」

本田「腕っ節強いだけじゃ、アカンねん……やっぱり、そういう事も……銭が貰える喧嘩をする為には必要な事やねん……」

ヤムチャ「金が貰える喧嘩……」

本田「そういう喧嘩を見てもらう為にする事が……マイクパフォーマンスやら、こういった役者染みたインタビューやったりするワケやな……」

ヤムチャ「う~ん……頑張りますっ……!」

本田「なかなか、難しい時代にはなって来とる。ただ、順応はしていかなあかん。このままでは……何処かで止まる事になるかも、しれへんで……?」ギロリ

ヤムチャ「……えっ!?」ドキッ

523: 名無しさん 2016/01/30(土) 23:18:53 ID:C2MznteM
ーーー


ベガ「子供コンビか……それで、ノビノビと……か……」

さくら「両方をそういう風にするつもりではないんすよ」

ベガ「……んっ?」

さくら「ユンさんは、末っ子タイプの子供って、感じがしたんですよ……そこに比べて、ヤンさんは……どっちちかと言われるとお兄さんタイプなんじゃないかなと、思ったワケです」

ベガ「……ほう」

さくら「ユンさんは、わんぱくな末っ子……だったら、ヤンさんはそんな末っ子を抑える、お兄ちゃん……そういうイメージ感じたんでね……それでいけばいいんじゃないかなと」

ベガ「……ふ~む」

さくら「ホラ、だってコンビネーションに長けたチームって、リュウさんとケンさんいますし……ガイルさんとナッシュさんだっていますよ。その二チーム相手だったら……ねぇ……?」

527: 名無しさん 2016/01/30(土) 23:38:56 ID:C2MznteM
ベガ「まぁ、変えていくのもありだとは思うが……それは、もうすぐにでもか……?」

さくら「すぐに……ってよりかは、ロレントさんとソドムさんに合わせて……って感じでは行きたいですかね。ユンさんとヤンさんとまだでしょ……?」

ベガ「……いきなりベルト戦で任せる程、彼らの事は評価していない」

さくら「……う~ん」

ベガ「私はベルト戦に向けて……徐々に徐々に……つまり、今回のキャミィようにだな……?」

さくら「……言ってもキャミィさんだって、ベルト取ってしまったのが始まりっすよ?」

ベガ「あ~、そうかそうか……そうだったよな……」

540: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:00:09 ID:FwgLDww6
ベガ「まっ、いいか。とりあえず、やらせてみよう。ユンとヤンのカード内容はお前の耳に入るようにはするから……どうすれば、女性人気が上がるか……考えてくれ」

さくら「女子部とユンさんヤンさん、掛け持ちっすね。はぁ……はい……」

ベガ「いいじゃないか。女子部の我儘は聞いてやるんだから……一週間後はお前らがメインだ。それで、結局どうなるんだ……? どうするんだ……?」

さくら「まぁ、言った通りにはなりますよ……春麗さん対キャミィさん……」

ベガ「……ふんふん」

さくら「あ~、それと……自分、レフェリーやります」

ベガ「んっ……? お前、レフェリーやるのか……?」

さくら「たまにはね……ダンさんだって楽してもいいとは思います。シャドルーもスペシャルレフェリー、身内でやればいいんすよ」

ベガ「……フハハハ、リング上が女子一色になるな」

さくら「女子一色にしてやりますよ」

541: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:14:26 ID:FwgLDww6
ーーー


本田「さぁ、終わった終わった……これで、後は試合を待つだけや……」ガチャッ

ヤムチャ「いや~、終わりましたね……」

プーアル「あっ! ヤムチャ様、本田さんお疲れでしたっ!」

本田「と、言いたい所やが……まだ、やる事はある……」

ヤムチャ「……んっ?」

本田「おぉ~い、皆の者よっ!? ちょ~っと、ヤムチャ君借りてええかっ!?」

バイソン「あぁ、どうぞどうぞ。ご自由に」

本田「よっしゃ、ヤムチャ君……こっちやっ! 付いて来いっ!」グイグイ

ヤムチャ「えっ……!? ちょっとちょっと……本田さん……何処行くんですか……? 何、するんですか……?」

544: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:20:41 ID:FwgLDww6
本田「ロレントとソドムに宣戦布告に行くんや。まぁ、平たく言えば挨拶やな。まだ、この時間やったらおるんとちゃうか?」

ヤムチャ「あ~、はいはい……そうですね。試合も決まった事ですし……挨拶ぐらいはしておいた方がいいかもしれませんね。俺、正直二人の事はあまり知らないんですよ」

本田「……せやろ? ヤムチャ君はリュウ君、ケン君とかシャドルーの皆さんとは、よう一緒におるけどタッグ組とはあんまりやろ?」

ヤムチャ「そうですね……そもそも、試合する事がありませんでしたからねぇ……」

本田「これを機に、交流深めていこうやないか。一週間後には、試合も控えておるねん」

ヤムチャ「あ~、本田さん……え~っと、え~っと……プーアルも連れて行っていいですか……?」

本田「プーアル君も……挨拶はまだか……?」

ヤムチャ「まだですね」

545: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:25:20 ID:FwgLDww6
本田「せやなっ! ほんなら、プーアル君も一緒に一緒に行こかっ! お~い、プーアル君~!」

プーアル「あっ、はい……! 何ですか……!?」

ヤムチャ「今から、ロレントさんとソドムさんに挨拶にいくから、お前も来いよっ! なっ……!?」

プーアル「あっ、はい。わかりました。それじゃあ、皆さん……」

ケン「おうおう、行ってらっしゃい行ってらっしゃい」

リュウ「そうだな。挨拶ぐらいはしておいた方がいいな」

サガット「これを機に……タッグ組とも交流していければ、いいがな……」

バルログ「あまり、タッグ組と我々の交流は……ありませんからねぇ……女子部のように交流していければいいのですが……」

バイソン「女子部はシャドルー絡みの事もあっただろ? それと、ダンさんとさくらちゃんが意欲的だった事もあるね」

547: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:33:53 ID:FwgLDww6
ーーー


ロレント「ヤムチャって人もいるけど……本田さんとの試合かぁ……」

ソドム「……どうした?」

ロレント「いや~、ソドムさんと組む前の話なんですけど……俺、本田さんとタッグ組んでたんですよね?」

ソドム「うむ。存じているよ」

ロレント「その時は、俺達はタッグチームで一番不人気だったんですよ。今、思い返せばチームカラーみたいなのがなかったのかな……?」

ソドム「……ふむ」

ロレント「便所か、売店か知りませんけど……俺達の試合が始まれば、席を立つ人達もいたりするんですよ……無関心……無関心……俺達に一切、興味がないわけですね?」

ソドム「……ふむ」

548: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:41:39 ID:FwgLDww6
ロレント「それで、今ですよ。今っ……! ソドムさんと組んでヒールターン……そこから、周りの目はどうなったか……!?」

ソドム「……うん」

ロレント「あの糞野郎っ……! なんて、俺に侮蔑の眼差しを向ける人達が大勢大勢いるんですよ」

ソドム「……それは、不快な物かね?」

ロレント「いえ。今までは誰も、俺に関心を持ってなかった……それが、俺に関心持ってくれるようになったんですよ」

ソドム「……うむ」

ロレント「中には……目を輝かせて、アイツ何しでかすんだろなぁ……なんて、俺の事を見てくれてる人もいますよ」

ソドム「……うんうん」

ロレント「皆が俺に、関心を持ってくれたんですよ。期待してくれてるんですよ。ベガさんじゃない……ファンがっ!」

ソドム「なんだなんだ、どうしたどうした……? 今日の君は、やけに強気だな」ニヤニヤ

ロレント「違うっ……! 話には、続きがあるっ……! 聞いて下さいっ……!」

ソドム「Oh sorry.」

550: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:47:18 ID:FwgLDww6
ロレント「俺は、皆の関心を持って貰えるようになりましたよ。でも、本田さんはどうなんだって話ですよ。あの人、お笑いマッチや育成の所行って……やっぱり、あの人の試合の時ね……席立ってる人、いるんですよっ!」

ソドム「……うん」

ロレント「俺と本田さんは、別の道を歩み始めたんすよ。俺は、空手軍団・シャドルーに続く新たな勢力として……スター街道を登り始めたっ……!」

ソドム「……うむ」

ロレント「そして、本田さんは……ベテランとして、若手の育成……そういった前座への道を歩む事になったっ……!」

ソドム「……うん」

ロレント「でも、そんな二人が……今度は敵対し合ってますが……また、一緒にリングに立つ機会が貰えたんですよ……」

ソドム「……うん」

ロレント「……俺」

ソドム「……ん?」

ロレント「二人して、関心持ってもらいたい……あの時は出来なかった……皆に無視されてた……俺と本田さんの試合……皆に見てもらいたいんすよ……目ぇ、輝かせて」

554: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:53:24 ID:FwgLDww6
ロレント「……我儘言わせてもらってもいいですか?」

ソドム「どうぞ」

ロレント「この試合はね……自分にとっては、なんかあるんですよ。本田さんが俺と戦う為に、わざわざ空手軍団からヤムチャ引っさげて……乗り込んでくるワケでしょ……?」

ソドム「いい助っ人だよな」

ロレント「……いい試合にしたいです。いい試合に」

ソドム「いい試合と言うのは簡単だ……具体的に言うと……? 試合の中で何を表現したい……? 整理してみよう」

ロレント「え~っ……ん~……本田さん、今までありがとう……そして、さようなら……俺は、この先この道を頑張って歩んでいきます……」

ソドム「……うん」

ロレント「そうだっ! ヤムチャもいるんだっ! だから、本気でトップ戦線に食い込んでいく為には、ヤムチャとも因縁作っていかないといけないっ……!」

ソドム「……それを、試合の中で見せていければいいな」

555: 名無しさん 2016/02/01(月) 22:58:11 ID:FwgLDww6
ロレント「自分で言ったものの……こりゃ、難易度高いんじゃないか……?」

ソドム「チームが解散するには、それなりのケジメつける必要がある……君達はまだ終わってないんだろう……?」

ロレント「……はい」

ソドム「そのケジメをつける為……本田さんは、ここまでまたやって来たんだろう……」

ロレント「……そうですよね」

ソドム「私も、付き合うさ。今の君のタッグパートナーは私だからな。当然の義務だ」

ロレント「……いやぁ、やっぱりベテラン勢の力って凄いわ。俺、やっぱりまだまだだな」

ソドム「……リーダーは君だ」

556: 名無しさん 2016/02/01(月) 23:03:42 ID:FwgLDww6
ガンガン、ガンガン


ロレント「……うおっ! ビックリしたぁ、何だっ!?」ビクッ

ソドム「……誰か来たなぁ」


本田「うぉ~い、ロレント君~! ほんで、ソドムさ~んっ! ちょっと、ええかぁ~?」ガンガン


ソドム「おうおう、噂をすれば本田さんではないか」

ロレント「あ~っ、はいはいはいっ……! 本田さん、ちょっと待って下さいねぇ! あのっ……! ソドムさんっ……!?」

ソドム「……どうした?」

ロレント「さっきの話は……内緒っ……! 内緒でお願いしますねっ……!?」

ソドム「……なんで、内緒にするんだ?」

ロレント「なんか、だって……生意気だと思われるかもしれませんし……その……恥ずかしいじゃないですかっ……!?」

ソドム「……う~ん。わからん事もないな」

ロレント「じゃあ、そういう事でっ……! あっ、本田さん、どうぞどうぞ~!」

558: 名無しさん 2016/02/01(月) 23:09:15 ID:FwgLDww6
本田「なぁ~にをモタモタしとったんや、この野郎っ……! なんか、よからぬ事をしとったんか!? わざわざ、挨拶しに来てやったと言うのにっ!」ガチャッ

ヤムチャ「あっ、ロレントさん。一週間後の試合、よろしくお願いします」ペコッ

ロレント「あっ、ヤムチャさんも……ですか、あ~、これはこれは……」ペコッ

ヤムチャ「……あっ、本当だ。普通の人じゃん」

本田「……だから言うたやろ。ロレント君は普通の子や」

ヤムチャ「それで……え~っと、ソドムさんって人は……何処だ……何処だ何処だ……?」キョロキョロ

ソドム「Hi ! My name is SODOM !」

ヤムチャ「んっ……? あの人がソドムさん……? ソドムさんでいいのかな……?」

本田「ヤムチャ君は、ソドムさんの素顔見た事なかったか……?」

ヤムチャ「へぇ~、ソドムさんの顔って……へぇ~……へぇ~……」マジマジ

ソドム「MEETS MAY CHAT, EAT YOUNG ! (訳:ジロジロ見んじゃねぇ!)」

559: 名無しさん 2016/02/01(月) 23:15:18 ID:FwgLDww6
ヤムチャ「ダ~メだ、プーアル……俺、ロレントさんとはいけそうだけど……あのソドムさんって人は、多分ダメだ……」

プーアル「ちょっとちょっと、ヤムチャ様っ……!」アセアセ

ヤムチャ「だって何言ってるか、わかんないんだもん。今、あの人何て言ったの……? ねぇ、あの人何言ってるの……?」

ソドム「ハハハ、私の名前はソドムです。そう言ったつもりです」

ヤムチャ「んっ……? あれっ……?」

ソドム「そして、次の台詞は……私の素顔をマジマジと眺めている君に対して……『ジロジロ見んじゃねぇ!』と、言ったつもりです」

ヤムチャ「あれ……? あれ……? この人も……普通の人……?」

プーアル「……どうやら、そうみたいですねぇ」

ソドム「リング上では、オリジナルの言語の『ソドム語』というものを話しています。こういったキャラでやらせていただいております」ペコッ

ヤムチャ「はぁ、ソドム語……ですか……」

561: 名無しさん 2016/02/01(月) 23:21:00 ID:FwgLDww6
ロレント「ヤムチャさん、あのねぇ……実は『ソドム語』に関しては、タッグパートナーの俺も全くわかってないんですよ……?」

ヤムチャ「……ええっ!?」

ソドム「それは酷いんじゃないかなぁ、ロレント君……?」

ロレント「いや、だって……何なんですか……? 『ソドム語』って何なんですか……!?」

ヤムチャ「……なんなんだ、このチーム」

ソドム「『ソドム語』とは基本的には、意味のない言葉だ。だけど、怒ってる……とか、喜んでる……などの感情は伝わるだろう……?」

ロレント「……はぁ」

ソドム「口達者な君に合わせる為の……私の苦肉の策なんだよ。私は、君程上手にマイクパフォーマンスは出来ん」

ヤムチャ「えっ……? ソドムさんも、マイクパフォーマンス苦手なんですか」

ソドム「あぁ、私は口下手だ。それに、気が小さい」

577: 名無しさん 2016/02/02(火) 22:04:15 ID:VHsvhmgM
ソドム「人前に出るとアガってしまう所もある。多分、闘争心もないだろう……私はね……」

ヤムチャ「話だけ聞くと、なんだか凄く向いてない……って、気がするんですけど……」

プーアル「……コラ、ヤムチャ様」

ソドム「そう、私は向いていないんだ。だから、マスクを被ってやっているんだな」

ヤムチャ「……マスクって?」

ソドム「ほら、この私の特注のマスク……どうだっ!? んっ……? おっかないだろう……?」ヒョイッ

ヤムチャ「あ~、そうですねぇ……なんか、凄くね……怖いですよ……」

ソドム「このマスクを被ると……私は別の人格になれるんだよ……そう、魔法をかけてある」ニヤニヤ

ヤムチャ「……魔法?」

579: 名無しさん 2016/02/02(火) 22:16:02 ID:VHsvhmgM
ソドム「そう。こんなに怖いマスクを被っている男が……口下手で、アガり症で、気が小さく……闘争心のない男……それじゃあ、いけないだろう……?」

ヤムチャ「まぁ、そうですよねぇ。これだけ怖いマスクなんだったら……」

ソドム「自分とは違う別の自分を作り出す……その為のきっかけさ」

ヤムチャ「ふ~ん……ちょっと俺にはわかんない事かも……」

ソドム「……例えば、女性のメイク。化粧だな」

ヤムチャ「……んっ?」

ソドム「ほら、素敵な男性とデート……そういう時の女性ってメイクが派手だったりしないかな? アレも、だからメイクで気分を変えて……いつもとは違う自分でアプローチ……そういった事なんじゃないかなぁ?」

ヤムチャ「……あ~、あ~。はいはいはい」

ソドム「そんな感じだよ。そんな感じ」

581: 名無しさん 2016/02/02(火) 22:29:59 ID:VHsvhmgM
本田「せやから、ワシのしとる顔のペイントも、そういうワケなんや」

ロレント「……嘘だぁ。本田さんは、素でやってるでしょう」

本田「いや~、やっぱり多少気合い入れる為にはやっとる部分もあるでぇ?」

ロレント「そりゃ、初耳ですけど……」

本田「……ヤムチャ君?」

ヤムチャ「あっ、はい」

本田「ワシはリング上でも、プライベートでも……あんま、変わらん性格でやっとるけど……この二人は、別やないか? その、普段とは違う自分を見せていっとるやろ……?」

ヤムチャ「そうですね。試合の時とのギャップは……多分、一番強いかもしれません。バルログさんよりも、バイソンさんよりも……」

本田「……見習っていくトコ、あるんちゃうか?」

ソドム「確かに、ヤムチャ君は……キャラが立ってない部分もあるのかもしれないな……」

582: 名無しさん 2016/02/02(火) 22:36:40 ID:VHsvhmgM
ヤムチャ「俺もマスク被って『ヤムチャ語』使えばいいのか……? う~ん、違うか……」

プーアル「……多分、違いますね」

ヤムチャ「あっ、じゃあロレントさんって、どうなんですか……?」

ロレント「……あっ、自分?」

ヤムチャ「ロレントさんは、マスクを被ってないけど……こう、今はとは違うキャラでやってるじゃないですか? 何か、コツ……みたいなの……」

ロレント「いや~、自分はね……人様にアドバイス出来る程のもんじゃないですよ……自分だって、模索中の部分はありますし……」

ヤムチャ「え~、でもガンガンやってるじゃないですか……あれ、初めてヒールターンした時……リュウさんもケンさんも驚いてましたよ」

ロレント「……自分の場合は、環境なんですよ。環境」

583: 名無しさん 2016/02/02(火) 22:44:47 ID:VHsvhmgM
ロレント「俺は、ちょっと身体痛めてファイトスタイル変更って事で、ヒールターンする事にはなったんですけど……」

ヤムチャ「はいはい」

ロレント「前より身体が使えないのに前以上の事が、出来るのか……そうなるワケじゃないですか?」

ヤムチャ「……そうですよねぇ」

ロレント「でも、変えたんだったらそれなりの物見せていけないし……残った自分の動く部分は何処なんだって、考えたら……あっ、口は動くぞ。と言うか、俺前ここ使ってなかったなぁ……って、なったワケですね。喋るんだけだったら、別に身体に負担はないわけですしね」

ヤムチャ「……はいはいはいはい」

ロレント「そこからはねぇ……あ~、やるしかないか……はっちゃけるしかないか……そう思ったんですよ」

584: 名無しさん 2016/02/02(火) 22:51:43 ID:VHsvhmgM
プーアル「でも、それで成功してよかったじゃないですか、ロレントさんっ!」

ロレント「いや~、成功してよかったとは思いますが……なぁ~んで、もっと早くに気づかなかったんだろうなって後悔もあったりしますよ」

本田「まぁ、ええやないか。何はともあれ、ロレント君らは今、滅茶苦茶勢いに乗っ取るからな」

ロレント「……はい」

ソドム「そう、我々は今勢いに乗っている……勢いに乗っているんだ……だからだ、ヤムチャ君……?」

ヤムチャ「……んっ?」

ソドム「我々は、今一番大事な時期……なんだよ。空手軍団の君と、我々がぶつかる……これは、大事な一戦になる……わかってもらえるかな……?」

ヤムチャ「そりゃ、勿論ですよ」

ソドム「我々はこの試合で、爪痕を残したい……いや、残さばねばならないっ……!」ギロリ

ヤムチャ「えっ? あっ……は、はい……わかってますって、わかってます……」

ソドム「この試合を盛り上げたいんだよ。だからだ……どうだろう? 一つここは決起会という事で……本日、我々と飲みに行かないかな?」ニコッ

ヤムチャ「……んっ?」

ソドム「そこで、我々の意気込みを聞いてもらいたいんだよ。なっ……?」

586: 名無しさん 2016/02/02(火) 23:06:07 ID:VHsvhmgM
ロレント「えっ……? ソドムさん、俺達の所にヤムチャさんを連れていくんですか? いや、でもそれって……」

ソドム「……いや、今回は我々四人にしないか?」

ロレント「え~っと、四人って言うと……」

本田「……なんや、ワシもか?」

ソドム「そう。本田さんと、ヤムチャ君……そして、ロレント君と、私……どうだろう……?」

プーアル「……ヤムチャ様、どうします?」

ヤムチャ「どうするって言ったって……なぁ……? サガットさんとか……リュウさんとか……」

ソドム「……先約かな?」

ヤムチャ「いや、先約って言うか……なんか、いつもの流れみたいな感じになってて……あの~、ちょっと待っててもらっててもいいですか?」

587: 名無しさん 2016/02/02(火) 23:17:32 ID:VHsvhmgM
ヤムチャ「多分、行く事になると思います。ただ、一応報告だけしておきたいんで」

プーアル「……ソドムさん達と、飲みに行くんですか?」

ヤムチャ「だって、この二人は大事な時期って自分達で言ってるけどさぁ……? そりゃ、俺だってわかるよっ! 俺だって、この二人が今やっていかなきゃいけないってのは、そりゃ俺にだって目に見えてわかるよっ!」

ソドム「わかっていただけたか。ありがたい……」

ヤムチャ「今日は、いいんじゃねぇかな……? 違った人の話を聞いて見る事も……きっと、大事な事だよ。なっ……?」

ソドム「ヤムチャ君の武道家時代の話……なんかも、聞いてみたいしね」

ヤムチャ「あ~、それはなしっ……! それはなしなしっ……!」

ソドム「んっ……? どうしてかな……?」

ヤムチャ「人には、封印しておきたい過去……って、もんがあるんですよ。とりあえず、ちょっとここで待ってて下さい。一回、サガットさん達の所に行ってきますっ! ねっ……!?」

ソドム「……わかった」

590: 名無しさん 2016/02/02(火) 23:22:31 ID:VHsvhmgM
本田「……なんか、食いたいもんあるか?」

ロレント「自分は何でもいいですよ。ちゃんこでも、別にいいし……」

本田「……ほな、ちゃんこにしよか?」

ソドム「拙者、寿司っ! 天プーラっ! 湯豆腐っ! 食ベタイデゴザルっ!」

本田「ソドムさん、それ……確か、前のキャラやったんちゃうか……? ジミーとかとやってた時の」

ソドム「ソウデゴザールっ! じみーサント、多少被ッテル所ガアルデゴザールっ! ダーケド、日本食ハ実際大好キデゴザールっ! チャンコデモ構ワナイデゴザールっ!」

ロレント「本当、この人ね……キャラ多彩だわ……」

594: 名無しさん 2016/02/02(火) 23:29:01 ID:VHsvhmgM
ーーー


さくら「ったぁ……本当にもうベガさんは……」

ユン「お~いっ、さくらさ~んっ……!」

さくら「んっ……? えっ……? あれ、ユン君かっ……!?」

ユン「今、ベガさんに報告してたんだろ? それで……どうなったのっ!? ねぇ、どうなったのっ!?」

ヤン「……お前は、ちっとは待つ事を覚えろ」

さくら「あら、ヤン君まで……」

ユン「ねぇねぇねぇねぇ、どうなるの? どうなるの、ねぇ? ねぇねぇ? 俺達、これから先どうなるの? どうなっていくの? ねぇねぇ? 教えてよ」

さくら「え~っと……あの~、それは……ですねぇ……」

597: 名無しさん 2016/02/02(火) 23:33:26 ID:VHsvhmgM
ユン「あっ、じゃあ、こうしようっ! とりあえず、飲みに行こうよ、今からっ!」

さくら「……えっ?」

ヤン「……俺達の所の飲み会にさくらさん、来てもらうの?」

ユン「違う違う……だから、俺と……ヤンと……さくらさんの三人で……」

さくら「えっ……!? この三人で……!?」

ユン「緊急対策会議だよ、緊急対策会議っ! ユン・ヤンスター計画会議……withさくらさ~んっ!」

さくら「いや~、男二人の中に……自分って……女っすよ……? こ~う、見えても……自分は女なんすよ……?」

ユン「……そんな事言ったってさくらさん、いつもサガットさん達と飲んでるんでしょ?」

さくら「それは……」

ユン「そんな事ばかりしてるから、シャドルーと空手軍団の方ばかり盛り上がって……こっちのタッグ戦線が手付かずなんだよっ!」

600: 名無しさん 2016/02/02(火) 23:38:46 ID:VHsvhmgM
ヤン「えっ……? えっ……? 何がどうなるんだ……? 誰と誰と飲むんだ……? ガイルさん達は、どうするんだっ……!?」

ユン「そんなもん、放っておけっ! 今日はユン・ヤンwithさくらの緊急対策会議だっ!」

さくら「……あぁ、チームに入っちゃってる」

ヤン「放っておけって……お前、ガイルさん達に失礼だろうが……」

ユン「うるせぇ! 最近、飲み会がクソつまんねぇんだっ! クソ、クソ、クソ、クソっ……!」

ヤン「……おいおいおいおい」

ユン「ロレント・ソドム・ロレント・ソドム・フェイロン・ホーク・ロレント・ソドム・ロレント・ソドム……ロレント・ソドム・フェイロン・ホーク・ロレント・ソドム・ヤムチャにロレント・ソドムっ……! 何だ、この会話っ!」

ヤン「……まぁまぁまぁ」

ユン「酒が不味くなるわっ! あ~んな話題の中に、俺達がいようがいまいが、一緒だわっ! 明るい話題が俺は欲しいんだよっ!」

さくら(う~んっ……ストレス溜めてんなぁ……)

602: 名無しさん 2016/02/02(火) 23:42:31 ID:VHsvhmgM
ユン「だから、今日は緊急対策会議をしようっ! この三人で飲み会をしよう。本当、今なんとかしないとピンチな状態なんだから……プロデューサーなんでしょ? あなた、プロデューサーなんでしょ!?」ビシッ

さくら(はぁ……愚痴聞いてあげるか……うまく、前向きに持っていければいいんだけどな……)

ヤン「……相方がすいません、ね」ペコッ

さくら「わかりました。どっちにしろ、ベガさんに報告した結果を……伝えないといけませんし……」

ユン「おっ……! いえーいっ! 明るい未来が来たんじゃないかっ……!?」

ヤン「いやいや、わざわざ付き合わなくてもいいですよ……」

さくら「これから長い付き合いになるかもしれないので……まぁ、親睦会って形ですよ。ただ、30分だけにしてもらってもいいっすか……?」

ユン「なんで、30分なの……?」

さくら「女子部の緊急ミーティングがあるんすよ。そっちの事もあるっすけど……やっぱりこっちの方もありますからね……申し訳ないっす。そもそも、自分が今日早いのはそのミーティングの為だったんっすよ」

ユン「じゃあ、俺もそっちに参加するよっ! それも一緒にやろうよっ!」

ヤン「邪魔になるから、やめとけ……やめとけ……」

さくら「……あ、あはは」

632: 名無しさん 2016/02/03(水) 22:06:47 ID:E4eUPra6
ーーー


ヤムチャ「あっ、サガットさ~んっ! サガットさん、サガットさぁ~んっ!」

サガット「おっ、帰ってきたか。挨拶は終わったかな……?」

ヤムチャ「今、挨拶してちょっと話したんですけど……凄く、ソドムさんが意気込んでたんですよ。今の自分達は大事な時期……なぁ~んて言ってて」

サガット「確かに、大事な時期である。ヤムチャ君も、ソドムさん達に迷惑……」

ヤムチャ「それで、その結果……決起会をしようってなって、一緒に飲みに行かないかって話になったんですよ。四人で」

サガット「おっ……? 四人って言うと……本田さんも入れてか……?」

ヤムチャ「そうそう、本田さんも入れてです」

サガット「あ~、そうか~……ほ~う、そうか~……」

ヤムチャ「俺が迷惑かけて、その大事な時期をぶっ潰すワケにはいかないじゃないですか……? ねっ……?」

サガット「……確かに、その通りだ」

634: 名無しさん 2016/02/03(水) 22:14:51 ID:E4eUPra6
ヤムチャ「だから、今日の飲み会は……ちょっと、キャンセルしてもいいですか? 今日はソドムさん達の所で……勉強してきます」

サガット「構わん構わん。そういう事ならな……行ってこい行ってこい……」

ヤムチャ「個人的に、ソドムさんとロレントさんに聞きたい事というか……アドバイス貰いたい事もあるんですよ」

サガット「……何かあるのか?」

ヤムチャ「ソドムさんと、ロレントさんってね……普段はいい人なんですけど、ほら凄く強烈なキャラでやってるじゃないですか……?」

サガット「……キャラは濃いなぁ~。うんうん、濃い濃い」

ヤムチャ「……俺って、やっぱりキャラ薄いですよね?」

サガット「……んっ?」

635: 名無しさん 2016/02/03(水) 22:25:03 ID:E4eUPra6
ヤムチャ「試合は出来るようになってはきましたが……やっぱり、マイクパフォーマンスが苦手って所は、相変わらずですし……そもそも、どういう風に言っていいかわからないって所もあるんですよ……」

サガット「……う~ん」

ヤムチャ「そのせいかな……? さっきも、NGを出しまくりでしたし……俺、それで本田さんに脅されたんですよ」

サガット「……なんてだ?」

ヤムチャ「このままでは、何処かで止まる事になるかもしれへんでぇ……って」

サガット「ハハハ! 本田さんも言うなぁ」ゲラゲラ

ヤムチャ「笑い事じゃないすよっ! 笑い事じゃ! 俺、ドキっとしたんですからっ!」

サガット「ハハハ、悪い悪い」

637: 名無しさん 2016/02/03(水) 22:35:06 ID:E4eUPra6
ヤムチャ「そういう所含めて、ちょっと今日はソドムさん達と話してみたいかな……って思うんですよ」

サガット「まぁ、そうだな。ソドムさんと、ロレント君にとっては大事な試合だし……今日はそっちに参加した方がいいかもしれない。あそこまで強烈なキャラだったら、案外役に立つ部分もあるかもしれないからなぁ……」

ヤムチャ「……でしょ?」

サガット「まぁ、とりあえず話を聞いてみる事だな。君がキャラを演じる事によって、喋りやすいと言うのなら、それもありだろう」

ヤムチャ「はいっ!」

サガット「しかし、あれだな……ヤムチャ君もか……今日は、皆別行動か……」

ヤムチャ「えっ、皆って……どういう事っすか?」

サガット「今日は、キャミィちゃんとさくらちゃんも不参加だ……女子部だけで、ミーティングがしたいんだってさ」

638: 名無しさん 2016/02/03(水) 22:42:30 ID:E4eUPra6
ヤムチャ「あ~、そうか……だって、メインイベントですもんねぇ」

サガット「この一週間は、踏ん張り所だぞ~。メインイベントは一週間だが、この期間も盛り上げていかないといかないからな」

ヤムチャ「そうですねぇ。さくらちゃん対キャミィさんの試合も、間にありますしね」

サガット「まぁ、こっちはこっち……あっちはあっち……そっちはそっちで、次に向けての準備をしようじゃないか。俺も今日は情けないよ……」

ヤムチャ「……情けないって?」

サガット「リュウは二試合……ケンはメインイベント……ヤムチャ君は、タッグマッチで、リュウを温存する為、一人で頑張ってたよな……? そして、バルログ、バイソン……」

ヤムチャ「俺が一人出突っ張りだったのは、バルログさんとバイソンさんが試合を……」

サガット「……俺は、何もしていない」

ヤムチャ「……えっ?」

639: 名無しさん 2016/02/03(水) 22:50:17 ID:E4eUPra6
プーアル「でも、それはリュウさんとケンさんに、メインイベントをしてもらう為に……」

サガット「そこはわかっている。理解している。ただ、精神的にきた部分もある。皆が今日一日を盛り上げる為にやっているのに、俺だけ呑気に休んでるんだからな」

ヤムチャ「いや~、でも……」

サガット「わかっている。あくまで、シナリオ上での出来事だ。ただ、飲みの席で一つ詫びておこうと思ってな……今日、ソドムさんの方に行くんだろ? なら、ここで謝っておくよ。すまんかったな」

ヤムチャ「……へへ、そこは皆気にしてませんよ。リュウさんも、ケンさんも」

サガット「……あぁ」

ヤムチャ「……明日からは、強~いサガットさん見せて下さい」

サガット「勿論だ」

641: 名無しさん 2016/02/03(水) 22:59:42 ID:E4eUPra6
そして、居酒屋ーー


春麗「最初に、皆にお礼を言うわ。ローズ……かりん……」

ローズ「……うん」

かりん「……えぇ」

春麗「……そして、キャミィ」

キャミィ「……はい」

春麗「私がいない間、本当にありがとう。貴方達は、私がいたよりも女子部を大きなコンテンツにしてくれた……そして、そこに私が戻ってくる事を受け入れてくれた」

ローズ「何、水臭い事言ってるのよ。貴方ありきの女子部でしょう」

かりん「そうですわそうですわ」

春麗「キャミィ……貴方には一番苦労をかけたわね……でも、チャンピオンとしての重圧を受け止め、そして日々戦ってくれたわ……」

キャミィ「……はい」

春麗「貴方は、もう立派なチャンピオン……強くなったわ……」

643: 名無しさん 2016/02/03(水) 23:04:37 ID:E4eUPra6
春麗「それで……ねぇ……? どうなるの……? この子との試合……? ねぇねぇ……?」

ローズ「……あら、本調子戻ってきたかしら?」

かりん「……戻ってきましたわね」

春麗「私、どうなるの……? ベルト、また戻ってくるの……? ねぇねぇ、どっちなの……?」

ローズ「私はキャミィちゃんに、防衛してほしいなぁ。だって、女子部の大黒柱は……ねぇ……?」

かりん「……現状では、間違いなくキャミィですわ」

キャミィ「そんな事ありませんよ」クスクス

春麗「あっ……! その自信に満ち溢れた顔っ……! 生意気っ……! 生意気になったわねぇ、あんたっ……!」

646: 名無しさん 2016/02/03(水) 23:10:40 ID:E4eUPra6
春麗「身から出た錆とは言え……今回ばかりは辛いわねぇ……」

ローズ「そうよ、だいたい貴方を無茶をするから、こうなったのよ!? トップとして有るまじき行為でしょ! これは当然よっ! 当然の行為よっ!」

春麗「本当の本当に……ごめんなさぁ~い……皆も怪我するような事しちゃダメよ……? 色~んな人に迷惑かかっちゃうからね……?」

ローズ「反省しなさいっ! 今回、貴方の我儘は一切通りませんからね。ちゃ~んと言う事聞いてもらいますからね!?」

春麗「あのね……? あのね……? 今、PV作ってくれてるヴァイパー、いるじゃない……?」

ローズ「友人だからって、今回のヤツ……私物化しようとしてるんじゃないでしょうねぇ!?」

春麗「ヴァイパーには、娘さんがいてね……ローレンちゃんって、言うんだけど……凄く可愛い子」

ローズ「……それが、どうしたの?」

春麗「あたしの大~ファン」ニヤニヤ

651: 名無しさん 2016/02/03(水) 23:15:31 ID:E4eUPra6
ローズ「ふ~ん。男の子だったらよかったのにね」

春麗「……張っ倒すわよ」

ローズ「フフ、失礼」

春麗「ほら、ヴァイパーだってさ……PV作って協力してくれてるじゃない? あたしはちょ~っとぐらい、恩返しみたいな事があっても……」

ローズ「うん。春麗……張っ倒すわよ?」

春麗「……ごめんなさぁ~い」シュン

かりん「春麗さん、私が言うのも失礼ですが……そこまで、王者にこだわらなくてもいいとは思いますわ」

春麗「ううん。拘ってはいない……拘ってない……それは、休んでる時に吹っ切った……もう、拘っていないわ」

652: 名無しさん 2016/02/03(水) 23:20:45 ID:E4eUPra6
春麗「私が怪我して立ち止まってる間……皆の事見てたわよ。そしたら皆はどんどん先に進んでいったワケじゃない……? それは、キャミィだけじゃなくて、あんた達もね……?」

ローズ「……そりゃ、勿論よ」

春麗「そこに、あたしが合流……しかも、一番いい位置でね?」

キャミィ「……はい」

春麗「勿論、ケジメだけはしっかりつけさせてもらうわよ。どんな形になろうともね……? それは、受け入れるわよ。チャンピオンに胡座を掻いて、練習を怠ってた自分への報い……これを機に、心を入れ替えたいと思います」

ローズ「言っても、病み上がりなんだから、オーバーワークは勘弁してね」

春麗「……今から、試合結果が気になってしかたないの。形が変わった女子部の中での自分の立ち位置、合流するなら、ちゃんと見つけないとね」

ローズ「……そうね」

春麗「……今日は、そこを含めたミーティングでしょ? さくらは何してるのよ」

653: 名無しさん 2016/02/03(水) 23:25:41 ID:E4eUPra6
かりん「30分程、遅れるそうですわ」

キャミィ「……残業ですか?」

かりん「いや~、なんかユンさんとヤンさんが……どうのこうのって言ってましたわ」

ローズ「あら……? 禁断の恋かしら?」

春麗「え~? ユンと……ヤンと……さくらがっ……!? どっちどっち……? えっ、あたしがいない間、そういう事あったの!?」

かりん「さくらのタイプで言えば……ユンさんかもしれないですわ」

春麗「えっ……? ユンと……? ユンとさくらが……? え~、ユンはないでしょ!?」

ローズ「ユン君、可愛いと思うわよ」

春麗「可愛いとは思うけど、あれはない……あれは絶対にない……あんた、ユンいけるの……?」

ローズ「う~ん……ちょっとからかうぐらいなら、いいかもしれないわね。からかうぐらいよ?」

654: 名無しさん 2016/02/03(水) 23:27:21 ID:E4eUPra6
今日はここまで

684: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:02:16 ID:/9fci9S.
ーーー


ユン「結局の所、俺はね……ザンギエフさんと……んぐっ、んぐっ……ベガさんが……んぐっ……!」モグモグ

さくら「……うんうん」

ユン「諸悪の根源なんだと、思うんだよね……んぐっ……! だってさぁ、ザンギエフさんとベガさんに気に入られた奴が……プッシュされるワケじゃんっ……! ねっ……!?」モグモグ

ヤン「……食いながら喋るな。意地汚ないぞ」

ユン「あれ……? どうしたの……? さくらさんは食わないの……?」

さくら「あ~、いや……自分は、う~んこの後ねぇ……」

ユン「肉まん……食べなよっ! それ美味しいから」

さくら「あ、ああ……ども……」

685: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:12:15 ID:/9fci9S.
ユン「ザンギエフさんは、デカい奴が好き……だからだ……だから、ホークなんだよ……チビの俺達はどうなんだよ。立場ねぇじゃんかよっ!」

さくら「……体格ってのも、一種の才能ですからね」

ユン「ベガさんは、悪い奴が好きなんだろ……? だから、ロレントさんだ。自分好みにロレントさんを、弄ってさ……? なぁ~んだよ、あれ」

さくら「ロレントさんは、ホラ……身体痛めた部分もあったじゃないっすか……」

ユン「結局、世の中ってのはね……実力主義……なんかじゃないワケだ……」

ヤン「……あぁ」

ユン「上司に媚び諂い……尻尾を振る従順な犬から順に、評価されていくんだよっ……! 結局の所はね、上司に気に入られたもん勝ちなんだよっ! おべっか使った奴から上がっていくんだよっ!」

ヤン「……お前、そういうの苦手だもんな」

ユン「レスラーだって、サラリーマンっ……! ちくしょう、やってられっかっ!」

686: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:19:02 ID:/9fci9S.
さくら「……う~ん」

ユン「俺達で変えていこうよ、俺達でっ! この三人でっ!」バンバン

ヤン「……あぁ?」

ユン「正しい者が評価され……そして出世していける……実力主義の社会作っていこうではないか、俺達三人でっ!」バンバン

さくら「あはは……やっぱり、自分も入ってるんすね……そこに……」

ユン「当然じゃないですかっ! 貴方、プロデューサーなんでしょ! 貴方はっ!」ビシッ

ヤン「……お前、今日ペース早ぇなぁ~」

ユン「あれ、俺ばっかり飲んでないか……? さくらさんも、飲みなよ飲みなよ……」

さくら「……あははは」

689: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:25:45 ID:/9fci9S.
ヤン「あの、本当、こういう奴じゃないんですよ……? こいつ、今ちょっと悩んでるって言いますかねぇ……? ちょっと、それでおかしくなって……」

ユン「だ~れがおかしいってぇ~? お前の危機感のなさがなぁ……」

さくら「はいはい……喧嘩はストーップっ! 喧嘩はストーップっ!」

ヤン「……なっ? 今日はさくらさんもいるんだから」

ユン「チッ……あのさぁ、本当何とかしてよ、さくらさんっ……! 俺達、もうさくらさんに頼るしかないんだよっ! 俺達にはプッシュのチャンスすらないんだよっ!」

さくら「……んあ~、そこはまぁ、プロデューサーっすからね」

ユン「よっ! 美人プロデューサーっ……!」

さくら「……あははは」

690: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:30:31 ID:/9fci9S.
さくら「う~ん……そうやって、自分に期待してくれるのはありがたい事っすけど……あまり過度な期待はダメっすよ……?」

ユン「キャミィさんを育てたのは誰だ……? さくらさんじゃないか!? それで、その結果……ホラ、女子部がメインイベントになったんだろ?」

さくら「あのね……」

ユン「それと、同じ事を……俺達でやってくれればいいワケだっ! だいたい、プロデュースをしたいって言い出したのは、さくらさんなんだろっ!? なぁ~んで、今更そんな消極的なんだよっ!」

さくら「あ、ああっ……そうだったそうだった……」

ユン「それで……結局の所、俺達どうなるのよっ!? ベガさんとの話……どうなったのっ!?」

さくら「ん~っとね……あ~、じゃあ、とりあえず話しましょうか……」

ユン「よ~しっ!」

691: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:37:04 ID:/9fci9S.
さくら「先ず、ユンさんが色々と言ってくれたじゃないですか? あれがしたい……これがしたいってね……?」

ユン「はいはいはいはいっ! どうどうどうどうっ!? どれか、通ったのっ!?」

さくら「まぁ、結論から言うと……全部ボツ喰らいました……ダメだそうです」

ユン「は~あぁっ!? な、なんだよソレっ……!」

さくら「どうも、ベガさんはそこの所が……ねぇ……?」

ヤン「……残念だったな?」

ユン「もう、ダメだ……なんだか凄くやる気がなくなってきた……もう、ダメだダメだ……おしまいだぁ……」

さくら「待った待った。ストップストップ……」

ユン「……んあぁ?」

692: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:43:28 ID:/9fci9S.
さくら「ベガさんは、そう言いました……そう言いましたけどね……? これ、プロデューサーの自分としましてはね……?」

ユン「……んっ?」

さくら「……コレ、やってみてもいいんじゃないか? 面白いんじゃないかな? と、思う部分もあるワケなんですよ」

ヤン「……えっ、本当に?」

ユン「お~っ! 流石、プロデューサーっ! 話がわかるじゃないですかっ!」

さくら「結局の所、ザンギエフさんとベガさんがアレはダメ……コレはダメ……そうやって、皆の可能性を潰していく所に……自分はそもそも疑問を感じてたんすよ。ねっ……?」

ユン「その通り、その通りだっ! 流石、プロデューサーっ……! よっ、一杯注ぎましょうっ!」

さくら「あ~、どもども……だから、自分はユンさんとヤンさんのプロデュースを名乗り出たワケですね」

694: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:50:06 ID:/9fci9S.
さくら「問題は、ですよ……プロデューサーと言っても、やっぱり現場監督のベガさんの意見には逆らえない……ベガさんがNOを出したら、意見が止まる……そこなんですよ」

ユン「ワンマンはよくないよな。ワンマンは……」

さくら「とにかくねっ……! 今、二人がやるべき事って……ベガさんをギャフンと言わせる事だと思うんっすよね!?」

ユン「そうだ、その通りだっ! ギャフンと言わせようっ!」

さくら「やっぱり結果を出していけば、ベガさんも二人の事をプッシュせざるを得ないっすよ。自分の意見も、今は通らない状況っすけど……やっぱり、ベガさんが二人の良さに気づけば、通らなかった意見が通るようになる……そういった事になってきますよ! 間にゃ自分が入ってるんすからっ! 文句は言わせませんっ!」

ユン「そうだそうだその通りだその通りっ!」

ヤン「……でもさぁ、さくらさん?」

さくら「んあっ……? は、はい……」

696: 名無しさん 2016/02/05(金) 22:55:41 ID:/9fci9S.
ヤン「結果を出せって言ったって……何処でどうやって……」

ユン「あっ、そっかっ! そうだよな、だってそもそも俺達はメインストーリーから……」

さくら「……大丈夫っ! そこも、計算済みっすっ!」

ヤン「……んっ?」

ユン「……んんっ?」

さくら「ユンさんと、ヤンさんは……ヒールターンしたロレントさん達……これ、まだ試合はしてないっすよねぇ……?」

ヤン「まぁ、まだですね」

ユン「だって、ベガさんが試合組んでくれねぇんだもん……」

さくら「これ、でも逆に言えばね……ロレントさん達を止める、最後の切り札……って、事になりませんかね? 二人は」

ユン「……おっ?」

697: 名無しさん 2016/02/05(金) 23:00:41 ID:/9fci9S.
さくら「ロレントさん達の始まりも、ガラッとイメージチェンジしてガイルさんとナッシュさんからベルト奪った事が始まりでしたよね?」

ユン「うんうんっ!」

さくら「だから、ユンさんとヤンさんも……ガラッとイメージチェンジして、ロレントさんとソドムさんからベルト奪う事……きっとそこが始まりになると思います。自分のイメージはそこっす」

ヤン「でも、現状で俺達がロレントさん達から取るのは……」

ユン「弱気になってんじゃねぇよ、ヤン」

さくら「そうっす。今回は自分のプッシュもありますからね? ロレントさん達にぶつかるまでの間……これ、ユンさんとヤンさんが残した爪痕は、自分が随一にベガさんに報告しますよ。そしたら、ベガさんももう逃げられないでしょう!」

ユン「そうだそうだっ! なんたって、こっちには頼りになる強~いプロデューサーがついたんだからなっ! もう逃げられねぇぞ、ベガァ!」

ヤン「さくらさんの後押しがあるのはわかりましたけど……具体的に俺達は……」

698: 名無しさん 2016/02/05(金) 23:08:01 ID:/9fci9S.
さくら「やっぱり、自分もユンさんとヤンさんに……シャドルー辺りとぶつかって欲しいんすが、そこまで弄る権限は自分にはないわけですよ……」

ユン「シャドルーはアレだからな! ベガさんの秘蔵っ子だからな!」

さくら「だからねぇ……どうっすかねぇ? ユンさんとヤンさんとで……シングル……これくらいなら、多分通ると思うんすよ」

ユン「でも、こいつとやった所で……俺達の格が上がるワケじゃ……」

さくら「急がば回れっすよ……急がば回れっすよ……ユンさん……」

ユン「……ん?」

さくら「ユンさんとヤンさんの二人のシングルマッチ……この結果をベガさんにアピールするんすよ。ほれ、見た事か! ユンさんとヤンさんはここまで盛り上げれるんだぞっ! 自分は声を大にして言いますよ」

ユン「ほ~うほう。なる程ねぇなる程ねぇ……」

さくら「それに、シングルマッチって事は……リングにいるのはユンさんとヤンさんの二人じゃないっすか……? 誰も、邪魔する者がいないって事っすよ!」

ユン「ほ~うっ!」

さくら「二人のやりたいように出来るじゃないっすか! あんまりやりすぎると逆効果っすけど……ほら、二人のやる事、止める人誰もいないワケじゃないっすか?」

700: 名無しさん 2016/02/05(金) 23:15:30 ID:/9fci9S.
さくら「いいっすか……? 話を整理しますよ……? 先ず、自分がユンさんとヤンさんのシングルの機会を作ります。出来そうな事は、これくらいでしょうからね」

ユン「ヤンとシングルだな?」

ヤン「……はいはい」

さくら「そして、そこで二人のカラーチェンジした姿を見せる……でも、やり過ぎは禁物っすよ……?」

ユン「とにかくさ……? ガーンって変わっていけばいいんだろ?」

ヤン「……やり過ぎは、禁物って言われてるだろが」

ユン「大丈夫だって大丈夫大丈夫! 俺が盛り上げてやるからよっ!」

さくら「出来れば、そこで結果を残してもらいたいっす……そうでないと、自分がベガさんと戦う武器がないんすよ。裸一貫で臨むことになるんすよ。それじゃあ、勝てません……」

ユン「でも、俺達がそこで上手くやれば……ベガさんと戦えるようになるんだろっ!?」

さくら「そうっす、そうっす。先ずはソコ……最初の一手はソコっす……本当、微力でね……申し訳ないっす……」

701: 名無しさん 2016/02/05(金) 23:22:04 ID:/9fci9S.
ユン「気にすんなよ、さくらさんっ! 俺は嬉しいよっ!」

さくら「……ん?」

ユン「だって、今まではさ……? 試合やってもさぁ、上は見てるのか見てないのか、全くわかんなかったんだよっ!?」

さくら「……へへへ」

ユン「だけど、こうやって……さくらさんが俺達の試合を見て……それで、その結果をベガさんに報告してくれるんだろ!?」

さくら「……そうっすね」

ユン「やっぱりね……上が見てくれてないと、こっちは面白くないっ! やりがいがないっ!」

さくら(自分がやった事は『ちゃんとユン君達の事を見てるよ』と伝えただけ……)

ユン「俺さぁ、頑張ってさくらさんの武器になってみせるよっ! それで……それで……? じゃあさ、じゃあさ……? 具体的には試合はさぁ……? どういう感じにしていけばいいのかな……? ねぇねぇねぇ……!?」

さくら(でも、やっぱり結果がついて来ないと……こうもなるか……自分が傷ついてる分だけ、他人を攻撃しちゃう……うん、もっと早くに間に入ってあげるべきだったかな?)

716: 名無しさん 2016/02/06(土) 22:01:10 ID:yLQ7FmmQ
ーーー


本田「ガハハハ、よそたろよそたろ」

プーアル「あっ、本田さん……そういう事なら僕が……」

本田「ええねんええねん、プーアル君。ワシがやんねん」

プーアル「で、でも……」

ロレント「プーアルさん、ダメですよ。鍋奉行に逆らうとおっかないですからね」

本田「せや、ワシは鍋奉行や! ガハハハ!」

ヤムチャ「ねぇねぇ、ソドムさんに……ロレントさん……?」

ソドム「……なんだい?」

ロレント「……どうしました? 鍋じゃなかった方じゃよかったですか?」

本田「なんやてっ!?」

ヤムチャ「あぁ、違います違います……鍋は……美味しいですよ……鍋でいいですよ。鍋で」

717: 名無しさん 2016/02/06(土) 22:07:46 ID:yLQ7FmmQ
ヤムチャ「二人も、今日はインタビューみたいなのって、ありました……よね……?」

ロレント「あぁ、はいはい。ありましたよ」

ソドム「……うむ」

ヤムチャ「なんて言ったんですか……? ちょっと、聞かせて下さいよ」

ロレント「え~、ここで……?」

本田「ワシも、聞いてみたいな。気になるわ」

ロレント「いや~、それは……いいんじゃないかぁ~」

ヤムチャ「いいじゃないですか、聞かせて下さいよ~」ニヤニヤ

ロレント「どうせ完成したら見れるじゃないですか……今、俺スイッチ切ってるんですよ」

ソドム「ちなみに、私は座っていただけだ」

718: 名無しさん 2016/02/06(土) 22:14:45 ID:yLQ7FmmQ
ヤムチャ「いいじゃないですか、いいじゃないですか」ニヤニヤ

ロレント「も~う、しつこいなぁ。そういうヤムチャさんと、本田さんこそ……なんて言ったんですよ?」

本田「ワシ、なんて言ったかなぁ……? う~ん、確か悪の道の走っとるお前らに、ワシの正義の鉄槌をお見舞いしたるっ……! そんな感じやったんちゃうかなぁ……?」

ロレント「……本田さんらしいですわ」ニヤニヤ

本田「……せやろ?」ニヤニヤ

ロレント「じゃあ、ヤムチャさんの方は……?」

ヤムチャ「俺はね、実は何も言えなかったんですよ……本当、皆さんで盛り上げようとしてる中……ごめんなさいね……」

ロレント「あ~、そうなんすか。う~ん、まぁでもヤムチャさんはね……あ~んまり俺達みたいにベラベラ喋るってタイプでもないから……」

本田「……ロレント君、半端なフォローはやめときや」

ロレント「あっ、はい……すいませんね……」

ヤムチャ「いや、わかってます。そこはね……いつも、サガットさん達と俺飲んでるんですけど、毎回議題には上がりますからね。でも、なぁ~んか出来ないんすよ……」

719: 名無しさん 2016/02/06(土) 22:24:00 ID:yLQ7FmmQ
ヤムチャ「だから、俺もロレントさんとソドムさんみたいな、リング上ではこういう人っ……! みたいな、キャラを作っていった方がいいのかな、なんて思いましてね……ほら、それだったらこの試合も盛り上げるんじゃないですかね?」

ソドム「フハハ、ちょっと迷走してるかもしれないな」

ヤムチャ「……んっ?」

ソドム「私は以前、別の団体にいたんだが……そこで、色々とキャラを変えてやってたよ……まぁ、どれも失敗したがな……」

ヤムチャ「へぇ~、どんなキャラでやってたんですか……?」

ソドム「貴族キャラもしたなぁ……宣教師というのもあった……あ~、あ~、歯科医……ってのもあったな?」

ヤムチャ「へぇ~、色々やってるんですねぇ……」

ソドム「ただ、どれもブレイクはしなかったぞ……? 私の黒歴史だ」

本田「あ~、あの貴族キャラは覚えとるわっ! あのクラシックの曲流して、入場するヤツやろ!?」

ロレント「えっ、入場曲でクラシックっ!?」

ソドム「ハハハ、どうかしてた」

720: 名無しさん 2016/02/06(土) 22:38:06 ID:yLQ7FmmQ
ソドム「結局、キャラってのは、何処かに自分自身を投影しないと出来っこないんだよ。だって、私は貴族ではない……宣教師でもない……歯科医でもないんだから。そんなのわかるはずないじゃないか」

ヤムチャ「はぁ……」

ソドム「貴族のフリしたソドム……宣教師のフリをしたソドム……歯科医のフリをしたソドム……全部、一緒だよ」

プーアル「でも、今のソドムさんのキャラは……成功ですよね? ソドム語を話す、言い方は悪いですけど……可笑しな人ってのは……」

ソドム「そこは自分を投影してるワケだよ。マイクが出来ないんだったら……マイクが出来ないキャラでいこうじゃないかよ、とね」

ヤムチャ「……ほうほう」

ソドム「それで、そこに一つ前のキャラの要素をちょこちょこっと足していってね……今キャラの前は、私ゴザルゴザルって言って将軍キャラやってたから」

本田「……前から言おう思とったけど、あの将軍キャラ、なんか違ったで? なんか、独自の解釈しとったで? まぁ、ウケとったからええけどな」

ソドム「……TVドラマで見た時はあんな感じでしたよ?」

721: 名無しさん 2016/02/06(土) 22:49:56 ID:yLQ7FmmQ
ソドム「そもそも、ヤムチャ君はもうキャラがとっくにあるじゃないか」

ヤムチャ「……えっ?」

ソドム「『空手軍団三番弟子』……それがキャラだよ……」

ヤムチャ「いや、それはわかってますけど……」

ソドム「だから……だから……そこに、そこに……ヤムチャ君自身を投影していくワケだ……」

ヤムチャ「えっ……? えっ……? んっ、ちょっとわかんなくなってきたぞ……」

ソドム「じゃあ、先ず空手軍団とは何か……から考えていこう……そこね、そこね……」

ヤムチャ「えっ、空手軍団ってのは……だから、リュウさんとケンさんと、俺の……」

ソドム「そういう事ではない……このストリートプロレスにとってのだ……」

ヤムチャ「え~っと、それは……」

722: 名無しさん 2016/02/06(土) 23:08:10 ID:yLQ7FmmQ
ヤムチャ「正義のヒーロー……とか、そういう事でいいですか?」

ソドム「そう、正解だ。空手軍団は正義のヒーローだ。そして、シャドルーも私達も……これ、完全に悪だよ。わかりやす~い、悪じゃないか……ねっ……?」

ヤムチャ「……はい」

ソドム「空手軍団が戦うという事は……これ、ストリートプロレスを守るという言う事だ……」

ヤムチャ「……そうですね」

ソドム「それじゃあ、そこに……自分を投影してみようよ」

ヤムチャ「……えっ?」

ソドム「一回ぐらいないかなぁ……? こう、何かを守る為に戦う……って、事。そういう経験ない……? 一回ぐらいない……?」

723: 名無しさん 2016/02/06(土) 23:16:59 ID:yLQ7FmmQ
ソドム「別にそれは、手を出す手を出さないの話じゃなくてもさ、口喧嘩でもいいよ。家族の為にだとか……友達の為にだとか……彼女の為でもいいよ」

ヤムチャ「……」

ソドム「そういう誰かを守る戦い……一回ぐらいあるでしょ……? 男だったら、一回とは言わず、何回もあるんじゃないかな……?」

ヤムチャ「……ありますね」

ソドム「そういう時ってさ……? やっぱり、自分の中で『あっ、俺今漢の中の漢してるぞっ!』なぁ~んて、自分に酔っちゃう部分もあるでしょ?」ニヤニヤ

ヤムチャ「ナハハ、ありますあります。それで、後になって……身の程知るべきだったなぁ~って、後悔するんですよ」

ソドム「自分でありつつ……別の自分である……キャラを強くしていきたいってのなら、私はそこを押していった方がいいと思うなぁ。それとも……歯科医する……? あげるよ?」

ヤムチャ「いや~、歯科医はいらないっす……ストリートプロレスの為に戦う男、ヤムチャ……そっちの方が、いいっすね」

724: 名無しさん 2016/02/06(土) 23:25:13 ID:yLQ7FmmQ
ヤムチャ「あっ、それじゃあ……ロレントさんにも、一つ聞いてもいいですか……?」

ロレント「……んっ?」

ヤムチャ「ロレントさんも、凄く悪~いキャラでやってるでじゃないですか……?」

ロレント「まぁ、そうですね」

ヤムチャ「やっぱり、それも自分自身を投影してたりするもんなんですか……?」

ロレント「う~ん……どうなんだろうなぁ……?」

本田「なんや、お前……? やっぱり、そういう部分もあんのか……? アレか、キレたらアカンタイプか……?」

ロレント「いや~、自分はただただ必死でしたからねぇ……自分の場合は、う~ん、なんだろうなぁ……いや~、わかりませんね」

725: 名無しさん 2016/02/06(土) 23:30:31 ID:yLQ7FmmQ
ロレント「そんな事より、試合の話しません……? 試合に向けての話」

ヤムチャ「あ~、そうでしたね……俺がアドバイス貰ってちゃ……ねぇ……!?」

ロレント「そうですよ、ヤムチャさん。俺達よりいい位置でやってる貴方が……俺達にアドバイス求めてちゃ……コレ、ダメでしょ!?」

ヤムチャ「いや~、まだまだ勉強中でもんで」

ロレント「もう、鳴り物入り扱いで優遇はしてやりませんからね? タッグ組と初絡みなんだろうが……それなりのものはこっちだって要求させて貰いますよ?」

ヤムチャ「はい、勿論っ……! 応えてみせます」

ロレント「俺達だけじゃないですからね!? ガイルさんに、ナッシュさん……ユンとヤンに、フェイロンとホーク……俺達の絡み、皆厳しい目で見てるんですからね?」

ヤムチャ「うわ~、あ~、そうかそうか……あ~、でもそうなりますよねぇ……」

ソドム「彼らを黙らせるような素晴らしい試合……期待してるぞ。それが我々の力にもなる」

ヤムチャ「そっか……そうだよなぁ、今回の試合……その辺りの人にも見られるのか~」

743: 名無しさん 2016/02/07(日) 22:01:19 ID:ImfkI96k
本田「まぁ~、皆が気合が入るのはわかる。ロレント君とソドムはんは勿論の事……ワシかて、気合入っとる。勿論、ヤムチャ君にも同じだけのモチベーションで挑んでもらうで……?」

ヤムチャ「はい、勿論っす」

本田「ただや……ただ、ただ……」

ヤムチャ「……んっ?」

本田「一週間後の主役は誰か……改めて考えようやないか……? 主役は誰や……? ワシらか……? ちゃうやろ」

ロレント「それは、春麗さんですね……」

ソドム「メインは彼女達ですからね」

本田「せや、主役は春麗や。メインイベントは、春麗やねんからな」

744: 名無しさん 2016/02/07(日) 22:10:59 ID:ImfkI96k
本田「あまり、ワシらがここでガンと気合い入れると、春麗達は……やりにくくなるんとちゃうかな……?」

ロレント「そうですよね……結局の所は女子選手ですし……よくメインイベント、オッケー出ましたね」

ソドム「キャミィさん……でしたよね……? 私、いい選手にはなってきたとは思いますよ」

本田「そりゃ、ええ選手やけど……結局の所は、一見さんのファンなんかもおんねんで? それがどう見るかやないか……?」

ソドム「……そうですよねぇ」

ヤムチャ「俺から見たら、皆凄いとは思いますけどね……」

本田「せやけど、ワシらみたいなデッカいゴッツい奴らの後にやる事になるねんで? そら、一般の女性と比較したらめちゃめちゃ凄いわ。せやけど、比較対象は一般ではない男のワシらやねんで……?」

ソドム「……どうしても、見劣りする部分は出てきますよね」

ロレント「その辺りが……難しい所ですよね……」

745: 名無しさん 2016/02/07(日) 22:20:11 ID:ImfkI96k
ヤムチャ「あ~、でも今日はね、皆で集まってミーティングしてるみたいですよ?」

本田「まぁ、そうなるわな……女子部も大変やわ」

ロレント「シャドルーさんの、勧誘と言いますか……それも拒否した事で終わりましたし、これから女子部は女子部だけでやっていくんでしょうかね……?」

本田「そりゃ、さくらはんがどう考えるやろかやろうなぁ。案外、今のお前らの所に一人ぐらい女子選手入るってのもええんちゃうか?」

ロレント「……俺達の所に?」

本田「せや。どうや?」

ロレント「悪かぁない話かもしれませんね」ニヤニヤ

本田「せやろ? それか……シャドルーがアカンかったら、逆に今度は空手軍団に加入とかな!? どや!?」

ヤムチャ「うんっ! いいかも、しれませんね!」ニヤニヤ

プーアル「……ヤムチャ様?」

本田「やっぱり、女子だけっでやるってのは難しいやろ。遠慮なんかせぇへんでガンガンワシらを使ていけばええねんと……ワシは思うでぇ?」

ソドム「混合にしたら、混合にしたで……また問題も生まれてくるかもしれませんよ~?」

本田「う~ん……せやなぁ……」

746: 名無しさん 2016/02/07(日) 22:25:48 ID:ImfkI96k
ーーー


ローズ「私、そもそもザンギエフさんの何処がいいのかわからない」

春麗「そうよねぇ!? レスラーとして、いくらよくても……アレ、男としてはないわ……絶対に、ないない」

ローズ「髪型……何、アレ……?」

春麗「髭も汚いし……」

ローズ「自慢の筋肉すぐ見せたがるのよ。何かあったら、あの人すぐ脱ぐのよ」

春麗「絶対、変質者よ。よくもまぁ、自分の身体を合法的に見せつけれる場所、見つけた事よね」

ローズ「男の趣味ってわからないわよねぇ~!? 皆、アレに憧れるの? アレになりたいの!?」


さくら「あ~っ……! すいませんっ……! 遅くなりましたっ……! 遅くなって、本当に申し訳ないっすっ!」

747: 名無しさん 2016/02/07(日) 22:34:01 ID:ImfkI96k
ローズ「……遅~い!」

春麗「あんたが、皆を呼び寄せたんでしょ……? ちょっと、ちょっと……何分遅刻……?」

かりん「40分……って、所ですわ……」

キャミィ「さくらさん、遅かったですね。お疲れ様です」

さくら「本当……呼び出したのは、自分なのに……本当、申し訳ないっ……! 申し訳ないっす。こっちも、色々とあったんですよ……」ペコッ

ローズ「ユン君とヤン君と……なぁ~に、してたのかな……?」ニヤニヤ

春麗「……あんたも抜け目ないわねぇ」ニヤニヤ

さくら「……んあっ?」

749: 名無しさん 2016/02/07(日) 22:41:24 ID:ImfkI96k
春麗「結局の所……どっち狙ってるの……? ユン……? それとも、ヤン……?」

さくら「……はぁ!?」

ローズ「女磨きも悪くないけど……同じ団体なのよ……? ちゃ~んと、後の事考えた方がいいわよ……?」

さくら「んんっ……? なんだなんだ……? この感じは……なんだなんだ……?」

かりん「さくら……さっきまで、ユンさんとヤンさんと一緒にいたんでしょ?」

さくら「……いや~、疲れましたよ。やっと終わりました」

キャミィ「その結果、さくらさんが、ユンさんとヤンさんといい関係になっているんじゃないか、という話になって……」

さくら「……はぁ!?」

かりん「ずっと私達、先輩方のガールズトークに付き合わされていましたのですわ」

751: 名無しさん 2016/02/07(日) 22:53:01 ID:ImfkI96k
春麗「どっちなの、どっちなの? ユン……? ヤン……?」

ローズ「私、さくらちゃんにはもうちょっと大人の人の方がいいと思うけどなぁ」

さくら「あ~、あ~……それで……それで……あ~、なるほどなるほど……」

春麗「ユンなの……? ヤンなの……?」

ローズ「でも、好きになったら人が一番なんじゃない? 大丈夫よ。お姉さんは、応援してあげるから」

さくら「う~ん……春麗さん……ローズさん……」

春麗「どっちなの?」

ローズ「ファイト」

さくら「や~かましいっ! な~んで、そういう話になってるんすかっ! 関係ないっ……! 二人とは、な~んのな~んの関係もないっす。仕事っすよっ! ただの、し~ご~とっ! そういう弄り方したら……こっちは本気でキレるっすよっ! もうっ!」

753: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:01:39 ID:ImfkI96k
春麗「ちょ~っと、ちょっとちょっと……」アセアセ

ローズ「な、何……? どうしたの……?」アセアセ

かりん「……どうやら、色々とあったようですわね」

さくら「ユンさんと、ヤンさんの話はおしまい……ここでは、おしまい……楽しい話をしましょう……楽しい話を……久々の女子部勢揃いなんっすから……ねっ……!?」

春麗「まぁ、そういう事なら……深くは聞かないでおいてあげるわ……あんたが遅かったから先に始めちゃってるけどさぁ……」

ローズ「そうね。全員集合した事だし……ここは、改めて……」

キャミィ「さくらさん、ビールでいいですか?」

さくら「本当、遅くなって申し訳ないっすね……この飲み会は……この飲み会は、楽しい飲み会にしましょう。是非是方楽しい飲み会にしましょう……」

754: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:10:18 ID:ImfkI96k
かりん「それでは、さくら……乾杯の音頭を……」

さくら「はい、皆様グラスを片手に……怪我で離脱していた春麗さん……また、こうしてこの場に戻って来て下さいました……」

春麗「……遅くなったわね」

さくら「再び、女子部が全員揃いました……そして、一週間後にはメインイベントが控えております……」

ローズ「……うん」

さくら「ようやく手にしたメインイベントです。女子部一丸となって、この試合……盛り上げていきましょうっ!」

かりん「……ええ」

さくら「メインイベント……再び、一つになっていきましょうっ! それでは、成功を祈願してっ……!」

キャミィ「はい」

さくら「乾~杯っ!」

755: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:20:59 ID:ImfkI96k
春麗「本当、どうなるかと思ったけど……皆がいてくれたから……」

さくら「え~、しかしながらっ……!」

ローズ「あれ……? まだ、続くの~?」

さくら「あ~、飲んでで構いませんよ? 音頭は続けますが……飲みながら、聞いて下さい」

かりん「……何かしら?」

さくら「え~、今回の春麗さんの怪我に関しては……原因は、試合中に無茶をした春麗さん自身にあります。完全に自己責任であります。完全な自己責任っ!」

春麗「わかってるわよ……反省してるってば……」

さくら「その結果、女子部の人数が減るだけではなく……ベルトの移動まで、行われる事となってしまいました」

ローズ「本当……キャミィちゃん、大変だったわよねぇ……?」

キャミィ「でも、いい経験になりました」

756: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:26:59 ID:ImfkI96k
さくら「春麗さんは、自分自身の行いによって……女子部に多大な多大な迷惑を掛けましたっ!」

春麗「……ごめんなさい」

さくら「そこで、どうでしょう……!? 一週間後の春麗さんの復帰戦……そこで、迷惑を掛けた事への責任を取ってもらうというのは、どうでしょうっ!?」

かりん「……責任って?」

さくら「一週間後のメインイベント……そこで、春麗さんへのお仕置きマッチを行いたいと思いますっ!」

春麗「えっ……? 何それ……お仕置きって、何……? あたしを温かく迎えてくれるんじゃないの……? だって、復帰戦なのよ……?」

758: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:33:36 ID:ImfkI96k
さくら「怪我をしたのは自己責任。自分自身で勝手に怪我をして……そして、離脱……その後、復帰……それで、こっちに温かく迎え入れろと……? んあ~?」

春麗「それは、本当に悪いと思ってるから……」アセアセ

さくら「無茶して、怪我して、戻ってきて……また同じようにのうのうとするっ……! こ~んな事をされてちゃねぇ……!? 他の者への示しがつかないでしょうがっ!? わかってるんすかっ!?」

春麗「ごめん……これからは、本当に心を入れ替えて……」

さくら「ダメっす。今回ばかりはこっちも許しませんよ……自分も頭を悩ませましたし……何より、後輩のキャミィさんに、どれだけ迷惑を掛けたと思ってるんっすかっ!?」

春麗「……ごめんってば」

さくら「復帰戦で春麗さんへのお仕置きマッチを行います。これはもう、ベガさんと話はつけてあります。春麗さんが離脱してる間に、もう女子部は形を変えたんです」

春麗「……」

さくら「再び、この女子部の輪の中に入りたいのなら……この条件だけは受けてもらいます。申し訳ありませんが……ケジメだけはつけてもらいますよ!?」ギロリ

ローズ「……さくらちゃん」

さくら「では、お仕置き試合の内容を発表します」

760: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:41:28 ID:ImfkI96k
そしてーー


ヤムチャ「まぁ、いつもはサガットさん達と飲んでたけど……たまには、こういう事もいいな」

プーアル「そうですね。ロレントさんとソドムさんと、ちょっと仲良くなれましたね」

ヤムチャ「あの人達もいい人ではあるんだけど……やっぱり、リングの中ではストリートプロレスにやってきた、悪い奴……って、事なんだよ」

プーアル「そうですね」

ヤムチャ「そして、俺は……正義の味方……あのな、プーアル……? わかったよ、俺」

プーアル「わかったって……何がですか……?」

ヤムチャ「俺、ちょっと責任感がなかったのかもしれない」

プーアル「……そんな事は」

ヤムチャ「いや、ちゃんとはしてるんだよ……自分で言うのも変な話だけど、俺真摯に取り組んでるよ」

761: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:47:11 ID:ImfkI96k
ヤムチャ「でも、俺の今の状態ってザンギエフさんかな……? ベガさんかな……? その人にさ……貴方はバイソンさんと戦いなさい……ロレントさんと戦いなさい……って言われてさ」

プーアル「……はい」

ヤムチャ「そこに、俺が……はい、わかりました。戦います。って言ってるだけじゃん? 勿論、試合を盛り上げる為には頑張るんだけどね?」

プーアル「そうですね」

ヤムチャ「……だから、何も出てこないんだよ。ただ、言われた事をしてるだけだから。『試合頑張りますね』ぐらいしか言えないんだ」

プーアル「……そうかもしれませんね」

ヤムチャ「もうちょっと、正義のヒーローとしての自覚を持とうと思うよ。昔はそういう事もやってたしな。結果は出てないけど……」

プーアル「それでも、戦いに向かうヤムチャ様の背中は大きかったですよ」

ヤムチャ「俺はロレントさんも、ソドムさんも、サガットさんも……何処かで、武道家と思ってる節がある」

プーアル「……はい」

ヤムチャ「リングの上だけでも、ちゃ~んと悪い人って見ないとな……ロレントさんと、ソドムさんとは仲良くやっていくつもりだけど……次の試合には、それは持ち込まねぇ……憎み合って……歪み合ってみせるっ……! だって、空手軍団とあの人達はそういう関係なんだから」

プーアル「僕は、ヤムチャ様が優しい人って事は知ってますよ。優しいヤムチャ様に……そういう事、出来ますかね?」

ヤムチャ「そうしないと、悪い事になるんだよ……あの人達に……」

762: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:51:07 ID:ImfkI96k
ヤムチャ「一週間後のロレントさんとソドムさん……本田さんと二人で組んで、ギッタンギッタンにしてやるよ……へへへ……」

プーアル「でも、ヤムチャ様……? 本田さんも、言ってましたけど……一週間後のメインイベントは、春麗さん達ですよ?」

ヤムチャ「あぁ、そうだな……まぁ、さくらちゃん達もミーティングしてる事だし……上手くいくだろ、きっと」

プーアル「ヤムチャ様、一週間後は『プロレス団体で女子選手がメインだぞ!』ですよ? わかりましたかっ!?」

ヤムチャ「勿論、勿論……わかってるわかってる……まぁ、でも一週間後の事ばかり考えてるけど、それまでにも試合はあるからな……」

プーアル「勿論、引き続き頑張っていきましょう」

ヤムチャ「ところでプーアル……本田さんの言ってた、ホラ……? 女子選手がシャドルー以外とも、こ~う接していく機会……」

プーアル「……はぁ」

ヤムチャ「お前はさぁ……? なぁ……? あると思う……? なぁなぁ……? 俺は、結構あると思うんだよっ!」

プーアル「……知りません」

ヤムチャ「おい、どうしたプーアルっ! 何だか、素っ気なくないか? 俺はあるかないかを聞いてるんだぞ? 何故、答えない!? プーアル、お前は何故答えない!?」

プーアル「……知りません」

ヤムチャ「いや、『ある』か『ない』かを聞いてるわけでね……? 『知りません』は違うだろ……? どっちだ? どっちだと思うっ!?」

プーアル「……知りません」

764: 名無しさん 2016/02/07(日) 23:52:19 ID:ImfkI96k
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」

ーー完

引用元: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!!」