ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!!」

ヴァイパー「春麗! PVの第一弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!!」 

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!!」

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!!」 

ヴァイパー「春麗! PVの第三弾が完成したわよ!」

1: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:01:53 ID:rbehsu5w
ーーあれから一週間


リュウ「今日はベガとバルログの王者戦……第一試合だけどな」

ケン「それに、女子部がメインイベントとだと来たもんだ。大丈夫かね?」

リュウ「王者戦に関しては、試合位置も低いし、そういう試合になるって……大方予想もして来てるんじゃないか? そこは、大丈夫だろう」

ケン「……とすると、問題は」

リュウ「女子部だろうな。メインイベント……大丈夫かね……?」


さくら「準備中の所、失礼しますよ~」


リュウ「……んっ?」

ケン「あっ、さくらさん」

5: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:14:37 ID:rbehsu5w
キャミィ「おはようございます」

春麗「おはよう。準備は出来てる? 今日は盛り上げてね」

リュウ「おっと、それにキャミィちゃんに……春麗……お前達もか」

ケン「盛り上げるのはお前達だろが。メインイベントはお前達だお前達。今度は、しくじって怪我とかするんじゃねぇぞ? わかってんのか?」

さくら「え~っと、その事で……皆さんに指示があるのですが……」

リュウ「なんだなんだ……? 今回は何をすればいいんだ……?」

ケン「……まぁまぁ、とりあえずは手伝ってやるよ」

さくら「え~っと……今日は、二人だけですか……? 他の皆さんは……?」キョロキョロ

6: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:19:05 ID:rbehsu5w
リュウ「シャドルーは、集まってなんか話してるよ。今日、ベガとバルログは早いからな」

ケン「ヤムチャは、プーアル君と一緒に……本田さんと、ロレントとソドムさんの所……」

リュウ「もうすぐここには、ガイルとナッシュが来ると思うんだけど……」

ケン「……遅ぇな。待たせてんじゃねぇよ」

さくら「あ~、あ~、それじゃあ、ガイルさんとナッシュさんも揃ってから纏めてお話ししましょうか」

リュウ「……ん、何だ? 今日はガイルとナッシュも参加するのか?」

さくら「空手軍団だけじゃなくてね……ちょっと、ガイルさんとナッシュさんにも手伝って頂きたいかなと……」

ケン「……メインイベント盛り上げる為だったら出てもいいけどさぁ?」

春麗「……なんで、そんな乗り気じゃないのよ。あたしの復帰戦なのよ?」

ケン「お前ら、女の力見せるんじゃねぇのかよ、あぁ……? 選手にレフェリー……全部、女だ……全部女だよ……それで、メインイベントを盛り上げていくんじゃなかったのかよ?」

7: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:26:00 ID:rbehsu5w
ケン「ノコノコノコノコ、俺達野郎の力借りていいのか……? 俺達野郎がメインに顔出してもいいのか……? えぇ、春麗に……さくらさんよ……?」

春麗「……女子部は貴方達と違って、数が限られてるの。使える物ならなんだって使っていくわ。ねっ?」

キャミィ「……私も、シャドルーさんの力を借りたから、ここまで来れました。今回は皆さんの力を貸して下さい。お願いします」ペコッ

リュウ「力は貸すけどさぁ……」

さくら「大丈夫っすっ! 大丈夫っ! 女子部の力は今日見せつけてやりますよ。リュウさん達の事はちょこっと借りるだけです! 大丈夫っ! 女子部はいけますっ!」

ケン「……ふ~ん」

さくら「とりあえず、ガイルさんとナッシュさんが来るのを待ちましょうよっ! そこで、全貌をお話ししたいと思いますっ!」

9: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:32:13 ID:rbehsu5w
ーーー


ヤムチャ「そろそろ始まりますかね……? ベガさんとバルログさんの試合……」

ロレント「そうですね。今日第一試合だってのに……会場の入り多くないですかね?」

本田「なんだかんだ言うたかて……まぁ、ベガやからなぁ……」

ソドム「……人気レスラーですからね」

本田「せやけど、試合内容は……アレやろ? これ、後が怖いでぇ。悪い流れ、引きずらへんかなぁ……?」

ロレント「悪い流れになっちゃたら、コーディ君とガイ君……ちょっと、辛くなるかもしれませんねぇ」

ソドム「お茶を濁すと言う意味でも……ジミーさんとディージェイ君……ある意味、適任者ではないかな?」

ロレント「ディージェイさんも笑いが取れるタイプですからね」

本田「あいつはなぁ……? 計算では取ってはないぞ? 天然や、天然やねやっ!」

ヤムチャ「ディージェイの野郎……ったく……」

プーアル「……ヤムチャ様」

11: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:39:48 ID:rbehsu5w
ソドム「だけど、ディージェイ君もよくなって来たんじゃないですか? 全てが全て天然というワケではないでしょう?」

本田「昨日の試合はどうなんやろうなぁ……? あいつ、ま~た試合中に勝手な事しよったわ……ワシを舐めとんのか……」

ロレント「まぁまぁまぁまぁ、それは本田さんが相手だからしてるんですよ……ホラ、コーディ君とガイ君相手の時は……普通……よりですね。へへ」

本田「……アイツ、どういうキャラでいくんやろうなぁ?」

ヤムチャ「あれ……? えっ……? えっ……? ちょっと待って下さいっ……!」

本田「……なんや、どうした?」

ヤムチャ「ディージェイの奴……よくなってるんですか!?」

本田「まだまだや……アイツは、まだまだまだまだ……まぁ、コーディとガイ相手でも試合出来るようになったのは、一歩前進って所やけどな……」

12: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:46:06 ID:rbehsu5w
ロレント「若手の相手って、結構難しいですからね」

本田「逆を言えば、それだけコーディとガイが成長してきたとも言える……ディージェイの力だけではない」

ソドム「実は私は、彼の事評価してるんですよ」

本田「……ホンマか?」

ソドム「いや~、だってナチュラルであのキャラでしょ? 面白いじゃないですか? 私やジミーさんがどれだけぶっ飛んだキャラ作っても……彼には勝てない。それって凄い事ですよ」

本田「せやけど、ぶっ飛びすぎとんねん。アイツは」

ヤムチャ「あっ、そっか……そういや、ディージェイの相手って……ブランカさんとダルシムさんと本田さん……ベテラン勢オンリーだったな……」

プーアル「ヤムチャ様……」

ヤムチャ「あぁ、そういやそうだ……アイツの対戦相手に……コーディ君とガイ君……あっ、そっかそっか……俺も対戦相手は増えてるけど……ディージェイだって対戦相手増えてるんだっ……!」

13: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:53:28 ID:rbehsu5w
ーーー


ブランカ「ディージェイ君、大事な話がありますよ」

ディージェイ「ヘーイ! Mr.ブランカどうしたんだいっ!? また、お説教かいっ!?」

ブランカ「いえ、違います。今日の試合の事です」

ディージェイ「昨日、折角Mr.ヤムチャと戦えたってのに……今日の対戦相手はMr.コーディ&Mr.ガイ。オーノー……また、今日もミーにとってつまらない一日が……」

ブランカ「その事なんですがね……今日、結構自由にやってもいいですよ?」

ディージェイ「ホワーイ、何故、どうしてっ!? 今日の対戦相手はMr.コーディ&Mr.ガイのダメダメボーイズだよっ!? あのダメダメボーイズ相手にミーが真のパワーを発揮しちゃったら……」

ブランカ「……言っておきますけど、君もまだダメダメボーイズの一員ですからね?」

15: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:56:47 ID:rbehsu5w
ブランカ「今日の第一試合……何が起きるか知ってますよね……?」

ディージェイ「第一試合って、ミー達の試合……? それとも、Mr.ベガの試合……? どっちの事?」

ブランカ「あぁ、失礼……ベガさんの試合の方です」

ディージェイ「勿論知ってるよっ! Mr.バルログがMr.ベガと戦わない試合をするんだろ!? ミーは滅茶苦茶言ってるように見えるけど……これ、合ってるでしょ!?」

ブランカ「はい、そうですね。間違ってませんよ。バルログさんはベガさんと戦わない試合をします」

ディージェイ「全くっ……! ファンキーじゃないよねぇ! 考えられないよっ!」

ブランカ「そうです。ファンキーじゃないのです……会場に来たお客さんはどう思いますか?」

ディージェイ「勿論、ブーイングっ! boo,boo ! xxxxing Vega ! クソッタレー!」ブーブー

ブランカ「あの~、大声でそういう事を言うのはやめましょう……聞かれたら、多分ディージェイ君誤解されますよ……?」

ディージェイ「オーウ、ソーリー」

16: 名無しさん 2016/02/17(水) 22:59:44 ID:rbehsu5w
ブランカ「まぁ、とにかく今日の試合……そういったベガさんの行為によって、我々非常に重苦しい空気の中試合を開始する事になるかと予想されます」

ディージェイ「全くっ……! 周りの迷惑を考えてくれよっ! 自分が好き放題やったら、周りに迷惑がかかっちゃうんだからね!」

ブランカ「……そりゃ、君もですよ?」

ディージェイ「……ミーは違うよ~?」キョトン

ブランカ「う~ん……まぁ、いいやいいや……とにかくっ! その重苦しい空気を我々は変えていかなきゃいけないので、その君の持ち前の明るさを使って……なんとか、変えていって……ファンキーにしていって欲しいのです」

ディージェイ「じゃあ、今日はダンスオッケーなの?」

ブランカ「オッケーですよ。ただし、試合終盤になれば控えて下さい」

ディージェイ「試合終盤……う~ん、ミーの考えるタイミングとMr.ブランカの考えるタイミング……これ、また違う気がするよ?」

ブランカ「じゃあ、試合中に指示しますよ。私が指示をしたら、コーディ君とガイ君専用の……ちょっと控えたファイトスタイルにして下さいね?」

ディージェイ「Mr.コーディとMr.ガイはMr.本田やMr.ヤムチャと違って、まだまだだからね……ミーが遠慮しないといけないんだね……全く……」

ブランカ「……お願いします」

ディージェイ「指示してよ!? ちゃ~んと、指示してよ!? 指示がなかったら……ミーはずっと踊り続けちゃうかもしれないよ!?」

ブランカ「場内の空気を見て……指示するタイミングは判断します」

ディージェイ「オーケーっ!」

18: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:04:13 ID:rbehsu5w
ーーー


ダン「さて、皆様……本日はこのストリートプロレスにお越し下さり、誠にありがとうございますっ! 誠に、ありがとうございますっ!」

ブー、ブーブー

ダン「さぁ、本日の興行……の前にっ! ここで、王者戦を行いたいと思いますっ!」


実況「さぁ、皆様こんにちはっ! 本日も始まりました、ストリートプロレスっ! いやっ……! まだ、始まっていないのかもしれないっ!」


ダン「第零試合っ……! タイトルマッチを行いますっ……!」


ブー、ブーブー

実況「そうです。本日のストリートプロレス……なんと、第零試合というものがありますっ! まだ、始まってもいません……しかし、試合は行われますっ!」

19: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:07:13 ID:rbehsu5w
実況「私、長らくこのストリートプロレスの実況を担当させて頂いておりますが……なんと申し上げればいいのか……本日の会場は、何やら異様な空気に包まれておりますっ!」

ブー、ブーブー

実況「試合はまだ始まってもいません。それどころか興行すら、まだ始まっておりません……しかし、レフェリーのダン氏が姿を現れすと……」

ブー、ブーブー

実況「なんとなんとなんと……もう、ブーイングが飛び交っていますっ! ブーイングが飛び交っています。試合の最中にこうブーイングが飛ぶという事はよくある光景なのですが……本日は少しばかり早いっ……! その様な気がしますっ!」

ブー、ブーブー

実況「さぁ、そしてここで本日の解説者を紹介いたしましょうっ! 解説はお馴染みっ……!」

元「はい、元です。よろしくお願いします」

実況「異例の第零試合開催と言う事でね、本日は元さんにも少しばかり早い時間から足を運んで頂きました。元さん、本日はありがとうございます!」

元「まぁまぁまぁ、今日はこういった事になってるからね……仕方ない事だよ」

20: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:10:45 ID:rbehsu5w
ブー、ブーブー

元「しかしまぁ、今日はなんと言うか……うん……」

実況「やはり、少々場内の雰囲気がいつものストリートプロレスとは違いますよねぇ?」

元「……今日は違うねぇ」

実況「しかし、場内の空気がこうなるのも……おかしな事では、ないのですっ! え~、本日の第零試合……これはバルログ対ベガのタイトルマッチが予定されておりますっ!」

元「はい」

実況「しかし、先日の防衛戦でです……ベガはサガットから勝利して王者を防衛したのですが、なんとなんとその試合は、サガットがベガの防衛記録を伸ばし為に……ワザと負けたのではないかと、我々は見ております」

元「はい、そうですね」

実況「そして、本日の挑戦者はバルログっ……! バルログでありますっ! これも、サガットと同じシャドルー内からの挑戦者です」

元「はい」

実況「また、同じ様な事が繰り返されてしまうのかっ……! 我々も……そして、場内も……この第零試合の試合内容にいささか不安を感じておりますっ!」

元「ベガ君は特別な試合……そう言って、こうやってワザワザ緊急の第零試合という形で組まれたんだから……まぁ、それなりの試合にはしてもらいたいよね」

21: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:13:50 ID:rbehsu5w
ダン「それでは、第零試合っ……! 第零試合を行いますっ!」

ブー、ブーブー

ダン「先ずは挑戦者……血塗られた鉤爪、バルログ選手の入場ですっ!」


実況「さぁ、ここで挑戦者、バルログの名前がコールされたぁ! バルログの入場テーマが場内に響き渡りますっ!」


バルログ「さぁ、美しい試合の幕開けですよっ! この崇高なる試合……そして、ベガ様……シャドルーを讃えなさいっ!」


オー? オーオー?

実況「そして、バルログが花道の奥から姿を現した、がっ……! おぉ~っと、おぉ~っとっ! なんだなんだなんだっ!?」

元「……んんっ!?」

22: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:16:52 ID:rbehsu5w
バルログ「今日の私は、本気モードですよ……ベガ様相手だろうが、容赦はしません……」


オー? オーオー?

実況「ゆっくりとリングへと向かっていくバルログっ……! バルログでありますがっ……! なんと、今日のバルログっ……! その自慢の顔を、何やら怪しい怪しい仮面で隠しているっ!」

元「……お~っと、仮面をつけてると言う事は、本気モードと考えていいのかな?」

実況「大舞台でつける仮面を、今日の一戦バルログは装着してきましたっ! これはこれはっ……! これは、バルログも本気なのかっ!?」


バルログ「この特注の凶器で……ベガ様の首を……掻っ切りますっ……!」スリスリ

ザワ……ザワ……


実況「仮面だけではありませんよっ! 元さん、あの左手を見て下さいっ! バルログの左手を!」

元「……今日は、入場の時点でつけてきてるねぇ」

実況「バルログ左手には、あの特注品の鉤爪が装着されていますっ! おぉ~っと、今日のバルログは凶器持参でやってきたぁ!」

23: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:19:23 ID:rbehsu5w
バルログ「さぁ、美しくいきましょうっ!」ススッ


実況「そして、バルログがリングインっ! 今、リングインしたぁ! 凶器を身につけたままリングインしたぁ! リング内に凶器を持ち込んできたぁ!」

元「だけど、凶器は……どうなの……?」


バルログ「第零試合……記念すべき第零試合ですよ、皆さん……さぁ、違いのわかる人間になりましょう……」ググッ

ダン「おいっ……! おいっ……! バルログっ……!」

バルログ「何ですか……? 人が浸ってる所に……鬱陶しい……」

ダン「鬱陶しいじゃねぇだろが……左手っ……! お前、その左手に何つけてんだ、コラっ!」ビシッ


実況「あっと、しかしここで……やはりと言えばいいでしょうか!? レフェリーがバルログに突っかかっていくっ! バルログの左手に装着されているよからぬ物を察知したようだっ!」

元「まぁ、あんなに堂々と持ち込まれちゃあ、困るんだよ……ただねぇ……?」

24: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:23:44 ID:rbehsu5w
バルログ「……何って、見てわかりませんか? 凶器ですよ」

ダン「凶器を持ち込むんじゃねぇ……ましてや、これは王者戦だ……外せっ! 捨てろっ!」


実況「ここで、バルログの左手に装着されている凶器を外せと、早速警告しますっ! 警告していきますっ! 確かにその通りっ……! リング上に凶器は持ち込む事は許されませんっ!」

元「そう。本当は許される行為ではないんですよ……だけどね……?」

実況「……どうされました、元さん?」


バルログ「勘弁して下さいよ……凶器の対戦相手は世界最強、崇高なる王者のベガ様なんですよ……?」

ダン「だから、何なんだよっ!?」

バルログ「私のようなゴミ屑が勝つ為には……こういった凶器に頼るしかないのですよ……見逃して下さい……」


実況「さぁさぁ、どうやらバルログは凶器捨てる気は一切ないかっ!? レフェリーには従わないっ! ここで、押し問答が始まっていきますっ!」

元「これ、凶器は持ち込んだけど……対戦相手は、ベガ君じゃない……? と言う事は、別に構わないんじゃないのかな……?」

25: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:28:50 ID:rbehsu5w
レフェリー! イイジャネェカー!

ダン「ああっ……?」キョロ

ソレ、ツカワセテヤレヨー!

ダン「ああっ……? あぁっ……? ど、どうなってるんだ……?」キョロキョロ


実況「あっ、お~っとここで……場内から凶器を持ち込んだバルログを制止する声ではなく……その凶器の使用を認めてもいいのではないかと言うような、声が……場内からも飛び交っていますねぇ!?」

元「凶器を持ち込んだ所で……今日の対戦相手はベガ君なんだよ? だったら、いいじゃない」

実況「しかし、これは……王者戦であるのですよ!?」

元「いいじゃない、いいじゃない。戦わないよか、全然マシだよ」

実況「う~ん、しかし……ですねぇ……」

26: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:31:31 ID:rbehsu5w
バルログ「ほらほら、場内の声が聞こえませんか……? 渋ってるのは貴方だけですよ……?」

ダン「……なんで、俺が悪者になってんだよ、馬鹿野郎」

バルログ「今日の私は気合いを入れて、この試合に臨んでいるのです……勿論この凶器もその一つです……もし、貴方が没収して凶器が使えない……なんて事になったら……」

ダン「……あぁ?」

バルログ「私、やる気がなくなって……ベガ様に秒殺負けしちゃうかもしれまんよ……? フフフフフ……」

ダン「……てめぇ、この野郎。俺を脅そうってのか」

バルログ「そうです。脅しているのですよ。試合をしてほしかったら、この凶器を使用を認めなさい……認めないと、試合は行いませんよ……? これが、我々のやり方です……崇高な王者戦……台無しになってもいいのですか?」

ダン「くっ、くっ、くううっ……! この野郎っ……!」

27: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:35:04 ID:rbehsu5w
レフェリー! レフェリー!

ダン「……チィっ、わかったよ。認めてやるっ! 特例だからなっ!」

バルログ「いい子です」

ダン「ただし、やる過ぎると即座に失格だっ! 反則負けだからなっ!」

バルログ「私が、反則負け……? と、言う事はベガ様がまた防衛する事になりますねぇ……フフフ……」

ダン「……あぁっ!?」


実況「あ~っと、あ~っとっ! ここでここで……レフェリーが引き下がったかっ!? 凶器の使用を認めると言う事かっ!?」

元「下手にヘソ曲げられて、サガット君みたいな試合をされるよりかは、僕はこっちの方がマシだと思う。それに相手はベガ君なんだから……彼にだったら、いいでしょ」

実況「しかしです……しかしですよ、元さんっ……!」


バルログ「フフフ、貴方は飾りなのです……そこで黙って指をくわえて見てればいいのです。シャドルーの試合をお見せしてあげますよ……さぁさぁ、王者をここに呼び込みなさい……」

ダン「くっそおぉっ……! こいつ……!」ギリギリ

28: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:41:12 ID:rbehsu5w
実況「確かに、バルログがヘソを曲げてサガットの様に試合を行わないと言った可能性もあります……しかしこれは……これはこれはっ……! レフェリーのダン氏もかなり渋い顔をしておりますっ!」

元「公正に試合を裁くレフェリーからしたら、納得はしにくい事かもしれないけどねぇ……」


ダン「チィっ……! くそっ……! あぁっ……!」


実況「さぁ、レフェリーも苛立っているのでしょうか!? しかし、再びマイクを握りましたっ!」

元「……仕方ないよ。ねっ」


ダン「続きましては……王者の入場になりますっ……!」


実況「バルログの手に装着されている凶器は、一先ずお流れ……と言った所でしょうかっ!? 不安は残りますが……そして続いて、王者の入場になりますっ!」

元「あの凶器でベガ君がやられればいいんだよ」

29: 名無しさん 2016/02/17(水) 23:44:39 ID:rbehsu5w
ダン「続きましては……闇をまとう魔人、ベガ選手の入場ですっ……!」

ブー、ブーブー


ベガ「さぁ、二度目の防衛戦だぁ……今日は私も気合いを入れていくかぁ……」ニヤニヤ

ザワ……ザワ……


実況「さぁ、そしてベガの名前が呼ばれるとここで花道の奥から……ちょ~っと待てちょっと待てちょっと待てぇ!」

元「んああっ!?」


ベガ「今日の試合は万全の体制で挑む……パイプ椅子持参だ……フハハハっ……!」

ザワ……ザワ……


実況「花道の奥から姿を現したベガの手には……パイプ椅子が握られていますっ! パイプ椅子ですっ! こちらも凶器持参でやってまいりましたぁ!」

42: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:01:27 ID:CR65Vbts
ベガ「王者のリングインだ……愚民共、拍手で迎えろ……」


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、そしてベガが今凶器を片手に……パイプ椅子を片手にリングインっ! リングインしましたっ!」

元「お~、お~、お~」

実況「目には目を……歯には歯を……そして、凶器には凶器と言った所でしょうかっ!? バルログが鉤爪ならば……こちらはパイプ椅子です! パイプ椅子っ! ベガもパイプ椅子を持参して来ましたぁ!」


ダン「待て待て待て待てっ……! ちょっと待てちょっと待て、おいっ……!」

ベガ「……なんだなんだ、どうした?」チラッ


実況「あ~っと、しかしやはり……と言えばいいでしょうか!? ここはレフェリーがベガに近づきますっ! 詰め寄っていきますっ!」

44: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:10:10 ID:CR65Vbts
ダン「それ、なんだオイっ……!」

ベガ「お前は、パイプ椅子という物も知らんのか……? 見ればわかるだろう……これはパイプ椅子という物だ……」

ダン「そういう事を聞いてるんじゃねぇっ! 凶器は持ち込んじゃいけねぇだろがっ!」


実況「早速……とでも言えばいいでしょうかっ!? レフェリーはベガが持参したきたパイプ椅子を指差し警告していますっ! 確かに、リング上に凶器を持ち込んではいけませんっ!」


ベガ「凶器を持ち込んではいけない……そんなルールがあっただなんて、初耳だなぁ……」

ダン「常識的に考えればわかる事だろうがっ! 捨てろっ!」ビシッ

ベガ「しかし、レフェリー……ちょっと待て。私の、このパイプ椅子がダメなのならば……アイツのアレはどうなるんだ……?」

ダン「……あぁ?」


実況「さぁ、レフェリーはベガにパイプ椅子を捨てるようにと警告しているのですが……あっと、しかしベガは引きませんっ! ここでバルログを指差していくっ!」

45: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:16:16 ID:CR65Vbts
バルログ「フフフ、この鉤爪で……王者の首を……フフフフ……」スリスリ

ダン「あ、あれは……」


実況「そして、ベガの指差した方向には……鉤爪に頬擦りをしているバルログの姿があるっ! こちらも凶器は持っていますっ! 持っておりますっ!」


ベガ「私のパイプ椅子よりも……どう考えてもアイツのアレの方が凶悪そうだ……何故、お前はアイツを咎めない……先ずはアイツの凶器を捨てさせる事優先だ……そうでないと、私も安心出来ん。このパイプ椅子はあくまで、アレの護身用だ……」

ダン「確かに……確かに、それは一理ある……あっちの方が凶悪そうだ……」

ベガ「だったら、捨てさせてこい……お前は何をやっているんだ……早く行け」

ダン「わ、わかったよ……!」


実況「あ~っと、ここでレフェリーは、ベガからクルリと背を向け……そしてバルログの方へと向かっていきます! 向かっていきますっ!」

元「ベガ君がバルログ君の鉤爪を捨てさせるように要求したんだろうねぇ……」

実況「確かに……ベガからすれば、どうして自分だけという思いがあるでしょう! ここはレフェリー、先ずはバルログの凶器を引き剥がす事から始めますっ!」

46: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:23:15 ID:CR65Vbts
バルログ「フフフ、血に塗れたベルトを腰に巻く、美しい私……フフフ……フフフフ……」スリスリ

ダン「……おい、バルログっ!」

バルログ「なんですか、人が浸ってるのに……鬱陶しいですね」


実況「さぁ、そして今レフェリーがバルログの元へと辿り着きましたっ!」


ダン「……やっぱり、その手につけてる奴捨てろ」

バルログ「……何故です。先程は認めてくれたのではないのですか?」

ダン「お前が、凶器を捨てねぇとベガも凶器を捨てねぇって言ってんだよ。それに、どう見てもお前の凶器の方が凶悪そうだ……」

バルログ「……嫌ですよ。私が勝つ為には、これが必要なのです」

ダン「うるせぇ! お前がそれ捨てりゃあ、全てが丸く収まるんだよっ! とっとと捨てやがれゴルァ!」


実況「そしてバルログに凶器を捨てろと要求するレフェリー……ですが、バルログは従いませんっ! 渋っていますっ!」

元「……渋ってるねぇ」

実況「この展開に少々レフェリーも苛立ってきたのでしょうかっ! ヒートアップしてきましたっ! 語気を荒めますっ!」

47: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:30:03 ID:CR65Vbts
ダン「いいから捨てろや、ゴルァ!」

バルログ「わかりましたよ……捨てればいいんでしょ……ほら……」スポッ

ダン「……よぉしっ!」


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、ここでバルログが説得に応じたかっ!? レフェリーの説得に応じたかっ!?」

元「おっ、凶器を外したねぇ」


ダン「よし、寄越せっ……!」

バルログ「はいはいはいはい……わかりましたよ、わかりました……従えばいいんでしょ……」


実況「バルログは腕に装着していた特注の鉤爪を外し……そしてレフェリーに渡しますっ! 回収しましたっ! レフェリーがレフェリーが凶器を回収しましたっ! 先ずは一つ目っ!」

元「このまま上手くいけばいいんだけどね」

実況「リング上に凶器などは存在してはいけませんっ! さぁ、バルログの持参してきた凶器は回収したっ! 残るはベガの持参してきたパイプ椅子だぁ!」

48: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:34:27 ID:CR65Vbts
ダン「よし、これならベガ従わざるを得ねぇ……次はベガだなっと……」クルッ

バルログ「あ~、あ~、あ~、あ~……なんだか、やる気がなくなっちゃいましたねぇ……」

ダン「おいっ! ベガ、お前の要求通りバルログの凶器は回収したぞっ! これでいいんだろ、オイっ!」

バルログ「……もういいや、帰りましょう」


バルログー! ナニヤッテンダー!

実況「さぁ、そして今度はベガの元へと再び向かう……あぁ~っと、あっとあっとっ!」

元「……こうなるんじゃないかなと思ってたんだよねぇ、僕はっ!」

実況「バルログが、帰ろうしているのでしょうかっ!? これ、帰ろうとしているのでしょうかっ!? 今、バルログがロープを潜って花道の方へと戻ろうとしていますっ!」


ベガ「おい、レフェリー……アイツ、どうしたんだ……? 帰るんじゃないか……?」

ダン「えっ……? って、オイっ……! バルログ、何やってんだオイっ!」

49: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:38:19 ID:CR65Vbts
ブー、ブーブー

ダン「おい、待てっ……! 待て、バルログっ……! お前、何処に行くつもりなんだっ!?」ガシッ

バルログ「……いや、もう帰ります。お疲れ様でした」


実況「慌ててバルログに駆け寄っていき……そして、バルログを咎めるレフェリーっ! おぉ~っと、危ない危ないっ! バルログを何とかリング内へと止めましたっ!」

元「本当にヘソを曲げたとか、やる気がなくなった……って、ワケではないと思うんだよ?」

実況「……ほ~う、と言うのは?」


ダン「待て待て待て待てっ……! 試合をしろっ……! 試合をしやがれっ……!」

バルログ「いや、もういいです……不戦敗でいいです……お疲れ様でした……」

ダン「待てっ……! バルログっ……! 待てっ……!」

50: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:43:52 ID:CR65Vbts
フザケンナー! シアイシロー!

ダン「わかってるっ……! 試合はさせるっ……! 試合はさせるからっ……!」

ブー! ブーブー!

ダン「わかってるってのっ! 今、説得するからよぉ!?」


実況「おぉ~っと、場内の空気が少々荒れてきましたかねぇ……!?」

元「ほら、前回の王者戦……ベガ君とサガット君との試合で、殆ど試合が成立しないような形終わっちゃったじゃない?」

実況「はいはい、確かに試合と呼べる物ではなかったような気がしますっ!」

元「その一件で根底にあるのが、この王者戦……成立するのか、しないのかって所なんだよ。ほら、ファンや僕達や、レフェリー……皆、そこを不安視してるでしょ?」

実況「確かにっ……! そうですねぇ。この試合のカードを見た時には私も驚きましたよ!」

元「だから、ああやって……言う事聞かないなら試合成立させないよ……なんて脅すのは、凄く効果がある事だと思うんだよ!?」

51: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:47:56 ID:CR65Vbts
ブー、ブーブー

ダン「待ってくれっ……! 待ってくれってのっ! 説得中だっ!」


実況「確かに、このままバルログが試合放棄……と言った事になれば、こn場内……どうなってしまうかわかりませんねぇ!?」

元「僕は、本気で帰るつもりはないとは思う……ただ、ああ言った形で脅しをかけられると……」

実況「……う~むっ!」

元「……レフェリーとしては困るよねぇ」


バルログ「相手は、絶対無敵のベガ様ですよ……? 私のような者は、凶器がないと勝てるワケないじゃないですか……? 凶器がないと勝てるワケないじゃないですか……? 凶器がないと勝てるワケないじゃないですか……?」

ダン「何度も何度もうるせぇよっ! オウムかてめぇはっ!」

バルログ「やるだけ無駄です。もう、不戦敗でいいです。お疲れ様でした……試合終了です……」

52: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:52:28 ID:CR65Vbts
ハヤク、シアイシロー!

ダン「……凶器があれば試合をするんだなっ!?」

バルログ「はい、凶器があれば試合をします……凶器があれば勝てる可能性が出てきます……試合しますよ……? 場内に美しい試合を見せます……」

ダン「……ちっくしょうぅぅっ!」


ブー! ブーブー!

実況「ちょっと、この一連の騒動に時間が取られすぎていますかねぇ……? 中々始まらない試合に……場内も少々苛立ってきましたっ!」

元「……そうだねぇ」


ヤッパリ、シアイシナイツモリナノカー! バルログー!

バルログ「あ~、あ~、場内のお客様達も……怒っていますねぇ……しかし私のやる気を削いだのは、このレフェリー……私は悪くありません……」

ダン「わかったわかったよっ……! お前が試合に穴開けるよか、マシだっ! 戻れっ! 戻りやがれっ!」

53: 名無しさん 2016/02/18(木) 22:57:22 ID:CR65Vbts
ブー、ブーブー

バルログ「今の発言……それは私が凶器を使う事を許可して下さった……そう捉えてもよろしいのですか……?」

ダン「大目に見てやるだけだ。やり過ぎると反則……そこには、変わりねぇぞ……使いたいんなら、好きにしやがれっ……!」

バルログ「わかりました……フフフ、これでやる気も出てきましたよ……フフ、スイッチングクロー……」スチャ


ザワ……ザワ……

実況「あっとあっと、お待ち下さいお待ち下さいっ! ここでバルログが……再び、レフェリーから凶器を受け取りましたよ! 受け取りましたっ! そして、再び左手に装着しましたっ!」

元「バルログ君が、凶器の使用を許可しないと試合をしない……そう言ってるワケだね。試合に穴を開けたくないのは……前回の騒動でわかってる事だからねぇ……」

実況「これは、レフェリーがバルログに屈する形となってしまったのかっ!?」


ダン「……チィっ! まぁ、凶器を使うって言ったって、相手はベガだ。アイツもそこまで無茶はしないだろう」


実況「さぁ、そしてレフェリーは……今度はベガの方へと向かっていきますっ! バルログの凶器……これは、認められたと言った所なのかっ!?」

元「バルログ君もね……同じシャドルーの総帥、ベガ相手だから、そこまで無茶はするまいと思います」

54: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:02:41 ID:CR65Vbts
ダン「おい、ベガっ……!」

ベガ「おいおい、なんだなんだ……? アイツが凶器を手放さないのなら、私もこの凶器を手放さないぞ……」

ダン「……構わねぇよっ!」


元「一つ気がかりなのはねぇ……う~ん、嫌な前例が出来ちゃったって所かな……?」

実況「前例……と言いますと?」

元「まぁ、何とか試合を成立させる為に、レフェリーはバルログ君の凶器の使用を黙認した形になりますが……今日はいいよ、今日は。相手はベガ君だから」

実況「まぁ、ベガにならば……と言った思いは確かにありますっ!」

元「ただ、後のタイトル戦の話とかですよ……前のタイトルマッチでは凶器の使用はオッケーだったのに、なんで今回の試合は、凶器の試合を認めないんだ……前と同じように認めろよ……な~んて、言い出しかねないよねぇ」

実況「……なるほどっ!」

55: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:07:21 ID:CR65Vbts
ベガ「……ほ~う、それはこのパイプ椅子の使用を認めると言う事か?」

ダン「構わねぇよ……バルログだって、使ってるんだ……おあいこだ、おあいこ……」

ベガ「……なるほどなるほど」ニヤニヤ

ダン「よしっ……! 両者中央にっ……!」


オー、オーオー

元「だから、この二人の行為はひょっとしたら後に来る、大一番の為にそういった前例を作っておこうという意図があるのかもしれない」

実況「確かに、いつの間にやらリング上がシャドルー色に染められてきたぁ! 気がつけばシャドルーのペースですっ!」

元「ただ、そうなったらそうなったで、ルール変えちゃばいいんだよ」

実況「え~っと、ルールを変えると言うのは……?」

元「簡単だよ。『王者戦では凶器の使用を認めません』そういったルールを作っちゃえばいいんだよ。いくらシャドルーが独自の前例を作ったって……こっちだって、ルール作っちゃえばいいんだから」

実況「ただ、そうなったらそうなったで、ならば王者戦以外では凶器の使用は可能なのか……? なんて言い出しかねませんよ?」

元「……そしたら、またルール作っていこう」

実況「いたちごっこですっ……! まさにいたちごっこっ……! 終わらないいたちごっこっ……!」

56: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:14:32 ID:CR65Vbts
ダン「ベルトが掛かったハードコアマッチみてぇなもんだ……今日は特別に、お前らのやり方でやらせてやるよ……準備はいいな……?」

バルログ「ええ、いつでもどうぞ……」ニヤニヤ

ベガ「今日だけではなく……永遠に我々のやり方でやらせて貰いたいがな……」ニヤニヤ


ハヤクハジメロー!

実況「さぁさぁ、随分と時間は取られてしまいましたが……ここでようやく試合が始まりますかね……?」

元「うん、時間かかったね」

実況「さぁ、異例の王者戦……第零試合、いよいよ開幕ですっ! 挑戦者はバルログっ……! その左手には鉤爪が装着されていますっ! そして王者、ベガっ……! こちらはパイプ椅子を手にしていますっ!」


ダン「よ~し、それじゃあ試合スタートだっ! ゴングを鳴らせゴングをよぉ!」


カーン


実況「そしてここでゴング鳴らされたぁ! 戦いの鐘の音が場内へと響き渡ったぁ! 第零試合、バルログ対ベガっ! バルログ対ベガっ! いよいよ試合開始ですっ!」

57: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:19:56 ID:CR65Vbts
ベガ「……パイプ椅子とは」ググッ

バルログ「さぁ、美しく……」

ベガ「飛び道具だあああぁぁ! 死ねえええぇぇぇっ!」ブンッ

バルログ「……えっ!?」


実況「おぉ~っと、ゴングと同時に……ベガはバルログ目掛け、パイプ椅子をぶん投げていったぁ!」

元「投げるのかっ!?」


ガッシャーン

バルログ「……ぐがあぁっ!」バターン

ベガ「フハハハ……先手必勝だな……」


オー! オーオー!

実況「パイプ椅子が宙を飛び、バルログに命中っ! 命中したぁ! ここでバルログはダーウンっ! 大きく大きくダーウンっ!」

58: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:23:30 ID:CR65Vbts
オー! オーオー!

ダン「相手は同じシャドルーのバルログだからって……ちったぁ、遠慮するんじゃねぇかって……思ってた部分はあるけど……」

ベガ「フハハハ……まだまだいくぞぉ……」ニヤニヤ

バルログ「ガ、ガガ……」


実況「こういった使い方するのは……少々、予想外でしたっ! 予想外でしたっ! ベガはいきなりパイプ椅子をバルログ目掛けてぶん投げていったぁ!」

元「……ちょっと滅茶苦茶だよねぇ」

実況「ベガは笑いながらダウンしているバルログへと近づいていくっ!」


ダン「……こいつ、イカれてやがるっ!」

ベガ「パイプ椅子は飛び道具でもあるが……勿論、使い方は他にもある……」サッ


実況「あっと、ここでベガが腰を屈めて、激しくバルログに命中して転がっているパイプ椅子を拾い上げるっ!」

元「……まぁ、持ち込んで来たんだからこれだけで終わるはずはないよねぇ」

実況「ベガが再び凶器を手にしたっ! その手に凶器を手にしたぁ!」

59: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:27:04 ID:CR65Vbts
ベガ「ハーッハッハッハっ……! 王者の力を見せてやるっ……! 死ねええぇぇっ!」ガッシャーン

バルログ「……ぐはあぁっ!」

ダン「お、おい……」


ワー! ワーワー!

実況「そしてベガはダウンしているバルログに向かって、パイプ椅子を振りかざしていくっ! 振りかざしていくっ! 叩きつけていったぁ!」

元「お~っとっとっと……」


ベガ「フハハハハハっ……! フハハハハハっ……! 死ねえぇっ! 死ねえぇっ!」ガッシャーンッ

バルログ「……うぐああぁっ!」

ダン「お、おいっ……!」

オー! オーオー!

実況「ベガは倒れ込んでいるバルログにパイプ椅子を叩きつけていきますっ! おぉ~っと、連続でいったぁ!」

元「お~、お~」

60: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:30:56 ID:CR65Vbts
ベガ「死ねええぇぇっ!」ガッシャーン

バルログ「……ぐ、ぐわあああぁぁ!」

ベガ「ハハハハっ……! 死ねええぇっ!」ガッシャーン

バルログ「……が、がはああぁっ!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、ベガは相手がバルログだろうと容赦はありませんっ! 一切手加減なしにパイプ椅子でバルログを叩きつけていくっ! ベガは止まらないっ! 止まらないィ!」


バルログ「う、ううっ……」

ベガ「さぁて……もう、まだまだいくぞ……」ググッ

ダン「待ちやがれ、ベガっ……! やり過すぎだっ……!」ガシッ

ベガ「……んあぁっ?」


エー? エーエー?

実況「再び、パイプ椅子を振り上げるベガっ……! あっと、だがしかしここは慌ててレフェリーがベガを止めますっ! ベガの身体にしがみつくかのように飛びついていったぁ!」

元「まぁまぁまぁ、うんうん……ねっ……」

61: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:33:57 ID:CR65Vbts
ダン「落ち着け……落ち着きやがれ、ベガっ……!」グイグイ

ベガ「おいおい、なんだなんだ……何故、止める……? 私は公認凶器を使っているだけだぞ……?」

ダン「いいから落ち着けっ……!」


イイジャネェカ、レフェリー!

実況「ここは、レフェリー……ベガの身体を押しやって、バルログから距離取らせますがっ……!」

元「まぁ、そうせざるを得ないよねぇ……」


ブー! ブーブー!

ダン「やり過ぎだ……やり過ぎだってのベガっ……!」

ベガ「……何がやり過ぎなのだ? 王者というものは、強さを見せる為に存在するのではないのか? そこにやり過ぎなどという言葉はないっ!」

ダン「凶器使って、強さとか言ってんじゃねぇっ!」

62: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:36:47 ID:CR65Vbts
ブー! ブーブー!

実況「え~、少しばかり試合が中断されていると言った所でしょうかねぇ……!? これ、レフェリーが今、現在止めている行為はレフェリーとして当然の事でありますっ! そうですよね……?」

元「そうですそうです」

ブー! ブーブー!

実況「しかし、場内からは……ブーイングですっ! これは、ベガにではなく……ベガを止めているレフェリーに対してのブーイング……ですよね?」

元「そういう事でしょうね……」


ブー! ブーブー!

ベガ「おい、お前が止めているせいで場内が荒れているぞ……? おい……おい……離せ……」

ダン「く、くそっ……やっぱり凶器なんか認めるんじゃなかったっ……!」

63: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:41:00 ID:CR65Vbts
ツーヅケロ ! ツーヅケロ !

実況「あ~っと、あっとあっと……場内からは続けろといったコールが始まりました」

元「おおぉ」

ツーヅケロ ! ツーヅケロ !

実況「確かに……いけ好かないナルシスト野郎がこうやってやられている姿は、スカッとする物があるかもしれませんっ! しかしですよ、しかしっ……!」

元「まぁねぇ……?」

ツーヅケロ ! ツーヅケロ !

実況「これではまるで、場内がベガを支持しているっ……! そういった感じには見えませんかねっ……!?」

元「確かに……完全にシャドルーの試合にはなっています……ひょっとしたら、これがベガ君の洗脳なのかもしれない……」

64: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:44:28 ID:CR65Vbts
ツーヅケロ ! ツーヅケロ !

ベガ「……聞こえないのか? 場内も私を支持している。否定しているのは、お前だけだ」

ダン「ダメだっ……! これ以上は絶対に続けさせねぇっ……! これは没収だっ!」ガシッ


ブー! ブーブー!

実況「あっと、ここでレフェリーがベガからパイプ椅子を奪いましたっ! 奪いましたが……」

元「レフェリーとしては……正しい行為なんだよ!?」

実況「場内からはブーイングっ! ブーイングですっ! そんなレフェリーにブーイングが飛び交いますっ!」


ベガ「わからんヤツだ、フン……まぁ、いい……十分痛めつけた……それなら……」スッ

バルログ「う、ううっ……」


実況「ベガからパイプ椅子を取り上げ、中断していた試合が再開されたといった所か!? ベガは不服そうな表情な表情を見せつつも……そのままダウンしているバルログへと近づいていくっ!」

65: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:47:41 ID:CR65Vbts
ベガ「……ほれ」ガシッ

バルログ「……うぐっ」

ダン「……んっ?」


ザワ……ザワ……

実況「おっと、そしてここでベガはダウンしているバルログの身体を踏みつけていくっ! 片足で踏みつけていくっ! これはこれはこれはっ……!?」


ベガ「……ホラ、フォールだよ。カウントを取ってもらおうか」


ザワ……ザワ……

実況「ここでベガがフォールに入ったっ! フォールに入ったっ! 場内がざわめきますっ!」

元「非常に早いフォールだけど……」


ベガ「……早く、カウント取れ。お前の仕事だろう」

ダン「く、くそっ……! こいつらっ……! 仕方がねぇっ……!」


ザワ……ザワ……

実況「これはこれはこれはっ……! まさかまさかまさかっ……! しかし、レフェリーとしてはこの場面、カウントを取るしかないっ! レフェリーはパイプ椅子投げ捨て、カウントを取りにいったぁ! さぁ、どうなるっ!?」

66: 名無しさん 2016/02/18(木) 23:51:08 ID:CR65Vbts
ダン「ワンっ……!」

ザワ……ザワ……

ダン「ツーっ……!」

ザワ……ザワ……

ダン「……スリ」

バルログ「……くあっ!」ガバッ

ベガ「……おっ?」

ダン「おっ、おおっ! 返しやがったっ! カウントツーだぞっ! カウントツーっ! 決まってねぇ!」


オー! オーオー!

実況「肩があがりましたっ! これ、肩があがりましたよねぇ、元さんっ!?」

元「おおっ、うんっ! 返したねっ!」

実況「おぉ~っと、おっとおっと、何と言えばいいのか……これは一安心と言った所か!? カウントツーでバルログの肩が上がりましたっ! この場面、バルログは返していきますっ!」

82: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:01:14 ID:kIZOafiE
オー! オーオー!

バルログ「う、ううっ……まだ、私は負けませんよっ……!」

ベガ「フハハハ、そうだそうだ…そうでないとなぁ、バルログ……」


実況「再び、繰り返されてしまう事かと思いましたが……ここは一安心っ! 一安心でございますっ! バルログの肩があがったぁ! 試合はまだ続きますっ!」

元「まぁ、前みたいな結果にならなくてよかったよ」

実況「互いに凶器こそは持ち込んではおりますが……どうやら、試合はしっかりと行うようですっ! 試合は続行ですっ!」


ベガ「バルログが立ち上がってくるという事は……」クルッ

ダン「あぁっ……?」

ベガ「再び、このパイプ椅子の餌食にしてやらねばならんな……よっと……」ググッ

ダン「あっ……! ダ、ダメだよおいっ……! 凶器はいけねぇだろがっ……! 凶器攻撃は反則だろうがっ……!」


オー、オーオー

実況「あっと、ここでベガはバルログに背を向け……そして、再びリング上に転がっているパイプ椅子を拾いにいきますっ! ベガが凶器を手にしましたっ! 再び、凶器を手にしましたっ!」

元「おっと、でもレフェリーは止めにいってるねぇ」

83: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:08:43 ID:kIZOafiE
ダン「凶器はダメだっ……! これは、没収だよっ……!」ググッ

ベガ「離せっ……! 奴だって、手に凶器を持っているっ! それならおあいこだっ! 私にもこれを使う権利があるっ!」ググッ


実況「レフェリーはそんなベガを制止しに行きましたっ! ベガの持つパイプ椅子を掴みかかり……なんとか、没収しようとしていますっ!」

元「……でも、ベガ君も引かないねぇ!」


ダン「離せっ……! 離しやがれ、この野郎っ……!」グイグイ

ベガ「離すのは貴様の方だっ……! これは私の凶器だっ……! 邪魔をするなっ……!」グイグイ

バルログ「……う、ううっ」ムクッ


実況「さぁさぁ、ベガとレフェリーはパイプ椅子の取り合いをしておりますっ! 互いに掴みかかって譲りませんっ!」

元「おっとぉ! バルログ君がっ!」

実況「おぉ~っと、その間にバルログが立ち上がってくるっ! 立ち上がってくるっ! パイプ椅子を叩きつけられダメージは受けているようだが……今、ゆっくりと立ち上がってくるっ!」

84: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:15:20 ID:kIZOafiE
ベガ「……邪魔だ、この小童がっ! ええいっ!」ブンッ

ダン「しまったっ……! 奪われたっ……!」


実況「あ~っとっ! ここでベガが強引レフェリーからパイプ椅子を奪ったっ! 力任せにパイプ椅子をもぎ取っていったぁ!」

元「あ~っと、結局取られちゃったかっ……」


ベガ「フハハハ……これさえあれば……これさえあれば、もう負けん……フハハハ……」ズガズガ

バルログ「う、ううっ……」ムクッ


オー、オーオー

実況「再びパイプ椅子を手にして意気揚々とバルログに向かっていくベガっ! バルログの体勢はまだ整ってないかっ!? まだ整っていないかっ!?」

元「う~んっ!」

85: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:20:20 ID:kIZOafiE
ベガ「立ち上がった所、申し訳ないが……再び、眠ってもらうぞっ……! フハハハっ……!」

バルログ「くっ……! させませんよっ……! ヒャオっ……!」シュタッ

ベガ「……ぬっ!?」


実況「あっと、いやしかしここは、バルログも素早く体勢を立て直すかっ!? そしてその場で垂直に大きくジャーンプっ!」

元「おっ!?」


バルログ「……ヒャオォォッ!」ガッシャーンッ

ベガ「ぐあぁっ……! なんだとっ……!?」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そして、向かってきたベガの手にしているパイプ椅子に向かって、蹴りを打ち込んでいくっ! ジャンプキックだっ!」

元「おぉ~っと、パイプ椅子に打ち込んだかっ!?」

実況「パイプ椅子越しに蹴り受けたベガっ……! おっと、これは蹴りを打ち込まれた事によって、自身の顔面にパイプ椅子がぶつかってしまったかっ! ベガはそのままダーウンっ! ダウンしていきますっ!」

86: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:27:15 ID:kIZOafiE
ベガ「ああっ……くそっ、バルログ……ふざけやがって……」ガクッ

バルログ「……美しく返せたでしょうかねぇ!? 皆さんっ!?」


ワー! ワーワー!

実況「ここはバルログが牙を剥きましたっ! 牙を剥いていきましたっ! シャドルーの総帥であるベガに対して、牙を剥いていきましたっ! ベガに見舞っていきますっ!」

元「これは、もう普通のタイトルマッチをするのかな?」


ダン「おっ……! 椅子手放しやがったなっ!? よし、今のうちだっ!」ズザーッ


実況「徐々に普通の試合に近づいていると言ってもいいでしょうっ! ダウンしたベガは手にしていたパイプ椅子を手放したっ! そしてそれを間髪入れずにレフェリーが蹴りやって場外へと放り出していっておりますっ!」

元「おっ……! リング上から、凶器が一つ消えましたよ!」

87: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:33:26 ID:kIZOafiE
ベガ「ううっ……くそっ、バルログめ……私誰だと思っている……」

バルログ「ベガ様相手だろうが容赦はしません……私だって、ベルトは欲しいのです……決めますよ……」ジリジリ


実況「さぁ、リング上に残る凶器はバルログが持ち込んだあの左手の鉤爪のみだっ! あれさえなくなれば、これはまともなタイトルマッチとして機能しそうだっ!」

元「バルログ君の様子を見てると、前のような試合にはならないだろうしね」

実況「さぁ、バルログはダウンしているベガの様子を見ながら……ここでジリジリと後退していくっ! 少々距離を取っていくっ!」


バルログ「美しく……決めてやりますよ……この鉤爪でねっ……!」スリスリ

ダン「やっぱり凶器なんざ最初から認めちゃいけなかったんだっ……! 残る凶器は、バルログのあれだけだっ……! うおおぉぉっ!」


オー! オーオー!

実況「あ~っと、しかしここでバルログは……その鉤爪に頬擦りをしているっ! 頬擦りをしているっ! これはこれは……ベガの起き上がりに合わせて狙っているかっ!?」

元「狙ってますねぇ……あっ、でもレフェリーが来ましたよっ!?」

88: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:41:06 ID:kIZOafiE
ベガ「うう、ううっ……くそったれのバルログめ……」ググッ

バルログ「ベルト……頂きますよっ……! 狙いますっ……!」

ダン「おいっ……! おいコラ、バルログっ……!」ズガズガ

バルログ「んあぁっ……!? 何です……!? 今いい所なんですっ!」


実況「ゆっくりと立ち上がろうとしているベガにバルログは狙いを定めているっ! だがしかし、ここでレフェリーがバルログの元へとやって来たぁ!」


ダン「やっぱり、その凶器はダメだっ……! 認めねぇっ! 外せっ!」

バルログ「許可は出ているはずですっ! こんなタイミングで……今更、認められるとでも思っているのですかっ!? 邪魔ですっ!」

ダン「うるせぇ! ここでは俺がルールだっ! 外せって言ってんだ、ゴラァ!」グイグイ


ブー! ブーブー!

実況「そしてレフェリーが両手でバルログの左腕へと掴みかかったぁ! この場面っ……! レフェリーは制止しようとしていますっ! バルログが行おうとしている凶器攻撃を制止しようとしていますっ!」

元「レフェリーとしては、正当な行為なんだよ、コレっ!?」

実況「だがし、場内からはブーイングっ! そんなレフェリーに対して大ブーイングっ! どうしたっ!? 場内もシャドルー色に染まってしまったかぁ!?」

89: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:47:29 ID:kIZOafiE
ベガ「完全にシャドルー追放物だっ……! くそおぉっ……!」ムクッ


レフェリー! トメルナー!

実況「ここでベガが立ち上がるっ! 立ち上がってくるっ! バルログとレフェリーはまだ取っ組みあっているっ!」


バルログ「手荒な事はしたくはありませんが……邪魔ですっ……! こんなチャンスは逃せないんですよっ! 退けっ!」ドンッ

ダン「……うおおっ!」ドテッ


オー! オーオー!

実況「あ~っと、しかしここでバルログが突き飛ばしたっ! レフェリーを突き飛ばしていきましたよっ!? レフェリーは倒れ込みますっ!」

元「おおぉっ!」

90: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:53:27 ID:kIZOafiE
バルログ「もう邪魔する者はいませんっ……! 決めますっ……!」ググッ


実況「レフェリーの制止を振り払ったバルログは、そのまま背後のロープの反動で勢いつけて……そのままベガへと突っ込んでいくっ!」

元「いったぁ!」


オー! オーオー!

バルログ「ヒャオっ……!」ゴロンッ


実況「突っ込んでいったバルログはそのままリング中央で前転していくっ! 回転していくっ!」

元「おおっ」


オー! オーオー!

バルログ「ベルトは頂きますっ……! 決めますよっ……! ヒョオオオォォッ……!」シュタッ


実況「そして、そのままベガに向かって飛び込んでいくっ! 鉤爪を装着している左手を振りかぶっていくっ!」

91: 名無しさん 2016/02/19(金) 22:59:35 ID:kIZOafiE
バルログ「ローリングクリスタルフラッシュですっ……! ヒャオオッ!」ブンッ

ベガ「……くううぅぅっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そしてベガの喉元目掛けてその鉤爪を……」


ベガ「……甘いはバカめっ!」ササッ

バルログ「……何っ!?」スカッ


アー、アーアー

実況「あ~っと、しかしここはベガっ……! よく見ている……よく見ているかっ!?」

元「あ~っと、よく見てる」

実況「勢いよく飛び込んで来たバルログでしたが……ベガはその動きに合わせて、身体を逸らしていきますっ! バルログの左腕は空を切ったぁ!」

92: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:07:20 ID:kIZOafiE
バルログ「……く、くそっ!」シュタッ

ベガ「王者の力を甘く見てはいかん……バルログ……」ズガズガ


実況「バルログは着地っ! おっと、攻撃を避けたベガはそんなバルログの側面から近づいていくっ!」


ベガ「……フンっ!」ガスッ

バルログ「……くあっ」ヨロッ


実況「そのままバルログのストマックっ……! 脇腹あたりへと拳を打ち込んでいくベガっ! バルログの動きを止めるっ!」


ベガ「私を甘く見るなよ……? バルログ……」ググッ

バルログ「……くっ!」


実況「さぁ、バルログと横並びのようになったベガは……そのままバルログの首に自身の両腕を巻きつけていきますっ!」

元「う~ん、避けられちゃったか……」

93: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:13:57 ID:kIZOafiE
ベガ「そらっ……! フライングメイヤーだっ……!」グルンッ

バルログ「……くあっ!」ドシーンッ


実況「そのままバルログの身体を前方へと一回転させて転がしていくベガっ! バルログの身体が尻餅をつくようにマットへと落ちたぁ!」

元「フライングメイヤーです」


バルログ「く、くそっ……」

ベガ「お~っと、間髪入れずにいくぞ……そらそらっ……!」シュルッ

バルログ「……ガ、ガガ」


実況「前方にバルログの身体を転がしていったベガは……おっと、間髪入れないっ! そのまま腰を落とし、へたり込んでいるバルログの首筋へと腕を絡みつけていったぁ!」

元「そのままスリーパーホールドにいきましたね」

94: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:20:21 ID:kIZOafiE
ベガ「そらそらそらそら……呼吸が出来んだろう……呼吸はが出来んだろうっ……!」ググッ

バルログ「……ガ、ガガっ!」


実況「バルログの背後から頚動脈を締めて呼吸を止めていくベガっ!」

元「……腐っても、王者ですね」


ベガ「お前……今日、いい物持って来てるなぁ……それいいなぁ……羨ましい……」ググッ

バルログ「……ガ、ガガ」

ベガ「私のは没収されてしまったからなぁ……頂くぞ、おいっ……!」ガシッ


ザワ……ザワ……

実況「あっと、待って下さいっ……! ベガは左腕をバルログの首筋に巻きつけながら……今度は右腕で、バルログの左手掴みましたよっ!?」

元「あ、あれっ……!?」

95: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:25:35 ID:kIZOafiE
ベガ「お前の物はシャドルーの物……シャドルーの物は私の物だ……献上して貰うぞ、バルログっ……!」グイグイ

バルログ「ガッ……ガッ……これは……ガッ……」

ベガ「んあっ……? どうなってんだ、これは……なかなか外れんぞ……」グイグイ


ザワ……ザワ……

実況「元さん、これはベガは……!?」

元「バルログ君の凶器を奪おうとしていますねぇ、はい」

実況「なんという男だっ! なんという男だっ! とことん凶器にこだわる男、ベガっ! 自身の持ち込んだパイプ椅子では飽き足らず……今度はバルログの持ち込んだ凶器に狙いを定めたぁ!」


ベガ「寄越せっ……! 寄越せよ……!」ググッ

ダン「あっ……! あの野郎っ……! 今度はそれか、ちくしょうっ……! うおおおぉぉっ!」


実況「さぁ、バルログの持参した凶器がベガの物へとなってしまうのかっ!? あっと、しかしここでバルログに突き飛ばされ倒れ込んでいたレフェリーが気づいたかっ!? 今、起き上がり慌ててベガの元へと駆け寄りますっ!」

96: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:28:42 ID:kIZOafiE
ダン「何やってんだ、オラっ……! ベガっ……! 止めろっ……!」

ベガ「お前が寝ていたから、代わりに私がコイツのこの卑怯な凶器を没収してやろうとしているのだっ……! ほら、寄越せっ……! なんだ、こりゃ……外れんぞ、どうなっているんだっ……!?」グイグイ

ダン「そういうのはいいからっ……! 俺がやるから……俺がやるってのっ……!」


オー! オーオー!

実況「さぁ、ここでレフェリーが必死にバルログから凶器奪おうとしているベガを制止しようとしますっ! なんとか止めようとしていますっ!」

元「あれがベガ君の手に渡っちゃったらまた大変な事になるよっ!?」

実況「しかし、ベガは止める素振りを一切見せませんっ! 一切見せませんっ! バルログの凶器を自身の者にしようとしているゥ!」


バルログ「私の凶器がっ……! くそっ……!」スポッ

ベガ「よ~しっ、抜けたぞっ……! お~っとっとっとっ……!」ドテッ

ダン「う、うおっ……! なんだなんだっ……! おおっ……!」ドテッ


ザワ……ザワ……

実況「あ~っと、そしてここでベガの身体が後方へと倒れ込んだっ! お~っと、ベガの身体に掴みかかっていたレフェリーも巻き込まれて倒れ込みますっ! ベガとレフェリーがマットへと倒れ込んだぁ!」

元「ちょっと待ってっ! バルログ君の凶器、奪われたんじゃないっ!?」

97: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:31:16 ID:kIZOafiE
ベガ「ハーッハッハッハ! 新しい凶器を手にしたぞ……これだ、これこれ……パイプ椅子よりも素晴らしい凶器ではないか……ハーッハッハッハっ!」ムクッ


ザワ……ザワ……

実況「ベガが立ち上がってくるっ! そして、その手にはバルログが装着していたあの鉤爪が握られているっ! 握られているっ! バルログの左腕からすっぽ抜けてしまったかっ!?」

元「お~いおいおいっ! 渡っちゃったよっ!」


ダン「没収が目的だったんだよなっ!? 没収が目的だったんだよなぁ、なぁっ!?」ムクッ

ベガ「……ぬっ?」

ダン「だったら、俺が預かっておいてやるっ……! だから、それ俺に寄越せっ……! なぁっ!?」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っと、しかしここでレフェリーも慌てて立ち上がり、その凶器を自分に渡せと言わんばかりにベガに手を差し出しますっ! レフェリーも必死ですっ!」

元「うんうん、回収しなきゃ!」

98: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:34:37 ID:kIZOafiE
ワー! ワーワー!

実況「前回の王者戦、サガットはベガにワザと負けるといった試合内容だったが、今回の王者戦は違うっ……! バルログは戦っているっ! ベガも戦っているっ!」

元「そうですっ!」

ワー! ワーワー!

実況「入場時にはベガはパイプ椅子、バルログは鉤爪と互いに凶器を持ち込んでは来ましたが……リング上にはもうパイプ椅子はないっ! 残された凶器はあの鉤爪だけですっ!」

元「そうですっ!」

ワー! ワーワー!

実況「ここでベガがレフェリーにあの鉤爪を渡せば……リング上からは全ての凶器がなくなり、正当な試合……正当な王者戦となり得る試合なのですこれはっ!」

元「そうですよっ!」

ワー! ワーワー!

実況「ベガっ……! お前がここでそれをレフェリーに渡せば、全ては丸く収まるのだっ! 渡せっ! 渡すのだっ! お前の最後の良心をここで見せてくれっ!」

99: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:36:39 ID:kIZOafiE
ベガ「……やかましいわ、大馬鹿者め」ゲシッ

ダン「……うげええぇぇっ!」ドテッ


オー! オーオー!

実況「なんという事だっ! なんという事だっ! ここでベガはレフェリーへと前蹴りっ! レフェリー蹴飛ばしていきますっ!」

元「あぁ……まぁ、ベガ君を信じちゃいけなかったね……」

実況「良心は残っていなかったっ! ベガに良心は微塵もっ……! 一欠片も残ってはいなかったぁ!」


ベガ「ハハハ……確か、スイッチングクロー……だったかな……?」スチャッ


ザワ……ザワ……

実況「ベガは満足気な表情をしながら、その左腕に鉤爪を装着しますっ! 装着していきますっ! 再びベガが凶器を手にしたっ!」

元「いやぁ、まだだよっ……! こうなりゃ、バルログ君の粘りに期待しようっ!」

100: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:39:04 ID:kIZOafiE
バルログ「う、ううっ……」ググッ

ベガ「自らの凶器で沈むがいい……それが私に刃向かった罰だ……」ジリジリ


バルログー! バルログー!

実況「ここでバルログがゆっくりと立ち上がってくるっ! しかしベガはそんなバルログに狙いを定めつつ……ジリジリと後退していくっ! 後退していくっ!」

元「凶器攻撃っ……! 狙ってるよっ……!?」


バルログ「……くっ!」ムクッ

ベガ「ハーッハッハッハっ……! ローリングクリスタルアタックだっ……!」ズガズガ


バルログー! バルログー!

実況「バルログが立ち上がると同時に……ベガがバルログに向かってゆっくりと突っ込んでいったぁ! 鉤爪でバルログ狙っているっ!」

101: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:41:33 ID:kIZOafiE
ベガ「自らの凶器で死ねえええぇぇっ……! あ~っとっとっと……」ググッ


バルログー! バルログー!

実況「さぁ、そしてベガが凶器を装着した左腕を大きく振りかぶり……!」


ベガ「お~い。バルログ……ちょっと、屈め……悪いがちょっと屈んでくれ……」クイクイ

バルログ「あっ、はい。わかりました」ググッ


ザワ……ザワ……

実況「……んっ?」

元「……あぁ?」


バルログ「こんなものでよろしいでしょうかね……?」

ベガ「よしよし、それでいいそれでいい……それじゃあ、いくぞ……」

バルログ「は~い、お願いします」

102: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:44:06 ID:kIZOafiE
ベガ「それでは改めて……自らの凶器で死ねえええぇぇっ……!」ググッ

バルログ「くっ……くうぅぅっ……!」

ベガ「……トーンっ!」トーンッ

バルログ「……ぐわあああぁぁ!」バターンッ


ザワ……ザワ……

実況「え~、そしてここでベガがバルログの喉元へ鉤爪突き刺していったのですが……え~、元さん……?」

元「……」

実況「……今、変な間がありませんでしたかねぇ?」

元「……あんにゃろう」

実況「私、一瞬ベガはバルログに何かもう少し体勢を低くしろ……なぁ~んてジェスチャーをしたかのように見えました。そしてバルログはそれを見て……体勢を屈めた……そのような……」

元「……まぁ~た、やりやがったかっ! ちくしょうっ!」

103: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:47:09 ID:kIZOafiE
ベガ「ハーッハッハッハ! 決まったなぁ! これは完全に決まっただろう、ハーッハッハッハ!」ググッ


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「という事は、今のはやはり……!」

元「サガット君の時と同じだよ、こんちくしょうっ! バルログ君とベガ君……今、完全にやってたよっ!」

実況「なんという事だっ……! なんという事だっ……! ベガの横暴が再び繰り返されてしまいましたっ! ベガとバルログ……恐らくこれは前回の王者戦と同じように裏で繋がっていたのでしょうっ!」


ベガ「ハーッハッハッハ! この凶器は……もういらん……」ポイッ


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「左腕に装着された凶器を外し、マットへと投げ捨てたベガっ! おぉ~っと、場内からブーイングが飛んでいるっ! どうやら場内も今の不自然なやりとりに気づいているようだっ!」

104: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:50:12 ID:kIZOafiE
ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「お~い、いつまでも寝てるな……起きろ、馬鹿者め……」ゲシッ

ダン「……ぐっ」


実況「しかし肝心のベガは気にする素振りを見せないっ! 一切見せないっ! ここでダウンしているレフェリーの頭部を蹴りつけ、意識引き戻していきますっ!」


ベガ「ほら、両手を見ろ……? もう凶器は、外したぞ……? 凶器なんか使ってないぞ……?」ヒラヒラ

ダン「……確かに」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「あ~っと、そしてここでベガは自身の両腕をレフェリーに見せつけるようにアピールし……これ、凶器を装着していないとあぴーしているんでしょうかねぇ!?」

元「そりゃ、もうあの凶器は用済みでしょうにっ!」

105: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:52:40 ID:kIZOafiE
ベガ「それよりレフェリー……フォールにいくぞ。ほら、お前の仕事だ……カウントを取れ……」ガバッ

ダン「……お、おう。わかった」


レフェリー、ヤメロー!

実況「この辺り、ベガに抜かりはありませんっ! 先ずはレフェリーの意識確認して……そして、凶器も捨ててから……フォールに入りますっ! 今、ベガはバルログの身体に覆い被さりフォールに入ったぁ!」

元「しかも、肝心のあのシーンは……レフェリー、見てないんだよ。もしかしたら、そこも計算だったのかもしれないねぇ……?」


レフェリー、フザケルナー!

ダン「んっ……? なんだなんだ……?」

ベガ「余計な事を気にしているとバルログが起きてしまうだろうっ……! おいっ……! 早くカウント取れっ……! 私はフォールしているぞっ!」

ダン「お、おうっ……!」


実況「あ~っと、騒動に気づいていないレフェリーはここでカウントを取るっ! 取り始めるっ……! ダメだっ……! これはダメだっ……!」

元「バルログ君も返さないよこれはっ!」

106: 名無しさん 2016/02/19(金) 23:54:50 ID:kIZOafiE
ダン「ワンっ……!」

ブー! ブーブー!

ダン「ツーっ……!」

ブー! ブーブー!

ダン「スリーっ……! って、えっ……!? ちょっと、早すぎねぇか……!? まさか……」

ベガ「ハーッハッハッハっ! また勝ったぞっ! また防衛したぞっ! ハーッハッハッハっ!」


ブー! ブーブー!

実況「しかし、ここで決まってしまったぁ……! 三つのカウントが入ってしまったぁ! バルログは返しませんっ! 返しませんっ!」

元「……最初に色々やってたのも、全部フェイクだったんだね」

119: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:00:28 ID:HuL07dRI
ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「これにて、試合は終了だ……ゴングの要請はどうした? お前の仕事だろう、レフェリーっ……!」

ダン「く、くそっ……! スリーカウント、決まっちまったもんは仕方がねぇ……とりあえず、ゴングを鳴らせゴングをよぉ! 試合終了だっ!」


カンカンカーン


実況「さぁ、ここでレフェリーが試合終了のゴングを要請しますっ……! そしてゴングが鳴らされます……がっ……!」

元「……ちっくしょう!」

フザケンジャネェー! マタカヨー!

実況「おぉ~っと、聞いて下さいよ元さんっ! 場内からのこのブーイングっ! このブーイングをっ!」

元「そりゃ、そうもなるよねぇ……」

120: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:06:38 ID:HuL07dRI
ブー! ブーブー!

ダン「あぁ、ちくしょう。やっぱりだ……やっぱりこうなっちまったかっ……!?」キョロキョロ

ベガ「おぉ~い、バルログ……もう、起きてもいいぞ……? 大丈夫だったか……?」

バルログ「……はい。大丈夫ですよ」ムクッ


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「あ~っと、そしてここで今バルログがあっさりと立ち上がりましたっ! 立ち上がりましたよっ!? やはりバルログ……スリーカウントで返さなかったのは……」

元「……どうやら、今回も前回と同じ展開になっちゃったみたいだね」


ダン「くそっ、凄まじいブーイングだっ……! なんとか俺が纏めねぇと……」

ベガ「おぉ~っと、レフェリー……私が纏めてやろう……マイクを寄越せ……」ガシッ

ダン「あっ……! おいっ……!」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「あ~っと、そしてここで……この荒れた場内をなんとかしようとレフェリーがマイクを取ってきたのですが……ベガがそのマイクを奪いましたっ!」

121: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:17:04 ID:HuL07dRI
ベガ「静まれ……静まれ……わかっているぞ……諸君らの不満……私にはわかっている……とりあえず、静まってもらおうか……」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、そしてここでベガが語り始めますっ! とりあえず、場内静まるようにと要求していますが……それでもブーイングはまだ続きますっ!」

元「そりゃ、当の本人がこの騒動を引き起こしているんだからね!」


ベガ「チィ、やかましい奴らめ……まぁ、いい……おい、バルログ……来い……こっちへ来い……」クイクイ

バルログ「……ハッ」


実況「おっと、そしてここでマイクを握ったベガがバルログに手招きしますっ! そしてバルログもベガの元へと近づいていくっ!」

122: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:21:27 ID:HuL07dRI
ベガ「説教タイムだ。聞く体勢という物があるだろう……わかっているな……?」

バルログ「……ハッ!」ググッ


実況「あ~! おぉ~っと、おっとおっとっ! そしてここでベガに近づいていったバルログは……そのままベガの目の前で片膝をつきますっ! 片膝をついていきますっ!」

元「……完全に服従のポーズじゃないのっ!?」

実況「バルログも犬だったあぁっ! やはりやはりやはりっ……! サガットに続き……バルログもベガの犬だったああぁっ!」


フザケンナー! バルログー!

ベガ「……全く、お前のせいで場内が荒れているではないか、馬鹿者め」

バルログ「……申し訳ありません」

ベガ「その仮面も、もう取れ……全く……」

バルログ「……ハッ」スチャッ

123: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:32:20 ID:HuL07dRI
ベガ「え~っと……あったあった。これだこれだ……」ヒョイッ


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「バルログは王者戦仕様としてつけて来た仮面もここで外したぁ! 完全に降伏ですっ! まさにお手上げポーズっ!」

元「いやいや、降伏もお手上げも何も……歯向かってすらいないからね!?」

実況「あっと、そしてベガはそんなバルログを尻目に……おっと、リング上に転がっていた凶器っ……! 鉤爪を拾い上げましたっ!」


ベガ「諸君らの不満……それは……これだろう……?」ヒョイッ


実況「あっと、そして……ここでベガが口を開きますっ! 場内にその鉤爪を見せつけるようにしながら、口を開きますっ!」

元「いやいやいやいや」

124: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:40:53 ID:HuL07dRI
ベガ「神聖な王者戦にこのような卑劣は持ち込んではいかん……諸君らの不満はそれだろう……?」

ソウジャネェー! ベガー!

ベガ「……全く、お前は何を考えているバルログっ!」ギロリ

バルログ「……申し訳ありませんっ!」

ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「だが、諸君……安心してくれ……卑劣な行為を行ったバルログには、私自らの手で償わせた……」

ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「自らが持ち込んだ卑劣な凶器によって……バルログはこのマットへと沈んだのだ……諸君らの不満っ……! 私自らの手で償わせてやったぞ。安心してくれ」

ソウジャネェー! ベガー!


実況「え~っと……なんと言えばいいでしょうか……!? どうやら、ベガはこの場内のブーイングは、リング上に凶器を持ち込んだ事に対してのブーイングだと……思い込んでいるようですかねぇ!?」

元「そんなワケないでしょうがっ! 誤魔化してるだけに決まってるじゃないっ!」

実況「あぁ、やっぱり……!?」

元「そもそも、ベガ君だってパイプ椅子持ってきたじゃないっ! 何が今更、凶器だちくしょうっ!」

125: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:47:44 ID:HuL07dRI
ベガ「バルログ……お前も、以後気をつけるように……」

バルログ「……ハッ」

ベガ「これは、お前の物だ……返そう……」ポンッ


エー? エーエー?

実況「あっと、待って下さいっ……! 今、ベガは手に持っている鉤爪を再びバルログに渡して……これ返しましたよ!?」

元「……あぁ!?」

実況「これ、なんだか矛盾してませんか……? ベガが卑劣な凶器だと言った鉤爪……それが再び、バルログの手に戻りましたっ! これ、ベガが本当に卑劣な凶器だと思っているのならば、あれは返却するべきではないのではないでしょうかね!?」

元「……あんにゃろう」

実況「それこそリング上で、処分っ! 破壊してしまえば、この荒れた場内の雰囲気も少しばかりは……」

元「だから、違うってのっ! 問題点はそこじゃないっ! 問題点はバルログ君がベガ君にワザ負けたって事っ!」

実況「あ、あぁっ……そうですそうですっ……」

元「それを適当な事を言って、有耶無耶にしちゃおうって魂胆でしょう!」

126: 名無しさん 2016/02/20(土) 22:53:08 ID:HuL07dRI
ベガ「さぁ、これで私の防衛数が一つ増え……二つになったと言う事だな……」ビシッ


ミトメネェゾー! ミトメネェゾー!

実況「さぁ、ここで天高く一本の指を築き上げて……その指の数を増やすっ! 確かに、試合内容は納得の出来る物ではなかったが、結果だけ見れば防衛数は増えたっ! その数、2へと増えたっ!」

元「インチキです。インチキインチキ」

実況「前代未聞のインチキ王者っ! インチキ王者でございますっ! これでいいのか、ベガっ! これで満足なのかベガァ!」


ベガ「フハハハ……この記録……止まる気がせん……今の私は無敵だ……」


ソリャ、ムテキダロウナー! フザケンナー!

実況「リング上で高笑いっ! インチキ王者ベガは高笑いっ! 悪びれる素振り一切見せないっ! 一切見せないっ!」

元「……どういう神経してんだか」

127: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:00:02 ID:HuL07dRI
ベガ「さぁ、そしてここで王者からのお知らせだ……次のタイトルマッチの挑戦者を指名させてもらう……」


実況「お~っと、そしてここでベガが次の挑戦者……挑戦者を指名すると言っておりますっ!」

元「……でもさぁ?」


ドウセ、バイソン、エラブンダロー! シッテルゾー!

ベガ「……ん?」キョロ

バイソンダロー! バイソンダロー!

ベガ「……んっ? んっ?」キョロキョロ


実況「あっと、ここでしかし場内から……もう次の挑戦者が予想されていますっ! 予想されていますよ、コレっ!?」

元「そりゃ、今までサガット君、バルログ君とシャドルー内から挑戦者を指名してきてるんだから……ここはバルログ君になるでしょうよっ!」

129: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:07:01 ID:HuL07dRI
ベガ「バイソンを指名するつもりは……なかったのだが……んっ……?」キョロキョロ


オー? オーオー?

実況「あっ、いやっ……! おっと、違うのかっ!? 挑戦者はバイソンではないのかっ!?」

元「あれ、違うのか!?」


ベガ「やけに、バイソンの名前が聞こえるなぁ……? なんだなんだ……どうしたどうしたっ……?」キョロキョロ


実況「次の相手はバイソンではないっ……! シャドルー内からの指名ではないっ……! という事はこれはこれはこれはっ……!?」

元「いやぁ、安心しちゃいけないよ……? 油断は禁物ですっ!」

130: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:14:02 ID:HuL07dRI
ベガ「よし、わかった……そういう事なら、諸君達のリクエストにお応えするとしようか……次の挑戦者は、リクエストにお応えして……」

アー? アーアー?

ベガ「……バイソンだっ!」ニヤリ


実況「ちょ~っと、待って下さいっ! ちょっと待って下さいっ! ベガの口から指名された挑戦者の名は……」

元「ふざけんなっ!」

実況「やっぱり、バイソンじゃないですかっ!? バイソンですっ! またもシャドルー内からの指名ですっ!」


フザケンジャネー! ヤッパリ、バイソンジャネェーカー!

ベガ「バイソンの名前が聞こえる……なるほど、諸君はバイソンとこの私の試合が見たいという事か……わかったわかった……そういう事ならリクエストに応えてやる……」

チガウゾー! チガウゾー!

ベガ「バイソンも、最近腑抜けているからな……王者戦で一つ活を入れてやらねばならんな……フハハハ! いいだろうっ! 次の挑戦者はバイソンだっ!」

131: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:19:02 ID:HuL07dRI
ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「え~、ベガは場内からのリクエストに応えてバイソンを指名……これ、場内は『バイソンはやめろ』という意味で言っていたのでしょうが……ベガには『バイソン』の部分しか……」

元「あんな都合のいい事だけ聞こえる耳があるかっ! そんなワケないじゃないっ!」

実況「え~、それならば……バイソン以外の、ベガの考えていた挑戦者というのは……」

元「ハッタリだっての! ハッタリっ! いるわけないじゃない、そんなのっ!」

実況「あ~、やっぱりっ……!?」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「さぁ、王者戦は一週間後だ……挑戦者はその間に、準備を行うがいい……」

ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「……私から、ベルトを奪う為にな」

ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「まぁ、どうせ無駄に終わるだろうがなっ! ハーッハッハッハっ!」ニヤニヤ

132: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:29:10 ID:HuL07dRI
ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「元さん、このベガの発言……これはもう、予告インチキ試合と捉えてもよろしいのではないでしょうかね? 殆ど、自分で言っているような物ではありませんかっ!?」

元「まぁ、サガット君、バルログ君こういった試合が続き、再びシャドルー内からの指名……こりゃ、もうねぇ……」

実況「鳴り止まないブーイングっ! 鳴り止まないブーイングでございますっ! なんという王者だっ! これ程までに、意地もプライドもない王者はみたい事がないっ! 防衛数さえ増えれば、試合内容はどうでもいいのかぁ!?」


ベガ「さぁ、レフェリー……上手く纏まったな……ほれ、マイクを返すよ……」ポンッ

ダン「……全く、纏まってねぇ」


実況「おぉ~っと、そしてベガはまるで何事もなかったかかのように、レフェリーへとマイクを返したぁ!」

元「なんだろうねぇ……神経が図太いとか、そういう問題じゃない……うん……」

133: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:34:28 ID:HuL07dRI
ベガ「さて……バルログ、帰ろうか……」

バルログ「……ハッ!」


実況「あ~っと、そしてベガはバルログと共に……引き下がっていきますっ! 引き下がっていきますっ! 今、リングを下りましたっ! 花道の奥へと引き下がっていきますっ! 」

元「ベガ君も勿論だけど……バルログ君も、これでいいのかっ!?」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ベガ「……全く、お前の持ち込んだ凶器のせいでこの状だ。随分と根に持たれてるみたいだなぁ?」

バルログ「しかし、お言葉ですが……ベガ様だって、パイプ椅子を持ち込んだではありませんか?」

ベガ「お~っと、そういえばそうだったな。すっかり、忘れてたよ……その事もあるのか? しまった言い忘れたな、フハハハハ」

バルログ「私だけを悪者にされては困りますよ。フハハハ」


実況「花道を談笑しながら二人で返っていくベガとバルログっ……! ベガとバルログっ……! 悔しいですが……本日も計画は成功と言った所でしょうかっ!?」

元「……悔しいけど、してやられちゃったねぇ」

134: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:40:15 ID:HuL07dRI
ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

ダン「ったく、ベガの野郎。ちょっと、やりすぎなんだよ……次はコーディとガイだぞ……どうすんだよ、おい……」キョロキョロ


実況「さぁ、今ベガとバルログが花道の奥へとその姿を消しましたが……それでもっ……! それでも、鳴り止まないブーイングっ! 鳴り止む事のないブーイングっ!」

元「まぁ、そりゃこうもなるよね……?」

実況「非常に本日のストリートプロレス……荒れ模様へとなってしまいましたっ!」

元「こういう試合があるとね……やっぱり、ホラ……空気が悪くなっちゃうじゃない? そうなってくると、その後の人達に影響出ちゃう事もあるんだよ……」

実況「確かに……こんな空気の中試合をするのは……レスラーも辛い部分があるでしょうっ! 実況している私だってねぇ、少々思う事はありますよっ!」

元「ましてや、今日のメインイベントは初の女子選手でしょ……? 女子選手のメインが控えているんでしょ?」

実況「はい、その通りでございますっ! 本日のメインイベントは春麗復帰戦っ! 挑戦者春麗対王者キャミィのタイトルマッチっ! こちらが控えておりますっ!」

元「そことかに、変な影響が出ないといいんだけどね」

135: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:44:17 ID:HuL07dRI
実況「まぁ、メインイベントまでに会場が落ち着くと言いますか……あ~、落ち着くではないですね。こう、もう少し、いい空気で皆様がエキサイティングしていただければですね……」

元「そうですね。第零試合はこうなっちゃったけど……ここから盛り返していく事に期待しましょう」

実況「改めまして試合結果をお伝えしますっ! 第零試合、バルログVSベガは……ベガの勝利となりましたっ! 王者ベガ……二度目の防衛ですっ!」

元「この政権もなんとかしていかなきゃいけませんね……」

実況「その通りっ! それでは、改めまして本日のストリートプロレス……その対戦カードを発表していきましょうっ!」

元「はい」

実況「画面をご覧下さい……本日の対戦カードはこのようになっておりますが……元さんが、注目されるカード……何かあったりしますか!?」

元「まぁ、そりゃやっぱりさっきも言ったけどメインイベントの……」

136: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:49:01 ID:HuL07dRI
ーーー


ベガ「いや~、終わった終わった……」

バルログ「……お疲れ様です」

バイソン「ベガ様、バルログちゃん、お疲れさんっ!」

サガット「……少し、やり過ぎだったのではないでしょうか?」

ベガ「フハハ、そうだな。思ってたより会場のノリがよかった……普段の第一試合より入ってたから、気合を入れた結果がコレだよ……とりあえず、後はダン君に任せるよ……」

サガット「ダンさんが纏めるのもありますけど……次は、コーディとガイですよ……?」

ベガ「そこは、ジミー君とディージェイ君で……なんとか、な……? それに、こっちにも事情があるんだよ……」

サガット「事情……というのは……?」

137: 名無しさん 2016/02/20(土) 23:51:53 ID:HuL07dRI
ベガ「第一試合で盛り上げる事なんて不可能だ……なんて、文句を言われてるんだよ……」

バルログ「えっ……? それは、コーディ君とガイ君が……?」

バイソン「……あいつらも言うようになったねぇ」

ベガ「あ~、いや……その二人ではない……その二人では……」

サガット「となると……ディージェイ君……?」

ベガ「まぁまぁ、誰が言っただかはどうでもいいじゃないか……とにかく、な……私が第一試合で、何処まで出来るか……少し試してみようと思った部分もあるんだよ……」

サガット「……はぁ」

ベガ「一つ、前例作っておけばいい……この前のベガの試合は、第一試合で荒れだけ盛り上げる事が出来たんだから……お前達だって、出来る事なんだ……そういった前例を作っておきたかったんだよ」

バイソン「だから、今日派手目だったんっすね」

ベガ「まぁ、やり過ぎた部分は少なからずあるだろう……これと同じ事したら、それはそれは問題だよ。加減は難しいな、フハハハ」

147: 名無しさん 2016/02/21(日) 22:00:30 ID:xKMoajAk
ベガ「現状の王者戦はこういった無気力試合を行うというストーリーですすめているが、だからと言って手を抜いていいと言うワケではない。無気力試合であろうが、それなりの見せ場……そういった物が要求されてくる。手を抜いていいというワケではない……」

サガット「……勿論です」

ベガ「次の王者戦はバイソン、お前だ……価値のある無気力試合……してもらうぞ……?」

バイソン「任せて下さい。順番からいけば俺ですからね。でも、俺の次はどうなるんですか?」

ベガ「……んっ?」

バイソン「サガットちゃん……バルログちゃん……俺と続き、これで一応シャドルー一巡って形にはなりましたよね……? だったら、俺の次は……?」

サガット「……また、俺に戻るんですか?」

バルログ「それとも空手軍団を出すのか……」

ベガ「まぁ、とりあえずはバイソン戦の出来次第だろうな……一応プランは色々とある……空手軍団登場も勿論の事、サガット二巡目もある……シャドルーに新メンバー加入したっていい」

バイソン「……はぁ」

ベガ「お前の試合で、その反応を伺ってみる事にするよ。とりあえずは、一週間後だ……なっ……?」

148: 名無しさん 2016/02/21(日) 22:05:30 ID:xKMoajAk
ーーー


さくら「はぁっ、はぁっ……あっ、ユンさん遅れてすいませんっ……!」ドタバタ

ユン「遅っえよ、プロデューサーっ! 何やってんだよ、試合始まっちゃうだろがっ!」

さくら「あ~、え~っと、すいませんすいません……今日は女子部の事もあるんでね……ちょっとそっちの方に時間とられちゃったんですよ……」

ユン「女子部があるのはわかるけどさぁ……? 俺のプロデューサーでもあるんだろ? だったら、こっちにもちゃんと時間とってくれよ」

さくら「あ~っ、もうっ……! だから、こうやってきたじゃないですか……ねっ……!?」

ユン「まぁ、来てくれたからいいけどさぁ……? それで、何っ……? また、何か変更点とかあるの……?」

さくら「いや、変更点は特にないです……その辺りは、打ち合わせ通りに……打ち合わせ通りにいきましょう」

ユン「……ふ~ん」

149: 名無しさん 2016/02/21(日) 22:16:42 ID:xKMoajAk
さくら「ちょっと一つ言いたい事が今回ありまして……」

ユン「……何、何?」

さくら「前回のベガさんへのアピール……あったじゃないっすか……?」

ユン「……あの人、本当に見る目がないよなぁ?」

さくら「まぁまぁまぁ……ベガさんの考えは自分もわからない部分はあるんすが……それでも、さっきの試合……何と言うか、結構湧いてたじゃないっすか? 見てました?」

ユン「ふざけやがって……完全に当てつけじゃねぇかよ、馬鹿野郎……」

さくら「でも、結果だけ見たら……その、第一試合でも沸かす事……出来てません……?」

ユン「……」

さくら「だから、自分も……無理な話じゃないとは思うんすよ……」

150: 名無しさん 2016/02/21(日) 22:30:10 ID:xKMoajAk
ユン「……じゃあ、俺も同じようにしていいの? 今日、パイプ椅子持って入場する?」

さくら「……そうじゃないっすよ」

ユン「さっきの試合、なんで沸いたかって……そりゃ、ベガさんとバルログさんは人気レスラーだからじゃん……? だからこそ沸いたんでしょ?」

さくら「……一理、ありますね」

ユン「試合内容だけ見てみろよ……? なんだよ、アレ。酷いもんだよ。凶器チャンバラごっこしてさ……結局まともな事してないじゃん!? 入場とマイクだけで持っていったような、もんだろ!?」

さくら「……う~ん」

ユン「当てつけのつもりなんだろがさぁ……? ベガさんと俺……これ、人気が違うだろっ!? 最初から土俵が違うだろ!?」

さくら「……そうっすが」

ユン「俺だって、同じだけの人気がありゃ、沸かす事ぐらい簡単だよ。今は、その為にプロデュースしてくれてるんだろ? ねぇ、さくらさんっ!?」

さくら「……はい、そうっす」

ユン「その意見をさぁ……却下却下却下却下……それじゃあ、進まねぇだろがっ! 先ずは俺を押せっ! そしたら結果残してやるよっ!」

153: 名無しさん 2016/02/21(日) 22:38:45 ID:xKMoajAk
ユン「俺、プロデューサーは押しが弱いと思う……」

さくら「……えっ!?」

ユン「女子部と同じだけ……俺の事、真剣に考えてる……? 考えてないでしょ?」

さくら「いやいやいやいや……そんな事はないっすよ……」

ユン「いや、そんな事はない……俺の事は何処か片手間でやってるよ……」

さくら「そんな事はないっすよ……」アセアセ

ユン「今日は女子部がメインで……それで、そこに空手軍団とナッシュさんも絡ませるんだろ?」

さくら「……それは、別問題じゃないっすか」

ユン「だから、俺言ってるじゃん? 俺と女子部絡ませてウィンウィンの関係にしていくのもありなんじゃないかってさ……? なんで、俺は不参加なの……? なぁなぁ……?」

さくら「ウィンウィン……うん、ウィンウィンね……うん……」

154: 名無しさん 2016/02/21(日) 22:47:14 ID:xKMoajAk
ーーー


ブー、ブーブー

ディージェイ「試合が終わっても、鳴り止まないブーイング……オーノー、まだ聞こえてるよ……」

ブランカ「……そうですねぇ。入場になったら止まるんじゃないですか?」

ディージェイ「Mr.コーディとMr.ガイのダメダメボーイズ達も緊張しているんじゃないかな……? ここは、ミーが一つアドバイスでもしてあげようかな……? まだ、間に合うんじゃないかな……?」ウキウキ

ブランカ「そういう事はダルシムさんが言っているので、大丈夫だと思います。人にアドバイスができる程……貴方は技術を身につけたんですかね、ディージェイ君……?」

ディージェイ「Mr.ブランカ……これは、技術の問題ではない……気の持ちようだ……」

ブランカ「……んっ?」

ディージェイ「そうっ……! あれは、エイジ762年の出来事だっ!」

155: 名無しさん 2016/02/21(日) 22:57:23 ID:xKMoajAk
ディージェイ「そこに一人の男がいた。男の名はMr.ディージェイっ! ミュージックファイターディージェイとは……また別人……彼は、ミュージシャンMr.ディージェイだっ!」

ブランカ「762年は、君ミュージシャンだったんですね」

ディージェイ「Mr.ディージェイはファンキーなサウンドを奏でる事によって、人々を熱狂させていた……その日も彼は、Liveを控えてたんだ……」

ブランカ「……ほうほう」

ディージェイ「だがしかし、そこ一つのトラブルが起こるっ!」

ブランカ「……ほ~う」

ディージェイ「……機材トラブルだ」

ブランカ「あ~、やっぱりそういう事もあるんですねぇ……」

156: 名無しさん 2016/02/21(日) 23:04:41 ID:xKMoajAk
ディージェイ「その機材トラブルによって、Liveをスタートさせる事が出来ないっ……! 開始時刻を10分過ぎてもトラブルは続いているっ……! 20分過ぎてもトラブルは続いているっ……! 30分過ぎてもトラブルは続いているっ……!」

ブランカ「30分遅れは……大変ですねぇ……」

ディージェイ「30分なんてもんじゃないっ……! 結論から言うと、機材が復旧する為に一時間かかってしまったんだっ! 何をしているバカスタッフっ! 予備の機材はないのかっ……!? プロフェッショナルのスタッフがモタモタ何をしているっ!?」

ブランカ「……え~、一時間は大変だ」

ディージェイ「そのケツを蹴飛ばして、お仕置きホテルにチェックインさせてやるぞっ! xxxxing !」

ブランカ「あ~、君でも腹立てる事って、あるんですね……」

ディージェイ「怒りに燃えていたのはMr.ディージェイじゃない……ファンだ……」

157: 名無しさん 2016/02/21(日) 23:11:44 ID:xKMoajAk
ディージェイ「始まるはずのコンサートが、30分経っても……一時間経っても始まらないっ……! その怒りは当然だっ! なんの為にここに来たっ!? ファンキーな時間をミーと共有する為だろうっ!?」

ブランカ「……一時間はねぇ、キツい」

ディージェイ「ハヤクハジメロっ! イツマデマタセルンダコラっ! ブーイングなんてもんじゃないっ! 怒号が飛ぶんだっ!」

ブランカ「……アハハ」

ディージェイ「なんだ、ここは……? ミーはここでコンサートを開くんじゃなかったのかな……? あれ、会場間違えたかな……? ここはデモ会場かな……?」キョロキョロ

ブランカ「……ハハハ」

ディージェイ「オ、オウ……でも、政治の話はあまりしてない……ミュージックの話をしている……やっぱり、ここがLive会場だ……Mr.ディージェイはこのデモ会場で、ミュージックを奏でていくんだ……」

158: 名無しさん 2016/02/21(日) 23:16:35 ID:xKMoajAk
ディージェイ「最初の10分……20分はメンバーもスタッフに怒っていた……早く復旧させろと怒鳴っていた……」

ブランカ「……想像つきますよ」

ディージェイ「しかし、少しずつ……少しずつ荒れていく会場を見て……そのうちメンバー達は口数が少なくなり……やがて、言葉を失ってしまったんだ……」

ブランカ「……飲まれちゃいましたかぁ」

ディージェイ「こんな空気の悪い所でLiveをするだなんて、どうかしている……あり得ないっ……! こんな経験は初めてだっ……! とてもじゃないmが、ミュージックをする場所ではないっ……!」

ブランカ「……そうなりますねぇ」

ディージェイ「……この、今、ブーイングに包まれている場内と重なる部分があるよ」クイクイ

ブランカ「……おっ?」

159: 名無しさん 2016/02/21(日) 23:20:58 ID:xKMoajAk
ディージェイ「メンバーが言葉を失っていく中……Mr.ディージェイは静かに思っていた……」

ブランカ「……おっ?」

ディージェイ「今はこんな状況だが……そもそもあのファンは、何を思ってブーイングをしているんだっ……!? 何の為に、あの会場に足を運んだんだっ! 野次を飛ばす為かっ!? 違うだろうっ!」

ブランカ「君の音楽を……」

ディージェイ「ミーの奏でるミュージック聞く為にだろうっ!」

ブランカ「あ~、あ~、あ~……言おうとしたのに……」

ディージェイ「ミーが登場してファンキーなミュージックを奏でれば、再び会場の心は一つとなり……一時間遅れの最高の一時が始まるんじゃないのかいっ! そうだろうっ!?」

ブランカ「……そうですね」

ディージェイ「何故ファンは怒るんだい……? 怒りは何処から生まれてくるんだい……? それは……ミュージックを愛する心を持っているからだろう……!? ミュージックを求めているからだろうっ……!?」

160: 名無しさん 2016/02/21(日) 23:24:30 ID:xKMoajAk
ディージェイ「このブーイングも、そうだろう……? ファンは何を求めている……? プロレスを求めているからだろう……?」

ブランカ「……君は、メンタル強いですねぇ。過去の経験ですか」

ディージェイ「だったら、見せてやればいいさっ! 正しいプロレスをっ! そうすればあの時を同じように、きっとファンは盛り上がってくれるはずだっ! 彼らはプロレスを愛して求める心があるっ! それさえ見せればいいんだっ!」

ブランカ「……長話って所さえ抜けば、聞かせてあげてもいいアドバイスでしたかね?」

ディージェイ「だったら、見せてやろうっ! ミーとっ! Mr.ブランカとっ! そしておまけダメダメボーイズっ! この四人で見せてやろうっ!」

ブランカ「はい」

ディージェイ「If you smeeeeeeeeeeeee……」

ブランカ「あ~、いい形で気合いは入ってるとは思いますが……うるさいうるさい……もう、叫ばない……」

ディージェイ「……なんだよ、Mr.ディージェイっ! ここが一番いい所なのにっ!」

ブランカ「……ディージェイ君、一つだけ確認しておきますよ?」

ディージェイ「……んっ?」

161: 名無しさん 2016/02/21(日) 23:30:14 ID:xKMoajAk
ブランカ「ミュージシャン時代はそうやって荒れた空気を変える事が出来たかもしれません。しかし、それは貴方に腕があったからです。技術がね」

ディージェイ「……」

ブランカ「今の貴方には、同じだけの技術があるとは思えません……ここにはギターもありません……ベースもドラムもありません……あるのは、己の肉体のみです……」

ディージェイ「今日は、Mr.ブランカがあるけどね!」

ブランカ「……んっ?」

ディージェイ「Mr.ブランカがミーを上手く奏でるんだよっ!」ニヤニヤ

ブランカ「まっ、心臓に毛が生えていると言うか……そこが君の長所でもあり、短所でもあるんですね……」

ディージェイ「今、ミーは燃えてるよ~! 燃えてるよ~! 入場まだかな~? まだかな~?」ウキウキ

ブランカ「……やり過ぎは禁物ですからねっ!?」

ディージェイ「わかってるよっ! ヘイヘイ、まだかなまだかな~! ワクワクしするよっ!」ウキウキ

163: 名無しさん 2016/02/21(日) 23:33:35 ID:xKMoajAk
ーーー


ユン「今日、俺の試合……最悪だぜ……?」

さくら「ま~だ、始まってもないっすよ」

ユン「会場の空気が……って事だよっ! まだ、ブーイング続いてるだろ……おいおいおい……」

さくら「……う~ん」

ユン「それで、次……ホラ、ディージェイいるだろ……?」

さくら「ディージェイさんに関しては、ジミーさんがついてます……今日はタッグっすから」

ユン「いくらジミーさんつけたって、どうせぐっちゃぐちゃになるんだから……いつものパターンじゃん……」

さくら「う~ん……まぁまぁまぁ……」

ユン「それで、その流れで……俺の試合がスタートだ……会場盛り上げて、結果を残せだぁ……?」

さくら「う~ん……」

ユン「無理だってのっ!」

183: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:02:18 ID:RZDEZLwU
ユン「ねぇ、今からでも遅くないよ? まだ、今なら試合展開変えていくのもギリギリ間に合うよ!?」

さくら「ちょっと待ったちょっと待った待ったっ……! やり過ぎるのはかえって逆効果……」

ユン「プロデューサーは保守的っ……! だって、ベガさんだってあれだけ派手にやったんだろう。だったら、俺もパイプ椅子持って入場してゴングと同時にぶん投げてやてばいいじゃんっ!」

さくら「それじゃあ、ヒールになっちゃいますって……それに、ベガさんと同じ事をしたって……」アセアセ

ユン「そこは、物の例えだよ……俺がやるなら、ちゃんとスケボーでやるよ。今日、持ってきてるぜ……?」

さくら「……スケートボードの許可はまだ降りてませんっ!」

ユン「じゃあ、いつ降りるんだよっ!?」

さくら「ユンさん、ユンさん……ちょっと、落ち着きましょう……ちょっとねっ……?」

ユン「……あぁ?」

184: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:12:24 ID:RZDEZLwU
さくら「ユンさんのファイトスタイルの変更……自分は上手くいってると思いますよ? うんうん、上手くいってます」

ユン「……ベガさんはどうなんだよ?」

さくら「落ち着いて下さいって……ロレントさんがファイトスタイル変更してヒールターンしたって事は……そこに空きが出来たって事じゃないっすか?」

ユン「あぁ」

さくら「タッグ組で飛び技使っていく人がいなくなったんですよ……と言うか、うちの団体でそういう華やかな飛び技を使っていくのって……バルログさんぐらいっすよねぇ?」

ユン「はい……はい……」

さくら「ロレントさんは、タッグ組になかったヒールの枠に食い込んで……プッシュが始まった……けど、その結果……タッグ組に飛び技使う人がいなくなった……わかりますよね……?」

ユン「うん……うん……」

さくら「だったら、ユンさんが上手くその枠に入る事が出来たら……これ、なくてはならない存在になりますよ」

ユン「そうは、言ってもさぁ? 肝心のベガさんが……」

さくら「だからぁ~、今日の試合で……それをねっ……?」

185: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:22:50 ID:RZDEZLwU
さくら「今日のカードだって……無理言って、ベガさんに組んでもらったんっすから……」

ユン「今日のカードって……ホークだぞ! ホークっ! あのウスノロっ!」

さくら「あ~っ、もうっ……! 数日前、サガットさんと当たったじゃないっすか? サガットさんはデカい相手っすよ」

ユン「……いいよなぁ、デカい人は」

さくら「でも、そのデカい人を返り討ちにする、小さい人って格好良くないっすか……? 自分は格好いいと思いますよ?」

ユン「……そう?」

さくら「ホークさん相手なら、サガットよりかは見せ場も作れるじゃないっすか……? だったら、そこで……華やかにこう……ビシッと、ドカンと……ねっ?」

ユン「……でも、ホーク相手に無双したってよぉ?」

さくら「ユンさん、ちょっと焦り過ぎっすよ? じっくりいきましょうよ。ねっ……? じっくりじっくり……」

187: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:33:40 ID:RZDEZLwU
さくら「ユンさんは、自分が女子部にばかりかまけているかと思ってるみたいっすが……それは違います……それは、勘違いっす……」フルフル

ユン「……いや、でもさぁ?」

さくら「今日の女子部のメインイベント……ここに持ってくるまでにどれだけ時間を掛けたと思ってるんっすか? 一週間所の話じゃないっすよ……?」

ユン「……う~ん」

さくら「自分がユンさんのプロデューサーになってから……まだ、一週間ぐらいじゃないっすか……? まだ、始まったばかりじゃないっすか?」

ユン「でも、俺には何も変わってるようには……」

さくら「だからそれは……あ~っ! もうっ……!」イライラ

ユン「なんで、怒るんだよ? 俺だって必死なんだよっ! 必死になる事が悪い事なのかよ!?」

さくら「怒ってはないっすっ……! 必死になる事も悪い事じゃないっすっ……! ただ……あ~、ただねっ……? も~うっ!」

188: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:41:23 ID:RZDEZLwU
ーーー


ザワ……ザワ……

コーディ「……これなら、まだ第一試合の方がましだったかもなぁ」

ガイ「……空気が重い」


実況「さぁ、コーディとガイがリングインしましたっ! 少々表情が固いですかね……?」

元「ちょっと、影響があったのかもしれないねぇ? でも、こういう事を気にしていちゃあ……ダメだね」

実況「試合が始まれば落ち着くのでしょうか!? この辺り、やはり第零試合……波乱の展開の傷跡が残ったと言った感じですっ!」


ダン「続きまして……ブランカ選手、ディージェイ選手の入場ですっ……!」


実況「さぁ、そして続いてブランカ・ディージェイ組の入場ですっ! 今、その名がコールされましたっ!」

189: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:46:13 ID:RZDEZLwU
ブランカ「行キマスヨ。でぃーじぇいクン……」スッ

ディージェイ「とにかく、この空気をなんとかしなきゃ、試合どころじゃないねぇ……」スッ


実況「さぁ、ブランカとディージェイが花道の奥から姿を現しましたぁ! この二人はストリートプロレスきっての、行動が読めないタッグチームでございますっ!」


ブランカ「ウォウ! ウォウ! ウオオォォォウ!」

ディージェイ「早速、踊るよ~! 先ずはファンキーなダンスからだっ!」ルンダルンダ


実況「さぁ、ブランカは野生の雄叫びをあげ……そしてディージェイは踊っていますっ! 華麗なステップ、ワン・トゥー・スリーっ! 姿を現したと同時にダンス見せていくゥ!」

元「こういう入場時には構わないのかもしれないけど……試合中に踊って、ポカ喰らうパターンもあるからねぇ……その辺は、アレだね」

190: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:52:26 ID:RZDEZLwU
ディージェイ「ヘイヘイヘーイ! 皆、ミーがダンスを踊ってるんだよ!? どうしたのっ!? もっと盛り上がってよっ!?」パンパン

ブランカ「……オッ?」


実況「おっと、そしてディージェイがここで大きく大きく両手を打ち鳴らし……場内を盛り立てているのでしょうかっ!?」

元「この二人は、天然と言いますかね……な~んと言えばいいのでしょうかね……?」

実況「私も、元さんのおっしゃりたい事……よくわかりますよっ!?」

元「ただ、天然なだけにね……? やっぱり、場内の空気に負けない部分はあると思うよ」

実況「それは、メンタルが強い……と言えば、いいのでしょうか!? それとも、無神経と言えばいいのでしょうか!?」

元「……難しい質問だね。それはわかりません」

191: 名無しさん 2016/02/22(月) 22:57:23 ID:RZDEZLwU
ディージェイ「何を見に来たの……!? ヘーイっ!? 君達は何を見に来たのっ!? ヘイヘイ、プロレスだろうっ!? 今から始まるんだよ!?」パンパン


実況「さぁ、先陣を歩くのはディージェイかっ!? ディージェイはあちらを見ながら……こちらを見ながら……場内を見回しながら、大きく大きく手を打ち鳴らしつつ、リングへと向かっていくっ!」

元「……まぁ、頑張って盛り上げようとはしているね」


ディージェイ「ミュージックファイターに使えるのは肉体のみ……う~ん、難しいなぁ……でも、ミーは諦めないよっ……! イヤッホオオォォッ……!」ダダッ

コーディ「……んっ?」

ガイ「……ぬっ?」


実況「おっと、そしてここでディージェイが突然走り出しましたっ! ここはリングに向かって一直線っ!」

192: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:04:00 ID:RZDEZLwU
ディージェイ「……ヘーイっ!」ピタッ


実況「さぁ、リングへと走っていったディージェイは……おっと、エプロンサイド前でストップっ! ここで急停止っ!」

元「……んっ?」


ディージェイ「ヘーイっ! レイ、ユア、ハーンズっ……!」ググッ


実況「おっと、そしてここでディージェイはまだリングインせず……客席方向を振り向いて両腕を突き立てていくっ!」

元「……んっ?」


ディージェイ「ウェーブいくよ~っ! ミーの動きに合わせて~っ! せぇ~のっ!」

193: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:09:14 ID:RZDEZLwU
ディージェイ「ヘーイっ……! ヘーイっ……! ヘーイっ……!」ブンブン


クスクス……クスクス……

実況「お~っと、ディージェイはそのまま両腕を上げ下げしながら……ステップして観客席を煽っていますっ! これはウェーブを要求しているのかっ!?」

元「……ハハハ、相変わらず彼はわかんないねぇ」


ディージェイ「ヘーイっ……!? どうしたのっ……!? 波来てないよっ……!? これじゃあ、サーファー日光浴しか出来ないよっ!? ヘーイ! ヘイヘーイっ……!」ブンブン


シカタネェナー、ツキアッテヤルカー

実況「さぁ、まだまだリングインはせず、場外をグルグルと回っているディージェイっ! 今日もまた、リングインするまで長くなりそうかっ!?」

元「こりゃ、長くなるかもしれないねぇ……あっ、中には付き合ってくれてる人もいるよ? 優しいねぇ」

194: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:14:01 ID:RZDEZLwU
ディージェイ「小さい波来たっ……! だけど、まだまだ波は来てないよ……! ヘーイ、ヘイヘーイ!」ブンブン


実況「入場から、ディージェイ節が爆発でございますっ! 試合になっても、あの自由気ままさが続いてしまうのかっ!?」

元「……どうでしょうねぇ?」


ガイ「盛り上げようとしてるのか……それとも天然か……あの人だけはわかんねぇな……」ヒソヒソ

コーディ「どっちしろ、この反応……居たたまれなくなってきたよ……ちょっと、行ってくる……」ヒソヒソ

ガイ「行くって……何処に……? 余計な事すると……」ヒソヒソ

コーディ「……うるせぇ。俺だって、アピールぐらいしておかなきゃいけねぇだろうが。たまにはやらせろ」ヒソヒソ

195: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:19:15 ID:RZDEZLwU
ディージェイ「ヘーイ、ヘイヘーイっ! 皆でビッグウェーブを巻き起こそうよっ……! ヘイヘーイっ!」ブンブン


実況「見ようによっては、なんとか観客席を温めているようにも見えるディージェイですねぇ!?」

元「そこまで考えてるのかねぇ、彼は」

実況「いやぁ~、ハハハっ! そこまではわかりませんっ!」


コーディ「おいおい……おいおい……そこの面白人間……」スッ

ディージェイ「……んっ?」チラッ


実況「おっと、しかしここでコーディが……場外を動き回っているディージェイに、リング内からロープ越しに何か言葉をかけますっ!」

元「おっ……? なんだなんだ……? コーディ君……どうした……?」

196: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:24:28 ID:RZDEZLwU
コーディ「何時までも場外でチョロチョロされたら……目障りなんだよ……もういいだろ……そろそろ終いにしておけや」

ディージェイ「……んあっ?」

コーディ「ほら、とっととリングに入れ……試合するんだろが……んんっ……?」クイクイ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、ここでコーディが……リング内から場外のディージェイに対して……早く、入場して来いと言わんばかりに挑発的に手招きしているっ!」

元「ハハハ、お~、お~、お~」


コーディ「俺に、前回のリベンジさせてくれよ……なぁ……? ほら、早く来い……カモンカモン……」クイクイ


オー、オーオー

実況「盛り上げていくのは、リングの外ではなく、中でだっ……! コーディのそういった意思が感じられていきますっ! コーディも負けてはいませんねぇ!」

元「こういう風に積極的にアピールしていく選手ってのは……いいねぇ!」

197: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:30:01 ID:RZDEZLwU
イイゾー! コーディー!

コーディ「……こんな所だな、へへへ」クルッ

ディージェイ「グ、グググっ……!」


実況「さぁ、コーディはクルッとディージェイに背を向け……そして自軍コーナーの方へと戻っていきますっ!」

元「いいねいいね、気合い入ってるね」


コーディ「なっ、上手くいっただろ? あの人が計算でやってようが、天然でやってようが……こうやりゃいいんだよ……」ヒソヒソ

ガイ「……ヒヤヒヤさせるなよ」ヒソヒソ

コーディ「……どっちにしろ、空気は変えていかなきゃいけないだろ」ヒソヒソ


ディージェイ(この、この、この、このっ……! 何だよ、さっきまではガッチガチに固まってた癖にっ……! 君は入場時に何かした……? 盛り上げていくような事を何かした……? 何もせずに、チンタラ入場していただけじゃないかっ!?)

ディージェイモ、ソロソロ、リングハイレヨー!

ディージェイ(ミーが会場を温めた所で……少し、温まってきた所で……くううぅぅっ! 美味しい所だけを奪いにきたよっ……!)

クスクス……クスクス……

ディージェイ(悔しいっ……! ズルいっ……! 卑怯者っ……! 何て奴だっ……!)

200: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:36:18 ID:RZDEZLwU
ーーー


本田「お~、お~、お~。コーディええやないかええやないか」

ロレント「……上手くディージェイさんを抑えましたね」

本田「まぁ、ああやられたらディージェイも入場せざるを得んわな……ガハハ。コーディナイスフォローや」

ヤムチャ「コーディ君に助けられてんじゃねぇよ、ディージェイ……バカ……」

ソドム「ちょっと会場の雰囲気も変わったんじゃないかな……?」

本田「まぁ、最悪ここが上手い事いかんでも、次にホークとユンがおるからな……そこまで進めば、もうちょっとなんとかなっていくやろ」

ロレント「そうですね」

201: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:42:06 ID:RZDEZLwU
ブランカ(おっと、コーディ君が締めましたかね……? 後はディージェイ君が余計な事をしなければ……とりあえず、ロープを噛みましょう……)ガジガジ

ダン「おいっ! ロープを噛むんじゃねぇっ!」


実況「さぁ、エプロンサイドへと上がったブランカは……おっと、相変わらずロープに噛み付いているっ! そして、場外からリング内を眺めるディージェイっ! さぁ、リングインはまだかっ!? まだかっ!?」

元「まぁまぁ、この二人が長いのは恒例だからね」


ディージェイ「……くそっ、卑怯者めっ!」シュルッ


実況「いや、ここはディージェイがリングインしましたっ! リングインしていきましたっ! まずは場外を走り回っていたディージェイがリングへと入りましたっ! 一方、ブランカはまだロープを噛んでいるっ!」

元「……そもそも、なんでロープを噛むのかねぇ?」

実況「わかりませんっ!」

202: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:46:22 ID:RZDEZLwU
ディージェイ(……だけど、ミーは負けないよ)スタスタ

コーディ「……んっ?」

ガイ「……あれ?」

ブランカ「……ダンさん、ディージェイ君の動きに注意して下さい」ヒソヒソ

ダン「えっ……? あっ……あの野郎っ……!?」チラッ

ディージェイ(ダメダメボーイズなんかに、ミーは負けないよっ……!)チラッ


実況「さぁ、後はレフェリーがブランカを何とか……あっと、お待ち下さいっ! ここで先にリングインしたディージェイが……コーディとガイの元へと歩みを進めていきますっ! ゆっくりと近づいていきますっ!」

元「おっと、どうした……? なんだなんだなんだ……?」

203: 名無しさん 2016/02/22(月) 23:49:47 ID:RZDEZLwU
ディージェイ「ヘーイっ! ダメダメボーイズっ!」

ガイ「おい、どうする……? お前のせいだぞ……?」ヒソヒソ

コーディ「俺のせい……なのか……?」ヒソヒソ

ディージェイ「シェイクハーンドっ! 先ずは握手から始めようっ!」スッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、ここで……ディージェイは、コーディとガイに向かって、手を差し伸ばし……これは握手を求めているのでしょうかねぇ?」

元「おぉ~っと、そうなのかなぁ……?」


ダン「……握手だけにしておけよ、おいおいおい」

ブランカ「……余計な不意打ちとか入りませんからね」

221: 名無しさん 2016/02/23(火) 22:03:33 ID:767rdQV6
ディージェイ「どうしたのっ!? ヘイっ、シェイクハンドだよ! ヘイヘイヘイっ!」

ガイ「おい、どうするんだよ……?」ヒソヒソ

コーディ「どうするも何も……握手するしかねぇだろが……こうやって誘われてるんだからさぁ……」ヒソヒソ

ガイ「確かにそうだけど……」ヒソヒソ

ディージェイ「ヘイヘイ、何してるのっ!? 礼儀知らずの無礼者は、100%成功者にはなれないよ!? ヘイヘイ、早く早くっ!」

ガイ(この人が、そういう事言うか……)

コーディ「と、とりあえず、握手だ……握手……なんかあったら、頼むぞ……」スッ


実況「さぁ、二人に手を伸ばすディージェイに対して、ここは先ずコーディが手を伸ばしていきますっ! ブランカはまだ、ロープを噛んでいるっ!」

元「……早く入場しなさいよ」

223: 名無しさん 2016/02/23(火) 22:12:10 ID:767rdQV6
コーディ「よ、よろしくお願いします……」ガシッ

ディージェイ「……オーケーっ! 上出来だぁ!」ガシッ


パチパチ……パチパチ……

実況「さぁ、そしてコーディとディージェイが先ずはガッチリ握手っ! その両手を握り交わしていきますっ!」

元「はい」


ディージェイ「ヘイヘイ、さぁ次はMr.ガイ……君の番だ……」サッ

ガイ(あっ、よかった……何もなかったな……普通の握手だ……)

ディージェイ「さぁ、ミーとシェイクハンドだよ……」スッ

ガイ「はい。よろしくお願いします」ガシッ


パチパチ……パチパチ……

実況「さぁ、そして続いてディージェイは、同じようにガイとも交わしていきますっ! ブランカは……どうでしょうか? 握手はしないのでしょうかねぇ?」

元「……しないんじゃないの~?」

224: 名無しさん 2016/02/23(火) 22:24:08 ID:767rdQV6
ディージェイ「今日の試合は……君達に……」

コーディ「……んっ?」

ガイ「……んっ?」

ディージェイ「ミーが胸を貸してあげるよ~」ニヤニヤ


実況「さぁ、ディージェイとコーディ・ガイ組の握手が終わり、そろそろ試合も……」


ディージェイ「ど~んとぶつかってきなさい。ココ……ココにね……?」ポンポン

コーディ「……くっ!」

ガイ「……んあっ?」


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、いやっ……! 待って下さいっ……! ここで、ディージェイは胸を貸してやると言わんばかりに……自身の胸をポンポンと叩いていきますっ! これはこれは……」

元「あ~らら、ハハハ。やけに自信を持っているねぇ、彼は」

実況「あの自信は一体何処から出てくるのでしょうかっ!? ここは上から目線……! 余裕綽々の対応だっ!」

225: 名無しさん 2016/02/23(火) 22:32:35 ID:767rdQV6
ディージェイ(これでミーの勝ちだよ、ミーの勝ち、ミーの勝ち……ダメダメボーイズ達だけにいい格好はさせないよ……だけど、ミーはまだ終わらない……まだまだ、追撃に行っちゃうよ~!)

ブランカ(う~ん……まぁ、いいでしょう……相手はコーディ君とガイ君ですからね……ああいった行為も許されるでしょう……まぁ、いいや……)

ディージェイ「あれ……? あれあれ……? どうしたの……? 表情が硬くない……? もしかして緊張してる……? 大丈夫だよ、ミーがリードしてあげるからさぁ……?」ジロジロ


実況「おっと、待て待て……まだ続くのか……? ここで、ディージェイはコーディとガイの顔を覗き込むように見回して……」


ディージェイ「イエーイっ! リラーックスっ!」ルンダルンダ

コーディ「……」イラッ

ガイ「……」イラッ


オー、オーオー

実況「やっぱり踊ったぁ~! やっぱり踊っていったぁ! ここで、ディージェイは見せつけるように二人の目の前で両腕を大きく振って、踊っていきますっ!」

元「コーディ君とガイ君からしたら、ここまで舐められてると……まぁ、噛みつきたくもなっちゃうんじゃない?」

226: 名無しさん 2016/02/23(火) 22:46:56 ID:767rdQV6
ーーー


本田「ダァ~っ! あのアホ、また踊りよったわっ!」

ロレント「……やっちゃいましたねぇ」

ヤムチャ「ディージェイ……バカ……」

本田「アイツはなぁ、自分がやって終わりじゃないと気が済まへんねん……試合でもそういう所が出とる……」

ロレント「言い方変えれば負けず嫌いって事にはなりますけど……」

本田「そりゃ、そういうのは勿論いるけど……ちゃうねんっ! 踊りが余計やねんっ!」

ロレント「ハハハ、ですよね」

ヤムチャ「ディージェイっ……! 試合はしっかりしろよ、お前っ……! 踊るんじゃねぇぞっ……!」

227: 名無しさん 2016/02/23(火) 22:58:39 ID:767rdQV6
ダン「……ったく、アイツは本当に」

ブランカ「んん~、ああぁ~……まぁ、いいや……」

ディージェイ「さぁ、そろそろ試合が始まるかなぁ~、っと……その前にと……」クルッ


実況「さぁ、ディージェイは両者にクルリと背を向け……そして自軍コーナーの方へと引き下がっていきますっ!」


コーディ、ガイ、マケンナヨー!

コーディ(あぁ、落ち着け……落ち着け……無礼な事は、俺もしたんだし……おあいこだ、おあいこ……)プルプル

ガイ(自分達は、ああいう事をされても仕方ない立場……仕方ない立場……くっ、雑念を振り払え……)プルプル


実況「さぁ、コーディとガイ……二人は今、一体どういった事を思っているのでしょうねぇ!?」

元「イラっとしてると思います」

実況「ならば、その感情を試合で爆発させて頂きたいっ! おっと、場内からも二人にゲキが飛んでおりますっ!」

元「まぁ、頑張ろうよ」

228: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:06:08 ID:767rdQV6
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ブランカ何時まで噛んでるの? もう試合は始まっちゃうよ? ハーリーアップ、ハーリーアップっ! カモンカモンっ!」グイグイ

ブランカ「……最後ノだんすハ余計ダッタンジャナイカ?」

ディージェイ「ヘーイっ! 何を言ってるんだっ! 踊っていいと言ったのはMr.ブランカだよっ! とにかくカモンっ!」グイグイ


実況「さぁ、ディージェイは自軍コーナーへと引き下がる前に……おっと、エプロンサイドのブランカに近寄って、リングインを急かしていますっ! リングインを急かしているっ!」

元「とにかく、彼もね……リングに入らないと、試合が始まりませんよ」

実況「さぁ、なんとかディージェイがブランカをリング内へと招き入れ……そして今、二人して自軍コーナーの方へと向かっておりますっ! さぁ、そろそろ試合開始になりますかね? ようやく、リング上に選手が揃いましたっ!」

元「長かったね」

229: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:12:29 ID:767rdQV6
ディージェイ「先発はミーだよっ! いいねっ!?」

ブランカ「……それじゃあ、お願いしますよ。気をつけて下さいね」

ディージェイ「勿論さっ……!」


実況「さぁ、元さん、この一戦どうなりますかねぇ? 先発で出てくるのは……ディージェイですかね!?」

元「え~っとね、やっぱりコーディ君、ガイ君からしたらこの辺の相手は……なんていうのかな? ある意味、定石が通用しない相手だとも見て取れるんだよ」


コーディ「……じゃあ、俺からいくよ。下がっていてくれ」

ガイ「……あの人、ヤバい人なんだから気をつけろよ?」

コーディ「……あぁ、わかってる」


コーディ、マケンジャネェゾー!

実況「さぁ、対するは……コーディですか!? 先ずはコーディが出てきました。ガイは引き下がりますっ!」

元「本当、自由気ままやってる部分が多いからねぇ……応用力……みたいな所が試されるんじゃないの? ある意味、うってつけの相手ではあるね」

実況「確かに……手の内が読めない相手にも、自分の力を見せつけていくという事も必要になってきますっ! ましてや、入場時にディージェイに見下されるような行為を行われたコーディとガイっ! ここは力を見せていきたいっ!」

230: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:18:45 ID:767rdQV6
ダン「両者中央へっ!」

コーディ「はいっ……!」

ディージェイ「……オーケーっ!」


実況「さぁ、第一試合……コーディ・ガイ組対ブランカ・ディージェイ組……いよいよ試合開始ですっ! リング中央に両者が寄りますっ!」


ダン「それじゃあ、ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉ! 試合スタートだっ!」


カーン


実況「さぁ、戦いの鐘の音が場内に響き渡りましたっ! コーディ・ガイ組対ブランカ・ディージェイ組っ……! 先ずは、コーディ対ディージェイからスタートですっ!」

231: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:25:45 ID:767rdQV6
コーディ「さて……んっ……?」

ディージェイ「トゥ、トゥ、トゥルー……ダバダ、ダッダッ、ダラッタ~……フン、フン、フフン~……」


実況「さぁ、試合開始と同時に……んっ……? あっ……? おっとっとっとっ!?」

元「……いきなりか」


ディージェイ「トゥ、トゥル……ンッン~、ダッタッタラ~……ルルルル、トゥッ、トゥッ、トゥル~……」

コーディ「え~っと……どうしたら……」


実況「試合開始と同時に、ディージェイは華麗をステップを始め……おぉ~っと、踊り始めましたっ! いきなり踊り始めましたっ!」

元「彼はなんだ……? ダンスをしにきてるのか……? んっ……?」

実況「そいつはわかりませんっ……! そいつはわかりませんが、ここでいきなりディージェイはいつものように、踊り始めましたっ!」

232: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:31:00 ID:767rdQV6
コーディ「え~っと……これは、どうすれば……」チラッ

ダン「構う事はねぇ。こいつはそういう奴だ……おら、攻めろっ……!」ビシッ


実況「いきなり応用力が試される場面が来たと言ってもいいかっ!? さぁ、予想外の行動にレフェリーをチラリと見るコーディっ! しかし、レフェリーはディージェイ……そして、そしてブランカの扱いには慣れているっ!」

元「コーディ君は、あまり当たってないからね……」

実況「気にする事はないとばかりにディージェイを指差していくレフェリーっ!」


コーディ「そういう事なら……」

ディージェイ「ンンンン~っ! タラララッタタ~ンっ! ドゥビドゥ、ドゥビドゥ、シャバダバダバ、ダッバ、ダッバ、ダッ!」ルンダルンダ

コーディ「……攻めるぜっ!」スッ


実況「ここはダンス会場ではないっ……! プロレスリングだという事をその身に教えてやれっ! さぁ、ふざけた相手にコーディが距離を詰めていくっ!」

234: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:34:01 ID:767rdQV6
ディージェイ「来たね……? シュッ……!」ブンッ

コーディ「う、うおおっ……!」


実況「おっとっ! ここでディージェイの鋭い蹴りィ!」

元「……おぉっ!?」


コーディ「うおっ……! 危ねっ……!」ススッ

ディージェイ「大丈夫、大丈夫……当てる気はないよ~、でも反応遅かったねぇ……」


オー、オーオー

実況「一歩、距離を詰めたコーディに対して……ディージェイは、下から掬い上げるような鋭い蹴りを見せていきますっ!」

元「ローから入って……ミドルに変化したよ?」

実況「しかし、この場面、コーディも慌てて腰を引きますっ! ディージェイの大振りの蹴りは空を切ったっ!」

235: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:39:50 ID:767rdQV6
コーディ(怖ぇ……マジ、怖ぇ……)

ディージェイ「トゥル、トゥトゥトゥ……ダバダバダバダバ~」ルンダルンダ


実況「距離を詰めたが……再び、その距離が開いたぁ! また両者の間に間合いが開きますっ! そして……ここで、ディージェイが再び踊り始めるっ!」

元「おいおいおいおい」


コーディ(ふざけた人だけど……この人は、マジ物だろ……? おいおい……今ので加減してるのかよ……?)

ディージェイ「ンッン~! シャバダバダッダッダ~ン……んっ……? あれ……? どうしたの、こないの……?」ルンダルンダ

コーディ(マジかよ……? 俺からいくの……? これ、マジで俺からいくの……?)


実況「出鼻を挫かれた……とでも、言えばいいでしょうかね? 自由気ままに踊っているディージェイではありますが……コーディが近づくと一転っ! 鋭い蹴りを見せていきましたっ!」

元「……離れるとまた踊ってるけどね」

実況「コーディも鋭い蹴りに、驚いている模様ですっ!」

236: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:44:41 ID:767rdQV6
コーディ、ビビルナー

ダン「……コーディ、ビビんじゃねぇ。ほれほれ、いけいけ」ビシッ

コーディ(マジかよ、ちくしょう……)


実況「さぁ、コーディ……ここは気をとりなおしていきたいですねぇ?」

元「そうですね。尻込みしてるようじゃ……ねっ……?」


クスクス……クスクス……

コーディ(あ~っ……! なんだよ、これっ……! だって、あの蹴り……ビビるでしょうっ……!?)

ディージェイ「ヘイヘイヘ~イ……!? どうしたの、プロレスするんじゃないのっ!? このままじゃ、ミーのダンスタイムになっちゃうよ! カモンカモンっ!」ルンダルンダ

コーディ(あ~、ちくしょうっ……! 俺から、行かなきゃいけねぇのかよ……くそっ……)

237: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:47:00 ID:767rdQV6
コーディ、ビビンナー

ダン「お前がビビってる事、もうとっくにバレてんぞ……? おら、攻めろっ……! 根性見せろや、コーディっ……!」

コーディ「ああぁっ……! くそっ……!」ダダッ


実況「さぁ、ここでコーディ腹をくくったかっ……!? 再び、ディージェイに近づいて……」


ディージェイ「……シュッっ!」ブンッ

コーディ「……くああっ! 来たっ!」


実況「おぉ~っと、しかしまたここでディージェイの鋭い蹴りィ!」

元「おぉっ」

238: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:53:14 ID:767rdQV6
コーディ「避け……」スッ

ディージェイ「ストップ……当たっちゃうかもしれないや……」ピタッ


実況「再び、腰を引くコーディっ……! あっ、待てっ!」


ディージェイ「ヘイヘイ、イヤッホオオォォッ!」ググッ

コーディ「……えっ?」


実況「ここで、蹴りが変化しましたっ! ミドルキック気味だった蹴り……その足が高く上がり……!」


ディージェイ「……よっとっ!」ブンッ

コーディ「……あ、ああっ」


オー、オーオー

実況「そのまま、かかと落としへと変化しましたぁ!」

元「お~、お~、お~、器用な足だねぇ」

実況「しかし、ここは間一髪っ! コーディはバックステップでかわしたかっ!? ディージェイの踵はコーディの顔面寸前っ……! 空を切っていったぁ!」

239: 名無しさん 2016/02/23(火) 23:57:59 ID:767rdQV6
ディージェイ(危ないなぁ……ちゃんと避けてよねぇ……怒られるのは、ミーなんだから……)

ガイ(……見えなかった、うん)

コーディ(やべぇ、心折れそう……この人との試合……マジで心折れそう……)


実況「さぁ、なんとか攻めていきたいコーディではありますが……しかし、ディージェイ間合いに近寄らせてはくれませんっ!」

元「そうですね。あの蹴りを掻い潜って……間合いに入っていかなきゃいけないからね」

実況「鋭い蹴りによって、近寄らせてもらえないコーディっ!」


ディージェイ「イェーイっ……! ドゥビドゥビドゥバ、シャバドゥビ、ダッバダッバダッバっ!」ルンダルンダ


実況「距離を詰めたいコーディではありますが……一歩近づけば、鋭い蹴りの餌食になりかねないっ! そして、そこから更に一歩離れれば……ディージェイはあのように、ダンスを始めますっ!」

元「試合前のディージェイ君の行為……ただの自信過剰ってワケではなさそうですね」

実況「ディージェイもまだまだ手は抜いていると言った所かっ!? 鋭い蹴りを見せつけ、コーディの心を折っていきますっ!」

元「いやいや、そんなに早くは折れないでしょう」

258: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:00:36 ID:LlDKMsRc
コーディ、ヒルムナー

ダン「……大丈夫だっての、いけっての。ゴー、ゴー」

コーディ(あぁっ……くそっ……皆して煽って……くそっ……)

ディージェイ「トゥトゥッ、トゥルー……ドゥビドゥ、ドゥビドゥバ、シャバダバダッタラッタン~!」ルンダルンダ


実況「一歩っ……! その一歩が近いようで遠いっ! 今はああやって、踊ってはいますが、その間合いに近寄ると鋭い蹴りがコーディを襲うっ!」

元「なんとか掻い潜っていかないといけないからね」


ダン「……何やってんだ、コーディ。大丈夫だから、根性見せろ」

コーディ(本当に大丈夫なのかよ……おいおい、でも俺がいかないと試合進まないし……)

ダン「……行けっ!」

コーディ「だああぁぁっ……! くそっ、行くしかねええぇぇっ……!」ダダッ


イケー、コーディー

実況「しかし、臆病風に吹かれていては勝利の女神は微笑まないっ! さぁ、コーディっ! 三度、ディージェイの間合いへと入っていくっ!」

259: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:06:25 ID:LlDKMsRc
コーディ「うおおおぉぉっ……!」

ディージェイ「来たねっ……! シュッ……!」ブンッ


実況「しかし、再びディージェイの鋭い蹴りィ!」


ディージェイ「……これは、本当に来るヤツだからね。ミーはわかってるよ。でも、当てちゃうよ」スパーンッ

コーディ「……痛っ!」


実況「お~っと、しかしここはコーディ、果敢に前へっ! ディージェイの鋭い蹴りは、コーディの太腿辺りにヒットしたかっ!? 鋭い音が鳴り響きますっ!」

元「もう一歩っ!」

実況「しかし、太腿に打たれながらも……コーディはディージェイへと突っ込んでいくっ!」

261: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:12:18 ID:LlDKMsRc
コーディ「……オラっ! 取ったぞっ!」ガシッ

ディージェイ「……ワーオっ!」


オー、オーオー

実況「ディージェイの至近距離まで突っ込んでいったコーディは、そのまま蹴りを打ってきた右脚を掴みますっ! 両腕でがっちりと掴んでいったぁ!」

元「よしっ!」


コーディ「とりあえず……」ググッ

ディージェイ「おっ……おっとっとっと……」ヨロヨロ

コーディ「……倒れろっ!」ググッ

ディージェイ「お、お~っと……んだっ……!」バターンッ


オー、オーオー

実況「コーディはディージェイの右脚を抱えたままその身体を押し込んでいき……おっと、そしてディージェイの身体を自身の身体ごと押し倒していくっ!」

元「いいね」

実況「ここはコーディ、テイクダウンへと持ち込んでいきましたっ!」

262: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:18:54 ID:LlDKMsRc
コーディ(お、おおっ……よかった……今のはガチのヤツじゃなかった……よしよし……)

ディージェイ「……ヘイっ!」ガシッ

コーディ(あっ、そうだ……一息ついてる暇はねぇんだ……おっとっ……!)ガシッ


実況「さぁ、コーディが上、ディージェイが下っ! ここは、蹴りを受けつつも距離を詰め、テイクダウンへと持っていったコーディっ!」

元「そうだね、グラウンドだったら、蹴りは打てないよね」

実況「すかさず、脚から手を離し、ディージェイの頭部へと腕を回していくコーディっ! しかし、ディージェイも下からコーディの頭部へと腕を回し……自身の身体に押し付けるようにしていますっ!」


コーディ(ふう、大丈夫だ……最後の蹴りは俺にも見えたし……一応加減はしてくれてるみたいだな……よしよし、これでいいこれでいい……)

ディージェイ「ミーは、まだまだいっちゃうよ~っ!」グイッ


実況「あっと、しかしここで下にいるディージェイが高く両足を突き上げましたっ!」

元「おっと、足癖が悪いっ! それとも、器用なのかな?」

263: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:27:45 ID:LlDKMsRc
ディージェイ「ノーファンキーボディシザーズ仕掛けるよ~! ヘイヘイヘ~イっ!」ググッ

コーディ「……うおっ」

ディージェイ「え~っと……こっちに転がればいいんだよね……? よいしょっと……」コロン

コーディ「……おおっ」コロン


実況「下からコーディの腹部を両足で挟み込み圧迫していくディージェイっ! その器用な足を上手く使っていくっ! そして、そのまま横に半回転して体勢を替えていくっ!」


ディージェイ「え~っと……ここから、サイドポジション……サイドポジションだったな……こっちだ……」ズリズリ

コーディ「くっ……おおっ……」


実況「テイクダウンへ持ち込まれたディージェイではありましたがっ! その器用な脚はここでも生きてきますっ!」

元「そうですね」

実況「ここは、ディージェイ、ボディシザーズでコーディの腹部を捉えましたっ! さぁ、ディージェイはそのまま体勢をズラしていき……サイドポジション気味へと移行しましたっ!」

264: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:35:06 ID:LlDKMsRc
ディージェイ「イエスっ……! これで、反撃受けないポジションに来たよっ! だけど、ファンキーじゃないねっ!」ググッ

コーディ「くっ……おおっ……」


実況「さぁ、ディージェイがボディーシザーズでコーディの腹部を圧迫していくっ! ここは、ジワリジワリと痛めつけていこうと行った所でしょうか!?」

元「そうですね」


コーディ「くっそっ……舐めるなっ……!」ガシッ

ディージェイ「……んっ?」


実況「おっと、しかしコーディはその胴回りに回されていたディージェイの左脚を……ここで掴んだかっ!?」

元「……おっ?」

265: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:40:01 ID:LlDKMsRc
コーディ「離せこの野郎っ……! はああぁぁっ……!」ググッ

ディージェイ「オーノーっ……! オーマイガーっ……! 痛いよ痛いよ、やめてくれよっ……!」ジタバタ


オー、オーオー

実況「おっと、そして今度はディージェイが悶えるっ! 悶えていきますっ! ここはコーディ、ディージェイの脚を極めていきましたっ!」

元「おっ、アキレス腱固めだ」


コーディ(えっ……? いや、そんなに極めてないつもりなんだけど……)ググッ

ディージェイ「オーノーっ……! 痛い痛い痛いよっ……! 死んじゃうよっ! ミーは死んじゃうよっ……!」ジタバタ

コーディ(……オーバーすぎねぇか、おいおいおい)


オー、オーオー

実況「ここはコーディも負けてはいられませんっ! すかさず、ディージェイの脚を取り返していくっ!」

元「ディージェイ君は足が器用な選手だからね。これは結構効果があるんじゃないの?」

266: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:46:20 ID:LlDKMsRc
ディージェイ「痛いよ、このファッキンボーイっ……!」ググッ

コーディ「……オーバーなんだよ、この野郎っ!」


実況「さぁさぁ、先ずはその足へと狙いを定めたか、コーディっ! あっと、しかしここでディージェイは足を極められつつも、なんとか上体を起こしていくっ!」


ディージェイ「う、う~……ぬぬぬぬっ……! よいしょ、よいしょ……」ズルッ

コーディ「あぁっ……!? なんだぁ……!? 何やろうが締め付けるのは、やめねぇぞっ……!?」


実況「さぁ、上体を起こしたディージェイはこの場面……なんとか、コーディの下から右脚を引き抜こうとしていると言った所かっ!?」

元「そうですねぇ、ここで早めに対処しないと、あの鋭い蹴りが打てなくなっちゃう可能性すらありますからね」

267: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:53:53 ID:LlDKMsRc
ディージェイ「う~、ぬぬぬぬぬっ……! やったっ、抜けたっ……!」スポッ

コーディ「……んっ?」


実況「さぁ、そしてここでディージェイの右脚がコーディの身体の下から引き抜かれたっ! しかし、左脚は依然締め付けるられているっ!」


ディージェイ「狙って、狙って……よ~く、狙って……3……2……1……」スッ

コーディ「……んっ?」


実況「さぁ、ディージェイは引き抜いていった右脚をコーディの顔面の方へと向けて……狙いを定めて……」


ディージェイ「……ファイア」ゴスッ

コーディ「……いでっ!」


実況「おぉ~っと、コーディの顔面を蹴りつけていきますっ! 踵をコーディの顔面に一度ゆっくりと押し付けて……そして蹴飛ばしていくっ!」

元「ハハハ、足癖が悪い」

268: 名無しさん 2016/02/24(水) 22:58:38 ID:LlDKMsRc
ディージェイ「オーケー、ワンモアっ……! 狙って……狙って……3……2……1……」スッ

コーディ「……くっ」

ディージェイ「……ファイア」ガスッ

コーディ「も~う……痛っ……!」


実況「ここはディージェイ……自由な右脚でコーディの顔面を蹴りつけていくっ!」


ディージェイ「ヘイヘイ、ワンモアっ! 狙って……狙って……3……2……1……」スッ

コーディ「しつけぇぞ、オラっ! だったら、こっちも締め付けてやるっ! うおおおぉぉっ!」

ディージェイ(あっ、あっ! おっと、ダメだっ……! これ、喰らわなきゃダメなヤツだっ……!)

270: 名無しさん 2016/02/24(水) 23:03:56 ID:LlDKMsRc
コーディ「……うるあああぁぁっ!」

ディージェイ「……オーマイガーっ!」バターンッ


オー、イイゾー、コーディー

実況「おぉ~っと、しかしコーディも黙ってやられているだけではないっ! 大きく大きく声を張りつつ、ディージェイの左脚を強く締め付けていくっ!」

元「そうだね、左脚を取っているって状況は変わってないんだからね」

実況「ここで、ディージェイの身体に痛みが走るっ! おぉ~っと、再び持ち上がっていた上体がマットへと倒れたぁ! 打ち付けられたぁ!」


ディージェイ「ノーっ……! オーノーっ……! 死んじゃうっ……! 死んじゃうよっ……!」ジタバタ

コーディ(……オーバーだっての、もうっ!)

ディージェイ「……ファッキンっ! 離せっ! 離せっ!」ガスガス

コーディ「痛っ……痛っ……」


実況「強く締め付けられ悶えるディージェイっ! しかしコーディは離さないっ!」

元「そうだね、グラウンドに持ち込んだ事によって、少しばかりコーディ君優位になってきたんじゃない? この流れは逃したくないよね」

実況「あ~っと、しかしディージェイ抵抗していくっ! ダウンした状態ながらも……右脚でコーディの頭部を蹴っているっ! 蹴りつけているっ!」

271: 名無しさん 2016/02/24(水) 23:09:39 ID:LlDKMsRc
ディージェイ「……ヘーイっ! 離してもらうよっ!」ガスッ

コーディ「……ぐあっ!」パッ


実況「あっと、しかしコーディの手が離れたかっ!? 捉えていた左脚から手が離れたかっ!?」

元「まぁ、あれだけガスガス蹴られたらねぇ……でも、ダメージは与えていったんじゃないの?」


ディージェイ「ヘイヘイ、今日はスロービート……スロービートでいかなきゃいけないんだよ……ふう……」ググッ


実況「ここで上体を起こして一息つくと言った感じのディージェイっ!」

元「踊ってる余裕は……なくなっちゃったんじゃないの?」

実況「あぁ、なくなりましたねぇ。ハハハ」

272: 名無しさん 2016/02/24(水) 23:16:36 ID:LlDKMsRc
コーディ「よしっ……! まだまだいくぜっ……!」ムクッ


オー、オーオー

実況「あっと、しかしここはコーディの立ち上がりが早いっ! 早いぞっ!? ディージェイとは対照的に、こちらは間髪入れずに立ち上がっていくっ!」

元「おっ、いいねぇ。やっぱり勢いがなくちゃね」


コーディ「ヘバってんじゃねぇぞ、オラオラオラっ……!」ズガズガ

ディージェイ(ミーが待ってあげてるんだよっ……! ファッキン、調子に乗るなっ……!)


実況「さぁ、そしてコーディは上体を起こして一息ついているディージェイに近づいていきますっ!」

元「うん、ガンガンいこう」

273: 名無しさん 2016/02/24(水) 23:21:36 ID:LlDKMsRc
コーディ「うるあっ……!」ガシッ

ディージェイ「……くっ!」


実況「さぁ、ディージェイへと近づいていったコーディは、そのままディージェイの頭部に腕を回し……ここはヘッドロックの体勢へと捉えていきますっ!」

元「いいよいいよ」


コーディ「絞りあげるぜっ……!」ギリギリ

ディージェイ「オウ、オウ……オーマイガー……頭が……割れそうだよ……」ググッ


実況「さぁ、そのまま力込め……ヘッドロックっ……! ヘッドロックでディージェイの頭部を締め付けていきますっ!」

元「こういう風にピタリくっつけば蹴りとかは……ディージェイ君も使えないよね」

実況「上手く、ディージェイの間合いになる事を避けているコーディと言った所でしょうか!? あっと、しかしディージェイもなんとか立ち上がっていきますっ! 頭部を締め付けられながらも……立ち上がっていくっ!」

274: 名無しさん 2016/02/24(水) 23:30:09 ID:LlDKMsRc
ガイ「……」

ブランカ(ガイ君……煽ってもいい場面ですよ……?)


実況「両軍、パートナー……ここは、まだ動き見せませんっ!」

元「まぁ、まだ出てくるような場面じゃないんじゃない?」

実況「ここは両軍共に、先発の動きに期待すると言った所でしょうか。だた、ブランカに関しては、そもそもそういった事を考えてるのか……これ、わかりませんけどね?」

元「ハハハ、彼はわかんないねぇ」


コーディ「オラっ……リング中央に運んでやるよっ……!」グイグイ

ディージェイ「オウ……オウ……引っ張るんじゃないよ……」


実況「さぁ、コーディは……ディージェイ身体ヘッドロックの体勢で捉えたままリング中央へと運んでいきますっ!」

元「そうですね、リング中央で仕掛けた方がいいですね。ロープからも遠いですし」

287: 名無しさん 2016/02/25(木) 21:59:40 ID:QIcAr8G.
コーディ「オラ、オラオラっ……!」ギリギリ

ディージェイ「オーノーっ……! 頭が……頭が割れちゃうよ~!」


実況「さぁ、リング中央でガッツリとディージェイの頭部を脇に抱え、そして締め付けていくコーディっ!」

元「いいですよ」


ディージェイ「オウ……だけど、ミーも負けちゃいられないよ~! ヘイっ……!」ガシッ

コーディ「……んあっ?」


実況「おっと、しかしここはディージェイっ! ヘッドロックに捉えられつつも、そのままコーディの胴回りを掴んでいくっ! 胴回りに両腕を回すっ!」

元「……おっ?」


ディージェイ「ファンキーバックドロップっ……! 受けてもらうよ~! ヘイヘ~イっ!」ググッ

コーディ「……バックドロップかっ!」


実況「おぉ~っと、そしてここは……そのままコーディの身体を投げていこうと言った所かっ!? ディージェイはここで一旦、身体を屈め……そして伸びる勢いを利用しながら……」

元「バックドロップですかね?」

288: 名無しさん 2016/02/25(木) 22:10:01 ID:QIcAr8G.
コーディ「うおおおぉぉっ! させねぇっ! んんんっ……!」ググッ

ディージェイ「……オウっ!」


オー、オーオー

実況「おぉ~っとっ! だがしかし、コーディそれをさせないっ!」

元「おっ? 堪えたよっ!?」

実況「ここは、大きく声を張り上げながらコーディはディージェイの持ち上げようとしていったタイミングに合わせて、大きく踏ん張り堪えていきますっ!」


コーディ「させねぇんだよっ……! うるあああぁぁっ!」ギリギリ

ディージェイ「オウ……オーノーっ……! ミーのファンキーバックドロップがっ……!」


実況「そして、再び気合をいれてディージェイの頭部を締め付けるコーディっ! ここは堪えましたっ! ヘッドロックで締め続けますっ!」

元「うん、タイミング合わせて上手く対応したね」

289: 名無しさん 2016/02/25(木) 22:18:05 ID:QIcAr8G.
ディージェイ「オ、オウ……ミーは諦めないよっ……! ファンキーバックドロップ……」グイッ

コーディ「……させねえええぇぇっ!」ググッ

ディージェイ「ノーっ……!」


オー、オーオー

実況「しかしここはディージェイも、もう一度仕掛けようと試みるっ! あっと、だがしかしっ……!」

元「おっ、いいよいいよ。腰落とそう、腰落とそう」

実況「コーディも踏ん張るっ! 堪えていくっ! ここで、コーディは少し腰を落として重心を安定させていくっ!」


コーディ「うおおおぉぉっ……! 締め上げるぜええぇぇっ……!」ギリギリ

ディージェイ「オーウっ……! ノーウっ……! 頭がっ……頭が割れちゃうよおおぉっ……!」

コーディ(……う~ん、うるさいなぁ)


イイゾー、コーディ

実況「さぁ、そしてここで、より一層力を込めてディージェイの頭部を絞り上げていくコーディっ! お~っと、ここは抵抗するディージェイを力技で封じていくますっ!」

元「いや~、いいんじゃない? 今の所、コーディ君いいんじゃない?」

290: 名無しさん 2016/02/25(木) 22:27:20 ID:QIcAr8G.
ディージェイ「ノーっ……! オーノーっ……! 頭が……頭が割れちゃうよっ……!」

ダン「おい、どうするディージェイ!? ギブアップかっ!?」


実況「重心を低くして……そしてあれだけの力で絞りあげればディージェイもそう簡単には投げられはしないでしょうねぇ!?」

元「そうだね、うんうん」

実況「苦しむディージェイっ! さぁ、そんなディージェイに今レフェリーが確認を取りに来ましたかね!?」


ディージェイ「キブアップ……!? するわけないでしょ、バカちんがっ……!」

ダン「……うるせ、形式的なもんだよ、バーカっ!」

ディージェイ「ヘイヘイヘイヘイ……投げがダメなら……ヘーイ、ヘーイっ!」グイグイ

コーディ「おっ……? おっとっと……!」ヨロヨロ


実況「おっと、しかしここはディージェイも切り返してくるかっ!?」

元「そうだね。バックドロップ辺りで返したいんだろうけど……コーディ君が、そこは上手くやってるからね……」

実況「ここは、踏ん張っているコーディの体勢を一度崩しにかかりますっ! ヘッドロックに捉えられつつも……その身体を、押し込んでいくっ! ロープ方向へとグイグイと押し込んでいくディージェイっ!」

291: 名無しさん 2016/02/25(木) 22:37:51 ID:QIcAr8G.
ディージェイ「ヘイヘイ、ロープまで押し込んで……イエーイ、ゴールっ!」ググッ

コーディ「……うおっとっ!」


実況「リング中央で捉えられていたディージェイだが、ここは身体を押し込み押し込み、ロープ方向まで追いやっていきますっ! さぁ、コーディの身体がロープに触れたっ!」


ディージェイ「そ~れ~で……この勢いのまま……ヘーイっ! いってらっしゃ~いっ!」ブンッ

コーディ「う、うおおっ……!」ダダッ


実況「一度ロープの反動を利用して……おっと、そのままコーディのか身体を、逆側へのロープへ振っていくディージェイっ! おっと、頭部を締め付けていたロックは外れ、コーディがロープへと走ったぁ!」

元「ロープの反動を利用をしてきたね」


ディージェイ「はぁっ……もう、なんと言うか……なんと言うか……」スッ


実況「ロープに振られたコーディを尻目に、ディージェイはリング中央へと移動していきますっ! 少々、頭部抑えていますかねぇ!?」

元「結構、締め付けられてたからねぇ」

292: 名無しさん 2016/02/25(木) 22:42:52 ID:QIcAr8G.
コーディ「……くっ!」ダダッ

ディージェイ「ヘーイっ! アーユーオーケーっ!?」パンッ


実況「さぁ、ロープの反動によってコーディの身体が帰ってきたぁ! そして、リング中央まで移動したディージェイは気持ちを切り替えるかのように、一つ手を打ち鳴らすっ!」


ディージェイ「ヘーイっ……! いくよっ……!?」シュルッ

コーディ「うおっ……!」


実況「さぁ、返ってたコーディの身体っ! その左脇下にディージェイは自身の右腕を差し込んでいくっ!」


ディージェイ「せぇ~のっ……! よっとっ……!」ググッ

コーディ「う、うおおぉっ……!」フワッ


実況「おぉ~っと、そしてディージェイは身体を半回転させてそのままコーディの身体を持ち上げていくっ! ここは勢いをそのまま利用していったぁ! コーディの身体が浮き上がるっ!」

293: 名無しさん 2016/02/25(木) 22:46:56 ID:QIcAr8G.
コーディ「……ぐわあああぁぁ!」ドシーンッ

ディージェイ「オーケーっ! ようやく、ミーの技が決まったねっ!」


実況「コーディの身体がフワリと浮き上がり、一回転してマットへと落ちるっ!」

元「アームホイップ決めてきたね」

実況「ここはディージェイっ! カウンターのアームホイップですっ! 上手くタイミングを合わせて決めてきましたっ!」


コーディ「痛っ……! ちくしょうっ……! だが、まだまだぁ……!」ムクッ

ディージェイ「……あ~あ」


オー? オーオー?

実況「あっと、待って下さいっ……! しかしここはコーディの立ち上がりが早いっ! 早い早いっ! 一回転してマットに叩きつけられつつも……そのまますぐに立ち上がってくるっ!」

元「おっ、いいね」

294: 名無しさん 2016/02/25(木) 22:54:12 ID:QIcAr8G.
コーディ「うおおおおおぉぉ……!」ダダッ

ディージェイ(ま~た来るよ……また来るよ……ずっとこいつのターンだよ……とりあえず、ファンキーなダンス……始めちゃおうっと……)ルンダルンダ


実況「即座に起き上がり、そして正面のロープに向かって走り出すコーディっ! おっと、そしてディージェイは……何やらステップを始めたぞっ!?」

元「んっ……? んっ……?」


コーディ「うおおおおおっ……! いっくぜええぇっ……!」グイッ

ディージェイ「ンッン~! ジャバドゥビダッタ、トゥットゥトゥ~! ダバディバダッタラッタラ~!」ルンダルンダ


実況「さぁ、コーディのロープの反動をつけてディージェイへと即座に向かうっ! そして、ディージェイは……踊り出したのかっ!?」

元「あ~っと、一撃入れて満足しちゃったのかね……? ダ~メだよ、気を抜いちゃさぁ」

295: 名無しさん 2016/02/25(木) 23:01:57 ID:QIcAr8G.
ディージェイ「ンッン~! ダバディバ、ドゥビドゥバ、トゥルルラッタラッタ~ン!」ルンダルンダ

コーディ「踊ってるんじゃねぇっ……! 鬱陶しいんだよ、オラァっ!」ドスッ

ディージェイ「んっ……? お、お~うっ……!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「踊り始めたディージェイに対して……ここでコーディはドロップキーックっ! ドロップキックを突き刺していきますっ!」

元「ディージェイ君も追撃とかいった方が良かったんだろうけどね」

実況「踊らせはしませんっ……! 踊りは許しませんっ……! リングはダンスフロアではないっ! コーディはディージェイの身体に教えていくっ!」


ディージェイ「お~っとっとっとと……おっとっとっと……!」ヨロヨロ


実況「おっと、ドロップキックを突き出されたディージェイの身体は……そのまま大きく大きくよろめいて……おっとっとっとっ!」

元「結構、鋭いの入ったからねぇ」


ディージェイ「オーノーっ……! 場外に……落ちちゃううぅ……!」ボトッ


実況「そのまま、ロープ方向まで足が縺れよろけていくディージェイっ! おっと、そしてトップロープの間を潜り抜け……そのまま場外に落ちたかっ!?」

元「おぉ~っと、落ちたね」

296: 名無しさん 2016/02/25(木) 23:06:43 ID:QIcAr8G.
ブランカ「でぃーじぇいっ! 大丈夫カッ!?」

ディージェイ「……大丈夫だよ。あ~あ」ムクッ


実況「これには、エプロンサイドのブランカも、場外に落ちたかディージェイに対して、何やら声をかけていますっ!」


コーディ「よおおぉぉっしゃっ! どうだぁ!」ムクッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そしてここで……? リング上のコーディは大きな声を出しながら立ち上がってくるっ!」

元「今日、気合入ってるよね」


コーディ「俺を舐めるんじゃねぇっ!」ググッ

ガイ「いいぞ、いいぞ、コーディ。お前のペースだ」ググッ

ディージェイ(フン、これだよ……すぐこれだよ……フン、ダメダメボーイズのくせに……)


実況「リング上で立ち上がったコーディは、ここで力強い握り拳を作っていくっ! 少々、コーディに勢いがついてきましたっ! おっと、コーナーに控えているガイも、握り拳を作っているっ!」

元「うんうん、勢い出てきたねぇ」

297: 名無しさん 2016/02/25(木) 23:11:21 ID:QIcAr8G.
ディージェイ(いい所だけ持っていって……フンっ……!)

コーディ「若手舐めんじゃねぇぞっ! オラ、とっとと上がって来いやっ!」


イイゾー、コーディ

実況「試合開始前は……見下されていたかのような、コーディ達ではありましたが……」

元「そうだね。そういうのは試合の中で……見せつけていかないとね」

実況「試合が始まればコーディのペースと言った所かっ!? リング上のコーディも気合いに満ち溢れているっ!」


ディージェイ(Mr.本田や、Mr.ブランカだったら、ミーはもっと好きに出来るのに……う~ん、でも今日の相手はダメダメボーイズ……う~んっ……う~んっ……!)

コーディ「オラオラ、どうしたどうしたっ!?」

ディージェイ(ミーは何も出来ないよ……こうやって美味しい所だけ取られて……う~ん……う~んっ……!)

299: 名無しさん 2016/02/25(木) 23:17:27 ID:QIcAr8G.
ダン「場外カウント取るぞ~! 1……」

ブランカ「でぃーじぇいっ! 場外かうんとダッ! 早ク戻レッ!」

ディージェイ「わかってるよ。へいへい」シュタッ

コーディ「……よし、来たな」ズガズガ


実況「さぁ、ここで場外カウントが取られますかね……? あっ、いや大丈夫なようです。ディージェイはエプロンサイドへと上がりますっ!」

元「あっ、でもコーディ君が……」

実況「おっと、ここはコーディ……エプロンサイドに昇るディージェイに向かって、歩みを進めていくっ! ここで近づいていくっ!」


コーディ「……リングイン手伝ってやるよ、よっ!」ガシッ

ディージェイ「……んあっ?」


オー、オーオー

実況「おっと、そしてここでコーディはリングの中から、エプロンサイドにいるディージェイの頭部を……ロープ越しに脇へと抱えたっ!」

元「おっと、ブレーンバスターかな?」

実況「ここは、エプロンサイドにいるディージェイに、コーディはブレーンバスターをねらっているのかっ!? そのままブレーンバスターでリング内へと入れていこうと言った所でしょうっ!」

300: 名無しさん 2016/02/25(木) 23:24:27 ID:QIcAr8G.
ディージェイ(これ、来るやつかな……? 来ないやつかな……? 多分、来ないやつだよね……うん、だったら……)

コーディ「……いくぞ」

ディージェイ「うるさい、バカ、アホ、ボケ」ドスッ

コーディ「……うぐっ」フラッ


実況「いやっ、あっと、ここはディージェイ、落ち着いて対応していきますかね? 頭部を捉えられつつも、コーディの腹部へとボディブローっ! 打っていきますっ!」

元「おっと、落ち着いてるね」


ディージェイ「……こんな場所じゃファンキーな技は使えないよ。狭いよ」ググッ

コーディ「……お、おおっ」


実況「さぁ、頭を抜いたディージェイっ! そして、ディージェイは両腕で掴んでいたトップロープをセカンドロープへと持ち替え、エプロンサイドで身体を屈めていきますっ!」


ディージェイ「……ヘーイっ! よいしょ~っ!」ドスッ

コーディ「……どふっ!」


実況「そして、トップロープとセカンドロープの間に身体をねじ込むようにしながら……ショルダータックルっ! おっと、コーディの腹部に自身肩をぶつけていくっ! ここはディージェイ、ブレーンバスターを仕掛けられた所……落ち着いて対応していきました」

元「そうだね、落ち着いているね」

301: 名無しさん 2016/02/25(木) 23:29:58 ID:QIcAr8G.
ディージェイ「とりあえず、リングに戻ろうか……ちょっと待っててねぇ~!」グイッ

コーディ「……お、おおっ」


実況「さぁ、コーディが腹部を抑えている隙に……ここでディージェイがリングインっ! 再び、リングへと戻ってきましたっ!」


ディージェイ「ヘイ、ボーイっ! 今度はこっちだよ~!」ガシッ

コーディ「……おっ」


実況「そして、ディージェイはコーディの首筋を……背後から掴んだっ! その首筋に手を添えるっ!」


ディージェイ「ヘイヘイ、こっちこっち……カモンカモンっ! それとMr.ブランカっ! トップロープに足を掛けるんだっ! ハーリーアップっ!」ズガズガ

ブランカ「……ワカッタっ!」ガシッ


実況「そのままコーディの身体を押しやり、自軍コーナーの方へと押しやっていくディージェイっ! おっと、そしてここで自軍コーナーサイドのブランカが、トップロープに片足を掛けて待っているっ!」

元「おっと、連携攻撃かな?」

302: 名無しさん 2016/02/25(木) 23:33:43 ID:QIcAr8G.
ディージェイ「それじゃあ、ぶつかってもらうよ~! 3……2……1……ドーンっ!」ブンッ

コーディ「……ぐえっ!」ヨロッ


実況「そして、後ろから勢いをつけて、コーディの顔面をトップロープに掛けているブランカの足裏へとぶつけていきますっ! ここは、連携攻撃っ!」


ブランカ「あ~、いてて……私は君程足が長くないんですから……無茶させないで下さいよ……」ボソッ

ディージェイ「オウ、ソーリー」

ブランカ「ところで、連携攻撃という事は……交代ですか……?」ボソッ

ディージェイ「……交代はしな~い。まだ、ミーのいい所見せてないでしょ? もう、ちょっとやらせてよ」

ブランカ「わかりました。続けて下さい……」ボソッ

318: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:00:56 ID:xFvZ2Ggo
ディージェイ「ヘーイっ! それじゃあ、いくよっ!」ググッ

コーディ「……うああっ」


実況「さぁ、ディージェイは自軍コーナーサイドにいる、ブランカと一言二言何やら言葉を交わして……この場面、交代はなしかっ!?」

元「そうですね。まだまだと言った感じじゃない?」

実況「そして、顔面を抑えているコーディ側面から近づいていくっ! おっと、そのまま首筋へと両腕を回していくっ!」


ディージェイ「……フライングメイヤーだよ~っ!」グルンッ

コーディ「……くっ!」ドシーンッ


実況「そしてコーディの身体を前方へと一回転させて転がしていくディージェイっ! ここはフライングメイヤーっ! コーディの身体が尻餅をつくようにマットへと落ちたっ!」

319: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:08:34 ID:xFvZ2Ggo
ディージェイ「そして、ファンキーなダーンスっ! イエーイっ!」ルンダルンダ


コーディ、ガンバレー

実況「勿論、踊る事も忘れませんっ! ディージェイもまだまだ余裕と言った所でしょうかっ!?」

元「本当、すぐ踊るよね」


コーディ「あぁ、くそっ……舐めやがって……」

ディージェイ「おぉ~っと、ダンスだけじゃなくて……プロレスも勿論するよ~! ヘーイっ!」スパーンッ

コーディ「……ぐあっ!」


実況「おっと、尻餅状態のコーディをディージェイはここで蹴っていきますっ! フライングメイヤーで投げ飛ばし、そしてダンスっ! さらに、キックと流れるような攻撃を見せていきますっ!」

元「……間に余計な物入ってるよ」

実況「……えっ?」

元「ダンスは技じゃないっての」

320: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:14:43 ID:xFvZ2Ggo
ディージェイ「ヘーイ、ミーのターンは続くよ~! イヤッホオオォォッ!」ググッ

コーディ「んっ……? うおっ、ガッ……!」


実況「いやはや、失礼しましたっ! おっと、ディージェイの攻撃はまだ続くか!?」

元「あっ、スリーパーホールドにいったねぇ」

実況「コーディの背後から腰を落とし、そしてその首筋に腕を回していくっ! ここはスリーパーホールドっ! ディージェイがスリーパーホールドを仕掛けてきましたっ!」


ディージェイ「ヘイヘイヘイヘイ、ミーの番だよ~!」ググッ

コーディ「ガッ……ガッ……」


実況「フライングメイヤー……ダンスっ……! キックっ……! そして、スリーパーホールドと流れるように攻撃を見せて……」

元「だから、ダンスを技に含めるなってのっ!」

実況「おぉ~っと、失礼っ!」

321: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:23:30 ID:xFvZ2Ggo
ブランカ(いいですよ、いいですよ。そうそう……打撃だけじゃなくてね、そういった技も使っていきましょう)

ディージェイ(うへぇ、気持ち悪い……何で、こんなにもう汗ダクダクなんだよ、ばっちいなぁ、も~う……う~ん、もう嫌っ……! 気持ち悪いよっ!)


実況「さぁ、ディージェイもじわりじわりとコーディの体力を奪っていきますっ! スリーパーホールドでコーディを締め付けていくっ!」


ディージェイ「イエーイっ! ファンキーギタータイムっ! 始まるよっ!」

ブランカ(……んっ?)


実況「おっと、そしてここで……ディージェイが何やら言いましたね?」

元「おぉ~っと、何か言ったね?」

322: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:30:30 ID:xFvZ2Ggo
ディージェイ「ヘーイっ……! ウィン、ウィン、ウィン、ウィン……ギュルルルル~!」ゴシゴシ

コーディ「んあっ……! んあっ……! 何だぁ……!? くっ……!」


実況「お~っと、ここでディージェイは左腕をコーディの首筋に巻きつけながらも、右腕っ! 肘の部分をコーディの顔面へと押し付け……そして、上下に擦るっ! 擦る、擦るっ!」

元「おっと、少々ダーティな攻撃だ」


ディージェイ「ナナナーナー! ナナナーナー! 汗っかき君、グッバーイっ! ナナナーナー! ナナナーナー!」ゴシゴシ

コーディ「ぐあっ……! ぐあっ……! 何だ、こんなのもあるのか……!?」モガモガ

コーディ、イケー!

ディージェイ(オウ、いいね。場内も湧いてきた。これは、一石二鳥というやつだねっ!)

ブランカ(……また、ダーディな攻撃しちゃって。ダルシムさんが教えたんですかね?)


実況「さぁ、顔面ウォッシュ……とでも言えばいいか? さぁさぁ、ディージェイが右肘をコーディの顔面に擦りつけるっ! そして、コーディは悶えるっ!」

323: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:37:11 ID:xFvZ2Ggo
コーディ、マケルナー!

ダン「余計な事するんじゃねぇっ……! 普通にやってろ、オラっ……!」ビシッ

ディージェイ「違うよ、違うよ、汗が気持ち悪いんだよっ……! だから、ミーは……」ゴシゴシ

ダン「……黙れっ! 今すぐやめろっ! これはマジ物だぞっ!?」ビシッ

ディージェイ「わかったっ……! わかったよ、ヘイヘイっ! ホラ、スリーパーホールドだっ! ほら、オーケー……? オーケー……?」

ダン「オーケーっ……! ったく……」


実況「あっと、しかしこの行為は……ディージェイにレフェリーが近づいてきて、警告していますかねぇ?」

元「うん、反則取られてもおかしくない技ではあるね」

実況「慌てて、顔面を擦るのを中断して、再びスリーパーホールドへと移行していくディージェイっ! ここは、中断していきますっ!」

元「まぁまぁ、その辺のルールは守らなきゃ」

324: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:45:22 ID:xFvZ2Ggo
コーディ、コーディ

コーディ(よし、それじゃあ、そろそろ反撃に打って出るか……ったくっ……!)

ディージェイ「でもね、ミーは正しい事をしたと思うんだ……だって、汗で滑ってツルってなったら、それはそれで……」ブツブツ

コーディ「うるせええぇっ……! 何、ブツブツ言ってやがるっ!」

ディージェイ(あっ、これ……また、来る奴だ……も~う、出しゃ張り君め……ミーのターンないよっ!)


実況「おっと、しかしコーディもやられたままではないかっ!? ここは大きく雄叫びをあげながら……!」


コーディ「……うるああぁっ! この野郎ぉぉぉっ!」ブンッ

ディージェイ「んっ……? オーウっ!」

コーディ「だああぁぁっ……! らああぁぁっ……! あっ……」ガスッ


実況「尻餅状態ながらも……足を大きく振り上げ、背後にいるディージェイの顔面を蹴りつけていったぁ! ここはコーディも負けてはいないっ!」

元「……おっとぉ」

325: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:51:47 ID:xFvZ2Ggo
ディージェイ「……痛っあああっ!」フラッ

コーディ(やべ……変な感じに入っちまった……)

ディージェイ「ちょっと、ちょっと……んあぁ~、なぁ~、も~うっ……!」ベタッ


実況「さぁ、ディージェイの腕が離れ……おっと、そのままヨロヨロと後退して、蹲りますっ!」

元「あったった」

実況「額を抑え、亀状態っ! 亀になるディージェイっ! カウンター気味にヒットしたかっ!? 蹲りますっ!」


コーディ(あっ、やべっ……やっぱり、マジで蹲ってるんじゃねぇの、コレ……? やっちまった……どうするどうする……)ムクッ

ディージェイ「だから……ダメダメボーイズは嫌なんだよ……も~う……も~う……」


実況「さぁ、そんなディージェイを尻目に……コーディは立ち上がってくるっ! 立ち上がってきますっ!」

326: 名無しさん 2016/02/26(金) 22:56:33 ID:xFvZ2Ggo
コーディ(え~っと、どうするどうする……と、とりあえず……間を取るか……うんうん、え~っと、間を取ってから……え~っと、あの人が回復するのを待って……回復……? 回復って何だ……?)ササッ

ダン「お、おい……ディージェイ大丈夫か……?」

ディージェイ「大丈夫、大丈夫……オーケー、オーケー……すぐ立つよ……すぐ立つから……」


実況「あ~っと、何とかコーディですが……ここは首筋を抑えながら、ディージェイから距離を取り、ロープ方向に移動して……ここは呼吸を整えにかかりますかね?」

元「そ~うですね……スリーパーホールドとか顔面グリグリとかされてたからね。一つ、間を置くのもいいんじゃないかな?」


コーディ(え~っと、え~っと……どうするどうする……やべぇ、やべぇ……どうするどうする……)

ガイ(んっ……? 何か、起きた……?)

ブランカ(……あっちゃ~、蹴りが入っちゃいましたかね? う~ん)

327: 名無しさん 2016/02/26(金) 23:00:50 ID:xFvZ2Ggo
コーディ、イマダー、イケイケ

コーディ(今は……ダメっ……! 今はダメっ……! コレ、今はいけない事情があるんだよ……)


実況「……コーディ、ここはちょっと一歩が出ませんねぇ」

元「まぁまぁまぁ、仕方ない、仕方ない……」


ダン「ディージェイ、いいか……? キレんなよ……? コーディだって、悪気があって……」ボソッ

ディージェイ「キレてないよ……キレてないよ……ミーをキレさせたら、たいしたもんだよ……」

ダン「お、おう……それならいいけど……大丈夫か……?」

ディージェイ「大丈夫っ……! オーケーっ! よし、再開っ!」ムクッ


実況「あ~っと、そうこうしているうちに……ディージェイが体勢を整えて、立ち上がりましたっ!」

元「仕方ない」

329: 名無しさん 2016/02/26(金) 23:06:11 ID:xFvZ2Ggo
ダン「よし、ファイっ!」ビシッ

ディージェイ(全く……気をつけてよね……? 赤くなってないかな……も~う……)チラッ

コーディ(やっべぇ……睨んでる……キレてる……やっべぇ、どうするどうする……)


実況「さぁ、立ち上がったディージェイは額を抑えつつも、コーディに向かってゆっくりと歩みを進めていくっ!」


ガイ(コーディ……何をボーッとしている……? 様子が変だぞ……)

コーディ(あ~、え~っと……え~っと、えっとえっと……)

ガイ「コーディ、いけっ……! 動け、ホラっ!」パンパン

コーディ(あっ……! そうだ、そうだっ! とりあえず、試合は続けねぇと……!)


実況「ここでエプロンサイドにいるガイは大きく手を叩き、コーディに檄を飛ばしていくっ!」

元「そうだね。コーディ君も、いかなきゃいけないよ」

330: 名無しさん 2016/02/26(金) 23:14:28 ID:xFvZ2Ggo
コーディ「うおおぉぉっ! いくぞオラあああぁぁ!」ズガズガ

ディージェイ(あっ、来るんだね……今度は気をつけてよ……? 仏の顔も3度までだからね……?)

コーディ(俺が、いくターンだぞっ! わかるだろ……? なぁ、俺がいくターンだぞ、ここはっ……!)


オー、オーオー

実況「さぁ、その檄にコーディも応えるかっ!? コーディは大きく吠えながら、ディージェイへと向かっていくっ!」

元「よぉし」


オー、オーオー

コーディ「……だああぁぁらああぁぁっ!」ガスッ

ディージェイ「……オウフ」フラッ

コーディ(よ、よしっ……! よかったよかった、喰らってくれたぞ……よしよしよし……)


実況「さぁ、そして正面から近づいていって……そしてディージェイにエルボーバーットっ! 顔面に正面から叩き込んでいきますっ!」

元「うん」

332: 名無しさん 2016/02/26(金) 23:20:35 ID:xFvZ2Ggo
コーディ(え~っと、ここから……えっと、えっと……アレ……? なんだったっけ……?)

ディージェイ(アレ……? 終わり……? んんっ……?)

ブランカ(……とりあえずは、喰らってはくれましたね。うん、よし)

ガイ「よし、コーディいいぞいいぞ。いけいけ」パンパン

コーディ(ガイも、こんな状況で……煽ってくるんじゃねぇよっ……! え~っと、えっと……)

ガイ(コーディの動き……悪くなったんじゃないか……? ここは煽っていかないと……)

コーディ「おおおおぉぉっ! アンタも打って来いやああぁ!」クイクイ

ディージェイ「え~っと……これは……あっ、はい……はい……」


オー、オーオー

実況「おっと、そしてここでコーディは腕をクイクイと動かして、ディージェイを誘っていきますっ! 誘っていきますっ!」

元「おぉ~っと」

335: 名無しさん 2016/02/26(金) 23:27:00 ID:xFvZ2Ggo
ディージェイ「え~っと……いくよ……? それじゃあ、いくよ……?」

コーディ「……来ぉいっ!」

ディージェイ「……えい」ガスッ

コーディ「……くっ」ヨロッ


オー、オーオー

実況「さぁ、今度はディージェイが打ち込んでいくっ! コーディの顔面へとエルボーバットっ! コーディが少し、ふらついたっ!」

元「負けちゃダメだよ~」


コーディ「今度はこっちの番だっ! うおおおぉぉぉっ!」ググッ

ディージェイ「あっ、はい」

コーディ「……だああぁぁっらああぁぁっ!」ガスッ

ディージェイ「……オウチ」ヨロッ


オー、オーオー

実況「しかし、コーディも負けてはいないっ! ここは踏ん張って堪えつつ……そしてエルボーバットっ! ディージェイに打ち込んでいくっ!」

元「よしよし、いけいけいけ」

337: 名無しさん 2016/02/26(金) 23:32:54 ID:xFvZ2Ggo
コーディ「おらぁっ、アンタの番だっ……! 打って来いっ!」クイクイ

ディージェイ「あっ、はい」


実況「さぁ、コーディの闘争心も高まってきたかっ!? 大きく大きく吠えながら、ディージェイを誘う!」


ディージェイ「それじゃあ……よいしょ~っ!」ガスッ

コーディ「……ぐっ!」


オー、オーオー


コーディ「今度はこっちだっ……! だああぁぁっらああぁぁっ!」ガスッ

ディージェイ「……オウチ」


オー、オーオー

実況「そして、打ち込んでいくディージェイっ! しかし、コーディも負けずと打ち込んでいくっ!」

元「うん」

339: 名無しさん 2016/02/26(金) 23:36:49 ID:xFvZ2Ggo
コーディ「……カモンっ!」クイクイ

ディージェイ「オーケー、エルボー合戦だろ……? オーケー、オーケーっ……! はああぁぁっ!」ガスッ

コーディ「くっ……! だあぁらあぁっ……!」ガスッ

ディージェイ「オウチ……はああぁぁっ……!」ガスッ

コーディ「くっ……! だあぁらあぁっ……!」ガスッ

ディージェイ「オウチ……はああぁぁっ……!」ガスッ

コーディ「くっ……! だあぁらあぁっ……!」ガスッ

ディージェイ「オウチ……はああぁぁっ……!」ガスッ


オー、オーオー

実況「さぁ、コーディとディージェイの互いに一歩も引かないエルボー合戦が始まったっ! ここで始まったっ!」

元「うん、互いに打ち合ってるね」


コーディ(え~っと、とりあえずはエルボー合戦……それで、その間に考えよう……うんうん……)

ブランカ(……立て直しにかかってますねぇ、うん)

357: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:01:21 ID:qn/UWLgo
コーディ「くっ……! だあぁらあぁっ……!」ガスッ

ディージェイ「……オウチっ!」ヨロッ

ブランカ(ディージェイ君が、攻撃を受けてる……これはいい事ですが……)


オー、オーオー

実況「さぁ、コーディが打ち込んでいったぁ!」

元「互いに引いてないね」


ブランカ(そろそろ……次の展開いってもいいんじゃないですかね……? 様子がおかしくなったのは……蹴りからか……)

ディージェイ(エルボー……エルボー……エルボー……エルボー……アーンド、エルボー……んんっ……!?)

コーディ(蹴りが入って、ちょっとビビった部分はあるけど……大丈夫だ……この人は付き合ってくれてる……こうやって付き合ってくれてる……大丈夫だ、怒ってねぇっ……! え~っと、それじゃあ次の展開は……)

ディージェイ(……これ、ファンキーじゃなくない?)

コーディ「おっ……? どうしたぁ!? 打って来いよっ!? ヘバったのか、オラっ! そっちの番だぞっ!」クイクイ

ディージェイ「あっ、はい」


実況「少しディージェイが押されてきたかっ!? おっと、ここでコーディがディージェイを誘うっ!」

358: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:10:08 ID:qn/UWLgo
ディージェイ「はああぁぁっ……!」ガスッ

コーディ「くっ……! だあぁらあぁっ……!」ガスッ

ディージェイ(オウ、まただよっ! これ、何時まで続けるんだいっ!?)ヨロッ


オー、オーオー

実況「さぁ、続いてディージェイも打ち込むっ! だがしかし、間髪入れずにコーディっ!」


コーディ「オラオラ、来い来いっ! どうしたどうしたっ!?」クイクイ

ディージェイ(ヘーイっ! ちょっと待ってよっ……! なんで、ミーにエルボーばかり要求するんだいっ!? ちょっと……んっ……? んあっ……!?)


実況「少々、ディージェイが押されているか? さぁ、コーディが誘う誘うっ!」

元「そうだね。そろそろ、一つ狙ってみてもいいんじゃないかな?」


ディージェイ(エルボー……エルボー……アーンド、エルボー……ミーのファンキーな所はっ!? ねぇねぇ、ミーはっ!? ミーはっ!? ミーはっ!?)

359: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:16:39 ID:qn/UWLgo
ディージェイ(もう、エルボーは沢山だよっ……! ここは……)ググッ

コーディ(えっ……? ちょっと待て……ちょっと待て……違う……違うぞっ……!?)

ディージェイ「……キックだっ!」スパーンッ

コーディ(やべっ……! あの蹴りが……来たぞっ……!? おおっ……!)ヨロッ


オー、オーオー

実況「あっと、しかしここでディージェイが切り替えてくるかっ!?」

元「あっと」

実況「ここでディージェイ……今度は蹴りを打ってきますっ! 何とか、ガードはしたコーディだが……肩口辺りにその鋭い蹴りが突き刺さるっ!」

元「彼は多分、腕より足の方が器用だろうからねぇ」

実況「確かにっ!」

360: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:20:41 ID:qn/UWLgo
ブランカ(蹴りに切り替える……悪くない……うんうん、悪くないのですが……)

コーディ(あっと、ビビらせやがって……エルボーだろ……!? エルボー要求したんだから、エルボーしてくれよっ! アンタの蹴り怖いんだよっ!)ギロリ

ディージェイ(オーノーっ……! 何で、ミーの事を睨むんだよっ!? だって、エルボー、エルボー、アンドエルボーじゃ……)

ブランカ(相手はコーディ君なんですよねぇ……う~ん……あ~、また止まったぞ……どうしたどうした……?)


実況「試合開始直後に見せましたが、やはりディージェイの鋭い蹴りっ! こちらが本命と言った所でしょうかっ!?」

元「試合開始直後のは空を切る形にはなったけど、やっぱりあの蹴りだからねぇ。コーディ君も警戒心……ってのは、当然持ってるだろうね」

実況「しかし、ここは臆さず前に進みたいっ!」


コーディ、イケー

コーディ(あっ、やべっ……そうだ、俺の番だ……攻めなきゃ攻めなきゃ……え~っと、とりあえず……)

ディージェイ(カモンっ……! プリーズ、カモンっ……! キックっ! スープレックスっ! サブミッションっ……! ノット、エルボーっ……! カモン、カモンっ!)アセアセ

コーディ(あ~っと……あ~っと……エルボーだっ!)

362: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:25:43 ID:qn/UWLgo
コーディ「……だああぁぁっ!」ググッ

ディージェイ(オーマイガーっ……! エルボーっ……!)

コーディ「……らああぁぁっ!」ガスッ

ディージェイ「……くっ」ヨロッ


オー、オーオー

実況「だが、コーディも臆さないっ! 前へと進むっ! ここはエルボーっ! 再びディージェイへと打ち込んでいくっ!」

元「うん」


コーディ(くそっ……またやり直しじゃねぇか……え~っと、えっとえっと……)

ディージェイ(キック……ダメなの……? ミーはまたエルボーしなきゃダメなの……? え~っと、え~っと……)

コーディ「オラァ、どうした!? 来いやぁ!」クイクイ

ディージェイ(オーノーっ……! また誘ってるよっ! Mr.コーディ、キックしたら過剰に驚いてる癖に……なぁ~んで、そんなに強気に誘ってくるんだよっ!?)

363: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:32:19 ID:qn/UWLgo
実況「さぁ、コーディが誘うっ! 再び誘うっ! 今度はエルボーと蹴りの打ち合いとなるかっ!?」

元「ディージェイ君も蹴りに切り替えてきたからね。それでも構わずに、打ち合おうって腹だね」


コーディ(大丈夫だ、大丈夫……もう何発か見てるし、それに喰らってるっ……! 蹴りだろうが、大丈夫……大丈夫だ……構いやしねぇ……!)

ディージェイ(キックは……う~ん……エルボーは……う~ん……どうしよどうしよ……)

ブランカ(……う~ん、出来る事なら二人で立て直して欲しい)

ディージェイ「オーケーっ……! 閃いたっ……! それならっ……!」ググッ

コーディ(んっ……!? アレ……? 蹴りじゃねぇのかっ……!?)

364: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:37:08 ID:qn/UWLgo
ディージェイ「……今度はパンチだっ!」シュッ

コーディ「……痛っ!」


実況「おっと、いやここはディージェイ……スナップを効かせたフックですかねっ!?」

元「おっと」

実況「鞭のようにスナップを効かせた拳っ……! そいつをコーディの顔面へと打ち込んでいきますっ!」


ディージェイ「イエーイっ! ヒットヒットっ! 上手く命中したから、100点だね!」ルンダルンダ

コーディ「……あっ、何だぁ?」


実況「おっと、そしてここでディージェイは、両腕を大きく振りながら軽やかなステップを踏み……」

元「ま~た、踊り始めちゃったよ」

365: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:45:46 ID:qn/UWLgo
ディージェイ「ドゥビドゥバ、ドゥビドゥバ……ダバダ、ドゥビドゥバ……ドゥビドゥバ、ドゥビドゥバ……」ルンダルンダ

コーディ(おい、何やってんだ……? こっちの番だろが……!)

ディージェイ「ドゥビドゥバ、ドゥビドゥバ……シュッ……!」シュッ

コーディ「……痛っ!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「さぁ、コーディの目の前で軽やかなステップを踏む……あ~っと、いやっ! ここでまたフックっ!」

元「おっと」


ディージェイ「イエーイ! ドゥビドゥバ、ドゥビドゥバ……ダバダ、ドゥビドゥバ……ドゥビドゥバ……ドゥビドゥバ……」ルンダルンダ

コーディ(なんだ、なんだ……? これなんだ……? これなんだ、おい……喰らえばいいのか……? 喰らってればいいのか……?)


実況「そして、またダンスを始めるディージェイっ!」

368: 名無しさん 2016/02/28(日) 22:57:51 ID:qn/UWLgo
ディージェイ「……シュッ!」シュッ

コーディ「……痛っ!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「お~っと、そしてここでまたフックっ! 打ち込んでいくっ! 踊っていたかと思いきや……突然鞭のような拳が飛んできますっ!」

元「ある意味、いいフェイントにはなってるよ。タイミングが読めないからね」

実況「自由気ままなディージェイならではの攻撃……ダンシングフリッカージャブとでも言えばいいか? さぁ、タイミングをずらしずらし、ディージェイが打ち込んでいくっ!」


ディージェイ「……よしっ! それじゃあ」ガシッ

コーディ「……んあっ?」


実況「おっと、そしてここでディージェイがっ! 少々フラついたコーディに詰め寄り、そしてその腕を取ったっ!」

369: 名無しさん 2016/02/28(日) 23:06:36 ID:qn/UWLgo
ディージェイ「君のゴールはあっちだよ~っ! ヘーイっ! いってらっしゃ~いっ!」ブンッ

コーディ「お、おおっ……!」ダダッ

ブランカ(……おっ?)


実況「そしてディージェイはそのままコーディの身体を、コーナー目掛けて振っていったぁ!」


ディージェイ「シャバドゥビ、シャバドゥビ……ダララ、ドゥビドゥバ……シャバドゥビ、シャバドゥビ……」ルンダルンダ

コーディ「……ぐっ!」ドスッ

ディージェイ(Mr.コーディはいいよっ……! Mr.ガイカモンっ……! カモンカモン、Mr.ガイっ……!)


実況「ここでコーディの身体がコーナーマットへと串刺しになるっ! あっと、そしてディージェイは……踊っているっ! また踊っていますっ!」

元「すぐ、突っ込めばいいのに……なぁ~んで、踊っちゃうのかねぇ? らしいって言えば、らしいけどさぁ……?」

実況「何故、踊るか……と聞かれれば、やはりそれはディージェイだからだ……ディージェイだから踊るのです。としか、言えませんよね?」

元「ハハハ、そうだね」

370: 名無しさん 2016/02/28(日) 23:13:05 ID:qn/UWLgo
ガイ「コーディっ! 一回、落ち着けっ……!」

コーディ(くそぉ、ふざけやがって……あんたが、勝手な事を始めたんだろ……? 俺は、エルボー誘ってたじゃねぇか……あんたが蹴り打たなきゃ、次の展開に持っていけたんだよ……)


実況「自軍コーナーの方へと振られていった、コーディっ! さぁ、ディージェイ……今は踊っていくが、これ何時仕掛けるかわからないっ!」

元「さっきのジャブもそんな感じだったからね。って事は、あのダンスもフェイント……? えっ……? んんっ……?」

実況「ディージェイの場合は天然なのか、フェイントとして入れてるのか……これ、全くわかりませんよねぇ!?」

元「そうだよね。仮に計算でやってたと思ったら、彼は策士ですよ」

実況「はたして、策士は試合中に踊る……そういった行為をするのでしょうかっ!?」

元「そこは、言っちゃあいけません」

371: 名無しさん 2016/02/28(日) 23:18:01 ID:qn/UWLgo
ブランカ(……交代を要求しましたか。残念な結果ですね)

ダン(ちょっと、間を作ってやるか……)

ディージェイ「ダバダバダ……ビップ、バップ、パップ、パップ、パップ、ラップ、ポップ……パップ、パップ、パップ、ラップ、ポップ……」ルンダルンダ

ダン「おいコラ、ディージェイっ! この野郎っ!」ズガズガ

ディージェイ「……んっ?」


実況「あっと、お待ち下さいっ! しかし、気分良く踊っているだろうディージェイの元に……ここでレフェリーが近づいて来ましたよ?」

元「……んっ?」


ダン「バカ野郎、この野郎、てめぇ踊ってんじゃねぇよっ!」

ディージェイ「Mr.ダン……今、ミーが踊っているのは……」

ダン「てめぇっ……! 拳はいけねぇだろが、拳はっ……! グーで殴るのは反則だっ!」チョンチョン


実況「あ~っと……これレフェリーの自信の拳を指差して……あっと、これは先程のフックの事ですかね?」

元「そうでしょうね」

373: 名無しさん 2016/02/28(日) 23:24:06 ID:qn/UWLgo
ダン「いいか? 拳で殴るのは反則なんだよ、お前ルール知ってるのか!? あぁっ!?」

ディージェイ「だって、ああでもしないと、無限に続くエルボーの……あんな無限の彼方へミーはさぁ行きたくないよっ……!」

ダン「……わかってるよ、バカ。うるせぇ、話聞かなくていいから、踊ってろっ」ボソッ

ディージェイ「……んっ?」

ダン「……いいから、踊れ。早く」ボソッ


実況「まぁ、拳で殴るのはよくありませんからねぇ……ここはディージェイも踊るのをやめ、レフェリーに耳を傾けます」



ディージェイ「あっ、はい……トゥトゥトゥルットゥ……タタラタラタラ……」ルンダルンダ

ダン「おいっ……! おいっ……! お前、話聞いてんのか、おいっ……!」


クスクス……クスクス……

実況「あっ、待てっ! 待て待てっ! まただっ! また踊り始めたぞっ!?」

元「なんでだよ。一回話聞く素振り見せたじゃない。なんでだよ」

実況「わかりませんっ! しかし、あれこそがディージェイっ!」

374: 名無しさん 2016/02/28(日) 23:32:19 ID:qn/UWLgo
ブランカ「ヨーシッ! 俺モ踊ルゾッ! ア、ソレ……ヨイヨイ……ホーレ、ヨイヨイ……」チャカチャカ

ダン「……んああぁっ!?」チラッ


実況「あっ、待って下さい、元さんっ!? エプロンサイドのブランカも踊り始めましたよっ!? 踊っていますよっ!?」

元「な~んで、彼まで踊るんだっ! 関係ないじゃないっ!」

実況「エプロンサイドで不恰好なダンス披露するブランカですが……ブランカですが……」


ディージェイ「ヘーイっ! Mr.ブランカっ! せめて、リズム感を身につけてくれっ! なんだ、そのダンスはっ!」ルンダルンダ

ブランカ「構ウモンカッ! ソレ、ヨイヨイ……ホレ、ヨイヨイ……」チャカチャカ

ダン「だああぁぁっ! なんじゃこりゃああっ! 俺は、どうすりゃいいんだよ、コレっ!」


クスクス……クスクス……

実況「レフェリーは困っていますっ! 困っていますっ! もう一度言いましょうっ! レフェリーは困っていますっ!」

元「ハハハ、自由気ままなコンビの恐ろしさだね、こりゃ」

375: 名無しさん 2016/02/28(日) 23:35:57 ID:qn/UWLgo
コーディ(くそぉ……レフェリー……ブランカさん……それにディージェイさんまで……揃って時間稼ぎってか……?)


ブランカ「ヨイヨイ……ホーレ、ヨイヨイ……」チャカチャカ

ディージェイ「ダンスはこうするのっ! ダバディバ、ダバディバ……」ルンダルンダ

ダン「おいっ……! おおおぉいっ!」


ガイ「コーディ、一回落ち着こう。ここは……」

コーディ(交代の間を作ってる……くそぉ、ふざけんな……ふざけんなよ……あの蹴りさえなけりゃ、いけたんだよ……)

ガイ「一度、仕切り直しという意味で、俺に……」

コーディ「ふざけんなっ……! 本田さんならともかく、何でアイツに交代させられなきゃいけねぇんだよっ……!」ググッ

ガイ「お、おいっ……! コーディっ……! おいっ……!」

396: 名無しさん 2016/02/29(月) 22:02:30 ID:jLHLOnqo
コーディ「こんな所で、引いてたまるかよっ……! 若手は前に出てこそ、だろうがっ……!」ググッ

ガイ「……コーディっ!?」


オー、コーディ

実況「あっと、しかしコーナーサイド付近でダンスを踊っている二人に対して、これはコーディもトサカに来る所があったかっ!? コーナーから背を起こし……そして再び向かっていくっ!」

元「おっと、ここは交代せず自分でいくのか」

実況「まぁ、コーディにしても当然舐められたままでは終われないという気持ちがあるでしょう!」

元「うん、そうだね」


ダン(あぁっ……!? コーディ……おい、交代しねぇのかっ……!? おいっ……!)チラッ

ディージェイ(オーマイガーっ……! またMr.コーディが来ちゃったよっ……! ミーはMr.ガイを要求したってのに……なんで……どうして……!?)

ブランカ(んあ~、それは……暴走じゃないんですかねぇ……)