前回 【はいふり】ミケ「っべぇー……入学式遅れそうなんですけど」

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 13:46:09.02 ID:HpWmAOEgO
ザーーーーーー

『学生艦が反乱。猿島を攻撃。猿島は沈没。艦長、以下乗組員は全員無事』

メイ「何で反乱したことになってんの!?」

メイ「先に攻撃してきたの猿島でしょ!?」

リン「えぇー!?わ、私に言われても……」

ましろ「知床さんに言ったって仕方ないだろう……」

メイ「あー……ごめん」

ミケ「…………」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 13:47:08.18 ID:HpWmAOEgO
ましろ「それより納沙さん。そのタブレット、通信切ってあるの?」

ココ「大丈夫です。さっきオフにしました」

ましろ「通信機器が使えないのは不便だけどな」

メイ「まぁ今発見されたら面倒だしね。仕方ないよ」

ミケ「…………」

ましろ「艦長?」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 13:47:51.76 ID:HpWmAOEgO
ミケ「…………」

ましろ「どうしたんですか?さっきから黙って」

ミケ「え?」

スマホ「ツムーーーー!」

ましろ「」

ミケ「あーもーちょい待って今良いとこだから」

ましろ「…………さっさと……」

ミケ「お、良い感じ。ワンチャンハイスコアあんじゃね?」

ましろ「通信切れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ミケ「ひぃっ!!」

ミケ「っべぇー……宗谷激おこじゃん」

ましろ「全く……」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:28:14.72 ID:B6I8RlYq0
リン「い、位置情報もビーコンも切ってあるけど…わ、私達お尋ね者ってことだよね?」

リン「高校生になったばかりなのに、犯罪者になったんだよね?」

リン「こんなの嘘だよね?」

リン「嘘だと言ってぇーー!!」

ミケ「…………チッ」

タマ「う……う……」

ココ「どうかしましたか?立石さん」

タマ「嘘」

リン「わ、ありがとう!言ってくれて」

ましろ「はぁ………」

ミケ「…………」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:29:01.28 ID:B6I8RlYq0
ー機関室ー

ミケ「うぇ~~いwwww」

クロ「うわ……」

ミケ「ちょカリカリし過ぎじゃね?笑」

マロン「何笑ってんでぃ!こちとら総点検が必要になっちまったんでぃ!」

クロ「全く……無理させるわね」

ミケ「クロちゃんマロンちゃん、さーせん笑」

クロ「馴れ馴れしく呼ばないで」

クロ「黒木さんって呼んでくれる?」

ミケ「りょ」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:29:47.69 ID:B6I8RlYq0
ミケ「んじゃケツカッチンなんでもう行きますわー」

ミケ「じゃあね。クロちゃん」

クロ「」

ミケ「ソクサリ~」

バタン!

レオ「全然分かってないじゃん」

サクラ「あれで艦長?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:30:37.20 ID:B6I8RlYq0
ー艦橋ー

ミケ「うぇ~~いwwww」

ココ「被害状況どうでした~?」

ミケ「は?知らね」

ましろ「何しに行ったんだ…………」

ココ「………あ」

五十六「……ニャ」

ココ「かわいい~!」

パシャッ パシャッ

ミケ「ちょ、それ後でインスタ貼っといてくんね?」

ココ「は~い」

ましろ「そんな物撮ってないで、被害状況の記録だ!」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:31:21.26 ID:B6I8RlYq0
ましろ「艦長もちゃんと確認して来て下さい!」

ミケ「………は?」

ミケ「何あいつ。KYじゃね?マジFK」

ココ「か、艦長……落ち着いて下さい……」

ミケ「ネコピッピがそんな物扱いされてんすけど。お前許せる系?」

ココ「え、ええと……」

リン「(はぁ………あの艦長苦手だなぁ)」

リン「(中学にもあんな感じの人居たけど、あまり良い思い出ないし……)」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:45:28.72 ID:B6I8RlYq0
ミケ「つかそれより学校から連絡は?」

ましろ「…………ない」

ミケ「はーマジ萎え」

メイ「私達見捨てられたんじゃないの?」

ましろ「…………」

ミケ「普通に考えて事実確認中っしょ」

ミケ「モンキーアイランドの通報だけで反乱って判断するとか早計過ぎじゃね?」

ましろ「そ、それは確かに……」

ましろ「(モンキーアイランド……?)」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:46:25.94 ID:B6I8RlYq0
リン「こ、このまま鳥島沖10マイルまで退避で良いんだよね?」

ミケ「あー良いんじゃね」

ミケ「あーしらがHNRNしたんじゃないって説明すんべ」

リン「合流地点に着いた途端捕まっちゃわないかな……」

ミケ「…………」

ミケ「………あのさぁ」

リン「な…何?」







ミケ「お前いつまでチキってるわけ?」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:51:15.57 ID:B6I8RlYq0
ましろ「艦長……?」

リン「え……チキる……?」

ミケ「あ”ービビって逃げるってこと!」

ミケ「ちゃけばお前がビビってんのは勝手だけどさぁ」

ミケ「泣きたいのもチョボパンなのもみんな一緒だっつのにさぁ!」

ミケ「それをいつまでも口に出して言われっと周りが萎えんだわ!」

リン「!!」

メイ「ちょっ、艦長落ち着いて!」

ココ「どうしちゃったんですかぁ!」

ミケ「チッ…………」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:52:02.13 ID:B6I8RlYq0
タマ「……大丈……夫?」

リン「う……うん…………」

ミケ「…………」

リン「…………ごめんなさい」

リン「私……いつも逃げてばかりで……」

ミケ「……ごめん」

ミケ「……あーしも言い過ぎたわ」

ミケ「…………知床。横須賀までどれくらい掛かりそう?」

リン「えっと……巡航で38時間かな……」

ミケ「そっか……ありがとう」

ましろ「…………?」

ましろ「(艦長……口調が……?)」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:52:57.88 ID:B6I8RlYq0






『右60度、距離3万、接近中の艦艇は……』

『アドミラルシュペーです!』

「!!」

ミケ「アドミ……は?何?」

ココ「アドミラルシュペー。ドイツからの留学生艦です」

ミケ「ほーん」

ミケ「とりま、総員配置に!」

ましろ「総員配置!」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:54:24.54 ID:B6I8RlYq0
『シュペー、主砲旋回しています!』

ミケ「は?あいつら撃つ気じゃね?」

ココ「問答無用ですね…」

ミケ「マジねぇわ……マッチ!白旗!」

シュッ

『シュペー主砲発砲!』

ましろ「!?」





ミケ「シュペー主砲発砲って早口言葉みたいじゃね?ちょっと言ってみ」

タマ「……シュペーしゅぽっ」

タマ「…………///」

ミケ「ちょ早くね~笑マジウケる」

ましろ「言っている場合か!」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:55:54.74 ID:B6I8RlYq0
ましろ「エンジンも止めないと駄目だ!」

ココ「確かに、白旗だけでは降伏になりませんね」

ミケ「マ?マ?はー映画に騙されたわーマジFK」

ましろ「(私は反応しないぞ……)」

リン「でも逃げるんだよね……?」

ミケ「あーね」

ミケ「とりま180度反転すんべ。面舵いっぱーい!」

リン「面舵いっぱーい!」

ぐるっ

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:58:09.38 ID:gLxNtxKVO
ドガーン!!

『着だーん!!』




ミケ「っべぇー……」

『シュペーも速度を上げました!』

ミケ「マ?やばたんピーナッツなんだけど……」

ましろ「追ってきた……!」

リン「早く逃げようよ~~~」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:58:55.12 ID:gLxNtxKVO
ましろ「砲力と装甲は向こうが遥かに上……」

ココ「晴風が勝っているのは速度と敏捷さだけです……」

ミケ「…………」

リン「このまま機関前回にしてたら確実に壊れちゃうよー……」

メイ「魚雷撃って足止める?」

ましろ「もうない!」

メイ「ちゃーっ!そうだったー!」

ミケ「…………」





ミケ「こっちの砲力は?」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 22:59:55.74 ID:gLxNtxKVO
タマ「7マルで5」

ミケ「7000で50ミリ……シュペーの原則装甲は?」

ココ「80ミリです」

タマ「3マル……」

ミケ「ワンチャン3マルまで寄れば抜けんだな?」

タマ「ウィ」

メイ「ちゃんと会話が成立してる……」

ココ「艦長ってもしかすると本気出すと凄いのかも……」

ましろ「そ、そんなわけないだろ!」

ましろ「(何も知らないで、いつもふざけてばかりの癖に……!)」

ミケ「…………」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:17:13.78 ID:gLxNtxKVO
ミケ「マロン!出し続けられる速度は!?」

『第四船速まででーい!』

ましろ「第四船速……」

ココ「向こうの最大船速とほぼ同じです」

ミケ「やばば……どうすっべ……」

タマ「………ぐるぐる」

ミケ「!」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:17:55.14 ID:gLxNtxKVO
タマ「…………ぐるぐる」

ミケ「……!」

ミケ「知床!取り舵いっぱーい!」

リン「と、取り舵いっぱーい!」

ぐるっ

ましろ「何をする気ですか!」

ミケ「KMRの中に逃げ込めばワンチャンあんじゃね!?」

ましろ「!!」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:18:38.64 ID:gLxNtxKVO






ミケ「実弾でスクリューシャフトを撃ち抜けばワンチャン……」

ましろ「これ以上やったら本当に反乱になる!」

ミケ「たかし……」

ミケ「ゆーてこのままだと……怪我人が出んべ…!」

ましろ「!!」

ましろ「……わかりました」

ガチャッ

ミケ「実弾、揚弾始め!」

ウィィィィン ガシャッ

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:19:34.91 ID:gLxNtxKVO
ミケ「ちゃけばなんだけどさ、スクリュー撃つにはどんだけ距離詰めればいい系?」

ましろ「水中だと急激に弾の速度が低下するから無理だ!」

ミケ「宗谷……やっぱお前陰キャだわ」

ましろ「なっ……」

ましろ「じゃあどうするんですか!」

ミケ「水中弾つーのがあるんしょ?」

ましろ「それは巡洋艦以上でウチには積んでない!」

ミケ「ワンチャン通常形状でも行けんべ」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:20:27.39 ID:gLxNtxKVO
ココ「理論上は……3マル以下まで近寄って下さい!」

ミケ「知床、8の字航行のまま、距離を3マルまで詰めてくんね?」

リン「近づくの!?怖いよ!」

ましろ「何を言ってる!」

リン「ひっ!?」

リン「こ……怖いよぉ……」






ミケ「知床」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:21:37.18 ID:gLxNtxKVO
リン「な、何……?」

ミケ「……さりげさっきも言ったけど、ビビってんのは別に良い」

ミケ「ソクサリすんのだって、トキトバによっては正しいこともあるっしょ」

リン「…………」

ミケ「でも、がちばなここで逃げたら全部終わりじゃね?」

リン「…………!」

ミケ「今までは逃げた後にいくらでも後悔出来たけど、今回は違う」

ミケ「今逃げたら、何もかもが終わる!それどころか、みんなの命も!」

リン「!!」

ミケ「お願いリンちゃん!シュペーに近寄って!!」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:22:34.62 ID:gLxNtxKVO
リン「…………」

ましろ「…………艦長。誰か代わりを……」

ミケ「待って…」

リン「…………わ」

リン「私……やります……」

リン「怖いけど……頑張ります!」

ミケ「リンちゃん……!」

ココ「あの……艦長、口調が……」

ミケ「あっ…………」

メイ「艦長?」

ミケ「うぇ、うぇ~~い……いや~バイブス上がるわー」

ましろ「…………?」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:23:40.38 ID:gLxNtxKVO
『アドミラルシュペーから小型船が向かって来ます!』

「!!」



ミーナ「………」

ザーーーー

ドガーン!!

ミーナ「………ッ!」

ッバァーーーン!!

『小型船の乗員が海に落ちました!』

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:24:26.62 ID:gLxNtxKVO
ましろ「味方を攻撃している!?」

リン「なんで!?」

ミケ「…………ちゃんシロ」

ましろ「宗谷さんもしくは副長と……」

ミケ「ちょいここ頼むわ」

ましろ「は!?」

ミケ「悪いけどドイツ引き付けといてくんね?」

ミケ「あと甲板に保健医!」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:25:35.17 ID:gLxNtxKVO
ましろ「な、なにを……!」

ましろ「まさか……!なんで敵なのに助ける!!」

ミケ「は?イミフなんだけど」

ミケ「前に言ったっしょ」








ミケ「海の仲間は……ズッ友だって」

ましろ「それは初耳だ!!」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/19(日) 23:31:51.20 ID:gLxNtxKVO
ウィィィィン

ミーナ「」

ミケ「大丈夫!?」

ミーナ「」

ミケ「しっかりして!」

ミケ「(まずは脈を……!)」

ミーナ「」

ミケ「…………」

ミケ「……大丈夫。あなた、生きてるよ」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:03:31.45 ID:SRu5HrSt0






リン「はぁ……」

リン「岬明乃さん……かぁ」

リン「(逃げ逃げの私を叱って、引っ張ってくれる人……)」

リン「そんな人……今までいなかったなぁ…………」

リン「もしかしたら……思ってたよりずっと良い人なのかも……」

リン「あ……お風呂入らなきゃ」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:47:30.47 ID:SRu5HrSt0
ー浴場ー

ジャーーーーー

リン「あれ?誰か先に入ってるのかな」

リン「(誰だろう……)」

「はぁ…………」

リン「!」ビクッ

「今日は失敗しちゃったなぁ……」

リン「(ひ……独り言……?)」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:48:07.64 ID:SRu5HrSt0
「またみんなに偉そうなこと言っちゃったし……」

リン「(だ、誰だろう……)」

「勝手な行動ばっかりで…シロちゃんが怒るのも無理ないよね」

リン「(シロちゃん……?あれ?副長のこと……だよね?)」

リン「(ということは……)」

「リンちゃんにも酷いこと言っちゃった……きっと嫌な思いさせちゃったよね」

リン「艦長!?」

ミケ「わあっ!?」

ミケ「リ……リンちゃん!?」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:48:48.73 ID:SRu5HrSt0
ミケ「ど、どうして……」

リン「え……ええと……」

ミケ「…………もしかして……」

ミケ「……聞いてた?」

リン「…………」

ミケ「…………」







ミケ・リン「「ごめんなさい!!」」

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:49:43.17 ID:SRu5HrSt0
ミケ「どうしてリンちゃんが謝るの!?」

リン「だ、だって……盗み聞きしてたから……」

リン「艦長こそ、どうして…………」

ミケ「わ、私は……」

リン「(あれ?そういえば……口調が……)」

ミケ「…………私、みんなを騙してたの!」

リン「えぇ!?」

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:50:25.48 ID:SRu5HrSt0
ミケ「ほら、私っていつも変な喋り方してたでしょ?」

リン「う、うん……」

ミケ「あれ全部、演技だったの……」

リン「えぇー……」

ミケ「本当はアドミラルシュペーなんて当然知ってたし」

ミケ「船内の損傷箇所だってちゃんと把握してたし」

ミケ「通信の受信音なんかもちゃんと知ってたの!」

リン「じゃ……じゃあどうして……」

ミケ「…………」

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:50:54.02 ID:SRu5HrSt0
ミケ「実はね、私……」

ミケ「KDなの……」

リン「ケー……ディー……?」

ミケ「KD……高校デビュー……」

リン「えっと……つまり……」

ミケ「私は……中学まではまるで目立たない……」

ミケ「陰キャラ……だった……」

リン「え……ええっ!?」

リン「艦……岬さんが!?」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:51:33.08 ID:SRu5HrSt0
ミケ「私は小さい頃に両親を亡くしてね」

ミケ「親戚もいなかったから施設に預けられたの」

リン「そう……だったんだ……」

ミケ「でもね。全然辛くなかったよ」

ミケ「お父さんとお母さんはいなくなったけど、大切な友達のモカちゃんに出会えた」

ミケ「モカちゃんは色々なことを教えてくれた」

ミケ「海のこと。ブルマーのこと」

ミケ「そして……海の仲間は家族なんだってこと」

リン「…………」

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:52:32.55 ID:SRu5HrSt0
ミケ「モカちゃんとはいっつも一緒だったんだけどね。12歳……小学校の卒業を機に、離れ離れになっちゃったんだ」

ミケ「それでお互い別々の中学校に進学したんだけど……そこで初めて気がついたの」

リン「…………何を?」

ミケ「……私が一人じゃ何にも出来ないんだってこと」

リン「…………!」

リン「そんな……」

ミケ「モカちゃんは昔から何でも出来たから……私は頼りっきりにしちゃってたんだね」

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:53:09.15 ID:SRu5HrSt0
ミケ「中学に上がって頼る人のいない駄目な私は……みんなから爪弾きにされちゃった……」

ミケ「その時にはもう海洋学校に入って、ブルーマーメイドになるんだって決めてたから、船やブルマーの知識だけは人並み以上にあったんだけどね」

ミケ「それも戦艦オタクだ、陰キャラだって」

リン「…………酷い」

リン「……武蔵の艦長さんには相談しなかったの?」

ミケ「モカちゃんには心配掛けたくなかったから……」

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:53:51.09 ID:SRu5HrSt0
ミケ「でもね。海洋学校に合格して、私はまずモカちゃんに連絡したの」

ミケ「お互い同じ学校を受けるってことは知ってたから」

ミケ「また一緒の学校に行けるねって笑い合うはずだったんだけどね……」

ミケ「安心したからかな…電話してる時に私、泣いちゃった」

リン「…………」

ミケ「そしたらモカちゃんが『何があったの!?』って、凄い剣幕で聞いてきて……」

リン「……全部、話したの?」

ミケ「うん」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:54:29.60 ID:SRu5HrSt0
ミケ「話し終えた後、モカちゃんはすっごく怒ったの」

ミケ「『私の大切な彼女に何てことを!』って……」

ミケ「でね、過去のことはもうどうしようもないから、そしたらこれからを変えようってことになったの」

リン「もしかして…それで……」

ミケ「うん。周りにナメられないように言葉使いを乱暴にしたり……」

ミケ「何も分からないように装ったり……」

ミケ「完全に沈んでるのにヤーシブ行きてーとか言ったり……」

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:55:09.54 ID:SRu5HrSt0
ミケ「モカちゃんにも協力して貰って、たくさん練習してきたんだけど……」

ミケ「やっぱり、私には向いてないね」

リン「…………」

ミケ「みんなに乱暴な物言いをする度に私の心が痛んでいくの」

ミケ「…………本当にごめんね。リンちゃん」

リン「…………ううん」

ミケ「失望した?艦長がこんな人で」

リン「…………ううん……」

リン「………その逆だよ……」

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:56:07.50 ID:SRu5HrSt0
ミケ「…………えっ?」

リン「私は……安心したよ」

リン「岬さんが……私と同じで…安心した」

リン「弱さを持った普通の人で…安心した……!」

ミケ「…………!」

リン「私、岬さんはもっと強い人なんだって思ってた」

リン「何の影響も受けないで、自分の意思を持った人なんだって」

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:56:46.28 ID:SRu5HrSt0
リン「でも本当は違った!」

リン「本当の岬さんは私と同じで弱い人!」

リン「なのに!それでも岬さんは私を叱って、私を力強く引っ張ってくれた!」

ミケ「リン……ちゃん……」

リン「だったら……私も同じぐらい強くなれるでしょ……?」

リン「私、その方が嬉しいよ……」

ミケ「…………」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/20(月) 00:58:22.81 ID:SRu5HrSt0
リン「ねぇ、岬さん…」

リン「私、支えるよ……?岬さんのこと、頑張って支えるから……」

リン「みんなだって、きっとそう……」

リン「だから……無理しないで……!」

ミケ「…………!」

リン「…………や、やっぱり頼りないかな?」

ミケ「リンちゃん……」

ミケ「……ううん。そんなことない」

ミケ「…………ありがとう」






終わり

引用元: 【はいふり】ミケ「っべぇー……宗谷激おこじゃん」