博士「さかもとはダ～メ！なのじゃないとダメなの！」

なの「えぇ……わっ、わかりました！今日中にして欲しいこと考えとくので！学校いってきますね！」

博士「んぅ…。いってらっしゃ～い。」

ーー
ーーー
ーーーー
博士「さかもと～」

阪本「あっ？なんだガキ？オレは眠いんだよ」

博士「お掃除するから手伝って」

阪本「掃除だぁ？！お前にできるわけねぇだろ！やめとけ！」

博士「博士できるもん！さかもと手伝ってくれないから、一人でしちゃうもんね！」

阪本「おいおい……」

博士「掃除機からしようっと！なのがやってるみたいにすればいいだけだもんね。『弱』？『強』？読めないんだけど。てきとーに押しちゃえばいいや」強ポチッ

ヴィーーン！！！

博士「わわわわわわわ、すごいんだけど！」ガタガタ！！！

ヴィーーン！！！

阪本「うん？なんだ？」

博士「さかもとー！」ヴィーーン！！！

阪本「おっ、おい！ガキ！早くそれを止めろ！」

博士「止められないんだけど！」ガタガタ！

阪本「なんだとー！と、とにかくこっちに来るなー！」

ヴィーーン！！！！

博士「もう、疲れちゃった。さかもとあとお願い。」ポイッ

阪本「手を離すなー！」

ヴィーーン！！！！

スポッ。

阪本・博士「あっ。」

阪本「ゔおおおお」ブルブル

博士「あはははははｗｗｗさかもと吸われてるｗｗｗｗｗｗ」

阪本「ざっざどぞれをどめやがれ！」ブルブル

バコォン！！

はかせ「あっ、さかもとが掃除機こわした。」

阪本「オレじゃねーよ！それよりもゴミぶちまけてんじゃねぇか！」

はかせ「だってさかもとが～～」

阪本「だからオレじゃねーだろ！」

はかせ「もうお掃除はいいや。」

阪本「よくねぇだろ……娘に怒られんぞ……」

～学校～
なの「それでですね、はかせがお手伝いしたいって言い出したんですよー」

ゆっこ「あのはかせが～？できるわけないじゃーん」

なの「確かにはかせはドジなところありますけどぉ……気持ちが嬉しいじゃないですか！」

ゆっこ「なんか裏があるかもよ？お菓子欲しいからとか？」

なの「そうなんですかね……とにかくお手伝いしてほしいこと考えないと……。」

ゆっこ「はかせにお手伝いなんかできるのかね～、掃除したら余計に汚くなりそうじゃない？」

ーー
ーーー
ーーーー
「クシュン！」

はかせ「さかもと！くしゃみでた！」

阪本「そりゃゴミのせいだろうな、それよりガキ！ほんとにすんのか？」

はかせ「もちろんです。やるといったらやるのがはかせです。」

阪本「はぁ……」

はかせ「さぁてと、洗濯ってどうやってするんだっけ？」

阪本「あぁ～ん……とりあえず洗濯機ってのを使うんだろ？」

はかせ「そうだ洗濯機！まずは洗濯物を入れてーっと。次どうするの？」

阪本「娘は洗剤？ってのを入れてたぞ。その横の箱のやつだ」

はかせ「どのくらい入れるの？いいや、全部入れちゃえ」ドサァ

阪本「おっ、おい！娘はいつもそのちっちゃいスコップで三杯くらいだったぞ！」

はかせ「はかせわかんないもん！阪本も汚いから一緒に洗おっ」ヒョイ

阪本「ばっ、ばか！やめろ！」

はかせ「よいしょ……」ポチッ

ジャババババ……

阪本「おぉおおおお……」ブクブク

はかせ「なんか泡がいっぱいなんだけど！」

ブクブクブクブクブクブクブクブク……
ブクブクブクブクブクブクブクブクブク……

阪本「…………」

はかせ「さかもとー！たすけてー！うわああん！」

阪本「………(死ぬかもオレ)」

はかせ「さーかーもーとー！」

阪本「……………」

ガラガラガラ……
ゆっこ「あっ！麻衣ちゃん！スラマッパギー！」

麻衣「………」スタスタ

スタスタ……ストン。

ゆっこ「麻衣ちゃん……」

麻衣「ゆっこ……スラマッマラン……」

ゆっこ「麻衣ちゃん…………！そこはスラマッパギだろっ！えへへへ」ビシッ！

麻衣「……」シュッシュッ

なの「水上さんまた仏像彫ってるんですかー？うわー……なんか今回のは大きいですね」

麻衣「これは……特別……」

ゆっこ「特別？なんで？」

麻衣「……」シュッシュッ

なの「集中してるみたいですね……あっ、そうだ！はかせにはお洗濯手伝ってもらおうかな」

ゆっこ「はかせがせんたくぅー？ムリムリ！あのちびっ子にできっこないじゃーん」

なの「お、お手伝いですよ！きっと一からやったら洗剤の量とか間違えちゃいますよー」

ーー
ーーー
ーーーー
「クシュン！」

はかせ「さかもと！くしゃみでた！」

阪本「おっ、おう……濡れたせいで風邪でも引いたのかもな……」

はかせ「風邪かもしれない。さかもとなんで白いの？」

阪本「おめぇのせいだろ……」

はかせ「はかせ悪くないもん！さかもと次は洗濯物干すから手伝って！」

阪本「まだやんのかよ……」

はかせ「よいしょよいしょ……あで？あで？届かないんだけど！」

阪本「ハハハッ……ガキには高すぎたな、これで諦めて……」

はかせ「さかもとちょっと乗らせて」ムギュ

阪本「はぁんん？？？？！！！」ゴキゴキ！！

はかせ「よーいしょ……あっ！届いた！」パアア

阪本 「…………(死、死んだ、今度こそ死んだオレ……)」

はかせ「洗濯物は完璧かもしれない！」

グラグラ……

はかせ「あっ、さかもとー、動かないでー……」フラッ

バターーーン！！！！

はかせ「あっ。物干し竿倒しちゃった。」

阪本「………」

はかせ「洗濯物ドロドロかもしれない……ううう、うわああああああん！！！！！」

阪本「(なんでもいいからオレの上から退いてくれ～～～！！！！！！)」

「な～のちゃん、一緒にお昼食べよー。」

なの「もちろんです長野原さん！」

ゆっこ「なのちゃんして欲しいこと思いついたー？」

みお「なになに何の話？」

ゆっこ「いや～なんかね、はかせが突然お手伝いしたいって言ってきたんだって」

なの「だからお手伝いして欲しいこと考えてたんです」

みお「ほぉー、そんなこともあるんだ」

なの「ホントにこんなことないですよ～、毎日わたしが色々して甘やかしちゃうから博士なにもしてくれないし」

みお「あっ、そっか。そういうことか～」

ゆっこ「なになにみおちゃん？なんか知ってるの？」

みお「いやいや、知ってるの何も、だって……」

キンコンカンコーン

なの「あっ！次の授業は移動教室ですよ！予鈴の間に行っとかないと！」

ゆっこ「えっ？そだっけ？」

スタスタスタスタ～移動中～

みお「もう、ゆっこはホントに馬鹿なんだから。宿題やったの？」

ゆっこ「宿題ってなに？！知らないよ！」

みお「次、中村の授業だよ～？」

ゆっこ「えへへっ、みおちゃry」

みお「ヤダ。」

ゆっこ「ま、麻衣ちゃん？」

麻衣「……」シュッシュッ

ゆっこ「なのちゃああああんんんん！！！！」

なの「えぇ？！しょ、しょうがないですね……」

みお「も～、なのちゃん甘やかさないでよ。博士にもなんでもかんでもあげてるんじゃないの？」

なの「な、なんでわかるんですか？！」

みお「そりゃわかるよ～。あっ、じゃあたまにはなんか作ってもらったら？ご飯とか」

なの「ムムムム、ムリですよぉ！はかせに包丁なんか持たせられないです！」

ゆっこ「危ない危ない、誰かケガするよ絶対」

ーー
ーーー
ーーーー
「クシュン！」ヒュン！

はかせ「さかもとー、くしゃみでた！」

阪本「くしゃみでたー、じゃねぇよ！危ねぇだろ！包丁飛んできたぞ！」

はかせ「えへへへごめんなさい。」ペコリ

阪本「掃除・洗濯の次は料理かよ、一番できる気がしねぇんだが」

はかせ「しつれいな！はかせ、りょーり得意なんだけど！」

阪本「ホントかよ……で何を作るんだ？」

はかせ「わかんない！」グッ！

阪本「包丁持ったままハシャぐのやめろ！わかんないってなんだよ……」

はかせ「えっと、はかせの好きなもの入れたらきっと美味しいと思うんです」

阪本「好きなものってなんだ？」

はかせ「サメ！ロボ！」

阪本「せめて食いもんにしろよ！」

はかせ「じゃあ、お菓子いっぱい入れよっ！お鍋にチョコと～プリンと～あとあとポテチと～それからそれから……」

阪本「家中のお菓子突っ込んでるのか……」

はかせ「あっ、お菓子なくなっちゃったんだけど……さかもと～？」チラッ

阪本「それだけはやめてくれ！！死ぬ！ほんとに死ぬから！」

はかせ「さかもと好きじゃないから入れないよぉ？」

阪本「あぁ……うん。そっか。」

はかせ「あとはフタして待つだけ！」

ーーー
ーーーー
ゆっこ「はぁ～、今日も一日疲れた～」

みお「ちょっとゆっこ、あんたほとんど寝てたじゃん」

ゆっこ「ちっちっち、みおちゃんわかってないな～。バレないように寝るのは大変なんだからね！」

なの「もぉ、なんで得意気なんですか～」

ゆっこ「あっ、そうだみおちゃん麻衣ちゃん！今日なのちゃんの家寄ってかない？変な博士も見てみたいし～ぬふふ」

みお「あぁ～、わたし今日はパス」

麻衣「私も……」シュッシュ

ゆっこ「えぇなんで？！」

みお「なんでって……」

桜井先生「あっ、あのホームルームをはじめたいのでみなさん席についてくださ～いっ！」アセアセ

なの「私も今日はお買い物行かないと行けないのでちょっと……」

ゆっこ「むっ、わかったよー」

桜井先生「あっ、あの～早く座ってくださ～～いっ！」アセアセ

ーー
ーーー
ーーーー
はかせ「できたぁ！」パアアア

ドロドロ……グチャア……

阪本「食い物に見えねぇ……」

はかせ「さかもとっ！お皿取るからまた乗らせて！」

阪本「嫌だね！もうコリゴリだ！」ササッ！

はかせ「あぁもう、逃げないでー」スタスタ

阪本「嫌だー！！！！シュタッ！

ーーーー放課後、帰り道ーーーー
みお「なのちゃんバイバーイ」

なの「はい、さようなら～」

ゆっこ「また明日～！」

麻衣「バイバイ……」シュッシュ

ーーーー
なの「ふぅー、結局はかせになにしてもらうか思いつかなかったなぁ～」

なの「アレ？なんか商店街が賑やか………？」

なの「……！」

なの「そっかぁ……ふふふ。」

ーーーーーー
はかせ「さかもとーー！！！捕まえた！でへへ」

阪本「やめろ！やめろ！いっそ殺せー！」

はかせ「もう暴れないでっ……」ガタン

グラッ……ガシャン！！！ガジャン！！

はかせ「あっ……お皿いっぱい割れちゃった。ご飯もひっくり返っ……ひくっ……うっ……うわあああああんんんん！！！！！」

ーーーーー
なの「ただいま帰りましたー。……ってええええええ？？？？！！！！？！なんかすっごい家が？！汚い！それに臭い！それにこの泣き声はまさか……」

はかせ「うわあああああんんんん！！なのぉ～！！！！」ドタドタ！

なの「はかせどうしたんですか？！なにがあったんですか？！ドロボウですか？！」

はかせ「ヒクッ……ヒック……」ブンブン

なの「……まさかはかせがしたんですか？」

はかせ「違うもん！はかせお掃除したりお洗濯したりお料理しただけだもん！悪いのはさかもとだもん！」

阪本「オレは被害者だ！」

なの「阪本なんで白いんですか？それより……なんでこんなことしちゃったんですか？」

ーーーー
ゆっこ「ねぇー？みおちゃんみおちゃん。結局はかせがなのちゃんのお手伝いする理由ってなんなのー？」

みお「えぇ～、ゆっこまだ気づいてないの～？」

ゆっこ「なにが？！」

みお「あんたがはかせに教えてたんじゃん。今日はアレだよ～って。」

ゆっこ「あっ、そっかぁ……」

誤 なの「阪本なんで白いんですか？」
正 なの 「阪本さんなんで白いんですか？」
ーーーーーー
はかせ「お母さんの日だったから……ゆっこがそう言ってたから……ヒクッ……ヒック……」

なの「ふふふ……でも私ははかせのお母さんじゃないですよ？私のお母さんが博士なんですよ？」

博士「そだっけ？ヒクッ……」

なの「そうですよ……だから、はい。おかーさん？」ヒョイ

博士「サメチョコ！！こんなにいっぱい！」ガバッ！

パクパクパクパク！

なの「はいはい、そんなに急いで食べなくても……」

はかせ「いっぱいお手伝いしたら疲れたんだもん！」

なの「ふふふ、そうですねぇ。でもはか……おかあさん？お片づけしないと。」

はかせ「うんっ……はかせにはまだ早いかもしれない……。」

なの「そんなことないです！ほらっ、早く早く！」ギュッ

そう言って握ったその手はとっても小さくて。

でも細かい擦り傷や慣れない洗剤でついた手荒れだったりで……

小さくても立派な……

確かにお母さんの手でした。

はかせ「へへへへ……はかせ、なのスキー！！」

なの「私もだーいすきですよ！おかあさん！」

東雲家は今日も平和です。 ～おしまい～

なの「あっ？おかあさん？この機会にこのネジ取ってくれませんか？」

はかせ「嫌です！」

なの「あうぅ……なんでですかぁ？！」

はかせ「かーわーいーいーかーらー！！」

ほんとにおしまい☆

【おまけ】
ゆっこ「母の日じゃん！やばっ！私なんか買ってくる！！！」ビューン！！！

みお「はははっ、ゆっこはほんとに……麻衣ちゃん私らも帰ろっか？」

麻衣「できた……！」パァァ
ーーーー水上家ーーーー
麻衣「お母さん……これ……」

麻衣母「……？？なーにこれ？」

麻衣「大威徳明王……」

麻衣母「そっ、そう……ありがとう。」

麻衣「お母さん……？」

麻衣母「なーに？」

麻衣「いつも……ありがとう……。」

ーーーー長野原家ーーーー
みお「ただいまー？お母さんいるー？」

みお母「はいはい？」

みお「へへっ、えっと、ほら？母の日だからケーキ！」

お母さん「まぁ……」

みお「私さきにお風呂入るから！その間に食べといてよね！」
ーーーー
みお「ふぅ、あっついなぁ。ふふふ、お母さん喜んでくれたかな？実は私の分もちゃっかり買っ…………ない？！私のモンブランがない？！」

よしの「美味しかったよ～」

みお「またお前か～～！！！！」ガシッ！

クルッ……ドォォォン！！(コークスクリュー)

ーーーー相生家ーーーー
ゆっこ母「ねぇ裕子？これなに？」

ゆっこ「なにっておかーさん！母の日のプレゼントだよ、やだなぁ。はははっ。」アセアセ

ゆっこ母「裕子ね、これは………………………………


焼きサバだよ！！！

」

ゆっこ「うわあああ！！！ごめんなさーーいい！！！」

ミスったのでもういっかい

ーーーー相生家ーーーー
ゆっこ母「ねぇ裕子？これなに？」

ゆっこ「なにっておかーさん！母の日のプレゼントだよ、やだなぁ。はははっ。」アセアセ

ゆっこ母「裕子ね、これは………………………………

焼きサバだよ！！！
」

ゆっこ「うわあああ！！！ごめんなさーーいい！！！」