1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 13:58:05.10 ID:rJoiqqvp0
※ ガルパンのSSですが戦車道要素はありません

※ キャラ崩壊

※ 全員お酒飲めます 映画キャラも少しなら書けます

以上の条件でOK?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464411484

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 14:03:45.81 ID:rJoiqqvp0
私、逸見エリカは大学受験に失敗しました


エリカ「無い…無い!!」

張り出された無数の番号の中に私の受験番号は書いておらず、手持ちの紙は一気に紙くずとなった。

ポンッ

エリカ「っ!誰よこんな時に!」

振り向いた先にいたのは私のよく知るあの人

みほ「あ、あの……その……」

歯切れの悪そうに彼女は言った。

みほ「ド、ドンマイ?」



















エリカ「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


大勢の人が見守る中、私は今まで発したことのない悲鳴を上げた

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 14:12:22.10 ID:rJoiqqvp0
そして月日は流れ三年後

エリカ「ふぅ……ちょっと休憩かしらね」

エリカ「受験に失敗して自暴自棄になったとはいえ、まさか私がバーを経営するようになっただなんて」

エリカ「あの娘がそんな私を見たらなんて思うかしらね」

エリカ「受験勉強の間の資金源にしようと思ってたけどなかなか楽しくて止められないのよね」

エリカ「……これでいいのかしら?」

カランコロン

エリカ「あら、閉店間際なのにお客さんだなんて……」

誰が来た?安価↓

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 14:17:34.61 ID:rJoiqqvp0
ポロロン……

ミカ「夜更けにすまない……まだ大丈夫かな?」

エリカ「ええ……って貴女、継続高校の隊長さんよね?」

ミカ「元、ね。でもその質問は何か意味のあるものなのかな?」

エリカ「……そうね。ここは戦場でも学校でもないもの。」

エリカ「で、ご注文は何かあるかしら?もうそろそろ閉める予定だったから大したもの用意できないんだけど」

ミカ「そうだね。それじゃあ……」

注文をどうぞ安価↓

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 14:28:15.71 ID:rJoiqqvp0
ミカ「そうだね……じゃあカルバドスはあるかな?置いてあるお店が結構無くてね」

エリカ「カルバドスなんて随分と珍しいの頼むのね」

エリカ「でも、私のお店は珍しいお酒の方がそろってるのよね」

ミカ「へぇ……それはいい。じゃ一杯貰うとするよ」ポロロン……

エリカ「ストレートでいいよね?」

ミカ「ああ、そんなに長居するつもりはないからね」

ミカ「よければ君も一緒に飲まないか?周りを見るとお客さんはいないみたいだし」

エリカ「……そうね。それじゃあお言葉に甘えさせてもらおうかしら」

それじゃあ……

カチンッ

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 14:34:52.63 ID:rJoiqqvp0
ミカ「うん、中々にいい時間が過ごせたよ。今度はみんなを連れてきてもいいかもしれない」

エリカ「来るのはいいけど今度はこんな時間に来るのは遠慮してもらいたいわ」

ミカ「そうするのもいいけど……その日の風に従うとするよ」

ミカ「それじゃあまた会おうね、黒森峰の副隊長さん」


バタン……

エリカ「何よ……私のこと覚えてのね。戦車道の話全然しないし変な楽器弾いてるだけだから私のこと覚えてないかと思ってたわ」

エリカ「はぁ。閉店時間すぎちゃったわね。早く片付けて寝なきゃ」

次安価1↓ 来るお客

次安価2↓ 頼むお酒

次安価3↓ 話題

この二人で話す話題が見つからなかったので次から安価で話題も決めさせてもらいます。初SSなんで許してください

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 14:49:44.90 ID:rJoiqqvp0
エリカ「はぁ……昨日のあの人みたいな人は偶にいるとはいえ一気に疲れるわね」

エリカ「あまり人と話すの得意じゃないからいつもお客さんから話題を振ってもらってるのだけれども」

エリカ「店長やってるんだからこんなんじゃダメね。今度こそしっかりと……」

カラン

紗希「……」

エリカ「いらっしゃいませ、好きな席にどうぞ」

紗希「……」頷いてエリカの前に座る

エリカ「……お飲み物は?」

紗希「……」赤霧島のボトルを見る

エリカ「えっと……飲み方はどうする?」

紗希「……」

エリカ「……」

紗希「……」

エリカ「……」

エリカ「お湯?」

紗希「……」

エリカ「……ロックでいいかしら?」

紗希「(頷く)」

エリカ(まためんどくさい人が……」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 15:01:21.50 ID:rJoiqqvp0
エリカ「……はい、赤霧島のロックよ」

紗希「……」ゆっくりとのみ始める

エリカ「あとこれ。お通しってわけじゃないけどサービスよ。安物のピーナッツだけど我慢してね」

紗希「……」

エリカ「……えっと、(何か、何か話題を!)」

紗希「……」じっとテレビを見る

エリカ「ん?あぁ今日はプロリーグの試合の日だったわね。もしかして戦車道経験者かしら?」

紗希「……」ゆっくりと頷く

エリカ「へえ、見た感じ結構若いしもしかしたら一回顔を合わせたことがあるかもね」

紗希「……」ゆっくりとテレビに映る西住みほを指さす

エリカ「……そう。あなた大洗の」

紗希「……」

エリカ「あの娘は心配しなくても大丈夫よ。あの隊長の下にいるんですもの」

紗希「……」

エリカ「そういえばあの娘、将来はどうするのかしら。プロリーグにでもいくのかしらね」

紗希「プロなら、一緒に戦車道できるね」

エリカ「……あなた喋れたのね」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 15:05:09.32 ID:rJoiqqvp0
紗希「……」深々と頭を下げてお店を出る

エリカ「はぁ、疲れた。どうしてこんなに連日で疲れなきゃいけないのかしら」

エリカ「今日は私も強めのお酒のんで寝ようかしら」

エリカ「プロリーグねぇ……」

私はまだ戦車道をやってもいいのかしら……

安価1↓ 明日来るお客さん

安価2↓ 頼むお酒&おつまみ

安価3↓ 話題

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 15:30:35.18 ID:rJoiqqvp0
カランコロン

エリカ「いらっしゃいm」

そど子「ほらしっかりしなさいよ!二件目行くって言ったのあなたでしょ!」

真子「うるさいぞそど子。ほかのお客さんに迷惑だ」

そど子「あんたがしっかり歩かないからでしょうに!あ、すみませんうるさくして」

エリカ「え、えぇ大丈夫よ。空いてる席座って頂戴」

そど子「すみません……ほら!」

麻子「んーメンドクサイ」

エリカ「で、ご注文は?」

そど子「あ、私は響で、おつまみにアンチョビを。ほら!あんたも頼みなさいよ」

麻子「あー私はカシスオレンジで頼む」

エリカ「響にカシスオレンジにアンチョビね。すぐに持ってくるわ。響はどうします?」

そど子「あ、お任せします!こら!机に倒れないの!」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 15:38:30.22 ID:rJoiqqvp0
エリカ(アンチョビは確かあったと思うんだけど…)

麻子「んー」

そど子「どうしたのさっきから店長さん見てるけど」

麻子「あいつ、黒森峰の副隊長だ」

そど子「嘘!黒森峰ってあの?!?」

麻子「あっちは忘れてるみたいだけど、何度か顔は見たことはある」

そど子「でもそんなすごい人がどうしてこんなところにいるんだろう?」

麻子「知らん。だが大学受験に失敗したって話は聞いたことはある。だがその後は消息不明だったと思うんだが」

そど子「なにかすごい理由がありそうだね」

麻子「私たちが気にするものでもないだろう」

エリカ「?何よこそこそと私の方を見て。はい、注文の物よ」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 15:58:10.36 ID:rJoiqqvp0
そど子「あ、ありがとうございます!うん!すごくおいしい!」

麻子「ああ、確かに。このアンチョビもいい感じだ」

エリカ「ありがとう。でも珍しいわね女性二人で来るなんて」

そど子「そうかもしれませんね。ちょっと将来の話をしてまして」

エリカ「将来?」

麻子「そど子と私はいま大学で戦車道をやっている。将来的にはプロリーグに進んでみたいとも思っている」

エリカ「……へぇ」

そど子「私なんかが、って思うんだけど西住さんのおかげで好きになれた戦車道を、もっと続けたいと思うんだ」

エリカ「(西住……)いいと思うわよ。でも、なんかそれだけじゃなさそうね」

麻子「ああ、実はそど子は付き合って二年になる彼氏がいるんだ」

そど子「!!ちょ、ちょっと!」

エリカ「へぇ…!」

麻子「その彼氏は卒業したら結婚したいと言っているらしいからどうしたらいいと泣きつかれてな」

エリカ「いいじゃない結婚!お相手はどんな人なの?」

そど子「そ、その……結構時間にずぼらななんだけどそこが何だかほっておけなくて……でもいざってときは頼もしくて///」

麻子「さっきから人生相談というか惚気話ばかり聞かされてな。埒が明かないからもう一軒探してここに来たわけだ」

エリカ「そういうことね。まぁいいわ、別のお客さんが来るまで私も話聞いてあげる。少し気になるし」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 16:06:36.97 ID:rJoiqqvp0
麻子「結局何も進まなかったな」

そど子「うぅーー!!もう一軒行くわよ!」

麻子「うっ!もうめんどくさいんだが……」

エリカ「いいじゃない。ここはもう閉めちゃうからダメだけどせっかくのお話なんだから」

麻子「はぁ。仕方ない。

そど子「ほら行くわよー!」

麻子「分かったから引っ張るな……そうだ、エリカさんでいいよな?」

エリカ「?ええ、そうだけど」

麻子「みほが心配してたぞ、今度連絡してやってくれ。それじゃ」

エリカ「……ええ、そのうちね」

エリカ「あの娘達、みほの学校の生徒だったのね」

エリカ「ホント、急に来るようになったわね、何か始まるのかしら」


安価1↓来るお客

安価2↓お酒&おつまみ

安価3↓話題

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 16:32:47.69 ID:rJoiqqvp0
直下のキャラなんて覚えてないよぉ

エリカ「はぁ、今日も大忙しだったわね」

エリカ「お店もそろそろ一人で回すのも精いっぱいかも……」

エリカ「……でも何だか人を雇うのもねぇ」

カランコロン

直下「あ、あのぉ~ここに逸見さんが居るって聞いたんですけど……」

エリカ「私ならここにいるけど貴女は……直下じゃない」

直下「ちょ!名前思い出せないからその名前使うのやめてくださいよ!」

エリカ「いいじゃない、いい名前だと思うわよ。ほら何時までも立ってないで座ったら?一杯ぐらいならサービスするわよ?」

直下「い、いえ!そんな長くいるつもりじゃ……そのもう少しで閉店だと思いますし!」

エリカ「いいのよ。ここ最近閉店が近くなると何だか懐かしい人に関係のある人が来るから少しぐらい余裕はあるわよ」

直下「そ、それじゃあカルアミルクをお願いします」

エリカ「カルアミルクね、座って待ってて」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 16:44:13.02 ID:rJoiqqvp0
エリカ「はい、おつまみとかはいいかしら?」

直下「は、はい。その、何というか逸見さん丸くなりましたね」

エリカ「ちょっと、もしかして太ったとかいうつもり?」

直下「いえいえいえいえ!そんなつもりで言ったわけじゃなくて!その……」

直下「高校のときは何だかこう鬼気迫るというか何というか、あまり話しかけづらくて」

エリカ「そうだったかもね。今になって私も少し余裕がなかったとは思うわ」

直下「でも、今の逸見さんすごく落ち着いてるというか何というか憑き物が落ちたというか」

直下「私は今の逸見さんすごく好きです」

エリカ「何よ、褒めても何もないわよ?」

エリカ「で、どうして私がここにいることが分かったの?」

直下「その、そど子さんから聞きまして……」

エリカ「そど子……昨日の今日でねぇ」

直下「そのずっと逸見さんを探してて」

エリカ「あなたが?また何で?」

直下「私も探していたといえば探していたんですが……」










「みほさんがずっと探しています」

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 16:51:07.91 ID:rJoiqqvp0
エリカ「……」

直下『あの受験に落ちた日からみほさん、逸見さんを探してて』

直下『一切連絡もつかないし、戦車道関連を洗っても出てこない』

直下『実家の方の連絡先は分からないので打つ手なしで』

直下『戦車乗ってるときもティーガーⅡを見るといつも上の空で』

直下『ものすごく心配してるので、もしできるのでしたらメールでもいいので送ってみてはどうでしょうか?』

直下『みほさんだけじゃなくまほさんも気になってましたよ』

直下『何故かカチューシャさんも』

エリカ「はぁ……」

あの娘、何してるんだか

エリカ「本当にバカよ、あの娘」




閑話 休日のエリカの買い出しスーパーマーケット編

出逢う人1 下1

出逢う人2 下2

出逢う人3 下3

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 17:04:23.46 ID:rJoiqqvp0
直下『あの受験に落ちた日からまほさん、逸見さんを探してて』

直下『一切連絡もつかないし、戦車道関連を洗っても出てこない』

直下『実家の方の連絡先は分からないので打つ手なしで』

直下『戦車乗ってるときもティーガーⅡを見るといつも上の空で』

直下『ものすごく心配してるので、もしできるのでしたらメールでもいいので送ってみてはどうでしょうか?』

直下『まほさんだけじゃなくみほさんも気になってましたよ』

直下『何故かカチューシャさんも』

エリカ「はぁ……」

あの人、何してるんだか

エリカ「本当に……私なんか」

隊長の所にはもうアイツが

修正しました。ガバガバですみません

出逢う人は

ダージリン 絹代 ノンナ で行きます

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 17:31:36.12 ID:rJoiqqvp0
エリカ「ふう……いつもはご老人向けのお酒しか準備しないつもりだったんだけど、なんだかこれから同年代の人が来そうだから用意しとこうかしら」

ダージリン「あら、なんだか懐かしい声がすると思えば……」

エリカ「貴女は聖グロのダージリン……本当に最近はよく知った人に会うわ」

ダージリン「ふふ、こんな言葉を知っているかしら『人との出逢いは、ベストタイミングで訪れる』中村文昭氏の言葉よ」

エリカ「相変わらずなのね。それで、今日は何をしにここに?」

ダージリン「ふふ、紅茶を仕入れに来た。と言いたいところなんですが今回は別件で」

エリカ「別件?」

ダージリン「ええ、そろそろだと思うのだけど。」

絹代「あ!いましたいました!おーーいダージリン殿ーーー!!」

ノンナ「絹代、ここは公共の場です。少し声を抑えて」

エリカ「これは……また珍しいというか何というか」

絹代「おやダージリン殿、隣にいらっしゃるのは?」

ダージリン「あら、ご存じなくて?」

ノンナ「かの黒森峰で西住まほの右腕を務めた逸見エリカさんです。」

エリカ「どうも」

絹代「おお!あの西住まほ殿の!それはさぞかし戦車道の腕もたつのでしょう!」

エリカ「それは……」

ダージリン「おや……」

絹代「あ、あれ?私何か失礼なことを?」

ノンナ「……絹代さん。言い忘れていました」

三人「???」

ノンナ「この人は私以外に同志カチューシャを肩車した数少ない人間であり、私の敵です」

エリカ「ちょ、ちょっと!!??いきなり何言ってるのよ!?」

絹代「な、成る程。ノンナ殿が一目置く人とは……やはり侮れません!」

ダージリン「フフ、そんなこともあったわね」

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 17:41:22.22 ID:rJoiqqvp0
エリカ「はぁもういいわ。私もさっさと買い物済ませたいし」

ダージリン「そういえば貴女はどうしてここに?」

エリカ「私はお店の買い出しよ。最近仕入れてなかったお酒が必要になりそうだったから」

絹代「お酒と言いますと……居酒屋でしょうか?」

エリカ「残念、ただのバーよ」

ノンナ「噂に聞いていましたが本当だったのですね」

ダージリン「大学に進学してないのも驚きでしたが、まさかバーを経営してるだなんて。分からないものね」

エリカ「ええ、私も思ってなかったわ」

絹代「では今度三人でお店に顔出してみましょう!」

エリカ「えぇ……」

絹代「せっかくこうやって会えたのも何かの運命でしょうし、いい考えと思いませぬか?」

ダージリン「私は賛成よ。どんなお店か気になりますし。」

ノンナ「同志カチューシャが寝た後でよろしければ。あとウォッカの用意があるなら」

エリカ「そのくらいあるわよ。まぁお店を見つけられたらごちそうはするわ」

絹代「えぇ~!教えてくれないのですか!?」

エリカ「だってあなた達来たら確実にめんどくさいじゃない」

絹代「そんなぁ~!」

ノンナ「……絹代、そろそろ」

ダージリン「ええ、せっかくのお時間が無くなってしまいますわ」

絹代「そうでした!今日は第十二回たこ焼きパーティーの日でした!それでは逸見殿!また!」

タッタッタッタッ










エリカ「はぁ何だかお店開いたわけじゃないのに疲れた……ん?」

ノンナ「そういえば言い忘れてました」

エリカ「?」

ノンナ「カチューシャが夜な夜なあなたの名前を言うときがあります。一度、顔を見せてやってあげてください」









エリカ「何なのよ……どいつもこいつも」

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 18:15:15.78 ID:rJoiqqvp0
ちょっとだけ再開 このお客さんが片付いたら少し睡眠を

カランコロン……

エリカ「ん?すみませーん今日は休みなんでs」

カチューシャ「知ってるわよ。そんなこと」

エリカ「その声と身長は……カチューシャね」

カチューシャ「なによ、久しぶりに会って一言目がそのセリフ?」

エリカ「久しぶりだから貴女がどんな人だったのか忘れちゃってたのかもね。でも案外変わってないわね」

カチューシャ「うるさい!ふん!」

エリカ「で、何しに来たのよ」

カチューシャ「その前にお客さんが来たんだからオーダーぐらい聞きなさいよ」

エリカ「今日休みなんだけど……一杯だけよ、どうせお酒も弱いんでしょ」

カチューシャ「うぐっ!」

エリカ「ちょっと待ってなさい………はい、マリブコークよ。少し薄めに作ったからあなたでも飲めるでしょ?」

カチューシャ「うぅーー!!!」イッキノミ

カチューシャ「おかわり!!」

エリカ「これ一杯だけって」

カチューシャ「おかわり!!!」

エリカ「はぁ……分かったわよ」

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 18:29:31.38 ID:rJoiqqvp0
エリカ「で、どうしてここが?」

カチューシャ「ノンナがGPS着けてくれたからそれを追って来たの」

エリカ「あの人いつの間にそんなこと!うわほんとうだなんかついてる!」

カチューシャ「ノンナは何でもできるんだから!」

エリカ「やっぱ恐ろしいわねあの人」

カチューシャ「で、なんでこんなところでバーなんて開いてるのアンタ」

エリカ「それは、まぁ色々と……」

カチューシャ「はぁ!?はっきり言いなさいよ!」

エリカ「んぐっ……それは、その、大学受験に失敗して、その、自暴自棄になって」

カチューシャ「うんうん」

エリカ「乗りと勢いでなんかバーやってた」

カチューシャ「何それわけわかんないんだけど!!??」

エリカ「その時はもうどうにでもなれってやってたし、気が付いたら引き返せないところまで来てて……」

カチューシャ「はぁー……ミホーシャがドジするならわかるけどあんたみたいないかにもって人がねぇ。分からないものね!」

エリカ「ホントよ。はぁどうしてこうなったんだろ」

カチューシャ「まぁ結構お店もしっかりしてるみたいだし、同年代の人に比べたらしっかりしてるのは流石というところね」

エリカ「貴女から素直に褒め言葉だなんて。明日は自走砲でも降ってくるかしら」

カチューシャ「失礼ね!シベリア送りにするわよ!」

エリカ「貴女のそういう所変わらないわね。そういえば本当に身長変わってないわね。むしろ縮んだかしら?」

カチューシャ「ちっちゃくなんかなってない!!で、でも……」

エリカ「ん?」

カチューシャ「おっきくもなってないのも事実よ……」

エリカ「へぇ」

ングッングッ

カチューシャ「プ八ーー!ねぇどうやったらおっきくなれるかしら!?」

エリカ「はぁ?」

カチューシャ「私も20を超えてこの身長はまずいと思うの!このままじゃ就職もできないわ!」

エリカ「そんなことはないと思うけど、多分」

カチューシャ「この前だってノンナに肩車してもらったし、そろそろ危機感を覚えてきたというか」

エリカ(あの人なら心の中でいつまでもしていたいとか思ってそう)

カチューシャ「だからあなたも考えなさい!」

エリカ「へ?」

カチューシャ「私がどうやったら大きくなれるか!」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 18:34:53.29 ID:rJoiqqvp0
エリカ「正直な話、もう成長期は来ないと思うんだけど……」

カチューシャ「ぐぬぬぬぬぬ!!」

エリカ「ノンナさんとかそっちの方がいいんじゃないの?喜んで肩車しそうだし」

カチューシャ「そ、それは…」

エリカ「それに、もし大きくなったら私じゃ肩車できなくなっちゃうわ」

カチューシャ「……」

エリカ「まぁ私としてはそっちの方がありがたいけど……ん?」

カチューシャ「スー…スー…」

エリカ「はぁ……だから一杯にしろって。どうするのよこれ…」

エリカ「とりあえず置いていくわけにいかないから家に……ん?」

カチューシャ「ノンナ……エリカ……だっこ……」

エリカ「……フン」







この後、ノンナが無事に連れて帰りました。




起きた後に始められるよう安価

安価下1 お客さん
安価下2 お酒つまみ
安価下3 話題
安価下4 自由枠(   ぃの以外のなら)

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:27:45.47 ID:rJoiqqvp0
エリカ「何だか調子狂うわ……あの継続高校の人が来てからなんだか毎日よね」

エリカ「今更戻れないわよ……さて、どうせ今日もだれかk」

カランコロン

エリカ「いらっしゃいまs」

みほ「はぁ…はぁ…やっと、会えました」

エリカ「み、みほ!?」

みほ「……」無言の着席

エリカ「……」

みほ「……」

…………

二人「「あ、あの!」」

みほ「あ、その……」

エリカ「……何か飲む?せっかくなんだし」

みほ「え、あぁそうですね……えっとメニューは……」

エリカ「……」

みほ「うーん、これも美味しそうだなぁ……こっちのお酒はどういうのなんだろう……うわぁおつまみもこんなに」

エリカ「……」イライラ

みほ「こっち…いやでもこっちも……」

エリカ「(#^ω^)」

みほ「うーん、うーん……」

エリカ「ああもう!!最近作れるようになったのがあるからそれでも飲んでなさい!!おつまみはポテトサラダを用意するから!」

みほ「は、はい!その……すみません……」

エリカ「ったく…ホント変わらないのね。えっと、グラスどこに置いてたかしら……」






みほ「何だか……すごく懐かしいな」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:36:05.76 ID:rJoiqqvp0
エリカ「はい。新作のソルティドックとポテトサラダよほかに何かあるようだったら言いなさい」

みほ「は、はい……うわぁこのお酒美味しい!ポテトサラダも、うん!すっごく優しい味!」

エリカ「そう、実験は成功みたいね」

みほ「実験!?」

エリカ「ま、お客さんに出せるかどうかを確かめたかったの。最近若い女性のお客さんが少し増えたから勝手が分からなくて」

みほ「へぇ~そうだったんですか。それでも実験はひどいと思います!」

エリカ「悪かったわよ。」

エリカ「それで、今日はどうしたの……こんなお店に、しかも遅くに一人だなんて」

みほ「それは……その……」

エリカ「はっきりしないわね、ホント変わらない」

みほ「んむぅ……よし!」

エリカ「ちょ、ちょっと!度数がそんなに高くないからって一気に飲んじゃ危ないわよ!」

みほ「平気です!私だって少しは変わったってところ見せます!おかわり!」

エリカ「嫌な予感しかしないんだけど……」

みほ「あ、同じので!」

エリカ「はいはい……ちょうどお店も暇になったし付き合ってあげるわよ」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:50:34.77 ID:rJoiqqvp0
みほ「エリカざんだずげでぐだざいよおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

エリカ「やめなさい!泣きながら抱き着かないでよ!!」

みほ「私、大学でも一生懸命戦車道やって!ングッ!必死に必死にやったんでしゅよ!!」

みほ「そしたらね!プロリーグへのスカウトが来て!世界大会に向けて頑張っていきましょうって言われたんでしゅよ!!ングッ……おかわり!!」

エリカ「そうね素晴らしいことだと思うからお酒はもう控えた方が」

みほ「おかわり!!」

エリカ「はぁ分かったわよ。作るから待ってなさい」

みほ「あとポテトサラダもお願いします!!」

エリカ「泣きながらポテトサラダを必死に食べてるところなんか見たくなかったわ……お待ちどうさま」

みほ「ングッ……エリカさん私どうしたらいいですかああああああああウワーーーーーーン!!!」

エリカ「ああもうっめんどくさい!泣き上戸だなんて聞いてないわよ!」

みほ「私は、プロでも、戦車道やろうと思ってるんですけど、その世界とかいきなり言われてもよくわからないし……結局私も西住流の、一人だって変にプレッシャーかけられるし」

みほ「お姉ちゃんも一緒だって言われても……ウワ-----ン!!」

エリカ「いいじゃないまた隊長と戦車に乗れるんだから……」

みほ「でも……そこにはエリカさんがいないじゃないですか……」

エリカ「は?そこでどうして私の名前が出るのよ」

みほ「私、エリカさんがいなくなって寂しくて、寂しくて。エリカさんなら、戦車道やってればいつかきっと出会うと思ってたのに、なかなか見つからなくて」

みほ「もう会えないのかなって思うとなんだかもう……ングッ!」

エリカ「ああもう飲みすぎよ!薄めに作ってるのにこれだなんて……」

みほ「グスッ……エリカさんのせいですよぉ……久しぶりに会えたのにエリカさんはいつものままでぇ」

エリカ「そうかしら?これでも知り合いに丸くなったて言われたのよ?」

エリカ「まぁあんたが昔のままだから私も少し昔を思い出したかもしれないけd」

みほ「スー……スー……」

エリカ「(#^ω^)」

エリカ「起きなさいいいいいいいいい!!!!!!!」

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:55:49.34 ID:rJoiqqvp0
みほ「その今日は愚痴ばかり話してしまってすみません」

エリカ「別にいいわよ。私も今度から貴女でも飲めるお酒用意しておくから」

みほ「い、いえ!私、またあのお酒飲みたいです!あとポテトサラダも!」

エリカ「は?またどうして?」

みほ「その……エリカさんが、私に始めてくれたお酒、だからですかね?」

エリカ「は、はぁ!!??何を言ってr」

みほ「す、すみません!それでは///」

エリカ「あ、ちょ、ちょっと!お酒は言ってるのに走ったら!」



\アイタタタタタタタ……/


エリカ「言わんこっちゃない……ん?」

\マタイキマスカラ~!/


エリカ「……ふん!」




あの娘も、頑張ってるのね。私は……

エリカ「どうしたいんだろ」

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/29(日) 00:10:44.95 ID:6Q0ujJok0
お客さん ローズヒップ

お酒おつまみ シードルとローストモルツ

話題 戦車道はやらないのか

自由枠 酔うと色気の出てくるローズヒップ

これでスタートします

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/29(日) 00:28:09.53 ID:6Q0ujJok0
エリカ「ふう、ここ最近は戦車道関連の人も来ないし割といつも通りになったわね」

エリカ「まぁ顔見知りが来ると妙に気まずいことってあるわよね」

エリカ「特に微妙に面識のある娘とか特に」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……バタン!!

ローズヒップ「逸見エリカはいまして!?」

エリカ「またうるさいのが来たわね……ええ、ここにいるわよ」

ローズヒップ「おお!ダージリン様のおっしゃったことは本当でしたのね!」

エリカ「あぁ、私の知らないところで噂が広まってる感じね。めんどくさいことになりそう」

ローズヒップ「かの黒森峰で西住まほと共に歩んできた逸見エリカのお店とあれば行かないわけに行きません!さぁメニューはどこかしら!?」

エリカ「お酒入ってないのにうるさいわね……まずは席に着いたらどう?」

ローズヒップ「それもそうですわね。では……うん、シードル…いえ、ホットアップルサイダーとローストモルツをお願いいたしますわ!」

エリカ「ホットアップルサイダー……あぁそういえばイギリスだとシードルじゃなくてサイダーって言うそうね。分かったわ」

ローズヒップ「少しばかりは知識もおありのようで」

エリカ「そういうのに煩いお客さんがいるの。はいお待ちどうさま」

ローズヒップ「いいですねぇでは!……んー!美味しい!いい腕してるじゃない!」

エリカ「ありがと。で、貴女も私に用があって来た口でしょ?」

ローズヒップ「いいえ特にそういうわけでは」

エリカ「あら?あなたもそういう口だと思ってたんだけど」

ローズヒップ「ただ、貴女に会ったという人が軒並み戦車の調子が良くなってるので私もあやかろうかと」

エリカ「……聞いてないわよそんなの」

ローズヒップ「みほさんなんてもう悪鬼羅刹のごとく敵をぼこぼこにしていましてよ!あ、おかわりを」

エリカ「あの娘がねぇ……やっぱりあんなのでも腕は変わらないのね」

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/29(日) 00:41:58.29 ID:6Q0ujJok0
ローズヒップ「ふぅ……久しぶりにお酒を飲んだせいか暑くなってきましたわ。少し脱いでも?」

エリカ「いつもなら止めてるけど今日はもうお客さんもいないみたいだしいいわよ。看板もたたんでくるわ」

ローズヒップ「フフ、ではここからは女子会と言うわけですね?」

エリカ「そんな大層なものじゃないわよ。ただ、貴女とは話す機会もなかったしいい機会だと思ってね」

ローズヒップ「あら、冷血な人だと思ってましたけど存外優しい方ですのね」

エリカ「いろいろと変わったのよ」

ローズヒップ「変わる。そうねぇ……私もいろいろと体験してきまして……ンッ」

ローズヒップ「はぁ……ホント、今日のお酒はいつもと違いますわ。貴女のお酒だからかしら?」

エリカ「口説いてるみたいよ。お酒なんてどこで飲んでも一緒よ」

ローズヒップ「そんなことないですわよ。現に私、とってもいい気分で……」

ローズヒップ「今夜は家に帰らず、ずっと一緒に話してたい気分ですわ」

エリカ(……なんかお酒の飲み方というか言動がいちいち艶めかしい)

ローズヒップ「そういえば唐突に話は変わりますけれども、貴女」

戦車道はおやりにならないのですか?


エリカ「……」

ローズヒップ「西住姉妹は時折、『エリカさんがいれば』と口にするときがあります。それに、貴女も貴女で壁に黒森峰の制服を飾ってますし」

ローズヒップ「てっきり私は今でも戦車道を続けていると思ってましてよ?」

エリカ「そうね……隊長にそういってもらえるのは嬉しいわ。でも、私は今の私を結構気に入っているの」

エリカ「戦車道やってるときは憧れについていくだけだった私だったけど、一度距離を置いてみると、自分のことを一切見えてなかったと思うって感じるようになったわ」

エリカ「あの人になりたい、少しでも近づきたい、あの娘に負けたくない、って本当に生き急いでるみたいだったわ」

エリカ「それが今じゃこうやってゆっくりとお店を構えて自分のことだけを考えていられる。そんな環境が好きなったのかもしれないわね」

ローズヒップ「では、もう戦車道はおやりにならないつもりで?」

エリカ「……それは今のところ分からないわ。ただ、結構ブランクできちゃったしね」

ローズヒップ「そうでしたか……まぁこれ以上私がとやかく言う話ではありませんわね」

ローズヒップ「それよりも、今日は私のお願い聞いてくださるかしら?」

エリカ「ええ、今日はとことん付き合ってあげるわ」








こうして二人の夜は更けていく

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 01:08:33.55 ID:vRf2UU7c0
エリカ「昨日は楽しかったわね……なんだか思ってより話が合って」

エリカ「隊長への自慢話大会ではお互い譲らないいい戦いができたと思うわ」

エリカ「でもさすがに徹夜は疲れたわ……ふわぁ……いけないあくびが」

カランコロン

エリカ「あぁいらっしゃいませ」

アンチョビ「一人だが大丈夫k……あれ?お前黒森峰の」

エリカ「そういうあなたは……あぁその髪はアンチョビさんね」

アンチョビ「髪型で覚えてたのかお前!?失礼な奴だなぁ!」

エリカ「どうもこの間まで戦車道から身を引いてたから記憶があいまいで……まぁそんな話はいいでしょうに。座ったら?」

アンチョビ「むぅ。何だか納得いかないが……まぁいいか!」

エリカ「はいメニュー、何がいいかな?」

アンチョビ「あーその前にここってお酒の持ち込みは大丈夫か?いいワインが入ったんだ」

エリカ「別にいいけど……ワイン?」

アンチョビ「テッレ・デル・バローロ バローロの十年物だ!大学の教授から頂いたんだが一人で飲むのも忍びないと思ってな!」

エリカ「あらいいじゃない。それじゃあなんか貴女に所縁のあるモノでも用意しようかしら」

アンチョビ「お!楽しみにしてるぞ!あぁそうだ!グラスはもう一個用意しろ!お前も飲め飲め!」

エリカ「あら、そうれじゃお言葉に甘えようかしら」

アンチョビ「お前も私を満足させるおつまみは用意できるのかぁ~?」

エリカ「ええ、きっと満足いただけると思うわ……はい、自家製のカルパッチョよ」

アンチョビ「おぉ~~~!!!いいじゃないかいいじゃないか!」

エリカ「味はアンツィヨ学園には勝てないかもしれないけど……まぁお味見してもらってもいいかしら?」

アンチョビ「任せろ!じゃぁ久しぶりの再会を祝って……」

乾杯!!

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 01:33:31.42 ID:vRf2UU7c0
アンチョビ「うん、うん……旨いじゃないかこのカルパッチョ!持ってきたワインとよく合うし!見直したぞ!」

エリカ「それはそれは……天下のドューチェにお褒め頂けるなんて。看板にでもお墨付きとでも書いておきましょうか」

アンチョビ「なんだそれ(笑)……まぁ久しぶりに会った訳なんだが」

エリカ「?」

アンチョビ「お前、昔は髪下してたよな?」

エリカ「そうだけど……それが?」

アンチョビ「いや、料理作ってるときに髪を纏めてポニーテールにしてたの見たら結構印象が変わってなぁ」

アンチョビ「なんか  い」

エリカ「は、はぁ!?何言ってるのよ!

アンチョビ「いやー私は髪型は変えたことが無いからよく分からないんだが……やっぱり髪型で印象って変わるんもんだなぁ」

エリカ「まぁそれはある意味女の武器みたいなものだけど……私は特に色恋沙汰に興味があるわけじゃないどうでもいいわよ」

アンチョビ「そうなのか?お前みたいないい女だったら言いよって来る男の一人や二人いるだろ?」

エリカ「いなかったと言えばうそになるけど、全部振ってやったわ。今の私はこの店が全てなんだから」

アンチョビ「ふーん。まぁお前がいいならいいけど」グビッ

エリカ「そういう貴女は変えたりとかしないの?それ、ウィッグでしょ?」

アンチョビ「地毛だって言ってるだろ!!まったく!」

エリカ「知ってるわよ。あえてね、あえて」

アンチョビ「くっそ~~~……まぁ正直変えてみたいかなーって思った時があったんだ」

エリカ「へぇ、もっと話してよ」

アンチョビ「まぁ大学入ル前の時にちょっと変えてみようかなとカルパッチョに相談してみたんだ。そしたらな」

アンチョビ「変えたら多分みんな私だって分からなくなりますよって言われてな」

エリカ「oh……」

アンチョビ「そっから今までこの髪型でいるんだ」

エリカ「まぁそういう事情の人もいるのね……」

アンチョビ「まぁその方があいつらの為になるなら私もいいかなって思ってな。この髪があいつらの役に立ってると思うと嬉しいさ」

エリカ「やっぱり貴女、すごい人よ……」

アンチョビ「褒めてもワインしか出せないぞ~!あ、そうだ!今厨房は使えるか?よっかたら料理教えてやる!」

エリカ「あら、それは美味しい話ね」

アンチョビ「料理の話だけにな!さぁ作るぞ~!」

エリカ「……ほんと、すごい人」

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 09:03:52.37 ID:vRf2UU7c0
おはようございます。見てる人いるかわかりませんが再開します。

エリカ「結構メニューに加えられそうな料理教えてもらった上に、今度から定期的に面倒見てくれるだなんて…」

エリカ「やっぱりみんなから慕われる姉御は格が違ったわね」

カランコロン

エリカ「いらっしゃいませーって」

ダージリン「ええ、約束通り遊びに来ましたわ、逸見さん?」

エリカ「また別のタイプのお姉さんタイプが来たわね……いや、お姉様のほうがいいかしら?」

ダージリン「?何を仰っているのでしょうか……席はここでいいのかしら?」

エリカ「ええ、好きなところにどうぞ。メニューはこれね」

ダージリン「ありがとう。と言っても食事は済ませてきたからあんまり長居する予定ではないのよね」

エリカ「あらそう。いつぞやのメンバーと食べに行ってたのかしら?」

ダージリン「そんなところよ。この自家製梅酒を一つ頂けるかしら?」

エリカ「分かったわ。ちょうどいい塩梅だと思うし貴女のお口に合うと嬉しいのだけれど」

ダージリン「ええ、楽しみにしてるわ」

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 09:21:45.58 ID:vRf2UU7c0
ダージリン「ふぅ……とても上手にできてましてよ」

エリカ「それは良かったわ。梅酒づくりも三年目なんだし、そろそろ人に出せるぐらいにしたいと思ってたのよ」

ダージリン「ええ、この味でしたら恥をかくことはないんじゃないかしら。そう言えば三年前で思い出したのだけれども」

エリカ「なんか嫌な予感がするわね。いいわ、なにかしら?」

ダージリン「あなた、将来はどうする予定でして?」

エリカ「……将来ね」

…………………………

エリカ「正直な話、よく分からないわ」

エリカ「私は今はどうすればいいのか迷ってるのよ。なんとなくで始めたこのお店が思ってた以上に繁盛して、私もなんだかそれが嬉しくて」

エリカ「お店のために戦車道以外のことで初めて徹夜もしたわ。お酒の勉強だけじゃなく、料理の勉強だって、経営の仕方も。全部黒森峰では必要のなかったことよ」

エリカ「でも、戦車道と同じくらい必死にやった。戦車道と同じくらい楽しかった」

エリカ「少し前の私だったら戦車道に戻れるなら戻ってたと思うわ。でも、今の私はよく分からないの」

ダージリン「このお店が好きになった、ということでしょうか?」

エリカ「そうね。戦車道と同じくらいに」

ダージリン「そうでしたの……」

エリカ「でも、戦車道を捨てろと言われてもできないわ。戦車道があったから今の私がいると言っても過言じゃないし」

ダージリン「こんな言葉を知ってるかしら?『人生は、できることに集中することであり、できないことを悔やむことではない』。スティーブン・ホーキンスの言葉よ」

ダージリン「あなたの人生はあなただけの物。どうするかはしっかりと悩み、見つけたのならそれを突き進むことが大事よ」

エリカ「……要するに?」

ダージリン「あなたの好きな道を行きなさい。戦車道だけがあなたの道ではないのだから」

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 09:34:45.71 ID:vRf2UU7c0
エリカ「はぁ……結局解決にはなってないじゃない」

ダージリン「こんな大事な話、私の意見だけで決めてしまっては勿体ないわ。せっかく人と触れるお仕事をしているのなら、いろんな人に話を聞くのもよろしいんじゃなくて?」

エリカ「そうね……で、あなた」

ダージリン「何かしら?」

エリカ「さっきからすごくイイこと言ってると思ったらそのポケットから出てる紙は何なのかしら?」

エリカ「丸くなってるから全部は読めないのだけれど……戦車道、勧誘、打倒西住流、ってのは読めたわ」

ダージリン「あらら、御見せするつもりはなかったのですけれど」

エリカ「チラチラと見せつけるかのようにしてたくせに」

ダージリン「ええ、私プロへ行くことが決定していまして。西住流打倒を目標というすごくユニークなところよ」

エリカ「また大層な目標ね。で、それが?」

ダージリン「そこには私の知り合いも多くいて、そこそこの戦力が揃ってきて、あながち夢物語で終わるような感じではなくなってきたわ」

ダージリン「でも、あともうひと押し。もう少しの力が必要だと私は思いまして……あぁ別に逸見さんには関係のない話でしたので話半分で聞いてくださって構いません」

エリカ(……)

ダージリン「まぁ逸見さんがお店を続けるのも私は賛成です。ですが、もし戦車道をまた始めてくださるのでしたら、の話ですけどね」

エリカ(本当に読めない人ね……)

ダージリン「そうね、そろそろ出ようかしら。このチラシは置いていきますから時間が空いた時にでもお読みになってください。ではまた来ますわ」

エリカ「ハイハイ、又のお越しをー」

エリカ「あの人、最初からそれ目当てだったんじゃないでしょうね」

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 10:21:20.48 ID:vRf2UU7c0
エリカ「戦車道……ね。私の近くにいた人はみんなまだ続けてるのかしら」

エリカ「かといって今更連絡取れそうな人なんて……もっと高校の時に遠田知作っておけばよかったかしら」

カランコロン

エリカ「いらっしゃいm」

カエサル「どうだ!今度こそ当てっているだろう!」

おりょう「そう言って何件外したぜよ」

左衛門佐「このお店が外れなら七件目か」

エルヴィン「まぁここあたりでバーと言えば残りはここだけだと思うんだが」

エリカ「……い、いらっしゃい?」

カエサル「おぉ!!見ろ!今度こそ当たりなのでは!」

エルヴィン「どうやらそうみたいだな」

左衛門佐「急がば回れって感じかな」

おりょう「それはちょっと違うぜよ」

カエサル「まぁいい!我々はついに目的地にたどり着いた!諸君!この喜びを分かち合おう!」

四人「おー!!」

エリカ「……いままでで一番疲れそ。はいはーい好きな席に座りなさーい。あと店内では騒がないで」

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 10:30:23.61 ID:vRf2UU7c0
エリカ「飲み物はどうしますか?」

おりょう「ふむ、ここは再開を祝って日本酒はいかかぜよ?」

カエサル「いや、ここはワインもいいだろう!」

左衛門佐「最近は焼酎も好きになってきてな……」

エルヴィン「こういうところでは最初はビールと相場が決まっている」

三人「それだ!!」

エリカ「えっと……ビールでいのかしら?」

カエサル「ああ!できるのならば瓶で乾杯といきたいところだな」

エルヴィン「戦場でグラスに注い出る余裕はないからな」

エリカ「瓶……だったらバドワイザーっていうアメリカのがあるけど飲んでみる?結構おいしいわよ」

おりょう「なんかよくわからんがそれで頼むぜよ」

エリカ「はいはい。それじゃあ持ってくるからちょっと待ってなさい」

四人「…………」

左衛門佐「で、どう見る?」

おりょう「前に見たときよりかは棘がなくなってるぜよ」

カエサル「うむ。やはり噂通り逸見殿は少し変わったな」

エルヴィン「ダージリンさんにお勧めの酒屋は無いかと聞いてここを教えてもらったが」

四人「…………」

エリカ「えっと栓抜きどこに置いたっけ……」

カエサル「見違えるな、本当に」

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 10:55:02.65 ID:vRf2UU7c0
エリカ「お待ちどうさま。四本でいいかしら?」

エルヴィン「ああそれで構わない」

カエサル「それでは我らの久しぶりの再会を祝って乾杯!!」

四人「乾杯!!」

エリカ「……あんた達、久しぶりの再会って言ってたけど」

カエサル「ああそういえば逸見殿は知らないのか。我々は大学進学を期に別々の学校へと進んだのだよ」

エルヴィン「私がダージリンさんのいる大学へ、カエサルがアンチョビ殿がいる大学へ、おりょうが西住隊長のいる大学へ、左衛門佐がミカ殿がいる大学へとな」

エリカ「へぇてっきり同じ大学に進んでるものだと思ってたわ。あなた達、切っても離れなそうだし」

おりょう「最初はそのつもりだったが、どうせ戦車道を続けるのならば自分たちの好きな時代のメンバーで構成したチームが欲しくてな」

左衛門佐「各々の進んだ大学で歴史戦車道サークルを立ち上げて、親善試合をすることにしたのさ」

カエサル「今回はその打ち合わせってことで集まったのだ」

エルヴィン「まぁ戦車道とはいってるが半ば歴史好きの集まりによる非公式の物だがな。結構うまくできてるさ」

エリカ「へぇ……そんなのもあるんだ。興業でそういうのがあるのは知ってたけど大学生でそこまでやってるのは初めて聞いたわ」

カエサル「まぁゆくゆくは連盟に認めてもらい、全国を巻き込んでやるのが目的さ」

左衛門佐「まさに世は戦国時代」

エリカ「随分と大きな話ね。でも面白そうだし、テレビで中継でもするようなら見てあげるわ」

エルヴィン「テレビと言わず見に来てもいいのだぞ?」

エリカ「……まぁ今は行く気にはなれないから」

四人「……」

おりょう「そ、そういえばここのお店は落ち着くぜよ」

左衛門佐「こう……なんというか」

カエサル「戦場を感じるというか」

エルヴィン「例えるなら300人で立ち向かったスパルタクスのような」

エリカ「そんな暑苦しい部屋じゃないでしょ!話題の変え方が下手くそすぎよ!」

エリカ「はぁ。そんなに気を使わなくてもいいわよ、折角の再会なんだからもっと楽しみなさいよ。ほらおかわり持ってきてあげるから」

カエサル「あ、ああすまない」

エリカ(そうか……考えてみればプロだけが戦車道じゃないものね。彼女たちのような楽しみ方もあるのね)

エリカ(また一つ、道を見つけたというかなんというか)

エルヴィン「そういえばエリカ殿は中々に歴史に詳しいとか」

エリカ「そんな……あなた達みたいに全部の時代に詳しいわけじゃないわよ。戦車にのるなら少しぐらいは当時の情勢を知っておいた方がいいと思って、勉強しただけ」

四人「ヒソヒソ……」

エリカ「な、なによ」

カエサル「うむ!ではここを私たちの拠点にする!これからは我々は作戦会議を行う際はここに集まることにしよう!」

エルヴィン「賛成!」

おりょう「異議なし!」

左衛門佐「文句なし!」

エリカ「またそんな大層な……」

カエサル「それに伴い逸見殿にもソウルネームを付け、互いにソウルネームで呼び合うようにしてもらおう!」

エリカ「はあ!!??」

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 11:02:22.41 ID:vRf2UU7c0
エルヴィン「やはりドイツとなるとルーデルか?」

左衛門佐「しかしそれでは戦車ではなく戦闘機乗りになってしまうな」

おりょう「ではカリウスはどうぜよ」

カエサル「それなら私はヴィッドマンをだな!」

エリカ「(#^ω^)」

エリカ「どうしてそこでロンメルを出さないのよ!!」

四人「それだ!!!」









カエサル「ではまた会おうロンメル!」

エルヴィン「今度は是非戦場で!」

左衛門佐「お酒も美味しかったよ~」

おりょう「さぁ帰るぜよ……あん世界に」

エリカ「誰がロンメルよ!!ったく……」


エリカ「ロンメル……逸見ロンメル?」


エリカ「/////////」


歴史ネタ詳しくなくてすみません。

安価下1 お客さん
安価下2 お酒&おつまみ
安価下3 話題
安価下4 自由枠

116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 11:39:45.60 ID:vRf2UU7c0
エリカ「ふぅ今日も盛況だったわね……でも」

エリカ「最近プロ戦車道の関係者が多いわね。特に運営とか審判団とか」

エリカ「何かの前触れじゃなきゃいいけど……」

カランコロン

千代「あら?逸見さんが経営してるお店はここで合ってますか?」

エリカ「は、はい。私が逸見ですが……」

千代「ありがとう。さぁしほさん、中に入りましょう」

しほ「言われなくても入りますので」

エリカ「い、家元!?」

しほ「久しぶりですねエリカさん。貴女もあいさつしては?」

千代「そうね……初めまして。島田流の家元、島田千代と申します」

エリカ「し、島田流って……」

しほ「席、座って?」

エリカ「は、はい!!メニューもすぐに!」

千代「中々に真面目そうな娘ね」

しほ「逆に言えば固すぎるということ。それで何度か損しているのが彼女の勿体ない所です」

千代「でも、それが魅力でもあるんじゃないかしら」

エリカ「ど、どうぞ!メニューをお持ちいたしました!」

しほ「ありがとう……では、この焼酎マティーニとチーズを」

千代「そうね、では私はウォッカマティーニで」

エリカ「か、かしこまりました!少々お待ちください!」

しほ「エリカ、そんなに気を張らずに。今の私たちとお前はそんな間柄じゃない。ただの客とバーデンダーにすぎません」

エリカ「は、はぁ……」

千代「フフフ、楽しみにしてますよ」

エリカ「わ、分かりました」

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 11:57:34.91 ID:vRf2UU7c0
エリカ(いつもと違ってすごく緊張する……というかなんでお二人が揃って私の店に!?)シャカシャカ

エリカ(いつか来るとは思ってなかっと言えば嘘になるけど……)シャカシャカ

エリカ(やっぱりお二人が揃って来るということは戦車道関連なんだろうか……)トクトクトクトク

エリカ(どうしよう……まだ悩んでるのに……)オリーブポンッ

エリカ「お待たせしました。焼酎マティーニとウォッカマティーニとチーズです」

しほ「ありがとうございます。では、」

千代「ええ」

チンッ

エリカ(なんか初めてお客さんに料理を出した並みに緊張する……!」

しほ「……ふぅ。いい腕ですねエリカさん。きっと戦車道の時と同じように必死に特訓したのでしょう」

千代「三年目のバーテンダーとは思えないほどのお味でしたわ。さすがです」

エリカ「あ、ありがとうございます!」

しほ「こうも腕がいいと話が出しにくいですね」

千代「ええ、いっそこのまま隠れ家にでもしてしまいまいたい気分ですね」

エリカ「その、やっぱりお話というのは戦車道関連のお話でしょうか……?」

しほ「ええ、今回はプロリーグの審判団へのお誘いで来ました」

エリカ「審判団ですか……?」

千代「はい。プロリーグが発展してくるとともに、審判団のレベルの低さというものが目に見えてきました」

しほ「今いるメンバーだけでは試合に動員できるメンバーも限られてくるという問題から連盟は審判団の増員教育に踏み込むことになり」

しほ「その審判団の教員役かつ委員長に逸見エリカが適任ではないかという結論に至りました」

エリカ「そ、その……どうして私なんかが」

千代「しほさんが堅実で真面目、そして人に指示し、教えることを経験して、尚且つ戦車を熟知してる人と言えば貴女しかいない。と仰ったので」

千代「しほさんがそこまで言うなら間違いないのでしょうとなって、今に至ります」

エリカ「そ、そんなことを言われても……」

しほ「それに、まほからの願いでもあります」

エリカ「隊長の?」

しほ「まほはあなたが戦車道に携わっていないことに気を病み、今は何とかして戦車道へ戻ってきてもらうように働きかけています。今回もまほの強い願いがあってのことで、私たちが直接会いに来ました」

エリカ「隊長……」

千代「でも、急に言われても貴女が困惑するのも無理な話。まだ期間には余裕がありますのでじっくりお考えください」

エリカ「わ、分かりました」

千代「うん。ではお仕事の話はこれで終わりにいたしましょう。せっかくですから今日はエリカさんのお酒を楽しんでいきましょう」

しほ「そうだな。エリカ、おかわりとこのチーズを少し多めに」

エリカ「わ、分かりました!すぐにお持ちします!」

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 11:59:57.36 ID:vRf2UU7c0
しほ「ざいぎんみほがいえにがえっでぎでぐれなぐでえええええええええええええええええ!!!」

千代「わだじのどごろもですうううううううううう!!!」

二人「びええええええええええええええええええええん!!」






エリカ「……」


エリカ(二人のこんなところ見たくなかった)






でも、


エリカ「隊長……」

エリカ「私はどうしたらいいのでしょうか……」

124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 12:34:54.42 ID:vRf2UU7c0
エリカ「結局あまり眠れなかったわね……まぁあんな話が来た後だとそうもなるわよ」

エリカ「今日はあんまり遅くまで開かないようにしようかしら……うん、そうしよ」

エリカ「さて、今日も元気にお店頑張りまs」

カランカラン!

ケイ「hiエリカ!元気にしてた!」

エリカ「……開店早々すごいのが来たわね。ええこの通り」

ケイ「いいじゃないいいじゃない!あ、もう注文いいんでしょ?えっと……この杏のシードルっての頂戴!」

エリカ「また珍しいのを……はい、ゆっくり飲みなさいよ」

ケイ「サンキューエリカ!……うん!美味しい!いい仕事してるわね!」

エリカ「もう飲み干してるし……もう一杯いる?」

ケイ「Yes!」

エリカ「それじゃ待ってて……はいどうぞ。で、今日はどうしたの?何だかお店が開くの待ってたみたいだけど」

ケイ「うーんまぁちょっと人生相談しようかなって」

エリカ「人生相談って年下の私に?」

ケイ「年下って言っても一人でこんなに立派なお店開いてるんだもの!もう私なんかより立派よ!」

エリカ「そういわれると何だか嬉しいけど……でもあなたみたいに明るい人でも悩むことなんかあるのね」

ケイ「まぁ私にだって悩みの一つや二つあるわよ」

エリカ「まぁいいわ。私でいいなら乗ってあげるわよ」

ケイ「サンキューエリカ!ミカに教えてもらって正解だったわね!あ、おかわり!」

エリカ「ホント、私の知らないところでどんなことになってるのやら」

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 12:49:47.44 ID:vRf2UU7c0
ケイ「えっと、実は私、大学卒業後は進路決まってないのよね」

エリカ「あら?あなたほどの人材ならプロでもどこでもいけると思うのだけれど」

ケイ「それじゃなんだかおもしろくないじゃない!こう若いうちだからできることをしてみたいのよね」

エリカ「勿体ない……昔の私だったら間違いなくプロに行ってたわ」

ケイ「私もそうだったよ。実際契約の一歩手前までいってたもの。でもね、そんなときに貴女の話を聞いたの」

エリカ「私?」

ケイ「戦車道以外想像もつかないあなたが戦車道とは離れて店を構えている。そういう話を聞いたら私も思ったのよ」

ケイ「戦車道以外のことをしている私はどんな姿をしているのだろうって」

ケイ「そう考えたら契約するのは何だか勿体ない気分になってきたし、どうせならだれも考えつかない私をしてみたいと思ったのよ」

エリカ「それはまたすごいわね……私なんかじゃ絶対そんな考えにならないわよ」

ケイ「だから聞きに来たのよ。どうして貴女がお店をやってるのか。そしてどんな気持ちなのか」

エリカ「そうね……理由は単純よ。大学受験に失敗して、自暴自棄になってるときに、テレビでバーテンダーの特集をしてて『いっそのことお店でも持ってしまおうかな』って」

エリカ「本当にその場で考えたことを今までやり通しただけ。ホントにそれだけよ」

だから

エリカ「貴女の参考にはならないかもしれないわ」

ケイ「フーン…でも、今は好きなんでしょこのお店?」

エリカ「そうね。今の自分にはこのお店が無い生活なんて考えられないわ」

ケイ「じゃあいいんじゃない?そんな人生も」

エリカ「え?」

ケイ「受験に失敗したのも、たまたま特集を見たのも、店を持つようになったのも、きっとそれは運命だったのよ」

エリカ「運命……」

ケイ「そう!だから胸を張りなさいエリカ!貴女は自分を低く見てるかもしれないけれど、貴女は立派よ!」

エリカ「……どうなんだろ」

ケイ「うんうん!どうやらエリカも悩んでる仲間のようね!一緒に頑張りましょう!」

エリカ「頑張るってなにをよ」

ケイ「一緒にこれからどうやっていくか決めていきましょうってことよ!」

エリカ「これからのこと……」

エリカ「……そうね。そろそろ私も考えなくちゃ」

これからどうしていくか

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/30(月) 12:53:23.03 ID:vRf2UU7c0
ケイ「そうだ!貴女このお店一人できりもみしてるんだっけ?」

エリカ「そうだけど……それが?」

ケイ「良かったら私を雇ってみない?これからのための勉強になりそうだし!」

エリカ「うーん……そんなに給料払えないわよ?」

ケイ「NOproblem!そのくらいは大丈夫よ!」

エリカ「まぁ人手は欲しかったしいいかしら……それじゃあ今度から宜しくね」

ケイ「こちらこそ!えっと……マスターっていったほうがそっれぽいかしら?」

エリカ「いいんじゃない?好きにしなさいよ」

ケイ「それじゃあお店ではマスターね!よろしく!」

エリカ「ええ、こちらこそ」

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 02:06:33.07 ID:1dkS7qYY0
エリカ「ケイさんを雇うことになって二週間程経ったけど……」

エリカ「やっぱり人がいるのといないとでは全然違うわね。すごいテキパキしてるし……」

カランコロン…

エリカ「いらっしゃいませーってあら?貴女はいつぞやの」

紗希「……」ペコリ

梓「ど、どうも……」

エリカ「あら?彼女の知り合い?」

梓「えっと……大洗学園でM3lee乗ってたんですよ、私たち」

エリカ「……あぁあの戦車の。まぁ座って、今メニュー持ってくるわ」

紗希「…」着席

梓「あ、ありがとうございます…」

梓(紗希、本当に逸見さんがマスターしてるよ!)ヒソヒソ

紗希「……」頷く

梓(紗希がお酒に誘ってくれるだけでも珍しいのにこういうお店知ってるのも驚きだし、マスターが逸見さんで今日は驚きっぱなしよ)ヒソヒソ

紗希「大丈夫……逸見さん、いい人」

梓「紗希……」

エリカ「はいおまたせ。えっと、今日は熊本のいいお酒が入ったんだけど飲んでみる?」

紗希「…」頷く

梓「あ、じゃあ私も……あと鮭の西京漬けもお願いします」

エリカ「分かったわ。西京漬けはちょっと時間かかるから待っててね」

梓「は、はーい!」

紗希「……」ぽー・・・

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 02:56:55.96 ID:1dkS7qYY0
エリカ「はいどうぞ」

梓「ありがとうございます。じゃ、乾杯しよっか」

紗希「……」頷く

梓「それじゃ……逸見さんのお店で飲めたことに」

紗希「……」カンパーイ

エリカ「何よそれ」

梓「えへへ……」

梓「そういえば紗希、最近彼氏とはどんな感じなの?」

紗希「……///」

エリカ「え、貴女彼氏いるの?!」

梓「えっと、紗希だけじゃなく一応私もいますよ」

エリカ「驚いた……もしかして結構いるの?彼氏持ち?」

梓「まぁそこそこですかね~。でも、」

エリカ「でも?」

梓「私は最近上手くいってないのか……彼が少し冷たくて……」

エリカ「それは……」

梓「本当は今日はデートの予定だったんですけど、彼急に用事が入ったって言ってそこから連絡付かないし……嫌われちゃったのかなぁ」

紗希「……」

梓「そこで紗希に連絡して一人になりたくないから飲みたいって言ったらここを教えてくれたんです」

エリカ「そうだったの……まぁ私は恋とか恋愛とかは詳しくないし経験したことも無いからよく分からないんだけど」

エリカ「彼ってどんな人なの?」

梓「彼は一か月前ぐらいまでは優しくていつも一緒にいたんですけど、ここ最近は事あるごとに用事で出かけちゃうし、何してるか聞いても答えてくれないんです」

梓「すごく……寂しくて……どうしたらいいんでしょうか?私、愛想をつかされちゃったのかな」

エリカ「……もしかしたら浮気?」

梓「そ、そんな!!??」

エリカ「あーー!!!嘘嘘嘘嘘!!そんなことないから!きっと彼氏さんもあなたのこと好きだから!」

梓「本当ですかぁ?グスッ」

エリカ「ええ!まだ連絡取りあってるだけいいんじゃないの?浮気とかしてたら連絡とか頻度少なくなりそうだし」

梓「だといいんですけどぉ」

紗希「……」おかわり

エリカ「あぁおかわりね。あんたも今日は食べて飲んで忘れたら?私はそういうことしかできないから」

梓「……よぉーーーーし!!飲むぞーーー!!」

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 03:08:50.90 ID:1dkS7qYY0
梓「ぐー……ぐー……」

エリカ「寝ちゃったわね」

紗希「……」ぐびぐび

エリカ「あんた……結構飲むわね」

紗希「ここのお酒、美味しい」

エリカ「それはどうも」

紗希「……」

エリカ「ねぇ、一応聞いてもいいかしら?」

紗希「?」

エリカ「あの娘……みほにも彼氏いるの?」

紗希「……」

エリカ「こう……私の嫌なところでもあるんだけ、あの娘にだけは負けたくないのよ」

エリカ「だから、ね。ちょっと気になったの」

エリカ「で、いるの?」

紗希「……」首を横に振る

エリカ「……そう。じゃぁ私はまだ焦るときじゃないわね」

エリカ「恋愛だなんて考えたことなかったし、急に意識し始めちゃった」

紗希「……」

―――――――――――――――

みほ「えっと、今度お店に行ったときにエリカさんともっとお酒のお話とかできるようになってた方がいいかな」

みほ「エリカさん、このお酒すきそうだなぁ、あ、これ美味しそう!」

みほ「エリカさんそういえば料理もやってるんだっけ……私ももう少し頑張ったほうがいいかな……」

みほ「エリカさんに会いたいなぁ……」

―――――――――――――――

紗希「……」

エリカ「何よ、何か変?」

紗希「……」ブンブン オカワリチョウダイ

エリカ「はいはい、ちょっと待ってなさい」

梓「ぐー……ぐー……」

145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 03:38:31.54 ID:1dkS7qYY0
ケイ「そういえばマスター」

エリカ「今はお客さんいないからエリカでいいわよ。ど、どうしたの?」

ケイ「今はこうやって落ち着いてマスターできてるけど、最初の頃は大変だったんじゃない?」

エリカ「そうね……最初のころなんて大変どころじゃなかったわね」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


あの頃はお酒を飲めなかったから常連客の一人に修行に付き合ってもらってたの。

可愛い女の子のお酒なら何でもするって人で、ホントにあの人には感謝してもしきれないわ

そんなある日、その常連さんに飲み会を開きたいと言われてね。会社の同僚10数人で飲み放題食べ放題をすることになったのよ。

「みんなお酒弱いし、そんなに食べないから。ね?」

なんて言われてね。普段からお世話になってるし、ここで少しでも恩返ししたいと思ったのよ。

そしていざ開くとなると

「マスター生!」「あ、あたしもー!」「俺はこのワインかな」「ねーカクテルまだー?」「焼酎貰ってもええかー!?」

「このパスタ美味しいー!おかわりー!」「あ、おれから揚げー!」「ピーナッツとかまだあるかしらー?」「あーお茶漬け!」

って今までにないぐらいに注文してきててね。私一人できりもみしてるのを分かってるからかみんな遅くなったことで怒ってくる人はいなかったけれども、私がなんだか責任感じちゃって……

本当にあの時だけはアルバイト雇っておけばよかったと思ったわ。

でも、それだけで終わらなくて。飲み放題の時間が終わったら皆思った以上に気にいったのか普通に単品でお酒とか料理とか頼むようになってきて……

飲まない食わないって聞いてたのにお酒のストックも食材も全部無くなっちゃたわ。今思えば私、よくあの勢いを乗り切れたわねって

常連の人も「普段はこんなことないのにな……マスターのお酒も料理も美味しすぎちゃったのかなー?」って。ホント呑気な人だと思うわ。

まぁこんなことが結構早い段階であったからそれからのことは全然苦労しなかったわ。飲み会の人たちの介抱で予想以上にてこずってこっちの勉強も必要かなと思ったぐらいかしら。


・・
・・・
・・・・
・・・・・

エリカ「まぁ私だって何でもできるわけじゃないからそれなりに大変な時期もあったのよ」

ケイ「確かにそれは大変そうね……で、今日はどうしてそんなに急いで料理やらお酒を揃えているの?」

エリカ「あら、言ってなかったかしら?もう少ししたら話の常連さんが会社の社員連れてやってくるのよ」

ケイ「what!?」

\エリカチャ~~~~~ン/

エリカ「ほら来た。さぁしっかりしなさい。これも経験よ」

ケイ「お手柔らかにお願いしたいところだわ」

154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 16:53:40.70 ID:1dkS7qYY0
エリカ「この辺り結構大洗の子が多いのかしら」

エリカ「そう考えるとあの娘の関係者がいっぱいいるってことよね……あの娘関連の話されると厄介ね」

カランコロン

エリカ「いらっしゃいませー……あぁはい」

優花里「おぉーーー!!!本当に逸見殿がいますよ!」

華「噂は本当だったんですね……」

沙織「麻子の言った通りだったわ!」

エリカ「貴女達あの娘の戦車に乗ってた子達よね?」

優花里「はっ!お久しぶりであります逸見殿!」

エリカ「まぁ久しぶりっていえば久しぶりだけども……(初対面の時のアレがあるからやりづらいわね)」

華「こんなに立派なお店を構えているだなんて……お花でも送ればよろしかったでしょうか?」

沙織「なんかすごい豪華なお花送られそうね」

エリカ「ひっそりやってたいからそれは勘弁ね。さ、好きなところに座ってなさい。今メニュー持ってくるから」

三人「はーい」

優花里「……やっぱり麻子さんの言った通りでしたね」

沙織「初対面の時の嫌なやつって感じもしないし本当に本人なのか疑っちゃうレベルよね」

華「でも、話しやすくなったのも事実ですしこれを機会に仲良くなれたらいいですね」

沙織「それはそうなんだけどぉ~……う~ん」

優花里「まぁお気持ちはわかりますが過去は過去、今は今ですよ!」

沙織「……それもそっか!うん!彼氏ができた時に一緒に来れるように仲良くなっておきましょ!」

エリカ「何コソコソ話してるのよ……はい、メニューよ」

華「ありがとうございます」

沙織「うわすっごい!これ全部あるの!?」

エリカ「ええ、一応ね。カクテルとかはまだ修行してるけど出すことはできるわ」

優花里「でしたら私はこのマスターのお勧めドイツビールを!」

エリカ「お勧め……今日はヴァイツェンが仕入れてあるけどそれでいいかしら?」

優花里「おぉ!いいですねえ!」

華「では私は芋焼酎をロックで」

沙織「私はなんかおしゃれっぽいカクテルで!」

エリカ「焼酎ロックに……おしゃれなカクテル……分かったわ。ちょっと待ってなさい。何かつまむかしら?」

華「あ、でしたら串焼きの盛り合わせを」

エリカ「串焼きね。ちょっと時間かかるけど我慢してね。それじゃ」

沙織「なんだかすごいカッコよくなってるぅ~!」

華「ああいう女性も魅力的ですよね」

優花里「西住殿がエリカさんの話しかしない理由が分かりましたよ……」

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 17:40:50.25 ID:1dkS7qYY0
エリカ「串焼きは……あぁストックはまだあるわね……焼いてるうちにカクテル作っておこうかしら」

エリカ「おしゃれね……ピンクレディあたりがいい感じね」シャカシャカ

エリカ「あとはロックとビールで……」

エリカ「はい、お待ちどうさま。串焼きももう少ししたら持ってくるから」

三人「ありがとうございまーす」

華「あ、折角だし逸見さんも一緒にいかがです?」

沙織「うんうん!再開を祝って乾杯しようよ!」

エリカ「私はいいわよ……串焼き見てないといけないし」

優花里「でしたらそれまで待ってますよ!」

エリカ「別にそんな……分かったからそんな悲しそうな顔しないで。今グラス持ってくるから待ってなさい」

華「では、逸見さんとの再会を祝って、」

四人「かんぱ~い!」

優花里「くぅ~~~!!!やっぱりビールは最高です!!」

華「この焼酎も聞いたことないお酒ですけど本当においしい」

沙織「んぅ~~~!!このカクテルもホントおしゃれだし美味しい!ありがとーマスター!」

エリカ「そう、久しぶりだったけど上手にできてるならよかったわ。……はい、串焼きもできたわよ。塩は振ってるけど他に何か欲しかったら用意するわ」

華「いえ、このままでも本当においしいですわ!これは全部手作りで?」

エリカ「ええ、手作りじゃないとうるさいお客さんもいるから。まぁ料理も最近好きになってきたし全然苦じゃないわよ」

沙織「料理もできて、お店も持ってて、オシャレなカクテルもできる……逸見さん、もしかしてモテます?」

エリカ「モテてもモテなくて恋愛に興味が無いわ。今はこのお店が好きなのよ」

優花里「か、カッコいいですね~!」

沙織「あ~あ!私もそんなこと言えるようになってみた~い!」

華「本当に変わらないですね」

エリカ「で、あなた達は誰からこのお店のことを?」

華「麻子さんとみほさんからです。すごく落ち着いてるし、お酒も料理も美味しくて、なにか相談や集まるときには最適だって」

優花里(西住殿は逸見さんがいるからって理由でしたけどね……)

エリカ「ふ~~ん……まぁ変な噂じゃないみたいだし別にいいわ」

沙織「ねぇねぇ、逸見さんもいるし相談してみたら?」

華「そうですね……あの、突然な話なんですけど」

エリカ「?」

華「実はわたくしの家は代々華道の家で、大学卒業後は家業を継ぐつもりでした」

華「ですが、大学でも戦車道を嗜んでいた私にプロリーグへのお誘いをいただきまして、どちらの道に行けばいいか迷っております」

優花里「その相談をするために今回このお店に足を運んだんですよ」

エリカ「そんな事情がねぇ……」

沙織「どうしたらいいかなエリリン」

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 17:41:22.77 ID:1dkS7qYY0

エリカ「エリリンは止めて……私にはこれが正解だなんて分からないわ。でも、どっちに進んでも大丈夫なようにだけはしておくべきよね」

エリカ「悩んだ末にどっちも行けなかったなんて本当にバカらしいと思うし、どっちかに進んでも後悔のしないようにだけは今のうちにしておくべき」

エリカ「まぁ私みたいに思っても無かった第三の道が想像してたよりも楽しいことあるかもしれないし」

エリカ「しっかりと悩んでみたらいいんじゃないかしら」

華「逸見さん……」

エリカ「まぁ戦車道も大学も行けなかった私の話よ。気持ち半分で聞いてくれるといいわ」

華「いいえ、少しだけ気持ちが楽になりました。先のことだけを考えるのではなく、今すべきことをすれば、自ずと先が見えてくる。そういうことですね?」

エリカ「そう……なるのかしら?」

沙織「どうしてそこで疑問形になるのよ……」

優花里「でも!すごく大人な意見だと思います!」

エリカ「まぁ頑張りなさい。いざって時はあの娘もいるんだし、チームを信じなさい」

華「はい!ありがとうございます!」

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 17:49:41.72 ID:1dkS7qYY0
沙織「そういえば前からずっと気になってたんだけどー」

沙織「エリリンってみぽりんの事好きなの?」

エリカ「ブッ!!??」

優花里「あ、それ私も気になってました!」

エリカ「な、なに言ってるのよ!私があいつのことを好きになるとか天地がひっくり返っても無いわ!」

華「でもすごく信頼していますよね?先ほどの話でも結構みほさんのこと出てきてましたし」

エリカ「そんなことあるわけないじゃない!第一私たちは女同士!好きになるなんてありえないわ!」

優花里「でも戦場では同性愛とか普通だったみたいですよ?」

エリカ「ここは日本でしょう!?まったく……」

麻子「だそうだ、みほ」

四人「え?」

麻子「せっかく三人がこの店に来てるならってことで来たんだが……」

みほ「エリカさん……」

エリカ「うっ」

みほ「私、エリカさんに喜んでもらおうとハンバーグ作ってきたんですけど……そんなこと思ってるなn」

エリカ「食べる!食べるから!!アンタのハンバーグが今世界で一番たべたーーーーい!!」

みほ「本当ですか!?じゃ、あーん!」

エリカ「え、それは……」

みほ「ダメですか?」

エリカ「あー!!もう泣かないの!アーンッ!」

みほ「エリカさん///」

エリカ「なんなのよ……」

四人「お幸せにー」

エリカ「うっさい!!」

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 18:18:10.22 ID:1dkS7qYY0
20歳の誕生日。お酒が飲めるようになったらどうしてもやってみたいことがあった。

エリカ「えっと次の酒所は……」

日本の銘酒めぐりの旅だ。お店は二週間ほどお休みにして一人でゆっくりと行ける範囲で銘酒を楽しもうと思った。

エリカ「折角飲めるようになったんですもの……今後のお店のためにも勉強しとかなくちゃ」

まぁそんな感じで始まった旅なんだけれど、はっきり言えば自分の無知ってのが改めて実感できた。

知識だけは勉強もしっかりしたので大丈夫だと思ってたけどそれはやっぱり教科書のようなマニュアル通りの知識。

お酒の保存法から飲み方までが何もかも知らないことだった。

そんな中、ある酒所の人が一本のワインをくれたの。

それは炭酸の入った日本酒。まだ試作段階だって言ってたけどそれは今までに飲んだお酒の中でも体験したことのない全く新しい味だった。

その人がいうには、お酒も時代どともに変わっていく。貴女みたいな若い人がそういうお酒の文化を守ってくれると嬉しいって。

その日からお酒への見る目が変わったわ。お酒を取り扱うんだったこういうことにも気を配らなくちゃいけないんだって。

エリカ「そして、その時の酒所の人からもらった完成品がこれよ」

ケイ「へー……で、今じゃお店の看板メニューってわけね」

エリカ「ええ。名前も私がつけていいってことで付けたのよ」

ケイ「だからこの名前なのね」

エリカ「この『黒森』は私の分身みたいなものよ」

飲んだ時にまた思い出せるように。あの人たちや黒森峰でのことを

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 18:59:20.34 ID:1dkS7qYY0
エリカ「休日にわざわざ呼び出したりして申し訳ないわ」

ケイ「NOproblem!市場って行ったことなかったしすごく楽しみだわ!」

エリカ「そろそろ食材が切れそうだったし、明日に前話した常連さんの団体さんが来るから備えておかなくちゃね」

ケイ「Oh…またあれをさばかなくちゃいけないのね」

エリカ「慣れよ慣れ。ってあそこにいるの貴女の知り合いじゃない?」

ケイ「アリサね……こんなところにいるなんて珍しいわ。ちょっと呼んでみましょう……へ~い!アリサ~!」

アリサ「ん……隊長!?どうしてこんなところに!?それに隣にいるのは黒森峰の・・・・!」

エリカ「こうやって話すのは初めてね。逸見エリカよ、よろしく」

アリサ「え、あ、ああよろしく(なんか噂に聞いてた感じと違う……?)」

ケイ「アリサはここで何してたの?」

アリサ「えっと実は私……これからデートでして……///」

エリカ「あら?だったらお邪魔になりそうだから退散した方がいいかしら?」

アリサ「うーん……でも、あなたに関係ある人だしちょっと待っててもらえるかしら?そろそろ来ると思うんだけど……あっ!」

赤星「アリサさんお待たせしましたーってえええ!!??」

エリカ「……まさかの人ね」

ケイ「知り合い?」

エリカ「同級生というかチームメイトよ。久しぶりね赤星さん」

アリサ「偶然居合わせたのよ……って赤星ちゃん?」

赤星「どうして……」

エリカ「ん?」

赤星「どうして今まで連絡してくれなかったんですかぁ!!」バチーン!!

エリカ「へぶぅ!?」

ケイ「エ、エリカ―!?」

アリサ「いきなりどうしたのよ!?」

赤星「っは!?つい手が!」

ケイ「エリカ!エリカ!エリカカムバアアアアアアアック!!」

171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 19:09:50.03 ID:1dkS7qYY0
市場にある喫茶にて

赤星「本当に申し訳ありませんでした!」

エリカ「いいのよ別に……連絡してなかった私も悪いんだし」

赤星「でも折角の再会なのに私……」

ケイ「…ねえアリサ。あの子が貴女の付き合ってる人なの?」

アリサ「そうですけど……」

ケイ「ん~?」

エリカ「でも、元気そうね。今は何をしてるの?」

赤星「西住隊長の下で戦車道を続けてて……それで……でして、その後に……」

エリカ「フフ……それじゃまるで……へぇーそんなことが……」

アリサ「むぅ~……」

ケイ(成る程ね……)

ケイ「ヘイエリカ!そろそろ私たちも買い物始めましょう!早くしないと売り切れちゃうわよ?」

エリカ「まだそんな時間じゃ……ってちょっと!腕引っ張んないの!」

ケイ「いいのいいの!じゃあお二人とも今度はお店でねー!」

赤星「あっ……行っちゃいましたね」

アリサ「そうね……」

赤星「アリサさん?」

アリサ「なによ」

赤星「……もしかしてエリカさんに嫉妬しちゃった?」

アリサ「な、なにをいきなり!そんなことするわけないじゃない!」

赤星「ふふ、アリサさん可愛い」

アリサ「何なのよもぅ…///」




エリカ「どうしたのいきなり?」

ケイ「別に~♪」

178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 19:34:15.18 ID:1dkS7qYY0
エリカ「それにして赤星がねぇ……結構流行ってるのかしら、女同士」

エリカ「私には関係ないけど……でも」

エリカ「みほ、赤星と来たってことはもしかしたら」

バタンッ!!!

エリカ「ドアは静かに……って」

まほ「……」

エリカ「た、隊長……」

まほ「席、いいな?」

エリカ「は、はい。好きなところへ」

まほ「じゃあ」カウンターのエリカの正面

エリカ「……えっと、メニューをもってk」

まほ「そこに置いてる黒森を」

エリカ「は、はい……どうぞ」

まほ「ありがとう……」

エリカ「……」

まほ「ふぅ……いい酒だな」

エリカ「あ、ありがとうございます」

まほ「……」

エリカ「……」

エリカ(き、気まずい…!)

179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 19:59:00.43 ID:1dkS7qYY0
エリカ「そ、そのぉどうしてここが……?」

まほ「みほが嬉しそうに自慢してきたんだ。私とエリカだけの秘密もできたと」

エリカ(秘密って何よ!!??)

まほ「エリカ?」

エリカ「は、はい!何でしょう!?」

まほ「ここには私の母も来たと聞いている」

エリカ「そうですね。家元も来られましたけど……」

まほ「そうか……私が最後か」

エリカ「……」

まほ「……」

エリカ(どうしよう……胃が……)

まほ「エリカは今は戦車道はしてないのか」

エリカ「え、ええ。今はこのお店で精いっぱいで」

まほ「そうか……それは寂しいな」

エリカ「隊長……」

まほ「大学に入って戦車道を続けて、みほとお前が入ってくると思うとすごくうれしかった」

まほ「でも、実際にはみほは入学したがお前は入ってこれなかった」

まほ「それでも私は戦車道をしていればお前に会えると思っていた。だが現実は違った。どこにいってもお前はいなかった」

まほ「それどころかお前の噂すらしなくなった」

エリカ「……」

まほ「それでも、エリカなら戦車道を続けてくれると私もみほも信じていた」

まほ「そんなある日、みほが急に調子をあげ、元気になったんだ」

まほ「理由を聞いたら『エリカさんに会えた』と元気な声で教えてくれたんだ」

まほ「そして話を聞いてお店を探して、やっと今日たどり着いた」

エリカ(あの娘がきてから結構経ってるけどもしかしてその間ずっと探してたの……?)

まほ「そして今話して分かった。私にはお前が必要だ、エリカ」

エリカ「た、隊長?」

まほ「隊長なんて言い方はやめてくれ。みほ、と呼んでほしい」

エリカ「そ、そんなこと……」

まほ「戦車道にかかわってくれるのが一番うれしい気持ちは変わらない。でも、私にはお前が必要なんだ。どんな形だっていい。私のそばにいてほしい」

エリカ「隊長……顔が近くに」

まほ「まほ、だ。」

エリカ「ま、まほさん……」

まほ「私と一緒にいてくれるか?」

エリカ「わ、私は……」

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 20:08:30.60 ID:1dkS7qYY0
バァンッ!!!

二人「!!??」

みほ「お姉ちゃん……エリカさん……」

まほ「みほか……」

みほ「お姉ちゃん、私に内緒で何してるの……?」

エリカ「ちょ、あなたどうしたn」みほ「エリカさんは黙って」

エリカ「あっはい」

まほ「内緒……これは別にみほには関係ないだろ」

みほ「エリカさんに関係することは私にも関係あるの」

まほ「面白いことを言うようになったな。いったいどんな関係なんだ?」

みほ「そうですね……私の戦車道には欠かせない存在ですね」

まほ「そうか、なら隊長としてそれは見過ごせないな」

みほ「元隊長、ですよね?」

まほ「お前はより一緒にいた期間は長いがな」


みほ・まほ「…………」

エリカ「あ、あのう……」

みほ・まほ「エリカ(さん)!」

エリカ「は、はい!」

みほ・まほ「お酒!持ってきてください!」

エリカ「は、はぁ?」

みほ「勝った方がエリカさんを好きにできるということで」

まほ「西住流の本気を見せてやる」

エリカ「……どうすればいいのよ」


なお、勝負は二人仲良く三分でダウン。次の日に二日酔いになりながら大学に向かう二人の姿が

213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 05:02:42.54 ID:1SXR47O80
エリカ「昨日は色んな意味で死ぬかと思ったわ……結局あの娘が来たから有耶無耶になったからあの場は良かったけれども」

エリカ「はぁ……覚悟してたとはいえいざとなると緊張するわね」

カランコロン

エリカ「はーいいらっしゃいませー」

杏「よっ!元気にしてたかなー?」

桃「本当にあの逸見エリカが店を構えてるとは……」

柚子「逸見さんのお店、すごいオシャレですねぇ」

エリカ「あぁ……大洗の生徒会の皆様だったかしら?」

杏「そうだよー!いいかな?席に座っても」

エリカ「ええ、好きなところにどうぞ。メニュー持ってくるわね」

柚子「桃ちゃん、お酒飲むの初めてなんでしょ?メニュー分かる?」

桃「桃ちゃんと呼ぶな!……いざって時は会長と同じものを頼めば安心だろ」

エリカ「はいメニューよ」

柚子「えっと……今日のお勧めビールってなんですか?」

エリカ「今日は黒ビールよ」

杏「黒ビール!じゃぁそれ三つね!あとソーセージ!」

エリカ「黒ビールにソーセージね。あなたもそれで大丈夫かしら?」

桃「え、ああぁ勿論だ!大丈夫それで頼む!」

エリカ「じゃあ少し待ってなさい……そうだ、ソーセージはボイルでいいかしら?」

杏「お任せでー」

エリカ「はいはい。それじゃ」

柚子「なんだか噂に聞いてたよりいい人そうですね」

桃「何というか調子が狂うというか……」

杏「まぁ話しやすそうな人の方がいいじゃん。こっちも話し切り出しやすいし」

214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 05:22:17.93 ID:1SXR47O80
ケイ「へーいエリカお待たせ―!ってあれ?」

杏「あれサンダースの隊長さんじゃーんおーっす!」

ケイ「おー杏じゃない!元気にしてたかしらー?」

杏「おー元気元気。そっちも相変わらずのようで何よりだよ」

ケイ「それに今日はお友達も一緒なのね。ゆっくりしていってねー!」

エリカ「あぁ来たのね。丁度良かったわ、そこのソーセージ運んでちょうだい」

ケイ「はいはーい」

桃「驚いた……まさかサンダースの隊長がいるなんて」

柚子「しかも様子から見るにここで働いてるみたいで……本当に驚くことしかないですね」

杏「まぁここまで来たら驚くことはもうないでしょ」

ケイ「ふっふっふ~ん!マスターの料理を食べても同じことが言えるかしら?はいどーぞ」

三人「「「お~~~!!」」」

柚子「いいにおい~!」

桃「色も市販のものと違うし……もしかして自家製なのか?」

ケイ「Yes!マスターの料理は一部を除いて自家製よ!その一部もそろそろ自家製にシフトするんじゃないかしら」

杏「かなり本格的なんだねこれ……味も文句ないどころか褒めたたえたいし」

エリカ「褒めてもサービスなんかしないわよ。はい、ビールとグラス」

杏「ありがとねー……っと、それじゃあ準備もできたしカンパーイ!」

二人「「かんぱーい!」」

桃「これ……結構おいしいな」

柚子「本当!黒ビールって結構飲みにくい印象だったのに」

エリカ「女性でも飲みやすように日本人が改良を加えた地酒ビールよ。私もお気に入りなの」

ケイ「ホントマスターのお酒はハズレが無いわねー」

エリカ「まぁ私たちは奥にいるから何かあったら言ってちょうだい」

三人「「「はーーーい!」」」

215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 05:47:21.37 ID:1SXR47O80
エリカ「ケイさん日本酒の在庫どうなってるかしら?」

ケイ「えっと…これが三本で……あー黒森が一本しかないわね」

エリカ「じゃあ明日ぐらいに連絡しないとね……あと……」



桃「……会長、そろそろでは?」

柚子「このままじゃお酒と料理がおいしくて忘れちゃいそうで」

杏「うーん、そうだね。おーい逸見ちゃーん」

エリカ「はいはい、おかわりかしら?」

杏「あ、それもなんだけどちょっと話したいことがあってねぇ」

エリカ「へぇ、ケイさんはおかわりをお願い。……で、話って?」

杏「西住ちゃんとお姉さんの件なんだよねぇ」

エリカ「……話して」

桃「以前というか昨日か。二人がお店に来ただろう?」

エリカ「ええ、確かに来たわ」

柚子「そこで何があったかわかりませんがその日からお二人とも進路のプロチームを別々のチームにしてしまったんです」

エリカ「はぁ!?」

杏「そして、勝った方が逸見エリカを自分のチームに入れると宣言してねー」

エリカ「(唖然)」

杏「まぁ今大学のチーム内ですごい大騒ぎなんだよね」

エリカ「なんてしょうもない……何してるのよあの人たちは」

桃「お前も大変だな……」

柚子「それで、今回はお願いに来たの」

エリカ「お願い?」

杏「西住ちゃんとくっついちゃってよ」

エリカ「えぇ……」

杏「手っ取り早く問題を解決するんだったらどっちかとくっ付けばいいんだし、私たちとしては西住ちゃんが幸せになってほしいからって感じ」

柚子「廃校を救ってもらった恩もあるし、幸せになってほしくって」

桃「頼む!この通りだ!」

ケイ「何々~?面白そうな話~?」

エリカ「ちょっと黙ってて。真剣そうで中身はどうでもい話だから」



216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 06:03:16.22 ID:1SXR47O80
エリカ「えっと、三人には申し訳ない話だけど、私はそっちの趣味はないのでくっつくとか無いですから」

エリカ「さらに言えば今の私はこの店で精いっぱいだから戦車道に戻ることはできないから」

桃「そ、そんな……!?」

柚子「そんなのってあんまりだよ……」

杏「こんなこともあるんだね……」

エリカ「なんでそんな廃校が言い渡されたときみたいな顔してるのよ……」

ケイ「マスターも大変ねぇ」

エリカ「他人事みたいに言わないでよ……大体私の知らないところで女の子同士でも流行ってるの?」

ケイ「まぁ最近は同性婚も結構見るようになってきたしいいんじゃないかしら?」

エリカ「うわぁ……今の私には理解できないわ」

エリカ「と、言うわけだからそのお話は無かったということで」

桃「どうしますか会長……」

杏「まぁこうなるかもとは思ったけど……こうなったら最後の手段だね」

柚子「あれを本当にするんですか……?」

エリカ・ケイ「?」

杏「ねぇねぇ逸見ちゃん。あたし雇ってみない?」

エリカ「え?」

杏「こう見えて仕事はできる方だと思うし、優良物件だよー?」

エリカ「……本音は?」

杏「西住ちゃんが卒業するまでに日常的に西住ちゃんの魅力を伝えて洗脳する」

エリカ「却下」

三人「「「えー!」」」

エリカ「誰がそんなこと許可するとおもうのよ!!」

ケイ「でも、面白そうじゃない!」

エリカ「アナタねぇ……」

ケイ「大丈夫大丈夫アンジーがシフトに入ってるときには私も入るから!」

杏「ねぇおねがーい」

エリカ「はぁ……言っとくけど私は洗脳なんてされないから。詳しい話はケイさんから聞きなさい。私、奥で仕込みしてくるから」

杏「おぉーー!!ありがとねー!」







エリカ「はぁどうしてこんなことに……」

杏さんを雇うのはどうにかなるとして問題はあの二人よね……

エリカ「本当にどうしようかしら」

218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 06:14:11.02 ID:1SXR47O80
エリカ「杏を雇ってたか結構経ったけどやっぱり廃校を何とかした実績はあるわね。覚えるのも早いしテキパキしてるし」

エリカ「まぁたまにあの娘の話で洗脳して来ようとするのは勘弁だけど」

バタンッ!!!

エリカ「いっらしゃいm」

みほ「わ、私の、ほうが、早く、着き、ました!」ぜぇぜぇ

まほ「いや、今回、は、私の、方が先に、扉を開けた、だから、私が一番、だ」はぁはぁ

エリカ「(逃げたい)」

みほ「……」着席

まほ「……」着席

エリカ「えっと……ご注文は?」

みほ・まほ「スクリュードライバーで!!」

エリカ「……スクリュードライバーフタツデスネオマチクダサイーイ」

まほ・みほ「……」無言の牽制

エリカ(あぁ……胃が、胃が!)




エリカ「えー……スクリュードライバーです」

まほ・みほ「……」ガシッ!

エリカ「あ、飲み比べとか始めたら今度から出禁にしますから。じっくりと味わってください」

まほ・みほ「……」ちびちび

まほ・みほ「美味しい」

エリカ「ど、どうも。(空気が重いいいいいいいいい)」


219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 07:40:21.88 ID:1SXR47O80
みほ「そういえばエリカさん、私最近シェイカーを買ってみたんですよ♪少しでもエリカさんに近づこうと思って♪」

エリカ「へ、へ~それはバーテンダーとしては何かうれしいわね。(逸見エリカとしては何とも)」

みほ「今度は料理だけじゃなくカクテルも教えてくださいね♪」

みほ「それでそrまほ「そうだエリカ」

エリカ「な、何でしょう?」

まほ「昨日母からいいお酒が手に入ったんだ。できれば二人っきりで飲みたい」

エリカ「た、隊長がそう仰るのなら……まほ「まほ、だ」え?」

まほ「あの時みたいにまほと呼んでくれないのか?」

エリカ「そ、それは……」

まほ「……」しゅん…

エリカ「わー!!元気出してくださいまほさん!」

まほ「うん出す」パァァァ!

みほ「わ、私もみほって呼んでください!」

エリカ「アンタはアンタで十分よ」

みほ「……」しゅん

エリカ「みほ!みほ!これでいいでしょ!?」

みほ「えへへ///」

エリカ「もう何なのよ……」

みほ「そういえばエリカさんはどこのプロチームに行くか決めたんですか?」

エリカ「へ?」

まほ「もちろん私の進む黒森プロでいいんだよな?今日はその案内書も持って来たんだ」

みほ「いいえ、ここは私のすすむボコボコチームに入りましょう!島田流のバックアップもありますし安心ですよ!」

エリカ「ちょ、ちょっと……」

まほ「私にはエリカが必要なんだ。頼むエリカ、私とともに来てくれ。私の戦車道を理解してくれるのはお前だけなんだ」

みほ「そんなのは私だって同じです!お願いです!私とともに私たちだけの戦車道を見つけましょう!」

エリカ「ま、待って!待って待って!話が進みすぎよ!」

エリカ「その……二人には悪いんだけどまだ……戦車道に戻るつもりはなくて……」

まほ「どうしてなんだ……エリカほど戦車道を愛してた人はいないだろうし」

みほ「何か理由があるんですか?」

エリカ「その、二人からしたら大した理由じゃないかもしれないけれど、今のこのお店がすごい好きなの」

エリカ「だから、戦車道には未練はあるけど、このお店を捨てることなんてできない」

エリカ「すごくわがままだとは思ってるけど、それが今の私の気持ち」

エリカ「それだけは二人に伝えておきたいって」

二人「……」

220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 07:54:49.53 ID:1SXR47O80
まほ「エリカは……充実しているのか?」

エリカ「そうですね……戦車道をしてた時と同じくらいに充実してます」

みほ「そうですか……それじゃあ無理に誘うのも申し訳ないですね」

まほ「ああ、そうだな。ここはおとなしく身を引こう」

エリカ「まほさん……」





まほ「だが、私はエリカが欲しい。どんな形でもな」

みほ「それは譲れないです。私だってエリカさんが欲しいです」

エリカ「ちょ、ちょっと!」

まほ「どうだ?私の家に来て一緒に住まないか?一人暮らしは寂しくて……エリカが一緒にいるときっと毎日が楽しくなる」

みほ「お姉ちゃんずるい!エリカさんと一番相性がいいのは私に決まってます!そうですよね?!」

エリカ「その自信はどっから来るのよ……」

まほ「さぁエリカ!明日にでも家具を揃えに行こう!今すぐでも構わない!」

みほ「もう私は受け入れの準備はばっちりです!」

さぁ!さぁ!

エリカ「もういい加減にしてー!!」




その後、遊びに来たアンチョビ姐さんに助けてもらったとか。

226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 09:14:41.84 ID:1SXR47O80
ネタ了解しました ではその前にエリカの○○編書いていきます 

エリカ「IPSですか?」

しほ「あぁ。最近全世界で最も注目を集めてる医学分野ですね」

エリカ「話には聞いたことありますけどそれと戦車道……もとい西住流とどんな関係があるのですか?」

しほ「西住流とは関係ないのですが……みほとまほが」

エリカ「……あっ」

しほ「この研究に全力を向けなければ西住流を出ていくとまで言われて。まぁ島田流がボコに資金提供しているようなので問題はないと思いますが」

エリカ「止めましょう。この話は今すぐにでも白紙に!」

しほ「と言われても……あぁすまない、電話だ」

しほ「……ええ。……ええ。分かりました。では」

しほ「白紙は無理そうですね。もうそろそろで実用段階に入るそうなので」

エリカ「……実家に帰りたい」

229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 09:43:13.33 ID:1SXR47O80
エリカ「はぁ……」

杏「どったのマスター?さっきからため息しかついてないけど」

エリカ「最近夢にIPS細胞の実験体にされる夢ばかり見るのよ。ほんと、冗談じゃないわ」

杏(……西住ちゃんが夜な夜な星に上手くいきますようにって呟いてるって聞いたけどまさかね)

カランコロン

エリカ「いらっしゃいませーって」

紗希「……」ペコリ

杏「それと阪口ちゃんも一緒じゃーんおーっす!」

桂利奈「会長!お久しぶりです!」

エリカ「貴女の知り合いってことは大洗の?」

杏「そんなところ。ささ、座って座ってー」

エリカ「はい、メニューよ。今日はどうする?」

紗希「……」おすすめカクテル指さし

桂利奈「私は……お酒苦手なんでカルピスお願いします!」

エリカ「カルピスと……そうね、今日はアレキサンダーがいいかしら。それでいい?」

紗希「……」頷き

桂利奈「お願いしまーす!」

杏「カルピスなんて用意してたっけ?」

エリカ「何でもあるのよ……飲食関係では後悔したくないもの」

杏「ふ~~ん」

エリカ「さぁ運んでちょうだい。貴女の知り合いなんだから貴女の方がいいでしょ」

杏「まぁそういうの気にしないけどね~。そんじゃ行ってくるよ~!」

230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/01(水) 10:09:42.00 ID:1SXR47O80
杏「おまたせ~」

紗希「……」ペコリ

桂利奈「ありがとうございます……あれ?これいつものカルピスと違うような」

杏「あ~それはマスターが割るお水にも拘ってるからだね。すごいよ~うちのマスター」

紗希「……」ほっこり

桂利奈「うわぁー紗希がすごくほっこりしてる~」

杏「で、今日は二人ともどうしたの?ただ飲みに来たわけじゃないんでしょ?」

桂利奈「ど、どうしてそれを!?」

杏「このお店に来る人は大抵何らかの話を持ってくる場合が多いからね~それをうちのマスターが聞いてるって感じ」

エリカ「別に普通の人も来るわよ。ただ最近そういう人が多いだけ」

杏「で、どんな内容なのさ。話しちゃいなよ~」

桂利奈「じ、実は私、今女優をやってるんです。それで今度新作のゴジラの映画に出演することが決定したんです」

エリカ「新作のゴジラって『ゴジラVS戦車道』よね?凄いじゃない!」

杏「母校から女優が出るなんてアタシも鼻が高いねぇ」

桂利奈「それで、ゴジラに立ち向かう戦車の一員をやるんですけど、そのメンバーをウサギさんチームでやりたいんです!」

紗希「……」コクコク

杏「はえ~そりゃまたどうして?」

桂利奈「そのー一回戦車に乗ってみたら、やっぱりみんなと乗ってた時の記憶を思い出して……監督にそっちのほうがいいかなー?って話したら」

監督『あーあの伝説の大洗のメンバーが出演してくれるなら是非!むしろ俺がお願いしちゃいたいくらいだよ!』

桂利奈「って言われて」

エリカ「それでチーム再結成したいから、協力してほしいって相談に来たのね」

杏「こりゃまたすごいねー」

桂利奈「お願いします!エリカさん!会長!どうかご助力を!」

杏「んーどうする?」

エリカ「別にいいわよ。そんなに難しいことじゃなさそうだし」

三人「え?」

エリカ「と言っても結成させるのは私じゃないわ。それはあなた達の仕事よ。私はその機会を作るだけ」

エリカ「みんな離れ離れみたいだからやってみましょうか……」

同窓会をね

249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 04:22:18.41 ID:cF4EI9zV0
エリカ「はぁ……何回か同窓会や飲み会をうちの店でやったけど……」

エリカ「今日のはとびきり大変なことになりそう。しかもこんな時に限ってケイさんはお休みだし」

エリカ「……はぁ。文句言っても仕方ないわね。ガンバレ私」

カランコロン

沙織「やっほ~エリリーン!」

華「お邪魔します」

優花里「今日はよろしくお願いします!逸見殿!」

麻子「んー……眠い」

エリカ「いらっしゃい。準備はできてるからどんどん奥の席に座って頂戴」

四人「はーい!」

みほ「今日はよろしくお願いします、エリカさん♪」

エリカ「みほ、ちょっと顔近い、あと、体擦り付けないで」

みほ「今日はエリカさんのフルコースが楽しめるんですよね?凄く楽しみです♪」

エリカ「分かった!分かったからあなたも席に座ってなさい!」

みほ「は~い!あとでカクテル一緒に作りましょう!」

エリカ「まったく……今日は私じゃなくて大洗のメンバーと一緒にいてほしいのに。……ん?」

優花里「えっと……」

エリカ「どうかした?」

優花里「きょ、今日は負けませんからね!!」

エリカ「は、はぁ……」

優花里「では!!」

250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 05:01:51.46 ID:cF4EI9zV0
カランコロン

杏「おーいエリカちゃーん!きたよ~!」

桃「今日は私たちにこのような場を設けてくださり大変あr」

柚子「桃ちゃん固すぎだよ」

桃「う、うるさい!桃ちゃんというな!」

エリカ「はいはい。みほ達はもう来てるから奥からどんどん詰めて座って」

杏「あいよー。ほら行くよ」



エリカ「まぁここあたりのメンバーは見たことあるからまだ気が楽ね」

カランコロン

カエサル「やぁロンメル!やってきぞ!」

エルヴィン「お世話になる!」

おりょう「こんな機会も中々ないぜよ」

左衛門佐「あぁ、これ日本酒だけどみんなで飲もうと持ってきたんだ」

エリカ「あら、結構いい酒じゃない。みんな待ってるわよ」

エルヴィン「そうだ、ロンメルよ、このままでは私とソウルメイトになってしまうが……できるのなら別の名前にしてもらってもいいだろうか?」

エリカ「別って……別にいいわよ。なんでも……」

エルヴィン「そういうわけにはいかない。私たちはもうソウルネームで呼び合う仲なのだ!」

エリカ「じゃあミハエルでいいわよ、いいでしょ?」

四人「それだ!」

エリカ「はいはい、じゃあ奥でみんないるから待ってなさい」






ちょっと急用ができたので離席

251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 08:15:31.29 ID:cF4EI9zV0
ただいま戻りました

エリカ「あとは……」

カランコロン

紗希「……」ペコリ

桂利奈「おじゃまします!

梓「先日はお世話になりました」

エリカ「いらっしゃい。貴女の言ってたチームって……残りは後ろの人たちかしら?」

あゆみ「初めまして、山郷あゆみです!」

優季「同じく宇津木優季です」

あや「大野あやです!今日はワインのキーホルダー着けてきちゃいましたー!」

エリカ「へぇ……可愛いわね。手作り?」

あや「実はそうなんですよー」

エリカ「いいじゃない。機会があったら私も欲しいわ」

エリカ「それじゃ奥にみんないるから座って待ってなさい」

六人「はーーい!!」

エリカ「あ、あと…貴女」

桂利奈「あい?」

エリカ「……頑張りなさいよ」

桂利奈「はい!」




エリカ「さてと、そろそろ準備始めたいけどまだ揃ってないのよね」

カランコロン

ねこにゃー「あ、あのう……」

ももがー「ここが同窓会会場で合ってますかぁ?」

ぴよたん「逸見さんがいれば正解なんだけど……」

エリカ「ええ、大洗女子学園同窓会の会場はここよ。あなた達もメンバーみたいね、奥の方でみんな待ってるわ」

ももがー「よかったー」

ねこにゃー「ここあたりはダンジョンみたいで迷子になったにゃー」

ぴよたん「逸見さん、ありがとうございますー」

エリカ「はーいはい」

252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 08:39:46.14 ID:cF4EI9zV0
エリカ「あと貰った名簿だと10人来る予定ね。こうしてみると結構いるのね……」

カランコロン

みどり子「ま、間に合ったー!」

モヨ子「ギリギリでしたねー」

希美「間に合ったー」

エリカ「えっと……あぁそど子」

みどり子「そど子って言うなぁ!って逸見さんかぁ。今日はよろしく頼むぞ」

エリカ「ええ、任せて。前に貴女と一緒に来た子ももういるから挨拶して来たら?」

モヨ子「麻子さんが遅刻してないんですね」

みどり子「それはそれで調子狂うわね……じゃあまたあとで」

希美「またね」

エリカ「……姉妹なのかしら?」




エリカ「そろそろ開始の時間なんだけど……」

キキィイイイイイイイ!!!………バタンッ!!!

レオポン・アヒル「セエエエエエエエエエエエエエエフ!!」

エリカ「……えっと、レオポンとアヒルの皆さんで問題ないかしら?」

典子「はいっ!アヒルさんチーム全員揃いました!!」

ナカジマ「レオポンも全員間に合ったかな。流石にバスで来るとここあたりは狭いから大変だね」

エリカ「バスって……運転大丈夫なの?」

ナカジマ「あぁそれは大丈夫。自分は飲めないからね」

エリカ「ならいいけど……飲酒運転だけは止めてね」

典子「それで……皆さんは?」

エリカ「みんな奥で待機してるわよ。あなた達が席に着いたら始めるから早くしなさい」

典子「おお!じゃあみんな乗り遅れるなー!根性ー!」

皆「おー!」

エリカ「あー暑苦しい。これで、全員ね……じゃあ始めますか」

253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 09:08:45.30 ID:cF4EI9zV0
エリカ「はい、これでみんなの分の飲み物は届いたわね。それじゃ乾杯が終わったら料理持ってくるから」

杏「ありがとねーそんじゃ西住ちゃん乾杯よろしく~」

みほ「わ、私ですか?!そこは会長が」

杏「まぁまぁ戦車道の隊長なんだからさ」

みほ「で、では……皆さん今日は集まっていただきありがとうございます!短い時間ではありますが、楽しんでいきましょう!それでは……パンツァー!」

皆「フォー!」

エリカ「なによそれ……はい。まずはサラダと……それから……」

沙織「うわぁー!やっぱりエリリンの料理おいしい!!」

桃「本当に……全部一人で作ってるとは思えない」

エルヴィン「このソーセージ……ドイツで食べたものよりも美味しいな」

ねこにゃー「女子力たかいにゃー」

優季「絶対彼氏いるよね……」

あけび「それがいらっしゃらないみたいですよ」

ナカジマ「きっとお店が恋人なんだろうよ……私たちだって同じようなものさ」

みどり子「彼のために今度料理教えてもらった方がいいかな」

エリカ「えっと次は……あぁおかわりはすぐ持っていくから待ってなさい!っとあぁそうだ串焼きだったわね」

エリカ「想像以上に忙しくなったわね……結構飲む娘多いみたいだし……全部があの子みたいだと思わなくて正解だったわね」

みほ「あの子って誰ですか?」

エリカ「みほ!?みんなと話してなくていいのかしら?」

みほ「えっと、忙しくなかったら前話したカクテルの作り方教えてほしいなーって」

エリカ「確かに今は焼いてる最中だから少し余裕はあるけど……」

みほ「ダメ?」

エリカ「あぁもうそんな顔しないの!簡単なのだからね!」

みほ「ありがとうございます!エリカさん大好きです!」

エリカ「もう……それじゃあソルティドッグがちょうどいいかしら。貴女も知ってるし簡単だし」

みほ「うわぁ!覚えていてくれたんですね!私の初めて!」

エリカ「あんな倒れ方したら誰でも覚えるわよ……さ、準備しなさい」

みほ「はい!えっと……ここはこうで……」

エリカ「あぁまってそこは……そうそう」






優花里「むぅ……」

華「どうかされました?」

優花里「何だか西住殿、逸見殿と近すぎるような……」

沙織「今のみぽりん、エリリンのぞっこんだからねぇ」

麻子「まぁ距離が女友達のソレじゃないとは思うがな」

優花里「むむむむー……」

254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 09:25:56.50 ID:cF4EI9zV0
みほ「えっと、周りに塩を付けて、……できました!味見してみてください!」

エリカ「それじゃ……うん、初めてにしてはいい感じね」

みほ「本当ですか!?エへ、エヘヘ…///」

華「確かにあれはなんというか」

沙織「恋する乙女の顔よねー」

みほ「あ、私も気になるので一口貰ってもいいでしょうか?」

エリカ「別にいいけど……私の口ついてるわよ?」

みほ「気にしませんよそんなのー……それじゃあ」

優花里「あーーー!!何だかのどが渇きましたーーー!!逸見殿のそれ美味しそうですねいただきます!!」ゴクッゴクッ

エリカ「ちょ、ちょっと一気にそんなに飲んだら……」

優花里「くぅ~~~~!!ごちそうさまでした!では西住殿!こちらにも美味しそうな料理がありますよ!一緒に食べましょう!!」

みほ「ちょ、ちょっと……エリカさんまたあとでー!」

エリカ「え、ええ……何だったのかしら」

麻子「必至だな」

沙織「ねー……あ、このお酒美味しー」

華「ええ、何倍でも行けそうです」

麻子「……お店が潰れかけんぞ」






ナカジマ「やぁ、いま大丈夫かな?」

エリカ「ええ、出すものは出したから平気よ。あなた、あのポルシェティーガーに乗ってた人よね?」

ナカジマ「覚えていてくれたなんて光栄だな」正面に座る

エリカ「あんな難しい戦車乗れる人は少ないもの。覚えていたくなるわよ。それで、何か?おかわり?」

ナカジマ「いや、今回は別件さ。スリップストリームの件さ」

エリカ「うっ!」

ホシノ「いやぁあの時の反応は実に可愛らしいものだった」エリカの左陣取り

スズキ「で、あれから少しは勉強できたかな?」エリカの右陣取り

ツチヤ「同じティーガー乗りとしてもっとお話ししたいかなー」

エリカ「た、助けてぇ~!!」

255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 09:35:42.02 ID:cF4EI9zV0
エリカ「はぁ……やっと解放してもらえた……」

杏「おーエリカちゃんいいところに来たねー」

麻子「今から王様ゲームだそうだ。せっかくだから入っていけばいい」

エリカ「嫌よ……なんでそんな目に見えた地雷を踏みにいかなくちゃいけないのよ」

沙織「そんなこというとまたみぽりん泣いちゃうよ?」

エリカ「それは……」

華「折角なのでどうでしょうか?皆さんと仲良くなれる機会ですよ」

エリカ「はぁ……一回だけよ」

杏「おぉ~!それじゃ今回一回だけのスペシャルゲストが来たところだし、再開しよっかー!」

王様だ~~~~~れだ!!







典子「うへへへへへえええ私ですねぇええ////」

エリカ「あの娘酔っぱらってる?」

ねこにゃー「割と序盤から酔っぱらってましたニャー」

典子「四番と十五番が腕相撲で根性対決!」

エリカ「腕相撲って……」

ポンポン

エリカ「ん?」

ねこにゃー「逸見さん……よろしくお願いしますにゃ」四番

エリカ「え……あっ」十五番

ねこにゃー「お酒は言ってるからセーブできるかわからないけど……痛かったらごめんなさい」

エリカ「え、何その筋肉聞いてない」

ねこにゃー「じゃあ始めよっか」ゴッ!!

エリカ「いやああああああああああ!!」

257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 09:55:40.91 ID:cF4EI9zV0
エリカ「ひどい目にあったわ」

ねこにゃー「申し訳ないです……」

エリカ「いいわよ別に……それじゃ私帰るk」

王様だーーーーーーれだ!

エリカ「ちょ、ちょっと!(今回は一番か)」

みほ「……」

みほ「私が王様ですね。それじゃ一番の人が私にキスで!」

皆「おおーーーー!!!」

隊長だいたーーん! いいぞ~~~!! に、西住殿おおお!!??

エリカ「そ、そんなのって……」

みほ「あー一番はエリカさんだったんですねー(棒)」

みほ「それじゃ……んっ」

エリカ「ちょ、ちょっと……」

みほ「ダメですか……?」








お酒が入ったせいなのか。その場に流れる異様な雰囲気のせいなのか。どっちかは私にはわからなかった。でも上目がちにのぞき込む彼女の眼は涙で歪み、物寂しそうにほのかに赤くなった唇が私に近づいてくる。

その距離は逃げようと思えば逃げられる距離のはずなのに私は彼女の瞳にくぎを刺されたように動くことができなかった。

彼女は私を椅子に押し倒し、大胆に私の膝の上に跨るように座った。

「ねぇ、いいかな?」

お互いの胸が触れる距離。試合でも感じたことのない緊張と胸を脈打つ速さが早くなるのを感じずにはいられなかった。

艶めかしく私に細い腕が巻き付き、本格的に逃げ場は無くなってしまい、二人の距離はもはやだれにも引き裂くことができないほどにまで

彼女の唇は私の唇ではなくスッと私の耳元へ近づく。

「これはお酒のせい。お酒のせいですから……」

いつもの頼りない声色じゃなく、すっと抱きしめていなければ消えてしまいそうな程に震えている声。か細く、いつ消えるかわからないはずなのに耳から頭に張り付いて消えない。

視界が一気に狭くなり、辺りは白く塗られ、周りの顔を赤くしている人たちの歓声も次第に遠のいていく。

あぁ、そうよ。これは罪。彼女から逃げた罪。彼女を傷つけた罪。

彼女にとって長く苦しい時への贖罪の時が来ただけの話。お酒なんか飲んでない。そんなおもちゃに踊らされたわけじゃない。

「ねぇ、早くしよ……」

お互いの呼吸を肌で感じる。意識がもう彼女と一番近い唇にしか向いていない。

気が付けば私も手を彼女の後ろへ……

「言っておくけど……お酒のせいなんだから……」

貴女への思いなんてこっれぽちもないと言い聞かせるように。

そして、私たちのくちb



258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 10:03:05.30 ID:cF4EI9zV0
優花里「なにしてるんですかあああああああああああああ!!???」

エリカ「きゃ!」みほ「うえぇ!!??」

優花里「わ、私の目が黒いうちはそんなことは許さないですから!!??けっして羨ましいとか見とれて止めるのが遅くなったとかそういうわけじゃないですから!!」

みどり子「そ、そうよ!風紀が乱れるのは許せないわ!!」

みほ「っち」

エリカ「ちょ舌打ち!?」


優花里「逸見殿!こうなったら勝負です!」

エリカ「はぁ!?」

優花里「飲み比べで勝った方が西住殿を好きにできるということで行きましょう!!」

麻子「これ酔っぱらってるだろ……」

エリカ「ふ、ふふふ……」

みほ「エリカさん?」

エリカ「やってやろぉじゃないのよ!!!こんなとき用に電気ブランを大量に仕入れているのよ!!黒森峰のエリカとして逃げることはしないわ!かかってきなさい!!」

優花里「望むところです!!負けませんからね!!」

ワーワーギャーギャーコンジョウダー!ソコダウテウテー!ソウテンイソギナサイヨオソイワヨー!!

みほ「……」

みほ「私も混ぜてください!!」


こうして同窓会は夜遅くまで……朝日が昇るまで続いた

259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 10:15:16.99 ID:cF4EI9zV0
エリカ「うぅ……飲みすぎた……頭痛い……」

梓「あ、みんなー!エリカさん起きたよー!」

エリカ「止めて……大きな声出さないで……ってあなた達はウサギさんチームの……」

桂利奈「後片付けとかは私たちがやっておきました!」

紗希「……」お水どうぞー

エリカ「あぁありがと……別にいいのに……これも私の仕事なのに」

あや「これぐらいさせてくださいよー!」

優季「逸見さんには感謝してもしきれないしー」

あゆみ「本当に今回はこういう場を設けてくださってありがとうございます!」

六人「ありがとうございます!」

エリカ「分かった。分かったから大きな声出さないで……」

エリカ「で、再結成はできそうかしら?隊長さん」

梓「はい。みんな快く承諾してくれました!私、本当にうれしくてうれしくて……」

エリカ「良かったわね。映画、見に行くから頑張りなさい」

梓「それじゃみんな、打ち合わせ通りに」

エリカ「?」

六人「私たち!これからは逸見さんに一生ついていきます!」

エリカ「えぇ」

梓「料理も上手で」

紗希「……」お酒持ち上げ

あゆみ「カッコよくて」

あや「優しくて!」

優季「頼れるお姉さんみたいで」

桂利奈「戦車もうまい!」

梓「今回の件でもう私たち逸見さんのことが本当に好きになりました!これからもよろしくお願いします!」

エリカ「好きにしなさい…///」

あや「お~照れてる照れてる~!」

エリカ「うっさい!……いてて頭が」

272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 02:07:02.76 ID:TiNnm2n90
ケイ「マスター、大洗の同窓会はどうだったの?」

エリカ「どうって……あそこの学校の戦車道のメンバー事態がカオスなんだからどうなるか分かるでしょ」

ケイ「まぁそれそうだけどさ~!」

カランコロン

エリカ「いらっしゃいませー」

廉太「まだ大丈夫ですね?」

エリカ「ええ、好きな席に座って。今メニュー持ってくるから」

廉太「分かった」

ケイ「……ヘイマスター」

エリカ「何よひそひそと……」

ケイ「あの人、アンジーの学校を廃校にしようとした人よ」

エリカ「へぇ……またある意味戦車道関連の人が来たものね。でもそれが?」

ケイ「今日のシフト、アンジー入ってるわよ」

エリカ「あっ……」

ケイ「来るまでまだ余裕あるけどどうするの?」

エリカ「どうするって……どうすることもできないわよ」

エリカ「過去に因縁があったとしても今はお客さんとマスターなんだから私はいつも通りに接するだけよ」

ケイ「ふーん、まぁアンジーがどんな反応するやら」

エリカ「お待たせしました、メニューをお持ちしました」

廉太「……バーボンをストレートで」

エリカ「バーボンのストレートですね。少しお待ちください」

ケイ「……はいマスター」

エリカ「ありがと。おまちどうさまです」

廉太「ありがとう」

廉太「……ふう」

エリカ(さて、どうなるかしら)

273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 02:51:04.86 ID:TiNnm2n90
廉太「君たちは戦車道に参加していた娘達で合ってるかな……?」

エリカ「ええ、あの廃校騒動の時にも参加してたわ」

廉太「やっぱりか……」

廉太「あの時は申し訳なかった……」

エリカ「……どういう風の吹きまわしかしら?」

廉太「君たちだけだから言うことなんですが、正直な話、私は学園艦の廃艦には反対だったんです」

廉太「だが当時の財政はかなりつらい状況にあり、どうしてもそうせざるを得なかった。それ以外の考えが見つからなかったのです」

エリカ「……その割には結構本気で潰しに来てたじゃない」

廉太「世界に対するアピールですよ……新参者として舐められる展開を国も望んでいませんでした」

エリカ「……まぁあなたにも立場があるものね。仕方ないと言えば仕方ないわ」

廉太「だが結果は彼女たちは勝利し、学園艦は残り、私はその全責任を負うことになるはずでした」

ケイ「でした?」

廉太「結果的にあの試合は世界に配信され日本は強豪国に認定し、プロリーグへの参加企業も増え、今となっては日本で一番メジャーなモノとなりました」

廉太「その試合を決行したメンバーの一人として私の名前が上がり、今の私は正式に世界プロリーグ運営にかかわる立場になりました」

エリカ「なんかすごい話ね」

廉太「ええ、私にはできた話すぎます。ただ、私はあの時に迷惑をかけた彼女たちのために、少しでも戦車道を続けられるように、世界で戦える場を整えようと思います」

杏「そんなに気負わなくてもいいのに」

ケイ「アンジー?!」

杏「確かに約束が嘘だった時は恨んだけど、結果的に約束は守ってくれたし、今じゃ戦車道のことも考えて動いてくれてるんだったらもういいかなーって」

杏「あんまり拘って引きずるよりいいんじゃない?そっちのほうが……」

廉太「そう言ってくれると、少し、気が楽になりましたよ」

エリカ「……おかわりはどうします?」

廉太「そうですね……同じのをもう一つ。それと、彼女に好きなものを」

杏「私、ほし芋とビールが欲しいなー」

エリカ「はいはい、少し待ってなさい」

274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 02:54:43.23 ID:TiNnm2n90
廉太「あぁそうだ。ここの三人に相談なんですが」

エリカ「うぐっ、相談……」

廉太「あなた達との試合を終わってから娘が戦車道に興味を持ち始めたんですが……」

ケイ「あら?いいじゃないの!」

廉太「戦車道は中学生でも大丈夫なんでしょうか?危なくないんでしょうか?もし娘が高校で学園艦に乗って戦車道をすると言ったら私はどうしたらいいのでしょうか?

廉太「試合は何度か見てきましたがやはりケガもあるみたいですし親としては心配で心配で……」

エリカ「……親馬鹿じゃないの」

276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 03:04:54.16 ID:TiNnm2n90
みほ「エリカさん♪」

まほ「エリカ♪」

エリカ「そ、その二人とも距離が近い……ちょ、ちょっと!二人で抱き着かないで///」

みほ「嫌です~もう離しませんからぁ」

まほ「ほら、もっと体で私たちの体温を感じてくれ……エリカの心臓の音、大きくなってるぞ」

エリカ「そ、それは……」

まほ「照れてるのか?可愛いエリカ」

みほ「ほら、私も負けないくらいに大きくなって……」ハムハム

エリカ「や、耳噛まないで///」

みほ「ここ、弱いんですね」

まほ「ほら……もっと素直になって……」

エリカ「あ、だめ、そこは……」

みほ「エリカさん……///」

まほ「エリカ……///」

「「だぁいすき♪」」

エリカ「いやああああああああああ!!!!」


















エリカ「そこはダメ!!!!」

エリカ「はっ……」チュンチュン

エリカ「夢とか……どんな夢見てるのよ……ん?」

みほ「むにゃむにゃ……」

まほ「えりかぁ……好きだぞぉ……」

エリカ「……(#^ω^)」

出て行って!!!

288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 17:21:03.59 ID:TiNnm2n90
エリカ「ふぅ……昨日は久しぶりに落ち着けたわね」

エリカ「やっぱり相談事とかそういったことの中心に私がいないと後ろに回れるから本当に気が楽だわ」

エリカ「ふふ、今日もそんな感じだといいのだけれd」

カランカランッ!

ペコ「失礼します!」

エリカ「入るときは静かにして。最近調子が悪くなってきたのよ……」

ペコ「あぁすみません……えっと座ってもいいですか?」

エリカ「ええ、今メニューを持ってくるから」

エリカ「はい、メニュー……そのカバンから顔を出してる水筒、もしかして紅茶?」

ペコ「そ、そうですけど……どうしてそれが?」

エリカ「少し紅茶のにおいがしたからもしかしたらって。まぁいいわ、最近どうしても作って見たかったのに紅茶が無くて作れなかったお酒があるの。すこしお借りしてもいい?」

ペコ「紅茶のお酒……あの、お願いします!」

エリカ「ありがと……っとホントにいい香り。貴女が淹れたの?」

ペコ「いえ、ダージリンさんから頂いたもので」

エリカ「あぁ貴女聖グロにいた……オレンジペコで合ってる?」

ペコ「はい。えっと……もしかして逸見さんですか?」

エリカ「そうよ……よし、できたわよ」

ペコ「これ……なんて名前のお酒なんですか?」

エリカ「ベイリーズティー。ベイリーズというリキュールと紅茶を一対一で割ったものよ。まぁ飲んでみたら?あとこれはサービスのチョコ」

ペコ「ありがとうございます……うわぁすごくまろやかなのに紅茶の香りも残っててお酒じゃないみたい…!」

エリカ「その様子だとうまくいったみたいでよかったわ」

289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 17:39:02.35 ID:TiNnm2n90
ペコ「逸見さんはいつもここにいるんですか?」

エリカ「ええ、今は大学にも戦車道にも関わってないしがないマスターよ」

ペコ「そうなんですか……なんだか羨ましいです」

エリカ「いきなりどうしたのよ……なんか悩み事抱えてるの?」

ペコ「その……いきなりなんですが私はダージリンさんと同じ大学に進み、同じように戦車道を続けていました」

ペコ「そんなある日、ダージリンさんが聞いたことのない格言をお話になられました。あとで調べてみたところドイツのある学者の言葉のようでした」

エリカ「……ん?」

ペコ「いままでそんなことはなかったのに急に話すようになって……その日からだんだんとダージリンさんは私と話す回数も減り、一人ドイツの逸話などを読むようになりました」

ペコ「その姿を見るたびに何だか置いていかれたような気がして、このままどこかに行ってしまうような気もするんです」

エリカ「……(;゚Д゚)」

ペコ「私どうしたらいいんでしょうか……?!」

エリカ(最近お店に来て私が分かりそうな格言を話して勧誘してたけどこんな事が起きてるなんて……)

エリカ「その、心配はいらないと思うわよ」

ペコ「どうしてですか?」

エリカ「私か以前、かつて、結構昔に西住まほ隊長の片腕をしていた時、あの人は右腕だった人の存在を大切にして、少し会わない間に依然知ってたあの人じゃなくなっても私を覚えていてくれたわ」

エリカ「ダージリンさんでもそれは同じ。たとえ少し離れた所にいてもきっと貴女のことを覚えていて、大切にしてくれるわ」

ペコ「逸見さん……」

エリカ「だからあとは時間が経って落ち着くのを待ったらいいわ。そうしたらきっといい結果になるから(私が全力で拒否して遠ざければこの子のところに戻ってくれるはず)」

ペコ「本当ですか!?」

エリカ「ええ、だから寂しくなった時は遊びに来なさい。話しぐらいなら聞いてあげるから」

ペコ「逸見さん……ありがとうございます///」

エリカ「(あ、なんか急に可愛く見えて……)だからもう泣かないの」なでなで

ペコ「あ、あの……逸見さん?///」

エリカ「あ、ごめんなさい……つい可愛くて……///」

ペコ「い、いえ……嫌じゃないのでもう少し……」

エリカ「そ、そう……じゃぁもう少しだk」

290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 17:43:48.75 ID:TiNnm2n90
まほ「随分と楽しそうだなエリカ」

エリカ「うげぇ隊長!?」

まほ「まほ、だろ?」

エリカ「わ、分かりましたから距離が近いですって……」

まほ「いいなぁなでなで……私だってエリカにしてもらったことはないんだが……」

エリカ「止めてくださいそんな作った涙目でこっちを見たってしませんからね」

まほ「意地悪」

ペコ「……本当ですね」

エリカ「え?」

ペコ「いえ、きっと私もいつかって思っただけですので」

エリカ「……そう。じゃあ頑張ってね」

まほ「エリカ、キープしてたいつもの」キリッ

エリカ「はぁ……まほさんこれいつも一杯飲んで倒れるじゃないですか」

まほ「いいだろ別に///」


ペコ(私、待ってますから……あなたと共にまた紅茶が飲める日を)

308: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 18:47:20.95 ID:Nz4efPhm0
エリカ「ケイさん串もののストックどんな感じだったかしら?」

ケイ「えっと……あーもう切れそうね。これは明日にでも仕込み始めた方がよさそうよ」

エリカ「今お肉のストックも無かったはずだから明日はお店を閉めて買い出しと仕込みをした方がよさそうね。とりあえず今日は串ものは売り切れにして……」

カランコロン

絹代「逸見殿ー!きたでありますよー!」

福田「不肖福田!これより初めてのバーへと突貫いたします!」

ケイ「あら?あなた達知波単学園の隊長と眼鏡ちゃんじゃない」

エリカ「何だかすでにお酒入ってるみたいね……いらっしゃい、好きな席にどうぞ」

絹代「いやーすみません……さぁ福田!好きなものを頼め!ここは隊長のおごりだ!」

福田「はっ!では私め、この越乃寒梅とやらが気になります!」

絹代「よし!逸見殿!この越乃寒梅を二つに塩辛をお願いします!」

エリカ「はいはい。分かったから少し静かにね。ここは居酒屋じゃないんだから」

絹代「それはそれは失礼しました!」

福田「失礼しました!」

ケイ「……ホント、ここにいると毎日が楽しそうね」

エリカ「少し前まではこんな感じじゃなかったのに……ケイさんは塩辛お願い。私はお酒用意するから」

ケイ「OK~……はい用意したわよ!」

エリカ「ありがと。お待たせしました。塩辛と越乃寒梅です」

絹代「おぉ~!ありがとうございます!では福田隊員、我々の再会を祝して!」

二人「乾杯!!」

エリカ「……はぁ。勢い余ってグラス壊さないでよ」

309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 19:10:46.92 ID:Nz4efPhm0
福田「隊長!この塩辛と梅酒!今まで感じたことのない美味しさです!」

絹代「そうかそうかぁ~気にってもらえると私も嬉しいなぁ!さぁ遠慮するなよ~!」

福田「はい!いただきます!」

エリカ「ほんと……こういうのってたまに羨ましくなるわ」

ケイ「それまたどうして?」

エリカ「なんも考えてなさそうで」

ケイ「……あぁね。そういう考えもあるのね」

福田「むむ!逸見殿!私が悩みがないとは失礼ではありませんか!」

エリカ「あぁごめんなさい。最近色々とありすぎてつい」

福田「確かに私は突貫と突撃を大切にしてきた知波単学園を卒業し、今は自衛隊で勤務しております!ヒック!」

ケイ「あら、顔真っ赤にしてるわ」

エリカ「なんだか聞いても無いのに近況報告が始まったわよ」

福田「そんな私は今悩みを抱えているのであります!それはわが母校の知波単学園のことであります!」

エリカ「何?何かあったの?」

ケイ「特に悪いうわさも聞かないしいつも通りのはずだったけど?」

絹代「西住殿と共に試合をさせて貰って以来、わが校は少し突撃から離れ戦術を用い、戦うようになりました」

福田「それは私が卒業した後も続くと思っていたのでありますが、どうやらOG会がその風潮を快く思っていないらしく、また突撃を繰り返すようになってしまったのです」

絹代「これでは折角はマシに戦えるようになったのに振り出しに戻ってしまいます」

福田「今日はそのことを相談しようと隊長にお声をかけて頂いたわけであります」

エリカ「へぇ……一応まともな戦車道をする兆しはあったのね」

ケイ「私はあの突撃とか結構気に入ってたけど、それでもあっさり試合が終わっちゃうことも多かったし、いい傾向だったのにねー」

絹代「そうだ!逸見殿やケイ殿は何かいい考えはないでしょうか!?先ほどから福田と話しても結局は突撃でいいんじゃないかという意見になってしまいそうで」

ケイ「うーん、私は突撃も一つの戦車道だと思うから何も言えないわね。マスターはどう?」

エリカ「そうね……戦車道をするっていうのならその伝統を守る姿勢も否定しないわ。ただ、勝つってことを意識するならそれは具策としか言えないわ」

エリカ「突撃して散ることに満足してる節も見れるし、一度勝利の味を覚えないとダメそうね」

エリカ「一応あなた達もOGなんだから試合を組んであげてみんなで勝つっていうことを覚えさせるといいわ。そうすれば少しは中から変わってくるでしょ」

ケイ「ならいっそのこと絹代の率いるチームとOG会の突撃チームで戦わせるのも面白そうじゃない?」

絹代「私がですか?」

エリカ「そうね。あの子の戦い方に振れたことのある人が指揮した方が経験になりそうよね」

エリカ「まぁあくまで一つの手段よ。結果がどうなるかなんて私たちにもわからないし」

福田「隊長……」

絹代「……福田!」

福田「は、はいぃ!」

絹代「フタサンヒトナナ!只今をもって私はOG会への決闘を申し込む!その協力を要請したい!」

福田「は!分かりました!」

絹代「逸見殿、私、今心の雲が晴れた気分であります。ここは私たちらしく、突撃して勝利の美酒の味を伝えていこうと思います!」

エリカ「そ、そう……」

絹代「お代はここに。では行こう福田!」

福田「はい!ごちそうさまでした!」カランコロン

ケイ「……嵐のようだったわね」

エリカ「ええ……やっぱりすぐに行動に移せるなんて楽そうだわ。真似はしたくないけど」


311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 19:18:53.99 ID:Nz4efPhm0
エリカ「もうそろそろで12時ね。そろそろお店閉めましょうか」

ケイ「はいはーい。そういえば前から気になってたんだけど……」

エリカ「何?あぁ今日の賄はハンバーグよ」

ケイ「賄はいつもハンバーグじゃない、美味しいからいいけど。えっと、店の名前、これ英語じゃないわよね?」

エリカ「ええ『Verzweiflung』はドイツ語よ」

ケイ「ヴァ……まぁ読みはいいわ。意味はどんな意味なの?」

エリカ「大した意味じゃないわよ……お店を開くときにパッと思いついた言葉だもの」

ケイ「ふーん……あ、ハンバーグ今日はレアな気分」

エリカ「はいはい……ワインあるけど飲む?」

ケイ「good!今日も美味しそう!」

エリカ「……」














エリカ(言えないわよ……Verzweiflungが日本語で『やけくそ』だなんて)

エリカ(ドイツ語はそれっぽい単語でもカッコよくなるから本当に好きだわ)

ケイ(……まぁ意味、知ってるんだけどねぇ)

313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 19:31:54.88 ID:Nz4efPhm0
お店を開いてそろそろ八年が過ぎようとしている。私を取り巻く環境はこれと言って変わりはなく、今もこうやってカウンターでグラスを磨いている。

強いて違うことと言えば……

みほ「エリカさん。テーブルのセッティング終わりました」

エリカ「ありがとみほ。それじゃ今日も始めましょうか」

みほが一緒にいてくれるようになったことかしら。

みほ「きゃ!」ガチャン

エリカ「大丈夫みほ!?」

みほ「ごめんなさい……大事なグラス割っちゃいました……」

エリカ「グラスなんてどうでもいいわよ……それより指から血が出てるじゃない!」

みほ「こんなの傷も小さいですし絆創膏張っておけば……ってエリカさん!?」

エリカ「ほんなほこひっへるばあいひゃないへほ!(そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!)」ちゅぱちゅぱ

みほ「そんな……お客さんが見てる前で……恥ずかしい///」

エリカ「っぷは。いまさら何を恥ずかしがってるのよ……その……私たちはもう……け、結婚したんだし……///」

みほ「エリカさん……///」

エリカ「だから!その、貴女の体はもう自分だけのじゃないっていうか……その、心配かけさせないでよね///」

みほ「はい、エリカさん♪」

エリカ「……///」

彼女と結婚してからの毎日は思っている以上に楽しかった。最初はお義姉さんが血の涙を流しながら結婚式場に乱入してきたりとか一波乱あったりはしたけど


それでも私は今の生活に不満はないし、今までにない幸福感を感じてるわ。

みほ「エリカさん」

エリカ「何?」





私、できちゃったみたいです///













エリカ「女どうしでなにができるのよおおおおお!!??」

エリカ「はっ!?」チュンチュン

エリカ「夢……夢……」

エリカ「どうしてこんな夢見るよ……ん?何だか指が」

みほ「んん……エリカさんの……美味しい……///」ちゅぱちゅぱ

エリカ「(#^ω^)」

さっさと出て行って!!

315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 19:45:45.72 ID:Nz4efPhm0
カランコロン

エリカ「いらっしゃいま……いえ、お帰りなさい、アナタ」

まほ「あぁ、ただいま、エリカ」

アナタ……いえ、西住まほは卒業してスグに私にプロポーズしてきました。最初は戸惑いもしましたけど、あの時のあの人の姿に心が撃たれ、そのプロポーズを受けることにしました。

それから私たちはこのバーのあるビルを買い取り、ここに新居を構えることにしました。そして、私はバーを、まほさんはプロ戦車道のリーダーとして生活しています。

エリカ「今日もお疲れ様でした」

まほ「あぁ……やはりロシアの戦車道チームは強いな。もしかしたら負けていたかもしれない」

エリカ「でも、勝ってきたのでしょう?」

まほ「ああ。エリカにみっともない姿は見せられないからな。何か手伝おうか?」

エリカ「大丈夫ですよ。今日はお客さんもいないですし、アナタもゆっくりしてください。何か食べます?」

まほ「あぁ……それじゃあハンバーグを一緒に食べたいな」

エリカ「分かりました。愛情込めて作りますね♪」

まほ「頼むよ。エリカ、」

エリカ「はい?」

まほ「愛してるよ……」

エリカ「私も愛してます///」

まほ「あぁ……なぁ今日は店を早く閉めないか?」

エリカ「どうしてですか?」

まほ「久しぶりに早く帰ってこれたんだから……一緒に映画でも見て……その……なんというか……」

エリカ「……ああ。」

今夜はずっと一緒にいてくれますか?

ああ……今夜は絶対離れないよ……一晩中愛し尽くすよ

アナタ……///

エリカ……///













エリカ「だから女の子同士で愛し合うとかあるわけないでしょ!!??」

エリカ「……もうやだこんな夢」

エリカ「どうせまた隊長がベットにいて……あれ?どこにもいない」

まほ「あぁエリカか。おはよう、朝食を作っておいたぞ」

エリカ「え、あぁありがとうございます……」

まほ「いや礼には及ばない。私もいいものをもらったからな。エリカの寝顔はその……なんだか  いな///」  いエリカの寝顔の写真

エリカ「!!!???//////]

消してください!!はやく!!

322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 20:23:32.37 ID:Nz4efPhm0
杏「あそうそうマスターちゃーん」

エリカ「何?また洗脳?」

杏「そんなんじゃないってば。今日はいつもお世話になってるマスターにプレゼントがあるんだよねー」

エリカ「プレゼント?」

杏「そそ。そろそろだと思うんだけど」

カランコロン

桃「お待たせしました会長」

杏「全然大丈夫ー」

エリカ「プレゼントって……この人が?」

桃「私にはそんな趣味はないぞ……ほら会長からのプレゼントだ」

エリカ「結構重そうだけどお酒かしら……ってこれって山崎の25年ものじゃない!」

杏「たまたま手に入ったからねー。是非とも飲んでほしいなって」

エリカ「嬉しいわ……ありがとう!さっそくみんなで飲みましょう」

杏「お?いいの?そんじゃお言葉に甘えてー」

桃「じゃあ私はこれで……」

杏「飲んでいけば河嶋ー?」

エリカ「そうよ、せっかく来てくれたんだもの……あ、杏さんはお酒用意して。私砂肝があったと思うから作ってくるわ」

杏「はいよー。ささ座って」

桃「会長がいうんでしたら……」





エリカ「さて、準備で来たわね。それじゃかんぱーい!」

三人「かんぱーい!」

エリカ「……はぁ。思わずため息が出ちゃうくらい美味しいわね」

杏「ほんと、持って来て正解だったねー」

桃「ええ、この砂肝とも絶妙に合って本当においしい」

エリカ「ほんと、今日は最高な日になりそうね」

324: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 20:38:25.71 ID:Nz4efPhm0
杏「そういえば河嶋さ、マスターに相談してみたら?」

エリカ「相談?」

桃「その……実は最近将来について考えるようになってな」

エリカ「ああそういえば貴女もそろそろ卒業よね」

桃「私はその……真面目にやっているのだが基本的に空回りすることが多くてな。そんな自分が嫌なんだ」

桃「私は卒業しても会長と一緒にいたいですし、会長を支える立場にいたい。だから少しでも力になれるような存在になりたいんだ」

エリカ「そう……つまり今の自分に少し嫌気がさしてるってことかしら?」

桃「まぁそういえばそうなるのかもな……だからお前のところに来たんだ」

エリカ「私?」

桃「お前もかつてはあの西住まほを支える立場にいたはずだ。どうだった?十分に支えることができたと思うか?」

エリカ「……正直、満足はしていないわよ」

桃「なら私の気持ちが分かるんじゃないか?」

エリカ「でも、私はそんな自分が嫌いにはならなかったわ。それがあの時の私にできる精いっぱいだったもの」

エリカ「あなたは私と違って自分に満足しないでその先を見ている。かたや私はもう支えることを放棄しているようなものだから。だからあなたの方が何倍も凄いと思うわ」

エリカ「だからもっと自分に自信を持ったら?杏さんのことを信頼し、支えていけるのはあなたしかいないと思うし」

杏「そうそう。頼りにしてるよ河嶋」

桃「会長……私、もっよ頑張ります!だふぁら見捨てないでくださいね!!」グスッ

杏「おうおう見捨てないから泣くのやめなよー。せっかくのお酒も美味しくなくなっちゃうわよ」

エリカ「そうそう。今はこのお酒を楽しみましょ」

桃「……ああ!」

325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 21:00:16.04 ID:Nz4efPhm0
廉太「どうもー逸見さん今日もやってますかー?」

エリカ「あら、いつもありがと」

桃「え……この人は」

廉太「おや?あなたは大洗の」

桃「さ、させないからな!」

三人「へ?」

桃「ここは会長と逸見の大切な店だ!!お前の好きなようにはさせないからな!!」

廉太「え、えーっと……これは」

杏「河嶋―その人はもうどうこうすることはないぞー」

桃「へ?」

廉太「私はもうあなた達に危害を加えるつもりはありませんので……まぁ信用できないのも無理な話だとは思いますが」

杏「まぁもう私たちと敵対する理由もないし、仲良くしてやって」

桃『仲良くといわれても……」

エリカ「まぁ無理にとは言わないわ。でもここにいる間だけそんなことを考えずにゆっくりしていてっちょうだい」

桃「……今回だけだからな」











桃「おらもっとのめのめーー!!」

廉太「うんまぁいなぁこれぇ!!!あっはっはっはっは!!」

エリカ「お酒はいってるとはいえ変わりすぎでしょ」

346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 11:37:47.10 ID:tWOp4q0A0
おはようございます。ゆっくりではありますが更新再開します

その前にエリカさんに来た質問にエリカさんに答えてもらいます


Qバーの開業資金をどうやって捻出したんだろうか

エリカ「もともと親戚のおじ様のお店の一つを貰ったのよ。お酒の仕入れ先とかもおじ様の伝手ね。本当なら私の力でどうにかしたかったんだけどそこまでしたら開店当初の大学受験の勉強を両立することができなくなると思ったから……」

Qお姉ちゃんいるの?

エリカ「いるわよ。私より抜けてるところがあるのに優秀な姉と同じくらい優秀ですごく厳しい姉の二人」

Qお嬢様?

エリカ「別にそんなお嬢様じゃないわよ……少しだけ生活に余裕があるだけの家で、そこで末っ子だから可愛がられてただけよ。今思えば玩具にされてたともいえそうだけど……」

>>337の画像を見て

エリカ「バーテンダーの服装にエプロンをして髪を上げてる感じだからそんな雰囲気で大体あってるわよ」


それじゃ再開します

347: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 11:57:10.70 ID:tWOp4q0A0
エリカ「んー……メニューを改めてみたけど昔に比べて料理の項目が増えてきたわね」

エリカ「優秀な先生がいるから自然とそうなったとは思うんだけどやっぱりバーというよりは小料理屋みたいよね」

エリカ「ま、作るのも楽しいしいっそ昼のランチでも始めてみようかしら……ダメね。多分疲れで倒れる」

カランコロン

アンチョビ「よぉーっすエリカ!遊びに来たぞー!」

カルパッチョ「お邪魔しますねエリカさん」

エリカ「アンチョビさんに……カルパッチョさんで合ってるかしら?」

アンチョビ「はい、よろしくお願いしますね」

エリカ「ええ、こちらこそ。席は空いてるから好きなところに座って頂戴。今メニュー持ってくるから……」

アンチョビ「ありがとうなエリカ……おぉー結構料理も多くなってきたな関心関心」

カルパッチョ「ほんとうですね、これ全部おひとりで作るんですか?」

エリカ「ええ、アンチョビさんの教えでここまでできるようになったわ」

アンチョビ「エリカは覚えが早くて教え甲斐があるんだよ……そうだな、テスト感覚でお前の好きなモノ頼むといいぞ」

エリカ「お手柔らかにお願いしたいところね」

カルパッチョ「でしたら……ピッツァ・マルゲリータとストレガ、食後にグラッバとボッコンチーニをお願いします」

エリカ「了解、焼き上がりに少し時間かかるからストレガを先に持ってくるけど大丈夫かしら?」

カルパッチョ「大丈夫ですけど……窯を用意してるんですか?」

エリカ「そこのドゥーチェさんがどうしてもあったほうがいいというから初心者なりに作ってみたわ」

アンチョビ「いやお酒も入ってたし冗談のつもりだったんだが次の日料理を教えに来たらいつものバーテンダーの服じゃなくツナギを着てレンガを用意してるエリカがいて本当に驚いた」

エリカ「冗談だって気づけなかった私も悪いのよ……まぁピッツァも気になってたから丁度いいタイミングだったのよ。もちろん言い出しっぺには手伝ってもらったけど」

カルパッチョ「そうだったんですねーこれは楽しみです!」

エリカ「えっとストレガはどこにあったかしら……あぁあったあった。はいどうぞ」

アンチョビ「ありがとな、それじゃ乾杯しようか!」

カルパッチョ「ええ、今日一日お疲れ様でした」

二人「乾杯!」

348: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 12:15:10.15 ID:tWOp4q0A0
エリカ「よっ……ほっ……」

カルパッチョ「エリカさんだいぶ様になってますね」

アンチョビ「きっと毎日練習してたんじゃないか?ホント真面目な奴だよ」

カルパッチョ「それにしてもこのメニュー……料理だけですごいページですよ?三ページぐらいにびっしり書き込まれてますし」

アンチョビ「まぁ私の責任でもあるんだが、犯人は私だけではないみたいだからな」

カルパッチョ「?」

アンチョビ「えっと、まぁドイツ料理があるのは理解できるさ。ただ、ハンバーガーやチキン、アメリカ風ピザといったものを始めにフィッシュアンドチップス、ボルシチにブリヌィ、塩辛やから揚げ、ニシン料理と国際色豊かなおつまみが揃いすぎてる。」

カルパッチョ「それってもしかして」

アンチョビ「この店に来ては料理を作らせる奴が多いからそのままメニューに加えたんだろうな。ほんとに真面目だよ」

アンチョビ(まぁこの欲し芋は流石に露骨すぎるな)

カルパッチョ「エリカさんがアンツィヨにいたらどんな人物に育ってたんでしょうか……?」

エリカ「どこに行っても私は私だったわよ、はい焼きあがったわ」

アンチョビ「おおサンキュー……うん!今回もいい感じじゃないか!」

カルパッチョ「ほんと……アンツィヨのやり方に独自のソースを加えて完ぺきに仕上げてる」

エリカ「天下のアンツィヨに褒めて頂けるだなんて……やっぱりランチでも始めようかしら?」

アンチョビ「止めとけ止めとけ、そんなことしたら本格的に戻ってこれなくなるぞ」

カルパッチョ「ふぅ……ごちそうさまでした」

エリカ「口に合ったかしら?」

カルパッチョ「ええとても。今度は是非お中に何も入ってない状態で来たいものです」

エリカ「そ。じゃあ残りも持ってくるから待ってて」

エリカ「今日のグラッバはよく冷えてるから特に美味しいと思うわ。はいどうぞ」

アンチョビ「どれどれ……あぁいい感じだ!」

カルパッチョ「ボッコンチーニともよく合いますね」

エリカ「それで、今日はどこかの帰りなのかしら?二人ともきれいなドレス着てるし」

アンチョビ「ああ。後輩の結婚式に行ってきてな。それの帰りなんだ」

カルパッチョ「すごくきれいで感動したんですけど……正直料理があまり美味しくなくて」

アンチョビ「だから口直しもかねてここに来たんだ」

エリカ「へぇ結婚式ねぇ……」

349: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 12:22:55.30 ID:tWOp4q0A0
アンチョビ「まぁエリカは前から聞いてるが結婚の以前に恋愛に興味がないんだろ?」

エリカ「まぁいまはそんなことをしてる暇が無いってだけよ。カクテルだってもっと美味しいの作れるようになりたいし、料理だってまだ満足してないわ」

カルパッチョ「このレベルでも満足していないだなんて……でも、結婚はしたいんですよね?」

エリカ「さぁ?正直いつかはすると思うししなきゃだめだとは思ってるわ。でも今がそのときじゃないだけ」

アンチョビ「お前さんなら引く手数多だろうに」

エリカ「ええ、実際言い寄られてるわ」

カルパッチョ「へー凄いですね!」

エリカ「全部女性だけどね」

二人「あっ……」

エリカ「まぁだから私の恋愛観なんてどうでもいいのよ。実家からも特に言われてないし」

エリカ「それより二人はどうなのよ?」

カルパッチョ「私は今日の結婚式を見て私もしたいなと思いました」

アンチョビ「まぁ私もゆくゆくは結婚はしてみたいとは思ってるが、まだいいかな」

エリカ「まぁアンチョビさんが結婚したら凄いことになりそうよね」

カルパッチョ「人望はどこの学校にも負けてないですから」

アンチョビ「いやー愛されてるなぁ私……ん!おかわり!」

エリカ「はいはい、カルパッチョさんもどう?」

カルパッチョ「ではお言葉に甘えて」

アンチョビ「はぁ~いい気分だ!今日は朝まで飲むぞー!!」

350: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 12:23:38.50 ID:tWOp4q0A0
チョビさん可愛い

それじゃチョビさんとケイの絡み編書いていきます

352: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 12:37:05.06 ID:tWOp4q0A0
開店二時間前

エリカ「アンチョビさん、スープの味見してもらってもいいかしら?」

アンチョビ「どれどれ……もう少し塩を加えてみろ、このままだと料理の味に負けてスープの味が分からなくなってしまうぞ」

エリカ「了解です……」

カランコロン

ケイ「heyマスター!今日も一日頑張りましょう!」

エリカ「ああケイさん、今日もよろしく」

アンチョビ「おろ?あんたサンダースの隊長じゃないか?」

ケイ「んー?おおアンツィヨのドゥーチェじゃないの!久しぶりー!」

アンチョビ「ああホント久しぶりだな!ここで働いてる噂は聞いてたからいつか会うとは思ってたぞ!」

ケイ「私もよ!今日は仕込みの手伝いかしら?」

アンチョビ「まぁ料理の勉強のついでだけどな……ん?その手に持ってるのは?」

ケイ「これはチキンとポテトよ。そろそろストックが切れてたと思ったから買い足しておいたの」

エリカ「いつもごめんね。領収書置いといてくれたら後で払うから」

ケイ「OKOK~!それじゃ着替えてくるわねー!」

アンチョビ「……なぁエリカ」

エリカ「何?なんか料理に変なところあったかしら?」

アンチョビ「いや料理はいいんだ。だが前から言いたいことがあってな……」

エリカ「?」

アンチョビ「お前あんなに料理のメニューあるけど大丈夫なのか?」

エリカ「別に問題はないけどそれが?」

アンチョビ「いや、あんだけ料理があると正直味覚が狂わないか?国際色豊かすぎていろいろと心配になってきてるんだ」

エリカ「まぁ国際色豊かなのは認めるけど、別に心配しなくても大丈夫よ。今までだってうまくできてるんだもの」

アンチョビ「ならいいんだが……」

ケイ「何々ー?何の話してるの?」

エリカ「別に大したことじゃないわよ。あら?ピザ食べてるの?」

ケイ「今日何も食べてなくてねー」

アンチョビ「はぁ……相変わらずそんなもの食べてるのか。本場に申し訳ないとか思わないのか?」

ケイ「そんなものとはクレイジーね。これが本物のピザでしょ?」

アンチョビ「ピザじゃないピッツァだ!まったくこれだからアメリカの料理は……」

ケイ「聞き捨てならないわね……いいわ!アメリカの方が美味しいって教えてあげるわ!マスター!窯借りるわよ!」

アンチョビ「上等だ!!エリカ!私も借りるぞ!」

エリカ「はいはい……開店までには間に合わせなさいよ」







その日、エリカの店ではピザが何枚も焼かれてはお客さんにふるまわれていたらしい

359: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 13:06:24.61 ID:tWOp4q0A0
エリカ「へー……知らなかった」

ケイ「どうしたのマスター?」

エリカ「イギリスだとお酒を飲むときにおつまみがあると思ってたけど実は無いみたいよ」

エリカ「お酒はお酒、おつまみはおつまみって結構はっきりと分かれてるみたいよ」

ケイ「へー……どうしてかしら?」

バタンッ!

ローズヒップ「お答えいたしましょう!!イギリスでは主流となってるビールが黒ビールが多く、あまり料理に合わない味として有名です!」

ペコ「そのためかお酒と一緒に何かを食べる人が少ないみたいです。でも、ピーナッツとかはあるみたいなんで、まったく食べないというわけでもないみたいです」

エリカ「あら、いらっしゃい」

ケイ「また可愛らしいコンビね!はいメニュー!」

ペコ「ありがとうございます……ではピーナッツとロンドンプライドをお願いします」

ローズヒップ「私も同じのでお願いしますわ!」

エリカ「ロンドンプライド二つとピーナッツね。ちょっと待ってて」

ケイ「ホントにピーナッツだけなのねー……はいマスター」

エリカ「ありがと、お待ちどうさま」

ペコ「ありがとうございます、では」

ローズヒップ「乾杯とまいりましょう!」

二人「乾杯!」


360: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 13:41:31.63 ID:tWOp4q0A0
エリカ「それで、今日はどういう集まりなの?」

ローズヒップ「今日はたまたま喫茶店にいましたらオレンジペコさんにお会いいたしまして、そのままショッピングやお食事を楽しんでましたの」

ペコ「二人ともお休みだったので久しぶりに昔を思い出した一日でした」

ケイ「へー!二人だけだったのかしら?」

ペコ「ダージリン様は今日はプロの方々とのお茶会があるとのことでご一緒はできませんでした」

ローズヒップ「久しぶりにご一緒に紅茶でも飲みたいですね」

エリカ「ペコはダージリンさんとはうまくいってるの?」

ペコ「最近はまた少しお話しする機会が増えてきました。エリカさん本当にありがとうございます」

エリカ「そう、ならよかったわ」

ローズヒップ「そういえばお二人は休日はどのようにお過ごしになられているのでしょう?」

ケイ「私?そうねー……最近はバイクを乗るのが趣味かしら?あとはここの影響でお酒を飲むのも好きになってきたわ」

エリカ「私は…………あれ?」

ペコ「どうしました?」

エリカ「私考えてみたらお店が休みでも仕入れをしたり仕込みをしたりで特に休日だからって何もしてないわね」

ローズヒップ「失礼ですが……最近どこかに行かれましたか?」

エリカ「市場に行ったぐらいで特に……」

ペコ「旅とかなにか娯楽のようなものは……?」

エリカ「……」

ケイ「重症ね……」

ローズヒップ「これは店が大事とは言えども働きすぎですわね」

ペコ「どうにかしてお休みを与えたいですけど……」

エリカ別にそんな気を使ってもらわなくても大丈夫よ。私は全然平気よ」

ケイ「ちなみにどれくらいこんな生活を?」

エリカ「……二年?」

三人(なんとかしなきゃ……)

エリカ「確かに働きすぎなのかな……うーん?」

361: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 13:52:29.74 ID:tWOp4q0A0
二人がやってきてから数日後の某所

ケイ「みんな集まったわね?」

??1「いったいこんなところに呼び出して何ようかしら?」

??2「まったく!せっかくお昼寝してたのに!」

??3「まぁケイがこんなに真剣な顔なのもわけがあるんだと思うぞ」

??4「ケイ、これはどういう集まりなんだ?」

ケイ「実は私たちの愛するエリカがここ二年間無休で働いていたらしいわ」

??5「そんな……」

??6「かの大日本帝国でもそんなことは……」

ケイ「そこで私たちが彼女にどうしても休んでもらうためにこんな企画を用意したわ。題して」

『エリカの慰安旅行作戦』!!

ケイ「ここに集まった私を含めての八名でエリカを楽しませる旅行を企画して、各々で慰安旅行を決行してほしいと考えてるの」

??7「その作戦に意味はあるのかな?」

??5「エリカさんはきっと今は癒しを求めています。ならばそれを私たちが遂行するべきだと思います」

??4「エリカの為に今こそ私たちが立ち上がるべきだ」

??7「そうか。君たちがそんなに熱くなるのならこれはとても大切なことなんだろうね」

ケイ「各員はエリカの世話になったと思われる人物にこの作戦を伝えるように!みんなでエリカを助けましょう!」

全員「おーー!!」

381: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 08:08:00.21 ID:XvZBHsmC0
エリカ「何よこの張り紙……」

『Verzweiflungは店長の慰安旅行のためお休みします』

エリカ「誰がこんないたずらしてんのよまったく!」

ケイ「ストップストップマスターそれは剥がしちゃだめだめー」

エリカ「ケイさん……これはケイさんの仕業?」

ケイ「んーまぁ私じゃけじゃないけど発案者は私よ」

エリカ「はぁ……どういうつもりかしら?」

ケイ「まぁマスターはどう考えても働きすぎなのよ。それを心配に思ったメンバーが集まってマスターを癒しを与える企画を各々で考えたのよ」

ケイ「だからちょっとした休息だと思って楽しんできなさいな♪それじゃさっそく」

黒服「あ?もう大丈夫ですか?それじゃあ連れていきますねー♪」

エリカ「ちょ、ちょっと待って!私は別に、そ、そんなってか力強すぎ!?待って!腕千切れちゃう!」

黒服「大丈夫ですよ私がそんなことするわけないじゃないですか♪」

エリカ「その声みほね!?あ、待って、目隠しはちょっと!」車ポーイ

黒服「ではケイさん♪後のことはお願いしますね」

ケイ「OKOK~楽しんできてねー」

黒服「はーい♪さぁエリカさん行きますよー」

エリカ「待って!せめて行先!どこに連れていくか教えてー!」




ケイ「さて、マスターがいない間は私がこのお店を守らなくちゃね」

382: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 08:55:38.06 ID:XvZBHsmC0
……さん……エリカさ……

エリカ(あれ……私寝ちゃって……)

みほ「起きないとキスしちゃいますよー?」

エリカ「おはよう!いい朝ね!!」

みほ「むー……おはようございますエリカさん……」

エリカ「なんでそんなに残念そうなのよ……で、ここはどこなの?」

みほ「ここはボコの人形を制作してる会社です。中には限定ボコが販売してたり、ボコの制作の様子を見学できたりできるんです!」

みほ「ここでボコを堪能した後は聖地ボコランドを貸し切ってのボコ尽くしの一日です!」

みほ「今回は島田流のバックアップがあってできたことなんですよ。ありがとうございます千代さん」

千代「いえいえ。エリカさんには私もお世話になっていますからこれぐらいのことはどうってことはありません」

みほ「さぁエリカさん!中に入りましょう!」

エリカ「……なんだかスケールが大きいのやら小さいのやら」

でも、

エリカ(今日一日ぐらいだったらいいかしら……?)

・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・


みほ「うわぁ~~~~!!!ボコがこんなに!!」

エリカ「凄い量ね……いったいどれくらいあるのかしら」

千代「この会社には今まで生産したボコのほとんどが飾ってあるらしく、別名ボコミュージアムと呼ばれているそうです」

エリカ「へぇ……うわ、島田流ボコってのもある」

千代「よろしければ逸見ボコってのも作らせましょうか?」

エリカ「遠慮しておきます」

みほ(お幾らでしょうか……?)

千代(このぐらいでどうです?)

みほ(10体はいけますね……お願いします)

エリカ「なにコソコソ話してるのよ。先行くわよ」

みほ「あ、待ってくださーい!」


383: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 09:19:57.36 ID:XvZBHsmC0
千代「こちらがボコ人形の制作現場です」

エリカ「全部手作りなんですね」

みほ「それがボコの魅力の一つなんですよ。わぁ……あれって新作ですか?!」

千代「はい。梅雨なのに雹が降ってきてボコボコになってるボコですね」

エリカ「なによそれ」

みほ「かわいいです!!いつ頃販売なんですか!?」

千代「そろそろボコランドにて販売されますからお楽しみにということで」

みほ「またボコランドに行かなくちゃいけない理由が増えました!」

エリカ「ほんと昔から変わらないわね……あら?」

みほ「どうかしましたエリカさん?」

エリカ「このボコ……バーテンダーの服着てるのね」

みほ「これは確か酔っ払いにボコボコにされてるボコですね」

エリカ「設定がひどいわね……でも、可愛いのもあるじゃない」

みほ「エリカさんもようやくボコの魅力が分かってくれたんですね!」

エリカ「そういうわけじゃないけど……開店してすぐの時に同じような状況になってね。少しだけケガしちゃったのよ」

みほ「その人だれですか今すぐ息の根止めてきますので」

エリカ「落ち着いてみほ!女の子がしちゃいけない顔になってるわ!」

千代「結局その後はどうなったのですか?」

エリカ「後日謝りに来てくれたわよ。私のミスから起きたことだからお互いさまってことになって、今じゃ常連の一人よ」

エリカ「でも、その時は確かに怖かったけど結局は何とか立ち上がれたんだから分からないものね。だから……このボコも同じように立ち直れるんじゃないかって思っただけよ」

みほ「エリカさん……」

千代「よろしかったらお持ち帰りになられますか?」

エリカ「いいの?」

千代「えぇ。これも何かの縁ですし」

エリカ「そう……じゃあお店にでも飾っておきましょうかしら」

みほ「是非!きっとお店もすごくイイ雰囲気になりますよ!」

エリカ「そう……かな?」


384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 09:57:34.67 ID:XvZBHsmC0
千代「以上で会社見学は終了となります。ご苦労様でした」

みほ「本当に楽しかったです!ね、エリカさん!」

エリカ「まぁ思ってたよりかは楽しめたの事実ね」

千代「ご満足いただけたのなら何よりです。では愛里寿がボコランドでお待ちですので」

みほ「愛里寿ちゃんもう着いてるんですね!早くいきましょう!」

エリカ「ちょ、ちょっと待って、何でアナタそんなに早く走れるの!?」

千代「……ほんと、未来の戦車道は明るいわね」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


みほ「つきました!ボコランドです!」

エリカ「ぜぇ……ぜぇ……久しぶり、に、走った、わ」

みほ「大丈夫ですかエリカさん?」

エリカ「ええ……ふぅ、もう大丈夫よ。それで、島田流の後継者がいるんだっけ?」

みほ「そうらしいですけど……あ、おーい!愛里寿ちゃーん!」

愛里寿「あ、みほお姉ちゃんいらっしゃい。それと、アナタが逸見エリカさん?」

エリカ「ええ、よろしく」

愛里寿「うん……よろしく」

エリカ(まぁ初対面だし壁を感じるのは仕方ないか)

みほ「どうかしましたエリカさん?」

エリカ「何でもないわよ。それじゃエスコートしてもらおうかしら?」

みほ「……エスコートって何だかデートみたいですね///」

エリカ「ば、馬鹿言ってないでさっさとしなさい!///」

みほ「はーい!じゃあ行きましょうエリカさん!愛里寿ちゃん!」








愛里寿「逸見エリカ……エリカさん……」

385: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 10:19:23.52 ID:XvZBHsmC0
みほ「そういえば最近ボコジェットコースターが新しくなったんですよね?」

愛里寿「前の試合で結構損傷受けたからいっそのこと新しくしちゃおうって」

エリカ「まぁコースは普通のジェットコースターだけどこの乗る部分がボコ仕様になってるのね」

みほ「せっかくだから一緒に乗りましょうエリカさん!」

エリカ「私は一人席でいいから愛里寿ちゃんと乗ってあげt……ん?」裾クイクイ

愛里寿「私も……エリカさんの隣がいいです」

みほ「!!??」

エリカ「えっと……みほの方がいいんじゃない?ボコについて私そんなに詳しくないし」

愛里寿「ダメ?」

エリカ「うっ……はぁしょうがないわね。というわけだから今回は諦めてちょうだいね、みほ」

みほ「あ、はい」

愛里寿「早く行こ……」

エリカ「ちょっと、引っ張らなくても今日は貸し切りなんだから誰もいないわよ!」

みほ「これは……少し、いえかなりまずいです」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


エリカ「なんであんな可愛いジェットコースターから想像もできないレベルの絶叫マシンになるのよ……」

愛里寿「でも、楽しかったです」

みほ「上から見るボコランドも素晴らしかったですね」

エリカ「そんな余裕なかったわよ……そろそろお昼ね。お店は空いてるのかしら?」

愛里寿「お店も貸し切りだから店員さんはいなかったはず」

みほ「お弁当を愛里寿ちゃんと作ろうと思ったんですけど上手くできなくて……」

エリカ「そう。じゃあ食材はあるのね?」

みほ「もしかして」

エリカ「ここまでもてなしてくれたんだから少しぐらいは恩返ししなくちゃね。キッチンのあるお店はどこかしら?」

愛里寿「こっち」

エリカ「ありがと。それじゃ作るとしますか……ま、入ったお店の時点で何作るか決めてたんだけどね」

二人「?」

エリカ「今日のお昼はハンバーグよ、楽しみにしてなさい」

386: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 10:58:28.91 ID:XvZBHsmC0
二人「美味しいいいいいいいいいい!」

エリカ「出来立てだからよく冷まして食べなさいよ。本当はもっと仕込みとかできてれば今のよりおいしく作れたんだけど」

みほ「それでもこんなに美味しくできるなんて本当にエリカさんはすごいです!」

愛里寿「お店に行けば……」

エリカ「まぁ愛里寿ちゃんは遅くに外に出るのも難しそうだしお店に来るのは難しいんじゃないかしら?」

みほ「いくら大学生といっても歳はそうとう離れてますものね。エリカさんのお店、大人のお店って雰囲気ですし」

愛里寿「……むー」

エリカ「まぁ今度お母さんと一緒に来るといいわ。お酒の飲めない人用のメニューも用意してるから」

愛里寿「その時はまたハンバーグ作ってくれる?」

エリカ「ええ、ハンバーグのストックは切れることはないから安心しなさい」

愛里寿「それじゃ、私が行ったときは特製のハンバーグ食べたい」

エリカ「ええ、とびきり美味しいの用意しておくわ」

愛里寿「ありがと……エリカお姉ちゃん」

みほ「な!?」

エリカ「お姉ちゃんって」

愛里寿「ダメ?」

エリカ「……別に呼ばれるのはいいわよ。ただ、昔誰かに同じように言われたような気がしてね」

みほ「?」

愛里寿「……」

エリカ「まぁ気にしないで。さぁ、さっさと食べてエスコートの続きをしてちょうだい」

みほ「はーい」

愛里寿「あともう少し……」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


エリカ「結構楽しめたわね……甘く見てたわボコランド」

みほ「満足してもらったみたいで私も満足です!」

エリカ「そろそろ閉演の時間みたいだけど……この後はどうするの?」

みほ「ちょっと待っててください、この後のことを電話してきますので」

エリカ「この後のことを相談するってどういう……あぁ行っちゃった。ん?」

愛里寿「エリカお姉ちゃん、アレ乗ろ?」

エリカ「観覧車……でもみほ待ってないと」

愛里寿「早く、終わっちゃうから」

エリカ「ちょ、ちょっと引っ張らないで!」






みほ「お待たせしましたー……ってあれ?愛里寿ちゃーん?エリカさーん?」


387: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 11:26:21.13 ID:XvZBHsmC0
エリカ「……」

愛里寿「……」

エリカ「ねぇ、何か話したいことがあったんじゃない?」

愛里寿「……」

エリカ「……まぁ話し出せないことってことは余程確信の持てない話か、私にとって辛い話のどちらかだと思うけど、私の直感からすれば今回は前者ね?」

愛里寿「はい……」

エリカ「多分、考えていることは同じのはずよ。私たち、こうやって会う前に小さいころ会ったことがある、って感じよね?」

愛里寿「……そうです。私がまだ大学に入る前、それもまだ本当に小さいころだったはず」

エリカ「やっぱり……何だかアナタからお姉ちゃんって呼ばれるたびに頭の中で引っかかる感じがしてたのよね」

愛里寿「恐らく島田流のなんらかの集まりだったと思います。でも、はっきりと思い出せなくて……」

エリカ「今から十年ぐらい前かしらね。私も中学生にはなってないと思うし」

愛里寿「あの時は、お母さまから将来アナタを支えてくださる人と紹介してもらったような気がします」

エリカ「……あぁそうだったわね。そんなことを言われたような気がするわ」

愛里寿「でも、その後の集まりにはエリカお姉ちゃんは参加せず、いつしか逸見家とも疎遠になり、私も記憶の片隅から消えてしまいそうになってた」

エリカ「あの時は家のことで結構揉めてた時期なのよ。主にお姉ちゃんが色々と問題起こして、そして私が黒森峰へと進学すると言って追い出されたりとね」

エリカ「だからお父様もお母様もなかなか顔を出せなかったんだと思うわ」

愛里寿「でも、今日こうやって再び会えた」

エリカ「まぁそうね。元気そうで何よりだわ」

愛里寿「エリカお姉ちゃん、私寂しかった」

愛里寿「また一緒に遊んでくれるって言って会えない間は本当に寂しかった」

エリカ「それは……悪いことしたとは思ってるわ」

愛里寿「ううん。謝罪なんていらない……約束をしてほしい」



もう二度と私から遠くに行かないで……ずっと一緒にいて私の戦車道を支えてほしい。

愛里寿「昔の約束を……果たしてほしい」




エリカ「……それは残念ながら無理よ」

エリカ「私はもう家には戻れないし戦車道の道からも遠ざかってる」

愛里寿「っ!それは私がお母様にお願いすれば何とか」

エリカ「でも私は今の私が気に入ってるの。家に縛られることも無く、誰も想像しなかったであろう自分の今の姿に」

エリカ「だから、アナタとの約束は守れない」

愛里寿「そんな……そんなのって」

エリカ「ごめんなさい……」

愛里寿「……それなら、私のことを家族のように愛してもらえますか?」

エリカ「……へ?」

愛里寿「昔のように、本当の姉妹のように接してくれたようにいてください」

エリカ「愛里寿ちゃん……」

愛里寿「そうじゃなければ……もう掴めないような感じがするんです」

エリカ「……」




388: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 11:34:49.70 ID:XvZBHsmC0
エリカ「ええ、そうね。それであなたが満足するのなら」

愛里寿「!それじゃあ」

エリカ「まぁ戸籍上姉妹にはなれないけれど、いつでも私を姉として頼ってもらってもいいわよ」

エリカ「その代わり、その、キスとか夜な夜な洗脳しに来たり不法侵入とかはしないようにお願い!」

愛里寿「しませんから……それじゃあ」

エリカ「ええ、改めてこれからよろしくね、愛里寿」

愛里寿「はい……お姉様///」









みほ「二人ともどこに行ってたんですか!?それに愛里寿ちゃんはエリカさんと仲良く腕組んでますし……」

エリカ「まぁ……ちょっとね」

愛里寿「みほお姉ちゃん」

みほ「はい?」

愛里寿「私、恋も戦車道も負けませんから」

みほ「……そうですか。私も負けませんからね!」

エリカ「……さぁ帰って仕込み再開しなきゃ。ケイさんにも文句言わなきゃ」

みほ「あれ?どこ行くんですか?」

エリカ「帰るに決まってるでしょ」

みほ「エリカさん、この慰安旅行企画は私だけじゃ終わりじゃないですよ?」

エリカ「へ?」

バラバラバラバラバラバラバラ


優花里「逸見殿ー!お迎えに上がりましたーー!!」

エリカ「……詳しく教えてちょうだい」

みほ「えっと、私みたいに企画した人がまだ何人もいるんで、エリカさんにはそれに付き合ってもらう予定です」

エリカ「ちょ、それどんだけかかるのよ!」

みほ「その人しだいですね。ドイツに連れていく人とかいましたし」

エリカ「は、はは……」

愛里寿「お姉様、いってらっしゃい」

エリカ「どうなってるのよーーー!!??」

407: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 18:55:10.09 ID:XvZBHsmC0
バラバラバラバラ

エリカ「ねぇ……私どうなるの?」

優花里「そんな怯えなくてもいいじゃないですか逸見殿」

エリカ「だって……このヘリ今どこに向かってるの?」

優花里「最寄りの空港ですよ。そこから自家用ジェット機でロシアまで行きます」

エリカ「ロシア!?どうしてそこまで行くのよ!?というより自家用ジェット機ってアナタ何者なのよ!?」

優花里「いや~西住殿に追いつくためにはそれ相応の力が必要と思い努力を積み重ねたら」

エリカ「もう訳わからない……で、ロシアに行ってどうするのよ」

優花里「いやだなーエリカさん。ロシアに行くなら戦車の聖地に行かないとダメですよ!」

エリカ「聖地……クビンカ博物館!?」

優花里「ふっふっふー!しかも貸し切りですよ!」

エリカ「うわ……すごい手が震えてきた」

優花里「私もですよー!一緒に戦車について語りましょうね!!」

エリカ「もう今日からしばらくは戦車の話だけでご飯が食べれそうよ!あぁこんなに気分が上がったのなんて久しぶり!」

優花里「ですよねー!さぁまずは何から見に行きましょうか?」

エリカ「ティーガーに決まってるじゃない!それからエレファントにマウス、あぁ他にはどんな戦車があるのかしら!」

優花里「ふふふー!さぁ今夜は寝れませんよー!


・・・・・
・・・・
・・・
・・



エリカ「来たわね」

優花里「ええ、ついにですよ」

二人「クビンカ博物館!!」

エリカ「一度は来てみたかったけどまさかこんな形で来れるなんて……」

優花里「私も初めてなので感激ですぅ!」

エリカ「でも改めて大丈夫なの?私パスポートもビザも用意してないのに」

優花里「大丈夫ですよ!西住流と島田流がこう……うまく何とかしてくれましたので!」

エリカ「工作って言いかけたわよね?というよりあの人たちは何をしているのよ……」

優花里「まあまあそんな話は置いといて!さっそく中に入りましょう!」

エリカ「……そうね!せっかくなんだから楽しみましょう!」

408: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 19:14:28.04 ID:XvZBHsmC0
エリカ「うわぁ……すごい……!」

優花里「この戦車の数……圧巻ですね!!」

エリカ「ホント……夢のようだわ!」

優花里「逸見殿!さっそくこっちから見て回りましょうよ!」

エリカ「ええ!ホントに楽しみだわ!!」

優花里「そういえば逸見殿は乗れるとしたらどの戦車に乗りたいですか?」

エリカ「乗れるなら?そうね……やっぱりティーガーⅡよね。あとは現存しているならE100とE50にも乗ってみたいわ」

優花里「E100とE50……ドイツのE計画ですね!」

エリカ「E100は車体だけは完成していてみたいだけど走行はできずにスクラップに、E50に至っては完成すらしてない車両よ」

エリカ「でもE計画の戦車はどれも魅力的でもし完成していたのなら乗って見たかったわね」

優花里「E50は確かパンターの代わりに、E100はティーガーⅡの代わりでしたよね?」

エリカ「ええそうね。でもE50の装甲は計算ではティーガーⅡにも負けないぐらい固い上に早いから乗るならこっちの方が相性はいいかも」

優花里「あれ?E100の方じゃないんですか?」

エリカ「黒森峰の中の戦車だとティーガーⅡが一番扱えただけで、こう見えて足の速い戦車の方が得意なのよ。陣地転換も早めにできる上に戦場に合わせて動きを変えることができやすい戦車だもの」

優花里「何だか島田流みたいですね」

エリカ「……そんな大したものじゃないわよ。さぁ次の戦車を見に行きましょ」

優花里「あぁ待ってくださいよー!」

エリカ「そんなに離れるほどの距離に戦車は置いてないわよ……これはISね」

優花里「その後にもずらーっとISシリーズがありますね」

エリカ「IS3なんてこんなのが戦場にいたらと思うとゾッとするわね」

優花里「ソ連の戦車はT-34ばかり語られることが多いですけどやはり重戦車もカッコいいですよね」

エリカ「カッコよさだけならイギリスの戦車だって負けてないと思うわ。カッコ良さだけなら」

優花里「センチュリオンはカッコよさと強さを兼ね備えてるんで許してやってくださいよ……」

エリカ「私としては足のあるクロムウェルなんかも好きよ。まぁ装甲が心配なのが私とは相性が悪いんだけど」

優花里「イギリスの戦車も詳しいんですね」

エリカ「敵を知るなら情報というのは最大の教科書よ……あら?これって」

優花里「カール自走砲ですね!こうやってみると大きいですねー!」

エリカ「大学選抜との戦いだと苦しめられたわね」

優花里「実際の戦場でもあんなのが降り注いでいたと考えると恐怖を感じますね」

エリカ「まぁ今は戦車道として安全がある程度確保されてるんだから大丈夫よ」

優花里「そうですね!……そろそろですね」

エリカ「そろそろって?」

優花里「ふっふっふー!さぁ逸見殿!一緒に外に行きましょう!」

エリカ「ちょ、引っ張らないで!」

410: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 19:36:16.83 ID:XvZBHsmC0
エリカ「これって……ティーガーⅡ?」

優花里「その通りです!今回はスペシャルサプライズとして実際のティーガーⅡを動かしてみましょう!」

エリカ「本当に!!??……じゃなくて無理に決まってるでしょそんなこと!」

優花里「大丈夫です!許可は取ってますし、レオポンチームの皆さんが整備しておいてくれたので当時のように動かせますよ!」

エリカ「そんな……私なんかのために……」

優花里「逸見殿はいつも頑張りすぎです!そのせいでいつも西住殿が心配しているんですよ?」

エリカ「みほが?」

優花里「そうです!なので、たまにはこうやって羽を伸ばすことも、人を安心させることにつながるんです!」

エリカ「……」

優花里「操縦は私が受け持ちますので、車長を逸見殿お願いいたします!一緒に乗って、西住殿に自慢しましょう!」

エリカ「……そうね!あの子が心から悔しがるぐらいに乗り回すわよ優花里!」

優花里「ひゃっほーーーーーう!!逸見殿の登場だぜーーー!!」

エリカ「それじゃ行くわよ!ティーガーⅡ、発進!!」

・・・・・
・・・・
・・・
・・



エリカ(あぁ……やはり実物は違う……カーボンではなく本物の鉄の匂い。かすかに香る火薬の香り)

エリカ(これが本物。本物の戦車!)

優花里「逸見殿は……やっぱり戦車道には戻られないんですか?」

エリカ「……どうしてそれを今?」

優花里「私は逸見殿が戦車道に戻ってきて、また戦場に出て戦っている姿を見てみたいです」

優花里「逸見殿は普段の態度からは想像もできないくらいに作戦は冷静に遂行し、ミスも一切しません。まさに西住流の教えを受け継いでる存在の一人だと思います」

優花里「だからこそ、その力が惜しいのです。その力は間違いなく戦車道の未来には欠かせない力です」

エリカ「……ねぇ優花里。さっきあなた島田流みたいと言ったわね」

優花里「は、はい。それが」

エリカ「私は本家ではないにしろ島田流の門下生の一人で将来は島田家の右腕を約束されていたわ」

優花里「そうなんですか!!??」

エリカ「でも当時の私の家はあまりにもめちゃくちゃで長女は頑固で自分の考えを曲げることが嫌で家の教えに付き合いきれずに聖グロへ進学」

エリカ「次女はあまりの達観的でおっとりとして私よりしっかりしてないのに戦車道の腕前は天才と言われてた。でも放蕩癖から家に住み着くことが減りそのまま継続へ」

エリカ「次女はそのまま戸籍からも消され、残されたのは私が島田家を支える筆頭候補になったわ」

優花里「そんなことが……」

エリカ「でも結局は私も島田流という重荷に耐え切れず西住流の黒森峰に進学し、家は面子が保てなくなり今じゃ落ちぶれてしまったわ」

エリカ「そんな逃げた私が今度は大学進学に失敗し、戦車道からも逃げた。そんな私に戦車道に戻る資格はあると思う?」

優花里「そんなこと……」

エリカ「嫌な質問をしたわね……とにかく今は戻れないの。私の変なプライドと言われればそうとしか言えないけれど、そんな自分が許せないの……!」

優花里「……分かりました。逸見殿の考えはよく分かりました」

優花里「でも、いつかまた私は戦場で会えるのを楽しみにしております!」

エリカ「……ええ。その時は黒森峰で見せた私じゃなく本当の私で相手をしてあげるわ」



優花里「試乗はここまでですね」

エリカ「そのようね、本当にありがとう優花里。今までで最高の経験だったわ」

優花里「私もです。逸見殿!」

423: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 08:05:32.34 ID:CuDuICy50
エリカ「優花里、この後は日本に変える形でいいのかしら?」

優花里「え~そんなわけないじゃないですかー!っと、来ましたね」

カチューシャ「久しぶりねエリ―シャ!」

エリカ「エリ―シャ……?」

カチューシャ「何よ!気に入らないの!?」

エリカ「いやいきなりすぎて……」

優花里「ではカチューシャ殿!あとは任せました!」

カチューシャ「言われなくてもしっかりやるわよ!」

エリカ「優花里、ありがとね」

優花里「いえいえー!ではまた日本で会いましょう!」

・・・・・
・・・・
・・・
・・




エリカ「で、アナタはどんな企画をしてくれたの?」

カチューシャ「ふふーん!聞いて驚きなさい!連続で移動と見学で疲れたであろうエリ―シャを癒すために高級エステを予約したわ!」

エリカ「エステ……エステ?」

カチューシャ「何よその顔!不満でもあるわけ!?」

エリカ「いや不満とかあるわけじゃないわ!ただ、行ったことが無いからどんなものか想像ができなくて」

カチューシャ「このカチューシャが調べに調べ、選び抜いた高級エステなんだから安心しなさい!さぁさっさと行くわよ!」

エリカ「あーはいはい。行けばいいんでしょ……ん?」

カチューシャ「ん」

エリカ「何よ……両腕差し出しても何も出せるものないわよ?」

カチューシャ「鈍いわね!おんぶしなさいってことよ!それぐらいも分からないの!?」

エリカ「分かるわけないじゃない!……ったく」

カチューシャ「おお!なんだかんだ言ってやっぱりエリ―シャもおんぶするの好きなのね!」

エリカ「そう言うことにしておいて」

カチューシャ「それじゃ行くわよ!」

424: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 08:34:56.02 ID:CuDuICy50
エリカ「で、ここがそのお店なの?」

カチューシャ「そうよ!ロシアでも一番のエステなのよ!」

エリカ「何というか……すごく怪しいんだけど」

カチューシャ「でもここが一番大人っぽい女性になれるって書いてたし」

エリカ「……大人っぽい?」

カチューシャ「何でもないわよ!」

エリカ「もしかしてアナタ、大人っぽいからエステを企画したとかそんな感じ?」クスクス

カチューシャ「う、うるさいわね!!それ以上言うとシベリアの奥地に置いてきちゃうんだから!!///」

エリカ「怖い怖い、それじゃあ中に入って大人っぽくなりに行きましょうか」

カチューシャ「う~~!!///」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


店員「いらっしゃいませー」

エリカ「あら?日本語喋れるの?」

カチューシャ「そういうお店を選んだんだから当然よね!」

店員「二名でご予約のカチューシャ様でお間違いないですね?では奥へご案内いたします」

エリカ「なんか変に緊張してきたわ」

カチューシャ「そんなの私だって同じよ……」

店員「では服をお脱ぎになってください」

エリカ「ふ、服を!?」

カチューシャ「ここで!?」

店員「そうしていただかなければ我々も仕事ができませんので……」

カチューシャ「み、見ないでよね」

エリカ「見るわけないでしょ!!」

エリカ(エステってそういうものかしら……)

店員「では準備ができましたのでさっそく始めていきますね……」

※主はエステがどういう感じの場所なのかいまいちわからないので、とある教本ビデオを参考に描写していきます

425: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 08:47:24.07 ID:CuDuICy50
「あっ……これオイルなんですか……結構しっかり……んっ」

「あっ……そこ気持ちいい……」

「ちょ、ちょっと……そこはノンナにも……ひうっ!」

「あー……お香の匂いが……落ち着く……」

「凄い……こんなに気持ちいなんて……」

「え……仰向けですか……分かりました……」

「頭がぼーっとしてきたわね……」

「ダメ……疲れが……もう眠っちゃう……」






お二人とも寝ましたか?

寝てしまいましたね

では、

店員「コレカラ実験ヲ開始シマース」

店員2「ギョギョ!」

店員「戦車道ノ発展ニハ彼女達ノデータガ必要デース……デハヤッチャッテクダサイ!」

店員2「ギョギョ!!」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


店員「お客様、お客様?」

エリカ「ん……あれ……私……」

店員「よほどお疲れだったんですね。始めてから間もなく寝てしまわれましたよ」

エリカ「そうだったんですね……何だかすみません」

店員「いえいえ、それだけ落ち着いてくださると私たちも嬉しいです。おからだの調子はいかがですか?」

エリカ「ええ、すこぶる調子がいいわ。長年の疲れが全部消えたみたいだわ」

店員「良かったです。さぁ服を用意しておきましたので」

エリカ「ありがとうございます……その、カチューシャは?」

店員「お連れのノンナ様が引き取りに来ましてお先に退出なされましたよ。そうです……ノンナ様より伝言です」

『次の企画者がお外でお待ちです。次の行き先はイタリアなのでしっかりと用意をしておいてください』

店員「だそうです」

エリカ「イタリア……ほんと、いつになったら帰れるのかしら?」

429: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 11:19:03.41 ID:CuDuICy50
すみません 少しメモ翌用に投稿します
ミカ          旅は気まぐれサイコロの旅
ケイ          お店に仕入れる視察も兼ねた地酒巡り
絹代          温泉巡りで湯治
ダー様         ハイクラスな紅茶とお菓子でおもてなし  なお紅茶をいれるのはペコ
まほ          本場ドイツにハンブルグステーキとアイアシェッケを食べに行こう
アンチョビ        船に乗って絶景を見ながらのんびり食事をするbyアンチョビの一声で集まったアンツィオの仲間達総動員
ウサギさんチーム     例の映画の撮影見学や、ロケ地巡り
まほ          「実家」
エルヴィン        一度は同じ人物からソウルネームを分け合った ソウルメイトとしてロンメル所縁の古戦場巡り
みほ、まほ、赤星小梅   上記三名と黒森峰へ行き、在校生と戦車戦
杏           海底の武蔵を見に行こう
ミカ          世界版ダーツの旅
??          北海道旅行、ついでに大学選抜戦跡地巡り〜試合を振り返りながら〜

最後のが誰と行けばいいのかわからなかったのでシークレットとさせて頂きます。

エリカの○○シーン
若い男性客に口説かれているエリカ
エリカさんのまかない飯とか気になる
エリカの師匠的な人とかいるのかな?


とりあえず今はこんな感じですね。終わりが見えないですが何とか全部消化して見せます

430: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 11:41:26.25 ID:CuDuICy50
少し時間があるので書いていきます。

エリカ「外って……」

アンチョビ「よっ!」

エリカ「アンチョビさん……!?」

カルパッチョ「逸見さんお久しぶりー」

ぺパロニ「自分は初めましてッスねー!ぺパロニって言いますどうかヨロシクっス!」

エリカ「これはアンツィオの主力メンバーが勢ぞろいで……あぁだから次の行き先はイタリアなのね」

アンチョビ「あぁ!さぁ行くぞエリカ!お前の為に最高のアンツィオ流の最高のおもてなしを用意したぞ!」

ぺパロニ「西住流のバックアップで飛行機を用意してもらったのでさっそく乗り込みましょうッス!」

カルパッチョ「かなり早いものらしいので明日には到着してると思いますよ」

エリカ「ほんと……私なんかのためにどこまでやるつもりなのよ……」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


飛行機の中

アンチョビ「さてと、着く前に軽く乾杯といこうじゃないか」ワインを持ってくる

エリカ「あらいいじゃない?……へぇこの飛行機、冷蔵庫もあるのね」

アンチョビ「流石にキッチンは用意できなかったから料理は作れないがチーズとサラミを用意しておいたからつまみには困らないぞ!」

エリカ「じゃ頂こうかしら」

カルパッチョ「白と赤のどちらにします?」

ぺパロニ「赤!」

アンチョビ「馬鹿!お前が先に答えてどうするんだ!」

エリカ「フフ……じゃあ私も赤を貰おうかしら」

カルパッチョ「はいどうぞ」

アンチョビ「……それじゃ全員にいき渡ったみたいだから乾杯といこうか!」

エリカ「ええ……そうね、じゃあ再会とこれからにっていうのはどうかしら?」

アンチョビ「うむ!じゃあ我々の久しぶりの再会とこれからに!!」

四人「「「「乾杯!!」」」」


431: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 12:00:04.03 ID:CuDuICy50
おー……おーい……えり……エリカ起きろー……

エリカ「んん……朝……?」

アンチョビ「ああそうだ。そして着いたぞ!」

三人「ようこそ!イタリアへ!!」

エリカ「イタリア……ホント、ずいぶん遠くまで来ちゃったわね」

アンチョビ「見ろ!この果てしなく広がるアドリア海を!透き通るこの海はまさしくイタリアが誇る宝石だ!!」

エリカ「凄い……こんなに海がきれいだなんて……!」

カルパッチョ「今日はこの海で泳ぐのもいいかなと思ったんですけど」

ぺパロニ「どうせなら私達流でおもてなししたいッスから……じゃじゃーん!!」

ポーーーーーーー!!!

エリカ「これは汽笛……?って」

『逸見エリカ様!ようこそイタリアへ!』byアンツィオ高校一同

アンチョビ「お前ら―聞こえるなー!」

\はーーーい!!!!/

アンチョビ「せーのー!」

\逸見さーん!ようこそー!/

アンチョビ「どうだ!!今日は船を貸し切って海の上で立食パーティーだ!!」

エリカ「……一言だけ言っていいかしら?」

アンチョビ「んー?」

エリカ「あなた達、最高にバカね」

アンチョビ「……ああ!このノリと勢いが武器なんでな!」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


エリカ「凄い豪華な船ね……もしかしてアンチョビさんの知り合いみんないるの?」

ぺパロニ「アンチョビ姐さんに関わったことのある先輩や後輩、同級生まで全員いますッス!」

カルパッチョ「これもすべてドゥーチェの成せる業ですね」

エリカ「改めて思ったけど……あの人って本当にすごい人なのね」

アンチョビ「おーいお前ら―!主役が来たからにはみっともない姿を見せるなよー!我々の底力を見せる時だー!」

一同「おおーー!!」

アンチョビ「アンツィオの力を思う存分に発揮しろー!」

一同「ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

エリカ「私、すごい人に教えてもらってるんだって改めて実感したわ」

ぺパロニ「そっすよー!だから今度お店行ったときにその腕前、確かめさせてもらいますッス!」

エリカ「ええ……その時は私も全力でおもてなしさせてもらうわ」



アンチョビ「それじゃみんな準備はできたな!せーのー!」

皆「「「「「いただきまーーーーーす!!」」」」」

432: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 12:16:38.50 ID:CuDuICy50
エリカ「これがアンツィオの本気……なんて物量と機動力なの」

アンチョビ「まぁそれがわが校の特徴の一つだな。料理への愛情と情熱はどこにも負けないさ!……まぁその」

エリカ「これが戦車道にいかせればいいのにね」

アンチョビ「そうなんだよ……まぁそれも私達らしいと言えばそうなのかもな」

エリカ「いいじゃない……そういうのも戦車道にあっても」

アンチョビ「そうだな……よし!今日は飲んで騒いで食べるぞー!!」

エリカ「…………」



ホント、ここにいると今だけ別の世界に来たみたい。

エリカ(家にいた時、黒森峰にいた時、お店を経営してるとき、その全てとは違う広く開放感のある世界)

エリカ(ここにはまた違う楽しみがあり、癒しがある……)

エリカ(こういうのばっかりなら……少しは私も変われるのかしら)

また想像のしてなかった私になれるんだろうか






アンチョビ「あんま難しく考えるなよ」

アンチョビ「今この時だけはお前もアンツィオの一員だ」

アンチョビ「何も考えず、ノリと勢いだけで楽しめばいい」


エリカ「……ええ。そうさせてもらうわ」

今だけは、今だけは、

エリカ「ほら何してるの!!お酒が全然足りないわよ!」

ぺパロニ「おー!言いますねー!それじゃあ酒の飲み比べと行きましょうッス!」

エリカ「望むところよ!全員でかかってきなさい!!」

カルパッチョ「あらあら」

アンチョビ「……よぉーし!者どもかかれー!」

全員「おおーー!!」

433: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 12:20:06.44 ID:CuDuICy50
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・


エリカ「……あー頭痛い。ここどこだっけ」

エリカ「えっと……あのあと日が傾くまでお酒飲んでそれから……あー思い出せない」

??「起きたようだな、エリカ。はいお水」

エリカ「ありがと……ってあれ?」

??「アンツィオの皆は満足してそのまま船で日本に帰って行ったよ。そしてこれからは私の時間というわけだ」

エリカ「ま、まさかあなたは……」

まほ「お   ま   た   せ」



次回からまほドイツ編を始めます。では飯食って出かけてきます

443: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 17:25:40.28 ID:CuDuICy50
まほ「さぁ何から始めようかエリカ結婚新居か?家具探しか?二人で暮らすにはこのドイツのホテルは殺風景だもんな」

エリカ「いや私たちはそんなことをするためにここに来たわけじゃありませんから!それより結婚新居ってどういうことですか!?」

まほ「そうだったな……私としたことが……」

エリカ「まほさん…!」

まほ「まずは結婚式場だな。ドイツにも大きな協会はあるしみんな呼んでも大丈夫だぞ」

エリカ「違うでしょ!!」

まほ「どうしたんだエリカ?もしかして和式がよかったのか?でもそれだと母様が煩そうで」

エリカ「凄い個人的な理由ですね!そうじゃなくて!どうして結婚する前提なんですか!」

まほ「……ちっ、ばれたか」

エリカ「えぇ……」

エリカ「とにかく現状を整理しましょうまほさん。今私たちはどういう状態なんですか?」

まほ「今私たちはドイツのミュンヘンのホテルの一室だ。時刻はそろそろ七時になるところだ」

まほ「アンツィオの皆と一緒にいたのは昨日の夜10時まで、そこから移動をして今の時間というわけだ」

エリカ「私が寝ているうちに結構移動してるんですね……あー叫びすぎて頭が」

まほ「まぁ今日一日はホテルでゆっくりするといい。明日から活動を再開しよう」

エリカ「すみません……」

まほ「夕食はどうする?何も食べていないだろう?」

エリカ「それじゃなんかサンドイッチのような軽く食べられるものが」

まほ「分かった少し待ってろ」バタン

エリカ「……はぁ。考えてみればロシアからイタリア、そして今度はドイツ。大統領だって顔が青ざめる弾丸ツアーよね」

エリカ「でも……楽しかったな、全部」

エリカ「体験してきたすべてが私だけじゃ考えつかないしできなかっただろうし……本当に幸せ者だわ」

エリカ「ホント……私には勿体なさすぎるわ」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


まほ「……エリカ。エリカ?」

まほ「返事が無いな……鍵は掛かってないのか、入るぞ」

まほ「エリカ……なんだ寝ているのか。……ん?」

エリカ「お父様……お母様……すみません……すみません……」

まほ「……」

まほ「母上からの話は本当だったのか」






ケイ、申し訳ないが慰安旅行は少しだけ休憩だ。彼女の隊長として、しなければならないことをさせてもらう。

444: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 17:37:52.60 ID:CuDuICy50
チュンチュン……チュンチュン……

エリカ「ん……朝?」

まほ「そのようだな、おはようエリカ」

エリカ「まほさん……おはようございます……」

まほ「部屋に勝手に入ってしまって済まないな。昨日サンドイッチを持ってきたのだが寝ていたようなので、起きた時に食べられるように置いておいたんだが」

まほ「食べたのか気になってさっき部屋に入ってきたんだが……そのまま寝ていたようだな」

エリカ「すみません……折角持ってきてもらったのに」

まほ「気にしないでいい。私もエリカのかわいい寝顔が見られたからな」

エリカ「!!??///」

エリカ「か、顔洗ってきます!///」

まほ「……さて、今までの旅行でどれほど心境に変化があったかはわからないがやるだけのことはするか」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


エリカ「お待たせしました!」

まほ「いや、別に大丈夫だ。さぁ今日は暫く観光をしたあとに夜にとっておきを用意している。是非楽しみにしておいてくれ」

エリカ「夜……」

まほ「……いや私だから   ぃことはしないから身構えないでくれ」

エリカ「……信用してますからね」

まほ「やれやれ、だいぶ嫌われてしまったな」

エリカ「まほさんが悪いんですから。できればこれからは注意していただきたいです」

まほ「ああ、できるだけ努力しよう」

エリカ(どうしてそこで断言できないのかしら……)

445: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 18:01:51.49 ID:CuDuICy50
ドイツの名所とかあんまり思いつかなかったのでキングクリムゾン!

まほ「そろそろ日が傾いてきたな……」

エリカ「そうですね。楽しい時間というものは早く過ぎて行ってしまいます」

まほ「エリカのお店は外の世界と違って緩やかに時間が進んでいる気がするからなおさらそう感じるのだろうな」

まほ「さて、そろそろ今日のメインディッシュといこうか」

エリカ「そういえばとっておきを用意していると言ってましたが何のことなんですか?」

まほ「エリカの大好物はハンバーグだったな?」

エリカ「そうですね。でもそれが?」

まほ「ここドイツは実はそのハンバーグの起源の国とされている。なら食べてみるしかないだろう」

まほ「本場のハンバーグ、ハンブルグステーキをな」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


エリカ「わぁ~~~!!」

まほ「どうだエリカ?感想は?」

エリカ「これが……これが本当のハンバーグ!!まほさん、さっそく食べましょう!」

まほ「そうだな。では、」

二人「いただきます!」

エリカ「あ~~……っん!ん~~~~!!!」

まほ「これは……恐れ入ったな」

エリカ「これが本場のハンバーグ……!日本で流通しているハンバーグとはまた違うけれども本当に美味しい!」

まほ「あぁこれが本場のハンバーグなのだな」

エリカ「お肉はおそらく一度挽き……だからお肉の触感も残って素材そのものの味が際立ってるのね!あぁこのソースも本当に美味しいわ!」

まほ「エリカなら再現できそうだが……どうだ?」

エリカ「お肉に関してはおそらく近づけることはできると思いますがこのソースが難関……というより真似はできないと思います」

エリカ「ハンバーグのソースはいわばその店の血液ですから本職の人のこの味を再現するには十年は通い詰めなければ無理だと思います」

まほ「そんなに凄いのか……」

エリカ「だからこの一瞬を。この一瞬しかないこの時を忘れないようにしたいです」

まほ「そうか……それじゃあ私も忘れないようにしないとな」

エリカ「まほさんも作ってみるんですか?」

まほ「いや、私はこうやって、二人で食べているこのひと時を大切にしたいんだ。……何だか恥ずかしいな///」

エリカ「……いえ、私も忘れないです。こうやって二人で最高の味を共有したこの一瞬を」

まほ「……ありがとう、エリカ」

446: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 18:18:16.41 ID:CuDuICy50
エリカ「今日はごちそうさまでしたまほさん」

まほ「いやまだ終わりじゃないんだ」

エリカ「え?」

まほ「実はエリカにうってつけのお店があるんだ……さぁ着いたぞ」

エリカ「ここは?」

まほ「まぁドイツで密かに人気のスイーツの食べられるバーなんだ。さぁ入ろう。予約は取ってあるさ」

エリカ「スイーツの食べられるバー……」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


店員「どうぞ、アイアシェッケとフォション・アップル二つです」ドイツ語で言ってると思ってください

まほ「ダンケ。じゃあ乾杯しようか」

エリカ「はい、では」

二人「乾杯」

エリカ「……ふぅ。美味しいですね」

まほ「あぁ。スイーツの味を邪魔しない程度に甘く、またこのアイアシェッケともよく合う」

エリカ「本当ですね。私もおかし作ってみようかしら」

まほ「おかし作れるのか?」

エリカ「少しですけど。ただまほさんたちが来る前までは主に男性が客層の中心だったのでおかしを作るのどうかと思いまして、遠慮していたんです」

エリカ「でも、今は若い女性のお客さんも増えてきたので少しはメニューに追加してもいいかなと」

まほ「それはいい。私もみほもお菓子は大好きだからな。もし、試供品ができたのなら是非呼んでくれ」

エリカ「まほさんただお菓子食べたいだけなんじゃ……まぁその時が来たらですけどね。いつになるかわからないですし、メニューに加えるかも未定ですので」

まほ「それなら……今度お菓子を一緒に作ろう」

エリカ「私は大丈夫ですけど……まほさん作れるんですか?」

まほ「……頑張る」

エリカ「簡単なのから作りましょう……ね?」

まほ「……うん」

447: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 18:57:27.19 ID:CuDuICy50
エリカ「それで、ここに来た理由は何ですか?」

まほ「?私はエリカの参考になるかと思って」

エリカ「舐めないでくださいまほさん。これでも短いながらも多くの人に会ってきました」

エリカ「まほさん、アナタは私に何か……あるんじゃないですか?」

まほ「……エリカのことだ」

エリカ「私?」

まほ「エリカの家族と大学、今の状態についてだ」

エリカ「……」

まほ「入学当初。私達西住流ではみほの入学により更なる躍進ができると皆考えていた。みほを副隊長にすることで圧倒的連携を成功させ、世界に西住流を広めるつもりでいた」

まほ「だがそこにとある生徒が入学してきた。みほと肩を並べる逸材が入学してきたのだ。その逸材の三人なら世界は確実だと思われた」

まほ「しかしそこでプラウダとの一件があり、みほが学校を去ったとあって本家は相当な危機感を感じたらしい。だが私達にはその逸材がいるおかげで面目を保つことができた」

まほ「だがそれと同時に疑問が発生した。幼いころから西住流の教育を受けてきたみほに劣るに勝らない存在の人物が突然現れるだろうか?と」

まほ「そして西住流の情報網を通じ、その逸材を調べ上げた。するとその逸材は島田流の分家の後継者、そして将来は島田流の柱となるべき存在であった、っと」

まほ「当時、西住流は島田流とは確執があったのは知っていると思うが、お互いの中に過剰に反応する存在がいたんだ」

まほ「『島田流の教えを受けながら西住流に下る軟弱者』、『西住流を崩壊へと導くであろう島田流の手先』」

まほ「だが素性が分かっただけではお互いに目立った行動に移すことはなかった。しかし、私たちが破れ、無名の大洗が優勝したことにより一部の西住流の門下生が反応してしまったんだ」

まほ「『あいつが来たから西住流は破れてしまった』」

まほ「そして大学選抜で逸材は島田流を敵に戦ったことで『島田流に本格的に反逆の意思を見せた裏切者』』と言うものが出てきた」

まほ「そしてその逸材の存在を許せなくなったやつらが結託……いや偶然というべきなのかもしれない。そいつらの仕業によりその逸材は大学受験に失敗させられた」

まほ「そして、二度と戦車道へと戻ってこれないように籠へと閉じ込めた。これがその逸材に降りかかった出来事の全貌だ」

まほ「西住流と島田流の家元がその出来事を把握したのは最近のことだ。現在、西住流はその一連の出来事の主犯と思われる家を破門とした。が、問題は島田流だ」

エリカ「やめて……やめてください……」

まほ「島田流の主犯は……エリカ、お前の両親だ」

エリカ「いや……そんな……そんな……」

まほ「エリカの姉が止めに入ったそうだがその時すでに両親は精神的に不安定でだれにも止めることはできなかったらしい」

エリカ「嘘よ……そんなの……」

まほ「私たちが事情を聴きに行こうとしたら、両親は精神病院へと隔離されているらしい。姉が気を使ったのだろう、エリカには知らせないでくれと言われていたらしく、私達のところまで回ってくるのが遅くなってしまった」

エリカ「…………」

まほ「すまない……」

エリカ「どうしてまほさんが謝るんですか……?」

まほ「私が……もっと早く事情に気が付いていれば……」

エリカ「違う……違いますよ……」

エリカ「全部、ぜ~んぶ私のせいなんですから」

まほ「エリカ!?」

エリカ「マスター、お代はここにおいておきますから」

まほ「待て!エリカ!」

448: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 19:18:45.93 ID:CuDuICy50
エリカ「……」

・・・
・・


母『どうして……どうしてアナタがそんなことを……』

??1『お母様、どうかご理解いただきたいのです。この狭い海では本当にあるべき自分を押し殺してしまうと』

??1『私にはこの島田流という海は果てしなく小さく深すぎます。このままでは私が私でいられなくなる。その為に家を出るのだと』

父『このバカ娘が!!もう二度と顔を見せるな!!』

??1『ええそのつもりです。ではお父様、お母様、ごきげんよう。』

エリカ『お姉様、どこへ行かれるのですか?」

??1『エリカ、今は分からなくてもいいわ……あなたが本当に見つけるべきものを見つけ、信じるがままに進みなさい。それはきっとあなたの為になるわ』




エリカ『お姉様、久しぶりに帰ってきたのにもうどこかに行ってしまわれるのですか?』

??2『そうだね。今度の旅はすごく長くなりそうだ』

エリカ『お姉様が旅に出てからお父様もお母様もそうとう精神状態が不安定で……』

??2『エリカには迷惑をかけてしまったと思ってるし、申し訳ないとも思ってる』

??2『でも、エリカ。それでも私は旅に出なくてはいけないんだ』

??2『今までの教えの中では分からなかった大切なものを見つけに行きたいんだ』

??2『おそらく私は二度とこの家の敷地に入れないだろうけど悲しんじゃいけない』

??2『旅をしていれば必ず風が私達を引き付けてくれるさ』

エリカ『私には分からないわ……いいわ。私がなんとかしてみる。だから行ってらっしゃい、お姉様』

??2『ありがとうエリカ。じゃあ行ってくるよ』






エリカ『私も……ついに受験生ね。ん?』

エリカ『こんな遅くに書斎に光が……!』

父『あぁ……エリカ……私たちの最後の希望』

母『これで島田流の皆様に貢献できるわね』

父『ああ離すものか。エリカだけは何としても逃がさないぞお前。この家からは出さないつもりでいろ』

母『ええ……これでやっと……』

エリカ(これって……これじゃあ私……人形じゃ……)

ガタンッ!

父「ん……?おぉエリカ!受験勉強お疲れさま』

母『あらホント。ほんと優秀な子でお母さん嬉しいわ』

父『これなら島田流の家元に御見せしても恥じないだろう!』

母『ええ!本当に素晴らしいわ!』

エリカ(違う……この人たちは私のことは道具で……島田流の力になることしか考えてない!)

エリカ(こんなの……こんなのって!)

エリカ『お、お父様!お、お母さま!お先に失礼します!』

父『あぁしっかりと寝ろよ』

母『ええ、おやすみなさい可愛いわが子』

エリカ『……逃げなきゃ。逃げなきゃ私は……私は!』

450: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 19:37:21.37 ID:CuDuICy50
エリカ「逃げて……逃げて……その結果がこれ」

エリカ「結局は私はお姉様のようにはできなかったわけ……」

エリカ「はぁ~バカみたい!私は何をしてきたのかしら?」

エリカ「本当に不器用で……惨めな負け犬ね」

エリカ「必死に守っていたお店も結局は都合よく私を閉じ込めるための檻。そこで私は必死に、何も知らず、生き甲斐のように働き、わが子のように愛した」

まほ「それを、エリカは、誇りと、思わないのか!?」

エリカ「……」

まほ「思い出してみろエリカ……お前はあんなにも楽しそうに店を、お客を、愛していたじゃないか!」

エリカ「そうですよ……でもね、みほさん……いえ、隊長」

エリカ「それも全部仕組まれていたことなんですよね?」

まほ「エリカ……?」

エリカ「すみません隊長。暫くは無理そうです……お店に戻るのも、戦車道について思い出すのも、考えるのも」

まほ「落ち着けエリカ!あんな話の後だから混乱しているだけだ!だかr」

エリカ「ん……」

まほ(キス……!?どうして……)

エリカ「尊敬してました……でも今は西住流も、島田流も、信じられません」

エリカ「大好きでした、まほ隊長」

まほ「エリカ……」

エリカ「あとすみません。この携帯でケイさん達と連絡を取り合ってたんですね」

まほ「!?いつのまに……さっきの!」

エリカ「こっからは私がこれを引き継ぎますので……リストを見るとまだ多くいるみたいですね」

まほ「待て、待ってくれ!」

エリカ「来ないでください!!」

エリカ「ここで……さよならです」

まほ「エリカ……」

エリカ「それでは……会うかわかりませんが」

まほ「エリカ……エリカぁ……!!」



452: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/07(火) 19:42:20.39 ID:CuDuICy50
プルルルル……プルルルル……

「はーいこちら作戦本部のケイよー。どうしたのー?」

「ケイさん、私です」

「あれー?まほじゃないのー?」

「隊長は体調不良のようなのでこの携帯を預かりました。しばらくはこの携帯、私が持っていてもいいですか?」

「まーいいけど……大丈夫?」

「どうしました?」

「何だか……声、震えてるわよ」

「……大丈夫ですよ。あと、しばらくお店は閉めておいてください。ケイさんどうせ失敗しまくってるんでしょ?」

「うぐっ!やっぱりあなたのようにはできなかったわ……OK、じゃあ明日からしばらくお休みの看板を出しておくわね」

「お願いします。では私はこのまま次の集合場所まで行きます」

「はーい」ガチャ





「じゃあ行きますか。次はエルヴィンとロンメル所縁の地か……楽しそうじゃない!」

「きっと楽しいんだろうなぁ……えへへぇ」

463: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/08(水) 09:34:03.61 ID:TJfKSPB/0
チェニジア 某所

エルヴィン「ふむ……そろそろ定時報告の時間なんだが……」

エルヴィン「ミハエルが携帯を預かったと報告は聞いてるがこうも連絡が遅れるとな……ん?」

ブロロロロロロ……

エルヴィン「トラック?ってミハエルが乗ってる!?」

運転手「~~~~~~~!~~~~~!」

エリカ「~~~~~!~~!」バイバーイ

ブロロロロロロ……

エリカ「ふぅ……お待たせ、エルヴィン」

エルヴィン「あ、ああ大丈夫だが……手筈だと西住流の専用車で来るんじゃなかったのか?」

エリカ「んーこっちのほうが旅らしくていいと思ってね。あの人たちには申し訳ないけど、折角なんだから楽しまなないとね」

エルヴィン「まぁ今回はミハエルが癒されるのであればいいのだろうか……?あと定時連絡だけは入れてほしかったな」

エリカ「あ、ごめんなさいね。運転してる人の横で電話話すのもアレだと思って」

エルヴィン「それもそうか。では行こうか!」

エリカ「ええ!あぁ~楽しみだわ~!」

エルヴィン(なんだか雰囲気が変わったな……よほど今までの旅が楽しかったんだろう)

・・・・・
・・・・
・・・
・・


エリカ「チェニジアってことはやっぱりあそこかしら?」

エルヴィン「あぁ大体察しはついているだろうけどエルヴィン・ロンメルを語るにあたって避けてはならない戦い。そう!」

二人「カセリーヌ峠!!」

エリカ「あのロンメルが連合国に対して最後の勝利となった場所ね」

エルヴィン「そうだな。連合国側の損害の数字から見るに余程の激戦だったのだろう」

エルヴィン「戦車道にもこういう昔の戦場の再現というのがあれば面白いと思わないか?」

エリカ「そうかもね。まぁ無理だと思うけど」

エルヴィン「どうしてだ?」

エリカ「だってそんなことしちゃったら……私、本気で敵を潰しちゃいそうだもの」

エルヴィン「っ!」ゾクッ

エリカ「……なんか感情移入しちゃうってだけよ。戦車道は戦争とは違うもの」

エルヴィン「あ、あぁそうだな……」

エリカ「さ、もう少し見て回りましょう」

エルヴィン(これは、何かあったな……)

464: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/08(水) 09:35:15.66 ID:TJfKSPB/0
あ、カセリーヌ峠について詳しく知りたかったら素直にwiki見てください。自分じゃあの戦いを纏めるのは無理です。

465: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/08(水) 09:51:20.05 ID:TJfKSPB/0
暫くして……

エリカ「あー楽しかった!」

エルヴィン「満足していただけたかな?」

エリカ「ええ。楽しかった……そして改めて実感したわ」

エリカ「私はロンメルの事、本当に好きだったんだって」

エルヴィン「ふ、流石はソウルメイト。ミハエルをここに連れて来て正解だったよ」

エリカ「今度は二人でロンメルの生まれた所にも行ってみたいわね」

エルヴィン「そうだな。今度は二人で計画をして行こう」

エリカ「二人でもいいけど、折角のソウルメイトも誘っていきましょうよ。人数が多い方が楽しいわ」

エルヴィン「ん?まぁミハエルがそういうのなら」

エリカ「ええ。今日はありがとう、エルヴィン」

エルヴィン「ああ、こちらこそ。しっかりと旅を楽しんできてくれ」

エリカ「言われなくてもそうするわよ」

エルヴィン「それじゃ次の予定地に運んでもらうように西住流に連絡させてもらうとしy」グシャ……

エルヴィン「え、携帯が」

エリカ「西住流には、何も言うな」

エルヴィン「ミ、ミハエル……?」

エリカ「……ごめんなさい。ちょっと高翌揚感が残ってたのか携帯壊しちゃったわ」

エリカ「はいこれ。隊長の携帯だけどまだ使えると思うからこれ使って」

エルヴィン「あ、ああ。それじゃ借りるとするよ……」

エリカ「……」

・・・・・
・・・・
・・・
・・


エルヴィン「……ではそのようにお願いします。おいミハエル!すぐに迎えが来るそうだぞ!何だか凄い息が荒かったが何かあったのか?って」

エルヴィン「ミハエル……?どこだー!ミハエルー!」

エルヴィン「居なくなってしまった……ん?これは……手紙に重しが乗ってる?」ペラペラ

『さっきはごめんなさいね。せっかくの旅だからこのまま一人で次の目的地に向かうとするわ。また日本で会いましょう』

エルヴィン「ミハエル……何があったというんだ……」









「企画者の連絡先と目的地はメモ取ったから大丈夫……次の予定なら日本だけど……」

「折角だから行ってみましょうかかしら……イギリス」

「あぁ~……楽しみだなぁ!」

466: ◆5XLLhK8kNI 2016/06/08(水) 09:52:53.07 ID:TJfKSPB/0
戻れないところまで来てると思いますがこのあとどうなるかという落ちまでは考えていますんでどうか最後までお付き合いください。

最後までの過程で全部のお題消化しますので大丈夫です。では飯できたので行ってきます