ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!!」

ヴァイパー「春麗! PVの第一弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!!」 

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!!」

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!!」 

ヴァイパー「春麗! PVの第三弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!」 前編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!!」 後編

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!」 後編

1: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:00:53 ID:lY.874VQ
さくら「……よしっ!」グイッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、さくら選手も今サードロープ下を潜り、リングへと戻ってきました」

ガイル「うんっ!」


さくら「はぁっ、はぁっ、決めてやるっすっ……! 立ってっ……!」グイッ

春麗「ああっ……ううっ……」ググッ


オー ! オーオー !

実況「そして春麗選手の頭部を持ち、引き起こしていきます」

ガイル「チャンス来てるんじゃねぇのか……なぁ……?」

ヤムチャ「来てるかもしれませんよねぇ!?」


さくら「……いっくぞぉっ!」ガシッ

春麗「……うっ!」


オー ! オーオー !

実況「そしてさくら選手は春麗選手の頭部を自身の脇下へと抱え込むように組かかっていきました!」

ガイル「おおっ!」

4: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:08:13 ID:lY.874VQ
さくら「……ったあああぁぁ!」グイッ

春麗「くっ、くっ……くあっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「間を開けずに一気にその身体を抱え上げていきますっ! おぉ~っと、春麗選手の身体が真っ逆さまへと抱え上げられましたっ!」

ガイル「ブレーンバスターだねぇ!」


さくら「ふんぬぬぬっ……! とおぉぉりゃああぁっ……!」グルンッ

春麗「あっ、あっあっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、更に抱え上げたまま、さくら選手は回転っ! 回転していきますよっ!?」

ガイル「おぉ~っと、ここで得意の旋回式ィ!」


さくら「……ったあああぁぁ!」

春麗「ぐっ、ぐぐぐぐぐっ……!」ズドーン


YEEEEEAAAAAAH !

実況「四分の三回転っ……! 270度程回転した所で春麗選手の身体を後方へと落としていきますっ! さぁ、春麗選手の身体を背中からマットへと叩きつけていきましたっ!」

ガイル「いやっ、腰だね!」

5: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:15:27 ID:lY.874VQ
春麗「あっ、あっ、あっ……ガ、ガガ……」ブルブル


実況「おっと、仰向けにマットへと打ち付けられた春麗選手が、ここはうつ伏せの状態へとなり……おぉ~っと、これは腰を押さえていますねぇ!?」

ヤムチャ「さっきの場外でも腰やられてましたよね?」


さくら「……よしっ!」ムクッ

春麗「くっ、くっ、くっ……」ブルブル

さくら「……てやあっ!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてさくら選手は立ち上がり、おっとぉ! そんな春麗選手に向かって飛び込んでいきます!」


さくら「ったあああぁぁ!」ドスッ

春麗「……ガッ!」


YEEEEEAAAAAAH !

実況「空中で両膝を折り畳み……そして、春麗選手の上から飛び乗っていきます! これもまた、腰ですかね!?」

ガイル「腰だな! ダブルニードロップだっ!」

6: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:22:45 ID:lY.874VQ
さくら「よしっ……! よしっ……!」ガシッ


オー ? オーオー ?

実況「さぁ、さくら選手はそのまま春麗選手の腰の上に乗ったまま……おぉ~っと、左腕を春麗選手の首筋に回し……右腕は足を捉えていきますっ!」

ガイル「おおっ、いいねぇ!」


さくら「ギブアップしてもらいますよっ……! たりゃああっ……!」ゴロン

春麗「あっ、ああっ……! くあっ……!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてさくら選手は背後に倒れ込むような動きを見せ……おっと、背中をマットにつけ自身の下にいる春麗選手の身体を今度は上へと持ち上げていきます!」

ガイル「ボー・アンド・アローっ! 弓矢固めだな!」

7: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:28:25 ID:lY.874VQ
さくら「でりゃっ……! でりゃ、でりゃっ……!」ギリギリ

春麗「ガッ……ガッ、ガッ……!」

ダルシム「……ギブアップかねっ!?」


YEEEEEAAAAAAH !

ガイル「これも腰にダメージを与えていく技だな! 相手の身体を弓みてぇに反らして痛めつけていくんだっ!」

実況「なるほどっ! 春麗選手はさくら選手の両膝によって腰を持ち上げられ、頭部と足を腕によってググッと下に反らされていますっ! まるで弓矢の弓丈のような状態になっています!」

ヤムチャ「これ、ロープから遠い位置で仕掛けますよねぇ!?」

ガイル「……と言うか、ありゃ移動出来ねぇよっ!」

実況「確かにっ……! 春麗選手、これでは動く事すら出来ませんっ!」

8: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:34:23 ID:lY.874VQ
さくら「……ったああぁぁっ!」ギリギリ

ダルシム「どうするっ……!? ギブアップかねっ!?」

春麗「ガッ、ガガっ……ノ、ノーっ……!」


レッツゴー、サクラ ! (パン、パン、パパパン ! ) レッツゴー、サクラ ! (パン、パン、パパパン ! )

実況「……となると、これはもう決まってしまったのかっ!?」

ガイル「この終盤でねぇ……やっぱり、スタミナが残ってるかって言ったらなぁ……!?」

実況「おぉ~っと、そうこう言ってるうちに、会場からはさくら選手に向けての声援が飛び交ってきましたっ!」


さくら「会場こっちの味方っすよっ……! ってえぇりゃああっ……!」ギリギリ

春麗「くっ、くっ……! こんなの一時的な物よっ……! たああぁぁっ……!」モガモガ

さくら「おっ……!? おっ、おっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、しかしここは捉えられている春麗選手がっ……!? おぉ~っと、身体を大きく大きく横に振りもがくっ! もがいていきますっ!」

ガイル「おっとぉ!? まだ、スタミナ残ってんのかっ!? いや、最後の力かもしれねぇなっ!」

9: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:38:57 ID:lY.874VQ
春麗「んあっ……! んああっ……!」モガモガ

さくら「くっ、くっ……! 暴れるなっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、さくら選手の膝の上で春麗選手が暴れに暴れ、非常に不安定な体勢です! どうだどうだどうだっ!?」

ガイル「どうだっ!?」


春麗「くああっ……! たああぁぁっ……!」ボトッ

さくら「……しまったっ!」


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、ここで落ちましたっ! 春麗選手の身体がっ……! さくら選手の膝の上から落ちましたっ!」

ガイル「おぉ~っと、逃れたかっ!? でも、まぁ王者の意地っつうのもあるからなぁ! うんっ! うんっ!」

10: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:46:06 ID:lY.874VQ
春麗「はぁっ……はぁっ……!」ブルブル


YEEEEEAAAAAAH !

実況「さぁ、なんとか逃れたか春麗選手ですが……あ~っと、立てませんっ! ここは立てませんっ!」

ガイル「やっぱり、限界は近づいてるんじゃねぇか!?」

実況「腰のダメージでしょうか!? それとも体力が限界に近づいているんでしょうかっ!?」

ガイル「どっちもだっ! どっちもどっちも!」


さくら「逃しはしましたが……流れは自分っすっ……!」ムクッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そんな春麗選手を尻目にさくら選手は立ち上がってきますっ! ここで立ち上がってきますっ!」

ヤムチャ「おおっ」

11: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:51:00 ID:lY.874VQ
さくら「いくっすよっ……! てやああぁぁっ……!」ダダッ

春麗「……くっ」チラッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてさくら選手は、春麗選手の隣を通りすぎるように……これはロープですか!?」

ガイル「ロープだな!」

実況「ロープ目掛けて走っていきましたっ!」


さくら「……いっくぞおおぉぉっ!」グイッ

春麗「……ううっ」ムクッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてさくら選手がロープの反動をつけるっ! 返ってくるっ! 春麗選手が立ち上がるっ!」

ガイル「狙ってるぞっ!?」

実況「正面から突っ込んでいくっ! 拳をググッっと握るっ!」

12: 名無しさん 2016/06/20(月) 22:58:21 ID:lY.874VQ
さくら「咲桜拳っ……! てやああぁぁっ……!」

春麗「……破ああぁぁっ!」クルッ

さくら「……えっ?」


オー !? オーオー !?

実況「そしてここで渾身の一撃を……あ~っとぉっ!」

ヤムチャ「……あああっ!?」

ガイル「おおおっ!?」


春麗「……破アアアァァっ!」スパーン

さくら「……カッ」クラッ


YEEEEEAAAAAAH !

実況「ここはカウンターですっ! カウンターだ、カウンターですっ!」

ヤムチャ「あ~っとっとっとぉ~!」

ガイル「おおおっ!」

実況「春麗選手がさくら選手の動きに合わせて、クルっと一回転した高い打点の蹴りを打ち込んみましたっ! これは顔面にいきましたかね!?」

13: 名無しさん 2016/06/20(月) 23:05:47 ID:lY.874VQ
さくら「あっ、ああっ……!」クラッ

春麗「……双発剄っ!」ドスッ

さくら「……ああっ」ヨロッ


オー !? オーオー !?

実況「さくら選手はガックリと……あっ、いやっ! ここは春麗選手、両手をさくら選手の腹部へと添えるようにして……おっとぉ、更に突き飛ばすっ!」

ガイル「双発剄だな!」


春麗「いくわよ、破ああぁぁっ……!」ググッ

さくら「……ううっ」


オー !? オーオー !?

実況「春麗選手は少し横に移動して……おぉ~っと、何やら構えを取りながら屈み込みましたっ!」

ガイル「……来るぞ、オイっ!」


春麗「千裂脚っ!」

14: 名無しさん 2016/06/20(月) 23:09:56 ID:lY.874VQ
春麗「……破アアアァァ!」ズガアァ

さくら「がっ……がっ……がっ……がっ……!」ヨロヨロ


YEAH ! YEAH ! YEAH ! YEAH !

実況「身体を半身にしながら、無数の蹴りをさくら選手に目掛けて打ち込んでいきますっ! おっと、打ち込む打ち込む打ち込むっ!」

ガイル「一発逆転っ……! ここで神脚を見せてきやがったっ!」


春麗「破アアアァァ……!」ズガアァ

さくら「ぐっ……ぐっ……ぐっ……ぐっ……」ヨロヨロ


YEEEEEAAAAAAH !

実況「さぁ、一歩前進しながら今度は逆の足っ……! 逆の足で打ち付けていきますっ! これが神脚かっ!? これが神脚なのかっ!?」

ガイル「これが神脚だっ!」


春麗「終わらないわよっ……! 破アアアァァ……!」ズガアァ

さくら「あっ……あっ……あっ……あっ……」


YEEEEEAAAAAAH !

実況「あ~っと、まだいきますまだいきますっ! 更に更に一歩前進しながらの無数蹴りの連打っ! 何処までいくのでしょう!? 何処までいくのでしょう!?」

15: 名無しさん 2016/06/20(月) 23:14:54 ID:lY.874VQ
春麗「……フィニッシュっ!」ズガァ

さくら「……ガッ!」ドスッ


YEEEEEAAAAAAH !

実況「さぁ、なんとなんと春麗選手の蹴りの連打連打でさくら選手はコーナー方向まで押しやられてしまいましたっ!」

ガイル「おうおうおうおう」

実況「そして、春麗選手はさくら選手の腹部に止めと言わんばかりに、強い蹴りを打ち込みコーナーマットへとその身体を打ち付けていきますっ!」


春麗「……これで、終わりよっ!」ガシッ

さくら「……う、ううっ」

春麗「……よいしょっ!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「そして春麗選手はさくら選手の両太腿を下から掴み持ち上げ……おぉ~っと、コーナーポスト上へとその身体を乗せていきますっ!」

ガイル「おうおう、狙ってるぞっ……!?」

16: 名無しさん 2016/06/20(月) 23:19:17 ID:lY.874VQ
春麗「……いくわよっ!」ジリジリ


オー !? オーオー !?

実況「春麗選手はそこから少しばかり後退っ! さぁ、コーナーポスト上のさくら選手を見ていますっ!」

ガイル「くるぞぉ~!」


春麗「……いくわよっ!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そして……さくら選手に向かって一気に突っ込みましたっ!」


春麗「……はああぁっ!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「いやっ……! 違いますっ! 違いますっ! ここはさくら選手の正面っ……! トップロープに一気に飛び乗りましたっ!」

17: 名無しさん 2016/06/20(月) 23:24:13 ID:lY.874VQ
春麗「破ああぁぁっ……!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「更にそこからもう一度ジャンプして、今度はさくら選手の首筋に両脚を回していきますっ!」


春麗「これでっ……!」ググッ

さくら「あっ……ああっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「そこから後方宙返りのような形で、両脚で捉えたさくら選手の身体を……!?」


春麗「終わりよっ……! 破ああぁぁっ……!」

さくら「……あっ、あああぁぁっ!」ズドーン


YEEEEEAAAAAAH !

実況「マット目掛けて落としていきますっ! 叩きつけていきますっ!」

ガイル「雪崩式フランケンシュタイナーァ!」

実況「さくら選手の身体が3メートルの高さから一回転して、マットへと叩きつけられましたぁ!」

18: 名無しさん 2016/06/20(月) 23:28:49 ID:lY.874VQ
さくら「……あっ、あっ」

春麗「はぁっ、はぁっ……ふう……」ムクッ


YEEEEEAAAAAAH !

実況「さくら選手は動きません! ピクリとも動きませんっ! そして春麗選手が立ち上がりますっ!」

ガイル「これは……どうだろ……? 決まったんじゃねぇか……!?」

ヤムチャ「いや~、まだわかんないですよっ……!」

実況「さぁ、春麗選手はフラフラとさくら選手に近づいていきますっ!」


春麗「レフェリー、カウントをお願い……」ガバッ

ダルシム「……うむっ!」


YEEEEEAAAAAAH !

実況「そしてさくら選手の身体の上へと覆い被さりますっ! フィールに入りましたっ! さぁ、どうでしょうっ!? レフェリーがカウントを数え始めましたよっ!?」

ガイル「どうだどうだどうだっ!?」

ヤムチャ「ど~うだぁ!?」

19: 名無しさん 2016/06/20(月) 23:33:12 ID:lY.874VQ
ダルシム「ワンっ……!」

ワーン ! ワーン !

ダルシム「ツーっ……!」

ツー ! ツー !

ダルシム「……スリィィィィッ!」

スリー ! スリー、スリー ! YEAH ! スリー !


実況「スリーカウントですっ! ここでスリーカウントですっ! スリーカウントォ!」


ダルシム「スリーカウントだっ! ヤムチャ君、ゴングをっ!」ビシッ

ヤムチャ「おっ……おっ、おっ、おっ……」カンカンカーン


YEEEEEAAAAAAH ! YEEEEEAAAAAAH !

実況「ここで試合は決着ですっ! スリーカウントですっ! 今、試合決着の鐘の音が響き渡りましたぁ!」

30: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:00:44 ID:yDJkYjFE
ひなた「あ~っ、負けちゃったぁ~!」

ジェシカ「負けちゃったね」

ひなた「でも、惜しかったでしょ……!? 後、ちょっとだった。後、ちょ~っとっ!」

ジェシカ「……んん~?」

ひなた「紙一重の差だったじゃないですかっ!? 本当、後ちょっとっ……!」

ジェシカ「ゴメン。私、そこまでわからない」クスクス

ひなた「え~、惜しかったじゃないですかっ!? もうちょっと、も~うちょっと……!」

ジェシカ「フフ、だからわかんないってば」クスクス

31: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:05:49 ID:yDJkYjFE
YEEEEEAAAAAAH ! YEEEEEAAAAAAH !

ダルシム「只今のさくら選手対春麗選手は、春麗選手の勝利でございますっ!」


実況「さぁ、今勝者の勝ち名乗りが行われますっ! この試合、勝利したのは春麗選手です。しかし、春麗選手もさくら選手も……まだ立つ事が出来ません」

ガイル「まぁ、結構ガチでやりあってたからねぇ」

実況「メインイベントに相応しい試合でした」

ガイル「まっ、春麗選手が王者の貫禄を見せつけたって所かな?」

実況「いや~、その通りですね。王者の貫禄を見せつけました」

ガイル「でもね……俺はさくら選手も王者相手によく戦ったと思いますよ」

実況「いや~、そうですね。大健闘と言った所ではないでしょうか?」

32: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:11:05 ID:yDJkYjFE
ガイル「さくら選手もね、手数では負けてはいなかったんだよ……まぁまぁ、最後の千裂脚は置いておいて……手数では五分だったと思う」

実況「はいはいはいはい」

ガイル「ただねぇ、一撃一撃の重さって言うのかねぇ……? やっぱりその辺が春麗選手だったよね。そこが、春麗選手の方が勝ってたような印象」

実況「なるほど!」

ガイル「勝敗を分けたのは、そこじゃないかな? うん」

実況「なるほどっ! ガイル選手はそう言った分析だと……ヤムチャ選手なんかはどう思われますか?」

ヤムチャ「……うぇっ!?」ビクッ

ガイル「……なんつー声、出してんだよ。お前、ちょっと油断してただろ?」

ヤムチャ「い、いやいや……ナ、ナハハ……!」

ガイル「俺ばっかり喋ってるじゃねぇかよ、この野郎……しっかりしろっ!」

ヤムチャ「ナ、ナハハ……」

33: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:18:48 ID:yDJkYjFE
実況「まぁまぁまぁ、ガイルさん……まぁ、確かにガイル選手の方が色々と私の隣で解説して頂いてたような印象が残っておりますが……」

ガイル「あの~、彼はねぇ……? 試合を集中してみちゃうタイプなんですよ。俺は結構、喋りながら見るのが好きだからさぁ……?」

実況「それではね、試合も終わった事ですし思う存分お話して頂きましょうじゃないですかっ!?」

ガイル「そうだぞ~」

ヤムチャ(試合中は一切話題振ってくれなかった癖に、このタイミングで振ってくるのかよっ……!? しかも、思う存分って……だぁ~っ!)

実況「ヤムチャ選手なんかはいかがでしたかね、この試合っ!?」

ヤムチャ「あ~っと……え~っと、え~っとねぇ……う~んと……」

ガイル(……テキパキ喋りなさい)

35: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:26:55 ID:yDJkYjFE
ヤムチャ「え~っと、さくら選手がドーンと顔面打たれて……それで、その後フォールされた時あったじゃないですか……?」

ガイル「……キル・スイッチの時かな?」

実況「はいはいはいはい。ありましたねぇ」

ヤムチャ「……俺、あの時終わったと思ったんですよ」

実況「はいはいはいはい」

ヤムチャ「でもそこから返して、そのぉ~……粘り……みたいなのをまた見せてくれたじゃないですか?」

実況「そうですねぇ。私も決まったかな……!? なぁ~んて、思いましたよ!」

ガイル「俺も俺も」

ヤムチャ「こ~う、なんだろうなぁ……!? 上手くは言えないけど……そういう部分がよかったですよ、俺は! あそこから、また頑張れ~、負けるな~って気持ちになりました!」

36: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:31:57 ID:yDJkYjFE
実況「結果としてはさくら選手は敗れてしまいました! しかし、それでもヤムチャさんの言う通り、最後の最後まで……ねぇ……!? 諦めない姿勢と言うものを見せてくれたのではないでしょうか!?」

ガイル「そういうのは大事だからね。大事、大事。王者相手によくやったよ。俺、勝つんじゃないかな? って思う場面もあったもん!」

実況「春麗選手だけではなく……これはさくら選手にも、拍手を送りたい所ですね」

ヤムチャ(う~ん、ガイルさんみたいに上手く言えないなぁ……でも俺はこういう感じなんだろうなぁ……)

実況「おぉ~っと……? そして、ここでリング上では……春麗選手が立ち上がってきますかね?」

ガイル「あっ、本当だ。動けるようになったのかな?」

37: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:37:21 ID:yDJkYjFE
YEEEEEAAAAAAH !

春麗「はぁっ、はぁっ……う、ううっ……ほら、さくら……」グイッ

さくら「……ううっ」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、春麗選手はここで倒れているさくら選手へと手を伸ばし……そしてさくら選手の身体を立たせていきますねぇ!?」

ガイル「おっ、そうだね」


ダルシム「それでは試合を行ってくれた両者に……今一度大きな拍手をお願いしますっ!」


パチパチ、パチパチ

実況「さぁ、そして会場からは惜しみないない拍手が試合を行った両者に対して送られますっ!」

38: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:45:12 ID:yDJkYjFE
春麗「……マイクを貸して頂戴」スッ

ダルシム「……うむ」


オー !? オーオー !?

実況「そしてここでマイクを握りましたっ!」


春麗「はぁっ、はぁっ……楽しんでもらえたかしら……?」


YEEEEEAAAAAAH !

実況「さぁ、そして春麗選手が言葉を発しますっ!」


春麗「そう、それは良かった……も~う、ねっ……? あんた達の元気に負けないようにするが、一番しんどい事だったかもしれないわよ……元気すぎるわよ、あんた達……」


YEEEEEAAAAAAH !

実況「さぁさぁ、春麗選手は続けます!」

39: 名無しさん 2016/06/22(水) 22:54:29 ID:yDJkYjFE
春麗「でもねっ……! アタシはやっぱり元気のいい人達は大好きよっ!」

オー !? オーオー !?

春麗「あんた達は勿論の事……今日の対戦相手のさくらっ……!?」

オー ! オーオー !

春麗「元気だった……と言うか元気すぎるのよ……いや~、危なかったわねぇ、本当……」

オー ! オーオー !

春麗「健闘した彼女にも、今一度拍手をして頂戴っ……!」グイッ

さくら「……おおっ」ググッ


実況「さぁ、春麗選手はさくら選手の腕を持ち、そして持ち上げます!」

40: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:00:21 ID:yDJkYjFE
センキュー、サクラ ! (パン、パン、パパパン ! ) センキュー、サクラ ! (パン、パン、パパパン ! )

さくら「あはは、ども……どもども……」ペコペコ

春麗「勝者のアタシには、その二倍の拍手を頂戴っ……!」

センキュー、チュンリー ! (パン、パン、パパパン ! ) センキュー、チュンリー ! (パン、パン、パパパン ! )

春麗「二倍になってないわよ~、二倍に……ほら、それと……あそこに注目~! ほ~ら、目つきの悪い二人の男が座ってるわよね~?」ビシッ


実況「おっと、春麗選手がこちらを指差しましたねぇ?」

ガイル「目つきは悪くねぇぞ、おい。なぁ……?」

ヤムチャ「ナハハ。ナハハハ」

41: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:09:33 ID:yDJkYjFE
春麗「彼らにも拍手を~!」

センキュー、ヤムチャ ! (パン、パン、パパパン ! ) センキュー、ガイル ! (パン、パン、パパパン ! )

ガイル「立って礼しようか。なっ」

ヤムチャ「はいっ!」

春麗「そして、控え室には戻っちゃったけどね……試合をしてくれた選手もいるでしょ……? 名前は覚えてる……? 控え室まで届くような大きな拍手を!」

センキュー、ガーイ ! (パン、パン、パパパン ! ) センキュー、コーディ ! (パン、パン、パパパン ! )

春麗「ちゃ~んと名前覚えてくれてるのね。ありがとう。それじゃあ、この人の名前も覚えてくれてるかしら……? 最後はレフェリー!」

42: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:15:38 ID:yDJkYjFE
センキュー、ダルシム ! (パン、パン、パパパン ! ) センキュー、ダルシム ! (パン、パン、パパパン ! )

ダルシム「うむ。ナマステ……ナマステ……」

春麗「ありがとうね。ありがとうっ……! さぁ、これにてストリートプロレスinメトロシティは終了よ!」

エー !? エーエー !?

春麗「ちょっとぉ、無茶言わないでよ……? これ以上はねぇ……もう、出来ないわよ。こっちの都合も考えて頂戴よ……」

エー !? エーエー !?

春麗「皆と過ごせた楽しい時間……これは、アタシも忘れないからねっ!? 皆も今日の事は忘れないでよねっ!?」

YEEEEEAAAAAAH !

43: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:22:53 ID:yDJkYjFE
春麗「それじゃあ、メトロシティの皆っ……! ありがとうっ! 今度は皆がこっちに遊びに来てねっ!」

YEEEEEAAAAAAH !

春麗「……じゃあ、後は」サッ

ダルシム「……うむ」


実況「さぁさぁ、如何でしたしょうか皆さん。今年のメトロシティ祭ではこういったイベントが行われていました。ガイル選手もヤムチャ選手もありがとうございます!」

ガイル「あ~、こちらこそっ!」

ヤムチャ「ありがとうございます」


ダルシム「それでは、以上を持って終了させて頂きますっ! 本日はご観覧ありがとうございますっ! 引き続きメトロシティ祭をお楽しみ下さい!」

44: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:28:21 ID:yDJkYjFE
ーーー


ガイル「う~っす、ただいま~」ガチャ

ヤムチャ「お疲れ様です」

ツーピー「あっ、ガイルさんとヤムチャさんもお疲れ様です!」

プーアル「お疲れ様ですっ!」

ガイル「後はリングをかたして終わりだな……もうちょっとリング周りが少なくなってからやろうか……」

さくら「ダルシムさんは、まだリングに残ってるんすかね?」

ガイル「うん。リングに残って様子を見てるよ。俺らが出て行ったら、帰るもんも帰らねぇからな……まっ、しばらくここで待とう」

45: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:33:04 ID:yDJkYjFE
ツーピー「あの~、演者の皆さんにはこの後……って言っても結構時間はありますけど、食事会を用意してあるので、是非ともそちらの方にも参加して頂ければありがたいです」

ガイル「来年の予約もしておかねぇとな……食事会ってのは、いつやるの……?」

ツーピー「祭りが終わってからっすねぇ。まぁ、花火大会があるんで結構遅い時間にはなるとは思うんすけど……大丈夫ですか?」

ガイル「大丈夫だよ大丈夫。来年の予約もしておかねぇといけねぇからな……」

ツーピー「おっ……? 来年もまた来てくれるんっすか!?」

ガイル「オファーがあればな」

ツーピー「来年はね……一番にオファー出しますよ! こっちもっ!」

46: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:39:13 ID:yDJkYjFE
さくら「……ヤムチャさん、ヤムチャさん?」ヒソヒソ

ヤムチャ「あっ、さくらちゃん。どうしたの……?」

さくら「……解説、どうでした? 出来ました?」

ヤムチャ「あっ、あ~、それは……」

さくら「一応、ヤムチャさんが無理でもなんとかなるようにと、ガイルさんとの二人体勢でやってもらう事にしたんっすけどね……」

ヤムチャ「あ~、あ~、はいはい……」

さくら「ガイルさんばかり喋って、なぁ~んにも喋ってない……なんて事にはなってませんよね……?」

ヤムチャ「……」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「……え~っとね」

47: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:43:59 ID:yDJkYjFE
さくら「……なっちゃったの?」

ヤムチャ「いや~、え~……」

さくら「……なっちゃったんすね?」

ヤムチャ「う~ん……そうだなぁ……」

さくら「も~うっ! なにやってんすかぁ~!」

ヤムチャ「いや~、違う違う違うっ……! 何も喋ってない事はないっ! 話した部分もあるよっ! 多分……」

さくら「……多分って!」

ヤムチャ「あのね、違うのっ……!今日はいつもの人じゃなかったじゃない……? ほら、実況の人が違ったっ!」

さくら「そりゃいつもの人はいつもの会場でやってますからね!?」

48: 名無しさん 2016/06/22(水) 23:48:00 ID:yDJkYjFE
ヤムチャ「いつもの人みたいに、話題をガンガン振って来ないからさぁ……?」

さくら「いつもはいつもで、いきなり話題振ってくるな~んて言ってる癖に」

ヤムチャ「あ~、いや……違う……違うのっ……! 違う、違う……」

さくら「そりゃ、確かに違う部分も自分は感じましたけど……それでもねぇ……?」

ヤムチャ「わかってるよ……それは俺もわかってるんだよ……だけどさぁ……?」

さくら「……だけどじゃないでしょう!?」

ヤムチャ「は、はい……」


春麗「……早速、お説教されてるわね。ツーピー君の前よ」

ガイル「ハハハっ! 実力差を思い知るがいいっ!」ニヤニヤ

64: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:01:02 ID:WTfKbDCU
ダルシム「いや~、お疲れお疲れ。何事もなく無事に終わってよかったな」ガチャ

さくら「あっ、ダルシムさんお疲れ様っす」

ガイル「お疲れ様です」

春麗「もう、解散したの?」

ダルシム「まだ数名は残ってるみたいだな。エディ君と話でもしてるんじゃないかな? 大多数は、何処かに遊びに行ったよ」

ガイル「もうちょっとしてからリング片付けましょうか」

ダルシム「そうだな。10分、20分ぐらいしてからかな……? 私も少しばかりゆっくりしたい……」

ツーピー「何か自分手伝う事ありますか!?」

ガイル「いや~、片付けっていってもカプセルに詰め込むだけだからよぉ~、大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫……」

さくら「あっ、それじゃあツーピーさん……飲み物とか買って来てもらってもいいっすかね……?」

ツーピー「はいはい、飲み物っすね! わかりました~、言ってきま~す!」ガチャ

65: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:11:00 ID:WTfKbDCU
春麗「……行った?」チラッ

ガイル「行ったけど……ちと待とう、ちと待とう……」チラッ

春麗「そうね。ちょっと待ちましょうか……」

ガイル「……だな」

春麗「……もういいかしら?」

ガイル「う~ん、もうちょっと待とう……」

春麗「……もういいんじゃない?」

ガイル「う、う~ん……もういっかっ……!」

春麗「なにこの街っ!? クレイジータウンよっ! クレイジータウンすぎるわよっ! ねぇ!?」

ガイル「なぁ……!? 本当……なぁっ……!?」

66: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:21:04 ID:WTfKbDCU
さくら「あ~、あ~、あ~、やっぱり始まった……」

春麗「ちょっと、クレイジーすぎるわよっ! ここに来た時から薄々は感じてはいたけど……クレイジーすぎるわよ。ねぇっ!?」

ガイル「数年前はあの勢いが暴動に向けられてたんだぞっ!? 俺が警戒してた理由もわかるだろっ!? なぁ、なぁっ……!?」

さくら「ちょ~っと、ちょっとっ……! お世話になった街なんすから、そ~ういう事言うのはやめません……? ねぇ、ねぇ……?」

春麗「文句じゃないのよ。いい意味でのクレイジータウンなのよ。いい意味でのね」

ガイル「いや~、やっぱり予想外の反応はあった……! うん、あったっ……!」

春麗「……一番最初にブーイング喰らったの、あんただったんじゃない?」

ガイル「あれ、俺だったっけ……? コーディじゃなかった?」

ダルシム「いや、最初に喰らったのはガイル君だな。スピアーの前の時だよ。その次が、コーディ君だったよ」

67: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:25:57 ID:WTfKbDCU
ガイル「あ~、はいはい。そうだったそうだった。確か……ヤムチャ、なっ……?」

ヤムチャ「……んっ?」

ガイル「場外行って、間を取ってくれたんだったっけな。うんうんうん」

さくら「そうそう。ヤムチャさんが客いじりとかしてましたよね」

ガイル「……あれ、なかっただろ? いつ覚えたんだ、おめぇ」

ヤムチャ「いや~、覚えたって言うか……バイソンさんとかがよく、ああいう事してますから、その辺を参考に……」

春麗「……バイソンはよくするわね」

ダルシム「よくやってるなぁ」

68: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:30:49 ID:WTfKbDCU
ガイル「それで、アレか……? コーディがカットしてブーイング喰らったんだったよな……?」

コーディ「順序的にはそうなりますね。ガイルさんがちょっと話してくれたおかげで、俺はすぐに投げにいく事が出来ましたけど……そもそも、あのカット自体のブーイングを喰らわない方法……みたいなのはあったんですか? あれば聞きたいです」

ガイル「う~ん、どうすっかねぇ。ダルさん……?」

ダルシム「そりゃ、突き詰めていったらあったのかも知れない……と言う所に辿り着くとは思うよ」

コーディ「……はぁ」

ダルシム「ただ、その方法を探ると言うのは試合の中で探っていくしかないわけだろ……? あぁ、こういうのが受ける……こういうのは受けない……とな?」

コーディ「……はいはい」

ダルシム「そういうのを探り探りやっていくと言うのが、今日の試合のテーマだっただろう? ブーイングを貰った事よりも……その後の対応だよ」

69: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:39:00 ID:WTfKbDCU
ダルシム「だから、その後……観客の反応が大きい行動と予想される選んでいたようには思えるが……あそこで慌てずに続けれたのは誉めるべき点だな」

コーディ「……ありがとうございます」

ダルシム「結構、打撃メインで組み立ててたよな?」

コーディ「あ~、それはガイルさんとヤムチャさんが、グラウンド中心に組み立てて……俺達用に残しておいてくれましたから……」

ダルシム「……理由はそれだけかね?」

コーディ「……んっ?」

ダルシム「こう試合中に試してみよう……みたいな考えは、なかったかな?」

コーディ「……ありました」

70: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:52:12 ID:WTfKbDCU
ダルシム「それは、これは十中八九受けるという確信の元にやったんだろ……?」

コーディ「そうですね。そりゃ、100%とは言えませんが……あ~、コレいけるぞ。みたいなのはありました」

ダルシム「それだよ、それそれ。そういうのを試合中に探っていこうという話」

コーディ「はい」

ダルシム「よくやったと思うぞ。アレを全く同じ形で持って帰る事は無理かもしれないが……だったら、今度はうちの団体で受ける形に改良すればいい」

春麗「……まぁ、一つ言わせて貰うと」

コーディ「……んっ?」

71: 名無しさん 2016/06/23(木) 22:57:19 ID:WTfKbDCU
春麗「アンタとコーディがエルボー合戦してたじゃない? それで、会場がワーワー盛り上がってたじゃない?」

コーディ「はい」

春麗「アタシはそれをここで見てたんだけど……あ~、今日は打撃は盛り上がるんだな~。だったら、アタシの千裂脚はピッタリじゃない。って思って見てたわよ」

コーディ「千裂脚は打撃ですもんね」

春麗「声援だけじゃなくて、ブーイングもそうだけどね。先に試合を行ってるアンタ達が探ってくれたおかげで、アタシさくらは知識を得た上で試合をする事が出来たの」

コーディ「はいはい」

春麗「アンタがブーイング貰ってたとしても、それはアタシ達が知識として、じゃあアレはやめておこうかな。って事に繋がるから」

コーディ「はい」

春麗「うん、いい仕事はしたんじゃない? ただ、ブーイングは二対一の状況になってた時に飛んでたような気がするかな~? アタシ達はシングルだからね。そういう状況は来ないし」

72: 名無しさん 2016/06/23(木) 23:03:09 ID:WTfKbDCU
ガイル「今日、コーディは色々やってたよなぁ……? それで、ガイ。お前も上手く付き合ってた」

ガイ「ありがとうございます。自分は純粋に楽しかったです」

ガイル「……ほう?」

ガイ「いや、こういう乗りって……やっぱりいつもの俺らは見てるだけじゃないですか。この声援の中で試合出来た事は気持ち良かったですよ」

ガイル「う~ん、そうかもな……」

ガイ「あっち戻っても、また今日みたいな中で出来るようにね……頑張りたいと思いますよ。い~い、励みになりましたっ!」

ガイル「……お前は伸び伸びしてるなぁ、この野郎っ!」

ガイ「いや~、でも来る前は緊張してましたよ!? だってガイルさんが脅すんですから!」

ガイル「そりゃ、仕方ねぇだろっ! あの乗りで暴動起きてたら、そりゃ脳裏に焼き付くってのっ!」

73: 名無しさん 2016/06/23(木) 23:09:40 ID:WTfKbDCU
さくら「ヤムチャさんはどうでしたか?」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「感想」

ヤムチャ「あ~、そうだな……俺も予想外の反応みたいなのはあったし、やっぱり予期せぬ所でブーイング貰っちゃうのはいい気分じゃないね。前にそういうのでやらかしちゃった所もあるしね」

さくら「あはは」

ヤムチャ「でも……うんっ……! とりあえずはよかったっ……! 試合を見てくれた皆が喜んでくれてよかったよっ!」

ガイル「お前、感想がそれかっ!? 見知らぬ土地に来て……試合をして……その感想が皆が喜んでくれてよかったかっ!?」

ヤムチャ「いや~、だって……ねぇ……?」

ダルシム「まぁまぁまぁまぁ、大事な事ではある」

ガイル「結構、遠足気分の奴らがいるぞぉ、オイっ!」

ヤムチャ「いやいや、勉強になった部分はありましたよっ……!」

ガイ「それは、自分もですよっ……!」

ガイル「どぉ~だかなぁっ!? なっ、コーディ……?」

コーディ「はははは」

74: 名無しさん 2016/06/23(木) 23:15:21 ID:WTfKbDCU
ツーピー「お~疲れ様ですっ!」ガチャ

ダルシム「おっと、ツーピー君だ。こういう話はあまり人前でするものではないからな……続きは後にするか……」

春麗「……ノックぐらいしなさい。ノックぐらい。びっくりするじゃない」

ツーピー「あ~、ノックなかったっすか。すいませんっ……! あっ、それで……今、帰ってくる時外見たんすけど、もう誰もいませんでしたよ」

ダルシム「おう、そうか。皆、他の場所に行ったか?」

ツーピー「はい。すっからかーんっす!」

ガイル「それじゃあ、まっ……そろそろリング撤収しちまうか」

春麗「もうちょっとゆっくりしない?」

ガイル「放置してて、イタズラされるのも問題だろが……? どうするよ、メトロシティの連中があそこで試合おっ始めたらよぉ……?」

春麗「うっ……ぐっ……あっ……! さ、さくらにやられたダメージが……今、急に……なんか来たわっ……!」ブルブル

ツーピー「えっ……? 春麗さん、大丈夫っすかっ! え~っと、え~っと……どうしましょう……」アセアセ

ガイル「こんな都合良く来るわけねぇだろが、この野郎っ! サボろうとしてるんじゃねぇっ! ツーピー、てめぇも騙されるなっ!」

76: 名無しさん 2016/06/23(木) 23:20:31 ID:WTfKbDCU
数時間後ーー


ヤムチャ「……ねぇねぇ、ツーピー君。ツーピー君」ガシッ

ツーピー「んっ……! どうしたんですか、ヤムチャさ……」

ヤムチャ「……大声を出さないっ!」

ツーピー「んっ……? んんっ……?」

ヤムチャ「あ~、いや……ごめんごめん。ちょっと男同士の内緒話がしたくてさぁ……?」

ツーピー「はぁ、内緒話……なんすか……?」

ヤムチャ「あの~、ほら……? もうすぐ、花火大会が始まるじゃない……?」

ツーピー「あ~、そうっすねぇ! もうそろそろじゃないっすかっ!? 今年はねぇ……600発の……」

ヤムチャ「……静かにっ!」

ツーピー「な、なんなんすか……も~うっ……!」

81: 名無しさん 2016/06/23(木) 23:29:29 ID:WTfKbDCU
ヤムチャ「あ~、いや~、ごめんごめんっ……! いや、だからその花火大会を俺も見に行きたいかな……と、思ってるワケなんですよ」

ツーピー「はいはいはいはい」

ヤムチャ「でもさ……? その、俺達は有名人なワケじゃない……ゆーめーじんっ!」

ツーピー「その通りっすけど……そういう事、自分で言っちゃいますかね……?」

ヤムチャ「いや、だから……その、俺がそういう人混みの中で見るのは、ちょっと……あの、邪魔になっちゃうでしょ……?」

ツーピー「あ~、あ~、なるほどなるほど、そういう事っすか。はいはいはい」

ヤムチャ「だから、そのぉ~、花火を見る為の穴場スポットみたいなのがあれば、俺は嬉しいな~って思ってるんだよ……わかる……?」

ツーピー「……穴場スポット、勿論ありますよっ!」

ヤムチャ「……何処っ!?」

ツーピー「便所の裏っ!」

83: 名無しさん 2016/06/23(木) 23:34:33 ID:WTfKbDCU
ツーピー「意外とあそこねぇ、見通しがいいんすよ。それで、便所の裏だからねぇ、だ~れもいないんすよ。静か~に見れるんっすよ」

ヤムチャ「……便所の裏ァ!? ダメに決まってるじゃないか、そんな所っ!?」

ツーピー「ちょ、ちょ、ちょっと……なんなんすか……?」アセアセ

ヤムチャ「便所の裏で花火を見て、綺麗って感じるの……? 嫌でしょう、そんな所っ!」

ツーピー「……俺、あまりそういう事気にしないタイプなんすよ」

ヤムチャ「ツーピー君が気にしなくても、俺は気にするんだよ……だから、こ~う人気のなくてムードもありつつ、ロマンティックな、穴場的な場所だよ……」

ツーピー「ちょっと待って下さい。条件増えてません? えっ、ムードのありつつ、ロマンティックな場所……? それ、重要っすか……?」

ヤムチャ「……超重要だよ」

92: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:01:57 ID:3/iQkZsE
ツーピー「う~ん、そうは言ってもなぁ……あっ、そうだそうだっ!」

ヤムチャ「おっ、何っ……!?」

ツーピー「俺の友人のJって奴なんですけどね。確かそいつが彼女って言うか狙ってた女の子と花火大会見に行って、それでこ~ういい雰囲気になった……って話があったかなぁ?」

ヤムチャ「そうそうそうっ! そういう話が聞きたかったんだよ、俺は!」

ツーピー「確か、あっちの丘の所まで行ったんだっけなぁ……うん、確かそういう事言ってたような気がします。静かでよかったって」

ヤムチャ「丘の所だね。そうそう、そういう話が聞きたかったんだよ、俺は」

ツーピー「……ただ、結局三ヶ月ぐらいで別れちゃったんっすけどね」

ヤムチャ「それはいらない情報だね、うんっ!」

ツーピー「あっ、いらないっすか……?」

ヤムチャ「とにかく、丘の所だね!? それじゃあ、ちょっと見に行って来るよ。ツーピー君、ありがとうっ!」

ツーピー「はいはい。お気をつけて」

ヤムチャ「よしよし、丘の所だな。丘の所……よしよし、それじゃあ後は……」キョロキョロ

93: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:10:09 ID:3/iQkZsE
ヤムチャ「お~い、プーアル、プーアル……」ボソッ

プーアル「んっ……? ヤムチャ様、どうしたんですか?」

ヤムチャ「今からねぇ……ちょっと花火大会を見に行こうと思ってるんだよ……」

プーアル「あっ、花火大会いいですねぇ! それじゃあ、僕も……」

ヤムチャ「プーアル、ダメ。プーアル、お留守番」

プーアル「……なぁんで?」

ヤムチャ「そこは、アレだよ……俺とお前のなっ……!? こ~う、以心伝心と言うか……わかるだろ……?」

プーアル「あっ、はい。わかりました」

ヤムチャ「流石、プーアルだ。ナハハ」

プーアル「……今、外で電話されてます」

ヤムチャ「うん、外で電話だな。オッケー、わかった……それじゃあ、後は……」

プーアル「はいっ! ヤムチャ様、頑張って下さいね!」

ヤムチャ「任せとけってのっ! それじゃあ、ちょっと行ってくるよ。後は頼んだぞ」ガチャ

94: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:15:08 ID:3/iQkZsE
ーーー


さくら「はいはいはい、後はねぇ……あの食事会とかがあるらしいんですよ。そこで、上手く市長さんとね、こ~う……はいはい……」

ヤムチャ「……おっ」

さくら「わかってますよっ……! それは戻ったらしますからっ……! はいはい、わかってますわかってます……はいっ……! はいっ……! はいっ……!」

ヤムチャ「……いたいた」

さくら「それじゃあ、失礼します……もうっ……!」

ヤムチャ「……電話終わった?」

さくら「あ~、ヤムチャさん。も~う、ベガさんがうるさい事、うるさい事……あの人、いい姑になりますよ」

ヤムチャ「ナハハ」

さくら「まっ、向こうも上手くいったらしいっす」

ヤムチャ「それは良かったじゃない」

さくら「それで……ヤムチャさんは、どうしたんすか? トイレ……?」

ヤムチャ「いや、もうすぐ花火大会が始まるらしいじゃん?」

さくら「あ~、はいはい」

95: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:22:50 ID:3/iQkZsE
ヤムチャ「ツーピー君がねぇ、いい場所を教えてくれたんだよ」

さくら「……いい場所って?」

ヤムチャ「人気のなくて、静かで、ムードもありつつ、ロマンティックな穴場的スポットがどうやらあるらしいんだよ 」

さくら「人気のなくて……静かで……ムードもありつつ……んあっ……!?」

ヤムチャ「ナハハ。折角だから見てこいよ、なんて言われてね……そういう事だったら見に行ってみようと思ってね」

さくら「……へぇ~」

ヤムチャ「でも、一人で見るのはちょっと寂しいかな? ちょっと、寂しいかもしれないなぁ……う~ん、う~ん……」

さくら「ふ~ん」

ヤムチャ「……一緒に見に行かない?」

96: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:28:58 ID:3/iQkZsE
さくら「……お誘いっすか?」

ヤムチャ「うん。どうかな……?」

さくら「へへ、いいっすよ」ニヤニヤ

ヤムチャ「あっ、本当っ……!?」

さくら「食事会まで、時間はありますし……折角、誘って頂いたんっすからね」

ヤムチャ「それじゃあ、さっ……!? 行こうよ行こうよっ……! あっちの丘の方なんだってさっ……!? 行こう行こうっ!」

さくら「ふ~ん、丘の方……へぇ~、あっちまで行くんだ……」

ヤムチャ「早く早くっ……! 早くしないと花火大会始まっちゃうよっ!?」

さくら「はいはいはいはい……わかりました、わかりました……」

97: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:33:52 ID:3/iQkZsE
そしてーー


さくら「ふ~ん、意外と見通しのいい場所っすね」キョロキョロ

ヤムチャ「人気もなくて、いい場所じゃない。ツーピー君、いい場所知ってるねぇ」

さくら「いい穴場じゃないっすか。ねっ?」

ヤムチャ「……座る?」

さくら「そうっすね。座りましょうか。花火はまだかな~、まだかな~?」

ヤムチャ「う~ん、もうちょっとで始まるんじゃないかな……?」

さくら「あっ、来たんじゃない……? ほらほらほらっ……!」

ヤムチャ「……おっ!?」

98: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:37:54 ID:3/iQkZsE
ドーン、ドーン


さくら「お~、お~」

ヤムチャ「お~、お~」

さくら「へへへ、凄~い! 綺麗っすねぇ~!」

ヤムチャ「お~、お~、お~、いいじゃないいいじゃない」

さくら「お~、お~」

ヤムチャ「……あのさ?」

さくら「んっ、どうしたんすか?」

ヤムチャ「これはツーピー君から聞いた話なんだけどね……?」

さくら「はい。お~、お~」

99: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:43:33 ID:3/iQkZsE
ヤムチャ「ここで、一緒に花火を見た男女は結ばれる……みたいな伝説があるらしいんだってさ!?」

さくら「……こ~んな、何もない丘でっ!?」クスクス

ヤムチャ「え~、いや……あっ……! ほら、花火があるじゃないっ!? 花火がっ!?」

さくら「はいはいはいはい……へぇ~、へぇ~……それで……?」

ヤムチャ「いや、それでって……もうこれ以上はないよ。そういう話があるって、俺も聞いただけだから。うん」

さくら「……へぇ~」

ヤムチャ「でも、そういう話があるんだよ……あるんだよ……だから、
そのえ~っと……何と言えばいいかな~?」

さくら「……花火見てるんっすか?」

ヤムチャ「あ~、いやっ……! 見てる見てる見てるっ……! お~、今度はデカいのがきたっ!」

さくら「お~」

101: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:49:19 ID:3/iQkZsE
ヤムチャ「え~っと、それで……あのさ……? さくらちゃん……?」

さくら「も~う、なんなんすか。も~うっ!」クスクス

ヤムチャ「いや~、だから……その……何と言えばいいかなぁ……」

さくら「……うん」

ヤムチャ「ここで一緒に花火を見た男女は必ず結ばれるんだよ……?」

さくら「……ま~だ、その話続けるんすか!?」

ヤムチャ「それで、俺は男だよ……それで、さくらちゃんは女なワケじゃない……?」

さくら「……って事は、結ばれると」

ヤムチャ「そうそうそうそうっ! 俺が言いたかったのは、そういう事っ! そういう事っ!」

さくら「あははは。へぇ~」

102: 名無しさん 2016/06/24(金) 22:55:49 ID:3/iQkZsE
さくら「ねぇ、ヤムチャさん。花火見てます……?」クスクス

ヤムチャ「いや、見てるよ見てるよ……ほら、また来たまた来た。あっ、今度はいっぱい来たんじゃない……?」

さくら「あっ、本当だ。いっぱいきた」

ヤムチャ「お~、お~」

さくら「お~、お~」

ヤムチャ「あの、だからさ……? それで、さっきの続きなんだけど、さくらちゃん……?」

さくら「……ま~だ、続けるんすかっ!?」

ヤムチャ「え~っと、ねぇ……う~ん、う~ん……」

さくら「一回、整理した方がいいんじゃないかな、とは思うっす」

ヤムチャ「……あのさ、キスしてもいいかな?」

さくら「……キス?」

ヤムチャ「うん」

103: 名無しさん 2016/06/24(金) 23:01:04 ID:3/iQkZsE
さくら「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……絶対嫌だ……絶対嫌だ……」フルフル

ヤムチャ「あっ、あっ……そうだよね……」

さくら「……な~んでこんなタイミングで言っちゃうんすか?」

ヤムチャ「いや、だから……ここで花火を見た男女は必ず結ばれるって話があるから、その~……」

さくら「それは、もうわかったっすからっ! 結ばれるのはわかったっすから、もういいっすよっ!」

ヤムチャ「あぁ……は、はい……」

さくら「こうロケーションとしては、凄くいい感じだとは思うんすよ? 綺麗な花火もあり~の……人気のない、静か~ないい場所じゃないっすか……ここ……」

ヤムチャ「本当、本当……ツーピー君に感謝しないとね。元はと言えばツーピー君の友人の……」

さくら「……ツーピーさんの名前は今出さないでいいのっ!」

ヤムチャ「えっ……!? あっ、はいっ……!」

106: 名無しさん 2016/06/24(金) 23:06:36 ID:3/iQkZsE
さくら「その、この最高のロケーションの中で、こ~うマゴマゴマゴマゴわけのわかんない事言い出して……も~うっ!」クスクス

ヤムチャ「……あれぇ?」

さくら「方向性見失った挙げ句……キスしていいかなって……それはない。流石にそれはないっすよ……」フルフル

ヤムチャ「見失ったワケじゃないんだけどなぁ……」

さくら「ムードとか、そういうのがちょっとないんじゃないっすか……? このシチュエーションでそういう形は、嫌っすよ……」

ヤムチャ「あ~れ~、やっちまったなぁ……!」

さくら「……一回リセットしましょうよ。一回」

ヤムチャ「……んっ?」

107: 名無しさん 2016/06/24(金) 23:11:58 ID:3/iQkZsE
さくら「花火はまだ続くんすから。ほらほら、見て見て……あっちあっち……」

ヤムチャ「あっ、うん」

さくら「……五分か十分ぐらいは、ゆっくり見ましょう」

ヤムチャ「うん」

さくら「それでね……こ~う、ヤムチャさんがよかれと思ったタイミングで……」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「こう……お願いします……」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「いい感じで……いい感じに……こ~う、一つ……」

ヤムチャ「ナハハ、わかったわかった……ごめんごめん……」

さくら「……本当っすよ、もうっ!」クスクス

108: 名無しさん 2016/06/24(金) 23:16:19 ID:3/iQkZsE
ヤムチャ「ゆっくり花火を見ようか。ねっ」

さくら「はいっ!」

ヤムチャ「お~、お~」

さくら「お~、お~」

ヤムチャ「うん、綺麗だね!」

さくら「そうっすね!」

ヤムチャ「お~、お~」

さくら「お~、お~」

ヤムチャ「……肩とか抱くのはアリ?」

さくら「あはは。早いよ……早いよ早いよ……」クスクス

ヤムチャ「……ありゃ」

さくら「いいっすよ。御自由にどうぞ」クスクス

ヤムチャ「……うん」ダキッ

110: 名無しさん 2016/06/24(金) 23:21:05 ID:3/iQkZsE
ヤムチャ「……もうちょっと、そっち詰めてもいいかな?」

さくら「……どうぞ」

ヤムチャ「……どうも」ヨリッ

さくら「……ふふふふ」クスクス

ヤムチャ「えっ……? なんで笑うのっ……!?」

さくら「いや~、あはは。一々聞いてきますから……」クスクス

ヤムチャ「じゃあ、じゃあ、じゃあ……次は無言でいくよ……? 無言でいっちゃうよ……? いいのかな……?」

さくら「あはは、どうぞどうぞどうぞ……でも、ちゃ~んと花火も見ましょうね……?」クスクス

ヤムチャ「……わかってるよ。見てるよ見てる。ちゃ~んと見てるよ」

さくら「ふふ、は~い」

111: 名無しさん 2016/06/24(金) 23:27:02 ID:3/iQkZsE
ヤムチャ「お~、お~」

さくら「お~、お~」

ヤムチャ「……」チラッ

さくら「お~、お~」

ヤムチャ「……」ジーッ

さくら「んっ……? 花火見てます……?」

ヤムチャ「……今は見てない」

さくら「……花火見ないと」

ヤムチャ「……さくらちゃんを見てる」

さくら「あはは、あははは……」クスクス

ヤムチャ「……なんで笑うの? 俺、結構真剣なんだけど」

さくら「あはは、ごめんなさい……いいっすよ……」

ヤムチャ「……上手くいかねぇな、ちくしょう」チュッ

126: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:01:07 ID:Gj5qk5gs
さくら「……んっ」

ヤムチャ「……」

さくら「……へへへ」ニヤニヤ

ヤムチャ「だからさ……? なんで笑っちゃうの?」

さくら「あはは。ごめんなさい、ごめんなさい」

ヤムチャ「……も~う」

さくら「……花火見ましょう。ねっ?」

ヤムチャ「……うん」

127: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:06:48 ID:Gj5qk5gs
さくら「お~、お~」

ヤムチャ「お~、お~」

さくら「……今日ねぇ、ゆっくり羽伸ばせた感じっすよ」

ヤムチャ「楽しかったよね」

さくら「色々と、女子部の事だったり……他の事だったり、やっていかなきゃいけないんすけど……うん。いい気分転換になりました」

ヤムチャ「……うん」

さくら「また、明日になったらいつもの一日に戻るんでしょうけどね」

128: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:15:43 ID:Gj5qk5gs
ヤムチャ「明日はえ~っと……確か、レインボー・ミカさんとララさんが来るんだったっけ?」

さくら「そうそうそう。ヤムチャさんは、ロレントさん達とっすよね?」

ヤムチャ「そうそう。明日はケンさんと一緒に」

さくら「あっ、そうそう。今回のPVの出来、よかったじゃないっすか?」

ヤムチャ「ナハハ。アレ、自分で見たけど……ちょ~っと、こっ恥ずかしい部分はあったよ?」

さくら「……でも、格好良かったすよ? い~い、感じでした」

ヤムチャ「ナハハ、本当?」

さくら「あはは、本当本当。格好良かったっす」

ヤムチャ「ありがと」

129: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:24:59 ID:Gj5qk5gs
さくら「ロレントさん達とは仲良くやれてます?」

ヤムチャ「うん、仲良くやれてるよ。試合になったらまた、前みたいになっちゃうんだろうけどね」

さくら「あはは」

ヤムチャ「でも、ロレントさんは凄く礼儀正しい人だし……後、ソドムさんも。結構、色々と教えてくれてる」

さくら「……ロレントさん、ちょっとおかしな感じとかになってませんかね?」

ヤムチャ「おかしな感じってのは、どういう事……?」

さくら「ほら、ロレントさんも急激にブレイクして、大仕事を任されると言うか……あの~、ほら……? 状況は以前のキャミィさんに似てる部分はあるじゃないっすか?」

ヤムチャ「……あ~、はいはい」

さくら「こ~う、プレッシャーでバランス崩しちゃったりしちゃ、ちょっと……」

ヤムチャ「う~ん、大丈夫だとは思うけど……」

130: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:28:39 ID:Gj5qk5gs
ヤムチャ「……随分、ロレントさんの事気にしてるよね?」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「ひょっとして……」

さくら「あはは、このタイミングでそういう事聞いちゃいます?」

ヤムチャ「あ~、いや~、その~……」

さくら「選手として……選手として気にしてるんすよ……」

ヤムチャ「うんうん」

さくら「今ねぇ……何と言うか、凄く向上心の強い人と接してるんっすよ……」

ヤムチャ「……うん」

さくら「そこに比べてロレントさんは、ちょ~っと大人しいと言いますか……ちょっと気がかりになったから聞いただけっすよ」

ヤムチャ「うん」

131: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:35:50 ID:Gj5qk5gs
さくら「もうね……何と言いますか、それが凄くね……あ~っ!」

ヤムチャ「……大変そうだね~」

さくら「あはは、結構頭悩ませてます」

ヤムチャ「うん」

さくら「そもそもね……? いきなり自分にそういう事を持ってこられても……」

ヤムチャ「……うん」

さくら「そりゃねぇ……? そう簡単にいくわけないでしょう……?」

ヤムチャ「うん、うん」

さくら「あ~っ……もう、嫌っ……! もう嫌っ……!」フルフル

ヤムチャ「……えっ?」

さくら「あっ、違いますよ? 今日はゆっくり羽伸ばすって言ってるのに……結局、いつもの話になっちゃってる……今日は、もうゆっくりするんだっ!」

ヤムチャ「ナハハ」

さくら「いつの間にか愚痴の話になっちゃってるや……こ~んな話、聞きたくないっすよねぇ?」クスクス

ヤムチャ「いや~、大丈夫だよ。俺は聞くよ?」

132: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:40:36 ID:Gj5qk5gs
さくら「や~だ。こ~んなムードの中でグチグチグチグチ……嫌な女みたいだもん」

ヤムチャ「ナハハハっ! ナハハハっ……!」

さくら「あ~っ!? 笑ったなぁ……!?」クスクス

ヤムチャ「そんな風に俺は思わないからさ……? 大丈夫だよっ! 愚痴があるなら言えばいいじゃない? 聞くよ……俺、聞くよ……?」ニヤニヤ

さくら「なんか、ヤムチャさんと二人っきりになった時って、愚痴ばかり言ってるような気がしますもん!」

ヤムチャ「え~、そうかな~?」

さくら「今日ぐらいはね……? 可愛い女でいさせて下さい」

ヤムチャ「……自分で言っちゃうの?」

さくら「……意地悪っ!」

ヤムチャ「ナハハ、冗談冗談っ! 花火花火!」ニコニコ

133: 名無しさん 2016/06/25(土) 22:51:02 ID:Gj5qk5gs
ヤムチャ「お~、お~」

さくら「お~、お~」

ヤムチャ「……ねぇ?」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「もう一回さぁ……?」

さくら「……うん」

ヤムチャ「……してもいい?」

さくら「んっ……? へへへ、へへへへ……」ニヤニヤ

ヤムチャ「……だ~か~ら!」

さくら「あはは、ごめんなさい。いいっすよ?」ニコッ

ヤムチャ「……も~う」チュッ


さくら「……花火、綺麗っすね~」

ヤムチャ「うん。そうだね~」

134: 名無しさん 2016/06/25(土) 23:00:51 ID:Gj5qk5gs
そしてーー


さくら「ただいま戻りました~。電話ついでに花火見に行ってました……って、アレ?」ガチャ

ヤムチャ「……んっ?」

プーアル「おかえりなさいっ!」

ダルシム「おかえり」

春麗「あれ、他の皆は……?」

さくら「聞きたいのはこっちっすよ。ガイルさん達は……? それに、ツーピーさんまで……」

ダルシム「彼らも花火を見に行くと言っていたが……んっ……? 一緒じゃなかったのか……?」

さくら「……違う場所で見てるんすかね?」

135: 名無しさん 2016/06/25(土) 23:07:43 ID:Gj5qk5gs
春麗「ねぇ、さくら?」

さくら「あっ、はい」

春麗「アタシ、花火見てて思ったんだけどね……こ~う、アタシの入場の時に、こういう花火をするってのはどう……?」

さくら「……はぁ?」

春麗「だから~、春麗選手の入場ですってなったら……こ~う、入場門の所から、花火がドーンと出て、ねっ……? 綺麗な感じで、ほら……」

ダルシム「女子王者春麗選手の提案だそうだ。さくら君……ここはビシっとノーを出してやってくれ」

春麗「ノーは出さないわよね……? ちゃ~んと、選手の提案は汲み取ってくれるわよねぇ、さくら」

さくら「あはは。オッケー出したい所っすけどねぇ……それ、いくらかかるんすかねぇ?」

春麗「……わかんない」

136: 名無しさん 2016/06/25(土) 23:14:11 ID:Gj5qk5gs
さくら「そ~んな、ゼニーのかかる入場ができるわけないでしょうっ!」

春麗「案外、安いかもしれないわよ。値段もわからないのに、そういう風に頭ごなしに否定するってのは……」

さくら「……却下」

春麗「え~っ、酷くな~い?」

さくら「とんでもない提案持ってくるんじゃないっすよっ! 思いつきにしてもねぇ……ちょ~っと、酷くないっすかね、それっ!」

春麗「わかってるわよ。最初から通るなんて思ってないわよ。万が一の可能性にかけて言ってみただけ……」

さくら「そっちは万が一の可能性にかけてるかもしれませんけどねぇ……そういうのを十個も二十個も持ってこられる、こっちの気持ちを考えてもらいたいもんっすけどねぇ?」

春麗「怒らなくてもいいじゃない。冗談よ、冗談冗談」

さくら「……使える提案、持ってこいこの野郎っ!」クスクス

137: 名無しさん 2016/06/25(土) 23:21:35 ID:Gj5qk5gs
コーディ「只今、戻りました~」ガチャ


ヤムチャ「あっ、おかえりなさ~い」

ダルシム「おっ、帰って来たか……んっ……?」


ガイル「おいおいおいおい、この野郎……てめぇ、この野郎……俺は素人相手だろうが、容赦はしねぇぞ、オラオラっ……!」ギリギリ

ツーピー「痛い痛い痛いっ……! ギブ、ギブ、ギブ、ギブっ……!」

さくら「ちょ~っと、ちょっとガイルさんっ……! 素人相手に何してるの……!? 何してるのっ!?」

ガイル「聞いてくれよっ……! 聞いてくれよ、オイっ……!」

ダルシム「……どうしたんだ?」

138: 名無しさん 2016/06/25(土) 23:26:39 ID:Gj5qk5gs
ガイル「こいつの言う、穴場スポットによぉ? コーディとガイを連れて見に行ったんだっ……!」

ツーピー「す、すいません……すいません……」

ガイ「……いや~、臭かったです」

コーディ「……なぁ?」

ガイル「こいつはよぉ……? 便所の裏に俺達を連れていきやがったんだよっ!」

春麗「……え~っ!? アンタ達、そ~んな所で見てたの~!?」

ガイル「確かに人はいなかったっ……! いなかったが、それも当然っ……! ありゃ、臭ぇからだっ!」

ツーピー「違うんすよっ……! 違う違う……今年は特別……今年は、ちょっと臭かったんすよっ……! あの~、役所に掃除頼んでおきますっ……!」

139: 名無しさん 2016/06/25(土) 23:32:42 ID:Gj5qk5gs
ガイル「ちょ~っと、コイツにお仕置きしてやらねぇといけねぇなぁ……?」ギリギリ

ツーピー「痛い痛い痛い……お仕置きもうされてます……されてます……」

ガイル「バカ野郎。お仕置きっつうのは、こんなもんじゃ済まねぇよ……お前はうちの殿に失礼をしたんだぞ……? えぇっ……!?」

ツーピー「あっ、ああっ……ガ、ガイさんもすいませんでしたっ……!」

ガイ「……俺、殿確定なんですかね?」

コーディ「殿はヤムチャさんじゃなかったっけ……?」

ガイル「殿に失礼をしたらどうなるかわかってるよなぁ……? 殿ォ、言ってやれぇ!」

ガイ「切腹でござる……って、まだこのネタ引っ張るんですか?」

140: 名無しさん 2016/06/25(土) 23:37:05 ID:Gj5qk5gs
さくら「はいはいはいはい。ツーピーさんは苛めない……ツーピーさんは……そういう間違いは誰にだってある事っすからっ!」パンパン

ダルシム「切腹でござる」

春麗「切腹でござるっ!」

プーアル「切腹でござるっ!」

さくら「ちょっとちょっと、聞いてる……? ねぇ、聞いてる……?」

ガイル「オラァ! 潔く切腹でござるだ、この野郎っ!」

コーディ「切腹でござる」

ツーピー「すいません……いや、マジで……すいませんっ……!」

ヤムチャ「これさぁ……? な~んか、俺もイジられてるような気がするんだよね~」

ガイ「……自分もですよ」


さくら「はいはい、ストップストップ。ねぇ、聞いてますか……? あ~あ、完全にいつもの日常だ……もう」

154: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:00:51 ID:Ot4QGTDc
そして食事会にてーー


ハガー「関係者の諸君。今年のメトロシティ祭、多くの人々がこの街へと足を運んでくれ、そぉ~して大盛況へと終わったァ!」

秘書「……市長、話が長くないですかね?」

ハガー「ガーハッハッハッハっ! イベントを行ってくれた諸君もありがとう! え~、先ずは地元バンドの諸君っ……! 素敵な演奏をありがとうっ! 市長として感謝するっ!」

エッジ「うぇ~いっ!」

ひなた「イエーイっ!」

ハガー「メトロシティ祭を盛り上げてくれた彼らに、もう一度拍手を送ってくれっ!」

パチパチ、パチパチ

ハガー「え~、次に……ストリートプロレスの方々っ!」

155: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:12:38 ID:Ot4QGTDc
ハガー「非常に急なオファーだったのに関わらず、いや~、少し迷惑をかけた部分もあったかな……?」

ダルシム「……いえいえ」

ハガー「しかしだっ……! そんな状況にも関わらず、素晴らしい試合を行ってくれたっ! 市長として感謝するっ!」

さくら「はいっ!」

ハガー「彼らにも今一度大きな拍手を送ってくれっ!」

パチパチ、パチパチ

ダルシム「ナマステ……ナマステ……」ペコペコ

ハガー「そしてっ……! このメトロシティの夜空を、その職人芸で鮮やかに染めてくれた、花火職人の方々……お~いおいおい、食うのに夢中になってるんじゃないよっ! 今は、君達が主役なんだからっ……!」

156: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:17:49 ID:Ot4QGTDc
岩「ング、ング……ガッ……喉に詰まった……」モゴモゴ

エッジ「ギャハハハっ! 何やってんだよ、岩っ!」

岩「グッ、グッ……食い放題なんだから、食わねぇと損じゃねぇか……水、水……」プルプル

醍醐「お~い。エッジ、岩……あきら知らないか……?」イライラ

エッジ「……アレ、どうしたんですか?」

醍醐「この前、新曲の歌詞を書いたとか言ってただろ……? それが……まぁ、とにかく見てみろよ……あきらが書いた歌詞を……」

エッジ「え~っと、何々……『朝、目覚めるとキミがいてチーズタルト焼いてたさ』なぁ~んじゃこりゃ……?」

醍醐「……出だしでそれだぞ!?」イライラ

エッジ「こりゃ、使えませんね。これは『朝目覚めるとキミがいて俺の両親焼いてたさ』にしましょう……」

醍醐「……なるほどっ! 流石、エッジだっ!」

岩「グ、ググッ……水……水、水……」プルプル

157: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:23:27 ID:Ot4QGTDc
エッジ「『スイーツベイビー君はそうさ、甘い甘い僕の恋人』……ここは『クレイジーベイビー君はそうさ、悪い悪い僕の恋人』だね……」

醍醐「なるほど、なるほど」

エッジ「『さぁ出かけようオシャレして街にさ、チーズタルト片手、君はハシャイでる』……ここは『さぁ出かけようオシャレ共殺りにさ、チェーンソー片手、君はハシャイでる』にしましょう」

醍醐「ほうほうほうほうっ……!いいじゃないか、エッジっ……!」

エッジ「流石に、こ~んな歌詞で歌うのは俺も勘弁ですからね……ちょっとだけ手直しさせてもらってもいいですか?」

醍醐「構わん構わんっ! なんだなんだ、使えないものだと思っていたが……エッジの手にかかると使えるようになるんじゃないか、この曲もっ!」

エッジ「だって、折角あきらが書いて来た歌詞なんでしょ……? だったら、そこは上手くアレンジをしてやるってのがメンバーでしょう」

醍醐「ははは、ちょっとあきらを探してくるよ! これは喜んでくれるぞ~!」

エッジ「こういうのが、メンバーの絆ってヤツですよねっ!」

158: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:32:43 ID:Ot4QGTDc
伐「俺達のバンドに入りたい……? え~っ……」

恭介「そっちはガチガチのメタルバンドじゃない? 僕らはそういうのは……」

あきら「メタルとかやりたくないんです。ギターでもいいから、入れて貰えませんか?」

伐「ツインギターか……まぁ、ひなたがヴォーカルに専念出来るようになるか」

恭介「……いや、ベースで入ればいいじゃない」

伐「じゃあ、恭介はどうするんだよ?」

恭介「あきらさんがベースやってくれるんだったら、僕はもう必用ないだろ? だから、僕が抜けて……」

伐「え~っ!? 抜けるのっ!?」

あきら「太陽バンドさんの、ベース……弾けますよっ……!」

恭介「ほら、ほらっ……! ベース出来るってさ!」

伐「いや~、恭介が抜けるとなれば話別なんじゃねぇの?」

160: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:40:32 ID:Ot4QGTDc
あきら「お願いします!」ペコッ

恭介「僕からもお願いするよ。ベース腕は彼女の方が上だ」

伐「ちょっとちょっと、待ってくれよっ……! そんなの俺の一存で決めれるわけねぇじゃんかよ~」

醍醐「お~、あきらっ……! あきら、いたいたっ……!」

あきら「ゲッ、兄さん……!?」

伐「えっ、何その反応……そっちとはまだ、話つけてないの……?」

あきら「あの、その……実は……ごめんなさいっ……!」

醍醐「な~んの話をしてたんだ? それより、あきら……お前に話があるっ!」

161: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:50:19 ID:Ot4QGTDc
醍醐「さっきは頭ごなしに怒鳴って悪かったな。だが、お前の持って来た曲……出来るぞっ!?」

あきら「……えっ?」

醍醐「エッジが、上手くやってくれる。出来るっ……! お前の曲が出来るんだっ!」

あきら「……本当!?」

醍醐「お前の好きな曲が、好きなように演奏出来るんだ。もう、これで不満もなくなるだろうっ!」

あきら「兄さん、ありがとう……やっと、わかってくれたんだ……」

醍醐「……メンバーの絆、大事にしないとな。半分はエッジのおかげだ。感謝しろ」

あきら「え~っと、それじゃあ……さっきの話はなしっ……! なしって事でいいですか!?」

恭介「……ちょっと待ってよ~!」

あきら「ごめんなさいっ……! 本当、勝手な事言って、ごめんなさいっ……!」

162: 名無しさん 2016/06/26(日) 22:56:51 ID:Ot4QGTDc
醍醐「……話ってなんだったんだ?」

あきら「内緒内緒」ニコニコ

醍醐「一回、エッジに話を聞きにいこうか……? エッジと話してみるがいい」

あきら「うん」

醍醐「という事で、失礼するよ。太陽バンド君……うちのバンドはもう次のステップに入ってるんだ。君達も頑張ってくれたまえ……」


恭介「……も~う、伐がモタモタしてるから~」

伐「いやいや、あんな大御所バンドから引き抜くわけにはいかないだろ……」

恭介「……言い出したのは、向こうからじゃない」

伐「俺の独壇で決めれるような話じゃないだろ。そこは、ひなたにも相談しないとさぁ……?」

恭介「それで、ひなたは何処なの……?」キョロキョロ

163: 名無しさん 2016/06/26(日) 23:03:51 ID:Ot4QGTDc
ダルシム「……ガイル君」

ガイル「ん、何ですか……?」モグモグ

ダルシム「……帰り、運転替わってやってもいいぞ?」

ガイル「……マジっすか?」

ダルシム「構わん、構わん」

ガイル「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます! おい、コーディ、解禁だ、解禁っ! ちょっと取ってきてくれっ!」

コーディ「……あっ、は~い」

164: 名無しさん 2016/06/26(日) 23:09:27 ID:Ot4QGTDc
春麗「アタシの分も~」

コーディ「じゃあ、皆の分取ってきますよ。さくらさんとヤムチャさんも、いりますか?」

さくら「じゃあ、お願いしてもいいっすかね?」

ヤムチャ「あっ、じゃあお願い」

コーディ「……それじゃあ、取ってきま~す」

ガイ「……俺も行くよ」


ひなた「あっ、見つけた見つけたっ。先輩~っ!」

さくら「……あ~、ひなたっ!」

165: 名無しさん 2016/06/26(日) 23:16:27 ID:Ot4QGTDc
ひなた「お疲れ様で~す」ペコッ

さくら「は~い、お疲れ様。ひなたもよくやってたじゃない」

ひなた「先輩、見に来てくれてたでしょ!?」

さくら「へへ、まぁ野次飛ばしに行ったんだけどね」ニヤニヤ

ひなた「え~っ!?」

さくら「まっ、頑張ってたみたいだし、野次飛ばすのはやめておきました」クスクス

ひなた「結構、緊張してたんですよ!」

さくら「それは伝わったよ。だって態度に出てたもん」

ひなた「先輩の顔見つけて、安心したと言いますか……へへ……」

さくら「へぇ~」

166: 名無しさん 2016/06/26(日) 23:23:50 ID:Ot4QGTDc
ひなた「そっちの人も見に来てくれましたよね? え~、ヤムチャさんっ!」

ヤムチャ「あっ、うん。俺も見に行ったよ」

ひなた「ありがとうございますっ!」ペコッ

ヤムチャ「あ~、いやいやっ……! よかったよ! よかったよかったっ! 俺、あまり音楽は詳しくないんだけど、よかったよっ! うん、よかったっ!」

ひなた「……本当ですかっ!?」

さくら「ひなた……言っておくけど、この人はあまり見る目がないから、図に乗らないようにね?」

ヤムチャ「え~っ!? ちょ、ちょっとぉ……酷くないっ!?」

さくら「あははは」

167: 名無しさん 2016/06/26(日) 23:29:42 ID:Ot4QGTDc
ヤムチャ「いや~、だって一個前のヤツがさ……ガーってなって、バーって、グァーってなって……俺、ずっと耳押さえて……」

さくら「ちょっとちょっと。そういう事大声で言わないっ……! あそこにいるんすよっ……!?」

ヤムチャ「あ~、あ~、ごめんごめん……」

さくら「……も~う」

ひなた「あはははは」

ヤムチャ「とにかく……ねっ……? 俺はこっちの方が好きだった。うん、いい感じだったっ!」

ひなた「ありがとうございますっ! それで……見に来てくれたお礼を持って来たんですよ。はいっ!」

168: 名無しさん 2016/06/26(日) 23:34:52 ID:Ot4QGTDc
ヤムチャ「ありがとう。んっ……? カセットテープ……?」

さくら「……今時、カセットテープって。カセットテープて」

ひなた「いいじゃないですか、カセットテープでもっ! それには、私達の曲が入ってるんですよっ!」

ヤムチャ「あ~、今日やったヤツが……これで、聞けるんだ!?」

ひなた「先輩、カラオケヴァージョンも入ってますよ……?」

さくら「……んあっ?」

ひなた「だから、そのカラオケヴァージョンに合わせて、先輩が……」

さくら「ゴミの日いつだったっけなぁ。コレ、燃えないゴミだからなぁ……ちょ~っと、めんどくさいなぁ……」

ひなた「あ~っ、捨てないで下さいよ。ちゃんと聞いて下さいよっ!?」

さくら「やかましいっ……! なぁ~んで家であんたの曲を聞かないといけないんすかっ!?」

169: 名無しさん 2016/06/26(日) 23:40:20 ID:Ot4QGTDc
ひなた「先輩もメンバーの一員なんですから!」

さくら「元メンバーね……元……」

ひなた「あっ、じゃあそれ先輩の入場曲にするってのはどうですか!?」

ヤムチャ「……いいんじゃない?」

さくら「こぉ~んな気の抜けるような曲を流して、入場出来るわけないでしょ!?」

ひなた「え~、いいじゃないですか。使って下さいよ……そしたら私達のバンドも有名に……」

さくら「本音はそれでしょ……? 人、使ってんじゃないっすよ」クスクス

ひなた「はぁ~い。まぁ、入場曲ってのは冗談ですけど……ちゃんと、聞いて下さいね!?」

ヤムチャ「うんうん、ありがとうありがとう。また聞かせてもらうよ」

さくら「気が向いたら聞くっす」

179: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:01:31 ID:4A8WV9pg
コーディ「え~っと、後は適当に飯とか取っていくか……」キョロキョロ

ガイ「そうだな」

コーディ「ん~、何取っていくかな~……んっ……?」

ガイ「……どうした?」


ジェシカ「ん~……ん~……」キョロキョロ


コーディ「……あれ?」

ガイ「何、どうしたの……?」

コーディ「おい、ガイ……ちょっと、持っててくれコレ……」ダダッ

ガイ「……おいおい、何処行くんだよ?」

180: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:08:26 ID:4A8WV9pg
コーディ「ジェシカ……だよなぁ……?」

ジェシカ「あっ、いたいた。コーディ見つけた」

コーディ「なんで、こんな所にいるの……?」

ジェシカ「来ちゃった」

コーディ「いや、来ちゃったって……ここ、関係者以外は……」

ジェシカ「ふふ、忍び込んだの」

コーディ「忍び込んだって、おいおいおい。見かけによらず、結構破天荒な所あるんだね」

ジェシカ「そうかな?」

コーディ「……でも、そういうのってバレたらまずくないの?」

ジェシカ「大丈夫だよ」

コーディ「いやいや、まずいって。絶対、まずいって……ちょっと場所替えようよ……ねっ……!?」グイッ

ジェシカ「……え~っ?」

181: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:16:07 ID:4A8WV9pg
ハガー「いや~、ストリートプロレスの皆さん。食っとるかっ!?」

ガイル「おっ、市長さん」

ダルシム「あ~、これはこれは、市長さん。お疲れ様です。ありがたくいただいております」ペコッ

ハガー「いや~、ストリートプロレスの皆さんには本当に感謝してるよ。突然のオファーだと言うのに、こうやって受けてもらって……それにガイル君……」

ガイル「……んっ?」

ハガー「ドラム缶祭りの方でも世話になったな?」

ガイル「盛り上がってましたからねぇ。あ~んな美味しい舞台が目の前にあるんだったら、是非とも参加しようかなと。ははは」

ハガー「……本気でやってくれてもよかったんだぞ?」ニヤニヤ

ガイル「なぁ~に、言ってんすか。俺はいつでも本気ですよ。あれが俺の本気です」

ハガー「ガハハ、そうかそうか」

182: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:23:38 ID:4A8WV9pg
秘書「……市長、市長」ヒソヒソ

ハガー「なんだよ……今、ストリートプロレスの皆さんと……んっ……?」

秘書「わかってますけど……報告はしておきませんとね……あの~、という事なんで……」ヒソヒソ

ハガー「あ~、そうかそうか。わかったわかった……」

ダルシム「……何かあられたんですか?」

ハガー「あ~、いや失礼。大した事ではないんだ。私の娘が来てるらしいと……会場で見かけたと……そういう話だ」

ダルシム「あ~、娘さんが……」

ハガー「パパに会いに来てくれたのだったら嬉しいんだが……まぁ、どせ。アイツの事だ……食事にありつきに来たんだろうな……」

ダルシム「ハハハハ」

183: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:32:11 ID:4A8WV9pg
ハガー「……結婚はされてるのかな?」

ガイル「はい」

ダルシム「私も」

ハガー「……お子さんは、いられるのかな?」

ガイル「いますよ」

ダルシム「私も」

ハガー「こ~う、年頃の娘と上手く付き合う方法……みたいなの、ないかな?」

ガイル「……え~っ?」

ハガー「いや~、ほら……うちのは思春期と言うか……娘のハートを掴めない男が市長だなんて、格好がつかんだろう?」

184: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:42:30 ID:4A8WV9pg
ダルシム「なるほどなるほど。うちは息子なんでね……ちょ~っと、違う部分はあるかもしれませんね」

ハガー「あ~、男か」

ダルシム「でもガイル君の所は娘です。同じ女の子ですから、何か市長に助言を送れるんじゃないか……?」

ハガー「おっ、ガイル君は娘さんか?」

ガイル「いや~、多分似たようなもんでしょうね。俺もそんな感じです。あっちから話しかけてきた時は、大抵ショック受けるような事言ってきますよ……」

ハガー「……どういう事を言われるんだ?」

185: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:49:06 ID:4A8WV9pg
ガイル「ついこないだですよ。朝『パパ~、パパ~』なんて血相変えて、俺の所やってくるんですよ」

ハガー「うむ」

ガイル「それで何かな~って思ったら、いきなり『歯ブラシを買い換えて』と怒って言うんですよ」

ハガー「……歯ブラシ?」

ガイル「なんかね……? 洗面所の歯ブラシ立ての所で、俺のと娘の歯ブラシが毛先がくっつくような感じになってたんですって!?」

ハガー「……ほうほうほうほう」

ガイル「でもそれだけですよっ……!? ただそれだけなんですよっ……!? それなのに『もうこの歯ブラシ、気持ち悪くて使えない』なぁ~んて朝からキレてるんですよ!?」

ダルシム「……へぇ~、そんな事になるのか」

ハガー「……うちも歯ブラシには気をつけないといけないなぁ」

ガイル「気持ち悪いってなんだよ……!? そんな事言いますかねぇ!? 朝からそんな事言われて……俺もなんか、な~んかも~う……」

186: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:53:29 ID:4A8WV9pg
ガイル「だから、結局は俺も同じですよ。ファンのハートは掴めても、娘のハートは掴めません……」

ハガー「……やっぱり、女の子は難しいよなぁ?」

ガイル「俺の場合はね、そういう怒り……じゃないけど、モヤ~っとした気持ちを、その日の対戦相手にぶつける事で発散してますよ」

ハガー「……ほう」

ガイル「俺が凄く活躍して相手をボッコボコにしてる日は、大抵家でそういう事が起きてます」

ハガー「ガハハ、そう考えるとプロレスラーってのはいい職業だなぁ!」

ダルシム「いや~、昔のガイル君の方がもっとバチバチだったぞ?」

ガイル「そんな事ないでしょ? 俺は昔からこんな感じですよ」

187: 名無しさん 2016/06/28(火) 22:57:24 ID:4A8WV9pg
ダルシム「やっぱり結婚して、娘さんが生まれて……丸くなってるよ……丸くなってる……」

ガイル「いやいや、そんな事ないですって……」

ダルシム「いや~、変わったぞ。なぁ、春麗君……? あれ、いない……」

ハガー「まぁ、わからん事もないな。家庭を持つと言う事はそれなりの物を背負うと言う事だからなぁ。私も娘を持ってから、自分自身で丸くなったと思うよ……」

秘書「……市長、嘘はやめましょう」

ダルシム「……だって、昔はもっとケン君を目の敵にしてたじゃないか?」

ガイル「あ~、あ~……そう言えばそうかもしれませんねぇ……う~ん……」

188: 名無しさん 2016/06/28(火) 23:03:17 ID:4A8WV9pg
ハガー「まぁ、結局は我々もただの人だと言った所かな!?」

ダルシム「ははは、その通りですね」

ガイル(そういや、ナッシュもそういう事を言ってくるような気がするなぁ……)

ハガー「来年は、子育て講演会……みたいなのやってみるか……? そういうゲストを読んでさ……?」

秘書「……お祭りで?」

ガイル(あ~、でもそうか……タッグとは言え、新入りのヤムチャチームに負ける……そうだよなぁ。俺、こんなの飲まねぇよなぁ……)

ハガー「ガハハ、違うかっ!? 違うなっ!」

ダルシム「……我々は、来年もオファーお待ちしておりますよ?」

ガイル(……ナッシュに話してみるか)

ハガー「ガーハッハッハ、来年はもっとしっかりした形でオファーを出させてもらうよ。本当に今年は感謝するっ……!」

ダルシム「来年だけとは言わずに、何かある時は真っ先にお声をかけて下さい。長~い付き合いをしていきましょう」

189: 名無しさん 2016/06/28(火) 23:08:19 ID:4A8WV9pg
コーディ「も~う、何やってんの。ただ飯食いに来たの……?」

ジェシカ「ふふ、そんな感じ」

コーディ「俺、この街に来て結構そういうナリの人は見かけたけど……ここまでする奴はいなかったぜ……?」

ジェシカ「皆、面白い服とかヘアースタイルとかしてるよね」

コーディ「今日、俺ツーピーさんって人と一緒だったんだけどさ、あの人が一番奇抜なヘアースタイルしてたかな? あれ、どうなってるんだろう……」

ジェシカ「それを言うなら、コーディの先輩も変わったヘアースタイルだったんじゃない? パイナップルみたい」

コーディ「俺の先輩にそういう事を言うな」クスクス

ジェシカ「頼りにならない先輩だね」

コーディ「だから、言うなっての」

190: 名無しさん 2016/06/28(火) 23:15:13 ID:4A8WV9pg
ジェシカ「コーディが負けちゃったのは、あの先輩のせいだよね」

コーディ「……えっ?」

ジェシカ「あの先輩が役に立たないから、コーディは負けちゃったんだよね」

コーディ「ははは、はははは……」

ジェシカ「ねっ?」

コーディ「……そういう事にしておこうか?」

ジェシカ「うん」

コーディ「……試合見に来ててくれたよね?」

ジェシカ「うん」

コーディ「……格好悪い所見せちゃったかな?」

ジェシカ「う~ん、わからない……」

コーディ「……わからないって何?」

191: 名無しさん 2016/06/28(火) 23:21:54 ID:4A8WV9pg
ジェシカ「だって私、見るの初めてだったんだもん」

コーディ「……あ~、そうか」

ジェシカ「隣で見てた人は、凄く詳しそうな人だったんだけど……う~ん、そうだな~」

コーディ「……んっ?」

ジェシカ「コーディ、頑張ってるな~って思って見てた」

コーディ「ははは、そんな感じで見てたんだ……?」

ジェシカ「でも、楽しかったよ!」

コーディ「んっ、わからないんじゃなかったっけ……?」

ジェシカ「うん。よくわからなかったけど、楽しかった」

コーディ「なんだそりゃ。でも楽しんでくれたんだったら、よかったよ……」

192: 名無しさん 2016/06/28(火) 23:25:38 ID:4A8WV9pg
ジェシカ「次は勝ってね! あの人に……えっと、えっと……」

コーディ「……ガイ」

ジェシカ「そうそう。ガイだ、ガイだ。それと、その人と一緒にしてた人にも!」

コーディ「え~っと、それはヤムチャ……かな……?」

ジェシカ「そうそう、ヤムチャヤムチャ!」

コーディ「……あの人は強いぞ?」

ジェシカ「それと、髪の毛の人」

コーディ「……ガイルさんね」

ジェシカ「そうそう」ニコニコ

コーディ「ははは。無茶言うんじゃねぇ」

ジェシカ「……なぁ~んで」

コーディ「いや~、頑張ればいけるかもしんねぇけど……あ~あ、やっぱり今の所は厳しいねぇ……」

ジェシカ「そんな事ないよ。コーディならいけるよ」

コーディ「はははは、はははは」

202: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:03:30 ID:AgjAng7.
ジェシカ「あっ、ごめん。ちょっと待って……」

コーディ「どうしたの?」

ジェシカ「ごめんごめん。ちょっとメールが来たみたい……ちょっと待ってて……」

コーディ「はいはい、メールね……って、あっ……」

ジェシカ「……んっ、どうしたの?」

コーディ「ストラップ一個増えてるじゃん? 水色のはなかったよね?」

ジェシカ「あっ、そうなの。また今年も貰ったの。もうここまで来たら一個も十個も同じでしょ……?」

コーディ「ははは、ダサいよな! やっぱりダサいよな!?」

203: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:12:05 ID:AgjAng7.
ジェシカ「ダサいのはわかってるけど……」

コーディ「まぁ、そういう俺も似たようなもんなんだけどね」

ジェシカ「……んっ?」

コーディ「ほら、ジャーンっ! コレ、見てよ?」

ジェシカ「あっ、ストラップがついてる。どうしたの?」

コーディ「先輩に頂いたと言うのが正しいのか、それとも押し付けられたと言うのが正しいのか……どっちだと思う?」

ジェシカ「あはは、そうなんだ」

コーディ「まっ、俺のはジェシカ程酷くはないけどね。まだ、一個だから……へへ……」

ジェシカ「あっ、ちょっと待って。携帯しまわないで」

コーディ「……んっ?」

204: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:19:38 ID:AgjAng7.
ジェシカ「番号教えてよ」

コーディ「……えっ?」

ジェシカ「交換しようよ」

コーディ「えっ、交換……? え~っと……」

ジェシカ「コーディが試合する前に、元気の出るメール送ってあげる!」

コーディ「あ~、そりゃどうも……」

ジェシカ「ねっ。だから教えて」

コーディ「う~ん、まっ、いっか。じゃあ、交換しようか?」

ジェシカ「うん!」

205: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:24:53 ID:AgjAng7.
春麗「さくら、さくら……あたしもそっちに混~ぜて」

さくら「あっ、春麗さん。ダルシムさんとガイルさんは……?」

春麗「今、市長さんと話してるわ」

さくら「えっ……? あっ、本当だ。あ~、ちょっと自分も挨拶しに行って……」

春麗「ダルシムさんに任しておきなさい。あっちはあっちで盛り上がってるんだから……あんたはあの輪の中に加われないわ」

さくら「んっ、なんの話してるんすかね?」

春麗「……アタシの一番嫌いな話」

さくら「あ~、あ~、なるほど……はいはい」

206: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:29:07 ID:AgjAng7.
春麗「さっき話してたのが、あんたの言ってた後輩……?」

さくら「あ~、見てました? そうっす。ひなたって後輩です」

春麗「似てるわよね。姉妹かと思っちゃった」

さくら「……いや~、そんな事ないでしょ?」

春麗「雰囲気とかそっくりよ」

さくら「そんな事はないとは思いますけどねぇ……」

春麗「いや~、似てるわよ……え~っと、何処行ったのかしら、ん~、ん~……」キョロキョロ

207: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:39:34 ID:AgjAng7.
岩「おいおい、あきらっ……! 落ち着けってっ……!」

エッジ「おいっ、何が気に食わないんだよっ!? なんだなんだっ……!?」

醍醐「あきらっ……! あきらっ……! あきらァァっ……!」

あきら「やめてやるっ……! 今度こそ絶対に、絶対絶対やめてやるっ……! あのっ、太陽バンドの皆さんっ……!」

伐「……んっ?」

恭介「……あれ?」

ひなた「あれ、あきらさん。どうしたんですか?」

208: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:44:29 ID:AgjAng7.
あきら「やっぱり、さっきの話考えてもらってもいいですかっ!? 私、外道バンド脱退する事にしましたっ!」

岩「……なんだとっ!?」

恭介「えっ、そうなんだ?」

あきら「ギターだろうが、ベースだろうが、何だってやります! 私を太陽バンドに入れて下さいっ!」ペコッ

伐「さっきはなかった事にしてくれとか言ってたのに……えっ、どういう事なの……?」

エッジ「なに、わけのわかんねぇ事を言ってんだよ。お前には、天性のメタルの才能が……」

あきら「人の書いた歌詞を、あんなに滅茶苦茶にして……もう我慢出来ないっ……! も~う、我慢出来ないっ……!」ワナワナ

ひなた「ちょっとちょっとちょっと……何が、どうなってるんすか……?」アセアセ

醍醐「あきらァァっ……! 兄さんは認めんぞォォ……!」

209: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:50:35 ID:AgjAng7.
あきら「私の音楽は太陽の元にあります。太陽バンドの皆さん、お願いします! 私をメンバーに加えて下さいっ!」ペコッ

ひなた「え~っと、あきらさん……ちょっと、どういう事なのか……」アセアセ

恭介「僕は全然構わないよ。これで僕もようやく解放される事に……」

岩「なんだと、てめぇこの野郎っ……! 天下の外道バンド様から引き抜こうだなんて、いい根性してるじゃねぇか、この野郎っ……!」

恭介「引き抜こうとしてるわけじゃないよ。だって、入りたいって言ってるのはあきら君本人なんだから」

岩「三度の飯より、殺人とメタルが大好きなアキラがそんな事言い出すワケねぇだろっ……! てめぇら、どうやってタブらかしたっ!? 言ってみろっ!」

ひなた「あ~、ちょっとちょっと……恭介、岩さん……場所考えましょうっ……!」アセアセ

伐「そうだよ、岩。まだ決まったワケじゃないんだから……それに恭介、お前やめるとかいきなり言い出すなよ……」

恭介「……いきなりじゃないでしょ? 僕は前からずっと言ってるんだよ? ねぇねぇ」

ひなた「あ~、あ~、恭介恭介……その話は後で……後で後で……!」アセアセ

210: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:55:51 ID:AgjAng7.
エッジ「おい、あきら。何が気に食わねぇんだよ!?」

あきら「……わからないの?」ワナワナ

エッジ「わっかんねぇよっ!」

あきら「私は栄二のそういう所が嫌なのっ!」

エッジ「あああぁぁっ……!? 誰が栄二だっ!? だぁぁぁれが栄二だゴラァ!」

あきら「あなたは山田栄二でしょっ!?」

エッジ「本名で呼ぶんじゃねぇぇぇっ! 俺はエッジだっ! エッジだ、ゴラァっ!」

ひなた「あ~っ……! あ~っ……! あきらさんに、エッジさん……ちょっとちょっと……」アセアセ

醍醐「あきら、この世は民主主義だ。どうだろう……ここは一つ多数決でお前の脱退を考えてみるというのは……」

あきら「……あんたの民主主義は聞き飽きたっ!」

醍醐「んっ、あきら……お前、兄さんに向かってその口の聞き方は……」ギロリ

ひなた「あ~っ、もうっ……! 醍醐さんっ……!」

211: 名無しさん 2016/06/29(水) 22:59:54 ID:AgjAng7.
恭介「そもそも、やりたくない事やっていると言う点では、僕もあきら君も同じだ」

伐「お前、今日楽しんでやってただろうがっ!」

岩「あきらはメタルに魂かけてるんだよっ! テキトー、ぶっこいてるんじゃねぇっ!」

ひなた「伐、恭介、岩さんっ……! 落ち着いて……一回、落ち着いて……」アセアセ

エッジ「あ~んな、糞みてぇな歌詞使えるワケねぇって言ってんだよっ! なんだよ、チーズタルトってよぉ!?」

醍醐「そうだ、あきらっ……! 確かにあれは酷かった。お前に非がある」

あきら「う~っ、う~っ……! そういう所がっ……! そういう所がっ……!」ワナワナ

ひなた「あ~っ、あきらさんも、エッジさんも、醍醐さんもっ……! ちょっと、一回落ち着きませんか……?」アセアセ


さくら「……んっ、何か揉めてる?」

春麗「あっ、ほら。ああいう所、そっくり」

212: 名無しさん 2016/06/29(水) 23:06:43 ID:AgjAng7.
さくら「……って事は、あんたら自分の事、困らせてるって自覚はあるんすね?」

春麗「あんたはそういう立場だからね」ニコッ

さくら「ったく、もうっ……! ひなたも見えない所で苦労してるんすね……」


ガイ「あっ、すいませ~ん。料理とか色々取ってきました」

ヤムチャ「あっ、ガイ君おかえり」

プーアル「おかえりなさい!」

春麗「ちょっと、遅くない……? 料理持ってくるのに、どれだけ時間……あれ、コーディは?」

213: 名無しさん 2016/06/29(水) 23:13:03 ID:AgjAng7.
ガイ「いや~、急に何処かに行っちゃって……」

さくら「……え~っ?」

ガイ「とりあえず、料理だけはここに持ってこようかと」

春麗「何してるのよ。あいつ」

さくら「も~う、コーディさん……あ~っ、コーディさん……」キョロキョロ

春麗「あはは。ほら、あの子にそっくり」

さくら「……あはは、そうっすね」

春麗「心配しなくても大丈夫でしょ。アイツだって子供じゃないんだし。それより、食べましょ食べましょ」

さくら「う~ん、そのうち戻ってくるかな……?」キョロキョロ

214: 名無しさん 2016/06/29(水) 23:18:20 ID:AgjAng7.
ハガー「しかしなぁ、文句を言われているうちこそが、華なのかもしらん……やがては、嫁に行き……そして……あ~、いかん。暗くなってきたっ!」

ガイル「ははは、そういう話はやめましょう。考えたくもねぇ」

ダルシム「しかし、何れはそういう時が来るんですよね。心構えはしておくべきなんじゃないですか?」

ガイル「その時考えますよ、ちくしょうっ!」

ハガー「そりゃ娘が、いい人を見つけて……それを望んでやるのが、親としての仕事なのかもしらんが……あ~、もうな……」

ダルシム「娘さんを下さい……な~んて言われる日が、何れは来るんですよ?」

ガイル「……ははは、ぶん殴っちまいそうだな」

ダルシム「はは、君が殴るのはいかんぞ」

ガイル「うちの愛娘をそう簡単に渡さねぇっての、この野郎」

215: 名無しさん 2016/06/29(水) 23:22:30 ID:AgjAng7.
ハガー「やっぱり『娘がほしいのなら、この俺を倒してみろ!』なんて事は言うよなぁ?」

ガイル「言いますね。絶対に言います」

ダルシム「ガイル君に勝つだなんて、いないだろう……? 市長も随分と体格がよろしいみたいですが……」

ハガー「やっぱり、強い男だろ……強い男……」

ガイル「そうっ!」

ハガー「弱い男なんかに娘は渡せん。私だってここまで来たのは、腕っぷしもあったからだよ」

ガイル「うん、その通り!」

ダルシム「はは、苦労する事になりそうですね。娘さんのお相手は」

216: 名無しさん 2016/06/29(水) 23:32:45 ID:AgjAng7.
ジェシカ「よし、登録できたよ」

コーディ「こっちもこっちも……はい、オッケー」

ジェシカ「ちゃんと返信してね?」

コーディ「はいはい。わかってますわかってます」

ジェシカ「コーディの事、応援するからね! 一番、強い人になってね!」

コーディ「一番か……まっ、道は険しいと思うけど……うん……」

ジェシカ「……んっ?」

コーディ「頑張るよ、うん」

ジェシカ「うん!」

234: 名無しさん 2016/07/01(金) 22:00:46 ID:QrnMU8cc
そしてーー


ガイル「う~し、忘れ物ねぇか? もう結構な時間なんだから、取りに戻るだなんて面倒事は勘弁してくれよ。しっかり確認しておけ」

ダルシム「忘れ物は来年まで取りに戻れないぞ。あ~、いや……郵送って手もあるか」

さくら「ダルシムさん、来年って事は市長さんと上手く話は……」

ダルシム「どうなるかはわからんが……うん、とりあえず約束だけは取り付けておいたよ。うん」

さくら「……なんか、任せる形になってしまってすいませんね」

ダルシム「なぁ~に、既婚者同士で上手く話が盛り上がったからな。適材適所だよ」

さくら「あ~、はいはい……」

ダルシム「さて、帰りは私の運転だ。荷物を積み込んでくれ」

235: 名無しさん 2016/07/01(金) 22:11:58 ID:QrnMU8cc
春麗「出迎えはあれだけ多かったのに、見送りは一切なしなのね……」キョロキョロ

ヤムチャ「そうですね……」キョロキョロ

プーアル「まぁ、時間も時間ですからね……」

春麗「皆、祭りで楽しんだ後……ヨロシクしてるんでしょうね。爆発しなさい」

ヤムチャ「……プーアル、ヨロシクって何だ?」

プーアル「う~ん……い、隠語です。あまり深くは聞かない方がいいんじゃないですか?」

春麗「さぁ、荷物積み込んじゃいましょ」

ヤムチャ「あっ、は~い」

236: 名無しさん 2016/07/01(金) 22:24:14 ID:QrnMU8cc
ガイ「コーディ、食事会の時、何処行ってたんだ……?」

コーディ「んっ……? あ~、ちょっとね……」

ガイ「ちょっと、何……?」

コーディ「あ~、いやいや……いいじゃんいいじゃん。まぁ、気にすんな」

ガイ「……はぁ」

コーディ「……お前には負けねぇからな」

ガイ「んっ……?」

コーディ「今、お前に一歩遅れとってるかもしんねぇけど……俺は、お前には負けねぇ」

ガイ「はは、急に何言ってるんだ?」

コーディ「……その余裕ぶっこいた態度を打ち崩してやる」

ガイ「お前がそういう風に言う時って、何か空回りの前兆が……」

コーディ「うるせぇ、今日は空回りしねぇだろうが。今日はっ!」

ガイ「今日はな」

237: 名無しさん 2016/07/01(金) 22:30:20 ID:QrnMU8cc
ダルシム「皆の者、シートベルトは絞めたか? そろそろ、離陸するぞ」

さくら「後は帰ってベガさんに報告して……終了って所ですね。はい、シートベルト絞めましたよ」

ダルシム「よし、それじゃあ……少し揺れるぞ……よっ!」

ガイル「グッバーイ、メトロシティ!」

ヤムチャ「いや~、終わったなぁ……終わった、プーアル」

プーアル「お疲れ様でした、ヤムチャ様。でもヤムチャ様は明日もありますからね」

ヤムチャ「そうだよなぁ、そうだよそうだよ。明日もあるんだよ」

さくら「明日は、リュウさん抜きで何処まで出来るかってのも、一つのテーマっすから……ヤムチャさん、よろしくお願いしますね」

ヤムチャ「責任重大だね」

さくら「こっちも頑張りますから」

239: 名無しさん 2016/07/01(金) 22:41:30 ID:QrnMU8cc
ーーー


ローズ「う~ん……う~ん……」

かりん「……」

キャミィ「……」

ローズ「う~ん……う~ん……う~ん……」

かりん「……ローズさん?」

キャミィ「どうしたんですか? 明日の事で何か考えてるんですか?」

ローズ「んっ……? あっ、違うわよ。明日の事を前日に考え込んだって仕方ないじゃない。違う違う……う~ん、う~ん……」

かりん「うんうん唸って……便秘ですの……?」

ローズ「違うわよ。ねぇ、かりんちゃんとキャミィちゃんって、さくらと仲いいわよねぇ……?」

240: 名無しさん 2016/07/01(金) 22:50:04 ID:QrnMU8cc
キャミィ「はい」

かりん「私は同期ですから。さくらがどうかしたんですか?」

ローズ「……さくらちゃん、男出来たのかしら?」

キャミィ「……えっ?」

かりん「そういう話はしませんけど……」

ローズ「と言うかねぇ……コレ、お姉さんの見立てでは男出来てるわよ……」

かりん「……それ、本当ですの!?」

ローズ「うんうん。十中八九は間違いと思うわ」

241: 名無しさん 2016/07/01(金) 22:56:59 ID:QrnMU8cc
キャミィ「……なんでそう思うんですか?」

ローズ「それは、もうベテランの目よ。お姉さんぐらいになると、すぐわかっちゃうの。ほら、例えば私達ってリング上で大の字でダウンする事とかあるじゃない……?」

かりん「はいはい」

ローズ「大股開いてダウンするじゃない? それが、男が出来た女性選手ってのは、恥じらいを覚えるとでも言えばいいのかな……? ちょっと、違うのよ……ちょっと、違うのよ……」

かりん「……さくらは違いますの?」

ローズ「違うわね。違う違う……コレ、男出来てるわよ。絶対っ……!」

かりん「え~、さくら~っ!?」

キャミィ「股……股……」モジモジ

ローズ「最近の若い子はお盛んなんだから~。春麗なんてねぇ、ず~っとずっとずっと、ファンを恋人って頑張ってるのよ~」

かりん「……お姉様もですわよねぇ?」

ローズ「うるさいわねぇ、その口縫いつけるわよ!」

243: 名無しさん 2016/07/01(金) 23:03:10 ID:QrnMU8cc
ローズ「お姉さんより、ほら……二人の方が仲いいでしょ? ほら、相手が誰かとかわかるんじゃない!?」

かりん「そういう話はいたしませんからねぇ。う~ん……相手……」

ローズ「う~ん、キャミィちゃんはわかる……?」

キャミィ「あの、こういう事って……あの……」

ローズ「何言ってるのキャミィちゃんっ! 可愛いさくらちゃんが変な男に掴まっちゃいけないでしょ?」

かりん「鬼の居ぬ間に洗濯ですわ」

ローズ「お姉さん達は仲間として、そういう事を知っておく義務があるの。仲間としてね? ほら、さくらちゃんの目の前じゃこういう話は出来ないわよ」

かりん「渡りに船ですわ」

キャミィ「は、はぁ……」

ローズ「お姉さんは心配なだけ! 本当よ本当よ。本当よ? ねぇねぇ、キャミィちゃん、わかるかしら?」

キャミィ「う、う~ん……ちょっと私もわかりません」

244: 名無しさん 2016/07/01(金) 23:12:00 ID:QrnMU8cc
ローズ「う~ん、二人共わからないか」

かりん「さくらの交遊関係で言えば、先ずベガさん……」

ローズ「いくらなんでも、ベガ君はないでしょ? だって、顎割れてるんだよ?」

かりん「流石に、さくらもそこにいきませんわよね。それじゃあ、サガットさんか、バルログさんか、バイソンさんか、ダンさん……」

ローズ「そことはよく飲んでるもんね。でも、そこあるかなぁ~? バルログ君はちょっといい所あるけど、やっぱり気持ち悪いし……他は、ねぇ……?」

かりん「う~ん、じゃあヤムチャさんとか? ほら、ここに来てから結構一緒の場面が多いです」

ローズ「う~ん、ヤムチャ君……顔はいいけどね。ちょっと抜けてると言うか、アホの子の所がない……?」

かりん「しっかり者のさくらはいきませんわよね」

247: 名無しさん 2016/07/01(金) 23:17:07 ID:QrnMU8cc
かりん「あ~、ユンさんとヤンさんとも最近はよく一緒に行動してますわね」

ローズ「ユン君はヤムチャ君以上のアホの子じゃない」クスクス

かりん「ヤンさんは比較的まともじゃありません?」

ローズ「……あの髪で?」クスクス

かりん「う~ん……ないかっ……?」

ローズ「ないわよないないない。というか、同業者相手に恋愛する……?」

かりん「う~ん、違う所かな……?」

ローズ「ちょっとさ、かりんちゃんとキャミィちゃん……さくらちゃんに探りを入れてみてくれないかな?」

かりん「わかりましたわ」

キャミィ「……ローズさんは?」

ローズ「ほら、お姉さんが言ったら怪しまれちゃうじゃない? こういうのはさくらちゃんに親しい、かりんちゃんとキャミィちゃんが探り入れた方がいいから……ねっ……?」

キャミィ「……はぁ」

259: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:00:53 ID:rgP8A4ok
---


さくら「それじゃあ、皆さん本日はお疲れ様でしたっ!」

ガイル「あいよ、お疲れお疲れ」

春麗「は~い、お疲れ様~」

コーディ「お疲れ様です」

ガイ「お疲れ様です」

ダルシム「うむ。お疲れお疲れ」

さくら「んんっ、あ~ぁ、終わった終わった……アレ、ヤムチャさん? どうしたんすか、もう今日はオッケーですよ?」

ヤムチャ「あ~、いや~」

さくら「……んっ?」

260: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:07:49 ID:rgP8A4ok
ヤムチャ「いつも終わった後に、皆で飲みに行ってるじゃない?」

さくら「はいはい」

ヤムチャ「それで俺達、今日別行動と言うかねっ……? え~っと、だからさ……」

さくら「はい」

ヤムチャ「二人で飲みにいかないかな?」

さくら「……二人で?」

ヤムチャ「うん」

さくら「お誘いっすか?」

ヤムチャ「うん、そう」

さくら「誘ってくれるのは嬉しいんすけどけね……あの~、ほら、ちょっとこれから報告あるんすよ……? う~ん……ちょっと長くなっちゃうかもしれないっす」

261: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:20:32 ID:rgP8A4ok
ヤムチャ「……そっか」シュン

さくら「……やめて下さいよ。そ~んな、捨てられた犬猫みたいな顔しないで下さい」

ヤムチャ「えっ、嘘……? 俺、そんな顔してた!?」

さくら「あはは、してたしてた。あの~、今日は無理なだけでね……? また別の日だったら飲みにいけますんで」

ヤムチャ「うんうん、わかったわかった」

さくら「皆一緒にでもいいし……それに、その……」モジモジ

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「ねっ……? また別の日に……別の日にお願いします。今日は、報告があるんすよ……本当っ……! 本当、ごめんなさいっ……!」

ヤムチャ「いやいや、大丈夫大丈夫っ! 謝らなくていいからっ……! あの~、俺の方こそゴメンね!?」

262: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:25:39 ID:rgP8A4ok
さくら「あっ、それとね……一つお願いがあるんですけど、それも聞いて貰っていいっすか?」

ヤムチャ「んっ、お願いって?」

さくら「あの~、今日は……う~ん、皆帰っちゃったから大丈夫かな……? うんうん……」キョロキョロ

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「こういう事は、皆の前で誘う事はやめてほしいっす」

ヤムチャ「……えっ?」

さくら「あの、誘わないで……って言ってるワケじゃないんすよ? 皆の前では誘わないでってお願いしてるだけで……その、誘ってくれる事自体は全然……」

ヤムチャ「……ん~っと、どういう事かな?」

263: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:32:17 ID:rgP8A4ok
さくら「あの~、ほら……他の人の目ってのが、あるじゃないっすか……?」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「自分は絶対に、そういう事はしないっすよ? でも、他の人がどう思うかって話なんですよ。ヤムチャさんと自分が、凄く仲良しだから……そのせいで、ヤムチャさんがウチの団体の中でいい扱いを受けている……みたいに思われる可能性ってのもあるじゃないですか?」

ヤムチャ「……えっ?」

さくら「実際、男子部に関しては自分はノータッチですよ。まぁ、例外はありますけど……それでも、自分は明日は誰と誰が試合して……そこからこうこうこうやってってのを、ある程度作ってるんですよ?」

ヤムチャ「うんうん」

さくら「今、ヤムチャさんも結構中心となってやってくれてますよね? だから、ここがそういう風に仲良しだって事が周りに知られちゃうって言うのは……よくない事だと思うんすよ」

ヤムチャ「……そうなの?」

さくら「さくらはプライベートとごっちゃにしてるんじゃないかなって……周りがそう思っちゃうんですよ?」

ヤムチャ「……そうなんだ」

264: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:38:02 ID:rgP8A4ok
さくら「そもそも、自分がこうやって皆の試合内容を決めてるってのも、そのプライベートとごっちゃにするなって所から始まったんすよ」

ヤムチャ「そうなんだ」

さくら「春麗さんとローズさん……本当はこの二人のどっちかが、この立場になる予定だったらしいんすよ」

ヤムチャ「……うんうん」

さくら「今でこそ、春麗さんがチャンピオンですけど……その時期は丁度、春麗さんとローズさんのどっちの方が強いんだ……みたいな感じになってまして……」

ヤムチャ「うんうん」

さくら「ほら、春麗さんがこの立場になっちゃったら、やっぱり自分をチャンピオンにする為への試合を組んでいく……って事へもなっちゃいそうじゃないですか?」

ヤムチャ「あ~、はいはい……」

さくら「そうなってくると、ローズさんは納得しませんよねぇ? 逆もまたしかりで、ローズさんがこの立場になっちゃうと、自分もチャンピオンにする為の試合を組んでいく……って事に、なるかもしれません」

ヤムチャ「そうなると、春麗さんはちょっと嫌な感じがするかもねぇ」

さくら「だからどっちでもない、フェアな判断が出来る……と言っても、それは自分の能力とかじゃなくて、関係ないからね……!?」

ヤムチャ「はいはい。さくらちゃんからしたら、春麗さんが勝とうが、ローズさんが勝とうが、自分にとって得する事……う~ん、こういう言い方でいいのかな……? まぁ、そういう事は関係ないもんね」

さくら「……もう本当に嫌だったんすよ。あの時は」

ヤムチャ「……んっ?」

265: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:47:11 ID:rgP8A4ok
さくら「春麗さんも、ローズさんも……まぁ、勿論試合で魅せるって事は当然してましたけど……先ず、自分を丸め込もうとしてくるんすよっっ!」

ヤムチャ「うんうん」

さくら「もうね……凄く優しいんすよっ! 春麗さんがご飯に連れていってくれたら、その次の日にはローズさんがもっと高い店に連れていってくれましたし……そしたら春麗さんは、その次の日にもっと高い店に連れていってくれました……」

ヤムチャ「……あ~」

さくら「ローズさんが差し入れくれたら、春麗さんは次の日も~っと、いい差し入れ持ってきてくれますし……そしたら、ローズさんはもっともっといい差し入れを持ってきてくれました……」

ヤムチャ「……うん」

さくら「自分のせいで、そういう感じで張り合ってる二人を見てると……もう、凄く嫌な気になっちゃって……ちょっとした優しさでも、全部全部、自分を機嫌を取ろうとしてるんじゃないかなって思うちゃうんすよ……」

ヤムチャ「あ、あのさっ……!」

さくら「……んっ?」

267: 名無しさん 2016/07/02(土) 22:54:03 ID:rgP8A4ok
ヤムチャ「俺は違うからねっ……!?」

さくら「んっ……?」

ヤムチャ「俺は……あの~、その~……さくらちゃんをそういう風に口説いて……自分がいい格好をしようだなんて思ってないからっ……!」

さくら「……」

ヤムチャ「俺はその……え~、だから……うん。本当にさくらちゃんの事が……え~、あの~……」

さくら「……」

ヤムチャ「好き……だから……え~……口説いてます……」

さくら「……うん、ありがとうございます」

ヤムチャ「うん」

270: 名無しさん 2016/07/02(土) 23:06:34 ID:rgP8A4ok
さくら「ヤムチャさんは、そういう打算とかには遠い所にいそうっすからね」

ヤムチャ「と言うか、俺にはそういう頭を使った作戦……みたいなのは出来ないっ……!」

さくら「へへへ、そうかもしれませんね」

ヤムチャ「……でしょ?」

さくら「……そういう所、好きっすよ」

ヤムチャ「……ナハハ」

さくら「でも、あの……こっちにそういう気がなくても、周りが勝手にそういう風に思っちゃうって事が、あるんで……その~……」

ヤムチャ「サガットさんとか、リュウさんの前でも……ダメ……?」

さくら「……何処から漏れるかは、わかりませんし」

ヤムチャ「そっか……うん、わかったよ」

272: 名無しさん 2016/07/02(土) 23:12:16 ID:rgP8A4ok
さくら「今日は本当に、ごめんなさいっ……! 色々報告もあるし……絶対に長くなると思うんですよっ……!」ペコッ

ヤムチャ「あ~、いいよいいよ。ごめんごめんっ……! 俺の方こそ、そっちの都合を考えてなかった、ごめんごめんっ!」

さくら「だから、あの~、次は……コソっと誘って下さい。コソっと、ね……?」

ヤムチャ「……わかったよ」

さくら「本当、ごめんなさいっ……! 本当、本当ごめんなさいっ……!」ペコッ

ヤムチャ「もういいよもういいよ、気にしないでってばっ……! 今日は真っ直ぐ帰るからら……それに、よくよく思い返してみれば俺、明日ケンさんと一緒にロレントさん達とだった!」

さくら「あっ、そうっすよね」

ヤムチャ「寝る前にしっかり二時間シミュレーションしておけって、ケンさんに言われてたの忘れてたよ。ナハハハ~、今から帰ってシミュレーションだ」

さくら「程々にして、ゆっくり休んで下さいね?」

ヤムチャ「うんうん、わかってるわかってる。それじゃあ、さくらちゃんも……まだ、あるみたいだけど、頑張ってね?」

さくら「今日のヤムチャさん達の出来、しっかり報告しておきます」

ヤムチャ「うん、ありがと。それじゃあ……うん、お休みっ!」

さくら「はい、お休みなさい」

273: 名無しさん 2016/07/02(土) 23:18:35 ID:rgP8A4ok
そして--


プーアル「いや~、遠征……今日も長い一日でしたねぇ。ヤムチャ様」

ヤムチャ「ん~んんん~」ルンルン

プーアル「……う~ん、いい大人がスキップというのは、どうかと思いますが」

ヤムチャ「ん~んん~んん~」ルンルン

プーアル「そのバカみたいに、浮かれた様子っ……! 上手くいったんですねっ!? ヤムチャ様っ!」

ヤムチャ「お~うっ、プーアルっ! 上手くいったよっ……! 上手くいったよっ……! 上手くいったいったっ!」

プーアル「やる時はやる男っ……! ヤムチャ様っ……!」

ヤムチャ「そうだそうだ、俺はやる時はやる男だっ! ナハハハ~っ!」

274: 名無しさん 2016/07/02(土) 23:25:03 ID:rgP8A4ok
ヤムチャ「けどよぉ……? 俺が気づいてないとでも思ってるのか、えぇっ……?」

プーアル「……んっ?」

ヤムチャ「お前、今日ず~っと、気配消してただろっ!? それらしい場面になったら、スーっと何処かに行ってよぉ……?」

プーアル「え~っと……う~ん、知りません。知りません知りません……」

ヤムチャ「プーアル、ごめんな……俺、いつもお前に心配かけてると思う……」

プーアル「そんな事ないです……そんな事はないです……」

ヤムチャ「だけどさ……? だけど、なっ……? 今回はやったぞっ……! 俺、やったぞっ!?」

プーアル「はいっ……! はいっ……!」

ヤムチャ「俺とお前と、さくらちゃんの三人でさ……幸せになろうじゃないかっ!?」

プーアル「そうですね。ヤムチャ様、でもここからですよ……!? 本当に大事なのはここからですよっ!?」

ヤムチャ「同じ失敗はもう二度と繰り返さねぇよっ……! あ~んな辛く苦しい思いは、もう一度で充分だっ……!」

276: 名無しさん 2016/07/02(土) 23:29:42 ID:rgP8A4ok
プーアル「ヤムチャ様、頑張って下さいねっ……!」

ヤムチャ「あぁ、任せろっ……! これでより一層、身が入るようになってきたぜっ……! え~っと、明日はなんだったっけ……?」

プーアル「明日は『プロレス団体でリベンジ戦だぞ!』です」

ヤムチャ「あ~、あ~、そうだったそうだった。そうだったな……」

プーアル「明日の事ですよ? 明日の事なのに、わざわざ確認する事ですか? そんな感じで大丈夫ですか?」

ヤムチャ「違うよ違うよ、ちょっと確認……確認しただけ! わかってるわかってる……」

プーアル「成功させましょうね。恋も仕事もっ!」

ヤムチャ「ああっ、任せておけっ……! 俺は必ず幸せになってやるっ!」

277: 名無しさん 2016/07/02(土) 23:33:17 ID:rgP8A4ok
ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!」


ーー完

引用元: ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!!」