ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!!」

ヴァイパー「春麗! PVの第一弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!!」 

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!!」

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!!」 

ヴァイパー「春麗! PVの第三弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!」 前編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!!」 後編

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!」 後編

1: 名無しさん 2016/08/25(木) 21:59:43 ID:zHpU.6kQ
ケン「……舐めた真似してんじゃねぇぞ、この野郎っ! うるあっ!」バッチーン

ロレント「……ぐおっ!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「あ~っと、しかしここはケンも切り替えていくかっ!? ロレント対して、踏み込みつつ腕を振っていくっ! そして胸元へと打ち込んでいくっ! 逆水平チョップだっ!」

元「そうですね。力比べではなく打撃戦……って感じかな?」


ケン「寸前になってビビったのか、あぁっ!? だったら、最初から余計な真似はするな、この野郎っ……! うるあっ……!」バッチーン

ロレント「……ぐおっ」ヨロッ


オー、オーオー

実況「さぁ、ケンは続けて打ち込んでいくっ! 再び腕を大きく振り、ロレントの胸元へと逆水平チョーップっ! 連続でいったぁ!」


ロレント「貴様には要求されてはいないっ……! 要求されていないからこそ、これでいいのだァァァ……!」ググッ

ケン「オラオラ、まだまだ続けて……んっ……!?」

ロレント「教ォォォ育的指導ゥゥゥゥ!」ズガァッ

ケン「……ぐおっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「しかしロレントもなんとか踏みとどまり、そして前に出て反撃にいくっ!? あ~っとっ! しかし、これはっ……!? これはっ……!?」

元「あ~っと、ナックル打ち込んできたよっ!」

4: 名無しさん 2016/08/25(木) 22:10:32 ID:zHpU.6kQ
ケン「くおおっ……不意打ちの次は、ナックルか……くっ……」ヨロッ

ダン「おいおい、待てよ待てよ……今のナックルじゃねぇのかっ……!? ああっ……!?」ササッ


ロレントー !? ロレントー !?

実況「どうした事かっ!? ここはロレント、反則攻撃のナックルパートをケンの額に打ち込んでいくっ! あ~っと、これにはケンの動きが止まるっ!」


ロレント「まだまだァァァ! 教ォォォ育的指導だァァァ!」ズガァッ

ケン「……くおっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そして続けて打ち込んでいくっ! 再びナックルっ! レスリングスタイル貫いていたかと思われたロレントが、ここで突然不意打ちっ……! 反則攻撃を見せてきますっ! 元さん、これはどういった事でしょうっ!?」

元「う~ん……良く言えば、勝利への執念って所かな?」

5: 名無しさん 2016/08/25(木) 22:16:06 ID:zHpU.6kQ
ヤムチャ(はぁっ、はぁっ……ロレントさんが変えてきた……ケンさんも受けてる。ダンさんも行った……俺も参加しないと……)


元「やっぱりケン君とヤムチャ君じゃ、ケン君の方が手強い相手だからねぇ。ヤムチャ君にさっきまでのレスリングスタイルで優勢を取れてたとしても……同じようにケン君に通用するかどうかってなったら……うん」

実況「あ~っと、ここでレフェリーがっ……! レフェリーが慌ててそんなロレントの元へと向かっていきますっ!」

元「それだったら、もういつものスタイルに切り替えて……攻め立てていこうって事じゃないかな? ロレント君が王者……こういうファイトスタイルになってから、ケン君と戦うのは……え~、初なワケでしょ?」


ダン「オイっ、ロレントっ……! 拳は反則だろうがっ……! 拳はよぉ……!?」チョンチョン

ヤムチャ「オイ、コラっ! 結局反則じゃないかっ……!? やっぱり反則じゃないか、オイっ!」


実況「そうですねっ! あ~、レフェリーはロレントの元に駆け寄り、握った拳を指差し、警告をしているかっ!? ヤムチャエプロンサイドから叫ぶっ!」

元「現・王者のロレント君にとっては、敗戦イコールここまで防衛してきたベルトを失うって事を意味するからね。だったらその~、う~ん……なんだろな? ある意味、初顔合わせになるケン君に対しては現・王者のやり方で……ねっ……!?」


ロレント「やァァァかましいィィィ……! これが現在の我輩のやり方だァァァ……! だりゃァァ、教ォォォ育的指導ゥゥゥゥ……!」ズガァッ

ケン「……ぐおっ」ヨロッ


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、しかし構わずロレントは三度打ち込んでいくっ! あっと、そしてここでっ……!? 場内からはブーイングですっ! ブーイングが飛び交いますっ!」

元「まぁ、僕はフォローする形で言ってるけど……う~ん、まぁ場内からはしたらこうもなるでしょう」

6: 名無しさん 2016/08/25(木) 22:24:46 ID:zHpU.6kQ
ケン「ケッ、どうやら化けの皮が剥がれてきたみてぇだな。だけど俺はそういうおめぇとやりたかったんだ……悪党ぶっ飛ばす方が気が楽なもんでよぉっ!?」ググッ

ロレント(三発……意外と早かったな、よしっ……!)


オー ? オーオー ?

実況「しかしなんと言うかっ……! 先程までは場内からもロレントの背を押すような声も……あ~っと、お待ち下さいっ! ここでケンがロレントの目の前で大きく大きく身体を捻るっ! おぉ~っとっ!?」

元「……んっ!?」


ケン「正義の味方の空手軍団舐めんじゃねぇっ……! うるぁ、竜巻旋風脚だぁぁっ!」ズガアァッ

ロレント「んっ……? うおっ……!? おぐああぁぁっ……!」バターン


オー ! オーオー !

実況「そしてロレントへと向かって、そこから飛び込んでいくっ! おぉ~っと、竜巻旋風脚だっ! ここはケンっ……! 竜巻旋風脚っ!」

元「おぉ~っと、負けてないっ!」

実況「ケンも負けじと前に出るっ! 前に出るっ! そして竜巻旋風脚っ! 薙ぎ倒していくっ! おぉ~っと、ロレントはダーウンっ!」

7: 名無しさん 2016/08/25(木) 22:29:52 ID:zHpU.6kQ
ケン「心配するなってのっ! ちゃちぃ野郎に何万発打ち込まれたって、屁でもねぇっ! うるあああぁぁっ!」


オー ! オーオー !

実況「そしてケンは叫ぶっ! 力強い握り拳を作りながら場内に向かって大きく大きく叫ぶっ!」

元「まぁ、同じようにケン君にも勝利への執念って物はあるからね。二三発打ち込まれたからって、引いてるワケにはいかないでしょう」


ケン「それじゃあ、糞悪党のロレント君よぉ……!? ここからは俺っ……! ケン様が相手だっ……! オラ、立てっ……!」グイッ

ロレント「う、う、うぐぐ……」ググッ


オー、オーオー

実況「さぁ、そしてケンはロレントへと近づき、その身体を引き起こしていきますっ! 引き起こしていきますっ!」

元「うんっ!」


ケン「……よぉしっ!」ガシッ

ロレント「……くっ!」


オー、オーオー

実況「ケンは引き起こしたロレントの頭部を自信の脇下へと抱え込んでいったぁ!」

元「うん」

8: 名無しさん 2016/08/25(木) 22:38:39 ID:zHpU.6kQ
ケン「ド派手にぶん投げちまうぜっ! オラオラ、騒げ騒げ騒げっ!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「ケンは左脇下にロレントの頭部を抱え込んだまま、そして右腕を突き上げつつ、場内へと向かって再び叫ぶっ!」

元「この辺り、ケン君が流れを引き寄せてようとしているのを感じるよ」


ケン「それじゃあ、いくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

ロレント「う、うおおっ……!」


オー ! オーオー !

実況「そして抱え上げていくっ! ロレントの身体を真っ逆さまにっ……! 自身の頭上までへと抱え上げるっ! 人間が作り出すトーテムポールっ!」

元「ブレーンバスターだね」


ケン「……うるあぁっ! くたばっちまいなっ!」

ロレント「……おぐああぁぁ!」ズドーン


ワー、ワーワー

実況「そのまま後方へと倒れ込み、ロレントの身体を背中からマットへと打ち付けていきますっ! ここはケンっ……! ブレーンバスターだっ!」

元「うんっ! いいのが決まったんじゃない?」

9: 名無しさん 2016/08/25(木) 22:46:33 ID:zHpU.6kQ
ケン「こぉ~んなもんで終わりじゃねぇぞ。よっとっ……!」コロンッ


オー ? オーオー ?

実況「おっと、マットへと倒れ込んだケンは、そのまま横に転がり仰向けからうつ伏せにっ!」


ケン「オラオラっ……! 寝てる暇はねぇぞっ……! 起きろ起きろっ……!」グイッ

ロレント「……くああっ」ググッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そしてケンは膝を立てつつ、目の前で倒れているロレントの上体を持ち上げて引き起こしていくっ! さぁ、ロレント上体がケンによって持ち上げられたっ!」


ケン「それじゃあ、もう一発いくとしますかっ……! うるあぁっ!」グイッ

ロレント「……くっ!」


オー、オーオー

実況「そしてケンは背後から胴回りを抱き込みつつ……おっと、ロレントの脇下へと自身の頭部を差し込んでいったかっ!?」

元「おっ、これは……続けていくって事かな?」

10: 名無しさん 2016/08/25(木) 22:55:54 ID:zHpU.6kQ
ケン「オラオラ、モタモタするなっ! 立て立て、立ち上がれっ!」ググッ

ロレント「う、うあっ……!」ググッ


オー、オーオー

実況「さぁさぁ、そしてケンはロレントの身体と共に立ち上がってくるっ! 立ち上がってくるっ! 今度はバックドロップの体勢だっ!」

元「うんっ!」


ケン「よぉぉぉしっ! それじゃあ、もう一丁いくぜぇぇっ! 派手に騒げ騒げっ!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「ここでケンはロレントの腰から右腕を離し、さぁ握り拳を場内に見せるっ! そして大きく叫ぶっ!」


ロレント「所詮は貴様も下級兵士なのだァァァ……! があァァァ!」ズンッ

ケン「んっ……? あ、あぎゃああぁぁっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「そしてロレントの腰回りを掴み直し……あっ、いやっ……! あっ、あ~っ!?」

元「あ~っと、ちょっとアピールが多かったね。流れを引き寄せていきたいのはわかるんだけどね」

実況「ここでロレントが踏みつけたっ! 背後で捉えている、そのケンの足っ……! おぉ~っと、ここで強く強く踏みつけたっ!」

11: 名無しさん 2016/08/25(木) 23:07:11 ID:zHpU.6kQ
ケン「あがっ……がががっ……こ、この野郎っ……!」

ダン「だから、そういうのはなしって言ってるだろが、ロレントっ!」

ヤムチャ「いい加減にしろよ、反則野郎っ!」

ロレント「……やァァァかましいっ!」クルッ


ブー、ブーブー

実況「これにはケンの腕が離れてしまいますっ! あ~っと、ロレントっ! ここはケンの足を踏みつけ、脱出していきましたっ! おぉ~っと、そしてロレントはケンの方を向くっ!」

元「う~んっ!」


ロレント「貴様の額を割ってやるわァァァ……! ケェェェンっ!」ブンッ


アー、アーアー

実況「あ~っとっ! そして再びっ……! 再びロレントは拳を振っていくっ!」


ケン「うるせぇっ……!やらせはしねぇよ、だぁっ……!」ゴスッ

ロレント「……おぐっ!」ヨロッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~、いやいやいやっ……! ここはケンっ! 身体を半身にして、踏み込んできたロレントに対して、Lの字に折り畳んだ腕っ……! 肘をぶつけていきますっ!」

元「おっと、よく見てるっ! カウンターっ!」

実況「バックハンド・エルボーっ! ここはバックハンド・エルボーをぶつけていくっ! ケンは見ているっ!」

12: 名無しさん 2016/08/25(木) 23:13:05 ID:zHpU.6kQ
ケン「いってぇな、ちくしょうっ! 力一杯踏みつけやがって……うるあぁっ……!」クルッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてケンは体勢を低くしながらヨロけたロレントへと突っ込み、腰回りに手を伸ばしながら、そのまま背後へと回っていくっ!」

元「ロレント君がこういうやり方来るって事は自然に攻めてりゃ流れは自分の物に出来るんだよっ!」


ケン「……うるあっ!」ガシッ

ロレント「……くっ!」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、再びケンが背後へと回ったっ! そして、腰回りを掴み……おっと、またもバックドロップの体勢っ!」

元「うんっ!」


ケン「今度は踏みつける暇は与えねぇっ……! うおおぉぉっ!」ググッ

ロレント「う、うおおっ……!」


オー ! オーオー !

実況「そして今度は即座にいくっ! 即座に抱え上げていくっ! ケンが背後からロレントの身体を抱え上げていったぁ!」

元「よぉ~し、それでいいっ!」

13: 名無しさん 2016/08/25(木) 23:22:38 ID:zHpU.6kQ
ケン「バックドロップだああぁぁっ! 今度はしっかり決めるぜっ!ズドーン

ロレント「……う、うああっ」グルン


ワー、ワーワー

実況「そしてロレントの身体を後方へと叩きつけていくっ! おぉ~っと、これは高角度で決まったかっ!? ロレントの身体が勢い余って、そのまま後方へと回転っ!」

元「ち~が~うっ……! 後方回転受身だっ!」


ケン「さてさて、まだまだ続けて……」ムクッ

ロレント「ケンっ……! 貴様にも見せつけてやるっ……!」ムクッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、ここはロレントっ……! 自ら後方へと転がり……あ~っと、あ~っとそして膝をつきながら立ち上がるっ! あ~っと、バックドロップの勢いを殺していきますっ!」

14: 名無しさん 2016/08/25(木) 23:29:06 ID:zHpU.6kQ
ロレント「メェェェコンデルタエアレイドォォォ……! くたばれェェェ……!」シュタッ

ケン「んっ……? んあっ……!?」クルッ


アー ! アーアー !

実況「そしてロレントは飛び込んでいくっ! 立ち上がってきたケン対して……タイミングを合わせて、飛び込んできたぁ!」

元「これが、王者ロレント君のスタイルなんだよっ!」


ロレント「……だりゃァァァ!」ズガァッ

ケン「しまったっ……! うぐああぁぁっ……!」バターン


アー ! アーアー !

実況「そしてロレントはケンの額へと打ち込んでいくっ! 大きく飛び込みつつ、その拳を打ち付けていきますっ! あ~っと、ここはメコンデルタエアレイドだぁぁっ!」

元「……ちょっと油断しちゃったねぇ」

27: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:00:55 ID:KTnACaRM
ロレント「どォォォだっ……!」

ダン「だから、拳ばかり止めろって言ってんだろ、オラっ……!」


ブー ! ブーブー !

実況「ここはロレントのカウンターと言った所でしょうかっ!?」

元「ダメージを最小限に抑え、スピードで引っ掻き回す……まぁ、言わばカウンターだね」


ソドム(このブーイング……いつもの私達に戻ってきたようだな……)ムクッ


ブー ! ブーブー !

実況「飛び込みつつ拳をケンの額へと打ち込んでいったぁっ! さぁ、ケンはダウンっ! ロレントは打ち込んだ拳を少し上下に振っているかっ!?」


ケン「く、くああっ……! そ、そうだった。こいつには、これがあるんだったな……」ムクッ

ロレント「……貴様は一々、やァァァかましいのだァァァ! 退いてろォォ!」ドンッ

ダン「……うおっ!」ヨロッ


実況「しかし、額を押さえながらもケンっ……! ここは上体を起こしてくるっ! あ~っ、いやっ……! ロレントが警告にきたレフェリーの身体を押し、そしてケンに向かって構えるっ! 中腰の体勢っ!」

28: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:09:00 ID:KTnACaRM
ロレント「そォォォの顔面だァァァ!」ブンッ


ブー ! ブーブー !

実況「そ~してロレントが足を振り抜いていくっ! 再び、顔面目掛けてサッカーボールキィーックっ!」


ケン「それは……読めてるってのっ……!」バターン

ロレント「……んあっ!?」スカッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、しかしケンは見ているっ……! 上体を再び後方っ! マットへと倒すっ!」

元「おっ!?」


ロレント「……くそっ!」クルッ

ケン「さぁて、気を取り直していくとすっかっ……!」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「振り抜いていったロレントの足は空を切ったぁ! そして勢い余って一回転っ……! さぁ、そしてケンが立ち上がってくるっ!」

元「うんっ!」

29: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:15:42 ID:KTnACaRM
ロレント「……しかし、まだまだだァァァ!」クルッ

ケン「……い~やっ! まだまだなんかじゃねぇなっ! うるぁっ!」ズガァ

ロレント「……くおっ!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「ロレントも慌てて振り返る、がっ……! そこに合わせてケーンっ! L字に折り畳んだ腕を立ち上がると同時に、下から打ち上げていくっ!」

元「上手く合わせたっ!」


ケン「……そら、捉えたっ!」ガシッ

ロレント「……くっ!」


オー ! オーオー !

実況「下から突き上げるエルボー・スマッシュっ! 顎先にヒットっ! そしてケンは続けてロレントの腕を掴んでいくっ!」

元「うんっ!」

30: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:21:30 ID:KTnACaRM
ケン「そぉ~ら、ロープに行ってこいやっ……!」ブンッ

ロレント「……くっ!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「そしてケンは振っていくっ! ロレントの身体をロープ目掛けて振っていくっ!」


ケン「見せてやるぜ、昇龍拳っ……! うおぉぉっ!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、更にケンも走るっ! ロレントを振り投げていったのとは逆方向っ……! 自身もロープへと走り込んでいくっ!」

元「ロープカウンターで何やら狙っているねっ!」

31: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:27:23 ID:KTnACaRM
ケン「……てやあぁぁっ!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ケンがロープの反動を受けたぁ! そして更に加速をつけ向かっていくゥ!」


ロレント「まだまだと言ったはずだァァァ……! まァァァだまだなのだァァァ……!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「そしてロレントも……あ~っ、いやっ……! ここはロレントっ! トップロープを掴んで、振り投げられた勢いのまま、身体を捻りつつトップロープを飛び越えていくっ!」


ロレント「……だりゃァァァ!」シュタ

ケン「チィ、また妙な動きを見せやがるっ……! だけど、問題はねぇっ……!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「お~っとっとっとっ! そのままロレントはエプロンサイドへと着地ィ! しかし、ケンは突っ込んでいるっ! エプロンサイドにいるロレントへと向かって、依然変わらず突っ込んでいるっ!」

32: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:34:41 ID:KTnACaRM
ケン「ここはラリアットだっ……! 喰らってなっ……!」ブンッ


実況「さぁ、突っ込んでいったケンはエプロンサイドにいるロレントへと向かって腕を振っていくっ! ここはラリアットっ!」

元「……あっ!?」


ロレント「……そう来るだろうと思っていたぞォォォ! だったら、こっちだっ!」ズルッ

ケン「んあっ……!? お~っとっとっとっ……!」スカッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~、しかしロレントっ! 今度はエプロンサイドで身体を屈めサードロープを掴み、そしてサードロープ下から自身の身体をリング内へと滑り込ませますっ!」

元「おぉ~っとっ!?」

実況「エプロンへ避難したと思えば、即座のリングの中へっ! ロレントの身体があちらこちらへと移動しますっ! ケンとラリアットは空を切り……おぉ~っとっとっ! 勢い余ったケンの身体は場外……あっ、いやっ! なんとか堪えたかっ!?」

33: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:39:39 ID:KTnACaRM
ケン「ちっくしょう。あっちに行ったり、こっちに行ったり……この俺が捉えきれねぇ……!? い~や、そんなワケはないはずだ、くそっ……!」ヨロッ

ソドム「You aren't a champion !! 」ガシッ

ケン「んあっ、なんだっ……!?」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ、あ~っ! しかし、場外からソドムが掴むっ! ロープ際で前のめりになっているケンの足をサードロープ下から掴んでいくっ!」

元「あらららっ! 厄介な位置にいたよ、こりゃ!」


ソドム「Champions are we ! Chaaaampions are weeeee !! 」グイッ

ケン「くっ、くっそぉっ……! コイツが場外にいやがったか……ぐっ……!」ビターンッ


アー !? アーアー !?

実況「ソドムは勢いよくケンの足を引っ張り……あ~っと、そしてケンはバランスを崩して後方へと倒れたぁ!」

元「スピードと、コンビネーションとでも言えばいいかなぁ!? ケン君相手でも引っ掻き回してくるねぇ!?」


ソドム「Champions are Rolento and Sodom ! Chaaaaampions are Roooooolento and Sodom !! 」ズルズル

ケン「くっ、くっ……くそっ……!」ボトッ


アー ! アーアー !

実況「ソドムはケンの身体を引き摺り引き摺り……あ~っとっ! そしてケンの身体を場外へと落としたぁ!」

35: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:49:42 ID:KTnACaRM
ロレント「ソォォォドムっ! 貴様が我輩の部下である事を誇りに思うぞォォォ!」ムクッ

ソドム「Hey,Boss ! Please dive ! 」グイッ

ケン「く、くあっ……!」ググッ


ブー、ブーブー

実況「リング上でロレントは立ち上がってくるっ! あ~っと、そしてソドムは引き摺り出したケンの身体を引き起こしつつ、何やら叫ぶっ! 何やら叫んでいるぞっ!?」


ロレント「こォォォれが我輩達のやり方なのだァァァ……! だりゃァァァ……!」ダダッ


実況「立ち上がったロレントはそのまま正面のロープへ向かって走っていくっ! 今度はロレントが走り込んでいくっ!」

元「お~っとっ!」


ソドム「GAAAaaa ! 」ガシッ

ケン「あっ、くっ……!」モガモガ


アー !? アーアー !?

実況「ソドムは場外でケンの身体を後ろから羽交い締めにして、身動きを封じているっ! 身動きを封じているっ!」

元「おぉ~っとっ! って事は狙ってきてるねぇっ!?」

37: 名無しさん 2016/08/26(金) 22:55:00 ID:KTnACaRM
ロレント「うるあァァァ……!」ダダッ

ヤムチャ「休んでる場合じゃねぇ……! 俺も動いていかないとなっ!」ササッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、ロレントがロープの反動をつけて、そして場外でソドムが捉えているケンの元へと……あ~っ! いやいや、ヤムチャが動くっ! ヤムチャが動くっ! ここでヤムチャが動くっ!」

元「おっ!?」


ヤムチャ「さぁ、来やがれっ……! 俺がここで、てめぇを止めれば問題はねぇっ……!」ググッ

ロレント「……おっと、邪魔者かっ!」ピタッ


オー ! オーオー !

実況「リング上のロレントっ……! 場外にいるケンとソドムっ……! 直線距離のその間っ……! エプロンサイドにここはヤムチャが回り込んできたっ! そして構えるっ!」

元「お~っと、これはいい動きなんじゃないかぁ!?」

実況「カウンターで迎撃を狙っていこうと言った所かっ!? ここは慌ててロレントも緊急停止っ! リング中央でストップしていきますっ!」

38: 名無しさん 2016/08/26(金) 23:02:50 ID:KTnACaRM
ケン「やっとだっ……! やっといい動きを見せやがったっ! よしっ、とにかくてめぇは離れてやがれっ!」ドスッ

ソドム「...gag ! 」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「ロレントの動きが止まったその隙に、ケンは腕を振り……おっと、ソドムの腹部へと肘を打ち込んだかっ!? と~にかく脱出っ!」


ロレント「そんな所で突っ立ってないで、来いよ……来いよ……」クイクイ

ヤムチャ「……んっ?」


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! ここはロレント、リング中央から、これはヤムチャに対してですかねぇ……!? あ~っと、手を招いて……んっ……!? 誘い込んでいるのかっ!?」

元「……んっ!?」


ロレント「貴様は我輩に借りを返すと言ったが、何一つ返せていないぞ……? だから来い……そんな所に突っ立ってないで……こっちに来い。少し遊んでやる……」クイクイ

ヤムチャ「たいした自信だなぁ、オイオイオイ……後悔する事になっても、しらねぇぞっ……!」グイッ


オー ! オーオー !

実況「お~っと、そしてヤムチャがっ……! あ~っと、ロープを潜りリングインしていきますっ! このロレントの挑発的態度に対して、向かっていくっ!」

元「えっ!? 行くのかっ!?」

39: 名無しさん 2016/08/26(金) 23:13:57 ID:KTnACaRM
実況「確かにヤムチャには現在試合権はありませんが、こういった挑発的な態度を取られては黙っていられないという部分も……」

元「いやいやいやっ……! 試合権とかじゃなくて、ソドム君だよ。ソドム君っ!」

実況「えっと……ソドム……!?」


ソドム「Don't run away ! 」ガシッ

ケン「うおっ……!くそっ……!」


実況「あ~、ソドムは逃れたケンの身体を後ろから掴んでいきますねぇ!?」

元「この場面はケン君を助けに動かないといけないんじゃないのっ!?」


ソドム「Fuck... ! Fuck,Fuck... ! 」グイッ

ケン「……ぐえええぇっ!」ビターン


実況「あ~っと、ソドムはケンの身体をエプロンサイドへと叩きつけていきますっ! 確かにケンはソドムに掴まっているっ! ソドムに掴まっているっ!」

元「色々あるのはわかるよっ!? わかるけどさぁ……ちょっとチグハグだよっ!」

56: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:00:55 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「それじゃあ、いっくぜぇっ……! はいやぁぁっ!」シュバッ

ロレント「……うあっとっ!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「確かにこの場面っ……! ケンの事は気がかりではありますが、それでもいくっ! それでもヤムチャはロレントへと向かっていくっ! さぁ、顔面に向かって掌底だぁっ! 打ち込んでいくっ!」


ヤムチャ「はいぃぃっ……! はいいぃぃっ……!」バシバシ

ロレント「おっ……くおっ……!」ヨロヨロ

ダン「御丁寧に呼び込んでるんじゃねぇよっ……! あ~、ちくしょう。どうするっ……!? 優先するのは、場外カウントかっ!?」チラッ


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャは更に打ち込んでいくっ! 右っ……! 左っ……! と、続けて掌底、掌底っ!」

元「リング上は優勢なのかな……? けど、場外は……」


ソドム「The boss beats Yum cha ! I beat you ! 」グイッ

ケン「……くっ!」クルッ


ケーン ! ガンバレー !

実況「あ~っとっ! ここでソドムっ……! エプロンサイドに叩きつけたケンの身体を反転させるっ! 反転させて、頭部を股下に押し込んでいくっ! これはこれはこれはっ……!?」

元「おいおいおいっ……! 場外でそれかっ!?」

57: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:04:20 ID:CIQGq6MA
ソドム「Big damage to a your body ! And your mind ! GAAaaa ! 」ググッ

ケン「う、うああっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「そしてソドムが抱え上げていくっ! ケンの胴回りを掴み、そのまま頭上まで一気に抱え上げていくっ!」

元「おいおいおいっ!」


ソドム「BUTSUMETSU-Buster Ver1.1 !! GAAaaa ! 」ズドーン

ケン「うがっ……! うぐああぁぁっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「そしてケンの身体を場外マットへと叩きつけていきますっ! ここは初期型っ……! 飛び込みつつではなく、そのまま頭上から振り下ろしていく初期型仏滅バスターっ!」

元「それでも場外でいってるからねぇ!?」

実況「そうですっ! ケンが落とされたのはマットではなく、場外っ! 場外ですっ! しかもソドムには高さがありますっ! ここは場外で仕掛けてきた、仏滅バスタァァァ!」

元「酷い攻撃をするもんだっ!」

58: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:09:35 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「はいやぁぁっ……!」

ロレント「……カァァァウンタァァァ!」ズガァ

ヤムチャ「……ぐおっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「場外でケンはダウンっ! 大きく大きくダーウンっ! あ~っと、そしてリング上のソドムも反撃に出るかっ!? ヤムチャの額へと打ち込んでいくっ! またナックルっ!」

元「ああっ!」


ヤムチャ「くあっ、痛ぇ……でもそれだ……俺が待っていたのは、そんなてめぇなんだよっ……!」ギロリ

ロレント「貴様にはレスリングでケリをつけると言ったはずだァァァ……! だりゃァァァ……!」クルッ

ヤムチャ「……んっ!?」


アー !? アーアー !?

実況「ロレントは体勢を低くして突っ込み……あ~っと、バックを取っていくっ! ヤムチャの腰に手を添えつつ、おぉ~っと素早く背後へと回ったっ!」

59: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:17:45 ID:CIQGq6MA
ロレント「……フゥゥゥンっ!」ガシッ

ヤムチャ「……うおっ!」


アー !? アーアー !?

実況「ロレントは背後から抱え上げるっ! ヤムチャの右足を抱え上げるっ!」

元「……んっ!?」


ロレント「先ずは完全にその動きを封じるっ……! 捉ォォォえたァァァ!」ガシッ

ヤムチャ「うおっ……!? なんだなんだなんだっ……!?」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、そしてその抱え上げた右足の下を通すように、今度は左手を捉えたっ! あ~っと、右腕も捉えたっ!」

元「完全に動きが封じられちゃったよっ!」

実況「右足の下でヤムチャの両腕がクロスされた状態で捉えられ、おぉ~っと、ヤムチャは片足立ちの状態っ! 完全に動きを封じられいるっ!」

60: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:21:53 ID:CIQGq6MA
ロレント「終ォォォわりだ、下級兵士ィィィ……! だりゃァァァ!」ググッ

ヤムチャ「おおっ、おっ……おっ……!」


アー ! アーアー !

実況「ロレントはヤムチャの身体を抱え上げるっ! 背後から抱え上げっ……! そのまま後方へっ……! 後方へとっ……!」

元「これじゃあ、受身が取れないっ!」


ロレント「ビィィィフケィィィク・ハマァァァ……! くたばれェェェ……!」ズドーン

ヤムチャ「……あぐあぁぁぁっ!」


アー ! アーアー !

実況「ブリッヂを見せつつ、ヤムチャの身体をマットへと叩きつけていったぁ!」

元「ビーフケーク・ハマーだっ!」

実況「ビーフケーク・ハマーっ! ビーフケーク・ハマァ! 受身の取れない衝撃がヤムチャを襲うゥ!」

61: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:26:47 ID:CIQGq6MA
ロレント「第二ラウンドも我輩の勝利だ……見たかっ……!」ムクッ

ヤムチャ「あっ、あっ、ああっ……俺は負けてねぇ……」

ロレント「負けたのだっ……! 貴様は負けたのだよ……フン、もう引っ込んでろ……」ゲシッ


アー ! アーアー !

実況「場外でのケンにも引き続き、リング上のヤムチャもダウンっ!ダーウンっ!」

元「だからその……う~んっ……!」

実況「あ~っと、ロレントは立ち上がり、そしてヤムチャを身体を足で押しやり場外へと放り出そうとしていますかねっ!?」


ソドム「Next ! The boss beats Ken ! I beat Yum cha ! 」グイッ

ケン「……ううっ」ゴロンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そして場外のソドムっ……! サードロープ下からケンの身体をリング内へと捩じ込んでくるっ! 捩じ込んでくるっ! ケンの身体をリング内へと戻してきますっ!」

元「そうだね。この場面はケン君からスリーカウントなり、なんなり取らないと決着にはならないからね」

63: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:34:12 ID:CIQGq6MA
ロレント「いいタイミングだソドムっ……! 我輩がそいつを仕留め、そして貴様がその下級兵を抑えるっ……!」ゲシッ

ヤムチャ「うああっ……」ボトッ


アー ! アーアー !

実況「そしてロレントもサードロープ下からヤムチャの身体を場外へと蹴り落としたっ!」


ソドム「OK,OK ! 」ズガズガ

ヤムチャ「……ううっ」


実況「ソドムは場外をグルっと移動し、そしてヤムチャへと向かっていくっ! 向かっていくっ!」


ロレント「そして我輩達の勝利だっ……! 我輩達が王者であり続けるのだっ……!」ズガズガ

ケン「ううっ……」


実況「そしてロレントっ……! ロレントはリング上に戻されたケンの方へと向かっていきますっ!」

元「ここでスイッチと言うか……ターゲットを切り替えてきたね。う~ん、やっぱりこっちは出来てるよ」

64: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:39:46 ID:CIQGq6MA
ロレント「さぁ、立て……立ァァァつのだケンっ……!」グイッ

ケン「……ううっ」ググッ


ケーン ! ケーン !

実況「ロレントはケンの身体を引き起こしていきますっ! 背後取りつつ、引き起こしていくっ!」

元「……うああっ」


ロレント「……いィィィくぞォォォ!」ガシッ

ケン「くっ、くっ、くっそっ……!」


ケーン ! ケーン !

実況「そして背後からケンの胴回りを掴んだっ! 掴んでいったっ!」

元「……ううっ!」


ソドム「Fuck ! Fuck,Fuck ! 」ゲシゲシ

ヤムチャ「ぐっ……ぐっ……」


実況「ソドムもヤムチャの元にたどり着き、そしてストンピングっ! その身体を踏みつけているっ! ヤムチャの動きを封じてるっ! あ~っとっ!」

65: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:44:14 ID:CIQGq6MA
ロレント「ジャァァァマン・スープレックスだァァァ! 終わりなのだァァァ……!」ズドーン

ケン「……ぐはぁっ!」


アー ! アーアー !

実況「そしてロレントがブリッヂの体勢でケンの身体をマット後方へと叩きつけていったぁ!」

元「ジャーマン・スープレックスっ!」


ロレント「レェェフェリィィ! カァァウントだァァァ! 終わらせるのだァァァ!」

ダン「お、おうっ……!」


実況「そしてロレントはそのままケンの身体を固めてフォールに入りますっ! さぁ、レフェリーが走ってきたっ!」

元「ヤムチャ君は……う~んっ……! ケン君が返してこれるかっ!?」

実況「ヤムチャはソドムに掴まっているっ! 掴まっているっ! これはケンが自力で返すしかないっ! さぁ、どうだっ!? 今、カウントが数えられますっ!」

66: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:52:06 ID:CIQGq6MA
ダン「ワンっ……!」

ケーン ! ケーン !

ダン「ツーっ……!」

ケーン ! ケーン !

ダン「……スリ」

ケン「……うおおおぉぉっ! まだだぁぁっ!」ガバッ

ロレント「……くぅぅっ!」


オー !? オーオー !?

ダン「カウントはツーだっ! ツーカウントっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「いやっ……! 返した返した返したっ! ケンの肩が上がったっ! ケンの肩が上がったぞっ!?」

元「おおっ! 堪えたかっ!?」

実況「カウント2.9っ! 2.9でケンの肩が上がりますっ! ここはケンが踏ん張りますっ! なんとか踏ん張ってきますっ!」

67: 名無しさん 2016/08/30(火) 22:56:08 ID:CIQGq6MA
ソドム「Holy shit ! 」チラッ

ヤムチャ「はぁっ、はぁっ……どいつもこいつも舐めやがって……」ムクッ


イイゾー ! ケーン !

実況「ケンの肩が上がったっ! ケンの肩が上がったっ! 堪えた堪えた堪えていったぁっ!」

元「……ギリギリだったねぇ!?」


ケン「今日はベルトを奪いに来たんだ……へへ、ベルト取るまでは負けられねぇわなぁ……」ムクッ

ロレント「やァァァかましいっ! ベルトは我々の物だっ……! 貴様は寝てろっ……!」ゲシッ

ケン「……どぐっ!」バタッ


アー !? アーアー !?

実況「ケンも残された力を振り絞り上体を上げ……あ~、いやっ! 先に立ち上がったロレントがそんなケンに蹴りを打ち込んでいくっ! あ~、ケンが再びまたダウンしてしまったっ!」

元「返す事は返したんだけどね……そうなんだよ。リズムはずっと王者組がつかんでるんだよ」

68: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:00:28 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「くそっ、ロレントっ……! まだ俺は終わっちゃいねぇぞっ……! 第三ラウンドだっ!」ダダッ


実況「流れをっ……! リズムを取り戻していきたい空手軍団っ……! あ~っと、ヤムチャが向かうかっ!? ヤムチャがリングに向かっていくかっ!?」

元「おいおいっ!」


ソドム「...Stop ! 」ガシッ

ヤムチャ「くっ、くそっ……! なんだ、てめぇはっ……! 邪魔するなっ……!」モガモガ


実況「あ~っと、しかしそんなヤムチャの身体に後ろからソドムがしがみつくっ! しがみついていきますっ! ここも行かせない、行かせないっ! 流れを引き渡しては貰えないっ!」

元「いやいや、そんな目の前にいるのにあっさり行かせてもらえるワケないでしょ! あ~っ! も~うっ!」


ソドム「Take this ! 」グイッ

ヤムチャ「ぐえっ……! ああっ……! どいつこいつもこの野郎っ……!」ビターン


実況「あ~っと、ソドムはヤムチャの身体をエプロンサイドへと叩きつけますっ!」

69: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:05:21 ID:CIQGq6MA
ロレント「終わらせるっ……! 終わらせるのだっ……! さぁ、立てっ……!」ググッ

ケン「はぁっ、はぁっ……ち、ちくしょうっ……!」グイッ


ケーン ! ケーン !

実況「さぁ、リング上のロレントっ……! ケンに近づき、その身体を引き起こしていきますっ! 頭部を脇下に抱え込みつつ、引き起こましたっ!」

元「う~んっ……! うう~んっ……!」


ソドム「He's tough... ! An intense blow... ! An intense blow... ! 」キョロキョロ


実況「そしてソドムっ……! んっ……? なんだっ!? 辺りを見渡しながら、あっとこちらに来ましたっ! 我々放送席の元へとやってきましたっ!」

元「……んっ!?」


ソドム「It's this ! 」ガシッ


元「ちょっと待てっ! これは駄目なヤツだっ!」ガシッ

実況「あ~っと、そしてソドムっ……! ソドムは我々放送席の元へと保管してあるベルトを奪いますっ! ベルトを奪っていきますっ!」

70: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:09:22 ID:CIQGq6MA
ソドム「That's ours ! 」グイグイ

元「何しようってんだいっ……! 何しようってんだいっ……! 渡さないよっ……!」グイグイ


実況「ソドムはベルトを奪い去ろうと……あ~、いやしかし、元さんが抑えていますっ! 今、私の隣にいる元さんがベルトを掴みソドムに渡しませんっ!」


ロレント「……でやァァァっ! ブレェェェンバスターだっ!」ググッ

ケン「う、ううっ……! くっ、くっ……! させねぇっ……!」シュタッ

ロレント「……チィッ!」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ! ロレントがリング上でブレーンバスターっ! あ~っと、いやいやいやっ……! ここはケンっ……! なんとか身体を捻り、ロレントの背後へと着地していったかっ!?」


ソドム「Doooooooon't bother !! Ooooold maaaan !! 」

元「ああっ……!? 誰が爺だって……? オイ、誰が爺だって……?」ガタッ

実況「……んっ!?」

71: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:13:58 ID:CIQGq6MA
ソドム「Shuuuuuuuut up !! Ooooold maaaan !! 」グイッ

元「誰が爺だ。お前、誰に向かって行ってんだ、あぁっ……! 餓鬼が舐めた口利いてんじゃないぞ、ああっ!?」

実況「あ~っと、そして今ソドムの手にベルトが渡りましたっ! そして元さんっ……! ちょっとちょっとちょっとちょっとっ……!」


ケン「はぁっ、はぁっ……背後……取ったぜっ……!」ガシッ

ロレント「学ばん奴だなァァァ! その足を踏みつければいいィィィ!」ズンッ

ケン「……ぐわあああぁぁっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、リング上ではケンが背後を取り返したのだが……しかし、ロレントが足を踏みつけていくっ! またもロレントっ……! 足を踏みつけていくっ!」


ソドム「HAHAHAHA !! Take this !! 」ズガァッ

ヤムチャ「んっ……? うぐおぉっ……!」ヨロッ


ブー ! ブーブー !

実況「そして場外ではソドムっ……! 放送席から奪い去ったベルトっ……! その硬い硬い金属部分をヤムチャの額目掛けて打ち付けていくっ! あ~っと、ベルトを使った凶器攻撃っ!」

元「この糞餓鬼っ……! おい、コラっ……! ふざけんじゃないぞ……!?」

実況「ちょっとちょっとっ……! あ~っ、もうっ! 元さんも落ち着いて下さいっ!」

元「やかましいっ! こんな試合を見せつけてられて落ち着いてられっかっ!」

72: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:22:53 ID:CIQGq6MA
ロレント「これまでずっとずっと我輩達の流れできたのだ……今更少しばかり返してきた所で、もう手遅れだっ……!」クルッ

ケン「……最後まで諦めっかよっ!」ブンッ

ロレント「……おっとっ!」ゴロゴロ

ケン「はぁっ、はぁっ……! くそっ……!」スカッ


アー !? アーアー !?

実況「リング上のロレントはケンに振り返り……あ~っと、しかしケンはそんなロレントに腕を振るっ……! おぉ~っと、しかしロレントはそれに合わせて、後転っ! 攻撃に合わせて距離を取っていくっ!」

元「どいつもこいつも……あ~っ、くそっ……!」


ソドム「HAHAHAHA ! One more ! 」ブンッ

ヤムチャ「いってぇなっ……! くそっ、うるぁっ……!」ガシッ


実況「元さんは私の隣でキレているっ! ウマの合わないソドムが『禁句』を言ってしまったかっ!? あ~っと、そしてソドムはヤムチャに向かってもう一撃……あ~、いやっ! 受け止めた受け止めたっ! ヤムチャは振りかざされたソドムのベルトを受け止めたっ!」


ヤムチャ「……ふざけた攻撃してんじゃねぇぞっ! 寄越せっ!」グイッ

ソドム「Oh... ! 」


実況「ヤムチャはソドムの腕からベルトを奪い取ったぁ!」

73: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:25:23 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「お前はお呼びじゃねぇんだよっ……! うるあぁっ……!」スパーン

ソドム「...gggaaaggg ! 」バターン


実況「そしてすかさずトラースキックっ! 顔面へと打ち込んでいくっ! これによりソドムはダーウンっ!」


ロレント「メコンデルタエェェェアレイドォォォ! だりゃァァァ!」ズガァ

ケン「ぐはぁっ……!」バターン


ブー ! ブーブー !

実況「しかし、リング上ではロレントのメコンデルタエアレイドっ! 拳をケンの額へと打ち付けていくっ! リング上ではケンがダーウン! リング上でのピンチは続くっ!」


ヤムチャ「ようやく邪魔者は振りきったみたいだな……よぉ~し、ロレントっ……! ここから第三ラウンドの始まりだ……」ポイッ


実況「しかし、ヤムチャはなんとかソドムを振り切ったっ! さぁ、今ベルトを投げ捨て再びリング上っ……! ここはケンの救出に走りますっ!」

元「小僧っ……! お前もベルトを雑に扱うんじゃねぇっ!」


ヤムチャ「……んっ?」チラッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! ちょっとちょっと、元さんっ!?」

74: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:27:48 ID:CIQGq6MA
元「苛つく試合を見せつけやがって、この糞餓鬼がっ……! お前、何の為に試合してんだ!? あぁっ、今何の為に試合してるんだっ!? あぁっ!?」


ヤムチャ「……」ジーッ


実況「元さん、元さん、落ちついて下さいっ! 今はヤムチャをリングへ向かわせないとっ……! ヤムチャがこちらを見ていますよっ!?」

元「君は黙ってなさいっ……! もう我慢の限界だ、ちくしょうっ……!」


ヤムチャ「……」


実況「あ~、あ~っ……! リング上ではロレントが立ち上がり……あ~っと、そしてダウンしたケンへと近づいていきますっ!」

元「お前、そのベルトを取りにくる為に、この場にやってきたんじゃないのかっ……!? ああっ!?」


ヤムチャ「……ベルト」チラッ

75: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:30:35 ID:CIQGq6MA
ロレント「終わりだァァァ! フォールだァァァ! カウントを取れェェェ!」ガバッ

ダン「おうっ!」


ケーン ! ケーン !

元「よくもまぁ、雑に扱えたもんだなっ……!? ベルトを雑に扱えたもんだなっ……!? そのベルトを腰に巻く為に、どいつもこいつも魂とプライド賭けてやってんだよっ! それはそういう物なんだっ!」

実況「ロレントは覆い被さりましたっ! ダウンしているケンの身体に覆い被さり、フォールに入りましたっ! あ~っと、レフェリーがカウント数え始めますっ!」

元「くだらない喧嘩がやりたいんだったら、他所でやって来いっ……!こっちでいくらでも場所作ってやるよっ……! お前の頭の中にベルトの事なんて、今一つもないだろっ……!? そんな奴がヌケヌケと王者戦に出てきてんじゃないよっ……! そもそもお前が要求した事だろが、ああっ!?」

実況「もういいっ……! もういいっ……! ヤムチャっ……! こっちはいいから走れっ……! ケンの救出に走れっ!」


ヤムチャ「……」


元「とにかくベルト拾えっ……! コラァっ……! ベルトを拾えぇぇっ!」

実況「違うっ……! ヤムチャ、走れっ……! リングへと走るんだぁぁ!」

76: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:32:32 ID:CIQGq6MA
ダン「ワンっ……!」

ケーン ! ケーン !

ダン「ツーっ……!」

ケーン ! ケーン !


ヤムチャ「……くっそっ!」ガシッ

ソドム(……この試合は)


実況「ヤムチャはケンの救出に行かずにベルトを拾ったぁぁ! 違~うっ! 何をしているのだぁぁ!」


ダン「……スリ」

ケン「……終わらねぇんだよ、ちくしょうがぁぁっ!」ガバッ

ロレント「……くゥゥゥ!」


オー !? オーオー !?

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「あ~っとっ! 危ない危ない危ないっ! 間一髪の所でケンが肩を上げる肩を上げるっ! カウントは2.9っ! 2.9ですっ!」

77: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:35:50 ID:CIQGq6MA
ソドム(私達と彼との『くだらない喧嘩』から始まった試合だ……そこに『おまけ』としてベルトがついてきた……)

ワー ! ワーワー !

ソドム(だからスタートは『くだらない喧嘩』から始めないといけない……だけどゴールは違う。これは王者戦なのだ……くだらない喧嘩のまま終わらせる事は、ベルトに対しての冒涜へとなってしまうのだ……)


ケン「はぁっ、はぁっ……ベルトへの道ってのは、険しいもんだな……だが、それがいいっ……! 俺一人でも辿り着いてやるっ……!」ムクッ

ロレント「無駄だ、無駄だァァァ……! もう手遅れなのだァァァ! この王者ロレント・ソドム組の前に貴様も破れ去るのだァァァ!」ガシッ


ケーン ! ケーン !

実況「ケンが孤軍奮闘っ……! 孤軍奮闘状態っ……! ヤムチャっ……! もういいから早くリングへと行けっ! ケンの救出に走るんだっ!」

元「こんな青臭い小僧に王者を名乗る資格なんて、ありゃしないよっ!」


ヤムチャ(……人生)

79: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:38:47 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ(今日の試合は俺の人生だ……俺は器用だから何をするにしても、最初は上手に出来るんだ……最初はね……一番最初はね……)


ロレント「さぁさぁ、止めだ止めだ、終わりにしてやるぞォォォ! ケェェェンっ!」ググッ

ケン「……くっ、くっ」グイッ


ヤムチャ(だけど、なんだろな……空回りしたり、調子に乗っちゃったりして……いつもいつも、途中からは上手くいかなくなっちゃうんだ……俺の人生って、そんなもんなんだ……)


実況「あ~っと、ロレントは今度はバックですっ! ケンの背後を取りつつ引き起こしていくっ! ヤムチャっ……! おい、ヤムチャっ……!」

元「あ~っ! あ~、ちくしょうっ……!」


ヤムチャ(でも、やっぱり……未来はハッピーで終わりたいじゃない……こんな俺でもさ!)

80: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:42:21 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「雑に扱ってすいませんでした。大切に保管しておいて下さい」サッ

元「……あぁっ! ったくっ!」ガシッ


ロレント「終わりにしてやるゥゥゥゥ……! フンッ……! フンッ……!」ガシッ

ケン「くっ……! くっ……!」モガモガ


ケーン ! ケーン !

実況「ロレントは背後からケンの右足を抱え、そしてその右足の下を通すように、両腕をクロスさせ捉えるっ……! ここで再びっ……! ビーフケーク・ハマーっ! ビーフケーク・ハマーの体勢っ!」


ヤムチャ「この試合は……ハッピーエンドで終わらせるんだよっ……! うるあぁっ……!」ダダッ


実況「あ~っと、しかしここでようやくヤムチャが向かうっ……! リングへと向かうっ……! よしっ……! それでよぉぉしっ!」

元「目を覚ませ、馬鹿野郎っ……!」

実況「元さんっ……! リングに向かったからいいものの……こんな状況の中……やめて下さいよ、もうっ……!」

元「ずっとずっと我慢出来なかったんだよ、くそっ……言葉は濁してたけどさぁ……!?」

81: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:45:52 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「……うるああぁぁっ!」ズザーッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、なにはともかくヤムチャがここでいったぁ! さぁ、サードロープ下からリングへと滑り込むっ! そして立ち上がるっ!」


ヤムチャ「その手を離しやがれぇぇっ……!」ドスッ

ロレント「ぐゥゥゥ……! くそっ、ソドムっ……! 抑えておけなかったのかっ……!?」

ケン「はぁっ、はぁっ……なんとか助かったが……おっと……!」ガクッ


オー ! オーオー !

実況「そしてケンを捉えているロレントの背中へと打ち込んでいくっ! スレッジ・ハンマーっ! おぉ~っと、これによりロレントの腕が外れたぁっ! あ~っと、しかしケンはよろけて前へと倒れ、膝をつくっ!」


ロレント「戻ってきたようだが……貴様は我輩には勝てんっ……! 第三ラウンドだっ……! 20秒で終わらせてやろうっ……!」クルッ

ヤムチャ「……大切な事を思い出したんだ。もう負けねぇ!」


オー !? オーオー !?

実況「ここはロレントっ……! 一度標的をケンからヤムチャに切り替えてくるかっ!? あ~っと、ヤムチャの方を振り返るっ!」

82: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:48:47 ID:CIQGq6MA
ロレント「寝ェェェ言は寝て言えェェェ! くたばれェェェっ! だりゃァァ!」ズガァ

ヤムチャ「……ぐっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「ロレントは即座に打ち込んでくるっ! ナックルパートだ 、ナックルパートォォ! ヤムチャの額にクリーンヒットっ!」


ヤムチャ「確かに効くぜ……こりゃ効く攻撃だ。今、わかったよ……お前、王者になる為になりふり構わずやってたんだな、きっとっ……!」ググッ

ロレント「……ぬっ!?」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、待って下さいっ……!? 額に強く強く打ち込まれたヤムチャではありますが……! おぉ~っと、踏みとどまるっ! 踏みとどまるっ! 耐えるっ!」


ヤムチャ「だけど、こっちだって負けられねぇんだよっ……! うおおぉぉっ……!」ギロリ

ロレント「……こ、こいつ」ビクッ


オー ! オーオー !

実況「そして顔を上げ、強く強くロレントを睨み付けていくヤムチャっ! おぉ~っと、その様子に少しロレントはたじろいだかっ!?」

84: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:51:46 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「今日はベルトを取りに来たんだよぉぉぉ……! 最後の最後の、この一戦をぉぉぉ……!」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてここでヤムチャっ! 自身の腰っ……! その腰に、ベルトを示すようなジェスチャーを、目の前のロレントに対して見せつけていくっ!」

元「それだぁっ!」


ヤムチャ「……うおおぉぉっ!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「そしてヤムチャが体勢を低くするっ! 身体を沈ませ体勢を低くしてくるっ!」


ヤムチャ「ハッピーエンドで終わらせるんだよおぉぉっ! うるあぁっ!」ドスッ

ロレント「……ぐおっ!」


オー ! オーオー !

実況「そのまま突っ込むっ……! ロレントへと突っ込むっ……! ここきで気づいたっ! ようやく、ようやく気づいたァァ!」

元「遅いんだよ、ちくしょうっ!」

実況「戦士を動かす物は復讐心などではなぁいっ……! 戦士を動かす物っ……! 戦士を動かす物とは、ベルトへの熱き思いだァァっ! 遅ればせながらも、ようやくようやくヤムチャが気づいたァァ!」

85: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:54:38 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! だああぁぁっ……!」ググッ

ロレント「……ぐぐっ!」


ワー、ワーワー

実況「ロレントの両太腿を抱え……そのまま、ハイアングル気味へと持ち上げるっ! 更に、更にっ!」


ヤムチャ「うおおおぉぉっ! ウルフバスターだっ! 喰らええぇぇっ!」ブンッ

ロレント「……どぐふぅぅ!」ズドーンッ


ワー! ワーワー!

実況「そのまま、自身の身体ごと、ロレントの身体を旋回させてマットへと叩きつけるっ! いったぁ! ヤムチャがいったぁ! ウルフバスターっ!」

元「やぁ~っと、一撃返せたよ。ちくしょうっ!」

実況「一撃返していきましたっ! ようやく、ヤムチャが一撃返していきましたっ……! しかし、それは特大の特大の一撃ィィ! さぁ、ここからだっ……! まだまだ終わってはいないぞっ!」

元「本気でベルト取るつもりなら……ここまで掴めていなかった流れを一気に掴んでみせなよっ! もうチャンスはそんなに残ってないよっ!」

86: 名無しさん 2016/08/30(火) 23:57:52 ID:CIQGq6MA
ヤムチャ「ケンさん、決めましょうっ……! 俺達で勝ちましょうっ……!」ムクッ

ケン「はぁっ、はぁっ……ったく、このクソ野郎がっ……!」ムクッ


ワー、ワーワー

実況「ヤムチャはフォールにはいかず、立ち上がってくるっ!」

元「試合権はケン君だからね」

実況「しかしっ……! ここでケンもまた立ち上がってくるっ! 立ち上がってくるっ!」


ケン「ようやく目ぇ覚ましやがったかっ……! 遅ぇんだよっ……! 遅ぇんだよ、このタコ助がっ!」クルッ

ヤムチャ「俺一人じゃないっ……! 俺達二人で勝って終わりましょうっ……!」

ケン「もうチャンスは残ってねぇっ……! 多分、これがラストだっ……! 二人できっちり決めるぞっ……!」グイッ

ロレント「……ううっ」ググッ

ヤムチャ「……了解っす!」


オー ! オーオー !

実況「そ~してケンはロレントへと近づき、その身体を引き起こしていくっ! 引き起こしていくっ! さぁさぁ、ここだここだっ……! ここは空手軍団にとっての勝負所だっ!」

87: 名無しさん 2016/08/31(水) 00:01:15 ID:XMm1syGI
ケン「勝つのは俺達空手軍団なんだよぉぉっ……! うおおぉぉっ!」スーッ

ロレント「……う、ううっ」


オー !? オーオー !?

実況「ケンは、ロレントの正面に立ち……おぉ~っと、大きなモーションを見せながら、両腕を自身の腰付近へと構えたぁ!」


ケン「いっくぜぇっ! 波動拳っ!」ドスッ

ロレント「……だぐっ!」クルッ


オー ! オーオー !

実況「そのままロレントの胸元に両腕での掌底を突き出していったぁ! 独特のモーションの掌底っ!」

元「波動拳っ!」

実況「さぁ、ロレントの身体がクルッと半回転して……おぉ~っとっ! 更にっ……!」


ヤムチャ「どっちが上だとか、そんなんじゃねぇ……お前はお前の全力を俺にぶつけてきた……だから俺も、ここで俺の全力をお前に見せつけるっ……!」ググッ

ロレント「か、下級兵……うあっ……」


オー !? オーオー !?

実況「ヤムチャが構えているっ! そんなロレントに対してヤムチャが構えているっ! 構えているっ!」

元「狼牙風風拳っ!」

88: 名無しさん 2016/08/31(水) 00:05:17 ID:XMm1syGI
ヤムチャ「これが俺の力だあぁぁっ……! 王者・ロレントォォォ!」

ロレント「くっ……! くっそぉぉぉっ!」


イケー! ヤムチャー! ロウガフウフウケンダー!

実況「続けてヤムチャがいったぁ! ロレントにいったぁ! 狼牙風風拳だぁ!」

元「いけぇっ!」


ヤムチャ「ハイッ!」

ロレント「ガッ……我輩は……」

ヤムチャ「ハイッ!」

ロレント「アガッ……我輩は……我輩は……くああっ……!」

ヤムチャ「ハイッ! ハイッ! ハイッ!」

ロレント「くそっ……! くそっ……! こんな軟弱な挑戦者などにっ……!」


ワー ! ワーワー !

実況「ヤムチャの狼牙風風拳っ! 得意の打撃の連続攻撃、雨嵐っ! さぁ、ロレントへと打ち込んでいくっ……! いったいったいったっ!」


ヤムチャ「……これで、フィニッシュっ!」バシッ

ロレント「……くそオォォォォォ!」クルッ


実況「そしてフィニッシュっ……! おっと、フィニッシュは両手で突き出すような形ではなく、右から左に両手で薙ぎ払うような形で打ち込んでいったぞっ!? あ~っと、ロレントの身体が更に半回転っ!」

元「勝負を賭けてきたんだっ!」


ケン「サガットより……バルログより……ベガより、お前は強かったぜっ……! だけど……うおおぉぉっ……! 喰らえっ!」ガスッ

ロレント「……くがっ!」クラッ


ワー ! ワーワー !

実況「再びこちらを向いたロレントのその顎ォォ! ケンは即座に打ち込んでいくっ! ショートレンジの昇龍拳っ! おぉ~っと、ロレントの顔が大きく仰け反ったぁ!」

元「神龍拳っ!」

89: 名無しさん 2016/08/31(水) 00:09:16 ID:XMm1syGI
ケン「オラオラオラオラっ!」

ロレント「くああっ……! ああぁっ……!」フラフラ


ワー ! ワーワー !

実況「ここは空手軍団が足並み揃えて、一気に勝負に出ますっ! 続けて更にケンが神龍拳っ! さぁ、ロレントを逃しはせず得意の蹴りのラッシュだぁ! 右足一本でロレントに打ち込む打ち込む打ち込むっ! ダウンすらさせてもらえない蹴りの嵐、嵐、嵐ィ!」

元「ここまでずっと主導権を奪われてた分っ……! こういった形で勝負にいかないと、もう間に合わないっ!」


ケン「とどめだっ! 神龍拳っ……!」ズガアアァァッ

ロレント「あぁっ……! あっ、あっ……うあああっ……」バターンッ


ワー ! ワーワー !

実況「そして、フィニッシュっ! 顎元に打ち込む昇龍拳でロレントを仕留めたぁ! ケンの神龍拳っ! ケンの神龍拳がロレントにクリーンヒットォ! 一発逆転を狙う、ケンの神龍拳とヤムチャの狼牙風風拳っ!」

元「さぁ、どうだっ!?」 

実況「ここは出し惜しみをせずに、一気に勝負に出ましたっ! ロレントはダーウンっ! ダーウンっ!」

90: 名無しさん 2016/08/31(水) 00:12:48 ID:XMm1syGI
ケン「はぁっ、はぁっ……終わりだっ……!」ガバッ


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、ケンがロレントの身体へと覆い被さりますっ!」


ソドム「Fuuuuuuck ! 」シュタッ


実況「あ~、いやっ! ここでソドムが来た、ソドムが来たっ! やはりロレントのピンチに……ソドムがやってくるっ! エプロンサイドに上がってきたっ!」

元「そりゃ、来るよっ!」


ケン「オイ、ヤムチャっ……! 止めて来いっ……! これ以上長引いたら、もうベルトには手が届かないぞっ……!」ビシッ

ヤムチャ「わかってますっ……! 了解ですっ……! うおおぉぉっ……!」ダダッ


ワー ! ワーワー !

実況「いやっ……! ヤムチャが走りますっ!エプロンサイドのソドムに向かってヤムチャが走りますっ! 向かっていくっ!」

元「そうだっ! そういう事を忘れてちゃ、勝利に手は届くわけないんだっ!」


ヤムチャ「うおおぉぉっ……! いかせねぇぞっ……!」ガシッ

ソドム「Fuck... ! Fuck,Fuck,Fuck... ! Fuuuuuuuuck ! 」モガモガ


ワー ! ワーワー !

実況「ヤムチャはロープ越しにソドムの身体にしがみついていったぁ! 身体を張ってソドムのリングインを防ぎにいくっ!」


ケン「レフェリー、もたもたするな、オイっ……! 限界なんだよ、オイっ……! 早く早く……カウント取れよっ……!」

ダン「わかってる、わかってるってのっ……! そう焦んなっ……! よし、カウントいくぜっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、そしてここでレフェリーがケンの元にやってきて、リングへと伏せ、カウントを数えますっ! 数えますっ! さぁ、一気に勝負にいった空手軍団っ……! その結果はどうだどうだどうだっ!?」

元「ここで逃れられると、もうダメだっ!」

91: 名無しさん 2016/08/31(水) 00:15:50 ID:XMm1syGI
ダン「ワンっ……!」

ワー ! ワーワー !

ダン「ツーっ……!」

ワー ! ワーワー !

ダン「……スリイイィィィっ!」


ワー ! ワーワー ! ワー ! ワーワー !

ダン「スリーカウントだっ! スリーカウントっ! 試合決着だっ! ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉ!」


カンカンカーン


ワー ! ワーワー !

実況「決まったぁ! ここで決まったぁっ! 空手軍団が見せたっ! 最後の最後の大逆転っ!」

元「いやぁ、本当にハラハラする試合だったよ」

実況「何度も危うい場面はありましたっ……! いやっ……! 危うい場面ばかりだったと言っても過言ではないでしょうっ! しかし、決まったぁ! ここでスリーカウントっ……! 三つのカウントが今しっかりと取られましたっ!」

111: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:00:58 ID:qF0JcWF2
ケン「よぉぉぉぉしゃっ……! 取ったぞぉぉぉっ!」ムクッ


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、ケンは立ち上がり拳を握るっ! 両手を強く握るっ!」

元「うんっ!」


ケン「はぁっ、はぁっ……うおっ……! 苦戦はしたが……俺達が取ったんだっ……! 取ったんだっ……!」ガクッ


ワー ! ワーワー !

実況「あ~っと、ケンは前へと膝をつくっ!」

元「本当に危ない所だったからねぇ、うん」

実況「しかし、拳は握っているっ! 両膝をつきながらも、拳は強く強く握っているっ! 勝利への喜びに身を震わせているっ!」


ヤムチャ「勝ったんだああぁぁっ! 俺達が勝ったんだあぁぁっ!」ググッ

ソドム「...I got fucked.」


ワー ! ワーワー !

実況「そしてヤムチャもガッツポーズっ! ロープ際で大きく大きく腕を上げ、ガッツポーズっ! そしてケンの元へと駆け寄っていくっ!」

112: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:07:56 ID:qF0JcWF2
元「ったく、本当に……そもそも彼がね……!?」

実況「まぁまぁ、元さんっ……! 今は水を指すような事は止めましょうよっ!? ねっ、ねっ……!?」

元「う、う~ん……まぁ、そうか。わかったわかった……」


ヤムチャ「ケンさんっ……! やりましたねっ……!」

ケン「ったく、てめぇは本当にこの野郎っ……! 向こうのコーナー行け、向こうのコーナーっ……! 新王者の姿……ここにいる全員に見せつけるぞっ……!」

ヤムチャ「はいっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「おっと、ケンとヤムチャはここで二手に別れ……あ~っと、互いにコーナーの方へと向かっていきますかねっ!?」

元「はい」

実況「あ~っと、そして昇っていきますっ! ケンもヤムチャもっ……! 互いにコーナーへと昇っていきますっ!」


ソドム(終わったか……)ググッ

113: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:14:21 ID:qF0JcWF2
ケン「宣言通り取ったぞおぉぉぉ! 俺達が新王者だあぁぁっ!」ググッ

ヤムチャ「やったぞおぉぉぉっ!」ググッ


ワー ! ワーワー !

実況「そしてコーナーから場内へとアピールしていくっ! 勝利をっ……! 新王者誕生の瞬間をっ……! 場内へとアピールしていくっ!」

元「はい」


ソドム「Sorry,Boss. Are you OK ? 」

ロレント「う、ううっ……」

ソドム「OH,TWO CURRY ! (訳:シャキッとしな!)」


実況「そしてソドムが、おぉ~っと、大の字に倒れているロレントの介抱へと向かいましたかね?」

元「おっ、そうだね」

実況「そしてソドムはロレントに肩を貸し……あ~っと、どうやら下がっていくようですっ! 今、ロレントを連れ……リングの外へと向かっていきますっ!」

114: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:18:48 ID:qF0JcWF2
ソドム「You didn't lose...You didn't lose... !! 」イソイソ

ロレント「ううっ……ああっ……」イソイソ


ワー ! ワーワー !

実況「そしてロレントとソドムが揃って、今花道を引き下がってきますっ! ひっそりと、引き下がっていきますっ!」

元「うん」

実況「リング上のケンとヤムチャは……おっと、一度コーナーから降りて、別のコーナーへと向かっていくっ!」

元「はい」

実況「そして場内に拳を突き上げ、アピールしていくっ! ロレントとソドムは、そんな新王者の姿を目にする事はなく……ただ背を向けて引き下がっていきますっ!」

元「まぁ、これで一つ塗り変わったね」

115: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:28:09 ID:qF0JcWF2
ヤムチャ「やったぞおおぉぉぉっ!」ググッ

ケン「おい、レフェリー……持ってきてくれよっ……! ベルト、ここに持って来てくれよっ……!」

ダン「はいはい。わかったわかった……今持って来るよ!」ササッ


ワー ! ワーワー !

実況「おっと、そして……あっ、レフェリーが我々の元へとやってきましたっ! さぁ、ベルトを手にしますっ!」

元「おっ」


ダン「オラ、人をコキ使いやがってこの野郎っ……! ほらよっ……!」サッ

ケン「へへ、これだよこれこれ……これがねぇと新王者って感じはしねぇよなぁ……!?」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、そしてレフェリーの手から……あ~っと、ケンが奪い去るっ! 纏めてベルトを奪い去るっ!」

元「はははは」


ケン「おい、ヤムチャっ……! こっちだこっちっ……! ほら、ベルトだっ!」

ヤムチャ「……はいっ!」

116: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:33:41 ID:qF0JcWF2
ケン「おら、ベルトだっ……! 俺達、新王者の姿を見せつけてやろうぜっ……!」ガシッ

ヤムチャ(お爺ちゃんの言う通り、このベルトは皆が魂とプライド賭けてやってる物なんだ……それが、ロレントさんから俺の手に今、渡ってきた……)

ケン「オラオラ、ヤムチャっ……! 見せつけてやれ、見せつけてやれっ……! 新王者の姿を皆に見せつけてやれっ……!」


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、ケンはヤムチャにベルトを一つ手渡し、そして再びコーナーへと向かっていくっ! ヤムチャもまた向かっていきますっ!」


ケン「おらあぁぁっ! こいつが新王者の証だぁぁぁ! 見ろ見ろ見ろォォォ!」ググッ


ワー ! ワーワー !

実況「そして抱え上げるっ! コーナーに昇り……さぁ、場内にベルトを見せつけていきますっ!」


ヤムチャ(受け取りましたよ、ロレントさんっ……! ありがとうっ……! ごめんなさいっ……!)

ロレント「……ううっ」イソイソ

117: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:43:11 ID:qF0JcWF2
---


ダルシム「……ロレント君、出しきってましたねぇ」

ベガ「そうだな。出しきってたな」

ダルシム「ベルト戦は最終戦になりますからね。まぁ、本人も悔いの残らないように、出せるものを全部出しきろうと言った所でしょうか……」

ベガ「……最終戦ではない。ロレントには少し休憩してもらだけだ」

ダルシム「……んっ?」

ベガ「これを単発の花火で終わらせる気はない。というか、今日のカード……これ、半分はロレント達の責任なんだよ。アイツらが悪いんだ。アイツらが」

ダルシム「……半分と言うのは?」

ベガ「ロレント達が落とす時には……実はユンとヤンをぶつける予定だったんだよ。ユンとヤンにタッグベルトを保持してもらう予定だった」

ダルシム「えっ、そうだったんですか? それは聞いてませんよ」

118: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:47:36 ID:qF0JcWF2
ベガ「ほら、だからアイツらの王者戦にはユンとヤンはぶつけてないだろ……? あれはいわゆる『最後の切り札』として取り置きしてたんだよ」

ダルシム「はぁ」

ベガ「ロレント達を支持しているのは、多くが男性ファンだ。だからそこに女性ファンに支持されてるチームをぶつけたら、会場も男性ファン対女性ファンみたいになって面白そうだろ? ほら、野球チームでも男性の野太い声援と女性の高い声援が交互に繰り返されてな……? あぁいうのって面白いじゃないか。本当はそういうイメージだったんだよ」

ダルシム「あ~、あ~、だからさくらさんに女性ファンに支持されるようなチーム作りをと」

ベガ「そうそうそう。しかしなぁ……ユンとヤンは想像してたより、少しな……」

ダルシム「……はいはいはい」

ベガ「ロレント達は、想像してた以上だった。流石にここからベルトを移動させるのは、空手軍団使っていかないと無理だろ……?」

ダルシム「もしくは、シャドルーか」

ベガ「そうそうそうそう」

119: 名無しさん 2016/09/01(木) 22:55:27 ID:qF0JcWF2
ダルシム「しかし、またユン君とヤン君がブー垂れそうですね」

ベガ「だから間にさくらを挟んでいるのだ。私を敵にして一丸となってくれればそれでいい」

ダルシム「……なるほど」

ベガ「この話はさくらにも内緒だぞ……?」

ダルシム「はいはい。わかりました。しかし、予定外の事態で空手軍団にベルトが渡ってしまったという事は……対戦相手はどうします? シャドルーをぶつけるんですか?」

ベガ「来週のメインイベントはリュウ・ケン・ヤムチャ対ガイル・ユン・ホークだから……」

ダルシム「あ~、あ~」

ベガ「……そこで一番結果を残したヤツでいいんじゃないか?」

120: 名無しさん 2016/09/01(木) 23:01:30 ID:qF0JcWF2
ーーー


ワー、ワーワー

実況「さぁさぁ、ようやく会場も落ち着いてきましたかねぇ!? おぉ~っと、ここでケンがマイクを手にしましたっ!」


ケン「いよおおぉぉしゃっ! ベルト取ったぞおおぉぉっ!」ググッ


ワー ! ワーワー !

実況「お~っと、そしてベルトを高々に掲げながら叫んでいくっ! 場内にそのベルトを見せつけながら叫んでいくっ!」


ケン「……ベルトが一つ!」


ワー ! ワーワー !

実況「ケンは自身のベルトを見せつけるっ!」


ケン「……ベルトが二つ!」

ヤムチャ「……」ググッ


ワー ! ワーワー !

実況「そしてヤムチャも高々にベルトを掲げるっ!」

121: 名無しさん 2016/09/01(木) 23:07:15 ID:qF0JcWF2
ケン「ベルトの三つ目っ……!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてケンが続けて……!?」


ケン「は……残念ながら、ねぇ……持ってねぇんだな、ちくしょう……」


アー、アーアー

実況「あ~っと、ここでケンはトーンを落として言いますっ! このベルトの三つ目……と言うのは」

元「そうだね。シングルのベルトの事だね」


ケン「だけどよぉ……!? 今、この瞬間見ればわかるだろっ!? ベルトに相応しい人間は誰だっ……! ベルトが一番似合う軍団ってのは、どいつらだっ!? よく見ろよっ!?」

カラテグンダーン、カラテグンダーン

ケン「声が小さぇぞ、おぉいっ! 聞こえね~ってのっ!」


カラテグンダーン ! カラテグンダーン !

実況「ケンはベルトが一番似合う人間は誰だと場内に問いかけますっ! そして場内が答えるっ! ベルトが一番似合う人間は空手軍団だとっ!」

122: 名無しさん 2016/09/01(木) 23:13:32 ID:qF0JcWF2
ケン「そうだっ……! ベルトが一番似合うのは、俺達空手軍団だっ! このベルトだけじゃなくて、もう一つのベルトの方も狙わせてもらうぜっ!」

ワー ! ワーワー !

ケン「今日は、俺とヤムチャの二人がベルトを持って、今ここに立っている……」

オー、オーオー

ケン「だけど、次だ……おい、いいか……? 次だぞ……次……」

オー ! オーオー !

ケン「次は、三人だっ……! 空手軍団三人全員が、ベルトを持ってこの場に立っている姿を見せてやらぁ……!」

オー ! イイゾー ! ケーン !

ケン「俺達空手軍団全員が最強の王者だって証を必ず見せてやるよっ……!」

ワー 、ワーワー

ケン「先ずは二つ手にしたぞっ……! 新たな最強タッグ王者誕生の瞬間を、皆、祝福してくれやああぁぁっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「どうやらケンの狙いはベルト制覇っ……! 空手軍団全員それぞれがベルトをその腰に巻く……そういった事を狙っているようですねぇっ!? そしてそのピースのうち、二つを手にしましたっ! 残るピースは後一つ……!」

元「まぁ、確かに空手軍団全員でベルトを制覇するという姿……見てみたいね。ただね、僕はね……一つ言いたいんだ」

実況「さぁ、ケンとヤムチャはリングから降り、そして場内にファンに向かってハイタッチを繰り返していますっ! おっと、元さん、どうなされました?」

123: 名無しさん 2016/09/01(木) 23:18:53 ID:qF0JcWF2
元「やっぱりね、僕は王者には『風格』『品格』というものが要求されると思うんだよ」

実況「え~……風格に品格……ですか……?」

元「いやぁ、言葉にすると難しくなるだけで、実際はそんなに難しい話ではない。例えばだ……現在、シングルのベルトを保持しているベガ君……」

実況「はいはい」

元「……彼は、王者と呼ぶに相応しいかね? という話だ」

実況「はいはいはい」

元「確かに彼はベルトを保持している……そういった意味では王者だ。間違いなく王者だ。防衛も今の所二回してるよね。結果だけを見ればの話だよ……?」

実況「はいはいっ! その対戦相手だとか、その~、試合内容は抜きにしての、結果だけを見てという話ですね!?」

元「だから、こういった結果だけを見て、ベガ君は最強の王者である……なんて、言えるかね?」

実況「う~ん……そう言われると、やはり私も言いたくないという部分も出てきますね!」

元「でしょ……? そういうのが、僕はいわゆる『風格』だとか『品格』だと思うんだよ。こういう言い方をしているだけで、きっともっと別の言い方はあるよ」

実況「はいはいはいはいっ!」

124: 名無しさん 2016/09/01(木) 23:25:49 ID:qF0JcWF2
元「いや~、本当こうやってめでたく新王者が誕生したって瞬間にグチグチグチグチ言ってゴメンね……!?」

実況「いえいえいえいえっ……! 元さん、続けて下さい。続けて下さいっ!」

元「だから、試合に勝った……ベルトが移動した……そのベルトを腰に巻いた……さぁ、新たな最強の王者が誕生したって言うのは、僕の中ではちょっと早いと思うんだよ」

実況「はいはいっ!」

元「そして、そのベルト腰に巻いて……何を残していくか……ここがねぇ、僕は凄く重要な事だと思う」

実況「こう、王者としての歴史を築いていくっ……! そういった感じでしょうかねぇっ!?」

元「そうそうそうそうっ! こう自分の生き様を試合の中で見せてやるっ……! とか、そういうのがやっぱりあるじゃんっ!?」

実況「はいはいっ……! はいっ……!」

元「古臭い考えかもしれないけどね、やっぱり僕はそういう姿を見たいんだよ」

実況「いやいや、私もそういう選手の姿を伝える事に喜びを感じていますよっ!」

125: 名無しさん 2016/09/01(木) 23:31:04 ID:qF0JcWF2
元「本当、水ばかり差してゴメンね。ただここはどうしてもどうしても言いたいんだよ。僕もこの新王者組にはより魅力的になってもらいたいからね。それだけのものはきっと持ってると思うし」

実況「はいっ!」

元「ベルトを取ったから一息……って、ワケにはいかないんだよね。ここから先もまだまだあるからね!?」

実況「やはり我も我もとベルトを狙う選手もどんどん出てきますでしょうし……やはり、この新王者組が空手軍団という事はねぇ……!?」

元「そうですよ。ベルトを奪うだけではなく、空手軍団を倒したというステータスまでついてきますからね。そりゃ、もう最高のロケーションですよ」

実況「となってくると、これからのこの新王者、ケンとヤムチャの王者防衛の道のりと言うものは険しい物になってくると!?」

元「基本的に王者の道っていうのに、楽な道はありません。険しいのが普通ですよ。でも、そういうのを乗り越えて、品格や風格が出てくるわけだ」

実況「空手軍団三人全員でベルトを揃える為には、ケンとヤムチャもベルトを守り続けねばなりません!」

元「防衛戦ってのは王者の宿命でもあるからね。それで、やっぱり最近はどうなのって王者も……ねぇ? いるじゃない」

実況「はいはいはいっ!」

元「だからこそね……僕はこの新王者組に、そういう風格という物を求めていきたいんだっ!」

126: 名無しさん 2016/09/01(木) 23:36:47 ID:qF0JcWF2
実況「さぁさぁ、元さんっ! いつものように厳しいお言葉ありがとうございますっ!」

元「まぁ、でも今日はいい一日だったんじゃない? 新王者誕生の瞬間も見れたし、それに……え~、他にも色々あったしね!」

実況「そうですね! 一つ、もやっとした部分が残る物がありましたが……それでも大団円っ! 八割・九割は大団円の結果でございますっ!」

元「こういういい日をね、これからも皆さんにお届けしていきましょうよ」

実況「はいっ! それでは元さんっ! それそろお時間となってしまいました」

元「はい」

実況「王者達のこれからは……!? そして更には対抗戦っ……! ストリートプロレスはまだまだまだまだ続いていくっ! さぁ、これからどうなっていくのかっ!? 全ての答えはその目で確かめるしかないっ! 次回も見逃すなっ!」

元「はい」

実況「そして私も熱く・激しく・ドラマティックにその姿をお伝えしていきますっ! さぁ、実況はこの私とっ……!」

元「解説の元でした。それでは、また次回」

146: 名無しさん 2016/09/02(金) 23:00:52 ID:Q/Sr8JZQ
ーーー


プーアル「お疲れ様です! ケンさん、ヤムチャ様っ!」

リュウ「お疲れさん」

ケン「おう、お疲れお疲れ。ベルトも持ってきたぜ。ホレ、なっ、ヤムチャっ!?」

ヤムチャ「あっ、はいっ! ベルト持ってきましたっ!」

リュウ「お前ら、それ使ってのインタビューも控えてるんだからな。傷つけるなよ?」

ケン「わかってるってのっ! まぁ、これで後はお前がシングルのベルト……ベガから取れば、俺達三人がベルト巻いてる姿を見せれるってワケだよ。間違いなく絵になるぜ、おい」

リュウ「ベガの次の対戦相手はガイだとよ」

ケン「……ああっ?」

ヤムチャ「えっ、ガイ君って……この前、俺と一緒にメトロシティでやったガイ君……」

リュウ「そう。そのガイ君だよ。ガイル君じゃなくて……ガイ君」

147: 名無しさん 2016/09/02(金) 23:11:09 ID:Q/Sr8JZQ
ケン「おいおいおいおい、待て待て待て……シャドルーの次はガイ……? シャドルーの次はガイって事はよぉ……? これ、マジで現状こっちの方がベルトの価値は高いぞっ!?」

リュウ「そこも狙ってるとは言ってたけどね。シングルの価値下げ、タッグの価値を高め……そっちでもメインイベントを張れるようにする、とベガは言ってた」

ケン「あ~、あ~……今日の興行みたいにって事ね……」

リュウ「……そうだ」

ケン「なるほどねぇ、なるほどねぇ……でもまぁ、そうでもしないとおめぇもベガも休む暇なくなっちまうもんなぁ?」

リュウ「俺は大丈夫だよ」

ケン「ザンギエフもそう言ってて……結果がアレだ……」

リュウ「……まぁね」

ケン「しかし、それにしてもガイねぇ……ガイねぇ……よりにもよってガイかよ……」

ヤムチャ「挑戦者はガイ君か……俺も人の事言ってる場合じゃないけど大丈夫なのかな……?」

プーアル「……ガイさんは若手ですしね?」

ヤムチャ「そうそう。俺も今日の試合で予想以上に感じたよ。王者戦ってのは、やっぱりプレッシャーがあるよ」

148: 名無しさん 2016/09/02(金) 23:19:06 ID:Q/Sr8JZQ
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さくら「はぁっ……終わった終わった……それじゃあ、次はえ~っと……」イソイソ

春麗「も~う……終わったらばかりってのに、急に慌ただしくなって……」

さくら「色々やる事はあるんすよ、こっちはっ……!」

春麗「ま~た、愛しのユン君の所にいっちゃうの?」

さくら「もうっ……! しつこいっ……! 次、それ言ったらマジで酷いカード組んでやるっすからねっ!? これ、本当っすよっ!」

春麗「あはは、ごめんごめん」チラッ


かりん(多分、ユンさんは本当に違いますわ。春麗さん、ユンさんはもういい。もういいですわ)フルフル

キャミィ(う~ん……)ジーッ

ローズ(春麗、違うのでカマかけてみなさいっ! ヤムチャ君いってみましょうっ! ヤ~ム~チャ~!)パクパク

春麗(え~、ヤムチャ……ねっ……!? オーケー、オーケー、ローズ……次はヤムチャでカマかけてみましょう……)

150: 名無しさん 2016/09/02(金) 23:23:55 ID:Q/Sr8JZQ
春麗「それじゃあ、何……? 誰の所にそんなに慌てて行くのかしら? ヤムチャ君?」

さくら「そうっすよ。ヤムチャさんの所っすよっ!」


かりん(……おっ?)ジーッ

キャミィ(……んっ?)ジーッ

ローズ(ビンゴ!?)ジーッ


さくら「新王者組のインタビューが控えてますからね。ヴァイパーさん待たせたら、申し訳ないでしょ!?」

春麗「あ~、あ~、確かにヴァイパーはよく言ってるわ。NGが多くて、いつも編集が遅くなって、帰るのが遅くなるって……」

さくら「でしょ……!? だから、こっちは慌ててるんすよっ!? ヴァイパーさんに来週からやらないとか言われたら……もう、本当にヤバいっすよっ!」


かりん(まぁ、そうか……まぁ、そうか……う~ん……)ジーッ

キャミィ(う~ん……う~ん……)ジーッ

ローズ(ビンゴじゃないのかしらねぇ……? なかなか尻尾を握らせないわねぇ……)

152: 名無しさん 2016/09/02(金) 23:31:38 ID:Q/Sr8JZQ
さくら「と言う事で、すいませんっ! インタビューの所、ちゃちゃ~っと行ってきま~すっ!」

春麗「はいはい。わかりましたわかりました。話は後でまたしましょう……また、後で……」

さくら「はい、了解っすっ! じゃあ、先ずはえ~っと……痛っ……!」ドンッ

ガイ「お、おおっ……痛っ……! あっ、いや……さくらさん、すいませんっ!」

さくら「あ~、いやいやいや、ごめんごめんごめんっ……! こっちこそごめんっ……! 後ろにいるとは思わなくて……あ~、いや、ごめんごめんっ!」

ガイ「さくらさん。ちょっとお話いいですか?」

さくら「えっ……!? 話って何……!? 何か重大な事……!?」

ガイ「いや、そこまで重大な話ではないです。忙しいのなら、後でも構いませんけど……」

さくら「あ~、ごめんごめんごめんっ……! それじゃあ、後で聞くからっ! うん、また後で聞くっ! ごめんね、今ゴタゴタしてるから……ガイ君ごめんねっ!?」

ガイ「大丈夫です。大丈夫です」

さくら「それじゃあ、ちょっとちょっと、行ってきま~すっ! すぐ戻ってきま~すっ!」ダダッ

153: 名無しさん 2016/09/02(金) 23:44:03 ID:Q/Sr8JZQ
ガイ「え~っと、それじゃあ……春麗さんは、いますよね……? 今、お時間大丈夫でしょうか?」ヒョコ

春麗「どうしたのよ、ガイ? あんたがアタシを訪ねてくるなんて、どういう風の吹き回しなのよ……?」

ガイ「いや、あの~、春麗さんにはご報告しておこうかなと思いまして……出来ればさくらさんと纏めて……纏めてって形はおかしいですね、うん」

春麗「……どうしたのよ?」

ガイ「え~っと……あのですね、自分忍者になる事になりました。そのご報告を春麗さんにしておこうと思いまして」

春麗「忍者……? 忍者って、あの手裏剣とか……忍法水グモの術とかの忍者……?」

ガイ「そうです。その忍者です。マキビシとか……隠れ身の術とか……ござるござるの忍者です」

春麗「えっ……!? ござるござるの忍者って……アンタ、ソレ、ひょっとしてっ……!?」クスクス

ガイ「その通りでござる。拙者、忍者になるでござる」ケラケラ

154: 名無しさん 2016/09/02(金) 23:51:52 ID:Q/Sr8JZQ
春麗「あはははははっ! あははははっ!」

ガイ「本日はその報告に参ったでござる。一つ、影ながら応援して頂きたいでござる」ペコッ

春麗「あははははっ! やめなさい。やめなさいって、そんなのっ……! その『ござる』ってあの時のでしょ!? それやれって誰が言い出したの!? ダルシムさん……? ガイル……?」クスクス

ガイ「いや、自分で決めた事です」

春麗「嘘でしょ、アンタ……!? 自分で忍者やりたいって言ったの、ねぇ……!? バカじゃないの!? アンタ、バカじゃないのっ!?」クスクス


ローズ「何、何……? どういう事、どういう事……? ねぇねぇ……?」

かりん「ツボに入ったにしては、笑いすぎですわ」

キャミィ「忍者……忍者、何で……?」

158: 名無しさん 2016/09/03(土) 00:02:27 ID:ZlMiIMXo
ガイ「ベガさんから、キャラチェンジしてくれって頼まれて……それで、あの時の忍者を選んだというワケになります」

春麗「あのねぇ……!? アタシ達は、アンタの事バカにしてたのよ!? バカにされてたそれを選ぶだなんて、あんたどうかしてるわよっ!」クスクス

ガイ「いや~、でもそれでもいいんですよ。とにかく、拙者は近いうちに忍者になるでござる」ケラケラ

ローズ「え~、ガイ君、キャラチェンジするの? それで、忍者になるんだ!?」

ガイ「そうです。あっ、そうだっ……! 赤い忍者になるんですよ! 俺、赤い忍者になるそうですよ!?」

かりん「忍ぶ者……と書いて、忍者と読むのですわ。赤い忍者だなんて、忍んでませんし……自己主張が激しすぎですわ」

ガイ「いや、俺もそう思ったんですけど『赤影』とかそういう忍者がいたらしくて……俺は全然知らないんですけど……皆さん、わかります?」

キャミィ「わからないです」

ガイ「ですよね……!? でも、赤い忍者がいるんですって」

159: 名無しさん 2016/09/03(土) 00:14:30 ID:ZlMiIMXo
ローズ「いいんじゃない? キャラチェンジするんだったら、そういう赤とかで派手にいった方がいいわよいいわよ。ねぇ、春麗!?」

春麗「あはははは。忍者やるんだ~!? へぇ~、あんた忍者やるんだ~!? あははははっ!」クスクス

かりん「笑いすぎですわ。ガイさんの大転機なのに」

春麗「あはは、ごめんごめんごめん。うん、アタシは忍者……うんっ! 悪くないと思うっ! あはは、悪くない、悪くないっ!」クスクス

ローズ「……まだ、笑ってるじゃないの」

ガイ「ははは」

春麗「ほらほらほらっ……! ほら、忍者ってあの……うずまきのオレンジの……アニメでやってる忍者がいるじゃない。ローレンちゃんもそれ、毎週見てるわよ。だから、あんたは忍者でチビッ子人気をねっ……!?」

キャミィ「キャラチェンジは、いつなんですか?」

ガイ「え~、一週間後の……ベガさんとの王者戦だそうです」

160: 名無しさん 2016/09/03(土) 00:19:58 ID:ZlMiIMXo
ローズ「えっ!? ガイ君、王者戦するの……!?」

ガイ「いや、でもそれはキャラチェンジを見せるだけというか……試合内容はほら……ねっ……!?」

かりん「あ~、確かに今の王者戦って……そういう感じですわ」

春麗「それでもアンタ、大出世じゃない。形式上とは言えども……王者戦に挑戦出来るんでしょ? ステップアップしたって事でしょ?」

ガイ「そこは王者戦での出来次第と言いますか……」

ローズ「でも、ほら……? コーディ君より早くそこに選んで貰えたんだよ!? やっぱりガイ君凄いじゃん。お姉さん、ずっとガイ君は出来る子だと思ってたの」

ガイ「あはは、ありがとうございます」

春麗「そうよそうよ。まぁ、アンタの忍者化にはある意味アタシにも責任はあるからね……応援ぐらいはしてあげるわよっ!」クスクス

ローズ「ちょっとここらで一つ、若いガイ君が頑張ってよっ! お姉さんも応援するわっ! 絶対に色物なんかで終わっちゃダメよっ!?」

ガイ「はい、頑張ります。俺、頑張りますよ」

161: 名無しさん 2016/09/03(土) 00:32:04 ID:ZlMiIMXo
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さくら「はい。リュウさん、ケンさん、ヤムチャさん、待たせて申し訳ないっす。これから、皆さんにインタビューの方を受けてもらいますが……え~っと、取り敢えず台本をどうぞ」

リュウ「おう」

ケン「はいよ」

ヤムチャ「よ~し、今日はNG出さないように頑張……ん~? ん~? アレ……?」ペラペラ

リュウ「え~、俺が王者戦を終えた二人を迎えると……」

ケン「え~、ベルトを持ったケンとヤムチャが入室と……」

ヤムチャ「あれ……? あれ……? ねぇ、さくらちゃん……? ねぇねぇ、さくらちゃん……?」ペラペラ

さくら「はい」

ヤムチャ「これ、俺の台詞の所……途中から白紙になってるよ……? どうなってるの、これ」

さくら「そうっすね。今日のヤムチャさんの台詞は白紙です」

170: 名無しさん 2016/09/03(土) 22:01:10 ID:j22CaifQ
さくら「え~、今回の一戦でベルトは移動しました。このベルトが移動するって事は、カードが渡された時点でわかってた事だとは思います」

ヤムチャ「そりゃ、俺達が勝つって事は、俺達にベルトが渡ってくる……うん。それは勿論、わかってたよ」

さくら「それで、試合が終わり……まぁ、無事にヤムチャさんの手にベルトが渡りました」

ヤムチャ「うん」

さくら「……どうっすか?」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「改めて、こう今……感じる物ってあります……?」

ヤムチャ「う~ん……そうだな……」

ケン「……」

リュウ「……」

171: 名無しさん 2016/09/03(土) 22:09:33 ID:j22CaifQ
ヤムチャ「いつも俺、リュウさんとケンさんと試合をする時はさ……? 俺がこういう風にしたい。ああいう風にしたいって言って、それを聞いてもらうって感じが多いんだけどさぁ……?」

さくら「はいはい」

ヤムチャ「今回の試合に関しては、ロレントさんとソドムさんが、自分達にとって最後の王者戦だから、こういう風にしたい……ああいう風にしたいって……俺に注文って言えばいいのかな……? まぁ、そういう感じで言ってきて……ねっ、ケンさん?」

ケン「あぁ」

リュウ「……そういう試合展開に見えたよ」

ヤムチャ「それで、そういう風に試合をして、終わって……うん、あるよ。そりゃ俺にもあるよ」

さくら「はい」

ヤムチャ「まだ、俺はこのベルト……一から十まで全部が全部、俺だけの実力で取ったと思ってはいないよ」

さくら「うん」

172: 名無しさん 2016/09/03(土) 22:16:26 ID:j22CaifQ
ヤムチャ「俺がこのベルトを取ったのは、さくらちゃん……あ~、いや、ベガさんか? ベガさんがそういう試合をしろって言ったらからだし……」

さくら「はい」

ヤムチャ「それで、そうなったって言うのは……パートナーにケンさんがいたってのも大きいよ。俺だけじゃない……俺にケンさんがいたからってのも、大きいよ」

ケン「おう」

ヤムチャ「それに、もっと言えばその後ろにリュウさんもいたからだよ。空手軍団って大きな枠があったから、こういう風な結果になったんだと思う」

リュウ「あぁ」

ヤムチャ「でもやっぱり俺の手に渡った事実ってのは変えられないからね。当然、その責任感はケンさんとリュウさんに任せっきりじゃなくて、俺自身にも求められてくるよね?」

さくら「その通りです」

ヤムチャ「お爺ちゃんに青臭い王者だなんて言われちゃったけど……うん。それじゃあいけないよ。そうじゃないと、ロレントさんとソドムさんはきっと今日の結果に納得はしてくれない」

173: 名無しさん 2016/09/03(土) 22:26:23 ID:j22CaifQ
さくら「そうやって、感じてくれるのは有り難い話っす。ベルトを取って終わりってワケじゃないっす。ロレントさん達も……ベガさんはああ言った形ですけど……ベルトを取ってから、自分という存在をそこでファンに見せてるんすよ」

ヤムチャ「キャミィさんもそうだったもんね」

さくら「だから、台本が白紙の理由ってのは……ヤムチャさんの生の声でそういった事を言ってもらいたいんすよ」

ヤムチャ「……あ、うん」

さくら「実際に試合を終えて、ベルトを手にして……なんにも感じる物がなかったってのなら、こっちで空手軍団のヤムチャさんが言いそうな台詞を考えましたけど、感じる物があるってのなら、それを生の声で言ってもらいたいっす」

ヤムチャ「あ~、だから白紙って事ね」

さくら「ただ、今言った事……それをそのままインタビューで受け答えするってのは……まぁ、ダメっすよね?」

ヤムチャ「あ~、そうだね。そうだね……ちょっと言葉を選んでいく必要があるね」

さくら「だから言葉を選んで、答えてほしいっす。インタビュー形式なら、リング上でもぶっつけ本番マイクアピールとは違って、間違ってもカット出来ますから。ヴァイパーさんはちょっと不機嫌になりますけど」

ヤムチャ「いやいやっ……! 大丈夫、大丈夫っ! そういう事なら大丈夫っ! 今日はNGなしの一発で決めるよ!」

プーアル「……ヤムチャ様、大きく出ましたねぇ?」

ヤムチャ「だって、自分の思ってる事を言えばいいだけだろ……!? それって簡単な事じゃねぇか!? 後、NGを出しても大丈夫というこの安心感。これは大きいよ!」

174: 名無しさん 2016/09/03(土) 22:35:00 ID:j22CaifQ
さくら「という事でね……リュウさん、ケンさん。今日のインタビューはこういった形になりますけど……」

ケン「いいんじゃねぇか? ただただ台本に書いてある他人の言葉を棒読みで、自分の言葉の振りして語ってるってのも、情けねぇ話だしよ」

リュウ「実際にベルトが移動した今、そこにアイツがどういった答えを出すのか……こっちも興味がある」


プーアル「ヤムチャ様、NGなしの一発で決めるんですよね? でも、NG出しても大丈夫な安心感って……これ、矛盾してませんか?」

ヤムチャ「違うよ、違うよ、プーアル……それは気の持ちようの話だよ。ほら、絶対に絶対失敗しちゃいけないって言われたら……それはプレッシャーになっちゃうだろ?」

プーアル「ヤムチャ様、そういうのに弱いですもんね」

ヤムチャ「そうそうそうっ! この失敗しても大丈夫だよ~、頑張ってね~、って暖かい空気っ……! そういう空気っ……! プーアルも、こういった感じで俺と接しなければいけないっ!」

プーアル「……な~に言ってんだか」


さくら「それじゃあ、そういう事なので……インタビュー室に向かいましょうか?」

ケン「わかったわかった。それじゃあ、行くか……」

リュウ「おい、ヤムチャ……何してんだ、行くぞっ!」


ヤムチャ「あっ、あっ……! はいはいは~いっ! 今、行きま~すっ!」

175: 名無しさん 2016/09/03(土) 23:30:20 ID:j22CaifQ
---


ロレント「……終わりましたね」

ソドム「君は出しきってた。受けてくれたケン君とヤムチャ君にも感謝だが、間違いなく出しきっていた」

ロレント「そうですね。出しきりましたよ……」

ソドム「ヤムチャ君は……んっ……? ベルトを巻くのは初だよな」

ロレント「……はい」

ソドム「きっと感じてくれたはずだ。そういう意味では新たな王者に道を示す事も行ったんだ」

ロレント「そこはソドムさんのおかげですけどね」

ソドム「私達……ではない。我々だ……」

ロレント「へへ」

ソドム「これが、評価されないワケがない。評価されないのなら、それは嘘だ」

176: 名無しさん 2016/09/03(土) 23:37:50 ID:j22CaifQ
ソドム「王者というブランドを失い……そして君の身体の事もある。これからしばらく私達は今までのような位置では試合は行わないだろう」

ロレント「……そうっすね」

ソドム「しかしここで腐ってしまうか、それとも前を向いて戦うかで、次への道が決まるだろう」

ロレント「……腐るワケないじゃないっすか。俺はトップ戦線に食い込むって決めたんだから」

ソドム「……あぁっ!」

ロレント「そういう試合が続くって事は、色々試合の中で試せる期間がまた出来たって事にも捉える事も出来ますよね?」

ソドム「その通りだ」

ロレント「新技でも引っ提げて、また取り返しにいきましょう。俺は、終わらないっ……!」

177: 名無しさん 2016/09/03(土) 23:51:24 ID:j22CaifQ
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ガイル「ナッシュ……おい、ナッシュ……」

ナッシュ「……どうしたの?」

ガイル「すまん。俺、丸かったわ」

ナッシュ「……んっ?」

ガイル「なんだろうな……頼りになる先輩でいたかったというか……優しい先輩でいたかったというか……」

ナッシュ「そうっ……! そうっ……!」

ガイル「でも、そういうのって実力のない先輩が、そういう事言っても……格好つかねぇよな!?」

ナッシュ「その通りっ! よく気づいたっ!」

ガイル「俺、もうロレントには何も言えねぇもん。先輩面して、あれやれこれやれなんて……もう格好つかねぇよ」

ナッシュ「うんっ!」

178: 名無しさん 2016/09/03(土) 23:55:53 ID:j22CaifQ
ガイル「今日の試合でアイツが一人でぶっ壊しやがった。空手軍団と俺達タッグ組との壁をよぉ……?」

ナッシュ「本当はこの役割って僕達がやるべき事だったんだよ。わかる……? わかってる……?」

ガイル「わかってる、わかってる。本当に悪かった」

ナッシュ「まだ僕達は手遅れじゃないよ。今日、ベガさんの試合で散々暴れまわったんだ」

ガイル「まぁ、いい機会としちゃいい機会だわ」

ナッシュ「これから僕達に組まれるカードはどうなるのかわからないけど、試合の中で魅せていかないといけないよ?」

ガイル「わかってるよ、わかってるよ。目が覚めた……ようやくようやく、目が覚めた。丸くなったガイルさんなんて、そりゃ面白くねぇよ。ロレントの奴、今トゲトゲだもん」

180: 名無しさん 2016/09/04(日) 00:08:55 ID:..jSkcnI
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フェイロン「ベルトは空手軍団に……また、遠くなったかもしれないな」

ホーク「……フェイロン」

フェイロン「ん、どうした……?」

ホーク「私の何がいけない……? 私の何処がいけない……?」

フェイロン「……えっ?」

ホーク「私は皆に期待されている事は知っている。それは感じている。でも、その期待に答えられてはいない……それも、また感じている」

フェイロン「……うん」

ホーク「フェイロン、君だってそうだろう……?」

フェイロン「……」

ホーク「でも、私は自分の何がいけないのか……何がおかしいのかが、わからないんだ……フェイロン、君は私と違って頭がいい。わかるんじゃないかな?」

フェイロン「……」

ホーク「私が原因なんだろうとは、薄々は感じている。だから、言ってほしい」

181: 名無しさん 2016/09/04(日) 00:17:54 ID:..jSkcnI
フェイロン「僕は、君に対して不満はない。少し、抜けている部分はあるが……そこを含めて、君はいい人だ。魅力的な人間だ……ただ、だ……ただ……」

ホーク「うん」

フェイロン「たまにだ……本当に、たまにだよ……!? たまに……たまに……!」

ホーク「うん」

フェイロン「僕が君の身体を持っていたら……もっと、上手に出来るんじゃないかなと思う部分がある」

ホーク「……あぁ」

フェイロン「う~ん、なんだろうな……ホークってさ、自分自身に自信持ってる? あっ……! いや、これ駄洒落じゃないからねっ!?」

ホーク「ははははは!」ゲラゲラ

フェイロン「わ~ら~う~なっ! これ、今真面目な話だからな!」

ホーク「ははは、すまない」

194: 名無しさん 2016/09/04(日) 22:01:10 ID:W8Dp0uJM
フェイロン「君はやっぱり物覚えがよくないと言うか、要領が良くないとでも言えばいいのかな? 僕達が一回、二回で覚える所を……四回、五回と繰り返して、ようやく覚えると言った感じだ」

ホーク「……そういう所か」

フェイロン「違う、違う。そこじゃないんだ。だって最終的には身につけているじゃないか。君はおおらかで、そりゃ何をするにも他の人がより時間は掛かってしまうかもしれないけどさ……?」

ホーク「……んっ?」

フェイロン「そんな自分だからこそ、他の人とは違う何か特別な事がしたい……そういった気持ちでここにやってきたんだろ?」

ホーク「……」

フェイロン「僕にはそんなに大きな身体はないんだよ。いくら頑張った所で元の素材が違うんだよ。それって、凄く羨ましい事なんだよ? 君に嫉妬をしちゃう日がいつかくるんじゃないかなって、始めて君を見た時から思ってたよ」

ホーク「あぁ」

フェイロン「でも、ごめんね……? 今の君には嫉妬していない。僕ならもっと上手く出来るだろうなとは思うけど……君になりたいか聞かれると、案外そうでもないんだよ」

ホーク「よく、ウドの大木だなんて言われたよ」

フェイロン「でも、よく考えてみなよ……? 大きな君が小さな僕に憧れる……小さな僕は大きな君の事はなんとも思わない……これって、凄くおかしな話だと思うんだよ。これって本当は逆のはずだろ……?」

ホーク「……あぁ」

195: 名無しさん 2016/09/04(日) 22:26:23 ID:W8Dp0uJM
フェイロン「君は自分の事、好き……? 嫌い……?」

ホーク「……上手く出来ない自分が嫌いになる事もあるかもしれない」

フェイロン「もっと、自分の事を好きになるべきだと思うな。自分が自分の事を嫌いなのに、周りが君の事を好きになってくれる……それもまたおかしな話だとは思う」

ホーク「……あぁ」

フェイロン「要領は悪いよっ……! ぬけてる所もあるよっ……! グズだよ、ノロマだよ……! 君はっ……!」

ホーク「ははははは」

フェイロン「それでも、君は魅力的な人間なんだよ。う~ん、そうだな。だから文句か……君の悪い所……不満と言えば……」

ホーク「あぁ」

フェイロン「この僕が今持ってる、僕だったらもうちょっと上手く出来るんだろうなって気持ちをなんとかしてもらいたいね。このモヤモヤした気持ちを」

ホーク「……あぁ」

フェイロン「う~ん、なんだろうな……君は僕とかナッシュさんみたいに丁寧にしようとしすぎなんじゃないかな? だって、今日のソドムさん見た? あの人、ただ単にバーンとタックルとかしてるだけじゃん」

ホーク「フェイロン、申し訳ないな」

フェイロン「まぁ、とにかくベルトが移動した事で、また僕らにもチャンスが回ってくるはずだからさ……? その時だよっ!」

196: 名無しさん 2016/09/04(日) 22:37:45 ID:W8Dp0uJM
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ユン「あ~、あ~、ふざけんなふざけんな……ふざけんなこの野郎っ……!」イライラ

ヤン「……お前はいつもいつも怒ってるよな? カルシウムだ。牛乳を飲むべきだ」

ユン「茶化すな、バーカっ!」

ヤン「へいへい、すいませ~ん」

ユン「ベルトが移動して……え~っ!? よりにもよってあの新入りっ……! ふざけんなっ!」

ヤン「まぁ、それは俺も思う部分はありますけど……」

ユン「俺達、挑戦すらしてねぇっ!」

ヤン「でも俺達が今日のメインイベントで勝って、ベルト渡ってきて……興行が丸く収まったのかって言ったら、それが別の話だろ? お前、やれる自信があるのか?」

ユン「そこはアレだけどさぁ……?」

ヤン「あっちにはヤムチャだけじゃなくて、ケンさんもいるんだぞっっ!? そこわかって言ってるのか、お前」

ユン「う~んっ……! ぐぬぬぬぬぬ……」

197: 名無しさん 2016/09/04(日) 22:49:12 ID:W8Dp0uJM
ヤン「一回、落ち着けっ……! お前は……え~っと、ホークの時っ! ちょっと、さくらさんに迷惑かけてるんだからっ!」

ユン「……若気の至りって恐ろしいな」

ヤン「若気の至りって……何年選手だ、お前っ……!」

ユン「……ごめんなさ~い」

ヤン「そんなさくらさんが、今日の王者戦……無理言って、俺達を捩じ込んでくれたんだろ? それだけでも、有り難い話じゃねぇかよ」

ユン「それはプロデューサーとして当然の行為でしょうよ」

ヤン「ほら、今日の一戦でシャドルーとの絡みも出来たじゃねぇか?」

ユン「そうは言っても、次はガイだ。ガイガイガイガイっ!」

ヤン「ベガさんはガイだけど、まだサガットさんもバルログさんもバイソンさんもいるよ。お前、ボコボコにされてただろっ!」

198: 名無しさん 2016/09/04(日) 23:11:45 ID:W8Dp0uJM
ヤン「ある意味、相手は選びたい放題だよ。それにタッグ王者にしたって防衛戦があるだろ。こっちはケンさんと戦えるチャンスだよ。上手くいけばリュウさんだって引っ張りだせる」

ユン「それ、俺達に回ってくるのか!?」

ヤン「まぁ、さくらさん次第って所だろうけど、そりゃ俺達自身も当然やっていかなきゃいけねぇだろうな」

ユン「あ~っ……! あ~っ……!」

ヤン「それにね……俺、あのヤムチャって人がベルトを巻いたってのは、ある意味美味しい展開だと思うぜ?」

ユン「あぁっ!? な~んで、お前あの新入りがベルトを……」

ヤン「いや、聞け聞け……だって、ケンさんからベルトを奪えっていうのは、これ難しい話だけどさ……? あのヤムチャって人だったら、案外ポロッと落とす可能性はあるだろ?」

ユン「あっ、ああっ……確かにケンさんからは、難しいかもしれないけど……確かに……確かに……あっちなら、可能性もあるよ」

ヤン「なっ……? ヤムチャを倒す……イコール、空手軍団倒すだ。この場合はリュウさんだ……リュウさんが出てくるんだよ。そもそもロレントさんだって、あのヤムチャって人を倒して、ケンさんを出したんだよっ!」

ユン「お前……アレだなぁ……? 結構考えてるんだなぁ……?」

ヤン「……お前が何も考えてねぇだけだよ。ちょっと落ち着いて冷静に3分ぐらい考えたらすぐ出てくるぞ、これ」

ユン「って事はなんだ……? 今、俺達の出世コースはヤムチャをボコボコにして、ケンさんリュウさんを引っ張り出すってのが最短コースって事だな!?」

ヤン「バイソンさん倒して、バルログさん、サガットさんと続けていくコースもあるぞ……? そのどっちかだな……どっちか……」

ユン「バイソンさんより、俺はヤムチャをボコボコにしたいっ! だってムカつくもんっ!」

ヤン「お前、仕掛ける気か!? やめろよなっ! そういう事をしたら俺にまで迷惑かかるんだからなっ!? それにあの人はガチの方でも……」

ユン「わかってるよっ! 仕掛けるワケねぇじゃねぇかっ! プロレスで……レスリングで圧倒してやるんだよっ!」

202: 名無しさん 2016/09/04(日) 23:22:31 ID:W8Dp0uJM
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ヴァイパー「はい。それでは撮影の方を始めます」

リュウ「今日はそこにいるのか?」

さくら「はい。王者のコメントとだからという事で……今回はここで見てます。まぁ、使えるか使えないかの判断をしないといけませんのでね。タヌキの置物か何かだと思って下さい。ただいるだけで~す」

ヴァイパー「……使えないコメントは避けて頂きたいですね。それじゃあ、そろそろいきますよ」

リュウ「はい」

ヴァイパー「はい、それじゃあ王者戦のインタビュー……手際よく終わらせましょう。5……4……3……はい……」


ガチャッ


ケン「おっしゃっ……! 見ろっ……! 見ろっ……! ベルトだっ……! ベルト取ってきたぞ、オラっ!」ググッ

ヤムチャ「……やりましたよ。取ってきましたっ!」ググッ

207: 名無しさん 2016/09/04(日) 23:45:49 ID:W8Dp0uJM
リュウ「よくやったっ! ナイスファイトだったぞっ! ケン、ヤムチャっ……!」パチパチ

ケン「見事、俺達空手軍団が勝利を納めたんだっ……! オラオラ、盛大に祝福してくれよ……へへへ……」

ヴァイパー「ケン選手、ヤムチャ選手……見事な勝利、おめでとうございます」

ケン「はい。ありがとさんっ!」

ヤムチャ「ありがとうございます」ペコッ

ヴァイパー「試合終わりの所、恐縮なのですが、ベルト手にしたその感想……または、対戦相手の感想などを聞かせて頂けると有り難いのですが……」

ケン「まぁ、そうだな……ベルトは俺とヤムチャに一つずつ……だけど、三つないといけないんだよ。勿論、タッグベルトを手にしたいう喜びは当然ある。今日の試合に勝利して、俺達の手にベルトがやってきた……その喜びは当然ある」

リュウ「……」

ケン「だけどそれと同時に、今この場に三つのベルトが揃っていない事……このタッグ王者ベルトしかない事に、空手軍団としては物足りなさを感じるね」

211: 名無しさん 2016/09/05(月) 00:00:41 ID:wyHSa6eo
ケン「あくまで狙いは制覇なんだ。俺達空手軍団それぞれがこの腰にベルトを巻いている姿をファンに見せる……それが、俺の……いや、俺達の目標だ」

ヴァイパー「……」

ケン「という事で、次はリュウ……お前の番だよな……?」チラッ

リュウ「あぁ。任せておけ、俺も続くよ」コクリ

ケン「次はここにリュウがベルトを持ってくる。勿論、それはシングルのベルトだ。そして三つの王者の証が揃い……そこで始めて俺達空手軍団が無敵の軍団だという事が証明されるんだっ!」

ヴァイパー「……」

ケン「喜びはあるよっ……! 当然、当然喜びはあるっ! ただ、まだ途中なんだな……? だから後一つだな。後一つ、ここにベルトがやってきた時に……もっともっと祝福してくれよ」

ヴァイパー「はい」

ケン「あくまで目標は制覇っ……! タッグの次は、シングルだっ……! そしてそれはリュウがいくっ……! なっ……!?」チラッ

リュウ「あぁ、俺も続くよ。お前達に負けてはいられない」

212: 名無しさん 2016/09/05(月) 00:10:51 ID:wyHSa6eo
ヴァイパー「ヤムチャ選手の方はどうでしょうか……?」

ヤムチャ「はい。俺はですね……」

さくら「……」

ヤムチャ「え~、前回……え~、ロレント選手達と試合がありまして……え~、それは俺……え~、負けてしまったんですよね……?」

ケン(『え~』が多いよ)

リュウ(……カットかもしれないな)

ヤムチャ「それで……え~、色々と好き放題言われましてね……え~、凄く頭にきたと言いますか……え~……え~、ちょっとワケわかんなくなっちゃってた部分もあるんですよ……」

さくら「……」

ヤムチャ「それで……え~、まぁ今日の試合で、その時借りは返したんですけども……うん。やっぱりこの王者戦いう舞台に、そういった感情を持ち込んでしまったのは、よくなかったんじゃないかと思います」

214: 名無しさん 2016/09/05(月) 00:27:39 ID:wyHSa6eo
ヤムチャ「ただ、結果としてベルトを取ったのは俺です。俺とケンさんです。俺達空手軍団です。そこは間違いありませんよね?」

ケン「間違いねぇよ。その通りだ」

ヤムチャ「……だから、このベルトを取った感想ですよね?」

ヴァイパー「はい」

ヤムチャ「このベルトって言うのは、俺達だけじゃなくて、他の選手も欲しがっているベルトだと思います。ただそれって、その~……なんだろ……?」

リュウ(……大丈夫か、おい)

ヤムチャ「俺がこのベルトを手にした事って、そういう強い奴……凄ぇ奴と戦える権利を手にしたという事だと思うんですよ」

さくら(……おっ)

ヤムチャ「ベルトを取った事は勿論俺も嬉しいですけれども……そうだな……どっちかと言えば、これからのその強い奴、凄ぇ奴との戦いに向けてワクワクしてるって感じです」

226: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:00:40 ID:67LMvZIQ
ヤムチャ「その戦いの中でまた、う~ん……そうだな……?」

ケン「よぉ~しっ! よく言ったぞ、ヤムチャっ!」バシーンッ

ヤムチャ「うげっ……! 痛ぇ……!」

ヴァイパー(あら)

さくら(あら)

ケン「うちのヤムチャだってわかってる事だっ……! 王者ってのはそういうもんだっ! そういう相手と戦う事で、よりベルトの輝きは増していくもんなんだよっ!」

ヤムチャ(な、なんだなんだ……喋ってたのに……ケンさんが……ケンさんが……んんっ……!?)

ケン「サガット……バルログ……バイソンっ……! てめぇの飼い犬いくら倒した所で、王者のベルトは光輝かねぇんだぞっ!? そこん所わかってんか、ベガァ!?」

ヤムチャ(なんか話し始めたぞ……!? と、とにかく今は黙っておこうっ……!)

228: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:07:38 ID:67LMvZIQ
リュウ「次は俺が挑戦させてもらうっ! そして俺達全員がベルトを手にするっ……! わかったな、ベガっ……!?」

ケン「勢いに乗った空手軍団は止められねぇぞ、ベガァ……!」

ヤムチャ(俺も何か言おうかな……? え~っと、えっとえっと……)

リュウ「……」

ケン「……」


ヴァイパー「はい……はい。え~、さくらさんこれでオッケーでしょうか?」

さくら「不味い事は言ってませんね。そうですね、これで大丈夫です」

ヴァイパー「あっ、はい。それじゃあオッケーです。お疲れ様です」

229: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:16:25 ID:67LMvZIQ
ヤムチャ「あれ、あれ……? オッケーなの? もう、これでオッケーなの……?」キョロキョロ

プーアル「やったじゃないですかっ! 一発オッケーですよ。ヤムチャ様、素晴らしいっ!」

ヤムチャ「いや、一発はオッケーは……そりゃよかったけど……途中でケンさんが……」


さくら「ケンさん、結構途中でぶったぎりましたねぇ」

ケン「いや~、だってよ……? 隣であんな言葉の綱渡りを見せられてみろよ……? 俺が我慢出来なくなっちまう気持ちもわかるだろ!?」

さくら「まぁ、わからない事もないです」


ヤムチャ「綱渡りっ……!? 綱渡りってどういう事っ……!? 俺、今日はちゃんと言えてたよなぁ……!?」

プーアル「つっかえつっかえながらも、頑張ってたな~って印象です」

ヤムチャ「つっかえつっかえっ……!? 嘘だぁ。俺スラスラ言ってたぜぇ……?」

230: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:22:26 ID:67LMvZIQ
リュウ「内容自体はよかったと思うぞ。もっと自信を持ってハキハキ喋ればよかったな」

ヤムチャ「え~、俺……ハキハキ喋ってませんでした……?」


さくら「結構、短いインタビューになっちゃいましたけど……ヴァイパーさん、これで大丈夫ですか?」

ヴァイパー「大丈夫ですよ。合間にナレーションとか入れたりしますからね。今回はこれをメインの素材に使うってワケではないので、大丈夫です」

さくら「あっ、はい。わかりました。それじゃあ、今回もまたよろしくお願いします」ペコッ

ヴァイパー「それじゃあ、え~、皆さんお疲れ様でした」


ケン「まぁ、話をぶったぎったように見えるけど……あれ以上、泳がせると危険だって、俺の判断だったワケだ。その辺が一発オッケーに繋がったんだ。お疲れ様でした!」ゾロゾロ

ヤムチャ「嘘だ嘘だ……俺、そんな感じだったかな~? あっ、お疲れ様でした」ゾロゾロ

リュウ「まぁ、完成したもの見て、確かめてみる事だな。お疲れ様です」ゾロゾロ

231: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:29:18 ID:67LMvZIQ
ーーー


ベガ「おっ、終わったみたいだな。よしよし」

ケン「……んっ?」

ベガ「おい、さくら。終わったんだな? どうだった?」

さくら「あっ、ベガさんお疲れ様です。う~ん、そうですね。まぁ、それぞれが結構らしい形になってたと言うか……まぁ、問題なく終わりました」

ベガ「そうかそうか。え~、さくらに……リュウ、ケン、ヤムチャ……お前ら四人にだな、超重大な話がある」

リュウ「……重大?」

ベガ「申し訳ないが、明日のオフを返上していただきたい」

232: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:35:52 ID:67LMvZIQ
さくら「ちょっと待って下さい……オフ返上って、どういう事っすか?」

ベガ「……打ち合わせをして頂きたい」

さくら「打ち合わせ……? 何の……?」

ベガ「CM撮影だ」

さくら「CM撮影……? CM撮影って何っすか……? えっ、何それ……? 聞いてないっすよ……!?」

ベガ「スポンサー様がついたんだよ。我々ストリートプロレスに、スポンサー様がついたんだよっ! そしてCM撮影だっ! 明日はその打ち合わせだ」

さくら「えっ……!? 嘘っ……! スポンサー!?」

ケン「マジかっ!?」

リュウ「スポンサー……おおっ、おおっ!」


ヤムチャ「おい、プーアル……スポンサーってのは、なんだ……? それは、いい事なのか……?」ボソボソ

プーアル「いい事ですよっ……! いい事ですよ。ヤムチャ様っ!」

234: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:39:04 ID:67LMvZIQ
ベガ「え~、リュウ、ケン、ヤムチャ……お前達三人の中でダンスの経験がある者……挙手」

ケン「ダンス……!? はぁ……!?」

リュウ「あるわけないだろう!?」

ヤムチャ「あっ、俺も踊りとかは全然……」

ベガ「……一人もいないのか。う~ん、そうか」

さくら「えっ、なんすかソレ……ソレ、CM撮影でダンスを踊れって事っすか……?」

ベガ「そうそうそう。ダンスを踊れと言われてな。まぁ、でも向こうは未経験者でも大丈夫だと言ってたのでな。ダンスレッスンみたいな事も行ってくれるらしい」

235: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:45:51 ID:67LMvZIQ
ベガ「だからお前達には、暫くの間試合前か、試合後にダンスレッスンの方も行ってもらう事になるぞ。まぁ、お前達は身体能力はあるんだ。大丈夫だろう」

リュウ「ちょっと待ってくれよ、ダンスってのは……」

ベガ「私が言ったわけじゃないぞ? あちら側から踊ってくれませんかと声が掛かってきたんだよ。スポンサー様からお声がかかり、契約にはCM撮影があり……CM撮影には踊って貰わなければならんのだ」

ケン「はい……はい……はい、はい……」

ベガ「ええいっ……! あれだっ! お前達が少しばかり踊ってくれるだけで、多額のゼニーがこのストリートプロレスに入ってくるんだっ! 継続的にっ……!」

リュウ「……わかったわかった」

ベガ「こんなチャンスは二度とないです」

ケン「ゼニーの話を持ち出すんじゃねぇ。そう言われたらこっちは何も言えねぇじゃねぇか。わかったわかった、踊ればいいんだな!?」

237: 名無しさん 2016/09/05(月) 22:54:09 ID:67LMvZIQ
ヤムチャ「いや~、ナハハ。プロレス団体に来て……まさかダンスを覚える事になるとは思ってなかったなぁ」

さくら「あの~、ヤムチャさん……本当に申し訳ありませんが、でもスポンサー様というのは……」

ヤムチャ「いや、大丈夫大丈夫。俺も一緒になって、踊ればいいんでしょ? 大丈夫です大丈夫です。俺も踊ります」

ベガ「よし、決定だ。お前達の英断を私は感謝する。まぁ、そういうワケで明日はスポンサー様との打ち合わせを一つ頼む。決して、失礼のないように。そこに関しては、さくらは後で我々と会議だ」

さくら「あ~、あ~。今日は残業。明日は休日返上……ははは……」

ベガ「まぁ、とにかく今日はこんな所だ。スポンサー様には決して、後失礼のないように」

リュウ「悪の親玉がスポンサーにペコペコしてんじゃねぇ! お前もしっかりしろっ! 威厳を保てっ!」

ベガ「わかっておるわっ! 私の威厳は失われてなどおらんわっ!」

239: 名無しさん 2016/09/05(月) 23:01:55 ID:67LMvZIQ
そしてーー


ダン「今日は俺もこっちで会議かよ……まぁまぁまぁ、構わねぇけどよぉ……?」

ブランカ「今日だけですよ。落ち着いたらまたサガット君と飲みに行って下さい。彼らとの連携は大事ですからね」

ダルシム「とにかく、これからの事を……ねっ……?」

ベガ「え~、だから……先ず、明日の打ち合わせはさくらだ、うん。スーツだぞ?」

さくら「はいはい。わかってますよ、それくらい」

ベガ「しかし、さくらには女子部の事もあるだろからな。ダンスレッスンに関しては、ジミー君がお目付け役となってくれないかな?」

ブランカ「そうですね。じゃあ、その間ガイ君達の事はダルシムさんと本田さんに任せます。本田さんはガツンと言って下さるタイプなので大丈夫でしょう」

ベガ「新規練習生に関しては、ダン君とダルシム君だ」

ダン「面接官ね~。はいはいはい」

ダルシム「わかりました」

242: 名無しさん 2016/09/05(月) 23:28:46 ID:67LMvZIQ
ベガ「さくら、どうする……? 女子部員は必要か……?」

さくら「そりゃ、必要に決まってるじゃないですか。そりゃ欲しいですよ。只でさえカツカツなのに」

ベガ「わかったわかった。それじゃあ女子部員も何人か……」

ダン「少し慌ただしくはなってきたが、まぁここを越えりゃあまた落ち着くだろ。でもよ、ベガ……? CM撮影って事は、リュウ、ケン、ヤムチャを貸し出すって事だよな……? そこ貸し出してカードは大丈夫なのか?」

ベガ「問題はない。アイツらにはCM撮影と同時に試合を行ってもらう」

ダン「……はぁ?」

ベガ「うちの団体の中でCM撮影だ。興行の最中にCM撮影を行ってもらうという約束を取り付けた。CM撮影……メインイベントで行うよ」

ブランカ「そんな約束よく取り付けましたねぇ」

ベガ「ははは、あちらもエキストラ代が浮くと喜んでいたよ」

246: 名無しさん 2016/09/05(月) 23:40:54 ID:67LMvZIQ
---


ヤムチャ「まぁ、さくらちゃんは残業って言ってたけどさぁ……? ダンさんも残業って珍しい事もあるんだな。今日の飲み会来なかったよ」

プーアル「まぁ、スポンサーとの事で色々あるんでしょうね」

ヤムチャ「けどダンスか……ダンスか。う~ん……ナハハハ!」

プーアル「どうしたんですか、急に笑って」

ヤムチャ「いや~、笑われちゃうんじゃないかなと思って」

プーアル「……誰に?」

ヤムチャ「ベジータとかに」

プーアル「そんな事ありません。ベジータさんだって、ヤムチャの立場なら絶対に踊りますよ」

ヤムチャ「ナハハ、アイツが踊るか?」

249: 名無しさん 2016/09/05(月) 23:58:31 ID:67LMvZIQ
プーアル「悟空さんだって、悟飯さんだって、ピッコロさんだって、クリリンさんだって、亀仙人さんだって、天津飯さんだって、皆踊りますよ」

ヤムチャ「ピッコロと天津飯は想像つかねぇなぁ」

プーアル「ベジータさんだってね、最初は格好つけてるけど、最後にはやっぱり踊るんですよ」

ヤムチャ「……ナハハ、想像つかないけどな」

プーアル「そういう事言ってるのはヤムチャ様だけですよ。ダメですよ、ヤムチャ様も踊らないとっ!」

ヤムチャ「まぁ、もう決まってる事みたいだし、明日ソレの打ち合わせがあるから、踊るけどさ……? 俺も踊るけど……うん……」

プーアル「次は『プロレス団体なのに踊ってもらうぞ!』ですけど、頑張って下さいね!?」

ヤムチャ「……めちゃんこ、めちゃんこ、めちゃんこ~」

プーアル「……んっ?」

ヤムチャ「ほよよで、ほよよで、ほよよで、ホイ」

プーアル「え、え~っと……ヤムチャ様どうしました……?」

ヤムチャ「あれ、プーアル知らない……? アラレちゃん音頭だよ。ダンスって、こういう感じだろ……?」

プーアル「い、いやぁ……そういう感じではないと思います……」

250: 名無しさん 2016/09/05(月) 23:59:51 ID:67LMvZIQ
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!!」

ーー完

引用元: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!!」