ベガ「リュウ! プロレス団体なのに踊ってもらうぞ!」 前編

534: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:01:07 ID:AwXM8xuY
ベガ「くそっ、図に乗りやがってっ……!」ムクッ

ガイ「タックルじゃさほどダメージを与えれてないようだが……これは想定内っ……!」クルッ


実況「あっと、しかし押し倒されたベガではあるが、ここは直ぐ様立ち上がってくるっ! いやっ、そしてガイはここでベガに背を向けるっ!」

元「よしよし」


ガイ「今度はこっちだっ……! うおおぉぉっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「そしてガイはそのままロープへと一直線に走り込んでいったぁ!」

元「よしよし、ゴーゴー、ゴーゴー」

535: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:07:15 ID:AwXM8xuY
ガイ「……いくぞっ!」グイッ


オー、オーオー

実況「さぁ、ガイがロープの反動を利用するっ! そぉ~してそのままベガに向かって行きっ……!」


ガイ「……でえぇぇやっ!」ドスッ

ベガ「うっ……! ぐ、ぐおっ……!」バターン


オー、オーオー

実況「そして飛び込みつつ両足をベガの胸板へと突き刺していくっ! さぁ、今度はロープの反動をつけてきたっ! ここはドロップキックですっ! そして再びベガをマットへとダウンさせていくっ!」

元「いいよいいよっ! ガンガンいこう、ガンガンっ!」


ベガ「あ~っ、ウザったいっ……! チィッ、少し間を取りにいくか……」ゴロゴロ

ガイ「……むっ?」ムクッ


実況「お~っと、ベガの身体が大きく大きく転がるっ……! あっと……ベガはそのまま転がりながら……!?」

元「あ~、これ……自分からエスケープしているね」

実況「あ~っと、あっとっ! ここはベガっ! サードロープ下を潜り……あっと、場外へとエスケープしましたかねっ!?」

536: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:13:48 ID:AwXM8xuY
ベガ「……チィッ」ムクッ

ダン「場外カウント取るぞっ! 1……2……」


実況「あ~っと、ここはベガっ……! 場外にエスケープして間を取りますっ! 今、ベガは場外で立ち上がったっ! レフェリーも場外カウントを数え始めますっ!」

元「リズムを掴んでいきたい所だったんだけどねぇ……こうやって、リズムを掴ませないんだよ」


ガイ「ここで逃がすのは下策っ……! 追撃っ……! いくでござるっ……!」パンパン


オー ? オーオー ?

実況「あっ、いやっ! ここでリング上のガイが場外のベガに視線を合わせつつ、何やら大きく大きく手を打ち鳴らしていますよ!?」

元「……おっ!?」

537: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:20:52 ID:AwXM8xuY
アクセル「何かやるんじゃねぇのかっ……!? 何か狙ってるんじゃねぇのかっ……!? よぉ~し、ここだっ! ここでもう一度コールかまそうっ!」

ダグ「よぉ~し、やりましょうっ! せぇ~のっ! レッツゴー、ガーイっ!」

ジェイク「ヘーイっ!」パンパンパパパン

ダグ「レッツゴー、ガーイっ!」

エルガド「よいしょ~っ!」パンパンパパパン

ダグ「レッツゴー、ガーイっ!」

エディ「おぉ~い、ツーピー……なぁ~に、やってんだ。お前もコールしろよ」

ツーピー「いやいやいやっ……! さっきから何度か狙ってますけど、全部不発に終わってませんか? やっぱり、本場とはノリが違うんじゃないっすかねぇ!?」

エディ「口答えしてんじゃねぇよ、バカ野郎。コールしねぇんだったら、もう試合見なくていいよ。だったら売店行って何か買ってこい。ジュースも引き換えてこい」

ツーピー「いやいや、そういう事じゃなくてですねぇ……!?」

アクセル「いけいけ、ガーイっ! 勝てばチャンピオンだっ! これに勝てばチャンピオンだっ! そうなりゃ俺達も鼻が高いぜっ!」

ダグ「俺達、メトロシティ親衛隊がついてるぞぉ~! そぉ~ら、レッツゴー、ガーイっ!」

538: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:27:50 ID:AwXM8xuY
レッツゴー、ガーイ (パン、パン、パパパン) レッツゴー、ガーイ (パン、パン、パパパン)

ガイ「んっ……?」チラッ


実況「おっと、何でしょう……? リング上で手を打ち鳴らし場内を煽っていったガイに対して……少しばかり場内から聞きなれない形のコールが返ってきました!」

元「……おっと、何やら珍しい形だね」

実況「コールの出所は……んっ……? あちらの方ですかね? 何やら屈強な男達が、叫び、そして手を打ち鳴らしていますっ!」


レッツゴー、ガーイ (パン、パン、パパパン) レッツゴー、ガーイ (パン、パン、パパパン)

ガイ(このコールって確かあの時の……あっ……! 来てるんだっ……!)

ベガ(……何やら変わったノリのファンがいるみたいだな。なんだアレは)


元「お~、いいじゃない、いいじゃない。こうやって声援を送って貰えるってのは」

実況「さぁ、この一戦っ……! ガイにとっての大一番っ! ファンもガイの勝利を望んでおりますっ! 叫び、手を打ち鳴らすっ! そしてガイの背中を押すっ!」

539: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:33:32 ID:AwXM8xuY
ガイ(お、おっと……固まってる場合じゃないっ……! 動かなきゃっ!)ダダッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そしてここでリング上のガイっ……! 先ずは場外にいるベガとは反対方向へと走り込んでいくっ!」

元「おっと、これは追撃にいくって事かな!?」


ガイ「……さぁ、いくぞっ!」グイッ

ベガ「……フン、何やら狙っているようではあるが」イソイソ


アー、アーアー

実況「ガイがロープの反動を受けるっ! そしてベガに……あ~、いやいやベガは冷静ですかねぇ!? おぉ~っと、ここは場外を移動してコーナー付近まで逃げていきますかねぇ?」

元「う~ん……まぁ、逃げるか……!」

540: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:42:47 ID:AwXM8xuY
ガイ「……うおおぉぉっ!」ダダッ


実況「さぁ、ガイがリング上を突っ切りロープ際まで辿り着いたっ! しかし、そこにベガの姿はありませんっ! ここはベガっ……! 冷静動きを見ています」

元「うん、そうだね」


ガイ「……いくぞっ!」ガシッ


実況「さぁ、ガイはトップロープを両腕で掴んでストップっ!」

元「うん」


ガイ「……たああぁぁっ!」シュタッ


オー ? オーオー ?

実況「あっ、いやっ……! 飛びましたっ! 飛びましたよっ!? トップロープを両腕で掴み、そのまま身体を沈ませロープの反動を受け……おぉ~っと、トップロープを飛び越えていくっ!」

541: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:48:01 ID:AwXM8xuY
ガイ「……ったああぁっ!」シュタッ


オー ? オーオー ?

実況「トップロープを飛び越えたガイはそのまま身体を捻らせ、ここはエプロンサイドへと着地っ! 場外ではなく、エプロンサイドへと移動していくっ!」

元「おっ!」


ガイ「……ここから追いかけるっ!」ダダッ


オー、オーオー

実況「そのままガイはエプロンサイドを走って、冷静に場外を移動していくベガを追いかけるっ! こちらもまた冷静っ!」

元「お~。よぉ~し、いいね」


ベガ「場外ダイブ技を狙っていたようだが、これで大丈夫だろう……んっ……?」クルッ

ガイ「でやああぁぁっ……! 喰らえっ……!」スパーン

ベガ「何ィィ……!? う、うぐおおぉっ……!」バターン


オー ! オーオー !

実況「エプロンサイドを走り込み、そしてこちらを向いたベガの胸元へと蹴りィィ! エプロンサイドからガイが蹴りつけていくっ!」

元「よ~しよし、いいじゃない、いいじゃない」

実況「ガイが少し流れを掴んできたかっ!? さぁ、この蹴りを受けベガは場外でダーウンっ!」

542: 名無しさん 2016/10/08(土) 22:58:33 ID:AwXM8xuY
天津飯「……場外は負けではないのか?」

餃子「……天下一武道会では負け」

ランチ「そうですね~。天下一武道会では負けになりますけど、そういったルールはないのでしょうかね?」

天津飯「あっ、おっ……あっちの奴も場外に行ったぞ……? 二人とも場外に行ったぞ……?」

餃子「……二人共負け」

ランチ「ここは場外で戦うのも、あそこで戦うのも自由なんですかね~?」

天津飯「……ルールブックみたいなのはないのか?」

餃子「……ルールブックが見たい」

544: 名無しさん 2016/10/08(土) 23:04:44 ID:AwXM8xuY
YEEEAAAH

ガイ(この反応……やっぱりメトロシティの人達が来ているんだろうな……)シュタッ


実況「さぁ、ここでガイはエプロンサイドから場外へと降りますっ!」

元「おっと、場外戦かな?」


ガイ「立てっ……! 立つんだっ……!」グイッ

ベガ「うぅっ……あ~ぁ……」ググッ


実況「さぁ、ガイはベガの身体を引き起こしていきますっ!」


ガイ「さぁ、リングに戻るんだ……リングの中で再開だっ……!」ググッ

ベガ「……うおおぉっ」ゴロンッ


オー、オーオー

実況「いやっ、ここは場外戦ではなく、リング上での戦いを希望しているようですね! ガイは引き起こしたベガの身体をサードロープ下からリング内へと戻していきますっ!」

元「そうだね。場外でやり合うよりリング上でやり合う方がいいでしょ」

545: 名無しさん 2016/10/08(土) 23:15:31 ID:AwXM8xuY
ガーイ、ガーイ、レッツゴー、ガーイ

ガイ(彼らが来たって事は……ひょっとしたら武器がもう一つ増えたかもしれない……!)ゴロンッ

ベガ「ううっ……くそっ、ちょこまかちょこまかと……」ムクッ


実況「さぁ、そしてガイもサードロープ下からリングへと戻ってくるっ! あ~っと、しかしこの場面、直ぐ様ベガも立ち上がってきますかね?」

元「でも今の所はいいよ!? ベガ君を押しているんじゃないかな?」


ガイ「うおおぉぉっ! いくでござるよっ!」ビシッ

ベガ「ううっ……なんだなんだ……?」


オー !? オーオー !?

実況「確かにベガを押していると言っても過言ではないでしょうっ! おぉ~っと、そしてここでガイは大きく大きく叫んで、何やら場内を指差したっ!」


ガイ「頼むぞ、メトロシティっ……! でやああぁぁっ……!」バッチーンッ

ベガ「……うおぉぐっ!」フラッ


YEEEAAAH !

実況「おぉ~っと、そしてここでガイっ! 右腕を大きく大きく振り被り、ベガの胸元へと打ち込んでいくっ! 気合いの入った逆水平チョップですっ!」

元「そうですそうです。間を開けちゃダメなんですよ。こうやって、いける時にガンガンいくのがいいんですよ」

546: 名無しさん 2016/10/08(土) 23:22:05 ID:AwXM8xuY
ガイ「流石にあの日程、大きな声援ではないが……それでもナイスだ、メトロシティっ……! だああぁぁぁ、もう一発っ……!」バッチーンッ

ベガ「……ぐおっ!」フラッ


YEEEAAAH !

実況「フラついたベガっ……! しかしガイは続けていくっ! 再び逆水平チョーップっ! ベガの胸元へと打ち込むっ!」

元「お~お~、何か場内も盛り上がってるね」


ベガ(またいつもと違うノリだ……なんだ、コレは……? ガイは戸惑ってないようだし……知り合いか……?)


実況「ガイがベガに打ち込む度に場内がワッと沸きますっ! この辺り、やはりファンもガイに期待しているのかっ!? それとも、偽りの王者の化けの皮が剥がれる事を期待しているのかっ!?」

元「……う~ん、でもまだ様子見の部分は勿論あるとは思うよ!?」

実況「答えは両方だっ! さぁさぁ、ガイが勢いに乗ってきたかっ!? リズムを掴んできたかっ!?」

563: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:00:48 ID:AIgV9/XU
ガイ「まだまだいくぞっ……! ったああぁっ……!」バッチーンッ

ベガ(これは、なんだ……? ガイは打ち合いを希望しているのか……?)フラッ


YEEEAAAH ! オー !

実況「ガイは三度打ち込んでいくっ! お~っと、そしてガイがベガの胸元へと打ち込むと同時に沸く場内の声が大きくなってきたかっ!?」

元「おっ、そうだね。声援が後押ししてくれてるよ」

実況「ならば、この声援に乗っていきたいガイっ……!」


ベガ(まぁいい……そういう事なら、付き合ってやるか……そらっ……!)ガスッ

ガイ「……ぐおっ!」ヨロッ


ブー !

実況「あっとぉ! しかしベガはそう簡単には勢いに乗らせてはくれないかっ!? ここで反撃に出ますっ! ガイの額に打ち込んでいくナックルパートっ!」

元「あっと」

564: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:07:25 ID:AIgV9/XU
ダン「おい、ベガっ……! 拳は反則だっ!」

ベガ(おっ、なんだ……? 即座に反応か。早いな……)


実況「しかしこれは反則攻撃ですっ! 拳を打ち込むのは反則っ……! おぉ~っと、場内からも即座にブーイングが飛びますっ!」


ガイ「くそっ、負けるかっ……! だあああぁぁっ……!」バッチーンッ

ベガ「……おぉぐっ!」フラッ


YEEEAAAH ! オー !

実況「だがガイも負けてはいないっ……! 再びベガの胸元へと逆水平チョーップっ! 打ち込んでいきますっ!」

元「うん」


ベガ(なんだなんだ……? 反応が早いぞ、反応が早いぞ。ガイの狙いはコレか……? やっぱり知り合いなのか……?)

565: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:15:10 ID:AIgV9/XU
ベガ「まぁ、いいだろう……少し付き合ってやるか、フンっ……!」ガスッ

ガイ「……くっ!」ヨロッ

ブー !

ガイ「おおっ、今度はこっちだっ……! だりゃあぁっ……!」バッチーンッ

ベガ「……くおっ」フラッ

YEEEAAAH ! オー !

ベガ「やれやれ……フンっ……!」ガスッ

ガイ「……くっ!」ヨロッ

ブー ! ブー !

ガイ(前のコーディの時は互いに声援だったのに、今日は声援とブーイングに別れてる……凄いぞメトロシティ……これいい感じに盛り上がってきたんじゃないか!? うおおぉぉっ……!)バッチーンッ

ベガ「……ぐっ」フラッ


YEEEAAAH ! オー !

実況「さぁさぁ、ガイとベガの打ち合いは続きますが……ガイが打ち込むと声援っ! 場内が沸きますっ! 逆にベガが打ち込むと……ブーイングゥ! おぉ~っと、これは両者への反応が全くの正反対ですっ!」

566: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:22:39 ID:AIgV9/XU
実況「これは完全に場内はガイの味方と見てもよろしいでしょうかねぇ!?」

元「そうだね、そう考えてもいいんじゃないかな。こういうのが流れを作るのに一役買ってくれたりするからね」


ベガ「タネはわからんが上手い具合に流れを掴んでいるようだな……よろしい……では、フンっ……!」ガスッ

ガイ「えっ……? あっ、おぐっ……!」ヨロッ


ブー ! ブー !

実況「あっと、ここでベガが切り替えてきたかっ!? ベガは足をあげ、ガイの腹部を蹴りつけていくっ! 今度はトーキックできたっ! ガイが少し前のめりになるっ!」


ベガ「……私も少しだけ本気を出させてもらおうとするかな。そらっ!」ガシッ

ガイ「うおっ……!」


アー、アーアー

実況「蹴りを打ち込み前屈みになったガイの頭部に……おぉ~っと、即座に腕を回していくっ! ヘッドロックですっ! ヘッドロックの体勢に捉えていきました」

元「おっと、まぁベガ君からしたら打ち合いよりジワジワいきたいって事かな?」

567: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:29:30 ID:AIgV9/XU
ベガ「ジワジワいける展開ではなくなったからな……ほら、こっちだ。来い……」ズルズル

ガイ「うおっ……おおっ……」ヨロヨロ


実況「いやっ、ここはベガっ! 頭部を捉えつつ、そのままガイを引き連れ移動していきますっ! おぉ~っと、ベガはロープ方向へと移動していくっ!」


ベガ「……そらっ、押し付けるぞっ!」ググッ

ガイ「……お、おおっ!」


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、いやっ! ここはベガっ……! ガイの身体をロープ付近へと運んで、そして捉えている頭部っ……! 額をトップロープへと押し付けましたっ!」

元「……あっとっ!」


ベガ「ほらほらほらほら……削れろ、削れろ……」ズルズル

ガイ「ぐ、ぐっ……! 熱っ……!」ヨロヨロ


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、そしてベガはガイの額をロープに擦り付けながら、今度はコーナー付近へと移動していくっ! おぉ~っと、ガイの額に摩擦熱を加えていきますっ!」

元「……あ~っとっ!」

568: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:36:59 ID:AIgV9/XU
ブー 、ブーブー

ダン「オイ、ベガっ……! そりゃ、反則だぞっ……!」

ベガ「……聞こえん聞こえん、そらっ!」ブンッ

ガイ「……ぐおっ!」ドスッ


実況「この行為にレフェリーも慌てて警告はしますが……おっと、続いてベガっ! コーナーマットへ目掛けてガイの身体を押しやっていくっ! ガイも慌てて体勢を入れ換えるが……あ~っと、背中からマットへと突き刺さっていったかっ!?」


ベガ「立ってるんじゃない……座れ……」ドスッ

ガイ「……ぐっ!」

ベガ「座れ……座れ……ほらほらっ……!」ドスドス

ガイ「ぐっ……ぐっ……」ベタッ


ガーイ、ガーイ

実況「そしてコーナーで逃げ場のないガイに対して……おぉ~っと、ベガは腹部にストンピングの連打連打連打っ! あ~っと、ガイがコーナーマットを背に尻餅をつくっ!」

元「あ~らららら」

569: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:49:25 ID:AIgV9/XU
ベガ「フン、雑魚がっ……!」ゲシッ

ガイ「……お、ぐっ!」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、あっとっ……! そしてここでっ……!? あ~っと、これはいけませんっ! ベガは尻餅をついているガイの顔面を足で踏みつけましたっ!」

元「おっと、これはいけない」


ベガ「ほぉ~らほらほらっ……! ほぉ~らほらほらっ……! これが崇高なる王者と挑戦者の格差だっ! よく目に焼きつけるがいいっ……!」グリグリ

ガイ「ぐっ……ぐっ……!」モガモガ


ブー ! ブーブー !

実況「ここはベガっ……! ガイをっ……! いやっ、場内をも挑発するかの如く、コーナーで逃げ場のないガイの顔面を踏みつけていくっ! 足裏でグリグリとガイの顔面を踏みにじっているっ!」

元「場内がガイ君の応援一色になってるから……敢えてこういう事してるんだろうよ、多分」

実況「この辺りが天の邪鬼のベガといった所かっ!? コイツにいくらブーイングした所で、その心には届かないっ! 届きませんっ!」

570: 名無しさん 2016/10/10(月) 22:55:29 ID:AIgV9/XU
天津飯「……なんだアレは」イライラ

餃子「天さん、落ち着いて」

天津飯「あんなわざわざ痛ぶるような真似をしなくてもいいだろう」イライラ

餃子「天さん、落ち着いて」

天津飯「落ち着いてはいる……俺は落ち着いてはいるが……う~ん、何かここの連中はおかしいな……」

ランチ「おかしいと言うのは何処がですか?」

天津飯「う~ん、なんと言えばいいのか……う~ん……何かおかしいんだ。なぁ、餃子……?」

餃子「……うん、おかしい」

576: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:00:41 ID:uFdGuNng
ダン「いい加減にしろってんだよっ……! だぁ~っ、反則カウントだっ! 1……2……3……」

ベガ「フン、やかましい奴だ。わかったわかった……」サッ


実況「あ~っと、しかしここは即座にレフェリーが向かうっ! そしてベガに警告っ! おっと、反則カウントを数えてますかねっ!?」

元「あの位置だったらロープブレイクになるし、そもそもベガ君がロープを掴みながら踏みつけているからね」

実況「これにはベガも従わざるを得ないっ! さぁ、ベガはガイの顔面からその足を離していきますっ!」


ダン「仕切り直しだっ! リング中央に戻れ、この野郎っ……!」

ベガ「……フン、わかったわかった」クルッ


実況「さぁ、そしてベガは目の前でダウンしているガイに背を向け……おっと、リング中央付近へと戻っていきます」

元「こういう攻撃貰ったからってめげてちゃダメだよ。ガイ君はガンガンいかないと」

577: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:06:39 ID:uFdGuNng
ダン「よ~し、それじゃあガイ。とりあえず立って、試合再開だ」

ガイ「ううっ……はい……」


ガーイ ! ガンバレー !

実況「そして、コーナー前で座り込む形となっているガイも、なんとか立ち上がって……」


ベガ「フハハハっ……! バカめバカめバァァカめっ……! お前如きの指図にこの私が従うワケないだろうがっ……!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「いやっ、待って下さいっ……! ガイに背を向けリング中央へと戻ったベガでしたが、あ~っと、再びガイの方を振り向きっ……! あ~っと、そして突っ込んでいきますっ!」

元「おいおい、離れたんじゃないのっ!?」


ベガ「ヘタっている相手に手心加える必要なしっ……! そおぉぉら、フンっ……!」スガァッ

ガイ「……おぐっ!」


ブー ! ブーブー !

実況「まだコーナーでダウンしているガイに対して突っ込んでいったベガはっ……! おぉ~っと、レフェリーの脇を抜けるようにして、突き出した膝を顔面へと打ち込んでいきますっ! あ~っと、ここはランニング・ニーだっ! 串刺しで打ち込んでいくっ!」

元「……あ~、たぁ~」

578: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:13:39 ID:uFdGuNng
ダン「なんだ、てめぇはっ……!? 仕切り直しでリング中央に戻ったんじゃねぇのかっ!? あぁっ!?」

ベガ「そもそも何故仕切り直す必要があるのだ……!? 私はこのまま続けても一向に構わんっ! フンっ……!」ゲシッ

ガイ「……ガ、ガグっ!」


アー ! アーアー !

実況「そしてベガが再びガイの顔面を踏みつけて……あっ、いやっ! 喉ですっ! 喉ですっ! 今度はベガはガイの喉を踏みつけていますよっ!?」

元「あっとあっと……おいおい、エスカレートしてきたんじゃないのっ!?」


ベガ「フハハ、スリーパーホールドでいくより……こっちの方が楽だな……フハハ、フハハハ……ほらほら、くたばれっ……!」グリグリ

ガイ「ガッ、ガッ……ガガッ……!」

ダン「いい加減にしやがれ、この野郎っ……! うおおぉぉっ!」ガシッ

ベガ「……えぇい、鬱陶しいぞっ!」


ブー ! ブーブー !

実況「喉元を踏みつけ呼吸を奪っていくベガではありますがっ……! 勿論これも反則行為っ! あ~っと、今度はレフェリー強行手段に出るっ! ベガの身体にしがみつくっ!」

579: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:21:15 ID:uFdGuNng
ダン「離れろって言ってんだろがっ……! 離れろ、離れろっ……! いいから離れろっ……!」グイグイ

ベガ「チィッ……チィッ……!」ズルズル


ガーイ ! ガーイ !

実況「そしてレフェリーは無理矢理ベガの身体をガイから引き離していきますっ! ここはレフェリーが身体を張ってベガの反則行為を制止していくっ!」

元「とりあえず立とうっ! この隙にガイ君立とうっ! その位置でそうやってるのはマズい」


ガイ「う、ううっ……助かったか……」ムクッ

ベガ「あ~、あ~、貴様が余計な事をしたせいで……チィッ、離れてろっ……!」ドンッ

ダン「……うおっ」ヨロッ


実況「そうですねぇっ! 逃げ場のないコーナーでああやってヘタり込んでいるのと言うのは不味い状況ですっ! ガイもその事に気づいたかっ!? ここでロープを掴みつつ、その身体を起こしていきますっ!」

元「そうそうそうそう」

実況「あ~っと、しかしベガっ……! レフェリーを振り払い、立ち上がったガイへと……再び歩みを進めていくっ!」

580: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:28:04 ID:uFdGuNng
ベガ「ナックルパートは……ブーイングだったよなぁ……!? ほぉ~らっ!」ズガァ

ガイ「……ぐっ!」


ブー !

実況「ベガはコーナーで逃げ場のないガイの額っ……! 額目掛けて拳を打ち込んでいくっ! ここはナックルパートですっ!」


ベガ「フハハ、そうだそうだ、ブーイングだ。では、ボディブローなら……どうだっ!? フンっ……!」ドスッ

ガイ「……ゴっ!」


ブー !

実況「そして続いてボディブローっ! 今度は腹部にですっ! ガイの腹部に拳を打ち込んでいくっ!」


ベガ「なるほどなるほど……いいではないか、いいではないかっ……! それでは次はショルダータックルだっ……!」ドスッ

ガイ「……おぐっ!」


ブー !

実況「更にはベガっ……! 身体を前傾姿勢にして、おぉ~っと今度はショルダータックルっ! ガイの腹部に自信の肩からぶつかっていくっ! 逃げ場のないコーナーでガイが打たれていますっ! 打たれていますっ!」

581: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:33:47 ID:uFdGuNng
ベガ「打撃ばかりではなく、投げも見せていかんとな……フンっ……!」ガシッ

ガイ「う、うおおっ……」


アー !? アーアー !?

実況「おぉ~っと、そしてベガっ……! ガイの腹部に肩を押し付けたまま、今度は組みかかっていくっ! ガイの両腕を巻き込むようにしながら、胴回りに腕を回したっ!」

元「あっとっ!」


ベガ「……そぉ~ら、いくぞっ!」ググッ

ガイ「う、うおおっ……!」


アー、アーアー

実況「ベガはそのままガイの身体を抱え上げていくっ! あ~っと、そしてブリッヂの姿勢を見せつつ、抱え上げたガイの身体を後方へとっ……!?」


ベガ「そぉぉぉら、くたばってろっ……!」

ガイ「……ぐああぁぁっ!」ズドーンッ


アー、アーアー

実況「叩きつけていったぁ!」

元「ノーザンライト・スープレックスだ」


ベガ「……そぉ~ら、フォールだぞ。カウントを数えろ」

ダン「お、おうっ……! カ、カウントだっ……!」


実況「ここはノーザンライト・スープレックスっ! あっ、いやっ! ベガはクラッチを解かず、そのままブリッヂでガイの身体を固めておりますっ! ノーザンライト・スープレックス・ホールドですっ!」

元「フォールにいったけど……う~ん、まぁまぁまぁ……」

実況「ベガがフォールに入った、フォールに入ったっ! さぁ、レフェリーがカウントを数え始めますっ! どうだどうだどうだっ!?」

582: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:39:23 ID:uFdGuNng
ダン「ワンっ……!」

ガーイ ! ガーイ !

ダン「ツーっ……!」

ガーイ ! ガーイ !

ダン「……スリ」

ガイ「う、うおおぉぉっ……! まだまだまだぁっ!」ガバッ

ベガ「……ふむ」


オー ! イイゾー ! ガーイ !

ダン「ツーカウントだっ! まだ決まっちゃいねぇっ!」


オー ! オーオー !

実況「肩が上がりますっ! 肩が上がりますっ! ここはカウント2でガイの肩が上がりますっ! フォールにいったベガでしたが……ガイは返していくっ!」

元「まぁまぁ、この場面では返していかないとね」

583: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:46:18 ID:uFdGuNng
ベガ「流石にこれではブーイングは来ないか……という事は……」ムクッ


実況「まぁ、これは王者戦っ……! タイトルマッチですからねぇ!? やはりここはガイには返して頂かないとっ!」

元「そうそうそう。ベルトを取りに来てるんだ、ガイ君は」

実況「あっと、この場面でのツーカウントというのは、技を仕掛けたベガも想定内だったかっ!? 直ぐ様クラッチを解き、そして立ち上がってきますっ! あ~っと、ベガの動きが早いっ!」


ベガ「とりあえず、蹴っておくか……生意気な挑戦者は痛めつけておかなくてはいかんからなぁ……」ゴスッ

ガイ「……おがっ!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、待って下さいっ!? 立ち上がったベガはつま先で、ガイのこめかみを蹴飛ばしていきますよっ!?」

元「……あ~ららら」

584: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:53:23 ID:uFdGuNng
ベガ「……この糞餓鬼が」ゴスッ

ガイ「……おぐっ!」


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、これには場内もブーイングっ! 挑発するかのように、ガイを見下し攻撃を加えていくベガに対して、場内はブーイングをベガに浴びせていきますっ!」

元「場内はねぇ、完全にガイ君の味方なんだよ……ただ、流れはベガ君に傾いてきてるかもしれないねぇ」


ベガ「フハハハっ……! コイツは崇高な挑戦者だっ! 実に崇高な挑戦者だっ!」ズンッ

ガイ「ううっ……ああっ……」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そして続いてベガっ……! 今度はガイの額を踏みつけるっ! 自身の踵をガイの額へと押し付けていくっ!」

元「この辺がベガ君の特徴的な所と言うかね……場内が自分の敵だとしても、関係ないぞって感じと言うか……それこそ、逆に対戦相手だけじゃなくて、場内もの神経を逆撫でしていくって言うか……」


ベガ「フハハハっ! 今回も楽に防衛出来るなっ! フハハハ、フゥゥンっ!」ガスッ

ガイ「……お、おぐっ!」


ブー ! ブーブー !

実況「そしてガイの額を踵で擦り付けるように……おぉ~っと、踏みつけていきますっ! 元さん、褒めてる場合ではありませんよっ!? その結果がこのベガの王者政権なのですからっ!」

元「あ~、いや……褒めてないよ。褒めてないってば」

585: 名無しさん 2016/10/11(火) 22:59:20 ID:uFdGuNng
ダン「おい、ベガっ……! そういう事はやめろっ……!」ズガズガ

ベガ「フハハハ。なんだなんだ、また貴様か」


ブー ! ブーブー !

実況「ベガは高笑いを見せますが……あ~っと、そこにレフェリーがやってきたっ! ここはこの行為に対して警告をしていますかね!?」

元「あぁ、そうだね」


ガイ「……う、ううっ」ゴロンッ


実況「あっと、そしてここで仰向けだったガイが体勢をうつ伏せにするっ! 場内を味方につけリズムを掴んでいったと思われたガイですが……少しリズムを掴めないかっ!?」

元「う~ん……ちょっと掴めてないかもしれないねぇ。ただ、場内はガイ君の味方だよ!?」


ベガ「貴様の指図は受けんと言っているのだァァ……! ハッハッハっ! 今度は下からだっ! そぉぉいっ!」ズガァ

ガイ「んっ……!? ぐあっ……!」


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、そしてベガっ……! レフェリーを無視するかのように、ガイに近づき……あ~っと、今度は下からガイの顔面を蹴り上げていきますっ!」

586: 名無しさん 2016/10/11(火) 23:05:36 ID:uFdGuNng
ダン「やめろやめろっ! そういう行為はやめろって言ってんだっ!」

ベガ「フハハハっ! 貴様のようにしゃしゃり出てくるレフェリーは見た事ないぞっ!?」


ブー ! ブーブー !

実況「レフェリーは身体を張ってベガを制していきますかねぇ!? う~ん……」

元「ただねぇ……!? こういう挑発的な事ばかりしてるって事は、油断はあるんだよ。付け入る隙はあるんだよ。だから、そこを何とか……う~ん……」


ガイ(我慢……忍耐……追い込みっ……!)

ベガ(流石に昨日の今日だ……忍者らしく序盤を作れだなんて無理だろう……序盤は私とダン君で作らないとな。こういう地味な事は得意だ……)


実況「少しばかりガイにとっては辛い時間が続きますかねぇ!?」

元「ただ耐えてりゃ絶対にチャンスはきますから」

607: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:00:33 ID:Cv4oMEAc
ダン「普通にやりゃいいだろがっ! ちっとは王者らしいファイトスタイル見せてみろってんだ、おいっ!」

ベガ「私は王者だっ! 私のやる事全てが王者のファイトスタイルであるのだっ! 貴様は何を寝ぼけておるっ!」


ブー ! ブーブー !

実況「レフェリーも少しばかりヒートアップしてきましたかねぇ!? しかしベガは聞く耳持たずと言った所でしょうかっ!?」


ガイ「くっ……くっ……!」ググッ


実況「あっと、しかしそんな隙にガイが何とか立ち上がって来ますかねぇ?」

元「う~ん、そうだねぇ。寝ててもボコボコ蹴られるだけだしね。立ち上がっていかないと」


ベガ「おっと、立ち上がってきたか。もう少し蹴飛ばしたかったがな……まぁ、いい。それと貴様は邪魔だ、退け……」ドンッ

ダン「……うおっ」ヨロッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~っと、しかしベガはそんな立ち上がろうとしているガイに視線を移し……あっと、レフェリーの身体を押しやり、そして近づいていくっ!」

608: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:07:47 ID:Cv4oMEAc
ベガ「立ち上がった所で、お前は何も出来やしないのだ、フゥゥンっ!」ドスッ

ガイ「……ぐっ!」


ガーイ ! ガーイ !

実況「そしてベガは上から降り下ろすパンチをガイへと打ち込んでいくっ! ハンマーパンチだっ! 首筋へと打ち込んだっ!」


ガイ「く、くそっ……」フラッ

ベガ「さて、続けるか……そらっ……!」シュルッ


実況「上から打ち込まれ前屈みとなったガイっ……! あ~っと、しかしベガは続けるっ! 続いてガイの股下へと腕を差し込んでいったっ!」

元「あら」


ベガ「……そぉぉぉらっ!」グイッ

ガイ「……うおっ」


実況「そしてベガはボディスラムの体勢でガイの身体を抱え上げていきますっ!」

609: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:14:21 ID:Cv4oMEAc
ベガ「よっこらしょっと……おっとっと……」ピタッ

ガイ「……んっ?」


アー !? アーアー !?

実況「そしてガイの身体をマットへと叩きつけ……あっ、いやっ! 違いますっ! ベガは肩の上までガイの身体を抱え上げ、おっとそこで一時停止っ!」

元「……あっ」


ベガ「マットに叩きつけるより、もっと効果的に痛めつけてやらないとな……ほっ、ほっ……」ズガズガ

ダン「やめろやめろっ……! 何処持っていくんだ、おいっ……! おいおい、やめろやめろやめろっ……!」


ガーイ ! ガーイ !

実況「ベガはガイの身体を抱え上げたまま……あ~っと、ロープ方向へと歩みを進めていますっ! ガイの身体を運んでいますっ!」

元「まぁ~た、良からぬ事を狙ってるねぇ!?」

実況「レフェリーも警告しつつ、そんなベガを追いますが……聞く耳持たずっ! ベガは聞く耳持たずですっ!」

610: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:19:27 ID:Cv4oMEAc
ベガ「そぉぉらっ、くたばってろっ……!」ポイッ

ガイ「おっ、おおっ……! ガガッ……!」


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、そしてベガっ! ここでガイの身体を……ロープ目掛けて放り投げていきますっ!」

元「……ギロチン・ホイップだ」

実況「ここはギロチン・ホイップですっ! ロープ目掛けて落とされたガイの喉っ……! トップロープが喉元へと食い込んでいくっ!」


ガイ「う、ううっ……」ガクッ

ダン「だからそういう事はやめろって言ってんだろがっ!」

ベガ「ハーッハッハっ! 知らん知らんっ……! 貴様の指図は受けん、フハハハっ!」ズガズガ


実況「ガイは前のめりでロープに倒れ込んでいるっ! その姿を見て高笑いですっ! レフェリーもベガに警告しているが……あ~、いやっ……! ベガはそれを無視して更にガイへと近づいていきますっ!」

611: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:29:26 ID:Cv4oMEAc
ベガ「……よっ」ガシッ

ガイ「ガ、ガガッ……んっ……?」


ガーイ ! ガーイ !

実況「おっと、ベガはロープに前のめりのガイの両足を取ったっ! そして抱え上げるっ! お~っと、ガイの下半身が浮き上がっていくっ!」


ベガ「貴様は地面に突っ伏している姿の方が似合っているぞ……? フハハハ、そぉ~らっ!」グイッ

ガイ「う、うおっ……! ぐげええぇぇっ……!」ビターンッ


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、そしてその下半身を大きく引き……あ~っと、ロープに乗っていたガイの上半身が、マットへと落ちましたっ! ベガはテーブルクロス引きのようにガイの下半身を引いていくっ!」

元「……とことんコケにしてるよねぇ、うん」

612: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:38:20 ID:Cv4oMEAc
ガイ「くっ、くっ……くそっ……!」ググッ

ダン「だから、そういう事はやめろってって言ってんだろがオラァっ!」

ベガ「本当にやかましい男だ……寄るな、鬱陶しい……」ジリジリ


実況「ガイにとって依然苦しい時間は続きますっ! ベガは痛ぶるかのように、じっくりガイの動きを観察しながら攻めていると言った所でしょうかっ!?」

元「あ~っ、そうだねぇ」


ガイ「くっ、くそっ……!」ムクッ

ベガ「立~つな……貴様はマットに突っ伏している方が似合っているのだ……ほぉ~ら、寝てろっ……!」ダダッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「ガイは目の前のロープを掴み、立ち上がって来ますがっ……! あ~っと、ベガっ……! それも見ているっ! 後退しつつ動きを観察していたベガはその起き上がりに合わせて突っ込んできたっ!」

元「……あ~っ!」

613: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:45:31 ID:Cv4oMEAc
ベガ「くたばってろっ……! そぉ~らっ……!」ブンッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「突っ込んだベガはガイに向かって右腕を振っていくっ!」


ガイ「……耐える時間はここまでだっ! うおおぉぉっ!」ググッ

ベガ「うあっ……!? お~っとっとっとっと……!」スカッ


オー !? オーオー !?

実況「あっ、いやっ……! 待って下さいっ! おっと、ここでガイが突っ込んできたベガの動きに合わせて身体を沈み込ませるっ! 両手で掴んだトップロープを大きく引き下げつつ、ベガから逸れるように身体を沈ませるっ!」

元「……おっ!?」

実況「その結果振っていったベガの腕は空を切り、突っ込んでいったベガはそのまま場外に……あ~、いやっ! 堪えました堪えました堪えましたっ! ベガはロープ前で何とか堪えましたっ!」

614: 名無しさん 2016/10/12(水) 22:58:39 ID:Cv4oMEAc
ガイ「場外には落ちなかったか……だがっ……!」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「しかし、ガイっ……! ここは素早く立ち上がってくるっ!」

元「よぉ~し、ここだっ! ここだっ!」


ベガ「くそぉ、生意気な奴め……」グラッ

ガイ「ここから反撃だあぁぁっ……! たああぁっ……!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「そしてガイはロープに前のめりになっているベガの後ろから……おぉ~っと、即座に飛び込んだぁっ!」

元「お~っ!」


ガイ「……だあぁぁりゃっ!」ドスッ

ベガ「……うおぉぉぐっ!」


オー ! イイゾー ! ガーイ !

実況「そしてベガの首筋っ……! 上から肘を垂直に落としていきますっ! ここでガイが飛び込みつつ打ち込んだぁ!」

元「おしおしおしっ!」

615: 名無しさん 2016/10/12(水) 23:04:39 ID:Cv4oMEAc
ベガ「……く、くああっ」

ガイ「まだまだっ……!」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「おっと、そして着地したガイは即座にベガの背後から組みかかっていきますっ! 胴回りを捉えたっ!」

元「お~お~、いいぞいいぞ。よぉし」


ガイ「……だりゃああぁぁっ! バックドロップだぁぁ!」ググッ

ベガ「う、うおおっ……! だぁぁぐっ……!」ズドーンッ


オー ! オーオー !

実況「そして間を開けずにベガの身体を抱え上げ、後方へと叩きつけていきますっ!」

元「いよぉ~しっ!」

実況「ここはバックドロップですっ! バックドロップですっ! さぁ、ようやくガイが一矢報いる事が出来たかっ!?」

616: 名無しさん 2016/10/12(水) 23:12:33 ID:Cv4oMEAc
ガイ「はぁっ、はぁっ……よぉぉし、ここからだっ……! いくぞっ……!」ググッ


オー ! イイゾー ! ガーイ !

実況「ガイは上体を起こし、おぉ~っとそしてここで場内に握り拳を見せていきますっ!」

元「アピールなんかいらないんだよ。いけいけ、ガンガンいけいけっ!」

実況「おっと、元さんっ……!?」

元「一矢報いるだけじゃダ~メなんだよっ! 耐えてやっときたチャンスっ……! この場面はガンガン押す所でしょ! アピールは勝利の後でいいよっ!」


ベガ「く、くうっ……チィッ、少し油断したか……」ググッ


実況「あ~っと、確かにこの試合に勝利する事っ……! このベガの王者政権を崩壊させる事が最大のアピールになるのかもしれませんっ!?」

元「ほら見てみろ見てみろ。立ってくるよ……? 立ってくるよ……? 一撃返しただけで、そこまで優位な場面じゃないんだよ、ここはっ!」

実況「あ~っと、確かにベガも後頭部辺りを抑えていますが……ここは上体を起こしてくるっ! まだ形勢は逆転してはいないっ……!」

617: 名無しさん 2016/10/12(水) 23:17:56 ID:Cv4oMEAc
ガイ(さぁ、ここから忍者ファイトだっ……!忍者は俊敏だっ……!)クルッ


ガーイ ! ガーイ ! レッツゴー、ガーイ !

実況「先に完全に立ち上がったのはガイですっ! ガイは立ち上がり、ベガの方を向きますっ!」

元「よしよし、体勢不十分なうちにいこうっ!」


ガイ「……うおおぉっ!」ダダッ

ベガ「チィッ、カスの分際で盛っているな……」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そしてガイは上体だけ起こしているベガの脇を抜けるようにして……ここはロープへと走り込んでいきますっ!」

元「よぉしよしよし」

618: 名無しさん 2016/10/12(水) 23:25:38 ID:Cv4oMEAc
ベガ「フン、まぁいい。落ち着いてカウンターを狙えば問題ない」ムクッ

ガイ「……うおおぉぉっ!」ピタッ


オー !? オーオー !?

実況「あっと、待って下さいっ……! ロープへ向かったと思ったガイではありましたが……おっと、なんだっ!? リング中央で急停止っ!」

元「……んっ!?」


ガイ「相手の体勢が不十分なうちに……うおおぉぉっ……!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、リング中央で急停止したガイは……おっと、再び向きを変えベガの方へと向かっていきますっ! ここはロープの反動を受けずに……シャトルランかのように引き返すっ! そしてベガに向かうっ!」


ガイ「……だりゃああぁぁっ!」ズガァ

ベガ「おぉぐぅっ……! 何だ、早いぞっ……!?」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「そしてガイはベガの後頭部っ……! 肘を打ち込んでいきますっ! おぉ~っと、ここはロープの反動を受けずに……ランニング・エルボーっ!」

元「ロープの反動は受けちゃいないけど、時間差攻撃みたいにはなってるよ。あっちのロープに行って戻ってくるのとでは半分の距離で済んでるからね」

619: 名無しさん 2016/10/12(水) 23:33:05 ID:Cv4oMEAc
ガイ「まだまだ続ける……うおおぉっ……!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「いやっ、待って下さいっ! ベガの後頭部に肘を打ち込みつつもガイの速度は落ちないっ! まだ走っているっ!」


ガイ「……ここでロープの反動を受けるっ!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そのままガイはロープへと向かっていったっ! ここでロープの反動を受けるっ!」

元「お~っ! こっちのロープが狙いなのかっ!?」

実況「ガイはロープの反動を受け、そして再びベガへと向かっていくっ!」

620: 名無しさん 2016/10/12(水) 23:38:44 ID:Cv4oMEAc
ガイ「だりゃああぁぁっ……!」ドスッ

ベガ「……うぐっ!」


オー ! オーオー !

実況「ガイは体勢を低くしつつ、リングを滑るように今度は腹部っ! ベガの鳩尾へと肘を打ち込んでいきましたっ!」

元「おしおしおしっ!」


ガイ「無双連華だ、でりゃああぁぁっ……!」ズガァッ

ベガ「うおっ……! だぐがっ……!」バターン


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、更には回し蹴りだっ!」

元「おおっ!」

実況「肘を打ち込みつつ再びストップっ! そこから大きく足を振り上げ回し蹴りですっ! 回し蹴りィィ! ベガの顔面へと打ち込んでいったぁ!」

621: 名無しさん 2016/10/12(水) 23:40:16 ID:Cv4oMEAc
今日はここまで

631: 名無しさん 2016/10/13(木) 22:01:43 ID:5AvuaZTY
ベガ「く、くそっ……! ちょこまかちょこまかと……!」ゴロゴロ


実況「これを喰らいベガは大きく大きくダウンし……あ~っと、そのまま横に一回転っ……! あ~、いやもう一回転っ! マットを大きく大きく転がりますっ!」

元「あっ、んっ……!?」


ガイ「ここから一気に攻め立てて……あ、あれっ……!?」

ダン「あっ、おいっ……! ベガ、何処へ行くんだっ……!?」

ベガ「フン、どんな雑魚だろうが勢いづいている瞬間というのは厄介だからな……そいつの頭が冷えるまで距離を取るだけだよ……おおっ……」ボトッ


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、ここはベガっ……! リング上を大きく大きく転がり、そしてサードロープ下から再び場外へと行くっ!」

元「少しリズムを掴んできたかと思えば……直ぐ様、こうやって間を取りにいくんだよ」

実況「この相手をリズムに乗らせていかないと言うのも、ベガの特徴的な所ですかねぇっ!? あ~っと、再びベガは場外へとエスケープっ!」

632: 名無しさん 2016/10/13(木) 22:06:27 ID:5AvuaZTY
ガイ「……く、くそっ!」チラッ

ダン「お~いっ、おぉ~いっ! 何やってるっ! 戻ってこい、オラっ!」


実況「これにはガイも苦虫を噛み潰したかのような表情で場外へと行ったベガを横目で見ますっ! あっと、そしてレフェリーはロープ越しにベガに何やら言ってますかね?」


ベガ「お前に言われなくとも戻るさ……ただし、少し間は取らしてもらうぞ……」ムクッ

ダン「やかましいっ! 場外は休憩場所じゃねぇんだっ! とっとと戻って来やがれ、1……2……3……!」


実況「あ~、そして場外でベガが立ち上がってきますかねぇ……!? そんなベガに対してレフェリーはリング内から場外カウント数えていきますっ! んっ……? 少しカウントが早い気がしますね?」

元「まぁ、二度目だからね」

633: 名無しさん 2016/10/13(木) 22:14:59 ID:5AvuaZTY
ダン「4……5……!」

ガイ「くそっ……! 折角リズムを掴んできたってのに、ここで逃がしてたまるものかっ……! でやああぁぁっ……!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「あっ、いやっ……! 待って下さいっ……! ここでリング上のガイが追いかけるかっ!? 場外のベガを追いかけに行くかっ!?」

元「……おっ!?」


ガイ「……だりゃああぁぁっ!」ガシッ

ベガ「何だ、向かって来たのか……? しかし、やり合うタイミングは今ではない。休憩が先だ……」イソイソ


オー ! オーオー !

実況「ガイは一直線にコーナー方まで向かっていき……おっと、そしてセカンドロープに足をかけるっ! コーナーポストに昇っていくっ!」

元「……あ~、でも動きは見られてる」

実況「お~っとっ! ベガはそんなガイの行動を読んでいたかっ!? ここは落ち着いて場外を移動していくっ!」

634: 名無しさん 2016/10/13(木) 22:27:53 ID:5AvuaZTY
ガイ「ここから狙うっ……! んっ……?」ガシッ

ベガ「ふう、ここならゆっくり休憩が出来る……後10カウント近くは休めるかな……?」


アー、アーアー

実況「今、ガイがコーナーポスト上に昇りきったがっ……! ベガはあさっての方向っ! ニュートラルコーナー上から追撃を狙ったガイではありましたが、ベガは青コーナーの方へと逃げていくっ! これは距離があるっ!」

元「う~ん、でもね……こうやって攻める姿勢をとにかく見せていこうよ」


ダン「6……7……! おいガイ、てめぇも何やってるっ! 降りろっ!」

ガイ「一気に攻め立てるんだっ……! 逃がすかっ……!」

635: 名無しさん 2016/10/13(木) 22:36:52 ID:5AvuaZTY
ガイ(時に忍者は大道芸人に変装する事もあるらしい……つまり、こういった軽業……曲芸だって可能なんだっ……!)シュタッ


オー ? オーオー ?

実況「あっと、待って下さいっ……! ここでコーナーポスト上のガイっ……! 自身が昇っているニュートラルコーナーと青コーナー間に張られているロープっ……! そのトップロープの上に足を踏み出しますっ!」

元「おっ!?」


ガイ「よっ……よっ……よっ……!」グイグイ


オー ! オーオー !

実況「ガイはトップロープの上を綱渡りよろしく渡るっ! 歩みを進めっ! おぉ~っと、距離を取ったベガ追いかけていきますっ! 追いかけていきますっ!」

元「お~お~、いいじゃない、いいじゃない。攻めの姿勢が出てるんじゃないっ!?」

実況「トップロープ上で慎重にバランスを取り、一歩っ……! また一歩っ……! おぉ~っと、ベガに近づいていくっ!」

636: 名無しさん 2016/10/13(木) 22:40:52 ID:5AvuaZTY
ガイ「ここからなら届くっ……!」ピタッ


オー ! イイゾー ! ガーイ !

実況「ロープ間中央付近でガイは歩みを止めたかっ!? ストップしたかっ!?」

元「距離としちゃ十分だっ!」


ガイ「……だりゃああぁぁっ!」

ベガ(……足を踏み外さなさないで、よかったよかった)クルッ


オー ! オーオー !

実況「ガイはロープ中央でベガに狙いを定めっ……! そして飛び込んでいったぁ!」


ベガ「なんだとっ……!? コイツ、あの位置から追いかけて来たと言うのかっ……!?」

ガイ「でりゃああぁぁっ!」ズガァッ

ベガ「ぐ、ぐおおぉぉっ……!」バターン


ワー、ワーワー

実況「そしてベガに自身の身体をぶつけていくっ! ここはプランチャ・スイシーダっ! ロープを渡り距離を詰め、飛び込み身体をぶつけていったぁ! これを喰らいベガはダーウンっ!」

元「あぁやって追いかけてこられるってのは、ちょっと予想外だったんじゃないかなっ!? いいよいいよっ!」

637: 名無しさん 2016/10/13(木) 22:51:48 ID:5AvuaZTY
ダン「試合はリングの中でやれっ! 一人増えたが場外カウントは続行っ……! 8……9……!」

ガイ「流れは来てる……来てるんだ……さぁ、立てっ……!」グイッ

ベガ「……う、うあぁっ」ググッ


イイゾー ! ガーイ ! イイゾー !

実況「縺れ合うように場外で倒れた二人ですが、おっとガイは直ぐ様立ち上がるっ! ベガの身体も引き起こすっ! この辺りは動きがきれてきたと言ってもいいでしょうかっ!?」

元「そうそうそうそうっ! 間を開けずにガンガン、ガンガンっ!」


ガイ「……リングに戻ってもらうぞっ! うおおぉっ!」グイッ

ベガ「……う、うおおっ」ゴロンッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「そしてガイっ……! ここは直ぐ様リングへとベガの身体を戻していくっ! サードロープ下からその身体を捩じ込んでいったぁ!」

元「よしよし、次はリング上でガンガンいこう!」

638: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:00:04 ID:5AvuaZTY
ベガ「ううっ……ううっ……」ゴロゴロ


実況「おぉ~っと、ベガの身体が転がり転がり、リング中央まで転がるっ! これは今の一撃、結構効いたのでしょうかねぇ!?」

元「まぁ、予想外の一撃だったろうからねぇ」


ガイ「続けていくっ……!」シュタッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「そしてガイも場外からエプロンサイドへと昇り……あっ、いや、さらにそこから今度は付近のコーナーっ! 青コーナーの上へと昇っていくっ!」

元「ゴーゴー、ゴーゴー」

639: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:05:45 ID:5AvuaZTY
ガイ「少し距離がある……という事は、もう一度だっ……!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そして再びっ……! ガイがロープの上を渡っていくっ! 青コーナーと先程とは別のニュートラルコーナー間に張られてロープの上をガイは渡っていくっ! バランスを取りながら歩みを進めていくっ!」

元「ここで足を踏み外すなよ~っ!」


ベガ(……踏み外すなよ)

ダン(大舞台でその名の通り綱渡りをチョイスしやがったか……ミスるんじゃねぇぞっ!?)


ガーイ ! ワンモア、ガーイ ! ガーイ ! ワンモア、ガーイ !

ガイ「よし、いくぞっ……!」


実況「足は踏み外しませんっ! 踏み外しませんっ! さぁ、再びガイはロープ間中央付近でストップっ! そしてリング中央にいるベガに狙いを定めるっ!」

元「よぉ~しっ!」


ガイ「だりゃああぁぁっ!」シュタッ


ワー 、ワーワー

実況「そしてそこから飛び込んでいったぁ!」

640: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:10:46 ID:5AvuaZTY
ガイ「……だああぁぁっ!」ズドーンッ

ベガ「……うぐあっ!」


ワー、ワーワー

実況「さぁ、ガイがベガの上へと落ちたぁ! ロープ間を渡ってのダイビング・ボディプレスですっ!」

元「よぉ~しっ! いいねぇ!」


ガイ「さぁ、レフェリーっ! フォールだ、カウントをっ!」

ダン「オーケー、任せておきなっ!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてそしてそしてっ!? ベガの上へと覆い被さったガイはそのままフォールに入りましたよっ!? フォールに入りましたよっ!?」

元「フォールいったかっ……!? どうだっ!?」

実況「ここで挑戦者がフォールへと入りましたっ! ガイがベガを押さえ込んだっ! ガイがベガを押さえ込んだっ! さぁさぁ、どうだどうだどうだっ!? レフェリーが今カウントを数えますっ!」

641: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:15:21 ID:5AvuaZTY
ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」

ベガ「……フンっ」ガバッ

ガイ「……くそっ!」


アー ! アーアー !

ダン「ツーカウントだっ! カウントはツーカウントっ!」


実況「あ~っと、ここはベガの肩が上がりますっ! あ~、なんという事だっ! ベガの肩が上がりましたっ!」

元「んああぁっ……! ああぁぁっ!」

642: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:20:28 ID:5AvuaZTY
ガイ「くそっ、決まらなかったかっ……! だがっ……!」ムクッ


アー ! アーアー !

実況「お聞き下さいっ! この場内の声をっ! 落胆をっ!」

元「相手が相手だったら、決まったんだろうけどねぇ!? そこは腐っても王者なんだよ~」

実況「カウント2で肩が上がりましたっ! ベガの肩が上がりましたっ! 王者交代とはならなかったっ! あ~っと、しかしガイは直ぐ様立ち上がりますよっ!?」


ガイ「続けていくぞっ……! うおぉぉっ、立てっ……!」グイッ

ベガ「……うあぁ」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「立ち上がったガイはベガの身体を引き起こしていきますっ! おぉ~っと、ここは直ぐに動いてきますよっ!?」

元「そうだよそうだよ。落胆してる暇はないんだ。押せ押せ押せっ! こういうのがいいんだ。こういうのがいいんだよっ!」

643: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:25:29 ID:5AvuaZTY
ガイ「……いくぞっ!」ガシッ

ベガ「……ううっ」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、ガイは引き起こしたベガの身体を前のめりの体勢にして……その頭部を自身の股下へと押し込んでいくっ! そして上から覆い被さるようにその胴回りに腕を回したっ!」

元「おっ、パワーボムかっ!?」


ガイ「……だりゃああぁぁっ!」グイッ

ベガ「お、おおっ……」


オー ! オーオー !

実況「そしてその身体を一気に頭上まで抱え上げていきますっ! ガイは落胆してはいませんっ! さぁ、ここは続けてパワーボムを仕掛けていくっ!」

元「いけいけいけいけぇ!」

644: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:30:09 ID:5AvuaZTY
ガイ「パワーボムだっ! だりゃああぁぁっ!」

ベガ「……うぐおおぉっ!」ズドーンッ


オー ! イイゾー ! ガーイ !

実況「そしてベガの身体をマットへと叩きつきていったぁ! ここはパワーボムっ! パワーボムですっ!」


ガイ「念には念を入れて……それっ……!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「おっと、更にガイはベガの両足を掴んだまま、叩きつけたベガの身体を飛び越えていくっ! そしてブリッジの状態で着地っ!」

元「ジャックナイフ固めだっ!」


ガイ「さぁレフェリー、カウントをっ! 今度こそスリーカウントだっ!」

ダン「オーケー、オーケー、任せておきなっ!」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、今度は足を固定しつつジャックナイフ固めでベガを押さえ込んでいくっ! もう一度フォールに入るっ! さぁ、レフェリーが今カウントを取りますっ! どうだどうだどうだっ!?」

元「う~んっ……! どうだっ……!?」

645: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:35:22 ID:5AvuaZTY
ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」

ベガ「……ええい、鬱陶しいっ!」ガバッ

ガイ「……うおっ!」ドテッ


アー ! アーアー !

ダン「ツーカウントだっ! カウントはツーカウントっ!」


実況「あ~っとっ! ここもツーカウントですっ! ツーカウントですっ! ベガがガイの身体を撥ね飛ばしていくっ! ここもカウントはツーカウントっ!」

元「あ~っ……! ツーカウントかぁ~!」

670: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:01:12 ID:AXA5Veio
ガイ「……ちくしょうっ!」ムクッ


ガーイ ! イケイケー !

実況「この場面も決まりはしなかった、がっ……! さぁ、悔やんでいる時間などは存在しないっ……! さぁ、ガイっ……! 再び立ち上がってくるぞぉっ!」

元「お~し、お~しっ! いけいけいけっ!」


ベガ「くぅぅ……ええい、糞餓鬼めがっ……!」ムクッ

ガイ「……ここが勝負所あぁぁっ!」ダダッ


レッツゴー ! ガーイ ! (パン、パン、パパパン) レッツゴー ! ガーイ ! (パン、パン、パパパン)

実況「ベガも立ち上がってきますがっ……! しかしガイっ……! その脇をすり抜けるかのようにここは走りますっ!」

元「よ~し、よぉ~しっ!」


ガイ「……もう一度だっ!」ピタッ


オー ! オーオー !

実況「ベガの少し後方まで進んだ所で、再びガイは急停止っ!」

671: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:08:10 ID:AXA5Veio
ガイ「……だりゃああぁぁっ!」ダダッ

ベガ「……あああっ!」ムクッ


オー ! イケー ! ガーイ !

実況「そして素早く引き返すっ! 再びストップ&ゴーっ! さぁ、立ち上がるベガの背後からガイが向かっていくっ!」

元「そうだそうだっ! 相手の体勢不十分なうちに……いけいけいけっ!」


ガイ「……でりゃああぁっ!」シュタッ

ベガ「……ああぁっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「そして、ガイはベガの肩に手を置き……おっと、馬跳びかの要領でそのままベガの肩へと背後から飛び乗ったっ!」

元「おっ!?」


ガイ「このまま……うおおぉぉっ……!」グルンッ

ベガ「おっ、おっ……く、くっ……!」ゴロン


オー ! オーオー !

実況「身体を丸めて前方に降りつつ……さぁ、ベガの股下を潜り抜けていくっ! そしてベガの両足を持ったっ!」

元「クイックできたねっ! 高角度前方回転エビ固めっ!」


ガイ「レフェリーっ……! カウントだっ! カウントをっ!」

ダン「オーケー、オーケー。任せな、任せなっ!」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ガイが丸め込んだぁ! ベガの両足にガッシリしがみついているっ! そしてレフェリーがカウントを数えますっ! どうだどうだどうだっ!? 三度目の正直となるかっ!?」

元「どうだぁっ!?」

672: 1 2016/10/15(土) 22:26:22 ID:AXA5Veio
一個飛ばしちゃったので一回削除しまーす

673: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:26:59 ID:AXA5Veio
ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」

ベガ「……調子に乗るなよ、糞餓鬼がああぁっ!」ガバッ

ガイ「はぁっ、はぁっ……!」


アー ! アーアー !

ダン「ツーカウントだっ! カウントはツーカウントっ!」


実況「あ~っとっ! あっとあっとっ……! 三度目の正直成らずっ……! あ~っと、ここもベガっ! 足にしがみついているガイを振り払うっ! そしてその肩が上がるっ!」

元「あ~っ! たぁ~っ!」

674: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:27:42 ID:AXA5Veio
ガイ「くっ、これだけやっても無理という事はスタミナを削りきれてないという事だろう……それならっ……!」シュタッ

ベガ「……ぬぅぅっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「あっと、待って下さいっ! ここで撥ね飛ばされたガイではありますが……おっと、直ぐ様その身体を起こし、前方にまだダウンしているベガの左方向に回り込むようにしながら……腕をとったかっ!?」

元「おおぉっ!?」


ガイ「ピンポイント狙いならどうだあぁぁっ!」ガシッ

ベガ「……な、何ィィィ!?」


オー ! オーオー !

実況「捉えているっ……! 捉えているっ……! 捉えているっ……! ガイはベガの左腕を捉えていますっ! 左足を両足で挟み込むように固定し、おぉ~っと、ここはっ……!」

元「腕ひしぎ逆十字固めだっ! お~っ! お~っ!」

実況「ここはガイっ……! スリーカウントではなく、ギブアップ狙いに切り替えてきましたかねぇっ!?」

元「計算でやってるというか、とにかくここが勝負所だろうからねっ! とにかく出しまくって攻めまくってるんでしょ!」

675: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:40:34 ID:AXA5Veio
ベガ「……そうはさせるかっ!」ガシッ

ガイ「……くっ!」


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~っと、しかしベガっ! ここは即座に身体の右半分を起こし、捉えられている左腕と自身右腕をフックっ! ガッシリ掴み合わせていきますっ!」

元「挑戦者として元王者から指名された時から彼もそれなりの物を用意してきたろうからねぇ。この勝負所でそれを惜しみ無く使っていってるんでしょう! あっと、フックされちゃったかっ!」


ガイ「くそっ……! くそっ……! うおおぉぉっ……! おおぉっ……!」グイグイ

ベガ「ふぅ、ふぅ……生意気な……生意気な小僧めっ……!」ガシッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「ベガは両腕をガッチリと掴み合わせ、間接部分が押し下げられ極められる事を防いでいますっ! とすれば、ガイっ……! ここはそのフックを外していきたい所だがっ……!」

元「そうだねぇっ……! ここはなんとか、極めていきたい所だ」

実況「さぁ、ガイは上体を上げ……下げ……また上げっ……! また下げっ……! 力任せにベガのフックを外そうと力を込めていくっ!」

676: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:50:21 ID:AXA5Veio
ベガ「……馬鹿がっ! 私からすれば、こちらの展開の方が願ったり叶ったりだっ!」ゴロンッ

ガイ「何っ……! う、うおっ……!」ゴロンッ


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、待って下さいっ! ここでベガが足を大きく上げ、そのまま後転っ! 自身の身体と腕にしがみついているガイの身体が仰向けからうつ伏せへとなるっ!」

元「……あ~っ!」


ベガ「フン、その体勢では力は入らんだろう……これなら楽に引き抜く事が出来るぞ、そぉぉらっ……!」

ガイ「何っ……!」


アー、アーアー

実況「少し力が込め辛い体勢となってしまったかっ!? しかしガイはまだ腕を……あ~、いやっ! ベガが振り払ったかっ!? 振り払ったかっ!?」

元「あ~っ……! あ~っ……!」


ベガ「……そしてとったぞっ!」ガシッ

ガイ「し、しまったっ……!」


アー ! アーアー !

実況「あ~、更にベガは前方にあるガイの左足っ……! それを掬い上げるように胸元へと抱え込みっ……!?」

元「……あ~っ! くそっ!」

実況「ここはアンクル・ロックだっ! アンクル・ロックっ! ベガが切り返してガイの足首を極めていきますっ!」

677: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:59:07 ID:AXA5Veio
ベガ「クソカスの分際で生意気なっ……! うおおぉぉっ……!」ギリギリ

ガイ「ぐ、ぐわああぁぁっ……!」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、ベガは搾り上げていくっ! ガイの左足を締め付けていきますっ!」

元「まだだっ! まだまだまだっ……! 返して返してっ!」


ベガ「このままジワリジワリと攻めてもいいのだがな……さっきからちょこまかちょこまかされたていたのには、随分と苛立ったからな……」ムクッ

ガイ「……ぐぐっ、うおっ」


ガーイ ! ガーイ !

実況「そしてベガは立ち上がっていくっ! 立ち上がっていくっ! あ~っと、ここはスタンディングでのアンクル・ロックに切り替えていきますっ! ガイの下半身が浮き上がるっ!」


ベガ「生意気な糞餓鬼めぇぇぇっ! 一度死んで償えぇぇっ!」グイッ

ガイ「う、うおっ……! どぐぅぅっ……!」ビターン


アー ! アーアー !

実況「あ~っ、いやっ……! ベガは持ち上げたその下半身をマット目掛けて降り下ろし叩きつけていくっ! あ~っと、ガイの膝がマットへと打ち付けられますっ!」

元「……ああっ!」

678: 名無しさん 2016/10/15(土) 23:05:39 ID:AXA5Veio
ベガ「貴様はとことん使えん奴だなァァ……! このっ……! このっ……!」ゲシゲシ

ガイ「ぐっ……ぐっ……」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、そしてベガが踏みつけていきますっ! うつ伏せにマットにダウンしているガイを踏みつけていきますっ! ストンピングっ! ストンピングっ!」


ベガ「なんの為に私がお前のような雑魚を挑戦者として指名してやったかを、よく考えろっ! 貴様のような雑魚がっ……! ゴミが王者になれるワケがないだろうっ……! 何を勘違いしておる、あぁっ!?」ゲシゲシ

ガイ「ぐっ……ぐっ……!」


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~っと、ベガは踏みつけますっ……! ストンピングっ……! ストンピングっ……!」


ベガ「お前はただの養分としてこの場に呼ばれたのだっ! サガットやバルログを見習えっ……! この崇高な私にただただ黙ってやられる事がお前の役目なのだぁ……! 自分の役割を全うしろ、ゴミクズっ……! 死ねっ……! 死ね死ね死ねっ……!」

ガイ(アレ、ちょっと多くないか……? こ、これ……ベガさん本気で怒ってるのか……?)


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、ベガは執拗に……執拗にガイの身体を踏みつけていきますっ! その光景に場内からもブーイングが飛び始めましたっ!」

元「確かに執拗に踏みつけてるねぇ……ガイ君がガンガンいってたからその辺が彼のプライドを傷つけちゃったのかなぁ!?」

679: 名無しさん 2016/10/15(土) 23:11:42 ID:AXA5Veio
ベガ(フハハハっ! 踏まれ続けて何を思う……ガイよ……)

ガイ(でも場内の反応は悪くなかったように思う……だったらこの怒りってのはシャドルーのベガさんとしてって事か……?)

ベガ(これからのお前の戦いは、自分を魅せる事以外にストーリー……シナリオというものが加わってくる……)

ガイ(まぁ、どっちにしろ俺とベガさんには格差があるからな……こうやって格差をアピールしておかないといけないんだろうけど……)

ベガ(裏で指示した自分を魅せると言った点は場内の反応はよかった。そしてここからは今口にした通りに従ってもらうぞっ……! 私の養分になる事がお前の役目であるっ……! しかし、何を思うっ……! 踏まれ続けて何を思うっ……!)

ガイ(くそぉ……でも、折角のキャラチェンジの舞台でこういう事は……くそっ、ちょっと悔しいかもしれないな……)

ベガ(そこを考えていく事がお前のこれからの戦いに加わっていくという事だっ……! フハハハ、この長めの侮辱行為は餞別だっ! 二度目のデビュー戦おめでとうっ……! ガイ君っ!)

693: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:00:49 ID:ef1CIyOs
ダン「おいっ、もういいだろっ……! いつまでやってんだオラっ! いい加減にしろっ!」

ベガ「やかましいぞ、この糞レフェリーがっ……! この調子に乗ったゴミクズに格の違いという物を教えてやっているだけだぁっ!」ゲシゲシ


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、ここでレフェリーがやってきましたっ! 執拗にストンピングを続けるベガに対して警告ですっ! 警告をしていきますっ!」

元「そうだねぇ。どう考えてもこれは、王者らしいファイトスタイルってもんじゃないでしょ!? さっきのガイ君の方がよっぽど相応しいファイトスタイルを見せてくれてたよっ!」


ベガ「このクソ生意気な小僧めっ……! 役割を全う出来ないカスなど必要ないっ! 死ねっ……! このリング上で今死ねっ……! 殺してやる、起きろっ!」グイッ

ガイ「くっ、くっ……くそっ……」ググッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「あっと、ここでようやくですっ! ようやく踏みつけ続けるのを止め……これはレフェリーの警告が効いたのでしょうかっ!? あ~っと、しかしベガは引き起こすっ! 続いて引き起こしていきますっ!」

元「いや~、でもねっ……!? ん~っ、あ~っ……!」

実況「ベガはガイの背後を取りつつその身体を引き起こしていきましたっ!」

694: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:06:02 ID:ef1CIyOs
ベガ「貴様を死の忘却へと誘ってやろうっ……! フルコースだぁっ!」ガシッ

ガイ「……くっ!」


ガーイ ! ガーイ !

実況「背後からガイの胴回りを捉えつつ脇下へと頭部を入れていくっ! バックドロップでしょうかっ!?」

元「返せ返せ、切り返していけっ!」


ベガ「……くぬおぉぉぉっ!」ググッ

ガイ「……う、うおっ!」


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~っとっ! ここは即座にベガが抱え上げていくっ! ガイの身体をそのまま抱え上げましたぁっ!」


ベガ「楽に死ねると思うなよっ……! くぬおぉぉぉっ……!」グルンッ

ガイ「おっ、おおっ……!」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、抱え上げた所でベガは旋回っ……! 旋回していきますっ! ガイの身体を抱え上げたまま180度ターンっ! 遠心力をつけていくっ!」

元「……ん~っ!」

695: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:11:08 ID:ef1CIyOs
ベガ「落とすのは後ろではないっ……! 前だっ……! 顔面からマットへと落ちてくたばるがいいっ……!」ヨロッ

ガイ「えっ……!? あっ、うおっ……! ぐわああぁぁっ!」ズドーンッ


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、バックドロップの体勢で旋回しつつ抱え上げたベガではありましたがっ……! ここは前っ……! 後方ではなく、前方へと倒れ込んでいくっ!」

元「あ~っと、C.T.Bできたかっ!」

実況「ここはC.T.Bですっ! C.T.Bィ! クラッシュ・サンダー・バスターっ! ベガはガイの身体を顔面からマットへと打ち付けていきますっ!」


ガーイ ! ガーイ !

ガイ「あっ、ががっ……! く、くそっ……!」ブルブル

ベガ「フンっ、まだまだ前菜だぞ……!? シャドルーに逆らう者への見せしめにもしてやらんといかんからなぁ!? さぁ、立てっ……!」ググッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! そしてベガはクラッチを外していませんっ! 外していませんよっ!? ガイの腰回りを掴んだまま、また立ち上がってきますっ! ガイの背後を取りつつ引き起こしていくっ!」

元「おっと、なんだっ!? 続けていくのかっ!?」

696: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:17:51 ID:ef1CIyOs
ベガ「そらそら、いくぞいくぞ……死ね死ね死ね死ねっ……!」ガシッ

ガイ「くっ……くっ……!」


ガーイ ! ガーイ !

実況「さぁ、ベガが背後を取りつつまた立ち上がったっ! 今度は脇から頭部を引き抜き、ガイの背後から捉えるっ!」

元「まだまだっ……! まだまだっ……!」


ベガ「今度は素直に頭上から落としてやるっ……! ハーッハッハっ! くたばれぇぇっ……!」ググッ

ガイ「あっ、ああっ……! うぐおぉぉぉっ……!」ズドーン


アー ! アーアー !

実況「ベガはそのまま身体を持ち上げて……あ~っと、大きく身体を反らし後方へとガイの身体を投げていくっ!」

元「ジャーマン・スープレックスだねぇ」

実況「ここはジャーマン・スープレックスですっ! あ~っと、ガイの身体が打ち付けてられるっ! 頭部からマットへと打ち付けられていきますっ!」

697: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:25:14 ID:ef1CIyOs
ベガ「……ただし、一撃で終わりではないっ! フフハハハハっ!」ゴロンッ

ガイ「……うあっ」ゴロンッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! ここでベガっ! ガイの身体をクラッチしたまま身体を捻るっ! 横に捻っていくっ!」

元「おおっ、おおっ……!」

実況「両者の身体が転がり、再び両者うつ伏せの体勢へっ! あ~っと、そしてベガが再びを背後を取りながら立ち上がったっ!」


ベガ「フゥゥンっ……! もう一度打ち付けられるがいいっ……! フハハハハっ!」ググッ

ガイ「う、うああっ……ぐおおぉぉっ……!」ズドーンッ


アー !? アーアー !?

実況「そしてもう一度続けてジャーマン・スープレックスですっ! 再びガイの身体をマットへと打ち付けていくっ!」

元「……ロコモーション式できたかぁ」

実況「ここはロコモーション式ィ! 連続式ィ! 連発式のジャーマン・スープレックスですっ! ベガが連続でのジャーマン・スープレックスを繰り出していきますっ!」

698: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:38:16 ID:ef1CIyOs
ベガ「まだまだメインディッシュには程遠いぞガーイっ……! こいつはサラダだっ……! ただのサラダであるっ……!」ゴロンッ

ガイ「ううっ……あっ、ああっ……」ゴロンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、更に更に更にっ……! 再びベガはクラッチを解かず身体を捻り、自身とガイの身体をうつ伏せ状態へと持っていくっ!」

元「おいおいおいっ……! ここで喰らいまくるのはマズいんじゃないかなぁ……!?」

実況「ロコモーション式ジャーマン・スープレックスの恐ろしさっ……! これは半永久的に仕掛けられると言った点でありますっ! あ~っと、再びベガはガイの身体を引き起こしたっ! 背後を取っていますっ!」


ベガ「……そぉ~らっ! 邪魔だっ!」ドンッ

ガイ「……うおっ」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あっ、いやっ! 違いますかねっ!? ここでベガはクラッチを解き後ろからガイの背中を両手で突き飛ばしていくっ! 前方へと押したっ!」

元「まぁ、半永久的に続けれるって言っても流石に仕掛けていく方にもスタミナはあるからねっ!? う~ん、まぁ二発で済んだのは良かったんじゃないかなっ!?」

699: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:45:54 ID:ef1CIyOs
ベガ「フハハハーァ! スープでも飲んでろ、糞餓鬼がぁぁっ!」ズガアァ

ガイ「……ぐわああぁぁっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! ここで前方にガイの身体を突き飛ばしたベガっ……! しかしその無防備な背中っ……! 後頭部に大きく振りかぶった右の拳を打ち込んだぁ!」

元「……あ~、良かったと思ったら、それ以上に酷いのがきた」


ダン「てめぇ、ベガっ……! 拳は反則……」

ガイ「……う、うああっ」クラッ

ベガ「倒れるのはまだ早い……全て平らげてから……フハハハ、死ねっ! 」ガシッ


ブー ! ブーブー !

実況「後頭部に強烈な一撃を喰らいガイはガックリと前のめりにダウン……あっ、いやっ! ダウンさせない、ダウンさせないっ! ベガはダウンさせませんっ! そのガイの頭部を掴みましたっ!」

元「あ~っ、これはなんだろうな……? エンジンかかってきてるのかなぁ~!?」

700: 名無しさん 2016/10/16(日) 22:53:22 ID:ef1CIyOs
ベガ「崩れるのは早い……崩れるのは早いぞぉ……!? フハハ、そこにもたれ掛かっておけぇっ!」ブンッ

ガイ「……ぐおっ」ドガッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「おぉ~っと、ベガは目の前にあったコーナーっ……! ガイの身体をクルリ反転させながらそこに押し込んでいくっ! コーナーにガイの身体を押し込みましたっ!」

元「う~んっ……!」


ベガ「ハーッハッハっ……! 次はパンだっ……! 残さず平らげろっ……!」ズガァ

ガイ「……おぐふっ!」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、そして再び拳っ……! またも拳ですっ! 下から顎を振り抜くように打ち込んでいき……あ~っと、アッパーカット気味に打ち込んでいったぁ!」

元「おいおいおいっ……! ちょっとちょっとちょっとぉ……!」

実況「あ~っとっ! コーナーポストのガイの身体がその勢いで浮き上がるっ!」

701: 名無しさん 2016/10/16(日) 23:01:14 ID:ef1CIyOs
ダン「だから拳はっ……! 拳はダメだってのっ! オイ、聞いてんのかっ!?」

ベガ「さぁ、いよいよメインディッシュだ……お楽しみの時間だ……」ガシッ

ガイ「う、ううっ……」


ブー ! ブーブー !

実況「これにはレフェリーも警告をしているが……あ~っ! ベガは聞く耳持たずっ……! 聞く耳持たずですっ! それどころか、コーナーマットへとた折れ込んでいるガイに組かかっているっ! ガイの頭部を自身の脇下へと押し込むっ!」

元「あの位置で……って事は、これ狙ってるねぇ!?」


ベガ「フハハハ、バカとザコとゴミとクズは高い所がお似合いだっ……! そぉ~らよっとっ!」ググッ

ガイ「……う、ううっ」


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~っと、ベガはブレーンバスターの要領でガイの身体を持ち上げ、そしてコーナーポストの上へと置いたぁ! あ~っと、これはこれはっ……!」

元「……雪崩式攻撃だねぇ!?」

702: 名無しさん 2016/10/16(日) 23:12:46 ID:ef1CIyOs
ガーイ ! レッツーゴー ! ガーイ ! ガーイ !

ベガ「さぁさぁ、いくぞいくぞいくぞォ……!? 準備はいいなァ……!?」ガスガス

ガイ「あっ……ああっ……」グラッ


ガーイ ! レッツーゴー、ガーイ ! ガーイ !

実況「あっ、いやっ……! 待って下さいっ!? コーナーポスト上にガイ身体を乗せはしたベガではありますが……自身はコーナーポストには昇ってはいきませんっ! ガイの頭部を脇下に抱えたまま一歩後退っ! 二歩後退っ!」

元「……んっ?」

実況「これは何か別の事を狙っているのでしょうかねぇ!? あ~っと、ベガが後退する事によってコーナーポスト上のガイの身体が前のめりに……前のめりになっていくっ!」


ベガ「ハーッハッハァっ! これこそがメインディッシュだっ……! 落ちろぉぉっ!」グググッ

ガイ「う、うおおっ……あっ、ああっ……!」ズルッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ、違うっ……! ベガはガイの頭部を脇下に抱え込んだまま、勢い良く後方へと倒れ込むっ……! コーナーポストのガイはその勢いで前のめりにっ……! あ~っ、そのまま前のめりにっ……!」

元「……うおおぉぉいっ!」


ベガ「虫を殺すのにこれ以上最適な技はないだろうっ……! ハーッハッハっ!」

ガイ「……だ、だぐがああぁぁっ!」ズドーンッ


アー ! アーアー !

実況「落ちたぁぁっ! コーナーポスト上から真っ逆さまにっ……! そして脳天からっ……! ガイがマットへと突き刺さっていくっ!」

元「おいおい、急角度だぞっ……!?」

実況「雪崩式のDDTでしょうかっ!? 雪崩式のDDTでしょうかっ!? 下から傾斜をつけ……角度をつけ……! あ~っと、ベガは高い位置から急角度で落としていったぁ! 急角度でガイを脳天からマットに突き刺したぁ!」

703: 名無しさん 2016/10/16(日) 23:19:40 ID:ef1CIyOs
ガイ「ガッ、ガッ……ガガッ、ガッ……アッ、ガッ……!」バタバタ

ダン「バ、バカ野郎っ……! なんて角度で落としやがるっ……! マジで死んじまうぞっ……!?」

ベガ「……デザートだ」ムクッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「急角度でマットに突き刺さったガイは……あ~っと、首でしょうかっ!? 首を押さえて悶えていますっ! あ~っと、これには急いでレフェリーが駆け寄ってきましたっ!」

元「……おいおいおいおいっ!」

実況「ベガはそんなガイの姿を確認する事もなく……あ~っと、立ち上がり目の前にあるコーナーポストへと昇っていくっ! セカンドロープまで昇ったっ!」


ベガ「フフフハハハハ……フフフハハハハハっ……! これが崇高なる王者と、カスの挑戦者の格の差というものだぁっ!」スーッ

ダン「ガイっ……! ガイっ……! おい大丈夫か、しっかりしろっ……!」

ガイ「ガ、ガガッ……アッ、ガッ……」


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っ、そしてベガは場内へと向かって仕留めたと言わんばかりに首を掻っ切るポーズを見せていきますっ!」

元「……ちっくしょうっ!」

実況「そしてそのベガの後ろっ……! 後方ではレフェリーがガイの安否を確認しているっ! ベガは優々とアピールを続けているっ!」

704: 名無しさん 2016/10/16(日) 23:25:02 ID:ef1CIyOs
ダン「ガイっ、もういいっ……! 止めろっ……! 止めるんだ、棄権しろっ……!」

ガイ「ガ、ガガッ……ま、まだスリーカウントもギブアップも取られてないでござるっ……! う、ううっ……」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ! いや、待って下さいっ……! この状況でガイが動いたっ! 動いた動いたっ! あ~っと、動きましたよっ!?」

元「お、おおっ!?」

実況「頭部に強烈な強烈な一撃を喰らったガイではありまたがっ……! 立ち上がろうとしていますっ! なんとなんと、ここで立ち上がろうとしていますっ!」


ベガ「そうだそうだ。そうでなくては困る……貴様はフルコースで葬ってやると宣言したからな、フフハハハ……」クルッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ、待って下さいっ……! 待って下さいっ……! しかしここで、コーナー昇って場内方向を向いていたベガが、その位置で身体の向き変えて……反転させてっ……! リング内を向きますっ! ガイの方を振り向きますっ!」

元「あ~っ……! お~いっ……!」


ベガ「デザートはあくまで口直しだ……まだ肉料理が残っているかな……フハハハ……」グイッ


アー ! アーアー !

実況「ベガはそのままセカンドロープからトップロープへ……コーナーポスト最上段まで昇っていきますっ! そしてガイを見ているっ! ガイを見ているっ!」

元「……あの距離はベガ君の距離だっ!」

705: 名無しさん 2016/10/16(日) 23:30:04 ID:ef1CIyOs
ベガ(最高の芸術である……我ながら最高に下品で、そして醜い芸術だと思う……)


アー ! アーアー !

実況「コーナーポスト上でベガが腕を組んだっ……! 両腕をガッシリ組んだっ! これはやはりっ……!」

元「カウンター……は、無理かっ!? なら、逃げろっ……! 前に逃げろっ……!」


ベガ(忍者らしく……忍者のお前の……怒濤のフルコース……こういったラッシュを期待しているぞ……試合の中で終わりはまだまだだという事を感じとるがいい……)

ガイ(サラダ……? パン……? メインディッシュ……? ううっ……)ムクッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「ガイはフラフラと立ち上がってくるが……背後のベガの事は見えてはいないのかっ!? 気づいてはいないのかっ!?」

元「後ろだっ……! 後ろだ、後ろ後ろっ……!」


ベガ「それではこれが完全な止めだっ……! 死ねええぇぇっ!」シュタッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~っと、ここでベガがっ……! 前のめりの体勢のガイに向かってコーナーポスト最上段から飛び込んでいったぁ!」

元「ああぁぁっ!」

706: 名無しさん 2016/10/16(日) 23:35:05 ID:ef1CIyOs
ベガ「その頭をもう一度だああぁぁっ……! ハーッハッハっ!」ズガアァ

ガイ「ガッ……! がぐあああぁぁっ……!」バターン


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、ここで炸裂ゥゥ! 前のめりの体勢のガイの頭部をっ……! 飛び込んでいったベガが両足で踏みつけていったぁ!」

元「うああっ……ダイビング・ヘッドプレス……」

実況「ここでベガが繰り出してきたぁぁっ! ダイビング・ヘッドプレスですっ! ダイビング・ヘッドプレスですっ! 先程打ち付けていった頭部にまた一撃ィィ! あ~っと、これによりガイは崩れたぁ! 飛び込んでいったベガも崩れたぁ!」


ベガ「さぁ、終わりだ。おい、そこのお前……カウントをとれ……」ガバッ

ガイ「あっ……ああっ……」ゴロンッ

ダン「く、くそっ……! わかったよっ……!」


アー、アーアー

実況「あ~っと、そしてうつ伏せにダウンしたガイの身体をベガは反転させて仰向けにして、その上に覆い被さりますっ! フォールに入りましたっ! フォールに入りましたっ! あ~っと、レフェリーが今やってきてカウントを数え始めますっ……!」

元「くそっ……! 返せ返せ返せっ……! 返せっ……!」

707: 名無しさん 2016/10/16(日) 23:40:05 ID:ef1CIyOs
ダン「ワンっ……!」

ガーイ ! ガーイ !

ダン「ツーっ……!」

ガーイ ! ガーイ !

ダン「……スリ」

ガイ「……終わらないでござるよっ!」ガバッ

ベガ「……なんだと?」


オー !? オーオー !?

ダン「カウントはツーだっ! ツーカウントっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


実況「肩が上がりましたっ……! ガイの肩がっ……! ガイの肩が肩が肩がっ……! ここで上がりましたよっ!?」

元「うおおおぉっ! なんだぁ!? よっしゃあっ!」

実況「決まってしまったかと思われたこの場面っ……! ガイの肩が上がりましたっ! レフェリーの立てている指も二本っ! 間違いなく二本っ……! カーウント2.9だぁっ! カーウント2.99でガイの肩が上がっていったぁ!」

726: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:00:40 ID:1oT9pivk
ガイ「う、ううっ……まだだっ……! まだ終わりではないっ……!」ブルブル

ベガ「おいおい、冗談だろ……? 何故このカスの肩が上がるんだ。死んだはずだろ……?」ムクッ


ワー、ワーワー

実況「ベガの怒濤の猛攻っ……! 猛攻ではありましたが、肩が上がったっ! 肩が上がったぁっ! ガーイの肩が上がっていくゥゥ!」

元「気力だよ、気力っ……! 気力で返してきたんだよっ!」

実況「まだガイには気力は残っているゥゥ! これはチャンスなんだっ……! 下馬評を覆し、この試合に勝利する事はガイにとっての大きな大きなチャーンスっ! ならば立ち上がるっ……! ならばガイは立ち上がるっ……! その燃えるような赤い衣装は伊達ではなァァいっ!」


ベガ「ただのカスだろっ……!? こいつはただのカスのはずだっ……! 何故返せるのだっ……!? 何故死なんのだっ……!?」ムクッ

ガイ「くっ、くっ……うおぉっ……!」ブルブル


ガーイ ! ガーイ ! レッツゴー ! ガーイ !

実況「ベガも完全に決めにいったのでしょうが……底力を見せられたぁっ! おぉ~っと、ベガは焦っているのでしょうかっ!? 表情から驚きが見えますよ、元さんっ!?」

元「そうだねぇっ! 完全に決めにいってたからねっ!? でもこれでチャンスはまた来たよっ!?」

727: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:06:08 ID:1oT9pivk
ガイ「はぁっ、はぁっ……あ、ああっ……ううっ……」ムクッ


ガーイ ! ガーイ ! レッツゴー、ガーイ !

実況「そしてガイが立ち上がってきましたっ! 立ち上がってきましたっ! あっとっ……! しかしこれはガイっ……! 立ち上がったのはいいものの……首筋を押さえていますかね!? 首筋を押さえて……やはりダメージ自体は大きそうだっ!」

元「あらっ!?」


ガイ「はぁっ、はぁっ……ううっ……ああっ……」クラッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてフラついたっ! 立ち上がったのはいいものの……ガイはフラついたっ!? 足にも力は入っていないのかっ!?」

元「あ~、ちょっと首にキツいダメージ貰ってるからねぇ……!?」


ベガ「フン、なんだなんだ。もう虫の息ではないか……カスにも最後の底意地というものがあったのだなっ!? フハハハっ!」ニタァ


実況「そんなガイの様子を見てベガは邪悪な笑みを浮かべるっ!」

元「くっ……くぅぅぅっ……!」

728: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:12:11 ID:1oT9pivk
ベガ「よぉぉし、ここで一つチャンスをお前に与えよう……選択肢は二つだっ……!」

ガイ「う、ううっ……」ヨロッ


ガーイ ! ガンバレー ! ガーイ !

実況「あ~っと、そしてベガは近づいていきますっ……! 立ち上がる事だけで精一杯のガイへと向かって近づいていくっ!」


ベガ「一つ目の選択肢は、今すぐ自らそこに倒れ私に敗戦する事だ……そうすれば、とりとめた命は失わずに済む……非常にクレバーな選択肢だ……」

ガイ「ううっ、ううっ……」

ベガ「そして二つ目の選択肢。こちらを選んだ場合、貴様は敗戦だけではなく、そのとりとめた命すら失ってしまう事になってしまうが……まぁ、一応聞こう。私の怒りを買ってしまう無駄な足掻きを続け……」

ガイ「……だりゃああぁぁっ!」ドガッ

ベガ「……んっ?」

729: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:20:07 ID:1oT9pivk
アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、ここでガイはベガの胸元へとエルボーを打ち込んでいきますが……あ~っ! 見るからに力のないっ……! 力のないエルボーと言った所でしょうかっ!?」

元「ああっ……!」


ベガ「……ほぉ~う」ニタァ

ガイ「はぁっ、はぁっ……だぁっ……! うっ、ああっ……だぁっ……!」ガスガス


ガーイ ! ガーイ !

実況「さぁ、ガイはベガの胸元へと最後の抵抗と言わんばかりにエルボーを打ち込んでいくがっ……! あ~っと、これは力のないエルボーっ! 見るからに力のないエルボーっ!」

元「最後とか言っちゃ……まだわかんないよっ! ま~だ、わかんないっ!」


ベガ「フハハっ! どうやら貴様は頭の悪い選択肢を選んだようだなぁ!? よろしいっ……! ならば殺してやろうっ……! フゥゥンっ!」ドスッ

ガイ「……ガッ!」ガクッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! ここでベガが打ち込んでくるっ……! 大きく上げた拳を降り下ろしガイの首筋でしょうかっ……!? 首筋でしょうかっ!?」

元「あ~っ、また首だっ!」

実況「上から降り下ろしていくハンマーパンチを再びガイの首へと打ち込んでいったぁ! ガイは大きく前のめりの体制となるっ!」

730: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:28:31 ID:1oT9pivk
ベガ「……ジ・エンドだぁっ! ハーッハッハっ!」ガシッ

ガイ「……グガッ」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、そしてここでベガっ……! 前のめりになったガイの頭部を脇下へと押し込み、そして頭部っ……! 首筋に腕を回し、締め付けていくっ! 締め付けていくっ!」

元「……って事はギブアップ狙いかっ!? フロントチョークだっ!」

実況「ここでフロントチョークっ! フロントチョークっ! 完全にベガはその首へと狙いを定めたかっ!?」


ベガ「試合の中で痛めつけてやってたからなぁ……!? その首っ……! そして命っ……! 全て終わらせてやろうっ……!」ギリギリ

ガイ「ガッ……ガガッ……!」ガクッ


アー ! ガーイ ! アーアー !

実況「ベガは正面から頸椎っ……! ガイの首を容赦なく絞りあげていくっ……! あ~っと、ここでガイが肩膝をついたっ! 身体から力が抜け……肩膝をついてしまったかっ!?」

元「……あ~っ!」

731: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:34:05 ID:1oT9pivk
ダン「おいっ、ガイっ……! どうすんだ、ギブアップかっ……!? ギブアップするのかっ……!?」

ベガ「確認など必要ないぞ、レフェリーよっ……! 何故ならこいつはここで死ぬからだぁっ! 殺すと私は決めたのだぁっ!」ギリギリ


ガーイ ! ガーイ !

実況「さぁ、レフェリーがガイに確認を取りますっ!? 非常に非常にこれはマズい状況ではありませんかねぇ!?」

元「力も抜けてるし……見るからに首に集中して攻撃を受けてたからねぇ……!? これはこれは……う~んっ……!」


ガイ(与えられた選択肢は二つ……抵抗せずに終わるか……抵抗してそれ以上の反撃を受けて終わるか……その二つ……)ググッ

ベガ「……んっ?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~、ガイの腕がダランと垂れ……あっとっ! 待って下さいっ!? ここでガイっ!? 踏ん張ったか、踏ん張ったかっ!? 肩膝をつきかけていた足を踏ん張って身体に力を入れたかっ!?」

元「……おぉっ!?」

732: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:39:30 ID:1oT9pivk
ガイ(俺の中にはっ……! 少なくても今ここに立っている俺の中にはっ……!)ガシッ

ダン「おいおい、マジで潰す気でやってるんじゃねぇだろうなぁ……!? それならレフェリーストップも……んっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「更にガイは掴んだっ! 正面で捉えているベガの腰回りに腕を回すっ! 掴みかかっていくっ!」

元「よぉ~しっ! ここで見せてこいっ……!」


ガイ(勝利するという意思っ……! どんなに格上の相手だろうが、本気で勝つ気で向かっていく意思が必要なんだっ……! だから、あそこで終りじゃないんだっ……! ここでも終わりじゃないんだっ……! まだ魅せなきゃいけないんだよぉぉっ!)ググッ

ベガ「……う、うおっ!」


オー ! オーオー !

実況「そしてガイっ……! その正面のベガの身体を抱えあげていきますっ! 抱え上げていきますよっ!?」

元「そうだっ! いけぇっ!」

733: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:49:53 ID:1oT9pivk
ガイ「悪党が戯言をっ……! 拙者は勝利の為にこの場に来たのだっ……! でりゃああぁぁっ……!」

ベガ「う、うおっ……! くっ……!」ズドーン


オー ! オーオー !

実況「そしてそのままベガの身体を後方へと反り投げていったぁ! 再び息を吹き替えしてきたぁ! フロント・スープレックスですっ! フロント・スープレックスで切り返していったぁ!」

元「いよぉ~しっ!」


ガイ「はぁっ、はぁっ……勝つ……! 勝つ……! 勝つ……! 勝つんだぁっ……! ううっ、くっ……!」ムクッ

ベガ「くぅぅっ……! とことん生意気な奴だなっ……!」ムクッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~っとっ……! しかし切り返していったガイではあるがっ……! やはりダメージは深そうだっ! 首筋を押さえているっ!」

元「おいおいおいおいっ……! しっかりしろっ!」

実況「それどころか、ベガっ……! ベガが立ち上がってくるっ……! ここは仕掛けられたベガより、仕掛けていったガイの方がダメージが深そうな状況っ! やはり先程の猛攻が効いているのかっ!?」

734: 名無しさん 2016/10/18(火) 22:56:12 ID:1oT9pivk
ガイ「ううっ……はぁっ、はぁっ……まだだっ……! まだだっ……!」フラフラ

ベガ「しかしこういった愚かな人間に絶望を与えてやるからこそ、シャドルーは光り輝くっ……! フン、再び耐えたようだが、無駄なのだっ……! 終わらせてやるぞっ……!」ズガズガ


ガーイ ! ガーイ !

実況「ガイは立ち上がったが首筋を押さえているっ! 押さえているっ! 動けないっ……! あ~っと、そんなガイにベガが向かっていくっ! ベガが笑みを浮かべ、背後から向かっていくっ!」

元「ダメージが深いのはわかるけど……ん~っ……! ん~っ……!」


ガイ「まだ拙者は全てを出しきってはいないっ……! でりゃああぁぁっ……!」グイッ

ベガ「……んっ?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ、いやっ! ここでガイが動いたっ! ガイが動いたっ! ガイは何やら身体を大きく右に捻ったっ!」

元「……おっ!?」


ガイ「……いやあぁぁぁっ!」ズガァ

ベガ「何っ……! ぐ、ぐどっ……!」クラッ


オー ! オーオー !

実況「大きく右に捻った身体を左に戻すと同時に勢いをつけてターンっ! それと同時に伸ばした左の腕っ……! 拳を遠心力をつけてベガにぶつけていくっ!」

元「いよぉ~しっ! この場面でよくぞ打ち込んだぁ!」

実況「遠心力をつけての裏拳っ! 裏拳をベガの側答部へと打ち込んでいったぁ! 背後にいるベガの気配を感じたっ! 殺気を感じたぁ! おぉ~っと、これはクリーンヒットしたのかっ!? ベガがフラついたぞっ!?」

735: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:08:21 ID:1oT9pivk
ガイ「はぁっ、はぁっ……ここからだっ……! ここからっ……! でりゃあぁ……!」バシバシ

ベガ「ゴフっ……! ゴフっ……!」


オー ! オーオー !

元「今一瞬ベガ君に気の緩みがあったんじゃないっ……!? そこに不意打ち気味に入ったよぉ!?」

実況「裏拳を打ち込みつつガイはターンっ! 180度ターンしてベガの方を向くっ! おぉ~っと、そして続けていくっ! 今度は右での裏拳っ! 近距離からスナップを聞かせるように、二発打ち込んでいくっ!」


ガイ「でやぁっ……! でやぁっ……!」ドスドス

ベガ「おぐっ……! おぐっ……!」


オー ! イイゾー ! ガーイ !

実況「更には左の中段突きィ……! 右でのエルボーっ……! ベガに打ち込んでいくっ!」

元「よぉ~し、よしよしっ……!」


ガイ「だああぁぁっ……! でやああぁぁっ……!」ズガァッ

ベガ「ぐ、ぐおっ……! チィっ、このっ……!」ヨロッ


オー ! イイゾー ! ガーイ !

実況「更には右の足を高く上げ……おぉ~っと、ここは回し蹴りだっ! 回し蹴りを顔面へと打ち込んでいくっ!」

736: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:16:55 ID:1oT9pivk
ベガ「フハハ、いいぞいいぞ、それでいい……一時の希望を持つがいい……最後に待っているのは絶望だっ……! だからこそ一時の希望に一喜一憂していろ……」ギロリ

ガイ「勝つんだっ……! 勝つんだっ……! 全てを出しきり、そして勝つっ……!」ササッ


ガーイ ! イケー ! ガーイ ! レッツゴー ! ガーイ !

元「いやっ、浅いっ……!」

実況「あ~っと、この回し蹴りは浅かったかっ!? 浅かったかっ!? ベガは耐えたっ! 堪えるっ……! いや、しかし動きは止まったぞっ!? ガイはそんなベガに視線を定めつつ少し後退っ……!」


ガイ「いやあぁぁぁっ……! だああぁっ!」シュタッ

ベガ「フハハハっ……! 来いっ……! 来いっ……!」


オー ! オーオー !

実況「あ~っとっ! 少し距離を取ったガイは……そこから飛び込んでいったぁ!」


ガイ「いやあぁぁぁっ……!」ズガァッ

ベガ「……おぐあぁぁぁっ!」バターン


オー ! オーオー !

実況「そして大きく大きく右足を突き出しながらの……飛び蹴りですっ! 飛び蹴りですっ! こぉ~れをベガに突き刺したぁ!」

元「いいよいいよいいよぉ!」

実況「これによりベガはダーウンっ! ベガはダウン、ダーウンっ! この場面でっ……! この場面でガイがベガからダウンを奪いましたっ!?」

737: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:23:46 ID:1oT9pivk
ガイ「はぁっ、はぁっ……形勢逆転でござる……はぁっ、はぁっ……ううっ……」フラッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「しかしダウンさせたのはいいものの……あ~っと、ガイはまたも首を押さえているかっ!? やはりはダメージは深刻なのかっ!?」

元「あ~っ! ちくしょうっ……!」

実況「せめて、この場面……フォールだけでもっ……! なんとかフォールだけでもいきたい場面ですよっ!?」


ガイ「……そしてここから勝利へ向かうでござるっ!」ググッ


オー ! イケー ! ガーイ !

実況「いやっ……! ここでガイが動いたっ! ここでガイが動いたっ! いいぞいいぞっ!」

元「そうだそうだっ……! 今は痛いとかっ……! そういう感覚は何処かで麻痺させておかないといけないっ!」


ガイ「……立てっ!」グイッ

ベガ「……うああっ」ググッ


オー ! イケイケ ! ガーイ ! レッツゴー ! ガーイ !

実況「さぁ、残すはフォールだけっ! ここでガイが痛みに耐え、ベガの身体に覆い被さ……あ~っ、いや違う違う違うっ! ガイはベガの身体を引き起こしていきますよっ!?」

元「落ち着けっ……! フォールにゃ、まだ早いっ……!」

738: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:29:03 ID:1oT9pivk
ガイ(最後に残された武器……それは小説の中に書いてあったっ……! 忍者が使う精神集中……! 厄除けっ……! 更には邪悪を切り裂く意味をも持つっ……!)ググッ


ガーイ ! イケー ! イケイケー !

元「ダウンさせたのはダウンさせたけど……ここでフォールにいっても、多分返してくるよっ! 焦るなっ!」

実況「あ~っ……! 確かにっ……! ここでツーカウントで返されてくるのは精神的にか~なり堪えるものがあるでしょうっ! おぉ~っと、ガイはベガの身体を引き起こし、そしてその頭部を股下に入れていくっ! ここはパワーボムの体勢かっ!?」

元「そうだっ! それでいいっ……! フォールにいくならそういう技を打ち込んでからだっ!」


ガイ「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前っ……!」パパッ


オー !? ナンダー !? オーオー !? ナンダナンダー !?

実況「おぉ~っと、そしてこれはガイもフィニッシュを狙いにいくと見て間違いなさそうだっ! 前屈みにしたベガの腰の上で……自身の腕っ……! いやっ、指を組み変え組み変えっ……!?」

元「念仏パワーボムだっ! いけぇっ!」


ガイ「相手を呪う、呪術の効果もあるっ……! これが忍者の必殺技っ……! 九字護身法パワーボムだあぁぁっ! でりゃああぁぁっ……!」グイッ

ベガ「お、おおっ……!」


オー ! オーオー ! イケー ! オーオー !

実況「さぁ、念仏は唱え終わったぁっ! さぁ、そしてここでガイっ……! ベガの腰に両腕を回しっ……! いったぁっ! そのまま頭上まで一気に抱え上げていったぁ!」

元「いよぉぉしっ!」

739: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:35:44 ID:1oT9pivk
ベガ「フフハハハっ……! これがお前の必殺技……最大の必殺技であるのであればっ……!」ググッ

ガイ「……えっ!?」

ベガ「私はこれを貰うワケにはいかんなぁっ! ハーッハッハァ! 死ねえぇっ!」グルンッ

ガイ「な、なんだとっ……! く、くそっ……ぐわああっ……!」ビターンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! いやしかし、ここでっ……! この場面で抱え上げられたベガがそのまま後転っ! ガイの頭部を両足で挟み込んだまま……バク宙の勢いでそのまま後転っ……!」

元「……嘘だろ、おい」

実況「ここはベガが切り返してくるっ……! 切り返してくるっ……! パワーボムで切り返してきた所を、瞬時にフランケンシュタイナーで切り返してきたぁ! マットに打ち付けられたのはベガっ……! ではなく、ガイっ……!」


アー !? アーアー !?

ガイ「ぐ、ぐああっ……く、首っ……!」ブルブル

ベガ「自分自身で必殺技という事は、それ相当の威力のある技の可能性もあるっ……! この私を一撃で沈める可能性も……0.1%程はあるかもしらん……フハハハ、そんな恐ろしい技は貰えんな。切り返していかないとな、フフハハハっ!」ムクッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~、そして再びっ……! 再びガイが頭からマットへと突き刺さったかっ……!? あ~っと、ガイは上体を起こし苦しそうに首を押さえていますっ! 一方ベガは立ち上がるっ!」

元「……パワーボムを一度見せちゃったのが、マズかったのかもしれない。フィニッシュでまた狙ってくる可能性があるって、ベガ君の脳裏にあったのかもしれない」

740: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:40:40 ID:1oT9pivk
ベガ「夢は見れたか……? しかし希望は潰えたぞ……? さぁ、ここからはお前にとっての絶望の時間だ、死ねぇぇっ!」スパーン

ガイ「……ぐわあああぁぁぁっ!」バターン


アー ! アーアー !

実況「あ~っ! そして立ち上がったベガが振り返りつつ上体を起こしているガイの首っ……! またも首ィィ! 打ち込んでいくっ! 蹴りを振り抜いていくっ!」

元「……徹底して首狙ってるよ」

実況「ガイの身体が軽く浮き上がり……あ~っと、そして落下っ……! ガイの悶えていますっ! 四つん這いの体勢で首を押さえ悶えていますっ!」


ベガ「まぁ、カス相手だったが……それなりには楽しめた試合だった……褒美に楽に殺してやろう。さぁ、立て……」グイッ

ガイ「うああっ……あぁっ、ああっ……」ググッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「あ~、ベガはそんなガイの背後から悠々と近づき……あ~っと、身体を反転させながら引き起こしていきますっ! あっと、ガイの身体がズルっと滑り落ちたかっ!? もうガイは殆ど自力では立てないっ!」

元「う~んっ……! ガイ君もかなり色んな感覚麻痺させてやってたと思うんだよっ……! そこが一気に……いや、でもまだっ……! まだっ……!」

741: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:45:02 ID:1oT9pivk
ベガ「……墓標を作ってやろう」ググッ

ガイ「……ううっ」


ガーイ ! ガーイ !

実況「ベガはそんな身体を無理矢理ボディスラムも体勢で抱え上げ……あ~っ、いやっ……! 身体を真っ逆さまにした所で持ち変えるっ! 同回りを抱き込むように抱え込んでいくっ!」

元「ちょっと待てよっ……! ここでも首いくのかよっ! もういいでしょ!?」


ベガ「フハハハっ……! それでは……死ねっ……!」ググッ


ガーイ ! ガーイ !

実況「ベガは左腕だけを離し、そして親指を下に向けるっ! 再びガイの胴回りを両腕で抱き込むっ!」


ベガ「……終わりだああぁぁっ!」ズドーンッ

ガイ「……がああぁぁぁっ!」バターン


アー ! アーアー !

実況「そ~してここでいったぁ! 脳天から再びガイをマットへと突き刺していったぁっ! ツームスト-ン・パイルドライバーですっ! ツームストーン・パイルドライバーですっ!」

元「……ああっ」


ベガ「フフハハハ。おい、そこのお前……終わりにしてやれ。ハハハハっ……!」

ダン「く、くそっ……! わかったよっ……!」


アー ! アーアー !

実況「ガイが脳天から突き刺さり、そして仰向けにマットへと落ちますっ……! あ~っ、ベガはそんなガイの身体に覆い被さるっ……! そして今、レフェリーがやってきましたっ! ここでフォールにいきますっ! ベガがフォールにいきますっ!」

元「……くそぉっ!」

742: 名無しさん 2016/10/18(火) 23:50:02 ID:1oT9pivk
ダン「ワンっ……!」

ガーイ ! ガーイ !

ダン「ツーっ……!」

ガーイ ! ガーイ !

ダン「……スリイィィィっ!」

ベガ「フハハハっ……! 当然だっ……! これは当然の結果なのだっ……!」

アー、アーアー

ダン「くっ、スリーカウントだっ……! スリーカウントっ……! ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉっ!」


カンカンカーン


アー、アーアー

実況「これはガイも返せないっ……! 返す事が出来ないっ……! ん~っ……! あ~っ……! ここで無念のスリーカウントが場内へと響いてしまいましたぁ!」

元「……くっそぉ!」

実況「この大一番の為にガイは準備をしてきましたっ……! 挑戦者として指名された日から、勝利の為にっ……! 勝利の為に模索してきましたっ! 気合いの表れのあの衣装っ……! 忍者のようなスピーディでトリッキーなファイトもあったっ!」

元「……そうだよ。ガイ君はこの大一番に向けて色々持ってきてたよ」

実況「しかし結果は無念っ……! なんという無念っ……! 忍者ガイ、死すっ……!」

755: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:00:38 ID:/jlpxw5o
ベガ「ハーッハッハっ……! 王者防衛だっ! これで王者防衛だ、どうだ見たかっ……!?」ムクッ


ブー、ブーブー

実況「ベガが立ち上がりますっ! 立ち上がっていますっ……! あっとそして大きく両腕を挙げたぁ!」

元「……なぁ~にを誇らしげに」


ベガ「虫ケラ共、勘違いするなよっ……! お前達は崇高なる王者の強さを目にしたのだっ……! 最高の王者の戦いを目にする事が出来たのだっ……!」ズガズガ


ブー、ブーブー

実況「場内からはそんなベガに対してブーイングが飛び交いますが……おぉ~っと、ベガは気にする素振りも見せずに、コーナーに向かっていくっ! そしてコーナーを昇っていくっ!」

元「……ちっくしょう」


ベガ「さぁ、称えろっ……! この崇高なる王者を称えろっ……! 最強の王者を称えろっ……!」ググッ


ブー ! ブーブー !

実況「コーナーポストに昇り場内に向かって両腕を挙げていくベガっ……! この瞬間、ベガの防衛記録数が一つ増えましたっ……! 防衛数が3となったぁ!」

元「都合のいい相手を用意して粋がってんじゃないよっ!」

実況「しかし場内から返ってくるのはブーイングっ! ブーイングの嵐でございますっ……! 認めたくないっ……! 認めたくない防衛記録だっ!」

756: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:06:10 ID:/jlpxw5o
ブー ! ブーブー !

ランチ「あ、あらあら……何だか凄い事になってますねぇ……?」キョロキョロ

天津飯「な、なんだなんだ……試合している最中からこういったのはあったが……試合が終われば一段と酷くなったぞ……」

餃子「うん」

ファッキュー、ベーガ ! ファッキュー、ベーガ !

ランチ「あっ、え~っと……なんて言ってるんでしょうか……? ふぁっきゅー、べーが……?」

天津飯「……まるでここにいる全ての人間があの王者の敗北を望んでいたようではないか」

ファッキュー、ベーガ !(パン、パン、パパパン) ファッキュー、ベーガ ! (パン、パン、パパパン)

ランチ「これは私達は一緒になって言った方がいいのでしょうか……? ふぁっきゅー、べーがって……」

天津飯「い、いやっ……! そ、それはやめておけっ……!」アセアセ

757: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:13:54 ID:/jlpxw5o
ーーー


リュウ「なぁ~にが、シングルに自信がないだよ。アレならいけるだろ……? なぁ……!?」

ガイル「結構ザンギエフ意識してやってる部分あるんじゃねぇのか、アレ……?」

リュウ「あ~、ロコモーションとか……後、ツームストーンっ! スープレックスもいけてるじゃん」

ガイル「強いて言うならガイは軽量級って所もあるけどな……おぉ~いっ! それより、ヤムチャっ!」

ヤムチャ「あっ、はいっ……! ガイルさんどうしましたっ!?」

ガイル「お前、聞いたよな……? メトロシティの連中、多分来てるぞ?」

ヤムチャ「あっ、やっぱりっ……! あれってメトロシティの人達ですよねぇ?」

ガイル「お前、少し気をつけた方がいいかもな。割り食うのはホークになるんだから」

ヤムチャ「あ~っ、そうですねぇ……はいはいはい……」

758: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:22:24 ID:/jlpxw5o
ケン「メトロシティの連中ってどういう事だよ? メトロシティってのは、お前らが遠征に行った所だよなぁ……?」

ガイル「試合中、ちょっと変わったコールあっただろ……? レッツゴー、ガーイってヤツ」

リュウ「あ~、あったあった。何かあったなぁ」

ガイル「あのコールってメトロシティで俺達が試合した時に連中がしてたコールなんだよ。メトロシティでのコールってああいう感じだったんだよ。だから多分メトロシティの連中が今日見に来たんだろうな」

ヤムチャ「……ツーピー君とかも見に来てくれてるのかなぁ?」

ケン「結構声援でかかったぜ……? じゃあ、団体さんで来てるのか?」

ガイル「まぁ、多分団体さんで来てるんだろなぁ。あの日、俺とヤムチャとコーディとガイで試合して……その時勝ったのがガイなんだよ」

リュウ「あ~、じゃあガイのファンみたいなものか」

759: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:29:07 ID:/jlpxw5o
ガイル「あの日試合に勝ったガイのファンになって応援に今日来た……そのままガイのファンで止まってくれれば、こっちには関係のない話だけどよぉ……? あの日、ガイとタッグ組んでたのがヤムチャだよ」

ケン「あぁ、そうか。お前あの時はガイとタッグだったよな」

ヤムチャ「はいはい、そうですそうです。俺はガイ君とタッグでした」

ガイル「だから、ひょっとしたらその流れのままヤムチャにもあのコール……俺達の試合の中でも、あのコールが巻き起こるかもしれねぇって事」

リュウ「レッツゴー、ヤムチャ……レッツゴー、ヤムチャ……なるほどなるほど」

ホーク「それが起こった時って、私はどうすればいいんですかね?」

ヤムチャ「あ~、そうですよね……ホークさんは、どうしましょうか……?」

ガイル「だから俺はそこを注意しろって言ってんだよ。でも、ホークに関しては気にせずやれとしか言えねぇよ」

ヤムチャ「ガイルさん……俺は……? 俺は、俺は……?」

ケン「おめぇはガンガン煽ってもいいんじゃねぇのか? 折角団体さんで来てるんだから、楽しませてやれよ」

ヤムチャ「え~、う~ん……う~ん……え~、ホークさん、大丈夫っすか?」アセアセ

ホーク「あ~、う~ん……」

760: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:36:05 ID:/jlpxw5o
ユン「でもガイルさんも行ったんでしょ? ならガイルさんにもレッツゴー、ガイルってコールが来るんじゃないんですか?」

ガイル「俺はあの日負けたんだよ……負けたのはコーディなんだけど、まぁ負けた方のタッグチームに属してたんだよ……それで試合が終わったらピエロもやったしなぁ……」

ユン「……んで?」

ガイル「ブーイングが来るような事はしてねぇとは思うんだけどなぁ……ただ……」

ユン「……ただ?」

ガイル(あ~ぁ、こりゃナッシュにも言われるよ、へへ……メトロシティに遠征に行ったのはいいが、声援貰えるような事何もしてねぇよ……何も結果残してねぇ……)

ユン「ただ、なんですよ?」

ガイル「わかんねぇ……俺に関してはどうなるかわかんねぇ……蓋を空けてみるまではわかんねぇんじゃねぇかな……?」

ユン「……ふ~ん」ムスッ

ガイル「……なんで不満気なんだよ、お前」

ユン「いや、だってこっちに来なかった場合、逆風じゃないですか」

761: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:46:48 ID:/jlpxw5o
ガイル(確かに逆風だよなぁ……逆風だよなぁ……)

ケン「お前は俺だよ。そこまで影響はねぇだろ?」

ユン「いや、チームとして……トータル力としてですよ!」

ガイル(後輩の為に先輩として……今日はジョバーだから程々に……そういう考え方を続けてきたせいで、一番大事な目の前のファンのハートを掴むって事が出来てねぇ……)

ケン「最初のヤムチャの時にちょっと騒いで終わりなんだろ……? そこまでではねぇよ」

ユン「う~んっ……! う~んっ……!」イライラ

ガイル(そこがこういう大一番で響いてくるんだなぁ……ちくしょう、何やってんだ俺はっ……!)

762: 名無しさん 2016/10/19(水) 22:55:11 ID:/jlpxw5o
---


ローズ「うんうん、ガイ君。いい試合だったよ。二度目のデビュー戦おめでとうっ!」パチパチ

春麗「……」ジーッ

ローズ「でもベガ君も……洗礼とは言え、ちょっとやりすぎなんじゃない……? あそこまでしなくても……んっ……?」

春麗「……」

ローズ「……ねぇ、険しい顔してどうしたの? あなた一番ガイ君の事応援してたんじゃないの? どうしたのよ、なんでそんな険しい顔してるの?」

春麗「ガイの話は後よ。緊急事態発生……アタシ達の試合の話をしましょう……」

ローズ「……緊急事態?」

春麗「さくら……来てるわよね……? メトロシティ……来てるわよね……?」

さくら「……来てますねぇ。間違いなく来てます」

763: 名無しさん 2016/10/19(水) 23:07:07 ID:/jlpxw5o
ローズ「メトロシティって、貴女がこの前遠征に行った……?」

春麗「うん、そこのファンが応援に来てるのよ。ちょっと変わった感じのコールがあったじゃない?」

ローズ「あぁ、あったわね。あったあった」

春麗「アレはメトロシティで聞いたわ。それでガイにあのコールが来たって事は、アタシにも来るはずだわ。アタシもあの日メトロシティで試合をしたからね」

ローズ「うんうん」

春麗「さくらにも来るわ。あの日の試合で勝ったのはアタシだけど、さくらも結果を残したんだから。メトロシティはさくらにも声援を送るわよ」

ローズ「あぁ、そうか。さくらちゃんも行ったもんね。あっ、じゃあっ……この中で行ってないのって……」

春麗「そう、アンタだけなのよ。アンタだけがメトロシティのハートに触れてないのよ」

764: 名無しさん 2016/10/19(水) 23:13:23 ID:/jlpxw5o
ローズ「ちょっと待ってぇ~、今日の主役は追加召集メンバーのアタシのハズでしょ~?」

春麗「だから緊急事態って言ってるのよ。今から試合展開を大幅に変更するなんてのは……」

さくら「無理っす、無理っす。今日は他団体っす」

ローズ「じゃあ、何……? 入場でインパクトをって事……?」

春麗「そうそう。主役のアンタの名前が呼ばれないってのは……ねっ……?」

ローズ「はいは~い、わかりました。でも二人共メトロシティのハートを掴めたんだ……? アタシはてっきり春麗だけがいい思いしたんじゃないかなって思ってたわ。春麗が自分さえ良ければそれでいい……みたいな考えをしたんじゃないかってね……?」クスクス

春麗「アタシはそこまで我儘じゃないわよっ……! 今だってこうやってアンタの事、気遣ってるでしょ」

さくら「あの日は春麗さんが、軽くヒールを演じてくれたんすよ。それが一番大きいっすよ」クスクス

ローズ「そんな事ないわよ~、春麗の力なんて1ミリもないわよ~。さくらちゃんはファンのハートを掴む術を知ってるわよ~」

春麗「……誤爆攻撃の準備とかしておこうかしら」

765: 名無しさん 2016/10/19(水) 23:39:18 ID:/jlpxw5o
---


ダルシム「いや~、無事に終わりました。ガイ君……やりましたね」

本田「せやな。あの九字護身法の指の動き練習しとったわ。ず~っとアレやっとった」

コーディ(一歩遅れた事……それがハッキリと形に出たのかもしれない……)

ダルシム「さぁ、コーディ君。次は君だぞ……?」

本田「せやでっ!? お前もガイに負けとったらアカンでぇ!?」

コーディ(もし俺がガイより一歩先を行っていれば、あの日のメトロシティでも試合に勝って……キャラチェンジにはメトロシティの人達が後押ししてくれて……今日みたいにこうなってたんだよ……)

ダルシム「ベガ君は次の防衛戦で君を指名する予定だ」

本田「そこでお前が学んできた事全てをババーンと見せたらんかいっ!」

コーディ(俺の時メトロシティの人達は来てくれるのか……? 俺、今日のガイと同じような王者戦出来るのか……?)

766: 名無しさん 2016/10/19(水) 23:39:53 ID:/jlpxw5o
今日はここまで

777: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:00:55 ID:j6NvtG36
ーーー


実況「さぁ、そしてベガの姿が消えていきましたっ! 勝ち名乗りを受けたベガは満足気にっ……! 実に満足気に退場していきましたっ! これでいいのかっ!? 王者政権というものはこれでいいのかっ!?」

元「……よくはありませんね」


ダン「おいっ、おいっ……! ガイっ……! ガイっ……! しっかりしろっ……! 大丈夫かっ……!?」

ガイ「……」


実況「ベガの姿が消えた事により、先程までブーイングは消え去りましたが……代わりに訪れたのは静寂っ……! 無慈悲な静寂の時間でございますっ!」

元「そうですね、はい。期待出来る場面なんかもあったからね……まぁ、その反動だ」

実況「ガイは大丈夫なのでしょうか。レフェリーが現在必死に声をかけています」

元「え~、大丈夫だといいんですが」

778: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:08:06 ID:j6NvtG36
ガイ「う、ううっ……」ムクッ

ダン「あっ……! お~、よかったよかった。動いた動いたっ……! よかったよかった……」


実況「あっ……! いや、動きましたかねっ……!? ガイの身体が今、動きましたかねっ……!?」

元「あ~、動いた動いた。よかったよかった」

実況「ガイは上体を起こし、そして立ち上がって……あ~、いやっ……!」


ガイ「……無念」チョコン

ダン「んっ、あっ……? なんだなんだ、どうした……?」


アー ? アーアー ?

実況「おっと、起き上がったガイはそのままリング中央に座すりました。そしてガックリと肩を落としています。この辺りはやはり無念を感じているという所でしょうかね……?」

元「まぁ、僕は頑張ったとは思うけど……そりゃ、当人からすれば無念の一言でしょう」

779: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:14:32 ID:j6NvtG36
実況「まぁ、確かにこの試合に勝利する事が出来れば、ベガの偽りの王者政権は崩壊し、そしてガイの腰にはベルトが巻かれ王者ですっ……! 王者ガイとして新たな時代を築く事が出来たのかもしれませんっ……!」

元「そうです」

実況「そしてその瞬間には、きっと大歓声に包まれる事となっていいたでしょうっ!」

元「……そうでしょうねぇ」

実況「しかし、これが現実っ……! これが現実ですっ……! ベルトは偽りの王者の腰へと巻かれたままっ……! そして静寂に包まれた場内っ……!」

元「……はい」

実況「勝利こそが栄光であり……勝利する事によって新たな時代の扉は開かれるっ……! 敗者には何も残りませんっ……! ご覧のありさまですっ……!」

元「でもまぁ、こういった悔しさがこれからの成長と言いますか……そうい所に繋がってくるんじゃないのかなっ?」

780: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:18:54 ID:j6NvtG36
ジェイク「……あ~、ちくしょう」

エルガド「俺達のガイはヒーローになれなかったっ……! くぅぅ~っ!」

エディ「なぁ~に言ってんだよ。チャンピオン相手によくやったじゃねぇか? 後一歩だったじゃねぇか……? なぁ、後一歩だったよなぁ……?」

ツーピー「あ~、そうっすよねぇ……だから最後のアレが決まってりゃ、わかんなかったかもしれないっすよね……?」

エディ「俺は健闘したと思うぞ……? アイツは大健闘だったよっ! なぁ~んか、落ち込んでるみたいだぞ……? お前ら、こういう時こそ何かやるべきなんじゃねぇの……?」

アクセル「そうだなそうだな。こういう時こそ……だよなっ!? 俺達のガイは健闘したじゃないかっ!? チャンピオン相手によくやったじゃないかっ!?」

ダグ「よしよし、いこういこう……せぇ~のっ!」

781: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:25:54 ID:j6NvtG36
ナイスファイト、ガーイ (パン、パン、パパパン)ナイスファイト、ガーイ(パン、パン、パパパン)

実況「さぁ、座するガイは今何を思うのか……あっ、しかしお待ち下さい……? ここで何やら場内から声がきましたねぇ……?」

元「んっ……? あっ……」


ナイスファイト、ガーイ (パン、パン、パパパン)ナイスファイト、ガーイ(パン、パン、パパパン)

ガイ(……ははは、またメトロシティか)チラッ


ナイスファイト、ガーイ (パン、パン、パパパン) ナイスファイト、ガーイ (パン、パン、パパパン)

実況「あ~、どうやら彼らはナイスファイトと……こうリング上で無念を感じているガイに向けて、声をかけているようですね?」

元「そうですね、うん。でも……うん、ナイスファイトだったよ」

782: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:31:44 ID:j6NvtG36
ナイスファイト、ガーイ (パン、パン、パパパン) ナイスファイト、ガーイ(パン、パン、パパパン)

天津飯「……おっと、今度はナイスファイトか」キョロキョロ

ランチ「あ~、そうですね。あちらの方も、もう少しの所でしたもんね……?」

天津飯「俺には結構、力の差があったように見えたがな……」

ランチ「え~っ、そうですか……? 後一歩だったじゃないですか……?」

天津飯「後一歩……後一歩……う~ん……餃子、お前はどう思う……?」

餃子「……天さんと同じ」

ナイスファイト、ガーイ (パン、パン、パパパン) ナイスファイト、ガーイ (パン、パン、パパパン)

ランチ「このナイスファイトというのは、私達もした方がいいんでしょうか……? ほら、周りの皆さんはしてます」キョロキョロ

天津飯「まぁ、これは別に構わないんじゃないか? ふぁっきゅーはあまりよくないがな」

783: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:41:14 ID:j6NvtG36
パチパチ……パチパチ……

実況「あ~っと、そして手拍子はやがて拍手へと変わり……あ~っと、そして場内に広がっていきますっ! 今、リング上に残されたガイに向かって、場内が拍手を送っています」

元「うん……うん、うん……」

実況「私、先程、敗者には何も残らないっ……! それは間違いでしたっ! 今、ここで訂正しましょうっ!」


ダン(あそこの客はなんなんだろなぁ~? ノリがわかってる悪い奴らじゃねぇんだよ。でも、なんだろなぁ、アレ……)

ガイ(ふう、よかった。メトロシティだけじゃなくて……会場全体からの拍手が貰えてよかった……)


パチパチ、パチパチ

実況「ガイは立ち向かっていったっ……! 可能性を信じてっ……! どんなに小さな可能性であろうども、可能性は零ではないっ……! 零ではないと勝利の望みを捨てずに本日の試合に立ち向かっていったのですっ……!」

元「その通りです」

実況「結果は無念なものではありましたがっ……! この場内の反応っ……! ここにいる多くのファンはその立ち向かっていく様っ……! 立ち向かっていく様は目にしたはずだっ……!」

784: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:47:42 ID:j6NvtG36
パチパチ、パチパチ

ガイ「……感謝するでござる」ペコッ


実況「無慈悲な無惨な敗北ではございませんっ! この温かい拍手っ……! 新たな次世代の可能性に期待するような場内の拍手っ……! ガイにはこれが残りましたっ!」

元「そうですね、はい」

実況「おぉ~っと、おっとここでガイは立ち上がってそんな場内に向けて礼を始めましたかね?」


ガーイ、オシカッタゾー

ガイ「……はい」ペコッ


実況「あっと、場内からは惜しかったという事が聞こえましたかね? ガイはリング四方に向けて礼を続けます」

元「うんうん、惜しかった惜しかった」

785: 名無しさん 2016/10/21(金) 22:53:37 ID:j6NvtG36
ガーイ、ヨカッタゾー

ガイ「……はい」ペコッ


実況「よかったと言う声が聞こえますっ……! 場内からはよかったと言う声が聞こえますっ!」

元「でも、本当そうだよ。だってこれ以前の王者戦……サガット君やバルログ戦との試合なんかは、とてもじゃないけど『試合』と呼べるものではなかったじゃん?」

実況「はいはいはい、その通りですねぇ!?」

元「でも今日の試合はさぁ……? まぁ、結果はアレだったけど……試合だったよっ! 今までの誰も得しないような試合未満のものじゃなかったよ。試合を見に来てくれた人達の為に……今日は試合と呼べるものを見せる事が出来たんだよっ!」

実況「その通りです。全くもってその通りでございますよ、元さんっ!」

元「この辺はもうガイ君の頑張りなんじゃないかなぁ!?」

786: 名無しさん 2016/10/21(金) 23:00:04 ID:j6NvtG36
モーーーイッカイ、チョーーセンシローー !!

ガイ「んっ……? フフフフ……はい……」ペコッ


モーーイッカイダーー ! モーーイッカイーーー!

実況「おぉ~っと、会場からは野太い声が聞こえてくるっ!」

元「ははは、やけに声が通る人がいるじゃない?」

実況「もう一回挑戦しろっ……! もう一回挑戦状との声が響きますっ!」


クスクス……クスクス……

ダン「試合に負けたからって別にペナルティがあるわけじゃねぇ。10回でも、100回でも、1000回でも挑戦する事は可能性だ……こういう声がある限りはな……?」

ガイ「初めての挑戦は見るも無惨な敗戦……くそっ! でも、ここからなんだっ!」ニカッ


クスクス……クスクス……

元「でもね……? 僕はここで終わりではないと思う。もう一度挑戦する所は僕も見たいよ」

実況「さぁ、四方に一礼をしていったガイが顔を上げ……あっと、どうだっ!? これはガイにも少し表情が戻ってきたのではないでしょうかっ!?」

787: 名無しさん 2016/10/21(金) 23:07:10 ID:j6NvtG36
ダン「本日の第三試合、ガイ選手対ベガ選手の試合勝者はベガ選手ではありますが……惜しくも破れてしまったっ……! 健闘を見せてくれたガイ選手に、皆様もう一度熱い拍手をお送り下さいっ……!」

ガイ「再び精進して、この舞台に戻ってくるでござるっ……! その時は必ずっ……!」


パチパチ、パチパチ

実況「さぁ、レフェリーが再び大きく叫んだっ! ガイもまた深い一礼をしたっ! あ~っと、そしてガイが退場していきますっ! 退場していきますっ!」

元「まだまだ皆、君の事を応援しているよ」

実況「そうですっ! 拍手に包まれながらガイは退場していきますっ! あっと、声も聞こえるっ! おっと、退場していくガイに付近のファンも何やら言っていますっ!」

元「うん」

実況「退場口でガイは振り返りまた一礼っ……! あっと、そして退場していきましたっ! 」

788: 名無しさん 2016/10/21(金) 23:13:33 ID:j6NvtG36
実況「……さぁ、元さん。終わってしまいましたねぇ?」

元「そうだねぇ、うん」

実況「まぁ、ベガの王者政権は崩壊する事なく継続……そこは残念な結果となってしまいましたがねぇ。まぁまぁ、その辺りも含めて少し試合を振り返ってみましょうか?」

元「う~ん、そうだね。でもヨイショするわけじゃないんだけど……やっぱり、ガイ君は予想以上に健闘してたと僕は思う。うんうん」

実況「そうですねぇ!? ガイもこの大一番に向けての秘策みたいな物を持って来て……あのロープを……」

元「あ~あ~あ~、ソコは……いいじゃん……? ソコはもういいじゃん?」

実況「……おっと?」

元「まぁ、その辺に関しては試合中僕達も結構盛り上がってたしさ……? あんまり同じ話を繰り返すのもよくないと思うから、ちょっと違った着眼点から話してみようか?」

実況「……おっと、それは元さん特有の鋭い着眼点という所ですね?」

789: 名無しさん 2016/10/21(金) 23:19:54 ID:j6NvtG36
元「そこまで鋭いワケでもないんだけどね。でもまぁ、今回の試合って……ベガ君の立場からしたら凄く楽な試合だと思うんだ」

実況「ほうほう」

元「それで実際……それって表情に出てたの。試合が始まる前……だから入場が終わった直後ぐらいかな~? そのベガ君の表情って、凄く余裕が感じられてたんだよ」

実況「はいはいはいっ!」

元「それで、実際試合が始まってもベガ君はそんな感じだったよ。やっぱり、余裕を持って試合に望んでたと言いますかね……?」

実況「こうなんでしょうかね……? 格の差を見せつける……とでも言えばいいでしょうか?」

元「そうかもね。そんな感じかもしれないね。でもね……試合が進むにつれて、そのベガ君の余裕とでも言えばいいかなぁ……? いつの間にか消えてた」

実況「……おぉ~っと」

790: 名無しさん 2016/10/21(金) 23:24:48 ID:j6NvtG36
元「結構、最後の方はガーンガンいってたじゃない?」

実況「あ~、確かにっ……! そう言われてみれば、そういう感じもしまねぇ……!?」

元「僕はこういった部分が出ないまま敗戦する結果というものも、実は想像してたんだ。一方的になぶられる……なぶり殺しにされるような展開すら、実は想像してた」

実況「……暗殺拳かの如くですねぇ!?」

元「暗殺拳は関係ねぇってのっ……! でも実際、試合展開はそうならなかった。だからこの辺りが僕は予想以上に善戦してるなと思ったワケなんだよ」

実況「はいはい」

元「王者のベガ君は楽に防衛数を増やしていきたいワケなんでしょ……? でも今日の彼のファイト……それは望んでいた楽なファイトであるかって事だよ」

791: 名無しさん 2016/10/21(金) 23:30:53 ID:j6NvtG36
実況「あ~、確かに確かにっ……! その辺りを考えてみるとベガの思惑通りに事は進んでいなかったのでしょうか!?」

元「まぁまぁまぁ、結論から言えば、ベルトは防衛したし思惑通りって言えば思惑通りなんだけどね?」

実況「……あ~、確かに!」

元「だから、まぁガイ君の秘策……みたいな事に驚かされた部分もあったけど、僕はベガ君だね……ベガ君の焦り……う~ん、焦りなのかなぁ~?」

実況「はいはいはいっ!」

元「そういう事を思ったからこそ、僕は予想以上に善戦しているなぁと思ったワケだよ。ただ、その結果ベガ君が首にえげつない攻撃をねぇ……」

実況「だから、その辺りも……勝因・敗因に関わってくるのではないでしょうか……? その~、首にあれだけのダメージを蓄積されると……」

元「あ~、確かに確かに……それも一つの要因だね。だからあの辺がまた別の形だったらもう一歩ぐらいね……う~ん……」

800: 名無しさん 2016/10/22(土) 22:00:41 ID:o2PYgibQ
エディ「ゲヘヘヘ。まぁ、ああやってチャンピオン目指して切磋琢磨するっつうのは、いいもんだなっ!? おめぇらも男だったら、夢をこ~うビッグに持ってなぁ……若いウチだけなんだぞっ!? そういう風に考えれるのはよぉ!?」

ツーピー「……ヘイヘイ」

エディ「夢にときめけ……明日にきらめけ……なんつってなっ!? おいおい、今俺いい台詞言ったんじゃねぇの……!? なぁ、いい台詞だよなぁ!?」

ツーピー「まぁ、いい台詞ではありますが……俺その台詞、漫画で見た事ありますよ? え~っと、野球のヤツでした」

エディ「なんだよなんだよ。知ってんのかよ、この野郎……まぁいいや。それで試合は誰だったっけ……?」

ツーピー「次は春麗さんとさくらさんの試合じゃないっすか」

エディ「お~、そうかそうかそうか……じゃあ、次もアレか? 俺達メトロシティのヒーロー達ってワケだな」

ツーピー「まぁ、女の人だからヒーローじゃなくて、ヒロインって感じっすかね?」

801: 名無しさん 2016/10/22(土) 22:07:48 ID:o2PYgibQ
アクセル「俺と春麗さんは知らない仲じゃないからなっ! まぁ、言わば友達以上恋人未満って所だなっ! まぁ、ここは一つ親衛隊長として張り切って応援していこうかなっ!」

ジェイク「ちょっと待て、ケンシロウっ……! お前、それどういう事だっ……!?」

エルガド「友達以上恋人未満だとっ……!? おいおいおい、それってどういう事だっ……!? どういう事だっ……!?」

アクセル「ハハハ、そいつは詳しく教えられねぇな。ただ、一つだけ言えるのは……春麗さんは俺の想いを全てたいらげてくれたって所かな……? フッ、いい女だったぜ……」

ジェイク「な、な、な、なんだとっ……!?」

エルガド「想いを全てたいらげただと……!?」ワナワナ

ダグ「あのね、違うよ……? こいつの出店の所でラーメン食っていっただけだよ。こいつ滅茶苦茶誇張して言ってるよ?」

アクセル「……なぁ、ダグ。そういう事言うのはやめないかな? そういう風に現実に引き戻すのって、俺良くない事だと思う」

ジェイク「なんだよ、ビビらせんなよ。なぁ~にが親衛隊長だ。ラーメン食っていっただけなのかよ」

エルガド「店員と客の関係は友達以上恋人未満の関係なのか……? 違ぇよ、バーカっ! 友達未満だよ、友達未満っ……! バーカっ!」

802: 名無しさん 2016/10/22(土) 22:18:29 ID:o2PYgibQ
アクセル「そこはわかんないって言ってるだろがっ……! 案外覚えててくれるかもしんないぞ……? あの時の美味しいラーメン屋のクールで格好いい店員さん……みたいな感じでさ!?」

ジェイク「ないない、バーカ。ないよないよ、バーカバーカ」

アクセル「試合中、こ~う目が合ったりなんかしちゃってね……? まぁ、あの時の店員来てくれたの!? な~んて、思うんだな。だからね、俺はとにかく大きな声を出して春麗さんに気づいてもらおうかな~って思ってるんだよ」

エルガド「俺達はダルシムさんとスパーリングをさせてもらったんだよ。って事は、ダグだけか……? そういうのがないのって」

ダグ「いいや、そんな事ねぇよ。俺の所は春麗さんは来なかったけど、さくらさんは来たよ」

エルガド「えっ、えっ……? マジでマジで……? さくらさん、いいじゃんっ!? さくらさんいいじゃんっ!」

ダグ「でも一枚型抜きで遊んでいっただけだから、覚えてないよ。絶対俺の事なんて覚えてないよ。だって、ず~っと型抜きしてたんだぜ……? 下向いてさ」

エルガド「あ~、そうか~。型抜きだもんな」

803: 名無しさん 2016/10/22(土) 22:31:53 ID:o2PYgibQ
ダグ「でも、さくらさんは可能性薄いけど、ヤムチャさんっ……! ヤムチャさんは可能性はあるんだよ」

エルガド「えっ、何々……? 可能性って何……?」

ダグ「ヤムチャさんは、まぁちょっと喋ったよ。ちょっとだけ喋る事が出来たから、ひょっとしたらまだ記憶に残ってるかもしれないっ! だから、覚えててくれたら嬉しいな~って感じだな!」

エルガド「でもつい先日の話だろ……!? それはまだ、覚えてるんじゃねぇのっ!?」

ダグ「だから、型抜きだからね? やってる方はず~っと下向いてるから。俺も頭頂部しか見てないような感じだったしさぁ……?」

エルガド「あ~、そうかそうか……覚えててくれたら、そういうのって嬉しいよなぁ~?」


エディ「フッフッフッフ、クズ共が自分の事を覚えて貰えているかもだなんて淡い期待を持ちよって……実に浅ましいのう、ツーピー……?」

ツーピー「全くもってその通りっすね!」

804: 名無しさん 2016/10/22(土) 22:43:37 ID:o2PYgibQ
ダグ「……ん、なんだ?」

エディ「はっきり言ってやろうっ……! アクセル、ダグっ……! いくら、自分の出店で飯を食った、遊んだのしてくれても、所詮お前らはただの店員だっ! お前らの事など、春麗さんもさくらさんもヤムチャさんも覚えててくれないわ、馬鹿者めっ!」

アクセル「それはわかんないじゃないですか!? 案外覚えてくれてる可能性だって……」

エディ「じゃあ、お前出てくるのか……? 数週間前に飯食った店の店員の顔っ……! 鮮明に出てくるのか? 出てこないだろ、そんなもん」

アクセル「それは、う~ん……それは……」

エディ「お前らの事など記憶の片隅にも覚えていないわ、馬鹿者め。彼らが覚えているのはただ二人……それは、あの日警備員であったこのエディ様とっ……!」ビシッ

ツーピー「あの日、案内役であった……このツーピーっすっ!」ビシッ

805: 名無しさん 2016/10/22(土) 22:49:44 ID:o2PYgibQ
ダグ「いや、待って下さいよ。まぁ、ツーピーはわかりますよ。ツーピーは案内役でず~っと付きっきりでしたからね。そりゃ流石に覚えてもらえてますよ。そこは否定しませんよ」

ツーピー「俺、控え室でおしゃべりとかしたからねっ!」

ダグ「でも、エディさんは別に……警備員でしょ……? リングと控え室ずっと見張ってただけじゃないですか。だったら俺達と似たようなみんでしょう。エディさんも殆ど店員みたいなもんですよ」

エディ「……俺、たこ焼き買ってもらっちゃったもんね~」

ダグ「……えっ?」

エディ「だからお前の言ってる、さくらさんとヤムチャさんだな!? あの二人はお前の場合、ちょっと遊んで帰っていっただけだろ……? だけど俺の場合は違うんだよ。たこ焼きの差し入れくれたんだよ」

ダグ「えっ、マジっすか……?」

エディ「警備、御苦労様で~す。お疲れ様で~す。なんて言って、たこ焼き奢ってくれたんだよ。お前ら、自分が飯奢った相手だとか、ゼニー貸した相手の顔っつうのは絶対に忘れねぇだろっ!?」

アクセル「……あぁ、確かにそれは忘れないな」

ジェイク「……確かに。うん、確かに」

エディ「つまり、あの二人は例え警備員であろうども……この俺様の事を完全に覚えてるってワケだっ! ゲヘヘヘ!」

806: 名無しさん 2016/10/22(土) 22:55:46 ID:o2PYgibQ
エディ「だから、そういう助平な事を考えても、無駄っつう事だなっ! 綺麗なお姉さん達が出てくるからって、必要以上にはしゃぐのは格好悪いぞぉ~?」

ダグ「別に俺は純粋に応援したいだけで、そういう事は考えてないっすけどね。ケンシロウはどうだかわかりませんけど」

アクセル「嗚呼、嗚呼……そうか……俺はチップを求めればよかったんだ……チップを求めれば、春麗さんは俺の事を忘れなかった……それに、懐も温かくなり一石二鳥っ……!」

エルガド「……それは悪い感じで印象を残す事にもなるんじゃないのかなぁ?」

エディ「おいおい、アクセル、アクセル……そんな調子で春麗さんとさくらさんの応援出来んのか~?」ニヤニヤ

ツーピー「それとローズさんって人もいますからね。ローズさんって人の応援もしないと」

エディ「えっ、ちょっと待て……ローズって何だ……? ローズって」

ツーピー「だから、次の試合は春麗さん・ローズさん・さくらさん対レインボーミカさん・まことさん・ミスXさんの試合でしょ?」

エディ「うあっ……!? なんだなんだ、そんなにいっぱい出てくるのか……? えっ何、ミスX……? 何だ、ソレ。そいつ変な名前してやがんなぁ……?」

ツーピー「ミスXは名前じゃないですよ! だから鰯ヶ浜女子初
プロレスの……」

エディ「そこは知ってる、そこは知ってる。鰯ヶ浜女子プロレスと対決なんだ」

807: 名無しさん 2016/10/22(土) 23:07:15 ID:o2PYgibQ
ダン「さぁ、続いて第四試合っ……! 第四試合は女子選手による3対3の6人タッグマッチでございますっ!」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、いよいよ第四試合が行われようとしていますっ! 引き続き実況は私、そして解説は……」

元「元です。よろしくお願いします」

実況「この二人でお送りしていきたいと思います。さて、元さん……?」

元「はい」

実況「早速なんですが……この試合、注目するべきポイントは、この対戦カードに書かれている……しかし、書かれていないこの存在……」

元「ミスXの存在ですね」

実況「そうです。鰯ヶ浜女子プロレスが連れてきたまた新たなる刺客……ミスXの存在っ……! ここがやはり今から気になって仕方がありません」

823: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:00:49 ID:oRM3DCfI
ダン「先ずはストリートプロレスからっ……! 春麗選手、ローズ選手、さくら選手の入場ですっ!」


オー ! オーオー !

実況「しかし、相手が誰だろうと問題はなぁいっ! 先ずはストリートプロレス側からの美しさと強さを兼ね備えた女戦士達の名がコールされたっ!」


春麗「さぁ、いくわよっ!」

ローズ「任せておきなさいっ!」

さくら「……よしっ!」


オー ! オーオー !

実況「本日のこの一戦っ……! ストリートプロレス側からはローズっ……! さくらっ……! 更には女子王者春麗っ……! この三人が試合に望みますっ!」

元「はい」

824: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:05:59 ID:oRM3DCfI
チュンリー ! チュンリー ! サクラー ! チュンリー !

ローズ(あらあら、本当に春麗の声が多いわね。こういうのは本気でムカつくわ)


実況「鰯ヶ浜女子プロレスとのこの一戦に、我らが女子王者の春麗自らが出陣ですっ!」

元「まぁこっちの王者らしい、いいファイトを期待したいもんだね!」


ローズ「さぁさぁ、今回は正当な試合として、鰯ヶ浜女子プロレスとやらせてもらうわよっ! 二度目の敗北を教えてあげるわ!」ササッ

さくら(女は三歩下がって男を立てる……なぁ~んつってね。この人も女っすけど)スッ


実況「春麗だけではありませんっ……! さぁ、先陣を切って歩くのはローズっ! ローズを先頭として、その背後に並んでの春麗とさくらっ! 今、リングに向かっています!」

元「そうです。春麗選手だけじゃありませんよ。おっと、ローズ君は気合いが入ってるねぇ?」

825: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:10:38 ID:oRM3DCfI
実況「まぁ、それもそうでしょうっ! なんと言ってもこのローズっ! つい先日、鰯ヶ浜女子プロレスの王者であるレインボー・ミカから特別試合で勝利をもぎ取っているんですからっ!」

元「かりん君とのタッグの時ですね。アレでね……やっぱり僕はこのストリートプロレスに立ち込まっていた暗雲がパーっと晴れたような気がするね」

実況「あのレインボー・ミカから勝利をもぎ取ると言う事は、それだけ意味のあった事なのでしょうかっ!?」

元「そりゃそうですよ。だって、向こうのナンバーワン……大将なんですから。そこから勝利をもぎ取るという事が、どれだけ価値のある事か。これはストリートプロレスにとって勢いがつく事ですよ」

実況「はいはい、なるほどなるほどっ!」

元「このね、大将から勝利をもぎ取った事実というのが大きい……だって、大将なんだよ? ナンバーワンなんだよ?」

826: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:16:49 ID:oRM3DCfI
ローズ「ミスX……どんな馬の骨が来ようと問題ないわ。レインボー・ミカと同じようにお姉さんが可愛がってあげる!」ササッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、先陣を切って歩いていたローズっ……! 今エプロンサイドへと昇り、リングインですっ! 先ずはローズがリングインっ!」

元「今日、ミスXって選手がここにやってくるんだけれども……それって、よくよく考えたらレインボー・ミカ君より格上の選手がやってくるって事って絶対ないんだよ。だってレインボー・ミカ君は向こうの団体のナンバーワンで、それ以上の存在はいないからね……?」

実況「あ~、確かにっ……! なるほどなるほどっ……!」


ローズ「今日の主役は春麗でもないわ。レインボー・ミカでも、得体の知れないミスXでもないのっ……!」ズガズガ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、真っ先にリングへと上がっていったローズは、おっと今度はそのままコーナーポストの方へと向かっていきますかね?」

元「だから様子を見るにあたって、ローズ君はその辺をよくわかってるんじゃないかな……? うん、やっぱり自信に満ち溢れてるよ」

827: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:24:09 ID:oRM3DCfI
ビューティ、チュンリー (パン、パン、パパパン)ビューティ、チュンリー (パン、パン、パパパン)

春麗(あっ、聞こえた聞こえた……言ってる言ってる……え~っと、声の出所は何処かしら……?)チラッ

ローズ「春麗じゃないわよ~! 主役はローズよ~っ!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「そしてローズはセカンドロープに足をかけコーナーへと昇り、おぉ~っと、両腕を大きく広げ胸をつきだしていくっ! 豊満なバストが強調されるっ! THE・セェェクシィィ!」

元「早速、君の悪い癖が出てるよ。こ~んな大一番の時にそういう事を言うのはやめておきなさい」


ビューティ、チュンリー (パン、パン、パパパン) ビューティ、チュンリー (パン、パンパパパン)

春麗(え~っと、声の出所はあっちかしら……?)チラッ

さくら(……あっちの方にいるんすかね?)チラッ


実況「失礼しましたァ! さぁ、そして遅れて春麗とさくら今リングインっ! さぁさぁ、これでストリートプロレスの美しき女選手達がリングに出揃いましたっ!」

828: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:29:55 ID:oRM3DCfI
ローズ(もう、まだ続けるの……? メトロシティってしつこいわね~。春麗なんて、おばさんよ……? おばさんなんだからね)ズガズガ


ワー、ワーワー

実況「おっと、ここでローズがコーナーポストから降りますっ! おぉ~っと、いやっ……! 今度はローズっ! 別方向のコーナーポストへと近づいていくっ! そして、セカンドロープに足をかけ昇っていきますっ!」


ローズ(声はこっちの方から聞こえるわね……!? じゃあ、そっちに向かって……ほら、アタシの名前を呼びなさいっ!)ググッ


オー ! オーオー !

実況「コーナーポストに昇ったローズは再び場内に向けて両腕を大きく広げ、胸を突き出していくっ! 再び、THE・セェェクシィィっ!」

元「……やめなさいっての」

829: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:34:26 ID:oRM3DCfI
プリティ、サクラ (パン、パン、パパパン) プリティ、サクラ (パン、パン、パパパン)

ローズ(ちょっと待ちないよ、冗談じゃないわよっ……! なぁ~んで、さくらちゃんの名前呼ぶのよっ!? アタシでしょ、ア・タ・シっ!)

さくら(いや~、ははは……ここまで来ると申し訳ないっす……ただ、言ってるのは、あの一角だけだし……う~ん……)

春麗(何処よ、何処何処……え~……いたっ……! いた、アソコねっ……! ツーピー、発見っ……!)

ローズ(言っておくけどねぇ……!? うちの団体で一番美人でセクシーなのはアタシなのよっ……! ア・タ・シっ!)ササッ


実況「さぁ、ローズもコーナーポストから降りたっ! いやっ、今度はローズっ……! そのままリング中央に向かっていくっ!」

元「おっと」


春麗(ツーピー、あんた違うでしょっ! ローズに注目しなさい、ローズにっ……! これだけ動き回ってるんだから、わかるでしょ、もうっ!)クイクイ

830: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:42:21 ID:oRM3DCfI
ジェイク「プリティ、さくらっ!」

エルガド「イエーイっ!」パン、パン、パパパン

ジェイク「プリティ、さくらっ!」

エルガド「よぉぉいしょ~っ!」パン、パン、パパパン

アクセル「おい、おいっ……! 春麗さんがこっち見てるぞっ……!? 俺達に気づいたんじゃねぇのっ!?」

ダグ「お~、本当だ本当だ。見てる見てる……んっ、でも指で何かしてるな……?」

エディ「……あのさっきから動き回ってる姉ちゃんの事、指差してるみたいだな? あっちを見ろってか?」

ツーピー「そうっすね。あっ、何だ何だ何だっ……!? おっ、おっ、おっ……!?」

ジェイク「おっ、何だぁ……!? アレ……アレ、見てみろよっ!?」

エルガド「お~、お~、何だ何だっ!?」

831: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:48:31 ID:oRM3DCfI
ローズ「はっ……! はっ……! んん~っ……! たっ、はっ……!」クイクイ

さくら(……よし、自分もダメ押しだっ!)


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてそしてここでローズがリング中央で……妖艶にっ……! 妖艶に舞い始めましたっ!」

元「お~ 、乗ってるねぇ。非常に乗ってます」


春麗「アタシばかり見てるんじゃないわよ。ほらほら、やってるわよ……やってるわよ……!」クイクイ

さくら「今日はレインボー・ミカを打ち破ったローズさんの勢いに乗っていきますよ~っ! こっちの新対抗戦メンバーは見ての通り、乗りに乗ってますっ!」パンパン


オー ! ローズ ! イケー ! ガンバレヨー !

実況「リング中央で舞うローズっ……! さぁ、そしてさくらも大きく手を打ち鳴らすっ……! 春麗は……おっと、見ているっ……! リング中央で舞うローズを何処か嬉しそうな表情で見ているっ!」

元「まぁ、春麗君にとっても頼もしい存在なんでしょう。こういう仲間が存在するって事は、自分自身も勢いづいてくるからね」

832: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:54:34 ID:oRM3DCfI
セクシー、ローズ (パン、パン、パパパン) セクシー、ローズ (パン、パン、パパパン)

ローズ(も~う、ようやく来たわ……これ以上はないわよ、も~う……)ピタッ


ローズ、ローズ、ローズ、ローズ

実況「さぁ、そしてローズが動きを止めたぁ! さぁ、会場からはローズの名が呼ばれていますねぇ!?」

元「まぁ、でもこれを見て、こちら側……ストリートプロレス側の考えと言うか……そういうのがわかってきたね」


ローズ「も~う、アンタ達、メトロシティで何してきたの……?      とかしてきたんじゃない……? 試合前から、大忙し」パンッ

春麗「……普通にしてきただけよ。とにかく、お疲れ様」パンッ

さくら(あ~あ、楽しいなぁ……)


実況「さぁ、ローズは春麗へと近づき、そしてハイタッチっ! そして三人揃い、自軍コーナーの方へと向かっていきます」

元「前回、レインボー・ミカ君から勝利を奪ったローズ君……まぁ、ここの勢いを筆頭に乗っていこうという事じゃないかな?」

833: 名無しさん 2016/10/24(月) 22:59:31 ID:oRM3DCfI
実況「なるほどっ……! 女子王者の春麗中心ではなく、ローズだと!?」

元「そうですね。ミスXの事ばかり注目されていますが、ローズ君だってねぇ……? 新たな対抗戦メンバーなんだから。ここでミスXなんかに話題を取られてちゃ面白くないでしょ?」


さくら(こうやって、春麗さんとローズさん……三人揃って連携ってのはなかなかないっすからねぇ……人数少ない女子部は二人がいい所だもん……)


実況「確かにそうですよねぇ……!? ミスXの事ばかりではなく、ローズにも注目してていただかないと、これ我々ストリートプロレス側としても面白くはありませんっ……!」

元「だからね、こういったアピールと言うのは、ローズ君個人ではなくて、ストリートプロレス側からのアピールかもしれないね?」


さくら(頼りになる春麗さんとローズさんと……うんっ、やっぱり人数が多いって楽しいやっ! 面接も楽しみだなぁ~!)


実況「なるほどっ……! だからこ~う、春麗も何処か嬉しそうな表情をしていたと!?」

元「そうですね」

834: 名無しさん 2016/10/24(月) 23:04:45 ID:oRM3DCfI
さくら「今日は三人でガッツリ連携とって頑張っていきましょうっ! エイ、エイ、オーっ!」ググッ

春麗「……何、そのかけ声?」ケラケラ

ローズ「ちょっと、疲れたわ……今、そういう気分じゃないの……」

さくら「ちょっとちょっとっ……! な、な、なぁ~!?」


ワー、ワーワー

実況「新対抗戦メンバーローズっ……! そして王者春麗っ……! そしてさくらも忘れてはいけませんっ! さくらも積極的に二人に話しかけていますっ! 盛り立てていきますっ!」

元「そうですね。さくら君もいますからね」


ダン「それでは続きまして、鰯ヶ浜女子プロレスからっ……! レインボー・ミカ選手、まこと選手、ミスXの入場ですっ!」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、そして続いて今度は鰯ヶ浜女子プロレスからっ……! レインボー・ミカっ! まことっ! そしてミスXの名がコールされましたっ!」

元「はい、いよいよですねぇ」

実況「さぁさぁ、ミスXの正体とはっ……!? 会場全体が登場口を凝視するっ! 勿論、ストリートプロレスの春麗、ローズ、さくらっ! 三人もその登場口を見つめるっ!」

835: 名無しさん 2016/10/24(月) 23:09:13 ID:oRM3DCfI
ミカ「うっしうっし、先日の礼……キッチリカッチリ返させてもらいにきたぜぇ!? まことも気合いいれてけよ、オォイっ!」スッ

まこと「……んだっ!」スッ


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、そして登場口から鰯ヶ浜女子プロレスの選手が姿を現しますが……おっと、しかしっ! 出てきたのはレインボー・ミカとまことの二人っ! おっと、ミスXはまだ姿を現さないっ……! まだ現さないっ……!」

元「……焦らしてくるねぇ!?」


ミカ「今日はお前ら糞    共を纏めてぶっ潰す為に、スペシャルな仲間を連れてきてやったからなぁ!? さぁさぁ、呼ぶぜ呼ぶぜっ……! ミィィス、エェェクスっ!」ググッ

まこと「……来とおせっ!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、そしてレインボー・ミカとまことっ……! おぉ~っと、揃って登場口に向かって大きく腕を上げたぁっ!」

元「さぁさぁ、ど~んな奴だっ!?」

836: 名無しさん 2016/10/24(月) 23:16:07 ID:oRM3DCfI
ナデシコ「ミカ……あなたの怒りは、あたしの怒り……あなたの借りは、あたしの借り……さぁさぁ、糞    達を共にぶっ潰しましょうっ……!」スッ


オー !? オーオー !?

実況「そして登場口から姿を現したミスXっ……! その正体っ……! その正体は、おぉ~っと白を赤レオタードコスチュームの……」

元「大和・ナデシコ君かぁ……」


ミカ「ヘッ、ナデシコがここに来たって事は、前みたいなまぐれ勝ちの可能性が完全に零になったって事だっ……! てめぇらには地獄を見る事しか残されてねぇっ……! それじゃあ、いくぞぉぉぉっ……! おおおぉぉっ……!」

まこと「ボンバアアァァ!」

ナデシコ「ボンバアアァァ!」

ミカ「ボンバアアァァ!」


オー、オーオー

実況「どうやらミスXの正体は、大和・ナデシコっ……! 大和・ナデシコ選手でしたっ! さぁ、ミカっ……! まことっ……! 更には、大和・ナデシコっ……! 揃って腕を大きく挙げ叫んでいきますっ!」

元「なるほどねぇ、なるほどねぇ……大和・ナデシコ君……うんうん、なるほどなるほど……大和・ナデシコ君……」

837: 名無しさん 2016/10/24(月) 23:21:44 ID:oRM3DCfI
ミカ「さぁ、いくぞっ……! 勿論、アタシが先頭だっ……! ついてこいっ……!」ズガズガ

ナデシコ「さぁ、いきましょう」ズガズガ

まこと「んん~っ……! ふぅ……ふぅ……」ズガズガ


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、そしてレインボー・ミカを先頭に、ミスX・大和・ナデシコっ! まことと続き、鰯ヶ浜女子プロレスの選手達が今、リングへと向かっていきますっ!」

元「そうかそうか、大和・ナデシコ君……う~ん、そうかぁ……」

実況「さぁ、元さんっ……!? 先程から少しばかり唸ってらっしゃるようではありますが……どうされましたっ!?」

元「そうか、ミスXの正体は大和・ナデシコ君ですか……これはね……? 鰯ヶ浜女子プロレス、非常に厄介な強敵を引き連れてきました」

実況「何をおっしゃってるんですか、元さん!? そりゃ勿論、対抗戦に出てくる選手なんだったら、それなりの実力を持ってはいるんでしょうが……それでも、レインボー・ミカ以上の実力者はいないはずです。それは我々先程お話したでは……」

元「違うんだよ、違うんだよ……そういう事を言ってるんじゃない……」

実況「……んっ?」

838: 名無しさん 2016/10/24(月) 23:26:47 ID:oRM3DCfI
元「この大和・ナデシコ君……まぁ、わかりやすく説明すると、リュウ君にとってのケン君……」

実況「……ほう」

元「ガイル君にとってのナッシュ君……そういう選手なんですよ」

実況「え~っと、それはつまり……」

元「単体でのリュウ君、ガイル君は実力者ではありますが、そこにケン君やナッシュ君が加わりチームとなる事で……」

実況「まぁ、より力が発揮される事になりますねぇ!?」

元「だから大和・ナデシコ君ってのはそういう選手なんだ。え~、鰯ヶ浜女子プロレスの方でも、レインボー・ミカ君とタッグを組んで結果を残してるって試合が非常に多い」

実況「あ~っと、はいはいはいっ!」

元「どんな強敵を連れてくるか……って事じゃなかったっ! 先ずは、脇を固めてきたよ。だから、ほらほら……今の彼女達の入場も先頭を切って歩いてるのって、ミカ君でしょ?」

実況「はいはいはいっ!」

元「だからあくまでリーダーはミカ君なんだよ。ミカ君以上の存在を連れてくるって事じゃなかったんだ。ミカ君の力が最大限に発揮される為に必要な選手……そこを持って来たワケだっ!」

848: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:00:43 ID:gxdjJ/Mg
ミカ「よぉぉぉしゃっ、いくぜぇっ! 鰯ヶ浜女子プロレスの真の恐ろしさを糞たっれ共の身体に叩き込んでやろうっ……!」ササッ

ナデシコ「ええ、いきましょうっ……!」ササッ

まこと「ん~っ……! うちもやるがでっ……!」ササッ


オー、オーオー

元「あ~あ~、そうかそうか。なる程……なる程なる程、そうかそうか……」

実況「さぁ、レインボー・ミカを先頭に、今鰯ヶ浜女子プロレスの選手達がサードロープ下から滑り込むようにリングインしましたっ! おぉ~っとおっと、元さんどうされましたっ!?」

元「だからね……え~、ローズ君とミカ君の試合だねっ! これはローズ君達が勝利をしたんですが……あれ、タッグマッチだったでしょ!? 二体二のタッグマッチだったでしょ!?」

実況「はいはい、ローズ・かりん組対レインボーミカ・ララ組の試合でしたねぇ!?」

元「それであの試合って言うのは、ローズ君一人の力で勝った試合ってよりも、二人のチーム力……ローズ君とかりん君とのコンビネーションがあったからこそ、ああいう試合……我々ストリートプロレス側の勝利。鰯ヶ浜女子プロレスの敗戦となった試合だと思うんだよ」

実況「はいはいはいっ……! ローズとかりん……この二人は非常にいいコンビネーションをしていますよねぇ?」

849: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:07:03 ID:gxdjJ/Mg
元「だからこそ、ナデシコ君なんだよっ! ミカ君にとってのベストパートナーである、ナデシコ君を今日引き連れてきたワケだ」

実況「あぁ、なる程なる程っ! こちら側も同じようにコンビネーション……ん~っ、チーム力と言いますか、そこを増幅させる事の出来る選手を連れてくれば、ググっと勝率は高くなってくると!?」

元「そうそうそうそう。だからナデシコ君なんだ。だからこの辺はミカ君の状況判断力と言いますか……やっぱり自分達が敗戦した要素……そういうのを的確に掴んで、それを補う事の用意してきましたねぇ……?」

実況「あ~っと、なる程……あ~っと、そして今日の試合はかりんは不参加ですっ! それでは前回、ローズとかりんで勝利したのが大きな要因だとするならば……この辺りは……?」

元「う~ん……そうかそうか。かりん君は不参加だよね。う~ん、影響はあるのかもしれない……」

850: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:16:39 ID:gxdjJ/Mg
ローズ「えっ、この娘がミスXの正体……? ねぇねぇ、誰よ誰よ。この娘、誰よ……?」ズガズガ


オー ? オーオー ?

実況「え~、元さんは少し不安を抱えているようではありますが……しかし、リング上の選手達はさほど気にしていないと言いますか……特にローズですね! おっと、ここで鰯ヶ浜女子プロレスの選手達へと近づいていくっ!」

元「まぁまぁまぁ、そりゃリング上の選手達には自信持っててもらわないと困るんだけどね」


ローズ「ど~んな相手が出てくるかと思いきや……えっ、誰この子っ!? レインボー・ミカは聞いた事あるけれども……この娘は知らな~いっ! 聞いた事もなぁ~いっ!」ガバッ

ナデシコ「……フン」


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、それどころかローズはやってきたミスXっ……! 大和・ナデシコに向けて腕を大きく大きく広げ、少しばかり挑発していくっ! これは非常に強気な態度でございますっ!」

元「まぁまぁ、そうだね。リングに上がってる選手からすれば、僕みたいにこうやって色々心配しているより、あぁいう強気な態度の方がいいのかもしれない……」

851: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:24:06 ID:gxdjJ/Mg
ランチ「あらあらあら、これは女性選手の試合ですかね?」

天津飯「どうやら、そうみたいだな」

ランチ「あらあらあら、女性なのに凄いですね~」

天津飯「何を言っている。戦いの世界に入ってしまえば、そこには男も女も、そういう境界線はない」

ランチ「でもね、私今宅配のアルバイトしていますけど、よく言われたりするんですよ? 『お姉ちゃん、女なのに頑張ってて偉いね~』な~んて」

天津飯「……そうなのか」

ランチ「それで、夏の暑い時には麦茶なんかもご馳走して下さって……フフ、皆さん優しくして下さいます」ニコニコ

天津飯(あ~、こっちのランチはこんなに真面目だって言うのに、どうしてくしゃみをすれば……くしゃみ一つでああなってしまうんだっ……!)

餃子「……あっ!」

天津飯「んっ……? 餃子、どうした?」

ランチ「……あら?」

852: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:33:38 ID:gxdjJ/Mg
ナデシコ「大和・ナデシコだっ……! お前達にとって忘れられない名になるだろうっ……!」バッチーンッ

ローズ「くあっ……! 痛っ……!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、しかしそんなローズに対してナデシコはビンタだぁ! ビンタだビンタだぁ! おぉ~っと、強烈なビンタを頬へと見舞っていくっ!」

元「おいおいおいおいっ……!」


春麗「ちょっとっ……! アイツっ……!」

さくら「あ~っ、何やって……」

ダン「おいおいおい。そこのお前、そこのお前っ……! そ~いうのはまだ早いぞっ……!? まだ早いぞっ……!?」

ミカ「……先手必勝だこんにゃろおおぉっ! ま~こと、いくぞおぉぉっ!」ダダッ

まこと「りょ、了解ぜよっ……!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「おぉ~っと、強烈なビンタを貰いローズは少々……あ~っ、いやっ! そしてミカとまことも続き突っ込んできたぞぉ!?」

853: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:38:52 ID:gxdjJ/Mg
ミカ「それじゃあ、喰らってろおぉぉっ! ボオォォンっ!」ドガァッ

春麗「……うぐっ!」ドテッ


実況「ミカは春麗に突っ込み、右腕を振っていくっ! 首筋に打ち込んでいくラリアットっ!」


まこと「……チェストオオォォォっ!」ドスッ

さくら「……あぐっ!」フラッ


実況「まことはさくらへと突っ込んでいき、正拳突きかっ……? 正拳突きかっ!?」

元「正拳突きですねぇ」


ナデシコ「ミカが世話になったみたいだな……? 今度はこっちがその礼をしてあげるわっ! ったああぁぁっ……!」ガスッ

ローズ「あっ、あっ……きゃあっ……!」バターンッ


実況「そしてナデシコっ……! ナデシコはその場跳びでのドロップキックっ! おぉ~っと、ドロップキックを打ち込んでいくっ! まだゴングも鳴ってはいないっ……! これは鰯ヶ浜女子プロレス側の奇襲攻撃と言った所かっ!?」

元「う~んっ……! いきなり仕掛けてきたかっ!?」

854: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:44:42 ID:gxdjJ/Mg
ブー、ブーブー

ダン「あ~っ……! だから、なんでっ……! くっそっ、鰯ヶ浜女子プロレスの教育ってのはどうなってんだオイっ!」キョロキョロ


ブー、ブーブー

ミカ「おいおい、ボサっと倒れてんじゃねぇぞ、ブスがっ……! とっとと立ちやがれっ! そんでもって場外へと落ちやがれ、うぅるあっ!」ググッ

春麗「……チィっ」ボトッ

ナデシコ「フフ、アタシの大好きな場外戦からスタートだ。そしてお前を完膚なきまで……あっ、これじゃ夜叉撫子か……」ググッ

ローズ「……何言ってるのよ?」ボトッ

まこと(ううっ、早速こじゃんとのブーイングじゃ……ううっ……)ググッ

さくら「く、くそっ……!」ボトッ


ブー、ブーブー

実況「奇襲攻撃を仕掛けていった鰯ヶ浜女子プロレスサイドっ……! あ~っと、しかしまだ続けていくっ! それぞれダウンさせた相手を引き起こし……あ~っと、そして今度はロープ際へと押し込んでいくっ! あ~、更に場外へとその身体を落としていくっ!」

元「おっとおっと、いきなりの場外戦……」

実況「え~、春麗は西側っ……! さくらは北側っ……! そしてローズは東側へと落とされたっ……! そして更にそれぞれ追いかけていきますっ! あ~っと、場外へと追いかけていきますっ!」

855: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:49:15 ID:gxdjJ/Mg
ダン「あ~っ、ちくしょうっ……! とりあえず、ゴングを鳴らせゴングをよぉ!? とりあえず、試合開始だっ!」


カーン


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてここでゴングっ……! これは試合開始の合図でしょうかっ!? ここでゴングが鳴らされましたが、現在全選手が場外にいますっ!」

元「あ~っと、ちょっと荒れたスタートになりましたかねぇ!?」


ミカ「オラオラ、くたばってろっ……! 春麗さんよぉ……!?」ググッ

春麗「くっ、くああぁっ……!」ガッシャーン


チュンリー ! チュンリー !

実況「あ~、春麗は……鉄柵にその身体をぶつけられたかっ!? あ~っと、金属音が鳴り響くっ!」

856: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:53:35 ID:gxdjJ/Mg
ナデシコ「なんで私が場外戦を望んだかわかるっ……!? それは、あなた達がリングに上がるだけの資格がないからなのよっ……!」ゲシゲシ

ローズ「……くっ、くっ!」

ナデシコ「うん、こんな感じだよね。ヒールツーパターンは辛いけど、これも修業よ」ゲシゲシ


ローズ ! ローズ !

実況「ナデシコっ……! ナデシコは場外で踏みつけているっ! ローズにストンピングの連打連打を繰り返しているっ! こちらもやられていますっ!」


さくら「んん~っ……! ウチの団体はウチの団体のやり方があるんすよっ……! こういう場外戦は好ましくないっすねぇ!?」ガシッ

まこと「……んんっ!?」

さくら「それに他団体に好き放題やられるってのも、好ましくないっすっっ……! という事で……でやっ……!」グイッ

まこと「……んぎゃっ!」ビターンッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、奇襲攻撃からの場外戦でストリートプロレスサイドは出鼻を挫かれたと言いますか……あ~っ、待って下さいっ! さくらは優勢ですかっ!? 優勢ですか!?」

元「おっ?」

実況「さくらはまことっ……! まことの身体をエプロンサイドへと叩きつけましたよっ!?」

857: 名無しさん 2016/10/25(火) 22:57:10 ID:gxdjJ/Mg
天津飯「おいおいおい、何がどうなっている、何がどうなっている……鐘が鳴って試合が始まったようだが、何がどうなっている……」

ランチ「……あらあらあらあら」

天津飯「これは、いいのか……? いいのか、餃子……?」

餃子「……よくないと思う」

ランチ「天津飯さん、天津飯さん、聞いて下さい。私思い出しましたわ……」

天津飯「んっ……? 思い出したと言うのは、何をだ……?」

ランチ「私この前スーパーにお野菜を買いに行ったんですよ。そしたらその時、丁度お野菜のタイムセールが始まったんですよ」

天津飯「おう」

ランチ「……それはこんな感じでした」チラッ

天津飯「お、おう……そ、そうか……」

ランチ「鐘が鳴ったら奥様達が集まってきて、人の渦人の渦で、私ビックリしてしまって、お野菜を買いに行ったのに……」

天津飯「……餃子、試合を見ようか」

餃子「……うん」

858: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:01:38 ID:gxdjJ/Mg
さくら「リングに戻ってっ……!」グイッ

まこと「……ううっ」ゴロン

さくら「さぁ~て、それじゃあ先輩方が場外で暴れてるウチに……自分達はリングの中でひっそり始めるとしますかっ……!」ササッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてさくらっ……! まことの身体をサードロープ下からリング内へと捩じ込んでいきますっ! さぁ、先ずはこの場外戦からさくらが脱出と言った所かっ!? さくらも続いてサードロープ下からリング内へと戻ったっ!」

元「そうですねぇ、ただ春麗君とローズ君はまだ掴まってます」


ダン「おうおう、二人戻って来やがったか。それなら、お前らで試合始めやがれっ……! ファイっ……!」

さくら「へへ、奇襲なんてセコい事しちゃって……自分はフェアにやってやりますよ。さぁ、立ってっ……!」グイッ

まこと「ううっ……」ググッ


実況「まぁ、場外の春麗とローズの気掛かりではありますが……先ずはさくらっ! さくらはリング内へと戻したまことの身体を引き起こしていくっ!」

元「このまま場外でわっちゃわっちゃ続けてても試合にならないからねぇ。さくら君はその辺りの事もよくわかってます」

859: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:05:43 ID:gxdjJ/Mg
さくら「……よいしょっとっ!」ガシッ

まこと「……うっ!」


オー、オーオー

実況「さくらは引き起こしたまことへと組み掛かっていきますっ! まことの頭部へと腕を回していったぁ!」


さくら「場外戦な~んて野蛮な事はいけませんよっ……! 試合の立ち上がりは、こういう事からがウチの団体のやり方っすねぇ……!?」ギリギリ

まこと「ううっ……!」


実況「さくらはまことの頭部を腕を回し、右の脇下へと抱え込んだっ! そして頭部を絞り上げていきますっ! 先ずはヘッドロックに捉えましたっ!」

元「うんうん、とにかくリング上だけでもね……春麗君とローズ君もきっとそのうち戻ってくるでしょう」

860: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:09:43 ID:gxdjJ/Mg
まこと「ほんなら、こうやっ……! バックドロップっ……!」ググッ

さくら「……おっとっ! させないよっ!」ガシッ

まこと「……あっ!」


オー、オーオー

実況「あ~、しかしまことはさくらの胴回りへと腕を回し、その身体を抱え上げて……あ~、いやっ! ここはさくらっ! 即座に腰を落とし、踏ん張っていきますっ! 身体を抱え上げさせはしませんっ!」

元「そうそうそう。いいね」


さくら「捉えてはいますが、背を向けてるってのはちょっと怖いもんがありますね……それなら、よしっ……!」パァン

まこと「……痛っ!」

さくら「……よっと」クルン


オー ? オーオー ?

実況「あっと、ここでさくらっ……! 捉えているまことの頭部から腕を離すっ! そしてまことの背中を一度強く叩き、その場でターンっ! クルっと180度のターンを見せていくっ!」

元「うん」

861: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:14:15 ID:gxdjJ/Mg
さくら「サイド・ヘッドロックじゃなくて、ここはフロント・ヘッドロックの方がいいっすかね。よいしょっとっ!」ガシッ

まこと「……くっ!」


オー、オーオー

実況「さぁ、素早い180度のターンを見せまことの方を向いたさくらは、今度は正面から! 左脇下へとまこと頭部を押し込んでいくっ! そして絞り上げるっ!」

元「フロント・ヘッドロックにしてきましたね」


さくら「奇襲攻撃で出鼻は挫かれましたが、問題なしっ……! リング上はいつもの通り、ストリートプロレスのリズムにあるっすよっ!」ググッ

まこと「……くっ、くっ」


オー、オーオー

実況「さぁ、さくらはここで右腕で握り拳を作り、そしてその腕を上げ、場内へとアピールを見せていきますっ!」

元「まぁ、ちょっと場外はやんややんやしてますが……リングの中だけでも、リズムを作っていかないといけませんよ」

862: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:19:30 ID:gxdjJ/Mg
ミカ「オラオラ、糞ブスがっ……! くたばってろっ……!」ガスガス

春麗「くっ、くっ……」


ナデシコ「鉄柵に行ってなさいっ……! それっ……!」ブンッ

ローズ「……きゃあっ!」ダダッ


実況「少し場外ではミカとナデシコっ……! この二名がまだ暴れてると言った感じでしょうかねぇ!? あ~っと、ローズは鉄柵へと振られたかっ!?」

元「まぁ、でもそういう事を含めてリングの上だけでもね……さくら君にはリズムを作っていってもらわなければならない」

実況「あくまで決着をつけるのはリングの上でありますからねっ!?」

元「うん、でもこうやってやられすぎてるのも、よくはないけどね」

863: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:23:39 ID:gxdjJ/Mg
さくら「まだまだまだまだっ! いきますよ、それそれそれっ……!」グイグイ

まこと「う、ううっ……」ズルズル

さくら「……準備はいいかなっ!? いくよっ!」パチン


実況「リング上とリング外……少し温度に差があると言った感じかっ!? そしてこれが後にどう影響してくるのかっ!? おっと、さくらは後方へと下がり、まことの身体を引き摺って移動しているかっ? おっと、そしてさくらはまことの背中を叩いたっ!」


さくら「頭から突き刺してやりますよっ! それっ……!」グイッ

まこと「くっ……! ちゃがまっ……!」ズドーン


オー、オーオー

実況「さくらはそのまま後方へと倒れ込み、まことの頭部っ……! 脳天をマットへと強く打ち付けていきますっ!」

元「DDT」

864: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:28:05 ID:gxdjJ/Mg
まこと「はぁっ、はぁっ……ううっ……」ゴロンッ

さくら「へへ、まだまだっ……!」ムクッ


実況「ここはDDTっ! まことは頭部からマットへと突き刺さり、そのまま一回転して尻餅をつくようにマットへと落ちたっ! あ~っと、そしてさくらっ……! そして素早く身体を起こしてきますっ!」


さくら「……続けてスリーパーホールドだよ~っ! よいしょっ!」シュルッ

まこと「……ガッ」


オー、オーオー

実況「そのまま上体だけを起こしているまことの首筋っ……! 背後から素早く腕を回していくっ!」

元「今度はスリーパーホールドできました……あ~っ! たったったっ……!」


ナデシコ「まことっ……!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「元さん、どうされ……あ~っとっ! ここでナデシコですっ! ナデシコですねぇっ! ナデシコがエプロンサイドへと現れたっ!」

元「あららら」

865: 名無しさん 2016/10/25(火) 23:32:25 ID:gxdjJ/Mg
ナデシコ「今助けてあげるわっ……! それっ……!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「さぁ、ミスXの正体であった大和……あ~っと、待って下さいっ! そしてナデシコっ! ここで素早くエプロンサイドからトップロープへと飛び乗ってきたっ!」

元「……来るよっ!」


ナデシコ「その手を離しなさいっ……! てやああぁぁっ! たぁっ!」ズドーンッ

さくら「ここからジックリ……んっ……? うえええぇぇっ……!」ビターンッ


アー !? アーアー !?

実況「そして、そこから即座に跳んで来るっ! スワンダイブ式ィ! あ~っと、後ろからナデシコっ! まことをスリーパーホールドで捉えているさくらの背中へとスワンダイブ式のドロップキックを打ち込んでいくっ!」

元「……はぁ~、動いてきたかねぇ」


ナデシコ「よしっ、まことっ……! 後は頑張りなさいっ……! 次はミカの方にいってくるわっ……!」ゴロゴロ


実況「おぉ~っと、カットにしては少し乱暴な部分はありますが……あ~、しかしさくらの腕は外れ、うつ伏せにダウンっ! おっと、ナデシコはリングを転がり転がり……あ~っと、場外へと再び行きましたっ!」

元「……う~ん」

875: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:01:24 ID:qQz3FPUU
ナデシコ「さぁ、続いての相手は春麗っ……!」スタッ

ミカ「ヘイヘイ。ナデシコ、カモンカモ~ンっ……! いつものコンビネーション見せつけてやるっスよっ!」

春麗「はぁっ、はぁっ……くっ、また一人来てるわね……」


実況「電光石火のスワンダイブ式のミサイルキックを打ち込み、即座にリングアウトしていったナデシコっ……! おぉ~っと、ナデシコはそのまま場外で立ち上がり、今度は春麗っ……! ミカが捉えている春麗の方に向かっていきますかねぇ!?」

元「うん、だからナデシコ君はこういったタイプの選手なんだよ。リングを中心として活躍する選手ってよりかは、こういったサブに徹する部分がある選手なんだ」

実況「自身はサブへと徹して、リング上はミカっ……! もしくはまことに、こ~う任せていくとっ!?」

元「そうそうそう」

876: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:07:05 ID:qQz3FPUU
さくら「ううっ、後ろから……なんなんすか、も~うっ……!」ゴロンッ

まこと「今度はうちの番やかっ……!」ガバッ


アー、アーアー

実況「さぁ、現在リング上にいる……そのナデシコにリング上を任されているのはまことですっ!」

元「さっきの一発でちょっと状況が変わりましたからね」

実況「さくらが身体を反転させうつ伏せにから仰向けへとなるが……おぉ~っと、まことも素早く身体を起こし、そしてそんなさくらへと覆い被さっていったぁ!」


まこと「ほいたら、いきゆうっ……! 袈裟固めぜよっ……!」ガシッ

さくら「……くっ!」


オー、オーオー

実況「まことはダウンしているさくらの頭部に腕を回し、更には身体を飛び越えるようにして、ポジショニングを移すっ! サイドへと回っていくっ! ここはサイド・ヘッドロックっ!」

元「いや、袈裟固めでしょう。腕も捉えて抑え込んでいますね」

実況「おっと、失礼しました。これは袈裟固めですね! え~、まことは自身の左腕をさくら首筋へと回し、そしてさくらの左腕っ……! こちらは自信の右脇下に挟み込みつつ右腕で押さえていますっ! そして上から覆い被さっているっ! 失礼しました、ここは袈裟固めですっ!」

877: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:12:58 ID:qQz3FPUU
実況「さぁ、場外ではまだ春麗が捉えられているっ! 場外で他の選手を封じつつ、ジックリ攻めていこうといった策略かっ!?」


さくら「序盤はグラウンドから……わかってるじゃないっすかっ……! でもねっ……!」ググッ

まこと「ふうっ……んっ……!」


オー、オーオー

実況「あっとしかし、ここはさくらっ……! 即座に腰を浮かし、身体を丸め、上から抑え込んでいるまことの背中へとピタリと寄り添うようにと、身体をズラしていくっ!」

元「おっ」


さくら「自分は仕掛けられるより、仕掛ける方が好きなんっすよっ……! そういう事だから……よっとっ!」ゴロンッ

まこと「……かぁ~っ!」ゴロンッ


オー、オーオー

実況「さぁ、そして腰を浮かしブリッヂの要領でまことの身体を下から持ち上げ、そして横へと転がし、体勢を入れ換えてきますっ!」

元「うんうん、いいよいいよ」

実況「両者の身体がひっくり返り、さくらが上っ! ま~ことが下ァ!」

878: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:19:20 ID:qQz3FPUU
さくら「よっとっ……! 残念でしたってねっ……!」ササッ


オー、オーオー

実況「おっと、しかし上をとったさくらではありますが、ここは少し後退していくっ! まことから離れていくっ!」

元「……んっ?」


さくら「ふ~うっ……背中に大きいの喰らっちゃったなぁ……」


実況「一度さくらは呼吸を整えにいきましたかねぇ? ここで大きく息を吐いていますっ!」

元「まぁ、そうだね。ナデシコ君にちょっと貰っているからねぇ。だからこの袈裟固めに即座に対応していったってのは……」


まこと「……いくぜよっ!」ムクッ

さくら「……んっ?」


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! しかしまことも立ち上がってきますっ! この場面即座に立ち上がってきますっ!」

元「あっと」

879: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:26:12 ID:qQz3FPUU
まこと「そぉいっ……!」ガシッ

さくら「んん~っ……! 呼吸ぐらい整えさせ……もうっ……!」ガシッ


実況「呼吸は整えさせないぞと言わんばかりに立ち上がったまことはさくらへと組かかっていくっ! 慌ててさくらも腕を伸ばすっ!」

元「まぁ、まこと君からしたらこれも当然だ」

実況「さぁ、両者が組み合ったっ! ロックアップの体勢となりましたっ!」


まこと(まだ普通ぜよ……まだ、うちは普通ぜよ……皆に怒られるような事はまだしちゃーせん……)グイグイ

さくら「おっとおっと……何っ……!? おっとっとっ……!」ヨロヨロ


サクラー、チュンリー、ローズ

実況「おぉ~っと、これはまことが押し込んでいるかっ!? さくらの身体を押し込みつつ前進しているかっ!? あ~っと、さくらは後退していくっ!」

元「う~ん、そうだね。ちょっと呼吸が整っていないのかな?」

880: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:33:46 ID:qQz3FPUU
まこと「ほんならいくぜよっ……!」ガシッ

さくら「……んっ?」


実況「あっと、そしてここでまことっ……! さくらの懐まで潜り込み、そして正面からさくらの首へと左腕を回していくっ!」

元「あっ」


まこと「大外刈りぜよっ……! ちゃがまれっ……!」グググッ

さくら「うわっ、うわっ……! っだああぁぁっ……!」ビターン


実況「まことは自身の左足を大きく上げ、そしてさくらの左足っ……! 払っていくっ! 刈っていくっ! あ~っと、そしてさくらの身体を後頭部からマットへと叩きつけていくっ!」

元「大外刈りですねぇ」

実況「ここは大外刈りですっ! 大外刈りっ! まことはさくらに間を与えていく事を許しませんっ!」

881: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:41:06 ID:qQz3FPUU
まこと「繰り返していきゆうっ……! 袈裟固めぜよっ……!」ガシッ

さくら「うあっ……!? く、くそっ……またかっ……!?」


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、そしてっ……!? これは再びまことが上からさくらの身体を抑え込んでいるかっ!?」

元「おっと、抑え込んでいます。袈裟固めですねぇ。大外刈りからそのまま持っていきました」

実況「あ~っと、まことの大外刈りからの、袈裟固めっ……! さくらを叩きつけ、そのまま再びグラウンドへと持ち込んでいきましたっ!」


まこと「んだっ……! んだっ……!」ギリギリ

さくら「くっ、ああっ……! ネチっこくきますねぇっ……!?」バタバタ


サクラー、サクラー

元「まぁ、共に柔道技ですからねぇ。この辺りの連携ってのはしっかりしていますっ!」

実況「さぁ、まことっ……! こういったファイトスタイルでさくらを苦しめていくっ! 大外刈りからの……再び、袈裟固めっ!」

882: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:48:36 ID:qQz3FPUU
さくら「二度も三度も、同じ技ってのは……少しばかり芸がないんじゃないっすかねぇっ……!?」ググッ

まこと「……知ってるぜよっ!」シュタッ

さくら「……んっ?」


実況「しかし、さくらもここは先程と同じように即座に身体を丸め……あっ、待って下さいっ! 今度はまこともポジショニングを移してくるっ!」

元「まぁまぁ、さっき一回逃げられてるからねぇ。ここはあっちも動いてくるでしょ」


まこと(ここからは皆に怒られる……怒られる事やか……前みたいに死ねて言われる事かもしれん……)ガシッ

さくら「あ~、くそっ……! んっ、えっ……!? ガガッ……!」


アー ? アーアー ?

実況「ここはまことっ……! さくらへ馬乗りになるようにポジショニングを移してくるっ! 腹部の上に乗ったっ! まことはここで腕を離し……んっ、待って下さい?」

元「……あっ?」

実況「……これは上からさくらの首を両手で掴みましたかねぇ!?」

883: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:54:37 ID:qQz3FPUU
まこと(んん~っ……! やけど……やけど、やるしかぇいんやっ……! だああぁぁっ……!)グググッ

さくら「えっ……? ちょっとちょっとちょっとっ……! ガガガっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そしてまことはさくらの首を両腕で掴んだまま持ち上げていくっ! 持ち上げていきますっ!」

元「ネック・ハンギング・ツリーですねぇ!?」


まこと(んん~っ……! んん~っ……! 怖い……怖い……)

さくら「あっ、ガッ……ガッ、ガッ……グガガっ……」バタバタ


アー !? アーアー !?

実況「ネック・ハンギング・ツリーですっ……! ネック・ハンギング・ツリーっ……! まことがさくらの首を両腕で掴み、そのまま身体を持ち上げていますっ! あ~っと、さくらの両足が浮き宙吊り状態っ! ここはネック・ハンギング・ツリーだっ!」

884: 名無しさん 2016/10/26(水) 22:59:42 ID:qQz3FPUU
実況「これは意外な技を使ってくると言いますか……お~っと、場内からも驚きの声が上がっていますねぇ!?」

元「あ~、そうですねぇ」

実況「ネック・ハンギング・ツリーっ……! こういった技はパワーファイターっ! いわゆるサガットやホークのような選手が主に使用するようなイメージがありますけれども……」

元「だからそうなんだよ。まこと君もパワーを持ってるなんだ」

実況「どちらかと言えば小柄なタイプではありますまことではありますが……おぉ~っと、容姿に似つかわぬパワー殺法とでも言えばいいかっ!? ネック・ハンギング・ツリーですっ! ここはネック・ハンギング・ツリーっ!」

元「あ~、だからねぇ……レインボー・ミカ君とナデシコ君にばかり注目いってるけど、このまこと君も柔術、後空手……それにこういったパワー殺法を繰り出してくる、いい選手なんだよ……」

実況「元さんっ……! 相手を誉めている場合ではありませんよっ!?」

元「あ~、ごめんごめんっ!」

885: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:05:47 ID:qQz3FPUU
ミカ(ビビってんじゃねぇぞ、まことっ……! 場外乱闘もまだ続いてるんだから、そこまでリングの中だけに注目されてるワケじゃねぇってのっ……!)チラッ


実況「まことのパワーがここで出たかっ!? 小さな身体かと思われたが、その身体には底知れぬパワーが秘められているのかっ!? おぉ~っと、これはさくらもピンチなんではないでしょうか!?」

元「まぁ、長い事喰らいたくはないねぇ……」


ミカ(そうやってる間……きっと実況・解説でお前がどんなレスラーかってのたぁ~っぷり伝えててくれてるハズだから……気負いしてんじゃねぇぞぉ!?)チラッ

ナデシコ「ミカ、こっちよっ! リングのまことは大丈夫っ! だから、あたし達はその春麗を始末しましょうっ!」

ミカ「よ~しっ、そうすっか、ナデシコォォ! それじゃあ、そっちにぶん投げるぞっ!?」


実況「リング上でさくらが掴まっているっ! そして場外でも春麗は掴まっているっ! ミカに掴まっていますっ! あ~っと、そしてナデシコっ……! 何やらミカに向かって言っていますねぇ!?」

元「そうですねぇ。う~ん、リングの上も下も……少し危なくなってきたかな?」

893: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:00:57 ID:O9qoRdR.
さくら「ガ、ガガッ……ストリートプロレスを甘くみてるんじゃないっすよっ……! んん~っ……!」バタバタ

まこと(まだ怖い事は言われちゃーせんっ……! 言われちゃーせんっ……!)


サクラー、サクラー

実況「あ~っ、いやしかし、さくらっ……! ここはリング上のさくらも抵抗していくっ! 大きく大きく足をバタつかせ、なんとか逃れようと抵抗していくっ!」

元「うんうん、そうそうそう」


さくら「んん~っ……! たああぁぁっ……! ああっ……!」シュタッ


オー 、オーオー

実況「おぉ~っと、持ち上げられていたさくらの身体が何とか着地していったかっ!? さくらの身体がマットへと降りたっ! マットへと降りたっ!」

元「まぁ、そこまで大柄な相手ではない分、脱出するのがそこまで難しいかって言ったら、そうでもなかったりするんだよね」

894: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:05:40 ID:O9qoRdR.
まこと「ほんなら、ざんじいかにゃあいかんっ……! んでやあぁぁっ……!」ブンッ

さくら「はぁっ、はぁっ……えっ……? がふっ……!」ヨロッ


アー、アーアー

実況「あ~っとっ! しかしまことは着地したさくらを逃さないと言わんばかりに、首から手を離し左腕を振っていくっ! 大きく大きく鞭のようにしならせ、さくらの首筋っ……! 延髄辺りに正面から打ち込んでいったかっ!?」

元「ただこういったスピードってのは、巨体選手に負けないもんってのがあるよね」

実況「さぁ、ここはしならせたチョーップっ! 延髄から打ち込んだぁ!」

元「手刀じゃないですかね?」


まこと「突進正拳突き・疾風っ……! チェストオオォォっ……!」ドスッ

さくら「……あ、あぐうぅっ!」ヨロッ


アー、アーアー

実況「あ~っと、更に踏み込みつつの正拳突きですっ! 素早い正拳突きをさくらの腹部へと打ち込んでいくっ!」

元「……おぉ~っとっ!」

895: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:11:40 ID:O9qoRdR.
まこと「やぁっ……!」ドスッ

さくら「……あぐっ」

まこと「はぁっ……!」ドスッ

さくら「……くあっ」

まこと「……だあぁぁっ!」ドスッ

さくら「くっ、くっ……ああっ……!」

ダン「おいおいおい、そこのてめぇっ……! 拳は反則なんだぞっ!? わかってんのかっ!?」


サクラー、アー、アーアー、サクラー

実況「あ~っと、そしてここでまことがラッシュをかけてきたかっ!? 突いていくっ!さくらを突いていくっ! 正拳突きをさくらに向けて打ち込む打ち込む打ち込むっ!」

元「……うわ~、たたたたっ」

実況「突きの連打連打連打でまことが攻め立てていくっ! この辺りはバイソンを彷彿させるようなファイトスタイルだっ!」

元「流石にバイソン君みたいな品のない人と一緒にしちゃいけないよ。空手スタイルで型はしっかりしてるんだから」

896: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:20:09 ID:O9qoRdR.
ミカ「へへへ、完全にアタシ達鰯ヶ浜女子プロレスのペースになってきたなっ……!? それじゃあ、糞王者さんよぉ……!? アンタもぶっ倒れておきなっ……! それっ……!」ブンッ

春麗「く、くっ……!」ダダッ


アー、アーアー

実況「とにかく、リング上ではさくらが押されているっ! さくらが押されているっ……! あ~っと、そして場外でもっ……! 場外でも春麗っ……! ミカによってその身体を振り投げられていくっ! そしてその方向にはナデシコが待ち構えているっ!」

元「……んっ?」


ナデシコ「ダウンしてる姿の方がお似合いよっ……! ボオオォォンっ!」ズガァッ

春麗「く、くああっ……!」バターン


アー、チュンリー、チュンリー

実況「ミカが振り投げてきた春麗に対してっ……! ナデシコはラリアットっ! ラリアットっ! その首を刈っていくっ! あ~っと、春麗は場外で大きくダーウンっ!」

元「……あ~っと、そっちもかっ!?」

897: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:26:41 ID:O9qoRdR.
さくら「くそっ、なんだなんだコイツ……コイツでこのレベル……? それなら、ミカは……嘘でしょ……!?」フラフラ

まこと「……必殺っ!」ズンッ


サクラー、チュンリー

実況「さぁ、リングの上も下もピンチの状況は続くっ! おっと、そしてここでまことがさくらの目の前で深く腰を落とすっ! これは何か狙っているのかっ!?」

元「あ~……う~ん、いやっ……!」


ローズ「今日の主役はアタシって言ってるでしょっ……! 何処の馬の骨かわからない連中は大人しくしていればいいのよっ……!」ズザーッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っとっ! いや、ここでローズですっ! ローズがきましたっ! ローズがサードロープ下から滑り込んできたっ! リングにやってきたっ!」

元「ローズ君が来てくれたよっ!」


まこと「正中線っ……! 五段……」ググッ

ローズ「オイタはそこまでよ、子猫ちゃんっ……!」シュルッ

まこと「……あっ、くあっ!」


オー ! オーオー !

実況「そしてローズっ……! 素早く立ち上がり、まことの背後からその首筋に腕を回していきますっ! ここはスリーパーホールドっ! スリーパーホールドに捉えていきましたっ!」

元「まぁ、恐らく何か狙ってきていたでしょうからねぇ!? いいタイミングですよ、これはっ!」

898: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:33:53 ID:O9qoRdR.
ローズ「アタシが主役の舞台を荒らしてくれた事と、可愛いさくらちゃんを苛めてくれた罪は重いわよっ……!? 覚悟しなさいっ……!」グイグイ

まこと(はぁっ、ひさかった……ひさかった……けんど、この人が来てくれたから、もうこれで……)ズルズル


オー、イイゾー、ローズ

実況「おぉ~っと、背後からスリーパーホールドで捉えたローズはまことの身体を引き摺るっ! 引き摺るっ! おぉ~っと、さくらから距離取らせていくっ!」

元「うんっ!」


ローズ「……それじゃあっ!」ガシッ

まこと「……あっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「お~っと、そしてローズっ……! まことの首筋から腕を外し、頭部っ……! 頭部を背後から両腕で掴むっ!」

元「……んっ?」

899: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:39:53 ID:O9qoRdR.
ローズ「黙ってやられてればいいのよっ……! はああぁぁっ!」グイッ

まこと「うっ……! くあああぁぁっ……!」ズドーン


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っとっ! そしてローズは勢いよくその掴んだ頭部を引き落としつつ、自信は開脚ジャンプしてマットへと落ちるっ! そしてまことを後頭部からマットへと打ち付けていくっ!」

元「おぉ~っと、強烈な一撃を仕掛けていったっ!」

実況「ここはリバースXファクターですっ! リバースのXファクターでまことを打ち付けていくっ!」


まこと「うああっ……うああっ……ああっ……」ゴロゴロ

ローズ「今日の主役はこの娘でも、ミスXでも、レインボー・ミカでもないのよっ! アタシよ、アタシっ!」ムクッ


オー ! イイゾー ! ローズ !

実況「まことは後頭部を強打したかっ!? おぉ~っと、後頭部を押さえて悶えているっ! おぉ~っと、そしてローズは立ち上がるっ! 立ち上がりながら、何やら叫んでいますっ!」

元「うんうん、いいねいいね」

901: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:44:55 ID:O9qoRdR.
ローズ「とりあえず、さくらちゃんっ……! ここはお姉さんに任せなさい。さくらちゃんは、隅っこの方で休んでなさい!」ビシッ

さくら「う、ううっ……結構打たれましたからね……そういう事ならここは……」フラフラ


実況「さぁ、そしてローズはさくらに何やら指示をしましたっ! おっと、それに合わせてコーナーの方へと少しばかり後退していくっ!」

元「ちょっと乱戦模様だからねぇ。うん、元気な人がいった方がいいんじゃないかな?」


ダン「お姉さんに任せろだぁ……? おめぇは試合権持ってねぇだろがっ! やるなら一回タッチしろ、タッチをよぉ!?」

ローズ「さぁさぁ、立つのよ立つのよ、子猫ちゃんっ……! フフ、たぁ~ぷり苛めてあげるからね……!?」ググッ

まこと「……う、ううっ」


オー、オーオー

実況「少しばかりリングが広くなったっ! そしてローズっ……! ここはダウンさせていったまことの身体を引き起こしていきますっ!」

元「うんっ!」


ローズ「フフ、今日は無事に帰れなくなっちゃうかもねぇ……? ウフフ、さぁさぁそれじゃあ向こうに行ってらっしゃいっ……!」ブンッ

まこと「……うあっ」ダダッ


オー、オーオー

実況「そしてローズはまことの身体を一度付近のロープへと押し付け……そして振り投げていくっ! 逆方向のロープ目掛けてまことの身体を振り投げていったぁ!」

902: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:50:50 ID:O9qoRdR.
まこと「はぁっ、はぁっ……んあっ……!」ググッ


実況「さぁ、まことの身体がロープの反動を受け再び返ってきたぁ! ローズはそのまま歩みを進めリング中央へ!」

元「うんっ!」


ローズ「それじゃあ、いくわよっ……! それっ……!」シュタッ

まこと「……あっ!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてローズっ……! 向かってきたまことっ……! そんなまことに対して、ここはタイミングを合わせてその肩へと飛び乗ったっ!」

元「おっ!?」


ローズ「フランケンシュタイナーよっ……! 喰らってなさいっ……!」クルンッ

まこと「……うわああぁぁっ!」ズドーン


オー ! オーオー !

実況「そしてそのまま後方回転っ……! バク宙の勢いでまことの身体を頭部からマットへと打ち付けていきますっ! ここはフランケンシュタイナーだっ! ローズが決めていったぁ!」

元「……あ~っ!」

903: 名無しさん 2016/10/27(木) 22:55:33 ID:O9qoRdR.
ナデシコ「再び流れが変わったかっ……!? ミカっ……! リングに戻るぞっ!」ズザーッ

ミカ「おうよ。わかってらぁ、ナデシコっ……! 売 が主役になるほど狂った話はねぇからなっ……!」ズザーッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! いやっ……! ここでミカとナデシコだっ! 場外のミカとナデシコがサードロープ下からリング内へと滑り込んできたかっ!?」

元「こっちもまた動いてきたっ!」


ローズ「あくまで主役はアタシであり……ストリートプロレスなのよっ! こ~んなわけもわからないような連中に……んっ……!?」

ナデシコ「……呼吸を合わせてっ!」シュタッ

ミカ「二人で売 にぶちかますっ……! どりゃああぁっ……!」シュタッ


アー ! アーアー !

実況「ミカとナデシコは二人揃って、ローズに起き上がりに合わせて飛び込んでいくっ!」

元「あ~っ……! う~んっ……!」

904: 名無しさん 2016/10/27(木) 23:01:45 ID:O9qoRdR.
ナデシコ「……だああぁぁっ!」ドスッ

ミカ「……おうらああぁぁっ!」ドスッ

ローズ「……きゃああぁぁっ!」バターン


アー ! アーアー !

実況「そして二人がかりでのドロップキックっ……! おぉ~っと、これをローズへと打ち込んでいったぁ! あ~っと、ローズはこれを喰らいダーウンっ!」

元「ちょっと、流れが戻ってきたかと思いきや……また、ナデシコ君っ……! それとミカ君っ……!」


ダン「おいおい、なんだなんだっ……!? ま~た、二人増えやがったぞっ!? だから試合権のねぇ奴はっ……!」

ナデシコ「私はまたこいつを場外で抑えておくわっ……! だから、ミカっ……! 貴女はまことのフォローを!」ポイッ

ローズ「……くっ、ああっ」ボトッ


アー ! アーアー !

実況「ナデシコは素早く立ち上がるっ……! あっと、そしてローズの身体を引き起こし、再び場外へと放り出していきますかねぇ!? ローズの身体を場外へと放り出したっ! そして自身も場外へと追っていくっ!」

元「……あっとあっとあっと」

905: 名無しさん 2016/10/27(木) 23:07:17 ID:O9qoRdR.
ランチ「あ~、私も天津飯さんみたいになれましたらいいんですけどね~」

天津飯「……ん、どういう事だ?」

ランチ「ほら、この試合はちょっと何処を見ていいのかわからないじゃないですか?」

天津飯「まぁ、確かにあっちでもこっちでもしているな。しかし、さっきの試合ではタッチをしてからでないと、あそこに行ってはいけないような感じには見えたがな」

ランチ「それで、ほら……天津飯さんって、一つ多いじゃないですか?」

天津飯「……んっ?」

ランチ「私にも、もう一つ目があればあっちもこっちも……全部一度に見る事が出来ます」クスクス

天津飯「う~ん……その~、なんだろうな……」

ランチ「それに運転しながらテレビを見る事も出来ますよね~。お料理しながらテレビを見たりも出来ます~。あ~、私天津飯さんが凄く羨ましいです~」ニコニコ

天津飯「……そういった、カメレオン的な使い方は出来んと思うぞ」

餃子「視野を広くして、一部だけじゃなくて、全体を見るべき」

906: 名無しさん 2016/10/27(木) 23:13:13 ID:O9qoRdR.
ダン「おっ、二人は減ったかっ……!? けど二人増えて、二人減っただけじゃ解決はしてねぇよっ……! 今度はアイツかっ!?」

さくら「はぁっ、はぁっ……ローズさんが助けに来てくれたってのに……くそっ、今度はコイツか……」

ミカ「ヘイヘイヘーイっ! それじゃあ、ぶっ飛ばしていくぞぉ~っ! ナデシコはあっちで、アタシはこっちっ……! さぁさぁ、いくぜいくぜっ……!」ギロリ


実況「そしてリング上に残ったミカっ……! おぉ~っと、こちらはさくらを見ますっ! コーナーで呼吸を整えているさくらの方を見ますっ!」

元「素早くローズ君を蹴散らして……あっ、いやっ……!?」


春麗「うちのリングを荒らすなって言ってるのよっ……! このゴミ虫っ……!」ズザーッ

ダン「あぁっ……!? ま~た、一人増えやがったっ!」


オー !? オーオー !?

実況「い~やっ! ここで春麗ですっ! 今度は春麗がサードロープ下を潜りリングに入ってきますっ! ここで春麗がリングへとやってきたぁ!」

元「春麗君も負けてはいないっ!」

916: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:00:38 ID:Vj9it1gk
ダン「だぁ~っ……! ま~た一人増えやがったかっ!」

春麗「さくら、コイツはアタシに任せなさいっ……! アンタは自分の相手に集中しなさいっ……!」ガシッ

さくら「ナイスタイミングっすよ、春麗さんっ……!」


オー ! オーオー !

実況「そして春麗っ……! ミカへと掴みかかっていくっ! 素早く立ち上がり、そのままミカの背後からその身体にしがみついたぁ!」

元「いいタイミングで帰って来たっ!」


ミカ「なんだてめぇ……!? 場外で散々苛めてやったってのに、まだ苛められ足りねぇのかっ……!? てめぇもとんだ好き者だなぁ!?」モガモガ

春麗「やかましいメス豚は消えてなさいっ……! はああぁぁっ……!」ググッ

ミカ「お、おおっ……! うおっ……!」


オー ! オーオー !

実況「そ~して春麗は抱え上げていくっ! ミカの身体を背後から抱え上げていくっ!」

元「バックドロップですかねっ!?」

917: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:06:34 ID:Vj9it1gk
さくら「はぁっ、はぁっ……自分は自分の相手……つまり、まことっ……!」イソイソ

春麗「スイングさせつつ……!」グルンッ

ミカ「おおっ……! お、おおっ……!」グルンッ


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、更に春麗はミカの身体を抱え上げたままその場で回転っ! ターン見せてくるっ! 180度のターンっ!」

元「おぉ~っと、旋回式っ!」


春麗「落とすわよっ……! はああぁぁっ……!」

ミカ「んがっ……! ち、ちっくしょうっ……!」ズドーン


オー ! イイゾー ! チュンリー !

実況「そぉ~して叩きつけるっ! ミカの身体をマットへと叩きつけていくっ!」

元「旋回式のバックドロップですね。早め早めの対応ってのはいいですよ」


さくら「……さぁ、立つっすよっ!」グイッ

まこと「……う、ううっ」ググッ

918: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:10:53 ID:Vj9it1gk
ナデシコ「くっ、ミカっ……! 今度は春麗かっ……!?」チラッ

ローズ「よそ見してるんじゃないわよっ……! たぁっ……!」ドスッ

ナデシコ「……はうっ!」


さくら「それじゃあ、向こうに走ってもらいますよっ……! てえぇやっ……!」ブンッ

まこと「……くっ!」ダダッ


オー、オーオー

実況「さぁ、そして春麗だけではなく、さくらもっ……! ここはまことの身体を引き起こし、自軍コーナーの方へと向かってその身体を振り投げていったぁ!」


ローズ「貴女も向こうに行ってなさいっ……! 鬱陶しいのよっ……!」ブンッ

ナデシコ「くっ、しまったっ……! お、おおっ……! くああぁぁっ……!」ガッシャーン


元「おっと、ローズ君もまだ負けてないのかな?」

実況「あ~っと、ローズも場外でナデシコの身体を鉄柵目掛けて振り投げていきましたかねぇ!?」

919: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:16:46 ID:Vj9it1gk
まこと「……おぐっ!」ドスッ

さくら「間髪入れずにっ……! てやああぁぁっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「まことの身体をコーナーマットへと突き刺さるっ! そしてさくらもそんなまことを追いかけているっ!」


春麗「ここはアンタみたいな礼儀知らずが土足で上がっていい空間じゃないのよっ……! 消えてなさいっ……!」ゲシゲシ

ミカ「うおっ、おおっ……! くそっ……!」ボトッ


さくら「打ち込むっすよっ……! たああぁぁっ……!」ズガァ

まこと「……くああっ、だらしいっ!」


オー、オーオー

実況「そしてさくらの串刺しのラリアットォ! コーナーマットと腕とのサンドイッチィィ! さぁ、まことに打ち込んでいくっ!」

元「春麗君もいい動きしてるよ!?」

実況「お~っと、春麗はミカの身体を蹴り出し蹴り出し……お~っと、場外へと落としていくっ! ここでミカがリング内から場内へっ!」

920: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:21:06 ID:Vj9it1gk
ローズ「さくらちゃんは一回下がっておきなさいっ……! ここはスタミナ回復が吉よっ!」シュタッ


実況「あ~っと、そしてこのタイミングでローズも戻ってきたかっ!? 今、自軍コーナー付近のエプロンサイドへと飛び乗りましたっ!」

元「おっ、戻ってきたね」


さくら「ふぅ、ふぅ。そうっすねぇ……一回交代してもらえるとありがたいっすかね……!?」

ローズ「という事で、交代よっ……! レフェリー、こっちを見なさいっ! ほら、タッチしてるわよっ!」パシッ

ダン「よぉ~しよしよし、とりあえず一人減ったから、残すは春麗……だぁ~っ! なんだよ、お前ら交代するのかっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「おっと、そしてエプロンサイドに飛び乗ったローズはそのままさくらの肩に振れていきますっ! エプロンサイドからさくらの肩を叩き、これはタッチですねっ!?」

元「あ~っと、そうだね。交代してきました」

921: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:26:27 ID:Vj9it1gk
ローズ「待たせてごめんね! ようやくようやく主役の出番よっ!」パンパン


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ここで試合権が移りましたっ! 試合権はさくらからローズへっ! ローズはロープを潜りリングインして大きく大きく手を打ち鳴らすっ!」


春麗「ようやく邪魔者が一掃された感じねっ! さぁさぁ、ここからよっ! ここからここからっ!」パンパン


オー ! オーオー !

実況「更には春麗っ……! 春麗も大きく大きく手を打ち鳴らすっ!」

元「ちょっと混乱から始まった所はあるけど、とりあえずこれで主導権はストリートプロレス側が取り戻したって所じゃないかなっ!?」

実況「おぉ~っと、そうですねぇ!? リング上にはローズっ……! 春麗っ……! さくらっ……! ストリートプロレス側の美しき女選手達が揃っておりますっ!」

922: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:32:28 ID:Vj9it1gk
ダン「おいおい、とりあえず試合権のない奴は下がれっ……! 下がれ下がれっ! さくら、おめぇだっ……!」

ローズ「連携攻撃でもっともっと流れを引き寄せましょうっ! いくわよ、それっ……!」ブンッ

さくら「了解っすっ……! たああぁぁっ……!」ブンッ

まこと「……くああぁっ!」ダダッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そしてコーナー付近のローズとさくらっ……! 両者が左右から挟み込むようにまことの腕を掴み……おぉ~っと、対角線コーナーへとその身体を振り投げていくっ!」

元「……おっ!?」


まこと「……うっ、ぐぅぅっ!」ドスッ

ローズ「先ずはさくらちゃんからよっ……! そぉ~れっとっ……!」ブンッ

さくら「……了解っすっ!」ダダッ

ダン「おい、さくらそっちじゃねぇっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、まことの身体が対角線コーナーに振られ突き刺さっていったぁ! お~、更に更にローズはさくらの腕を掴み……おぉ~っと、対角線コーナーにいるまこと目掛けてり投げていったぁ!」

元「おぉ~しっ!」

923: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:39:27 ID:Vj9it1gk
さくら(今日は我儘聞いてもらうんだもんねっ……! いつもは出来ない事……そういう事を存分に楽しむんだっ……! てえややっ……!)ドスッ

まこと「……ぐっ!」


オー、オーオー

実況「まことに突っ込んでいったさくらっ……! そのまままことの正面でクルっと身体を反転し……そして肘を打ち込んでいくっ! バックハンド・エルボーっ! 突き刺していきますっ!」

元「さぁさぁ、まだまだ」


ローズ「主役はアタシなんだから、トリは譲ってもらうわよっ……! 続いて春麗っ……!」ブンッ

春麗「譲ってあげてるだけだからねっ……! そこだけは忘れないでよ、はあぁぁっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「そして春麗もローズの元へと歩みを寄っていたっ! さぁ、ローズは春麗の腕を掴み……再び続けてまことのいるコーナーへとその振り投げていったぁ!」

元「よぉ~しっ!」


さくら「今日は二の矢も三の矢も準備してありますよっ! 三人で続けていくっすっ……! 三人でいくっすっ!」パンパン


オー ! オーオー !

実況「さぁさぁ、さくらもコーナーから移動しながら……おぉ~っと、大きく大きく手を打ち鳴らすっ!」

元「こういう連携攻撃ってのはグッっと流れを引き寄せる事が出来ますからね」

924: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:45:09 ID:Vj9it1gk
春麗「二の矢はアタシっ……! それじゃあいくわよっ……! はあぁぁっ……!」ズガァ

まこと「うあっ……! あっ、ああっ……」ズルッ


オー ! オーオー !

実況「続いて突っ込んで行った春麗っ……! おぉ~っと、勢いそのままセカンドロープに飛び乗りつつ膝ァ! 膝をまことの側頭部へと打ち込んでいくっ!」

元「シャイニング・ウィザード!」

実況「シャイニング・ウィザードですっ! シャイニング・ウィザードですっ! おぉ~っと、コイツを喰らいまことの身体がズルっと崩れ落ちたっ! コーナーマットを背に座り込むっ!」


春麗「さぁ、もう一人いるわよっ……! もう一人っ……! もう一人ねっ……!」パンパン

ローズ「さぁさぁ、三の矢はアタシよっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、春麗も大きく大きく手を打ち慣らしながらその場を移動するっ……! そしてまだ終わらないっ……! 今度はローズだっ! ローズが突っ込んできたぁ!」

元「うん、そうだっ! よくよく考えりゃコンビネーションもこっちだって負けちゃいないんだっ!」

925: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:52:31 ID:Vj9it1gk
ローズ「……それじゃあ、いくわよっ!」フワッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ローズはコーナー前でヘタり込んでいるまことへと向かって飛び込んでいくっ!」


ローズ「それじゃあ、喰らってなさいっ……! てええぇぇやっ!」ズガァ

まこと「……あぐううぅぅ」


オー ! オーオー !

実況「そして打ち込んでいくっ! 両足で打ち込んでいくっ! 顔面に打ち込んでいくっ! 低空のドロップキックだぁ!」

元「よぉ~し、よしよ~しっ!」

実況「連携攻撃っ……! コンビネーションっ……! チームプレイっ……! それはレインボー・ミカと大和・ナデシコの専売特許ではありませんっ! それを見せつけていくかのような、ストリートプロレスの美しき女戦士の連携攻撃だぁっ!」

927: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:57:31 ID:Vj9it1gk
ダン「とりあえず、終わったんだったら下がれっ……! 試合権のねぇ奴は下がってろっ……!」

さくら「了解っす」ササッ

春麗「わかったわ。この場面はローズに任せましょう。乗ってるみたいだしね……」ササッ

ローズ「ほらほらっ! もっと騒いでもいいのよ……! さぁさぁ、もっともっと声を出しなさいっ……!」ググッ


ワー、ワーワー

実況「ローズは立ち上がり、大きく大きく腕を上げながらリング中央でアピールしていると言った所かねぇ!?」

元「そうで……あ~っとっとっとっ……!」


ミカ「いけ好かないドブス共が随分とはしゃいでるみたいじゃねぇか……そうはいかねぇっ……! そうはいかねぇんだよ、オイっ……!」シュタッ


実況「おっと、元さんどうされましたか?」

元「ミカ君だっ! ミカ君、ミカ君っ!」

実況「んっ……? あ~っと、ここでミカが戻って来たかっ!? 場外をグルっと回って戻って来たかっ!? そしてまことがヘタり込んでいる自軍コーナーっ! エプロンサイドへと飛び乗ったっ!」

928: 名無しさん 2016/10/28(金) 23:02:26 ID:Vj9it1gk
ミカ「よそ見してんじゃねぇ、レフェリーっ……! こっちも交代だ、確認してろっ……!」パシッ

ダン「……んっ?」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとミカはそのまま、まことの背に振れ……そしてリングへと入って来るっ! ここは一連の流れが早いっ……! エプロンサイドに飛び乗り、背に振れ、そしてリングへっ……! 更に向かっていくっ!」

元「あ~、ちょっとまこと君がやられてたからねぇ……!? ここでの交代……いいタイミングだっ!」


ミカ「クズが必死こいて流れを引き寄せたとしても……そいつはスターの一撃でひっくり返るんだよぉぉっ……! まぁぁことぉぉっ! よく見てろっ……!」ダダッ

まこと「う、ううっ……ミカさん……」


アー !? アーアー !?

実況「ミカは向かっていくっ! 向かっていくっ! ローズへと向かっていくっ! そしてローズは背を向けているかっ!?」

元「あ~、少し流れを引き寄せる事を優先しちゃったかもねっ……!?」

929: 名無しさん 2016/10/28(金) 23:07:22 ID:Vj9it1gk
春麗「ローズ、後ろよっ……! ミカに代わったわっ! 来てるっ……!」

ローズ「……んっ?」クルッ

ミカ「気づいた時にはもう遅しっ……! いくぜええぇぇ、おぉぉぉいっ!」フワッ


アー !? アーアー !?

実況「あっと、ここでローズが振り返るっ……! ミカの方を見るっ……! あ~っと、しかしミカもまた身体を反転させながらローズへと向かって飛び込んでいくっ……! おぉ~っと、そして高ぁ~いっ!」

元「来るよ来るよ来るよっ……!?」


ミカ「売 は   舐めてりゃいいんだよっ……! こういうのが好きなんだろっ……!? ボンバアアァァっ!」ズガァッ

ローズ「尻っ……!? えっ……くああぁぁっ……!」バターン


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、そしてここでフライングピーチだっ! 高い高い打点のヒップアタックっ……! ローズの顔面へと打ち込んでいくっ!」

元「打点が高いだけじゃないんだっ! 体重の乗せ方がねぇ……凄く上手いんだよっ……!」

実況「ここでフライングピーチだっ! フライングピーチっ! レインボー・ミカの代名詞っ……! フライングピーチっ! あ~っと、ローズはダウンっ! そしてミカは着地ィ!」

930: 名無しさん 2016/10/28(金) 23:13:02 ID:Vj9it1gk
春麗「……くっ!」

さくら「ローズさんっ……!」

ミカ「……ファァァァァックっ!」ググッ

まこと(……あっ!)


アー !? アーアー !?

実況「さぁ、リングに着地したミカは……あ~っとっ! あっとあっとああとっ! レインボー・ミカっ……! エプロンサイドに引き下がろうとしている春麗とさくらに向けてっ……!?」

元「……あったったったぁ~」

実況「中指を突き立てておりますっ! 中指を突き立てておりますっ! おぉ~っと、春麗とさくらに見せつけるかのように、中指を突き立てるっ!」


ミカ「一撃でノシてやったぜ、一撃でっ……! 勿論てめぇらもこうなるんだからなっ!? この試合中てめぇら一人一人全員に、アタシの   を舐めて綺麗に掃除してもらうからなっ……!? 今の間に綺麗にうがいでもしておきなっ! 虫歯菌移されちゃあ、困るからなっ!?」ブンブン

春麗「……この糞アマっ!」ワナワナ

さくら「くっ……!」ワナワナ


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、そして続いてミカっ……! 今度は親指を立てた握り拳を作るっ……! これは勿論グッドなポーズではなぁいっ! 拳を下に向け、春麗とさくらに見せつけるかのように大きく大きく上下に振っているっ!」

元「う~ん、闘争心があるというかね……? そういう部分はいいとは思うんだけど……う~んっ……!」

実況「勿論、この行為にはブーイングですっ! 場内からブーイングが飛び交ってくるっ!」

941: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:00:53 ID:UWi22cLY
ミカ「売 から産まれた糞売 ァ……! 売 一族のサラブレッドォ……! そんな奴らはリングどころか、この世に存在しちゃいけねぇんだよぉ! てめぇらの存在自体が教育に悪いんだよォ!」ブンブン

まこと(うっ、ああっ……ほがな事をしたら……ほがな事をしてしもうたら……)

ナデシコ(……流石、ミカって所ね。とことんまでヒールを追求しているわ)シュタッ


ブー ! ブーブー !

実況「おっとおっと、更にミカは両腕だっ……! 親指を下に向けて今度は両腕っ……! 春麗とさくらに向かっての挑発行為っ……! いや、侮辱行為でも言えばいいかっ!?」

元「……あ~んな事しちゃいけないんだけどねぇ!?」


春麗「あぁ~っ、ムカつく女っ……! こうなったらアタシがっ……!」

ダン「下がれって言ってんだろがぁっ! 下がれ下がれっ……! そうやって試合権がねぇ奴がしゃしゃり出てくるんじゃねぇっ……!」


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っとあ~っとっ! しかし、この行為には春麗を腹を立てたかっ!? ミカへと向かって……あ~っ、いやっ……! レフェリーが制止しますっ!」

元「う~ん、そうだね。折角リングが少し落ち着いてきたってのに、またワーワーなっちゃうのは困るからね?」

実況「あ~っと、そしてナデシコも戻って来たかっ!? 今、自軍コーナーのエプロンサイドへと戻って来ました」

942: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:07:04 ID:UWi22cLY
ブー ! ブーブー !

天津飯「な、なんて下品な女だ……武道家精神とか、もうそういった問題ではない……」

餃子「人としておかしい」

ランチ「……あらあらあらあら~」

天津飯「待てよ。おい、餃子……? もしかすると、あの女もランチと同じように、二つの人格があったりするのかもしれないぞ……?」ボソッ

餃子「そうかもしれない」ボソッ

天津飯「髪も同じ金髪だし……う~ん、そう考えると、どことなくあの女がランチに見えてきたぞ……?」

ランチ「あら、天津飯さん。私はあんな事はしませんわ。それに私の髪は金色なんかじゃありませんよ?」

天津飯「あ~、いやっ……! そうではなくてなぁ……」アセアセ

944: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:12:56 ID:UWi22cLY
ナデシコ「オタオタしないで。もう終わったでしょ。ここからこうやってブーイングを作っていかなきゃ……ほら、リングに残ってると邪魔になるわよ」

まこと「ああっ……ん、んだっ……!」ササッ


ブー ! ブーブー !

実況「こ~れが、鰯ヶ浜女子プロレスの王者なのでしょうかっ!? 王者のあるべき姿なのでしょうかっ!? 私、少しばかり疑問に思いますっ!」

元「まぁね、態度としてはあるまじき行為なのかもしれませんね。でもね、これ一つ言える事は……」

実況「……んっ?」

元「ミカ君が出てきた事によって、空気が変わったよね」

実況「あ~っと、確かにそう言われてみれば……!」

元「これ、さっきまでは絶対に我々ストリートプロレス側が押せ押せムードだったはずなんだよ。それがミカ君に試合権が移って、出てきた瞬間ね……?」

945: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:20:31 ID:UWi22cLY
ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、確かに……大ブーイングですっ! 大ブーイングっ! 先程までの押せ押せムードは何処へやらっ!」

元「だからこうやって、場の空気をガラリと変えちゃう存在って事。やっぱりそこは凄まじいよね? その辺が彼女の王者たる所以なんじゃないかな?」


ミカ「オラオラ、レフェリーも言ってんぞっ……! 引っ込んでろっ……! すっこんでろっ……! そこでてめぇら二人で寂しい股ぐら慰め合ってなっ……! そういう事してる方が観客連中もきっと喜んでくれるだろうよぉ!?」

ローズ「あ~あっ……! 本当に下品で騒がしくて……嫌になっちゃう女っ……! あ~っ、ムカつくっ……!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「まぁ、確かに存在感で言えば、このレインボー・ミカ、これ以上にない……あっ、待って下さいっ!? ここでローズが立ち上がってきますかねぇ!? 立ち上がってきますよっ!?」

元「うんうん、いいよいいよ。だからこうやって、彼女を自由にさせてちゃダメなんだ」

946: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:26:01 ID:UWi22cLY
ローズ「囀ずるんじゃないわよっ……! この糞アマっ……!」バッチーンッ

ミカ「ヘイヘイ、んっ……? うおっ、だぐっ……!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「立ち上がったローズはっ……! おぉ~っと、頬を張ったぁ! 強烈に強烈に頬を張っていったぁ~! ミカの頬へと強烈なビンタァ!」

元「お~、いったね!」


ナデシコ「まこと、顔を上げなさい……俯いてないで顔を上げて、今リングで起きている事を見なさい……」ボソッ

まこと「……んっ?」

947: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:32:24 ID:UWi22cLY
春麗「あ~ら、痛そ~うっ! でもそういう事されて口の中切った方がいいのかもしれないわね~!? そしたらアンタのギャーギャー喚く騒音も、フガフガフガフガ何言ってるかわからなくなるもんね~っ!? バーカっ!」ググッ

さくら「散々喚き散らしてやられてりゃ、笑い話にもならないっすよっ! ざまぁみろっ……!」ググッ

ダン「いいから下がれ下がれ下がれっ! てめぇらも煽ってんじゃねぇよっ!」


オー ! オーオー !

実況「こ~いつを喰らい、ミカの動きが止まったぁ! あ~っと、そして自軍コーナーサイド付近にいる春麗とさくらっ……! そぉ~んなミカに対してお返し言わんばかりに笑みを浮かべつつ、春麗は親指を下に向けっ……! さくらは中指を突き立てているっ!」

元「あらあらあら……も~う、君達まで……」

実況「う~んっ……! これはミカの行為が伝染したとでも言えばいいでしょうかねぇ!? まぁ、ストリートプロレス側も、やられたまま……言われたままで終わるようなタイプではありませんっ!」


ナデシコ「オタオタ脅えてるのはアナタだけよ。皆、楽しんでるの……あっちの春麗も……さくらも……そしてファン達も……」ボソッ

まこと「……」

ナデシコ「……この特別な空間をね?」

948: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:39:13 ID:UWi22cLY
ローズ「怒らせちゃいけない相手を怒らせちゃいけないわ。因みにアタシ……お姉さんは、静かに怒りを発散させるタイプなの……」ガシッ

ミカ「くああっ……! 痛ぇなぁ、この整形……うおっ、だ~だだだっ……!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っとっ……! 更に続けてローズっ! ここは正面からミカの髪を掴んだかっ!? そして掴んだ髪を引き下ろし、ミカの頭部を引き下げていくっ!」

元「あ~っとっと」


ローズ「その鼻……きっと潰れた方が愛嬌のなる顔になると思うなぁ~?」

ミカ「あだだだっ、だだっ……! 髪っ……! 髪、髪っ……!」

ローズ「豚鼻になぁ~れ。それっ……!」ドガッ

ミカ「……んがっ!」フラッ


オー ! オーオー !

実況「そしてミカの引き下げた頭部っ……! 顔面っ……! おぉ~っと、ローズは下から膝を打ち込んでいくっ! ニーアタックですっ! 顔面へと打ち込んだぁ!」

元「お~っ!」

949: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:45:02 ID:UWi22cLY
ミカ「あががっ……! だ~っ、こんにゃろうっ……!」フラッ

ローズ「ダメよ~、ダメダメ。まだ終わってないわよ……ほらほら、もっと可愛い顔になりなさない……」ガシッ

ミカ「てめっ……! てめぇ、このっ……! あ~だだだっ……!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「下から打ち上げられミカの上体が大きく上を向くっ! いやっ、ローズは逃さないっ……! 再び髪を掴んで頭部を引き下げていくっ!」

元「……おぉ~っと」


ローズ「可愛い可愛い豚女ちゃん……ブヒブヒ鳴きなさい。そぉ~れっ!」ドガッ

ミカ「……ぶひっ!」フラッ


オー ! オーオー !

実況「そぉ~して、もう一撃っ……! 下からのニーアタックっ! ミカの顔面へと打ち込んだぁ!」


ローズ「……ウフフ、まだまだ逃がさないわよ~?」ガシッ

ミカ「うぐぐぐっ……! だぁ~っ……! だぁ~っ……!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ローズは続けていくっ! 続けていくゥ! 再びミカの頭部を引き下げていくゥ!」

950: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:51:29 ID:UWi22cLY
ローズ「そぉ~れっ……! 喰らってなさいっ……!」ドガッ

ミカ「だぁ~っ……! ゲシゲシうざってぇなぁっ……!」クルッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、打っていく打っていくっ……! ローズがミカの顔面を容赦なく打っていくっ……! これはキツい攻撃だっ! おぉ~っと、これにはミカも嫌がるののように、ローズに背を向けるっ!」


ローズ「あ~ら、後ろを向いちゃったら蹴られないじゃない……でも、まぁいいわ……」ガシッ

ミカ「……んがっ!」


実況「いやっ……! しかしすかさずローズも腕を伸ばすっ! そんなミカの後頭部を掴んだっ!」


ローズ「ついでに、ハゲちゃびんになっちゃいなさ~いっ! アナタには女の命の髪なんて必要ないわっ……!」ググッ

ミカ「ぐ、ぐえっ……! うおおぉぉっ……!」ビターン


オー ! オーオー !

実況「お~っとっ! そして今度から後ろからっ……! 後頭部の髪を掴み、大きくその腕を引くっ! あ~っと、そしてミカの身体が後方にっ……! 仰向けへと倒されたぁ!」

元「お~、お~、お~。攻めてるねぇ、攻めてるねぇ」

952: 名無しさん 2016/10/30(日) 22:57:22 ID:UWi22cLY
ミカ「くああぁぁっ……! ちっくしょうっ……! いってぇなぁっ……!」モガモガ

ローズ「アハハ、いい様ね。いい様ねぇ!? 豚の日向ぼっこかしら!? 可愛いわねぇ~!」


オー ! イイゾー ! ローズ !

実況「これにはミカも悶えていますっ! 流石のミカも後頭部を押さえて悶え苦しんでいるっ!?」


ナデシコ「笑ってんじゃないよ、ババアっ……! 髪掴んでたでしょっ……!? 今、髪掴んでたでしょっ!?」ビシッ


実況「しかし、エプロンサイドのナデシコっ……! 大きく腕を伸ばし、何やら叫んでいるっ!」

元「ローズ君はちょっと髪を掴んで引っ張ったりしてたからね。まぁ、その事に対する抗議でしょう」


ナデシコ「そういう事は許されるんだね……!? この糞団体はそういう事は許されると考えてもいいんだね……!? それとも選手が糞なら、レフェリーも糞なのかいっ……!? ちゃんと裁定しなさいっ……!」

ダン「わかってるってのっ……! だぁ~っ、あっちもこっちもうるせぇなっ……!」

ナデシコ「まこともっ……! まことも、ほら抗議っ……!」

まこと「……あっ!」

953: 名無しさん 2016/10/30(日) 23:02:15 ID:UWi22cLY
まこと「ひ、卑怯もんっ……!」

ナデシコ「自分の所の選手に肩入れするんじゃないわよっ……! それでもレフェリーなのっ……! ストリートプロレスって所は選手だけじゃなく、レフェリーも三流以下なのねぇ!?」


実況「更にはまことも加わって来たっ……! 加わってきましたっ! さぁこれには鰯ヶ浜女子プロレスサイドが抗議をしてきますっ!」

元「まぁ、彼女達は態度とか口は悪い部分はあるけれど、ファイトスタイルに関しては結構正統的な部分がありますからねぇ」


ローズ「ん~、ナデシコと……え~、まことだったかな……?」チラッ

ナデシコ「……ああっ!?」

まこと「……んっ?」

ローズ「もう少しおしとやかな方が、可愛いと思うわよ~。黙ってなさい……し~っ」ピタッ


オー ! イイゾー ! ローズ !

実況「あ~っと、しかしローズはそんな抗議をしている二人の方を向き……おぉ~っと、口の前に指を一本立て、黙ってろと言わんばかりにここは逆に挑発していくっ!」

元「あっとっとぉ~!」

実況「ローズは気にしていないっ……! 気にも止めないっ……! へのへのカッパだぁっ!」

954: 名無しさん 2016/10/30(日) 23:06:34 ID:UWi22cLY
ローズ「さぁ、おバカな子達には構わず続けましょうっ……! そぉ~れっとっ……!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、再びミカへと視線を戻し、そぉ~してローズはその場で飛び上がるっ! あ~っと、更に空中で両足を折り畳むっ!」

元「まぁ、ミカ君が出てきた事によって少し空気は変わりましたけどね……これ、決してストリートプロレス側の流れが失われた訳ではないので、またこうやって引き寄せていきましょうよ」


ローズ「それじゃあ、その顔……踏みつけてあげるわっ……! それっ……!」

ミカ「……しゃらくせぇっ!」ゴロンッ


アー、アーアー

実況「そしてダウンしているミカへと折り畳んだ膝っ……! その膝を再びミカ顔面へと打ち付け……あ~っ、いやっ……! ミカが転がったかっ!? ここはミカっ……! 転がって避けたかっ!?」

元「あ~ったったっ!」


ローズ「あら……? まだ動けたのね……?」ドスッ

ミカ「粋がるんじゃねぇぞ、クソババアっ……! うるぁっ、背後はもらったぜっ……!」ガシッ


アー、アーアー

実況「ここは避けられたっ……! ローズは誰もいない空間へと両膝から落ちるっ……! お~っと、そしてミカっ……! 素早く立ち上がりつつ、そんなローズの背後を掴むっ……! 腰回りを掴んでいくっ!」

元「あっとあっとぉ~」

引用元: ベガ「リュウ! プロレス団体なのに踊ってもらうぞ!」