ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!!!」

ヴァイパー「春麗! PVの第一弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!!」 

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体を盛り上げていくぞ!!」

プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!!」 

ヴァイパー「春麗! PVの第三弾が完成したわよ!」 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!」 前編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で女子選手がメインだぞ!!」 後編

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! メトロシティのお祭りでプロレスをするぞ!!」

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!!」

ヴァイパー「春麗! PVの第五弾が完成したわよ!」

ベガ「リュウ! プロレス団体なのに踊ってもらうぞ!」 前編 

ベガ「リュウ! プロレス団体なのに踊ってもらうぞ!」 後編

1: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:00:14 ID:3frGzHU2
ヤムチャ「プーアルっ……! おぉ~い、助けてくれ~!」

プーアル「も~う……ヤムチャ様、何ですか……? 洗濯が終わってからじゃダメですか……?」

ヤムチャ「洗濯終わってからじゃダメっ……! 緊急事態っ……! 緊急事態っ……!」

プーアル「……緊急事態って、何ですか?」

ヤムチャ「トイレットペーパーがないぞ、おいっ!」

プーアル「えっ……!? トイレットペーパー……まだ、残ってませんでしたっ!?」

ヤムチャ「ど、ど、ど、どうすればいいんだっ……!? どうすればいいんだよ、コレっ……!? これ、緊急事態だぞっ!?」

プーアル「ヤムチャ様、ヤムチャ様っ! 棚の一番上ですっ! あの~、右の……棚の……一番上ですっ! た、多分あったと思うんですけどね!?」

5: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:13:46 ID:3frGzHU2
ジャー


ヤムチャ「あ~、ふう、よかったぁ。ビックリしたよ。本当にないかと思った……今回、今まで生きてきた中で一番のピンチだったかもしれないよ」バタン

プーアル「あっ、ヤムチャ様っ……! ほらね、あったでしょ? トイレットペーパーあったでしょ?」

ヤムチャ「おうおう。あった事にはあったけど……ラスト一つだったぞ? これ、またすぐにでもピンチがやってくるな……」

プーアル「あちゃ~、ラスト一つでしたか……」

ヤムチャ「これ、買いにいかなきゃいけないな……トイレットペーパーだけじゃなくて、歯ブラシもいるよ。歯ブラシ」

プーアル「あら、歯ブラシもないですか?」

ヤムチャ「今使ってるの、毛先がダメみたいだからな……予備もなかったし、新しいヤツ買いにいこう……トイレットペーパーと……歯ブラシ……」

プーアル「あっ、それじゃあ洗剤も頼んでもいいですか?」

ヤムチャ「えっ……? 洗剤もないの……?」

プーアル「はい。ちょっと残りが少なくなってますね。それなら一緒に買って欲しいです」

6: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:20:42 ID:3frGzHU2
ヤムチャ「え~っと、ちょっと待ってろプーアル……忘れないように、メモするから……え~っと……トイレットペーパー……歯ブラシ……洗剤っと……なんか、他に足りないものないか~?」カキカキ

プーアル「え~っと、ちょっと待って下さいね……え~、え~……あっ! 油っ……! 料理油もないですっ!」ガサゴソ

ヤムチャ「はいはい、料理油……料理油っと……他には?」

プーアル「後、お塩もないですね。それに行くんだったら、食材も欲しいですね。やっぱりヤムチャ様には栄養バランスを考えてもらいたいですから」

ヤムチャ「塩っと……それと、食材……まぁ、そうだな。正しい食事を取りましょうっと……」

プーアル「後、掃除機のゴミ袋パックに……あっ、そうだっ! ゴミ袋もないんでしたっ!」

ヤムチャ「え~、掃除機のゴミ袋パックに……ゴミ袋っと……なんだなんだっ! この家はすっからかんじゃねぇかっ!?」

プーアル「……人間は生きていくだけで消費していくのです」

ヤムチャ「うるせぇ! 悟るな、プーアルっ!」

7: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:28:43 ID:3frGzHU2
ヤムチャ「まぁ、いいや! とりあえず、今日は日用品を買いに行くかっ! 洗濯終わったら、行こうぜ!」

プーアル「そうですね! 今日はお買い物です」


プルルルル……プルルルル……


ヤムチャ「なんだよ、おいおい……も~う、ガタガタしてる時にうるさいなぁ……」

プーアル「まぁまぁ、ヤムチャ様……」

ヤムチャ「はい、ヤムチャですっ! どちらさんっ!?」ガチャ

プーアル「も~う……電話越しにそんな態度取っちゃって……」

ヤムチャ「あっ、さくらちゃん!?」コロッ

8: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:34:05 ID:3frGzHU2
ヤムチャ「どうしたの? んっ……? 何か用……?」

プーアル「あら、さくらさんでしたか」

ヤムチャ「あ~、うんうんっ! 大丈夫、大丈夫っ! 今日、俺暇だったの! やっぱり、試合がない日はない日で寂しいもんだよ。ナハハハ!」

プーアル「……そして、この態度」

ヤムチャ「え~、そうなの……? ああ、いいよいいよ。なぁ~んかよくわからないけど付き合うよっ!」

プーアル「……んっ?」

ヤムチャ「いいよいいよっ! 俺も今日、丁度買い物に行く予定があったのっ! それで、一人で行くのって寂しいじゃない……? プーアルは今日、何処か出かけちまってるしさぁ……?」

プーアル「いますよ……います、います……僕、ここにいます……」

ヤムチャ「そういう事なら、一緒に買い物行こうよっ! うんうんっ! やっぱり一人より二人の方が楽しいしさ!?」

プーアル「……えっ?」

9: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:42:34 ID:3frGzHU2
ーーー


さくら「おはようございま~す」ガチャ

ブランカ「はい、おはようございます」

ダン「う~っす、おはようさん」

ベガ「うむ、揃ったな。では始めるか」

ダルシム「まぁまぁ、和やかなムードでいきましょうよ」

さくら「……んっ?」

ベガ「え~、先日の興行の来場者アンケートが集まった。今回はそのれを踏まえての会議を行う」

さくら「あっ、来場者アンケートっすか、はいはい。どうでした」

ベガ「え~、さくら……お前達、女子部の試合……春麗・ローズ・お前対ミカ君・ナデシコ君・まこと君の試合だな。ここの結果を読み上げるぞ?」

さくら「はいはい」

10: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:49:31 ID:3frGzHU2
ブランカ「え~、私が読み上げます。先ず『ミカ以外面白みが無かった。というか、彼女一人だけ他の連中より頑張っている感が出ていて気の毒に思えた。ヒールなのにまるでベビーフェイスのように応援しようって気持ちになってしまったよ。こういうのって本当に良くないと思うんだ』……だそうです」

さくら「……んっ?」

ブランカ「続いて『これ、対抗戦の試合じゃなくて普通の6人タッグ戦だったのね。ミカの悪態のおかげで対抗戦っぽく見えてただけだ』……だそうです」

さくら「えっ……!?」

ブランカ「他にも『トイレに行ってたら試合が終わってた』など……」

さくら「ちょっと……ちょっと、ちょっと待って下さい……トイレタイムっすかっ!?」

ブランカ「まだあります。『女子戦とメインイベントを見比べると、遠慮して仲良くやるよか喧嘩してるぐらいがちょうどいいのかもなぁ』などという意見ですね」

ダン「まぁ、お前達も三対三で……メインイベントも三対三だったが……う~ん、なっ……?」

さくら「……は、はい」

13: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:57:33 ID:3frGzHU2
ダルシム「悪い意見ばかりじゃないんですよ。いい意見もあるんですよ。え~っ『試合自体は面白かったんだけど、ストプロの方はなんていうか、カラー? キャラ? が薄いというかぼやけちゃった感じがしたかなぁ。これが複数人タッグマッチの難しさって所なのかな? いずれにせよ今日の試合を糧にして、次回はリベンジだ! 頑張れ!!』とかですね」

ベガ「それは完全にフォローに入ってるだろ。糧って言ってるぞ……? リベンジと言ってるぞ……?」

ブランカ「一番手厳しい意見としちゃコレですかねぇ? 『昨今のアニメに多い「女の子にやらせてるだけ」。可愛い女の子がやってるからちょっと真面目に内容作ってるだけで本格的扱い。下駄が高々だからベタでもへーきへーき。ちょっとくらいふざけてても大丈夫きゃっきゃうふふな君たちが見たいんだから。そんなのから脱却したいんじゃなかったのか』」

さくら「コ、コレ……マジっすか……? え~、その……ベガさんとか、ジミーさんがそういう風に書いたってワケじゃないっすよね……?」

ダン「まぁ、そういう風に思えれば楽だわなぁ、さくら。だけど、コレはマジなヤツなんだよ……ちゃ~んと受け止めろ……」

ブランカ「これは、私やベガさんの意見ではなく……会場に来たファンの意見です……」

さくら「……マ、マジっすかぁ」

ベガ「おい、さくら……? 私はもう怒鳴らんぞ……? 昨日の時点で、もう怒鳴っていたからな。今日は落ち着いて話をする……いいか、さくら……? よく聞け……?」ギロリ

さくら「うっ……あっ、はい……!」

14: 名無しさん 2016/12/21(水) 23:01:29 ID:3frGzHU2
ベガ「なぁ~にをやっとるんだ、お前はっ……!」

ダン「怒鳴ってんぞっ! 怒鳴ってんぞ、オイっ!」

ベガ「お前らが評判を落とすと言う事は、このストリートプロレスの評判を落とす事になるっ! しかし、今回はそれだけではないっ! 対抗戦をしているんだろっ!? お前ら、今対抗戦してるんだろっ!?」

ダルシム「まぁまぁ、ベガさんベガさん……」

ベガ「鰯ヶ浜女子プロレスさんにご迷惑をかけるなっ!」

さくら「は、はいっ……! 申し訳ありませんでしたっ! 金輪際、こういった声が届かないように……」ペコッ

ベガ「とりあえずな……? 補佐をつける。ジミーがお前の補佐だ。こんな試合を続けられているようでは困るからな……? 対抗戦のカード・ストーリーに関してはジミーと二人三脚で行ってもらうぞ?」

さくら「えっ……? ジミーさんと二人で……っすか?」

ベガ「当然だ。こういった試合をまたされては困る。何か提案したいのであれば、一度ジミーの目を通してから、実行に移せ」

ブランカ「さくらさん、とりあえずよろしくお願いします」

15: 名無しさん 2016/12/21(水) 23:05:38 ID:3frGzHU2
ベガ「ジミーと二人で立て直せ。今ならまだ間に合うだろう……もし、お前が立て直せずこのまま鰯ヶ浜女子プロレスの方々の顔に泥を塗ってしまうようであれば……お前は外す」

さくら「ちょ、ちょっと待って下さいっ……! 話が急で飲み込めないっすよっ……! は、外すってのは……降格って事っすかっ!?」

ベガ「その通りだ。そういう事だ。そうなった場合はジミーに女子部の方針を考えてもらう」

ブランカ「……まぁ、ローズ君辺りもありだとは思いますけどねぇ」

ダン「ジミー、おめぇ何気に嫌なんだろ?」ケラケラ

さくら「ちょっと待って下さいっ……! でも、ジミーさんが方針決めるって事になったら、当然男目線のお色気とか……その  とか……あり得ますよねぇ!? それは、女子部全員は納得しませんよっ! 女子部は女子部で女子が……」

ベガ「お前がそのお色気、  を抜いて上手く進める事が出来ているのであれば、こんな話にはならんわっ! 出来ていないから、こうなっているんじゃないのかっ!? ああっ!?」

さくら「……そ、それは」

ブランカ「そりゃ、嫌ですよ。ただでさえ私はディージェイ君の事で手一杯なんですから。現状のバランスが続くのが一番いいですよ。そこまで仕事はしたくないです」

ダン「だから、さくらっ……! おめぇが上手い事やれば問題ねぇんだよ! おめぇさえしっかりしてりゃ、問題ねぇってのっ! ジミーも嫌がってんじゃねぇかっ!」ケラケラ

35: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:00:36 ID:w/2nN71k
ダルシム「とりあえず、さくらさんの事はこれくらいでいいんじゃないですかね? 私としては明日からの話に移っていきたいのですが……」

ベガ「う、う~む。まぁ、そうするか……それじゃあ、さくら、ジミー……そういう事だ。対抗戦はお前達二人で進めてくれ」

ブランカ「はい、了解しました。さくらさん……あくまで私はサポートのつもりですから……ねっ……?」

さくら「り、了解……っす……」

ダン「それで……? え~っと、ベガ……? 今日の話ってのは、アレか……? チーム・ケミストリーの方向性……みたいな事か?」

ベガ「そうだそうだ。その辺を含めた今後の展望の話なのだが……え~、そうだな……? とりあえず、話を聞いてくれ」

ブランカ「私は先日、少し聞きましたが、皆さんにも確認……それに、新たなアイディアなどがあれば」

ダルシム「ふむふむ」

さくら「……」

36: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:07:18 ID:w/2nN71k
ーーー


さくら「……ふう」トボトボ

ダン「おぉ~いっ! おぉ~い、さくらっ! 待てよ待てよっ!」

さくら「……あっ、ダンさん?」

ダン「へへへ、なぁ~にショボくれた顔してんだよ。おめぇ、やっちまったな!?」

さくら「わかってますよ、本当に……あ~ぁ、やっちまいました……」

ダン「降格処分だってよ、降格処分っ! まぁ、ベガの言い分もわかりはするが……ちょ~っとなっ!? アレだったよな!?」

さくら「アレ、確実にマジでしたよね……? うわ~、も~う……」

ダン「……対抗戦のラストまで、二ヶ月強あるんだろ? 大丈夫、大丈夫っ! 俺なら全然立て直せるね!」

さくら「……じゃあ、ダンさんが立て直して下さいよ」

ダン「俺じゃねぇよ。おめぇとジミーだよ……おめぇとっ……! ジミー……」

37: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:20:16 ID:w/2nN71k
ダン「おめぇが降格処分なんて喰らってみろよ……? ファンはそこの内情はわかんねぇかもしれねぇけど、こっちの選手連中には内情が見えてんだぞ……?」

さくら「……はい」

ダン「お前、そんな中で女子部の連中の輪の中に加わっていけるのか……? 降格処分喰らって、じゃあこれからは同じ立場ですね!? なぁ~んつって、女子部の輪の中に戻っていけるのかよ?」

さくら「わかってますよっ……! わかってますっ……! も~うっ……!」イライラ

ダン「だぁ~、だぁだぁだぁ……怒んな怒んなっ……! 俺はちっとおめぇに発破をかけてやろうと思っただけなんだ……」

さくら「……そこもわかってますっ!」

ダン「イライラするんじゃねぇっての、バカっ……! シワ増えてババアになっちまうぞ?」

さくら「……うるさいっ!」

38: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:27:18 ID:w/2nN71k
ダン「とりあえず、さ……? 今日、おめぇは帰ってもいいよ。いやいや、帰るべきだな……うんうん、今すぐにでも帰るべきだ……」

さくら「そうはいかないっすよ。これからジミーさんと二人で……」

ダン「いいよいいよ。ある程度流れは出来てるんだろ……? それだったら、今日は俺とジミーでそこん所、チェックしておいてやるからよ? おめぇは、ちょっと気晴らしにでも行ってこい」

さくら「あのねぇ……? こんな状況の中、気晴らしなんて……」

ダン「……お小遣いやろうか?」

さくら「……ふざけないっ!」

ダン「ふざけてねぇよ……ふざけてねぇ、ふざけてねぇ……え~っと、あの……さくら……?」

さくら「……はい?」

39: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:36:55 ID:w/2nN71k
ダン「おめぇ『ハスラー』って映画知ってるか?」

さくら「……なんすか、いきなり」

ダン「名作映画なんだけどよぉ……ハスラー……見た事ねぇか……?」

さくら「……う~ん、見た事ないっす」

ダン「ビリヤードの映画なんだけどよぉ……? ゼニー賭けてビリヤードするんだけど……こ~う、ビリヤードでの勝ち負けだけではなく……人間としての勝ち負けとはなんなのか……? ってのを、テーマにしてる映画なんだよ」

さくら「……んっ?」

ダン「ビリヤード勝負の勝ち負けは……まぁ、こういった結果でしたが……人間らしく生きたのはどっちなんだ!? みたいな、映画だな!」

40: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:43:06 ID:w/2nN71k
ダン「じゃあ、アレは知ってるか……? 『フォレスト・ガンプ』っつう映画。これも名作だな!」

さくら「映画の話なんて、いいんすよ……え~、それも知らないっす……」

ダン「これは頭の悪いヤツが、周りの協力を受けつつ受けつつ……成功していく話だなっ! ちなみに、映画の中には『ダン中尉』ってヤツが出てくるんだよ! ははは、ロレントも俺の事、そう呼んでやがるっ!」

さくら「……はぁ、ダン中尉っすか」

ダン「俺が一番好きな映画は『天使にラヴソングを』ってヤツだなっ! これだけは、何十回見ても飽きやしねぇっ! これは知ってんだろ!? なぁ、なぁっ!?」

さくら「それは、名前は聞いた事はありますね」

ダン「これはちょっとハチャメチャ気味のクラブ歌手が、お堅い修道院に行く事になって……こ~う、そこでのハチャメチャ騒動って言えばいいのかな……? そういうのが、面白ぇんだよっ!」

さくら「いやいや、映画の話はもういいっすよ……何が言いたいんすか……? ねぇ、何が言いたいんすか……?」

ダン「……おめぇ、何にも知らねぇだろ?」

さくら「……えっ?」

41: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:48:56 ID:w/2nN71k
ダン「おめぇの知ってる事ってなんだよ? おめぇ、プロレス以外の事を全く知らねぇだろ? 朝起きてすぐ、興行の事考えて……それで試合して、試合終わったら現場の事見て……興行終わっても、反省会に次の興行の事……」

さくら「……」

ダン「おめぇ、四六時中プロレスの事ばかり考えてるだろ? だから、おめぇプロレスの事は凄ぇ詳しいよ。もうちょっと他の所からカードとか構成に使えるようなもん探してみるのもありなんじゃねぇかなって俺は思うぞ?」

さくら「……」

ダン「おめぇを、そういうプロレス馬鹿にしちまったのは、これ完全に俺の責任だよ。おめぇを女子部のブッカーに推薦したのは俺だからな? 俺がおめぇを推薦して……そこに決まって……そこからおめぇの仕事馬鹿化が進んじまったよ」

さくら「そこまで仕事馬鹿じゃ……」

ダン「仕事・仕事・仕事&仕事……&仕事っ……! 俺、見てみろ! 人生の半分は遊びに費やしてるぞっ!? 映画も見るし、釣りもするし……今度はフットサルに挑戦してみようかなって思ってるんだよっ!?」

さくら「……フットサルっすか。ダンさんは本当に多趣味っすね」

ダン「俺は世間様の娯楽を知って……その娯楽の面白さを、自分の身体で感じてみようではないかって思ってやってんだよ。そりゃ、娯楽を提供する商売してるんだからよぉ? そういう事を知っておかなきゃ、世間様に提供出来ねぇだろうに」

42: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:53:38 ID:w/2nN71k
ダン「だから、いい機会だから言うよ。おめぇは世間様の娯楽を知ってこい……なっ……? 世間様の娯楽を知って……その楽しさを、ここでどういう形でアレンジすればいいか……そこを知って来い」

さくら「……」

ダン「おめぇぐらいの年だったら、本当は恋だの愛だのやってんだろ……? カプチーノ飲んで可愛いとか言ってんだろ……? おめぇが仕事馬鹿だったから、そういう世間様とのズレが出てきてるんじゃねぇか?」

さくら「……んん」

ダン「自分の楽しいが、世間様の楽しいと一致してねぇんだよ? あの評判の悪かった試合……おめぇ自身は楽しんでやってただろ……? それくらいは、表情見ればわかるよ」

さくら「……」

ダン「今日は、俺とジミーに任せておけ。おめぇは明日からでいいよ。どうせ明日には嫌でも仕事しなけきゃいけねぇんだからな? 今日は気晴らし&世間の娯楽探しだ。今日は本当に大丈夫だからよぉ……? おめぇは遊んでこいっての! なっ?」

さくら「いきなりそんな事言われましても……う~ん……」

ダン「一人が嫌なら誰か誘えっ。一人ぐらいはつかまるだろっ!? 猫カフェ行ってこい、猫カフェっ!」

43: 名無しさん 2016/12/22(木) 22:57:29 ID:w/2nN71k
---


ヤムチャ「ゲッ……! ちょっと、遅れちゃったかなっ……!? ごめんごめんっ!」アセアセ

さくら「あ~、いやっ! 自分も今来た所っすよ! こっちこそ、急に呼び出して申し訳ないっす」

ヤムチャ「あ~、いいよいいよ! ちょうど、俺も今日は買い物の予定があったしね。プーアルは出かけちゃってるし……一人で行くのも寂しいなって思ってたんだよ。だから、誘ってくれてよかったよ!」

さくら「買い物って何買うつもりなんすか?」

ヤムチャ「もうね、色々だよ……色々だよ、色々……うちは本当にすっからかんだからさぁ……? 物増やしていかなきゃいけないんだよ……困っちゃうなぁ……」

さくら「あ~、そういや……確か、前にヤムチャさんも無趣味……とか言ってましたもんね……?」

ヤムチャ「無趣味だろうがね……人間、生きてくだけで消費していくんだ……」

さくら「ど、どうしたんすか……? 急に悟っちゃって……?」

44: 名無しさん 2016/12/22(木) 23:01:06 ID:w/2nN71k
ヤムチャ「まぁまぁ、とにかくとにかくっ……! え~っと、どうしようかっ……!? それじゃあ、先に俺の買い物を済ませてからにする……? 俺のはすぐにでも終わるからさっ!」

さくら「あっ、はい。それで大丈夫っすよ! 何処行くんですか?」

ヤムチャ「とりあえずね……ショッピングモールへ行こうか……? ショッピングモールで買い物済ませて……ちょっとブラブラして……みたいな感じがいいんじゃないかな?」

さくら「はいっ!」

ヤムチャ「ショッピングモールだったら、ほら。さくらちゃんも服とか見れるし……ご飯は食べた? ご飯、まだだったら、またそこでお店探そうよ?」

さくら「へへへ、お気遣いありがとうございます」

ヤムチャ「え~っと……じゃあ、とりあえず行こうかっ! う~んと……うんうん。大丈夫だなっ! よし、メモはちゃんと持って来てるっ!」

さくら「あっ、メモとか持ってきてるんすね?」

ヤムチャ「うんうん。俺、結構忘れっぽいからね。それじゃあ、行こう行こう!」

63: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:00:40 ID:fnTdv4Bs
ーーー


ヤムチャ「え~っと、え~っと、先ずはトイレットペーパーっと。あっ、ごめん。さくらちゃん、そこのトイレットペーパー取ってくれる?」

さくら「あっ、はい。わかりました……」ヒョイ

ヤムチャ「あっ、芳香剤も買っておこうっと……え~っと、歯ブラシっ……! 歯ブラシだなっ……! え~っと、歯ブラシと……芳香剤っと……」ヒョイヒョイ

さくら「は、はぁ……」

ヤムチャ「それで、次は洗剤なんだけど……う~ん、洗剤は何処だろう……?」

さくら「洗剤って……洗濯とかの、洗剤っすよねぇ……?」

ヤムチャ「そうそう、その洗剤。洗濯に使う洗剤」

さくら「え~……でも、近くのコーナーにあるんじゃないですかね……? 同じ水回り物と言えば、水回り物ですし……」

ヤムチャ「そうだよね? じゃあ、隣かな? ちょっと隣行ってみよう。洗濯、洗濯……」イソイソ

65: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:08:17 ID:fnTdv4Bs
ヤムチャ「あ~っ、あったあったっ! 洗剤あったよっ! 洗剤あったあったっ!」

さくら「……ねぇ、ヤムチャさん?」

ヤムチャ「え~、洗剤はオッケーだろ……? え~っと次は……なんだったかな……?」

さくら「ねぇっ!? ヤムチャさんっ!?」

ヤムチャ「う、うおっ……! 何、何っ……!? ど、どうしたのさくらちゃんっ……! ビックリしたなぁ~」

さくら「買いたい物って、コレの事っすか……?」

ヤムチャ「あ~、うんうんっ! そうそうっ! もう最近買い物に行ってなかったからさぁ……? トイレットペーパーも歯ブラシも洗剤もなくて困っちゃってんだよ……」

さくら「……」

ヤムチャ「あ~、じゃあ次は……料理油と、塩だねっ……! 料理油と塩は食品コーナーだから、あっちかな……? よしよし、さくらちゃん、行こう行こうっ!」

66: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:16:11 ID:fnTdv4Bs
さくら「行こう行こうじゃないっすよっ……! 今日、自分を……そ、その自分を遊びに連れていってくれるんじゃなかったんっすかっ……!?」

ヤムチャ「いやいや、勿論それは忘れてないよ。だから、こうやってさっさと買い物だけ済ませて……それから、さくらちゃんとホラ……? 洋服見たり……ホラ、色々ね……?」

さくら「……トイレットペーパー抱えた人と!?」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「だから、その……自分は、トイレットペーパー抱えた人と……遊びに行くって事っすかね……?」

ヤムチャ「え~っと……あ~、それは……う、う~ん……」

さくら「……」

ヤムチャ「……嫌かな?」

さくら「嫌っすよっ! 嫌に決まってんじゃないっすかっ!?」クスクス

67: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:23:53 ID:fnTdv4Bs
さくら「今日コレ、あの……デート……って考えてもいいっすよねぇ……? あの、誘ったのは自分っすけど……デートって考えてもいいっすよねぇ……?」

ヤムチャ「あっ、はいっ……! そうですそうですっ! これは、デートですっ!」

さくら「だったら何で、デパ地下巡りなんすかっ!? なぁ~んで、デパ地下巡りなんですかっ!?」

ヤムチャ「違う違うっ……! これは先に俺の買い物を終わらせて……それから、さくらちゃんっとって事だよっ! 6階とかには美味しいご飯のお店もあるよっ!」

さくら「二人してデパ地下で日用品見るだなんて……な、なんすかコレっ……!? 結婚三年目っすかっ……!? 自分とヤムチャさんは、結構三年目なんすかっ!?」

ヤムチャ「おっ……! 結婚三年目……な、な~んかソレいいねっ……! ソレいいねっ……!」

さくら「いやいやいやいやっ……! そうじゃなくて、そうじゃなくて……」

68: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:29:54 ID:fnTdv4Bs
さくら「あ~っ! 思い出したっ!」

ヤムチャ「思い出したって……んっ、何が……? 何、何……?」

さくら「確か、前のヤムチャさんとの二人の時も……アレだっ! 家電コーナー行ったんだったっ!」

ヤムチャ「あ~、行ったね! 行った行ったっ! さくらちゃんが見繕ってくれてね……? いや~、本当にアレは助かったよっ!」

さくら「いや、誉めてないっすよ……!? その、なぁ~んかヤムチャさんと二人で何処か行く時って……なんか、毎回主婦感覚になってるような気がしますよ、こっちはっ!」

ヤムチャ「そ、そんな事は……ないんじゃないかな~? え~っと……あっ! ほらほらっ……! 花火大会っ……! 花火大会見に行ったじゃない!?」

さくら「言ってもアレは仕事……あっ……」

ヤムチャ「……んっ?」

69: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:36:44 ID:fnTdv4Bs
さくら「いや、まぁ……花火大会は……デートでしたね。うん、はい。デートでした」

ヤムチャ「ほらほら、ねっ……!? でしょでしょ……? ほ~らっ!」

さくら「いやでも、だからぁ~……今日はそういう感じのね……? そういう路線の事を期待してたんっすっよっ!」

ヤムチャ「期待って……んっ……? えっ、えっ……?」

さくら「……変な意味でとらない」

ヤムチャ「あっ、はい」

さくら「そしたら、またこっち路線来ちゃったっすよっ! まぁ~たこっち路線っ……! また主婦業っ!」クスクス

ヤムチャ「え~っと……う~ん……じゃあ、どうしようかな……? 俺の買い物……コレ、後にする……?」

さくら「いやいや、もう選んじゃったんだからいいっすよ……もうそこは今更って感じもします……買っちゃいましょう……それはもう買っちゃいましょう……」

70: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:42:36 ID:fnTdv4Bs
さくら「自分、覚悟決めました。もう、今日はトイレットペーパー抱えた人と一日付き合います」

ヤムチャ「そ、そんなに覚悟を決めるような事かなぁ~? トイレットペーパーも歯ブラシもさぁ……? これ、絶対必要な物じゃないっ!? 人生において絶対に必要な物だよ!?」

さくら「今日の自分は……人生に必要じゃない物を、探しにきたんすよ」

ヤムチャ「んっ……? どういう事……?」

さくら「う~ん、あっ……いやっ……! そこは気にしないで下さい。そこは気にしなくてもいいっす。とりあえずねっ……? 買い物は済ませて、何処かに連れていって下さいよ。今日は何処でも付き合いますからさ……?」

ヤムチャ「う~ん、そう言われるとそう言われるで、どうしようか困ったもんだなぁ~。とりあえず、じゃあ買い物はさっさと終わらせるよっ! この食品コーナーで……終わりだから、うんっ!」

さくら「……このゆず胡椒って知ってます? これ、凄く美味しいんすよ?」ヒョイ

ヤムチャ「えっ、何ソレ……? 知らない知らない……」

さくら「魚料理とかに合うんですよ。ピリッとして、美味しいっすよ」

ヤムチャ「へぇ~、そうなんだ。じゃあ、それも買おう。それも買おう。一回、試してみよう」

71: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:48:22 ID:fnTdv4Bs
ーーー


ヤムチャ「う~ん、なんか面白そうな事ないかなぁ~? ないかなぁ~? おっ……! さくらちゃん、アレ見て見てっ……!」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「大きいピンクの熊さんのぬいぐるみっ……! いいじゃないっ! アレ、可愛いじゃないっ! 俺、取ってあげようか!?」

さくら「ヤムチャさん、UFOキャッチャーとか上手なんっすか?」

ヤムチャ「いや~、やった事はないけどねぇ……なぁ~んか、今日の俺は取れる気がする……取れる気がするなぁ……」

さくら「いや、でもあれだけ大きいと荷物になるでしょ……? う~ん、まぁあれはいいかな?」

ヤムチャ「あっ、そう」

72: 名無しさん 2016/12/23(金) 22:54:35 ID:fnTdv4Bs
ヤムチャ「なぁ~んか、ここには一杯ゲームがあるね……?」キョロキョロ

さくら「色々見てたら、キッズコーナーまで辿り着いちゃいましたね。アハハ、これでプーアルさんもいたら、完全に家族の日常っすよ」

ヤムチャ「でもね、多分プーアルはあのぬいぐるみ喜ばないと思うな~。だってプーアルより大きいもん」

さくら「アハハ、確かに」クスクス

ヤムチャ「それに、多分無駄遣いするなって怒られちゃうよ、ナハハ」ケラケラ

さくら「プーアルさんって、結構そういう所しっかりしてますもんね」

ヤムチャ「しっかりしすぎなのが、アイツの悪い所なんだよな……本当、プーアルはしっかりしすぎなの……」


女「いや~っ! 助けてっ~!」


さくら「アハハ……んっ……?」

ヤムチャ「おいおい、なんだなんだっ……? どうしたどうした……? さくらちゃん、いこうっ……!」ダダッ

さくら「あっ、はいっ!」ダダッ

73: 名無しさん 2016/12/23(金) 23:00:30 ID:fnTdv4Bs
ワ・ルーイ「ワハハハっ! この悪の帝王ワ・ルーイ様はちびっこ共が泣き叫ぶ姿が大の大好きなのだっ! だから、ちびっこ共っ……! 今からこのお姉さんに酷い事をしちゃうから、沢山、沢山泣き叫ぶのだぞ~! ワハハハ~!」

女「そんな事はさせないわっ……! そうだっ……! 皆、こういう時は正義のヒーローに助けてもらいましょうっ!」


ヤムチャ「んっ……? アレ……?」ピタッ

さくら「あっ、なぁ~んだ、ビックリした」ピタッ


女「それじゃあ、大きな声で名前を呼んであげてねっ! せぇ~のっ! 助けて~、スカロマニア~!」

タスケテ、スカロマニアー !


ヤムチャ「何、コレ……? ねぇねぇ、さくらちゃん……何コレ……?」

さくら「ヒーローショーっすよ。ヒーローショー」


女「声が小さいよ~! もう一回~! せぇ~のっ! 助けて、スカロマニア~!」

タスケテ、スカロマニアー !

92: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:00:43 ID:sV1DYKek
スカロマニア「そこまでだっ! てえぇぇいっ!」シュタッ

女「わぁ~! 皆の声援でスカロマニアが来てくれたよ~!?」


ワー ! ワーワー !

ヤムチャ「ヒーローショー……ふ~ん……って、ああっ……!?」

さくら「……おろ?」


ワ・ルーイ「チィ、またも邪魔しにスカロマニアよ……気に食わんヤツだっ……!」

スカロマニア「まだ生きていたのか悪の帝王ワ・ルーイ! 私の必殺ウルトラスーパースカロドリームファイナルで、太陽の中心まで叩き込んでやるぞ!」


ワー ! ワーワー !

ヤムチャ「ヒーローショーって……おいっ……! どっちがヒーローだっ!? どっちが、ヒーローでどっちが悪者なんだっ!?」

さくら「いや、まぁ出方を見る限り、あっちがヒーローでしょうね。ヒーローは遅れてやってくるもんっすから」

93: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:08:50 ID:sV1DYKek
ワ・ルーイ「え~いっ……! こうなっては仕方あるまいっ……! いでよ、ワ・ルーイ軍団っ……! 憎きスカロマニアを始末するのだ~っ!」

戦闘員A「イーッ!」シュタッ

戦闘員B「キーッ!」シュタッ


ヤムチャ「いやいやいやっ……! 見てくれ的には、あの骸骨野郎より、完全にアッチのヤツの方が正義の味方じゃ……あっ、また何か出てきたっ!」

さくら「あっ、本当っすね」


スカロマニア「しまったっ……! 囲まれてしまったかっ……!? しかし、このスカロマニアは負けんっ……! 私には正義の心があるっ!」キョロキョロ

女「キャーっ、スカロマニアがピンチよ~! そうだ、皆でスカロマニアを応援しましょうっ! せぇ~の、頑張れスカロマニアー!」


ガンバレ、スカロマニアー !

ヤムチャ「いや、また何か出てきたけどさぁ……? 出てきたけど……ほらほらほらっ……! 絶対、アイツらの方が正義の味方っぽいよっ!? だってアイツ骸骨だよっ!? ねぇねぇ!?」

さくら「あははは。そうっすね」クスクス

94: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:14:36 ID:sV1DYKek
戦闘員A「イーっ……!」スカッ

スカロマニア「おっと危ないっ……! そして、てやぁっ……!」バシッ

戦闘員A「……イーっ」ヨロッ


ワー ! ワーワー !

ヤムチャ「え~……なんだろうな、なんだろうなぁ……コレ……」

さくら「あっ、戦闘が始まりましたね」


戦闘員B「キーッ……!」スカッ

スカロマニア「スカロマニアは負けんっ……! せいやぁっ……!」バシッ

戦闘員B「……キーッ」ヨロッ


ワー ! ワーワー !

さくら「あっ、凄~い。回し蹴り~」

ヤムチャ「俺、今……あっち側応援してるんだけど……コレ、おかしいかな……? おかしい事なのかなぁ……?」

95: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:22:12 ID:sV1DYKek
スカロマニア「どうだっ……! 見たかっ……!?」

ワ・ルーイ「く、くそぉ……こうなったら、このワ・ルーイ様が直々に相手をするしかないなっ……! スカロマニアよ、覚悟しろっ!」

女「流石、スカロマニアねっ! その調子でワ・ルーイもやっつけちゃってっ! せぇ~の、頑張れスカロマニア~!」


ガンバレ、スカロマニアー !

さくら「まぁ、言ってる事はわかりますよ? だって、ほらっ……! ヤムチャさんとシャドルーの時だって、シャドルーを応援する人だっているんすから!」クスクス

ヤムチャ「いや、シャドルーとこれとは……また違うよっ……! これはだって、見た目がさぁ……!? 見た目がも~う……」


ワ・ルーイ「ワ・ルーイブレードっ……! いくぞ、スカロマニアっ……! でええぇぇいっ!」スカッ

スカロマニア「武器に頼るだなんて、卑怯者のする事だぞ、ワ・ルーイよっ……! その邪心、このスカロマニアが打ち砕いてみせるっ……! そりゃっ!」


ワー ! ワーワー !

さくら「振舞い自体は完全に正義のヒーローなんすけどね……う~ん、なんだろなぁ……なんだろうなぁ……」クスクス

ヤムチャ「アイツが正義の心を持って……それで、あっちがあの~、悪の心に目覚めれば解決なんじゃないかなっ……!? ねぇ、ねぇっ……!?」

さくら「あはは、でも子供達は応援してますよ~」

96: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:29:55 ID:sV1DYKek
---


女「ありがとう、スカロマニアっ! スカロマニアの活躍によって、ワ・ルーイ達は逃げていったわっ! やっぱりスカロマニアはヒーローねっ!」

スカロマニア「正義の心さえあれば、誰でも正真正銘のヒーローだっ! 礼には及ばないっ!」

女「わぁ~、スカロマニアはいい事言うわね! そうよ、正義の心さえあれば皆もスカロマニアみたいなヒーローになれるの! 皆、わかったかな?」

スカロマニア「子供達の笑顔というものはいつ見ても……むっ……? アレは……」


ハーイ ! ハーイ !

ヤムチャ「いい事言ってるんだよ……いい事言ってんだけどなぁ……なぁ~んだろうなぁ……やっぱり見た目だな……骸骨だもん……」

さくら「以外とああいうダークな感じが子供達に受けたりするんすかね……?」

ヤムチャ「う~ん、なんだろうなぁ……なんだろうなぁ……」

さくら「それとも、見た目と立ち振舞いのギャップとかが、受けてるとか……?」

97: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:37:27 ID:sV1DYKek
ヤムチャ「まぁまぁ、いいんじゃない……? もういいんじゃない……? 正義が勝って、子供達が喜んで、一件落着……それだったら、もういいんじゃないかな……? 引っ掛かってるのは俺だけでしょ……?」

さくら「あはは、大丈夫っす。自分も引っ掛かっててますから」

ヤムチャ「あ~……え~……これで、もうおしまいなのかな……? アイツ帰っていくみたいだし……」

さくら「そうですね。終わりみたいですね。なぁ~んか、結局全部見ちゃいましたね?」

ヤムチャ「そうだね、全部見ちゃったよ……戦ってるのとか、結構しっかりしてたでしょ……? だから、ちょっと面白かったんだよね……? そこがなんか、悔しいよね……?」

さくら「そうっすね。結構スタントのレベルは高かったっすよねぇ。うんうん、確かに面白かったっす……面白かったっすけど……」

ヤムチャ「スカロマニア……なんだよ、アイツっ……! 骸骨じゃないよっ……! お花にしろ、お花にっ!」

さくら「これをうちでやれってのは……要はバイソンさん辺りを……あ~、出来ないなぁ、コレ……」ブツブツ

98: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:44:46 ID:sV1DYKek
ヤムチャ「とりあえず、終わったみたいだし……ちょっとブラブラしようか? さくらちゃんも、付き合わせてごめんね。ご飯でも食べる?」

さくら「あ~、いえいえっ! 付き合わせたとか、そんなんじゃないっすよ! 自分も結構楽しんでましたし」

ヤムチャ「……あっ、そう?」

さくら「それに、コテコテも悪くないって事も勉強になりました。後、そうだな……ちびっこ人気って所も!」

ヤムチャ「まぁ、そういってくれるのならいいけど……女の人の悲鳴が聞こえて何事かなと思って、慌てて来たのに……なぁ~んか、とんでもない物を見せつけられた気分だよ……」

さくら「あっ、でもヤムチャさん、悲鳴が聞こえた時血相変えて向かって行ったでしょ……? ちょっと、格好よかったすよ?」

ヤムチャ「やめてよやめてよ……これの為に血相変えただなんて……恥ずかしいよ……とにかく、とにかくブラブラしようよ……ねっ……?」

99: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:50:58 ID:sV1DYKek
ーーー


ヤムチャ「あっ、見てっ……! さくらちゃん、あのうちわ見てよっ……! ほらほらほらっ……!」

さくら「……んっ?」チラッ

ヤムチャ「あれ、いいんじゃない……? ほら、さくらの花びらのうちわっ! さくらちゃんにピッタリじゃんっ!」

さくら「あ~、扇子か……う~ん、確かにお洒落っすねぇ。ただ自分のイメージに合うかと言いましたら……」

ヤムチャ「なぁ~んで!? さくらに、さくらっ! ピッタリじゃんっ! イメージピッタリじゃんっ!」

さくら「いや、扇子ってのはねぇ……ちょっと他団体に決まった小道具として使ってる人がいるんすよ。なぁ~んか、そっちのイメージに引っ張られちゃうかな……お洒落とは思うんすけどね……お洒落だとは……」


西小山「……あ、あの~。すいません」ボソボソ

100: 名無しさん 2016/12/25(日) 22:56:38 ID:sV1DYKek
ヤムチャ「……アレ、うちわじゃなくて扇子なの?」

さくら「丸いのがうちわで……あれは、扇子っす。あれ、折り畳む事が出来るんすよ」


西小山「あ、あの~……あ、あの~……す、すいません……」オドオド


ヤムチャ「へぇ~、そうなんだ。俺、あれいいと思うんだけどねぇ。さくらちゃんにピッタリな気がする。買ってあげるよ?」

さくら「いやいやいやいや……大丈夫っすよ、大丈夫。別にねだったりしてるワケじゃないんで、そういうのは……」


小西山「あ、あのっ……! す、すいませんっ……!」


ヤムチャ「う、うおっ……! なんだなんだっ……!?」

さくら「うわっ、ビックリしたっ!」

101: 名無しさん 2016/12/25(日) 23:01:27 ID:sV1DYKek
ヤムチャ「いきなり背後から大声出されたらビックリするよっ!? なんだなんだ、おじさんどうしたの!?」

小西山「あ、あの~……ス、ストリートプロレスのヤムチャ選手と、さくら選手ですよね……?」ボソボソ

さくら「……ありゃ」

ヤムチャ「あっ、そうそう。俺、ヤムチャだよ」

小西山「あっ、申し遅れました……! 私、こういう者を申します……!」ペコッ

さくら「あっ、どうも……名刺っすね」

ヤムチャ「え~、小西山三郎さん……ふ~ん……三郎さん!」

小西山「……あの~、先程私のステージを拝見されておられましたよね?」

115: 名無しさん 2016/12/26(月) 22:00:37 ID:MWq09wDc
ヤムチャ「さっきのステージ……って、なんだぁ? 俺、アンタの事なんて初めて見たぞ?」

小西山「あの~、スカロマニアですよ。スカロマニアヒーローステージ」ボソッ

さくら「えっ……!? 小西山さんって……スカロマニアっ!?」

小西山「お、大声を出さないで下さいっ……! ヒーローの正体は知られてはいけないんですから」ボソボソ

ヤムチャ「え~っ!? アンタ……スカロマニアなんだっ!? え~、え~っ!? アンタがスカロマニアなんだっ!? え~っ!?」

小西山「だ、だから大声を出さないで下さいっ……! そ、そっちがその気なら、私だってここでストリートプロレスの人達が買い物してますよって大声出しますよ!? いいんですかっ!?」

さくら「あ~、あ~。失礼しました、失礼しました……そうっすね、お互いに内密にしておいた方がいい事もありますよね……?」

ヤムチャ「……ちょ~っと、意外な人が正体だったな。もっと若いお兄さんだと想像してたけど、おじさんだな~」

116: 名無しさん 2016/12/26(月) 22:09:16 ID:MWq09wDc
小西山「まさかレスラーの方々にステージを見て頂けるだなんて、驚きです! あ、あの~、私のステージどうでしたでしょうかっ!? 結構、格闘シーンなんかも……そのプロレスの動きを参考にしている部分があったりするんですよ!?」

さくら「いや~、よかったですよ! 凄く迫力のある戦闘シーンでしたよ! 動きにキレがあるなぁ~、なんて思って見てました」

小西山「あ、ありがとうございますっ!」ペコッ

さくら「あ~、それとね……? 雑魚戦闘員の回し蹴り喰らってやられた方っ……! 受け身がしっかりしてましたねっ!」

小西山「小北山君に言っておきますっ!」ペコッ

さくら「いや~、ステージ上って言っても、結構硬いっすよねぇ? それなのに、よくやるなぁと思ってたんですよ。ホラ、うちの場合はマットっすから……」

小西山「ありがとうございますっ……! あ~りがとうございますっ……!」ペコッ

ヤムチャ「……いやいや、ちょっと待ってちょっと待って。俺はあのステージおかしな部分があったと思うよ?」

小西山「えっ……!? 何処がでしょうかっ……!?」

117: 名無しさん 2016/12/26(月) 22:19:20 ID:MWq09wDc
ヤムチャ「何処がじゃないよ! アンタの格好だよ、アンタの格好っ! アレ、完全に悪者じゃないかっ!」

小西山「ま、待って下さいっ……! スカロマニアは正義のヒーローですよっ!?」

ヤムチャ「正義のヒーローじゃないよっ! あ~んな、ドクロの骸骨の……完全に悪者じゃないかっ!」

小西山「悪者はワ・ルーイですよっ! ほら、名前っ! 『ワ・ルーイ』ですよっ!? 『悪~い』ですよっ!? どっちが悪い奴だなんて、一発でわかるじゃないですかっ!?」

ヤムチャ「名前はそうかも知れないけど……アンタは見てくれがさっ……!? 見てくれが悪~いなんだよっ! 見てくれがっ!」

小西山「そうは言いましても……アレ、うちの企業のPRキャラクターなんですよ……あの見てくれを変えるワケには……う~ん、いかないですね~……」

さくら「あ~、名刺に書いてありますね。スカルブランド営業担当……小西山三郎さん……」

ヤムチャ「スカルブランド……? スカルブランドってなんだぁ……?」

118: 名無しさん 2016/12/26(月) 22:28:37 ID:MWq09wDc
小西山「あ、あっ、私共はスカルグッズ……いわゆるドクロですね。骸骨をモチーフとした、様々な雑貨を扱っているんですよ。あの~、骸骨・ドクロというのは……その~、やはり10代20代の男性にとっては、非常に魅力的な商品ですから」

さくら「そうっすね。うちには弟がいるんですけど、そういう骸骨のTシャツ持ってましたよ。う~ん……ひょっとしたら小西山さんの所の商品なのかな?」

小西山「衣服類だったらTシャツだけではなく、帽子にGパン、それに靴下なんかもっ! 後は靴なんかも手掛けておりますね! あっ、ホラ……! あのTシャツ見えます……!? アレ、うちの商品なんですよっ!」

ヤムチャ「んっ……? あっ、ふ~ん、ふ~ん。へぇ~」

さくら「……あ~、あ~、確かにつくしは好きそうかも。うんうん」

小西山「他には時計……女性向けで言えば、キャンドルホルダーなどもっ! これは、アロマキャンドルをドクロ型のキャンドルホルダーにセット出来るんですよ」

さくら「……はぁ~、へぇ~。そういう女性を対象とした商品も手掛けてるんですね?」

小西山「そうですね。やはり我々の企業は10代後半から20代前半……この辺りの男性の方に指示をされているので、そこ以外にも幅広くスカルグッズの素晴らしさを浸透させていかねばと……そういった意味で、キャンドルホルダーや……そして、スカロマニア!」

さくら「そのスカロマニアで……ちびっこ人気を取り入れていこうと……? あっ、そうだそうだっ! 遅れました、申し訳ありませんっ……! あの、名刺です!」ガサゴソ

120: 名無しさん 2016/12/26(月) 22:39:04 ID:MWq09wDc
ヤムチャ「……あ~、じゃあ骸骨が正義の味方役って事にも一応理由があったんだね?」

小西山「そうですね。今、スカロマニアマニアグッズ……キーホルダーやホビーグッズですね……手掛けていっているんですが……これ、売れ行きが微妙な所で……」

さくら「それで、小西山さんがスカロマニアとして、宣伝していってるんすね? え~、でもそういうのって営業の方がやる事なんですか?」

小西山「そこにも理由がありましてね!? 私、実は……営業の成績がそんなによろしくないんですよっ!? 結構、社内の評判がよろしくないんですよ!?」

さくら「……あらら」

小西山「それで、部長に営業で結果を出せないんだったら、スカロマニアになって、少しでも役に立って来いなんて言われて、殆ど無理矢理やらされたんですよ……」

ヤムチャ「え~、でもアンタ結構戦えてたじゃん!?」

小西山「そうなんですよ。まぁ、幼い頃から運動神経は悪くはなかったのですが……こ~う、いざステージに立つと、何でしょう!? 悶々としてた事からの解放感とでも言えばいいのでしょうか……? 何か自分の中でハジけちゃいまして!」

さくら「……う~ん、気持ちわかる気がするなぁ。自分もリングに立つと、ちょっと気持ち変わりますし」

ヤムチャ「あ~、なるほど……わかるかもわかるかも……」

122: 名無しさん 2016/12/26(月) 22:48:54 ID:MWq09wDc
小西山「あ~、やはりレスラーの方にもそういった部分はあるんですねっ!? わかってもらえますかっ!?」

さくら「小西山さんの場合は、あれだけのコスチュームを用意してますからね。ステージの上でこう特別な存在にならなくちゃいけないってのは……自分達より強い感情でやってるんじゃないっすかね? わかります、わかります」

小西山「え~、それでですねっ……! お二方に話したいというのは……うちの企業のPRキャラクター、スカロマニアっ……! これ、リングに上げて頂けないでしょうかっ!?」

さくら「……えっ?」

ヤムチャ「……あっ?」

小西山「あの~、私……結構自信はありますっ……! その、何でもやりますっ……! ですので、どうかどうか我が社のスカロマニアを……」

さくら「いや~、小西山さん……? いきなり、そういう事を言われましても……」アセアセ

ヤムチャ「そうだよそうだよ。いきなりプロレスやらせてくれって言ったってさぁ……? 難しいぞ……!? 厳しいぞ……!?」

小西山「あ、あ~っ……! しまったっ……! ま、またやってしまったっ……! 部長に怒られてしまうっ……!」アセアセ

123: 名無しさん 2016/12/26(月) 22:58:12 ID:MWq09wDc
ヤムチャ「おい、どうした……? 小西山、どうした……?」

小西山「あ~っ……! あ~っ……! 営業は初日で本題に入ってはいけないんだったっ……! 本題に入るのは、三日目だっ……! 三日間通い続けてからの……ようやくの本題に入らなければいけないんだったっ……!」アセアセ

さくら「小西山さん……? 小西山さん……?」

小西山「一回目、二回目は種まきに使えと言われたばかりなのにっ……! 部長に叱られたばかりなのにっ……! あ~、あ~っ……! 折角いい感じでトークを行い、種まきを行えていたのに……あ~、あ~っ……!」

ヤムチャ「なんなんだよ、小西山っ……! お前は落ち着けっ!」

さくら「その、さっきのトークが種まきとか……それ、言っちゃったらダメなんじゃないっすかね……?」

小西山「あっ……! そうだっ……! 種まきとか言っちゃったら、ダメですよっ……! あ~、なんて事だっ……! ぶ、部長にまた叱られてしまうっ……!」アセアセ

124: 名無しさん 2016/12/26(月) 23:07:34 ID:MWq09wDc
小西山「え~っと、どうしよどうしよどうしよっ……! え~っと……と、とりあえず先程のスカロマニアをリングに上げて欲しいと言うのは、忘れてもらっていいですかね!?」

ヤムチャ「……小西山、大丈夫か?」

さくら「あっ、やめちゃうんすね」

小西山「と、とりあえず今日の所はストリートプロレスの方と名刺交換が出来た……! そして、話が出来たっ……! その事実があれば満足でございますっ……! 私は非常に満足でございます!」

さくら「あっ、はい」

小西山「あっ……! 名刺交換……出来てませんねっ……!? ヤムチャさんの名刺……私、まだ頂いてませんよね……!? あ~、これは失礼しましたっ……!」

ヤムチャ「あっ、ちょっと待って……俺、名刺とか持ってないぞ……?」

さくら「あ~、小西山さん、申し訳ありません。こちらのヤムチャはちょっと最近入団したばかりで……それで、プロレス団体ってのは一般企業とは違う部分もありますので……ヤムチャの名刺はないんですよ」

小西山「あ~、そうなのですかっ……!? でも、さくらさんの名刺は頂いたので……だ、大丈夫ですよね……?」

さくら「そうですね。そちらの方に本社の方の連絡先も書かれていますので……」

126: 名無しさん 2016/12/26(月) 23:19:03 ID:MWq09wDc
小西山「そ、それでは……あまりお時間を頂くのも申し訳ありませんので、本日はありがとうございましたっ……! スカルグッズと……スカロマニアと……そして、小西山三郎をよろしくお願いしますっ……!」ペコッ

ヤムチャ「お前……俺が言うのもなんだけど、急にドタバタになってきてるぞ……?」

さくら「まぁまぁ、小西山さんは営業よりも……スカロマニアなんでしょう」

小西山「また日を改めて、伺わせていただきますっ……! あっ、それとコレっ……! スカロマニアのPRDVDになりますっ……! もし、よければ受け取って下さいっ……! 内容はヒーロー物となっておりますので……」

ヤムチャ「あっ、どうも」

さくら「へぇ、PRDVDとかあるんすねぇ」

小西山「そ、それでは本日はあ、ありがとうございましたっ……! 小西山三郎ですっ……! 小西山三郎とスカロマニアをよろしくお願いしますっ……!」

ヤムチャ「お~、お~、行っちゃった行っちゃった……それで、あの人日を改めて来るって言ってたけど……」

さくら「結局、三度目に来た時にはリングに上げてって頼むんすよねぇ? 流石に今上げるかどうか決めてって言われたら、そりゃノーとしか答えられないっすけど……う、う~ん……なんか種の見えた手品みたいっす……」

137: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:00:45 ID:lYnRgQDE
ヤムチャ「う~ん、それでどうするの、さくらちゃん? 小西山……スカロマニアさん……」

さくら「いや、どうなるかはわかんないっすけど、とりあえず報告だけ……って所っすかねぇ」

ヤムチャ「スカロマニアDVDねぇ……これってCDコンポで見れるの……?」

さくら「えっ……!? いやいやいやっ……! DVDはCDコンポじゃ見れないっすよっ!?」

ヤムチャ「えっ、そうなの……?」

さくら「アレは音楽を聞くもので……これは見る物っすよっ! 映像を見る物っすよっ!」

ヤムチャ「え~っ……!? 形は一緒なのに……ダメなの……!?」

さくら「ヤムチャさん、DVDプレイヤー持ってないんすか!?」

ヤムチャ「うんうん、持ってない持ってない。CDコンポは持ってるけど、DVDプレイヤーは持ってない」

138: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:07:37 ID:lYnRgQDE
ヤムチャ「って事はなんだ……? 俺はDVDプレイヤーも買わなくちゃいけないの……? え~っ、でもこのスカロマニアDVDの為に買うってのは……ちょっと嫌だな~」

さくら「あ~っ、でも持ってないならDVDプレイヤーはあった方がいいかもしれないっす……今、思い出したや」ガサゴソ

ヤムチャ「……んっ、どうしたの?」

さくら「すっかり忘れてたっす。え~っと、今日ヤムチャさんの為に自分もDVD持って来てたんだった……忘れてた、忘れてた……ほい、コレっす」ヒョイ

ヤムチャ「さくらちゃんもDVD……って、うわっ……! なんだ、コレっ!?」

さくら「まぁ、うちの所からもDVDが発売されるって事で……それ、ヤムチャさんに渡しておけって」

ヤムチャ「何コレ、何コレっ……!? コレ、お爺ちゃんだよねぇっ……!? うわっ、何コレっ……! お爺ちゃん、若ぇっ!」

さくら「今度、元さんの若い時の試合のDVDが出るんすよ。それで、それ見て暗殺拳の極意を掴めって……まぁ、元さんがヤムチャさんに言ってましたよ」

ヤムチャ「あ~、それじゃあコレ、お爺ちゃんの……その若い時の試合が入ってるんだ!?」

さくら「そうっす、そうっす」

139: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:14:42 ID:lYnRgQDE
ヤムチャ「あ~、それはスカロマニアのヤツより面白そうじゃないっ!? 俺、お爺ちゃんの事はいつも解説席でのお爺ちゃんの姿しか知らないからさぁ!? どんな試合をしてるかなんて、実は全然知らないの!」

さくら「そうなんすよ。元さんのイメージって今じゃちょ~っと優しい解説者ってイメージになってますからね。昔の極悪人っぷりを、知らない世代が増えてきたんすよ」

ヤムチャ「……昔は極悪人だったんだ?」

さくら「言っても、元さんはベガさんの師匠っすからね?」

ヤムチャ「えっ……!? ベガさんの師匠って事は……じゃあ、ベガさんもシャドルー!?」

さくら「いや~、元さんはシャドルーじゃないっす。え~っとね……え~、元さんのライバルは空手軍団の師匠の剛拳さんで……え~っと、そこに正義のザンギエフさんと、当時小悪党だったベガさんがいたワケですね?」

ヤムチャ「あっ、ベガさんも昔は小悪党だったんだ」

さくら「それで、元さんが解説の方に行って……ベガさんが一番の悪者になったって感じなんすよ」

ヤムチャ「ふ~ん」

140: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:21:41 ID:lYnRgQDE
さくら「だからそのベガさんが一番の悪者になった時からファンになった人達は……当然、元さんの悪者っぷりはわからないワケじゃないっすか? ヤムチャさんもそうでしょ?」

ヤムチャ「あ~、解説してるもんね」

さくら「だから、そういう人達に元さんは昔はこんなに凄くて格好よかったんだよ~って、教えてあげる為のDVDなんです。これ、売れて欲しいなぁ~」

ヤムチャ「へぇ~、静かなる暗殺者元・十番勝負だって……ナハハ、格好いいじゃんっ!」

さくら「ヤムチャさんが見てくれたら、きっと元さんも喜ぶと思いますよ」

ヤムチャ「うんうんうん、わかったわかった。え~っと……それで、こっちも元さんのDVDでいいのかな……? こっちは何も書いてないみたいだけど」

さくら「あ~、そっちのテープは元さんのヤツじゃないんですよ。そっちは貰い物です。え~、この前のCM撮影の試合のヤツが入ってます」

ヤムチャ「CM撮影の試合って言ったら……ガイルさん達と試合したアレかっ!?」

142: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:32:10 ID:lYnRgQDE
さくら「ただそっちのDVDには試合入ってないんっすよ。途中でブツンと切れますよ?」

ヤムチャ「えっ、試合入ってないの……? じゃあ、何が入ってるの……?」

さくら「ダンスシーンだけっすね。リュウさん、ケンさん、ヤムチャさんのダンスシーンだけ。それを編集して……15秒のCMになるんですけど、あれ実際は結構長い時間、踊ってたじゃないですか?」

ヤムチャ「うんうんうんっ! 結構、長い時間踊ってたよ」

さくら「それでその踊ってるシーンは全部取ってあるんですね。だから、それは編集なしのフルバージョンって事でいいのかな? 折角アレだけ踊ってくれたんだから……記念にどうぞと言う事で頂きました」

ヤムチャ「え~っ……!? じゃあ、こっちのDVDには俺の踊ってる姿が映ってるんだ!? え~っ!? 俺、そんなの見たくないなぁ~」

さくら「記念品っすよ、記念品。まぁまぁ、一度くらいは」クスクス

143: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:39:23 ID:lYnRgQDE
ヤムチャ「ダンスのDVDはアレだけど……まぁ、お爺ちゃんのヤツはちょっと楽しみかな……? うん、これでDVDプレイヤーを買うキッカケが出来たと思えばねっ……! 三枚中、二枚ハズレってのはアレだけど、ナハハ」

さくら「……う~ん、経費で落としちゃいます? ヤムチャさんの勉強の為って事なら、大丈夫だとは思うんすけどねぇ」

ヤムチャ「いやいや、大丈夫大丈夫っ……! 買うよ買うよっ! 折角だから、買うよっ……! 後、それとね、もう一個買いたい物があるんだけどさぁ!?」

さくら「もう一個……なんすか……?」

ヤムチャ「あの、名刺っ……! 名刺、名刺っ……! 俺も名刺作りたいっ……! ほら、さっきの小西山さんとの話の時……俺だけ名刺なかったじゃんっ!」

さくら「あ~、名刺ねぇ……う~ん、名刺ねぇ……あった方がいいのかな~?」

ヤムチャ「俺、実は今までそういうの作った事ないのっ……! だから、作り方とか……よくわからないんだよっ!? だから、もし良かったらさくらちゃん、教えて教えてっ! 作り方教えてっ!」

144: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:48:39 ID:lYnRgQDE
さくら「え~、名刺の作り方がわからないと言う事は……当然受け取り方、渡し方もわからないっすよね……? さっきも、片手で受け取ってましたし……」

ヤムチャ「えっ、どういう事……?」

さくら「いや、名刺には渡し方、受け取り方の作法とかマナーがあるんっすよ……片手でホイどうぞ、ホイどうも……みたいな感じで渡すのはダメなんですね」

ヤムチャ「えっ……? えっ……?」アセアセ

さくら「今日、遊びにきたハズなんだけどなぁ……あちゃ~、そこもかぁ……困ったなぁ……」

ヤムチャ「あっ……! そうだよねっ……!? そうだよそうだよ、さくらちゃんは今日、遊びに来たんだったっ……! そうだよね、なぁ~んか俺の買い物ばかりになってるじゃんっ!」

さくら「まぁ、そこは……う~ん、自分は半分ブラブラしたいなって気持ちで来たから大丈夫っす。ヤムチャさんの買い物……いくらでも付き合いますよ」

ヤムチャ「でも、これじゃあデートって感じが……! アイスもパフェもまだ食べてないっ!」

さくら「アハハ、以外と乙女チックなデートが希望なんすね」クスクス

145: 名無しさん 2016/12/27(火) 22:54:43 ID:lYnRgQDE
さくら「まぁ、とりあえず名刺とDVDプレイヤーでいいんじゃないっすか? ビジネスコーナーと家電……あっ、また家電コーナーだ……」クスクス

ヤムチャ「ねぇ、さくらちゃんっ! じゃあ、せめて手を繋ごうよっ!? 手を繋いで……デートっぽい雰囲気を出していこうよっ! ねっ!?」

さくら「……その荷物で?」ニヤニヤ

ヤムチャ「だぁ~っ……! そうだ、しまったっ……! ちくしょうっ……! トイレットペーパーなんて買ってる場合じゃないんだよ、ちくしょうっ……!」

さくら「もう買う物だけ買って……え~っと、その後に一回お茶しましょうよ? 買い物して……お洒落なカプチーノのある所でちょっと休憩しして……」

ヤムチャ「……お洒落なカプチーノって、何?」

さくら「いや、カプチーノに花とか動物とか絵が書いてるんですって。最近の若い女の子はそういうのが大好きなんですって」

ヤムチャ「……カプチーノに絵を書くって何? 飲み物だよ?」

さくら「まぁまぁ、見ればわかると思います。きっとデートっぽくなると思います。それで、その後にちょっと何処かで名刺のマナー講座でしましょうか?」

ヤムチャ「名刺のマナー講座はデートなのかなぁ!? デートなのかなぁ!?」

さくら「アハハ。まぁまぁ、とにかくとにかく……買い物いきましょうよっ! 自分は結構楽しんでますってっ!」

146: 名無しさん 2016/12/27(火) 23:01:33 ID:lYnRgQDE
ヤムチャ(く、くそぉ~……! なんだなんだなんだっ……!? 全然、デートっぽくないぞ……! 全然、デートっぽくないぞ……! なんで、こうなってるんだっ……! 何処からこうなったっ……!)

さくら「とりあえず、家電コーナーからいきましょうか。ねっ?」

ヤムチャ(そうだっ……! 小西山だよっ……! 小西山が全ての元凶なんじゃないかっ……! アイツがいなかったら、名刺とか……そういう事にはならなかったんだよっ……! ちっくしょう、小西山めっ……!)

さくら「え~っと、家電コーナーは……下っすかね……?」

ヤムチャ(ここから立て直す方法は……う~ん、ここから立て直す方法は何かないか……何かないか……う~ん、う~ん……おっ……!?)

さくら「多分、下の階っすね。うんうん、下の階っす。下の階っす」

ヤムチャ(DVDプレイヤーを買って……そのついでに、映画のDVDも買うんだよ……出来れば、飛びっきりの恋愛映画がいいよ。それで、さくらちゃん、これ一緒に見ない……? みたいな感じで……)

さくら「それじゃあ、ヤムチャさんいきましょうか」

ヤムチャ(スマートじゃん。おおっ、おおっ……実にスマート……実にスマートっ……!)

164: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:01:02 ID:OMyY4o2A
そしてーー


プーアル「さぁて、掃除も一段落した所だし次は……」キョロキョロ


ガチャ


プーアル「あっ、ヤムチャ様! お帰りなさい!」

ヤムチャ「……」ジーッ

プーアル「……んっ?」

ヤムチャ「……」ジーッ

プーアル「あの~、ヤムチャ様……? どうなされたんですか?」

ヤムチャ「……」カツカツ

プーアル「ヤムチャ様……? ねぇ、ヤムチャ様……? え~っと……あっ、トイレットペーパー買ってきてくれましたか?」

ヤムチャ「……」ガサゴソ

プーアル「……んっ?」

165: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:07:44 ID:OMyY4o2A
ヤムチャ「ストリートプロレスのヤムチャです。よろしくお願いします」ペコッ

プーアル「……はぁっ!?」

ヤムチャ「はぁっじゃねぇよ、プーアルっ! ほら、名刺っ……! 名刺を出してるんだから……ほれっ……! ほれほれっ……!」グイグイ

プーアル「えっ、あっ……! 名刺ですか……あっ、名刺ですね、コレ……」ヒョイ

ヤムチャ「はい、ブブーっ!」

プーアル「んんっ……?」

ヤムチャ「プーアル、ダメじゃないかぁ~。ダメじゃないかぁ~! 名刺ってのは、片手で受け取っちゃダメなんだぞぉ~? おいおい、そんな事も知らないのかぁ~?」ニヤニヤ

プーアル「……んっ?」

ヤムチャ「ナハハ、ちゃんと両手で、受け取らなくちゃいけないんだ! それに、受け取る時は『頂戴します』って言わなきゃいけないんだよ! おいおい、プーアルしっかりしてくれよ~。そ~んな事もわからないのか?」

プーアル「いやぁ、その……あの……」

167: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:15:05 ID:OMyY4o2A
ヤムチャ「ナハハ! まぁ、流石のプーアルにもわからない事ぐらいあるよな? あるよな!? ナハハ、大丈夫大丈夫っ! 名刺の受け取り方だったら、俺がいくらでも教えてやるからよ! ナハハハ!」

プーアル「いやぁ、ヤムチャ様……? そういう風に言うんだったら、名刺を相手にグイグイ押し付けるような真似は……」

ヤムチャ「ナハハハ! ねぇ、どうだったさくらちゃん!? どうだったかな? 俺ちゃんと出来てたでしょ?」チラッ

さくら「う~ん、まぁ悪くはなかったとは思いますけど……あっ、プーアルさん、こんにちは~」

プーアル「あっ……! さくらさんっ……!」

ヤムチャ「今日はなぁ、さくらちゃんが遊びに来てくれたんだよ! このむさ苦しい空間にさぁ!? おい、プーアル、歓迎するぞ歓迎歓迎っ! 食材も買ってきたんだから、さくらちゃんに何か振る舞おうぜっ!」

さくら「あ~、いやいや、お気遣いなく。大丈夫っすよ」

プーアル「ヤ、ヤムチャ様……え、え~っ……?」

ヤムチャ「じゃあ、とりあえず荷物入れようか!? え~っと、さくらちゃんは適当にその辺に座っておいてよ! まぁ、汚い所だけどさ!? ゆっくりしていって!」

さくら「あ~、はい。それじゃあ、お邪魔しま~す」

プーアル(ヤムチャ様が……さくらさんをうちに連れてきましたよ……え、え~っ……?)

168: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:23:58 ID:OMyY4o2A
ヤムチャ「え~……と、とりあえず俺、ちゃちゃっと荷物片付けるからさ!? え~っと……おいっ、プーアルっ! さくらちゃんをもてなしておけっ!」ガサゴソ

プーアル「もてなしておけって……もてなしておけって……いきなりそんな事、言われても……も~うっ……!」

さくら「あはは、大丈夫っすよ、大丈夫。ゆっくり終わるの待ってますから」

プーアル「え~っと……そ、それじゃあ……あっ、さくらさん! 何か飲み物とか入れましょうか!?」

ヤムチャ「……ビールはあるぞ~? プーアル、ビールは結構あるぞ~?」ガサゴソ

さくら「あ~、それじゃあお言葉に甘えて……あっ、でも、ちょっとビールには早い時間かな……?」

プーアル「それじゃあ、お茶入れますね! 今すぐ、お茶入れます!」

さくら「あっ、はい。ありがとうございます」

プーアル「ヤムチャ様、お茶取ってもらってもいいですか~?」

ヤムチャ「お~う、わかったわかった。ほら、お茶だ」

169: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:31:45 ID:OMyY4o2A
ヤムチャ「え~っと、え~っと……肉は冷凍しておくか……うん、コレは冷凍しておこう……」ガサゴソ

さくら「……綺麗な部屋っすねぇ。ふ~ん」キョロキョロ

プーアル「いや~、そんな事ありませんよ。ついさっき、掃除が終わった所です」

さくら「ウチは弟がいるんっすけど……服とか脱ぎっぱなしで……本とかも床とかに散乱してて……もう酷い有り様なんっすよ。本当、見習って欲しいす……」

プーアル「ヤムチャ様も、酔っぱらって帰ってきた時はそんな感じになりますよ!」

さくら「あはは、でも酔っぱらった時っすよね? こっちはシラフの状態で……もう、酷い有り様なんすよ」

プーアル「あはは、あっ、はい! さくらさん、お茶どうぞ!」

さくら「もうね、二週間に一回ぐらいは妖怪靴下片っ方隠しだ出た出たな~んて騒ぎ立てて……あっ、は~い。ありがとうございま~す」

170: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:40:34 ID:OMyY4o2A
ヤムチャ「え~っと、次はトイレットペーパーと歯ブラシと……あっ、ごめんね、さくらちゃんっ! すぐ片付けるからさっ! おい、プーアルっ! しっかりさくらちゃんをもてなせっ!」

プーアル「……わかってますよっ! 今、もてなし始めた所ですよ!」

さくら「あははは。あはははは」

プーアル「……も~う、何かバタバタで、すいません!」

さくら「いやいや、大丈夫っすよ。大丈夫っす! ゆっくり終わるの待ってます。あ~、そういやプーアルさん……? ちょっと聞きたい事があるんすけどね……?」

プーアル「あっ、はい。何ですか?」

さくら「外に見える、あの山……なんすか、アレ……?」

プーアル「……えっ?」

171: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:48:47 ID:OMyY4o2A
さくら「外にある山に……何かでくり抜いたような穴がポッカリ空いてるじゃないっすか……? アレ、何っすか……?」

プーアル「え、え~っと……山ですか……あ、あ~っ……あ~、穴の空いてる山……」

さくら「あれ変わった形の山っすよねぇ?」

プーアル(あの山は確か……ヤムチャ様が、かめはめ波で……)

さくら「まるでレーザービームが突き抜けていったような綺麗な綺麗な丸い穴っすよねぇ? 何なんすか、アレ……?」

プーアル「あ~、え~……そ、それは……ですねぇ……」

さくら「はい」

プーアル「……し、自然の神秘なのです」

172: 名無しさん 2017/01/04(水) 22:54:58 ID:OMyY4o2A
さくら「……んっ?」

プーアル「マ、マウンテンホールです……自然の神秘、マウンテンホールです……」

さくら「マウンテンホール……? ネーミングはそのまんまっすね」

プーアル「あ~、え~っとですね……あ、あのマウンテンホールはヤムチャ様と僕がここに住む事の……え~、きっかけになった穴なんですよ……」

さくら「住むきっかけ……? んっ、どういう事っすか……?」

プーアル「え、え~っと……だから……この時間帯だと、わかりませんが……朝方ですね! 太陽が昇ってくるじゃないですか? その昇ってきた太陽があの穴にピタっと収まる瞬間ってのが、あるんですよ!」

さくら「あ~、そっかそっか! あっちは東っすもんね!」

プーアル「そしたらですね……え~、あの山に空いている穴から後光が差し込む感じで……え~、綺麗なんですよ! 実に綺麗なんですよ!」

さくら「はいはい! 太陽が山に隠れつつ……あの穴から、光が漏れてくるワケっすね!?」

プーアル「そ、そうですそうですっ! それが決め手で僕とヤムチャ様はここに住む事にしたんですね! は、はいっ!」

さくら「そういう自然の神秘ってありますもんね! その、海から生えてる木とか……へぇ~、こんな所にもあったんすね~! へぇ~!」

プーアル「そ、そうですそうです! 自然の神秘なのです!」

174: 名無しさん 2017/01/04(水) 23:03:27 ID:OMyY4o2A
ヤムチャ「よ~し、それじゃあ後はDVDプレイヤーをセットしてと……あっ、さくらちゃん、待たしてごめんね~! もうちょっとで終わるからさ!?」

プーアル「んっ、ちょっと、待って下さい……? ヤムチャ様、DVDプレイヤーって何ですか……? DVDプレイヤーなんて、僕聞いてませんよ!?」

ヤムチャ「……仕方ないだろ、プーアル。DVDプレイヤーがないとDVDは見れないんだからさ?」

プーアル「ちょっと、ヤムチャ様っ……! ヤムチャ様はDVDなんて……」

さくら「あ~、プーアルさん、ごめんなさいっ……! ごめんなさいっ……! そこはちょっと諸事情があったんっすよ……!」

プーアル「……諸事情?」

さくら「自分がヤムチャさんがDVDプレイヤー持ってる事知らずに、DVDを渡してしまったんすよ……そしたらヤムチャさんがDVDプレイヤー買うって言い出しちゃって……これ、自分の責任というか、うちの団体の責任なんすよ」

プーアル「あっ、はい……」

さくら「……これ、経費落とせるヤツっすから。これは経費で落とせるヤツだから大丈夫っす」ボソボソ

201: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:00:33 ID:rU9AvXho
ヤムチャ「よ~し、セッティング完了っとっ……! これで見れるようになったなっ! それじゃあ、早速見ようかっ! 何見る、何見る……!? どれからでもいいよ!」ゾロゾロ

プーアル「えっ、こんなに頂いたんですか!? えっ、それ何枚あるんですか? いち、にー、さん、しー……」

さくら「え~っとね、自分が渡したのは二枚だけなんですよ。元さんの試合のDVDと、この前の試合のヤムチャさんが踊っていたダンスのDVDっすね。他はヤムチャさんが自分で購入したヤツっす」

プーアル「ちょっとちょっと、ヤムチャ様……これ、どれだけ買ってるんですか……? え~っ、何ですか、このスカロマニアDVDって!」

ヤムチャ「それは俺が買ったヤツじゃないよっ! それも貰い物だよっ! 小西山がくれたんだよっ!」

さくら「あっ、そうっすね。スカロマニアのDVDも頂きものっす」クスクス

プーアル「あっ、これは頂き物なんですね……? え~っと、それじゃあヤムチャ様が購入したのはこの恋愛映画のヤツと……ホラー映画のヤツと……」

ヤムチャ「ねぇねぇ、どっち見る!? どっちが見たい!? こっちでもいいし……こっちからでもいいよ!?」

さくら「う~ん、そうっすねぇ……」

プーアル(チ、チョイスが……も、もう見え見えです……)

203: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:07:15 ID:rU9AvXho
さくら「先にヤムチャさんのダンスのDVD見ません?」

ヤムチャ「えっ……!? これは後でいいじゃん」

さくら「いや、映画のヤツは一時間とか二時間とかあるじゃないっすか? そのダンスのヤツは10分ぐらいだろうし、すぐ終わる気がするんすよ」

ヤムチャ「あっ……あっ、そう……?」

さくら「とりあえず、ダンスのヤツ見ましょうよ。折角踊ってくれたんすしね?」

ヤムチャ「う~ん……まぁ、いっか。俺もプーアルと二人っきりだったら、多分見る事はないだろうし……自分の踊ってる姿を見るってのは、ちょっと恥ずかしい所はあるけど……うんうん、じゃあそうしよう、そうしよう」

さくら「あはは。いや~、本当によく踊れてたと思うっすよ! ダンス初心者とは思えない出来栄えでしたっ! これ、ヤムチャさんにも是非見てもらいたいっすね」

ヤムチャ「ちょっと見るのが怖いなぁ~、どうなってるんだろ、コレ……は~い、それじゃあセットしましたよ~。オイっ、プーアル、そこ退けっ! さくらちゃんの隣は俺だっ!」イソイソ

プーアル「はいはい、はいはい。わかりましたよ、は~い」ササッ

204: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:15:05 ID:rU9AvXho
さくら「……」マジマジ

ヤムチャ「……お~、お~、リングだリング。リングが映ってる。それにダンさんも喋ってる」マジマジ

さくら「ダンさん、あの日気合い入れてMCするって言ってましたから……あっ、出てきましたよっ!?」

プーアル「あっ! ヤムチャ様達が出てきました!」

ヤムチャ「ナハハ! ナハハハハ!」

さくら「……んっ、どうしたんすか?」

ヤムチャ「ナハハ! ナハハハハ! これ、俺っ……!? これ、俺なのっ……!? うわ~、踊ってるよ~、なんだコイツっ……!」

さくら「……なぁ~に言ってんすか? コレ、どっからどう見てもヤムチャさんでしょ?」ニヤニヤ

ヤムチャ「ナハハ! いや、俺だけどさぁ……? 俺だけど……うわ~、こんな感じになってたのか!?」

205: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:22:03 ID:rU9AvXho
ヤムチャ「ナハハ、もういいよ……もういい、もういい……コレ、見るのやめよう……はい、おしまいおしまい……」

さくら「なぁ~に言ってんすか? 今、見始めた所じゃないっすか?」ニヤニヤ

ヤムチャ「ナハハ、嫌だ嫌だ……もう恥ずかしい恥ずかしい……はいはい、おしまいおしまいっ! こんなの見るのやめて、映画を見ましょう。ねっ?」

さくら「ダ~メっすよっ……! ダメダメっ……! あっ、ホラっ! 今ヤムチャさんやられましたよっ!?」

ヤムチャ「ナハハ! もう、ダメだってっ……! 俺、こんなの見続けれないからさぁ……!? ちょっとちょっと、さくらちゃんっ……! 中止、中止っ……! これは中止っ……!」

さくら「あはは! 最後まで……最後までっ……! ほら、座ってっ……! ほら、座ってっ……!」グイッ

ヤムチャ「……ナハハ、も~う勘弁してよ。俺、笑いが止まんないよコレ!」

プーアル「でもヤムチャ様、格好よく踊れてると思いますよ。あっ、客席の映像とかも入ってますね」

さくら「そ~んな事ないっすよ! 皆、格好いいと思ってますよ! ホラ、プーアルさんだって言ってますからっ!」

206: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:29:27 ID:rU9AvXho
ヤムチャ「ナハハ、嫌だなぁ……嫌だなぁ、も~う……んんっ……!?」

プーアル「……あっ!」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「おい、プーアルっ……! 今の見たかっ……!? 今、映ってたのって……」

プーアル「そうですよねぇ!? 今、映ってましたよねぇ!?」

さくら「……どうしたんか?」

ヤムチャ「おい、プーアルっ……! これ、巻き戻しとか出来るのかっ!? ちょっと、巻き戻ししろっ! さっきの……! さっきの所、もう一回見せろっ……!」

プーアル「え~っと、巻き戻しは出来ますっ……! 後、一時停止とかコマ送りとかもあると思いますよっ!? ちょっと待って下さいねっ! 今やりますからっ!?」ゴソゴソ

さくら「おっとおっと、んっ……? いきなり血相変えてどうしたんですか……?」

207: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:35:58 ID:rU9AvXho
プーアル「え~っと、はいっ……! ここでストップっ……! ここでストップですっ!」ピタッ

ヤムチャ「あっ、ホラっ……! やっぱりじゃんっ! やっぱりやっぱりっ!」

さくら「ちょっとちょっと、なんすか……? 慌てて、客席の女の人のシーンで止めて……あっ、もしかしてこういう人がタイプ……」

ヤムチャ「違う違うっ……! え~っとね……! この女の人、俺の友達なのっ……! ランチさんって言うのっ! ランチさんっていう、俺の友達なのっ!」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「それでそれで……こっちも友達っ……! こっちも友達なのっ……! こっちは、餃子って言うのっ! 餃子って、俺の友達っ!」

さくら「えっ……? えっ……? えっ……!?」

ヤムチャ「なんだよ、コレ……? ランチさんと餃子が映ってるよコレ……コレ、映ってるって事はあの日、見に来てくれたって事だよなぁ……? えぇ、どうなってんだコリャ……」

208: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:42:21 ID:rU9AvXho
プーアル「ヤムチャ様、ヤムチャ様……もしかして、こっちの人って天津飯じゃありませんか? ほら、天津飯さんってこういう服装じゃないですか……?」

ヤムチャ「あ~っ……! そう言えばっ……! そうだよ、そうだよっ! コレ、天津飯だよっ! アイツこういう服だもんっ! なぁ~んか、よくわかんねぇような服いつも着てるもんっ!」

さくら「え~、ちょっとちょっと……話についていけてないっすかねぇ……?」アセアセ

ヤムチャ「いや、待てよ……? でも天津飯が来るか……? アイツは、こういう所って、絶対来ないだろ……? なぁ……!?」

プーアル「確かに、天津飯さんがこういう所に来るイメージはありませんが……でも、餃子さんがいるんですよっ!? 餃子さんがここにいるという事は、天津飯さんも一緒に来てると考えてもいいんじゃないですかね?」

ヤムチャ「そうだよなぁ? これは間違いなく餃子だよ。そっくりさんじゃないよ。餃子がいるって事は、こっちは天津飯……天津飯なんだけど……え~、アイツが来るか……?」

プーアル「天津飯さんだと思いますよ。十中八九コレは、天津飯です」

ヤムチャ「ちょっと俺、本人に聞いてくるよ!」ガタッ

209: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:50:55 ID:rU9AvXho
さくら「……えっ?」

プーアル「えっ、ヤムチャ様……? 天津飯さんに聞いてくるって……今から……!?」

ヤムチャ「天津飯の所にいけば、餃子も一緒にいるだろ!? こっちが天津飯じゃなくても……こっちの餃子がそっくりさんがどうかは確認出来るからなっ! ササッと行って、パパっと戻って来る!」

さくら「ちょっとちょっと待って下さい、待って下さいっ……! ヤムチャさん、自分の事を……その、放置するんすかっ……!?」

ヤムチャ「大丈夫、大丈夫っ! すぐ戻ってくるからっ! すぐ戻ってくるってっ! え~っと、とりあえず……DVDでも見てて待っててよっ! ホラ、色々あるからさ……!? 好きなの選んでっ!」

プーアル「いや、ヤムチャ様っ……! ヤムチャ様、さくらさんを放置って……それはダメですよ! ヤムチャ様っ!?」

ヤムチャ「すぐ戻ってくるって言ってるだろっ……!? プーアル、お前がおもてなししておけってのっ! それじゃあ、さくらちゃん……すぐ戻ってくるからっ! ちょっとだけ待っててっ! 行ってくるっ!」バタンッ

さくら「あっ、ああっ……い、行っちゃった……」

210: 名無しさん 2017/01/05(木) 22:57:08 ID:rU9AvXho
さくら「ちょ、ちょっと待って下さいよ……放置って……自分の事、放置って……ええ~っ?」

プーアル(折角、さくらさんを誘ったのに、何やってるんですか……何やってるんですか、ヤムチャ様……も~うっ……!)

さくら「ちょっと今、戸惑ってる感じっすね……え~っと、ここに映ってる天津飯さんでしたっけ……? 御近所さんなんすか?」

プーアル「ん~っ……ご、御近所さんになりますかねぇ、一応……」

さくら「う~ん、困ったっすね……この状況……どうしましょう、コレ……」

プーアル「あっ、さくらさんっ……! ヤムチャ様はすぐっ……! すぐに戻ってくると思いますっ! とりあえず、ここで待ってて下さいっ! すぐに戻ってきますからっ!」

さくら「……う~ん」

プーアル(も~うっ……! 天津飯さん達の事は、明日でも明後日でもいつでもいいでしょっ! なんで今行くんですかっ! ヤムチャ様のバカっ!)

211: 名無しさん 2017/01/05(木) 23:07:08 ID:rU9AvXho
ーー数十分後


天津飯「今日はなかなかよかったぞ。少し休憩して再び……んっ……?」

餃子「……あっ、ヤムチャの気」


ギューン


天津飯「確かにヤムチャだな。ちょうど休憩に入った所だ。うむ……」

ヤムチャ「お~い、天津飯っ……! それに餃子っ……! お~いっ!」シュタ

天津飯「よう」

ヤムチャ「『よう』じゃねぇよ。ちょっと、お前らに聞きたい事があるんだけど、いいか……?」

天津飯「聞きたい事……? なんだ?」

212: 名無しさん 2017/01/05(木) 23:15:59 ID:rU9AvXho
ヤムチャ「……お前ら、昨日俺の試合見に来た?」

天津飯「おう、行ったぞ」

餃子「見に行った」

ヤムチャ「あっ……! やっぱり、アレお前らだったんだっ……!?」

天津飯「やっぱり……? どういう事だ……?」

ヤムチャ「どういう事か聞きたいのはこっちだよっ……! なぁ~んで、お前らが見にくるんだよ……! ビックリしたんだからなっ!」

天津飯「……見られると何かマズい事でもしているのか?」

ヤムチャ「そういう意味じゃなくて……! お前らはこんな山奥に籠って、野菜ばかりせせこま作ってるんだろ……!?」

天津飯「せせこまとは何だ……?」イラッ

213: 名無しさん 2017/01/05(木) 23:21:02 ID:rU9AvXho
ヤムチャ「作ってるじゃないかよ、せせこませせこまさぁ!? ほら、それ何だ……!? じゃがいもかっ!?」

天津飯「こっちはお前のように、都会で遊び呆けているワケではない。自分で食う分を自分で作る……それの何が悪い。お前も少しは農業をしたらどうだ? 教えてやってもいいぞ?」

ヤムチャ「都会で遊んでるぅ~!? お前ら見にきたんじゃないのか、俺が働いてた姿を見たんだろ!?」

天津飯「……んっ?」

ヤムチャ「俺は都会で働いて、給料を貰って、スーパーで野菜を買って……そうやってんだよっ! 農業なんてしてる時間はねぇよ、バカっ!」

天津飯「……俺には随分暇そうにしてるように見えるがな。現にこうやってフラフラ遊びに来ているではないか」

ヤムチャ「バーカっ! 今日はたまたま休みなんだよっ! たまたまっ……! 明日もこっちは試合なんだよっ!」

餃子「まぁまぁ、天さん……まぁまぁ、ヤムチャ……」

232: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:00:47 ID:emSapxC.
ヤムチャ「お、おう……そうだった、そうだった……別に喧嘩しに来たんじゃなかった。なぁ~んでこうなっちまうかなぁ~」

天津飯「お前が余計な事を言うのが全ての原因なんじゃないのか?」

ヤムチャ「……なんだと、この野郎~?」

餃子「まぁまぁ、天さん。まぁまぁ、ヤムチャ……」

天津飯「……喧嘩をしに来たんじゃないのなら、一体何の用で来たんだ?」

ヤムチャ「あぁ、そうだそうだっ……! 喧嘩をしに来たんじゃなかったっ……! お前らが見に来てくれた事は、ある意味嬉しいけどさぁ……何で見に来たんだ、なぁ……?」

天津飯「……んっ?」

ヤムチャ「お前らが都会でそういう風に遊びに来るだなんて……なぁ~んかキャラじゃないと思って、そこが気になったんだよ!」

233: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:06:43 ID:emSapxC.
天津飯「ランチがきっかけだな」

ヤムチャ「……んっ?」

天津飯「彼女がお前があの大会に出てるのを知ったらしい。そして一緒に見に行かないかと俺達を誘ってくれたというわけだ」

ヤムチャ「あっ、な~るほどねっ! ランチさんが誘ったんだっ! なるほどなるほど、それなら何かしっくりくるよ!」

天津飯「正直、彼女が誘ってくれるまでは、俺も餃子も……お前が何処で何をしているのかさっぱりだったからな。少し様子を見に行くのも悪くはないと思ったわけだ」

ヤムチャ「なんだよ、その言い方っ……! まるで俺が失踪者みたいじゃないかよ……!?」

餃子「ヤムチャは失踪者」クスクス

ヤムチャ「おいおい、辞めてくれよ……餃子まで、酷ぇなぁ……」

天津飯「しかし、そういう事なら俺もお前に聞きたい事がある……いいか……?」

ヤムチャ「んっ、聞きたい事って、なんだよ……?」

234: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:12:39 ID:emSapxC.
天津飯「あの日、お前は何をしていたんだ? 素人といい勝負をしてるお前を見て……俺は違和感を感じたぞ?」

ヤムチャ「えっ……? あっ……! ゲッ……!」

天津飯「素人相手に加減をしてる事はわかったよ。しかし武道家たるもの、そういう半端な情けは相手に対する無礼ではないのか……?」

ヤムチャ「あっ、いや~……それは……あっ、いや~……」

天津飯「……俺にはお前がふざけているようにも見えたぞ?」ギロリ

ヤムチャ「……あ~、いや」アセアセ

天津飯「……が、そこは長い付き合いだ」

ヤムチャ「んっ……?」

天津飯「お前の表情……気配から察するに、お前は真剣にやっていたのではないかと思う部分もある……う~ん、よくわからないんだ」

ヤムチャ「……えっ?」

天津飯「良ければ、あれはどういう事だったのかを説明してくれ」

236: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:19:07 ID:emSapxC.
ヤムチャ「い、いや~……その……説明って言ったって……う~ん……」

天津飯「頼むよ」

ヤムチャ(い、いいのかなぁ……? 説明って言ったって……これ、一から十まで説明してもいいのかなぁ~? いや~、多分コイツみたいなタイプに説明するのは時間がかかるぞ~)

餃子「聞きたい」

ヤムチャ(お、おいおい……餃子までっ……! 餃子までっ……! だぁ~……!)

天津飯「……どうした?」

ヤムチャ「う~、あっ……! わかったわかったっ……! え~、説明するよ! 説明するよっ……! 先ず、あそこでの戦いってのはルールが特集なワケなんだよっ!」

天津飯「そういえばルールも俺にはよくわからなかったな。うむ、続けてくれ」

ヤムチャ(ま、まぁ……こ、ここは適当にお茶濁して、誤魔化す事にしようかっ……! う、うんっ……! それがいいはずっ……!)

237: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:25:49 ID:emSapxC.
ヤムチャ「わかりやすい所で説明したら、そうだなぁ……怪我だな! 怪我、怪我っ! 相手に怪我させたりしちゃダメなんだよ!」

天津飯「……怪我?」

ヤムチャ「ほら、例えば……いくら試合だからと言って、相手の足とか折ったりしたら、今後試合が出来なくなるだろ……? え~っとっ……! あっ、ほらほらっ! お前だって昔俺にやっただろ……? 俺、あれから暫く動けなかったんだからっ!」

天津飯「確かにな……昔の事だとは言え……あの時は悪い事をした……」

ヤムチャ「あ~っ……! そこは気にしてないけどさぁ……? まぁ、とにかく相手に怪我をさせるような事をしちゃったら、即座に反則負けになっちゃうワケだっ! 相手に怪我をさせた時点で失格っ……! 失格で負けっ……!」

天津飯「だからお前は加減をしつつ……していたワケか……?」

ヤムチャ「そうそうそうっ! そりゃ加減なしでやってもいいんだけどさ……? 失格負けには俺もなりたくないからさ……? あ~いう感じになってたワケだな!」

天津飯「……もっといってもよかったんじゃないのか?」

ヤムチャ「うるさいなぁ……! その辺の加減は凄く難しいんだよ……それに、俺不器用だし……」

239: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:34:06 ID:emSapxC.
ヤムチャ「天下一武道会は相手を殺したら負けってルールだけど、あそこは相手に怪我をさせたら負け……お前が俺にやったのはルール違反じゃないんだよ。だから気にしてないよ。そこは俺も覚悟してやってたんだからな?」

天津飯「うむ」

ヤムチャ「ただあそこでは、ちょっと厳しめで怪我をさせちゃ負けになるんだよ。ルールが厳しいんだな! だからあんな感じにだったの!」

餃子「ヤムチャ、そこのルールはわかった。それじゃあもう一つ、聞きたい事がある」

ヤムチャ「……んあっ!? 餃子まで、何だよ!?」

餃子「ヤムチャ、試合の途中疲れてもいないのに疲れている振りをしていた……あれはどうして……?」

ヤムチャ「……あぁっ!?」

天津飯「確かに、そういった場面もあったな。お前が金髪と交代した直後だったかな……? あれは俺も気になった。それも聞きたいな」

ヤムチャ「なんだよなんだよ、も~うっ……! しつこいなぁ~!」

240: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:41:30 ID:emSapxC.
ヤムチャ「え~っとっ……! あれに関しては俺の作戦だよっ……!」

天津飯「……作戦?」

ヤムチャ「え~っと、だから……疲れてもいないのに、疲れている振りをすると……相手が俺の事を弱ってるんじゃないかなって勘違いするワケだよな!」

餃子「うんうん」

ヤムチャ「それで、その勘違いした隙をついて……実は元気でしたよ、なぁ~んて言いつつドカンだよっ! え~っと、だからそこは俺の作戦になるなっ! 俺の作戦なんだよっ!」

天津飯「姑息な作戦と言うか……う~ん……」

ヤムチャ「でもさぁ……!? あの日、俺最後にあの大きい奴にしてやっただろ……? あれはあの大きい奴は俺の事疲れてると思って、油断があったんだよ。だから、俺は最後にしてやる事が出来たんだ」

餃子「なるほど」

ヤムチャ「作戦成功じゃないかよ。作戦成功、作戦成功。こっちは頭も使ってやってんだよ。お前も頭を使って戦うって事はした方がいいんじゃないかな……?」ニヤニヤ

天津飯「……お前などに言われなくともわかっている。流石にべジータのような戦闘方法では俺はやっていけん。お前などに言われなくともいい」

242: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:50:42 ID:emSapxC.
天津飯「まぁいい。あ~、それじゃあ他にも聞きたい事があるのだが……」

ヤムチャ「もういいもういいっ! やめろやめろっ……!」

天津飯「……んっ?」

ヤムチャ「どうせルールとかそういう事が聞きたいんだろ……? 言っておくけどなぁ、俺だってまだ全部のルールをわかってるワケじゃないんだぞ……?」

天津飯「……そうなのか?」

ヤムチャ「プロレスのルールブックってのは、こぉ~んなにでっけぇんだぞ!? それを一から十まで、俺に説明させるのはやめてくれっ! 俺だってまだルール勉強中なんだからっ……! 頼むよ、勘弁してくれっ……! なぁ……!?」

天津飯「わかったわかった……そういう事なら、深くは追求しない事にしよう。今度そのルールブックを持ってきてくれ。しかし、こっちが追求するのにも、それなりの事情があったりするんだぞ……?」

ヤムチャ「事情ってなんだよっ……!? そっちの事情なんて知らないよ……!」

天津飯「まぁ、聞いてくれ」ニヤニヤ

243: 名無しさん 2017/01/07(土) 22:55:14 ID:emSapxC.
天津飯「お前の試合が始まった時、ランチはおとなしい方のランチだったんだよ。つまり、青い方のランチだな?」

ヤムチャ「あ~、うんうん。ランチさん来てたな」

天津飯「しかし、お前の試合の最中にくしゃみをして……おとなしくない方のランチ……つまり金髪のランチになってしまったんだ」

ヤムチャ「えっ、嘘っ……!? 本当に……!? あっ、そんな事あったのかよ……? おいおい、大丈夫だったのか……?」

天津飯「まぁ幸い、マシンガンなどは持ってはいなかったので、大丈夫だった。そこは問題はない」

ヤムチャ「あ~、よかったよかった。それならよかった……下手したら、事件になっちゃうからな……? うん、よかったよかった……」

天津飯「お前の試合の決着が着いた辺りで元のランチへと戻ったが……彼女には記憶がない。お前の試合の記憶がないんだ」

ヤムチャ「あっ、そっかっ……! そういう事になるよなぁ……た、確かに……」

244: 名無しさん 2017/01/07(土) 23:00:20 ID:emSapxC.
天津飯「それをしつこくしつこく聞いてくるんだよ。ヤムチャさんはどうでしたか。どんな活躍をしましたかと! ルールも知らないこの俺にだっ……!」

ヤムチャ「ナハハ、ナハハハ!」

天津飯「笑い事じゃないぞっ……! 俺は彼女にどういう風に説明したらいいのかわからんっ……! だからこそお前がここに来た今、その辺りの事を確認しておこうと思ったんだ!」

ヤムチャ「ナハハハ! いや~、なるほど……! そういう事だったのか……! ナハハ!」

天津飯「……彼女に追求されている俺の立場も考えてくれ」ニヤニヤ

ヤムチャ「ナハハ! まぁまぁ、そこはさ……? とりあえず、ヤムチャは元気だったって、そう言ってくれればいいよ! そういう風に言っておけよ。ルールの説明は俺だって嫌だもんっ!」

天津飯「お前が元気な姿は彼女も見ているっ! 彼女が知りたがっているのは、試合の内容だ!」

ヤムチャ「ナハハ! ナハハハ!」

245: 名無しさん 2017/01/07(土) 23:04:39 ID:emSapxC.
天津飯「まぁ、遊び惚けていると思っていたお前も、少しは真面目にやってるみたいだな。安心したよ」

ヤムチャ「うるさいなぁ……お前はいつも一言多いんだよっ!」ニヤニヤ

天津飯「……どうだ? 折角、ここまで足を運んだんだ。一戦、手合わせしていかないか?」

ヤムチャ「……えっ?」

餃子「あっ、それいいっ! したい!」

ヤムチャ「手合わせ……? 俺がお前と……?」

天津飯「俺でもいい。餃子でもいい。お前が日々身体を動かしていた事はわかったよ。動きにそういった部分が感じられた」

ヤムチャ「お、おう……そうか……」

天津飯「それに相手が俺なら別に加減をする必要はない。全力を出しても構わない。一戦付き合ってくれよ。俺も手加減なしのお前の力……少し、見てみたい」

247: 名無しさん 2017/01/07(土) 23:08:40 ID:emSapxC.
ヤムチャ(明日も試合があるんだけどなぁ……今、ここでコイツとやり合って、怪我でもしちまったら……)

天津飯「……俺が怖いのなら、相手は餃子でもいいぞ?」ニヤニヤ

ヤムチャ(でも……でも……)

餃子「僕が相手になる」

ヤムチャ(ピッコロにも言われた……動きがよくなってるって言われた……アイツのパンチも見切れた……そ、そりゃ勿論加減はしてくれてたんだろうけど……)

天津飯「折角ここまで足を運んだんだ。今日は休みなんだろ?」

ヤムチャ(正直試してみたい部分もある……本当に動きがよくなってるのか……コイツで……全力の出せるコイツで試してみたい部分もある……)

天津飯「……どうする?」

ヤムチャ「うん、そうだよな……折角ここまで来たんだ。一戦ぐらいやっていくのも悪くはないよな。その変わり、天津飯……怪我するような事だけはやめてくれよ? 俺は明日も試合があるんだからな?」

天津飯「フッ、餃子ではなく俺を選んできたか。そうこなくてはな」ニヤリ

258: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:00:46 ID:lY/ZrVqk
---


スカロマニア「スカロクラッシャーっ! とあああっ……!」

ワ・ルーイ「だぐぅっ……! おのれっ、スカロマニアめっ……! こうなったら、最終手段だっ……!」

スカロマニア「……ぬっ!?」

ワ・ルーイ「フルパワーのワ・ルーイビームだっ……! 貴様が避ければ地球に直撃だっ……! 避ける事は出来んぞっ! 避ける事は出来んぞ、スカロマニアァ!」

スカロマニア「くっ……! 私が避ければ、地球が破壊されてしまうっ……! ここは逃げるわけにはいかん、うおおぉぉっ! スカロエナジーっ……!」


さくら「……」

プーアル「……」

259: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:06:52 ID:lY/ZrVqk
ワ・ルーイ「ワ・ルーイビームだああぁぁっ……! だあありゃあああっ……!」

スカロマニア「地球の平和を守る為っ……! スカロボールっ……!」

ワ・ルーイ「貴様もろとも地球は滅ぶのだっ……! 押しきってやるっ……! 押しきってやるぞっ……! うおおぉぉっ……!」

スカロマニア「くっ、なんてパワーだっ……! しかし私は負けないっ……! 負けないんだっ……! たああぁぁっ……!」

ワ・ルーイ「な、なんだとっ……!? こ、このワ・ルーイビームが押し返されているだと……!? どういう事だっ……!?」

スカロマニア「スカルグッズを身につけた地球の皆が私にパワーをくれるんだっ! うおおぉぉっ……!」


さくら「……いやぁ、超人格闘って感じっすねぇ」マジマジ

プーアル「あ、あはは。そうですね」

さくら「……ヤムチャさん、遅いっすね」

プーアル「も、もうすぐ帰ってくると思いますっ! はいっ……! はいっ……!」

260: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:13:48 ID:lY/ZrVqk
ーーー


ヤムチャ「……ばっ!」ドヒュンッ

天津飯「……甘いっ!」ササッ

ヤムチャ「チィッ……やっぱり、当たらねぇっ……!」

天津飯「甘いぞ、ヤムチャァ……! 今度はこっちだっ……! うおおおぉぉっ……!」

ヤムチャ「……うおっ!」

天津飯「……はああぁぁっ!」ドゴオォッ

ヤムチャ「……ぐ、ぐえええぇぇっ!」


ドッゴォーン


ヤムチャ「ぐっ……い、いででで……アイツ、怪我させるなって言った事聞いてなかったのか、ちくしょうっ……! おもいっきりぶん殴りやがってっ……! 岩に突っ込んじまったぞ、くそっ……!」

261: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:21:38 ID:lY/ZrVqk
天津飯「動きがよくなっているのは感じるっ……! だがまだまだだっ……! 続けていくぞっ……! うおおおぉぉっ……!」ドヒューンッ

ヤムチャ「まぁいいやっ……! とりあえず、こっちの作戦は成功してるんだからなっ……! よし、練気弾っ……! 戻って来いっ……!」クイッ


餃子「……天さん、後ろっ!」


天津飯「後ろ……? う、うおっ……! さっきのエネルギー弾は練気弾だったのかっ……! 危ないっ……!」ササッ

ヤムチャ「油断している天津飯の背後からぶち当てて……あ~っ! ゲッ……!」


餃子「……ふう。天さん、危なかった」


天津飯「なるほど、これが先程言っていた作戦だという事か……しかし……」

ヤムチャ「ち、ちっくしょうっ……! だったらもう正面からでもいいよっ……! 練気弾っ……! もう一度天津飯に向かえっ……! ばっ……!」クイッ

262: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:30:58 ID:lY/ZrVqk
天津飯「うおっ……!」ササッ

ヤムチャ「へへへ、当たるまでしつこくしつこくいくぜ……練気弾っ……! もう一度だっ……!」クイッ

天津飯「ま、待てっ……! ヤムチャっ……! ストップだっ……! ストップストップっ……!」

ヤムチャ「おいおいおい、どうしたどうした、天津飯……そんな事、言い出すだなんてお前らしくないんじゃないか……? 練気弾っ……! もう一度だっ……!」クイッ

天津飯「う、うおっと……! おいっ、ヤムチャっ……! ストップだと言っているだろっ……! いい加減にしろっ……! しつこいぞっ……!」

ヤムチャ「んあっ……!? なんだよ、なんだよ……ストップって……んあっ……? これ、マジなやつなのか……? そういう事だったら、とりあえずはやめるけど……」

天津飯「……ったく」シュタッ

263: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:36:42 ID:lY/ZrVqk
ヤムチャ「あ~、いててて……おいおい、どうしたどうした、天津飯? 途中でやめるだなんて、お前らしくもないんじゃないのか……?」

天津飯「……餃子、何故水を差した?」

餃子「……んっ?」

天津飯「これは俺とヤムチャの一対一の真剣勝負だ。お前が肩入れをしてはいけない。お前……背後から来ている練気弾の事を俺に教えただろ?」

餃子「……あっ!」

ヤムチャ「あ~っ! そうだよそうだよ、餃子っ……! お前、天津飯に教えただろっ!? お前が言わなかったら、多分あれは天津飯に当たってたんだよっ! そういうのズルいんじゃないのかぁ!?」

天津飯「……何故水を差した?」

餃子「天さんが危なかったから……つい……」

264: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:43:24 ID:lY/ZrVqk
ヤムチャ「『つい』じゃねぇよ……ちっくしょう、アレがなかったら当たってかもしれないのになぁ~。作戦うまくいってたのになぁ~」

天津飯「まぁ、餃子の助言がなかったら……お前の作戦は成功していたかもしれないな……」

ヤムチャ「成功してたよっ……! 間違いなく成功してたよっ……! お前、目玉飛び出てたじゃねぇかっ!? してやられた癖に、なぁ~んでそんなに偉そうなんだよ!?」

天津飯「とにかく、水を差した事はすまなかった」

ヤムチャ「あのなぁ、一つだけ確認しておくぞ……? 俺、最初に明日も試合があるから、怪我させるような真似はするなって言ったよなぁ? それなのにお前、おもいっきり殴りやがっただろ!? 俺、岩に頭から突っ込んじまったんだぞっ!?」

天津飯「それはお前の動きが予想以上によかったから、こちらもつい本気を……だけど、お前は頭から岩に突っ込んだ所で大丈夫だろ?」

ヤムチャ「……あっ、そう? 俺、動きよかった?」

天津飯「よかったと思うぞ」

266: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:49:52 ID:lY/ZrVqk
バゥンバゥンバゥンバゥン……


天津飯「とりあえず、仕切り直してもう一戦……おっと、すまない……」

ヤムチャ「……なんかエンジン音近づいてきてない?」

天津飯「あぁ、最近はほとんど毎日なんだよ。慣れたもんだ……」


ランチ「うぉ~い! うぉ~い、天津飯~! おおっ、今日はヤムチャもいるじゃねぇかっ!」バゥンバゥン


ヤムチャ「あっ、ランチさんじゃんっ……! あれ、ランチさんじゃんっ……!」

天津飯「餃子、胡椒は持っているか?」

餃子「勿論」

ヤムチャ「……胡椒?」

267: 名無しさん 2017/01/08(日) 22:55:30 ID:lY/ZrVqk
ランチ「だから天津飯っ……! 聞こえてるんだったら返事ぐらいしろよっ……! 折角こうやって毎日毎日……んっ……?」キキーッ

餃子「とう」パラパラ

ランチ「って、おいっ……! またチビ助、お前かっ……! も~う、何なんだよっ……! 毎回、毎回……ふが……ふが……へっくしっ……!」


ヤムチャ「おいおい、なんだよなんだよ。餃子の奴……普段から、胡椒なんて持ち歩いてるのか……?」

天津飯「ああ。こっちのランチはなんというか……なっ……? 最近は、餃子に胡椒を常備させえているんだ……」


ランチ「あら……? あらあら……? あっ、また私天津飯さん達の所に……どうも、ごきげんよう」ペコッ

餃子「こんにちは」


ヤムチャ「おいおい、餃子の奴もかなり手慣れてるじゃないか……? 今、流れるような動きだったぞ……?」

天津飯「そりゃ、毎日繰り返していたらそうもなるさ。彼女はほとんど毎日来てるんだからな」

268: 名無しさん 2017/01/08(日) 23:01:25 ID:lY/ZrVqk
ヤムチャ「えっ、毎日来てるって……それほとんど通い妻みたいなもんじゃないか!?」

天津飯「……通い妻?」

ヤムチャ「だから通い妻ってのは、毎日やってきて飯とか作ってくれる……」

天津飯「あ~、確かにこっちのランチはよく食事を作ってくれているな」

ヤムチャ「それ完全に通い妻じゃないかっ……! お前の家に来て……飯作って……えっ、お前ランチさんと付き合ってんの!?」

天津飯「向こうが勝って来て飯を作っているだけだ」

ヤムチャ「でもお前の家に来て……飯作ってんだろ……!? 男の家に女が来て……飯作ってるんだろ……!?」

天津飯「……餃子もいるぞ?」

ヤムチャ「んっ……? 待てよ……男の家に女が来る……? 男の家に女が来る……? んんっ……?」

280: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:00:56 ID:u4LroYDM
ヤムチャ「男の家に女が来るってっ……! 男の家に女が来るってっ……! あああぁっ……! しまったぁぁっ……!」

天津飯「まぁ、気にせずにもう一本……って、おい、どうした?」

ヤムチャ「なぁ~にやってんだよっ……! 何をやってんだよ、俺はよぉ! こんな所でこんな奴と遊んでる場合じゃなかったんだっ……!」

天津飯「遊ぶ……? おい、待て。お前は何を言って……」

ランチ「あっ、ヤムチャさんっ! 今日はヤムチャさんもいらっしゃっているんですねっ! あっ、聞いて下さい聞いて下さい。昨日、私天津飯さんと餃子さんと一緒にヤムチャさんの試合を見に行きましたの!」

ヤムチャ「あ~っ……! 知ってる知ってるっ……! ランチさん、来てたねっ! 知ってるよっ! え~っと……見にきてくれてありがとうっ! うん、ありがとうっ! また来てねっ!」

ランチ「はい。勿論、また見に行きますわ。あの~……ですけど、私ヤムチャさんの試合の事……その~、なんと言えばいいか、あまり記憶にないんですよ……」

ヤムチャ「え~っと……と、とりあえず、そういう事でっ……! そ、それじゃあ俺、帰るわっ……!」

ランチ「もしよろしければ、あの日ヤムチャさんが……えっ……?」

281: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:08:04 ID:u4LroYDM
餃子「……ヤムチャ?」

天津飯「待てよ待てよ。仕切り直してもう一勝負ではないのか? お前も身体が温まってきた所だろ?」

ヤムチャ「うるせぇっ……! 何が悲しくて折角の休日をお前みたいな奴とボコスカボコスカやり合って過ごさなくちゃいけないんだよっ! それにお前にはランチさんもいるだろっ! 綺麗な綺麗な通い妻がよぉ……!」

天津飯「お前は何を言っている? 自分の口から稽古をしたいと言い出したのではないのか?」

ランチ「まぁ、通い妻だなんて……少し、照れちゃいますわね」ニコニコ

ヤムチャ「誘ったのはお前だろっ……! あ~っ、ちくしょうっ……! 全部お前のせいだからなっ……! 全部全部、お前の責任だからなぁ……!? 何かあった時は責任取ってもらうぞっ……! あ~っ、ちっくしょうっ……!」ドヒューンッ

天津飯「俺にはお前が何を言っているのか……お、おいヤムチャっ……! 手合わせは……おい、手合わせはどうするんだっ!?」

餃子「……あっ、行っちゃった」

ランチ「……あら」

ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! 待っててねぇ~っ……! さくらちゃ~んっ……!」ギュイーンッ

282: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:16:25 ID:u4LroYDM
ランチ「あらあら、久しぶりにお会いしたと言うのに……ヤムチャさん、お忙しいのですかね?」

餃子「今日は休みって言ってた気がする」

天津飯「な、何なんだアイツは……俺の責任……? 俺の責任とは何だ? そもそも何もしていないだろ。俺にはアイツの言っている事がさっぱりわからん」

ランチ「そう言えば、私……どうしてまたここにいるんでしょう……う~ん……あっ、わかりましたっ!」

餃子「……んっ!」

ランチ「きっと、ヤムチャさんの試合の事を天津飯さんに聞きにきたに違いありませんわっ! はい、きっとそうですっ!」ニコニコ

天津飯「ん、んんっ……!? ま、また俺が説明しなければいかんのかっ……!?」

ランチ「天津飯さん、お願いします。ヤムチャさんの試合がどんな感じだったか気になって、私夜も眠れませんの。もしよければ説明して下さい」

天津飯「ヤムチャめっ……! ヤムチャの奴めっ……! くそっ、次はルールブックを持って来るんだぞっ……! 必ずだっ……!」イライラ

283: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:23:43 ID:u4LroYDM
---


ブランカ「う~ん、はいはい。うん、はいはい……なるほどなるほど……」マジマジ

ダン「お~い、ジミー。便所から戻ったぞ~」ガチャ

ブランカ「あっ、はい。御苦労様で~す」

ダン「女子部の構成とにらめっこ……ったく、おめぇも大変だなぁ。え~、どういう感じだ?」

ブランカ「う~ん、そうですね。まぁ、対戦カード……ストーリー……構成的には問題はないと思います」

ダン「おお、そうかそうか」

ブランカ「だから問題があったとすれば……試合内容でしたね? そこでしょう。その辺をしっかりしていけば問題ないでしょう。ディージェイ君も謎の意識改革始まってますしね。彼女達もそういう事をしたら大丈夫ではないでしょうかね?」

ダン「なるほどな、実にわかりやすい説明だ」

284: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:30:04 ID:u4LroYDM
ブランカ「ただねぇ……? 一ヶ所だけ、弄くりたいポイントがあるんですよ……」

ダン「おっと、何だぁ? さくらの野郎がおかしなカード作っているのか?」

ブランカ「あ~、いや。おかしなカードって事ではありません。え~、かりん君の対戦カードの所が気になりまして……」

ダン「ほう、かりんの所……ちょいと俺にも見せろ……見せろ、見せろ……」マジマジ

ブランカ「そこ、かりん君をミスX二号とぶつける感じのストーリー展開になってるじゃないですか……?」

ダン「おうおう、なってるなぁ……? そうなってるなぁ」

ブランカ「そこ弄くりたいです。う~ん……かりん君を生かしていきたい部分がありますからねぇ……」

ダン「あ~、へいへい……かりんの所……かりんの所ね……」

ブランカ「……折角ですから、野郎視点で弄くってみようと思うんですけど、どうでしょう?」

ダン「う~ん、いいんでね……? こういう状況じゃねぇと、多分さくらもオッケー出してくれねぇだろうしね……?」

285: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:37:47 ID:u4LroYDM
ーーー


ヤムチャ「ごめんごめんごめんっ……! ちょっと遅くなったかなっ……! ごめんごめんごめんっ……! さ、さくらちゃんはまだいるかなっ……!?」ガチャ

プーアル「も~うっ……! ヤムチャ様、遅すぎですよっ! 天津飯さんと何やって……って、えっ……!?」

さくら「ちょ、ちょっとちょっとっ……! ヤムチャさん、どうしたんすか……!? その服……な、なんでそんなにボロボロになってるんすかっ!?」

ヤムチャ「あ~、よかったよかったっ……! さくらちゃん、まだ帰ってなかったっ……! 本当によかったよ……あ~、遅くなってごめんごめんっ……!」

プーアル「もしかしてヤムチャ様……天津飯さんを怒らせちゃって……ボコボコにされちゃったとかですか……?」アセアセ

さくら「えっ……? えっ、えっ……?」

ヤムチャ「バーカっ! これはアレだよ……天津飯の奴が稽古しろ稽古しろって、うるさいから付き合わされたんだよ……ボコボコにはされてないよ……アイツは加減を知らないから嫌なんだよ……」

さくら「え~っと、ヤムチャさんの武道家仲間って認識でいいんすよねぇ……? で、でもそんなになるまで……え、え~っ……」

286: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:43:49 ID:u4LroYDM
ヤムチャ「それより、プーアルっ! 俺が留守の間、ちゃんとさくらちゃんをもてなしてたんだろうなぁ……!? んんっ、なんだぁ!? 飯出来てるじゃねぇかっ!? 飯とか作ってたのか、プーアルっ……!?」

プーアル「ああっ、そうなんですよ。ご飯の話をしたらさくらさんが……」

さくら「け、怪我……あの~、怪我とかしてないっすか……? ヤムチャさん……?」アセアセ

ヤムチャ「飯は別に後でいいじゃないかよっ……! 何処かに食べに行ってもいいよっ……! さくらちゃんを放ったらかしにして、料理なんてしてる場合かっ!? プーアル、お前は何を考えているんだっ!?」イライラ

プーアル「さくらさんを放ったらかしにして天津飯さんの所に……あ~っ、今日はやめておきますっ……! それにねぇ……!? その料理は僕一人で作ったわけではありませんよっ……!?」イライラ

さくら「ヤ、ヤムチャさんっ……! その、とりあえず怪我とかしてるんだったら……先ず手当てを……ねっ……? 手当てをしなくちゃいけませんから……」アセアセ

ヤムチャ「それに何だ、この汚いサラダはっ……!? 見た目最悪じゃないかっ!? な~んでサラダがこうなっちまうんだよっ! オイ、プーアルどうしたっ……!? いつもはこんな感じじゃないだろっ!? お前、今日どうしちまったんだよっ!?」

プーアル「……ゲッ!」

さくら「ヤムチャさん、一回話を聞いて……んっ……?」

288: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:51:03 ID:u4LroYDM
ヤムチャ「なんでサラダがこうなっちまうんだよっ!? 野菜切って持ち合わせるだけだろっ!? それがなんでこんな汚い汚い見た目になるんだよっ!?」

プーアル「ヤ、ヤムチャ様……料理は味で勝負でしょ……? 味で勝負……ヤムチャ様はいつも言ってます……」アセアセ

さくら「確かに、見た目最悪なのは自覚してるっす……でも、プーアルさんの言う通り、味には自信があるんすよ……味には……」

ヤムチャ「じゃあこのサラダ見て、食欲が湧くのかっ!? お前は食欲が湧くのかプーアルっ!? さくらちゃんを放ったらかしにして、よくもまぁ一人でこ~んな汚い汚いサラダ作れたもんだなぁ、プーアルっ……!」

プーアル「放ったらかしにしたのはヤムチャ様でしょっ!」

さくら「ヤムチャさん待ってる間にプーアルさんと一緒に料理しようって話になったんっすけど……食欲が湧かないサラダ……あ~っ、そうっすか……食欲が湧かないサラダっすか……」

ヤムチャ「これじゃあまるで俺達がまるでゴミ食ってるみたいにさくらちゃんに思われちゃうだろうがっ……! こぉ~んな汚い汚いサラダを毎日食ってると思われちゃ、嫌だろうがっ! そんな事もわからないのかっ!? しっかりしろよ、プーアルっ!」

プーアル「いや、だから……も~うっ……! その~っ……!」

さくら「あ~っ……! もうっ……! 汚いサラダ汚いサラダ、うるさいっすねぇっ!」

289: 名無しさん 2017/01/09(月) 22:57:29 ID:u4LroYDM
ヤムチャ「あっ、ごめんごめん、さくらちゃんっ! とにかくそのサラダはゴミ箱に……ゴミ箱に……」アセアセ

さくら「汚いサラダで悪かったっすねぇっ!? そのサラダ、自分が作ったんっすよっ!」

ヤムチャ「……えっ?」

プーアル「そ、そうですヤムチャ様っ……! そのサラダは、さくらさんが作ったんですよ……? 僕じゃなくて……作ったのはさくらさんですっ……!」

ヤムチャ「えっ、嘘……? こ、この汚いサラダ作ったのって……さくらちゃん……?」

さくら「だから汚い汚いってしつこいんすよっ……! あ~、あ~っ! そんなに汚いサラダなんすかっ!? へぇ~、ゴミ箱捨てちゃうんっすか、ソレっ!?」

ヤムチャ「いやいやっ……! 捨てない捨てないっ……! ゴミ箱には捨てないよっ……! あ~、そうなんだ。美味しそうなサラダだなぁ~! いっただきまぁ~すっ!」

プーアル「味は美味しいんですよ、味は……僕も味見しましたから……そ、それとヤムチャ様っ……! 食べる前には手を洗って下さいっ……!」

290: 名無しさん 2017/01/09(月) 23:03:42 ID:u4LroYDM
ヤムチャ「あっ、本当だ! コレ、味は美味いよっ! 見た目はアレだけど……味は美味いよっ! うん、美味しいよ、さくらちゃんっ!」モグモグ

さくら「今更、そんな事言ったって遅いっすよっ……! ヤムチャさん、食べるの中止っ……! ストップっ!」

ヤムチャ「ナハハ、一口食べるとやめられないね! 止まらないね! 美味しいよっ! コレ、美味しいよ、さくらちゃんっ!」

さくら「中止って言ってんっすよっ!」

ヤムチャ「イッ……!? あっ……は、はい……」ピタッ

さくら「ちょっと自分……もう我慢の限界っす……言いたい事、言わせて下さい……」

ヤムチャ「は、はい……サ、サラダは美味しいよ……?」

さくら「今日自分、全然楽しくないっすっ!」

ヤムチャ「……は、はいっ!」ビクッ

291: 名無しさん 2017/01/09(月) 23:09:37 ID:u4LroYDM
さくら「遊びに連れっていってって言ったのは、そりゃ自分の方っすけど、デパ地下に家電コーナー……んん~っ……!」イライラ

ヤムチャ「ごめんごめんごめんっ……! 俺の買い物の方ばかり優先させちゃったね!? ごめんごめんっ! 今から出かける……?」アセアセ

さくら「名刺作って……名刺の受け渡しマナーを指導して……んん~っ! 」

ヤムチャ「ごめんごめんごめんっ! 明日でもよかったかなぁ!? 名刺の受け渡しマナーは明日でもよかったかなぁ!?」

さくら「ヤムチャさんの家に招待されたと思ったら、すぐ何処かに行っちゃいますし……怪我したかどうか確認しても、無視っすよ……ずっとずっと無視っすよ」

ヤムチャ「ごめんごめんごめんっ! 怪我はしてないからっ……! 大丈夫、大丈夫っ! え~っと……服はちょっとアレだけど、怪我はしてないっ! 俺はピンピンしてるよっ!」

さくら「プーアルさんと二人で料理して待ってたら……ゴミ箱行きっすよっ! 自分の作った料理はゴミ箱行きっすよっ!」

ヤムチャ「ごめんごめんごめんっ! そ、それに捨ててないじゃんっ……! ホラ、食べてる食べてるっ! コレ、美味しいよっ!」モグモグ

さくら「今日全然、楽しくないっす!」

293: 名無しさん 2017/01/09(月) 23:14:37 ID:u4LroYDM
ヤムチャ「ごめんごめんっ……! 何か俺も勘違いしてたみたいだし……それに付き合いの長い奴との久々の再会だったから、ちょっと話も長くなっちゃったかな……? 本当、本当ごめんっ!」

プーアル「さ、さくらさん……ヤムチャ様は本当に悪気があって、こういう風にしてるわけじゃないんです。ただ、ヤムチャ様はバカなのです。わかって下さい」

さくら「……ふう」

ヤムチャ「そ、そうなのっ……! さくらちゃん、俺バカなのっ! ごめんごめんごめんっ!」

さくら「……あはは、あははは」クスクス

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「ふ~う……いや~、すっきりしました。あははは」

ヤムチャ「ん、んっ……? お、おいプーアル……? こ、これは笑ってもいい場面か……? ナ、ナハハハ……」

プーアル「……わ、笑っていい場面なんでしょうか?」

さくら「いや~、ヤムチャさん……やっぱり自分は、人に怒られてるより、人を怒っている方が性に合ってるのかもしれませんね。あはは、すっきりしました。もう、大丈夫っす。すっきりしました」

314: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:00:52 ID:9IlVKtuI
ヤムチャ「怒られてるより怒っている方が性に合ってるって……よくわからないけど、何かその怒られるような事があったって事……?」

さくら「あはは、あったんっすよ。あったあった。怒られる事があったんっすよ……」

ヤムチャ「あっ、そうなんだ。え~っと……と、とりあえず話聞こうかな……? あっ、ホラ。さくらちゃんも座りなよ」

さくら「だから今日はその話を……うん、ちょっと愚痴りたかったのかなぁ? ヤムチャさんに話を聞いてもらいたい……みたいな所も半分あったんっすよ」

ヤムチャ「あっ、そうなんだそうなんだっ! うんうん、ごめんごめんっ! それじゃあ、話聞くよ!? ホラ、ご飯食べながら……ねっ?」

さくら「いやいや、大丈夫っす。もう自分は大丈夫っす。声出してすっきりしましたから。あははは」

ヤムチャ「えっ……? そ、そう……? まぁ、そういう事だったらいいのかな……?」

315: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:07:06 ID:9IlVKtuI
さくら「……というか、それ以上にヤムチャさんに言いたい事があるんすよ?」ギロリ

ヤムチャ「んっ、言いたい事って何……?」

さくら「……汚いサラダって、どういう事っすかねぇ?」

ヤムチャ「あっ、あっ……! こ、これの事……? 違う違う違うっ……! あの~、これは……」アセアセ

さくら「ゴミ箱行きとか言ってませんでしたか? ちょ~っと、それどういう事か説明してもらいましょうかねぇ……!?」ニヤニヤ

ヤムチャ「違うの違うの! さくらちゃん、誤解なのっ! 俺コレ、プーアルが作ったヤツだと思ってたの! プーアルが作ったと思ってたから……え~っ、そういう事言っちゃったワケだね、うんっ!」

さくら「まぁ、そりゃ確かにプーアルさんとの料理に比べりゃ、見た目には天と地程の差があるのは一目瞭然っすけど……何もそこまで……何もそこまで……」ブツブツ

ヤムチャ「あ、味は美味いからさっ……! う、うんうん。味は美味いよ、味は美味い美味いっ! ホラ、腹に入れば見た目なんかは関係ないもんね~!」モグモグ

316: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:14:56 ID:9IlVKtuI
プーアル「ま、丸く収まったって事でいいんですかね……? と、とりあえずヤムチャ様っ! 手を洗いましょうっ! それに服もっ……!」

さくら「そうっすよっ! ヤムチャさん、そこも言いたかったんだっ……! その服っ……! そぉ~んなボロボロになるまで何してたんすか!?」

ヤムチャ「も~う、プーアルはしつこいなぁ……わかったわかった、手を洗えばいいんだろ? あ~、この服はねぇ……ちょっと、手合わせする事になっちゃって、こうなっちゃったんだよ。チェッ、結構お気に入りの服だったのに……天津飯の奴は酷いねぇ!?」

さくら「いやいや、服の心配より……身体、身体っ! 明日も試合あるんすよ!?」

ヤムチャ「あ~、そこは大丈夫っ……! そこは大丈夫だからっ! 怪我はしてないっ! ホラ、この通りピンピンしてるっ!」

プーアル「天津飯さんとやり合うだなんて……も~う、そんな無茶な事……」

ヤムチャ「それがよぉ、プーアルっ……! 案外無茶でもなかったんだってっ! 俺、結構天津飯と渡り合えたんだぞっ!?」

プーアル「えっ、え~っ……!? それ、本当ですかっ……!?」

さくら「え~っと、天津飯さんって人は、ヤムチャさんの武道家時代の友人って認識でいいんですよね……?」

ヤムチャ「そうそう、武道家時代の友人だよ。友人、友人……ついでだから、服も着替えちまうか……プーアル、部屋着何か出してくれ」ヌギヌギ

317: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:22:12 ID:9IlVKtuI
さくら「あ~、あ~っ……一回食事に手をつけてから、手を洗って、服着替えて……もう、順番が……順番が滅茶苦茶っすよ……」

プーアル「とりあえずヤムチャ様。コレ着て下さいっ! はい、どうぞ」

ヤムチャ「え~っと、これは前にさくらちゃんに話したかな? ホラ、俺武道家辞めて、暫くグータラグータラ過ごしてたって、そういう話したじゃない?」

さくら「あぁ、以前そういう話ありましたね」

ヤムチャ「それでね……今日、会いに行った天津飯だよ。そいつが、俺がプロレスを始めた事で……う~ん、運動って言えばいいかなぁ? 運動を始めた事で、動きがよくなってきてる……なんて言ってきたんだよ」

さくら「えっ……? あっ、あぁ……そうなんすか……」

ヤムチャ「実際俺も、もうグータラグータラしてないしね。プロレスを始めた事で毎日毎日、走り回ったり、跳び跳ねたり……相手の攻撃を見たりしてるよ」

さくら「はいはい、運動はしてます。間違いなく、運動はしてます」

ヤムチャ「それで、一戦手合わせしてみないかって誘われて……断りきれなかったってワケじゃないんだよ。ちょっと俺も、試してみたいな……なんて思っちゃったんだよ……」

318: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:28:26 ID:9IlVKtuI
ヤムチャ「決してさくらちゃんの事を忘れてたワケじゃないんだよっ!? こ~う、誘われた事によって俺の武道家の血が騒いじゃったって感じ……!? そういう感じになっちゃったのっ! 本当にさくらちゃんの事を忘れたワケじゃないんだよっ!?」

プーアル「ま~た格好つけた事を言っちゃって……と、言いたい所ですが、僕はヤムチャ様の気持ちも……なんとなくわかります。う~ん……」

ヤムチャ「断ったら断ったで、また何か言われるだろうしさぁ……? でも、さくらちゃんが帰ってなくてよかったよっ! 本当、ごめんごめんっ!」

さくら「まぁ、男同士の付き合い……武道家同士の付き合い……なんすかね……?」

ヤムチャ「そうそうそうっ! 男同士の付き合いっ……! 武道家同士の付き合いっ……! 世の中にはそういう物があるんだね!?」

さくら「う~ん……そういう事なら、ある程度は多目に見てあげたい部分はありますが……でも、そこまでっ! そ~んなボロボロになるまでっ!」

ヤムチャ「そこも言ったんだよっ! 怪我しないようにしてねって頼んだんだよっ! だけど、う~ん……結局こうなっちゃったっ! ごめんごめんっ! でも怪我はしてないよっ!」

プーアル「さくらさん、申し訳ありません……今回ばかりは多目に見てもらえませんかねぇ……?」

319: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:35:29 ID:9IlVKtuI
さくら「う、う~ん……じゃあ、とりあえず厳重注意って事にしておきますよ?」

ヤムチャ「はいっ! もう二度とさくらちゃんを放ったからしにしたりしませんっ! ごめんねっ!」ペコッ

さくら「いやいや、そこを厳重注意って事じゃなくて、怪我の事っすっ! プライベートで怪我するような事をした事を厳重注意って事っすよっ!」

ヤムチャ「あ~っ、はいはい。そこねっ! そこが厳重注意かっ!」

プーアル「……いや、勿論さくらさんを放ったからしにした事も問題ですよ?」

さくら「これ、自分だから厳重注意で済む話になってますけど、もしベガさんだったら……もし自分がベガさんだったら、多分ヤムチャさんこんな物じゃ済まないっすよ?」

ヤムチャ「ナ、ナハハ! そっか、そっか。あ~、そっか。さくらちゃんでよかった……うんうん、さくらちゃんでよかったよ……」

さくら「って、あっ……!? 自分、ま~た怒鳴ってるや……さっき、怒鳴ったばかりだってのに……も~う……」ケラケラ

320: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:40:57 ID:9IlVKtuI
ヤムチャ「あっ、そうだそうだ。まぁ~た俺の話ばかりになってるや。さくらちゃんの話を聞かなきゃいけないんだった。そうだそうだ、またうっかり忘れてたや」

さくら「いやいや、もう自分は……」

ヤムチャ「いやいや、聞くよ聞くよ。だって今日、俺の都合ばかりに合わせてもらってるんだもん。さくらちゃんの都合にも合わせなきゃよくない、うん」

さくら「いや~、それは……」

ヤムチャ「え~っと、さっき言ってたよねぇ……? 今日、誰かに怒られるような事があったんだよねぇ……? うん、聞くよ。俺聞くよ! 愚痴聞くよ! 誰に何を言われたの?」

さくら「……う~ん」

ヤムチャ「折角作ってくれたんだし、飯食いながら聞くよ! おい、プーアル。ついでだから、ビールも出してくれっ! なっ?」

プーアル「はいはい、ビールですね~。わかりました~」

321: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:48:41 ID:9IlVKtuI
さくら「う~ん、ちょっとねぇ……今日、ベガさんにね……言われたんすよ……」

ヤムチャ「ベガさんに言われたって……何を……?」

さくら「う~ん……この前の試合がつまんなかったって……」

ヤムチャ「この前の試合って……前のヤツ……?」

プーアル「はい。ビールお待たせしました~」

さくら「あっ、プーアルさん、どうも。そうっすねぇ。この前の春麗さん、ローズさん、自分対ミカさん、撫子さん、まことさんの試合の事っすね……」

ヤムチャ「え~っ? あの試合、面白くなかったかなぁ……? 俺は結構、面白かったけどなぁ……?」

さくら「う~ん、ヤムチャさんにそう言ってもらえるのはありがたいんすけど……いや~、評判が悪かったっす……」

322: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:53:57 ID:9IlVKtuI
さくら「あの日、メインイベントのヤムチャさん達も三対三だったじゃないですか? え~、それで自分達の試合も三対三……試合形式は被ってますよね? あ~っ、ダメだ。すいません。ビール頂きます」プシュッ

ヤムチャ「あ~、あ~、注ぐよ注ぐよ。俺注ぐよ。う~ん、そうだねぇ。俺達の試合と一緒だったよねぇ……? え~、ホイ」トクトク

さくら「男子部の試合と、女子部の試合……同じ三対三の試合形式でも、出来映えが全然違うってね……!? いや、そこは認めますけど……う~ん……」グイッ

ヤムチャ「う~ん……でも、俺達はメインイベントだったけど……さくらちゃん達は第四試合だったかな……? そこの差はあるでしょ? 俺はそう思うよ」

さくら「その差は当然あります。メインイベントと第四試合の差は当然あります……それに男と女って一番大きな差もあります……ただそこを評判の悪かった原因にしちゃいけないんすね。原因はそこじゃない部分にあったんすよ……」

ヤムチャ「……じゃあ、何が原因だったの?」

さくら「……自分が浮かれてたんすねぇ~」

323: 名無しさん 2017/01/11(水) 22:58:11 ID:9IlVKtuI
さくら「ほら、女子部って春麗さんに、ローズさんに、かりんに、キャミィさんに……自分も入れて、五人じゃないっすか?」

ヤムチャ「うんうん」

さくら「だから、普段は三対三のカードって出来ないんすよ?」

ヤムチャ「あ~、はいはいっ! 一人足りないもんねぇ……? 一人足りないっ!」

さくら「男子部は空手軍団対シャドルーとかやってるじゃないっすか? それは三対三っすよ。ゲスト呼ばずに三対三のカードやってるじゃないっすか……? 女子部としては、そこ羨ましいと思ってた部分があったんですよ?」

ヤムチャ「人数的にどうしても出来ないからねぇ。さくらちゃんがそう思う気持ちは……うんうん、わかるわかる」

さくら「それで、いざゲストを呼んで……今まで出来なかった三対三の試合が出来るんだなって思ったら……う~ん、ちょっと自分が浮かれちゃったんすね。女子部で三対三の試合が出来る事だけで満足しちゃったんっすよ」

ヤムチャ「……あらら」

さくら「それで試合内容が疎かになって……まぁ、そこがしっかりとバレていたワケですね。ベガさんだけじゃなくて、ファンにも……ファンアンケートが酷いもんでしたよ。はぁ……」

ヤムチャ「ファンアンケートってこの前の勉強会のヤツだよねぇ……? あ~っ、そうだったんだ。そういう事があったんだ……何か、話聞けなくてごめんね」

324: 名無しさん 2017/01/11(水) 23:02:54 ID:9IlVKtuI
ヤムチャ「う~ん、でもさぁ……!? 俺はそこまで落ち込む事でもないと思うな!」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「だって、この前の勉強会でもガイルさんは半分ぐらい怒られるような感じだったじゃん? でもガイルさんはそこから次から頑張りますって言って……! ホラ、俺といい試合をしてくれた!」

さくら「そうっすね。ガイルさんよかったっすね」

ヤムチャ「だから、さくらちゃんも……ガイルさんみたいに、次の試合で、こ~ういい試合をしたら……解決じゃんっ! ねっ、解決っ!」

さくら「勿論、そのつもりではあるんすが……自分の場合は、ガイルさんと違って他団体の選手と絡んだ上での失態だったんすよ。ガイルさんの場合はストレートプロレス内だけでも失敗でしたが、自分の場合は鰯ヶ浜女子プロレスを巻き込んだ上での失敗でしたでしょ?」

ヤムチャ「んっ……? そういうのって何かマズいの……?」

さくら「他団体の選手の顔に泥を塗った事になりますからね。アンケート結果が悪いだけじゃなくて……そういう点を踏まえて、ベガさんに厳重注意を受けました」

ヤムチャ「え~っ、え~っ……ちょっと俺には話が難しくなってきたかもしれないぞ……? んんっ……?」


プーアル(ヤ、ヤムチャ様頑張りましょうっ……! 男を見せましょう……!)

358: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:00:46 ID:sClS/pB.
さくら「まぁ、難しいなら難しいで聞き流してくれりゃ、結構っすから。ねっ……? ホラ、折角作ったんだから、食べましょう。ねっ?」モグモグ

ヤムチャ「あっ……う、うんっ……! え~っと……俺にはよくわからない部分もあるけど……う~ん、とにかくさくらちゃん……頑張ってっ!」

さくら「暫くの間はジミーさんがこっちを手伝って下さるそうなので、大丈夫っすよ。ジミーさんがいれば……うんうん……」

ヤムチャ「えっ、ジミーさんって、ブランカさん……? ブランカさんが手伝ってくれるって……?」

さくら「そうっす、そうっす。ブランカさんっす。え~、ブランカさんが対抗戦の間は、こっちのカードをチェックして二人三脚の形でやっていくって感じっす」

ヤムチャ「あ~、それだったらいいんじゃない? ホラ、ブランカさんは試合になっちゃうとアレだけど……え~っ、ホラっ!? 普段は頼りになる人じゃんっ!」

さくら「……そうっすね。ジミーさんは頼りになります」

ヤムチャ「それならきっと大丈夫だよっ! うんうんっ! 落ち込まない、落ち込まないっ!」

359: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:06:58 ID:sClS/pB.
さくら「……でもね?」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「頼りがいのあるジミーさんが来るって事は……それ、自分が頼りないからって事じゃないっすか……?」

ヤムチャ「えっ、えっ……? いやっ……! そ、そんな事はないんじゃないかなぁ~?」

さくら「だからそこに自分はショックを受けていると言いますか……悔しいと言えばいいのか……う~んっ……!」

ヤムチャ「いやいやいやいやっ……! そんな事はないっ……! そんな事はないよっ! さくらちゃんは頼りになるっ! それは俺が保証するっ!」

さくら「頼りになってたら、こういう結果にはなってませんよ。も~う、春麗さんやローズさんにどう顔向けしたらいいか……」

ヤムチャ「んっ……? なぁ~んで春麗さんとかローズさんの話が今出てくるの?」

360: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:14:29 ID:sClS/pB.
さくら「え~、春麗さんやローズさんは自分より先輩なワケっすよねぇ? 自分よりキャリアが長いのに、後輩の自分が作ったカードやストーリーに従ってくれるワケっすね?」

ヤムチャ「うんうんうん」

さくら「その従ってくれてる理由ってのは……自分が女だからなんすよ」

ヤムチャ「うんうん」

さくら「以前、相談したじゃないっすか……? ホラ、負けた方が服脱いでのお色気マッチがどうのこうのとか……」

ヤムチャ「あ~っ、言ってたねぇ。言ってた言ってた」

さくら「ああいう提案をするのは、大抵ベガさん……男なんっすよ。その~、男目線での要求を女子選手達に求めてくるんすね?」

ヤムチャ「まぁ、そうだろうねぇ。だって、さくらちゃんが自分から負けたら服脱ぐ試合をしたい……なんて言い出しそうにないもん」

さくら「勿論、自分もそういう試合は嫌っすけど……それやるのは春麗さん、ローズさんだって同じように嫌なはずなんすよ」

ヤムチャ「うんうん、そりゃそうだ」

さくら「女子部は女子部でこういう路線でやっていきたいってのがあるんすよ。それは、女にしかわからない事だと思うんすよ」

ヤムチャ「う~ん……まぁ、わかるよ……うんうん……」

361: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:20:48 ID:sClS/pB.
さくら「だから今回の一件でジミーさんっていう、男子要素を女子部に取り入れる事になってしまったから……」

ヤムチャ「その……女の気持ちを無視した男の我儘……みたいな事が来るかもしれないって事だっ! 今日の俺みたいなねっ……! ナ、ナハハ!」

さくら「……そ~ういう事っすねぇ」

ヤムチャ「ア、アレ……? 今の面白くなかったかな……!? え~っと……俺はちょっと和ませようと……」アセアセ

さくら「……ちょっと今、そういう冗談のれない気分かもしれませんねぇ」

ヤムチャ「あっ……ご、ごめん……」

さくら「あ~、いえいえ。こっちこそ、申し訳ないっす。ましてや今回フォロー役はジミーさんっすからねぇ……」

ヤムチャ「いやぁ~、でもさぁ……? ブランカさんは頼りになるよっ!? うんうん、頼りになるよっ!」

362: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:26:46 ID:sClS/pB.
さくら「勿論、プライベートでは頼りになりますけど、ジミーさんの普段の試合ってホラっ……!? お笑いマッチが大半じゃないっすか?」

ヤムチャ「あ、あぁ……うん……」

さくら「ジミーさんってねぇ……自分がお笑いマッチをやってる分、そういった事を要求するのに抵抗ないと思うんすよ」

ヤムチャ「え~っとさっ……!? でもさぁ、さくらちゃんっ!」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「女に    はついてないじゃない。女に    はっ!」

さくら「ブッ……! ちょ、ちょっと今、ご飯食べてるんですよっ!?」

ヤムチャ「あ~っ、よかった。やっと笑ってくれたっ! ホラ、ブランカさんは普段、相手の    とか蹴って、笑いを取ってるけど……さくらちゃん達は女だから、そういう事にはならないって! 俺が言いたかったのはそういう事っ!」

363: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:32:52 ID:sClS/pB.
さくら「……     み  み ~」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「……コスチューム、ビリビリ~」

ヤムチャ「……んんっ?」

さくら「    なくてもねぇ……? こっちには他のもんがあるんすよ……?     の代わりになる物がいくらでも……」

ヤムチャ「ちょっとちょっと、さくらちゃんっ……!     、    って……女の子がそういう事連呼するのは、はしたないんじゃないかなぁ……?」アセアセ

さくら「最初に言い出したのは、ヤムチャさんじゃないっすかっ!?」

ヤムチャ「ナ、ナハハっ……! そうだったそうだったっ……! ご、ごめんごめんっ……!」

364: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:39:53 ID:sClS/pB.
さくら「別にお笑いマッチをする事は嫌ではないんすけど……こいういった試合形式を持って来られたら、春麗さんにもローズさんにも顔が立たないっすよ……」

ヤムチャ「まだ決まったワケじゃないじゃん……?      み  み も……コスチュームビリビリも……ブランカさんは明日しろって言ってるワケじゃないんでしょ?」

さくら「というか……女子部に男子の侵入を許してしまった時点で……はぁ、春麗さん達に報告するのが気が重い……」

ヤムチャ「大丈夫だって! 春麗さんもローズさんも……それに、キャミィさんも、かりんさんも気にしないってっ!」

さくら「もし……ねっ……?」

ヤムチャ「んっ……? どうしたの……?」

さくら「もし、今回の一件を春麗さん達に報告して『何やってんだ、さくら』な~んて言われて……自分が女子部に居場所がなくなったとするじゃないっすか……?」

ヤムチャ「大丈夫だってぇ~」

さくら「……その時ヤムチャさん、自分の事貰ってくれます?」

ヤムチャ「……んっ?」

366: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:48:04 ID:sClS/pB.
プーアル「……食器片してきまぁ~す」スーッ


ヤムチャ「え~っと……それはつまり……その……」

さくら「はい」

ヤムチャ「その~、貰うってのは……そういう事だよねぇ……?」

さくら「はい」

ヤムチャ「う~ん、そうだなぁ……そうだなぁ……う~ん、う~ん……」

さくら「……」

ヤムチャ「……無理かもしれないねぇ、俺っ!」

さくら「……あら、無理っすか」

370: 名無しさん 2017/01/13(金) 22:55:14 ID:sClS/pB.
ヤムチャ「だってさぁ……!? 先ず、さくらちゃんは俺の給料知ってるでしょ? 俺の給料!?」

さくら「あっ……! そういうリアルな話に持っていくんだっ!?」

ヤムチャ「経済力が足りないよっ! 悲しい事に俺にはさくらちゃんを養う経済力がまだないのっ!」

さくら「あはは、あははは」

ヤムチャ「それに、う~ん……仕事で失敗したから、じゃあヤムチャさん……みたいな形は俺も嬉しくないよっ! 俺もっ!」

さくら「あはは、あははは」

ヤムチャ「別に今回の一件で、プロレスが嫌いになったとか……そういうワケじゃないんでしょ? ほらほら、さっき言ってたじゃん? 女子部を動かせるのは女子だけって……さくらちゃん達は、そういう風にやっていきたいんでしょ?」

さくら「はい、その通りっす」

389: 名無しさん 2017/01/14(土) 22:00:46 ID:ceFbqHig
ヤムチャ「それだったら、さくらちゃんはもっと頑張らないとさっ!? 女子部を……う~ん、理想の形? そういう風に持っていけるのは女だけなんでしょ?」

さくら「はい」

ヤムチャ「自分の居場所がなくなるじゃないよ……自分達の居場所に入ってきたブランカさんを追い出さなきゃ! だって、ブランカさんは男なんだからね。ナハハハ!」

さくら「へへ、カウンターパンチが顔面にクリーンヒット……そんな感覚っすよ。そうっすよねぇ、自分が弱気になってちゃいけませんよね」

ヤムチャ「そうそうそうっ! 弱気なさくらちゃんより、元気一杯のさくらちゃんの方が俺は好きだからさっ!」

さくら「う~ん、でもね……? 一個だけ……う~ん、言わせて貰ってもいいっすか……?」

ヤムチャ「んっ、どうしたの?」

さくら「嘘でもいいから、俺が貰ってやるみたいな事は言ってくれないんすかっ!?」

ヤムチャ「……えっ?」

390: 名無しさん 2017/01/14(土) 22:09:41 ID:ceFbqHig
さくら「ヤムチャさんの言ってる事は、その……アレっすけど……うん、うんっ……! でもそこまで面と向かって断られちゃ……!」

ヤムチャ「いや、待って……! だって、今の流れで断らなかったら、さくらちゃんは……う~ん、辞めちゃうって事にならない……? そうでしょ、そうでしょ……?」

さくら「だからだから、そこはわかってますよ。でもホラ、他にも言葉ってあるじゃないっすか……!?」

ヤムチャ「えっ、えっ……?」

さくら「その~っ、う~んっ……! 『じゃあ、もし失敗した時は俺が貰ってやるから、今はドーンと構えてやるだけやってこい』みたいなっ!?」

ヤムチャ「あ~、そうかっ……! そういう風に言えばよかったのかもしれないねぇ……? うんうん」

さくら「……なんか、ちょっとだけショックだなぁ~」ニヤニヤ

391: 名無しさん 2017/01/14(土) 22:19:39 ID:ceFbqHig
ヤムチャ「う~ん。でもねぇ、さくらちゃん……? これ、本当に真剣な話なんだけど、今の給料でさくらちゃんを養っていく自信はないかなぁ?」

さくら「またリアルな話だ!」

ヤムチャ「給料に不満はないよっ! 俺一人が食っていくには十分な額だけど、やっぱりそういう風な形になるとさぁ……? うん、今の給料じゃ難しいんじゃないかなと思う……」

さくら「う~ん……まぁ……」

ヤムチャ「本当に真剣に答えるなら、そうだな……うん。さくらちゃんにも働いてもらっておかなきゃやっていけないんじゃないかな……? 俺一人の稼ぎって言うのはねぇ……」

さくら「ヤムチャさんって、女は家庭に……みたいな考え方ってないんすか?」

ヤムチャ「……友達の話なんだけどね」

さくら「あっ、はい」

392: 名無しさん 2017/01/14(土) 22:29:23 ID:ceFbqHig
ヤムチャ「え~っと、そこの夫婦は奥さんだけが子育てやりつつ働いて……旦那さんは四六時中、トレーニングばかりしてるような所なんだ」

さくら「えっ……?」

ヤムチャ「当然仕事もしてないし……まぁ、アイツの事だから子育てとか、掃除、洗濯とかもしれないんだろうなぁ。だから旦那さんはトレーニング以外一切してないの。あっ、武道家の友人だから……トレーニングばかりしてるの」

さくら「……それ完全にヒモじゃないっすか?」

ヤムチャ「そうなの、そうなの。完全にヒモなんだよ……だけど、その家庭は上手くバランスが取れてるの。何故なら奥さんの稼ぎが凄いっ! 旦那さんが働かなくても十分やっていけるのっ!」

さくら「はぁはぁはぁ」

ヤムチャ「でも、そこの家庭って楽しそうにやってんだよね。悔しいけどね」

さくら「……はいはい」

393: 名無しさん 2017/01/14(土) 22:41:52 ID:ceFbqHig
ヤムチャ「……俺ってそういう状況を与えられたら、多分駄目なタイプなんだよ」

さくら「……駄目なタイプとは?」

ヤムチャ「それだけ稼ぐ相手がいて、自分は何もしなくても大丈夫って状況を与えたら……俺って根が軽いから、そういう風にトレーニングとかに打ち込まずに、フラフラフラフラ遊んじゃう道を選んじゃうんだよ……」

さくら「あ~、なんとなくわかるかも……あっ、ヤムチャさんがって事じゃなくて、自分もそうなるかもって意味でです」

ヤムチャ「だから俺は、自分自身でこういう風に働いてゼニーを稼ぐって事をしないとダメなんだよ。そういうヒモみたいな事をしてたらダメなんだよね」

さくら「はいはい」

ヤムチャ「でも今の俺の給料だけじゃ、やっていく事は出来ないでしょ……?」

さくら「はいはい」

394: 名無しさん 2017/01/14(土) 22:49:47 ID:ceFbqHig
ヤムチャ「現状なら俺と二人で共働き……ってのが、一番バランス取れてると思うけど……まぁ、もし奥さんが家庭にいたいってタイプなら、俺がもっともっと稼ぐようにならないといけないんじゃかな?」

さくら「うんうん」

ヤムチャ「今、さくらちゃんを貰ってあげるって言うのは凄く簡単な事だと思う。う~ん……でも、何だろうねぇ……? 今、さくらちゃんを貰っても……多分、温かい家庭は作れないんじゃないかなぁ?」

さくら「うんうん、はいはい」

ヤムチャ「それに、さくらちゃんだって……あまり家庭にこもるってタイプじゃないんじゃない?」

さくら「んっ、何でそう思います?」

ヤムチャ「ナハハ。だぁ~って、このサラダっ! このサラダっ!」ケラケラ

さくら「あ~っ! また、サラダ弄るっ!」

ヤムチャ「俺、絶対さくらちゃんはこんなサラダ作るより、プロレスの試合とか作ってる方が似合うと思うよっ!? 絶対、絶対っ!」

さくら「く、くっ……言い返せないっすっ……!」

395: 名無しさん 2017/01/14(土) 22:55:03 ID:ceFbqHig
ヤムチャ「さくらちゃんも……ねっ……? こういう事してるより、仕事してる方が本当は楽しいんじゃないっ……!?」

さくら(何でこんなサラダ作っちゃったんだろ……? こうなる事はわかってたのに……)

ヤムチャ「ねっ……? ねっ、ねっ……?」

さくら(辛い状況から逃げて……家庭的な所をアピールして……あ~ぁ、そうっすよねぇ……女だけが使える卑怯な逃げ道じゃないっすか、これ……)

ヤムチャ「じゃあ、本当の本当の最悪の状況になったら、俺が貰ってあげるっ……! 貰ってあげるよっ……!」

さくら(こんなの……女子部を纏める自分が完全に男に負けてる証拠じゃないっすか……これじゃあ、ダメっす……そりゃ、これじゃあダメっす……!)

ヤムチャ「その代わりさくらちゃんは、さくらちゃんはベガさんに俺をチャンピオンにして、給料三倍ぐらいにしてって提案するのっ! ホラ、それなら俺一人の稼ぎでもやっていけるじゃん!? ナハハハ、これどう!?」

396: 名無しさん 2017/01/14(土) 23:02:36 ID:ceFbqHig
さくら「あはは、あははは」

ヤムチャ「んっ、どうしたの……?」

さくら「その提案を通す労力を考えたら、女子部を盛り上げつつ、ジミーさんを追い出す……こっちに力を使った方が、確実に有意義っす」

ヤムチャ「ちょっと待ってよ、ねぇ……? 俺がチャンピオンへの道ってのは、そんなに難しいの? この際、給料の事はどうでもいいよ」ケラケラ

さくら「う~ん、難しいっすねぇ……」クスクス

ヤムチャ「言っておくけど、俺タッグチャンピオンなんだよっ!? 今、俺タッグチャンピオンなんだよっ!?」

さくら「とは言っても、ケンさんとのタッグチャンピオンじゃないっすか……? シングルのチャンピオンになるには、ケンさんは勿論……リュウさんだっているんすよ?」

ヤムチャ「ナハハ。そうだよね、そうだよねぇ。あっ、でもリュウさんケンさんとも一戦やってみたいかな~?」

397: 名無しさん 2017/01/14(土) 23:08:18 ID:ceFbqHig
さくら「そこは一応ベガさんに報告だけしておきますよ。ヤムチャさんがリュウさん、ケンさんと一戦やってみたいって言ってたってね?」

ヤムチャ「うん、ありがとう」

さくら「ただ、報告だけっすよ。実際どうなるかはわかりません。そこ決めるのはベガさんだし……自分は女子部担当で管轄外っすからね」

ヤムチャ「うんうん、そうだねそうだね。さくらちゃんがやるのはそっちだもんね。女子部を上手くやっていく方法……みたいなの、今から一緒に考える?」

さくら「いや~、そこは大丈夫っす。ぶっちゃけ、よくよく考えればストーリーには自信はあるんすよ。これ、対抗戦のストーリーは間違ってないって自信はあるんすよ」

ヤムチャ「うんうんうん」

さくら「問題があったとすれば、前回の試合で自分達が受かれ気味だった所の一点っすね。だから、そこを決起会みたいな事をして纏まっていけば問題はないと思います。あっ、後……問題があるとすればヤムチャさんのせいだっ!」

ヤムチャ「えっ……? 何で、俺のせい……?」

さくら「同じ三対三の試合でそっちがやり過ぎるからっすよっ!」

ヤムチャ「ナ、ナハハ……! そ、そこはこっちにも事情があったんだから、仕方ないじゃんっ……! え、え~っとっ……! とりあえず、飲もう飲もうっ! 食おう食おうっ!」

398: 名無しさん 2017/01/14(土) 23:15:30 ID:ceFbqHig
ーー数時間後


さくら「スー……スー……」


プーアル「あ~っと、さくらさん寝てますねぇ?」ボソッ

ヤムチャ「……元気が出てよかったな。プーアル、起こすなよ」

プーアル「わかってますよ。それじゃあ、毛布だけかけておきましょう」ファサ

ヤムチャ「……おう」

プーアル「……しかし、ヤムチャ様?」

ヤムチャ「……どうした」

プーアル「さくらさん……ヤムチャ様に……ねぇ……?」

ヤムチャ「……」

プーアル「その~、あの~、ヤムチャ様……ねぇ……? 聞いてました……?」

ヤムチャ「……」

プーアル「さくらさんが、その~……え~っ……んっ、ヤムチャ様……?」

ヤムチャ「……」

プーアル「あの~、ヤムチャ様……? 僕の話、聞いてますか……?」チラッ

399: 名無しさん 2017/01/14(土) 23:20:06 ID:ceFbqHig
ヤムチャ「ああああああっ……! うああああぁぁっ……!」シクシク

プーアル「えっ……!? んんっ……!? ちょ、ちょっとヤムチャ様、どうしたんですかっ……!?」

ヤムチャ「やっちまったあああぁぁっ……! 俺はっ……! 俺は、やっちまったあああぁぁっ……!」ボロボロ

プーアル「ちょ、ちょっとちょっとヤムチャ様っ……! さくらさんは寝てますっ……! 静かにっ……! 静かにっ……!」

ヤムチャ「さくらちゃんのプロポーズっ……! 逆プロポーズを断っちまったああぁぁっ……! あああっ……! やっちまったああぁぁっ……! これ完全にやっちまったぞおおぉぉぉっ……!」

プーアル「ヤ、ヤムチャ様っ……! そ、そんな泣かなくてもっ……! と、とにかく静かにっ……!」

ヤムチャ「よくよく考えればゼニーの問題なんて神龍に頼めばなんとかなったんじゃないか、おいっ……! それを……それを、その場の勢いでっ……! 俺は、やっちまったあああぁぁっ……!」

プーアル「ヤムチャ様、ヤムチャ様っ……! 落ち着いて下さいっ……!」アセアセ

418: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:01:00 ID:GODfugfc
プーアル「確かに断ったのはアレですけど……ぼ、僕はある意味いい機会だと思ってるんですよ」

ヤムチャ「いい機会だとっ……!? おい、プーアルそれどういう事だっ!? お前は俺の幸せを願ってくれないのかっ!?」

プーアル「いや、そりゃヤムチャ様には幸せになってほしいですけど……ほら、さくらさんと結婚するとなると大きな問題が出てきますよねぇ……?」

ヤムチャ「……給料問題ね」

プーアル「給料問題なんかじゃありませんよ。『気』ですよ。気……」

ヤムチャ「……んっ?」

プーアル「ホラ、ヤムチャ様が色々出来る事、さくらさんは知らないでしょ?」

ヤムチャ「……あっ」

419: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:09:41 ID:GODfugfc
プーアル「……そこどうします?」

ヤムチャ「え~っと……あ~、そうだな……ど、どうしよう……」

プーアル「……一生、さくらさんに秘密にしておく気ですか?」

ヤムチャ「一生秘密にしておくってのは……あ~、いや~っ……そ、それは……」

プーアル「ねっ、そうでしょ……?」

ヤムチャ「え~っ……!? そ、それじゃあどうする……!? さくらちゃんに打ち明けてみるっ!?」

プーアル「そりゃ、結婚して一生を共にするってのなら打ち明けた方がいいとは思うんですが、う~ん……どうなんでしょうねぇ……?」

ヤムチャ「な、なぁ? プーアル、そんなにマズい事なの!? 気が使えるって事言っちゃうのって、そんなにマズい事なのかなぁ!?」

プーアル「……う~ん」

420: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:17:39 ID:GODfugfc
ヤムチャ「だってさだってさっ……! 悟空とチチだって、結婚したしさっ!? べジータとブルマだって、結婚したじゃんっ!?」

プーアル「そこは知ってた上での結婚ですよね……? 結婚前には気が使える事知ってるじゃないですか?」

ヤムチャ「それにさ……!? クリリンと18号だって付き合ってるし、天津飯とランチさんだって付き合ってるんだぞっ!?」

プーアル「18号さんに関しては使えます。もう気が使えますよ。そこも隠し事にはなってません。えっ……!? そ、それで天津飯とランチさんって付き合ってるんですかっ……!?」

ヤムチャ「おうおう、付き合ってるよ! アイツら付き合ってるよっ! 今日アイツの所に行ったら、ランチさんが飯作りに来てたぞ!?」

プーアル「……へぇ~、そうなんですか」

ヤムチャ「皆、普通にやってるじゃないかよ! だったら俺も大丈夫だってっ! 公開しようっ! そういう事だったら公開しようっ! なっ……!?」

プーアル「いやいやいやいや、ちょっと待って下さい、ちょっと待って下さいっ……! ヤムチャ様の場合は別なんですよっ! 間にセルゲームが挟まってるんですよっ!?」

ヤムチャ「……んんっ!?」

421: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:25:30 ID:GODfugfc
プーアル「セルゲームがテレビ中継されまして、世間ではトリックだとかになってはいるようですが、気の事は色々騒がれたでしょ?」

ヤムチャ「俺は現場にいたから、そのテレビ中継は知らないっ!」

プーアル「まぁまぁ、中継されてたんですよ……セルゲームは中継されてたんですよ……え~っ、それで悟空さんやべジータさんに関してはセルゲームの前の話なんですよ。だから、世間を騒がせる前の話」

ヤムチャ「うん、うん……」イライラ

プーアル「ヤムチャ様に関しては世間を騒がせた後の話になるんですよ!? 世間を騒がせた後の話っ……! お、怒ってます……!?」

ヤムチャ「怒ってない、怒ってないっ! ちゃんと話は聞いてるよっ!」

プーアル「ブルマさんも言ってたでしょ……? 世間を騒がしすぎたから、暫くこの事は秘密にしておきましょうって……ねっ……?」

ヤムチャ「……ちくしょう。ま~た、ブルマかよ」

422: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:32:57 ID:GODfugfc
ヤムチャ「じゃあ暫くっていつなんだよっ!? 俺はいつまで待てばいいんだっ!?」

プーアル「う~ん、世間のほとぼりが冷めるまで……?」

ヤムチャ「世間のほとぼりはいつ冷めるんだよっ!? 明日かっ!? 明後日かっ!?」

プーアル「そ、そんな明日明後日に都合よく冷めるわけないじゃないですかっ! 世間のほとぼりについては、僕はわかりませんよ」

ヤムチャ「じゃあ何だ……!? 世間のほとぼりが冷めるまで、俺はさくらちゃんに隠し事をしてっ……! 結婚もせずにっ……! 一人寂しく生活していけという事なのかっ……!?」

プーアル「う~ん……う~ん……」

ヤムチャ「うおおぉぉっ! そんな生活耐えられないっ! 俺は寂しさで死んでしまうぞっ!」

プーアル「だ、だから大声を出さないっ……! さくらさんが起きてしまいますっ! それにロンリーウルフはそんな事言いませんっ!」

423: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:38:34 ID:GODfugfc
プーアル「う~ん、だからいきなりドカンと出してしまうのは、さくらさんにとっても衝撃が大きいと思うんですよ。空も飛べて……エネルギー弾も撃てて……言うにしたって、いきなり全部出すのはマズいですよ」

ヤムチャ「おうおう」

プーアル「だからその辺りをうまい具合に、小出しに……小出しに……ねっ……?」

ヤムチャ「小出しって何だよ、オイっ……!」

プーアル「でもヤムチャ様は……その~、結婚したいんでしょ……? 一生秘密にしたまま結婚します……?」

ヤムチャ「そりゃ結婚はしたいよ……それに、一生秘密にしておける自信もないよ……」

プーアル「だったら世間とさくらさんとのバランスを考えつつ……うまく小出しで伝えていかないといけないんじゃないですかねぇ?」

ヤムチャ「ちっくしょう、なぁ~んで俺だけがこんな事になってんだよ……そもそもなんでセルゲームにテレビ中継なんかが来てたんだって話だっ!」

プーアル「テレビ放送で宣戦布告みたいな事してましたからねぇ。そこにミスターサタンって人が乗っかっちゃったんですよ」

ヤムチャ「ミスターサタンって誰だ、オイっ!」

424: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:43:17 ID:GODfugfc
さくら「う、う~ん……んんっ……」ムクッ

プーアル「……あっ、さくらさんが起きましたよ? と、とにかくこの話はそ~いう事で! そういう事でっ!」ボソッ

ヤムチャ「そ、そういう事って……おいおいおい……」

さくら「あ、ありゃ……? んっ、毛布……? あ、あれっ……? 寝てたっ……?」

プーアル「あ~っ、さくらさん……ちょっと、寝ちゃってたみたいなので、毛布だけかけさせて頂きました」

さくら「んんっ……あっ、この毛布プーアルさんがかけてくれたんすか……んんっ、何か申し訳ないっす……」

ヤムチャ(世間とさくらちゃんとのバランスを考えつつ小出しにしていけ……? プーアルは簡単に言うけどさぁ……? も~う、も~うっ……!)

425: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:49:44 ID:GODfugfc
ヤムチャ「いや~、寝ちゃってたみたいだから起こすのも悪いかと思ってね。結構飲んでたみたいだしね。水か何か飲むかな?」

さくら「あ~っ、すいません……恥ずかしい姿見せました……水、頂けるとありがたいっす……」

ヤムチャ「うんっ! じゃあ冷蔵庫から水とってくるねっ! そりゃっ!」フワー

プーアル(えっ……!? ちょっ……! 舞空術っ……!)

さくら「……んあ~っ、飲みすぎた」

ヤムチャ「水、水……あったあった。よしよし……はい、さくらちゃんお待たせ~! 水持ってきたよ~!」フワー

さくら「んん~っ、あっ、ヤムチャさん……なぁ~んか重ね重ね、申し訳ないっす……」

プーアル(さ、さくらさんは見ていなかったようですが……ちょ、ちょっとちょっとっ……! も~うっ……!)ササッ

426: 名無しさん 2017/01/15(日) 22:55:09 ID:GODfugfc
ヤムチャ(うんっ! 冷蔵庫まで舞空術を使い、水を取ってくる……我ながら見事な小出しっぷりだっ!)

プーアル「……ヤ~ム~チャ~様っ!」ギロリ

ヤムチャ「おっ、どうしたプーアル!?」

プーアル「どうしたじゃありませんよっ!? 今、何をしましたっ!? ヤムチャ様、今何をしましたっ!?」ボソボソ

ヤムチャ「おいおい、プーアル……いきなり怒ってどうしたんだ……? 何をしたって、お前も見てただろ……!? さくらちゃんに小出しにする為に……」ボソボソ

プーアル「それは小出しじゃありませんっ……! いきなり舞空術を見せる事は小出しじゃありませんっ……! さくらさんが見てなかったからよかったものの……」

ヤムチャ「おいおい、待てよ待てよプーアル……高々数メートルだぜ……? ちょっとテーブルと冷蔵庫の間を舞空術使って行き来しただけ……」

プーアル「……距離の問題ではないっ!」


さくら「……ゲッ!」


ヤムチャ「……んっ?」チラッ

プーアル「……んっ?」チラッ

427: 名無しさん 2017/01/15(日) 23:01:12 ID:GODfugfc
さくら「自分どれくらい寝てたんすか……? う、うわ~、もうこんな時間じゃないっすかっ……!」

ヤムチャ「そんなに長くは寝てなかったとは思うけど……アレ、どうしたの? 時間気にしてるって事は、この後何か予定でもあるの?」

さくら「こんな遅くから予定はないっすよ。けど、明日もあるんすから……」

ヤムチャ「あ~、あ~、なるほどね。まぁ、俺も明日はあるし……えっ、ちょっと待ちなよ……え~っと、それじゃあさくらちゃん……帰るって事?」

さくら「はい」

ヤムチャ「いやいや、それは待ちなよ待ちなよ、さくらちゃんっ……! 外暗いっ……! 外暗いっ……! 危ないよっ……!」

さくら「いや、そこは大丈夫っすよ」

ヤムチャ「こんな時間に女の子が出歩いちゃダメだよっ! しかも酔ってるんでしょ? 泊まっていきなさい! 泊まっていきなさいっ!」

さくら「……えっ?」

ヤムチャ「俺も飲んじゃったから、運転はもう出来ないし……泊まっていけばいいじゃん。明日、俺もさくらちゃんも同じ所いくんだから、泊まっていけばいいじゃん」

457: 名無しさん 2017/01/17(火) 22:00:46 ID:0wBJ5c6M
さくら「……泊まりっすか」

ヤムチャ「そうそう。もしさくらちゃんが何かの事件に巻き込まれたら、それこそ明日大変な事になっちゃうよ。今日は泊まっていきなさい」

さくら「そ~んな事件なんて起こらないっすよ」

ヤムチャ「暗~い夜道にはねぇ、怖~い人達が沢山いるんだよ~。それにお化けだっ! お化けも出るかもしれない!」

さくら「あはは、お化けは出ないっす」

ヤムチャ「まぁまぁ、とにかくとにかく泊まっていきなって。歯ブラシも貸してあげるからさ。今日俺、歯ブラシ買ったばかりだからね。うん、一個貸してあげるよ」

さくら(あっ、そういやヤムチャさん、歯ブラシ買ってましたねぇ……)

プーアル「ヤムチャ様、歯ブラシは一回使ってしまえば、もう返す事なんて出来ませんよ。歯ブラシの貸し借りってないです」

ヤムチャ「あ~、そうか。歯ブラシは一回使ったらもう無理だな……じゃあ、あげるあげる。ピンクの歯ブラシあげる!」

さくら(アレ、これって最初から……そのつもりで……)

459: 名無しさん 2017/01/17(火) 22:06:57 ID:0wBJ5c6M
ヤムチャ「あ~、後はパジャマとかもだよね。おいプーアル、適当に俺のパジャマ出してくれよ」

プーアル「はいはい。パジャマですね……パジャマ、パジャマ……え~っと、サイズとか大丈夫ですかねぇ?」

ヤムチャ「あ~、ちょっと大きいかもしれないなぁ……でも、いいんじゃないか? さくらちゃんも、その服のまま寝るワケにはいかないでしょ、ねっ?」

さくら「あ~っ、まぁサイズは気にしませんが……」

プーアル「え~っと、とりあえずコレですね……! はい、ヤムチャ様っ!」サッ

ヤムチャ「うん、それじゃあさくらちゃん、はいコレっ! こっちに着替えなよっ!」

さくら「う、う~ん……え、え~っと……ここで……?」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「……今?」

460: 名無しさん 2017/01/17(火) 22:14:28 ID:0wBJ5c6M
ヤムチャ「あっ、そうか。流石にここで今着替えるのはマズいよねぇ。え~っと、それじゃあ……おい、プーアル。移動だ、移動移動。さくらちゃんが着替えてる間、俺達は別の部屋に移動するぞ。レディに失礼な事をするんじゃないよ!」

プーアル「……僕は最初からそのつもりでしたけどねぇ!?」

ヤムチャ「ナハハ、そうかそうかっ! それじゃあ、さくらちゃん。俺達、一回移動するから着替え終わったらまた呼んでよ!」

さくら「あ~、いや、別に部屋は移動しなくて大丈夫っす」

ヤムチャ「えっ、どういう事……? 俺達の目の前で着替えるの……? いやいやいやっ……!」

さくら「いや~、そうじゃなくて、着替えるなら自分が部屋移りますよ。う~ん……というか、お風呂貸して貰っていいですか?」

ヤムチャ「あっ、お風呂?」

さくら「今日、汗もかいたし……そういう事ならお風呂にも入っておきたいかな……? それで、そこで着替えたいっす」

461: 名無しさん 2017/01/17(火) 22:21:31 ID:0wBJ5c6M
ヤムチャ「……プーアル風呂沸いてる?」

プーアル「え~っとお風呂はまだですねぇ……今から沸かしてきましょうか?」

ヤムチャ「おう、頼むよ頼むよ、プーアル。それじゃあ風呂沸かしてきてくれ」

プーアル「それじゃあ、沸かしてきますっ!」ササッ

ヤムチャ「え~っと、それじゃあ5分か10分ぐらい待ってもらってもいいかなぁ? 風呂は今から沸かすからっ!」

さくら「あ~、すいません。お手数かけます」

ヤムチャ「うん、とりあえず風呂が沸くまで座って待とうか。うんうん、さくらちゃん、こっちこっち……」チョイチョイ

さくら「あっ、は~い」

462: 名無しさん 2017/01/17(火) 22:30:26 ID:0wBJ5c6M
さくら(まぁ、そうっすよね。女が男の家に来るなんて……そういう事っすもんね……うん……)

ヤムチャ「え~っと、入ればわかると思うけど、バスタオルは左の棚に入ってるよ。それでバスタオルの隣に小さいタオルとかも色々入ってるから」

さくら(ちょっと抜けてて、天然っぽい所もあるけど……まぁまぁ、そっかそっか……)

ヤムチャ「あっ、ゲッ……! や、やっちまったっ……! やっちまったかもしれない……!」

さくら「んっ、あれ……? やっちまったって、どうしたんすか?」

ヤムチャ「入浴剤買うの忘れたっ! 入浴剤っ……! しまったしまった、今日俺入浴剤買ってない……!」

さくら「ありゃりゃ、入浴剤も切れてるんすか……?」

ヤムチャ「切れてはないっ……! まだ残ってたハズだけど……切れかけてはいたっ……! とりあえず、今日は大丈夫っ!」

さくら「……あ~、あ~。そりゃ、また買いにいかなきゃいけないっすね」クスクス

ヤムチャ「一番肝心な物を買い忘れちゃうんだよなぁ~! あ~、あ~っ! 俺は何やってんだかっ……!」

463: 名無しさん 2017/01/17(火) 22:37:53 ID:0wBJ5c6M
さくら「……他に買い忘れてる物とかないっすか?」

ヤムチャ「う~ん、入浴剤はやっちゃったけど……他は大丈夫だと思うっ……! 多分、大丈夫だと思うっ……!」

さくら「……避妊具は?」ボソッ

ヤムチャ「んっ……? んっ……? 何だってっ……?」

さくら「こういう仕事してますからね。そういう事して……なんかあって……じゃ、いけないんすよ。確認しておきますよ? そこは大丈夫なんですか?」

ヤムチャ「え、え~っと……さくらちゃん……?」

さくら「……はい」

ヤムチャ「どういう事……? そういう事って……なんかあったらって……えっ、えっ……!? 何が何がっ……!?」

467: 名無しさん 2017/01/17(火) 22:49:35 ID:0wBJ5c6M
さくら「……えっ!?」

ヤムチャ「そういう事って何……!? 何かあったらって何……!?」

さくら「いやいや、自分は結構真面目に聞いてるんすけど」

ヤムチャ「だから真面目にって、何を……? 何を聞いてるの……!?」

さくら(えっ……!? ちょっと待ってっ……! この人……えっ……!? 誘ってない……!? 誘ってないんすかっ……!?)


プーアル「お風呂沸きましたよ~! さくらさ~んっ!」


ヤムチャ「あっ、風呂沸いたって。う、う~ん……とりあえず沸いたんだから、入ってきなよ。一番風呂だ」

さくら「え~っ!? あっ、あっ……は~い……それじゃあ、失礼しま~す……」

468: 名無しさん 2017/01/17(火) 23:01:02 ID:0wBJ5c6M
ヤムチャ「う~ん、う~ん……さくらちゃんは何を言ってるんだろ……う~ん、う~ん……」ブツブツ

プーアル「……ヤムチャ様、どうしました?」

ヤムチャ「なぁ~んか今、さくらちゃんがよくわからない事を言ってたんだよ。そういう事って何だ……? なんかあったらって何だよ……? なぁ~んか、避妊具とか言ってなかったか……?」

プーアル「あっ、そうですよ、ヤムチャ様。ちゃんと持ってるんでしょうね? 何かあったら大変ですよ!」

ヤムチャ「お、おいおいおいっ……! どうしたどうした、プーアル。お前まで急にどうしたんだよ?」

プーアル「いや、だから避妊具ですよ。避妊具っ……! ヤムチャ様、持ってます……?」

ヤムチャ「待てよ、プーアルっ……! お前……何考えてるんだっ……!?」

プーアル「えっ、だってさくらさんを泊まらせるって事は……ヤムチャ様がそういう事を……」

ヤムチャ「あ~の~な~っ!? 俺は酔ってるのを利用してそんな風に持ち込んだりしないよっ! なぁ~に言ってんだプーアルっ!」

プーアル「あれ、違うんですか?」

ヤムチャ「今日は本当に暗いから泊まっていけって言っただけだよっ! そう言っただけっ! 明日は同じ所に行くんだから、それでいいだろっ!」

470: 名無しさん 2017/01/17(火) 23:07:42 ID:0wBJ5c6M
ヤムチャ「ヤル時はフェアにヤルっ! それが俺のポリシーだっ!」ググッ

プーアル「あ~、あ~……そういう事だったんですか……今日はそういうつもりだったんですね。それならいいですけど……でも実際、そういう事になった時には気をつけて下さいね? ちゃんと準備しておくべきです」

ヤムチャ「準備って何だよ? ピンクのベッド買えとかそういう事か……?」

プーアル「いや、そうじゃなくて……万が一、さくらさんに出来ちゃった時……出来ちゃった時の話ですよ……」

ヤムチャ「めでたい事じゃねぇかよっ! 俺は家庭が欲しいんだよっ! ブルマ・べジータ・トランクスっ! 負けじとヤムチャ・さくら・ドクダミだっ!」

プーアル「ドクダミ君は、ドクダミ君は……まぁまぁ……でもそのドクダミ君って、さくらさんがお腹の中で育てる期間ってのがあるじゃないですか……?」

ヤムチャ「……んっ?」

プーアル「ブルマさんもチチさんもそうだったでしょ? お腹の中で育てる期間ってのがあるんです。そうなったら、さくらさんって……その間、試合に出れないんですよ。仕事も出来なくなると思います」

ヤムチャ「え~っ……あっ、そっか」

491: 名無しさん 2017/01/18(水) 22:01:02 ID:fiSFOW52
ヤムチャ「おいおい、プーアル。ちょっと待てちょっと待て……! それじゃあ、俺の夢……結婚にまた一つ問題が出てきたんじゃないのかっ!?」

プーアル「う~ん、結婚だけならともかく……子供にも問題はありますよね……?」

ヤムチャ「そもそも、結婚するには秘密にしてる『気』の事をさくらちゃんに言わなきゃいけないだろ……?」

プーアル「……出来る事ならそちらの方がいいとは思いますね」

ヤムチャ「それでそれで……結婚したら結婚したで、さくらちゃんが試合に出れなくなっちゃうから……やっぱり給料もっ……!」

プーアル「産休手当とかがあるのかもしれませんが、それ踏まえてもさくらさんが試合に出れなくなって、一年ぐらいは離脱する事になるんじゃないですかね? 子供を作るとしたら」

ヤムチャ「そうだよなぁ、そうだよなぁ。お腹に子供入れたままじゃプロレス出来ないよ」

プーアル「はい」

492: 名無しさん 2017/01/18(水) 22:09:09 ID:fiSFOW52
ヤムチャ「はぁ、そうかそうか。そういう事か……ちょっとビール一本開けようっと……」プシュ

プーアル「あら」

ヤムチャ「はぁ、そうか。悟空もべジータも出来たんだから……クリリンも進行中だし……結婚ってそんなに難しい物とは思ってなかった節があるけど……」

プーアル「……そうですねぇ」

ヤムチャ「結婚への道のりって大変なんだなぁ?」

プーアル「そりゃ、一人の女性の人生を変える事になるんですから……」

ヤムチャ「……課題が山積みだよ、ちくしょう」

プーアル「でも、その課題をクリアしていってこそのっ……! 結婚なんですよ、結婚っ……! ねっ……!?」

493: 名無しさん 2017/01/18(水) 22:17:50 ID:fiSFOW52
プーアル「今、勢い任せでべジータさんみたいに出来ちゃった婚するのは、これ後が大変ですよ? 後が大変っ……! 問題を先送りにするだけですからね?」

ヤムチャ「わかってるわかってる。さくらちゃんが抜けて……『気』の説明もしなくちゃいけない……そうなるって事だろ? それくらい、俺にもわかってるよ」

プーアル「ヤムチャ様も男ですから、フェアにヤル事は咎めません。ただ男ならっ……! 男ならフェアにそういう事も考えて、避妊具をっ……! 避妊具だけは準備しておいて下さいっ! 勢い任せが一番危険ですっ!」

ヤムチャ「避妊具の準備はもう整ってるよ!」

プーアル「……えっ?」

ヤムチャ「財布にも一つ入ってるし……そこの棚にもケースで入ってるよ……」

プーアル「あれっ……? もう、持ってるんですか……?」

ヤムチャ「……男の嗜みだろ?」

プーアル「え、え~っと……それじゃあ、今日やっぱりそのつもりで……? え~……」

ヤムチャ「今日はしないっ! 今日はしないけど、男の嗜みとしていつでも何処でも準備してるって事っ! 今日はしないけどねっ……!」

495: 名無しさん 2017/01/18(水) 22:30:52 ID:fiSFOW52
そしてーー


ヤムチャ「じゃあ、さくらちゃん。この寝室で……ベッド使って寝てくれればいいからさ。不安だったら鍵かけてくれても構わないからさ?」

さくら「え~っと……んっ……? ヤムチャさんはどうするんすか……?」

ヤムチャ「あ~、俺はソファーで寝るよ寝るよ。だから今日はさくらちゃんがここ使ってくれればいいからさ……?」

さくら「いやいやいやっ……! 明日も試合あるんすよ……? 疲れとらなきゃっ……! ヤムチャさんも疲れとらなきゃっ……!」

ヤムチャ「あ~、あ~、それは大丈夫、大丈夫っ……! 俺はそんなに疲れてないからさっ!? 大丈夫だってっ!」

さくら(えっ……? 本当に、誘ってないのっ……!? こ、この人マジで誘ってないんすかっ……!?)

497: 名無しさん 2017/01/18(水) 22:42:10 ID:fiSFOW52
さくら「別に一緒に寝ればいいんじゃないっすかねぇ?」

ヤムチャ「えっ、一緒に……?」

さくら(ちょっと……ちょ~っと流石にこれは……何かイラっとしてきました……)

ヤムチャ「一緒にって……俺とさくらちゃんが、ここでって事……?」

さくら「そうっすそうっす。同じ身体使う商売してるんだし、自分も半分男みたいなもんっすよ。自分は気にしませんよ。そういう感覚で寝てくれれば大丈夫っす」

ヤムチャ「ナハハ、何言ってんだよ。さくらちゃん、そうはいかないよ!」

さくら「……なんで?」

ヤムチャ「なんでって……! だってさくらちゃんは女じゃん? だからこそ、俺はソファーでねっ……? ねっ……?」

さくら「自分の事、女と見てるのに……あ~、そうなんすか。一緒に寝ないワケなんすか? ふ~ん……」

ヤムチャ「……えっ?」

498: 名無しさん 2017/01/18(水) 22:49:47 ID:fiSFOW52
ヤムチャ「え、え~っと……んっ……? んっ……?」

さくら「……わかりました」

ヤムチャ「いやいや、ちょっと待ってちょっと待って……えっとえっとえっと……わかったって何が……? 何が、何が……?」アセアセ

さくら「いや、もうわかったから大丈夫っす。自分はここ使うから……ヤムチャさんはソファーで寝て下さい。その代わり、明日の試合もしっかりして下さいよ? 昨日、よく眠れなかったからとか……そういう言い訳はなしっすよ?」

ヤムチャ「あっ、それは勿論っ……! 試合はしっかりするよっ……!?」

さくら「お願いします。それじゃあ、おやすみなさい」

ヤムチャ「ああ、うん、おやすみ……あ~っ、いやっ……! ちょっと待ってちょっと待ってっ……! な、なんかさくらちゃん、怒ってる?」

499: 名無しさん 2017/01/18(水) 22:58:45 ID:fiSFOW52
さくら「いやいや、怒ってないっすよ」

ヤムチャ「いやいやっ……! 怒ってるような気がするんだけど……え、え~っと……」

さくら「いやいや怒ってないっす」ムスッ

ヤムチャ(ちょっと待て、ちょっと待て……なぁ~んでさくらちゃんの機嫌が悪いんだっ……! ベッドが汚かったか……!? 違うよなぁ、違う違う……多分、そうじゃないっ……!)

さくら「大丈夫っす」

ヤムチャ(さくらちゃん、何て言ったっけ……? 女と見てるのに、一緒に寝ないだっけ……? んんっ……? えっ、それって……ちょっと待て、おいっ……!)

さくら「おやすみなさい」

ヤムチャ(え~っと、どうするどうするっ……! カ、カマかけてみるかっ……!)

500: 名無しさん 2017/01/18(水) 23:05:53 ID:fiSFOW52
ヤムチャ「え、え~っと……まぁ、さくらちゃんが気にしないって言うのなら……じゃあ俺もここで寝ようかな……? い、一緒にベッド使う……?」アセアセ

さくら「……」

ヤムチャ「ソ、ソファーで寝たら肩が凝っちゃうかもしれないよねぇ~? そ、そしたら試合に影響が出ちゃうかもしれないっ! 困っちゃうな。ナ、ナハハハ!」

さくら「……」

ヤムチャ(な、何故何も答えないっ……! さくらちゃんは何も答えないっ……!)

さくら「……」

ヤムチャ「でも、さくらちゃんがベッド使っていいって言うのなら……一緒に寝るのもいいのかなぁ……? う~ん、いいのかなぁ……?」

さくら「……狼って草食べて生きてるんすね」ボソッ

ヤムチャ「……んっ?」

504: 名無しさん 2017/01/18(水) 23:15:50 ID:fiSFOW52
ヤムチャ(狼は草食べないよ……食べるのは肉じゃないか……さくらちゃんは、何を言ってるんだ……)

さくら「……情けない狼」ボソッ

ヤムチャ(なんでいきなり狼の話……んっ、待て……狼……狼……俺、狼じゃん……えっ、じゃあ俺の事言ってるの、これっ!?)

さくら「明日もよろしくお願いします。おやすみなさい」

ヤムチャ「あ~っ、ちょっと待って! ちょっと、ちょっと待ってっ! さくらちゃんっ!」

さくら「……んっ?」

ヤムチャ「狼は草は食べないよ。肉を食べるんだ……それも可愛い可愛い女の肉が大好物なんだ」

さくら「……」

ヤムチャ「……俺もここで寝るよ」

520: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:01:13 ID:0h/6OK3c
さくら「……そうっすか」

ヤムチャ「……構わないよね?」

さくら「う~ん……」

ヤムチャ「だって、言い出したのはさくらちゃんじゃないか? 言ったよねぇ? 俺、ここで寝ても……」

さくら「あの~、その~……ヤムチャさん……」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「え~っと、なんて言うか……これ以上、自分の口から言わなきゃいけないんすか……? なんか、そういうのは……」

ヤムチャ「……あっ」

さくら「……ねっ?」

ヤムチャ「あ、あ~っと……そ、そのっ……! え、え~っ……! ご、ごめんっ……!」

521: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:09:28 ID:0h/6OK3c
ヤムチャ「え、え~っとっ……! それじゃあ、俺もここで寝るっ……! それで決定ねっ! 決定、決定っ……!」

さくら「はい」

ヤムチャ「え~っと、それじゃあ……で、電気消そうかっ……!? そろそろ寝ようかっ……! ねっ、ねっ……!? 電気消していいかな……?」

さくら「……え~っ?」

ヤムチャ「なんで嫌がるの……? ねぇ、今更なんで嫌がるの……? ねぇねぇねぇ……?」アセアセ

さくら「いや~、その~、なんて言いますか……もうちょっとお喋りしてからでもいいんじゃないっすかねぇ……?」

ヤムチャ「えっ、あっ……!? んっ、んっ、んっ……!? あっ、そうかそうかっ……! じゃあ、もうちょっとお喋りする……!? お、お喋りしようかっ……!?」

さくら「……お願いします」


ヤムチャ(コ、コレ……あれだよなぁ……!? おいおいおいっ……! あれだよなぁ、あれだよなぁ……!?)

さくら(はぁ~、もう……なんだかなぁ……なんだかなぁ……)

522: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:15:28 ID:0h/6OK3c
そしてーー


さくら「スー……スー……」

ヤムチャ(今日の俺は誘われてるぞっ……! 誘われてるぞっ……!)

さくら「スー……スー……」

ヤムチャ(女の子に誘われてるのに、それに応えない男がいるかっ……! 今日から新しいポリシーに変更だっ……!)

さくら「スー……スー……」

ヤムチャ(男を見せろっ……! 男に見せるんだ、ヤムチャァ……!)

さくら「スー……スー……」

ヤムチャ「……さくらちゃん、もう寝ちゃった? まだ、起きてる?」

さくら「んっ……まだ、寝てないっすよ……?」

ヤムチャ(うおおおぉっ……! ヤムチャ、いっきまぁ~すっ!)

524: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:24:19 ID:0h/6OK3c
ヤムチャ(向こう向いて寝てるけど、後ろから抱き締めてみようかな……? おうおう、緊張してきたぜっ……! 焦るな……焦るなっ……! 夜は始まったばかりだっ……! ゆっくりいこうっ……!)ギュッ

さくら「……うわっ」

ヤムチャ「……どうしたの?」

さくら「な、なんでもないっす……ちょっと、ビックリしただけっす……」ドキドキ

ヤムチャ(拒絶はされていないっ……! 拒絶はされていないぞ……! やっぱりさくらちゃんも……よぉ~しよしよしっ……!)

さくら「……大丈夫っす」

ヤムチャ「……こんな事でビックリしてたら先が持たないよ?」スッ

さくら「うっ、あっ……は、はい……」ドキドキ

ヤムチャ(このまま、服を脱がせちまうか……じっくりでいいんだ……じっくり、ゆっくり……パジャマのボタンを外して……)ポチポチ

525: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:32:32 ID:0h/6OK3c
ヤムチャ(さぁ、邪魔なボタンは全て外したぁ……ただ、さくらちゃんがこっちに背を向けているってのは、よくないなぁ、おいっ……!)

さくら「……う、ううっ」

ヤムチャ「ねぇ、さくらちゃん……? そっち向いてたら寂しいよ……ねっ、こっち向いてよ……?」クイッ

さくら「……えっ?」

ヤムチャ「ほら、ほら……こっち向いてよ……ねっ……?」クイッ

さくら「……ううっ」コロンッ

ヤムチャ(さぁ、いよいよさくらちゃんがこっちを向いたぁ! ここから……ここから……んっ……?)

526: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:39:33 ID:0h/6OK3c
ヤムチャ(……    )マジマジ

さくら(まぁ、こうなる事はね……)

ヤムチャ(まぁ~るい、まぁ~るい、    ……さくらちゃんの    が二つ……)マジマジ

さくら「……そんなに見ないで下さいよ」

ヤムチャ(    が二つ……さくらちゃんの    が二つ……俺の目の前にさくらちゃんの    が二つ……    ……)マジマジ

さくら「……そのなんと言うか」

ヤムチャ(    ……    ……    ……    ……    、    ……)マジマジ

さくら「……やっぱり恥ずかしいっす」

ヤムチャ「……ブ、ブフォっ!」プシュー

さくら「……えっ!?」

527: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:45:31 ID:0h/6OK3c
ヤムチャ「う、うおおっ……! おおっ、おおおっ……!」

さくら「ちょ、ちょっとヤムチャさんっ! 鼻血っ……! 鼻血、鼻血っ……!」アセアセ

ヤムチャ「ああっ、うおっ……お、おおっ……    ……」クラクラ

さくら「な、何やってんすかっ……!? ど、どうしたんすかっ……!? え、え~っとっ……! とりあえず、その鼻血なんとかしましょうっ……! ティッシュ、ティッシュっ……!」イソイソ

ヤムチャ「ああっ……い、いやっ……だ、大丈夫っ……! お、俺は大丈夫だから……さくらちゃん……つ、続きを……」

さくら「大丈夫なワケないじゃないっすかっ……! と、とりあえず……はいっ……! ティッシュ、ティッシュっ……! 丸めて鼻に詰め込んで下さいっ……! はいっ……!」

ヤムチャ「ああっ……! ごめんよ、さくらちゃん……とりあえず、ティッシュを……んっ……?」チラッ

さくら「ほら、早くっ……! ティッシュ……! ティッシュっ……!」

ヤムチャ(さくらちゃんの    っ……! 俺の目の前に……さくらちゃんの    っ……!)マジマジ

528: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:52:34 ID:0h/6OK3c
ヤムチャ「……オブゥオォォっ!」プシュー

さくら「ぎゃあああぁぁぁっ!」

ヤムチャ「おおっ……おおおっ……! さくらちゃんっ……! お、おおおlる……! うおおぉぉっ……!」


プーアル「さくらさん、どうしたんですかっ!? 悲鳴が聞こえましたよっ!?」バタバタ


さくら「ゲッ、ちょっとっ……! プーアルさんがっ……!」アセアセ

ヤムチャ「だ、大丈夫っ……! ドアには鍵がかかってるっ……! 鍵が……鍵が……う、うおおっ……!」

さくら「あ~、そっかそっかそっかっ……! と、と、とにかく鼻血止めましょうっ……! はいティッシュ、ティッシュっ……! ヤムチャさん、鼻に詰め込んで下さいっ……!」

ヤムチャ「ティ、ティッシュの前に……前っ……! 胸、隠し……オブファァァっ……!」プシュー

さくら「ぎゃあああぁぁぁっ!」


プーアル「さくらさん、さくらさんっ! どうしたんですかっ!? どうしたんですか、さくらさんっ!?」バンバン

530: 名無しさん 2017/01/19(木) 22:56:33 ID:0h/6OK3c
さくら「プ、プーアルさん、なんでもないっすっ……! ちょ、ちょっと変な夢見ただけっすから、大丈夫……大丈夫っすっ……!」

ヤムチャ「ま、前っ……! お願いだから前、隠してさくらちゃんっ……! う、うおおっ……」クラクラ

さくら「ええっ……!? その……えっ……!? 自分の見て、そうなってるって事っすかっ……!? え~っと、じゃあ一回服着ますから……ヤムチャさんは鼻血っ……! ほら、ティッシュ、ティッシュっ……!」イソイソ

ヤムチャ「あっ、おおおっ……ご、ごめんね。さくらちゃん……ティッシュ、ティッシュ、ティッシュ……」ゴソゴソ

さくら「あ~、あ~……ベッドも服も……血塗れっすよ、コレ……」キョロキョロ

ヤムチャ「あ、新しいパジャマを出すよ……新しいシーツを出すよ……それから気を取り直してもう一度……」

さくら「そういうのは自分がやりますからっ……! 場所だけ教えて下さいっ……! ヤムチャさんは、今日は安静にっ……! 安静にしておきましょうっ……!」

ヤムチャ「……安静ですとっ!?」

さくら「そんな状態じゃ、もう安静にしておかないとっ! 明日も試合あるんすよっ!? とにかく、安静にしてて下さいっ!」

ヤムチャ(ちょ、ちょっと待てちょっと待て、おいおいおいっ……! 安静ですとっ……!? 安静ですとっ……!? この夜を安静に過ごすですとっ……!?)

533: 名無しさん 2017/01/19(木) 23:01:03 ID:0h/6OK3c
翌朝ーー


さくら「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ……ん~っ……! ん~っ……!」グイグイ

ヤムチャ「う、う~んっ……んんっ……?」パチッ

さくら「よっ、よっ、よっ、よっ……ほいっと……ほいっと……」グイグイ

ヤムチャ「……んっ、さくらちゃん?」

さくら「あっ、ごめんなさいっ! 起こしちゃいましたか……?」

ヤムチャ「……何やってんの?」

さくら「自分、起きたら身体動かすのが日課なんすよ。朝からベガさん達となんやかんやありますからね。動かせる時に動かしておくのが日課なんすよ。うるさかったっすか……? すいません」

ヤムチャ「……さくらちゃん、起きるの早いねぇ。んんっ」ムクッ

535: 名無しさん 2017/01/19(木) 23:06:12 ID:0h/6OK3c
ヤムチャ「あのさ……? 昨日はごめんね……?」

さくら「本当、鼻血で大騒ぎで……大変でした……!」

ヤムチャ「普段はそういう事はないんだよ? 普段はさ……? ただ何だろうな……? 緊張もあったんじゃないかなぁ?」

さくら「……体調とか大丈夫っすか?」

ヤムチャ「あ~っ、そこは大丈夫……そこは大丈夫……う~ん、いつもより早いけど、俺もそろそろ起きるかっ!」

さくら「おはようございます」ペコッ

ヤムチャ「ああ、ああ、おはようおはよう……」

さくら「ヤムチャさん、朝から一緒に身体動かしません?」

555: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:00:57 ID:yWT6z8TM
ヤムチャ「えっ、ちょっと待ってっ……! 朝から身体を動かすって、それはつまり昨日の……え~、昨日の……」モジモジ

さくら「朝から何考えてるんすか。違うっすよ、違うっす……第一、また鼻血出しちゃったら大変だし……」ブツブツ

ヤムチャ「あ、あり……? ち、違うの……?」

さくら「軽~くランニングしたいんすよ。それで、一緒にどうかなと思いまして」

ヤムチャ「あ、あ~っ……あ~っ……ランニングね……ランニング、ランニングっ……! あ~、そういう事か。健康的だもんね」

さくら「マウンテンホールってのも、見に行ってみたいし」

ヤムチャ「マウンテンホール……? んっ、なんだそりゃ……?」

さくら「えっ、いや……山から、太陽が……見えるんすよねぇ……?」

ヤムチャ「山から太陽……? んんっ……?」

556: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:08:26 ID:yWT6z8TM
さくら「あれ……? ヤムチャさんがここに住む事になったきっかけって……」

ヤムチャ「う~ん……ちょっと言ってる事がよくわからないけど、まぁいいやっ! わかったわかったっ! それじゃあ俺もランニングするよっ! 着替えるから、ちょっと待ってて!」ヌギヌギ

さくら「あ~、あ~……今、ここで着替えちゃうんすか……?」

ヤムチャ「何言ってんだよ、さくらちゃん。昨日、裸の付き合いをした仲じゃない……?」

さくら「……」

ヤムチャ「今更恥ずかしがるような仲じゃないんじゃないかな……? うんうん。ねっ……? ねっ……?」

さくら「……」

ヤムチャ「なんたって、俺達は……んっ……? あっ、えっ……え~っ……」

さくら「……」ジーッ

ヤムチャ「いやぁ、本当昨日は……ゴ、ゴメン……」

さくら「……あんな経験初めてでした」

557: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:16:13 ID:yWT6z8TM
---


ヤムチャ「よっ……よっ……よっ……よっ……」タッタッ

さくら「ほっ……ほっ……ほっ……ほっ……」タッタッ

ヤムチャ「……毎日、こういうランニングとかしてるの?」

さくら「はい」

ヤムチャ「へぇ、健康的だねぇ。うん、実に健康的だ」

さくら「まぁ、健康のつもりでやってるんじゃなくて、職業病っすけどね……?」

ヤムチャ「まぁ、身体動かす仕事だもんね……? そうだよね、そうだようね……うんうん……」

さくら「昨日ね……? 色々、あったじゃないっすか……? だから、今日はこっちから我儘要求してみました」

ヤムチャ「んっ……? 我儘ってのは……?」

558: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:25:42 ID:yWT6z8TM
さくら「え~、昨日は一日、ヤムチャさんに付き合うって形だったじゃないっすか……? まぁ、任せるって言ったのは自分だったんすけどね……?」

ヤムチャ「あ~、うんうん。はいはい」

さくら「だから今日……というか、最後にはね……? 自分から要求して、付き合ってもらおうかなと思いまして」

ヤムチャ「……ランニングに?」チラッ

さくら「ランニング……ダメっすかね……?」チラッ

ヤムチャ「いや~、ダメって事はないんだけど……う~ん、う~ん……」

さくら「こういうのって、よくないっすか……? 朝から二人で健康的に……ねっ……?」

ヤムチャ「う~ん、さくらちゃんがいいのなら俺はいいんだけど……う~ん……」

559: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:34:59 ID:yWT6z8TM
さくら「ランニングで汗を流しつつ……休憩ポイントで、朝日を眺める……そんなデートがあっても……あ~っ……!」ピタッ

ヤムチャ「おっと、さくらちゃん、どうしたの?」ピタッ

さくら「朝日上がっちゃてるじゃんっ……! あ~、あ~っ……! もう、山の穴より高く太陽が上がっちゃってるっ……!」

ヤムチャ「山の穴……? んっ……?」チラッ

さくら「あ~っ、もっと早起きしなくちゃいけなかったかっ……!? あ~っ、そりゃそうっすよっ……! 日の出ぐらいに始めなきゃいけなかったのかっ……! あっちゃあ~!」

ヤムチャ(えっ、なんだなんだっ……!? さ、さくらちゃんが……俺が撃ち抜いた山の穴を見ながら、何か言ってるぞ……!? どういう事だっ! どういう事だっ……!?)アセアセ

さくら「自然の神秘……あっちゃ~、見れなかったか……」

ヤムチャ「え、え~っと、さくらちゃん……自然の神秘ってのは……どういう事……?」アセアセ

560: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:43:13 ID:yWT6z8TM
さくら「いや、昨日プーアルさんから聞きましたよ。日の出の時にあそこの山の穴に太陽がピタッと収まるような、自然の神秘現象みたいなのがあるんでしょ?」

ヤムチャ(何それ、何それっ……! 聞いてないぞっ……! 聞いてないぞ、プーアルっ……!)

さくら「健康的にランニングをして、自然の神秘現象を眺めて……ほら、凄いいいデートプランじゃないかなって思ったんすよね……」

ヤムチャ(自然の神秘現象……? な、なんだそりゃ……! 知らないっ……! 知らないぞっ……!)

さくら「あ~、あ~、だけど見れずか……そりゃ、日の出に合わせないといけないもんですもんね。う~ん、しかし見れば見る程不思議な穴……本当、誰かがレーザービームで撃ち抜いたような穴っすもん……」

ヤムチャ(あっ、あっ……! わかったわかったっ……! 多分、あの穴をさくらちゃんが見つけて……え~っと、それで……プーアルが適当に誤魔化してくれたんだよっ! そうだよ、そうに違いないっ……!)

さくら「スカロビィィィムっ……! なぁ~んてね……? へへへ……」ケラケラ

ヤムチャ(って事は、さくらちゃんはあの穴……自然現象で開いた穴だと思ってるんだ……あ~、そうか……)

561: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:50:26 ID:yWT6z8TM
ヤムチャ(……俺はこの子に、隠し事をしている)

さくら「まぁ、絶景は見れなかったっすけど……でも、風景としてはねっ!? やっぱり、改めてみるとこれだけでもオーラを感じるといいますか……あっ、ヤムチャさんは見慣れてますか?」ケラケラ

ヤムチャ(だけど、それでも……それでも……やっぱり、この子と……)

さくら「まぁ、仕方ないか……それじゃあ自然の神秘はまた今度っすね」

ヤムチャ「……ねぇ、さくらちゃん?」

さくら「……んっ、あっ。はい。ヤムチャさん、どうしましたか?」

ヤムチャ「俺さぁ……? 夢……が、あるんだよ……」

さくら「急に真面目な顔しちゃって……どうしたんすか……?」

562: 名無しさん 2017/01/20(金) 22:55:09 ID:yWT6z8TM
ヤムチャ「多分、小さい夢だと思われるよ……だけど、俺にとっちゃ大きな夢なんだ……俺さぁ……? いつか素敵な女性と結婚したいんだよ」

さくら「んっ……はい……」

ヤムチャ「家庭を築きたいんだよ。綺麗な奥さんがいてさ……? 可愛い子供もいるんだよ……? 俺の家……結構、すっからかんだったでしょ……?」

さくら「……物は少なかったかな?」

ヤムチャ「あそこをさ……? そういう暖かい物で埋めていきたいんだよ……」

さくら「……はい」

ヤムチャ「……だけど、今の俺には残念だけど、そういう事って難しいのかもしれないんだよ」

さくら「……うんうん」

563: 名無しさん 2017/01/20(金) 23:00:21 ID:yWT6z8TM
ヤムチャ(……隠し事もあるし)

さくら「……」

ヤムチャ「子供作るとなると、奥さんの産休期間ってのもあるし……それに、養っていくだけの給料も必要になるよ……まだ、俺にはそれだけの力はない……」

さくら「……結婚だけじゃなくて、そこまで見てるんすね」

ヤムチャ「うん。俺の夢を叶えるにはね……まだまだハードルがありそうなんだよ……それを一つ一つクリアしていかなきゃ、夢は叶わないの……時間はかかる事になるかもしれないよ……」

さくら「……そうっすね」

ヤムチャ「でも、俺は頑張っていくつもりっ……! そのハードルを一つ一つ、乗り越えていくつもりっ……! 全部、全部越えていくつもりっ……!」

さくら「はい」

ヤムチャ「……だからさ?」

564: 名無しさん 2017/01/20(金) 23:05:22 ID:yWT6z8TM
ヤムチャ「俺と結婚を前提に付き合ってくれないかな?」

さくら「……」

ヤムチャ「人生のタッグパートナーにさくらちゃんを指名したい」

さくら「ふふふふ、へへへへっ……」クスクス

ヤムチャ「……真剣に言ってるんだけどさぁ?」

さくら「へへへへ……え、え~っと……う、う~んっ……! タッグパートナー……ケンさんじゃなくていいんすか……!?」ニヤニヤ

ヤムチャ「……あのねぇ、ケンさんは男だよ? ケンさんは」

さくら「へへへ、そうっすよねぇ、そうっすよねぇ……ケンさんは男っすもんね。人生のタッグパートナーは……無理かっ! へへへへっ!」

565: 名無しさん 2017/01/20(金) 23:09:36 ID:yWT6z8TM
ヤムチャ「俺、真剣に言ったつもりなんだけど……そういう風に茶化されるのは……ちょっとショックかもしれないなぁ……」

さくら「うるさいっ……! 朝からこんな事言われちゃ、こっちだってどういう反応していいかわかんないっすよっ……! しょうがないでしょっ!」

ヤムチャ「……えっ?」

さくら「う~っ……う~っ……どうしようかなぁ……どうしようかなぁ……う~っ……」モジモジ

ヤムチャ「んっ……? んっ、んっ……?」

さくら「え~っと、じゃあとりあえず二年待ちますっ! 二年待つっすっ! これでどうっすかっ!?」ブイッ

ヤムチャ「二年っ……!? 二年ですとっ……!?」

576: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:00:40 ID:vGudZ/j2
さくら「……なぁ~んか、不満あるんすか?」

ヤムチャ「いやっ……! 不満ってワケじゃないけどさぁ? その、時間制限みたいなのがついてるのはちょっと……」アセアセ

さくら「……女の二年ってめちゃくちゃ長いっすよ?」

ヤムチャ「まぁまぁまぁまぁ、そうだけど……そうだけど……」

さくら「二年って時間があると、きっと今の状況はガラッと変わると思うんすよ」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「ザンギエフさんの復帰がありますし……それに、女子部も何人か増えてると思います。二年もあれば……」

ヤムチャ「そうだね。団体の状況は変わるかもしれないね」

577: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:08:02 ID:vGudZ/j2
さくら「それにっ……! ひょっとしたらヤムチャさんも、その時にはチャンピオンになってるかもしれないっすっ! タッグじゃなくて、シングルのね!?」

ヤムチャ「……二年で?」

さくら「まぁ、とは言ってもリュウさん・ケンさん越えて……ベガさん・サガットさん・バルログさん・バイソンさん越えて……あっ、ザンギエフさんも戻ってくる事になるから、ザンギエフさんもっすね!」

ヤムチャ「二年で!?」

さくら「はい、二年で」クスクス

ヤムチャ「いやいやいやっ……! 二年で、ソコ全部越えなきゃいけないのっ……!? そこ、全部っ……!」

さくら「でも、ここ越えたら給料はアップする事になるんじゃないっすかねぇ? 三人ぐらいは養っていけるようになるんじゃないっすかね?」

ヤムチャ「そりゃ、そうだけど……おぉ、そうかそうか……」

578: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:16:54 ID:vGudZ/j2
さくら「現状でヤムチャさんの夢を叶える事って、言ってる通り難しい事なのかもしれませんね。それに、自分もその夢に付き合う事は無理っす……現状じゃ無理っす……」

ヤムチャ「……そうだよね」

さくら「でも、時間があればきっとその夢を叶える事は出来るようになると思うんすよ。自分もそこに応えれるようになる……かも、しれませんっ!」

ヤムチャ「うん」

さくら「え~っとねぇ……え~っとねぇ……へへへ、へへへ……」クスクス

ヤムチャ「んっ、んっ……? アレっ……? どうしたの……?」

さくら「う、うるさいなぁっ……! 朝からこんな事言われて……う、ううっ……! どういう反応していいか、わかんない部分だってまだこっちにもあるんすよっ……! こ、こういう事言われた経験なんてないっすいっ……!」モジモジ

ヤムチャ「ナハハ! あ~、あ~、そうなのそうなの、ごめんごめんっ!」

579: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:23:20 ID:vGudZ/j2
さくら「必死に平穏保ってるんすよっ……! もうっ……! バカっ……!」

ヤムチャ「ナハハ! ごめんごめんっ……!」

さくら「まぁまぁ、それじゃあ……そういう事で……そういう事で……」

ヤムチャ「……んっ?」

さくら「じゃあ、これから……え~っ、そういうお付き合い……よろしくお願いします……」ペコッ

ヤムチャ「あ~、いえいえっ……! こちらこそっ……! こちらこそよろしくねっ……!」ペコッ

さくら「さぁっ! そろそろ戻りましょうか!?」

ヤムチャ「あっ、そうだね。そろそろ戻ろう戻ろう。あまり長話して、二人揃って遅刻しちゃいけないからね」


さくら(……二年か)タッタッタ

ヤムチャ(二年……二年……二年か……)タッタッタ

580: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:29:42 ID:vGudZ/j2
そして--


ヤムチャ「おはようございま~す」ガチャ

リュウ「おはよう」

ケン「やや遅めだね。お前は一番最初にここに来ないといけねぇんだ。おはようさん」

バイソン「おめぇのそういう所って口煩い姑っぽいよなぁ!? バイソンちゃんはいつもそう思ってる! まぁ、ヤムチャ君おはようっ!」

サガット「……どっちもどっちだと思うがな。まぁ、おはよう」

バルログ「おはようございます。今日も一日よろしくお願いします」

ヤムチャ(う~ん……う~ん……)キョロキョロ

ケン「……あぁ、なぁ~に、見てやがる? このケンさんの姑っぷりにカチンときたのか?」ニヤニヤ

バイソン「カチンときたんじゃねぇか!?」ニヤニヤ

581: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:37:48 ID:vGudZ/j2
ヤムチャ(二年で……二年の間に……)キョロキョロ

リュウ「タッグ王者分裂の危機だな。分裂の原因は遅刻への指摘……」

サガット「遅刻ではないと思うがな」

バルログ「ええ、時間ギリギリです」

ケン「やめろよっ! 煽るんじゃねぇよっ! こんな事で分裂だなんて、笑えねぇじゃねぇかよっ!」ニヤニヤ

バイソン「いや、逆にネタになるんじゃねぇかなっ!? おいおい。次の一戦、そういう感じでいってみるってのはどうだっ!?」

ヤムチャ(二年で、この人達全部か……ひゃ~、きっついなぁ……)キョロキョロ

リュウ「まぁ、とにかくヤムチャ……どうした、そんなボーっとしやがって……」

ヤムチャ「あ~、いえいえっ……! 今日も頑張っていこうかな~と思いましてね!?」

582: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:43:04 ID:vGudZ/j2
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ダン「お~い、お~いっ! さくら、さくらぁ~!」

さくら「あっ、ダンさん、おはようございます」ペコッ

ダン「昨日猫カフェ行ったか!?」

さくら「猫カフェは行ってないっす。というか、なんでそこまで猫カフェ推すんすか……?」

ダン「猫カフェ行ってねぇのかよ……じゃあ、お前昨日何してたんだよ……?」

さくら「え~っとねぇ……? 昨日はヒーローショー見にいきましたよ。スカロマニアヒーローショーっす」

ダン「スカロマニアってアレか……? あの、骸骨のヤツか……?」

さくら「……知ってるの!?」

ダン「キーホルダーとかグッズとか、結構出てるじゃねぇか」

さくら「知ってんだ……ダンさん、知ってるんだ……へ、へぇ~……」

583: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:49:37 ID:vGudZ/j2
さくら「まぁ、知ってるなら話は早いっすけど……昨日、そのスカロマニアさんと知り合って……うちのリングに上げてほしいって言われました」

ダン「おいおいおいっ! どういう事だ、どういう事だっ!?」

さくら「一応、DVDは頂いてるんで、そこはベガさんに報告しようと思ってますね」

ダン「お前、昨日遊びに行ったんじゃねぇのか!?」

さくら「遊びに行ったら……なぁ~んか、その流れで知り合う事になっちゃったんすよ。スカロマニアさんと出会ったのは偶然っす!」

ダン「おうおう、そうかそうか」

さくら「昨日見つけた世間様の娯楽と言えば……まぁ、スカロマニアさんショーっすかね? 非常にちびっ子にターゲットを絞ったショーをしてました」

ダン「……ほう」

さくら「うちのリングでも、ちびっ子にターゲットを絞ったレスラーが一人ぐらいいてもいいんじゃないかなと」

584: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:54:44 ID:vGudZ/j2
ダン「なるほどなるほど。ジミーもダルシムも、ちびっ子人気ってワケではねぇもんな?」

さくら「はい」

ダン「大人だけのエンターテイメントにするのも、よくはねぇな。そういうのも必要かもしれねぇ」

さくら「頂いたスカロマニアDVDもありますし、その辺ベガさんと話してみます」

ダン「そうだな、報告する価値はあるだろ。アレだな……!? 昨日よりかはマシな面になったな!?」

さくら「……んっ?」

ダン「昨日のおめぇ、目がつり上がって……おっかねぇ顔して……はははっ! ちっとはマシな面になったじゃねぇかっ!?」

さくら「……そ~んな顔してないっすよっ!」

ダン「い~や、つり上がってたっ! 仕事の事なんて考えられないって面してたよっ!」

585: 名無しさん 2017/01/21(土) 22:59:31 ID:vGudZ/j2
さくら「あ~、でもね……昨日一日、ゆっくりした事で仕事への見方が変わった部分はあるかもしれません」

ダン「おっ、どういう風にだ?」

さくら「まぁ、昨日までは正直女子部の対抗戦の事ばかり考えてた感じっすね。残り二ヶ月弱……そこの事ばかり考えてやってた部分もあったんすよ」

ダン「ほうほう」

さくら「三ヶ月をどうこなしていくか……どう乗りきっていくか……そこばかり考えてた感じっすね……」

ダン「なるほどなるほど」

さくら「そこをね、二年スパンで考えてみる事にしました」

ダン「……あぁ? おめぇ、何言ってんだ?」

586: 名無しさん 2017/01/21(土) 23:06:58 ID:vGudZ/j2
ダン「おめぇのミスは、そういった長いスパンで見すぎて、目の前の一試合を落としたのが原因だろが? 二年ってっ……! スパンを伸ばしてど~すんだ、おいっ!」

さくら「結局、対抗戦は三ヶ月で終了なんっすよ。そこばかり見てても仕方ないんすよ」

ダン「……んっ?」

さくら「三ヶ月の対抗戦が終わったら、今度は鰯ヶ浜女子プロレスさん抜きでの女子部に戻ります。その時に勢いを継続させておかなきゃいけないんすよ」

ダン「おうおう」

さくら「二年スパンで確定的なのは……後は、ザンギエフさんの復帰っすね。ザンギエフさんの復帰ってのは、団体にとっては大きな大きな力っすよ」

ダン「そりゃそうだ」

さくら「……ただ、女子部にとっては最大の敵っす」

ダン「ほう」

605: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:01:11 ID:iiQ4vyh6
さくら「当然、そこに向けても力を蓄えておかなきゃいけませんよね?」

ダン「まぁ、そりゃそうだな。話題かっさらわれちまうんだもんな」

さくら「そうなってくると、現代回から力を蓄えておくしかないんすと」

ダン「なる程な。巡りめぐって、目の前の事へと戻ってきたってワケか」

さくら「自分も一回ぐらいはチャンピオンになってみたいっすしね」

ダン「……おめぇがか?」

さくら「ええ、自分がっす」

ダン「ははは、そいつが春麗とローズがうるせぇぞ。かりんだって文句言ってくるかもしれねぇ!」ゲラゲラ

さくら(二年で終わるとしたら……二年で仮に自分が終わるとしたら……)

606: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:08:16 ID:iiQ4vyh6
さくら「まぁ、春麗さんとローズさんには言われると思うっす。でも一回ぐらいはいいでしょ? 一回ぐらいは?」ケラケラ

ダン「う~ん、どうかねぇ?」

さくら「自分は春麗さんとローズさんを立てつつ、カード編成・ストーリー構成に頭を悩ませつつ……ベガさんに文句を言われ、ジミーさんに文句を言われ、ダンさんにも文句を言われ……これだけやってるんすよ!?」

ダン「俺は、昨日のおめぇのフォローに回ってたぞ、オイっ!」

さくら「死ぬまでこんな生活続けるんすか? 一回ぐらいは自分もチャンピオンになります! なってやるっす!」

ダン「ははは、功労賞チャンピオンってか?」

さくら「でもまぁ、先日のような試合を続けているようじゃ、間違いなくその道も断たれてますけどね?」

ダン「そうだな!」

607: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:14:42 ID:iiQ4vyh6
さくら「とりあえず今、目の前の試合で行っていく事って、対抗戦を盛り上げるだけじゃなくて、ザンギエフさんの復帰に合わせても動いていかなければいけないし……不甲斐ない試合をしてる場合じゃないっすね」

ダン「おう」

さくら「対抗戦やりつつ……復帰戦の事も考えつつ……後、春麗さんとキャミィさんの王者リベンジ戦もありますね。そこまで見通して、一戦一戦やっていかなきゃ。それでその間に、うっすらさくらチャンピオン化計画を進めておくと……」

ダン「……うっすらか?」ゲラゲラ

さくら「対抗戦は二ヶ月半。春麗さん対キャミィさんのリベンジ戦は四ヶ月って所かな? ザンギエフさん復帰は約一年。さくらチャンピオン化計画は二年スパンって感じで」クスクス

ダン「水面下で動いていくってワケか。でもまぁ、おめぇだってそうだよな? ババアになる前の若い間に一回ぐらいはチャンピオンになりてぇよな?」

さくら「ババアってっ……!」

ダン「……元々はそういうつもりで入ってきたんだからな?」

608: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:23:33 ID:iiQ4vyh6
さくら「……まぁね」

ダン「……悪ィな」

さくら「悪ィって何が……?」

ダン「俺がおめぇを推薦しちまったせいで、おめぇが一歩下がって引き立てて当然……自分はチャンピオンになれなくて当然みてぇな考え方にさせちまってよ」

さくら「あはは、そんな事ないっす! ゼニーの面では感謝の一言しかないっすよ!」

ダン「ははは」

さくら「チャンピオン水面下計画は、昨日一日女子部をどう動かしたいか……対抗戦以外に何がしたいか……って事を考えた時に、ぽっと浮かんだだけっすよ」

ダン「浮かんだ……思い出したじゃなくてか……?」

さくら「浮かんだだけっす。思い出したワケじゃないっす」

609: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:29:41 ID:iiQ4vyh6
ダン「ふ~ん。まぁ、じゃあそれでいいや。うん、とりあえず俺も可愛い愛弟子のチャンピオン化計画……水面下で応援してやるよ。おめぇが水面下で動いて、他の連中の刺激になってやれ」

さくら「それが出来れば最高っすね」

ダン「ただ行動で伝えるってよりも、言葉ではっきりと伝えた方がいい場合もあるんだぞ? そこ、わかってんのか?」

さくら「……んっ?」

ダン「俺が他の連中に言ってやろうか? 女子部の試合の評判が悪かった……おめぇら、あんな試合続けているようじゃザンギエフの復帰の時、立場なくなって前座扱いだぞってな。俺の口から言ってやってもいいよ」

さくら「……」

ダン「言ってもおめぇは当事者なんだからな?」

さくら「いや、そこは自分が言いますよ。それも自分の責任っすから」

610: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:38:26 ID:iiQ4vyh6
さくら「自分自身も含めて、春麗さんやローズさんにガツンと言って、女子部の気を引き締めたいと思います」

ダン「おう、そうか。おめぇが言うか」

さくら「汚れをダンさんにやってもらうのは簡単っすけど、やっぱり自分の仕事っすから」

ダン「一つ、教えてやるよ……ジミーは、面倒臭いって言ってる……」

さくら「……面倒臭いってのは?」

ダン「女子部に関わる事になっちまったけど、正直面倒臭い……一応、上からの命令でストーリー・構成はチェックはするが、正直面倒臭い……出来れば関わりたくないだってよ」

さくら「そうっすか」

ダン「アイツ、あまりやる気ねぇから、おめぇがしっかり作れよ」ゲラゲラ

さくら「了解っす」

611: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:46:39 ID:iiQ4vyh6
ダン「ただ、そんなジミーが一点だけストーリー変更したいって言ってる事があるんだよ。これはおめぇも現在の立場上、受け入れなきゃいけねぇ事だと思う」

さくら(んっ……? あっ、なんかきた……)

ダン「ここ一点だ。ここ一点だけ従ってもらいたい。やる気ねぇジミーはおめぇがとんでもなくズレた発想しない限りもう要求は突きつけてこねぇとは思う。だから、飲むのはここ一点……他はほぼほぼ全部おめぇの好きに出来る。どうだ?」

さくら「聞いてからじゃないと何とも言えないっすね。要求って何っすか?」

ダン「かりんの事だな」

さくら「……かりん?」

ダン「対抗戦でおめぇはかりんにスポット当てようとしてるつもりだが、ジミー的にはそこ変更したいんだってよ?」

さくら「かりんの所は結構自分的に自信はありますよ?」

ダン「……男の都合があるんだな、こりゃ」

さくら「……男の都合?」

612: 名無しさん 2017/01/24(火) 22:54:29 ID:iiQ4vyh6
そして--


ローズ「次の対抗戦は春麗とキャミィちゃん……うん、キャミィちゃん、楽しんできてね?」

キャミィ(……楽しむ)

春麗「結局ミカは出てこないのよね~。今回はキャミィに任せようかしら? アタシは楽させてもらおうかな~」

キャミィ(私にとって邪魔者は春麗さん……でも、春麗さんにとって私は……?)

ローズ「キャミィちゃんだけに仕事させて……アンタのそういう所って本当にズルいわね」

春麗「だって、ミカが出てこないのよ……? 最終決戦にはまだ早いわ。ここでアタシが気合い入れても仕方ないじゃない?」

キャミィ(今の私達はぬるい……春麗さんがいなくて、人数に余裕がなかったあの時の方が……もっと必死にやってた……この空気は好きだけど……ダメっ……!)

ローズ「……対抗戦で人数が増えたってのは本当にありがたいわね~」

春麗「アタシの復帰が一番大きいわよ~」

かりん「……元々は自己責任ですわ」

613: 名無しさん 2017/01/24(火) 23:01:17 ID:iiQ4vyh6
コンコン


さくら「おはようございますっ! え~、皆揃ってますね……? ちょっと朝から緊急決起回を行いますっ!」ガチャ

春麗「あら、おはよう」

ローズ「さくらちゃん、おはよう」

キャミィ「あっ、おはようございます」

かりん「決起回……?」

さくら「え~、先日の鰯ヶ浜女子プロレスとの試合……最高に評判がわるかったっすっ! 非常に現在、女子部の立場危ういです! 対抗戦、ラストまでいけないかもしれませんっ!」

春麗「……えっ!?」

ローズ「冗談でしょ?」

さくら「朝からこんな冗談言わないっす! これ、本当っす! 次の試合内容次第では対抗戦打ちきりで終わります!」

かりん「打ちきりって……えっ……!?」

615: 名無しさん 2017/01/24(火) 23:12:04 ID:iiQ4vyh6
さくら「皆さん、危機感持っていきましょう! とにかく対抗戦続けていく為には、テコ入れが必要っす! かりんの所にテコ入れしますっ! だから、かりん……流れ変わるっすよ?」

かりん「わ、わかりましたわ……」

さくら「ただ、かりんの所に続けていく為には……え~、春麗さんとキャミィさんっ!」

春麗「……アタシ?」

キャミィ「はい」

さくら「次、ここが前回みたいな不甲斐ない試合をしたら、打ちきり終了っす。特に春麗さんは二試合連続になります。責任重大です。危機感持っていきましょう」

春麗「ちょっとちょっと、待ちなさい待ちなさい……アタシが責任重大って……責任重大って……」アセアセ

616: 名無しさん 2017/01/24(火) 23:19:25 ID:iiQ4vyh6
春麗「評判の悪かったって前回のやつ……? ローズとさくらとやってたやつよね? それならアンタ達にも責任があるわよっ!」ビシッ

ローズ「……あの試合評判悪かったの?」

さくら「まぁ、自分とローズさんにも責任は同じだけあります。ただ次の試合に出るのは春麗さんとキャミィさんっす。カード決まってますから。この二人で何とかするしかないっす」

春麗「ねぇねぇ、朝からなんなのよっ!? 朝からなんなのよ!? ねぇっ!?」

キャミィ(く、空気が変わってきた……)

さくら「追い詰められてるんすよ、女子部はっ! 女子部は追い詰められてるんすよっ! 自分だって朝からこんな事は本当は言いたくないっすよっ!」

春麗「前回の試合の何がいけなかったの……? 先ず、そこを言いなさいよ? アタシはベストを尽くしたと思うわよ?」

ローズ「アタシもアタシも」

キャミィ(だけど、この空気の方がいい……私は苦手な空気だけど……きっとこの空気の方がいいはずっ……!)

さくら「明日死ぬとわかってたら、自分も含め、あんな試合は絶対に行わないっすよっ! 手を抜いて試合してたっすよ、全員っ! レスラー生活は一生続きませんよっ! とにかく、女子部再始動っすっ……! 次の試合のヘマは許されないっすよっ!」

617: 名無しさん 2017/01/24(火) 23:21:39 ID:iiQ4vyh6
さくら「ヤムチャさん! 何処かに遊びに連れてって欲しいっす!」


ーー完

引用元: さくら「ヤムチャさん! 何処かに遊びに連れてって欲しいっす!」