1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:18:50.29 ID:WnQ2mHsE0
~21時の事務所~

P「…よし。今日の仕事終わり!なんとか21時過ぎに終わったな」

P「さっさと帰ってビールでも飲むか。……ん?」

P「ノート?誰かの忘れ物かな?」ペラペラ

P「雪歩のノートか。しかもこれは……」

P「詩集…だよな。雪歩は詩を書くのが趣味だとは言ってたけど……」

P「どんな詩を書いてるんだろ」ペラッ

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:23:28.77 ID:WnQ2mHsE0
『LOVE』

アーイアイ アーイアイ
おさーるさーんだよー

…ちがーう!
そのアイじゃないよ!
愛のほうだよ!
私にだってそのくらい分かるんだから!

L・O・V・E
ラブ!ラブ!!ラブ!!!
分かった?
オッケー!

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:26:05.73 ID:WnQ2mHsE0
P「……」

P「……分かった」

P「何だかよく分からないけど分かったよ雪歩」

P「しかしこれは…どうなんだ?これも詩って呼ぶのか?」

P「……」

P「他の作品は、っと」ペラッ

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:30:55.62 ID:WnQ2mHsE0
『新しい100年』

ここで会ったが100年目だね
昨日も会ったけど100年目さ

明日も会えるといいなぁ
明日会えたら それは1日目

新しい100年の 最初の日

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:32:43.04 ID:WnQ2mHsE0
P「……そうだね」

P「詩のことは全く分からんが……」

P「どうなんだこれ?ひょっとしてけっこう凄いのか?」

P「うーん……」

P「次……」ペラッ

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:36:48.59 ID:WnQ2mHsE0
『春香ちゃんのリボン』

昨日は赤色 今日は黄色
明日は?

白色っぽいね
たぶんそうだよ 白か青だよ

割りとどうでもいいけどね
当たったらちょっと嬉しいね

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:39:16.10 ID:WnQ2mHsE0
P「割りとどうでもいいのか……」

P「それにしても、詩と日記の境目がよく分からないんだが……」

P「本人が詩だって言えば詩なんだろうな、こういうのは」

P「次は……」ペラッ

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:45:08.17 ID:WnQ2mHsE0
『私にも夢がある』

アイドル 私の夢
だけどね 『人』の『夢』は『儚い』んだよ
『女』が『喜ぶ』のは『嬉しい』からなんだよ

……なーんてね
言ってみただけだよ おバカさん

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:48:40.08 ID:WnQ2mHsE0
P「誰に言ってんだ……?」

P「『自分との対話』とか、そんな感じのアレか?」

P「それなら、雪歩と雪歩の語り合いをもう少し見てみようか」

P「次」ペラッ

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:54:17.73 ID:WnQ2mHsE0
『名探偵雪歩』

すごいよ! ドンピシャだよ!
もちろん予感はしてたけどね!

「じっちゃんの名にかけて!」
……はい?

「謎はすべて解けた!」
はあ、そうなんですかぁ

そんなのもう古い古い!
これからは私の時代
萩原雪歩におまかせあれ!

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 21:56:05.17 ID:WnQ2mHsE0
P「時代来ちゃったかー。そうかー」

P「なるほどなー」

P「へえー」

P「次」ペラッ

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:02:39.35 ID:WnQ2mHsE0
『真夏日』

暑い 外が
熱い 身体が
それは一体誰のせい?
ふふ
アナタだよ Baby
Maybe

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:06:19.21 ID:WnQ2mHsE0
P「…韻を踏んでるのか?」

P「取って付けたように『Maybe』って書いてあるけど、韻だよな、これ?」

P「きっと夜中のテンションで書いたんだろう」

P「お次は……」ペラッ

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:10:51.91 ID:WnQ2mHsE0
『バキューン!』

両手を挙げなさい!
さもないと撃ちますよ!
バキューン!
撃った!
当たった?
やったね命中!
これからもよろしくお願いいたします!

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:14:30.33 ID:WnQ2mHsE0
P「ご丁寧にどうも……」

P「テンポは良かった…気がする」

P「詩にとって重要かどうかは知らんが……」

P「よし次」ペラッ

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:22:58.63 ID:WnQ2mHsE0
『イヌ美ちゃん』

夢に出てきたよ
息を切らせて「響を助けてください」って
「どうしたの?」って聞いたら
「とにかく来てください」って

行かなかったよ
だって犬苦手なんだもん 知ってるでしょ?
私はそんな女なのさ
いまはそんな世の中さ

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:26:24.86 ID:WnQ2mHsE0
P「夢の中でもダメなのか……」

P「まぁ、デカイもんなイヌ美」

P「世の中のせいにするのはどうかと思うが……」

P「はい次」ペラッ

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:33:03.50 ID:WnQ2mHsE0
『誕生日』

今日も誰かの誕生日
きっと誰かの誕生日

目の前にいたらお祝いできるのにね
とっても残念です

何歳になったんですか?
私よりも年上ですか?

私の誕生日は12月24日です
クリスマス・イヴです
よろしくお願いいたします

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:36:19.36 ID:WnQ2mHsE0
P「これまたご丁寧にどうも……」

P「去年の雪歩の誕生日はみんなでパーティーしたっけな」

P「みんな忙しくなったし、今年は無理かもな……」

P「よし、次」ペラッ

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:44:15.34 ID:WnQ2mHsE0
『歌声』

歌声小さいんだよ 自分で分かってるんだよ
もっと叫べばいいのかな?

うおーーー!
これくらい? もっと?
うおぉぉぉーーーーー!!!
いまのはいい感じじゃない?

まぁ文字じゃ伝わらないよね
それは仕方ない

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:46:35.97 ID:WnQ2mHsE0
P「気にしてたんだな」

P「それが雪歩の個性でもあるんだが……」

P「声量に恵まれてるやつ多いからな、ウチは」

P「次」ペラッ

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:54:27.13 ID:WnQ2mHsE0
『お出かけ』

ふーん
美希ちゃんとお出かけするんだ
いいよ 行けば
楽しんできてね
私のことはお構いなく
お茶美味しいよ
いつもより苦いけど美味しいよ
別に淋しくなんてないよ
私は一人っ子だから平気だよ
本当にお構いなく

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 22:58:21.42 ID:WnQ2mHsE0
P「……」

P「愚痴…になるのか、これ?」

P「真も罪作りなやつだなぁ」

P「はい次」ペラッ

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:07:37.16 ID:WnQ2mHsE0
『穴』

穴掘ってみますか?
一緒に掘りますか?
余計なお世話だったらごめんなさい
旅は道連れって言いますから
埋めてやりたい人はいますか?
私にはいません
いないけど……
いえ、やっぱりいません 大丈夫です
お気遣いなく

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:08:50.57 ID:WnQ2mHsE0
P「こえーよ!」

P「ひょっとしてさっきの続きとか……?」

P「…真、頑張れな」

P「お次は……」ペラッ

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:18:19.60 ID:WnQ2mHsE0
『のりしろ』

アナタののりしろはどこにありますか?
そこにたっぷりとのりを塗って
私ののりしろとピッタリ合わせて
二人で流れてゆきましょう
流れ着いた先に砂浜があれば
そこに大きな穴を掘って
二人で埋まってしまいましょう

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:21:25.61 ID:WnQ2mHsE0
P「……雪歩って…何と言うか……」

P「若干ヤンデレ気質なのか?」

P「詩の中だけならいいんだが……」

P「次は…っと」ペラッ

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:29:39.58 ID:WnQ2mHsE0
『ハイテンション』

ゆきほーーーーー!!!!!
なんですかぁぁぁ!!!!!

私だってねえ
私だってねえ
テンションMAXのときがあるんだよぉ!

何?それ何?
まっこまっこりーんって何なの!
そうじゃないんだよ!
目を覚ましてよ!
そろそろ諦めてよ!
真ちゃんかっこいいーーーーー!!!!!

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:33:02.98 ID:WnQ2mHsE0
P「真……」

P「まっこまっこりーん、俺は好きだよ……」

P「プロデューサーとしては推奨はできないけどな……」

P「お、次で最後か。どれどれ」ペラッ

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:46:36.93 ID:WnQ2mHsE0
『アイドル』

初めて自分で選んだ
初めて自分で決めた
私はアイドルになった

ひんそーでちんちくりん
これからもたぶんそう
だけど私はアイドルになった

毎日毎日泣いている
いまでも足りないことだらけ
それでも私はアイドルでいたい

ステージに立つのは怖いけど
いつか覚めてしまう夢かもしれないけど
やっぱり私はアイドルでいよう
初めて自分で選んだから
初めて自分で決めたから
私はもう アイドルだから

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/20(月) 23:54:36.73 ID:WnQ2mHsE0
P「……詩の優劣は俺には分からないけど……」

P「言いたいことは伝わった気がするよ、雪歩」

P「私はもうアイドルだから、か……」

P「変われば変わるもんだなぁ。あの雪歩がなぁ……」

P「…さて。詩集は雪歩のロッカーに入れておくか」

P「今日は美味いビールが飲めそうだな、っと」バタン…


お し ま い

引用元: P「雪歩の詩集か……」