1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:29:15.19 ID:+UIdp/GX0
AM7:00

PiPiPi…
カチッ

杏子「おはよーまどか」

まどか「おはよう、杏子ちゃん。ふわぁ…」

杏子「よっと。まどか、顔洗いに行くぞ」

まどか「うん」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:33:29.31 ID:+UIdp/GX0
AM7:50

まどか「いってきまーす」

知久「いってらっしゃい、まどか」

杏子「いってらー」

タツヤ「いってらさーい!」

ガチャリ

杏子「さて、アタシも走ってくる」

知久「ああ、いってらっしゃい」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:38:53.19 ID:+UIdp/GX0
AM9:00

知久「これがxとyの二次関数」

杏子「はぁ…? なんだこれ」

知久「これをグラフにすると、こうなります」

杏子「……? この式が、この線を表してるってことか?」

知久「そうそう」

タツヤ「きょーこおねーちゃ! あそぼー」

杏子「わりいな、姉ちゃんは今お勉強中なんだ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:42:58.38 ID:+UIdp/GX0
タツヤ「おべんきょ? たのしい?」

知久「ははは、どうかな? 杏子」

杏子「あー? まあまあ、楽しいぞ」

知久「それはよかった。僕も教えることに自信はないからね」

杏子「や、それはだいじょーぶだって。このニジカンスーってやつもすぐ解けるようになるよ」

知久「心強い発言だ。なあタツヤ」

タツヤ「きょーこねーちゃ! がんばれー!」

杏子「おうさんきゅー!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:47:12.48 ID:+UIdp/GX0
AM10:10

知久「じゃあ今日はこのへんでおしまいにしよう」

杏子「ありがとうございました」

知久「ココアでも入れるよ」スタスタ

杏子「うあーっつかれたぁー」ドサッ

タツヤ「きょーこねーちゃー!」

杏子「うごっ! 上に乗るんじゃねえ!」

タツヤ「あはは! きょーこねーちゃ、ぱっかぱっか」

杏子「アタシはウマじゃねーぞ!」ドタドタ

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:49:49.34 ID:+UIdp/GX0
AM10:30

杏子「いってきまーす」

知久「いってらっしゃい」

タツヤ「いってらっしゃー、おねーちゃ!」

チリンチリン


-バイト先-

杏子「おはよーございまーす」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:53:17.51 ID:+UIdp/GX0
おやっさん「おう早いな杏子! まだ時間あるぞ!」

杏子「おやっさんは相変わらず元気だなー」

後輩「センパイ、おはようございますっ!」

杏子「ああ、おはよ」

おやっさん「杏子ー! 冷蔵庫に入ってるケーキ食っていいぞ!」

杏子「マジ? よっしゃぁ!」イソイソ

後輩「ごゆっくりどうぞ!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 21:56:58.94 ID:+UIdp/GX0
杏子「うめえ。ちくしょー見た目はどう見ても筋モンなのにケーキは絶品だ」

店員「そこがオジサマの素敵なところよね♪」

杏子「おお、おつかれー。わりい、片付けたらすぐレジ入るわ」

店員「うん、お願いね。ケーキ、美味しかった?」

杏子「悔しいぐらいだな。本人にはいわねーけど」

おやっさん「言えよ!!」

杏子「いたのかよ!」

店員「よかったですね、オジサマ♪」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:01:18.47 ID:+UIdp/GX0
おやっさん「まぁ俺の汗と涙の結晶だからな、うまいのは当然だ」

杏子「なんか気持ち悪くなってきた」

店員「オジサマ、私と愛の結晶を作りませんか?」

おやっさん「お、俺には故郷に、ふ、フィナンシェがいるんだ!」

杏子「お菓子じゃねーか!」

店員「フィアンセですね」

おやっさん「おう杏子レジ入れよ」

杏子「わかってるっつーの」カチャカチャ

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:04:22.66 ID:+UIdp/GX0
杏子・後輩「「いらっしゃいませー」」

おばあちゃん「こんにちは。あら杏子ちゃん」

杏子「こんちは、おばーちゃん。今日もアレかい?」

おばあちゃん「ええ、4つね。お願いするわ」

杏子「あいよー」

おばあちゃん「杏子ちゃんも、すっかり慣れたわねぇ」

杏子「へへ。らくしょーだよ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:07:41.77 ID:+UIdp/GX0
おばあちゃん「うふふ。最初のころはケーキを落としたりしてたのにねぇ」

後輩「えっそうなんですか? センパイ!」

杏子「やめてくれ! やめてください!」

おばあちゃん「あら、ごめんなさいね。先輩だものね、かっこうつけたいわよね」

杏子「はいこちら1200円になりますッ!」

おばあちゃん「ありがとうねぇ~」

杏子・後輩「「ありがとうございましたー」」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:11:33.58 ID:+UIdp/GX0
杏子「……」

後輩「……うひひ」

杏子「なんだよ! 気持ち悪い笑い方すんな!」

後輩「センパイも失敗することがあったんですね!」

杏子「あったりめーだろ! 誰だって失敗はする!」

おやっさん「そう、失敗がひとを、ときに大きく成長させるんだぜ…!」キリッ

杏子「うわーうざー」

後輩「センパイ、可愛い!」

杏子「やめろ!」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:17:05.16 ID:+UIdp/GX0
PM1:45

杏子「いただきまーす」

杏子「さあて、今日のは成功かな」パクパク

おやっさん「うん、うまいな!」

杏子「おいッ! アタシの弁当つまみぐいすんじゃねー!」

おやっさん「うんうん、杏子お前料理上手くなったな!」

杏子「ま、前からちょっとはできたんだぞ。冷えてもうまいようなものをだな…」

おやっさん「俺の弁当も作ってきてくれよ」

杏子「あんた奥さんいるだろーが!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:20:48.86 ID:+UIdp/GX0
PM2:00

杏子「おつかれさまでーす」

チリンチリン

おやっさん「おい杏子! 帰りにまた寄れよ」

杏子「あー? なんでだよ」

おやっさん「ヒ・ミ・ツ☆」ムキッ

杏子「キモイ」

杏子「っていうかコワイ」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:25:20.19 ID:+UIdp/GX0
PM2:10
-商店街-

杏子「~♪」

八百屋「おーい杏子ちゃん!」

杏子「ういっすー」

八百屋「今日はなんか買ってかないのかい?」

杏子「今日はなんも頼まれてねえな」

八百屋「そうかい! まぁこのトマトあげるよ。美味しいからさ! はいお塩」

杏子「いやっほう!」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:29:13.90 ID:+UIdp/GX0
魚屋「おっ! 杏子ちゃんじゃないか」

杏子「どもども」

魚屋「トマト食べてんの? うちのホタルイカ、どう?」

杏子「ホタルイカ? 美味いの?」

魚屋「もっちろん! からしとポン酢で何匹だっていけちゃうよ!」

杏子「マジかっ」

魚屋「ほらほら」

杏子「うめー! これうめーなおっちゃん!」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:34:12.06 ID:+UIdp/GX0
駄菓子屋「キョーコ」

杏子「うん? おっす」

駄菓子屋「なにをモグモグしてるデスか?」

杏子「ホタルイカ。魚屋でもらったんだ」

駄菓子屋「それナラ、ウチのオカシもあげるマスよ」

杏子「いいのかよ」

駄菓子屋「オセイボ、オチュウゲン、ニッポンのプレゼント、だいじデスね?」

杏子「…時期ちげー気がするけど…さんきゅーな」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:40:46.18 ID:+UIdp/GX0
PM3:00

杏子「あーなんだかんだで商店街でまったりしてしまった」

杏子「くそう、あのインベーダーゲーム、次はクリアしてやる…!」


-川沿いの公園-

杏子「おーい!」

子供A「杏子ねーちゃんだ!」

子供B「ねーちゃんおせーぞ!」

子供C「もう影鬼5回はやったよ」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:45:36.17 ID:+UIdp/GX0
杏子「よーし、今日は水切りを教えてやるよ!」

子供C「みずきりー?」

子供D「モーゼ?」

杏子「そりゃ海割りだ、ってよく知ってるなオイ!」

杏子「石を投げるんだよ、石を。まぁ見せたほうが早いか」

子供A「石をなげる?」

杏子「そそ。これがいいかな。よっ、と!」ヒュッ パシャッパシャッパシャッパシャッ

子供ら「「わあーっ!」」

杏子「へっへっへ」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:50:46.02 ID:+UIdp/GX0
杏子「こーゆー石を探せ。丸くて薄いやつ。で、こう!」ヒュッ

子供B「さがせさがせー!」

子供A「これはどーかなー。これはだめだなー」

子供D「とおっ」ボチャン

杏子「そーじゃねーって! こうだよ、こう!」

子供C「こう!」ヒュッ パシャッ

子供A「おお!」

子供B「俺も俺も!」ヒュッ パシャッパシャッ

杏子「うん、上手いな」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:53:46.72 ID:+UIdp/GX0
杏子「みんなわりとできるようになったな」

子供C「俺4回!」

子供A「俺2回だー」

子供D「5回」

子供B「俺も5回以上はむりだー」

杏子「そんじゃいっちょ勝負すっか! 多く跳ねたやつが優勝な」

子供ら「「はーい」」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 22:56:57.96 ID:+UIdp/GX0
杏子「これだな。これなら、もしかして自己ベスト記録を更新できるかもしれねーな」ニヤリ

子供A「ねーちゃん、いーよー!」

杏子「よし、じゃあ並べ。気をつけろよ。いっせーのーでで投げるぞ」

子供C「はーい!」

杏子「いっせーので!」

子供ら「「ひっさつ! ろっそ・ふぁんたずま!」」ヒュヒュッ

杏子「」ボチャン

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:00:22.03 ID:+UIdp/GX0
子供B「杏子ねーちゃんビリー!」

子供D「優勝」

子供A「あはは、石あたったな!」

子供C「あたっちゃったね!」

杏子「うぉぉ……」

杏子「し、しかたねーな! ほら、これみんなにやるよ! 駄菓子屋でもらったんだ」

子供ら「「わぁーい!」」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:03:56.30 ID:+UIdp/GX0
PM4:30

杏子「じゃなー」

子供ら「「ばいばーい!」」

チリンチリン

杏子(そんじゃケーキ屋寄って帰りますかねーっと)


-バイト先-

杏子「おつかれーっす」

後輩「あ、センパイ! お疲れ様です!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:08:37.56 ID:+UIdp/GX0
おやっさん「おう杏子! 来たな。まぁ座れや」

杏子「いや別に、すぐ帰るし。っつーか何の用だよ!」

おやっさん「ああ。ちょっとな。まぁ座れって」

杏子「なんだっつーんだ…」ガチャン

おやっさん「お前がバイトを始めて、だいぶ経ったな」

杏子「ああ、まあな」

おやっさん「もう仕事は完璧といっていいはずだ」

杏子「へっ。任せとけよ」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:13:01.31 ID:+UIdp/GX0
おやっさん「というわけで、そろそろお前には新しい仕事を覚えてもらおうと思う」

杏子「は!?」

おやっさん「なんだ? 自信ないか? そうか、杏子にはまだ早かったかもな」

杏子「ち、ちっげーよ! やってやるよ!」

おやっさん「その意気だ! これは、極秘任務なんだがな…」コソッ

杏子「そ、そうなのか…?」

おやっさん「ああ。ふつうなら"運び屋"を使うんだが、今回のブツは特別でな…」

杏子「なんだよ、ブツって…。まともな仕事なんだろーな…?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:17:08.87 ID:+UIdp/GX0
おやっさん「コレだ」ガサリ

杏子「? うちの袋だな」

おやっさん「周りからは疑われないようにしてある。中身を見るなよ。いいな。これを指定の場所に運んでほしい」

杏子「ど、どこだよ」ゴクリ

おやっさん「鹿目家」

杏子「……えっ?」

おやっさん「鹿目家だよ、鹿目家! お前のうちだよ!」

杏子「うるっせーな! いきなり大声出すんじゃねーよ!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:19:38.49 ID:+UIdp/GX0
後輩「どーかしましたかー? センパーイ」

杏子「なんでもねー!」

おやっさん「お前を男と見込んで、ひとつ頼む!」

杏子「張っ倒すぞ!」

おやっさん「お前を女と見込んで、ひとつ頼む!」

杏子「どっちでもいいんじゃねーか! わかったよ。とりあえず持って帰ればいいんだろ」

おやっさん「おう!」

杏子「最初からそう言えよ! めんどくせーな!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:24:12.11 ID:+UIdp/GX0
PM5:30

杏子「あーもーなんかすげー時間食ったじゃねーか」

おやっさん「わはは! 杏子はいつも食うことばっか考えてんな!」

杏子「あー時間うめーなー、って違うわコラァ!」

後輩「センパイ、ノリツッコミもできるんですね!」キラキラ

杏子「恥ずかしいわ!」

おやっさん「気をつけて帰れよー」

後輩「おつかれさまでーす!」

杏子「ったく…。じゃあな」

チリンチリン

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:27:32.30 ID:+UIdp/GX0
PM5:50

杏子「ただいまー」

まどか「おかえりなさい!」

タツヤ「おかえりー!」

知久「あぁありがとう。それ僕が頼んでおいたんだ」

杏子「おじさんかよ!」

詢子「おう杏子。お疲れ」

杏子「うわ! なんすかこの料理!」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:32:06.33 ID:+UIdp/GX0
知久「腕によりをかけたよ」

まどか「わたしも手伝ったんだよー」

詢子「座れよ杏子。今日はアンタがメインだからな」

杏子「え? アタシがメイン?」

まどか「うん! 今日は、杏子ちゃんがうちに来た日なんだよ!」

杏子「え、そうだっけ」

まどか「そうだよ?」

杏子「へぇー。え、それで、いっぱい料理を?」

詢子「お祝いだからな」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:36:23.50 ID:+UIdp/GX0
知久「そしてもちろん、デザートには杏子に届けてもらったケーキだよ」

杏子「あぁ、それで…いやそれアタシに持って帰らせるか普通!?」

知久「時間稼ぎも頼んだからね」

杏子「おやっさんのヤロー…」

詢子「うっし。まどか」

まどか「うん! 杏子ちゃん、おめでとう!」

知久「おめでとう」詢子「おめでとう!」タツヤ「おめでとー!」

杏子「あはは、ありがとな!」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:40:54.61 ID:+UIdp/GX0
PM10:40
-まどかと杏子の部屋-

杏子「くは、腹いっぱいだ」

まどか「美味しかったねぇ」

杏子「しっかし一年か。早いもんだな」

まどか「えへへ。そうだね」

杏子「…そっか、だからおやっさん、ケーキ食わせてくれたのか」

まどか「ん?」

杏子「なんでもねー」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:44:00.20 ID:+UIdp/GX0
杏子「……。な、まどか」

まどか「どしたの?」

杏子「あー、あのさ。アタシも日記、つけてみたいんだけど…」

まどか「いいよ! わたしのよこに書く?」

杏子「な、なんか恥ずかしいな」

まどか「うーん、それじゃ一冊ノートを日記用にしよう!」

杏子「ああ、それいいな」

まどか「はいこれ使って?」

杏子「さんきゅ」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/27(月) 23:47:53.44 ID:+UIdp/GX0
杏子「えーと…、なにを書けばいいんだ」

まどか「うーん、今日はどんな日だったか、でいいと思うよ」

杏子「どんな日だったかか。あー、そうだな」

杏子「今日は特別な一日だったなー」




おしまい

引用元: 杏子「今日は特別な一日だったなー」