さやか「そういや杏子んちって冷蔵庫ないけど食べ物とかどうしてんの?」

杏子「冷蔵庫? んなもんあっても電気がなきゃどうにもならねぇしいらねーよ」

さやか「いやいやそれくらい必要――ってここ電気もきてないの!?」

杏子「数年前からずっと止められたまんまだよ。電線の整備もしてないし物理的に不可能だろうな」

さやか「うっわマジかよ……これからの時期絶対腹壊すよあんた」

杏子「だいじょーぶだいじょーぶ」

さやか「本当に大丈夫なのかぁ~?」

杏子「つーか食い物の保存なんて魔法があればちょちょいのちょいなんだだし、下手に気を抜くよりむしろ安全だろ?」

さやか「え」

杏子「え?」

さやか「あんたそんな事に魔法つかってんの?」

杏子「生活に必要なんだから仕方ねぇじゃん」


721: 「ほぞん」 2013/06/23(日) 03:25:49.42 ID:o6I7b9rho

杏子「っつーかそもそもアタシの魔力なんだし何に使おうと勝手だろ」ツン

さやか「いや別にそれはいいんだけどさ……ってゆーか、魔法ってそんなこともできんの?」

杏子「は?」

さやか「え?」

杏子「も、もしかしてさやかはこんな初歩的な事すらできねーのか!?」

さやか「初歩的って、あたしからすりゃ十分応用的なんですけど」

杏子「マジかよ! あんた今までマミから何を教わってきたってんだよ……」

さやか「……魔女と戦うにあたっての心構えとかおいしい紅茶の選び方とか?」

杏子「ああ、そっち方面ね……」

さやか「な、なによ」

杏子「べっつにー? いいんじゃねぇの、それで今まで不便は無かった訳だし」

さやか「そりゃそうだけどさぁ」

杏子「だろ?」


722: 「ほぞん」 2013/06/23(日) 03:26:17.58 ID:o6I7b9rho

さやか「……でもさ」

杏子「なんだよ」

さやか「その顔、あたしの事絶対バカにしてるでしょ」

杏子「してねーよ」

さやか「してる」

杏子「だからしてねーって」

さやか「だったらなんでニヤニヤしてんのさ!」

杏子「気のせいだろ。シュークリームやっから落ち着けよ」ニヤニヤ

さやか「ぐぬぬ……」


723: 「ほぞん」 2013/06/23(日) 03:26:43.96 ID:o6I7b9rho

さやか(あれっ?)


さやか「あのさ」

杏子「なにさ」

さやか「これ賞味期限切れてんだけど」

杏子「最初に言ったろ、魔法で鮮度保持してるからイケるって」

さやか「え、でも」

杏子「人体の鮮度保持よかずっと楽勝なんだから大丈夫だって。信用しろよ」

さやか「……そういやあんた、ずっと昔にあたしの身体の保存しててくれた事があったっけ」

杏子「おう。だからあんたの身体に関しては結構自信があるよ」

さやか「なにそれちょっと変態チックなんですけど」

杏子「しかたねーだろ必要に迫られてたんだし」

杏子「だからまぁ……ホクロの数から骨盤の歪み、各種筋肉の発達の度合いまで熟知してるのは当然の産物ってやつだな」


 ふふん


さやか「な、ななななっ……あ、あんたって奴はッ!?」カァァァ


 べちん!!


杏子「ちょっ、なにすんだよバカ!」

さやか「バカはあんたよバカ! 変態!!」

杏子「冗談だって。流石にあの時より随分成長して変わってるだろうしな」

さやか「そういう事じゃないわよ……」



724: 「ほぞん」 2013/06/23(日) 03:27:13.59 ID:o6I7b9rho

杏子「うーん……そうだなぁ」

さやか「なにさ」

杏子「明日、放課後にここの裏庭集合な」

さやか「は?」

杏子「魔法の練習だよ練習。ここなら色々と便利だからさ」

さやか「はああっ!?」

杏子「基礎からみっちり叩き込んでやっから覚悟しときなよ」

杏子「あたしゃマミみたいに甘くはないぜ?」

さやか「うえぇぇぇぇ!?」

杏子「っつーか体術とかも前から気になってたんだよな。あの辺から鍛えなおすか……いや、でも魔法の性質の根本がなぁ……」ブツブツ

さやか(ヤブヘビっちまった……)



おしまい


729: 「雨」 2013/06/27(木) 03:27:27.18 ID:VhkNz2vSo

 ざあざあ


さやか「はぁぁ……」

さやか「まーた今日も雨か」

さやか「ここんとこ不定期に降ったりやんだりで嫌になっちゃう」


 ざあざあ ざあざあ


さやか「入梅宣言直後は降らなさ過ぎて心配になった事もあったっけなー」

さやか「……そういやあの時の逆さてるてる坊主はまだ吊ったまんまだったっけ?」

さやか「家帰って忘れてなかったら撤去しよ。これ以上降らされたらたまったもんじゃないわ」


 ざあ ざあざあ

730: 「雨」 2013/06/27(木) 03:27:57.87 ID:VhkNz2vSo

さやか「それにしても……」

さやか「魔女、いないなぁー!」

さやか「かといってパトロールやめるワケにもいかないし」

さやか「マミさんは用事で遠出してるし、杏子はバイトみたいだし」

さやか「ほむらはほむらで "お買い物" に行ってくるらしいし」

さやか「かといってまさかまどかを連れまわすわけにもいかないし……なんとなく雨の日は強い魔女が出やすい気がするんだよね」


 ざあざあ ざあざあ


さやか「あーあ、一人でパトロールすんのも久しぶりだなー」

さやか「…………」

さやか(今更心細いだなんて、思わないし)

さやか「ちょっと前まではよくあった話じゃん! だいじょーぶだいじょーぶ、あたしならできる!」

さやか「杏子のスパルタレッスンだって受けてるんだし、今更魔女の一匹や二匹くらい余裕っしょ!」

さやか「うっしゃー、やったるどー!」


さやか「っと」


 <ざわざわ……


さやか(うおお、勢いで叫んじゃった……なんかみんなこっち見てるよ、恥ずかし)カァ


731: 「雨」 2013/06/27(木) 03:30:08.98 ID:VhkNz2vSo

さやか「さてさて」

さやか「そそくさと逃げ出して次の地区へ来てみたワケだけど」

さやか「雨足は弱まるどころか強まる一方だし、相変わらずジェムに反応は無いし、道は水溜りだらけだし」

さやか「おまけに微妙に寒くて視界は悪いしで若干濁るわぁ……」


 ざあざあ ざあざあざあああああ


さやか「うえぇ、靴下びしょ濡れだよ」

さやか「靴の中がじゃぶじゃぶして気持ち悪い……」

さやか「ぴっちぴっち、ちゃっぷちゃっぷ、らんらんらん、ってか」ジャブジャブ

さやか「何がちゃっぷちゃっぷだよ……どっちかっていうとジャブジャブで気分悪いよ……」

さやか「ん?」


幼女1「きゃははは、幼女2ちゃんへんなカサーっ! ひっくりかえってるの!」

幼女2「ここをね、こうやってぐいーってやるとばさーってなるんだよ」

幼女3「だけどさ、だけどさ! それじゃカサにお水たまっちゃうじゃん! へんなのーっ!」

幼女2「へんだけど、おもしろいよ! こうやってね、こうやってぐいってやって」

幼女1「わーかったってば」

幼女2「むー」

幼女3「みなさーん! 幼女2ちゃんのカサがへんでーす!」キャッキャ

幼女2「3ちゃんやめてよ、はずかしいよぉ」


732: 「雨」 2013/06/27(木) 03:30:35.52 ID:VhkNz2vSo

幼女1「あ! かたつむり!」

幼女2「わぁ、でんでんむしさんかわいいねぇ」

幼女1「ねーっ、つやつやしててかわいいねぇ! 3ちゃんほら、かたつむりだよー」

幼女3「嫌あああ! こっちこないでぇ!」


 わいわい きゃっきゃ


さやか「……」

さやか(あたしにもあんな頃があったっけなぁ)

さやか(あーあ、そんな素手で触っちゃって。そいつら意外と汚いんだぞー)

さやか(…………)

さやか「あっ!?」


さやか「ちょ、ちょ、あんたたち! カタツムリの殻をひっぱっても取れないから! かわいそうだからやめたげて!」

幼女1「えー、なめくじにならないの?」

幼女2「だから言ったのに。おうちは取れないんだっておにーちゃんが言ってたもん」

さやか「そうそう、そのおにーちゃんが正しい。そいつらはナメクジとは根本的に違うんだって」

幼女3「ってゆーかお姉ちゃんだれ?」

さやか「うぐ」

幼女3「……」ジー

さやか「た、ただの通りすがりだよ。んじゃあたしはもう行くけど、あんまりその子をいじめないであげてね」

幼女1「はぁーい」


幼女達「ひそひそ……」


さやか「……」

さやか(すっげー警戒されてしまった)


733: 「雨」 2013/06/27(木) 03:31:03.25 ID:VhkNz2vSo

 てくてく

 ざあざあ


さやか「いやー通報されなくてよかったわぁ」

さやか「なんだっけ、声かけ事案だっけ……前にあったよな」

さやか「"見滝原市某公園にて、帰宅途中の女児らが中学生に話しかけられる事案が発生" 、なーんて」

さやか「冗談にならないわ……」


 てくてく


さやか「いまだSGに反応はなし。至って平和なり」

さやか「ついに中心街か……ずいぶん回り道で来たもんだ」


 てくてく


さやか「ここから更に歩いてオフィス街に抜けるか、道を反れて繁華街行ってみるか……」

さやか「……この天気だしなぁ。あっちはあんまり人いないだろうからこのまま突っ切ってオフィス街方面かな」

さやか「おーし、道順けってーい。もう一息頑張っていこ」

734: 「雨」 2013/06/27(木) 03:31:34.30 ID:VhkNz2vSo

さやか「ひゃ!?」


 どんっ


男「おっとすいません」

さやか「い、いえ」

男2「なんだよお前ちゃんと前見ろよー。すいませんねお嬢さん」

さやか「べっ、別に大丈夫です。それじゃ……」


男「最近めっきり視力が落ちちゃいましてねー、あはは」

男2「ははは、お前もいい加減いい年だもんな」

男「それにしても、今日は売り上げ上がったりですねぇ」ハァ

男2「そりゃあ雨の日はなぁ……宅配は増えてたとしても、今日は全く駄目だな」

男「今週ちょっと厳しいっすね」

男2「だなぁ……報告どうするかなー」

男「人件費削減だけはやめてくださいよ店長」

男2「わぁってるよ」


 すたすた


さやか「……」


 ざあざあ ざわ

 ざわざわ


モブ「今後は会社の方針として――」

モブB「部署が減ったとして……あの人は相変わらずだし――」

 「モブ美、ひさしぶりー! 元気だった? そっちの上司は――」

  「きゃははっ! それが最悪、もーやだぁ! それでさ――」


 ざあざあ ざわざわ ざわ


735: 「雨」 2013/06/27(木) 03:32:07.01 ID:VhkNz2vSo

さやか「……」


 ざわざわ ざわざわ


 「うちの嫁、飯が不味くて――そうそう、それが――プリンとうどんに醤油をかけて――」

  「ほんと嫌になっちゃうよ、外回りも楽じゃないのに――」

 「モブ子ちゃん、それ携帯変えた?」

  「美容室でーす、よろしくおねがいしまーす」

 「うげっ、雨降ってる!?」

  「そうなんです、娘がもうすぐ5歳で――幼稚園が――可愛くて可愛くて――」

 「おかーさん、あれ欲しい!」

  「ふんふんふーん、らんらんらーん」


 ざあざあ ざあざあ ざわ

  ざわざわ ざわざわざわ


さやか「……」


 ざあ ざあ


さやか(いろんな人がいて)

さやか(いろんな事を話してて、日常があって)

さやか(それぞれ積み重ねてきた人生があって)

さやか(…………あたしは、それを守ってるんだ)


 ぐっ


さやか「……なーんちゃって」

さやか「あたしにシリアスは似合わねぇっつーの、まったく! あはははっ」

さやか「はぁ……」

さやか「誰もいないってのに何かっこつけてんだか」


736: 「雨」 2013/06/27(木) 03:32:39.52 ID:VhkNz2vSo

さやか「あーあ、雨やまないかなー」

さやか「傘さしてると避けて歩くのも面倒なんだよね」

さやか「……っと、避けきれな――っ!? すいませ」ドンッ

モブ「……」そそくさ

さやか「何か一言くらいいいじゃんかよぉ……」


さやか(意外とみんなガンガンぶつかって来るんだよな)

さやか(傘の水が服についたりするし、もうちょっと気をつけろっての)


幼児「まてぇーっ!」

幼児2「ぎゃはははは」


 ずだだだだ


さやか「ぐほっ!?」


 べしんっ



737: 「雨」 2013/06/27(木) 03:33:05.58 ID:VhkNz2vSo

幼児「ぶつかってやんの、ダッセー!」

幼児2「今のは事故だし! ノーカン!」


 ぎゃいぎゃい


さやか「うっせぇぇぇ! まずぶつかったら何か言う事あんでしょあんた達!」

幼児「やっべ」

さやか「ちょっとまちなさいよ!」


さやか「逃げられた……くっそ、思いっきり傘押し付けられたわ」

さやか「あの悪ガキどもめ、今度見つけたらただじゃおかないんだから」


さやか「……濡れたとこが寒い」

さやか「靴の中は相変わらず沼地状態だし」

さやか「いい加減レインブーツ買わないとだめかなぁ」

さやか「ちくしょ、どっかお店でも入って休憩しようかな……」

さやか「お砂糖たーっぷりのすっげー甘いコーヒーの一杯でも飲んでリフレッシュしちゃおっかなー!」

さやか「お一人様ご来店でーすってやっちゃおうっかなー!! こうなりゃやけコーヒーってか!」

さやか「そうだなぁ、ケーキもいいなぁ。そういえばあのチェーン店が新しいメニュー出したんだっけ」

さやか「えへへへ、行っちゃおうっかなー、どうしよっかなー」

さやか「――――あ」ピクッ

さやか「ジェムが反応してる」


738: 「雨」 2013/06/27(木) 03:33:32.02 ID:VhkNz2vSo

さやか「近いな……ってかこれってもしかして今孵化したばっかり?」

さやか「となると確実に魔女か。ちょっと厄介だな」

さやか「この辺りでこの方角だと――たぶんあっちだ!」


 たたたっ


さやか(うげ、走ると靴の中めっちゃビチャビチャいってるよ……水吸って重いわ……)

さやか(そういえば抜けられる道がたしかこっちにあったはず)

さやか(うし。ここを通って、被害が出る前に――)


杏子「お、さやかじゃねーか」

さやか「杏子!?」ビチャビチャ

杏子「反応でたからバイト抜け出してきた。今孵化したばっかみてぇだな」

さやか「あんた職場この近くだったんだ?」ビチャビチャ

杏子「今日は偶然な。ビラ配りだから色んなとこ行くし」」

さやか「ああ、そのオレンジ色の制服ってコンタクトレンズのアレだっけ」

杏子「そうそう。ま、あたしらにゃ縁がないとこだよ」

さやか「まぁね」ビチャ


739: 「雨」 2013/06/27(木) 03:33:59.32 ID:VhkNz2vSo

さやか「ってかこの雨の中ビラ配りしてたの?」

杏子「辛うじてちっせぇ屋根がある場所あるだろ? あそこで配ってたんだよ」

さやか「ああ……大変だね」

杏子「まぁな。もう慣れたけど」


杏子「――ここだな」


さやか「さーてと、いっちょやりますか!」シュパッ

杏子「GSドロップしたらはんぶんこな」シュパッ

さやか「あいよっ」

杏子「使い魔はなるべく一纏めになるよう意識しながら叩くんだぞ」

さやか「わかってるって!」

杏子「ついでに昨日教えた連携の実践でもやってみるか」

さやか「はいはい――えっ!?」

杏子「なんだよ練習したろ? まさかもう忘れたのか!?」



740: 「雨」 2013/06/27(木) 03:34:26.86 ID:VhkNz2vSo

さやか「いやいや、忘れてないけど! なんでそんな当然だしやってみようぜっぽい流れになるのさ!」

杏子「フォローしてやっから大丈夫だって。動きは指示してやっからさ」

さやか「やってみるけどさぁ……自信ないんだよなぁ」

杏子「結界に突入するぞ、気ぃ引き締めな」

さやか「ちっくしょ、こうなりゃヤケでもやってやらぁ!」


さやか「あっ」

杏子「ん?」

さやか「魔法少女の衣装、靴の中が濡れてなくて快適! これいいわ!」

杏子「お、おう……そうだな、よかったな……」

さやか「帰りも靴だけ履き替えてこっと。へへへ」



おしまい


745: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/10(水) 23:34:02.01 ID:203uaSwUo
こんばんは、レスありがとうございます!
とうとう夏本番だねさやかちゃん! くたばりそうだよ!

「ホラー映画」

746: 「ホラー映画」 2013/07/10(水) 23:34:44.39 ID:203uaSwUo

 マミ宅 映画鑑賞中


さやか「…………」

マミ「…………」


 <デロデロデロデロ(怖いBGM)


さやか「……あんま怖くないっすね。グロいばっかりで」

マミ「そうね……なんだか見慣れた光景っていうか」

さやか「お、きたきた」


 <キャーッ!!

 <ギャアアアアア ガシャーン


さやか「あー、やられちゃった」

マミ「やっぱり恋人がいるパターンは危険よね」

さやか「登場の時点から危ない感じが漂ってきてたもんなぁ」

747: 「ホラー映画」 2013/07/10(水) 23:35:29.14 ID:203uaSwUo

杏子「ういーっす」ガチャ

マミ「あらいらっしゃい」


 <貴様敵か!?

 <撃たないで、私は人間よ!


杏子「……何観てんの?」

さやか「ホラー映画。一昨年くらいのやつ」

杏子「ふぅん。面白い?」

さやか「そこそこ」

マミ「あまり怖くはないわね。どちらかといえばスプラッタ系なのかしら」

杏子「ふーん……隣いいかい?」

さやか「どうぞー」


 ぽすん


杏子「お、ミートパイあるじゃん」

マミ「残り肉で作った物だけれど、よかったらどうぞ」

杏子「ありがたくいただくよ」アム

さやか「……」


748: 「ホラー映画」 2013/07/10(水) 23:35:59.98 ID:203uaSwUo

さやか「マミさんコーラ開けてもいいですか?」

マミ「どうぞー」モグモグ


 <ギャアアアアア!!


杏子「ほんとにスプラッタだな」モグモグ

さやか「うっわー、痛そ」プシッ

マミ「それにしても随分と飛び散り方が不自然ね」

さやか「どちらかというと爆破系?」

杏子「だな」

マミ「抉りこんでから爆散……いけるかもしれないわね。今度使い魔に遭ったら試してみようかしら」

さやか「あははは、マミさん残酷ー」

マミ「うふふふ」


 <これは……サムの腕!? なんて事なの……


さやか「うっへぇ、結局バラバラ死体か」

杏子「つーかミートパイうめぇな」モグモグ

マミ「うふふ、今第二弾を焼いてるからたくさん食べてね」

杏子「どんだけ肉余らせてたんだよ」

マミ「し、仕方ないじゃない安かったんだから!」

杏子「昔っから買い込んじまうタイプだもんなーマミは」ケラケラ

マミ「うぅ……」

749: 「ホラー映画」 2013/07/10(水) 23:36:32.01 ID:203uaSwUo

さやか「そういえばなんかいい香りしてきた気がする」

マミ「パイが焼けてきたのね」

杏子「ちょうど映画でもゾンビを燃やしてるな」

さやか「こいつらだって元仲間でしょうに、容赦ないなぁ」

杏子「弔いの意味も兼ねてるんだろ」

さやか「ふうん……?」

マミ「もしも美樹さんが魔女になってしまったとして、友達だったからといって倒されずにそのまま呪いを振りまき続けたいと思う?」

さやか「それは……確かに嫌かも」

マミ「でしょう?」

杏子「心配すんなよさやか、そうならないためにみんなで毎日頑張ってるだろ?」

さやか「うん……そうだね。大丈夫、だよね」

杏子「そうそう。緊張しながら戦うより少しくらい気楽に構えとく方がずっといい結果がでるもんだよ」

マミ「そうね、私もそう思うわ――と、パイが焼けたみたいね」

杏子「待ってましたっ!」


750: 「ホラー映画」 2013/07/10(水) 23:37:02.37 ID:203uaSwUo

マミ「焼きたてよ。熱いから気をつけて食べてね」

杏子「はふはふ」

さやか「ねぇ杏子」

杏子「んー?」

さやか「ゾンビ見ながらミートパイ食べるのって抵抗ない?」

杏子「別に」モグモグ

さやか「そう……」

マミ「佐倉さんはいつも何か食べながら魔女狩りしているものね」モグモグ

さやか(そういえばマミさんも普通に食べてるな)

杏子「最近はそこまででもないけどね」

マミ「そうなの?」

杏子「仕事中に食ってると怒られるからな」

マミ「なるほどね」クスッ

さやか(もしかして抵抗があるのってあたしだけなの!?)



おしまい


751: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/10(水) 23:38:01.63 ID:203uaSwUo


「怪談」

752: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:38:36.15 ID:203uaSwUo

さやか「そんなワケで」

マミ「夜の見滝原中学校にやってきました」

杏子「肝試しなんてバカバカしい……」


 こそこそ ひそひそ


マミ「いいじゃない、夜の学校なんてそうそう入れるものじゃないわよ?」

さやか「実は最近かなりうわさになってる事があってさ、ちょっと気になってたんだ」

マミ「そういえば私も聞いたかもしれないわね。技術室の亡霊だったかしら」

杏子「なんだそりゃ」

さやか「その名のとおり、夜になると誰もいないはずの第二技術室から物音がするっていう噂なんだけど――」

さやか「第二技術室って半地下になってる教室なんだけど、窓には鉄格子がはまってるし、床はコンクリートむき出しでなんかボコボコしてるし、見た目からしていかにもーって感じなのさ」

杏子「へぇ。見た感じ他の教室は近代的なのにな」

さやか「そうなんだよ! あそこも去年まで普通にタイルのはられた綺麗な床だったのに、ある日突然ごっそりはがされちゃってて!」

杏子「誰かのいたずらとかじゃねーの?」

さやか「それにしては規模が大きすぎるって」

杏子「それもそうか」

さやか「それでさ、当時からいろんな説が立てられたんだけどその中でも一際有名になったのがあってね」


 てくてく


753: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:39:06.19 ID:203uaSwUo

さやか「これは本当の話なんだけど。3年生に不登校の生徒がいたんだけどね、性格が目立ちすぎるのもあってかちょっとイジメみたいな事になってたんだって」

マミ「…………」

さやか「その生徒は登校してきたと思っても毎回保健室に引きこもってたらしい。先生達も何度か話をしたんだけど、全く聞く耳持を持たなかったらしい」

さやか「だけどある日から突然その子は毎日登校するようになった」

さやか「性格も打って変わってよく喋るようになったし、実際すごく明るくなったらしいよ。相変わらず他人を遠ざけるような事はあったみたいだけど」

さやか「噂だと恋人ができて変わったとか、お金持ちと付き合い始めたとかそんな感じだったね」

マミ「……そうね、確かそうだったわね。彼女は "大切な恋人ができたんだ" って言っていたわ。すごく嬉しそうだった」

さやか「もしかしてマミさんその子の事知ってるんですか!?」

マミ「ほんの少しだけだけどね。ちょっとだけ話したことがあるの」

さやか「ほえー」


 カツ コツ

 カツ コツ


754: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:39:50.37 ID:203uaSwUo

さやか「その子ってどんな子だったんですか?」

マミ「とても一途な子だったわ。一度落し物を一緒に探してあげたんだけど、恋人からもらった大切な物だったみたいで」クス

杏子「ふぅん。すぐ見つかったのか?」

マミ「ええ、すぐそばの植え込みに落ちていたの。そしたら彼女、私の事を "愛を救ってくれた恩人だ!" って」

さやか「んな大げさな」

マミ「本当にね」クスクス

マミ「……だけど、その後――」

755: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:40:18.79 ID:203uaSwUo


さやか「噂だと、技術室で喉を裂いて自殺していた、って」

マミ「ありえないわ」


 カツンッ


さやか「……」

756: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:41:03.65 ID:203uaSwUo

マミ「だって、だって……あんなに嬉しそうに恋人の事を話してくれたのに!!」

マミ「彼女ね、事あるごとに "愛は無限に有限だよ" っていうのが口癖だったのよ」

杏子「ずいぶんとまあ強気な……中二病ってやつ?」

マミ「かもしれないわね」

マミ「どちらにせよ彼女の恋人に対する意識は相当な物だったわ」


 カツ コツ


さやか「だからこそ自殺するのはありえない、と」

マミ「ええ。もし噂どおり酷く振られていたとしても、彼女は恋人に対して尽くし続けていたでしょうね」」

さやか「だけど噂だと……」

マミ「その子――呉キリカっていうんだけど――彼女は技術室で自ら喉を切り裂いて死んでいた。その際おびただしい量の血痕が床にこびりついてしまい、洗っても洗っても落ちなかった……だったかしら」


マミ「そんな事、ありえないわ。あってたまるものですか」



757: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:41:30.99 ID:203uaSwUo

さやか「だけど実際その子はそれから一度も姿を見せていないんですよね」

マミ「そう、なのよね……でも私は彼女が生きていると信じてるわ」

さやか「マミさん……」


 カツ コツ

 カツ コツ


  カツン――


杏子「……ここか」

さやか「第二技術室……」


758: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:41:58.71 ID:203uaSwUo

杏子「やっぱ鍵がかかってんな。解錠するぞ」

マミ「待って! 中から物音がするわ」

杏子「ん? ――確かに金属音が……誰かいるのか?」

さやか「ううん、この時間は誰も居ないはずだよ。例の怪談だと、亡霊が探し物を求めてうろついてるらしいんだけど」

マミ「どっちにしろ魔女や使い魔の類じゃないのは確かみたいね」

杏子「じゃあ不審者か」

さやか「わざわざ中学校の技術室に? 何の用で?」

杏子「知らねぇよ。そいつをとっ捕まえて訊いてみりゃ済む話だろ」

マミ「そうね。もしかしたら呉さんについて知る手がかりになるかもしれないし、私としても是非話をきいてみたい所ね」


杏子「よし。鍵開いたぞ」

マミ「さすが佐倉さんね、見事だわ」

マミ「それじゃあ……開けるわね」

さやか「……!」ゴクリ


 キィィィ



759: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:42:31.80 ID:203uaSwUo

マミ(暗くてあまりよく見えないわ……)ヒソヒソ

さやか(マミさん、あそこに人影が!)ヒソヒソ

マミ(! 本当、あれは……機械を動かしているの?)

杏子(それにしても鉄くせぇな)

さやか(電気つけますね)

マミ(おねがいするわ。いざとなったら拘束魔法で――)

さやか「……」コソコソ


 ぱっ!


マミ「そこまでよ、動かないで!」

「きゃあっ!?」

さやか「観念しなさいよ不審者――ってあんたなにしてんの!?」

ほむら「いたた、びっくりして手を挟んで――なあっ!? な、なんでこんなところにあなた達が!」

杏子「おいおいおいおい、なんつー量だこいつは」

ほむら「予備の銃弾や砲弾、それに各種爆弾の外皮よ……爆弾の中身はこれからだけど」


760: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:43:07.71 ID:203uaSwUo

マミ「これ、まさか暁美さんが自分で!?」

ほむら「そうよ、全部手作りよ」

さやか「ほーむめいど銃弾ってか」

ほむら「黙りなさい」

さやか「ごめんなさい」


マミ「それにしても驚いたわ……まさか暁美さんが怪談の元だったなんて」

ほむら「私も今驚いているわ。そこまで話が大きくなっているとは思わなかったもの」

さやか「一部女子の間じゃかなり広まってるよ、あんた技術室の亡霊だってさ」ケラケラ

ほむら「それは不本意ね」



761: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:44:24.85 ID:203uaSwUo

杏子「それにしてもあんたの武器が全部手作りだったとはなあ」

ほむら「試行錯誤する時間は十分にあったから」

さやか「でもなんでわざわざ学校なんかで作ってんの?」

ほむら「慣れていて通いやすかったのもあるし、なにより何故かこの技術室には必要な機材が全部揃っていたから……」

さやか「じゃあさ、もしかしてあんたあの噂の真相とか知ってたりする?」

マミ「!」

ほむら「噂? 何のことかしら」

マミ「呉さん――呉キリカさんの事よ」

ほむら「"呉キリカ"」

マミ「もしかして彼女の事を知ってるの? 何でもいいから知りたいの、お願い!」

ほむら「知っている、もちろん知っているわ……彼女とは何度も衝突したことがあるから」

さやか「衝突!?」

マミ「まさか彼女と喧嘩でもした事があるの? 確かにいちいち含みのある話し方をする子だったけれど――」

ほむら「呉キリカ。彼女は魔法少女よ」

マミ「……ッ!!」


762: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:45:00.09 ID:203uaSwUo

ほむら「安心してちょうだい、彼女は今は他の町で平和――かどうかはわからないけれど、ちゃんと生きているわ」

マミ「ほん、と?」

ほむら「嘘を言う必要がないじゃない」

マミ「よかったぁ……!」ホッ

さやか「よかったですねマミさん!」

マミ「本当によかったわ! じゃあ恋人さんとは上手くいっているのね」

ほむら「恐らくはね」

マミ「住所とかは知らないの? お手紙を送ってみたいわ」

ほむら「残念ながらそこまでは知らないわ」

マミ「そうなの……でも安否を知れただけでもよかったわ。ありがとう、暁美さん」

ほむら「どういたしまして」クス


763: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:45:35.71 ID:203uaSwUo

さやか「ところで、ほむらはこの教室のタイルがはがされた理由とか知らない?」

ほむら「もちろん知ってるわ」

さやか「へえ! なになに、知りたい!」

ほむら「…………」

杏子「……まさかまた悲惨な失敗談じゃねえだろうな」

ほむら「ち、ちがうわよ! 少なくとも被害者は出ていないし――」

さやか「えっ」

ほむら「あっ、ち、ちがっ、そうじゃなくってその……ええと……何といったらいいのかしら」

ほむら「……~~」


 ごにょごにょ


さやか「なーにー、きこえなーい」

ほむら「~~っ! ちょっと、鉛をこぼしてしまっただけよ! ただそれがほんの少し取り返しのつかない量だっただけで……」

マミ「あらまあ」

ほむら「ついでに失敗作の弾が数個転がっていたみたいで……学校側は完全に隠蔽の方向に走っているけど」

杏子「そりゃあ自分とこの教室で銃弾が造られてました、なんて冗談にならねぇもんな」

マミ「だけどそれじゃあここのセキュリティも上がったりしたんじゃないの?」

ほむら「魔法少女の前ではこんなセキュリティなんて穴だらけよ」

マミ「なるほどね。確かに私達がここに来るまで何も障害はなかったものね」

ほむら「でしょう? 私がここにいる間は全て無効化してあるから」

さやか「意外に器用だねあんた」

ほむら「一応、機械操作は私の固有魔法だもの」

杏子「へぇ、便利だな」


764: 「怪談」 2013/07/10(水) 23:46:15.65 ID:203uaSwUo

さやか「それにしても随分たくさん造ったねー。もしかしてここで鋳造してんの?」ヒョイ

ほむら「素手で触らないでッ!!」

さやか「!?」ビクッ

ほむら「……貸しなさい」


 ひょい ふきふき


さやか「」

ほむら「全く、指紋が残ったりしたらどうするの。さやかが逮捕されて一番悲しむのはまどかなのよ」ブツブツ

杏子「どうせ結界と一緒に消えちまうんだからいいんじゃねーの?」

ほむら「ダメよ! 万が一という事があるかもしれないじゃない!」

杏子「ふーん」

ほむら「万が一、つまり0.01%は意外とよく起こるのよ。よく覚えておきなさい」

さやか「う、うん……そうするよ」



おしまい


770: 「ちょっと蒸れる」 2013/07/17(水) 00:54:51.17 ID:mUmrBYLOo

さやか「まーどかっ」

まどか「ん」


 ぎゅうっ


まどか「どうしたの急に」ナデナデ

さやか「別にぃ、なんとなく。最近まどかに抱きついてない気がしてさ」

まどか「そうかなぁ?」

さやか「そうなんだよ」

まどか「そっか」

さやか「ん」


 なでなで

771: 「ちょっと蒸れる」 2013/07/17(水) 00:57:02.67 ID:mUmrBYLOo

さやか「う~ん……やっぱりまどかが一番落ち着くわ」

まどか「えへへ、ほんとに? うれしいな」

さやか「むぎゅー」

まどか「いいこいいこ」


 なでなで


さやか「むはー……しあわせ」

まどか「さやかちゃんったら」クスッ

さやか「杏子じゃこうはならないんだよなぁ」

まどか「ふうん、どうして?」

さやか「確かに落ち着きはするんだけどさ、なーんか軽くあしらわれてるような感じがして」

まどか「あはは、杏子ちゃんらしいね」

さやか「シリアスな時はすげー懐が広い感じになるのに。普段との差はなんなんだろうね」

まどか「杏子ちゃんはちょっぴりシャイだからだよ、きっと」ナデナデ

さやか「マミさんもふわふわでナイス    なんだけど、何故かいやらしい事してるような気分になっちゃうし」

さやか「ほむらは抱きつきなんてしたら即殺されそうだし、仁美はたまにノリが良すぎて怖くなっちゃう」

まどか「仁美ちゃんは本当に凄いよね」

さやか「色んな意味でね」

772: 「ちょっと蒸れる」 2013/07/17(水) 00:57:45.58 ID:mUmrBYLOo

さやか「う~ん……やっぱりまどかが一番落ち着くわ」

まどか「えへへ、ほんとに? うれしいな」

さやか「むぎゅー」

まどか「いいこいいこ」


 なでなで


さやか「むはー……しあわせ」

まどか「さやかちゃんったら」クスッ

さやか「杏子じゃこうはならないんだよなぁ」

まどか「ふうん、どうして?」

さやか「確かに落ち着きはするんだけどさ、なーんか軽くあしらわれてるような感じがして」

まどか「あはは、杏子ちゃんらしいね」

さやか「シリアスな時はすげー懐が広い感じになるのに。普段との差はなんなんだろうね」

まどか「杏子ちゃんはちょっぴりシャイだからだよ、きっと」ナデナデ

さやか「マミさんもふわふわでナイス    なんだけど、何故かいやらしい事してるような気分になっちゃうし」

さやか「ほむらは抱きつきなんてしたら即殺されそうだし、仁美はたまにノリが良すぎて怖くなっちゃう」

まどか「仁美ちゃんは本当に凄いよね」

さやか「色んな意味でね」

773: 「ちょっと蒸れる」 2013/07/17(水) 00:58:19.02 ID:mUmrBYLOo

 ぎゅう


さやか「……あれ?」

まどか「どうかした?」

さやか「まどか、制汗剤変えた?」

まどか「ふぇっ!? なんでわかったの!?」

さやか「んへへへー、嫁の事は全て把握しているのだー」モゾモゾ

まどか「さやかちゃんったらもう……あのね、今度はグリーンアップルにしてみたんだ」

さやか「へぇ、思ってたよりすっきりしてていい香りだね」

まどか「でしょ?」

774: 「ちょっと蒸れる」 2013/07/17(水) 00:58:47.13 ID:mUmrBYLOo

さやか「あたしもそろそろ新しいの買おうかなー」

まどか「うんうん、たまには香りが違うのをつけるのも気分が変わっていいと思うよ!」

さやか「何かオススメとかない?」

まどか「オススメかぁ……」

さやか「まどかはりんごでしょ、ほむらは確か桃の香りで、仁美はラベンダーだったかな」

まどか「じゃあシトラス系とかは?」

さやか「定番すぎて飽きてきちゃったんだよねぇ」

まどか「そっか……うーん」

さやか「ま、今度薬局に寄ったときでも見てみるよ」

まどか「やっぱり実際に嗅いでみないとわかりにくいよね」

さやか「だね」



775: 「ちょっと蒸れる」 2013/07/17(水) 00:59:15.52 ID:mUmrBYLOo

さやか「それにしてもまどかは柔らかいなー」

まどか「そうかなぁ? さやかちゃんもいつもふわふわで柔らかいと思うんだけどな」

さやか「あはは、あたしなんかが柔らかくたって意味ないじゃん」

まどか「そんな事ないよっ!!」

さやか「そ、そう?」

まどか「うん。絶対」

さやか「……そっか。ありがと」ギュ

まどか「えへへ」


まどか「ところでさやかちゃん」

さやか「んー?」

まどか「もしかして、また胸成長した?」

さやか「へっ?」

まどか「あれ、気がついてなかった?」

さやか「全然! でも確かにそういわれたらそうかもしれない!!」



776: 「ちょっと蒸れる」 2013/07/17(水) 00:59:45.25 ID:mUmrBYLOo

まどか「ちょっと触ってみてもいい?」

さやか「じゃああたしはまどかのを」

まどか「ん」

さやか「…………」

まどか「…………」


 もみもみ


さやか「……」

まどか「……やっぱり前より大きくなってるよ」

さやか「まどかは相変わらずみたいだね」

まどか「うん……」ショボン


 もみもみ もみもみ


さやか「……ねぇ」

まどか「なぁに?」

さやか「あたしら今何やってるんだろうね」

まどか「相互身体測定じゃないかな」

さやか「また新しいジャンルを発掘してしまったのか」

まどか「えへへ、ほむらちゃんに見られたら誤解されそうだね」

さやか「いやあいつじゃなくても誤解すると思う」



おしまい



783: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:35:42.26 ID:n2YpZnKko

さやか「あ」

まどか「どしたのさやかちゃん」

さやか「なんか今すっげーかき氷食べたい気分」

まどか「かき氷?」

さやか「そう、かき氷! ガガガーッと削ってだばーっとシロップかけて、勢いよくザックザック食べて頭がキーンってなるやつ!」

さやか「あれ食べたい」

ほむら「かき氷ねぇ……」

さやか「やっぱシロップはイチゴに練乳かな。でもブルーハワイも捨てがたいんだよなぁ」

さやか「キーンと冷える氷に爽やかなレモンの風味、メロンのあの独特の香り!」

まどか「想像したら私も食べたくなってきちゃったかも」

仁美「でしたらわたくしは宇治抹茶を提案させていただきますわ」

さやか「あ、抹茶味ならあんこも乗ってるやつがいい!」

仁美「でしたら一緒にアイスクリーム等も乗せてみたらいかがでしょう」

さやか「ちょっとやめてよ軽い拷問だよそれ……っつーか今からかき氷パーティーしようよ」

784: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:36:11.81 ID:n2YpZnKko

まどか「うーん、かき氷機うちにあったかな」

さやか「うちにあったやつは錆びてたから捨てちゃったんだよなぁ」

ほむら「私も持って無いわね」

仁美「わたくしも家にあったかどうか……なんでしたら今から買いに行きます?」

さやか「よし行こう!」


 がばっ


まどか「わっ、さやかちゃん急に起き上がらないで!」

さやか「ああごめん脚枕してたんだっけ」

まどか「んもー」

ほむら「……」


785: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:36:40.00 ID:n2YpZnKko

 見滝原デパート


さやか「結構種類あるねー」

仁美「手動式、電動式、キャラ物、ペンギンさん……それにガリガリ君専用機なんていうものもありますわ」

ほむら「思っていたより安いのね」

さやか「ふーむふむふむ、こりゃペンギンさん一択ですな」

まどか「そうだね、私もペンギンさんが一番可愛いと思う」

仁美「これは手動式のようですが大丈夫でしょうか?」

さやか「うん。電動式は高いし、これで十分だよ」

ほむら「だけどこの製品は刃が良くないわ。これはかき氷機に於いて致命的ではないのかしら」

さやか「その辺もだいじょーぶ。修行の成果を見せたげるよ」

ほむら「あなたまさか」

さやか「にひひー」

ほむら「あのね、だから無駄遣いは――」

さやか「ま、これも魔法付与の練習の一環って事で許してよ」

ほむら「はぁ……」



786: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:37:22.17 ID:n2YpZnKko

さやか「さーて本体はペンギンさんに決まったところでシロップはどれにしよっかね」

まどか「私イチゴミルクがいい!」

ほむら「わたしはまどかと同じ物がいいわ」

さやか「んじゃこの赤いのと練乳ね」


 ひょいひょい


さやか「他にはーっと……おっ」

まどか「?」

さやか「ねえねえ、これラムネ味だってさ。こんなのもあるんだね」

まどか「ラムネ味なんてあるんだ! 私ブルーハワイかと思ったよ」

さやか「だよねぇ。青色のかき氷とはラムネですか、ブルーハワイですか!? はい志筑さん!」

仁美「はあ、どちらでもよろしいのではないでしょうか」

さやか「その通り! 皆さんも青色のシロップはブルーハワイ以外考えられない等という男性とは決して付き合わないようにッ」


 バン!


さやか「似てた?」

仁美「ふふ、とてもお上手ですわ」


787: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:38:10.47 ID:n2YpZnKko

さやか「お、ぶどう味あるじゃん。これも1本買っとこ」ヒョイ

仁美「レモン味も置いていますのね」

さやか「んじゃそれも」ヒョイ

まどか「そんなに食べきれるかなぁ……」

さやか「シロップって結構長持ちするからさ、この夏一杯かけて食べていこうかなって思って」

まどか「なるほどー」

ほむら「あらかじめ言っておくけど食べ過ぎておなかを壊さないようにするのよ」

さやか「はいはいわかってますよー」

さやか「っと、抹茶味とアズキ缶も買わなきゃね」

ほむら「……冷えに胃腸薬って効くのかしら」

788: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:38:45.95 ID:n2YpZnKko

さやか「おーし、こんくらい買えば大丈夫でしょ!」


 どっさり


まどか「いっぱい買えてよかったね、さやかちゃん」

さやか「うん! これだけでしばらくは楽しめそう、へへへっ」

仁美「早速家に着いたらいただいてみましょうね」

さやか「うーん、昨日多めに氷作っといてよかったわぁ」

ほむら「あら、あなたはすっかり計画済みだったというわけ?」

さやか「いや別に。アイスコーヒーでも飲もうと思って作ってただけだよ」

ほむら「そういう事」

まどか「この季節になると氷の減る速度がすごいよね」

さやか「そうそう、いくらあっても足りないって感じ」

ほむら「確かにうちも製氷機が追いついていないわね」

さやか「でしょ?」



789: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:39:20.62 ID:n2YpZnKko

 ――帰り道


さやか「……」ガッチャガッチャ

ほむら(ペンギンさんは意外と大きくて持ちにくいわね)


 ミーンミンミンミーン ジーワジーワジーワ

 じりじり じわじわじわ……


さやか「重い! 暑い! 疲れた!」

さやか「っつーかなんでシロップっていちいち瓶に入ってるわけ!? 軽量化しろよ! 時代を見ろよばーかばーか!」

ほむら「八つ当たりはよしなさい、みっともないわよ。大体あなたが後先考えずに買い過ぎるからいけないの」

さやか「ねぇあんた袋片方持ってよ」

ほむら「嫌よ、既にかき氷機本体を持っているもの」

さやか「薄情者ーっ」

ほむら「大体シロップ類を全て持つと言い出したのはあなた自身じゃない。発言に責任くらい持ちなさい」

さやか「ぐぬぬ」

まどか「さやかちゃんほむらちゃん待ってよぉ」

仁美「陽射しが暑くてたまりませんわ」フラフラ

さやか「おそーい、先に行ってるよー!」ガッチャガッチャ

ほむら「まどか、あのバカは放っておいてゆっくり行きましょう」

まどか「ふええ……」

仁美「さやかさーん、先に着きましたらクーラーをかけておいてくださいねー」

さやか「はいよー」ガッチャガッチャ


790: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:39:48.78 ID:n2YpZnKko

ほむら「まどか、缶詰は重くない? 大丈夫?」

まどか「大丈夫だよほむらちゃん、ありがと」

仁美「でもアイスが溶けてしまいそうで心配ですわ」

ほむら「そうね、保冷剤があるとは言っても完璧ではないし……これもさやかに持たせてしまえばよかったわ」チッ

まどか「さやかちゃんってばすごい勢いで歩いて行っちゃったね」

仁美「よほど楽しみなのでしょうね」クス

ほむら「というより、重くてたまらないから早く荷物から開放されたいのだと思うわ」

仁美「あら、それなら言ってくだされば少し分けて持ちますのに」

ほむら「無駄なところで意地を張り過ぎなのよね、あの子は」

まどか「でもそれがいいとこでもあるんだよ?」

ほむら「時と場合によるけどね」

まどか「あはは……」


さやか「へっくしっ!」

さやか「やべ、確か夏風邪はバカがひくんだよな。気をつけなきゃ」ズズ


791: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:40:16.57 ID:n2YpZnKko

…………


 シャリシャリシャリ

 シャリシャリシャリ


さやか「かっきごおり~♪」

まどか「かっきごおり~♪」


 シャリシャリシャリ


仁美「うふふふ、かっきごおり~♪」

ほむら「か、かっきごおりー……」

さやか「もっと大声出して!」

ほむら「ねえ、これって本当に歌わなくちゃいけないものなの?」

さやか「まどかも歌ってるじゃん」

まどか「かっきごおり~♪」

さやか「ほら」

ほむら「うぅ……」

ほむら「か、かっきごおりー! かっきごおりぃー!」

さやか「ごめん冗談」

ほむら「えっ」


まどか「それにしても随分綺麗に削れるねぇ」

さやか「まあね。刃物は任せてよ」ガリガリ


 シャリシャリシャリ


さやか「できた!」


792: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:40:43.01 ID:n2YpZnKko

まどか「最初はどれにしようかなー」

さやか「まどかはどれがいい?」

まどか「私? 私はえっと……やっぱり定番のイチゴミルクがいいかな」

さやか「うっしゃ任せといて!」

まどか「作ってくれるの?」

さやか「愛情込めてつくったげる」

まどか「えへへ、楽しみだな」

仁美「あら羨ましいですわ」

さやか「んじゃ仁美の分もやったげる! 同じのでいい?」

仁美「おねがいします」

ほむら「ついでに私のも頼んでいいかしら」

さやか「はいよっと。イチゴミルク4人前ね」


793: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:41:33.47 ID:n2YpZnKko

さやか「おまたせーい」

まどか「わあー!」

仁美「ふわっふわですのね。まるで淡雪のよう」

さやか「そりゃもうふわっふわだよ、さやかちゃん謹製だからね」

ほむら「複数食べる事を見越して小さめに作ったのね」

さやか「へへーん。頭いいでしょ」

ほむら「そうね、あなたにしてはよく考えた方だと思うわ」

さやか「これって褒められてるのか?」

ほむら「さ、溶ける前に食べましょう」

まどか「いただきまーす!」

仁美「いただきます」


 シャクッ


さやか「……あれ?」

まどか「うーん?」

794: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:42:29.20 ID:n2YpZnKko

さやか「なんかいつものと違う」

仁美「イチゴ風味というよりは、さくらんぼ……?」

さやか「!? まさか――」


 "氷シロップ チェリー"


さやか「やっちまったあああぁぁああ」

ほむら「哀れね」フッ

まどか「わ、わたしはこれも美味しいとおもうけどなぁ。ね仁美ちゃん?」

仁美「ええ、これはこれでいけますわね!」シャクシャク

さやか「赤い、確かに赤いよ……だけどこんなのってないよ、あんまりだよ……」

ほむら「浅い経験の上に胡坐をかいて油断した結果がこれよ。注意に注意を重ねてもミスというのは発生するものなのよ、いい教訓になったわね」

さやか「どんだけ辛辣なのさ」

ほむら「事実を言ったまでよ。まあかき氷自体の味はいいからそこは安心していいわ」

さやか「泣きそう」

仁美「ドンマイですわ」


795: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:43:01.90 ID:n2YpZnKko

さやか「確かにこれも美味しいけどさぁ」

まどか「えっと、その、むしろなんで今まで誰も広めなかったんだろうってくらい美味しいと思うよ?」

さやか「ありがとうまどか。慰めはいらない、イチゴシロップをくれ……」

仁美「さやかさんさやかさん」

さやか「なに?」

仁美「チェリーみるくのお味はいかが?」

さやか「ちょっとしょっぱい」グスン

仁美「じゃなくって」

さやか「それ以外って……後悔の味とか? つーか嫌味?」

仁美「それでもなくって! ああもう、なんだかもう話を振ったこちらが恥ずかしくなってきましたわ、忘れてくださいまし」カァァ

さやか「恥ずかしいってなんで――あっ」

仁美「いやん」

さやか「ちょっ、ひと、仁美!? あんたばかぁ!?」

仁美「な、何のことでしょうか!」

さやか「しらばっくれるんじゃないわよこのむっつりすけべ!」

仁美「言ってくれますわねこのオープンすけべ!」



796: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:43:29.02 ID:n2YpZnKko

さやか「じゃああんたちょっと口開けてみてよ、今からあたしのチェリーみるくをぶちこんでやるわ」

仁美「望むところですわ」

さやか「はいあーん」

仁美「あむ」

さやか「どうだうまいか!」

仁美「さやかさんの手作りの愛情を胸いっぱいに感じますわ!」

さやか「そおか! もう一口くえ!」

さやか(うぁ声裏返った)

仁美「あーん」

仁美(まずい、口を大きく開けすぎてしまいましたわ)


 ぱく


797: 「かき氷」 2013/07/29(月) 02:43:54.58 ID:n2YpZnKko

さやか「いい食いつきっぷりだ!」

仁美「ああ、美味しい、美味しいですわ! さやかさんのチェリーみるく!」

さやか「よーしいい子だ、ご褒美にもう一口くれてやろう!」

仁美「どうかこれ以上はご勘弁を! わたくしの頭がキーンとなってしまいますの!」

さやか「ひゃはははは、もっと、もっとだ!」

仁美「あーれー」

さやか「……」

仁美「……」

さやか「ねぇ、あたし達なにやってんだろうね」

仁美「わたくしもさっぱり」

さやか「もうだめだ暑さで脳みそ完全溶けてるわ」

仁美「うぅ……///」


ほむら「この二人はバカなのかしら」

まどか「徐行運転だったのに急発進しすぎてブレーキが利かなかったんだね」

ほむら「もう止める気力も起きないくらい暴走してるわね」

まどか「面白いからもう少しみてよっか」

ほむら「賛成」



おしまい


803: 「蝉」 2013/08/09(金) 02:29:07.68 ID:nYpEyFNCo

 深夜 さやか宅


さやか「くっそ暑……」

さやか「タオルケットが纏わりついてめんどくさ」

さやか「ちくしょ……早く冬になればいいのに」


 ごろん


さやか「……」

さやか「…………」

さやか「……喉渇いた」


 ごそごそ むくり


さやか「麦茶、まだあったかな」


 ガチャ

804: 「蝉」 2013/08/09(金) 02:29:41.23 ID:nYpEyFNCo

さやか「……」ガチャガチャ

さやか「無い」

さやか「ジュースは太るだろうし」

さやか「……結局水道水かぁ」


 キュ ザァァ

  キュッ


さやか「…………」

さやか「っぷはぁ」

さやか「水道水うめぇー!」

さやか「ただやっぱり冷たさが足りないな……」

さやか「氷足してみるか」カラン

さやか「……」

さやか「うん、なかなか」

さやか「……」

さやか「真夏の深夜、窓辺にて街並みを眺めつつタンブラーを傾ける」

さやか「なんかイケてるじゃん、あたし!」

さやか「にへへ」


805: 「蝉」 2013/08/09(金) 02:30:09.54 ID:nYpEyFNCo

さやか「~~♪ ~♪」

さやか「~♪ ……あれ?」


 <ミーンミン


さやか「蝉鳴いてる」

さやか「とうとうあいつら頭いかれちゃったか」

さやか「ここんとこずっと暑かったもんなぁ……かわいそうに」


 <ミーンミンミーン


さやか「哀愁ですなぁ」


 <ミーンミーン

  <ミーンミンミーン


さやか「……」


 <ミンミンミーン

  <ミーン ミィィ……


さやか「ふぁぁ……眠くなってきた」

さやか「そろそろ寝よ」


806: 「蝉」 2013/08/09(金) 02:30:43.55 ID:nYpEyFNCo

さやか「窓閉め――」


 バ チ ン !


さやか「!?」

セミ「ミ゙ミ゙ミ゙ミ゙ミ゙」

さやか「なっ――なんっ!?」

セミ「ミ゙ミ゙ミ゙ミーンミーンミンミーン」

さやか「なにこれ、蝉ぃ!? 網戸にくっついてんの!?」

セミ「ミーンミンミーィィィ」

さやか「つかもう本当びっくりしたぁぁ! 驚かせないでよ全く、なんかと思ったよ!」

セミ「ミーンミ゙ンミ゙ンミ゙ィィン」

さやか「これどうしよ、どう考えても近所迷惑だよな」

セミ「ミーンミンミーン」

さやか「でもこいつらせいぜい1ヶ月しか生きられないんだよな……」

さやか「かといってここで鳴き続けても嫁が見つかるとは思えないし」

さやか「だけどこいつ本人の意思としては精一杯鳴いてみたいだろうし」

さやか「なんか魔法少女になってからあんまり無碍にできなくなっちゃったんだよなぁ、こういうの」

さやか「前なら "うるせぇ!" って網戸叩いて追い払ったりしたんだろうけど」

セミ「ミーンミ゙ーンミ゙ーン」

さやか「はぁ……ま、少しだけならいいか」

さやか「……」

さやか「改めてまじまじと見ると結構きもいな」


807: 「蝉」 2013/08/09(金) 02:31:17.85 ID:nYpEyFNCo

セミ「ミーィィィィ」

セミ「ミ゙ッ!!」

さやか「あっ」


 ブブブブブ


さやか「どっかいっちゃった」

さやか「元気で暮らせよー、しっかり鳴いて嫁探しがんばるんだぞー」

さやか「……暗いけど大丈夫だよね、きっと」

さやか「さーてと、改めて窓閉めて寝るかぁ」

さやか「よっこら――」


 バ チ ン !!


さやか「!?」

セミ「ミ゙ミ゙ミ゙ミ゙ミ゙」

セミ「ミ゙ミ゙ミ゙ミーンミーンミンミーン」

セミ「ミ゙ミ゙ミミミィィィィ」

さやか「うっせぇ!!」ベチン



おしまい


813: 「こんにゃく」 2013/08/20(火) 02:22:35.27 ID:r45A6ioIo

さやか「道端にこんにゃくが落ちてたんだけど」

杏子「どういう事だよオイ」

さやか「誰かが肝試しにでも使おうと思って持ち歩いてたんじゃないの?」

杏子「何も袋から出さなくてもいいじゃんかな」

さやか「ね」


杏子「……んで」

さやか「うん」

杏子「なんでそいつをアタシんとこに持ってきた」

さやか「?」

杏子「いやいやいやいや」

さやか「え、だってこんにゃく」

杏子「流石に食わねぇよ」


杏子「……そんなすげーショック受けたみたいな顔すんのやめろよ」

さやか「これどうしよう……」

杏子「知らねえよ馬鹿、自分で拾ったもんくらい自分でどうにかしろ」


杏子「……だからそんな絶望したみたいな表情はやめろって」

さやか「うん……」

杏子「……」

さやか「……」

杏子「……あー」

杏子「とりあえず、埋めとくか」

さやか「そだね」


 ザクザク さっさっ


  "こんにゃくのお墓"



おしまい


814: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/20(火) 02:23:06.25 ID:r45A6ioIo
「海」 「続・海」

815: 「海」 2013/08/20(火) 02:23:32.76 ID:r45A6ioIo

さやか「うーみー!」

まどか「うみー!」


 ざばーん


まどか「やっぱり見滝原の海は澄んでて綺麗だね」

さやか「みてみて、そこにワカメ落ちてた!」

マミ「あら美味しそう。後でお味噌汁にしましょうね」

杏子「最近は色んなものが落ちてるんだな」

ほむら「そうね。私もたまに物を拾いに来る時があるわ」

杏子「……あんたが拾い物って言うとなんかゾクッと来るから深くは追求しない事にするよ」

ほむら「そう?」

816: 「海」 2013/08/20(火) 02:24:02.27 ID:r45A6ioIo

 ざっ ざっ ざっ


さやか「ひゃははは、砂があっついわぁー!」

まどか「さやかちゃーん、待ってー」

さやか「捕まえてごらーん」

まどか「あはははっ」

ほむら「二人とも、裸足は危ないわ。このビーチサンダルを履いて!」

さやか「うわ、ほむらも追いかけてきた!」

まどか「きゃーっ」

ほむら「待ちなさいったら! もし注射針なんか踏んだら大変な事になるのよ!?」

さやか「逃げろー!」

まどか「さやかちゃん足速いよぉ」

ほむら「ちょっと、はあ、はあ……まどか、さや、か、待ちなさいっ……」


 きゃはははは

 うふふふふ ぜーはーぜーはー


杏子「あいつら元気だなぁ」

マミ「私も参加してこようかしら」

杏子「スポーツドリンクでも持って追いかけるのか?」

マミ「そうね。そろそろ暁美さんも辛そうだし、止めてあげましょう」

杏子「がんばれよー」ヒラヒラ


817: 「海」 2013/08/20(火) 02:24:36.91 ID:r45A6ioIo

マミ「ほら三人とも、そんなに勢い出しすぎたらすぐバテちゃ――」

ほむら「っまどか、捕まえた!」ガシッ

まどか「ひゃあ!?」

さやか「ちょっ」

マミ「!?」ビクッ

マミ(あの一瞬で抱えあげた!)

ほむら「さ、さや、ぜぇはぁ、さやかぁァァ! そこで止まりなさい、今すぐに!」ザッザッザッ

まどか「きゃあぁぁぁぁ!!」

さやか「うわああああああ!!」

さやか(まどかを抱えながらすごい形相で追いかけて――!!)


 ドザザザザ

 がしっ


さやか「ぐはっ!」

ほむら「やっと捕まえた……ほら、これ履いて」ゼーハー

さやか「あたしゃ砂浜の漂着物よりあんたのがよっぽど怖いよ」ハァハァ

まどか(ちょっと楽しかったかも)ドキドキ


マミ「うぅ……」トボトボ

杏子「お、おかえり」

マミ「勢いが凄くて声をかけられなかったわ……」

杏子「マミはよく頑張ったよ」

マミ「あの時の暁美さん、後ろから見ただけでもちょっと怖かった……」

杏子「よしよし」ナデナデ

マミ「ぐすん」



おしまい



818: 「続・海」 2013/08/20(火) 02:25:06.94 ID:r45A6ioIo

 ざばーん

 ざざぁ


杏子「……」


 きゃあきゃあ あははは

 ざばーん ざざぁ


杏子「……お、ヤドカリ」

さやか「きょーこっ」

杏子「ん? あぁさやかか」

さやか「一人でなにしてんの」

杏子「貝拾い」

さやか「か、かい」

杏子「そう、貝。これはヤドカリが入ってるやつ」

さやか「ふーん……泳がないの?」

杏子「……あたしはいいよ、ここで貝拾ってるから」


819: 「続・海」 2013/08/20(火) 02:25:35.05 ID:r45A6ioIo

さやか「そんな、せっかく海来たんだから泳がないともったいないじゃん!」

杏子「いいよ別に」

さやか「何ぶすくれてんのさ」

杏子「ぶすくれてなんかねーし」

さやか「ほーら、こっち来なって。浮かんでるだけでも楽しいよ!」

杏子「おいそんなに引っ張るなっつーの!」


 ざぶざぶ


さやか「へへっ、この辺りは波が穏やかでのんびりしやすいから――あれ?」

杏子「……」

さやか「……あんた若干水面に浮いてない?」

杏子「浮いてない」

さやか「そ、そうだよね……ごめん、変な事きいた」

杏子「おう」


820: 「続・海」 2013/08/20(火) 02:26:03.02 ID:r45A6ioIo

 ざばざば


さやか「でね、もうちょっと沖に行くと結構魚が泳いでたりして面白いんだ」

杏子「ふーん」

さやか「ここはクラゲもあんまりいないし」

杏子「へぇ」

さやか「知る人ぞ知る海水浴場ってゆーか……」

杏子「ほー」

さやか「……」

杏子「……」

さやか「あんたそんなに身長高かったっけ」

杏子「成長期だからな」

さやか「いやその言い訳は苦しい」


821: 「続・海」 2013/08/20(火) 02:26:34.49 ID:r45A6ioIo

さやか「水、苦手?」

杏子「別に」

さやか「そっか。あの、あたしでよかったら教えてあげるけど」

杏子「……うん。でも海じゃなくて川とかのもっと浅い所がいい」

さやか「……じゃ、今日は貝拾いに戻ろっか」

杏子「砂浜で城造りでもいいぜ」

さやか「それじゃあさっき集めた貝を飾りにして砂遊びでもしようね」

杏子「そうだな、それがいい……」

さやか「……」

杏子「……水面に立つ方法、後で教えてやるよ」

さやか「うん。どうやったらそんな奇跡が起こせるのか、あたしもちょっと興味があるかな」



おしまい


823: 「英語」 2013/08/27(火) 02:19:36.77 ID:s+CHyuiLo

まどか「仁美ちゃーん! おはよ!」

仁美「おはようございます、まどかさん。それにさやかさんとほむらさんも」

さやか「うっす、久しぶり! 元気にしてた?」

仁美「ええ、少しばかり時差ボケはありますがもうへっちゃらですわ」

ほむら「時差ボケ? ということは、どこか海外へでも行っていたの?」

仁美「それが、父に無理やりロンドンへ連れて行かされまして……」

まどか「ほえー、ロンドン! いいなぁ、かっこいいなぁ」

さやか「ロンドンってどこだっけ」

ほむら「イギリスよ」

824: 「英語」 2013/08/27(火) 02:20:18.06 ID:s+CHyuiLo

さやか「ほほう! って事はさ、もしかしてお土産とかないの?」

仁美「それは放課後のお楽しみにしておいてください。とはいっても大した物ではありませんが……」

まどか「わあ楽しみ!」

さやか「ねね、ロンドンって何か美味しいものあった? なんか紅茶が有名なんでしょ?」

仁美「お料理はあまり印象には残りませんでしたが、確かに紅茶はすばらしい物ばかりでしたわ」

仁美「ただ、それに合わせるお菓子が少々残念な面もありましたが……それを差し引いても十分楽しめたかと」

ほむら「なるほど」

さやか「いいなーイギリス、あたしも行ってみたいなー。んで現地で壮大なラブロマンスー、とかどうよ!」

ほむら「高望みはしないほうが良いわ。だってあなた全然英語話せないじゃない」

さやか「うっ」

仁美「ふふ、確かに英語しか通じなくて困る場面も多くありましたね」

まどか「英語かぁー……私も自信ないな」


さやか「そういや皆、英語の課題図書って読んだ?」

まどか「えっ?」


 ざわっ

825: 「英語」 2013/08/27(火) 02:20:50.75 ID:s+CHyuiLo

ほむら「……質問の意図を測りかねるわ」

さやか「いや、あれってインターネットで検索して適当に感想文書くだけの課題じゃなかっ……あれぇっ!?」

ほむら「美樹さやか、あなたはどこまで愚かなの!」

さやか「ひえええ」

仁美「さやかさん、流石にそれは反則かと……」

まどか「そこまで苦手なら言ってくれれば一緒にやったのに」

さやか「だって、あんな長いの読む気すら起きないってゆーか、うぅ……意外と皆ちゃんとしてんだ……」

ほむら「まあ、どうせ早乙女先生には一発でバレるでしょうけど」

仁美「今日提出したとして週末までには確実にお説教があるでしょうね」

さやか「勘弁してくれよぉ」

ほむら「自業自得よ」



おしまい

829: 「鈴」 2013/08/29(木) 01:52:50.74 ID:qGuppPalo

 りん りん りん


まどか「あれ、鈴?」

さやか「うん! ほらこれ、髪留めに付いてるやつ」

まどか「へえー、可愛い! すごく似合ってるよ」

さやか「へへ、ありがと。色々整理してたら発掘しちゃってさ、もったいないから着けてみた」

さやか「歩くと音がするんだよ」


 りん りん りん


まどか「わ、素敵! なんか楽しくなっちゃうね」

さやか「ねー」

830: 「鈴」 2013/08/29(木) 01:53:16.53 ID:qGuppPalo

 喫茶店


まどか「えーっと……あ、いた!」

さやか「おっすほむら、お待たせ」

ほむら「2分遅刻よ」

さやか「ごめんごめん、ちょっと掃除しだしたら止まらなくなっちゃってさ」


 りん りん りん


ほむら「……何の音?」

さやか「鈴だよ。ほら」

まどか「凄く可愛いよね!」

ほむら「そ、そうね……耳元で鳴り続ける点を除けばとても良い思うわ」


さやか「ねえねえ」

ほむら「何?」

さやか「この髪留めの鈴さあ、桃色だしなんかまどかっぽくて可愛いと思わない?」リンリン

ほむら「……どこで買ったの、それ」

さやか「さあね。忘れちゃった」

ほむら「そう。ならいいわ……」シュン

さやか「欲しい?」

ほむら「……ちょっとだけ」

さやか「へへへ、あーげないっ」リンッ

ほむら「なによそれ」


831: 「鈴」 2013/08/29(木) 01:53:45.21 ID:qGuppPalo

店員「お待たせしました。こちらアイスコーヒーの単品と、ケーキセット二つでございます」

ほむら「ありがとうございます」

さやか「きたきたーっ! いっただっきまーす」

まどか「ほむらちゃんはケーキとか食べないの?」

ほむら「私はコーヒーだけで十分よ」

さやか「そう言っちゃって、本当は食べたいクセにぃ」

ほむら「だってこの後クレープも食べに行くんでしょう?」

さやか「それはそれ、これはこれ! 別腹ってやつよ」

ほむら「太っても知らないわよ」

まどか「ひっ」ビクッ


832: 「鈴」 2013/08/29(木) 01:54:12.53 ID:qGuppPalo

さやか「だいじょーぶ、若いから運動すればすぐ減るって!」

ほむら「さてどうかしらね」

まどか「……さやかちゃん、これ少し食べない?」

さやか「マジで! いいの?」

まどか「う、うん! はいあーん」

さやか「あーん」


 ぱく


さやか「うんまーいっ。幸せー」

まどか「えへへ、よかった。もう一口食べない?」

さやか「食べるー」

まどか「どうぞ!」

さやか「あーんっ」


 ぱくっ


833: 「鈴」 2013/08/29(木) 01:54:40.79 ID:qGuppPalo

さやか「うまうま」

まどか「もう一口どう?」

さやか「なんかあたしばっかり悪いなぁ。こっちのケーキ少し食べる?」

まどか「ううん、大丈夫。クレープの分のお腹もとっておかなきゃって思ったから」

さやか「なるほどね」

まどか「はいあーん」

さやか「あーん」


 ぱく

834: 「鈴」 2013/08/29(木) 01:55:11.04 ID:qGuppPalo

さやか「んひひ、やっぱりまどかに食べさせてもらうケーキは格別だわ」

まどか「喜んでもらえてよかった」テレ

ほむら「……」

まどか「もう一口どう?」

さやか「ごちになります!」

まどか「はいどうぞ」

さやか「わーい」


 ぱくっ


さやか「――あれ?」

ほむら「……」モグモグ

まどか「どしたの?」

さやか「いや何か今うまく食べられなかったみたいで……別に落ちてないし、おかしいなぁ」キョロキョロ

まどか「とりあえず最後にもう一口、どう?」

さやか「う、うん。あーん」


 シュバッ


さやか「あっ!?」

ほむら「……」モグモグ ゴクン


835: 「鈴」 2013/08/29(木) 01:55:45.49 ID:qGuppPalo

さやか「ほむら、あんた今――」

ほむら「何かしら?」

さやか「……いや別に」

まどか「どうしたの?」

さやか「ううん、なんでもない。ご、ごちそうさまでした!」

まどか「こちらこそ!」

ほむら「……」ケプ



おしまい


838: 「騒音」 2013/09/01(日) 01:08:31.39 ID:g+xi/9Fdo

さやか「あれ通行止めだ」

まどか「ほんとだ。何だろ?」

さやか「ちょっと看板見てくるね」

まどか「はーい」


 とてとて


まどか「……あ」

まどか「工事の人となんか話してる」

まどか「……」

まどか「手振ってる。来てって事かな」


 とことこ

839: 「騒音」 2013/09/01(日) 01:09:33.66 ID:g+xi/9Fdo

さやか「これから車道の脇に通路作るから、そこ通っていいってさ」

まどか「はーい。ところでこれって何してるの?」


 ガガガガガ ゴゴゴゴゴ


さやか「水道の工事だってさ」

まどか「え? ごめん聞こえなかった」


 ガガガガガガガ ドドドドド


さやか「あのね、水道管を修理するから、しばらくこうじするんだってさ!」

まどか「ごめん、よくきこえない!」


 ゴガガガガガ


さやか「だーっ! すいどーかん、しゅうりする、こーじ!」

まどか「どかんのこーじ!?」

さやか「ちがう、すいどうかんの、こうじー!」

まどか「すいどー!」

さやか「そう、すいどー!」


 ズガガガガガガ

840: 「騒音」 2013/09/01(日) 01:10:13.45 ID:g+xi/9Fdo

 ドガガガガガ


まどか「けっこう長い距離、やるんだねー!」

さやか「なに言ってるのか、ぜんぜん聞こえない!」

まどか「ながいきょり、工事するんだねー!」

さやか「そうだねー、来週までかかるってー!」

まどか「そうじゃなくって、きょ、りー!」

さやか「きゅうりー!?」


まどか『距離だよ』

さやか『こいつ直接脳内に』



おしまい


841: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/01(日) 01:10:46.49 ID:g+xi/9Fdo
もう一丁

「こんにゃく・続」

842: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:11:13.41 ID:g+xi/9Fdo

杏子「この間こんにゃく埋めただろ」

さやか「埋めたね」

杏子「あれからさ、墓に水をかけ続けた結果なんだけど」

さやか「なにその無意味な行動」

杏子「まあ聞けよ。とにかくさ、水をやったんだよ。干からびないように」

さやか「ふーん。それで?」

杏子「芽が出たから収穫した」

さやか「は?」


843: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:12:26.41 ID:g+xi/9Fdo


杏子「どうにもあのこんにゃくはおでん種だったみたいでな」

さやか「ちょっと待った」

杏子「?」

さやか「色々突っ込みたいところはあるけど、まず芽が出たって」

杏子「そりゃ種に水をやれば芽くらい生えるだろ」

さやか「いやいやいや」

杏子「??」

さやか「まず埋めたのってこんにゃくだよね?」

杏子「ああ」

さやか「こんにゃくって調理された物だよね」

杏子「基本的にはそうだな」

さやか「だったらそれを埋めても芽が出るわけないじゃん!」

杏子「でもおでん種だぜ?」

さやか「いやだからさぁ」


844: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:12:52.28 ID:g+xi/9Fdo

杏子「ちなみに収穫したのがこれな」

さやか「なにこれ」

杏子「あれイトーヨー○ドーのおでん種11種類詰め合わせセットの一部だったみたいでさ」

さやか「はあ」

杏子「紀○じゃなくって残念だったな」

さやか「いやそれは別にどうでもいいんだけど」

杏子「どうでもよかねーだろ!」

さやか「いやこの際どうでもいいよ」


845: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:13:19.30 ID:g+xi/9Fdo

さやか「それで、そのおでんの芽とやらはどうなったのさ」

杏子「だからもう収穫しちゃったんだって。これだよこれ、目の前のパックに入ってるだろ」

さやか「はい?」

杏子「??」

さやか「……まあいいや、写メとか無いの?」

杏子「スケッチならしたぜ!」

さやか「そんなんじゃソースにはならんでしょ!」

杏子「おでんにはソースよりカラシだろ」

さやか「は?」

杏子「うん?」


846: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:13:48.15 ID:g+xi/9Fdo

さやか「ちょっと待ってて。マミさんに電話して訊いてみるから」

杏子「訊くって何をだよ」

さやか「そりゃおでん種についてに決まってるじゃん!」

杏子「ふーん」

杏子(マミにはとっくに協力要請済みだっての)クックックッ


 プルルル


さやか「――あ、もしもしマミさん? いやあのですね、おでん種って――はい?」

さやか「はい、はい。はあ……」

さやか「あ、はい。わかりました、伝えときます……はい、じゃあまた後で。はーい」

杏子(いひひひっ)


さやか「マミさん、もう鍋とかの用意して待ってるって……」

杏子「だから言ったろ?」

さやか「なーんかおかしい。タイミング合いすぎじゃない?」

杏子「そりゃマミには芽が出た時点で収穫予定日を教えてたからさ。前から楽しみにしてたって言ってなかった?」

さやか「言ってたけどさぁ、なんか納得行かないっつーか、うーん……」

杏子「怪しいもなにもないってのに」

さやか「……まどかにも訊いてみる」

杏子「はいはい、好きにしな」

847: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:14:28.61 ID:g+xi/9Fdo

 プルルル


さやか「――もしもし、まどか? あのさ、急で悪いんだけどおでん種って埋めるとどうなるの?」

さやか「えっ? ……はあ」

さやか「へぇそうなんだ、知らなかったわ……ああ、なんか杏子が育てたみたいでさ」

さやか「え、まどかんちも? へぇ!」

さやか「ああうん、わかった。じゃあマミさんちで待ってるから」

さやか「うん、また後で。はいはーい」

杏子(もちろんまどかも押さえ済みだ)


さやか「まどかんちでも時々育ててるんだって言ってた……」

杏子「へえ、あいつもやってんのか」

さやか「だけどあたしあの家でそういう怪しい植物見たこと無いんだけど」

杏子「おでんの芽は成長が早いからな。たまたま収穫後だったんだろ」

さやか「うむむむ」


848: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:14:57.99 ID:g+xi/9Fdo

さやか「ちょっとダメ押しでほむらにも訊いてみる」

杏子「はいよ」


 プルルル プルルル


さやか「……あー、もしもしほむら? 質問があるんだけどさ、あんた生物って得意だっけ」

さやか「へ? ……ああうん、うん……それでさ、おでん種なんだけど――はぁ、なるほど」

さやか「つまりおでん種は生物じゃなくて家庭科の分野だと」

さやか「世の中にはそういうのを知るための育成ゲームもあるのか。……なるほど、へえ」

さやか「じゃあもしかして柿の種とかも――ふーん、そうなんだ! 全然知らなかったわ」

杏子(まどかと一緒におでんパーティーだって言ったらすぐに了承してくれたぜ)


さやか「ふんふん、それでつまりそういうわけなわけね、ははあー。勉強になったわ!」

さやか「うん、うん……わざわざ詳しくサンキュ! ――ちょっとそんな気味悪がんないでよ失礼な」

さやか「はいはい、んじゃマミさんちで6時過ぎに。ん、また後で」


 ピッ


杏子「あいつはなんだって?」

さやか「おでん種とかの生態は高校で習う範囲なんだって教えてくれた」

杏子「へえ」


849: 「こんにゃく・続」 2013/09/01(日) 01:15:24.36 ID:g+xi/9Fdo

さやか「……あのさ」

杏子「なに?」

さやか「疑ってごめん。あたしが無知だったみたい」

杏子「は!? 何がどうなっていやがる……さやかが自分から謝るなんて」

さやか「ちょっとほむらといいあんたといいさっきから失礼過ぎない?」

杏子「そうは言ってもだな――いやしかしこいつは――へぇぇ、さやかも素直になったもんだなぁ!」

さやか「あたしだって成長くらいするよ!」

杏子「マジかよ知らなかったわ」

さやか「ふざけんな」

杏子「いやまあ……そうだな、とりあえずマミんち行くか」

さやか「ん!」



おしまい

852: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/05(木) 00:47:59.86 ID:0Sm0o5Yzo
コメントありがとうございます!二次元に行く方法ねぇかなぁ、傍から見てるだけでいいんだ……
ちょっとずつですが、じわじわと進みます。

「缶詰め」

853: 「缶詰め」 2013/09/05(木) 00:48:35.50 ID:0Sm0o5Yzo

さやか(物置の整理をしていたらとんでもないものを見つけてしまった)

さやか「鯖の水煮缶。賞味期限、1993年5月迄」

さやか(どうしようこれ)


さやか「……」ツンツン

さやか「……」コンコン

さやか(なんか微妙に膨らんでる?)

さやか「……」


 ちゃぱちゃぱ


さやか「振ると水音がするとかこれマジやばいんじゃね」


854: 「缶詰め」 2013/09/05(木) 00:49:04.12 ID:0Sm0o5Yzo

さやか「急に爆発とかしそうでやだなぁ」

さやか「ありえなくはないよな、この膨らみ具合だし」

さやか「つまり普通にゴミに出すのも危ない、かもしれない……?」

さやか「……ゴミが破裂して1名軽症とかなったらどうしよう」

さやか「……」

さやか「あそーだ」

さやか(今度魔女の結界に放置してこよっと)



おしまい


855: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/05(木) 00:49:38.35 ID:0Sm0o5Yzo
もうひとつ

「髪型」

856: 「髪型」 2013/09/05(木) 00:50:07.59 ID:0Sm0o5Yzo

まどか「あれ、さやかちゃんもしかして髪切った?」

さやか「お、目の付け所がいいねぇ! 昨日美容院行って切ってもらっちゃった」

まどか「やっぱり! さっぱりしててとっても似合うと思うよ」

さやか「へへ、ありがと」

ほむら「本当に切ったの? 全然見分けがつかないんだけど」

さやか「ほむらもまだまだだねー」

ほむら「仁美、あなたはわかる?」

仁美「恥ずかしながら全く……毎回まどかさんに言われてから気がつくんです」

さやか「二人とも普段どこ見てんだよー」

ほむら「生憎そんなに髪の毛ばっかり凝視してられないのよ」

仁美「あ、わかりました! 今回は前髪の左側辺りを短くされましたのね」

さやか「ぶっぶー、はずれー」

仁美「あらま」


857: 「髪型」 2013/09/05(木) 00:50:43.44 ID:0Sm0o5Yzo

さやか「結構短くしたんだけど、わっかんないかなぁ」

ほむら「切ったこと自体気づかないのにわかる訳ないでしょう」

まどか「私わかるよ、後ろ髪でしょ?」

さやか「アタリ! さすがあたしの嫁は冴えてるわー」

まどか「えへへっ」

仁美「後ろ髪ですか……言われてみると確かに心なしか短くなっているような、なってない、ような……?」

ほむら「流されてはダメよ、少なくとも一般人には誤差レベルの差異なのは間違いないわ」

さやか「ちょっとちょっと、ショートヘアーを維持するのは意外と大変なのだよ君達」

ほむら「知らないわよそんなの」

さやか「それになんといってもこの斜めカット! 伸びてくるとなんか見分けつかなくなっちゃうんだよね」

ほむら「ふうん」

さやか「無感動だなぁ……あとさ、髪の毛長くなってくると動きにくいしなんか首筋が蒸れる気がして」

まどか「あ、それわかる! 私もいつも二つに結ってるから急に下ろすとちょっと暑いんだよね」

仁美「なるほど、それは確かに経験がありますわ」

ほむら「そういえば、私も髪を下ろしたての頃は気になって仕方がなかったわね……」

858: 「髪型」 2013/09/05(木) 00:51:10.39 ID:0Sm0o5Yzo

さやか「あんたも髪の毛あげてた時期があるんだ?」

ほむら「ええ、昔は三つ編みにしていたの」

まどか「へぇぇ! みて見たいな、ほむらちゃんの三つ編み姿」

ほむら「そんなに良い物じゃないわ。ただ邪魔だったから編んでいただけだもの……」

さやか「写真とかないの?」

ほむら「実家にはあるでしょうけど、私の部屋には一枚もないわね」

まどか「そっかぁ……」


 しょぼん


ほむら「……まどかが言うなら、今度三つ編みにしてきてもいいわよ」

まどか「ほんとっ?」パァ

ほむら「ええ。久しぶりだから上手くできる自信はないけれど」

まどか「わぁ、約束だよ? 明日の朝楽しみにしてるからね!」

ほむら「わかったわ」



おしまい

863: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/09(月) 03:15:56.74 ID:U5hOAT5Po

「秋」

864: 「秋」 2013/09/09(月) 03:16:26.37 ID:U5hOAT5Po

 教室


 わいわい がやがや

 ざわざわ


さやか「なんかさぁ、最近ちょっとずつ涼しくなってきてない?」

まどか「だんだん秋っぽくなってきたって感じだね」

さやか「今年は何の秋にしようかねー」

仁美「食欲の秋は基本ですわよね」

さやか「そりゃモチロンよ!」

ほむら「あと何があったかしら……」

まどか「読書の秋!」

さやか「えー、それあたしヤダ」

まどか「ダメ?」

865: 「秋」 2013/09/09(月) 03:16:58.81 ID:U5hOAT5Po

さやか「本読んでるとさ、眠くなるんだよね……」

まどか「じゃあ同時に音楽の秋も開催して、BGM聞きながら読むとか」

さやか「ますます安眠できそうなんだけど」

まどか「そうかなぁ」

ほむら「あなたってどんな本を読んでいても気がつくと寝ているんじゃない」

仁美「この間なんてわたくしのノートを写しながら寝ていましたのよ。おかげでちょっとページがよれてしまいましたの」

ほむら「本ですらないじゃない、災難だったわね」

仁美「全くですの」

さやか「うう……まどかぁ二人がいじめるー!」

まどか「よしよし、いいこいいこ」


866: 「秋」 2013/09/09(月) 03:17:30.85 ID:U5hOAT5Po

さやか「どうせあたしは年中睡眠の秋だい」グスン

仁美「寝る子は育つ、ですわね」

さやか「そう、それ! あたし今成長期だから!」

ほむら「そう言っていられる内が華よ」

さやか「へ?」

ほむら「食欲の秋と睡眠の秋。同時開催したら一体どうなってしまうのかしらね」

さやか「うぎゃああああ!」

仁美「ふふっ」

まどか「なんにせよ、とりあえず色々と開催してみようね」

さやか「うん……ああ運動の秋も予定に入れといて」

ほむら「私は運動はちょっと遠慮したいのだけど」

さやか「出たインドア派!」

ほむら「何よ」

さやか「せっかく外が涼しいんだからさ、おもて出ようよ!」

ほむら「嫌よ、暑いときは "せっかく夏なんだから外に出よう" とか言ってたじゃない」

さやか「それはそれ、これはこれよ」


867: 「秋」 2013/09/09(月) 03:18:07.85 ID:U5hOAT5Po

ほむら「はあ……」

さやか「本格的に秋になっちゃったら雨ばっかで外遊びなんてあんまできないんだからさ、今のうちに遊んどかないと!」

ほむら「それは……そうだけど」

さやか「よし決定」

ほむら「ちょっと!」

まどか「あはは……」

仁美「でしたら山歩きなんてどうでしょうか」

さやか「それなんかばばくさくない?」

仁美「ならハイキング」

さやか「うん、それならいい!」

まどか「名前しかかわってないよ」

868: 「秋」 2013/09/09(月) 03:19:46.58 ID:U5hOAT5Po

さやか「洋語にするだけで雰囲気とか意気込みとかが変わるっつーか、響き的に若い感じになるしさ」

仁美「せっかくなら紅葉の綺麗な所に行きたいですわ」

ほむら「紅葉……」

さやか「おー、興味ある?」

ほむら「ちょっとだけ」

まどか「ならさ、見滝原山なんてどうかな!」

さやか「あそこってなんかあったっけ」

まどか「……木とか?」

さやか「それしかないじゃん!」

まどか「でもでも、紅葉するととっても素敵なんだよ! 小川も流れてるし、おうちから近いし!」

さやか「そりゃ遠いより近いほうがいいけどさー」

まどか「むー」


869: 「秋」 2013/09/09(月) 03:20:19.58 ID:U5hOAT5Po

ほむら「私はどこでもいいわよ」

さやか「それが一番悩むんだよ!」

ほむら「ふむ」

まどか「私は良いと思うんだけどな、見滝原山……」

ほむら「ならさやかは放っておいて3人で行ってきましょ」

仁美「ああ、それもいいですわね」

さやか「うおーい!?」

ほむら「冗談よ。いいじゃない見滝原山、近いところから歩き慣れしていった方が良いだろうし」

さやか「それもそっか……じゃああの山でいいよ」

まどか「うん!」

仁美「お弁当作って遊びに行きましょうね」

まどか「私も一緒に作ってもいい?」

仁美「ええ、もちろんですわ」



おしまい

870: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/09(月) 03:20:50.37 ID:U5hOAT5Po
続けて、

「蚊」

871: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:21:21.39 ID:U5hOAT5Po

さやか「――――!!」


 瞬間、身体に稲妻走る。


さやか(――痒い!)

さやか(どことは言えないような、内腿の付け根が――痒い――!)


まどか「どしたのさやかちゃん」

さやか「な、なんでもないよ! あははは」

さやか(やべえええええ)

さやか(これは言えない、恥ずかしいし絶対笑われる!)

872: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:21:48.56 ID:U5hOAT5Po

さやか(この場所はちょっとおいそれと掻けないな……掻いたら色々とアウトな予感がする……)

さやか「ううぅぅぅ」

さやか(痒い!!!)


 もじもじ


まどか「本当に大丈夫? お腹痛いの?」

さやか「ううん、お腹は大丈夫……お腹は……」

さやか(むしろ尻が……)

まどか「さやかちゃん、汗が凄いよ……ねえ、我慢しないで保健室行こう?」

さやか「だ、だいじょーぶだって! 本当に心配しないでいいから」

まどか「ほんとに……?」

さやか「へーきへーき、このとおり!」

まどか「うーん……」

さやか(あああああ!!)

仁美「でも顔色も優れないようですし、一応保健室へ行かれたほうがよろしいかと」

さやか「いや大丈夫だから!」


873: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:22:27.64 ID:U5hOAT5Po

さやか(さりげなく触ってみた限りだと蚊に刺されたみたいな感じになってる)

さやか(どこのどいつだあたしの貴重な血液を吸いやがったばかたれは!!)

さやか(いや吸ってもいいけど痒くするのはマジでやめて)

さやか(嫌がらせかってんだよどういう進化してきたんだってのマジで)


 ……ィィ……ン


ほむら「あっ」

まどか「?」


 パチン!


ほむら「殺ったわ」

まどか「すごーい!」パチパチ



874: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:22:59.80 ID:U5hOAT5Po

仁美「既に誰かの血を吸った後みたいですわね」

ほむら「私は吸われてないけど……まどかは?」

まどか「私は刺されてないよ」

仁美「わたくしも今のところ痒いところはございませんわ」

まどか「さやかちゃんは?」

さやか「……」

仁美「さやかさん?」

さやか(こりゃダメだ)

さやか(我慢……できない……!)

875: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:23:30.00 ID:U5hOAT5Po

まどか「さやかちゃん……?」

さやか「……し」


 もじもじ


まどか「し?」

さやか「尻……ってゆーか、腿?のかなり際どいとこ刺された。今めっちゃ痒い」

仁美「腿ですか?」

さやか「ここらへん。指でさすのも気がひけるんだけど」

まどか「ぶっ」

ほむら「み、美樹さやか……哀れね……」プルプル

さやか「ほらやっぱりそうやって笑うー!」

仁美「いやでもその位置は……色々と……」プルプル

さやか「あたしだって好き好んで刺されたわけじゃねーんだよ!」

さやか「痒いけど掻けないし! 掻いたら痴女認定されかねないし!!」

ほむら「そ、そこは確かに……ちょっとね」

さやか「うわーん!」


876: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:24:04.03 ID:U5hOAT5Po

さやか「保健室行ったからってなんとかなるわけじゃないし、どうすりゃいいってんだよ!」

まどか「でも保健室にはムヒとかあると思うよ」

さやか「先生にムヒ塗ってもらうっての? いやだよこんな場所」

仁美「保健室……お尻……先生、ムヒ……っ!!」プルプル

さやか「ほらやっぱりエロ本みたいな展開想像する!!」

仁美「"恥ずかしがらないで患部を出して。すぐにムヒをたっぷり塗りこんであげるわ……" なんて! なんて!」

さやか「やめてよ!」

ほむら「先生が女性でよかったわね」

さやか「全然よくない!」

まどか「じゃあ私が代わりに」

仁美「」ガタッ

さやか「落ち着け」


877: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:24:38.21 ID:U5hOAT5Po

さやか「痒い、かゆい! ばーかばーか!」


 バシバシ


ほむら「急に尻をたたき出すなんてとうとう気でも狂ったの」

さやか「なんとか治めようと必至なんだよ! 理解しろよ!」

仁美「もしかしてそちらの気があったのかと」

さやか「微塵もねぇよ!」

まどか「っ!! さ、さやかちゃん」

さやか「今度は何!」

まどか「あの、クラスの皆が……男子も聞いてたみたいで……その……」

さやか「!?」


 ヒソヒソ

  尻……? いや腿だそうだ……

 蚊に刺されたとか言ってたよ……

  すげぇなオイ……


さやか「あああああああああああ」

ほむら「ご愁傷様」



878: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:25:19.40 ID:U5hOAT5Po

さやか(今この瞬間、あたしは死んだ。社会的に死んだのだ)

さやか(いやもしかしたら直ぐに魔女を産み本当の意味での死を遂げるのかもしれないが)

さやか(とにかく、あたしは死んだのだ。南無)


 チーン


まどか「さやかちゃん……」

ほむら「仕方ないわね」ゴソゴソ

仁美「?」

ほむら「はい、ミニムヒ。トイレにでも行って自分で塗ってきなさい、効果は保障するわ」

さやか「うおおおお」

ほむら「残りも少ないしボトルごとあげる。思う存分染み込ませなさい」

さやか「ありがとう! ありがとう!!」

ほむら「まあ、痒みは消えても噂は消えないでしょうけど」プルプル

さやか「」


879: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:25:59.74 ID:U5hOAT5Po

さやか「とりあえず塗ってくるわ……」

まどか「大丈夫? 自分で塗れる?」

さやか「微妙だけどがんばる……」

仁美「あの部位ですと、腕を捻ってこんな感じになって……その上でボトルを縦にするとなると筋がおかしくなりそうですわね」

さやか「……うまくできなかったら諦めて掻き毟ってくる……」

ほむら「それだと痒いのが再発するわよ」

さやか「うううぅぅ」

まどか「やっぱり私が」

さやか「いやだけど恥ずかしいし」

仁美「でしたらわたくしがやりましょうか?」

さやか「そういう問題じゃないんだよ!」

ほむら「だったらどういう問題なのよ」

さやか「プライドの問題だよ!!」

880: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:26:41.87 ID:U5hOAT5Po

さやか「あ、やばい……尻の筋肉が攣りそう……」

ほむら「下手なプライドは捨てなさい。じゃないと蚊に刺されが痒すぎて死ぬことになるわよ、あなた」

さやか「そんな死因やだ……」

ほむら「ならさっさと楽になる事ね。冗談で済まなくなるわよ」

仁美「そんなまさか」

ほむら「本気の本気よ」

さやか「……」

さやか「……ごめん、まどか」

まどか「なにかな!」

さやか「ちょっとついて来てもらってもいい?」

まどか「うん、何でもするから言ってね! 私保険係だから!」

881: 「蚊」 2013/09/09(月) 03:27:23.09 ID:U5hOAT5Po

ほむら「行ったわね」

仁美「うふふふふ」

ほむら「さて、断末魔を聞きに行きましょうか」

仁美「うふふっ――? だ、断末魔ですか?」

ほむら「あのムヒ、すっごく良く効くけどすっごく良く滲みるのよ」



 <ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛



 おしまい


886: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:25:44.20 ID:xQfHWazUo

「夜長」

887: 「夜長」 2013/09/18(水) 00:27:36.31 ID:xQfHWazUo

 深夜、まどかの部屋――


まどか「ふぁぁ……」

さやか「お布団最高。もう一生離さない」モフモフ

まどか「やっとクーラー付けないで寝られるようになったね」

さやか「うんうん、快適になってくれて本当助かったわ」

まどか「この間まで暑くて寝られなかったもんねぇ」

さやか「全くだ……ふわぁぁあ」

まどか「眠い?」

さやか「少しだけ。けどまだ寝ない」

まどか「そっか」


さやか「……」

まどか「……」

さやか「……」

まどか「あ」

さやか「?」

まどか「一番上のボタン、外れてるよ」

さやか「え? あ、ホントだ。ありがと」

まどか「どういたしまして」クス


さやか「……」

まどか「……」


さやか「……ねぇまどか」

まどか「ん~……なぁに?」

さやか「ちょっと耳貸して?」

まどか「なになに」


さやか「……あの、その、ええと…………ごほん。あたし、まどかの事大好きだからね」コソッ

まどか「へ?」

さやか「うひゃー!! ああもう、恥ずかしいぃぃぃ!」ゴロンゴロン

まどか「え? ……えっ!?」

さやか「あ、ああもちろん友達としてって意味だからね!?」

まどか「え、あ、うん、それはもちろんわかるよ。さやかちゃんは上条君一筋だもんね?」

さやか「う、うん……それはそうだけど……ってゆーかそれ今関係ないし!」

まどか「ふふふっ」


888: 「夜長」 2013/09/18(水) 00:29:01.96 ID:xQfHWazUo

さやか「うぅ、眠い勢いと雰囲気だけで言っちゃったけどやっぱやめときゃよかったかな……」

まどか「ううん、言ってもらえて凄くうれしかったよ」

さやか「そ、そう……?」

まどか「うん! えへへへっ」


まどか「だけど急にどうしたの?」

さやか「なんとなく?」

まどか「なんとなくかぁ」

さやか「こうしてまどかの事じっと見てたらさ、なんか言いたくなっちゃって」

まどか「そっか」

さやか「だからといって特になにって訳じゃないけど、なんとなく今伝えておかなきゃって感じたからさ。ホラあたしってば直感に正直じゃん?」

まどか「さやかちゃんは正面衝突まっしぐらだもんね」

さやか「言ったなこのやろー」

まどか「きゃははは」

さやか「えいっえいっ」ツンツン

まどか「あはは……」

まどか「……――」

さやか「どしたのまどか」

まどか「……さやかちゃん、ちょっと耳かして?」


889: 「夜長」 2013/09/18(水) 00:29:41.34 ID:xQfHWazUo

さやか「んー?」

まどか「私もさやかちゃんの事、大好きだよ」

さやか「ん、ありがと」

まどか「だからね」

さやか「うん?」

まどか「……また急にいなくなったりなんて、絶対にしないでね」

さやか「あはは、当ったり前よ」

まどか「私も、仁美ちゃんも、ほむらちゃんも、マミさんも、杏子ちゃんも、クラスのみんなだって……さやかちゃんの事、大好きなんだから」

さやか「マジで?」

まどか「マジだよー」

さやか「そうかぁ、マジかぁ……」

まどか「……」

さやか「……」

まどか「……ふふふっ」

さやか「あはははっ、あーあ、愛されちゃってますねぇあたし!」

まどか「愛されちゃってますよー、えへへ」

さやか「しかし改めて言われるとなんかこう……滅茶苦茶照れるね」

まどか「でしょ? おかえしだよっ」クス

さやか「うー、いじわる」

まどか「えへへ」

さやか「はー顔が熱いわ」

まどか「……」


890: 「夜長」 2013/09/18(水) 00:30:23.50 ID:xQfHWazUo

まどか「……ね、さやかちゃん」

さやか「ん?」

まどか「もうちょっとそっち行っていい?」

さやか「んー」

まどか「わーい」


 もぞもぞ

 ぎゅ


さやか「……外、風凄いね」

まどか「嵐かな。ちょっと怖い……」

さやか「大丈夫だよ、あたしがついてるじゃん」

まどか「えへへ、そうだね」

さやか「いざとなったらあたしが守ってあげるから」

さやか「だから、まどかは安心してて」

まどか「……うん」コク

さやか「それにさ、万が一何かあってもまどかが呼べばほむらの奴が超特急で駆けつけてくるだろうしね」

まどか「あはは、ほむらちゃんだったらありえそう」

さやか「でしょ?」



891: 「夜長」 2013/09/18(水) 00:31:08.22 ID:xQfHWazUo

さやか「……だんだん風収まってきたみたいだね」

まどか「よかったぁ」

さやか「ふわぁぁ……もう11時か」

まどか「明日は学校から帰ってきたら庭を掃除しなくちゃ」

さやか「庭持ちは大変ですなあ……ふあぁぁああ」

まどか「眠い?」

さやか「少し……」ゴシゴシ

まどか「そろそろ寝よっか」

さやか「やだ、あたしまだ話したい」

まどか「だめだよ、しっかり寝なくちゃ大きくなれないよ?」

さやか「やーだー、まだ寝ないのー」ジタバタ

まどか「もうさやかちゃんったら……仕方ないなぁ、子守唄歌ってあげるからちゃんと寝るんだよ?」

さやか「えー」



892: 「夜長」 2013/09/18(水) 00:32:13.84 ID:xQfHWazUo

まどか「まだ弟以外には歌った事ないんだから。さやかちゃんだけ特別だよ」

さやか「期待してる」

まどか「それじゃあ……、~~♪」

まどか「ねーんねーん、こーろりーよー♪」

まどか「おころーりよー♪」


 とん とん


まどか「~~♪」

さやか(歌と合わせて、あたしと重ねた手をやさしくポンポンと叩いて)

まどか「ぼうやはいいこだー♪」

さやか(それに相まって絶妙な音程のまどかの歌が……頭に……響いて……)


 とん とん


まどか「ねんねしなー♪」

まどか「~~♪ ~~~……♪」

さやか(ねむく――)

さやか「ふわぁぁ……」


 うとうと


893: 「夜長」 2013/09/18(水) 00:32:53.55 ID:xQfHWazUo

まどか(うん、よく効いたみたいだね)

さやか「……んぁ……」ウトウト

さやか(だめだ、まぶたが勝手に――)

まどか「おやすみなさい、さやかちゃん」

さやか「おやすみ、まどか……また、明、日…………すぅ、すぅ……」


まどか「……さやかちゃんったらすごくいい笑顔で寝ちゃって」

まどか「あ、よだれ垂れてる」クス

まどか「……」


 じー


まどか「ん」

まどか「そろそろ私も寝ようかな」

まどか「また明日も良い日になりますように」

まどか「おやすみなさい」ギュ



おしまい


894: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/26(木) 02:44:34.16 ID:tybjqtT6o

「トリートメント」

895: 「トリートメント」 2013/09/26(木) 02:45:20.10 ID:tybjqtT6o

さやか「ぎゃあああ!」

さやか「しゃ、 シャンプーが目に」

杏子「バカだなー、ほらシャワー」

さやか「いててて……サンキュ」

杏子「おう」

さやか「……あれ?」

杏子「どうした?」

さやか「あんたいつの間にいたの」

杏子「アンタが頭を洗い出した直後くらい?」

さやか「え、全然気付かなかった」

杏子「そんなんじゃいつ寝首かかれっかわかんねーぞ?」

さやか「いやそんな予定ないから」

杏子「ま、アタシにゃ関係ないからいいんだけどさ」

896: 「トリートメント」 2013/09/26(木) 02:45:58.84 ID:tybjqtT6o

 かぽーん


杏子「あったけぇー……癒されるわぁ」

さやか「あんたんちお湯出ないもんね」

杏子「そろそろ対策しないといけないかもしれないな」

さやか「そうなるとやっぱ焚き火とかすんの?」

杏子「そこなんだよ、どうすっかなー」ハァ

さやか「あんたさえよけりゃ毎日うち来て入ってってもいいんだけどさ、ちょっと遠いでしょ?」

杏子「いや遠くはねえんだけどめんどくせえ」

さやか「そっちか」

杏子「んー……」

さやか「……」


 かぽーん


杏子「……あのさ」

さやか「ん?」

杏子「前々から気になってたんだけどさ、なんでさやかの家の風呂ってカポーンって音がすんの?」

さやか「しらない。つーかあたしもそれ疑問に思ってた」

杏子「探ってみる?」

さやか「めんどくさいからいいや」

杏子「それもそーか」

さやか「ん」


897: 「トリートメント」 2013/09/26(木) 02:46:25.75 ID:tybjqtT6o

杏子「そろそろ頭洗うかな」

さやか「よーし、それじゃあ久しぶりにさやかちゃんが洗ってしんぜよう」

杏子「いいよ自分でやるからさ」

さやか「遠慮しないでいいって。さ、座って座って」

杏子「いやホントに、アンタに頼むとトリートメントまでされるしめんどくせえし」

さやか「えー、髪の毛くらいちゃんと手入れしなさいよ」

杏子「まだ若いから大丈夫なんだよ」

さやか「若い内から手入れしないとってまどかのママさんも言ってたよ?」

杏子「そんな髪の毛バサバサになるまで長生きできると思う?」

さやか「あー……」

杏子「だろ?」

さやか「いやいや、だからってその理屈は通らん!」

杏子「なんだよ」

さやか「あたしゃアンタの孫の顔を見るまで死なないってまどかと約束したんだ!」

杏子「他人の事勝手に巻き込んでんじゃねーよ!?」


898: 「トリートメント」 2013/09/26(木) 02:47:13.03 ID:tybjqtT6o

さやか「~~♪」

杏子(結局洗われてるし……はーあ、めんどくせ)


 わしゃわしゃ


さやか「はい目ぇつぶってー」

杏子「ん」


 ざばー


さやか「おーし次」

杏子「もういいだろ?」

さやか「まだダメ! トリートメント塗ったら3分は放置しないと」

杏子「めんどくせええええ」

さやか「女の子は大変だんだよ?」

杏子「……鳥肌立った」ブルッ

さやか「ひでーやつだな」


899: 「トリートメント」 2013/09/26(木) 02:47:44.88 ID:tybjqtT6o

杏子「もういーい?」

さやか「まだだよ」

杏子「なあ」

さやか「まだ」

杏子「……」

さやか「……」

杏子「……」

さやか「よしっ」

杏子「!」

さやか「流すよー、目閉じて」


 ざばー


杏子「ぷはぁー!」

さやか「うん、よく我慢できました」

杏子「全く酷い目にあったわ」

さやか「頭洗われるのそんなに嫌?」

杏子「嫌ってワケじゃねーけどさぁ……」

さやか「よし、それじゃあ今度からもう一種類追加ね」

杏子「げっ!?」

さやか「あはは、冗談だよ」

杏子「びびらせんなよ……」


900: 「トリートメント」 2013/09/26(木) 02:48:18.65 ID:tybjqtT6o

さやか「ちなみにこれ、マミさんのオススメのやつ」

杏子「そういやどっかで嗅いだ匂いだと思ったらそれか」

さやか「髪の毛さらさらー、ふわふわーになるんだって!」

杏子「ふーん」

さやか「あははは、すっげー興味なさそう」

杏子「だって割とどうでもいい分類だし」

さやか「そんなんじゃいつまで経ってもモテないぞー?」

杏子「シャンプーの種類以上にどうでもいいわ」

さやか「またまたー」

杏子「うっせ、つつくな」

さやか「つかあんた肌ツヤツヤしてんなー。何使ってるの?」

杏子「魔力」

さやか「ああ、なるほど……」



 おしまい


901: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/26(木) 02:49:44.51 ID:tybjqtT6o
もうひとつ。

「お月見」

902: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:50:13.34 ID:tybjqtT6o

さやか「月、まるいねー」

まどか「まんまるだねー」

マミ「満月なのね」

さやか「風流ですなぁ」

マミ「うちのベランダからこんな素敵な月が見られるとは思わなかったわ」

さやか「しかしまぁ、こう月を見ているとやっぱり欲しくなる物がありますよね?」

マミ「あら何のことかしら」

さやか「んもー、マミさんったらわかってるくせに!」

マミ「うふふ、残念。今日は用意してないのよ」

さやか「えええっ! そんなぁ」

まどか「なになにー?」

さやか「お月見といったらやっぱりお団子っしょ! ちぇー、楽しみにしてたのになー」

マミ「そうそう、お団子の用意はないけど――」


903: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:50:43.51 ID:tybjqtT6o

マミ「じゃーん」

さやか「なんすかそれ」

マミ「白玉粉よ。一緒に作ろうと思って待ってたの」

さやか「あたし白玉って作ったことないや」

マミ「あら、それならちょうどよかったわ。白玉作りってとっても楽しいのよ」

さやか「ふーん……?」

マミ「百聞は一見にしかず、とにかくやってみましょ?」

まどか「はーい!」


904: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:51:44.12 ID:tybjqtT6o

マミ「まずはよく手を洗って」

さやか「洗いました」

マミ「そしたらボウルに粉を入れます」

さやか「全部いっちゃっていいんですか?」

マミ「全部やっちゃっていいわよ」

さやか「はーい」


 ばさー


マミ「そうしたら、分量のお水をちょっとずつ加えながらこねます」

さやか「ふむふむ」

まどか「お水いれまーす」

さやか「ほいきた」


 こねこね


さやか「なんかずっげーツブツブしてるけど大丈夫なのこれ?」

マミ「そのうち馴染んで消えるから平気よ」

さやか「はーい」


 こねこね こねこね


905: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:52:51.88 ID:tybjqtT6o

さやか「あ、なんかまとまってきた感じ!」

まどか「そしたらもうちょっとかな?」

マミ「大体耳たぶの硬さになるまでお水を加えるのよ」

さやか「み、みみたぶ……耳たぶってどれくらい?」

まどか「もうちょっと柔らかめかな?」

さやか「ううむ、わからん」


 こねこね


さやか「まどか、みみたぶ触ってもいい?」

まどか「ん」


 ぷに


さやか「ふーむ……もうちょっとかな」


 こねこね

906: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:53:23.49 ID:tybjqtT6o

さやか「ごめん、もう一回いい?」

まどか「うん」

さやか「ありがと。意外と難しいな」

マミ「……くすっ」

まどか「ほえ?」

マミ「美樹さん、鹿目さんの耳に粉が付いてるわ」

さやか「え? ……あっ! ごめんまどか、あとでちゃんと拭くから!」

まどか「あはは、そんな慌てなくても大丈夫だよ」

マミ「ちょっとじっとしててね」ゴシゴシ

まどか「んー」

さやか「ほんとゴメンね」

まどか「いいんだよさやかちゃん、白玉作りではよくある事だから」

さやか「そ、そうなの……?」

まどか「うん! えへへ」

まどか(ほんとはあんまりないんだけどね)

マミ(あんまりないわよね)


907: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:54:12.56 ID:tybjqtT6o

さやか「できた! どうですこの耳たぶ!」

マミ「とっても上手よ、美樹さん」

さやか「へへー」

マミ「そしたら沸騰したお湯で茹でましょう。熱いから気をつけてね」

さやか「はい!」

マミ「まずは小指の先くらいの大きさの塊をとって」

マミ「こうして手のひらでまんまるに丸めます」

さやか「こ、こう?」コロコロ

マミ「そうそう、上手よ」

マミ「丸くなったら指の先でちょっとだけ真ん中を押しつぶして、お湯に入れます」


 ちゃぽん


マミ「お湯が跳ねるから気をつけてね」

まどか「そーっとだよ」

さやか「ほいほい。こういう作業は慣れてるから大丈夫!」

まどか「へぇ、何作ったの?」

さやか「イワシのつみれ」チャポン

マミ「随分渋いもの作ってるのね」


908: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:54:39.41 ID:tybjqtT6o

さやか「そして茹で上がった物がこちらになります」

まどか「おいしそー!」

さやか「何つけてたべよっかねぇ」

マミ「餡子も黒蜜もあるわよ」

さやか「おおお、さっすがぁ!」

まどか「もしかしてこれ手作りなんですか?」

マミ「ええ、昨夜茹でておいたの」

さやか「すげぇ、餡子手作りしてる人とかあたし初めて見た」

まどか「私もだよ」

909: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:55:50.76 ID:tybjqtT6o


 <ピンポーン


さやか「あ、誰か来た?」

マミ「きっと佐倉さん達ね。ちょっと開けてくるわ」


杏子「よう、待たせたな」

ほむら「頼まれた物、取ってきたわよ」

マミ「いらっしゃい! わざわざありがとう、大変だったでしょう?」

杏子「それほどでもねーよ。それより白玉、白玉!」


910: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:57:05.45 ID:tybjqtT6o

まどか「一袋分作ったのはこういう事だったんですね」

マミ「そ、せっかくなら大勢でお月見した方が楽しいじゃない?」

さやか「それもそうですね」

ほむら「マミ、これはどこに置けばいいの?」

マミ「こっちの花瓶にお願いしてもいいかしら」

ほむら「わかったわ」


 がさごそ


911: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:57:47.39 ID:tybjqtT6o

さやか「おおー!?」

まどか「すごい、ススキだ!」

ほむら「ふふ、立派でしょ? 杏子の家の庭に生えていたススキの一番いい所をとってきたのよ」

杏子「こいつすっげー厳選しやがってさ、それが一番時間食っちまった」

ほむら「あんな雑草だらけのをそのまま使えるわけ無いじゃないの」

マミ「うふふ、お疲れ様。今お茶を淹れるから座ってて」

まどか「私も手伝います!」

さやか「白玉何味で食べよっかなー」

杏子「やっぱまずは餡子からだろ!」

さやか「ひひひ、あんた餡子好きそうな顔してるもんね」

杏子「どういう意味だよそれ」

さやか「なんとなくだよ、なんとなく」

912: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:58:34.69 ID:tybjqtT6o

 ――――


まどか「はぁー……おいしかったぁ」

さやか「あたしおなかいっぱい。しあわせ」

マミ「そういえば、お月見って言いながら全然月を見て無かったわね」

さやか「ああそういわれてみればこれってお月見でしたね」

杏子「んじゃこれから見ればいいじゃん」

さやか「なんて安直な」

913: 「お月見」 2013/09/26(木) 02:59:03.87 ID:tybjqtT6o

まどか「満月にススキに星空に……うん、とっても素敵」

ほむら「そうね……月が綺麗だわ」

まどか「えへへ、いつもより明るくて綺麗だねぇ」

マミ「夜空にぽっかりと浮かんでいるようでとても絵になるわね」

さやか「すっげーまんまるだねー」

杏子「まるいなー」

さやか「まるいねー」

杏子「ああまるいまるい……お茶うめぇー」ズズズ

さやか「やっぱ熱いお茶最高」ズズズ

マミ「あなた達……」

杏子「マミ、おかわりー」

さやか「あ、あたしも!」

マミ「全くもう。今お湯を沸かしてくるからちょっと待っててね」クス



おしまい


921: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/04(金) 01:55:49.75 ID:qfwUnV7Io
滑り込めてない。
乙や感想等々ありがとうございます!

「誕生日」

922: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:56:16.85 ID:qfwUnV7Io

さやか「ハッピバースデー トゥー ユー」

ほむら「ハッピバースデー トゥー ユー」

仁美「ハッピバースデー、ディアまどかさーん」

マミ「ハッピーバースデー トゥー ユー♪」

さやか「ひゅーひゅー、イエーイ!」

杏子「おめでとー!」

まどか「えへへへっ。みんなありがとう!」

ほむら「誕生日おめでとう、まどか」

仁美「おめでとうございます」

マミ「おめでとう!」

まどか「ありがとう、本当に……ありがとう……!」グスッ

さやか「なーに泣いてんのさ。ほら早くろうそく消して」

まどか「泣いてないよぉ」

さやか「はいはい」ナデナデ

まどか「ううぅ」


923: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:56:46.73 ID:qfwUnV7Io

さやか「はやくしないと蝋がケーキに垂れちゃうぞー」

まどか「あっ! そ、そうだよね! それじゃあいきます……すー、はーっ」

杏子「そういやさ」

まどか「ほえっ!?」ビクッ

ほむら「ちょっと杏子?」

杏子「あ、急にごめんな」

さやか「んで、そういえばどうしたの?」

杏子「いやちょっと思い出したんだけどさ。ケーキのろうそくを一息で消せると願い事が叶う、って迷信」

さやか「なにそれうさんくさっ」

杏子「だよなぁ。今となっちゃそう思うけど、小さいころは必死に消したもんだよ」

仁美「わたくしも聞いたことがありますわ。でも夢があって素敵だとは思いません?」

さやか「うーん……確かに夢と希望は溢れてるけど現実味がなぁ」

ほむら「願いが叶うなんて売り文句はいただけないわよね」

仁美「いいではありませんか、一年にたった一度の誕生日なのですもの」

マミ「そうね、とっても素敵だとは思うわ」

仁美「ですわよね!」

まどか「えっと、あの……」ドキドキ

仁美「まどかさんはどう思います?」

まどか「え?」


924: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:57:20.33 ID:qfwUnV7Io

仁美「もしこのろうそくを吹き消せた事で何か1つだけ願い事が叶うとしたら、まどかさんは何を願いますか?」

まどか「願い事……」

さやか「ちょっ」

杏子「……」

マミ「……」


 シーン


仁美「あらっ……わ、わわわたくしもしかして何かNGな事を」アワワ

さやか「NGどころか下手したら世界が終わるよ!?」

仁美「ええええっ」

ほむら「まどか……」

まどか「ううん、大丈夫だよほむらちゃん」


925: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:57:55.65 ID:qfwUnV7Io

まどか「そうだなー、もしも何か1つだけ願いが叶うとしたら、かぁ」

仁美「いえまどかさん、わたくし知らずとは言え無礼な事を……答えて下さらなくて結構ですから、なにとぞ」

まどか「えへへ、いいんだよ仁美ちゃん。だからそんなに慌てないで」

仁美「ですが……」

まどか「……うん、決めた」

ほむら「……」

まどか「もしも、もしもだけど。たった1つだけ願いが叶うとしたら――」

まどか「――とびっきりのご馳走と、最高のケーキを頼んじゃおうかな!」

ほむら「へ?」

まどか「それで、皆でパーティするの。ついでに皆が仲良くしてくれたら嬉しいかもなー、なんちゃって」

マミ「それって――!」

まどか「えへへ。マミさんは覚えてますか?」

マミ「忘れるわけないじゃない、というかそんな前のことなんで覚えてるの!? 鹿目さんったら、ああもう!」カァァ

さやか「え、なんかあったんすか?」

マミ「いいの忘れて! ああもう昔の私ったらなんて事を」

926: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:58:33.34 ID:qfwUnV7Io

杏子「ま、そこそこ実現しやすそうだしいいんじゃない? 何よりアタシにも恩恵がありそうだし」

ほむら「そうと決まったら明日の夜もお祝いパーティを開かなくちゃいけないわね。メニューは何がいいかしら」

マミ「今日はクリームシチューがメインだし、少し重めにステーキなんてどうかしら」

ほむら「なるほど、だとしたら和牛ね……ここは奮発して良い物が欲しいわね」

まどか「わ、楽しみだなー!」

さやか「うんまあそれはそれでいいんだけどさ」

まどか「ほえ?」

さやか「そろそろケーキのろうそくが大変な事になってきてるんじゃないかなーって」

まどか「えっ? あ、あああああ!! 蝋が!」

杏子「おいやべぇぞ早く消せ!」

まどか「う、うん! すぅーっ」


927: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:59:03.37 ID:qfwUnV7Io

まどか「ふぅーっ」

さやか「がんばれー!」

まどか「ふぅぅぅ」

マミ「あとちょっとよ、がんばって!」

まどか「ぅぅぅ」

ほむら「あと一本……!」

まどか「ぅ――!」

仁美「ほむらさん、扇風機は仕舞ってくださいます?」

まどか「――っ……はぁ、はぁ」

まどか「な、なんとか消えたかな……ふはぁ」


928: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:59:30.70 ID:qfwUnV7Io

 パァン! パァン!


まどか「ひえっ」

さやか「おめでとー!!」

マミ「おめでとう!」

仁美「おめでとうございます!」

ほむら「おめでとう」

まどか「びっくりしたぁ……ありがとう!」

杏子「っしゃあ、これで明日も旨い飯が食える!」

まどか「あはは、杏子ちゃんったら」


929: 「誕生日」 2013/10/04(金) 01:59:59.40 ID:qfwUnV7Io

ほむら「……」モジモジ

まどか「ほむらちゃん?」


ほむら『さやか、やはりこのタイミングかしら?』

さやか『だね。今を逃したらケーキを食べた後になっちゃうしいいと思うよ』

ほむら『じゃあ……出すわよ』

さやか『よろしく!』


ほむら「あの、まどきゃ!」

まどか「!?」

ほむら(噛んだぁぁ!)

仁美(噛みましたわね)

さやか(ドンマイ)

まどか「ほむらちゃん大丈夫!?」

ほむら「心配には及ばないわ……」プルプル


930: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:00:44.24 ID:qfwUnV7Io

ほむら「それでね、あの、その、えっと」

まどか「うん、うん、大丈夫だからゆっくり落ち着いて話そう?」

ほむら「ご、ごごごめんなさい私ったら」

まどか「大丈夫だよ、ちょっと深呼吸しよっか」

ほむら「すうー、はあー」

まどか「落ち着いた?」

ほむら「だいぶ……ちょっともう一回」

まどか「うん、もう一回深呼吸しようね。焦らなくて大丈夫だよ」

ほむら「すうー、はあー……」

まどか「よしよし」ナデナデ

ほむら「……うん。まどか!」

まどか「なにかなほむらちゃん?」

ほむら「誕生日おめでとう! それで、こ、これ誕生日ぷぷぷプレゼント、受け取ってもらえるかしら!」

まどか「……軍用通信機?」

さやか「落ち着けほむら、それは違うやつだ」

ほむら「ああああ! ごめんなさいごめんなさい!」

931: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:01:13.10 ID:qfwUnV7Io

まどか「わぁ可愛いラッピング!」

ほむら「ゆうべ一晩かけて包んだの」

まどか「そんなに……ありがとねほむらちゃん」

ほむら「礼には及ばないわ! 私がしたくてやった事だから!」

さやか「まどか、はやくあけてみてよ」

まどか「うん!」

マミ「気に入ってくれるといいんだけど」

まどか「ええと、このリボンがこうなってて……あれ? こっち?」

さやか「ああもうじれったいなぁ。ガバッとやっちゃいなよ!」

まどか「ダメだよ、せっかく綺麗に包んでくれたんだから」

ほむら「あわわわ」

932: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:02:00.38 ID:qfwUnV7Io

まどか「うん、綺麗にとれた」

ほむら「ごめんねまどか、あなたの手を煩わせてしまったみたいで」

まどか「えへへ、謝ることじゃないよ。それにしても可愛いリボンだなぁ、とっておこっと」

さやか「ねえねえはやくはやく!」

まどか「はいはい、それじゃああけてみるね」

ほむら「……!!」ドキドキドキ


 かぱ


まどか「え……えっ、すごい、なにこれすごい!!」

まどか「フリフリなピンクのワンピースだ! わぁああ、すっごく可愛い……!」

さやか「あとね、その下にブラウスも入ってるよ」

まどか「え? うわぁこっちも可愛いー!! あはははっ、すごいすごい!」

さやか「ちなみに、それとあわせてクリスマスにほむらがあげたネックレスを着けるとまどかが思い描いた感じのファンタジーな装いになるんだってさ」

まどか「え? ……わ、わ、わ、ほんとだ! 怖いくらいぴったりだよ! 可愛いなぁー!」

マミ「皆で3週間かけて選んだのよね」

杏子「大変だったなぁ、そいつを探し出すのは」

仁美「何度もデパートに通いつめましたね」

さやか「その度に買い食いしてたから財布と体重がピンチだわー」

仁美「それは自業自得です」

さやか「うっ」


933: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:02:52.17 ID:qfwUnV7Io

まどか「皆ありがとう。私今とっても幸せ、というよりも幸せすぎて困っちゃうくらいだよ」


 にこっ


さやか「あはは、そりゃよかった」

ほむら「……っ! ひっく……えぐ、ふえぇ」

まどか「え!?」

さやか「ちょっとなんであんたが泣いてるの!?」

ほむら「まどか、まどかぁ……私、今こうしてあなたの笑顔を見られて」

ほむら「ほんとうに……本当に……うぅぅぅぅ」

マミ「あらあら」

ほむら「嬉しい……嬉しいよ……あぁどうしよう、涙が止まらないわ」ポロポロ

まどか「ほむらちゃん……ありがとう」ギュッ

ほむら「まどかぁ……」


934: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:03:19.61 ID:qfwUnV7Io

まどか「落ち着いた?」

ほむら「ええ、もう大丈夫。取り乱してしまってごめんなさい」

まどか「えへへ、そんな事気にしないで」

さやか「それじゃ、改めてパーティと行きましょうか!」

杏子「そうだな、ケーキ食うか!」

マミ「紅茶の用意はバッチリよ」

さやか「じゃあ1番美樹さやか、切りまーす」

杏子「切り口はしっかり観察させてもらうからな」ニヤリ

さやか「ほえっ!?」

杏子「あんだけ色々練習したんだから前より綺麗に切れるようになってるだろ?」

さやか「ええええ!? いや今は仁美とかいるし、ね?」

杏子「それも踏まえての実践だよ」

さやか「マジかよ……」

仁美「どうかされましたか?」

さやか「いやなんでもないから気にしないで!」


935: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:03:51.98 ID:qfwUnV7Io

マミ「ちなみにこれ、中心がミルフィーユになってるから切りにくいわよー?」

さやか「ちょっとマミさんまで鬼畜すぎません!?」

マミ「うふふ」

まどか「さやかちゃんがんばってー!」

さやか「ああんもう……どうにもなれだ!」


 しゃきん!


仁美「あら、今心なしか包丁が少し伸びたような」

さやか「気のせい!!」

仁美「うーん?」

さやか「よっしゃあ、切るぞー!」

ほむら「ちなみに今回は6等分よ」

さやか「ろっ!?」


 ざくっ


936: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:04:24.80 ID:qfwUnV7Io

まどか「こ、これは……」

マミ「見事な7等分ね。逆に凄いわ……」

さやか「ちょっとあんた急に言うのやめてよ!」

ほむら「ごめんなさい、どうしても注意しておかないとと思って」

ほむら「だけどどっちにしろ中途半端な数だから注意はいらなかったわね」

さやか「ぐぬぬぬ」

まどか「……ぷっ」

仁美「ふふ、ふふふふっ」

さやか「ちょっと笑わないでよぉ」

まどか「だけど、さやかちゃん凄い顔して……あははは」

杏子「くくく」

さやか「杏子まで!」

仁美「7等分って、一体どうやったら……ふふ、ふふふふっ」

杏子「だよな、普通割り切れないよな!」

仁美「光る才能を感じますわ」


937: 「誕生日」 2013/10/04(金) 02:04:51.81 ID:qfwUnV7Io

さやか「そ、そう? あたし才能ある?」

杏子「あるある、絶対ある!」

さやか「やっぱりー? 常々思ってたんだよねぇ」

杏子「中途半端な数に等分する才能がな」

さやか「ちょっと杏子ぉ!」

マミ「うふふふ」

まどか「あははっ……ははは、あはははは!」

さやか「ちょっとまどか、そんなに笑うなんて酷くない?」

まどか「だけど、顔に、顔にチョコついてて、それがなんとか麿の眉毛みたいで……あははは!」

さやか「えっ?」

マミ「あら本当。切ったとき手に付いちゃってそれで顔を触ったのね」

杏子「うお、マジで眉毛みてぇ!」

ほむら「に、似合ってるわよ。ふふふ」

さやか「~~~~っ!!」ゴシゴシ

まどか「あははっ、ああもう……さやかちゃんが可愛すぎて息ができない」

さやか「ううぅ///」



おしまい


945: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/08(火) 02:02:29.96 ID:AGIcbGHjo

「お弁当」

946: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:03:14.70 ID:AGIcbGHjo

 昼休み、屋上にて


さやか「お昼だー!」

まどか「ご飯だー!」

さやか「今日のあたしは焼きそば弁当、見たまえこの天才的な弁当を!」


 ぱかっ


仁美「ひえっ」

まどか「なにこれ!?」

ほむら「半分焼きそば、半分ご飯ってあなた……全体的に茶色くて食欲が……」

さやか「焼きそばパンってあるじゃん? あれをごはんでやったら美味しいかなって閃いちゃったんだよね」

ほむら「それとこれとは違うと思うのだけれど」

さやか「大体一緒じゃん」

まどか「全然違うよ!」

仁美「わたくしも違うと思います」

さやか「えー」

947: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:03:41.90 ID:AGIcbGHjo

ほむら「あのね、もっと野菜を摂らないとダメよ」

さやか「そういうあんたの弁当は緑色すぎんのよ」

ほむら「……だって、昔カロリーメイトばかり食べてたら怒られたから」

さやか「誰に?」

ほむら「あなたに」

さやか「え、そうだっけ」

ほむら「あなた自身は全く覚えてないかもしれないけどね」

さやか「ふーん……? ま、あたしってば記憶力が無いことに関しては自信あるからね!」

ほむら「……バカね」フッ

さやか「うお、鼻で笑われた」


948: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:04:19.45 ID:AGIcbGHjo

まどか「そういえば仁美ちゃんとマミさん達っていつの間知り合ってたの?」

仁美「ええと、最初にお会いしたのは一月ほど前の駅前でしたかしら」

さやか「そうそう、ほむらと仁美とあたしの三人で例のプレゼントを探しに行った時偶然会ってさ」

仁美「それでプレゼントの事を話したら一緒に探してくださることになりまして。噂には聞いていましたが、実際会ってみると思っていた以上に優しくて素敵な方で驚きました」

まどか「えへへ、マミさんいい人でしょ?」

仁美「ええ、とっても」

さやか「まあ結局その日はしっくり来る物がなかったから普通にお茶して帰ったんだけどね」

ほむら「あの喫茶店のケーキは中々だったわね。今度はまどかと一緒に行きたいわ」

まどか「わー、いくいくー!」

さやか「じゃあさ、4人で放課後行かない?」

仁美「わたくし今日は習い事があるので……」

949: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:04:47.18 ID:AGIcbGHjo

まどか「明日は?」

仁美「明日はまた別の習い事が……しくしく」

さやか「あんたも大変だねぇ」

仁美「全く、親の都合ばかり押し付けて! わたくしももっと皆さんと遊んだりしたいのに」

ほむら「親としては娘に教養を身につけて欲しくてやっているのでしょうけれど、本人はたまったものじゃないわね」

仁美「わかってはいるつもりですが、時々無性にサボってしまいたくなりますわ」

まどか「ほええ……」

さやか「隙あり!」ヒョイ

ほむら「あっ!? 私のたこさんウィンナー!!」


950: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:05:19.55 ID:AGIcbGHjo

さやか「うまうま」

ほむら「……」


 ずーん


さやか「……ご、ごめん」

ほむら「……別にいいわ。もう1つあるから……」

さやか「焼きそば、食べる?」

ほむら「……いらないわ」


まどか(さ、さやかちゃん……)ヒソヒソ

さやか(どうしようまどか、マジ凹みしちゃった)ヒソ

仁美(今のはどう考えてもさやかさんが悪いですわね)

さやか(うへぇぇ……やっちまった)


さやか「……あっ、あたし! 飲み物買ってくるね!」ガタッ

まどか「ほえっ!?」

まどか(逃げるの!?)

さやか「ねぇ、ほむらはなんか飲む?」

ほむら「麦茶があるからいいわ」

さやか「そうきたか」


951: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:05:46.36 ID:AGIcbGHjo

ほむら「……」

仁美「……」

まどか「あわわ」

さやか「……ほむら!」

ほむら「何」

さやか「ごめん、本当にごめん! 明日あたしたこさんウィンナーたくさん作ってくるから、あの、ホントにすいませんでした!!」


 がばあッ


ほむら「……私ね、今朝早起きしてたこさん作ったんだ」

さやか「はい」

ほむら「まどかと1つずつ食べようと思ってまず2つ作ったの」

さやか「はい」

ほむら「だけどどうしても足がうまく作れなくて、結局5個も作ったのよ」

さやか「はあ」

ほむら「……頑張ったんだけどなぁ」

さやか「……ゴメンナサイ……」


952: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:06:14.58 ID:AGIcbGHjo

ほむら「……」

ほむら「……なんてね」

さやか「は」

ほむら「軽い冗談よ。たこウィンナーなんて簡単に作れるに決まってるじゃない」

さやか「は?」

さやか「はああああ!?」

ほむら「二人とも緊張させちゃって悪かったわね」

仁美「全くもう、息が詰まる思いでしたわ!」

ほむら「ごめんなさい。でもこの子には一度わからせないとと思って」クス

さやか「ちょ、わからせないとってあんた」

まどか「はぁぁ、よかったぁ……もう心臓ドキドキだよぉ」

ほむら「心配かけてごめんね、まどか」


953: 「お弁当」 2013/10/08(火) 02:06:41.86 ID:AGIcbGHjo

まどか「だけどほむらちゃんもそういう冗談が言えるようになったんだねぇ」

ほむら「まどかと一緒に食べようと思ったのは本当だけどね」

ほむら「でも明日さやかがたくさん作ってきてくれるみたいだから期待していましょう」

まどか「わーい!」

さやか「えっ、なにそれ」

ほむら「さっき自分で言ったじゃない。それとももう忘れてしまったのかしら」

さやか「いやでもそれは――」

まどか「楽しみだなー、さやかちゃんのたこさんウィンナー!」

仁美「きっと黒ゴマで目も付けてきてくださるんですよね」

ほむら「あらそれは楽しみね」

さやか「ちょ、ちょっと待ってよ!」

まどか「さやかちゃんさやかちゃん」

さやか「う、うん?」

まどか「楽しみにしてるからね!」

さやか「まどかぁー!?」



おしまい


959: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/21(月) 03:41:30.70 ID:XC8KbVBso

 ――――

 ――4年前 身滝原市、上条宅



さやか「――でさ、そのまどかって子がもうめっちゃ可愛くて!」


上条「へぇ、さやかがそんなに入れ込むなんて珍しいね」

さやか「そうかなぁ?」

上条「うん。僕のイメージだと、さやかはもう少し浅く広くって感じだったから」

さやか「それって良いイメージなの?」

上条「よくも悪くもさやかっぽいって事じゃないかな」

さやか「ふーん……?」

上条「ところでなんだけど」

さやか「うん?」

上条「そろそろ練習を再開してもいいかな? 曲のイメージをかためておきたいんだ」

さやか「あっ、ごめんね邪魔しちゃって!」

上条「別にそんなに気にしなくても大丈夫だよ」

さやか「う、うん……ありがと」

960: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:41:58.34 ID:XC8KbVBso

 ――~~♪


上条「~~♪ ――~~♪」

さやか「……」


 ~~♪


さやか(やっぱ恭介は凄いなぁ……あたしなんて全然かなわないや)

さやか(いい音色……練習を重ねるごとに上手になるのがあたしでもわかるくらい……)

さやか(…………あたし、こんな凄い子と幼馴染でいいのかな)

さやか(やっぱりあたしも何か1つぐらい芸を磨いておかなきゃいけないような気がする)

さやか(恭介がバイオリンならあたしはピアノとかかなぁ。いやそれとも全然別の方向で攻めた方がいいのかな、こういうのって)

さやか(わかんないなー……ぜんっぜん思いつかない)

さやか「はーぁ……」

961: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:42:26.21 ID:XC8KbVBso

恭介「♪~~……? あぁ、ごめん退屈にさせちゃったかな」

さやか「え? あっああいや違う違う! 関係ないから気にしないで」

恭介「つまり僕は君に全然関係ないことを考えさせてしまうような演奏をしていた訳だ」

さやか「えっ、あっ、その」

恭介「うーん、やっぱり人の心を掴むのは難しいな……やっぱり音に対する解釈が浅いかぁ」

さやか「じゃなくって!」

恭介「うん?」

さやか「あたし、こうして座って聴いてるしかできないじゃん。それがなんか申し訳ないなーなんて」

さやか「ピアノが弾けたら合わせの練習とかもできたんだろうけど、あたし音符なんて読むので精一杯だし……」

さやか「練習の手伝いもさ、なんだかんだ言って結局楽譜を探すとか椅子を運ぶとか、まあそれくらいじゃん」

さやか「さっき言ってたカイシャクってやつも全然わかんないし。あたしなりに何かできることがないか考えたんだけど――」

恭介「だけど?」

さやか「なんも思いつかなかった」ガクッ

恭介「あはは」


962: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:43:00.67 ID:XC8KbVBso

恭介「僕としては聴いてくれる人が居てくれるだけでも嬉しいんだけどね」

さやか「それだけじゃあたしの気が済まないの!」

恭介「ふうん?」

さやか「例えばさ、おいしいお菓子が作れたら差し入れとかできるわけじゃん!」

恭介「そうかもしれないね」

さやか「だけどあたし掃除とかすら苦手だし、さっきみたいに楽譜整理する時も難しい英語だと読めないし……」

恭介「ああ、あれは英語じゃなくてラテン語だったから仕方がないよ」

さやか「ラテン語?」

恭介「ヨーロッパの古い言葉なんだって」

さやか「ふぅん……?」

恭介「僕だってタイトルを読む程度しかできないんだから、さやかじゃ読めなくて当たり前だよ」

さやか「なんだよそれー!」


963: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:43:29.53 ID:XC8KbVBso

恭介「それじゃあさやかもバイオリンを弾いてみるかい?」

さやか「えっ、いいの!?」

恭介「もちろんさ。うまく教えられる自信はないし、教えられても基礎程度だけど」

さやか「だけど、それじゃあ恭介の練習時間が……」

恭介「基礎の反復自体は毎日やっているから平気さ」

さやか「基礎の反復?」

恭介「音階だとか、どうやって音を繋ぐのかとか、いつも最初にやってるやつだよ」

さやか「ああ、あれね」

恭介「だからその部分だけでいいなら。一緒にどうだい?」

さやか「やるやる、やってみたい!」

恭介「それじゃあまずはバイオリンの持ち方からだね。ちょっとこっちに来て」

さやか「ん!」

964: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:43:56.58 ID:XC8KbVBso

恭介「ここに座って」

さやか「はい」

恭介「背筋を伸ばして」

さやか「こうですか」

恭介「もうちょっと全体をリラックスさせて」

さやか「はい」

恭介「うーん、硬いな……息を吸ってー」

さやか「すー」

恭介「はいてー」

さやか「ふー」

恭介「吸ってー」

さやか「すー」

恭介「吸ってー」

さやか「すぅぅぅ」

恭介「吸ってー」

さやか「す――っ、ぶはっ! ゲホッゲホッ」

さやか「なにやらすんじゃい恭介のばか!」

恭介「ごめんごめん、ついうっかり」

さやか「うっかりじゃないよ、全くこれだから男子は……」

恭介「あれ、さやかは男子じゃなかったっけ?」

さやか「違うわい!」

恭介「おかしいなぁ」

965: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:44:30.49 ID:XC8KbVBso

恭介「それじゃあ改めて」

さやか「今度は真面目にやってよね」

恭介「はいはい。それじゃ、まずは弓を持ってみようか」

恭介「こう持って、こう。僕と同じ手の形が作れる?」

さやか「んー……こう?」

恭介「そうそう、上手だね」

さやか「まぁね、このさやかちゃんですからこれくらい朝飯前だよ!」

恭介「よし。それじゃあ和音を出してみようか」

さやか「!?」

恭介「冗談だよ」

さやか「冗談キツイっすよ……」

恭介「それじゃあ弓は持てた事だし今度は構え方だね」

さやか「うん!」

966: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:45:04.47 ID:XC8KbVBso

さやか「こう?」

恭介「もうちょっと顎を引いて」

さやか「……こう?」

恭介「そうそう。流石だね」

さやか「へへっ」

恭介「そうしたら指でこことここを押さえて――」

さやか「ん――ほわっ!?」


 ――~~♪


恭介「こう弾くと、ほらドの音だ。わかった?」

さやか「う、あ、えっと、うん?」


さやか(後ろから、急に、あいつの手が、あたしの手と重なって、すぅーって音が鳴って)

さやか(なんだこれ……なんだこれ!?)


恭介「うーん、やっぱり僕の感覚だけじゃ難しかったかな……もう一回やってみよう」

さやか「~~~~っ!」

さやか「いやわかった、十分わかったから大丈夫!!」

恭介「そうかい? それじゃあ次の音を出してみようか」

さやか「あい!」


967: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:45:30.94 ID:XC8KbVBso

 ――

 ――――現在、見滝原。バーガーショップ


さやか「――なーんて事があった訳さ!」

まどか「ほええ……なんかロマンチックかも」

ほむら「昔からそんな気障で鈍感だったのね」

仁美「ぐぬぬぬ」

さやか「おっと仁美さーん、もしかして嫉妬してらっしゃる?」

仁美「いいえ、何のことだかさっぱり! ですわ!」

さやか「ふふーん」

さやか「んでまぁそれからしばらくあいつと基礎練習してた訳だけど、いやぁ~、あいつの手って繊細そうな見た目のクセして、実は関節とか筋肉とかすごいのなんの!」

さやか「指の皮は弦を押さえるので分厚いし、だけど力加減は失ってないってやつ?」

さやか「実際触れてみて初めてわかるってゆーか、感じる……っていうのかな?」


 ふふんっ


仁美「あぁぁぁああ!!」

まどか「仁美ちゃん落ち着いて!」

ほむら「無意味ね」


968: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:46:08.77 ID:XC8KbVBso

仁美「そ、そこまでされてもご自身の感情にすら気づけないとはなんと鈍感な!」

さやか「うっ」

ほむら「まあそれはそう思うわよね」

まどか「なんていうか、少女漫画でありそうなパターンだよね」

仁美「しかもそのレッスンは途中でやめてしまったのですよね?」

さやか「ああまあ、うん。そうなるかな」

仁美「かわいそうな上条君……暇つぶしに練習に付き合わされて、あげくには無理だからとすぐにポイ! ああおいたわしや」

さやか「いやそれにはちょっと事情がありまして……」

仁美「ほう?」


969: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:46:59.97 ID:XC8KbVBso

さやか「あたし、ヘマしちゃって練習用のバイオリン一個壊しちゃったんだよね」

さやか「んでそうしたらまあお金絡みやらなにやらが色々あるじゃん?」

さやか「そこから練習も親にバレて、うちの父親が "上条君の貴重な時間を削るなんてなんちゅーことを!" って。まあ当然といえば当然なんだけどさ」

まどか「あ、そういえばなんか聞き覚えがあるかも」

さやか「まどかには話したかもしんないね」

ほむら「親に黙ってやっていたの?」

さやか「うん。偶然いつも親が家に居ない時間帯にやってたから、なんとなくそうなっちゃったんだよね」

仁美「わかりますわ。二人きりの秘め事とはなんとも甘美な響きではありませんか!」

さやか「でしょー?」

仁美「でもそれとこれとは話が違いますッ!!」

さやか「えぇー……」

970: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:47:53.13 ID:XC8KbVBso

仁美「そもそも他人様の物を壊すとは何事ですか!? ましてやバイオリン、上条君のバイオリンですのよ!」

さやか「うぅぅ……もう反省してるんだからそんな言わないでよ……」

ほむら「ところで何故壊してしまったの?」

さやか「それがさぁ、練習を始めようとした時恭介が何かに躓いて転びそうになっちゃってさ」

さやか「とっさに受け止めたのはいいものの、偶然楽器があたしのお尻の下になっちゃってバキボキーっと……」

仁美「あらっ……」

さやか「いやあ、あの時の尻の痛さは忘れないよ。うん」

まどか「トゲが刺さらなくてよかったねぇ」

さやか「まったくだ、あっはっはっは」

さやか「ははは、はぁあ……」

仁美「はぁぁぁ……全くあの方は……」

まどか「ふ、二人ともどうしたの?」

さやか「ねぇ、仁美……」

仁美「はい……」

さやか「なんであいつはいつまで経っても返事をくれないんだろうね……」

仁美「そうですわね……あの鈍感っぷりからすると今年の冬はあきらめた方が良いのでしょうか……」


971: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:48:20.48 ID:XC8KbVBso

さやか「あたしゃ悲しいよ。あんなに盛りだくさんなイベントをこなして、幼馴染で、王道展開を全力で駆け抜けてきたってのになんなのよもー!」

仁美「わたくしだって実はひっそりと合同コンサートや晩餐会等で何度か一緒になっていますし、少しくらいポイントを稼いでいると思っていたのですが」

さやか「あー、やっぱり?」

仁美「ごめんなさい。黙っているのもどうかとは思いましたが、やはりそこは幼馴染というアドバンテージには対抗するべきだと思いましたので申し上げてはおりませんでしたの」

さやか「いやなんとなく気づいてたから大丈夫」

仁美「うふふ、流石ですわね」

さやか「えっへっへっへー」ヘラヘラ

仁美「うふふふっ」


まどか「どうしようほむらちゃん、二人とも壊れちゃったよ」

ほむら「放っておきなさい、そのうち勝手に再起動するわ」


さやか「……」

仁美「……」

さやか「あー」

仁美「?」

972: 「切欠」 2013/10/21(月) 03:48:51.73 ID:XC8KbVBso

さやか「あたしあれ食べたい。ミ○ドの新しいやつ」

仁美「期間限定の」

さやか「そう、期間限定の。10種類くらいあったっけ」

仁美「……行きますか」ガタッ

さやか「うん。なんか無性に腹が立ってきた」ガタッ


ほむら「ね?」

まどか「あははは、いつもどおりだね……」


さやか「まどかー、ほむらー。置ーいてくぞー」

まどか「はいはい、あんまり食べ過ぎないようにね」

仁美「軍資金は十分ありますのでご心配なく」

ほむら「そっちじゃないわよ」



おしまい

引用元: まどか「さやかちゃんが可愛すぎて息ができない」