1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:44:58.09 ID:QcbM+tEk0
妹「お兄ちゃん、おはよう。あたし先に行くけど朝ごはん作っておいたからちゃんと食べておいてね!」

兄「おう、悪いな。いってらっしゃい」

妹「いってきまーす!」

兄(映研がこんな朝早くから何しに行くんだか……。とりあえず飯を食おう)

「ぅわひゃぁっ!?」

兄「あれ、今の妹の声か……。見に行ってみよう」

兄「おーい、どうし……」

変な格好の女「いったたた……ごめんなさい!大丈夫ですかっ!?」

妹「あ、あはは……大丈夫みたいだけど……。あなたこそ大丈夫なの、今上から落ちてきたよね!?」

女「平気です。だって私は天使ですからっ!」

妹「…………天使?」



兄(うちの玄関がラノベ空間なんだが)

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:45:40.21 ID:QcbM+tEk0
妹「ほらっ!、いそがないと遅刻しちゃうよー!」

兄「だからって2人してパンを咥えて走らなくても・・・・・・」

妹「・・・・・・きゃぁっ!?」

「いったたた・・・・・・」

妹「す、すみません!急いでて・・・・・・って後輩ちゃん!?」

後輩「せ、先輩!よかった探してたんです!ほら行きましょう!」

妹わっ、ちょ、ちょっと待って~!」

兄(慌ただしく走って行ってしまった)

友「よっ。遅刻ギリギリなのに突っ立ってていいのか?」

兄「妹がもいないし、たまにはいいだろ」

友「そんじゃあゆっくり行きますか」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:46:29.87 ID:QcbM+tEk0
妹「お兄ちゃん、明日友達を家に呼んでもいいかな」

兄「俺が家にいるけど、いいのか?」

妹「え、駄目なの?」

兄「お前がいいなら、それでいいんじゃないか」

妹「じゃあ明日呼ぶね!」

兄(妹はいい子だなあ……)


――――――


妹友「お、お邪魔します!」

妹「あは、そんなに緊張しなくてもうちにはお兄ちゃんしかいないから大丈夫だよ~」

妹友「ご、ごめんね。お友達の家に遊びに行くのって初めてで……」

兄(お、昨日言ってた友達が来たみたいだな)

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:47:02.15 ID:QcbM+tEk0
コンコン

妹「お兄ちゃんいる~?」ガチャ

兄「あれ、どうした。友達来てるんじゃないのか」

妹「ちょっと買い出しに行ってくるからって伝えに来たの」

兄「友達は?」

妹「あたしの部屋だよ」

兄「じゃあお茶でも出しておくよ」

妹「ありがと~!それじゃ行ってくるね」

兄「気をつけてな」

妹「は~い!」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:47:39.49 ID:QcbM+tEk0
兄「アイスティーでよかったかな」

ガサゴソ

兄(……妹の部屋から物音がする)

「……妹ちゃんのいい匂い……」スウッハアァ

「……全身がつつまれてるみたい……幸せ……」ガサゴソ

兄(…………)

ガチャ タダイマ~ー

トントントントン

妹「あれ、お兄ちゃんどうしたの?」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:48:10.76 ID:QcbM+tEk0
兄「……おお!早かったな!おかえり妹!(大声)」

妹「ただいまお兄ちゃん!って、急に大きな声出してどうしたの?」

兄「いや、なんでもない、なんでもないぞ……。ああそうだ、このお茶ついでに持ってってくれ」

妹「あ、ありが 兄「うあわぁっ足が滑っちゃったあ!」

バッシャーン

妹「もー!びしょ濡れだよぉ……」

兄「悪い悪い……廊下の片づけはしておくから、とりあえず着替えてきな」

妹「うん、そうする」

ガチャ 

ゴメンネーオニイチャンガオチャコボシチャッテ

兄(これだけ時間を稼げば……)

ナ、ナニシテルノ!?

コ、コレハソノ!?

兄(…………駄目だったか)

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:48:53.82 ID:QcbM+tEk0
妹「おにいちゃんっ!一緒にかーえろ!」

兄(……柱の陰に一人。校門付近にも一人いる)

妹「あれ、急にキョロキョロしてどうしたのお兄ちゃん?あなたの妹はここですよー?」

兄「悪い。今日は友達と帰る約束があるんだ」

妹「・・・・・・そっかぁ、残念。明日は一緒に帰ろうね!」

兄「ああ、そうだな」

妹「じゃあね~!」

兄(お前のことを待っている子がいなければ、な)

ヨッ!

ウワッ、センパイ!?イツカラソコニッ!?

ヨケレバイッショニ……

センパーイ!

コウハイチャンマデッ!?

友「よーう、何してるんだ?」

兄「・・・・・・お前のこと待ってた、かな」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:49:24.75 ID:QcbM+tEk0
妹「お兄ちゃんっ!」

兄「うわっ、いきなり飛びかかってくるなよ」

妹「あのね、お願いがあってね……」

兄「?」

妹「実は、天使ちゃんって子が、いろいろあって家に帰れなくなっちゃって。よければ家で泊めてあげたいなーって」

兄「……」

妹「ほら、お父さんとお母さんは海外出張で当分帰ってこないし、お兄ちゃんさえよければ……どう、かな」

兄「いいんじゃないか。そのほうがお前がそこまで言うんだから信用できる相手なんだろうし」

妹「うん、うん!そこは任せて!」

兄「可愛い妹が珍しくわがまま言ってるんだから、兄としては喜んでOKするさ」

妹「ありがとう!お兄ちゃん大好き!」

兄(かわいい)

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:50:02.82 ID:QcbM+tEk0
友「よう、今日もつまんない顔してるな」

兄「お互いにな。特に何があるわけでもないし」

友「お、グラウンドにいるの妹ちゃんじゃないか?」

兄「……ああ、そうだな」

兄(妹と、妹友ちゃんと、妹の後輩と、俺の同級生と……)

友「あ、校門のとこ見てみろよ。すげえかわいい子がいるぜ」

兄「あれは……」

兄(天使ちゃん、だよな。あの格好は)

友「なんだ、知ってるのか?」

兄「ああ、うちに居候してる子」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:50:33.44 ID:QcbM+tEk0
兄「ああ、うちに居候してる子」

友「居候?なんか漫画みたいな話だな」

兄「そういのじゃないけど……いや、ある意味そうかもな」

兄(俺じゃなくて、うちの妹は主人公体質だし)

友「なんつーか、楽しそうだな」

兄「ああ、そうだな」

友「妹の友達が居候に来てるんだろ?俺には無関心でいられるお前が理解できないぜ」

兄「ああ、そうだな」

友「聞いてるのかよ」

兄「うちの妹かわいいよなあ……あ、こっちに手を振ってる」

友「このシスコンめ……」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:51:04.42 ID:QcbM+tEk0
教師「最近、夜道で襲われる生徒が増えてます。変質者の目撃情報も多いですから、一人で出歩かないように。特に被害者は女生徒に多いので注意してください。それじゃあホームルームを始めます……」

兄(襲われる、か。妹にも注意するように言わないとな)

友「物騒だな、ほんと。そういえば聞いたか?変質者から守ってくれる正義の変身ヒロインがいるんだって噂」

兄「変身ヒロイン?」

友「そうそう、なんか日曜朝の幼児向けアニメみたいなやつが出るんだと。白いコスプレに天使の翼、輝く大剣で変質者とかよくわかんないものと戦うんだとさ」

兄「よくわからないものって……。ベタな噂があるものだな」

友「今夜試しに出歩いてみるか?駅前とか歩いてりゃ出くわすかも知らねえし」

兄「変質者にか?ホモでも襲われるとは限らないぞ」

友「変身ヒロインだっつの!あとホモ扱いやめてぇ!」

兄「ともかく、俺にその気はないからな」

友「・・・・・・ほんと、つれねえ奴だぜ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:51:35.40 ID:QcbM+tEk0
妹「ただいま~!」

天使「ただいま戻りました!」

兄「おかえり。今日は遅かったな」

妹「ええっと、ちょっとね」

天使「あはは、なんでもないんですよ……」

兄「そうか。最近は不審者が出るみたいだし、一人じゃないとはいえ気をつけろよ」

妹「はーい、気を付けまーす」

天使「妹さんはしっかり守りますからね!守護天使の名に懸けて!」

妹「ちょ天使ちゃん!」

天使「あ、あああっ!?うそ、今のなし、なんでもないですよー!」

兄「ん、なんでもいいけど気を付けてな」

兄(天使ちゃんが取り乱してるし、早めに部屋に引き上げよう)

妹「あ、おにいちゃん!晩御飯はなにがいい?」

兄「妹の手料理ならなんでも」

妹「ようし、今日はハンバーグにするから楽しみにしててね!」
兄(楽しみだ)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:52:05.81 ID:QcbM+tEk0
兄(そろそろ風呂に入るか)

フンフンフフーン……

兄(妹の鼻歌が聞こえる……。部屋に戻るか)

ガサガサ

兄(ん?脱衣所からも物音が……)

ガラガラガラ

キャアアアアアァッ!?

ヒャアアアアァッ!?

兄(同性でも恥ずかしいものなのか……)

テ、テンシチャンドウシテー!?

コ、コレハソノワザトデハ・・・・・・

兄(静かになってきた。一緒に入ることにしたようだ)

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:52:36.47 ID:QcbM+tEk0
兄(・・・・・・ん?)

ガチャ バタン

兄(玄関の音・・・・・・?)

シーン

兄「気のせいか…」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:53:08.14 ID:QcbM+tEk0
妹「あ、おはようお兄ちゃん……」

兄「おはよう。どうした?なんか疲れてるような」

天使「おはようございます……」

兄「天使ちゃんもか。寝不足なのか?」

妹「うん、そうかも……。あ、ご飯用意できなくてごめんねぇ」

兄「代わりに俺が作っておいから、ちゃんと食べて行けよ」

妹「ありがとうお兄ちゃん」

天使「……スゥ・・・・・・スゥ」

妹「ちょ、ちょっと天使ちゃん起きて~!」

兄(なんだか忙しそうだ。先に出よう)

兄「それじゃ、いってきます」

妹「いってらっしゃーい!」

天使「いってらっしゃいませぇ・・・・・・スゥ」

妹「おーい天使ちゃ~ん!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:53:41.49 ID:QcbM+tEk0
友「おう兄、聞いたか?コスプレヒロインが昨日も出たってよ!」

兄「そうか、で?」

友「で、っておまえ……お前、少しはのってくれよ」

兄「俺たち受験生だぞ。俺は英単語帳をめくるので忙しい」

友「はあ、ほんとノリの悪いやつ」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:54:18.15 ID:QcbM+tEk0
妹「おかえりー!」

兄「ただいま。あれ、天使ちゃんは?」

妹「今日はちょっとお出かけしてるみたい。なんか、待ち合わせがあるとかって」

ピピピピピ

兄「悪い、電話だ」

友『よお、駅前で妹ちゃんの後輩と友達と先輩とこの間のかわいい子がいるんだけど凄い険悪な雰囲気でファミレス入ってったぜ。今見た感じありゃ修羅場だな……妹ちゃん、何かあったのか?』

兄「……」

妹「……?」

兄「問題なさそうだ」

友『そうか、それならいいけどよ。そんだけだから、じゃな』

兄「おう」

妹「どうしたの?」

兄「いや、なんでもない」

兄(気づいてないなら言う必要はないだろう)

妹「あ、お兄ちゃん晩御飯一緒に作ろうよ!昔はよく一緒につくったよね?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:54:49.84 ID:QcbM+tEk0
兄「そうだな、たまにはいいかもな」

妹「やったー!」

兄(かわいい)

トントントントン

ザクッザクッ

シューーーー

コトコトコトコト

妹「はい、サラダできたよー!」

兄「もうすぐシチューができるぞ」

妹「ローストビーフももう少しだね」

兄「……なんだか、家の外が騒がしいな」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:55:25.68 ID:QcbM+tEk0
ピーンポーン ピーンポーン

妹「はーい?」

ガチャ

ア、アレ、ミンナドウシテ?

イイカラ、スグイクワヨ

エ、エ、キュウニドウシテ・・・・・・

ヤツラガデタノデス

ヤツラガッ!?デモヒルマハッ

イマハイソイデ・・・

……

兄(いつものメンツで出かけ・・・・・・)

ガッシャーン

兄「なんだ…・・・?」

グヴァヴァヴァヴァウァァァァッッ!!

兄「化け物が……暴れてる!?」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:55:56.44 ID:QcbM+tEk0
ピピピピピ

兄「……どうした」

友『おいおい見たかよアレ!すっげーのが街中うじゃうじゃいるじゃねえか!』

兄「そっちは無事か?」

友『ああ、なんとか・・・・・・うおっと!・・・こんのっ!』

兄(電話の向こうで・・・・・・殴る音?)

友「おい、聞いてるか!」

兄「あ、ああ」

友『こいつら、金属バットで殴るとしばらく動かなくなるぞ!お前、野球やってたよな!?』

兄「草野球ならな」

友『ならバッドあるな!?避難先は学校って話だ!先に行って待ってるぜ!』

兄「わかった」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:56:27.05 ID:QcbM+tEk0
プツッ ツー ツー

兄(化け物は今のところ家の中には入ってくる気配はないようだ)

兄(ローストビーフだけ完成させておこう)

バキッ  グァッシャーン

兄(キッチンが・・・・・・一瞬で瓦礫の山に・・・・・・)

グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァ!!

兄「よくも・・よくも・・・・・・」

兄「妹との共同作業の結晶をおおおおぉぉぉぉっ!!」

ガッコーン

兄「フライパンが折れ曲がるとは……バッドは納屋だったかな」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:57:02.66 ID:QcbM+tEk0
兄(妹が無事だといいが・・・・・・)

ブンッ ガコンッ グヴォヴォヴォヴォォォォォッッ!

兄「なんとかなるもんだな……」

グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァァァァァ!!

兄「後ろかっ!」

ブンッ ガコンッ

兄「学校に急がないと・・・・・・」

グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァァァァァァ!!

兄「今度は右―――――囲まれたっ!?」

グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァァァァァッッ!!

兄(……ダメかっ)

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:57:33.48 ID:QcbM+tEk0
「てやああああああぁぁぁ!!!」

ズバァ バシュ ブォン 

グヴォヴォヴォヴォォォォォッッ!!

兄(あれだけの数を一瞬で・・・・・・)

「大丈夫ですかっ!?」

兄(白いコスチュームに天使の翼、輝く大剣・・・・・・こいつが噂の・・・・・・)

白いの「・・・・・・お、にい・・・・・・」

兄「…………」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:58:04.74 ID:QcbM+tEk0
白いの「あの、その・・・・・・」

「ちょっと、大丈夫っ!?」

兄(今度は巫女服にスーツにゴスロリ・・・・・・仮装行列みたいな連中だな)

スーツ「ケガはないわね」

巫女服「大丈夫ですか!?」

ゴスロリ「先輩、心配しました!」

兄「・・・・・・・・・・・」

巫女服「って、この人」

白いの「・・・・・・うん」

スーツ「……気持ちはわかるけど、今はどうにもできないわ。発生源になったクラッススをエフェソスしないとハドリアヌスは・・・・・・」

白いの「……わかってます」

巫女服「急ぎましょう」

ゴスロリ「……きっと、大丈夫ですから」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:58:44.10 ID:QcbM+tEk0
白いの「そう、だね・・・・・・急ごう!」

兄「あのっ!」

白いの「っ!」

兄「妹が、友達と出かけてから行方不明なんです」

白いの「……」

兄「あなたに言うのもおかしな話なんですけど…・・・妹に、こう伝えたいんです」

兄「一緒に作った料理、あいつらに駄目にされちまったんだ・・・・・・」

白いの「……はい」

兄「それから・・・・・・帰ってきたら、一緒にまた作って、お前の友達もみんな呼んで、ついでだから友のやつも呼んでやって・・・・・・パーティしよう、って」

兄「どうか、もしも俺の妹に会うことがあったら伝えてください・・・・・・」

妹「……っはい!必ず伝えますからっ・・・・・・!」

スーツ「……行きましょう」



兄「・・・・・・無事に、帰って来いよ」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:59:14.68 ID:QcbM+tEk0
友「無事か!兄!」

兄「なんとかな。人間ピンチでも意外とやれるもんだ」

友「ああ、そうだな・・・・・・。だがそういう奴ばっかりじゃないらしいな。クラスメイトの全員がここにいるわけじゃない」

兄「そう、か」

友「そこでだ。ま、言いたいことはわかるよな?」

兄「救助しに行こうってんだろ?そういうのは嫌いじゃない」

友「お、いつものノリの悪さはどうしたんだよ」

兄「なに、ちょっと人に影響されてさ。それに・・・・・・」

兄「ビビッて安全な場所に籠ってるより、街に出て人を助けて回る兄貴のほうがかっこいいだろ?」

友「ああ、まったくだ!」

兄「なあ、あれ・・・・・・」

友「どうした」


兄「空が・・・・・・赤い」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 15:59:54.03 ID:QcbM+tEk0
「おーい誰かいるかー!」

「救助に来たぞー!」

「誰もいないのかー!」

友「思ったよりも有志が集まったな。これなら街中を見て回れそうだ」

兄「そうだな・・・・・・」

友「どうした?」

兄「空が赤いままだ。このままじゃまずい、気がする・・・・・・」

友「そうは言ってもな・・・・・・俺たちにできるのは人助けが限界だ。ああいうのは国やらなんやらに任せるしかないだろ」

兄「……人任せにするしか、ないのか」

友「それでも、だ。できることがあんだろ。ほら行こうぜ!」

兄「そうだな」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:00:29.99 ID:QcbM+tEk0
兄(あれから3時間、か)

兄(未だ空は赤いまま。俺たちは化け物を無力化しながらけが人を助けて回っている)

友「さすがに疲労がたまるな」

兄「そうは言ってられないだろ。これで予定してたエリアの半分。日が暮れれば廃墟みたいなこの街は歩けない。今は少しでも進まないと」

友「そうだな、もう一頑張り・・・・・・」

ズドーン

友「なん、だ・・・・・・なにか落ちたような・・・・・・」

兄「……!見ろ!」

グヴァオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!

友「なんだありゃ!今までのやつの10倍はあるぞ」

兄「……どうする」

友「どうするったって・・・・・・」

兄「やるか!逃げるか!」

友「逃げられると思うのかよ……やるしかねぇっ!」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:01:00.64 ID:QcbM+tEk0
グヴォオオオオオオオオオォォォ!!

友「おいおい・・・・・・何をやるって・・・・・・?」

兄「さあ、なんだったかな・・・・・・」

友「来たっ!」

グヴォオオオオオオオァァァアァァ

兄・友「逃げろおおおおおおおおおおおおお!」

ズガッシャーン

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:01:31.01 ID:QcbM+tEk0
友「ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・逃げ切れたのか・・・?」

兄「わからん・・・あいつがどのくらいまで知覚できてるのかすら、な・・・」

友「……ともかくぅっ!まずはこいつらだな・・・・・・」

兄「いつの間にか囲まれてたのか・・・・・・」

友「いくぞっ!」

兄「おうっ!」

グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァァァァァァッ!!!

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:02:01.75 ID:QcbM+tEk0
友「せやあああぁぁぁぁっ!!」

ベキッ

グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァァァァァ!!

兄「おい、後ろだっ!」

友「……ぐあぁっ!」

兄「友っ!…・・・くそおっ!」

バキッ

グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァァァァァ!!

兄「大丈夫か!」

友「平気、だが・・・・・・っぐぅ」

兄「戦闘は無理だな・・・・・・。学校まで退くぞ!」

友「すまねえな・・・・・・」



友「兄っ!!!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:02:33.88 ID:QcbM+tEk0
ッズシャアアアアアアァァァ



友「……おい、兄・・兄っ!生きてるのか、返事しろよ!」

兄「…………」

友「おいおい、嘘だろ・・・・・・」

兄「・・・・・・っく!」

友「兄っ!ちっくしょ、心配させやがって!」

兄「やつらはどうした・・・・・・」

友「何とかしたさ。おかげで、左手はもう上がんねえよ」

兄「すまないな・・・・・・」

友「ほら、立てんのかよ」

兄「足をやられたみたいだ・・・・・・」

友「ほら、肩貸すから、行くぞ」

兄「悪いな・・・・・・」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:03:04.51 ID:QcbM+tEk0
友「なあ・・・・・・俺が見てるのは幻か?」

兄「いや俺にも見える」

友「そうか・・・・・・。これでお終いってわけだ」

グヴォオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!グヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァァァァァ!!
グヴォオオオオォォォォォォォォォォグヴォヴォヴォヴォヴォヴォァァァァァァァァァ!!!

友「何匹いるかもわかんねえぜ・・・・・・」

兄「ここまで、か」

友「・・・・・・なあ、兄よぉ」

兄「……どうした、友」

友「悪くなかったよな、俺たちの学生生活ってのも・・・・・・さ」

兄「…………」

友「特別なことは何にもなくても、楽しかった・・・・・・最後に、こんだけいろんな人の助けにもなれたし・・・・・・」

兄「…………友」

友「死にたくねえ。死にたくねえけどよ・・・・・・。満足してんだ、俺」

兄「…………」

友「……ありがとうな、俺、楽しかったわ」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:03:35.57 ID:QcbM+tEk0
兄「…・・・見ろっ!」

友「…・・・なんだよ、あれ」

兄「空から、真っ白な光が」

友「・・・・・・へへ、死ぬ間際に見る光景にしちゃ、悪くないな・・・・・・」

兄「しっかり見ろよ!……助かる・・・・・・・・・・・・俺たちは助かるぞ!」

友「化け物が・・・・・・溶けていく・・・・・・」

兄「・・・・・何かが、降りてくる」

友「あの光、こっちに来てるのか・・・・・・?」

兄「そうみたいだ。あれはいったい・・・・・・」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:04:06.13 ID:QcbM+tEk0
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お兄ちゃん!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:04:36.88 ID:QcbM+tEk0
兄(あの日から、ひと月が経った)

兄(あばらと脚の太い骨を折った俺は、いまだ入院生活)

兄(左肩を折っていた友はさっさと退院していった)

兄(化け物の研究に協力するということもあって、俺は個室で優雅な生活を送っていた)

兄「…………」

兄(妹はまだ目を覚まさない)

兄(あの時、まるで天使のように空から舞い降りたあいつは、そのまま意識を失って眠っている)

兄(面会謝絶が、今日ようやく解除された)

兄「・・・・・・ははっ。気持ちよさそうに眠ってるじゃないか」
 
 
   
 
 
 
兄「おかえり・・・・・・」


  

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/04(火) 16:05:07.53 ID:QcbM+tEk0
 
 
 
 
 
 
 
 
             「・・・・・・ただいま、お兄ちゃん」
 
 
 
  おしまい

引用元: 兄「うちの妹は主人公体質」