1: 1 2022/08/17(水) 07:02:52.89 ID:CqF0mXdR0
※この作品は特定の馬を下げる目的のものではありません
※他サイトにも同時掲載しております。他者による盗作などではありません
※オリトレ、オリウマ娘注意

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2: 1 2022/08/17(水) 07:03:56.57 ID:CqF0mXdR0


一見華やかなウマ娘たちのレースだが、それは当然真剣勝負の場であり、勝利に笑う者がいれば敗北に泣く者もいる。
初めは純粋な気持ちで臨んでいても、その現実に捻れ、歪んでしまうウマ娘も少なからず……ーーーーー



マルゼンスキー「おはよう、トレーナー君。今日も楽しくトレーニング、頑張りましょう♪」

トレ「ああ、よろしくな。早速だが今日はゲート練習から始めたいから、準備運動終わったら軽くアップしておいで。俺は向こうでセッティング進めておくから」

マルゼン「分かったわ、よろしくね!」



ーーーーー
ーーー


3: 1 2022/08/17(水) 07:04:37.47 ID:CqF0mXdR0


トレ「ラスト20回目いくぞー!」


ーガシャン!

マルゼン「フッ!!!」ダッ!


トレ「オッケー、戻って来てくれー!」

マルゼン「ふぅ……良いんじゃないかしら?」

トレ「ああ、良い集中力と反射神経だ。これなら俄然前を取りやすくなるな」

マルゼン「この前スズカちゃんにスタートのコツを聞いた甲斐があったわね!」

トレ「彼女の逃げは独特なものだが、学ぶところも多い。いつか大舞台で競ってみたいものだな」

マルゼン「ええ、本当に! 想像しただけで今からギアが上がっちゃうわ!」

トレ「ははっ、じゃあそのやる気は次の坂路トレーニングにぶつけるとしようか」



4: 1 2022/08/17(水) 07:05:20.08 ID:CqF0mXdR0


スピーディランバス「お、向こうで走ってるのマルゼンスキーか」

エメラルドリーフ「うん。いやー、やっぱりマルゼンスキーは速いね~」

デケイドスコア「な! 流石はスーパーカーと言われるだけあるわ」

ティープレッシャー「……チッ、面白くねぇ」

レディトウショウ「ティーちゃんったら相変わらずメラメラだねぇ」

プレッシャー「当たり前だ! アタシらが必死で結果残そうと足掻いてんのに、あんなヘラヘラした奴が悠々と勝ち上がる! どいつもこいつもマルゼンスキーだ、怪物だって!」

ランバス「……ま、気持ちは分からんでもないけどさ、八つ当たりだけはやめなよ?」

プレッシャー「……チッ! 外周出て来るわ」ダッ


リーフ「……行っちゃったね~」

レディ「根は悪い子じゃないんだろうけどねぇ」


5: 1 2022/08/17(水) 07:05:50.27 ID:CqF0mXdR0

ーーーーー
ーーー





プレッシャー(クソッ! アタシだってスピードには自信あんのによッ……!)


マルゼン「あ、プレッシャーじゃない! これから外周?」

プレッシャー「ッ、マルゼンスキー……!」

マルゼン「あたしももうすぐ外周なのよ、良かったら一緒にペース配分練習しない? きっと楽しいわよ♪」

プレッシャー「……楽しい、だと?」

プレッシャー「くっ! ふざけんじゃねぇ! アタシらはお前とは違うんだよ! 遊びでやってんなら辞めちまえッ!」ダッ!


マルゼン「あっ、待って! プレッシャー!」

マルゼン「……あたしは、そんなつもりじゃ……」



トレ「あれ、マルゼンスキー? どうした、外周行くんじゃなかったか?」

マルゼン「……え、あ、ううん。今出るところよ」

トレ「……何かあったのか?」

マルゼン「な、何もないわよ?」

トレ「ふ~ん…だと良いけど。なんかいつもの楽しそうな感じがしないからさ」

マルゼン「っ。トレーナー君はあたしが楽しそうにしてる方が好き?」

トレ「なんだ突然? まあそりゃあ君の楽しそうな走りに惚れた訳だしな。だからって無理に楽しそうに振る舞えってことじゃないけど」

マルゼン「……そう。ふふっ、ありがと♪」

マルゼン「あたしはトレーナー君がそう思ってくれている限り、全力で走り続けるわね!」

マルゼン「それじゃあ早速走って来るわね!」ダッ!



トレ「あ、ちょっ! ……絶対なんかあっただろ、あれ。分かりやすい奴」


6: 1 2022/08/17(水) 07:06:43.12 ID:CqF0mXdR0




6月26日・中山レース場


トレ「さ、そろそろ出走だな。いつもみたく楽しんでおいで」

マルゼン「任せてちょんまげ! 最高の走りを見せるわ!」

マルゼン「……よし! それじゃあまた後で♪」ガチャッ







トレ「……マルゼンスキー、お前はお前の走りをすれば良い」



7: 1 2022/08/17(水) 07:07:23.78 ID:CqF0mXdR0


地下バ道


マルゼン「あ、プレッシャー……」

プレッシャー「……マルゼンスキー」

マルゼン「プレッシャー、この前は気を悪くさせちゃったみたいでごめんなさいね。でも、走りに関してはあたしも遊んでるわけじゃーーー」

プレッシャー「うるせぇ! …分かってんだよそんな事は! お前の走りをずっと見てきたんだからよッ!」

プレッシャー「以前はお前の『ライバルだった』んだから……!」

マルゼン「プレッシャー……!」

プレッシャー「今日のレースでアタシの方が強いって、速いって証明してやる!」ザッ……




マルゼン「あなたの中では終わってしまってるのね。……でもあたしはーーー」



ーーーーー
ーーー


8: 1 2022/08/17(水) 07:09:41.02 ID:CqF0mXdR0

観客席


リーフ「いや~プレッシャーの出る今回のレース、マルゼンスキーも出てるとはねぇ」

ランバス「それを知ってからのここ最近のプレッシャーの仕上げ、鬼気迫ってたよな。絶対負けないって気迫がビリビリしてたし」

スコア「そう言えば、なんでプレッシャーはあんなにマルゼンスキーを目の敵にしてんの?」

レディ「あれ、知らなかったっけ?」

ランバス「あいつはさ、マルゼンスキーのライバルだったんだよ」

スコア「え!? プレッシャーってそんな強かったっけ?!」

ランバス「まあ入学したばかりの、お互い実力差が生まれる前の話だけどね

ランバス「ウチら同期の中でもマルゼンスキーは頭ひとつ抜けててさ、プレッシャーはそんなマルゼンスキーに勝ちたいって燃えちゃって、ある時本人に向かってライバル宣言したってわけ」

リーフ「普通なら驚くだろうけどマルゼンスキーはなんかすごく喜んでたよね~、チョベリグね~って」

レディ「その頃は私たちだけじゃなく、マルゼンちゃんとも良くトレーニングしてたもんねぇ」

ランバス「でも1年も経った頃から差が開き始めたんだ。才能の違いなのかね、マルゼンスキーはどんどん速くなっていって、プレッシャーもウチらも全く追い付けなくなったんだ」

リーフ「プレッシャーがマルゼンスキーと距離を置き始めたのはそれからだね~。辛くなっちゃったんじゃないかな? 誰より近くで走ってた自分が引き離されていくのが」

スコア「そ、そんな事が……」

ランバス「ひとつ言えることは、あいつはマルゼンスキーを恨んでるわけじゃない。マルゼンスキーが気楽に振る舞うのが許せないみたいなこと言ってるけど、あれは本心じゃない。……恐らく、マルゼンスキーに追い付けない自分自身を恨んでるんだろうねぇ……」


9: 1 2022/08/17(水) 07:10:43.34 ID:CqF0mXdR0



実況「マルゼンスキーなんか止まったなんか止まった!? マルゼンスキーが止まりました!」


プレッシャー(あ? 怪我? じゃねぇよな。へばったか? よく分からねぇけど仕掛けるなら今かーーー)



マルゼンスキー「ねえ、プレッシャー?」ダッダッダッダッ!


プレッシャー「?! ハッ……ハッ……バ鹿かッ! レース中に何だ?!」ダッダッダッダッ!


マルゼンスキー「……あたしは、あたしの中では」




マルゼン「あなたは今も、あたしのライバルなのよ?」




プレッシャー「………………は?」




マルゼン「……さあ、格【エンジン】の違いを見せてあげるわッ!!!」ダンッ!!!



ーーーーー
ーーー


10: 1 2022/08/17(水) 07:11:10.47 ID:CqF0mXdR0


実況「マルゼンスキー今ゴールイン!!! 2着にティープレッシャー、3着にーーー」






プレッシャー「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ!」



マルゼン「お疲れ様、プレッシャー」ザッ

プレッシャー「はぁ……はぁ……アタシは……また勝てなかった……」

マルゼン「そうね。でもとっても良い走りだったわ」

プレッシャー「ッ、こんなんじゃ……こんなんじゃ……」

プレッシャー「お前のっ、マルゼンスキーのライバルなんて名乗れないんだよっ!」ポロポロ……

マルゼン「プレッシャー……」

プレッシャー「勝てないのにっ、不貞腐れて酷いことも言ったのにっ、グスッ、なんでこんなアタシを、ライバルだって認めてくれるんだよッ!」ポロポロ……

マルゼン「バカね、そんなの当たり前じゃない……。だってあなた、少しも諦めずにあたしを追いかけて来てくれたじゃない!」

プレッシャー「っ!」

マルゼン「あなたがあたしの走りを見て来た様に、あたしだってあなたをずっと見て来たのよ? あなたが強いってことも、これからもっと強くなるってこともあたしが良く知ってるわ?」

マルゼン「だからね、お願いだから……改めてあたしのライバルになってくれない?」

プレッシャー「っ……ぐっ、ぅっ……マルゼンスキー……今までごめんっ……ごめんっ……ぅぅぅ……」ギュッ……

マルゼン「謝ることなんて何もないのよ……」ポロッ……



11: 1 2022/08/17(水) 07:15:01.43 ID:CqF0mXdR0
終わりです
マルゼンスキーにはもっとたくさんのライバルたちと覇を競ってもらいたいです

引用元: 【ウマ娘】深紅の背中