1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 18:39:52.17 ID:P8MEoqMD0
鳴「…」ドンッ!ドンッ!

恒一「見崎、ご飯作ったよ。たまには一緒に食べない?」

鳴「…」ドンッ!

恒一「…ここ置いておくね。食べ終わったら出しておいて」

鳴「…」ドンッ!

恒一「…じゃあ僕戻るね」トボトボ

鳴「…」ガチャ

鳴「カレー…この紙は…」ペラッ

恒一『鳴、話し合おう。まだ間に合うよ』

鳴「…」ポイッ

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 18:49:09.75 ID:P8MEoqMD0
鳴「…」パクパク

鳴「…」カチカチカチカチ

鳴「…ろくな画像が無い」イライラ

鳴「…」モグモグ

鳴「…」モグ…

恒一『話し合おう』

鳴「…ちっ」モグモグモグモグ

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 18:59:13.21 ID:P8MEoqMD0
恒一「はぁ…何でこうなったんだろ」

ドンッ!

恒一「食べ終わったのかな」


恒一「見崎? もう食べたの?」コンコン

鳴「…」ドンッ!

鳴「…」ドンッドンッドンッドンッ!

恒一「み、見崎!?」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 19:12:46.29 ID:P8MEoqMD0
鳴「…」ドンッ!ドンッ!

恒一「僕が何か気に入らない事した? なら謝るから…」

ピタッ

恒一「…ごめん見崎。ごめん」

鳴「…」ガチャ

恒一「あ…み、みさ――」

鳴「…もうああいうの止めて」ガチャ

恒一「…」

恒一「…」

恒一「…食器、片付けなきゃ…」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 19:19:54.77 ID:P8MEoqMD0
恒一(…思えば僕と見崎が同棲を始めて随分と経った)

恒一(はじめは二人で家事をしたり、イチャイチャしたり、イチャイチャしたりしていた)

恒一(…でもいつからか僕の負担が大きくなって、見崎は部屋に引きこもる様になって)

恒一(…今では一日に一度も部屋から出ない)

恒一「どうして…どうしてこんなことに…」シクシク

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 19:34:58.34 ID:P8MEoqMD0
翌朝

恒一「…もう六時か…」ムクリ

恒一「見崎は…そろそろ寝る頃かな。昼ご飯作っておかないと…」


鳴「ねむ…」カチカチカチカチ

恒一『見崎、まだ起きてる?』

鳴「…」ドンッ!

恒一『僕今日は仕事早出だからもう行くね。あとご飯炊いてるから、お昼起きれたら食べてね』

鳴「…」ドンッ!

恒一『…早目に帰るから。今日は見崎の好きなもの作るね。じゃあ…』

鳴「…」ドンッ!

恒一「…いってきます」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 19:47:33.92 ID:P8MEoqMD0
恒一「はぁ…」

恒一(仕事疲れるなぁ…帰ったらもっと疲れるんだけど)

恒一「…ん? メール…赤沢さん? 珍しいな」カチカチ


鳴「Zzz…んご…」スピー

鳴「んっ…」ゴシゴシ

鳴「14時…少し早く起きちゃった…」

鳴「お腹減った…」ドンッ!

鳴「…あ、いないんだっけ。めんどくさ…」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 19:52:25.19 ID:P8MEoqMD0
鳴「…」ゴロゴロ

鳴「…よし」ガチャ

鳴「…ごはん…」トコトコ

鳴「唐揚げ…温めるのめんど…」チーン

鳴「いただきます」

ピンポーン

鳴「…っ」ビクッ

ピンポーン ピンポーン

鳴「…」オロオロ

ピンポーン ピンポーン チッ イナイノカ

鳴「ふぅ…」ホッ

鳴「…」パクパク

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 19:58:41.11 ID:P8MEoqMD0
鳴「…おいしかった」ゲプー

鳴「16時…そろそろ帰って来るかな。部屋戻ろ…」トコトコ


恒一「…」ポケー

赤沢「恒一君」

恒一「あ…赤沢さん。久しぶり」

赤沢「久しぶり。ごめんね急に呼び出したりして」

恒一「ううん。僕も気分転換したかったし…あ、でもあんまり長くは…」

赤沢「分かってるわよ。ちょっと相談があるだけだから。そこの喫茶店でいいわよね」グイグイ

恒一(相変わらずだなぁ…)

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:06:42.13 ID:P8MEoqMD0
恒一「それで相談って?」

赤沢「…それがちょっと困った事になっちゃってね」

恒一「?」

赤沢「実は…両親にお見合いしないかって言われてて」

恒一「へぇ…それが何で困った事に?」

赤沢「純粋に嫌なのよ。面倒だし」

恒一「じゃあそう言えばいいんじゃ…」

赤沢「言ったわよ。そしたら『今付き合ってる人はいるのか』って言われて…それで…その…」

恒一「…まさか嘘ついたの?」

赤沢「…うん」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:07:13.21 ID:P8MEoqMD0
>>20
適当に考えてるからその辺適当で

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:12:53.69 ID:P8MEoqMD0
赤沢「それでお願いなんだけど、一日だけ恋人のふりしてくれないかしら?」

恒一「…でも僕、見崎がいるし…」

赤沢「だからふりだけでいいの。お願い」

恒一「勅使河原とか中尾なら喜んで協力するんじゃ――」

赤沢「嫌」

恒一「…はぁ」

赤沢「恒一君しかいないの。ね?」

恒一「…分かったよ。ふりだけでいいんだよね?」

赤沢「…私としては、そのまま本当に付き合ってもいいんだけど?」クスッ

恒一「え…あ、いや僕は…」

赤沢「…ま、とりあえずはそう言う事でお願いね」クスクス

恒一「あ…もう、からかわないでよ」

赤沢「そういう所変わらないわね」

恒一「赤沢さんこそ。昔から――」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:16:21.36 ID:P8MEoqMD0
鳴「…」イライライライラ

鳴(遅い…もう20時回ってる…)イライラ

鳴(お腹減ったしお風呂洗ってないし…)イライラ

タダイマー

鳴「!」


恒一(ヤバイ…すっかり話し込んじゃった…)

恒一「見崎ー? ごめんすぐご飯作るから――」

ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ!!!

恒一「…」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:23:18.71 ID:P8MEoqMD0
鳴「…」ドンッドンッドンッドドンッ!

恒一『見崎、遅くなってごめんね。ちょっと人に会ってて、つい話し込んじゃったんだ』

鳴「…」ドンッ!

恒一『僕が悪いよね。嘘吐いてごめんね。でももう夜中だし、ご近所に迷惑だから…』

鳴「…」ドンッドンッドンッ!ドンッドンッドンッ!ドンドンドンドンドンドンドンッ!

恒一『……………………あぁもういい加減にしてよ!!!!』ドンッ!!!

鳴「!?」ビクッ

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:31:28.91 ID:P8MEoqMD0
恒一『…』

鳴「…」ビクビク

恒一『…ご飯作るから、静かにしてて』

鳴「ぁ…さ、榊原く…」

恒一『…』スタスタ

鳴「…」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:37:19.98 ID:P8MEoqMD0
鳴(…な、何で怒ったの? 私普段通りに…)オロオロ

鳴(だって早く帰るって言ったのに…私待ってたのに…)

鳴(…何で? 何で?)

鳴(…と、とりあえずご飯は作ってくれるみたいだし、その時謝ろ)


鳴「…まだかな」グー

鳴「…………仕方ない。たまには自分で取りに行ってあげようかな」ガチャ

鳴(…謝ったら、許してくれるよね)トコトコ

鳴「ぁ…あの…榊原く――あれ?」

鳴「…いない。でもご飯はある…………手紙?」

恒一『さっきはごめん。少し頭冷して来る』

鳴「…………………とりあえず食べよう」グー

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:45:16.66 ID:P8MEoqMD0
恒一(…僕は最低だ。女の子を、見崎を怒鳴り付けるなんて)

恒一「はぁ、出てきちゃったのはいいけど…どうしよう」

恒一「…コンビニでいいかな」

赤沢「…あれ? 恒一君?」

恒一「…赤沢さん? どうしてこんな所に…」

赤沢「シャンプーが切れてて…恒一君は? あんな急いで帰ったのに」

恒一「…」

赤沢「…何かあったの?」

恒一「…」

赤沢「…私の部屋来る? すぐそこだから、休んでいきなさいよ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 20:49:17.31 ID:P8MEoqMD0
赤沢部屋

赤沢「座ってて。コーヒーでいいわよね?」

恒一「あ…うん。ごめん」

赤沢「そんな顔してる人放っておけないわよ。はい」ガチャ

恒一「…ありがとう」

赤沢「…それで何があったの? …もしかして見崎さんと喧嘩?」

恒一「実は…」


赤沢「うわぁ…」

恒一「…それで出て来ちゃって」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 21:00:49.40 ID:P8MEoqMD0
赤沢「まさかあの見崎さんが…」

恒一「…僕が悪いんだ。症状が軽いうちに何とかしておけば…」

赤沢「…」

恒一「…ごめん。変な話しちゃって」

赤沢「…いいのよ。私と恒一君の仲じゃない」

恒一「…ありがとう」

赤沢「じゃあ今日は泊まって行きなさい」

恒一「え?」

赤沢「せめて今日一日はお互いの事をよく考えなきゃダメよ。また喧嘩になったらどうするの」

恒一「…それは」

赤沢「決まりね。じゃあ私お風呂入るから。…一緒に入る?」チラッ

恒一(し、下着見え…)

赤沢「ふふ…冗談よ」

恒一(あ、あれ…?///)ドキドキ

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 21:15:08.20 ID:P8MEoqMD0
恒一「…」ドキドキ

恒一(…そう言えば見崎以外の女の子の部屋に入るのって始めてだ)キョロキョロ

恒一(一人暮らしにしては小綺麗だな…見崎の部屋は…)

恒一(…良い匂いがする)クンカクンカ

恒一(………何をやってるんだ僕は変 じゃあるまいし)

赤沢『恒一くーん? シャンプー取ってー』

恒一「!」ビクッ

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 21:23:37.58 ID:P8MEoqMD0
恒一「こ…ここ置いておくよ?」

赤沢『うん。ありがとう』

恒一(シルエットで見ると…やっぱりスゴいな)ジー

赤沢『何かこういうやり取りしてると、本当の恋人みたいね』

恒一「え?」

赤沢『夢だったの。恒一君とこういう事するの』

恒一「…」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 21:27:12.41 ID:P8MEoqMD0
赤沢「…恒一君」ガチャ

恒一「…赤沢さん、ダメだよ。僕には見崎が…」

赤沢「こっち向いて」グイッ

恒一「見崎、が…」

赤沢「…今日だけは、あの子の事は言わないで」ギュッ

恒一「…」ガバッ

赤沢「あっ…///」


鳴(遅いな…)ゴロゴロ

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/11(火) 21:39:28.74 ID:P8MEoqMD0
その後恒一が帰る事は無かった…。
鳴は食事も取らず一日、また一日と待ち続けたが一ヶ月後には動く事も出来なくなり、恒一への謝罪を繰り返しながら眠る様に冷たくなった。

恒一は今でも赤沢さんの部屋で過ごしている。床を叩けばご飯が運ばれ、何も言わずとも体を重ねて来る赤沢さんとの生活は、恒一の価値観を根こそぎ変えてしまった。

恒一は今日も床を叩き続ける。自分がしたのと同じように、赤沢さんに見捨てられるその日まで…。

お わ り

引用元: 鳴「…」ドンッ! 恒一「…ご飯か」