1: ◆Tina2b6i.2 2013/06/15(土) 21:37:25.40 ID:kA2CWCMu0
櫻子(うーん…)

櫻子(プレゼントプレゼント…)

櫻子(……)

櫻子「…あーもう! 何も思いつかない!」

櫻子「…ちなつちゃんたちに聞いてみよっと」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:43:20.05 ID:kA2CWCMu0


櫻子「ねぇ、ちなつちゃん」

ちなつ「どうしたの?」

櫻子「あのさ、プレゼントっていったら何を思い浮かべる?」

ちなつ「プレゼント? そうだなぁ…」

ちなつ「ストラップとか…花束かなぁ?」

櫻子「そっか…」

櫻子「あかりちゃんは何かない?」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:50:15.35 ID:kA2CWCMu0
あかり「えっと…手作りのお菓子とかはどうかな?」

櫻子「お菓子…お菓子か…」

ちなつ「急にどうしたの?」

櫻子「い、いやっ…なんでもないよ!」

向日葵「あら、何の話をしてますの?」

あかり「あっ、向日葵ちゃん!」

櫻子「ひ、向日葵には関係ないだろっ!」

向日葵「なっ…別に少しくらい話してくれても…」

櫻子「うっさい! 関係ないったら関係ないのっ!」

櫻子「この    魔神! べーっ!」タタッ

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:53:22.59 ID:kA2CWCMu0
向日葵「ちょっ…」

向日葵「……なんなんですの…まったく…」

ちなつ「向日葵ちゃん、櫻子ちゃんと何かあったの…?」

向日葵「……いえ、特に思い当たる節はありませんけど…」

向日葵「……?」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:58:52.08 ID:kA2CWCMu0


櫻子(手作りのお菓子かぁ…)

櫻子(……)

櫻子(よしっ! それでいこう!)

櫻子(あ…でも一人じゃ作り方わかんないや…)

櫻子(…向日葵に教えてもらえば…)

櫻子(…ってそれじゃ意味ないじゃん!)

櫻子(うー… 誰かお菓子作れそうな人いないかな…)

櫻子「……」

櫻子「あっ、そうだ!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:03:42.74 ID:kA2CWCMu0


結衣「手作りのお菓子?」

櫻子「はい! 船見先輩なら作り方とかわかると思ったので!」

結衣「お菓子なら私より古谷さんの方が…」

櫻子「いえっ、向日葵じゃだめなんです!」

結衣「そ、そう…」

結衣「…うーん… お菓子はあんまり作らないからなぁ…」

櫻子「そうですか…」

結衣「あ、でもクッキーとか簡単な物なら作れるよ」

櫻子「ほんとですかっ!?」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:08:34.38 ID:kA2CWCMu0
結衣「うん」

櫻子「先輩っ! 私にクッキーの作り方を教えて下さい!」

結衣「いいけど…」

櫻子「やったー! じゃあ、今日先輩の家にお邪魔させてもらいますね!」

結衣「え、今日…?」

櫻子「では、放課後にまた来ますっ!」タタッ

結衣「あっ…」

結衣「……行っちゃった」

結衣(まるで京子みたいだな…)

結衣(…部活、休むって言っておかないとな)

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:15:28.32 ID:kA2CWCMu0
――
-放課後-

タタッ

櫻子「船見先輩! お待たせしました!」

結衣「うん、じゃあ行こうか」

櫻子「あ、部活とかは大丈夫ですか?」

結衣「今日は休むって言っておいたから大丈夫」

櫻子「わかりました! では行きましょう!」

結衣「まずは材料を買いに行かないとね」

櫻子「そうですねっ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:21:02.72 ID:kA2CWCMu0
――
-スーパー-

結衣(…とは言ったけど作るための材料は一応揃ってたかも)

結衣「そういえば、どんなクッキーにするの?」

櫻子「うーん…」

櫻子「…どんなのがありますか?」

結衣「そうだなぁ…抹茶とか…チョコチップとか…」

櫻子「あっ! それがいいです! チョコチップクッキー!」

結衣「じゃあ、チョコチップを買いにいこう」

櫻子「はいっ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:28:08.21 ID:kA2CWCMu0


結衣「…あった」

結衣「これで大丈夫かな」

結衣「…あれ? 大室さん、何持ってるの?」

櫻子「あ、これですか?」

櫻子「ラッピングの袋です」

結衣「誰かにあげるの?」

櫻子「えっと…まぁ…そんな感じです」

結衣「そうなんだ、じゃあおいしく作らないとね」

櫻子「…はいっ!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:35:50.84 ID:kA2CWCMu0


結衣「よし…それじゃ、お会計しに行こうか」

櫻子「……あれっ?」ガサガサ

櫻子「あれれ…?」ガサゴソ

櫻子「……」

結衣「どうしたの…?」

櫻子「船見先輩…私、財布を…」

結衣「えっ!? まさか…落としちゃった…?」

櫻子「家に忘れて来ちゃったみたいです!」

結衣「あ、そ…そうなんだ… いいよ、私が出すから」

櫻子「えっ、でも…」

結衣「気にしないで」

櫻子「えっと… じゃあ、お願いしますっ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:44:31.73 ID:kA2CWCMu0

-結衣の家、台所-

結衣「じゃあ、早速作ろっか」

櫻子「はーい」

結衣「とりあえず卵とバターを出しておかないとね」

櫻子「あ、それ知ってます! たしか…えっと…なんででしたっけ?」

結衣「常温に戻すんだよ」

櫻子「そうでしたっ」

櫻子「…でも何で常温に戻すんですか?」

結衣「えっと… 簡単に言うと、作りやすくしたり…」

結衣「クッキーにサクサク感を出すため…かな?」

櫻子「なるほど」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:49:08.09 ID:kA2CWCMu0
結衣「でも時間がもったいないから、レンジを使おう」

櫻子「レンジで温めるんですか?」

結衣「うん、それでも常温に戻せるからね」

櫻子「そーなんですか! じゃあ…」ヒョイ

結衣「あー、卵はだめ! レンジで温めるのはバターだけだよ」

櫻子「え、なんでですか?」

結衣「卵をレンジにかけると爆発するしちゃうからね」

櫻子「えっ、爆発ですか!?」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:55:23.67 ID:kA2CWCMu0
~~~
《今日の夕方頃、○○で爆発が起こりました》

《尚、この爆発により半径約500mに被害が及びました》

《原因は卵をレンジで加熱したため、爆発したと見ており…》
~~~

櫻子「卵めっちゃこえぇ…」

結衣「いや、多分想像してるのとはかなり違うからね!?」

結衣「と、とにかく卵は、少しぬるいお湯に入れておくだけで大丈夫だよ」

櫻子「おぉー、それなら安全ですねっ!」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:58:30.38 ID:kA2CWCMu0

チン!

結衣「…ん、これくらいなら大丈夫かな」

結衣「で、これをボウルに入れて、ヘラでよく練る」

櫻子「あ、私がやります!」

結衣「じゃあ、お願いするね」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:01:52.02 ID:kA2CWCMu0

櫻子「できました!」

結衣「できたら、砂糖を入れて、泡立て器でもう一回よく混ぜる」

櫻子「これですか?」

結衣「それは塩だよ。砂糖はこっち」

櫻子「なるほど」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:06:30.02 ID:kA2CWCMu0

櫻子「で…できました…」

結衣「だ、大丈夫?」

櫻子「腕が痛いです…」

結衣「少し休んだ方が…」

櫻子「い、いえっ! まだできます!」

結衣「そう…じゃあ、頑張ろっか」

櫻子「はいっ!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:15:30.61 ID:kA2CWCMu0
――
20分後…

結衣「よし…これで生地は終わり」

櫻子「疲れたー!」

結衣「あとは形を整えて、焼いたら完成」

櫻子「わかりました!」

結衣「あ…そうだ、たしかこのへんに………あった」

櫻子「それって…」

結衣「型抜きだよ。4種類あるけど使う?」

櫻子「使います! じゃあー…この星の形とー…」

櫻子「……」

櫻子「…これがいいです!」

結衣「うん、わかった。じゃあ生地を伸ばさないとね」

櫻子「はいっ」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:20:20.26 ID:kA2CWCMu0

櫻子「できましたっ」

結衣「伸ばしたら、冷蔵庫で冷やしておこう」

櫻子「冷やすんですか?」

結衣「うん。冷やしておくと型が抜きやすくなるからね」

櫻子「なるほど」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:27:42.05 ID:kA2CWCMu0

30分後…

-リビング-

結衣「そろそろいい頃かな」

櫻子「ち、ちょっと待って下さい! 今いいとこなんです!」ピコピコ

結衣「私は先に台所行って型抜きの準備しておくね」

櫻子「はい! お願いしま…うおっ!?」

櫻子「あっ死んだ」

櫻子「…」

櫻子「先輩、ゲーム終わったんで私も行きます!」タッ

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:36:43.66 ID:kA2CWCMu0

-台所-

櫻子「よいしょ…っと」ペタン

櫻子「…よし」

櫻子「先輩! 全部できました!」

結衣「じゃあ、型が取れたら後は焼くだけだね」

結衣「オーブンは予熱しておいたから、すぐ使えるよ」

櫻子「おぉー、さっすが船見先輩ですね!」

結衣「あ、ありがとう…何か照れるな…」

バタン

櫻子「これって何分焼けばいいですか?」

結衣「えっと…大体、20分くらいかな」

櫻子「わかりましたっ」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:41:28.04 ID:kA2CWCMu0

20分後…

結衣「もうそろそろかな…」

バタン

結衣「よし、大丈夫そう」

櫻子「食べてもいいですか!?」

結衣「まだ熱いから少し冷ましてからの方がいいよ」

櫻子「はーい」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:45:56.68 ID:kA2CWCMu0

櫻子「先輩っ! もう食べてもいいですか!?」

結衣「うん、もういいかな」

櫻子「わーい、いただきまーす!」サクッ

櫻子「…おおっ!」

結衣「どう?」

櫻子「すごくおいしいですっ!」

結衣「そう、よかった」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:51:02.52 ID:kA2CWCMu0
櫻子「先輩も、どうぞ!」

結衣「いいの?」

櫻子「はいっ 今日のお礼です!」

結衣「そっか…ありがとう」

櫻子「えへへー」

櫻子「…わっ、もうこんな時間だ! 急がないとっ!」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:54:25.97 ID:kA2CWCMu0

櫻子「じゃあ先輩、私そろそろ帰りますね!」

結衣「帰る道、覚えてる?」

櫻子「大丈夫! …だと思います!」

結衣「じゃあ、気をつけてね」

櫻子「はい! ありがとうございましたっ!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:00:14.21 ID:tLaQirC00

-翌日-

櫻子(なんかいざ渡すとなると緊張してきた…)

櫻子(……よしっ!)

櫻子「ひまわ…」

ちなつ「向日葵ちゃーん!」

向日葵「あら、吉川さん」

櫻子「……」

向日葵「? 櫻子、どうしましたの?」

櫻子「…いや、別にっ」

向日葵「でも今…」

櫻子「な、なんでもねーし! バーカバーカ!」タタッ

向日葵「ちょっと…!」

向日葵「……」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:05:31.02 ID:tLaQirC00

-放課後、生徒会室-

向日葵「……」

櫻子「……」

櫻子(早く渡さないと…)

櫻子(…でも言い出すタイミングが見つからないよー!)

向日葵「……櫻子」

櫻子「ふぁい!?」

向日葵「あなた、なんだか昨日あたりからピリピリしてません?」

櫻子「え、そ、そうかなー」

向日葵「もしかして、どこか具合でも悪いんですの…?」

櫻子「そ、そんなことないよー」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:10:14.17 ID:tLaQirC00
向日葵「…あまり無理をしたらだめですわよ?」

櫻子「……」

櫻子「……向日葵っ!」

向日葵「どうしましたの?」

櫻子「…その…えっと…これ」カサッ

向日葵「あら…これは…」

櫻子「…クッキーだよ」

櫻子「…今日は…向日葵の…」

向日葵「…覚えておいてくれましたの…」

櫻子「まぁ…」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:15:09.06 ID:tLaQirC00
向日葵「…これって…まさか、手作り?」

櫻子「……一応…」

向日葵「そう……ありがとう」

櫻子「なっ…! べ、別に向日葵の為に作ったんじゃねーし!」

向日葵「あら、じゃあ誰の為ですの?」

櫻子「むぐぐ…! 向日葵のくせになまいきっ…」

向日葵「櫻子」

ギュッ

櫻子「………あ…」

向日葵「……」

櫻子「……」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:17:28.91 ID:tLaQirC00
櫻子「…向日葵…その…」

櫻子「誕生日…おめでと……」

向日葵「…ありがとう、櫻子」

櫻子「……」ギュッ

向日葵「……」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:22:13.32 ID:tLaQirC00
ぽよんっ

櫻子「…………」ムカッ

櫻子「わざとかっ!?」バッ

向日葵「え? なにが…」

櫻子「うっさい! この    大魔人! べーっ!」タタッ

向日葵「ちょ、櫻子!?」

ガチャッ

バタンッ

向日葵「な…なんなんですの…」

向日葵「……」

向日葵(でも…わたくしの為に…)

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:26:36.11 ID:tLaQirC00
ガチャッ

向日葵「あ、さく」

櫻子「家帰るまで開けちゃだめだからね!」

バタンッ

向日葵「……」

向日葵「なんなんですの…ほんとに…」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:30:33.69 ID:tLaQirC00

-夜、向日葵の家-

向日葵(……)

向日葵(櫻子が作ってくれたクッキー…)カサッ

向日葵(…いただきましょう)カサカサ

向日葵「…あら」

向日葵(…ハートの形…)

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:33:23.70 ID:tLaQirC00
向日葵(…あら? なんですの…? この紙…)

向日葵(……)ペラッ

向日葵(……!)

向日葵「ふふっ…まったく…あの子ったら…」

向日葵「素直なのか、素直じゃないのか…」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:37:03.37 ID:tLaQirC00
向日葵「……」サクッ

向日葵「…うん、おいしいですわ」






『ひまわりへ

 ずっとなかよしでいようね

           櫻子より』



終わり

引用元: 向日葵「なんだか櫻子の様子がおかしいですわ」