1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:15:25.12 ID:tge36rrx0
エレン「ど、どうしたんだよ。急に」

ミカサ「そう。いまはとても大事な時、邪魔をしないで」

アルミン「いや、違うんだよ! 違うんだよ!」

エレン「違う? なにが?」

アルミン「いまこの状況を正しく理解していればそんな言葉は出てこないはずだよ!」

エレン「……?」

ミカサ「……?」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:20:18.23 ID:tge36rrx0
アルミン「いまはどんな状況!? 答えてよエレン!」

エレン「い、いまは……」

ミカサ「五年ぶりに超大型巨人が現れて壁が破壊された」

ミカサ「エレンの巨人化の力を使って大岩で破壊された穴をふさぐ」

アルミン「そう! 大正解!」

アルミン「本当はエレンに聞いたんだけど、この際どうでもいいや!」

エレン「で? それがなんだってんだよ?」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:25:42.46 ID:tge36rrx0
アルミン「なに告白しようとしてるの!?」

エレン「いや、これが最後になるかも――」

アルミン「ダメー! ダメだよエレン!」

アルミン「それはまずいパターンだから!」

アルミン「決死の作戦前に幼馴染に告白とか!」

アルミン「もうわけがわからないよ!」

エレン(俺のセリフだよな……?)

アルミン「とりあえず告白は中止だよ!? わかった!?」

エレン「アルミンが何を言いたいのかはわからないが……」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:30:45.29 ID:tge36rrx0
エレン「まあ、でも……」

エレン「アルミンがそう言うならきっとそうなのかもな」

アルミン「!」

ミカサ「アルミンには答えを導き出す力がある」

ミカサ「アルミンがそう言うなら従おう」

アルミン「わ、わかってくれたんだね! 二人とも!」

エレン「ああ!」

ミカサ「……」コクリ

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:34:36.41 ID:tge36rrx0
エレン「ミカサ……」クルッ

ミカサ「……?」

エレン「アルミンの言う通り、いまは言わないでおく」

ミカサ「……わかった」

エレン「でも……、この作戦が無事成功したら……」

エレン「いま言えなかった言葉をお前に……」

アルミン「ストーップ!!」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:39:58.95 ID:tge36rrx0
エレン「な、なんなんだよ。アルミンさっきから……」

ミカサ「少し疲れているのかもしれない。休息をとったほうがいい」

アルミン「お気遣いどうもありがとう!」

アルミン「でも、ここは譲れないよ!」

アルミン「『無事成功したら』?『無事成功したら』って言ったの!?」

エレン「……ああ」

アルミン「……正気なの!?」

エレン(そんな怒られるようなことしたのか……?)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:44:58.05 ID:tge36rrx0
アルミン「言ったよね!? いまは生きるか死ぬかの時なんだよ!?」

アルミン「言葉の一つ一つに意味が生まれちゃうんだよ!」

アルミン「こういうときは無駄な話はしない!」

アルミン「私語禁止!!」

アルミン「わかった!?」

エレン「あ、ああ……」

ミカサ「……」コクリ

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:50:04.39 ID:tge36rrx0
アルミン「じゃあ、さっさとピクシス司令のところに行く!」

アルミン「さっさと!」

エレン「わ、わかったよ」

エレン「それじゃあ、行ってくる。ミカサ」

ミカサ「……うん」

エレン「……」タタタッ

ミカサ「……」

エレン「……」ピタッ

ミカサ「……?」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 00:54:32.97 ID:tge36rrx0
タタタッ

アルミン(も、戻ってきた!?)

…スッ

エレン「ミカサ……」

ミカサ「……?」

エレン「アルミンに話すなって言われてるから、多くは言わない」

ミカサ「……」

エレン「ただ、これを……」…スッ

エレン「これを預かっておいてくれないか?」

21: >>20ありがとう 2013/06/22(土) 00:59:18.75 ID:tge36rrx0
ミカサ「……鍵」

エレン「ああ。父さんが残してくれたただ一つのものだ」

エレン「俺たちの家の地下室。そこにいけばこの力のこと色々わかると思うんだ……」

エレン「巨人化してなくしちまったら大変だ……」

エレン「預かってくれ……」

ミカサ「うん。わかっ――」

アルミン「ゴルアアアアアア!!!」

エレン「……」ビクッ

ミカサ「……」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:03:53.52 ID:tge36rrx0
アルミン「わざとか!? わざとなのか!?」

エレン「いや、なんのことだかさっぱりなんだが……」

ミカサ「アルミン、落ち着いて欲しい」

アルミン「落ち着いてられるか!」

アルミン「言ってるだろ! そういう行動はまずいんだよ!」

エレン「……?」

アルミン「そのキョトン顔も見飽きたんだよ!」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:08:57.72 ID:tge36rrx0
アルミン「いまは誰が死んでもおかしくない時なんだって言ってるだろ!?」

エレン「アルミン、口調が……」

アルミン「お前のせいだろうがあああああ!!」

アルミン「多くは言わないとかいいながら結構話してるし!!」

ミカサ「アルミン、あなたはいま冷静じゃない」

アルミン「黙れ!!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:14:49.48 ID:tge36rrx0
アルミン「僕は二人のことが心配だから言ってるんだよ!」

アルミン「二人に生きていて欲しいんだ!」

エレン「……それといまの状況にどういう関係があるんだ?」

アルミン「考えなくていい! ただ特別な行動はしない! これだけ!」

アルミン「そうすれば訓練兵時代のように何事もなく終わるはずだから!」

アルミン「ただでさえ巨人化っていう特別なことをするんだから!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:19:50.36 ID:tge36rrx0
エレン「なんだ、そんなことを心配してたのか……」

アルミン「エレン……?」

エレン「何も心配することねーって」

アルミン「わかって、くれたの?」

エレン「ああ!」

アルミン「……そう。そうか、なら良かったよ」

エレン「巨人化するなんて大したことない」

エレン「俺は二度の巨人化に成功してる」

エレン「三度目だって絶対にうまくいくさ」

アルミン「分かってねええええ!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:24:32.17 ID:tge36rrx0
アルミン「ダメなんだよ! 二回うまくいったら三回目もうまくいく!?」

アルミン「ああ、そうだろうね! そうだろうさ!」

アルミン「ただし! 口に出さない限りね!」

アルミン『三度目だって絶対にうまくいくさ』キリッ

アルミン「馬鹿か!?」

アルミン「もうなんか起こるじゃん! 確定だよ!」

エレン「……」

ミカサ「……」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:28:42.81 ID:tge36rrx0
アルミン「もうこれ以上、余計なことは――」

ジャン「おーい! お前ら!」タタタッ

エレン「ジャン!? どうしてここに?」

ミカサ「……」

ジャン「ああ、お前らがすげえ作戦やるって聞いたからよ」

ジャン「無理して入れてもらったんだ」

エレン「それにしたって……、よく上の人が許したな」

ジャン「これでも今年の十傑だぞ? それにお前らの同期だ」

ジャン「こんな状況なんだ……。多少の無理は通すさ」

エレン「ジャン……」

アルミン(まあ、こいつはいいか)

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:34:39.29 ID:tge36rrx0
エレン「せっかく来てもらって悪いんだがよ。もう行かなくちゃいけないんだ」

ジャン「……そ、そうなのか」

エレン「……ジャン」

ジャン「なんだよ?」

エレン「こんな時だから言わせてくれ……」

エレン「訓練学校時代は喧嘩ばっかだったけどよ」

エレン「帰ってきたら、もう少し仲良くしような……」

アルミン(あああああああああ!!!)

ジャン「な、なんだよ、急に……」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:38:36.38 ID:tge36rrx0
エレン「だってよ……。お前、憲兵団志望だろ?」

エレン「会える機会だってかなり減るだろうし……」

エレン「なんて……、嫌だよな。こんなこと言われたってよ……」

ジャン「べ、別に……、嫌じゃねえよ。飯くらいなら付き合ってやる……」

エレン「ジャン……」

ジャン「……なんだよ。そんな嬉しそうな顔すんじゃねえよ」

ミカサ「……………………………」

アルミン(さようなら、ジャン)

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:44:10.56 ID:tge36rrx0
上官「イェーガー訓練兵! 準備はまだか!? 手間取るな!」

エレン「す、すみません! すぐに行きます!」

エレン「……じゃあ、行くよ」

エレン「そろそろ本当に行かないと殴られそうだ」

ミカサ「うん……」

ジャン「気をつけてな」

アルミン「……もう、なにも言うことはないよ」

アルミン(出来る限りのことはしたはずだ……)

アルミン(あとはエレン自身に期待するほかない……)

エレン「三人ともありがとう」

エレン「じゃあ、行ってくる」タタタッ

アルミン【これが……】

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:48:15.43 ID:tge36rrx0
アルミン【これが、僕の見たエレン・イェーガーの最後の姿だった】

アルミン【外の世界に憧れ、巨人を駆逐するという強い信念を持つ少年】

アルミン【そして、僕の一番の友人であった】

アルミン【こんな別れ方しかできなかったのが残念でならない】

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 01:52:23.58 ID:tge36rrx0
――作戦終了後――


ジャン「……おい」

ジャン「お前……、アルミン、か……?」



                    終わり

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/22(土) 02:00:41.15 ID:tge36rrx0
おまけ


――夜中

――兵舎――


アルミン「僕が死ぬの!?」ガバッ

エレン「……あ? なんだよ、うるせえなー」

ジャン「……ちっ。勘弁してくれよ」

コニー「…………」スカースカー

ベルトルト「……」

マルコ(早く憲兵団に入って王の役に……)イメージトレーニング…

ライナー(クリスタクリスタクリスタクリスタクリスタ……)

                               おわり

引用元: エレン「ミカサ、俺、お前のこと……」 アルミン「ストーップ!」