せっかくのお昼寝タイムだけど、かすみちゃんが彼方ちゃんに助けを求めてきた。

仕方ないなぁ、かすみちゃん、同好会のお姉さんである彼方ちゃんが助けてしんぜよう！・・・って、手に持ってるそれ、せつ菜ちゃんの眼鏡だよね...

「こら、ちゃんと謝らないと駄目だよぉ」




せつ菜ちゃんの眼鏡も無事返ったところで彼方ちゃん二度目のお昼寝タイム、と思ったけどもうみんな集まっちゃったみたい。
今日も練習頑張ります！

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同好会の練習も終わって、彼方ちゃんは急いで帰り支度。なぜなら今日はバイトがあるのです。
とっても忙しいけど、このバイトも彼方ちゃんは好きな時間、お野菜を並べながら献立を考えるのが楽しいんだぁ




「いらっしゃいませー！」と
元気よくお客さんに挨拶しながら、彼方ちゃんはジャガイモを並べてます。
今晩は肉じゃがにしようかなぁ、なんて考えていると...

ややっ！？

おばあちゃんがなんだか困ってるみたい。
助けなきゃ！

「手伝いますよ」と声を掛けて
棚の上の方にあるおっきなお水をとってあげる。彼方ちゃんも背が高いわけじゃないからちょっと大変、でもなんとかお水を取ることができた。
えっへん！彼方ちゃんもやれば出来る女の子なのです！

「ありがとう」と言ってお水を受け取ろうとするおばあちゃん、ダメダメこんな重いもの持たせられないよ！

「レジまで持って行きますよ」
そういって彼方ちゃん、手を伸ばしたおばあちゃんから遠ざけるようにお水を引き寄せた。
その時---------------

「パチンッ」
と音がしておばあちゃんの腕についてたアクセサリーが切れちゃったの

その日のバイトは少し帰るのが遅くなった。
おばあちゃんの腕についてたアクセサリーは、去年お孫さんからもらった大切な物だったんだって、それを彼方ちゃんが引っかけて壊してしまったの。

おばあちゃん凄く怒ってた。当然だよね。
大切な物を壊されたらすごく悲しい気持ちになるの彼方ちゃんにだってわかる。

とっても申し訳なくて、
でも謝ることしかできなくて。

自分のせいでおばあちゃんを傷つけてしまった。
彼方ちゃんは、みんなを笑顔にするスクールアイドルなのに...

次の日の同好会

練習の合間も、彼方ちゃんのお昼寝タイム、でも今日はそんな気分じゃないよ...。
昨日の出来事がグルグルと頭の中を駆け巡る。

練習にもあんまり力が入らなかった。

でもそんな彼方ちゃんを見て、
「彼方ちゃん、今日はお昼寝しないの？私の膝枕使う？」
ってエマちゃんが話しかけてきたの。

エマちゃんの膝枕はとっても暖かくてフワフワで、彼方ちゃん一番のお気に入り、
いつもだったらすぐ飛びついてすやぴしちゃうけど...


エマちゃんに昨日の出来事を話す。
ソファーに二人で座りながら。


彼方ちゃんのお話をエマちゃんは「うん、うん」と聞いてくれた。
その声の暖かさに包まれて彼方ちゃんちょっと泣きそうになっちゃう。
でも彼方ちゃん、同好会の中ではお姉さんだから泣いたら駄目だよね。

その日の夜も彼方ちゃんはバイトです。
おばあちゃんのことを思うとまだ心がギューッってなるけど、お給料をもらってるんだからしっかりしなきゃ！
「いらっしゃいませ！」といつも通り元気よく挨拶をする

ってあれは、、、
昨日のおばあちゃんだ...！

おばあちゃんはまた困ってるみたいで、何かを探してるみたいにキョロキョロといろんなところを見渡してる。


どうしよう...彼方ちゃんにも出来ることがあるかもしれないけど...ここで彼方ちゃんが話しかけたらおばあちゃんどう思うかな...
まだ怒ってたら申し訳ないよね...
そんな考えが、揺りかごみたいに、いったりきたり

でも.....

「でもね、彼方ちゃん。次にまたそのおばあちゃんが困ってたらまた助けてあげればいいんだよ！壊しちゃった出来事は変えられないし、おばあちゃんもすっごく悲しかったと思うけど、その悲しみを、彼方ちゃんの優しさで補うことは出来ると思うよ！」
ってエマちゃんが言ってた！
だから！

その日のバイトの帰り道！
彼方ちゃんは元気いっぱいです！


あの時おばあちゃんに近づいて話しかけようとしたら、
びっくり！なんとおばあちゃんの方から彼方ちゃんに話しかけてきたの！

おばあちゃん彼方ちゃんを探してたんだって、昨日は怒ってごめんなさいって。
おばあちゃんの腕についてたのはミサンガで、切れたら願いが叶うって言われてるやつだったの。

「それを昨日孫に教えてもらって、私そんなものだったなんて知らなくて、あなたに酷いことを言ってしまったって、すぐ謝りたかったのよ」

引っ掛けたのは彼方ちゃんなんだから、そんなに謝らなくてもいいよ～って思ったけど、おばあちゃんは彼方ちゃんのことを優しい子だって褒めてくれた！

「私が昨日あんなに怒ったのに、あなたはまた声を掛けてくれようとしたでしょう？」


とっても嬉しかった！
彼方ちゃんに勇気をくれたエマちゃんにも明日お礼をしなきゃ！

次の日の同好会、彼方ちゃん、はりきって練習していると

「彼方さん、元気になったみたいでよかった！」って歩夢ちゃん、
「やっぱりカナちゃん元気なかったよね！」
「彼方先輩、お昼寝もしてませんでしたし」
「彼方がそんなことになるなんておかしいからみんな心配してたのよ」


って、えぇ～！そんなにみんなに心配されてたなんて
うぅ～、彼方ちゃんお姉さんなのにこれじゃあみんなを引っ張っていってあげるなんて夢のまた夢・・・

そうしてすこししょんぼりしちゃう


そういえばいつものソファーも見当たらないよ....


なんて思ってたら


「彼方さん、いつもみんなのことをよく見てて助けてくれるから！私たちも彼方さんに何か出来ないかなって、こんなの準備したんだ！」って侑ちゃんが

そうして彼方ちゃんの前に夢のような光景が飛び込んできた！

ソファーに置かれたフカフカの毛布に、沢山のクッション！それにアロマの良い香りがして、彼方ちゃんこんなの見ただけで夢の世界に飛んでいっちゃうよ～


「エマさんから彼方さんが落ち込んでるって聞いてみんなで用意した、喜んでくれると嬉しい」
そんなのもちろんだよ～！璃奈ちゃん！


早速ソファーに寝ころんじゃう
えへへ～幸せな気分だね～
このまますやぴしちゃおっかなぁ....ｽﾔﾋﾟ...

目が覚めるとそこは彼方ちゃんのお部屋でした

そうだ、彼方ちゃんバイトで怒られて疲れて寝ちゃったんだ...

「歯磨きしなきゃ...」

ご飯も作らず寝ちゃったけど遥ちゃんどうしたのかな
彼方ちゃんのこと起こさないようにしてくれたのかな...

なんだか幸せな夢を見てた気がするけど
彼方ちゃんの気分は落ち込んだままだよ...

彼方ちゃんはお姉さんになりたいわけじゃなくもともとお姉さん気質だったという致命的な解釈間違いをしたのでこのssは終わりです

>>36
「彼方さんはやっぱりそうしてるのが一番似合いますよ」

「そうだよ～、私彼方ちゃんに膝枕してるときとっても落ち着くの！」
ってしずくちゃんとエマちゃん



えへへ、そういうことなら彼方ちゃん、同好会のお姉さんとして、もぉっとみんなに甘やかされなくちゃ！

そうして彼方ちゃんは今日も眠りについたのでした。



おしまい