1: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:07:52 ID:QULF
松尾千鶴「10年後カメラ?」
池袋晶葉「そう。これこそが私の新たな発明、10年後カメラだ!!」
ライラさん「おー?」
千鶴「私の目には正直、ただの古いごついカメラとしか見えないんだけど……」
ライラ「一眼レフ、というのでございますですねー」
千鶴「コニ……コニカって書いてあるね」
晶葉「ウサミンちに風呂釜を修理しに行った時に、このカッコイイカメラを見つけてな。壊れているって言うから貰って来たんだ」
千鶴「なんか古いものいっぱい持ってるよね、あの人」
ライラ「昔の事もいっぱい知っていますです、はい」
2: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:08:28 ID:QULF
晶葉「こんなにカッコイイカメラだから、最高にカッコイイ発明にしてやろうと思ってな。そうして完成したのがこの10年後カメラというわけだ」
千鶴「未来を撮るカメラとか、そういうの?」
晶葉「さすがにそこまで凄い物ではないが似たようなものかな。千鶴、はいポーズ(サッ)」
千鶴「あ、こ、こう?(千鶴ちゃんっぽくのポーズ)」
晶葉「そうそう(パシャリ、ウイーン)」
ライラ「おー。カメラから、お写真が出てきます」
晶葉「うん、いい出来だな。はい千鶴、どうぞ」
千鶴「ありがとう……って、えっ、誰この綺麗な人」
ライラ「……これは、チヅルさんですねー」
千鶴「えっ」
千鶴「未来を撮るカメラとか、そういうの?」
晶葉「さすがにそこまで凄い物ではないが似たようなものかな。千鶴、はいポーズ(サッ)」
千鶴「あ、こ、こう?(千鶴ちゃんっぽくのポーズ)」
晶葉「そうそう(パシャリ、ウイーン)」
ライラ「おー。カメラから、お写真が出てきます」
晶葉「うん、いい出来だな。はい千鶴、どうぞ」
千鶴「ありがとう……って、えっ、誰この綺麗な人」
ライラ「……これは、チヅルさんですねー」
千鶴「えっ」
3: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:08:53 ID:QULF
ライラ「背は伸びて、とても綺麗になってますが、顔立ちに面影がありますねー」
千鶴「えっ、だってこれ、大人で」
晶葉「その通り。これは10年後の千鶴」
千鶴「10年後の私……」
晶葉「の、ようなもの」
千鶴「ようなものって何!」
千鶴「えっ、だってこれ、大人で」
晶葉「その通り。これは10年後の千鶴」
千鶴「10年後の私……」
晶葉「の、ようなもの」
千鶴「ようなものって何!」
4: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:11:19 ID:QULF
晶葉「ほら、このごろAIに絵を描かせるサービスが話題になってるじゃないか。基本的にはあれだよ」
千鶴「ああ、比奈さんがやってたやつ……」
晶葉「つまり、このカメラ自体は大きなコンピューターの端末に過ぎないんだ。写真を撮ると膨大なデータを学習してるAIに写真が送られて、AIが様々なデータを元にしてそれらしい画像を作成するというわけだ。簡単だろう?」
ライラ「つまり、本当に10年後を撮るものでは無い、ですねー?」
晶葉「そういうこと。あくまで10年後『ぽい』画像を作るだけのものだよ」
千鶴「ぽい、かあ。ちょっと残念かも。私もこんな美人になれたら……ハッ!?」
ライラ「チヅルさんは、今もとても綺麗でございます」
千鶴「あ、ありがとう。でも聞かないふりしてくれるともっと嬉しかったかな!」
5: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:11:40 ID:QULF
晶葉「まあでも、この写真のようになる可能性も低くはないと思うぞ。色々なデータを元にして成長後の姿を予測しているわけだからな……どうだ、ライラも一枚」
ライラ「おー、わくわくですねー。是非(ライラちゃんっぽくのポーズ)」
晶葉「(パシャリ、ウイーン)はい、どうぞ」
ライラ「おー?……おー」
千鶴「どれどれ……うわ綺麗! すごい綺麗!!」
ライラ「ふふー」
晶葉「スリム過ぎる感じはするけど、神秘的な美しさだよな。ほんと、お姫様みたいだ」
ライラ「おおー。このへんは成長しませんでしたねー……」
6: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:12:51 ID:QULF
晶葉「またドレスも豪華だなあ。アラビア風って言うのかな。宝石も凄い」
ライラ「これは、女子会用のドレスですねー」
晶葉「女子会?」
ライラ「ドバイの女性、表でこういうの着るのよくないですねー。こういうの、女性同士のパーティーの時だけです」
千鶴「成る程、その国ならではの事情があるのね……」
7: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:13:12 ID:QULF
晶葉「さて、このカメラの威力はよく解っただろう。これでプロダクションのみんなの写真を撮って回ろうじゃないか」
千鶴「楽しそうだけど、いいのかな」
晶葉「もちろん合意なしじゃ撮らないよ。遊びで人を不愉快にするのはよくないことだ」
ライラ「アキハさんは、えらいですねー」
晶葉「ハハハ当然の配慮だぞ。というわけでどうだ」
千鶴「そういうことなら、まあ」
ライラ「ライラさんは少し、用事がありますですね
晶葉「そうか。残念……後で色々写真みせるから待っててくれよ」
ライラ「はいです。ではー」
晶葉「よーし最初は誰がいいかな(トコトコ)」
千鶴「やっぱりPさんじゃない?(トコトコ)」
ライラ「……」
ライラ「ではー(トコトコ)」
◇◇◇
8: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:16:16 ID:QULF
P「へえ、成る程。ちょっと面白そうだな、いいぞ」
晶葉「では失礼して(パシャリ、ウイーン)」
千鶴「あ、出来てきた出来てきた……って太っ!?」
P「うわ本当だ15キロぐらい太ってるな」
晶葉「助手は夜更かしするし食事は不規則だし不健康この上無いからな」
千鶴「しかも良くない太りかたじゃないですか。まゆさんが愛想尽かすレベルですよこれ」
P「そ、そんなにか」
晶葉「そんなにだぞ。まあこれはAIが『ぽく』作った画像に過ぎないけど、こうならないように少し節制してもいいんじゃないか?」
千鶴「私たちの為に忙しく働いてくれるのは解るけど、やっぱり心配ですよ」
9: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:16:29 ID:QULF
P「うーん……この顔色だとスカウトに差し支えるかもなあ。よし、節制するか」
晶葉「いや健康のためじゃないのか」
千鶴「結果として節制するならいいけどそっちに差し支えるからなの?」
P「そりゃ、プロデューサーを続けられなくなったらおまえ等みんなに迷惑かけるからな。個人の事よりそっち優先だよ」
晶葉「頼もしいのかヤバいのか」
千鶴「本当に体気をつけてくださいね?」
P「解った、わかった」
◇◇◇
10: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:18:48 ID:QULF
白菊ほたる「10年後も生きてる……!!(感涙)」
晶葉「まずそこか」
千鶴「ほら、こんな素敵な美人になってるんだからまずそっちを」
ほたる「いえもう10年後には影も形も残ってないんじゃないかと覚悟してたので」
晶葉「予想。あくまでそれっぽい予想図に過ぎないからな?」
ほたる「それでもいいです。ちょっと励みになります、ふふ」
11: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:19:17 ID:QULF
千鶴「ほたるちゃんは瞳子さんぽい感じになる予想なんだね」
晶葉「衣装はちょっと奏さん系っぽくもある。長い黒髪もいいなあ」
ほたる「私、危険だから髪は短くしてるんですが……」
晶葉「あくまでAIが『10年後のほたるっぽく』作った写真だからな。AIがそのへんの事情を斟酌しなかったのかもしれないし、危険への配慮がいらなくなるぐらい幸せになるに違いない、ということなのかもしれない」
千鶴「きっと後者だよ……というかあのね、気になるところがあるんだけど」
ほたる「はい?」
千鶴「ほら、左手の薬指……」
晶葉「あ、指輪がある」
ほたる「私けっこんしてる!?」
晶葉「衣装はちょっと奏さん系っぽくもある。長い黒髪もいいなあ」
ほたる「私、危険だから髪は短くしてるんですが……」
晶葉「あくまでAIが『10年後のほたるっぽく』作った写真だからな。AIがそのへんの事情を斟酌しなかったのかもしれないし、危険への配慮がいらなくなるぐらい幸せになるに違いない、ということなのかもしれない」
千鶴「きっと後者だよ……というかあのね、気になるところがあるんだけど」
ほたる「はい?」
千鶴「ほら、左手の薬指……」
晶葉「あ、指輪がある」
ほたる「私けっこんしてる!?」
12: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:23:52 ID:QULF
晶葉「予想だから。あくまで予想だから」
ほたる「うわあ、結婚。うわあ。考えた事なかったけど……」
千鶴「でも、泰葉ちゃんはGBNSの中で2番目に結婚するのはほたるちゃんだと思うって言ってたよ」
晶葉「一番は?」
千鶴「裕美ちゃん」
ほたる「あー」
晶葉「あー」
千鶴「ね。納得だよね。思い立ったらぐいぐい行きそう。ほたるちゃんもそういうとこあるし」
ほたる「……結婚かあ」
晶葉「ほたるぐらい気だてのいい子でこんな美人になるんなら、引く手あまただろう。まあAIの予想なんだけど」
千鶴「ほたるちゃん、一途だしね。きっといいお嫁さんになるよ。まあAIの予想なんだけど」
ほたる「もう。2人はどうなんですか、結婚とか、考えないんですか」
13: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:24:10 ID:QULF
晶葉「うーん、私は……(マッカナカオ)考えたこともないかな。科学が恋人だ」
ほたる「うそだ絶対考えた事のある顔です……!」
千鶴「私はたぶん、お爺さまが決めた人とかなあ」
ほたる「でた、家が決めた結婚……!」
晶葉「千鶴の家、いいとこだもんな。心当たりの相手とかいるのか」
ほたる「いろいろ詳しく」
千鶴「まあ私の結婚の話はいいよ。次行こう次」
ほたる「あ、ごまかす気だ」
千鶴「知らない、しらなーい!!」
ほたる「行っちゃった、ふふふ」
ほたる「10年後、かあ……」
(ドタバタドタバタ)
菜々「ほほほたるちゃん、今ここに晶葉ちゃんたちが来ませんでしたか!?」
ほたる「えっ」
◇◇◇
ほたる「うそだ絶対考えた事のある顔です……!」
千鶴「私はたぶん、お爺さまが決めた人とかなあ」
ほたる「でた、家が決めた結婚……!」
晶葉「千鶴の家、いいとこだもんな。心当たりの相手とかいるのか」
ほたる「いろいろ詳しく」
千鶴「まあ私の結婚の話はいいよ。次行こう次」
ほたる「あ、ごまかす気だ」
千鶴「知らない、しらなーい!!」
ほたる「行っちゃった、ふふふ」
ほたる「10年後、かあ……」
(ドタバタドタバタ)
菜々「ほほほたるちゃん、今ここに晶葉ちゃんたちが来ませんでしたか!?」
ほたる「えっ」
◇◇◇
14: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:26:51 ID:QULF
岡崎泰葉「身長が! 伸びてない!!(涙)」
晶葉「ぽい写真だから。ただのぽい写真だから」
千鶴「ほんとにこうなるわけじゃないから。ね?」
泰葉「くそう。10年後にはプロデューサーさんの隣に並んでも映える長身美女になってる予定だったのに……」
晶葉「顔もまあ童顔のままだしな」
千鶴「今の泰葉ちゃんをベースに長身美女になるルートって想像できない……」
泰葉「くそう、自分は長身おしとやか美女に進化するからって……」
晶葉「ぽいものだから。本当にただのぽいものだから」
◇◇◇
晶葉「ぽい写真だから。ただのぽい写真だから」
千鶴「ほんとにこうなるわけじゃないから。ね?」
泰葉「くそう。10年後にはプロデューサーさんの隣に並んでも映える長身美女になってる予定だったのに……」
晶葉「顔もまあ童顔のままだしな」
千鶴「今の泰葉ちゃんをベースに長身美女になるルートって想像できない……」
泰葉「くそう、自分は長身おしとやか美女に進化するからって……」
晶葉「ぽいものだから。本当にただのぽいものだから」
◇◇◇
15: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:27:09 ID:QULF
千鶴「川島さんて、今年おいくつでしたっけ……」
川島瑞樹「28よ」
晶葉「ということは10年後は38か」
千鶴「38歳でこんなキレイなのってあり!?」
瑞樹「ふふふ。本当にそう言ってもらえる38歳になれたら素敵ね」
晶葉「AIも川島さんが老けるところは想像できなかったんだな……」
千鶴「なんかちょっとわかる……」
瑞樹「もちろん人間は老化から逃れられないけど。10年後のファンが川島瑞樹を見て希望を感じる。そんな歳の取り方ができたらいいなって思ってるわ」
晶葉「大人だ……」
千鶴「大人だ……!!」
◇◇◇
川島瑞樹「28よ」
晶葉「ということは10年後は38か」
千鶴「38歳でこんなキレイなのってあり!?」
瑞樹「ふふふ。本当にそう言ってもらえる38歳になれたら素敵ね」
晶葉「AIも川島さんが老けるところは想像できなかったんだな……」
千鶴「なんかちょっとわかる……」
瑞樹「もちろん人間は老化から逃れられないけど。10年後のファンが川島瑞樹を見て希望を感じる。そんな歳の取り方ができたらいいなって思ってるわ」
晶葉「大人だ……」
千鶴「大人だ……!!」
◇◇◇
16: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:27:33 ID:QULF
晶葉「結構たくさん撮ったなあ」
千鶴「あとフィルム何枚くらい残ってるの?」
晶葉「あと10枚。補充はできるけど、さて、誰を撮ろうかな」
千鶴「あっ、町なんてどう? AIが考える10年後の未来都市ってどんな風になるか、ちょっと興味ある」
晶葉「お、いいな。それでは窓の外に向けて……」
(トコトコ)菜々「あ、いたいた、晶葉ちゃーん!!」
晶葉「えっ(カシャッ)ウサミン?」
17: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:27:58 ID:QULF
千鶴「あっ、菜々さん。お疲れさまです」
菜々「ほたるちゃんから聞きましたよ。あのカメラ、凄い発明品になったそうじゃないですか。ナナも! ナナも一枚撮ってください!」
晶葉「ああ、もちろんいいけど……あれっ」
千鶴「どうしたの?」
晶葉「動かない。バッテリーはまだあったはずなのに……故障かな(ウイーン)あ、写真出てきた」
菜々「なんの写真ですか?」
晶葉「ウサミンのだよ。さっき振り返りざまに思わずシャッターを押していて……ああ、やっぱり故障だな」
千鶴「あ、本当だ。菜々さん、今の菜々さんそのまんまだ」
菜々「えー、10年後のナナ見られないんですか、残念……」
晶葉「すまんすまん。ちゃんと修理していつか写真を撮るから」
菜々「約束ですよ? それじゃあまた!(ピューン)」
晶葉「行ってしまったか……ああ本格的に故障だな。なんかレンズのあたりから煙が出てる」
千鶴「残念だったね……あれ」
晶葉「どうした?」
菜々「ほたるちゃんから聞きましたよ。あのカメラ、凄い発明品になったそうじゃないですか。ナナも! ナナも一枚撮ってください!」
晶葉「ああ、もちろんいいけど……あれっ」
千鶴「どうしたの?」
晶葉「動かない。バッテリーはまだあったはずなのに……故障かな(ウイーン)あ、写真出てきた」
菜々「なんの写真ですか?」
晶葉「ウサミンのだよ。さっき振り返りざまに思わずシャッターを押していて……ああ、やっぱり故障だな」
千鶴「あ、本当だ。菜々さん、今の菜々さんそのまんまだ」
菜々「えー、10年後のナナ見られないんですか、残念……」
晶葉「すまんすまん。ちゃんと修理していつか写真を撮るから」
菜々「約束ですよ? それじゃあまた!(ピューン)」
晶葉「行ってしまったか……ああ本格的に故障だな。なんかレンズのあたりから煙が出てる」
千鶴「残念だったね……あれ」
晶葉「どうした?」
18: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 18:29:02 ID:QULF
千鶴「この菜々さんの写真。背景は未来っぽくない?」
晶葉「……どうだろう。振り向きざまだったから、画像が荒くてよくわからないな」
千鶴「……10年後カメラ、直りそう?」
晶葉「どうだろう。銀塩カメラにメカを仕込む関係で構造上無理をしたし、廃熱とかに問題もあったからな。一から作り直したほうが早いかもしれない」
千鶴「そう。楽しい発明だったのにな」
晶葉「なに、また、もっと楽しい、役に立つ発明を作るさ。君らが素敵になったように、私も10年後にすごい博士になっていたいからな」
千鶴「そういえば、晶葉ちゃんは自分の写真は撮らなかったの?」
晶葉「ああ。セルフタイマーを仕込み忘れたからな
千鶴「こんな凄い発明なのにセルフタイマーなかったの?」
晶葉「ははは。2号機はそのあたりを改良しないとな……」
◇◇◇
晶葉「……どうだろう。振り向きざまだったから、画像が荒くてよくわからないな」
千鶴「……10年後カメラ、直りそう?」
晶葉「どうだろう。銀塩カメラにメカを仕込む関係で構造上無理をしたし、廃熱とかに問題もあったからな。一から作り直したほうが早いかもしれない」
千鶴「そう。楽しい発明だったのにな」
晶葉「なに、また、もっと楽しい、役に立つ発明を作るさ。君らが素敵になったように、私も10年後にすごい博士になっていたいからな」
千鶴「そういえば、晶葉ちゃんは自分の写真は撮らなかったの?」
晶葉「ああ。セルフタイマーを仕込み忘れたからな
千鶴「こんな凄い発明なのにセルフタイマーなかったの?」
晶葉「ははは。2号機はそのあたりを改良しないとな……」
◇◇◇
19: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 23:15:57 ID:QULF
ライラ「疲れ様でございましたねー。アイスどうぞー」
菜々「はー、ありがとうございます。緊張しましたあ(ぱくり)あまーい!」
ライラ「それで、いかがでございましたかー」
菜々「はい。ちゃんとチップを破壊できました。完全に壊れてると思ったんですが、まさか時測チップが生き残っていたなんて。ナナ大失敗です」
ライラ「では、これで」
菜々「はい。あのカメラは、もう未来を写しません。直しても本当に『ぽい』物しか写さなくなりますよ」
ライラ「それは、良かったですねー」
菜々「……でも、ライラちゃんはどうして、あのカメラが本当に未来を写していると解ったんですか」
ライラ「……あの写真」
菜々「?」
菜々「はー、ありがとうございます。緊張しましたあ(ぱくり)あまーい!」
ライラ「それで、いかがでございましたかー」
菜々「はい。ちゃんとチップを破壊できました。完全に壊れてると思ったんですが、まさか時測チップが生き残っていたなんて。ナナ大失敗です」
ライラ「では、これで」
菜々「はい。あのカメラは、もう未来を写しません。直しても本当に『ぽい』物しか写さなくなりますよ」
ライラ「それは、良かったですねー」
菜々「……でも、ライラちゃんはどうして、あのカメラが本当に未来を写していると解ったんですか」
ライラ「……あの写真」
菜々「?」
20: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 23:16:27 ID:QULF
ライラ「あの写真でライラさんが身につけていた宝石は、ライラさんのおかあさまの物でしたねー。おかあさまのおかあさまのおかあさまから伝わってるもので、ライラさんちから持ち出されたことのないものなのです」
菜々「写真や資料が残っているはずがない、と」
ライラ「あのドレスも、ライラさんちの仕立屋さんのものですね。女性だけのパーティー用の服で、新しい仕立てでした。AIさんがどれほど賢くても、ない写真を参考にすることはできないはずですねー」
菜々「なるほど……それにしても、有り難うございます。未来を見る物なんて、地球人にはまだ混乱を呼ぶだけですからね。ライラちゃんが教えてくれて、本当に助かりました」
ライラ「……あの未来は」
菜々「はい」
ライラ「あの未来は……」
菜々「あれは、撮影した瞬間に予測できる未来でしかありません」
ライラ「……」
菜々「写真や資料が残っているはずがない、と」
ライラ「あのドレスも、ライラさんちの仕立屋さんのものですね。女性だけのパーティー用の服で、新しい仕立てでした。AIさんがどれほど賢くても、ない写真を参考にすることはできないはずですねー」
菜々「なるほど……それにしても、有り難うございます。未来を見る物なんて、地球人にはまだ混乱を呼ぶだけですからね。ライラちゃんが教えてくれて、本当に助かりました」
ライラ「……あの未来は」
菜々「はい」
ライラ「あの未来は……」
菜々「あれは、撮影した瞬間に予測できる未来でしかありません」
ライラ「……」
21: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 23:16:42 ID:QULF
菜々「撮られた写真のようになりたいと頑張れば、近付くかもしれない。なりたくないと思えば、遠ざかるかも知れない。全然違ってしまうかもしれない。未来というのは、そういうものです」
ライラ「……はい」
菜々「だから10年後のライラちゃんがどこで何をしているかは、これからのライラちゃん次第なのですよ」
ライラ「おー。深く心に刻みますですねー」
菜々「ふふ、はい」
ライラ「……ナナさんは、あのカメラで、どんな未来を撮ったのでございますか?」
菜々「うーん」
22: ◆cgcCmk1QIM 22/10/08(土) 23:16:52 ID:QULF
ライラ(ナナさんはそのとき、遠く、とても遠くをみたような気がしました)
菜々「……忘れました。だけど、今ここにある未来のほうが、ずっとずっとステキですよ」
ライラ(ナナさんが何者なのか。どんな未来を見たのか、誰も知りません)
ライラ(だけど、そう言って笑うナナさんの顔は、とても晴れやかに見えたのでございます……)
(おしまい)
引用元: ・【モバマス】池袋晶葉「10年後カメラ」
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