1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 20:34:46.88 ID:TcZjXgQ80
マミ「はい、キュゥべえの分」カチャ
QB「僕は飲食物を摂取する必要はないんだけど」
マミ「お茶を飲む事が楽しいのよ。栄養にならなくとも、紅茶の香りと味を嗜むのはそれだけで価値があるの」
QB「そんなものなのかなぁ」
マミ「そうなの。それに、こうして誰かと一緒に飲む紅茶はおいしいのよ」
QB「ふーん」ズズズ
マミ「どう?美味しい?」
QB「人間の味覚は理解できないから、美味しいというのはよくわからないけど、悪くはないね」
マミ「もうっ」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 20:37:08.89 ID:TcZjXgQ80
数ヵ月後
さやか「返せよ!それはマミさんのもんだ!」
ほむら「そう。これは魔法少女の物。貴女に触る資格はないわ」
QB(マミ……逝ってしまったか。魔女化する前に死んだらエネルギーを回収できないんだけどなぁ)
QB(まぁ、いいか。まどかさえ契約すれば、マミがどうなろうと関係ない)
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 20:39:50.25 ID:TcZjXgQ80
さやか「あるよ……奇跡も魔法も、あるんだよ」
QB(さやかが契約すればまどかも彼女と戦うために契約するだろう。マミの死で一時はどうなるかと思ったけど、これで順調にいく)
QB(むしろマミの死も、正義の味方を気取るさやかの契約に拍車をかけたのかもしれない。お手柄だよマミ)
QB(そういえばマミといえば──────)
QB「最近、紅茶を飲んでいないな」ボソッ
さやか「ん?どうしたのQB」
QB「なんでもないよ。君の願いはエントロピーを凌駕した。さあ、解き放ってごらん、その新しい力を」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 20:41:24.32 ID:TcZjXgQ80
QB「まさか君が来るとはねぇ」
杏子「マミの奴がくたばったって聞いたから来てやったのになんだよあいつは」
QB「ついさっき契約したんだよ」
杏子「まあいいや。ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ?アイツを」
QB「君の思い通りに……そういえばマミといえば杏子、君は紅茶を飲むかい?」
杏子「なんだよ藪から棒に」
QB「いや……なんでもない。忘れてくれ。ジャンクフードしか食べない君が紅茶なんて飲むわけないもんね」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 20:43:02.79 ID:TcZjXgQ80
杏子「なっ!あたしだってコーラばっか飲むわけじゃないやい!紅茶だって飲むもん!」
QB「そうかい。じゃあ紅茶をくれないかい?」
杏子「珍しい事もあるもんだな。ほらよ」つ午後の紅茶
QB「ありがとう」グビグビ
QB「」ブーッ
杏子「うわ、ばっちぃ!」
QB「オエッ、なんだいこれ、これのどこが紅茶なんだよ!」
杏子「えっ……だって紅茶って書いてあるし……」
QB「やれやれ……どうして君たち人間は書いてある文字を問答無用で信用するんだい?」
QB「例えここにキーピングが入ってても、君たちは何の疑問も持たずに紅茶と信じてグビグビ飲むんだろうね」
杏子「ぐぬぬ……キーピングが何かは知らないけど、もの凄く馬鹿にされてるって事はわかる……」
QB「もういいよ。僕は紅茶を探してくるから」ヒョイ
杏子「とっとと目の前から消えろ!ばーかばーか!」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:10:44.78 ID:TcZjXgQ80
ほむら「……よく聞えなかったからもう一度言ってちょうだい」
QB「紅茶だよ。紅茶を飲ませて欲しい」
ほむら「……あなた達に飲食物なんて不要でしょう?(そういえばコイツの口ってなんの為についてるのかしら。喋る時動かないし)」
QB「そうなんだけど、ちょっと紅茶の味が懐かしくなってね」
QB「佐倉杏子はキーピングと紅茶の区別すらつかないし」
ほむら「?まあいいわ。よくわからないけど飲むだけならいいわ。入りなさい」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:11:51.28 ID:TcZjXgQ80
ほむら「はい。さっさと飲んで帰りなさい」カチャ
QB「ありがとう暁美ほむら」ズズッ
QB「」オエー
ほむら「!!!なに吐いてるのよ勿体ない!」
QB「なんというか……これは紅茶を模した色つき水じゃないのかい?似てるけど全然味も香りも違うよ!」
ほむら「おかしいわね……ちゃんとガストのドリンクバーで盗んできたティーバックを使ったのに」
QB「うわぁ悲しい事してるな君は……というかなんだいティーバッグって。 ?」
ほむら「確かにまどかの からならいい感じの飲み物が出来そう……って違うわよ。紅茶の葉っぱをつめたものよ」
ほむら「それを使えばインスタントコーヒーくらい手軽に紅茶を作れるのよ」
QB「ティーバッグ?そんなの、マミは使ってなかったよ」
ほむら「マミ?」
QB「もういいよ。僕は別のアテに行くから」テテテ
ほむら「マミねぇ……そういう事」
ほむら「……ところで別のアテって誰かしら」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:14:04.13 ID:TcZjXgQ80
織莉子「ふふふ……こんな天気のいい日は、キリカメモリアルver3.14を読むに限るわね」
QB「なに昼間から不健全な事をしてるんだい」ヒョィ
織莉子「あらいらっしゃいQB」
QB「織莉子、君は上流階級の人間だったよね」
織莉子「まあ、上流といえば上流ね」
QB「じゃあ紅茶を飲ませてくれないかい?ブルジョワは紅茶を嗜むんだろう?」
織莉子「キリカと発想が同レベルね……まぁいいわ。私最近紅茶に凝ってるの。今淹れてあげるわ」
QB「わくわく」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:15:28.97 ID:TcZjXgQ80
織莉子「はい、どうぞ」カチャ
QB「!!この香り……紅茶の香りだ!」
QB「これなら……」ズズ
織莉子「どう?QB」
QB「……これは、紅茶だよ。香りも、味も、紅茶だ。けれど、違う」
QB「マミの淹れてくれる紅茶とは、違うんだ」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:17:35.81 ID:TcZjXgQ80
織莉子「当たり前じゃないの」
QB「どういう事だい織莉子。どうして違いが、いや、何が違うんだい?」
織莉子「その紅茶は私があなたの為に淹れた紅茶だけど──────」
織莉子「──────あなたを想って淹れた紅茶じゃないのよ?」
QB「そんな……隠し味は愛情とでもいうのかい君は……感情で味が変わるなんて……」
織莉子「感情のないあなたには理解できないでしょうね」
織莉子「けどどうかしら?あなたが紅茶を飲む時、そのマミという人は、いっつもあなたと一緒に飲んでいたんじゃないの?」
QB「それは……」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:18:41.75 ID:TcZjXgQ80
(どう?キュゥべえ。今日は葉っぱを変えてみたの)
(ふふふ。キュゥべえったら、猫さんみたいね)
(今日も魔女退治疲れたわ。キュゥべえ、一緒にお茶を飲みましょう)
(ねぇキュゥべえ)
(キュゥべえ)
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:20:57.05 ID:TcZjXgQ80
QB「そうだ……僕は……いっつもマミと紅茶を飲んでたんだ……」
QB「マミと飲む紅茶が美味しかったんだ……マミが笑いかけてくれるのが……」
QB「マミに会いたい……マミの紅茶を飲みたい……マミと一緒にいたい……」
QB「僕は──────マミの紅茶が飲みたかったんだ」
杏子「さやかは?さやかはどうした!」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:23:05.67 ID:TcZjXgQ80
マミ「逝ってしまったわ……円環の理に導かれて」
杏子「ちくしょう……やっと、友達になれたのに」
ほむら「まどか……」
QB「……?」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/27(火) 21:24:14.29 ID:TcZjXgQ80
マミ「あら、どうしたのキュゥべえ?」
QB「……いや、なんでもないよマミ」
マミ「そう、変なキュゥべえ」
QB「そんな事より早く帰ろう」
マミ「あらあら、キュゥべえが急かすなんて珍しい」
QB「なんだか、凄く紅茶が飲みたい気分なんだよ」
QB「マミの、紅茶が飲みたい」
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