1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/26(金) 07:23:38.26 ID:auXLRVfDO
ウツギ「お手元の資料をご覧ください」

ペラ……ペラ…

アララギ「これは…?」

オーキド「ワシのところに集まった各地方を旅する若者たちのレポートの抜粋じゃ」

オダマキ「……それは分かりますが………」

ナナカマド「丁度ワシもこのことを問題にしようと思っておった」

オーキド「うむ……ウツギくん、頼む」

ウツギ「はい。みなさんの資料のにあるように……」

ウツギ「各地方の若者のレポートに見られる問題行動をまとめてみました」

ウツギ「みなさんも覚えがあるのでは?」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:28:40.71 ID:auXLRVfDO
ウツギ「まずはシンオウからです……」

ナナカマド「うむ……」

ウツギ「この地方以降からある行動が目立つようになりました」

ナナカマド「タマゴの孵化……じゃな?」

オーキド「そうじゃ……」

オダマキ「タマゴの孵化くらいなんてことないのでは…?」

ウツギ「タマゴの孵化自体に問題はありません」

ウツギ「しかし、その過剰なまでの孵化……いえ孵化作業とでもいいます」

アララギ「それが……問題というわけね」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:32:46.59 ID:auXLRVfDO
オダマキ「孵化作業……?」

ウツギ「はい。まさしく孵化作業です。内容は……」

ナナカマド「そこからはワシが話そう」

ウツギ「よろしくお願いします」

ナナカマド「問題となる孵化作業についてじゃが……」

ナナカマド「レポートを提出した若者の中に……」

ナナカマド「『ズイタウン周辺の道路を自転車で走り回った』」

ナナカマド「という記述が目立つようになった…」

オダマキ「……すみません…よくわからないのですが……」

オーキド「聞いておれ」

ナナカマド「ズイタウンには育て屋夫婦が住んでおる」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:36:52.80 ID:auXLRVfDO
ナナカマド「そこにタマゴが見つかるポケモンの番いを預け」

ナナカマド「タマゴを受け取っては走り回って孵す」

ナナカマド「これをひたすらに繰り返して大量に孵化をする集団が確かに存在するのじゃ……」

オダマキ「大量に……孵化した後は………?」

ナナカマド「一部を残してそのほとんどを逃がしておる」

オダマキ「そんなっ!?」バンッ

ナナカマド「そんなことをしては生態系が狂うのは当たり前……」

ナナカマド「しかし、奴等は気にせずに逃がし続けておる…」

オーキド「………」


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:42:58.02 ID:auXLRVfDO
ナナカマド「詳しくはウツギくんに頼もうかの……」

ウツギ「ありがとうございます、ナナカマド博士」

オダマキ「……その逃がしたポケモンについては?」

ウツギ「はい……コイキングやズバットのような逃がしても然ほど問題のないポケモンを始め…」

ウツギ「御三家ポケモン・イーブイなどのように一般に手に入りにくいとされるポケモンまで」

ウツギ「多岐に渡ります」

オーキド「この現象はシンオウ地方、ジョウト地方、そして」

アララギ「イッシュ地方でよく見られる……」

オーキド「そうじゃ……」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:46:59.30 ID:auXLRVfDO
ウツギ「特にジョウト地方の孵化作業についてですが…」

ウツギ「これは最近になって旅に出たもの達に多いことが分かっています」

ウツギ「さらにジョウト地方の若者から見られる傾向なのですが」

ウツギ「育て屋夫婦に預ける際にパワー系のポケモン育成用の道具を持たせたまま預ける」

ウツギ「そういった事例が報告されています」

アララギ「……?というとシンオウでは…?」

ナナカマド「うむ…かわらずの石を持たせたままというのは聞いたことがあるが、それは初耳じゃ」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:49:52.11 ID:auXLRVfDO
オーキド「各自覚えがあるようじゃな…」

ナナカマド「謎の一派の出現とみてよいのか、オーキド?」

オーキド「わからん……こればかりは謎だらけでの」

オダマキ「信じられない…こんなんじゃフィールドワークなんて無駄じゃないですかっ!」

ウツギ「これが実態なんです」

アララギ「……まだあるんでしょ?」

ウツギ「はい」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:52:49.87 ID:auXLRVfDO
ウツギ「次の問題に移ります」

ウツギ「次に見られる問題行動は、日付のおかしいレポートです」

オダマキ「っ!?」

ナナカマド「ふむ……」

ウツギ「聞いてもらった通り日付が何年も後……つまり未来の日付をもってレポートを書いているのです」

オーキド「相変わらず聞いておると訳がわからんの」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 07:56:53.45 ID:auXLRVfDO
ウツギ「ここに見られる特徴ですが…」

ウツギ「大抵の若者が同じ日付のレポートを書いているということです」

オーキド(そもそも日付をレポートに書かせてどうなるのか)

オダマキ「な……なぜそんなことを………?」

ウツギ「分かりません……しかし、何かのメッセージが隠されているのは明らかでしょう」

ナナカマド「謎は深まるばかりじゃ」

オーキド「この日付に限らず謎の行動はあがっておる」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:01:26.61 ID:auXLRVfDO
ウツギ「はい。次に見られるのがぺラップと呼ばれるポケモンについてです」

ナナカマド「?」

アララギ「私から説明するわ」

ウツギ「お願いします」

アララギ「ぺラップにはトレーナーの声を覚える技『おしゃべり』がある…」

アララギ「それを使って声を覚えさせ……」

アララギ「その声でぺラップを数回鳴かせる」

アララギ「それだけです」

ナナカマド「………ん?」

オダマキ「ちょっ……本当に訳が………」

ウツギ「しかし、これも大量に報告があがっています」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:05:29.67 ID:auXLRVfDO
オダマキ「何が目的なのですか?」

アララギ「……さぁ?」

ウツギ「なにかしらの儀式と見るのが普通でしょう」

ナナカマド「こうして見ると問題行動だらけじゃの…」

オーキド「もちろん、普通に旅をして図鑑を完成させてくれるものもおる」

アララギ「」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:08:22.40 ID:auXLRVfDO
ナナカマド「カントーには問題はないのか?」

オーキド「……」

オダマキ「?」

ナナカマド「あるんだな」

オーキド「あぁ……その通りじゃ………」

ウツギ「これが最後の問題行動です」

オーキド「ワシから説明する」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:11:33.77 ID:auXLRVfDO
オーキド「みな、資料を見てくれ」

ナナカマド「………?」

アララギ「オーキド博士……これは?」

オダマキ「とても読めたものじゃないんですが……」

オーキド「それじゃ……」

オーキド「ある一定の行動まではレポートに残っておる……」

オーキド「しかし、そこから先は狂ったかのような文体……」

オーキド「辛うじて読めるところも支離滅裂じゃ…」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:16:18.86 ID:auXLRVfDO
オーキド「道具を開いて何番目かのところでセレクトを押す」

オーキド「これが何番目かは異なる場合がある」

オーキド「そこから釣りをしたりショップに買い物に行ったり」

オーキド「そこまでは分かるのじゃが……」

ナナカマド「そこから先はとてもじゃないが読めんな」

オーキド「あぁ……」

オーキド「しかし、この部分を見てくれ」

ウツギ「なっ!?」

オダマキ「これは!?」

ナナカマド「…ミュウを作った……?」

オーキド「あぁ……」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:18:43.02 ID:auXLRVfDO
アララギ「ミュウを作るって……どういうこと?」

オーキド「ワシにもさっぱり分からん……」

オーキド「じゃが……」

ナナカマド「実際に図鑑を見せて来たものがおる……?」

オーキド「そうじゃ…」

オーキド「水タイプのポケモンを使ったとか釣り上げたとか…」

オーキド「一体何を言っておるのか……」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:22:25.67 ID:auXLRVfDO
オーキド「挙げ句にこれじゃ……」

ウツギ「けつばん…?」

オーキド「当時カントーに生息していたポケモンは150匹……」

オーキド「今でこそ違うが……当時には有り得ない152匹目のポケモン……」

ナナカマド「それがこの『けつばん』か」

オーキド「実際に姿を見たわけではないが……」

オーキド「レポートにはしっかりと書かれておる」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:25:12.90 ID:auXLRVfDO
ウツギ「新種……?」

オダマキ「ただ姿は見えないんですよね?」

オーキド「あぁ……しかし、鳴き声を聞くと視界がブラックアウトする」

ナナカマド「にわかには信じられん話だ…」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします::2013/07/26(金) 08:27:10.23 ID:auXLRVfDO
ウツギ「………さて以上が若者の問題行動です」

アララギ「これはどうしたものかしらね」

ナナカマド「何か対策が取れるとも思えんが……」

オダマキ「…………」

オーキド「各自若者たちには目を光らせておいてくれ」