1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 17:16:20.89 ID:i5HJtWp00
~大学生ジュン、偽物の中学生ジュンに言われるがまま人形の製作中~
ジュン「・・・・」うつらうつら
ジュン「ッ!?」ガックン
ジュン(あー・・いけないいけない寝ちゃうとこだった)
水銀灯「フフ・・」クスクス
ジュン「ムッ」
水銀灯「あーら、ごめんなさい」クスクス
ジュン「あー眠い、一息入れよ」スッ
~数分後~
水銀灯(あら?いい香り)スンスン
ジュン「・・・」ズズー
水銀灯「あなた、何を飲んでいるのかしら?」
ジュン「ん?コーヒーだけど」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 17:28:17.95 ID:i5HJtWp00
水銀灯「コーヒー・・懐かしいわね」
ジュン「そういえば真紅は紅茶しか飲まないけどコーヒーって飲まないのか?」
水銀灯「フフ・・あの子の味覚は子供だからコーヒーは嫌いなはずよ」
ジュン「お前も嫌いなのか?」
水銀灯「私はそんなに嫌いではないわ、むしろコーヒー派ね」
ジュン「へぇ」
水銀灯「だからあの子とはお茶の時によく喧嘩になるわね」
水銀灯「『そんな泥水みたいな飲み物よく飲めるわね』って」
ジュン「真紅らしいな」
水銀灯「あの子自分の味覚がお子ちゃまなだけなのがわからないのかしら」
ジュン(いつもそう言い返して喧嘩になってるのか)
ジュン「お前も飲むか?」
水銀灯「いらないわ」キッパリ
ジュン「なんでお前はいつもいつも人の好意を・・・」
水銀灯「だってもう少し香りをかいだだけでダメなコーヒーだとわかるもの」クスクス
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 17:35:22.53 ID:i5HJtWp00
水銀燈「そのコーヒーはどうやって入れたのかしら?」
ジュン「え?そりゃインスタントだけど」
水銀燈「インスタント?」
ジュン「ちょっと待ってろ」スッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジュン「これがインスタントコーヒってやつだ」つネスカフェ
水銀燈「ふーん・・・」
ジュン「それでこの蓋をあけて」カパッ
ジュン「カップに入れて」サラサラ
ジュン「お湯はさっき沸かしたからそれを注いで」ジョボジョボ
ジュン「出来上がり」ドヤ
水銀燈「・・・・・」
ジュン「ほらお前の」
水銀燈「いらないわ」窓からポイ
ジュン「ちょ!あぁぁぁぁぁ!!?」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 17:44:36.62 ID:i5HJtWp00
水銀燈「シッ、静かにしなさい、真紅が起きるでしょう」
ジュン「!?」
ジュン「ハァ?お前人の好意を何窓からポイしてんだよ!どうすんだよあのマグカップ!」
水銀燈「うるさいわねぇ」
水銀燈「だいたいあんな大きなカップじゃ飲めないってわからないの?真紅から言われなかったの?」
ジュン「ぐ!?・・言われたけど・・」
水銀燈「ハァ・・・ダメな人間ね、学習しないなんて」
ジュン「ぐぬぬ・・・」
水銀燈「まったく、あの子はとんだお人よしね。私ならこんな下僕はごめんだわ・・」
ジュン「う・・・」
水銀燈「だいたい何あのコーヒーは」
水銀燈「『好意』と言い張るならせめてもっとましなコーヒーを入れなさい。あんなの真紅の言う『泥水みたいなもの』よ」
ジュン「・・・・・ごめんなさい」
ジュン(あぁ・・また人形相手に謝ってしまった・・・)
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 17:54:51.19 ID:i5HJtWp00
水銀燈「入れなおして欲しいところだけれど私に合うカップがないから今日のところはこれで勘弁してあげる」クスクス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~翌日、バイト中~
ジュン(はぁ・・あいつ結構真紅に似てるよな)
ジュン「コーヒーねぇ・・・」
ジュン「ドリップでいいかな、それなりにインスタントよりはおいしいだろ」
ジュン「まさかミルを買って自分で挽いてなんて本格的なことしたくないし」
ジュン「ん?この本・・・・」
ジュン「おいしいコーヒーの淹れ方?・・・ってそんな感じの本いっぱいあるな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
店長「おい桜田ぁ」
ジュン「は、はい!」ビクッ
店長「仕事サボって何やってんだ、仕事しろ仕事」
ジュン「はいすみません」
店長「ったくよ~」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 18:03:29.69 ID:i5HJtWp00
ジュン「ただいまー」
真紅「あら今日は早いのね」
ジュン「お前なんで字が読めないのにそんなに新聞が読みたいんだよ」
真紅「うるさいのだわ」
真紅「それよりも仮下僕、さっさとお茶を入れなさい」
ジュン「はいはい」
真紅「はい、は一回」
真紅「それにしても今日はずいぶん買い物をしてきたのね」
ジュン「ん?あぁこれか」ガサ
ジュン「コーヒー入れるための道具だよ」
真紅「・・・コーヒー?」
ジュン「あぁ、いつも作る時はインスタントだったからたまには、な」
ジュン「そうだ、今日はコーヒーにしないか?」
真紅「何を言ってるの仮下僕。あなたに私のティータイムに口をはさむ権利などないわ」ギロッ
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 18:12:17.22 ID:i5HJtWp00
真紅「だいたいコーヒーなんて野蛮な飲み物を飲むなんてありえないわ」
ジュン「そんなに苦手なのか?」
真紅「は?」
ジュン「だってコーヒーって香りも結構いいし、甘いものに合うじゃないか」
ジュン「コーヒーが嫌いな人ってたいてい『苦いから』って言う理由で飲まないはずだけど」
真紅「え?・・フフ、何をおかしなことを言っているのかしらこの仮下僕は」
真紅「私がそんな子供じみた理由でコーヒーが嫌いなわけではないのだわ」
ジュン「だ、だよな」
真紅「えぇもちろん、むしろブラックで飲めてしまうわ」
ジュン「おぉそりゃぁすごい」
ジュン「じゃぁなんで嫌いなんだよ」
真紅「え?・・えぇと、その・・」
水銀燈「クスクス・・・認めちゃいなさいよ真紅」
真紅「な!?あなた起きていたの?」
水銀燈「フフ、いつまでたってもあなたはお子様な味覚ねェ真紅」クスクス
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 18:24:44.58 ID:i5HJtWp00
水銀燈「あら、夜中言ったとおりちゃんと道具を揃えてきたようね」
水銀燈「健気ねぇ、いい子よ」クスクス
ジュン「う、うるさい!人形に褒められてもうれしくない」
真紅「・・・どういうことジュン?そしてなぜ頬を赤くしているの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジュン「・・・ということんなんだ」
真紅「・・・私の仮下僕の分際で他のの女に目を移すなんて、全く・・首輪をしておかないとだめなのかしら?」
ジュン「ぐぅ・・・」
真紅「それにしても水銀燈」
真紅「よくもありもしないことをべらべらと喋ってくれたわね」
水銀燈「あーら!全部本当のことじゃないの」クスクス
真紅「今すぐ訂正すれば許してあげるわ」
水銀燈「えー、どうしようかしら」
水銀燈「あ、そうそう、この子初めてコーヒー口にしたとき吹き出しちゃったのよ」クスクス
真紅「な!?」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 18:32:34.30 ID:i5HJtWp00
ジュン「ふ、ふーん」
ジュン(あの真紅が・・・)
真紅「な、なにを言っているの水銀燈。本当に怒るわよ」
水銀燈『に、苦い・・・こんなもの人間の飲み物じゃないわ』ワナワナ
真紅「な!?人のモノマネをしてバカにするなんて!」
ジュン「モノマネ・・・」
真紅「ハッ!」
水銀燈「クスクスwww」
真紅「とにかく早く紅茶を入れてきなさい仮下僕!」すね蹴り
ジュン「痛ってぇ!!」
水銀燈「じゃあ私もコーヒーを入れてもらおうかしら、モーニングにちょうどいいわ」
真紅「誰に断ってそんなことしようとしてるのかしら?」
水銀燈「いいじゃないの『仮』なんだから」
水銀燈「それとも嫉妬ぉ?ヤキモチかしら」クスクス
真紅「水銀燈、あなたね・・・」ワナワナ
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 18:42:09.45 ID:i5HJtWp00
真紅「だめ、温度が低い淹れなおしなさい」
水銀燈「なにこのうっすい液体は、水と豆の量が合ってないし、温度が低い、最悪ね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~台所~
ジュン「はぁ、ただでさえ真紅がうるさいのに面倒くさいのがもう一体」
ジュン「はぁ・・・」
ギャーギャー
ジュン(また喧嘩してるよ)
ジュン「ハッ・・・そもそも僕はなんでこんなに健気に尽くしているんだ」
真紅「ジュン!まだなの!?」
ジュン「もう少し待ってろよ」
水銀燈「主人をこんなに待たせるなんて、あなた下僕のしつけがなってないんじゃなくて?」
真紅「うるさいのだわ。だいたいあなたはさっきからいけしゃあしゃあと・・・」
ギャーギャー
ジュン「巻いた僕はいつもこんなだったのか?あとで大変だなってメール送ろう・・」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 18:50:43.63 ID:i5HJtWp00
~深夜、人形制製作中~
ジュン「・・・・・眠いな」うつらうつら
ジュン「一息入れるか、水銀燈コーヒー飲むか?」
水銀燈「・・・・・・」
ジュン「水銀燈?」
水銀燈「え・・あぁいただくわ」
ジュン「そうか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水銀燈「・・・・・」
ジュン「文句言わないんだな」ズズー
水銀燈「え?・・あぁそうね、相変わらず最悪だわ」
ジュン「さいですか」
ジュン「・・・お前いつも僕の作業見てるだけだけど退屈じゃないのか?」
水銀燈「そうでもないわ」ズズー
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 18:57:38.42 ID:i5HJtWp00
水銀燈「・・・・」
ジュン「お前いつもなにか考え事してるみたいに見えるけど」
水銀燈「そうね」
ジュン「やっぱりお前のマスターのことか?」
水銀燈「さぁ、どうでしょうね」
ジュン「・・・」ズズー
ジュン「まぁ何とかなるさ」
水銀燈「そうだといいわね」
ジュン「よし作業再開だ!」
水銀燈「・・・・・・」ズズッ
水銀燈(・・・おいしい)
~おわり~
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