1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 21:42:15.95 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「の中学時代のあだ名を知ってるの?」

由比ヶ浜「えっ?ただ腋の下が蒸れてびちょびちょって話をしてただけだけど・・・」

八幡「・・・腋ノ下腋乃か」

雪ノ下「・・・えぇ」

八幡「ヒキガエルよりも悲惨だな」

由比ヶ浜「・・・なんでそんな名前に」

雪ノ下「ワキガ・・・酷かったの・・・」

八幡「・・・」


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 21:48:09.31 ID:OGML3ZML0
八幡「なるほど・・・子供は残酷だな」

由比ヶ浜「腋臭いから虐めるとか酷い!」

雪ノ下「今思うと反論できないの。実際臭かったから」

八幡「いや、でも8×4とかあるだろ」

雪ノ下「私が8×4と出会ったのは高校一年生よ」

八幡「つい最近まで臭かったのかよ・・・最悪だな」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 21:51:01.36 ID:OGML3ZML0
由比ヶ浜「ヒッキー、ちょっと言い方を・・・」

八幡「腋の臭いとか身だしなみっていうかマナーだぞ」

雪ノ下「だから知らなかったって言ってるでしょ?しつこいわね」

八幡「どれだけ臭いに無関心なんだよ」

由比ヶ浜「もっとオブラートに包んで言ってあげようよおおおおお」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 21:54:43.44 ID:OGML3ZML0
八幡「まあ今はちゃんとワキガ対策してるならいいんだけどな」

由比ヶ浜「まぁ・・・あの臭いは不快に感じる人も多いだろうしね」

雪ノ下「最近は平日は毎日スプレーしてるわ。朝に余裕があるときはね」

八幡「おい待て。余裕ないときはしないのかよ」

雪ノ下「比企谷君。あなたは学校とワキガどっちが大切なの?」

八幡「うっわぁ・・・信じらんねぇ・・・」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 21:59:24.97 ID:OGML3ZML0
由比ヶ浜「急いでると言えば今日ゆきのん学校来るの遅かったよね」

雪ノ下「ええ。少し寝坊してしまったから」

八幡「・・・おい。まさか今日スプレーは」

雪ノ下「する時間無かったわ」

八幡「いやいや、車通学だろ!?車でする時間あるだろ!?」

雪ノ下「車の中は食事と着替えして髪治してたの。布団出てすぐ車よ」

由比ヶ浜「すごいなぁ。車の中で朝の準備できるんだぁ」

八幡「そこまでするならスプレー一本くらい置いておけよっ」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:01:30.13 ID:OGML3ZML0
八幡「さっきからどおりで腋臭いと思ったよ!」

由比ヶ浜「ヒ、ヒッキー!?」

八幡「ずっと黙ってたけどな、お前のワキガ。外人並みヤバいぞ!?」

雪ノ下「フン」ファサァ

八幡「そうやって髪なびくたびに臭うの!わかる!頼むからスプレーしろ!」

由比ヶ浜「ヒッキー、少しは言い方を・・・」

雪ノ下「いいのよ由比ヶ浜さん。まったく気にしてないから」

由比ヶ浜「いや、少しは気にしてほしかったり・・・」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:15:03.83 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「例えワキガが酷かろうとそれが私なの」

雪ノ下「それを偽るなんて御免よ」

八幡「俺もワキガ対策しない奴といるのは御免だ」

由比ヶ浜「ヒッキー!」

八幡「帰らせてもらうわ。この部屋くせえし」

ガララ

雪ノ下「勝手にすればいいのよ」

由比ヶ浜「ヒッキー・・・」

雪ノ下「・・・そんなに臭い?」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:19:45.15 ID:OGML3ZML0
由比ヶ浜「えっ」

雪ノ下「私のワキガ。臭い?」

由比ヶ浜「う、う~ん・・・どうだろ。あははのは・・・」

雪ノ下「私のこと・・・友達だと思うなら真面目に答えて・・・」

由比ヶ浜「えっと・・・その・・・」

由比ヶ浜「・・・少し、臭いかな?」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:22:30.37 ID:OGML3ZML0
由比ヶ浜「なんちゃって・・・あはは・・・」

雪ノ下「・・・」

由比ヶ浜「ほんのちょっとだよ?ほんのちょっと臭うかな~ってくらい!」

雪ノ下「でも実のところ・・・?」

由比ヶ浜「・・・」

由比ヶ浜「・・・めちゃくちゃ臭い、かな」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:24:38.88 ID:OGML3ZML0
由比ヶ浜「なんちゃって・・・はは・・・」

雪ノ下「・・・」

由比ヶ浜「・・・なんかごめん」

雪ノ下「・・・どれくらい臭いの?」

由比ヶ浜「・・・」

雪ノ下「・・・例えるならどんな感じ?」

由比ヶ浜「腋ノ下腋乃って感じ」

雪ノ下「死んで」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:30:30.68 ID:OGML3ZML0
由比ヶ浜「え?」

雪ノ下「あなた・・・信じられないわ」

由比ヶ浜「はぁぁ!?ゆきのんが友達なら本当のこと言ってって言ったんじゃん!!」

雪ノ下「超えちゃいけないライン考えなさいよ」

由比ヶ浜「ゆきのんの超えちゃいけないライン難しすぎっ!どこまでかわかんないよ!!」

雪ノ下「それをくみ取るのが友達だと思うの」

由比ヶ浜「もう知らないっ!ゆきのんの馬鹿!死ねっ!」

ガララッ


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:39:31.78 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「・・・」

雪ノ下「ふん。死ねって言った方が死ぬんだから」ツン

雪ノ下「あ、今のツンはツンツンしてるのツンだから」

雪ノ下「・・・って私なに独り言を」

雪ノ下「・・・」

雪ノ下「・・・クンクン」

雪ノ下「おえっ!」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:45:06.66 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「エホッ!ケェーッ!ケェーッ!」

雪ノ下「ケエッエッエッ・・・」

雪ノ下「はぁーはぁー・・・」

雪ノ下「なにこれ・・・冗談じゃないわ・・・はぁーはぁー」

雪ノ下「これは夢。きっと夢よ」クンクン

雪ノ下「あれ?今度は臭わのうぇっ!ケェーッケェーッ・・・」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:47:54.89 ID:OGML3ZML0
次の日

由比ヶ浜「あ、ヒッキーおはよー」

八幡「おっす。はぁ・・・昨日はカァっとなってすこし言い過ぎちまったかな・・・」

由比ヶ浜「私も・・・昨日は家に帰って自己嫌悪・・・」

八幡「雪ノ下が学校に来たら謝るか」

由比ヶ浜「私もそう思ってるんだけど・・・なかなか学校来ないんだよね」

八幡「まだ来ないって・・・もうすぐ始業のチャイム鳴るぞ」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 22:57:15.38 ID:OGML3ZML0
キーンコーン

由比ヶ浜「あ、鳴っちゃった・・・」

八幡「おいおい。珍しいな。雪ノ下が遅刻か?」

ダダダダダダ

ガララ

雪ノ下「はぁっ、はぁっ、はぁっ、・・・ギリギリセーフッ」

由比ヶ浜「アウトだよ」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 23:00:26.09 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・熱っ・・・」

由比ヶ浜「ゆきのーん。下敷きうちわだよー」パタパタ

雪ノ下「ありがとう・・・はぁっ・・・生き返るわ」

八幡「雪ノ下、昨日はワキガワキガ言って悪かった」

由比ヶ浜「私も・・・腋の下腋乃って言ってごめん」

雪ノ下「私こそ・・・死んでって言ってごめんなさい」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 23:03:35.45 ID:OGML3ZML0
八幡「そういやなんで今日は遅刻したんだ?珍しい」

雪ノ下「これよ」スッ

八幡「これは・・・」

由比ヶ浜「制汗スプレー・・・!?」

雪ノ下「スプレーするの忘れて家に戻って持ってきたの」

由比ヶ浜「ゆきのん・・・」

八幡「おい。まさか持ってきただけでまだしてないってオチじゃないだろうな・・・?」


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 23:07:55.18 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「そんなわけないわ。しっかりしてるわ。ほら」スッ

由比ヶ浜「どれどれ・・・」クンクン

由比ヶ浜「おえっ」

八幡「雪ノ下!どういうことだよ!」

雪ノ下「私の推測だけれでも、ここまで走ってきたせいで汗が出てスプレーが流れ落ちたようね」

由比ヶ浜「ゆきのんっ・・・ひどいよっ・・・!」

雪ノ下「流石の私もこれには苦笑いね」ハハハ

由比ヶ浜「全然笑えないよっ・・・おえっ」


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 23:17:56.54 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「全て汗が悪いの」

八幡「よりにもよってクラス合同の移動教室の授業だったからな」

雪ノ下「自分の教室ならきっと間に合ったわ」

由比ヶ浜「そもそも早起きしようよ~」

キーンコーンカーンコーン

八幡「お、終わったか」

雪ノ下「今日も喋ってる間に授業が終わったわね」

由比ヶ浜「全然ノート取ってないや」



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 23:28:50.56 ID:OGML3ZML0
雪ノ下「大丈夫。私も取ってないわ」

由比ヶ浜「そっか!ゆきのんも取ってないのなら大丈夫だねっ!」グッ

雪ノ下「ふふ。ところで腋の話なんだけど・・・」

由比ヶ浜「うんうんー!」

八幡「・・・」



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/13(火) 23:33:20.82 ID:OGML3ZML0
5年後


八幡(22)「・・・」

八幡(あれから5年。卒業後あいつらとはまったく連絡を取っていない)

八幡(卒業してもまた遊ぼうとか言いながら自然に連絡しなくなった)

八幡(毎日毎日、奉仕部メンバーと話すことと言えば腋の話ばかりだった)

八幡(決まって話題は臭いや制汗スプレーの話)

八幡(授業中も部活動中も腋、腋、腋)

八幡(そんな感じで俺たちの青春は終わっていったのである)




やはり俺の青春ラブコメはわきがっている。

-完-