1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:22:42.15 ID:DsTMlLbi0

 


グラハム「ふ、ガンダムと恋愛、か……たしかにかつての私はガンダムに愛憎を抱いていた」

グラハム「だが今の私にはそういった感情はないよ。長い迷いを経てようやく、だがな」

シャア(回りくどい……)

シャア「つまり、普通に人間と恋愛したいという意味か?」

グラハム「その通りだ」

シャア「意外だな。貴様はそういったことに興味はないと思っていたのだが」

グラハム「ああ、正直なところこれまでの私は色恋よりも空を飛ぶことに夢中だった……だが最近心境の変化があってな」

シャア「ほお、というと?」

グラハム「あれは数日前、新婚の友人宅に訪ねた時のことだ」



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:24:27.75 ID:DsTMlLbi0
――――――
――――
――

ビリー「よく来てくれたねグラハム。さあ楽にしてくれ」

グラハム「そうさせてもらおう。気が置けない友の家だからな」

ビリー「ははは、そういえば君がうちに来るのも久しぶりだねえ」

グラハム「新婚の家庭だ。私でも一応遠慮はするさ」

ビリー「気にすることないのに。いつでも来てくれたまえよ」

グラハム「ふ、そういってくれるのならば甘えさせてもらおう。ところでカタギリ、次の日曜なのだg」

ガチャッ バターッン!

ミーナ「ビッリイイイイィィィ! たっだいまあああああ!!」ダダダダッ

ビリー「ミーナ!! 待ってたよ、お帰り!!」ガタッ

ミーナ「んん~! ビリーッ!!」ダキッ

ビリー「ミーナ!」ギュッ


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:27:39.32 ID:DsTMlLbi0
ミーナ「ビリーに会えなくて私……寂しくて死んじゃうかと思ったよぉ!」

ビリー「ふふ、何を言ってるんだい。たった一晩会わなかっただけじゃないか」

ミーナ「そんな~ビリー! 『たった一晩』だなんて……」

ビリー「たった一晩会わなかっただけなのに……僕は何百回も君の研究所に行く衝動を抑えなければならなかったよ」

ミーナ「……ビリー///」

グラハム「……ウオッホン!」

ミーナ「ビリー……今夜は昨日の分までいっぱい愛してくれなきゃ、ダメだからね」ギュウッ

グラハム「え?」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:30:06.32 ID:DsTMlLbi0
ビリー「言われなくたって、僕の方こそ抑えることなんて出来そうにないよ」

グラハム「あの……ゴホン! ゴホンゴホン!」

ミーナ「ビリー///」

ビリー「ミーナ///」

グラハム「ゲッホ! ゲェッホ! ゲホゲホゲホゲホ!!」

ミーナービリーブチューベロベロベロ

グラハム「」

ミーナミーナァアンビリーダメコンナトコデ 

グラハム「……」スッ

ガチャ バタン

――――――
――――
――

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:34:21.96 ID:DsTMlLbi0
シャア「……それはアクシズを落としたくなるな」

グラハム「ふ、いいや。そんなことで腹を立てる私ではないさ」

グラハム「まあそういうことがあり、カタギリとろくに話すことも出来なかったので、その後もう一度訪ねた」

グラハム「奴が以前好きだった女性の写真を保管するよう結婚前に頼まれていたのを思い出してな。それを返そうと思ったのだ」

シャア「ガチギレしているじゃないか」

――――――
――――
――

ビリー「先日はすまなかったね。君が帰ってしまったのにも気がつかないで」

ミーナ「ごめんなさい、お構いもせずに」

グラハム「いいさ。新婚の家に突然訪ねた私こそ悪かった」

グラハム「ところでカタギリ、預かっていたやつだ。返すぞ」

ビリー「ん? なんだったかn」

ビリー「」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:37:48.07 ID:DsTMlLbi0
ミーナ「この写真って……」

グラハム「以前ビリーが片思いしていたクジョウとかいう婦人の写真だ。結婚したものの捨てるに捨てられず私に預けていたのだ」

ビリー「ちょ、ちょっと、グラハム!?」

グラハム「あ、っと。そうかすまない。もうカタギリは結婚してるというのに昔の女の写真を持ってくるなんて不適切だったかな」

ビリー「白々しい!?」

ミーナ「…………」

ビリー「み、ミーナ、これはその違うんだ! 決してまだ未練があるとかいうわけじゃなくて、他人が写った写真を捨てるのも憚れるしそれでグラハムに……」

グラハム「彼女がCBだと分かった時は破り捨てていたがな」

ビリー「ちょっと黙っててくれない!?」



ミーナ「……」クスッ

グラハム「!?」

ビリー「み、ミーナ……」ガタガタブルブル


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:41:37.86 ID:DsTMlLbi0
ミーナ「そんなに慌てなくて良いの、ビリー」ニコッ

ビリー「え……」

グラハム「えっ」

ミーナ「このひとに恋している貴方に、私が何年片思いし続けたと思っているのよ」

ミーナ「私はね、このひとのことを愛していたことも含めて、ビリーのことを愛したの」

ミーナ「だから、今でも貴方の心のどこかにこのひとがいるとしても……私はそんなビリーのことを受け入れるんだよ」ギュッ

ビリー「み、ミーナ!」ギュウッ

グラハム「」

ミーナ「でも……やっぱりちょっと妬いちゃったかな」

ミーナ「だからね、ビリー。お願い……」チュッ

ビリー「ミーナアァァァ!!」ガバアッ

アッヤンビリーソコハッ ウオオミーナミーナミーナァッ  


グラハム「」トボトボ

ガチャ バタン・・・

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:45:43.83 ID:DsTMlLbi0
――――――
――――
――

シャア「完全敗北も良いところだな」

グラハム「ああ……ぐうの音も出なかった」

グラハム「だが、そんな彼らの姿を見て、初めて私は思ったのだ」

グラハム「結婚してぇ、と」

シャア「なるほどな。たしかにそれは結婚したくもなるだろう」

シャア「が、しかし」

グラハム「なんだ?」

シャア「貴様、恋愛したいというのは女と、ということだったのか」

グラハム「なに?」

シャア「てっきり貴様は同性愛者だと思っていたぞ」

グラハム「……たしかに私はある少年のことをしつこく追いかけていたが、 的にどうこうしたかったわけじゃないぞ」

シャア「でもドラマCDとか」

グラハム「あれは真実の私ではない。風評被害だ」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:47:08.19 ID:DsTMlLbi0
シャア「まあともかく、貴様はノーマルで、これから女性と恋愛をしてみたくなったと」

グラハム「そういうことだ」

シャア「しかし、なぜ私にそんな相談をする?」

グラハム「君はそういった経験が豊富だろうからな。なにせ仮面キャラ随一の    だ」

シャア「……まあ否定はできないが」

グラハム「最近だとあのハマーン・カーンとも関係を持った設定になったと聞いたぞ」

シャア「待て待て待て! それは違う! 私はハマーンと男女の関係になってなどいない!!」

グラハム「そうなのか?」

シャア「当たり前だ!」

グラハム「まあ、それにしても経験豊富なのは変わらんだろう。君のララァという寝言を聞いた女性が少なからずいるらしいからな」

シャア「むう……」

グラハム「対して私は女性との絡みがほとんどない。1期に至っては皆無だし、2期でもマネキン准将の胃を痛め、ハレヴィ准尉とほんの少し絡んだくらいだ」

グラハム「劇場版にしても部下に訓示を垂れ、フェルト嬢と二言三言話しただけだしな」

シャア「つまり私に女性を紹介しろということか」

グラハム「有り体に言えばそういうことだ」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:50:41.06 ID:DsTMlLbi0
シャア「しかしな、私が言えた義理でもないが、貴様に合う女性となると相当に懐が深くなければ無理だろう。はっきり言ってそんな女性は……」

シャア「!」ピーン

シャア「良かろう。ハマーンを紹介してやろうじゃないか」

グラハム「え、ハマーン・カーン?」

シャア「なんだ不服なのか?」

グラハム「そういうわけではないが……さっきと言っていることがまるっきり違わないか? 懐の深い女性が良いと」

シャア「まるでハマーンが器量の小さい女のような言いぐさではないか。安心しろ、貴様は知らんだろうが、ハマーンはあれで男を受け入れる良い女だ」

グラハム「そう、か……? いやそれなら君こそ彼女と付き合ってしまえb」

シャア「さあ、何をもたもたしている! ハマーンのところへ行くぞ!」

グラハム「あ、ああ」

シャア(ふふ、これでグラハムとハマーンがくっついてしまえばもうあの女に付きまとわれる心配はなくなる)

シャア(例えくっつかないにしてもグラハムがハマーンに惚れストーカーになれば、ハマーンが私に絡む気力を削げるだろう)

シャア(こうなれば何としてもこの男をハマーンに惚れさせてみせる!)


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:54:46.71 ID:DsTMlLbi0
――喫茶店

ブライト「こうして会うのも久々だな」

アムロ「俺がロンド・ベルを抜けてからは頻繁に顔を合わせることもなくなったからな」

ブライト「……元気にしているか?」

アムロ「まあ、何とかやってるよ」

ブライト「なあ、アムロ。お前、少し変わったな」

アムロ「ん?」

ブライト「俺だけじゃなくて、他の連中からもそういう声が聞こえてくる」

アムロ「……何も変わっちゃいないさ。どこが変わったっていうんだ」

ブライト「どこか……そう、投げやりになっているような気がするんだ……チェーンのこと以来、な」

アムロ「ブライト、その話は」

ブライト「……チェーンが戦死したこと……アムロ、あれはな、実は……」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 21:57:10.72 ID:DsTMlLbi0
ガタッ

アムロ「……これから大切な用があるんだ。悪いがここで失礼させてもらう」

ブライト「おい、アムロ」

アムロ「じゃあな、艦長」スッ

カランカランッ

ブライト「……クソッ!」

ブライト「なんて、情けない男なんだ、俺は……っ!」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:00:02.56 ID:DsTMlLbi0
――片田舎の某所

ロラン「大丈夫ですか、ディアナ様」

ディアナ「ええ、ごめんなさい、ロラン。もう、1人で歩くこともままならなくなって……あなたに大きな負担を」

ロラン「ディアナ様。僕は、僕がそうしたいから、貴女のお世話をさせて頂いているんです」

ロラン「だから、笑って下さい。それが僕にとっては一番嬉しいことなんですから」

ディアナ「ロラン……」

コンコン

ディアナ「あら? お客様かしら」

ロラン「今日はソシエお嬢様が来る日でもハリー大尉が来る日でもないはずですが……はーい、少しお待ちを」

ガチャッ ギイィィィィィ…

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:04:45.63 ID:DsTMlLbi0
――ネオジオンアジト

ハマーン「で、何の用事だシャア。私は忙しいんだがな」ソワソワ

シャア「急に押しかけて悪かったな。今日は友人を紹介したくて来たのだ」

ハマーン「友人? その男がか?」

グラハム「お初にお目にかかる。私は地球連邦軍少佐、グラハム・エーカーというものだ」

ハマーン「連邦軍だと……? シャア、敵兵とお友達になるとはどういう了見だ」

シャア「そう言うなハマーン。前政権とも、今のドーリアン政権とも、我々は対話路線で望んでいるだろう。連邦軍人と交流を持つのはそう悪いことではない」

ハマーン「『我々』だと? ネオジオンの運営を私に丸投げしてふらふらと遊んでいるだけの男がよく言う」

シャア「遊んでいるのではない、人脈をつくっているのだ。ドーリアン政権の宥和路線こそ、連邦内部にコネを築く絶好の機会だからな」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:08:00.02 ID:DsTMlLbi0
ハマーン「リリーナ・ドーリアン……私にはただの甘ちゃんにしか見えんがな」

シャア「だからこそ付けいる隙があるというものだ」

シャア「各国の独立派の中には連邦の軍縮を受けて武力行動を活発化させている者らも多いが、今はその時期ではない。力を蓄える時だ」

シャア「せいぜい彼女の宥和政策で時間稼ぎをさせてもらうさ」

グラハム「……そんな話を私の前でしても良いのか?」

シャア「貴様こそ我々と共にいることが知られればマズいのではないか? 政府はああだが軍のトップは強硬派のはずだ」

グラハム「ふ、たしかにな。安心してくれていい。どちらにしろ私は自身の意見を上層部に届ける力を持たないからな」

グラハム「そもそも、君たちのそんな思惑くらいは既に上は承知のことだろう」

シャア「言ってくれる」

ハマーン「それで、シャア? その連邦の下っ端を連れて貴様は何の用だというのだ」

シャア「彼も連邦のエースの1人なんだがな。まあいいさ。ハマーン」

ハマーン「なんだ?」

シャア「デートをしないか?」

ハマーン「はぇっ!?」ガタッ


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:12:09.44 ID:DsTMlLbi0
――数ヶ月前 連邦軍参謀本部内

アムロ「暗殺、ですか?」

フリット「そうだ。ドーリアン大統領とネオジオン摂政ハマーン・カーンが会談を行うことが決定した」

フリット「アムロ少佐。君はその警護につき、そして、大統領とハマーン・カーンの両者を殺害してもらいたい」

アムロ「……どこかで聞いたような話ですね」

フリット「大統領と彼女の私設ボディガード、なんと言ったかな……」

フリット「まあいい。彼らは前政権の暗殺騒動の件で君のことをいたく信頼しておられる。君を警護任務につけるのは容易だろう」

アムロ「大統領を殺してどうなさるおつもりです」

フリット「クーデターだ」

アムロ「やはり……とうとう実行するのですか」

フリット「ああ。君はトップエースとして名高く、軍部からも世論からも人気が高い」

フリット「そんなアムロ・レイがクーデターの先陣を切ったとなれば我々も仕事がやりやすくなる」

アムロ「しかし、圧倒的な人気で当選したリリーナ大統領を殺害して世論の支持が得られるでしょうか」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:17:08.53 ID:DsTMlLbi0
フリット「分かっているだろう? リリーナ・ドーリアン旋風も今は昔。分離主義者共のテロによって治安は著しく悪化している。もはやかつての人気は見る影もない」

フリット「それにこちらには切り札がある」

アムロ「切り札?」

フリット「フロイ・オルフェノア外務長官がネオジオンから賄賂を受け取っていてな。既に証拠も掴んでいる」

アムロ「なるほど。政権掌握後それをあたかもドーリアン政権全体が関与していたかのように公表するわけですか」

フリット「そういうことだ。大統領はテロリストと繋がり、彼らに便宜を図ってきた売国奴だと市民に印象づける」

フリット「軍縮政策で軍部の不満も強い」

フリット「更にはこの時の為に、軍高官に敢えてアデナウアーやホワイトといった事なかれ主義の腰抜け共を据えている。現場の憤懣は限界まで来ているだろう」

フリット「兵達のその憤りを私が導き、事なかれ主義の政府も軍高官も一掃する」

フリット「政権を奪取し、その勢いに乗って分離主義勢力の一大組織であるネオジオンを壊滅させてしまえば、人々は我らを支持するだろう」

アムロ「危険な橋ですね」

フリット「もちろん君の働きには当然の報酬を与える。救国の英雄として新政府において好きな地位を得るも良い、もしくは『名誉の負傷』で退役、豪邸で享楽の余生を送るでも良い」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:21:20.89 ID:DsTMlLbi0
アムロ「……魅力的です、が。どうしても僕の中にある不安感を拭い去ることが出来ないですね」

フリット「不安感? どういう意味かね?」

アムロ「前政権での暗殺騒ぎを思い出すんですよ。あの時は実行犯のリディ少尉は政府によって消された。僕も彼のようにならない保証はあるのか、とね」

フリット「なるほど、もっともな懸念と言える。だがな少佐、考えてみたまえ」

フリット「前政権がリディ少尉を嵌めたのは、それにメリットがあったからだ。彼の父親であるマーセナス議長を失脚させるというメリットがな」

フリット「対して私が君を大統領暗殺犯として葬ることにどれほどのメリットがある? たしかに君の口を封じたうえで英雄として祭り上げクーデターを勢いづかせることは可能だ」

フリット「だがそれならば殺さずとも、生きたままクーデターの先陣を切った英雄として側に置いた方がより効果的だろう?」

アムロ「俺の口から貴方の差し金ということが漏れることを懸念している、とは考えられませんか?」

フリット「これから司法もマスコミも握ろうというのだ。何を心配することがあるのかね?」

フリット「第一、君を切って捨てたことが軍部に知れれば私への不信を招く結果になる。その方が余程懸念すべき事態だとは思わんか」

アムロ「まあ、それはたしかに」

アムロ「では、俺が任務に失敗した場合は?」

フリット「失敗しても成功しても生きて捕まった場合は黙秘を続けていてくれ。君の救出・奪還を名目に兵を挙げる」

アムロ(死んだら死んだで考えがある、か)

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:26:02.05 ID:DsTMlLbi0
フリット「もっとも私が何を言ったところで最終的に信じるかどうかは君次第だ」

フリット「私はね、少佐。君をXラウンダー、いやさニュータイプとして買っているからこそ、君に任せたいと考えたのだ」

フリット「あとは君のニュータイプとしての直感で判断してほしい」

アムロ「…………」



アムロ(たしかに僕を捨て駒にしてもデメリットの方が大きいかもしれない)

アムロ(加えてこの男は敵に対しては容赦無いが身内を利用した挙げ句捨てるなどということはしない愚直さがどこかに感じられる)

アムロ(そして何よりも、僕がここで引いたところでどちらにしろこいつはクーデターを実行する)

アムロ(新政府が出来た時、ここで俺が引いてしまえばただの一兵卒のまま)

アムロ(危険な橋。だが、渡らねば栄達はない。万が一嵌められようとも俺ならば逃げ切る自信もある)

アムロ(それに……ターゲットにハマーン・カーンが含まれているのは願ってもないチャンスだ)



アムロ「分かりましたアスノ参謀議長。この任務受けさせて頂きます」

フリット「そう言ってくれると思っていたよ。任務にはウルフ中佐とサラ・ザビアロフ曹長も共に当たらせる。健闘を祈る」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:32:08.82 ID:DsTMlLbi0
ハマーン「おい」

グラハム「なにか?」

ハマーン「なぜ私が貴様などと公園をうろつかねばならんのだ」

グラハム「君が了承したのではないか」

ハマーン「あ、あれはシャアとだ、と、思って……ゴニョゴニョ」

グラハム(……ふむ)

グラハム「まあ、シャアも後ろから我々にくっついてきている」クルッ

シャア(お、あの子、成長したら安産型だなきっと)ボー

グラハム「しばらくの間私につきあってはくれないか」

ハマーン「私は忙しいというのに。この後もドーリアンの小娘との会談が待っている……だいたいこれの目的はなんだ。なぜシャアは私と貴様をうろつかせる」

グラハム「……あー、実はな。私が彼に女性を紹介してほしいと頼み、そして、紹介してくれたのが君なのだ」

ハマーン「なにっ!?」

ハマーン(シャアの奴めぇー)ムカムカムカ

ハマーン(私の気持ちに全く気がついていないというのか!? よりにもよって私を他の男とくっつけようなどとっ)

ハマーン(…………そこまで私に興味がないのか)

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:34:43.21 ID:DsTMlLbi0
ハマーン(こうなったらもう怒ったぞ)

ハマーン「来い!」

グラハム「うおっ、いきなり何だ!?」

ハマーン「デートなのだろう? せいぜい私を楽しませてみせろ!」

グラハム「ま、待て引っ張るな」

シャア(ん? どこかに行くのか?)

シャア「なんだハマーンのやつ……意外と乗り気じゃないか」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:39:00.46 ID:DsTMlLbi0
――某高級ホテル

リリーナ「お久しぶりですウルフ少佐。いえ、今は中佐になられたのでしたね」

ウルフ「あんたのおかげでな。外務次官暗殺阻止ということで俺も出世できた……おっと、大統領閣下にこの言葉遣いはマズイか」

リリーナ「構いません。是非ともそのままで接してください」

ウルフ「そうか。ならお言葉に甘えさせてもらうぜ」

ヒイロ「アムロ・レイもよく来てくれた。頼りにしている」

アムロ「ああ。しかし君もリリーナも随分と疲れた顔をしているな」

リリーナ「……そう、見えますか」

ヒイロ「知っての通りだ。武装勢力との紛争、軍縮政策に対する各所の突き上げでリリーナは忙殺されている」

ヒイロ「お前達に言うのも何だが特に軍との軋轢が日増しに強まっている」

リリーナ「アスノ参謀議長は軍の不満を抑えて随分とよく私たちをサポートして下さっていますが……やはり反発は強いですね」

ヒイロ(……)

ウルフ「そうか……そう、だろうな」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:43:27.31 ID:DsTMlLbi0
リリーナ「ええ。ですからお2人に会えて、どこか私ほっとしているんです」

リリーナ「ウルフ中佐とアムロ少佐なら安心です。今日はよろしくお願いしますね」ニコッ

ウルフ「……ああ、頼りにしてくれていいぜ」

ウルフ(すまねえな、ネエちゃん)


アムロ「では俺とサラはこちらの方を見てくるから」

ウルフ「ああ」

リリーナ「はい、お願いします」

アムロ「行くぞ、サラ」

サラ「はいっ」

スタスタスタ

サラ「アムロ少佐、手はず通り私はこちらのルートのチェックを」

アムロ「ああ、頼んだぞ」

サラ「はっ、では」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:44:00.46 ID:DsTMlLbi0
サラ「ふう」

サラ「リリーナ・ドーリアン大統領……優しそうなひとだったな」

ズルズルズル

サラ「あの人を、これから殺す……」

サラ「でも、この任務に成功すれば参謀議長はパプテマス様をもっと取り立ててくれる」

ズルゥズルズルズル

サラ「これは、パプテマス様の為よ、サラ」

ズルズルルズルズル

サラ「……? 何の音……」

パファ

サラ「なっ」

バツン

サラ「キュ

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:49:41.84 ID:DsTMlLbi0
アムロ「さて、と」

ヒイロ「アムロ・レイ」

アムロ「? どうした、ヒイロ」

ヒイロ「フリット・アスノのことで話がある」

アムロ(!! まさか感づかれた!?)スッ

ヒイロ「リリーナはああ言っていたが……俺はどうもあの男を信用できない」

アムロ(ん?)

ヒイロ「前政権下では軍強硬派筆頭として宥和路線を批判し続けた奴が、権力を握った途端大人しくしているのがどうにも不気味でならないんだ」

ヒイロ「アムロ・レイ。リリーナ襲撃事件以来お前はあの男とも付き合いがあるんだろう? 正直なところ、どう思う?」

アムロ「……そうだな。俺もはっきり言えば信用していない。今は猫を被ってはいるが、本性は危険だと感じる。油断すべきではないな」

ヒイロ「やはりそうか……リリーナは軍の中に味方がいない。いつ命を狙われてもおかしくないくらいだ」

ヒイロ「だから、警護担当がお前達になって、俺もリリーナと同様ほっとしている」

アムロ(……っ)ズキン


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:52:52.71 ID:DsTMlLbi0
ヒイロ「世論の反発も強まって彼女は疲れ果てている。アムロ・レイ、頼む。彼女の味方になってくれ」

アムロ「……」ズキッ ズキンッ

アムロ「……もちろんだとも。俺みたいな下っ端じゃどれくらい彼女の支えになれるかは分からないけどな」

ヒイロ「ふ、味方がいてくれるというだけで心強いんだ……ありがとう、アムロ」

アムロ「期待に応えられるよう精一杯やらせてもらうさ」

ヒイロ「頼りにしている。ではまた後でな」クルッ スタスタ



アムロ「……ヒイロの奴、あそこまで僕のことを信頼してくれていたのか」ズキンッ

アムロ「その僕が、目の前で、リリーナを殺したら」ズキンズキンッ

アムロ「あいつは一体、どんな顔をするというんだ」ズキンッズキンッ

アムロ「ぐ、ぐ……」ズキンズキンズキンッ



アムロ「グハァッ」ズッキーンッ

アムロ「興奮してきた。  し過ぎて痛いくらいだよ、ヒイロ」ズキズキ


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:56:19.48 ID:DsTMlLbi0
キィィィィン

アムロ「!?」

キィィィン

アムロ「な、なんだ!? この感じは!」

キィィィン 

アムロ「あ、頭が」

スタ スタ スタ

アムロ(だ、誰か……来る!)


サラ「久しいな、アムロ・レイ。随分と楽しそうじゃないか」

アムロ「さ、サラ……?」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 22:58:21.11 ID:DsTMlLbi0
サラ「分からないのも無理はない」グニャァ

アムロ「!?」

アムロ「サラが……、変形していく!?」

「」グニャアア

アムロ「ひっ……! ば、化け物!!」

「化け物ではないさ。俺だよアムロ・レイ」グニョォン

キィィィン

メタル刹那「刹那・F・セイエイだ」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:02:51.70 ID:DsTMlLbi0
アムロ「せ、刹那!? い、生きて……たしか、ロランによって宇宙へ捨てられたはずじゃ……い、いや、それよりも、それは、な、何なんだその体は!?」

刹那「その通り。俺はロラン・セアックによって宇宙へ放出された。樽に詰められてな」

刹那「宇宙空間に生身で晒された俺は、すぐに死に瀕した。だが、そのとき奇跡が起きたんだ」

アムロ「奇跡?」

刹那「そう。たまたまあの辺りを地球外金属生命体が漂流しており、俺を取り込んだのだ」

アムロ「な、なんだってー!?」

刹那「そいつに取り込まれ、俺の意識も徐々に消失していった」

刹那「だが、俺はとある強烈な感情によって奴に打ち勝ち、逆に奴を支配することに成功した」

アムロ「そ、その感情とは一体……!?」

刹那「愛、かな」

アムロ「愛!?」



刹那「宇宙空間に放り出された時、俺はディアナ・ソレルに恋をしていた。そもそもそれが原因でロラン・セアックの逆恨みを買ったわけだが」

刹那「薄れゆく意識の中で俺は思った……ディアナに会いたい、彼女の怯える顔がもう一度見たい、と」

刹那「そんな俺の熱烈な恋愛感情が、この金属生命体に勝利したんだ」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:06:12.03 ID:DsTMlLbi0
アムロ「……それほどまでにディアナ・ソレルを渇望していたのなら、俺の前に彼女のところへ行ってやったらどうだ?」

刹那「いや、もう行ってきた」

アムロ「なに?」



刹那「俺のメタリック触手   で苦痛と恥辱にすすり泣くディアナは実に美しかったよ。いや、最後の方は快感による 声も混じっていたかな」

刹那「必死になってロラン・セアックに自分の  を見ないよう懇願し、俺に対して許しを請う姿は痛快だった」

刹那「散々嬲って飽きた後はロランの目前で首を刎ねてやったがな」

アムロ(…………こ、こいつ)

刹那「……それにも増して良かったのは、メタルに縛られて身動きできぬロラン・セアックだ」

刹那「メタルによって思い人を され、嬲られ。最後には目前で首を刎ねられ殺されて」

刹那「それをただ指をくわえて見ることしか出来なかったロラン・セアックのあの表情、あの声……感情」

刹那「堪らず躍り食いしてしまってな。ロランの悲しみと絶望と憎悪と怒りの思惟……奴の意識が消失するまで存分にしゃぶらせてもらった」

アムロ(こいつは……っ!)


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:10:21.13 ID:DsTMlLbi0
刹那「アムロ・レイ。あんたはかつて俺に、ララァを奪った時のシャアの思惟に最も興奮したと言ったな」

刹那「あんたのその気持ち、今ならよく解る」

アムロ(こいつは……素晴らしい!)

アムロ「刹那、どうやら革新を遂げたようだな」アクシュッ

刹那「ああ、あんたのお陰だ。感謝している、アムロ・レイ」アクシュッ


刹那「ところでだ、アムロ・レイ」

アムロ「ん?」

刹那「リリーナ・ドーリアンを殺すそうだな」

アムロ「なぜ知っているんだ」

刹那「さっき取り込んだサラとかいう女の記憶を読み取った。断片的にだがな」

刹那「この件、俺も一枚噛ませてくれないか?」

アムロ「君も?」

刹那「そうだ。ディアナ・ソレルとはもう恋愛した」

刹那「だが最初のターゲットだったリリーナ・ドーリアンとは結局出来ないままだったからな」

刹那「是非彼女にも恋をしてみたい」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:14:25.63 ID:DsTMlLbi0
アムロ「ふむ」

アムロ「良いだろう。お前の力があれば仕事がやりやすくなる。どうやらサラの姿にもなれるようだしな」

刹那「感謝する」グニューン

アムロ「良いってことさ」

アムロ(こいつの力を上手くコントロール出来れば俺は敵無し)

アムロ(新政府の高官どころじゃない。フリット・アスノに成り代わり地球連邦の掌握すら可能)

アムロ(なによりも、俺の同好の士となれる奴を見つけることが出来た。こんなに嬉しいことはない)

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:17:41.96 ID:DsTMlLbi0
グラハム「ま、待て、ハマーン・カーン……少し休ませてくれ……」ゼェゼェ

ハマーン「軟弱だな。連邦の士官とはその程度か?」

グラハム「君の買った大量の荷物を持たされて歩き通しなのだ。そろそろ休息を与えてくれても良いのではないか?」

ハマーン「ふん、甘ったれめ。まあ良い。私も喉が渇いてきたところだ。店にでも入るか」

グラハム「感謝しよう」


グラハム「ふう。生き返ったような心地だ……ミス・カーン?」

ハマーン「……」ボー

グラハム「ハマーン・カーン」

ハマーン「え!? な、なんだ!?」

グラハム「シャアの方を見ていたようだな」

ハマーン「い、いや見てないぞあんな男! まったく、奴めいつまでついてくるつもりだ。護衛ならネオジオン兵が周囲に展開しているというのに」

グラハム「元々仲介してくれたのが彼だからな。それに、気になるんじゃないか」

ハマーン「何がだ?」

グラハム「もちろん、君のことだよ」

ハマーン「は?」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:23:33.83 ID:DsTMlLbi0
グラハム「気づかなかったか? 彼の表情、私と君が会話する度に険しくなっている」

ハマーン「な!?/// で、出鱈目を言うな!」

ハマーン「そもそも私と貴様をデートさせたのは奴なんだぞ!」

グラハム「いざ他の男と仲良くしているのを目の当たりにしたら、ということさ。君が私とのデートに乗り気になるなどとは、本当は思ってなかったんだろう」

グラハム「それが彼への当てつけだとは気がついていないだろうしな」

ハマーン「!」

グラハム「ハマーン・カーン。君は、シャア・アズナブルのことが好きなんだろう?」

ハマーン「な!!? なななななななにを言い出す!!/// あ、あんな男のことなぞ何とも……」

ハマーン「奴とはただ同じ組織に属しているという間柄であってそう単なる駒に過ぎない
だいたいあんな女ったらしのことなんて好きになるわけがそれにあいつめいっつも私のことなんて興味がないようなそぶりをして
ふらふらとどこかへ出かけて私を放り出すんだそんな男のことなんてこの私が……」

グラハム「少し落ち着いてもらえないだろうか?」

ハマーン「私は冷静だ!」

グラハム(やれやれ。これは重症だな)


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:27:44.03 ID:DsTMlLbi0
グラハム「あまりお節介を焼くのは私の性質ではないから一言だけ言わせてもらおう」

グラハム「それが友人であれ思い人であれ、いつまでも傍にいるとは限らない。後悔はしたくないだろう?」

ハマーン「……そんなこと……貴様に言われずとも、私は」

マシュマー「失礼いたします、ハマーン様!」

ハマーン「!? な、なんだマシュマー!!」

マシュマー「はっ、会談のお時間が迫っておりますので、そろそろ移動いたしませんと」

ハマーン「そ、そうか、分かった。グラハム・エーカー、悪いがここまでだ」

グラハム「そうか。ではここでお別れだな」

ハマーン「……いや、待て。おいシャア!」

シャア「どうした? 会談に向かうのではないのか。折角だから私も同行しよう」

ハマーン「ああ、そうしてくれ。ついでにこいつも一緒に連れていこうと思う」

グラハム「え?」


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:32:30.92 ID:DsTMlLbi0
シャア「なぜだ?」

ハマーン「こいつは連邦のエースの1人なのだろう? 丁度良い機会だからこいつを同行させて我々と軍との関係を小娘に見せつけたい」

シャア「……なるほど。少々乱暴ではあるが効果的かもしれん」

グラハム「い、いやいやちょっと待て! 君たちは反政府勢力なのだぞ! 私の立場はどうなる!?」

ハマーン「私の知ったところではない」

シャア「現在連邦政府と我々は比較的友好的な立場にある。君の実績からしてもこの件でどうこうとはならんだろう」

シャア「……軍内部での印象は悪くなるかもしれんがどうせ出世コースにいるわけでもあるまい」

グラハム「いや、それはそうだがしかし」

ハマーン「マシュマー」

マシュマー「はっ」ガシッ

グラハム「ま、待て!」

シャア「悪いがグラハム。諦めてついてきてくれ」


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:36:48.54 ID:DsTMlLbi0
――会談場所

シャア(なぜアムロが護衛なぞやっているんだ……)

アムロ(シャアまで来るとはな。好都合。素晴らしく好都合だよ。運命を感じる)

リリーナ「……それで。エーカー少佐でしたか? 貴方はネオジオンの方々とはどういった御関係なのでしょうか?」

グラハム「は、ミス・プレジデント。ミスターアズナブルとは個人的に友人関係にありまして、その……」

ハマーン「我々と軍関係者の親密さについて、貴女に知って頂こうと来てもらったのですよ、閣下」

ヒイロ「グラハム・エーカー……覚えがある。旧アロウズ時代、上層部とのコネを利用して横暴の限りを尽くした男だな。ネオジオンと繋がりがあるとは意外な話だ」

グラハム「……黒歴史というやつです。私は変わったつもりでいます」

リリーナ「いえ、良いのです。私たちはネオジオンの皆さんと友好的な関係でいることを望んでいます。我が軍の方がネオジオンと交流があるというのは歓迎すべきことです」

グラハム「」ホッ

ハマーン(ふん……噂通りの甘ちゃんだな)

シャア「それを聞いて安心しました。我々も連邦とは手を取り合っていきたいと考えている」

シャア「閣下が我々をよく理解して下さっているのもオルフェノア氏のお陰かな?」

ギュネイ(オルフェノア……たしかうちから賄賂を受け取っている連邦の高官か)

マシュマー(ハマーン様お美しい…………はっ! いかんいかん! しっかりとハマーン様の護衛を務めねば!!)



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:41:02.14 ID:DsTMlLbi0
リリーナ「ええ、オルフェノア外務長官には独立派の方々と懸命に対話を重ねて頂いています。こうして皆さんとお話しできるのも彼の功績です」

ウルフ「……」ギリッ

シャア(やはり彼女は疑ってすらいないか。オルフェノアは上手くやっているようだ)

アムロ(く、くくく。賄賂を受け取ることが功績か。果報者だなオルフェノアの奴は)プルプル

サラ(…………)

ハマーン「さて、では本題に入ろうか」

リリーナ「はい。各国からの宇宙移民、いわゆるスペースノイドの方々の生活環境については連邦政府としても……」

サラ「おい、アムロ・レイ」

シャア「?」

ウルフ「……!?」

アムロ「な!? せっ、サラ!」

リリーナ「……? どうかしましたか、ザビアロフ曹長」

サラ「さっさと始めないか? ダラダラとつまらん政治の話を聞いていたくはない」

ヒイロ「なんだ? 何を言ってる?」

ハマーン「貴様……会談中だぞ? 無礼であろうが」

70 :>>68 AGEの地球連邦首相:2013/07/15(月) 23:44:59.20 ID:DsTMlLbi0
ウルフ「おい、サラ!!」

アムロ「……いや、そうだな。考えてみれば最早俺たちは機会を伺う必要すらない、か」

ウルフ「アムロ!?」

アムロ「よし、手筈通りにやれ、刹那」

サラ(刹那)「く」グニュ

刹那「クハッハハハァ!」グニョォォォォン

「「「「!!?」」」」

ハマーン「な……」

ギュネイ「え? え? え?」

マシュマー「ハマーン様!! お逃」

刹那「」ヒュッ ヒュンッ

マ/シュマー「げ」

ギ/ュネイ「ぇ?」

ゴロゴロン

グラハム「さ、さながら寄生獣のような触手が伸びたかと思えば、次の瞬間護衛の2人の首が切り落とされているだと!?」

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:50:17.36 ID:DsTMlLbi0
シャア「何、だ……これは」

シュルッ

ハマーン「キャァッ!」

シャア「!! ハマーン!?」

刹那「くっくっく、ハマーン・カーンはこの俺のメタリック触手が預かった」

ハマーン「く、は、離せェ!」ジタバタ

シャア「貴様……!」

刹那「おおっと動くなよ貴様等。動けばこいつの首も飛ぶぞ? それとも絞め殺されたいか?」ググッ

ハマーン「ぐ、うッ」

シャア「よせ! 止めろ!!」

ヒイロ「化け物め……!」チャキッ

アムロ「待て待てヒイロ落ち着け」

ヒイロ「アムロ、この化け物を……な!?」

リリーナ「ヒ、ヒイロ……」

アムロ「お前の焦りが僕にまで伝染してしまったら、ついうっかり引き金を引くハメになって、大統領閣下のご尊顔がふっ飛んでしまうぜ?」



73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:55:05.00 ID:DsTMlLbi0
ヒイロ「アムロ……貴様! リリーナから銃を……!!」

ウルフ「銃を捨てろ」チャッ

ヒイロ「!」

ウルフ「シャア・アズナブル、そしてエーカー少佐もだ。銃を床に置け!」

ヒイロ「ウルフ……お前もか」

シャア「くっ……」ゴトッ

グラハム「エニアクル中佐、何なんだこの状況は? 私には全く事態が……」

ウルフ「さっさと置け!!」

グラハム「……了解した」ゴトッ

アムロ「お前もだヒイロ。大事なんだろう? リリーナが」

ヒイロ「…………」スッ

ゴトンッ

ウルフ「……さて、『何なんだこの状況は』か。実のところそれは俺も聞きたい話なんでね」

ウルフ「どういうことだ? 何がどうなっている、アムロ?」

アムロ「どうなっているも何も、アスノ議長からの命令じゃないか。ドーリアン大統領とハマーン・カーンを暗殺するんだろう?」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/15(月) 23:59:08.63 ID:DsTMlLbi0
グラハム「暗殺だと!?」

ヒイロ「貴様ら……」ギリッ

ウルフ「俺が訊いているのはそこじゃねえ! あそこにいる化け物はなんだってことだ!」

ウルフ「アムロ、てめえ奴に命令していただろうが。何なんだあれは」

アムロ「ああ。あれは極秘に造られた生物兵器だよ。議長の指示で投入されることになった」

ウルフ「生物兵器だと……? 聞いてねえぞ俺は」

アムロ「あんたはこの手のものを嫌うかもしれんからな。ウルフには秘密にしておけという議長の配慮さ」

ハマーン「くっ、馬鹿な」

シャア(連邦がこのような兵器の開発に成功していたとなると……)

ヒイロ「……? おい、こいつ……刹那・F・セイエイ、か……?」

グラハム「!? まさか少年!?」

シャア「? 誰だ?」

リリーナ「……! あの時の……!!」

ウルフ「おいおいおいおい。言われてみりゃあ見覚えがあるぞ」

ウルフ「あの事件の直前、リリーナを拉致しようとしていたテロリストじゃねえか!!」

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:03:06.44 ID:MO9K50OO0
ヒイロ「馬鹿な……貴様はロラン・セアックの手によってデブリになったはず!」

刹那「くっくっく。久しいな、ヒイロ」

アムロ「表向きはそういうことになっているが、実は刹那は軍が極秘に拘束していてな」

アムロ「人体実験の結果、今の生物兵器に変貌したというわけだ」

ハマーン「訳が解らん! 一体何がどうなっているんだ!」

アムロ「解る必要はないさ。つまり、貴様等の命は完全に俺たちの掌の上だということだけ理解していれば良い」

シャア「アムロ、貴様……」

グラハム(少年が大統領を拉致……CBとしての活動か? それに、軍が人体実験などと……少年のあの様子、人格までも完全に変貌させられたということか?)

ヒイロ「ウルフ、アムロ。俺もリリーナも、お前達のことを信用していた。その信頼を貴様等は……!」

ウルフ「……気の毒だとは思ってる。でもな、悪いがお前らよりもフリットとの付き合いの方が長いんだよ」

アムロ「忠告しておいてやろう、ヒイロ」

アムロ「貴様等の目は節穴だ。騙されたくなかったらもう二度と誰も信用しない方が良いなあ。ハーッハッハッハッハッ!」

リリーナ「くっ」キッ

ハマーン「下衆めが……」


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:06:51.40 ID:MO9K50OO0
ウルフ「よさねえかアムロ!」

アムロ「なぜだ? 本当のことを言ってやっただけだぜ? 今後の人生の為にも、真実を伝えてやるのが情けってものさ。違うか? んん?」

ウルフ「てめえ……」

刹那「下らん口論はよせ。さっさと始めるぞアムロ。俺はもう我慢の限界だ」

アムロ「そうだな。よし、ではそろそろお楽しみといこうか」

ウルフ「おい! 勝手な真似は」

ヒイロ「俺たちを殺す気か」

刹那「ああ、殺す。この女共を散々嬲り尽くした後にだがな」ニヤッ

ハマーン「な!?」

リリーナ「……!」

シャア「なんだと!?」

ヒイロ「……………ウルフ……アムロ……」

ヒイロ「どこまで……どこまで堕ちた貴様らァッ!!」


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:10:52.77 ID:MO9K50OO0
ウルフ「ま、待て!」

ウルフ「おい、てめえ!! 何をふざけたこと言ってやがる!?」

刹那「ふざけてなどいない。本気も本気だ」

ウルフ「実験体風情が! そもそもてめえに決定権なんぞねえ! 兵器だってんなら大人しく指示に従いやがれ!!」

アムロ「いやいや、良いんだウルフ」

ウルフ「なにィ?」

アムロ「これも参謀議長からの特命でね。実験の一環として、こいつの好きにさせてやれ、ということだそうだ」



ウルフ「……おい」チャキッ

アムロ「!? お、おいおいウルフ。どうしたっていうんだ一体! なぜ僕に銃口を向ける? 相手が違うぞ!」

ウルフ「いいか? よく聞け、アムロ」

ウルフ「たしかにフリットの野郎は、俺から見ても行き過ぎてると思うときはある」

ウルフ「だがな……そんな薄汚ねえ真似を許すような奴じゃねえんだよ!!」


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:14:32.48 ID:MO9K50OO0
アムロ「お、お、落ち着け!」

ウルフ「言え! あの化け物は何者で、本当は誰の命令を受けている!?」

ウルフ「てめえらの目的は一体」

シュッ 

ベキッ

ウルフ「は?」

ウルフ「ぐ、がああああァッ」ドサッ

刹那「面倒な男だ。おい、とりあえず腕を折ったが、殺しても良いか?」

アムロ「は、ははは」ホッ

アムロ「良くやった刹那。だが殺すのは待て」

ヒイロ(……クソッ)

シャア(チィ。内輪揉めを始めたは良いが、ハマーンをあの化け物に奪われている以上、迂闊に動けん)

グラハム(ああ、今になってカタギリの家にまた行くのが気まずくなってきたなあ。夫人の度量で結果上手く収まったとはいえ、さすがにやり過ぎだった。反省しよう)


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:19:43.29 ID:MO9K50OO0
ウルフ「て、てめえ」ヨロッ

刹那「おっと」シュッ

ベキャ

ウルフ「ぐあァああアッ!」

刹那「ついでに足もいっておいた」

アムロ「よし。刹那、ちょっとリリーナを預かっておいてくれ」

刹那「ん、了解した」シュルッ

リリーナ「きゃあっ」

ヒイロ「リリーナ!」

アムロ「動くなと言っておいたはずだぞ、ヒイロ。もう少し待て」チャッ

ヒイロ「くっ」

アムロ「さあて。ヒイロの銃はど・れ・か・な、と。お、これか」ヒョイ

ウルフ「ぐ……アム、ロ、てめ、え」

アムロ「どうしたウルフ? そんな顰めっ面して」パンッパンッ

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:21:06.59 ID:MO9K50OO0
ハマーン「うっ」ギュッ

ヒイロ「……」

ウルフ「」

アムロ「頭を撃たれちゃあ、自慢の防弾着も意味無いなあ、ウルフ」

シャア「……どうやらここには2つの思惑があったと見て良さそうだな」

アムロ「そういう認識で結構だよ、シャア」

リリーナ「つまり、あなた方は参謀議長すら裏切ったということですか?」

アムロ「人聞きが悪いな、裏切っちゃあいない……と、その前に」

アムロ「刹那、ハマーンをこちらによこせ」

刹那「了解した」

ハマーン「きゃあっ!」

シャア「よせっ!!」

アムロ「落ち着けよシャア。こちらに移しただけだ」

アムロ「おっと動くなよハマーン。人質はもう1人いるんだ。リリーナがいる限りヒイロがこちらに付いてくれるからな。君とシャアを先に殺すことも出来るんだぜ」

ハマーン「く、うっ」


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:25:45.80 ID:MO9K50OO0
シャア「……一体その生物は何なんだ。軍部が関係していないのならば一体どうやって手に入れた」

アムロ「さっきも言っていたように、ここにいる刹那は宇宙に放出された。樽で。その時に地球外生命体と一体化したんだとさ」

ヒイロ「馬鹿な。そんな話が信じられるか」

アムロ「信じる信じないはどうでもいいことだよ。現にいまここに人知を越えた存在がいるのだから」

アムロ「もっと言えば、こいつがどうしてこうなったかなど、そもそも俺は興味がないよ」

アムロ「重要なのは、刹那の力があれば、あらゆるものを好きに出来るという一点だけさ」

グラハム(そういうことか……少年は化け物に精神を乗っ取られ、操られているというわけだな)

シャア「……なるほどな。フリット・アスノのクーデターに乗じて貴様が地球圏を掌握しようという魂胆か」

アムロ「参謀議長のご下命は大統領とネオジオン摂政の暗殺だ。その命令には従うよ。その後のことは俺の自由にさせてもらうけどね」

リリーナ「……アスノ議長の、裏切りは……事実なのですね」

ヒイロ「リリーナ……」

刹那「政治の話に俺は興味がない。そこはアムロ・レイに任せる」

刹那「もう良いだろうアムロ。俺はもう辛抱たまらないんだ」

アムロ「ああ、そうだな。約束通り俺はハマーンを貰うから、リリーナは好きにしろ」

ヒイロ「貴様……ッ」

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:27:54.19 ID:MO9K50OO0
刹那「おっと、動くな」グッ

リリーナ「うっ」

刹那「 辱され殺されるのが分かっているから一か八か奪還を試みるか? ククク、やれるものならやってみろ」

刹那「だがな、ヒイロ・ユイ。さっき実演してみせたように、俺はその気になれば一瞬で貴様等を葬り去れるんだ」

刹那「俺が楽しんでいる間は少なくともリリーナの命は長らえる……それでも勝ち目のないことが分かっている賭けに出るか?」

刹那「ああ、そうか。なるほどなるほど。貴様はもしやこう考えているのか? 『他の男に汚されるくらいなら、いっそその前に死んでくれた方が良い』と」

刹那「全く身勝手な男の独占欲だが……俺はまあそれでも構わない。お前がおかしな動きをした途端、リリーナを握りつぶしてやっても良い」

刹那「さあ、どうするんだ、ヒイロ」ニヤニヤ

ヒイロ「……」ギリッ

グラハム(……これも、化け物に寄生されているがゆえの発言、なのか?)

シャア「……外道が」

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:31:17.52 ID:MO9K50OO0
アムロ「安心しろ、シャア。俺はハマーンを 辱する気などないよ」

アムロ「僕は刹那よりも『経験』が長い分だけグルメでね」

アムロ「女を 辱してしまうと……相手の男の思惟に不純物が混ざってしまう……『嫌悪感』という不純物がね」

アムロ「男ってのはどうしようもない生き物でな。自分の女が他の男と   という事実……例えそれが女の意に沿わぬ行為だったとしても、どうしても『嫌悪感』を覚えてしまうものなんだよ」

アムロ「女を殺された絶望の思惟、極上の味だ……しかし女を  て殺していた場合、嫌悪感という不純物がその味を濁す」

アムロ「俺ほどのグルメになると、素材のままの味こそを旨いと感じるようになるからな。女は  のではなくあっさりと殺すようにする」

アムロ「そうすることで男の中で女は神格化され、絶望の思惟はより一層磨かれて、抜群に旨味を増すんだ」

アムロ「ゆえにシャア。俺はハマーンを 辱したりはしない。だから安心して絶望してくれ。芳醇な絶望を」



シャア「…………アムロ」

シャア「アムロ・レイ……ッ!!」

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:34:12.50 ID:MO9K50OO0
刹那「ふっふっふ。さすはアムロだ。俺みたいな駆け出しではまだその域までは届かないな」

刹那「初心者は初心者らしく楽しませてもらうか……さて」

刹那「リリーナ・ドーリアン、こちらを向け」

リリーナ「なんですかっ……んぐ!?」

キィィィィンッ!

ヒイロ「リリーナァッ!!」

リリーナ「……う、むぅっ!」グイッ

刹那「……ぷはぁ」ヌチュ

ヒイロ「リリーナ!!」

リリーナ「…………ごめん、なさい……ヒイロ……わたしは……」

刹那「おいおい、どうしたんだ。まさか……ま・さ・か、お前達キスもまだだったとは言わないよなあ」

ヒイロ「……き、さ、ま……貴様ァァァァ……」

刹那「はーっはっはっは! こいつは傑作だ! そうかそうか、大統領サマのファーストキッスの相手はこの俺になったというわけか! これは光栄だな」

刹那「一つ良いことを教えてやろうか、ヒイロ・ユイ」

刹那「リリーナの唇は、とても柔らかいぞ」


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 00:56:43.96 ID:MO9K50OO0
グラハム「……少、年」

シャア(…………)

ハマーン「ひ、どい……」

刹那「いやいや、清い付き合いをしていたようで何よりだ……ああ、そういえば彼らもそうだったな」

グラハム「彼ら……?」

刹那「ディアナ・ソレルもな、  だったよ」

刹那「  する前から初めてだということをアピールして、必死に許しを求めてはいたんだがな。俺はそれを信じてはいなかった」

刹那「当然だろう? ロラン・セアックとは一つ屋根の下に過ごしているし、奴の前にも男はいたのだから」

刹那「ところがぎっちょん、いざ  してみたら血が出ているじゃないか……思わぬ特典に知らず笑みが零れたな」

刹那「ロラン・セアックときたら、見た目通りとんだヘタレの  だったというわけだ。まったく笑える話だろう。なあ? ヒイロ」

ヒイロ「………………………………………………」

リリーナ「くっ……う……」ポロポロ

アムロ「やれやれ、これでリリーナ死亡時のヒイロの絶望に、  られた嫌悪感のスパイスがかかってしまうが……まあ偶にはそういう濃い味の思惟を味わうのも悪くないね」

アムロ「素材の味そのままはシャアの絶望で味わえるし」

ハマーン「ひっ」


101 : :2013/07/16(火) 01:02:05.61 ID:MO9K50OO0
グラハム「少年!!」

刹那「んん? 誰だお前は」

グラハム「なぜだ!? 世界の為に戦っていた君が、どうしてこんなことを!?」

グラハム「君は己を捨て、世界の為に生きていたじゃないか! 己に拘泥していた私に、それを教えてくれたじゃないか!?」

グラハム「例え道は違っても、その信念は共有することが出来たと思っていた!!」

グラハム「なのになんだこれは!? なぜ……なぜこんなことをする!?」

刹那「……はっ」

刹那「貴様が誰か知らんが、知ったような口をきくな」

グラハム「なに……?」

刹那「そうだな、たしかに俺は世界の為に生きていた」

刹那「そうしている間、俺はただずっと空虚さを感じていた。楽しいと感じることがない、生きている意味も分からない」

刹那「だが、アムロの導きで俺は変わった。ディアナ・ソレルに恋した時、俺にも生きている意味があったのだとようやく実感することができた」

刹那「ようやく俺は見つけたんだ……生きている意味を、俺自身の為の人生をな」

刹那「だから俺は奪い  殺す。世界などどうでもいい……己の意志で!」

グラハム「……少年」

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:06:10.31 ID:MO9K50OO0
シャア「……ふ、ふふふ」

刹那「?」

シャア「ふははははっ、アムロ、貴様は勘違いをしているようだな」

アムロ「ほう?」

シャア「はっきり言っておこう。私はハマーンに対して恋愛感情など抱いていない」

シャア「彼女はだたのネオジオンにおける同僚というだけだ……彼女が死んだところで、私が心動かされることなどありえんよ」

ハマーン(…………)チクッ

ハマーン「……は、その通りだ。どうしてそんな誤解をしたのか知らんが私がこの男にそのような感情を持たれるなど考えられん話だ」

ハマーン「想像するだけで虫酸が走るな!」

ハマーン「残念だったな、アムロ・レイ。たしかにそこの化け物は脅威ではあるが、貴様自身は優位に立ってはいない」

ハマーン「いざとなればシャアは私など気にも掛けず貴様を殺すぞ」

アムロ「……く。くっくっくっく」

ハマーン「…………何がおかしい」

アムロ「いやいや、そうかそうか。それならそれで別に構わないよ」

シャア「なんだと?」


104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:10:15.68 ID:MO9K50OO0
アムロ「ハマーンを殺したいのにはもう一つ理由があってね。どうしても許すことは出来ないんだよ」

アムロ「シャア、貴様が俺よりも先に結婚するなどということは」

シャア「……は?」

アムロ「ハマーンと貴様が良い感じだという噂は耳に入っていたからな。仮に今はまだ恋愛関係に無いとしても、危険な芽は摘ませてもらう」

アムロ「つまり」グイッ

ハマーン「くっ」

アムロ「どちらにしろ、ハマーン・カーンには死んで貰うと言うことだ」チャッ

シャア「……! よせ!!」バッ

アムロ「動くな! シャア」

シャア「……っ」

アムロ「ふ、ふ、ふ、ふ、ふ。何だ、やはりこいつのことが大切なんじゃあないか」

アムロ「良かったなあ、ハマーン? 安心しろ。ララァの時とどちらがシャアの絶望が深いか、しっかり食べ比べてやるよ」

シャア「貴様……ッ」

ハマーン(……シャア)

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:14:12.32 ID:MO9K50OO0
ハマーン(……)クイッ

シャア(……!)

グラハム(ハマーン・カーンが何か持って……)

ヒイロ(……刃物か!)

ヒイロ「……」チラッ

シャア「……」コクン

グラハム「……」グッ

シャア「……おい、アムロ」

アムロ「ん?」

シャア「あまり甘くみない方が良い」

アムロ「……なんだと? ふ、強がりか、シャア? 全くお前らし」

ハマーン「」ヒュンッ

アムロ「い」ザクッ

アムロ「い……いいいいぃぃぃぎゃあああああぁぁぁ!!」


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:16:50.61 ID:MO9K50OO0
刹那「!? どうしたアムロ・レイ!」

アムロ「 、  が……あああああああいやあああああああああああ」ドサッ

ハマーン(よしっ)バッ

アムロ「うあああああああああああああ!!!」ゴロゴロゴロゴロッ

シャア・ヒイロ・グラハム(今だッ)ダッ

刹那「! くっ!」グニュッ

シャア(奴の触手の速さは化け物だとしても、意識が人間ならば!)

ヒイロ(三方を同時に認識して攻撃を加えるのは困難なはず)

グラハム(例えこの中の誰が死んでも……)

シャア(いや、3人共殺されようとも)

ヒイロ(必ず、1人は奴に届かせて……彼女達だけは守る!)バッ

刹那(下等生物共が小癪な!)グニューンッ

シャア(よし、銃は拾った!)

ヒイロ(人間体をしているならば、狙うは間接部……動きを止め、リリーナを逃がした後にこの手榴弾をぶち込む)

グラハム(効くかどうかは分からんが、賭けるしかない!!)


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:21:09.53 ID:MO9K50OO0
刹那(舐めるなよ……この俺の触手ならばああああ)ギュンッ

ギギギギギギ

刹那(……!? は、な、何だ……か、体が動かない!?)

パンッ

刹那「ぐおっ」ガクンッ

リリーナ「……っ」パッ

刹那「しまっ……く、か、体が……なぜ」ギギギッ

ヒイロ「リリーナ!」グイッ

リリーナ「ヒイロ……っ」

刹那(お、おおお逃、がす、かああああ)キィィィン

刹那(人型をとっていたのが失敗だった! 元のような軟体でいけばああああ)グニャァァァ

刹那(リリーナ……メタルの触手で串刺しにしてやる……!!)グニュゥゥゥンッ ヒュンッ

リリーナ「え?」

ヒイロ(リリッ……)バッ

ザシュッ


113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:25:39.44 ID:MO9K50OO0
グラハム「ぐ、は……」ググッ

ヒイロ「グラハム・エーカー!」

刹那「この……よくも邪魔をおおおおお!」ギギギギギッ

刹那(……!? くそ、また体が……一体どうなっている!!)

グラハム「ぐ、おァ……ヒイロ、ユイ!」

ヒイロ「!」

グラハム「そいつを……寄越せ!」

ヒイロ「……!」ヒュンッ

グラハム「ぐ……っ」パシッ

刹那(……! 手榴弾を)

グラハム「う、ァァァァアッ!!」ズズッ

グジュジュジュジュッ

刹那(しょ、触手が刺さったままこっちへ接近して……なんて奴だ!)

刹那(マズイ! 動け……動け、なぜ動かない……動け!!)ギギッギギギギギギ


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:29:34.72 ID:MO9K50OO0
グラハム「ァァァァッ!!」グジュジュジュッ

グラハム「ワ、タシ、はァ!!」カチンッ

刹那(マズッ……手榴弾のピンを)

グラハム「閣下を守る……連邦軍、の」グアッ

刹那(動け、動け動け動けええええ!!)ギギッギッ グニュウゥ

(取り込む……手榴弾ごと……取り込む)

刹那(……! よしっ動くぞ!)

刹那(奴は俺に手榴弾をぶつけるつもり……軟体化し、奴の腕ごと同化してやる!)グニュンッ

グラハム「……軍人だあぁァァァァッ!!」ズニュゥッ

グラハム(少年の、体内に……この、まま……内部から、ハカイ……する……)

刹那(バカめ……!! 内部に入れてしまえばこちらのもの! 貴様ごと取り込んでこの俺の一部にしてやる!)




(この時を待っていました)

刹那「!?」

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:33:59.13 ID:MO9K50OO0
――メタル刹那の意識内

刹那(な、何だ……誰だ!? 誰の声だ!?)

刹那(そういえば、さっきも声が……!? 俺自身の思考だと思いこんでいたが、何者かの……)

(そう、その通りです)

刹那(い、いや、知っている……俺は知っているぞ……『何者か』ではない……これは、この感じは……)



刹那(ロラン・セアック……!!)

ロラン(…………)

刹那(馬鹿な……貴様の意識は消失したはず……残っていたのか!?)

ロラン(ずっと、待っていました……あなたの意識の片隅で、あなたを殺す為に)

刹那(マズイ……マズイマズイマズイマズイ)

刹那(動け……動け、体……うごけええええええ!!)

ロラン(させません。絶対に。何があっても)

ロラン(あなたは、ここで死ぬんです)

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:37:06.34 ID:MO9K50OO0
刹那(待て! 待てロラン・セアック!)

刹那(待つんだ、待ってくれ!!)

刹那(……そうだ、よく考えろ。このメタルボディが死ぬということは、貴様の意識も今度こそ消える……完全に死ぬということだぞ!?)

ロラン(ええ、そうでしょうね)

刹那(そ……)

刹那(い、いや待て……待て、冷静になれ!!)

刹那(そうだ、ソシエ・ハイムはどうなる!?)

ロラン(!)

刹那(あいつは貴様に惚れているんだぞ? あいつを独りぼっちにするのか!?)

刹那(よし、こうしよう! この体をお前にやろう! 今度は俺の意識が隅で大人しくしておいてやる!)

刹那(そうしてソシエと幸せに暮らせば良い! 見た目は擬態能力で何とでもなるんだから!)

刹那(なぁ!? よし! そうしよう)

刹那(復讐は何も生まないぞ。そんなことは天国のディアナだって望んじゃあいない!)

刹那(死者の為に出来ることなんて無いんだ! お前がすべきことは、残された者を幸せにしてやることだろう!? 違うか!?)


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:48:57.68 ID:MO9K50OO0
ロラン(……復讐?)

ロラン(そうですね……そうかもしれません)

ロラン(でもね、違うんですよ)

刹那(は!? 何が!?)

ロラン(もう、二度と……誰も、ディアナ様のような目に遭わさせない……僕の悲しみを誰にも味合わせたくはない)

刹那(よ、よせ……)

ロラン(さようなら、ソラン・イブラヒム)

刹那(は、早く手榴弾を同化しろ! やばい! マジでやばいって!! 早くぅっ!!!)

ロラン(自分を捨てて……)

刹那(嫌だ……)

刹那(嫌だあああああああ!! 死にたくねえ! 死にたくねええええよおおおおおおお!!!)

ロラン(戦えるものには……!!)

刹那(嘘だ……この俺が……こ、こんな……馬鹿な……)

刹那(に、人間風情にぃいいいいィィィ


124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:53:08.34 ID:MO9K50OO0
――――――
――――
――

ディアナ「ロラン……」

ロラン「すみません、ディアナ様。お待たせしてしまいました」

ディアナ「いいえ、良いんです。私は、ただ、この温もりがあるだけで」ギュッ

ロラン「……ディアナ様」ギュッ



ロラン「…………そろそろ、行きましょうか。ディアナ様」

ディアナ「…………はい、そうですね」ニコッ

ディアナ「行きましょう、ロラン・セアック」


126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 01:58:53.29 ID:MO9K50OO0
パラ・・・パラ・・・

アムロ「」

ヒイロ「……怪我はないか、リリーナ?」

リリーナ「ええ。ヒイロ、あなたも」

シャア「……奴は?」

ハマーン「バラバラになったようだ……どうやら破片も動く様子はない」

リリーナ「……! エーカー少佐が!」

ヒイロ「!」バッ

ヒイロ「グラハムッ」

グラハム「……」

ヒイロ「息はある、が……」

リリーナ「……右腕が」

シャア「出血が酷い、これでは……」

「キャアッ」

シャア「!?」

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:00:13.72 ID:MO9K50OO0
アムロ「ハァ……ハァ……う、ごく……な」

ヒイロ(しまった!)

シャア「アムロ! まだ生きて……!!」

ハマーン「く……す、すまん、シャア」

リリーナ「もうお止しなさい! その出血量で動いては死んでしまいますよ!」

アムロ「ハァ……く、くく、そうか……死ぬ、か」

ヒイロ「……」スッ

アムロ「シャア、ヒイロを止めろ! こいつを殺すぞ!!」チャキッ

ハマーン「うっ」

アムロ「良いんだぞ……どうせ死ぬんだ……こいつを今殺しても」

シャア「……ヒイロ……銃を置いてくれ」

ヒイロ「しかし、こいつは」

シャア「頼む、今は」

ヒイロ「……」

ドサッ


リリーナ「分かりました、ここから貴方を逃がします! 治療が受けたければそれも手配します! ですから、摂政閣下を……」

アムロ「今更……そんなことを、望むと思うか……?」


アムロ「なあ、シャア」

アムロ「ネオジオンに……チェーンは殺されたんだ」

シャア「……アムロ、私を殺したければそうすれば良い。ハマーンは……」

アムロ「不公平じゃないか? 俺はララァの死も……そして、チェーンの死も、2つもだ……ハァ」

アムロ「不公平だよなあ」チャッ

シャア「アムロ、頼む……私はどうなっても良い、だから、彼女には……」

アムロ「だから、死ぬ前に……もう一度……ハァ、味合わせてくれ」

ハマーン「シャア……」

アムロ「……お前の、絶望をっ」グッ

ハマーン「好きだった。ミネバ様を、頼んだぞ」ニコッ

シャア「ハマーンッ!!」ダッ

ドンッ

130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:08:47.92 ID:MO9K50OO0
アムロ「」ドサッ

ヒイロ「!?」

ハマーン「……ッ シャア!」ダッ

シャア「……」ダキッ


ハマーン「シャア……シャア……」ギュゥッ

シャア「良かった……ハマーン」ギュゥッ

リリーナ「これは……」

ヒイロ「グラハム」バッ

グラハム「……私が……左利きで、あったことを……」パタッ

ドサッ

グラハム「これほど……嬉しく思ったことは、ない、な……」

ハマーン「グラハム・エーカー……」

シャア「すまん……グラハム」

グラハム「ふ……倒れた体勢から、撃って……外さずに済んで、良かったよ」

グラハム「しかし、まあ……射撃、には……自信があった……」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:13:08.69 ID:MO9K50OO0
リリーナ「……エーカー少佐……ありがつございます。貴方のお陰で私たちは……」

グラハム「ミス・プレジデント……本当の試練は、ここからです……」

グラハム「ヒイロ・ユイ君……支えてやりたまえ……」

ヒイロ「……任務了解だ」

グラハム「ハマーン・カーン……昼間の話を、覚えている、か……?」

ハマーン「……ああ」

グラハム「大切な者が……いつまでも傍にいるとは……限らない……」

グラハム「シャア……大事に……するんだぞ……」

シャア「……分かっている」

グラハム「……ふ」

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:13:43.02 ID:MO9K50OO0
グラハム「……ああ、そう言えば……ミス・カーン」スッ

ハマーン「なんだ?」ギュッ

グラハム「デート……楽しかったよ……また、いつか、行ってくれないか……」ニッ

ハマーン「……ふ、俗物め。悪いが、もう私は他の奴のものになることに決めた」

ハマーン「浮気はできんな」ニヤッ

グラハム「ははは……そうか、残念だ……ふられた、な……」

グラハム「…………」

ハマーン「……グラハム?」

グラハム「…………」

シャア「…………」スッ

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:17:29.81 ID:MO9K50OO0
フリット「……任務は失敗、ウルフ中佐は戦死か。ついでにアムロ・レイも」

アルグレアス「まことに残念です。ネオジオン側の護衛、それと理由は不明ですが同席していたグラハム・エーカー少佐は殺害しました」

アルグレアス「が、大統領とその私設護衛官ヒイロ・ユイ、ハマーン・カーンとシャア・アズナブルには逃げられました」

アルグレアス「それと、現場に多数の金属片が散らばっており、私設護衛官かネオジオンが未確認の武器を使用した形跡がありまして、そちらも現在調査中です」

フリット「ふむ、気になるな。判明次第報告してくれ」

アルグレアス「はっ」

アルグレアス「逃走中の大統領とハマーンは現在追跡中であり、既に各機関への根回しは済ませているので即座に行動は出来ないとは思いますが、可能な限り早く決起すべきかと」

フリット「ああ。ブライト・ノア大佐をここへ」

アルグレアス「はっ、了解ですアスノ議長!」

ガチャ バタン

フリット「…………」

フリット「ウルフさん、あなたの死を無駄にはしません。必ずや反連邦主義者共を根絶やしにしてみせます」

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:18:42.24 ID:MO9K50OO0
ブライト「アムロが……まさか……」

フリット「私も信じられなかった。だが事実だ。アムロ・レイ少佐は大統領とハマーン・カーン殺害を試み……そして戦死した」

フリット「彼は政府がテロリストに対処しきれず日々多くの市民が犠牲になっていく状況にかなり思い詰めていた」

フリット「その苦悩の果てに今回の行動に出たようだ」

ブライト「なぜだ……なぜ俺に相談しなかった、アムロ……」

フリット「…………以前、アムロ少佐と話した時にこう言っていた」

フリット「『ブライトには家族がある。もし、何かあった時に彼は巻き込めない。死ぬのは俺だけで良い』と」

ブライト「そんな……くっ! アムロ、俺は……」

フリット「少佐がその言葉を口にした時、私は彼と政府の汚職問題について話していた」

ブライト「……汚職ですって?」

フリット「ああ。オルフェノア外務長官……そして、ドーリアン大統領が反政府組織ネオジオンから多額の賄賂を受け取っている疑惑があり、我々はそれを極秘に調査していた」

ブライト「大統領が……!? そんな、まさか」

フリット「残念だが事実だ。証拠も出ている」ドサッ

ブライト「……! 何ということだ……なぜこれを告発しなかったのですか!?」

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:20:24.66 ID:MO9K50OO0
フリット「……アムロ少佐にもそう言われたよ。政府を告発しましょう、と……私はこう答えた」

フリット「『これを告発すれば現政権は倒れる。しかし、こうも立て続けに政権がスキャンダルで倒れることは、地球連邦にとって不利になる』」

フリット「『クリーンな当局者と共に、政府内部からこの汚職問題を解決していきたい。君もそれに協力してほしい』と」

フリット「少佐は納得しなかった。そんな悠長なことを言っていられない、いまこの瞬間にも大勢の市民が犠牲になっている。もっと抜本的な解決に動くべきだと、そう言われた」

フリット「……今から思えば、あの言葉は私に対する、彼の必死の請願だったのかもしれない」

フリット「彼は、匂わせていた。政府に対して何らかの行動に出ることを。私は、それを確かに感じていたんだ」

ブライト「参謀議長……」

フリット「大佐。私が反政府勢力に対して強硬派なのは知っているな?」

ブライト「……ええ」

フリット「前政権による暗殺騒動をウルフ中佐から知らされた時、私はこれで軍から腐敗した事なかれ主義者共を一掃することが出来ると思った」

フリット「……だが、そうはしなかった。政府の宥和路線への協力……そんな言葉で自らを正当化して」

フリット「前政権からの日和見主義の軍高官を排することも出来ず……彼らに媚び、支持をとりつけた」

フリット「いつの間にか、私こそが、一掃するはずだった事なかれ主義者になっていたんだ……っ」ググッ


137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:23:28.87 ID:MO9K50OO0
ブライト「……」

フリット「だが、もう逃げない。英雄を失ってようやく目が覚めた」

フリット「私は、この腐敗した地球連邦を根底から覆す! グレートリセットだ!」

フリット「ブライト大佐。君も協力してほしい。戦死した、アムロ少佐の為に……!」

ブライト(……クーデター。軍上層部の排斥……)

――――――
――――
――

――某日 高級避暑地

ブライト「ですから、分離主義勢力のテロにより市民の被害が日々激増しているのです!」

ブライト「既に対応が困難になっているところにこれ以上軍縮を進めるなど自殺行為! むしろ軍備を増強し、テロへ備えなければ!」

ホワイト「そうは言うがねえ、大佐。軍縮は政府の方針なわけであって、我々に決定権があるわけではないからねえ」

ブライト「あなた方や参謀議長に政府を説得して頂きたいと申し上げているのです!」

アデナウアー「それをフォローするのが君らロンドベルの仕事じゃないのかね。その為に高い独立性が付与されているのだろう?」

アデナウアー「それに、軍拡などしては反政府勢力を刺激するだけだよ。政府は交渉を進めているのだし、軍が余計なことをするわけにもいかん。アスノ参謀議長も同様のお考えだ」

ブライト「参謀議長が……」

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 02:27:27.63 ID:MO9K50OO0
ホワイト「あの方は前政権下では強硬派だと誤解されていたが、トップに立ってみると実に話のよく解る人だったよ」

アデナウアー「我々穏健派を上層部に据えて政府を支えているのがその証拠だ」

ホワイト「ドンドンパチパチと勇ましいことを言っているのは、今じゃあ君らロンド・ベルくらいのものだよ」

ブライト「……我々が戦争をやりたがっていると仰るので?」

ホワイト「私にはそうとしか思えんね。せっかく話し合いで解決しようとしているのに、無闇に相手を刺激しようというのだから」

アデナウアー「武力では何も解決せんよ」

アデナウアー「いずれにしろ、政府も軍部も今は平和を求めている。君らの意見は採用されんさ」

アデナウアー「政治に余計な口出しする暇があったら貴官の職務を果たしたまえ。パトロールでもしてテロを防げば良いだろう」

ブライト「……っ」

ブライト「参謀次官! あなたは先の強硬派政権下におけるネオジオンとの紛争で、シャアにご息女を誑かされ兵隊として使われたうえに、彼女を亡くしたではありませんか!」

ブライト「その悲しみをお忘れになったのですか! ネオジオンをこのままにしておいて良いのですか!?」

アデナウアー「……ああ、うん。まあそうなんだけどね」

アデナウアー「でもまああれだよ、あれ……復讐は何も生まないよ、艦長?」

ブライト「なに……?」

アデナウアー「っていうか、まあぶっちゃけて言うとさ……意外とそんなに悲しくもなかったってのはあるし」


144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 03:01:14.14 ID:MO9K50OO0
ブライト「は?」


ホワイト「うおいwwwwそれは酷すぎだろwww」

アデナウアー「いやあ、だってさあ、あの性格でしょ? 正直うんざりしてたんだよねwww」

ホワイト「お前wwww落ち込んでると思って  いくら奢ってやったと思ってんだよwwww金返せや!」

アデナウアー「いや、それはお前の善意なわけじゃん? っていうかお前奢られたつってもほとんど激安店ばっかだったろうがwwwふざけんなしwwwwむしろ 病の治療費の方が高く付いたわwwwww」

ホワイト「wwwwwww」

アデナウアー「あ、そうだ、ホワイト。この間良い店を見つけたんだよね。いつもスラムの激安店ばかり行っている君を連れて行ってやろう」

ホワイト「断固辞退しよう」

アデナウー「は!? なんでよ! 奢るってば」

ホワイト「お前の紹介する店はいつもデブ専ばっかだからだよwww」

アデナウアー「デブじゃねえよwwwふくよかって言えやw」

ホワイト「どっちでも良いよwwwwとにかくお前の嫁みたいなドム相手じゃピクリとも反応しねえんだよwwwwww」

アデナウアー「キャサリンとは別れたんだって。今はその店で会った嬢と付き合ってるよ。ヴァチェ子ちゃんって言うんだけどすげえ肉厚でさ」

ホワイト「ノーマルだからwww俺はノーマルだからwwwww俺には12号ちゃんが待ってるんだよ!」

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 03:02:06.16 ID:MO9K50OO0
アデナウアー「お前まだあの店通ってんの? 何回 病貰ったと思ってんだよ」

アデナウアー「君の給料ならあんな管理のなってないスラムの店じゃなくて高級店に行けるだろw」

ホワイト「いやあ、トゥエちゃんが可愛すぎんのよ。どんな高級店だろうがトゥエちゃんに代わる子はいないね」

アデナウアー「その嬢、一回堕ろしてから口しか使えなくなったって言ってたじゃねえかwww」

ホワイト「ばっか野郎! 口しか使えなくても、殴ったり鞭打ったり火傷させたりはできるだろうが!」

アデナウアー「……ドン引きだわ……変 すぎんだろ…………」

ホワイト「お前には言われたくねえよ!!」


ブライト「……………………」ギリギリギリッ

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 03:02:50.53 ID:MO9K50OO0
――
――――
――――――

フリット「どうかね、大佐。私と共に地球連邦に革命を起こしてくれるか?」

ブライト「……ええ、もちろんです!」

ブライト「貴方のもとでテロリスト共と戦わせてください!」グッ

フリット「ブライト君……!!」グッ

フリット(よし。これでロンドベルを確保した。クーデターを進めるうえでこれは大きな戦力になる)

ブライト(……結局、俺はアムロに言えず仕舞いだった)

ブライト(チェーンを殺したのは、ネオジオンではなく、ハサウェイだということ)

ブライト(そして、その事実を、我が身と家族可愛さに……俺が揉み消したということを……)

ブライト(すまないアムロ……これがせめてもの償いだ。俺は命を賭けて、お前の遺志を継いでみせる)

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/16(火) 03:04:34.72 ID:MO9K50OO0
そうして、地球連邦軍参謀議長フリット・アスノによるクーデターが行われた。
この日の為に以前から準備を整えていたフリットに賛同する部隊によって、地球連邦の中枢は次々に制圧された。
その際、軍縮の波に抵抗し、強力な兵器を保持していたロンド・ベルが多大なる成果を挙げた。

軍部、政府、司法、マスコミを掌握したクーデター軍は、外務長官フロイ・オルフェノアの汚職や、政府とネオジオンの癒着を告発。
分離独立派勢力のテロにより疲弊し、政府に不満を抱いていたていた連邦市民や現場の兵士はこの報に接して驚き、そして政府への怒りを爆発させた。
その津波のような怒りは、すぐにクーデター派――新しい体制を支持する熱狂的な声に転じていく。

軍と民衆の支持を背景に、フリット参謀議長は旧体制への粛正を進めてた。
リリーナ・ドーリアン大統領こそネオジオンへ亡命したものの、オルフェノア外務長官を筆頭に政府中枢の人間や、アデナウアー参謀次官やホワイト将軍といった軍上層部も次々に逮捕、処刑された。

特に象徴的だったのは、リリーナ・ドーリアン暗殺未遂の容疑で長期刑を言い渡され、特別刑務所に収監されていた前大統領とその閣僚らを引きずり出し、公開の銃殺刑にしたことであった。
この件は、最早これまでの決定は全て過去のものとなり、全てはフリット・アスノの手で塗り替えられていくことを世界中に印象づけた。

クーデター派は新体制を作るにあたって、二度と政治家、官僚、軍人の汚職を許さないことを宣言し、政府の上位機関として「権力を監視する市民委員会(通称、粛正委員会)」を設置。
フリット・アスノが委員長に就任したこの組織は、「大統領や最高裁判事も含めた全ての公職の人事権、罷免権」を持ち、地球連邦という国家を意のままに動かしていく。

クーデターに多大なる貢献を果たしたブライト・ノアは少将に昇進。ロンド・ベルは規模と権限を大幅に拡大され、部隊名も「トーテン・グロッケ」と改められた。
彼らは反政府勢力に対し、容赦の無い弾圧を加え、鎮圧した。
更には世界の平和維持を掲げ、急速に統一を進めていくのであった。