1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 12:44:37.34 ID:UXlTlK8P0
京子「何なんですかそのあかり親衛隊って」
あかね「それはもちろん天使であるあかりの事を見守るために私が最近作った組織よ」
あかね「京子ちゃんはあかりといつも仲良くしてくれるからその候補生になってもらいたいの」
あかね「あかりも京子ちゃんの事大好きみたいだし適任だと思うわ」
京子(……あかねさんのあかり好きもここまできたか)
京子(でもあかりが私の事好きだってのは……へへ、悪くないかも)
京子「あかり親衛隊の隊長はあかねさんなんですよね?」
あかね「ええ、もちろん」
京子「分かりました! あかり親衛隊の副隊長はこの歳納京子にお任せください!」
あかね「残念だけど京子ちゃんは副隊長にはなれないわ」
京子「……へ?」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 12:52:20.88 ID:UXlTlK8P0
あかね「京子ちゃんはまだ候補生だもの」
あかね「副隊長を任せるにはまず正規隊員になってもらう必要があるわ」
京子「ちなみにその隊員になるにはどうすればいいんですか?」
あかね「条件はただひとつ。あかりに気に入られることだけよ」
京子(なんだ。幼馴染の私なら簡単なことじゃないか)
京子「分かりました! だったらすぐにでも正規隊員になって副隊長の座を射止めてやりますよ!」
あかね「ええ。京子ちゃんには期待してるわ」
あかね「まずは頑張ってあかり親衛隊八番目の隊員になってね」
京子「……え?」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:02:39.23 ID:UXlTlK8P0
京子「は、八番目ですか?」
あかね「ええ、そうよ」
あかね「私、結衣ちゃん、ちなつちゃん、千歳ちゃん、綾乃ちゃん、櫻子ちゃん、向日葵ちゃん」
あかね「この七人が今のあかり親衛隊のメンバーなの」
京子(……確かさっき正規隊員になる条件は「あかりに気に入られる事」っていってたよな)
あかね「そしてこの前のお泊まり会でともこさんもあかりに気に入られたみたいだから」
あかね「たぶんすぐにでも正規隊員になれるでしょうね」
京子(……私あかりにあまり好かれてない?)
あかね「だから京子ちゃんとともこさんのどちらかが八番目の隊員になるとおもうわ」
京子(結衣やちなつちゃんどころか生徒会よりも下……?)
あかね「ともこさんに負けないよう頑張ってね、京子ちゃん」
京子(私はあかりの幼馴染なのに……)
あかね「……京子ちゃんどうかした?」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:14:07.43 ID:UXlTlK8P0
京子「ほへ?」
あかね「京子ちゃんなんだかぼんやりしていたみたいだから」
あかね「もしかして体調が良くなかったのかしら? だったら休日に呼びたしちゃってごめんなさいね」
京子「ああいや、全然平気ですよ!」
京子「健康には定評のある歳納京子ですから!」
あかね「ふふ、ならよかった」
京子「ええ、もう元気有り余りすぎて走りたい気分ですよ!」
あかね「小さいころから比べると本当に元気になったわね、京子ちゃんは」
京子「良くいわれます!」
あかね「小さいころから一緒にいる京子ちゃんが親衛隊に入ってくれるなら私も心強いし頑張ってね」
京子「! はい! 頑張ります! それじゃあ今日は帰りますね!」
あかね「今日はわざわざ来てくれてありがとう」
あかね「これからもあかりと仲良くしてあげてね、京子ちゃん」
京子「はい! それでは失礼します!」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:19:38.16 ID:UXlTlK8P0
京子(小さいころから一緒にいる京子ちゃん、か)トボトボ
京子(確かにここ最近はあかりのことからかい過ぎてるかなって思ってたけど)トボトボ
京子(それでも幼馴染として仲良くできてると思ってたのに)トボトボ
京子(中学生から友達になったちなつちゃんや)トボトボ
京子(あんまり絡みがないはずの生徒会のメンバーよりも下だなんて……)トボトボ
京子「なんか悔しいな」グス
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:24:48.86 ID:UXlTlK8P0
京子「いや、ここでめげちゃだめだ!」
京子「まずは明日の学校で本当に生徒会のメンバーとあかりが仲がいいのかを確かめてみよう」
京子「もしかしたらあかねさんなりのジョークかもしれないし!」
京子「そしてあかねさんの言うことが本当だったとしても私の魅力であかりをメロメロにしてしまえば大丈夫!」
京子「勝負は明日だ!」
京子「首を洗って待ってろよ、あかり!」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:32:43.15 ID:UXlTlK8P0
翌日・通学路
京子(まずは朝の登校だ)
京子(朝から一緒に登校するなんて仲がいい証拠!)
京子(さらにライバルが少ないから好感度を上げやすい)
京子(今回の私は本気だ、全力でいかせてもらうよ)
結衣「今日はやけに静かじゃないか、京子」
京子「今日の私は一味違うのだよ結衣にゃん」
結衣「結衣にゃん言うな」
京子「幼馴染の結衣にだって負けないんだからな!」
結衣「いつの間に私と京子は戦ってたんだ……おっともうすぐあかりの家だな」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:39:35.59 ID:UXlTlK8P0
京子(作戦その1! 朝から抱きつく!)
京子(普段からあかりへのスキンシップが少ないのがいまいち好感度が低い要因かも知れない)
京子(そこで朝一番油断しているときに抱きついてドキッとさせるわけだ)
京子(仮に失敗してもいつもちなつちゃんにやってる事だから冗談めかしてごまかせばOK)
京子(なんて完璧な作戦なんだ!)
結衣「インターホン押すぞ」ピンポーン
京子(ドアがあいたらすかさずダッシュだ!)
ドア「ガチャ」
京子「おはようアッカリーン!」ダキッ
あかね「あらあら京子ちゃんは朝から元気ね」ウフフ
京子「あれ?」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:47:46.96 ID:UXlTlK8P0
結衣「あかねさんおはようございます。あかりもおはよう」
あかね「おはよう。結衣ちゃん、京子ちゃん」
あかね「いつもあかりの事を迎えに来てくれてありがとうね」
結衣「いえ、私たちが好きでやっていることですから」
あかね「ふふ、優しいわね」
あかね「二人があかりの幼馴染で本当に良かったわ」
結衣「あはは、大げさですよあかねさん」
結衣「それじゃあそろそろ行きますね」
あかね「ええ、三人とも車に気をつけてね」
結衣「よし、つぎはちなつちゃんのとこだな。行こっかあかり」
結衣「あと京子もいつまでもあかねさんに抱きついてるんじゃないぞ」
あかね「ウフフ」
京子(……作戦1、失敗)
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 13:55:30.92 ID:UXlTlK8P0
京子(結局朝は普段通りに登校してしまった)
京子(でも私が話しかけても結衣たちと変わらない反応をしてくれたし)
京子(私ひとりだけ嫌われてるってことはなさそうだったから少し安心かな)
京子(気を取り直して作戦その2、お昼ごはんを一緒に食べる!)
京子(うまい事いけばあーんしたりされたり非常においしいイベントだ!)
京子(これを逃す手はないぜ)
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 14:04:17.57 ID:UXlTlK8P0
櫻子「やったー、今日はちくわの磯辺揚げじゃん!」
櫻子「うう、でも給食当番めんどくさー」
向日葵「文句を言わずにさっさと働きなさいな」
櫻子「しかも 魔人と一緒に当番だなんてついてない」
向日葵「なんですって! ……あら赤座さん私たちの分まで給食を用意して下さいましたの?」
櫻子「おお、さすがあかりちゃん! いつもありがとー!」
向日葵「ありがとうございますわ。櫻子も赤座さんの十分の一でも気がきけばいいのに」
櫻子「なんだとー」
京子(しまったぁ! 給食だからそもそも一緒に食べるとか無理じゃん!)
京子(しかもちっ ちゃんとひまっちゃんがあかりと仲良くしているという証拠まで手に入ってしまった)
京子「ぐぬぬ」
ちなつ「京子先輩、一年生の教室にいたら邪魔なんで帰ってください」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 14:09:52.49 ID:UXlTlK8P0
京子(作戦2も失敗だ、ちくしょう)
京子(クラスメイトであるちっ ちゃんたちは強敵かもしれん)
京子(もしかしたらあかねさんの言うとおり私よりも気に入られている可能性もある)
京子(だがしかし、学年の差が戦力の決定的な差ではないと教えてやる!)
京子(そう、勝負は放課後娯楽部だ!)
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 14:21:34.91 ID:UXlTlK8P0
京子(作戦その3話題BOX!)
京子「今日は何の用事もないし久々にこれ使おうぜ―」
結衣「目立ちたgirlじゃなかった話題BOXか。この箱も良く働くなあ」
ちなつ「それで一体何するんです?」
京子「今日はこの中にお題が書かれた紙が入ってるんだ」
京子「そしてこの授業中に用意した鉛筆サイコロで名前が当たった人がそのお題をこなすってわけ」
ちなつ「なるほど。京子先輩にしてはシンプルで良い案なんじゃないですか?」
結衣「おい、でもこの鉛筆サイコロ六面あるぞ」
京子「鉛筆って大体そうでしょ?」
結衣「確かにそうだけど全員の名前の分四面に加えて『みんな』って項目がある」
京子「せっかくだしお遊び要素も必要かなって思ってさ」
結衣「あとあかりの分だけ二面あるのはなんでだ?」
京子「あかりの分が一面だけだとアッカリーンしちゃうかと思って」
ちなつ「相変わらずですね、京子先輩」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 14:32:21.19 ID:UXlTlK8P0
京子(ちなつちゃんからは呆れられちゃったけどこの際背に腹は代えられない!)
京子(『あかり』二面に『みんな』一面であかりにお題が当たる可能性は実質二分の一!)
京子(さらに話題BOX内にはいちゃいちゃしやすい内容のものを混ぜておいたから……)
京子(あかりと合法的にキャッキャウフフ出来る機会も増える)
京子(この作戦今度こそ成功させる!)
京子「じゃあサイコロ振るよー。……トップバッターはちなちゅだね」
ちなつ「ちなちゅ言うな。私がこの箱からお題の紙を引けばいいんですよね」
ちなつ「なになに『右隣の人に膝枕してもらう』?」
結衣「話題じゃないじゃないか」
京子「まあまあ匠の遊び心ってやつよ」
ちなつ「右隣はあかりちゃんかあ」
ちなつ「結衣先輩じゃないのはちょっと残念だけど、よろしくねあかりちゃん」
京子(しまった。敵に塩を送る形になってしまった)
京子(でも、まだ戦いは始まったばかりだ)
京子(ちなつちゃんに先手を打たれる形になったけどここから挽回してみせる!)
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 14:45:21.20 ID:UXlTlK8P0
三十分後
京子(戦いでは常に現状を把握することが最も大切だ)
京子(よって今までの経緯を整理しておこう)
京子(サイコロを八回振った結果は私三回、結衣二回、ちなつちゃん三回)
京子(ここまですべての目がアッカリーンされているという異常事態)
京子(さらに私が引いたお題は『一発芸』『クマのものまね』『最近あった恥ずかしい話』という内容だったのに)
京子(結衣は『左隣りの人とにらめっこ』『対面の人と好きって言い合う』)
京子(ちなつちゃんは『右隣の人と膝枕』『歌を歌う』『同い年の人と手をつなぐ』という内容)
京子(そして席の配置はこうだ)
あかり
京----ち
子| |な
----つ
結衣
京子(つまり私だけがあかりといちゃいちゃしていない)
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 14:51:39.95 ID:UXlTlK8P0
京子「このサイコロおかしいだろー!」
結衣「京子が自分で用意したんじゃないか」
京子「この話題BOXの内容もおかしい!」
ちなつ「それも京子先輩が用意しましたよね」
京子「ううう、仕方ないもう一度サイコロを振るか―」
京子(あかりでろあかりでろあかりでろ)コロコロ
京子(おお、この転がり方もしかしたら今度こそ……!)
綾乃「としのうきょうこー!」バーン
千歳「おじゃましますー」
結衣「やあいらっしゃい」
ちなつ「京子先輩またなにかやったんですか?」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:00:56.27 ID:UXlTlK8P0
京子(ああああ!)
京子(襖が勢いよく開けられた衝撃でサイコロの目が『あかり』から『みんな』に変わっちゃった……)
京子「綾乃あんまり乱暴に襖を開けちゃだめだよー」
綾乃「うぐ、ごめんなさい……」
千歳「歳納さんに怒られてしょんぼりしてる綾乃ちゃんもええなー。あ、そういえば」
千歳「赤座さんこの前はありがとうなぁ」
結衣「千歳が鼻血出した時にティッシュあげてた事?」
千歳「それもなんやけど、この前草むしりしてるときにアイスを分けてもろたんよ」
千歳「暑い中で作業しとったからほんまにありがたかったわ」
千歳「今度お礼するなぁ」
京子(千歳まであかりと仲良くなってる……)
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:10:19.71 ID:UXlTlK8P0
綾乃「そういえば赤座さんには何度か生徒会の手伝いもしてもらった事があったわね」
千歳「赤座さんは優秀やからなぁ。いっそのこと生徒会のメンバーになってほしいぐらいやわ」
綾乃「そのお礼もしたいと思ってたのよね」
千歳「そうや、赤座さんさえ良ければクリスマスに行った甘味処にまたいかへん?」
千歳「あそこのあんみつがまた少しかわったんよー」
京子(こ、このままじゃまずい)
京子(下手したら生徒会にあかりの事をとられかねない……!)
京子「と、ところでさー二人は私になにか用事があったんじゃなかったっけ」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:19:07.61 ID:UXlTlK8P0
綾乃「そ、そうだったわね。歳納京子またプリントだしてないでしょう」
京子「あれー、そうだったっけ? どのプリント?」
結衣「先週の火曜日締め切りのアンケートのことじゃないか?」
綾乃「そうそれよ。全く期限を今度期限を守らなかったら罰金バッキンガムなんだからね!」
結衣「」ブフッ
京子「ごめんよー、綾乃。そのプリントなくしちゃったっぽい」
綾乃「歳納京子の事だからそんな事だろうと思ってちゃんと用意して、あれ? ない!?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:27:39.60 ID:UXlTlK8P0
千歳「そういえば生徒会室を出る直前に大室さんが綾乃ちゃんのプリンを食べようとしたから」
綾乃「それを止めるためにいったんプリントを机の上に置いたんだったわね……」
京子「綾乃も忘れものかー」
結衣「元はといえばお前の忘れものだろ。自分で生徒会室に受け取りにいったらどうだ」
京子「ええー」
ちなつ「そうだ、せっかくだしみんなで生徒会室にお邪魔しませんか?」
ちなつ「サイコロの目もちょうど『みんな』になってますし」
京子(……これはもしかしたらチャンスじゃないのか?)
京子(生徒会室に行けば、生徒会内でのあかりの人気を知ることができるかもしれない)
京子「そうしよっか。ちっ ちゃんが食べたがる綾乃のプリンも気になるし!」
綾乃「ちょっと! 歳納京子にはあげないんだからね!」
結衣「おじゃましても大丈夫か、千歳?」
千歳「平気平気、むしろ大歓迎や」
京子「よーし、娯楽部諸君! 生徒会に殴り込みだ―」
京子「いくぞあかり、結衣、ちなちゅ!」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:33:27.50 ID:UXlTlK8P0
生徒会室
ちなつ「おじゃましまーす」
櫻子「おおあかりちゃんたちだ。いらっしゃい!」
千歳「二人とも留守まかせてごめんなー」
向日葵「大丈夫ですわ。それに二人ではなかったんですよ」
りせ「……」
西垣「やぁ」
綾乃「会長いらしてたんですか!? すみません留守にしてしまって」
りせ「……」
西垣「気にしてないわ、平気よだそうだ」
結衣「先生はまた爆発したんですか? 白衣焦げてますよ」
西垣「はっはっは。実験は爆発だからな」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:43:02.48 ID:UXlTlK8P0
りせ「……」
櫻子「あれ? あかりちゃんと会長おしゃべりしてる?」
りせ「……」
向日葵「本当ですわ。西垣先生以外の方と会長がお話ししている場面を見るのはめずらしいですわね」
りせ「……」
西垣「なるほど、お前たち二人はいつの間にかそんな仲になっていたのか」
りせ「……///」
西垣「どうだ赤座。この機会に赤座も爆友になってみないか?」
りせ「……///」
西垣「松本もこう言っているしな。赤座なら爆発漫画の主人公にふさわしい」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:47:15.59 ID:UXlTlK8P0
京子(まさか会長まであかりと仲良くなっていたなんて……)
京子(しかも会長の声聞こえないからいったいどんな関係なのか分からない!)
京子(まずいぞ。もし会長や西垣ちゃんが私よりもあかりに気に入られたりしたら……)
京子(私はあかりの中で十番目以下の存在になってしまう……)
京子(あかねさんの言ってた『あかり親衛隊』)
京子(それが本当かどうかはもうどうでもいい)
京子(あかりのなかで私がどうでもいい存在になってしまうのはいやだ)
京子(あかりは私の大切な幼馴染で、それで……)
京子(とにかく今のままじゃダメだ!)
京子(あかりを私の方に振り向かせないと!)
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 15:57:05.44 ID:UXlTlK8P0
帰り道
結衣「しかしあかりが会長とまで仲が良かったとは驚いたなぁ」
ちなつ「あかりちゃんはなんだかんだで優しいですからね」
ちなつ「クラスでも人気者なんですよ。影は薄いですけど」
結衣「はは、あかりらしいなぁ」
京子「……」
結衣「京子どうかしたの? さっきからあんまりしゃべってないけど」
ちなつ「そういえばそうですね。あかりちゃんが話しかけたときぐらいしか返事してくれませんし」
結衣「もしかして具合でも悪いのか?」
京子「……いや、ちょっと考え事をしててさ」
京子「あかりと話したいことがあるんだ。悪いんだけど二人は先に帰っててもらってもいいかな」
結衣「珍しく真剣だな。あかりさえいいなら私は構わないけど」
ちなつ「それじゃあ私たちは先に帰りますけど、あかりちゃんに変なことしたら承知しませんからね!」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:00:57.47 ID:UXlTlK8P0
京子(二人ともすんなり帰ってくれたな)
京子(これで二人きりだ)
京子「なああかり」
京子「帰るにはまだ時間があるし少し寄り道を、ううん」
京子「デートをしていかないか」
京子「……ふふっ、ありがと」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:05:19.51 ID:UXlTlK8P0
京子「というわけでやってきましたゲームセンター!」
京子「デートって言ってもどこいけば分かんないんだよねー」
京子「あはは、そんなに呆れた顔しないでくれよあかり―」
京子「ほら、クレーンゲームがあるし好きなの取ってあげるよ」
京子「あのぬいぐるみ? 相変わらずあかりは自分の事好きだなー」
京子「冗談だって。はいクマのぬいぐるみ」
京子「眠れなくてさびしい夜は京子ちゃんの事だと思って抱きしめてくれてもいいんだよ?」
京子「ちょ、赤くなるなよー。こっちまで恥ずかしくなるじゃんか」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:11:32.49 ID:UXlTlK8P0
京子「今度はこれだな、プリクラ!」
京子「あかりと二人っきりで撮った事ってそういえばなかったよね」
京子「ほれほれもっと近づかないと見切れちゃうよ」
京子「こうなったら」ギュ
京子「慌てなさんなって。こうやって抱きついてればあかりだけ見切れることはないでしょ?」
京子「ほらほら写るよ」パシャ
京子「あはは、あかり顔と髪が同じ色になってるじゃんか」
京子「え、私も赤いって?」
京子「そんなこと言うなら落書きに変なこと書いちゃうぞぉ」
京子「うそうそ、冗談だって」
京子「ちゃんと書くよ」
京子「『京あかデート記念日』」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:17:36.56 ID:UXlTlK8P0
京子「あかりはシューティングゲーム強いなー」
京子(まるで敵があかりの事見えてないみたいだ)
京子「よし、ここは私が盾になる!」
京子「あかり姫を守るのは聖騎士京子ちゃんだ!」
京子「ぐわー、やられたー」
京子「あ、あかり姫あなたを守ることができず申し訳ありません」ガクッ
京子「うわわ、冗談ごめん悪かったって」
京子「私はゲームでは死なないから泣かないでよあかり」
京子「……あ、あかりのキャラもやられちゃったね」
京子「そろそろ帰ろうか」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:24:34.38 ID:UXlTlK8P0
京子「いやー、あかりと二人っきりで遊んだのって久しぶりだなあ」
京子「……なんていうか私のわがままに付き合ってもらっちゃってごめんね」
京子「ふふ、そっか楽しんでもらえたなら良かったよ」
京子「よせやい、そんなこと言われたら京子ちゃん照れちゃうぜ」
京子「んー、えへへ」
京子「そういう風に楽しんでくれるあかりはやっぱりいい子だね」
京子「優しくて、ニコニコしてて、気配りもできて、頑張り屋さんで」
京子「からかうとおもしろい反応をしてくれるし、誰かがつらい時には一緒に悲しんであげられる」
京子「そんなあかりだからみんなに慕われてるんだよね」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:32:34.79 ID:UXlTlK8P0
京子「あかりはさ、小さいころの私にとってヒーローみたいな存在だったんだよ」
京子「結衣と二人でさ、いつも私の事守ってくれてた」
京子「だから私もいつか二人の事を、あかりの事を守れるようになりたいって思ってたんだ」
京子「さっきのゲームではあかり姫を守れずにやられちゃったけどね」
京子「やっぱり私にはあかりを守ることなんてできないのかな……?」
京子「私以外の誰かが、私よりふさわしい騎士さまがあかりの周りにはいっぱいいるもんね」
京子「今日一日あかりの事を見ててそう感じたんだ」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:39:23.12 ID:UXlTlK8P0
京子「あかねさん、結衣、ちなつちゃん、千歳、綾乃、ちっ ちゃん、ひまっちゃん、会長に西垣ちゃん」
京子「それにちなつちゃんのお姉さんやあかりのクラスメイト」
京子「たくさんの人があかりの周りにはいてさ」
京子「弱虫ナイトの私が出る幕なんてなかったんだ」
京子「あかりにとっての特別なヒーローにはなれっこなさそうなんだ」
京子「悔しいけどね」
京子「……あはは、ごめんねなんか愚痴っぽい事言っちゃってさ」
京子「せっかくのデートなのに台無しにしちゃったね」
京子「今日は付き合ってくれてありがと」
京子「ばいばい、あかり」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:41:24.23 ID:UXlTlK8P0
「待って、京子ちゃん!!」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:45:25.86 ID:UXlTlK8P0
あかり「京子ちゃんまだ帰っちゃだめだよ」
あかり「まだあかりのお話終わってないもん」
あかり「それにデートはお家に帰るまでがデートなんだから」
あかり「もう少しあかりと付き合ってほしいなあ」
京子「あかり……」
あかり「えへへ、そこの公園で少しお話しようよ」
京子「うん、わかった」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 16:58:12.02 ID:UXlTlK8P0
あかり「京子ちゃんと二人で公園に来るのは久しぶりだねぇ」
京子「そうだねー。いつぶりかな」
あかり「五年ぐらい前じゃないかな」
京子「あかりそんなこと良く覚えてるなあ」
あかり「えへへ、だってそのころからなんだもん」
京子「何が?」
あかり「京子ちゃんが変わり始めたの」
京子「……」
あかり「あんまり泣かなくなったし、なんだかどんどん強くなっていっちゃった」
あかり「理由はさっきまではっきりしなかったんだけど、京子ちゃんはナイトさんになりたかったんだねぇ」
京子「改めていわれると恥ずかしいな」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 17:04:13.15 ID:UXlTlK8P0
あかり「でもあかり心配だったんだ。変わっていく京子ちゃんを見てて」
あかり「京子ちゃん無理してどこかで倒れちゃったりしないかなとか」
あかり「あかりの事をおいてどこか遠くへ行っちゃうんじゃないかなとか」
京子「……」
あかり「でも、そんなことなかった」
あかり「京子ちゃんはあかりと一緒にいてくれた」
あかり「あかりすごくうれしかったんだ。娯楽部に誘ってもらえたこと」
あかり「京子ちゃんがあかりを置いてけぼりにしないで待っててくれた」
京子「当たり前だよ。あかりがいない私なんてそんなの嫌だ」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 17:12:49.86 ID:UXlTlK8P0
あかり「京子ちゃんがそう言ってくれて嬉しいよぉ」
あかり「でもだからこそ、さっきの京子ちゃんの話を聞いたときは悲しくなっちゃった」
あかり「まるで自分の事を必要無いみたいに言うのはいくら京子ちゃんでも許さないんだから」
京子「……」
あかり「確かにあかりと仲良くしてくれる人はたくさんいるかもしれない」
あかり「でも、あかりにとって一番大切なのは京子ちゃんなんだよ」
あかり「わがままで忘れ物が多くてちょっぴり泣き虫だったりもしたけど」
あかり「優しくて笑顔が素敵で本当に強い京子ちゃんがあかりには必要なの」
あかり「だから『ばいばい』なんて言わせない」
あかり「『また明日ね』っていって欲しいんだぁ」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 17:21:03.25 ID:UXlTlK8P0
京子「あかり……」
あかり「そしてお家に帰ったらプリクラを日記に貼って」
あかり「京子ちゃんに取ってもらったクマのぬいぐるみと一緒に眠るの」
あかり「そうすればずっと京子ちゃんといられるもんね」
京子「……」
京子「あかり、言ってて恥ずかしくないか?」
あかり「恥ずかしくないよぉ」
あかり「だってあかりは京子ちゃんが大好きだから」
あかり「今日のデートすごく楽しかったんだ」
あかり「くまのぬいぐるみも京子ちゃんだと思って大事にするし、記念日のプリクラも大切にするよ」
あかり「京子ちゃんがあかりの為にしてくれたことは全部あかりの宝物なんだから」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 17:29:38.34 ID:UXlTlK8P0
京子「ありがとうあかり」
京子「茶化してごめんな」
京子「私も大切にするよプリクラも思い出も」
あかり「えへへ、これからも一緒にいようね京子ちゃん」
京子「ああ、明日も明後日もずっと一緒にいようなあかり!」
あかり「うん!」
おしまい
72 :蛇足:2012/04/21(土) 17:34:39.17 ID:UXlTlK8P0
あかね「おかえりなさい、あかり」
あかね「少しいつもより遅かったけどなにかあったの?」
あかね「そう、京子ちゃんとデートしてきたのね」
あかね「楽しかった? なんてきかなくても分かるわ」
あかね「そのぬいぐるみ大切にしてあげてね」
あかね「それじゃあもうすぐご飯ができるから着替えてらっしゃい」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 17:37:26.38 ID:UXlTlK8P0
あかね「ふふふ、これで京子ちゃんもあかり愛に目覚めたわね」
あかね「正直公園でどちらかが告白でもしようものなら何としてでも阻止しようと思ってたけど」
あかね「まあ今回は大目にみておきましょう」
あかね「あとは……」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/21(土) 17:42:35.26 ID:UXlTlK8P0
後日
あかね「おめでとう結衣ちゃん」
あかね「結衣ちゃんは八番目のあかり親衛隊候補生に選ばれました」
結衣「お、幼馴染なのに八番目……」
あかね(京子ちゃんがあかり愛に目覚めたなら次は結衣ちゃんね)
あかね(最終的にはみんなをあかり愛に目覚めさせてあかりを真の主人公にして見せる)
あかね(あかりが空気だなんて絶対に言わせないわ!)
あかね(おねえちゃんあかりの為に頑張るからね!)
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