1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 03:01:06.99 ID:9Wwpbmbp0
男「あー、はいはい……」

幼馴染「ちょっと! ちゃんと聞いてる?」

男「聞いてる、聞いてるよ、つーかさっさと帰れよ……」

幼馴染「何で?」

男「な、何でって、それは……」

幼馴染「別にこの後何も無いんでしょ? だったら良いじゃない」

男「…………か、彼女が来るんだよ」

幼馴染「は? 彼女?」

男「うん……」

幼馴染「またまた、そんな嘘ばっかり! それでねー?」

幼馴染(こうやって架空の彼氏の事を話してれば、いつか辛抱たまらなくなって押し倒……)

女「……何してるの?」

男「あっ」

幼馴染「えっ?」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 04:20:11.59 ID:ivtenfGq0


三人「…………」

幼馴染(き、きまじぃー……)

女「……あの」

男・幼「はい?」



80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 04:30:41.02 ID:ivtenfGq0


女「……そちらの方は、男君が話してた」

男「そ、そうそう。こいつが幼馴染だよ」

幼「ど、どうも……」

女「……どうも」

三人「…………」

幼(な、なんだろうこれ。すっごい罪悪感)

幼「あ、あー……私帰るね」

男「お、おう」

幼「お邪魔しちゃってゴメンね。それじゃあ……」

女「…………」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 04:35:10.11 ID:ivtenfGq0

幼「はあ……」

幼「私、何やってるんだろ」キーコキーコ

幼「好きな奴に嘘ついてさ、そいつにはもう彼女がいてさ」

幼「そして私はロンリーにブランコしてるってなぁ」

幼「こんなことなら素直に……」

女「……あの」

幼「ヒョオイッ!?」

女「……」ジー

幼「あなたは……」

女「……少し、お話が」


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 04:41:10.62 ID:ivtenfGq0

幼「…………」キーコ

女「…………」キーコ

幼(なにが悲しゅうて女二人で黙々とブランコキコってにゃならないわけ……?)

幼「ところで」

女「はい」

幼「お話ってなんでしょう……?」

女「男君のこと、で……」

幼「男? あいつが何か……」

女「……私、その、地味でしょう? 見た目も性格も……」モジモジ

幼「……はあ」

女「よく言われるんです。だからその……男君って……」

幼「…………えーとその、つまりその、『なんで私なんかと付き合ってくれるのか』的な徹子の部屋的な?」

女「……多分そうです」

幼(ファアァァァァアアア!!)

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 04:47:07.53 ID:ivtenfGq0
女「幼馴染さんなら、その、男君とも仲がいいだろうし……アドバイスなど、いただけたら、と……」

幼「……あいつと付き合ううえでのアドバイスねえ……」

幼「うーん…………」キーコ

女「…………」

幼「…………」キーコキーコ

女「…………」

幼「」キコキコキコキコ

女「……あの、なんか、ごめんなさい」

幼「いや、ごめんね? 全然浮かんでこない…………ん?」

幼(むしろこっちが教えて欲しいくらいだってのよーっ!)

幼(あいつに直接聞ければ楽だろうけど……直接?)

幼「閃いた!!」

女「…………はあ?」


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 04:53:25.25 ID:ivtenfGq0


チュチュンガチュン

幼「……おはよ」ズシャァッ

男「おう」ザアァッ


幼「……」

男「……なんかさ」

幼「ん?」

男「昨日は悪かったな」

幼「あー……。こっちこそね。可愛い子じゃん?」

男「……お、おう」テレ

幼(ちっ……)「ところでさ」

男「おう?」

幼「二人はどういうふうに付き合うことになったわけ?」

男「そりゃあ……」


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:02:53.02 ID:ivtenfGq0

男「」カクカクジカジカ

幼「ほーん」

男「というわけで」

幼「……ある日下校時に困ってる女の子をハケーンしたらどうも落し物をしてしまったらしいこれは困ったぞー
もう夕方だし先生も知らないって言うからちょっと探すの手伝ったら感謝されちゃって悪い気はしなかったし
その後なんかお礼を言いに来てからのお友達関係が始まってからの仲良しさん
二人組うおおおおおおおおおおおおああああああああああああああぁぁっ!!」

男「落ち着いてくれ」

幼「そんな都合のいいテンプレ展開があるっ!?」

男「俺もそう思う」

幼「だいたい、男はもっと明るくてダイナマイッな子が好みとか言ってたじゃん。どういう風の吹きまわしよ」

男「そんなのわかんねーよ。気付いたらそうだったんだよ」

幼「……ふーん……じゃあさ。……女さんに不満とかないわけ?」

男「はあ?」

幼「なんかあるでしょうよ。気になるところとかでもいいよ」

男「そんなの聞いてどうすんだよ」



99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:11:34.90 ID:ivtenfGq0
幼「そりゃ……その、……じ、自分の為に活かすんでしょうが。君たちみたいな恋愛初心者の情報も貴重なものなのよ」

男「うっせ。……でも、そうだなあ」

男「……ちょっと大人しいだろ、女って」

幼「そんな感じだったね」

男「時折、何考えてるんだろう。って思うときはあるかな。俺といて楽しいのかなって」

幼(こ、こいつら……)

男「なんか嫌なことがあったりしたら、素直に言ってほしいじゃん、やっぱり」

幼「……男君、青いですなぁ~」

男「うっせ」

幼「だったらさ……ッ」

男「ん?」

幼「……んや、なんでもない」


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:21:02.98 ID:ivtenfGq0

キーンコーンヒルヤスミカーンコーン

幼「はあああ……」パクモグー

幼「二人共ラヴラヴっすわ……」ジュルル

幼「男も女さんの話してるとき嬉しそうだったし」ムグムグ

幼「……なんとか二人の仲を悪化させて……とかさ」ズゾゾゾゾゴクン

幼「なんつうんすかねー、私、ちっちぇ女なんじゃないすかねー」ギュウゥゥ

幼「……どうしよ」ポイー


104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:27:50.18 ID:ivtenfGq0

キーンコーンホウカゴー

女「……あ」

幼「お疲れ」

女「あ、あの。男君はなんて……」

幼「うん。そのー……その、ね」

女「はいっ」ジィッ

幼「……」

幼「………じ、自分と一緒にいて、楽しいのか。って気にしてた」

女「えっ?」

幼「それと、一緒にいるときは、も、もっと、素直になって欲しい。って」

幼「嫌なことかあったら言って欲しいって。あいつ、良い奴だよね」

女「……」

幼「ホント、良い奴なんだよね。だからさ、あいつと……」

女「幼さん……」


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:33:08.95 ID:ivtenfGq0

女「なんで、泣いて……」

幼「えっ?」ポロポロ

幼「……えっ? ええ……?」ボロボロ

女「……! 幼さん、あなたは……」

幼「ちが……あ、わ、私……ご、ごめんっ」ダダッ

女「待って!」


女「……幼さん……」


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:43:33.04 ID:ivtenfGq0

~幼馴染の部屋~

幼「……」ボケーッ

幼「あれでよかったんだよね……」

幼「ずるいことして、女さんと男をどうにかしてとかさ、そんなんおかしいもん」

幼「……泣いてるところ見られたのは恥ずかしかったかな……」グス

幼「……ぅ、っ……ふぅ……ぅぅぅ……」

ヴーッヴーッ 

幼「…………」

ヴーッヴーッヴーッヴーッ

幼「……スマホ……」ゴソッ

幼「!」

ヴーピッ

幼「……も、もすもす?」

男『申す申す』

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:51:10.62 ID:ivtenfGq0
>>110

幼「どうしたのよ。こんな時間に」

男『その、女から聞いて』

幼「あ、ああ、そう」

男『……』

幼「……なんかごめんね」

男『いや』

幼「……私さ」

男『おう』

幼「……あんたのことが好きだったの」


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 05:58:16.57 ID:ivtenfGq0

男『……だって、おまえ彼氏いるって』

幼「嘘」

男『えっ?』

幼「嘘ついてたの」

男『……ちょっと待ってくれ。なんだって?』

幼「詳しくは>>1を見て」

男『落ち着いてくれ。どういうことだ』

幼「素で受け流さないでよ…………そうやってあんたの気を引いてやろうって思ってたの」

男『なんで、そんなこと……』

幼「……そんなの」

幼「そんなの……私にもわかんないよ」グスッ

男『…………』


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 06:03:30.34 ID:ivtenfGq0

男『…………』

幼「…………」

ガララッ

男『幼馴染。窓、開けてくれ』

幼「……やだ」

男『頼む』

幼「…………」ガラッ

男「…………」

幼「…………」

男「…………」

幼「……なんかいいなさいよ」



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 06:14:47.51 ID:ivtenfGq0

男「俺も」

幼「……」

男「おまえのことは好きだよ。そりゃあ」

男「ずっと一緒だったし」

男「けど、おまえからさ……」

男「彼氏できた。って聞いたとき、ショックだった」

男「でも、おまえいつも嬉しそうに話してて」

男「そんなんで……だから……」

幼「……あ、ははは」ボロボロ

男「…………」

幼「……あたし、ホント馬鹿だよね……」



131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 06:31:32.01 ID:ivtenfGq0

幼「もっとちゃんとしてたよかったのに」

男「……悪い」

男「俺、今は女のことが好きなんだ」

男「だから……なんか、ごめん」

幼「……」

男「……」

幼「……あ、謝ることなんて、ないじゃん!」グスッ

幼「男はなんにも悪いことなんてしてないんだし」

幼「悪いのは私なんだし。謝るのはこっちだよ」

男「幼馴染……」

幼「それに、はっきり言ってくれたおかげで私もスッキリしたしさ」

幼「だからそんな顔しないでよ。ね?」

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 06:40:21.18 ID:ivtenfGq0

男「……」

幼「それに……女さんって、ほんとにいい子だと思う」

幼「実は、彼女と色々話してたんだ。男のことを真剣に考えてて、凄いと思った」

男「……そう、か」

幼「そうよ。だから気にすんなって」

男「お、おう」

幼「……んじゃあ、そろそろ寝よっか」

男「……おう」

幼「じゃ、おやすみ」ガララ

男「……おやすみ」カララ




幼「…………」

幼「……あれ、は流石に刺さるなぁ………」

幼「私、マジで馬鹿丸出しだったってことじゃんよぉ……」


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 06:51:22.83 ID:ivtenfGq0

~翌朝~

イッピキガチュン

男「……」ザシャアッ

男「……さすがに、昨日の今日じゃなあ……って」ポリポリ

女「……お、おはよう。男くん」ザッ

男「女。どうしたの?」

女「その、幼さんが気になって……」

男「あ、ああ」

女「二人で話す。って言ってたから、どうなったのかなって……」

男「……じ、実は……>>110からの展開を見てくれ」

女「……ワーオ」

男「そういうことで……その……なんつったらいいんだろう、これ……」

女「……わ、私もどう言っていいか……」

女「……でも」

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 07:05:27.83 ID:ivtenfGq0

女「幼さん、きっと悲しんでると思う」

男「……うん」

女「私、どうしたらいいんだろう……」

男「女……」

女「わ、私も、……男くんのことは好き、です。けど……」


……ドドドド

男「……っ」

女「?」

ドドドドドドド

男「女、後ろに下がって」

女「え、ええ? あの、なにが……」

バンッ

幼「グウゥゥゥゥゥッモォォォニイイイィィンッ!!!!」ズシャアァァッ


139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 07:10:52.02 ID:ivtenfGq0

女「……へえ?」

男(このキレ……! 絶好調のときの……!!)

幼「おはよう男ーっ!」ズパッ

男「お、おう……」

幼「今日もいい天気ね! 実は早速いきなりなんだけど聞いて欲しいことがってウワァーオゥ女さん!」

女「え、あ? ……あ、はい……?」

男「落ち着いてくれ。……幼は時折こうなるんだ。調子いいときとか」

女「あの、それ、全然説明になってないですよね……」

幼「2人揃ってるなら調度いいわ!」ビシッ

男・女「は、はい」

幼「実は昨晩男と話したあと寝ながら考えたんだけど」

男「寝たのかよ」

幼「こまけぇこと気にすんじゃないわよ! でね、私、ある事に気付いたの!!」


141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 07:19:43.83 ID:ivtenfGq0
男「おう」

幼「男と女さんって付き合ってるじゃない」

女「……」ボッ

男「……嫌な予感がするんだが、話を先へ」

幼「でもね、私が男を好きなこととそれって関係ないことじゃん?」

男「……お、おう?」

女「はあ……?」

幼「だから私、思ったわけよ! これまで通りに男にアッピィールを続けてても問題ないんじゃね? って!!」

男「……」

女「……」

幼「あ、勿論前回の反省点を踏まえて今度はもっと異なる手法を考案してあるの今のところ実戦プランはAからHまであってそれで」

男「……」

女「……」

幼「……というわけで最終兵器としてのプランZも含めたこれらの作戦であんたをどうにもこうにもとまらない状態に持って行こうってわけよ! どうよ!?」フゴーフゴー



143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 07:33:14.80 ID:ivtenfGq0

男「どうリアクションしたら正解なんだろう」

幼「もちろん不利なのは重々承知よ!」

幼「女さんには悪いけど、私もまだ男が好きだから。正面からぶつかってやろうって決めたの」

女「……あ、あのっ」

男「女?」

女「……幼さんの気持ち、わかります。けど」ギュ

女「男くんは……わ、わたっ、わ……私が一番、すすす、好きなんです」

男「お、ちょっ。急に抱きつくな! ご近所の目が」

女「も、もう色々手遅れですっ。ぜ、絶対離さないんだからっ!」

幼「ふふ……それでこそ……こっも燃えるってもんよ……」ユラァ

男「お、幼。おまえ本気でそんな……」

幼「……私、本気だよ」

男「!」



147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/28(水) 07:45:18.91 ID:ivtenfGq0
>>143
幼「……フッ。そういうわけだからさ! あんた、せいぜい寝首をかかれないように注意するんだねぇ!」バッ ダダダ…

男「おっ……」

女「い、行っちゃった……」

男「なんであんな悪役くせえ捨て台詞なんだ」

女「…………お、男くんっ。あの……」

男「おう!?」

女「……ぜ、絶対、離れないでいてくれる?」ギュ……

男「……あれ見て心が動かされる男がいるなら見てみたい」

女「……本当に?」

男「当たり前だろ」

女「絶対?」

男「大丈夫だよ……その、そろそろ離れて。学校が……」

女「……こ、このまま学校いくっ」

男「落ち着いてくれ」

おわり