1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 20:58:24.54 ID:ygEIcEiB0
アリス「人を、殺す?」

忍「はい! アリスは、人を殺してみたいとは思いませんか?」

アリス「ええっ? 突然聞かれてもわかんないよ~」


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:04:02.26 ID:ygEIcEiB0
忍「ふふ…想像してみてください」

アリス「うん」

忍「首を絞められて顔を真っ赤にするカレンを……」

アリス「うんうん」

忍「じたばたと、必死に抵抗するんです…死なないために、生きるために」

忍「でも…だんだん…だんだんカレンは抵抗する力を失っていき…」

アリス「……」

忍「最後に少しだけピクッと揺れて…動かなくなるんです」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:09:21.37 ID:ygEIcEiB0
忍「どうです? 考えるだけで、興奮してきませんか?」

アリス「うーん…私には、ちょっと分からないかな…」

忍「ええっ! そ、そんなっ…アリスなら分かってくれるとばかり」シュン

アリス「あっ…す、素敵だよシノ! とっても楽しそうだよ!」

忍「いえ…いいんです…無理して分かってもらわなくても…」

アリス「シノ~っ」

アリス(はわわ、どうしよう、シノが落ち込んじゃったよう…)


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:14:03.87 ID:ygEIcEiB0
忍「はぁ…どんな感じなのでしょう…」

アリス(……そうだ!)

アリス「じゃあ、実際に殺してみればいいんだよ!」

忍「…へ?実際に?」

アリス「ほら、さっきカレンが出てきたでしょ? カレンを殺してみようよ!」

忍「でも、カレンに悪いですよ~」

アリス「仕方ないよ、殺してみたいんでしょ? カレンも許してくれるよ」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:17:42.39 ID:ygEIcEiB0
忍「……」

アリス「私も協力するから!」

忍「ほ、ホントですか!?」

アリス「うん! 私頑張るよ! シノのために!」

忍「アリスっ…私のためにそこまでっ…!」ブワッ

アリス「元気、でた?」

忍「はい! アリスがいれば、簡単にカレンを殺せそうですね!」ニコッ

アリス「うん! 頑張ろうね、シノ!」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:23:20.42 ID:ygEIcEiB0
アリス「それじゃあ、計画たてようよ」

忍「そうですね~」ニコッ

アリス(……こんな生き生きしたシノ、初めて見るかも)

忍「どうしました?」

アリス「あっ、ううん! じゃあ、私が呼び出すから…」

忍「ふむふむ…」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:28:48.10 ID:ygEIcEiB0
一週間後、体育倉庫

ガラガラガラガラ……ピシャン

忍「あっ♪」

アリス「シノ、カレンをつれてきたよ~」

カレン「ここ、体育倉庫? もう、なんデスか~?」

アリス「いや、私も知らないよ~。 シノに頼まれたんだもん」

カレン「そうデス? 忍、こんなところで何の用デス?」

忍「ふふ、とっても楽しいことをするんですよ」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:34:13.02 ID:ygEIcEiB0
カレン「楽しいことー!? なんデスなんデス!?」

忍「金髪少女だけにかかる催眠術があるんですよ~。それを試してみたくって」

忍「暗くて誰も来ないところでないとかからないのですよ。ほら、テスト期間ですので、ここなら誰も来る心配がないでしょう?」

カレン「うぇ、催眠術? そんなの、何が楽し…」

アリス「うわ~っ! とっても楽しそう!はやくやってよ、シノ!」

カレン「あ、アリス?」

忍「ほらほら、とりあえず目をつむってください♪」



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:40:07.33 ID:ygEIcEiB0
アリス「うん、わかった! ワクワクするね!」スッ

カレン「あ、アリス…? なんか、おかしいデスよ?」

アリス「んー? そんなことないよー」

忍「ほらほら、カレンも♪ 」

カレン「…わかりまシタ。」スッ

カレン(アリスもやるんだし、忍のことですから危ない催眠術ではないデスよね)

忍「ありがとうございます!」

カレン(それにしても、二人とも楽しそうデスねー…)

カレン(でも、いつものように微笑ましく感じないのは何故デス?)

カレン(素直に、二人の輪の中に入っていけないような…不思議な感じデス)


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:45:06.27 ID:ygEIcEiB0
忍「では、質問していくので、発音良く『いぇす』『のー』で、お願いしますね♪」

アリス「はーい」

カレン「了解デス」

忍「では、カレンから、質問を始めますね。目はつむったままでお願いします」

カレン「わかりまシタ」

忍「では、一つ目。日本に来て、楽しいですか?」

カレン「Yes、もちろんデスよー」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:52:55.85 ID:ygEIcEiB0
忍「ふふ、ナイス発音ですね」

忍「二つ目。私達のこと、好きですか?」

カレン「Yes、そんなのもっと分かりきったことデスよ」

忍「三つ目。家族のこと、好きですか?」

カレン(なんだか楽しそうな質問が多いようデスね)

カレン「Yes、だーいすき!」

忍「次は、いえすのーではなく、普通に答えてくださいね」

カレン「OKデス」

忍「もし、そんな人達とお別れって言われたら……どうしますか?」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 21:59:39.25 ID:ygEIcEiB0
カレン「お別れ……?」

忍「はい、どうしようもない理由でお別れになっちゃうんです。残念ですよね、だってカレン、私達のことも家族のことも大好きだって言いました。そんな人とお別れなんてっ……なんてことでしょう」

カレン「……し、の? なんでそんなこと聞くデス?」

忍「質問に答えてください♪」

カレン「……そんなの、考えられまセン。もしそうなったら、想像も出来ないほど苦しいと思いマス……」

忍「……ハァ、ハァ……」

カレン「シノ? なんで、黙っ…」





忍「ごめんなさい、カレン……」ギュッ

カレン「……はっ……!? し、し………のっ………!?」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:06:14.37 ID:ygEIcEiB0
忍「……」ニコッ

カレン(ほんき、デスかこれ……っ!? 冗談にしては、強すぎ……!?)

アリス「頑張って、カレン! 応援するよ!」

カレン「あ………り……っ? ぅ、かっ………はっ……やめ、やめ……!」ジタバタ

忍「……」ギュゥゥゥ

アリス(ああ、シノ、本気なんだ……本気で殺す気なんだ……)

アリス(カレン、苦しそうだよ……でも、なんでだろう)

アリス(ちょっと、うらやましいかも……?)ゾクゾク

カレン「っ………あ………し……」パタパタ

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:12:07.66 ID:ygEIcEiB0
忍「……」

カレン「……………っ……………」ピクッ

カレン「」プラン

忍「……カレン?」パッ

カレン「」バタン

忍「カレン?」

忍「カレン?」ユサユサ

カレン「」フラフラ

忍「カレン?」

カレン「」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:15:37.99 ID:ygEIcEiB0
忍「……」

アリス(し、シノ……殺し、たんだ)

アリス(人を、殺したんだ。カレンを、殺したんだ)

忍「アリス……」

忍「私、殺しました。カレンを、殺しました」

アリス「うん! おめでとう、シノ! どうだった?」

忍「……」

アリス「どうしたの、シノ? とっても良かったよ!」

忍「そうですか…?」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:20:26.55 ID:ygEIcEiB0
アリス「だってカレン、とっても苦しそうだったよ?」

忍「…何故でしょう、アリス」

アリス「?」

忍「私、ちっとも満たされてないんです。不思議です、とってもとってもやりたかったことが出来たのに」

アリス「そ…そうなんだ。私はとっても楽しかったよ…?」

忍「え? 見てただけなのに、ですか?」

アリス「あっ…/// ううん、忘れて!忘れてね!」

忍「? … クスッ、変なアリスですね」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:26:18.41 ID:ygEIcEiB0
アリス「そ、それにしても何で満足できないんだろう?」

忍「…」

アリス「シノ?」

忍「そういえば、陽子ちゃんが、今日は綾ちゃん家で勉強するって言ってましたよね?」

アリス「え? うん、言ってたと思うよ」

忍「……」

アリス「シノ? まさか……」

忍「わからない、わからないんです」

忍「なんで殺したいと思ってしまうのでしょう?」



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:31:14.55 ID:ygEIcEiB0
忍「おしえてください、アリス。 なんで……」

アリス「えっ? そ、そんな、なんでって言われても…」

忍「うう……」

アリス「…」

忍「…」

アリス「ねぇ、シノ」

忍「……アリス?」

アリス「私、シノが苦しんでるの、見たくないよ。私、シノのためならなんだってするよ? 私に、シノのしたいこと言って欲しい!」

忍「アリ、ス……」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:35:53.90 ID:ygEIcEiB0
忍「…」

アリス「シノ!」

忍「……私、綾ちゃんと陽子ちゃんを殺したい……なので」

アリス「うん」

忍「アリスに、協力して欲しい、アリスに見ていて欲しい……ごめんなさい、わがままで……ただでさ」

アリス「ありがとう、シノ!」ダキッ

忍「……!? あ、アリス!?」

アリス「話してくれて、ありがとう! わかったよ、シノ! 私、協力するよ」

忍「……あり、すっ……ありす……! ありがとう…ございます…っ!」グスッ

アリス「あはは、泣かないでよシノ~」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:42:26.02 ID:ygEIcEiB0
三十分後

アリス「おさまった?」

忍「はい…すみません、取り乱してしまいました」

アリス「ううん、いいんだよ」ニコッ

忍「…それで、さっきの話、なのですが。やりたいことがあるのです、どうしても」

アリス「うん、なんでも言って」

忍「……綾ちゃんは、夜遅くまで親が帰ってこないので、今日はみっちり陽子ちゃんを指導するって言ってました」

忍「なので、時間に余裕はあるはずです。いったん家に帰って準備しましょう♪」

アリス「わかった!」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:45:52.64 ID:ygEIcEiB0
午後5時半 綾宅

忍「……いきますよ、アリス」

アリス「うん」



ピンポーン



忍「…」

アリス「…」





「はい、小路です」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:50:35.98 ID:ygEIcEiB0
忍「綾ちゃん? 忍です」

「え、シノ? どうしたの?」

忍「いえ、その~私とアリスも勉強を教えてもらいたいと……」

「ええ? 来ないんじゃなかった?」

アリス「ごめんね綾! 陽子と二人きりのところ!」

「~~!! そうじゃないわよ! いいわよ、入りなさいよ!もうっ!」



ブチッ



忍「ナイスです、アリス♪」

アリス「えへへ」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:56:09.71 ID:ygEIcEiB0
綾の部屋


陽子「ういーす」

忍「すみません、どうも~♪」

アリス「こんにちは~」

綾「もう……ブツブツ」

陽子「どうしたんだよ綾、そんなに二人きりが良かったのか?」

綾「ちっ! ちがうわよ!/// さ、騒がしくなるからっ!」

アリス「ごめんね~…綾…」

綾「い、いいわよ別に、静かにしてくれるなら……」



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 22:59:20.07 ID:ygEIcEiB0
一時間後


綾「それで、ここはね…」

陽子「うんうん」




忍「…アリス」ボソッ

アリス「!…わかった」



忍「綾ちゃん陽子ちゃん、ちょっといいですか?」

陽子「ん、どうしたー?」

綾「……なに? 今大事なところなのに…」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:04:43.05 ID:ygEIcEiB0
忍「いえ、すぐに終わりますので。ちょっと質問です」

忍「なんでカレンがいないと思います?」

陽子「はぁ?」

綾「なによ、突然?」

忍「考えてみてください♪」

陽子「いや、普通にカレンは先に帰ったんだと思ったけど」

忍「普通はそうですよね~」

陽子「はぁ? 何言ってるんだ?」

綾(……なに、これ……なんか変よ……)

綾(シノなのに、シノじゃないみたいな)



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:09:33.88 ID:ygEIcEiB0
陽子「そうじゃない、ってことか? 何かあったの?」

シノ「いや、惜しいんですけど、先に帰ったというか、先に行ったというか…」

陽子「…シノ?」

綾「…」ドキドキ

綾(絶対おかしい絶対おかしい絶対おかしい…なんで、こんなに、怖……そういえば、アリスは…)


ザクッ


陽子「え」

綾「え? 陽……」

陽子「……足が、いたいっ……?」



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:18:33.77 ID:ygEIcEiB0
アリス「…」

陽子「……う……うぁぁぁぁぁぁ……っっ!! いたいぃ……!!」

綾「よ、陽子!! なんで、どうして、なんで、アリス!? なんでよ!?」

アリス「アヤ……静かにしないと陽子死んじゃうよ」ザクッ

陽子「ぅ……ぁぁぁ!! やめっ……ぅぁ、なんで……っ!? 意味が……」

綾「……夢……? やめて、やめてよ……」

アリス「静かにしてくれたら、刺さない。静かにしなかったら、足以外も刺すよ。シノ、お願い」

シノ「はい! 綾ちゃん、ちょっと縛りますね~。口も塞がせてもらいます♪」

綾「……なに、これ……? 陽子にひどいこと、しないで……」ペタン



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:24:21.99 ID:ygEIcEiB0
忍「完成です♪」

綾「…んー…んー…」ゴロン

陽子「ふーっ……ふーっ……っ……った……なん、なんだよ……!」

アリス「…あとは、シノにまかせるね!」ニコッ

忍「はい、ありがとうございます、アリス!」

陽子「おい、シノ……どういう、ことだよ……なんで私達……」



忍「綾ちゃん、陽子ちゃんのこと大好きですよね?」

綾「!」ビクッ

陽子「おい……! シノ……!」



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:30:07.93 ID:ygEIcEiB0
忍「知り合った時からほとんどずっと一緒で。綾ちゃんは陽子ちゃんの後ろをずっとずっとついて」

綾「…」

陽子「シノ!! おい!!!」

忍「一緒にいたら、心が満たされるような、くすぐったいような……少なくとも全然嫌じゃなくって」

綾「…」

陽子「聞こえてるだろ!!! シノ!!!!!」

忍「そんな人が死んだら、すごく悲しくて」ザクッ

陽子「ぐぅっ!?……うあっ……ぁぁぁ!!!!」

綾「!!……んー!! んー!!!」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:36:37.88 ID:ygEIcEiB0
忍「目の前で陽子ちゃんが刺されるなんて、考えたこともなかった。こんなに苦しむ姿を見るなんて……綾ちゃんは、考えたこともなかったんです」ザクッザクッ

陽子「くぁぁぁぁっ!!……や……め……ろっ……!!! やめてくれぇ……!!」

綾「んーー!!!んー!!!」

忍「傷口をえぐられて」グリッ

陽子「ぃぃぃ……っ!!!!!!!!」

綾「んー!!!!!!んーーー!!!!!!」ドタバタ

忍「そして、死んでしまう陽子ちゃんなんて」

陽子「いた……いよ……」

アリス(……)ゾクゾク

忍「綾ちゃんは、見たくなかったんです」



ドスッ



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:40:46.17 ID:ygEIcEiB0
陽子「かっ…」ピク

綾「…!」

陽子「…………」

陽子「」バタン

忍「…死んでしまいましたね、陽子ちゃん」

綾「ふっ……」

綾「ううっ……ふっ……ぅっ……」ポロポロ

忍「……綾ちゃん? 泣いてるんですか?」ズイッ

綾「ふぅぅ……ぅぅぅ……」ポロポロ

忍「今、ガムテープを剥がします。しゃべれるようにしてあげますね」ペリッ

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:44:16.60 ID:ygEIcEiB0
綾「あぁあ……!! 陽子ぉぉ……!!」ポロポロ

忍「…おねしょ、してますね」

綾「……お願い……殺して……」

忍「え?」

綾「ひくっ……殺して、殺してよぉぉ……!!」

忍「…」

綾「殺してぇぇぇ………!!!!」

忍「…」

アリス「……シノ?」

忍「…わかりました。一思いに…」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:46:04.95 ID:ygEIcEiB0
綾「……っ!」

忍「さようなら」




ドスッ





綾「…ぁぁ…ああ…」

綾「陽子…………」

綾「」バタン



忍「…」

アリス「……シノ? 終わったね」

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:49:11.44 ID:ygEIcEiB0
忍「…」

アリス「でも、意外だったよ。綾はすぐに殺しちゃったんだね」

忍「…」

アリス「シノ?」

忍「私、気づいたんです。綾ちゃんの泣く姿を見て、陽子ちゃんの苦しむ姿を見て、もっと満たされると思っていました。でも、それは違ったんです」

アリス「ちがう……?」





忍「私は……大好きな人達を殺したかっただけなんですね……」



74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:50:58.43 ID:ygEIcEiB0
アリス「…」

忍「大好きな人を殺す……過程は関係ないんです。『殺す』ことに意味があるんです」

アリス「…」

忍「なんで、満たされないのか…」

アリス「…」

忍「アリス」

アリス「…」

忍「殺してもいいですか?」



76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:55:48.26 ID:ygEIcEiB0
アリス「…」

忍「簡単な話でした。カレン、陽子ちゃん、綾ちゃん……殺せば殺すほど、殺すことに満足しなくなるんです」

忍「それは、協力してくれるアリスを、尽くしてくれるアリスを、ますます好きになっていったからです」

アリス「…」

忍「アリスを殺さないと、満たされない……」

忍「大好きだから、殺したい……」

忍「……ごめんなさい……ごめんなさい……」グスッ

忍「ごめんなさい……ごめんなさい……!」ポロポロ



アリス「シノ……いいんだよ」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 23:58:36.37 ID:ygEIcEiB0
忍「アリス……?」

アリス「私もね、気づいたことあるんだよ」

アリス「シノがね、私の大好きなカレンや綾や陽子を苦しめたり、殺すたびにね」

アリス「私もシノに殺されたいって強く思ったの」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/26(月) 00:03:03.94 ID:rpAt31om0
忍「ころ、されたい……?」

アリス「そうだよ。私、シノに殺されたい」

忍「本当に…? 私に気を遣わなくてもいいのですよ…?」

アリス「本当に本当だよ。シノに、私を殺して欲しい」

アリス「私が大好きなシノに、私のことを大好きになってくれたシノに、私を殺して欲しい」

アリス「だから、お願い」

アリス「私を殺して?」ニコッ

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/26(月) 00:05:46.95 ID:rpAt31om0
忍「……アリス……ありがとう……」ズイッ

アリス「あっ……待って」

忍「、」

アリス「最後に……強く、抱きしめて欲しいな」

忍「そんなの、お安い御用です……」ダキッ

アリス「……あったかいよ、シノ……」ギュー

忍「……アリスも、とってもあったかいです」ギュー

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/26(月) 00:08:37.05 ID:rpAt31om0
五分後

アリス「ごめんね、もういいよ…」パッ

忍「…どんな、殺し方がいいですか?」

アリス「首を、絞めて欲しい。最後まで、シノを感じて死にたい……」

忍「……わかりました……では……」スッ

アリス「うん……」

忍「…アリスっっ!!」ギュッ

アリス「っ……!」

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/26(月) 00:11:46.60 ID:rpAt31om0
忍「大好きですアリス…っ! 大好きです!」ギュウウウ

アリス「っ……わた、しも……! ふっ……!」

忍「アリス、アリス、アリス……」ギュウウウウウ

アリス「し……っ……のっ……!! ぁぁっ……!!」

忍「……っ!」ギュウウウウ

アリス「……あ……」

忍「…アリス…!!!」ギュッ

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/26(月) 00:13:05.24 ID:rpAt31om0
忍「…」





アリス「」プラン





忍「…」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/26(月) 00:14:19.07 ID:rpAt31om0
忍「…」




ドスッ





忍「……っは……」バタン

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/26(月) 00:15:35.56 ID:rpAt31om0
忍「…」




「ありがとう」





忍「」