1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 23:22:34.91 ID:iEQDdKrd0
烈「豪か、良く来たな。 今丁度ソニックが仕上がったところなんだ。 見ていってくれないか?」

豪「兄貴、いつまでこんな事やってるんだよ。 皆もう就職して、TRFビクトリーズも解散したんだ」

烈「今度のソニックは凄いぞ、今までのとは段違いなんだよ」

豪「兄貴、いい加減にしろよ」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 23:29:11.74 ID:iEQDdKrd0
豪「俺も就職して会社員としてやってる。 皆だってそれぞれ仕事があるんだ」

豪「でも、兄貴は何だよ? いつまでもこうやって夢追いかけて……情けないと思わないのかよ」

烈「……豪」

豪「俺も係長だからさ、一緒に何か出来ればと思って、会社の資料を持ってきたんだ」

烈「会社か……豪も立派になったんだな。 それに比べて俺はまだ……」

豪「兄貴……一緒に凄いのをを作らないか」

籐吉「烈君、居るでゲスか?」 ガチャ


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 23:33:41.33 ID:iEQDdKrd0
籐吉「おっ、これはかなり出来ているでゲスね」

豪「籐吉、お前からも兄貴に言ってやってくれよ。 夢なんか見てないで、俺と現実を生きようって」

籐吉「まぁまぁ豪君。 個々は野暮なことを言うのは無しでゲス」

豪「……」

烈「丁度いいや、今日は実践でやってみよう。 ほら、豪も外に行こう」

籐吉「合点承知でゲス」


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 23:39:33.59 ID:iEQDdKrd0
烈「ほら、豪もローラーブレード履いて」

豪「ああ」カチャカチャ

籐吉「じゃあこっちはスピンバイパーで行くでゲス」ガラガラ

豪(ガレージから籐吉のバイクが……あれは籐吉のところの最新の250CCバイク、スピンバイパーか」

烈「籐吉、そっちの整備もついでにやったけど、感想を聞かせてくれないか?」

籐吉「期待しているでゲスよ」

豪「……兄貴、準備は出来たのか?」

烈「当たり前だろ、レディー……GO!」

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 23:43:55.96 ID:iEQDdKrd0
豪「うわっ……マシンも凄いが、兄貴の加速なんなんだよ!」ガッガッガッ シャーッ シャーッ

籐吉「さて、行くでゲスか」ドゥルルン……ロロロロロ

烈「凄いぞ! 最高の出来だ! ソニック!」

豪「クッソ、おいつかねえ! なんていう速度なんだよ」

籐吉(ソニック、良い感じでゲスね)


157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 23:51:09.46 ID:iEQDdKrd0
烈「凄いぞ、ソニック。 お前は地上を飛ぶマシンだ!」
ドゥロロロン

籐吉「良い仕上がりでゲスね。 今回のデータはちゃんと取れ……てるでゲスね」 ドッ ドッ ドゥルン

豪「ハァッ、ハアッ……運動不足が堪えるな……ハァハァ」

烈「豪、お前もブランクあるけどなかなかじゃないか!」

豪「……うれしくねえよ、1分以上遅れてる」

豪(……これは、スピードスケートにでも生かせないのか?)


188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 23:58:16.10 ID:iEQDdKrd0
籐吉「データは貰ったから、そろそろ帰るでゲスね」

烈「ああ、またな。 あと……チイコにもよろしく言っといてくれな」

籐吉「もちろんでゲス。 じゃあまた週末に会うでゲス」 ドロロロロン……

烈「またな」

豪「籐吉のところのスーパーカー、スピンオロチか……格好いいな」

烈「豪、汗かいたな。 シャワー浴びてけよ」

豪「ああ」


208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 00:04:50.06 ID:48YE2EOm0
豪「ということで、スピードスケートの大会に参加して貰おうと思ってさ」

烈「まぁ……たまにはこうやって付き合うのも悪くないな」

豪「ああ、うまくいくと良いんだけどな」

烈「だけど豪、こんな代表を決めるような大会になんで僕が?」

豪「ははは、籐吉にちょっとな」

烈「なるほどな、ははは」

------
ザワザワ……ザワ… ザワ……

豪「……兄貴の記録、日本新記録抜いて……るんだよな?」


223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 00:10:55.05 ID:48YE2EOm0
烈「なんだかんだで決勝に来たけど、どうもしっくりと来ない」

烈(……そうか、ソニックが)

豪「兄貴ぃ、ほんとすげえ! このまま勝っちまえ! それでうちの会社とCMしようぜ!」

烈「? あまり興味ないけど……」


------間もなく、決勝戦が始まります。

烈(ああ、なんだか懐かしいな。 WGPを思い出す……)

3,2,1,ピーン

烈「いっけええええソニックウウ!!」ギャアアアアア シュイイイイインン

豪「」

239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 00:19:23.66 ID:48YE2EOm0
豪「結局、世界記録を1秒塗り替えで、ミニ四駆を持ち込んだことにより失格……」

烈「豪、悪かったよ、あまり怒らないでくれ」

豪「兄貴、続ける気はないのか?」

烈「まさか、ははは。 ソニックの氷上テストが出来ただけで満足さ! 興味ないしな」

豪「……」

豪(兄貴を更生させるには……どうすればいいのか)

チイコ「烈様ーーぁぁん!」 ガチャッ


260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 00:27:26.60 ID:48YE2EOm0
チイコ「烈様、お兄様が先日のデータが良かったって。 チームの勝利に貢献できたって」

烈「そっか、良かったな。 SUPER GTで優勝なんて……凄いな」

豪「それにしてもチイコちゃん、美人になったなー」

チイコ「烈様、それで……今日のご予定は?」

豪(兄貴しか見てねえ……)

烈「今日はその……豪が居るから」

豪「……俺はいいから、デートして来いよ」

チイコ「豪様……お心遣い感謝します」

豪(資金の出所が謎だったが……そういうことだったのか)


300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 00:40:35.62 ID:48YE2EOm0
「続いてのニュースです。 本日、空港にセリエAのスター、カルロ選手が来日しました。
 今回はバカンスに来たのでしょうか。 空港はファンで混雑しており…………     」
 

豪「兄貴! カルロが来たんだってよ! すげえなー! 今やあいつはファンタジスタ! 負けてられないな!」

烈「ああ、楽しみだな」

カルロ「セイバレツ、いるか」ガラッ

豪「」


321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 00:52:19.64 ID:48YE2EOm0
豪「うわっ、スゲーカルロだ! 懐かしいな! 何しに来たんだ!?」

カルロ「勝負だ」

烈「ああ、準備は完璧だ」ニヤッ

豪(……すげえ……カルロのミニ四駆、兄貴のに喰らいつけてる……俺も)ゴクリ

カルロ「うふふふふ」

烈「あはははは」

豪(俺も……俺のマグナムも)ハッ

豪「ダメだダメだ、今の俺にはジュンがいる……守っていくんだ」

烈「おーい!豪! なに難しい顔してるんだよ! 一緒にミニ四駆やろうぜ」

豪「ハハハハッ!兄貴、今の俺にはマグナムは……」

333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 00:57:57.43 ID:48YE2EOm0
烈「……黙ってたんだけど、豪のマグナムはもう調整してあるんだ」

豪「実家にあった……兄貴、俺も……いや、いいんだ」

烈「豪…… やっぱりお前自身で手を加えるほうがいいんだよな」

豪「ははっ、ちげえよ! 俺は……」

烈「そうだよな、次はカルロに付き合ってサッカーでもするか!」

340 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 01:04:59.45 ID:48YE2EOm0
カルロ「アディオ!ダンツァ・トレ!」

烈「何をっ! ソニックゥゥ!」

豪「……俺は」

カルロ「やるな」

豪「俺もいくぜええええ! マグナムッ! トルネエエエエド!」

烈「……」ニコッ


346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 01:09:01.19 ID:48YE2EOm0
豪「カルロ……帰っちまったな」

烈「あいつはさ……サッカーで悩むとミニ四駆やりたくなるんだってさ」

豪「しっかし、兄貴。 セリエAについていけるとかどういう鍛え方してるんだよ」

烈「? カルロはミニ四駆の練習のためにサッカーやってるんだけど」

豪「」

368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 01:16:31.57 ID:48YE2EOm0
烈「今日はリョウ君のところに行こうと思うんだ」

豪「で、なんで兄貴はローラーブレード履いてるんだよ」

烈「豪もだよ、ほら」ガシャッ

豪「正気か?300kmあるんだぞ」ゾクゾク

烈「藤吉のところのマシン、リョウ君のところで作ってるのは知ってるな?」

豪「ああ」

烈「苦労して作ってるんだからこっちも苦労するべきだろ?」

豪「兄貴……その理屈はおかしい」


384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 01:25:45.87 ID:48YE2EOm0
リョウ「烈、豪。 よく来たな。 タオルを使ってくれ」

烈「ありがとう、リョウくん。 調子はどう?」

リョウ「ああ、かなりいい出来だ」

豪「これがカーボンナノチューブモノコックのスピンオロチボディか……すげえな」

リョウ「そっちじゃない、こっちの部屋だ」

烈「ワクワクする」

豪「もしかして……ワクワクするぜ!」

385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 01:30:47.29 ID:48YE2EOm0
リョウ「昨日焼きあがったんだ、見てくれ」

烈「凄いや、リョウくん」

豪「ああっ……これは、リョウ君、まさかこれは俺のマグナムのボディなのか?」

リョウ「ああ、鉄心先生の力を借りない、俺の自信作だ」

豪「すげえ……」

烈「なあ豪。 また、勝負しないか?」



396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 01:44:59.10 ID:48YE2EOm0
烈「……豪、やっぱりお前は速いよ」ハァハァ

豪「何言ってるんだ、勝ったのは兄貴じゃないか」ハァハァ

烈「いや、ブランクをあっという間に埋めるんだもんな、凄いよ。 なあ、僕と一緒に……」

豪「いや……俺は俺の家庭を、ジュンを守っていこうと思うんだ」

烈「ああ、そうだよな」

豪「でもさ、兄貴。 また、時々こうやって俺と勝負してくれよ」

烈「ああ、またやろうか」