1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 20:59:36.58 ID:uoDvslmv0
※サーバント×サービスのSSです


千早(もっと一宮さんに大切にされたい)

千早(いいえ、今現状でとても大切にして貰ってるのはわかりますが…)

千早(もっともっと一宮さんに気にかけてほしい)

千早(何かいい案は無いものか…)


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:04:20.01 ID:uoDvslmv0
田中(孫)「長谷部!なんで俺と目を合わさない!」

長谷部「あー仕事仕事ー」

田中(孫)「長谷部!なんでそのぬいぐるみばかりを見て、俺を見てくれない!」

長谷部「仕事忙しいなー」

田中(孫)「俺はこんなにお前を見ているというのに!」

長谷部「やっぱりトイレートイレー」

田中(孫)「くぅぅ!あのぬいぐるみさえいなかれば!」


千早(ふむ…課長に…男に嫉妬とは、さすがBL。本気で帰ってほしい)

千早(…)

千早(…嫉妬………………ヤキモチ?)

千早(一宮さんがヤキモチを妬く姿を見てみたい)

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:09:35.41 ID:uoDvslmv0
千早(ネットで調べた所、彼氏がヤキモチを妬いてしまう話題という物が…)

千早(本当はこの話題をするなって意味だろうけど、せっかくだから試してみよう)


一宮「あれ?千早さん?」

長谷部「千早ちゃんがこの休憩室で昼飯って珍しいね~」

千早「実は男性であるお二人に相談があって」

長谷部「何でも聞いてよー」

千早「最近よくナンパされるのですが、何かこう傷つけないような断り方はないでしょうか?」


長谷部「うーん、普通に『ごめんなさい』でいいんじゃないかな?」

千早「そうですか…」

千早「…」ジー

一宮「え?なに?」

千早「いいえ」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:15:59.47 ID:uoDvslmv0
長谷部「そういえば、俺達もよくナンパされるんだよね」

千早「は?」

長谷部「昨日もせんぱいと飲みに行った時に」

一宮「お、おい!長谷部!」

長谷部「というか俺より先輩狙いみたいだった……………」

千早「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

長谷部「というような夢をみたんだ。あははははは。バイバイー」

一宮「おい!長谷部どこに行くんだ!?」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:21:18.76 ID:uoDvslmv0
千早「…」

一宮「えーと、千早さ……恵?」

千早「何ですか?別に怒っていませんが何でしょう?」

一宮「いや、今度から迷惑じゃなかったら毎日一緒に帰ろうか」

千早「え?」

一宮「ほら俺なんかでもナンパ避けくらいにはなるだろうし」

千早「…」

一宮「恵?」

千早「はぁ~。仕方ありませんね。一宮さんがそこまでどうしてもと言うなら…」

一宮(よかった。嬉しそうにしてる。迷惑じゃないみたいだ)

千早「それはそれとして、一宮さんがナンパされた件に関しては、後で詳しく聞きますので」

一宮(不機嫌になってる…長谷部、恨むぞ)

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:27:30.85 ID:uoDvslmv0
■数日後

千早「というわけで、ヤキモチ大作戦いい感じです。お陰で毎日一緒に帰ってますし」

三好「それはヤキモチというより、職場の先輩として面倒見が良いだけなのでは?」

千早「うっ」

三好「…はっ!す、すみません。心にもない事を!」

千早「い、いえ、なんとなく気付いてました。ええ、ちょっと夢を見ていたかっただけで」


三好「そうですよね!一宮さんが自分から誘うなんて夢ですよね!」

千早「うっ」

三好「すみません今のは間違いです。そう間違い!夢じゃなくて現実!一宮さんがヤキモチを妬いてくれないのも現実です!」

千早「ぐはっ!」

三好「きゃーごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:33:36.35 ID:uoDvslmv0
千早「…今のは大変傷つきました」

三好「何かお詫びを…何でもするから言ってください」

千早「ん?今何でもするって言いましたね」

三好「え?ええ、言いましたけど…」

千早「では、ミニスカートを穿いてください」

三好「はきません!」


千早「私、大変傷つきました…死にたい」

三好「それとこれとは話が別です!」

千早「三好さんは『何でもする』って言ったのに…大人は嘘付きです」

三好「うぅ………もうっ!わかりました!少しだけですからね!」

千早「わーい」

三好「そんな子供の様な純粋な目をしないでください!」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:39:31.49 ID:uoDvslmv0
■千早アパート

千早「」パシャパシャ

三好「千早さん!写真はやめてください!」

千早「わかりました。もう一杯撮りましたし満足です」

三好(千早さんの満足げな顔、はじめてみたかも…)


千早「どうですか?何か感想とかあります?」

三好「いえ、別に…私普段からスカートを穿いてますので」

千早「そうですか。ではさっそく公園にでも行ってみましょう」

三好「え!?外はちょっと」

千早「あれ?でも、スカートは別に問題ないと言いましたよね?」

三好「で、でも…ミニで外は恥ずかしくて…」

千早「大丈夫です!恥ずかしそうな三好さん最高です!」

三好(どうしよう。意味がわからない)

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:45:40.11 ID:uoDvslmv0
 
………


三好(千早さんもミニを穿くからという謎条件にのって、公園まで来てしまった…)

三好(…)

三好(恥ずかしくて死にそう)

千早「あれ?一宮さんじゃないですか?」

一宮「めぐっ…千早さんと三好さん?」

三好「こ、こんにちは」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:52:05.22 ID:uoDvslmv0
千早「一宮さん…休日なのに暇そうですね?」

一宮「あはは。本当に暇で何もやる事がなくて」チラッ

千早「そうなんですか。実は私も誰かさんから誘いがなくて、とっても暇なんですよ」

一宮「そ、そうなんだ」チラッ

千早「ええ」


千早「…」


千早「…三好さん。一宮さんに用があるので先に帰ってください。これは家の鍵です」

三好「わ、わかりました」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 21:57:53.73 ID:uoDvslmv0
 


一宮「え、えーと、恵。ごめん!全然ダメな彼氏で!」

千早「それに関してはどうでもいいです。慣れました」

一宮「ご、ごめんな」

千早「そんな事より」

一宮「ん?」


千早「三好さんの足を何回見れば気がすむんですか?」

一宮「えっ」

千早「さっきから目線が泳いでは、三好さんの生足ばかり見ていたじゃないですか」

一宮「ち、違うんだ!ただ三好さんがミニスカって珍しいな~って!」

千早「私もミニだったのに?」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:04:07.09 ID:uoDvslmv0
一宮「違う!恵にはミニスカよりいつものようなスカートの方が似合うな~って」

千早「…」

一宮「め、恵?」

千早「そうですか。私にミニは似合いませんか?」

一宮「え?あっ、そうじゃなくて、俺はいつもの感じの方が好きってだけで」

一宮「別に恵にミニスカが似合わないってわけじゃなくて」


パチーン


千早「今回はそれで許します。次からは他の女性ばかりを見ないように」

一宮「す、すみません」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:10:03.20 ID:uoDvslmv0
千早「あと、暇な時は声をかけてください」

一宮「ごめんなさい」

千早「メールも毎日くれると嬉しいです」

一宮「すみません」

千早「では、また…」

一宮「ああ、うん」

一宮「…」

一宮(俺はホント…ダメな男だ)

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:15:46.95 ID:uoDvslmv0
 
………



ガチャッ


千早「ただいまです」

三好「お帰りなさい」

千早「あれ?着替えたんですか?」

三好「ええ、まあ」

千早「そうですね。やっぱり自分が良いと思う物を着るのが一番ですね」

三好「そ、そうですね」

三好(千早さんが上機嫌…何か良い事あったのかな)


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:22:13.43 ID:uoDvslmv0
 
………



千早(ハッ!)

千早(気付いたら私がヤキモチばかり妬いている…)

千早(もっと有効な手段は無いものか…)



千早(…)

一宮『俺と趣味どっちが大切なんだ!?』

千早(ぐらい言って欲しい…)

千早(いえ、本当に言って貰う事態になったら大変困るけど)



千早(う~ん…)

一宮『恵…趣味もいいけど、たまには俺と…』

千早(…ぐらいのヤキモチがいいな)

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:28:24.06 ID:uoDvslmv0
■1ヶ月後

千早「…」

千早(一宮さんが話しかけてこない)

千早(イベントの準備(嘘)で1ヶ月間メールや、電話をしないでって言ったのは私だけど…)

千早(しかし、本当に仕事以外で話しかけてこないとは…)

千早(いや、一宮さんは優しいから、約束を守ってるだけで…)

千早(わかってはいる、わかってはいるけど)



千早(『恵…趣味もいいけど、たまには俺と…』って言ってほしかったなぁ)




千早(…はぁ~)

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:34:45.15 ID:uoDvslmv0
 
スタスタスタ


千早(1ヶ月前は…少しの間だったけど、一宮さんと一緒に帰れたのは嬉しかった)

千早(…)

千早(ヤキモチ作戦とか変な事しなければよかったな…)

「千早!」

千早(はぁ…)




塔子「千早!!!」

千早「」ビクッ

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:40:29.06 ID:uoDvslmv0
塔子「もう!聞こえてるの!?」

千早「塔子さん…」

塔子「何よ疲れた顔して」

千早「…ええ、色々あって…」

塔子「まあいいわ。ほら行くわよ」

千早「え?行くってどこに?」

塔子「私の家よ!」

千早「え?」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:46:38.76 ID:uoDvslmv0
 
………

一宮「…」ニコニコ

千早(強引に家に連れてこられて…ご馳走が並べてある)

千早「えーと、今日は何かの記念日ですか?」

一宮「え?あっ、あのな」

塔子「コスプレの大会か何かの準備が終わったんでしょ?それの記念よ!」

千早「え?」

一宮「ほら、1ヶ月って話だったから、ちょうど今日かな?って」

千早「え?そういえば、ちょうど1ヶ月…」


塔子「いつもは言わなくても遊びに来るくせに、全然来ないから心配してたんだからね!」

千早「そうだったんですか…」

一宮「塔子が本当に心配してさ、大変だったんだぞ?」

塔子「何よ!お兄ち…兄貴だって職場で千早が元気ないって心配してたくせに!」

一宮「そ、それは先輩としてだな」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:53:39.88 ID:uoDvslmv0
千早「ぷっふふふふふふふ、ははははははは」

一宮「めぐ…千早さん?」

塔子「ど、どうしよう。千早が壊れちゃった」


千早「まったく、塔子さんには急に拉致されて…」

千早「一宮さんは職場で会うんですから、前もって連絡ぐらいできるはずなのに…」



千早「本当に強引な兄妹ですね」ニコッ


一宮「あ、ちょっと強引になってごめんな」

塔子「そ、そうね。私も前もって連絡入れれば良かったわ。ごめんね」


千早「ふふっ。でも、嫌いじゃないです」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 22:59:14.46 ID:uoDvslmv0
塔子「まっ、まあ当然よね!千早は家族みたいなものだしね!」

塔子「ねっ?兄貴もそう思うでしょ?」

一宮「え?…ああ、うん、まあ」


千早「…」

千早「そのうち家族『みたい』じゃなくて、本当の家族になるかもしれませんしね」ボソッ

一宮「なっ!?」


塔子「何やってるの?それより早くご飯食べましょう。冷えちゃう」

一宮「え?あ、ああ」

千早「ふふっ」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:03:08.54 ID:uoDvslmv0
 
………

スタスタスタ

千早「送ってくれてありがとうございます」

一宮「もう夜も遅いし、このくらいはね」


千早「私、一つだけ謝りたい事があります」

一宮「ん?」

千早「わ、わたし…その…」

一宮「うん?」

千早「その…………あの………………」

一宮(千早が震えてる?最近冷えてきたし、寒いのかな?)


千早「本当はここ1ヶ月間コスプレの準備で忙しかった何て嘘でした!」

一宮「…え?」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:09:00.93 ID:uoDvslmv0
千早「本当は一宮さんにもっと構ってほしくて、もっと気にしてほしくて!」

千早「本当は本当は『恵…趣味もいいけど、たまには俺と…』とか言ってほしくて!」

千早「だから、ごめんなさい!」

千早「私、わたし、わたし!!」

千早「一宮さんと塔子さんに、こんなに気にかけて貰えているのに…私!」


一宮「え、えーと…その…」


ギュウウ


一宮「恵!?」

千早「ごめんなさいごめんなさい」

一宮(恵が抱きしめてきて…俺の胸で…たぶん泣いてる…)

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:14:00.91 ID:uoDvslmv0
千早「ごめんなさい…」


一宮「あ、えーと、その…うん、ごめん」

千早「…」

一宮「えーと」

千早「何で、一宮さんが謝るんですか?」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:18:19.96 ID:uoDvslmv0
一宮「その…俺さ、一生懸命な恵はすっごく魅力的に感じるんだ」

一宮「俺、特に趣味とかないし、一つの事に情熱を注げる恵は素晴らしいと思う」

一宮「だから、ごめん」


一宮「俺には『趣味もいいけど、たまには俺と…』とか言う事ができない」

一宮「だって、趣味が好きな恵。今嘘をついて泣いている恵。全部ひっくるめた恵が好きなんだ」


千早「…一宮さん」

一宮「たぶん」




千早「え?」

一宮「え?」


千早「最後の『たぶん』ってどういう事ですか?」

一宮「え?あっ、ごめん!急に不安になって」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:23:44.33 ID:uoDvslmv0
千早「はぁ~。彼氏がカッコいい事言ってくれて、嬉しかったのに」

一宮「え、あの…えーと、ごめん!」


千早「いいですよ。もう」


千早「私もそういう所も全部ひっくるめた一宮さんが好きですから」ニコッ


一宮「…」

千早「何をボーっとしてるんですか?ほら早く帰りますよ」

一宮「…」

千早「塔子さんが心配しますよ?」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:27:59.37 ID:uoDvslmv0
一宮「いや、今日は恵の可愛い笑顔が何回も見れた、珍しい日だな~って」

千早「は!?」


千早「『可愛い笑顔』…いつもの私は可愛くないとでも?」ゴゴゴゴ

一宮「ちっちがう!そういう意味じゃなくて!」

千早「私だって、いつでも笑顔でいたいんです。そもそも一宮さんが頼りないから」

一宮「ごめんなさい」


千早「さっきは全部好きって言いましたが、前言撤回します」

千早「やっぱり一宮さんのそういう所が嫌いです」

一宮「そんな…いや、俺のせいだけど…」

千早「嘘です。好きです」

一宮「えっ」

千早「一瞬、照れましたね。可愛いですよ。一宮さん」

一宮「うっ…」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:32:19.66 ID:uoDvslmv0
千早「さて、そろそろ帰りましょう。本格的に塔子さんが心配します」

一宮「そ、そうだな」




千早「あっ、そうだ」

一宮「ん?忘れ物?」

千早「いえ、忘れものではなく…その…心配してくれてありがとうございました」

千早「気にしてくれてるのが分かって、本当に嬉しかったですよ。一宮さん」


一宮「どういたしまして。でも、今度から心配させないでね」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/02(月) 23:36:39.61 ID:uoDvslmv0
千早「ふふっ。それはどうしましょう。一宮さんが心配してくれるなら病みつきになるかもです」

一宮「ちょ、ちょっと恵!?」

千早「冗談です。ほら早く帰りましょう」

一宮「え?あ、ああ。うん」






千早(本当にありがとう。一宮さん)







       終わり