1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 09:42:48.66 ID:kCzRXDlm0
高木「ちみぃ、美希くんのAランク入りおめでとう
 
   いくら才があると言っても、デビュー9ヶ月でAランク入りは、前代未聞だよ」

P「ありがとうございます」

高木「そこでだね、きみには他のアイドルをプロデュースしてほしいんだ

   いまのまま美希くんに専念するよりは、最低あと3人くらいは、トップアイドルがほしいからね」

P「しかし社長、そよれよりも美希をSランクに……」

高木「」1000万

P「やりましょう。>>5が素晴らしい逸材だと思うのですが」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 09:45:51.89 ID:7EVILgsx0


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 09:49:08.25 ID:kCzRXDlm0
高木「俺くん? なんの才もない屑溜まりじゃないか」

P「ジョーク、It'sジョークアベニューです」

高木「懐かしいね、本当のところは?」




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 09:56:32.50 ID:kCzRXDlm0
P「あずささんです。最高でしょう?」

高木「顔よし、声よし、スタイルよし。あとはと……」

???「あらあら」

P「!? き、奇遇ですね、あずささん」

あずさ「はい、Pさん。楽しそうなお話が聞こえていたものですから」

P「でも今はレッスンのはずですよね? 社会人として、時間だけは守ってくださいね(ニッコリ」

あずさ「あらあら私ったら~ではまたPさん、……社長(ボソッ」テクテク



高木「あの目はいけない。あれはアイドルの目ではないよ」

P「ご安心を。このPに秘策があるのでございます。>>13という秘策が」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:05:07.87 ID:kCzRXDlm0
P「ご安心を。このPに秘策があるのでございます。指輪をちらつかせるという秘策が」

高木「ふふふ、君もなかなかのワルだね。期待しているよ」

P「はっ」

~~~~~~~~~~~~

美希「はにーはにー」

P「どうしたんだい、美希?」

美希「どーしてハニーは外れたの~。わたしの担当はずれたの~」

P「社長命令だから仕方ない~」

美希「よ~し美希がこらしめる~」

P「ごめんな美希。ハグしてやるから許してくれないか?」抱きっ

美希「!!? 許しちゃう~」

P(あと5秒……2、1、今)

ガチャリ

亜美「竜宮小町~ただいま参上~」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:08:33.93 ID:kCzRXDlm0
あずさ・伊織「ただいま~ あっ」

発見される。Pの逢引き。許されざる行為。所属アイドルとのメイク・ラブ。

亜美「ガーン」

伊織「な、なにやってんのよ!あんた!」

あずさ「あっあらあら~」

P「おうお帰りみんな。美希が頑張って結果だしたもんだからさ~頑張ったで賞あげてたんだ」

亜美「え~ずるいよ→ 亜美も欲しい~頑張ったで賞」

P「おっいいぞ~」抱きっ

亜美「ファッ!?」

P「こんなもんでいいんだったら、いくらでもやるぞ~頑張ったな~亜美」

美希「あっずるいの。美希も美希も」

P「そっちの二人は、いいのか?」(営業スマイル)

伊織・あずさ「」ドッキーンッ!


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:14:50.00 ID:kCzRXDlm0
伊織「ば、ばっかじゃないの。いらないわよ、いらない」

P「そうか~残念だな。あずささんは、どうします?」

あずさ「えっ えっ そ、それじゃお言葉に甘えちゃったりして」抱きっ

P「ッ」

抱擁。迫る肉感。男冥利が光る。――至高、僥倖。

P「あ^~やっぱりあずささんは最高だ~」抱きっ

密着。隙間のない、邪魔は服だけ体だけ。融け合うような距離。恋人たちの隙間。

亜美・美希「ずるい!」

P「伊織がいらないって言った分を~埋めてるんだ~」

あずさ「幸せです、ほんとに」

P「こんなものでいいんですか? もっと頑張ったらもっとご褒美ありますよ~」

あずさ「!?」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:19:31.97 ID:kCzRXDlm0
亜美・美希「た、例えば!?」

P「指輪? な~んて」

亜美・美希・あずさ「イヨッッッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

まるで男娼。女心をもてあそぶ屑。人の形をした、屑。

P「」ニヤリッ

圧倒的な屑。しかし、圧倒的な敏腕。傀儡子、アイドルという人形を動かす職人芸。

P「そうそう。明日からあずささんは僕が担当しますからね(ニッコリ」

あずさ(チャンスだわ、チャンスだわ、チャンスだわ)

亜美・美希・伊織(!? 手に入れるしかない、Pの指導権。手に入れるしかない、指輪。

            そのためには、アイドルアルティメット優勝。すれば、まちがいなく届く、勝利。

            指輪、結婚、指輪、結婚! 勝つ、アイドルアルティメット!)




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:30:45.07 ID:kCzRXDlm0
P「それではあずささん、明日からのスケジュールですが……」

あずさ「Pさん、いえプロデューサー。わたし、特訓が、したいです」

P「特訓、ですか? あずささんのネームバリューなら、そのままオーディションでも十分じゃ」

あずさ「いえ、今の私は竜宮の一人としての三浦あずさです。評価のAも、竜宮小町としてのA。

    私は、昇りたいんです。アイドルの頂に、頂点へ

    なので特訓を、お願いできないでしょうか」

P「わかりました、あずささん。基礎を大事にすることは重要ですかね

 特訓と言ってくれてほっとしました。目指しましょう、Aランク」

あずさ「いえ」チラッ

美希「!」

見た。美希を見た。Aランクの稼ぎ頭を、一瞥して言った。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:32:20.19 ID:kCzRXDlm0
あずさ「Sランクです。私が目指すのは、頂点。王の座」

宣言。いくら竜宮小町の一員といえど、ピンとしてはB-の彼女が王座を狙うと宣言した。

宣戦布告。765を飛び抜け日本をぬけて、世界を牛耳る覚悟。

眼の奥に燃える、指輪と婚期。

あずさ「やりましょう、今から。特訓開始です」

亜美・美希・伊織(これは、私達も負けられない)

P「」ニヤリ

その日から、熾烈な日々が始まった。



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:38:48.43 ID:kCzRXDlm0
竜宮小町の底上げにもなると、もう一人のPである律子の許可も出た。

あずさ「ハイッ ハイッ」

P「遅いですよ。タイミングがずれている」

課題のダンスレッスン。これまでなぁなぁにしてきた事があずさを苦しめる。

P「それじゃだめだ。いくらビジュアルが良くたって、亜美にも、ましてや美希にも遠く及ばない」

ダンスの特訓は、あずささん特有のボディを引き締めすぎて、ビジュアルに悪影響を及ぼす恐れもあった。

しかし、止まるわけにはいかない。

どんくさいというキャラ付けならまだしも、今のあずささんはけして運動が得意というレベルではないのだ。

あずさ「はぁはぁ」

疲労がたまっている、そんなことは分かっていた。しかし年のことを考えれば、あまり時間はない。

P「無理、無理。とても王など」

ヴォーカルも徹底的に、ビジュアルも欠かさない。なにより、あずさは本気だった。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:43:59.54 ID:kCzRXDlm0
厳しい声が飛ぶ中、考えることがあった。

Pの言葉が厳しくなっても、練習がきつくなっても、Pにけして憎悪は沸かないのだ。

それよりも、むしろ……。

P「??○△じゃない! ?? ○△! 返事ぃ!」

あずさ(なんのために王になるの。王になるのは何が目的なの)

あずさ(手に入れてみせる、あなたを! 指輪を!)

その瞬間、あずさの中で風が吹いた。

感覚。湧き上がる感覚、疲労が吹き飛ぶ爽快感。

あずさ(欲しい、Pさんが。 何をしたって、あなたが欲しい)

あずさ、覚醒――

そして、2ヶ月が過ぎた。

アルティメット、本戦。


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 10:51:43.23 ID:kCzRXDlm0
アルティメット本戦には、765からは亜美・美希・伊織・響・貴音・あずさが残った。

いずれも基礎をマスターし、人気上昇中のメンバーだ。人気、体力、メンタル、実力、どれも日本上位レベル。

快挙、本戦に残るアイドルを1事務所が40%以上占めるなど、異例中の異例。

Pへの引き抜きが果敢に行われたが、全ては却下されていた。

その中でもやはり、美希と響・貴音は格が違っていた。

現在の優勝候補でいえば、間違いなくこの三人。

しかし亜美と貴音はなにかしら、嫌な空気を感じていた。



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:05:48.20 ID:kCzRXDlm0
貴音(シード権を得たのは、私と響、そして美希の三人。しかしどうでしょう、このトーナメント、風が違うような気がしてならないのです)

亜美(いおりんは、上位に食い込んで21人中7位の評価。決勝はともかくとして、ほぼトップ10入りは間違いない。

   あずささんは12位。ほんとに中間をいっている、でもなんだか、なんだか違和感。

   あんだけ頑張ってたのに、もう燃え尽きちゃったのかな?)

律子「あっ お~い亜美。 どう?緊張してる」

亜美「もちろんだよ→ 去年出た時より、なんだか人もいっぱいいるしさ」

律子「そりゃそうよ。世界をにぎわす人間が今年はいっぱいなんだから

    伊織のとこもスポンサーについて、中継なんか2倍よ、2倍」

亜美「に、二倍!?」

律子「そうよ~ラジオ、テレビ、ネット、ライブ中継とんでもない数になってるんだから

   今年から世界配信もしてるからね」

目は、日本だけではない。世界のPが、人が、業界人が注目するアルティメット。

1億2千万人の目が60億の目へと、移る。

中継陣の数を見ながら、あずさは屋上で微笑んでいた。

あずさ「あらあら、私のためにこんなに集まってくれたんですね」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:18:50.40 ID:kCzRXDlm0
本戦の方式は、自主選択制。歌、ダンス、ビジュアルの中から、自分の得意な分野で相手と点数を競うというものだった。

あずさは、一回戦ビジュアルで対決をし、見事に勝利を飾った。

三浦あずさというアイドルの売りは何かといえば、もちろんビジュアルだろう。

勝つべくして勝つ。一回戦の終わりで、半数が落ちていった。

そして準決勝、我那覇響との対決がはじまった。

我那覇響 選択 ダンス

響「ふふーん、やるぞー。ねねね、あずさは何にしたんだ?やっぱりビジュアルか?」

あずさ「ふふふ、あーれ」

指さした先に、表示があった。

三浦あずさ 選択 ダンス

他数名からも、響からも意外という声が漏れた。

響「あ、あずさ? これ勝ったら決勝だぞ? そ、それにビジュアル審査を連続しても悪いってわけじゃ……」

あずさ「いいのよ、響ちゃん。わたし、勝つから」

瞳孔が開いたあずさを見たのは、響が初めてだった。

その瞬間、我那覇響は負けを確信していた。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:30:15.37 ID:kCzRXDlm0
美希「ふふ~ん、デコちゃん、おしかったの~」

伊織「きー 来年こそ、負けないからね!」

美希「へへへ~」

星井美希は、余裕で決勝への切符を手に入れていた。2位と33ポイント差、圧巻の演技で突き放していた。

決勝に進むのは、それぞれ3つのグループから2名ずつ、計6名。

高みの見物で、他のグループを待っていた。予想どおり、貴音は上がってきていた。亜美もいる。

貴音と亜美で1,2フィニッシュだったようだった。

そして最終組は、響とあずさが上がってきていた。

5ポイント差で、あずさが一位。

美希(うんうん、やっぱりビジュアルならあずささん強いの)

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:31:30.28 ID:kCzRXDlm0
美希「あっ響~」

響「!? お、お~美希。おめでとさー」

美希「響もおめでとーなのー。でもでもやっぱり、あずささんの美しさには敵わなかったのかな~~なんて」

響「あっあ、そうだな

  じ、じぶんちょっと調整あるから、いくぞ~」

美希「? へんな響」

あんな響は見たことがなかった。自信がなくて、猫背で、まるでEランクみたいな響。

美希(もしかして体調わるくなったのかな~かわいそうなの)

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:39:49.29 ID:kCzRXDlm0
決勝は、ダンス、歌、ヴィジュアルの総合計点で争われることになっていた。

そういう意味では、美希と貴音、ついで響の順に有利なはずだった。

P(亜美には悪いが、ダンス特化に近い亜美はこれまでの選択式では有利だったが決勝となると話は別だ)

P(美希は歌AダンスA+ビジュアルA+、貴音は歌A+ダンスAビジュアルS、響は歌AダンスSビジュアルA-

 亜美は歌BダンスA+ビジュアルB+といったところだな

 さて、お姫様は……勝ったな)

あずさは今、衣装を変えにいっている。

装飾も服装も自由だが、多くの選手は、決勝までこれたツキのある格好のままでいる。

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:42:20.89 ID:kCzRXDlm0
P(そうだ、それでいい。あとは順番だな)

係員「本番の順番きめまーす、各グループ一位通過でポイントが高い人から~」

美希「は~い美希は1番なの~」

貴音「わたくしは3番で」

P「三浦あずさのPです、三浦あずさは6番で」

まもなく、決勝が始まった。


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:50:39.46 ID:kCzRXDlm0
4番目の子の演技が終わった。

決勝なので特典開示は最後にまとめて行うが、今のところ感触としては美希・貴音の1位2位争いといったところだった。

亜美「じゃ~いってくるね兄ちゃん」

元気よく亜美がステージへと上がる。あの様子を見るに、亜美も健闘しそうだった。

P(響は、まぁしようがない。あずささんに当たれば、勢いが削がれるのも

 なにより、今は担当アイドルのことだ)

P「準備、できたかい」

あずさ「はい、完璧です」

完璧などという言葉をあずさが使うとは思っていなかったのだろう。

美希も、なにより貴音もぎょっとしてこちらを向いた。

向いて、気づいた。

三浦あずさというアイドルが、いつの間にか変わっていることに。

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 11:53:58.25 ID:kCzRXDlm0
この時点でもう決着はついていたのかもしれない。

舞台の袖で、もう。

係員「三浦さん本番でーす」

あずさ「はーい。では、いってまいります」

にっこりと大輪の花を咲かせた三浦あずさは、60億の目のある舞台に出た。

暗転した舞台にスポットライトがさした瞬間、そこには三浦あずさがいた。

純白のウェディングドレス、美しい顔、なにより一輪の花が、力強くそして美しく咲いていた。

あずさ「歌います。隣に……」

勝負は、するときには結果は決まっているという。

三浦あずさは、この決勝に全てを合わせてきた。目立たぬよう、そして、決勝でこそ目立つように。

結果は、もういいだろう。



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 12:03:38.71 ID:kCzRXDlm0
三浦あずさの人間として一番優れている点はどこだろうか。

けして、天才的な才能ではなく、直感や頭脳ではない。彼女の素晴らしさは、共有できること、教えることができることだろう。

生徒A「先生ー」 生徒B「先生、先生ー」

あずさ「あらあら、ここはね」

いま彼女は、大舞台から少し降りて、後身の育成に励んでいる。4名を2年でBランクに、2名をAのランクまで押し上げた名指導っぷりだ。

あずさ「やっぱりあなたには敵わないわね、どうしても時間がかかっちゃう」

P「とんでもない、やっぱりプロデューサーの男から教わるのと、アイドルの叩き上げから教わるのじゃワケが違うよ

  みんな、あずさを目当てで来てるんだからさ」

あずさ「あらあらうれしい、そうそう、このまえPさん、チョコもらったんですって?」

P「!? ぎ、義理だよ 義理」

あずさ「案外、わたし目的じゃないかもしれないですね」

彼女がすこし冷めた目で笑っている時は、今日は絞りますからねの合図だ。結局、指輪も買わされてしまった。

あずさ「いつまでも、離しませんよ?」

三浦あずさ 歌S+ダンスA+ビジュアルS

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 12:09:33.89 ID:kCzRXDlm0
あずささん終わりです