1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/09(月) 23:08:53.54 ID:RecGA0MT0
男「……え?」
美少女「私じゃ、駄目……ですか?」
男(正直ガッツポーズして大声をあげて叫びたいほど嬉しい…嬉しい……が)
「え?今の聞いた?美少女ちゃんって男の事が……」
「趣味悪いよね…さすがに男は……」
「…うわ、男の奴……マジかよ……」
「…アイツだったらまだ○○のがマシだろ…」
男(教室で告白するのだけは、やめてもらえないだろうか。)
男(やっぱ可愛い子ってどこか抜けてるんだなぁ……この子の場合は特別…。)
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/09(月) 23:18:38.29 ID:RecGA0MT0
男「………。」
美少女「その、返事は……」
男(え?今ここで?今ここで言うの?えー…?)
男「う、うん。じゃあ付き合お」
チッ ハァ…… アー チッ ハァ…… チッ
男「……っ」
男(男性陣よ、あらぶるでない。いや、気持ちは分かるよ。気持ちは…。)
男(でも言いにくくなるからマジやめろ、マジ)
美少女「…男くん?」
男「え、…あ、うん?」
美少女「へ、返事は?」
男「え、えーと…」
男(そうだ!クラスの前では振ったことにしといて、後で屋上にでもよんでOKしよう!)
男(そうしよう!)
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/09(月) 23:31:57.58 ID:RecGA0MT0
男「ご、ごめん。俺…美少女ちゃんとは……。」
美少女「え……?」
男「そ、その……ごめん……。」
美少女「…は、はい……わ、分かりました……。」
男「その、後で」
女「アンタ、ふざけないでよ!!」
男(……え!?)
女「アンタッ!美少女がどんな思いで告白したと思ってんのよ!!」
美少女「や、やめて…」
女2「美少女は優しすぎるんだよ、こんな奴…もうほっとこ、ね?」
男(おいおいおい、話が違うぞ、おい)
「うわー、アイツ、断りやがった…サイテー…」
「男の癖になんなんだよ、アイツ…自信過剰すぎ、キモッ…」
男(おいおいおい!おまえさん達どうした!さっきの舌打ちはどうした…!)
ウワー ナイワー ウワー サイテー ウワー ウワー
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/09(月) 23:40:16.69 ID:RecGA0MT0
それから俺は、クラス中、いや、学校中から目の敵にされた。
計画していた逆告白作戦も、結局実行できなかった。
「男ー、アンタ何してんのー」
男「……」
「最近学校行ってないんでしょー?」
男「……」
「何があったのー?お母ちゃんに言ってみなさい」
男「……」
「もうっ、いっつもこんな調子じゃ大学、行けないわよ!本当にこの子はもうっ……」
男「うるっせえよ!ババア!!」
「やっと喋ったと思ったらなに!!その口の聞き方は!!」
男「うるせえ!!ババア!!」
「ほんっとうにこの子は……!!」
俺、ニート歴5日目、千里の道も、一歩から
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/09(月) 23:45:32.43 ID:RecGA0MT0
母の襲撃から2日後、ついに奴が動き出した。
「男、出てきなさい。」
男(親父か……。はぁ……。)
「お前、もう一週間も録に外に出ていないんだろ?」
男「……。」
「たまには、外の空気、吸ったらどうだ」
男「……。」
「……お前にも悩みがあるんだろう。」
男「……。」
「母さんには、迷惑かけるんじゃないぞ」
男「……。」
ああ、神よ。俺は、俺は、どうすりゃいいんだ。
2歩目
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/09(月) 23:52:36.41 ID:RecGA0MT0
「アンタ、幼馴染ちゃんが来てくたよ」
幼馴染とは、俺の幼馴染の事である。
幼稚園、小学校、中学校と一緒だったが、高校で別々に。
幼馴染はこのへんの私立のお嬢様学校に入学した。
今でも月2で顔を合わせるくらいには仲が良い。
どうやら俺の異変に気付いて、わざわざ訪ねてきたらしい。
「男、何か学校であった?」
男「……
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:11:37.94 ID:M0RQxSdB0
男「……。」
「おばさん、心配してるよ?」
男「そんなの、しらねえよ……。」
「もう何日、外にでてないの?」
男「…二週間ぐらい……。」
「ねえ、部屋、入っていい?」
男「……。」
「久しぶりに、話しよ?ね?」
少し部屋を片付け、俺は鍵を開けた。
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:17:12.07 ID:M0RQxSdB0
幼馴染「それで、今回はどうしたの?」
男「……。」
中学の時も一度、俺は軽い引きこもりになった事がある。
正直、その時立ち直れたのは、幼馴染のお陰と言っても過言ではない。
男「今回はさ…その……。」
幼馴染「うん。」
男「告白、されてさ……。」
幼馴染「え、男が!?」
男「…おう。」
幼馴染「ど、どんな子に告白されたの!?」
男「…学校1の美少女……。」
幼馴染「えぇぇぇ!?」
やめろ、そんなに驚くでない。やめろ。
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:23:39.49 ID:M0RQxSdB0
幼馴染「…な、何で男が告白されたの!?その子に!!」
男「…え?…いや…分かんないけど……」
幼馴染「それで、男は何て答えたの!?」
男「…正直、めちゃくちゃ嬉しかった。嬉しかった。」
男「…けど、クラスの男共がすげえ舌打ちとかするのよ…んで、一旦断った振りして付き合おうと思ったのよ」
幼馴染「…ふむふむ。」
男「それで断った振りして、その子を放課後、別に場所に呼ぼうと思ったらさ」
男「取り巻きみたいな女子共にめちゃくちゃキレられてさ」
男「男共もなんかすげえ「うわ…コイツ何なの……」ってムードでさ。」
男「結局、学校ですげえ居辛くなって……付き合おうと言う事も無く……今に至る。」
幼馴染「……。」
幼馴染「転校したら?」
男「ええ!?」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:29:22.42 ID:M0RQxSdB0
幼馴染「ほら、この近くに偏差値55ぐらいの公立高校あったじゃん。彼処に転校しなよ。」
男「えー…?たかがこれぐらいでかー……?」
幼馴染「でも、今のままじゃ男、行きづらいんでしょ?」
幼馴染「安心してよ。男が転校した後、私も
「学校、行く事にする。」
幼馴染「……は?」
男「いや、やっぱ……告白のまともな返事もできないまま転校とかできないし……」
幼馴染「いや、しときなさい。絶対後悔しないから、大丈夫だから。」
男「…せめて、せめて……告白の返事をしてからにするわ……。」
幼馴染「…え?」
男「いや、やっぱりここは男として」
幼馴染「いや、無理しなくていいよ。普通に放置しちゃっても大丈夫だって!全然セーフだって!」
男「いや、意味が分からない。」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:36:39.04 ID:M0RQxSdB0
男「……。」
「アイツ、きやがったよ……。」
「あんな事しといて、よく来れるよな……。」
男(クソ…!!言うだけ言いやがれ!!)
男「あ、あのさ……。」
美少女「…う、うん?」
女「ちょっとアンタ、今更よく美少女の前に顔出せたわよね!」
女2「ホント!ホント!!美少女の気持ちを踏みにじった癖に…!」
女「美少女、コイツの話なんか聞かなくt」
男「うるっせええよッッ!!黙ってろよッッ!!」
女「……ッ」
男「放課後、校舎裏で待ってるから…。」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:42:17.29 ID:M0RQxSdB0
美少女「お、お待たせ…男くん……」
美少女「そ、その……みんな、ああいう事言ってるけど、私は…」
男「好きだッッ!!!」
美少女「…え?」
男「好きですッッ!!付き合ってくださいッッ!!!」
美少女「で、でも…この前は……」
男「あれ、嘘だから!!」
美少女「え…?」
男「いや、その…流石にみんなの前じゃ…言い難かった…というか…」
男「本当はあの後、告白するつもりだった…。」
美少女「…そ、そういえば……」
男「だから、本当は大好きでした。」
男「駄目かもしれないけど…付き合ってください!!」
美少女「……。」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:46:52.66 ID:M0RQxSdB0
幼馴染「…え?」
男「という事で、彼女ができた。お前のお陰だ、ありがとう。幼馴染。」
幼馴染「……えぇっと……?」
男「この前デートの時に一緒に撮った写真があるんだけど、見る…?」
幼馴染「転校は……?」
男「いや、する訳ないだろ。」
幼馴染「……。」
幼馴染「…ば、ばかっ…。」
男「……え?」
幼馴染「…もう二度と、相談にのってあげないんだからっ…!!」
男「……え?……え?……」
幼馴染「もう、帰る!!」
男「ちょ、ちょちょちょちょ、ちょっと待て!!」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:53:46.76 ID:M0RQxSdB0
この世は天秤だ。
母「あんた、幼馴染ちゃん泣いてたけどなんかしたの?」
父「女子を泣かす様な男に育てた覚えはないぞ、男!!」
何かを勝ち取ったなら、必ず何かを奪われなければならない。
男「おい!だから、待てよ!!なんでそんなに怒ってるんだよ…!」
幼馴染「…お、怒ってなんかないわよ…!!」
男「言いたい事があるなら言えよ!俺だって、自分の初恋の話を言ったんだから!!」
幼馴染「……。」
幼馴染「あ…アンタが、ス――」
それでもそんな世の中で、俺は生きている。
男「え…えーと……その……」
そしてこれから先、どんな事があっても俺は生きていくだろう。
美少女「昨日、男くんが女の子と話をしているのを聞いたんだけど……」
どんな事があっても。
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/10(火) 00:55:52.65 ID:M0RQxSdB0
終わり
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