【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 前編
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 中編
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 後編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 前編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 中編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 後編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 前編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 中編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 後編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】 完結
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 前編
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 中編
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 後編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 二章
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 三章 前編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 三章 後編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 四章 前編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 四章 後編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】五章 前編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】5章 後編
「……ごめんな、みんなをこんな危険なことにまた巻き込んでしまって」
「そ、そんな……最終的には私たちの方から志願した話ですし、謝っていただくようなことでは……!」
「みんなも事件の当事者……無傷ではないんだ。まだ治療も終わって間もないタイミング、体も疲れているだろうに……」
「疲れ……てなくはないけどさ? それよりも、みんなを助けられるかもしれないことの嬉しさの方が勝っちゃってる感じだし、全然ヘーキ!」
「……あの学園生活で、私は無力感を何度も感じさせられました。守るべきだったもの、守れたかもしれないもの……それが零れ落ちるたびに、何度も」
「××ちゃん……」
「でも、だからこそ……今この状況では、不思議と活力に満ちているんです。掌の中で何か熱いものが燃え滾っている……ここから逃げるわけにはいかないんです」
「ありがとうな、みんな……そう言ってもらえると心強いよ」
「それより×××の方こそ大丈夫なん? うちらの事件からずっと出突っぱっしょ?」
「いや、大丈夫だ。何もしないで休んでいる方が今はストレスだからな……ははっ」
「や、それ笑えないんですケドー……」
「あ、そろそろ見えてきたかも〜! ほら、あれじゃない〜?」
「本当だ! あの島が目的地なんですよね?」
「そろそろ準備をしないとな。同行してくれてる鎮圧部隊にも声をかけてくるよ」
「……いよいよですね」
「うぅ……やっぱなんかキンチョーするかも」
「島に賊軍はいるんでしたっけー?」
「……分からないです。みなさんがどんな状態でいるのかも、まだ」
「でも、やるしかないよ……! みんなを助け出さなくちゃ……!」
「……みんな、無茶だけはしないでくれよ」
「いや、無茶しますし……ここで無茶しないで、どこで無茶するっていうんですかぁ?」
「安全圏に引きこもってなんかいられませんよ! 私たちだって一緒に戦います!」
「……そうだよな、みんなだって戦いたいよな。勝手なことを言って悪かった」
「そうですよー、×××はいつもみたいに戦いは私たちに任せて、後はふんぞり返って司令官やってくれればいいと思いますー」
「そ、そんなふうに思ってたのか……?!」
「ふふー、冗談ですー」
「ねえ、もう着くよ〜?」
「あ……! すまん、急がなくちゃな」
「ふふ……戦いの直前だというのにしまりませんね」
「ま、それがうちららしいんじゃん?」
「かもねー、肩の力ほぐしていきましょー」
「みんな……絶対、一緒に帰ろうな」
「ここにいる人も……みんなも、ですね!」
「勿論です……絶対に、取り返してみせますよ」
「私たちの日常を……!」
……朝だ。
空に登る陽の光が心地よく、目を開けると同時に胸に風が吹き抜けるような爽やかさ。
人々は夢と希望をその胸に抱きながら、1日の行動を開始する。
「はぁ、よく寝た……」
私もゆっくりと体を起こし、うんと伸びを一つ。
それだけの動作なのに、腕や脚には鈍い痛みが走る。
でも、今の私からすればこの痛みには愛おしさや心地よさを感じる部分もある。
外の世界では久しく忘れていた、自分を締め上げるようなこの感覚。
私の存在を何よりも声高に証明してくれるそれは、地に足をつける感覚というにふさわしい。
その痛みに体をさすりながら、鏡の前へ。メイクもなし、寝起きの髪はボサボサ。
こんな姿ファンには見せられないよな、と手入れを開始。
「眠た……」
この島にはファンなんざ一人もいないのは事実なのだが、う私だって20歳という世間では花の盛りの年齢。
それに、大前提として私はアイドルであり、カミサマなのだ。
こんなところで失望を与えるようなことがあってはならない……なんて、そんなプロ意識も、この島に来てからあいつに教わったことだ。
「最後は、赤のリップで」
私はどちらかというと夜型。
仕事のないオフの日は時計の針が12時を示す直前まで眠りこけていることもザラではあるけれど、
この島に来てからの規則的な生活にもいつしか慣れてしまっていた。
というのも、その影響は彼女によるところが大きいだろう。
……いや、彼女“たち”か。
ピンポーン
「……ったく、相変わらず早すぎだろ」
鬱陶しそうな口ぶりで、はにかみながら。
足取りに迷いはなく、一直線に進んで扉を開けた。
「おはよう、ルカ」
「もう、ルカさん相変わらず寝坊助ですよねー! 早くしないと自主練先にやっちゃいますよー?」
「……ハッ、悪い悪い。練習、行こうぜ。美琴、にちか」
美琴「とりあえず、休憩しよう。二人とも、少し座ろうか」
にちか「はい!!」
美琴を挟むようにして、私とにちかは横に座り込んだ。
美琴「二人とも、良くなってる。初めの頃はバラバラだったけど、すっかり息もあって。振り付けのタイミングだってバッチリだよ」
ルカ「まあな、にちかのやつ鈍臭いから合わせるのには苦労したよ」
にちか「いやいや……変な癖のついたルカさん矯正するのにどんだけかかったと思ってるんですか」
ルカ「あ? 調子乗んなよオマエ」
美琴「にちかちゃんは2回目のツイストの角度がまだ甘いかな。ルカが上手だから、教えてもらって」
ルカ「ほらな、私もそう思ってたんだよ!」
にちか「むぅ……」
美琴「ルカは手に力を込めすぎなところがあるから、随所随所で脱力を心がけて。その方がシルエットも綺麗に見えるから」
にちか「ぷっ、ダンス初心者みたいなアドバイスもらってませんか?」
ルカ「あ? ざっけんなオマエ、蓬餅みたいな頭しやがって!」
美琴を挟んでいがみ合うこの構図にももう慣れたものだ。
美琴もすっかり日常の光景といった感じで、今更言及も調停もしない。涼しい顔して、次の練習のことを考えている。
ルカ「大体オマエはダンス以外もそうなんだよ、飯の時も好物先に食ってガキみてえな食い方してんじゃねーよ!」
にちか「それを言ったらルカさんなんかいつも人殺しそうな目して、他の皆さん怯えてますよー!?」
ルカ「それは取り方次第だろうが! オマエの悪意が滲み出すぎだ!」
にちか「あーもう、バカバカバーカ!」
ルカ「このガキ! ガキガキガキ!」
にちか「バーカバーカあほまぬけーーーーー!!」
ルカ「このチンチクリン! 雑魚! 雑魚雑魚雑魚!」
美琴「……出し切った?」
にちか「……はい」
お互いが叫び尽くして息切れ。
それで一旦はこの喧嘩も幕引きとなる。
もう何回これを繰り返してきただろう、にちかも私も、この形に慣れすぎてもはやそこに敵意なんかない。
ただの馴れ合いとかした喧嘩ごっこに、実りはない。
美琴「それじゃあ、朝ごはんにしよう。みんな待ってるよ」
ルカ「……だな」
散々不満を吐き尽くして空いた胃袋に栄養素を流し込む。
ここまでのワンセットを、私たちは『自主練』と呼んだ。
何に対する練習なのか、いつに向けての練習なのか。
それはまだ、私たちには分からない。
それは今から作り出すもの、そして私たちの手で生み出すものだから。
にちか「ほーらルカさん! ボヤボヤしてると置いて行っちゃいますからね!」
ルカ「……チッ、うるせーな!」
冬優子「ほら、さっさと座んなさい。こいつも文句ばっか言ってやかましくて敵わないのよ」
あさひ「みんな早く席に着くっすよー! もうお腹ぺこぺこなんっすもんー」
ルカ「ハッ……相変わらずガキのお守りで大変そうだな」
冬優子「他人事だと思って……」
愛依「アハハ、あさひちゃんモースグ朝ごはん食べれるから! 」
やっときたとばかりの冬優子のうんざりとした顔。
こいつのこんな顔にも見慣れたもんだ。
私の元にこんな煩わしい存在がいなくて本当に助かったと思う。
灯織「朝ご飯、お持ちしました! すみません、お手数ですが各テーブルごとに取りにきていただけますか?」
席に着くとすぐに、ホクロ女が料理の支度を終えた報告。
いつものようにテーブルに呼びかけ、私たちがそれに応じる。
にちか「あ、私行ってきますね! ルカさんはセルフでお願いしますー」
ルカ「元々一人じゃ持ってける量じゃねーだろうが。はなから行く気だ、こっちは」
にちか「風野さん、お願いします!」
灯織「はい、ではにちかさんと美琴さんの分……それとこちらが斑鳩さんと千雪さんの分です」
ルカ「……おう」
にちか「あはは、やっぱり美琴さんの担当は私ですよねー!」
灯織「あ、割り振りに他意は特になく……」
ルカ「わかってる、いちいち言うな。このチンチクリンが調子に乗るだろうが」
にちかと私で朝食を運び、再び席に着く。
美琴は簡潔に手で礼をし、千雪は年甲斐もなく「わぁ…」と声を漏らす。
千雪「ルカちゃん、ありがとう。今日も美味しそうなご飯ね」
ルカ「私は運んだだけだ、礼ならあのホクロ女に言いな」
にちか「風野さんの料理、確かにすごく上手ですよねー! 283でも一番じゃないですか?」
美琴「……どうだろう、アンティーカの彼女がいるでしょう?」
にちか「あー……」
ルカ「月岡恋鐘、か」
千雪「恋鐘ちゃん、本来なら私たちと一緒に来る予定だったのに……直前で熱を出しちゃうなんて残念よね」
にちか「一番はしゃいでたぐらいなのに、本当運命って残酷ですよねー。おかげさまでルカさんはお溢れにあやかれたわけですけど!」
ルカ「別に私だって来る気なんかなかったよ」
美琴「そうなの?」
ルカ「……まあ、な」
今ここにい■メンバーは283プロの中か■選■■た、■■■宿に■■■ている連中■。
私は別に28■プロの人■■■ない、今回の■■に応じ■のは事務■の■■、私の■■なん■そこに■■もない。
たまた■月岡恋鐘が病■となっ■ことで■■席が回ってきたの■。
ウサミ「ミナサン、今日もらーぶらーぶで何よりでちゅ!」
果穂「あっ! ウサミだ! おはようございますーーーー!!」
ウサミ「はいっ! 小宮さん朝からいいご挨拶でちゅ! あちしも朝から元気がもらえてルンルンでちゅよ」
夏葉「それでウサミ、今日はどうすればいいのかしら? この合宿の方針を示してちょうだい」
ウサミ「はい! 今日ミナサンにやってもらうのは、これでちゅ! 『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!』でちゅ!」
結華「ひらがなに織り交ぜて何やら物騒な文字列が並んでますけど!?」
透「パスワードってなんの? スマホ?」
あさひ「冬優子ちゃんのスマホのパスワードは××××っす」
冬優子「あさひちゃ〜ん、後でふゆとお話ししよっか〜」
ウサミ「ミナサンがこの島を探索しているときに発見したこのノートパソコン! 今日はこのアンロックに挑戦してもらいまちゅ!」
ルカ「パソコンのアンロックだぁ……? んなもん、片っ端から入力すりゃあ……」
摩美々「それこそ何時間かかるんですかぁ……」
ウサミ「大丈夫でちゅ! ちゃんとヒントがありまちゅからね、このシートに書かれたヒント通りの場所に行けばパスワードを手に入れるための手がかりが手に入りまちゅ!」
果穂「わぁ! それってつまり、ウォークラリーってことですか!?」
夏葉「なるほど、それなら確かに運動もできるし仲間との協力もできる。まさに合宿にうってつけね!」
あさひ「楽しそう! ウサミ、早くシートを見せてよ!」
ウサミ「はい! こちらがそのシートでちゅ! 一番最初にパスワードを解除したチームにはご褒美もありまちゅからね! 頑張って探してみてくだちゃい!」
愛依「ゴホービ……なになに、何がもらえんの?!」
ウサミ「それはクリアしてみてのお楽しみでちゅ! えへへ、みんなきっと喜んでくれまちゅよ!」
こいつの言うことなんだし、大したもんではないだろう。
至って冷静に冷めた目線を送る私とは対照的に湧き上がる連中。
つくづく私とこいつらの空気感は合わない。
ウサミ「ひぃふぅみぃ……ここには全員で15人いまちゅから、3人ずつで5チーム作れまちゅね!」
美琴「にちかちゃん、ルカ。いいかな」
にちか「もちろんです! 美琴さん、一緒にがんばりましょう!」
ルカ「おう、美琴。さっさと終わらせるぞ」
レクリエーションなんてのに興味はない。
無理やりに入れ込まれたこの合宿から早く撤収するためには、とやかく言わずクリアしたほうが早い。
ただそれだけの理由。
ルカ「おら、マップがあんならさっさと出しな」
ウサミ「はいっ! 斑鳩さん、ノリノリでちゅね〜!ぷー、くすくす! なんだか可愛いところ見ちゃったな〜!」
ルカ「……」
ウサミ「うぅ……冗談でちゅよ、今にも耳を引っこ抜きそうな目はやめてくだちゃい……」
ウサミの手からピンクに塗れた胃もたれしそうな地図を引ったくる。
なるほど、いくつかのヒントが書かれていて、この謎を解いて場所を導き出せばいいらしい。
『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!
◎ミナサンで力を合わせてパスワードを解読でちゅ!◎
第一のヒント
正義を穿つ闇の眠るところ
第二のヒント
慈愛の女神が辿り着いた果て
第三のヒント
落ちて、堕ちて、墜ちる
第四のヒント
箱入り娘が空を行く
第六のヒント
収穫祭
☆それぞれのヒントは特定の場所を示していまちゅ!』
にちか「なんですかこれ? さっぱり意味わかんないんですけど……」
ルカ「このヒントが示している場所を巡れば、パソコンのパスワードがわかんのか……美琴、どうだ? 何か分かりそうか?」
美琴「うーん……どうだろう、ウサミちゃんのことだから私たちの仲が深まるような、私たちに関連するヒントだとは思うけれど」
ルカ「あいにく心当たりはまるでないな……しょうがねえ、行き当たりばったりでどうにかするか」
他の連中も地図を眺めながら首を捻ったり、弱い声を漏らしたり。
まだ回答にすぐさまたどり着けそうな人間はいなさそうだ。
別にご褒美とやらにつられたわけではないが、さっさと課題はこなしてしまいたい。
早いところ回答を導き出して、パスワードとやらを手に入れてやるか。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆ウォークラリーについて
今チャプターでは、これまでの捜査時間に当たる形でウォークラリーを行っていただきます。
与えられたヒントの指し示す場所を推理していただき、そこに眠るキーワードを5つ集めることが目的です。
……まあ、正直その場所は考えるまでもないとは思いますが。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
ルカ「まずは第一のヒントの場所からだな……」
【第一のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
突発なので上記安価だけ出して終わっておきます。
少し最近仕事が立て込んでいるので、確実なことは言えないのですが
今のところ11/9(火)の21:00~はいけそうなのでこのぐらいに再開の予定にさせておいてください。
ダメそうだったらまた連絡します……
『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!
◎ミナサンで力を合わせてパスワードを解読でちゅ!◎
第一のヒント
正義を穿つ闇の眠るところ
第二のヒント
慈愛の女神が辿り着いた果て
第三のヒント
落ちて、堕ちて、墜ちる
第四のヒント
箱入り娘が空を行く
第六のヒント
収穫祭
☆それぞれのヒントは特定の場所を示していまちゅ!』
【第一のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
【正解】
-------------------------------------------------
【ホテル 旧館】
にちか「ちょっとルカさん? なんでこんなぼろっちい建物なんです? これのどこに正義の要素があるっていうんですかー……」
ルカ「うるさい、見当もつかないからには片っ端から調べていくしかねえだろ。誰も足を踏み入れそうにないこういうところにこそヒントがあるかもしれない」
美琴「……結構、埃っぽいね」
にちか「わ、わ~~~! 美琴さんはいいです、こんなところ! 美琴さんの清潔な肺が汚れちゃいますよ!」
美琴「ありがとう、にちかちゃん。でも、みんなで協力して謎は解かないと」
美琴とにちかを連れてどんどん奥へ。旧館にはまともに電気も通っていないらしく、壁伝いにようやっとで進んでいく。
一歩一歩、脚を踏み下ろすたびに床板がギイギイと軋む。
でも、どちらかというとその都度にちかのやつが文句をぶうぶうと垂らす方が耳障りだ。
ルカ「……ここ、大広間みたいだな」
しばらくすると両開きのデカい扉に行き当たった。
特に鍵などはかかっていないが、長いこと動かされていない扉には埃も溜まり、金具もその形で固定されてしまっていた。
にちか「ねえ、本気でこんなところにヒントがあると思ってますー? 無駄足、マジで勘弁してほしいんですけど……ねえ、美琴さん」
美琴「今回のウォークラリー、まるで見当もつかないから。試せることは試してみないとダメじゃないかな」
にちか「ルカさん、早く扉開けてください」
ルカ「……」
重い扉を何故か一人で開けさせられ、それだけで不機嫌が五割増し。
ゆっくりと扉が開いて、大広間が私たちの前に姿を現していく。
長い間誰も受け入れていなかったであろう空間は少しの隙間からかびたような匂いを鼻へと届けた。
誰も足を踏み入れていない場所、この大広間に出入りするには今私が押し開けた扉以外には通用口も何もない。
だから、この匂いこそが本来なら不正解であることの証明になるわけだが。
この島では、私たちの常識は通らない。
時が止まったような空間、埃の被った机やテーブルクロス。
その中で不自然なほどに綺麗な状態で、【それ】はあった。
にちか「あ、もしかしてあれじゃないですか!? パスワードのヒントって!」
美琴「うん、みたいだね」
ルカ「ハッ、見たかよ……やっぱり私の勘は当たるんだ」
さて、どこから調べようか……?
1.風野灯織
2.胸に突き刺さった鉄串
↓1
にちか「あ、なんですかね。この紙きれ」
にちかのやつが一枚の紙片を見つけた。
私と美琴は慌てて駆け寄り、にちかが目の前でその紙片を広げていく。
にちか「あー……またウサミの魔法か……」
するといつものように、物理法則を完全無視した動きで紙片はその姿を変えていくではないか。
どんどんとにちかの手の中で大きくなっていったそれは、やがてプラスチック製の表紙を伴った冊子状の見た目へと変貌を遂げた。
美琴「これは……何かのファイル?」
にちか「希望ヶ峰学園歌姫計画……って書いてますね。これって確か、島に来た最初にウサミが言ってたやつじゃないですか?」
ルカ「あー……なんか言ってたかもな」
≪ウサミ「そうなんでちゅ! ビッグさぷらーいず! ミナサンは希望ヶ峰学園が主催する、【希望ヶ峰学園歌姫計画】の参加者に選ばれたんでちゅ!」
美琴「これもさっき話してたと思うんだけど……」
にちか「す、すみません……完全に聞いてませんでした」
ウサミ「ミナサンもよく知る通り、希望ヶ峰学園は世界中から超一流の才能を持つ高校生を集めて才能の研究を行う研究学術機関なんでちゅ。歌姫計画はその延長線上にある、大規模プロジェクトなんでちゅよ!」
にちか「な、なんだかすごく大きな話になってきた……」
ウサミ「希望ヶ峰学園の才能研究のノウハウを生かして、ミナサンの持つ才能の種、それをアイドルとしての個性・才能まで育むことを目的とした計画なんでちゅ! 新時代のエンタメ産業をけん引するような超一流のアイドルになれるように、頑張りまちょうね!」
にちか「……!!」
(そ、そんな計画に……私が……?!)
美琴「この計画の舞台に選ばれたのがこの島ってことみたい」
ウサミ「はい! でも安心してくだちゃいね、人体実験とか人格移植だとかそんな物騒なことは行いまちぇん。ちゃんとミナサンが自分自身の力で未来を切り開けるような教育プログラムをご用意してまちゅから!」≫
にちか「特にあれ以降説明はなかったですけど、今の私たちが参加してるこのレクリエーションとかもその一部なんですよね?」
美琴「多分、そうだろうね。毎日みんなと何かしらのタスクをこなすように日程が組まれているから。この合宿自体がそうなんだと思うよ」
ルカ「ま、とりあえず読んでみるか」
『希望ヶ峰学園歌姫計画』
『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』
『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』
『計画には現役の283プロダクション所属のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』
ルカ「ふーん……私たちのやってるコレって、希望ヶ峰の生徒が協力してたのか」
にちか「その割には普通の合宿と大した違いは感じないですけどねー……」
美琴「私たちの元々持っているものを引き出して伸ばそうとするプログラム……プロデューサーがこの合宿に推薦してくれた理由、なんとなくわかるな」
ルカ「……まあ、私たちの今置かれている状況の説明としては納得のいく記述……か」
(でもなんだ……? この何か引っかかるような感覚は……?)
コトダマゲット!【希望ヶ峰学園歌姫計画】
〔希望ヶ峰学園のノウハウを活かして283プロダクションのアイドルの中から新時代の歌姫を育成するプログラム。コロシアイの参加者が元々持ちかけられた計画と名前は同じだが、その実態には明確に引っかかる点がある。〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
にちか「【283プロダクション連続殺人事件捜査資料】って書いてありますよ?」
ルカ「連続殺人……もしかして、前回のコロシアイってやつか?」
美琴「……多分、ここで死んでいる彼女の参加したコロシアイのことだね」
にちか「ルカさん、早く見せてくださいよ!」
ルカ「お、おう……」
促されるままにページをパラパラと捲る。
そこに書いてあったのはこれまでの生活で私たち自身が得てきた情報と同じ記述。
参加者、死亡者、そして首謀者。
私にとっても馴染み深い名前が名を連ね、凄惨な事件の全貌を綴る。
ルカ「……こっから先は見たことねーな」
にちか「事件の、その後……です?」
美琴「このコロシアイを生き抜いた彼女たちがどうなったのかが書いてあるみたいだね」
ルカ「……どうやら生存者5人はそのまま身柄をが当局預かりになって、保護観察処分となったみたいだな」
にちか「えーっと……それって、カウンセリングみたいなやつです?」
美琴「うん、平たく言えば検査入院みたいなものだよ」
にちか「なるほど! さすが、一発で分かりましたよ!」
『〇保護観察対象者:風野灯織
保護観察を開始してから二週間余りが経過。
フラッシュバックなど精神衛生に支障をきたす症状は期間中確認されず。
観察者との対話も特に問題なし。
事態認識も正常。事件で命を落とした友人らも正確に把握しており、記憶の自主改竄など自己防衛に走る様子もない。
日常生活の復帰に十分な回復を認めるものとし、保護観察を本日打ち切ると決定』
ルカ「……特にこの5人に異常はなかったらしいな。二週間余りで終わったみたいだ」
にちか「目の前で人が死んだってのに、たくましい人たちですねー」
美琴「ふふ……それを言ったら、今だって目の前に死体があるよ、にちかちゃん」
にちか「あはは、言われてみればー!」
ルカ「おいおい流石に不謹慎だっての……」
『〇283プロダクション連続殺人事件の捜査状況について
主犯格とみられる天井努の経営していた芸能プロダクション『283プロダクション』から社用PCならびに私用PCを押収。
情報捜査担当者に回し、解析結果が本日到着したため、報告に挙がっていた情報をここに記す。
・本連続殺人事件を『コロシアイ合宿生活』と題して外部に公開していた確定的な証拠は発見されなかった。
海外サーバーを経由していたものと思われ、その履歴も消去されてしまっているため復元はほぼ不可能。
保護観察対象者から得られた証言の裏付けとなる根拠には欠ける。
『チーム:ダンガンロンパ』と呼ばれる組織の特定を急ぐ』
ルカ「二週間も経ちゃあ捜査も結構進んでんだな」
にちか「はぁ……ていうかうちの社長がコロシアイの黒幕ってマジでなんなんですかー……あんなダンディぶっといて中身性悪とか、普通にショックなんですけどー……」
美琴「それを言ったら今回の黒幕は恋鐘ちゃんでしょ?」
にちか「あはは、確かにー! 私たち恋鐘さんのエゴでぶっ殺されたんでしたー!」
(……さっきも見たよな、このやりとり)
ルカ「それにしてもこの『チーム・ダンガンロンパ』っての、月岡恋鐘も言ってた組織名だよな?」
美琴「うん、彼女はこのコロシアイをその組織と共謀して起こしたって言ってた。彼女自身がそのメンバーだとも言ってたね」
にちか「なんか悪趣味なシンボルマークですよねー」
ルカ「このチーム・ダンガンロンパってのは一体なんなんだろうな」
にちか「全然聞いたことないですけどねー。なんでしたっけ、コロシアイを興行としてやってるんでしたっけ?」
美琴「もう少し調べてみないといけなそうだね」
『・芸能事業とは別の帳簿データを確認。
巨額が闇口座に注ぎ込まれている不正な流れがあり、当事務所の従業員・七草はづきに確認をしたところ、完全に知覚していないものだとの証言が取れる。
天井努が事務所の経営資金と別に蓄えていた金についても、その入手手段、流用先を調査するものとする。』
にちか「……ん?」
ルカ「どうした、鈴カステラ喉に詰まらせたみたいな顔しやがって」
にちか「無理やり子供扱いするのやめてもらえますー? いや、あの……なんかここ、すごい違和感あるんですけど」
美琴「……そうなの? 帳簿の管理は基本はづきさんにお任せしていたし、何もおかしなところはないように思うけど」
にちか「んー? なんだろなー、この違和感……」
ルカ「なんなんだよ、オマエがはっきりしないとこっちもなんか気持ち悪いだろうが」
にちか「……あ! このお姉ちゃん、泣きぼくろがある! お姉ちゃんにこんなほくろなんかありましたっけ?」
美琴「……言われてみると、そうかも」
にちか「うーん……あったような気もするけど……なかったような気も……いや、3:7でなかったな……」
(死ぬほどどうでもいいな……)
コトダマゲット!【にちかの証言】
〔捜査資料に写っていた実姉・七草はづきの泣きぼくろに違和感を覚えたらしい〕
『・外部との通信履歴に不審な送信先を確認。
連絡は数度に渡り、一定の頻度で行われている様子。
主要通信業大手に照会するも該当はなし。
位置情報を解析し、送信先の人物と事件との関連性について追求していくことが目下の捜査方針となる』
美琴「……これ、不審な送信先っていうのが恋鐘ちゃんのことなのかな」
ルカ「可能性として高いのはそうだろうな。あいつの口ぶりからして、前回のコロシアイの時から協力関係にあったんだ。ずっとやりとりをしてたんだろうさ」
にちか「じゃあこの時に特定できてたら、私たち死ななくてよかったんじゃないですか? あーあ、日本の警察ってダメダメだなー!」
ルカ「身も蓋もねえな……」
『・本件が発生してより行方不明となっている10名との関連も併せて調査する』
ルカ「行方不明の10名……ってこれ」
美琴「私たちのこと、だよね? 多分」
にちか「あー、肝心の行方不明者の名前が黒塗りになってるー! なんでこんなことするんですかー!」
ルカ「まあ、普通に考えればこのコロシアイに参加している人間。前回の生き残り5人と私を除いた10人、だろうな」
美琴「……前回のコロシアイ、その記憶が私たちにはない。この行方不明となっている時に私たちの身に何が起きていたのかも、誰も覚えていないんだよね」
(……失われた記憶の中で、何が起きて、何が起きなかったのか)
(そしてその結果、どうして私たちがここに来ることになったのか)
(……それを明らかにしないことには、前に進めないよな)
コトダマゲット!【行方不明の十人】
〔前回のコロシアイが起きた時から、10人の人間が行方不明となっていたらしい。今回のコロシアイの参加者のうち、前回の生き残りと透を除けば丁度10名〕
美琴「死体は一通り調べたけど……」
にちか「肝心のウォークラリーのヒントがないですね……」
ルカ「……そういえばそんなのやってたんだったな。死体が用意されてたあたり、間違っちゃいなかったと思うんだけどな」
死体から得られたのは私たちの置かれた状況に関する手がかりのみ。
でも、そんなことどうだっていい。
だって私たちは希望ヶ峰学園の意志を受け継ぐものであり人格を入れ込む器でしかない希望希望希望希望希望
希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希
にちか「やっぱり死体の腕とか脚とか引きちぎるしかないですってー!」
美琴「あまり気は進まないけど、そうするしかないのかもね」
ルカ「じゃあ私は頭をぶち抜くぞ」
それぞれが体の一部分を両手で持ち、今まさに力を入れようとしたその時。
手の中で冷たくなっている物言わぬ屍が、起きた。
にちか「わ、わわ?! な、何が起きてるんですー?!」
美琴「これもウサミちゃんの魔法……なのかな」
手に持っていた体の一部分は私たちの体をすり抜けたかと思うと、そのまま血だらけの体のまま私たちに正対。
そして口をモゴモゴと動かし始めた。
非\ォりり
【私はただ皆さんを守りたかっただけなのに理不尽心臓に空いた穴が痛い血が漏れ出て息もできない苦しい助けて辛い』
にちか「ありがとうございますー! パスワードの一文字めは『ナ』みたいですね!」
ルカ「チッ……正解の場所なら勿体ぶらずさっさと教えやがれってんだ」
美琴「他のチームはどうなんだろう、私たちが出遅れてないといいけど」
にちか「もうここでの用事は済んだことですし、早く戻りましょう! 負けてらんないです!」
ルカ「そうするか、二つめのヒントは『慈愛の女神の行き着く果て』……」
美琴「慈愛の女神……誰のことだろうね」
どうやら私の推理は間違っちゃいないらしい。
ウサミのやつ、きっかり私たちにゆかりの深い場所をキーワードの場所に設定してやがるな。
あいつにいいように動かされているのは癪だが、ここは大人しく従って駆けずり回るしかなさそうだ。
にちか「それじゃあさっさとしゅっぱーつ!」
ヒ唹”#咦
[置いていかないで守らせて私が今度こそ守って見せるから後悔したくない手放したくない≫
ルカ「おい! 何突っ走ってんだ!」
------------------------------------------------
『慈愛の女神の行き着く果て』
【第二のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
【正解】
------------------------------------------------
【第2の島 図書館】
普段自分からは足を踏み入れようとはしない場所。
この令和の時代、絵の情報だろうが活字の情報だろうがスマートフォンの中に押し込めて閉じ込められるのに、
わざわざ手間暇をかけてまで足を運ぶのは流石に手間だろう。
私が風趣を介さないつまらない若者、というわけでもない。
この時代よくいる若者が、私だ。
にちか「ルカさんって活字読めなさそ〜、読書感想文とかググってた性質ですよね?」
ルカ「なんで不正してたことが前提なんだよ、それぐらいは読んでたわ」
美琴「ルカ、本とか読むんだ」
ルカ「……」
なんとなく会話を続けたくなかったので率先して私が扉を開けた。
無駄に重厚な扉はギィという音と共に私たちを文字の世界へと誘う。
扉を開けた瞬間に、かびたような時間の止まった匂いが鼻口をくすぐった。
にちか「で、今更なんですけどどうして図書館が第二のヒントの場所なんです?」
ルカ「ああ、えっと……なんだっけな……」
ついさっきの思いつき、私には確かな心当たりがあってこの場所を選んだはず。
だというのに、私の頭にはポッカリと穴が空いていてそこから記憶が流れ出てしまったかのようで、まるでその時の記憶を掘り起こすことはできなかった。
にちか「……あっ! あれ!」
でも、記憶なんかもうどうでもいい。
大事なのは過程よりも結果。
私がどんな思いつきで図書館にたどり着いたなんかよりも、今目の前に千雪の死体が転がっていることが全てだ。
にちか「死体見―――――っけ!」
ルカ「よし……正解みたいだな。千雪のやつ、腹を弓矢でブッ刺されて死んでるぞ」
美琴「彼女、最後の力で引き抜いたのかな。矢が地面に転がってるみたいだけど」
ルカ「……」
(……あ? なんだ、この感覚……)
さっきも死体は目の前で見た。
これだって、なんてことないただの死体だ。
ただの、桑山千雪の死体だ。
それなのに、なぜ私は右手で自分の胸を抑えているのだろう。
何を吐き出そうというのか、何を堪えているのか。
その答えは図書館のどの本、どのページを開いても見つけることはできないだろう。
……やっぱり、活字なんて今更クソ喰らえだ。
美琴「……ルカ、どうしたの?」
ルカ「いや、なんでもない……」
私は自分の苦悶と衝動から目を背けた。
1.死体付近に落ちている矢
2.ボウガン
3.死体の抱える本
↓1
にちか「……『チーム・ダンガンロンパ』、これって月岡さんが言ってたやつじゃないですか?」
美琴「透ちゃんも知ってたみたいだったよね」
《恋鐘「そう! うちも社長も、チームダンガンロンパのメンバーやけんね!」
智代子「チーム……ダンガンロンパ?」
あさひ「ダンガン、ロンパ……」
透「……ちょっと待ってそれって」
恋鐘「まあ、そん辺りのややこしか話はうちが死んだ後の真相究明編でやればよかとやけん、割愛するばい」
智代子「え、ええっ?! そんな勝手な……?!」
恋鐘「チームダンガンロンパはあくまで裏方、メインはコロシアイに参加しとるみんなやけんね。そこに割くべき尺も文量もなかよ」》
《あさひ「それに、大事なことは隠したままっす。恋鐘ちゃんと天井社長のバックにいるチームダンガンロンパ。これが分からないんじゃ、何も解決してないっす」
透「その組織自体は、聞いたことある」
智代子「え、本当に……?!」
透「一応、ね。詳しいことは知らないけど、前回のコロシアイ……どころかこれまでにも何度もコロシアイを仕掛けてきたんだって」
あさひ「コロシアイって……今回と前回だけじゃないんっすか?」
透「……みたい。それを裏で取り仕切っているのがチームダンガンロンパ、とか」
智代子「そ、そんなの……聞いたこともないよ……」》
これまでの人生で一度も聞いたことがないような組織だった。
コロシアイなんてものすら人生で触れることはまずないのに、それを取り仕切っているだなんてSF小説にしてもくだらない。
もはや信じるとか信じないとか、そんな前提にすらないようなお話で、私は両手を手放してしまっていた。
それなのに、目の前の紙切れは実在だと声高に主張してくる。
『チーム・ダンガンロンパは刺激の足りない毎日を送る皆様にこれまでにない画期的なエンターテインメントを提供するソーシャルエグゼクティブなグループです!』
『我々は人と人が命をかけて生存を争う様子を【コロシアイ】と題してリアルタイムな配信を行なっています! 平穏に飼い潰されてしまった日常に、刺激的な時間をお届け!』
『コロシアイは正真正銘の本物! 本当に実際の人間が血を流し、苦しみ、命を落としています!』
ルカ「マジでこんな組織があるってのか……?」
コロシアイ、なんて文字列と共に並んでいるのはスタッフであろう人間のお手本のような笑顔。
キラキラとした表情に血生臭い文言ばかりが並んで、その取り合わせがなんとも言えない不快感を抱かせる。
にちか「でも、確かに需要はありそうですよねー。スプラッタ映画とかって昔からコアなファンがいるじゃないですか」
ルカ「いやいや……あれは作り物だろ? 生身の人間でのコロシアイだなんて、そんなのそもそもが法を犯してて……」
美琴「だからこそ、じゃないかな」
美琴「日常の範疇から逸脱しているからこそ、人の目を引く。ラインを超えてでも見てみたい、そういうふうに思う人はそう珍しくもないんじゃない?」
ルカ「まあそうなのかもしれねえけど……」
ニ猇kkkkkk
『あははは! そうですよね、私だって人が死ぬところ見てみたいですもん! あははははは!:
深コ菟
【人のお腹を裂くとどんなふうに内臓が出てくるのかな人の首を切るとどんなふうに血が飛ぶのかな人は命を落とす時どんな声を漏らすのかな≫
¿尼Ch果
:コロシアイはもう一大エンターテインメントなんですよ無責任に人の生き死にを笑いたい惨たらしい死に様を嘲笑いたい「
ルカ「ふーん……まあそういうもんか」
私だって同じことが繰り返されるような日常には飽き飽きしているんだ。
コロシアイという刺激に飛びつく人間がいたとしてもそれはおかしくもないのかもな。
コトダマゲット!【チーム・ダンガンロンパ】
〔恋鐘と努が生前所属していた組織。コロシアイをエンターテインメントと定義し、リアルタイム配信を行なっていた。コロシアイを運営するのはこれが初めてではなく、既に何回もコロシアイが行われていた〕
1.ボウガン
2.死体の抱える本
↓1
妙に息巻いてウィンドウを流れるメッセージを読み解いていくにちか。
言葉を辿々しく拾い集めると、恐る恐るその解答を口にする。
にちか「多分……なんですけど、このエラーは何かウイルスが混入して発生したみたいです」
美琴「ウイルス? これは病気になってるの?」
(おいおい……)
にちか「誰かが持ち込んだウイルスによってシステムに異常が起きてて……多分、外からじゃどうにもならない……みたいな感じだと思います」
ルカ「外から? プログラムに外も中もないだろ」
にちか「うるさいなー、私だってよくわかんない分野の話なんですから黙っててくださいよ」
ルカ「なっ、生意気な……」
美琴「もしかして、セキュリティの話なんじゃない? ハッキングを防ぐためのファイアーウォールとか……そういう話だったりして」
にちか「さ、さすがは美琴さん……! どこぞのニュース解説者より分かり易い解説です……!」
ルカ「無駄に喧嘩を売るなっての……」
(まあ、言い方はさておいて……ウイルスの侵入によるセキュリティ異常ってのは覚えておいてもいいかもな)
(何のシステムのメッセージかはわからないけど、外部とは完全に遮断されたことは大きな意味を持つはずだ)
コトダマゲット!【プログラムエラー】
〔何らかのシステムにおけるエラーメッセージ。システム内部に何かウイルスが侵入した事でセキュリティシステムが異常作動を起こし、外部の干渉を完全に遮断してしまったらしい〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
にちか「うーん……でも変ですよね、この島って私たち以外にまるで人はいない感じなのに。このファイルにはずーーっと人が住んでて生活が営まれてる体で書かれてますよね」
美琴「……姿を消したにしても大規模だよね」
ルカ「それに、この島で見つけた被験体……ってのは誰の何を指してるんだ……?」
にちか「島の中央の行政施設を解体して未来機関の拠点にする……はー、かんっっぜんにサッパリです!」
ルカ「あの遺跡を作って何がしたかったのかも分からないし……マジで謎だな」
にちか「こうなったらあの遺跡に入ってみる以外なくないです? 他のことはなーんにもわかんないですし」
ルカ「おいおい、またパスワードかよ……めんどくせえな」
私たちの前に何重にも立ち塞がる謎という壁。
その一つ一つが分厚く、そして全貌の見えぬほどに高い。
美琴「……ルカ、これは前に見た書類と完全に一緒?」
ルカ「ん? おう……あさひと見た時と一緒……だな。元々この島には住んでいる人間がいて、中央の島の行政機関をぶっ潰す形で『未来機関』ってのがここに拠点を持ったらしい」
美琴「その後のこれは?」
ルカ「……『先遣部隊が上陸時、既に標的の姿は島にはなく、鎮圧自体は何ら妨害を受けることもなく成功した』」
ルカ「まあ、見たことない記述だけど……そんなに重要なのか?」
美琴「……」
にちか「なんかほんとどこまでも小学生の自由帳みたいな話ですよねー」
ルカ「どこまで信用できるのかは疑問だな……」
コトダマゲット!【ジャバウォック島再開発計画】
〔未来機関という組織がジャバウォック島を再開発し、新たに本部を構えるまでの記録。中央の島には行政機関があったらしいが、そんな痕跡は今現在の島には全くない。未来機関が上陸時に、既に標的の姿は島になかったという〕
ルカ「後はこの死体ぐらいのものか……」
千雪の亡骸の近くに散らばっている物は一通り拾い上げて、その正体も確かめた。
しかしながら、まだパスワード自体は分かっていない。手がかりを残すのは、この死体だけ。
にちか「じゃあ今度こそ死体を分解しますかねー。両腕引きちぎっちゃいます?」
美琴「そうだね……その前に眼球を抉ったりして、小さなところから確かめようか」
(……)
不思議な感覚だった。
真実を知ろうとしているだけ、先に進むために探索をしているだけなのに、なぜかにちかと美琴の言葉の一つ一つに胸がざわつく。
そんな感情は無用な感情だ死体は死体でしかないそんな感慨なんて抱いたところで無意味
屍を踏み越えて私たちは先に進む希望に停滞はない希望に行き止まりはないただ前に進むだけ
ルカ「よし、それじゃあ舌をペンチでぶっこ抜くところからだな!」
死体をぶち壊して情報を啜ろうとしたその一歩手前。
またしても死が裏返った。
美琴「……!」
踟¡逝キ
|私が一■黙って■■ばい■罪■背■って■を閉ざしてい■■誰も傷つ■ない私だ■■犠牲に■ればいい
にちか「あ、またパスワード教えてくれるやつですかね! ほら、早く言っちゃってください! ゲロった方が楽になりますよ!」
ルカ「取り調べじゃないんだから……」
チ$裄:;
■を貫く鉄芯が■■い本当■■れでよか■たの■な私が■■意味はあっ■のかな■が信じ■あげ■■よかったの■な私は疑うこ■を■■てよかっ■のかな
美琴「パスワードは『モ』……ありがとう、後はもうゆっくり休んで」
ルカ「これで2個目、か」
にちか「このペースじゃ日が暮れちゃいますよ! さっさと次行っちゃいましょう!」
私たちがパスワードを獲得すると、千雪はその場に崩れ落ちてまた物言わぬ骸に戻った。
死体を傷付けずともヒントが得られた。そのことに安堵せずにはいられない自分がいたが、二人には悟られないように取り繕っていた。
美琴「次のヒントは『落ちて、堕ちて、墜ちる』……」
にちか「どこか高いところなんですかねー……? 崖の上とか!」
ルカ「今日は火曜日でもないしサスペンスでもないぞ。それにこの島にそれらしい崖なんかないだろ……」
(まあ高いところってのは間違いなさそうだな……考えてみるか)
------------------------------------------------
『落ちて、堕ちて、墜ちる』
【第三のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
ルカ「……やっぱり、このメガネを通してみると夜の状態の島の様子が見えるんだな」
夜空に散らばる星の数々、その中央に鎮座する真円の満月。
この島に来てからずっと見てきた夜空そのものと全く変わりない光景がそこにはあった。
ルカ「……」
自然と、あの夜のことを思い出す。
にちかを犠牲に生き残ったあの晩に、息が詰まるような切迫感の逃げ道を空に探した時のことを。
あの時から、この空は何も変わらない。
星の配置も、月の満ち欠けも。
まるで時が止まってしまったかのように変わらないのである。
ルカ「なあ、二人はどうしてこの月の形が変わらないんだと思う?」
爾|#戈
そんなこ■を気にする必要はありませ■私た■は使命に従■■生き■だ■彼女た■を■■るために育て■だけそれ■■が生きる理由な■です■
m萎k悪t苧
私た■は舞台装■彼■たちをステ■ジに立たせるた■■舞■装置■だけ見せ■だ■そこ■思■■必要ない■■要らな■
ルカ「……そう、だよな」
私は何を気にしていたんだ。月の形が変わらないからってなんなんだ?
考えたところで答えが見つかるわけでもないのに烏滸がましい身分不相応図に乗っているダメだ却下拒絶断絶中断終了
コトダマゲット!【満月】
〔この島に来てからずっと月の形は変わらないまま〕
------------------------------------------------
1.青い繊維
2.ゲッカビジン
↓1
美琴「ホログラム……のようなものなのかな」
にちか「浅倉さーん……? これ、どうなってるんですかー?」
透「……」
透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」
ルカ「……あ?」
それは、不思議な感覚だった。
脳の隅をほじくり返したと言うべきか、押入れの隅で埃をかぶっていた衣服を引っ張り出した時のようなむず痒さを伴った。
無意識化に押しやっていたことに対する、罪悪感にも近い割り切れない感情。
透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」
にちか「え、なにこれ……壊れたレコードか何かですか」
美琴「この言葉に意味があるってことなのかな」
(私は……知っている、こいつの、この言葉を)
何度も繰り返される言葉が、深層の底に落ちていた記憶をゆっくりと引き上げていく。
それは、私の記憶に紐づいた、記憶の証言の記憶。
あの病院で、惨劇が起きる前の、一歩を踏み出すトリガーになった、明確な分岐点の、在りし日の、忘れ難き、記憶。
《透「思い出しちゃ、ダメなんだよ」
透「忘れといて、そのまま」
ルカ「……お前が私たちの記憶を奪ったのか?」
透「……」
ルカ「いつからの記憶がないかを把握してるってことはそういうことだろ? お前はこの希望ヶ峰学園歌姫計画の参加者じゃなくて……運営する側の人間なんじゃないか?」
透「……私が奪ったって言うか」
透「私たちが、奪った」》
ルカ「……!!」
一気に記憶が間欠泉のように噴き出した。
眠っていた記憶が即座に蘇る。
あの言葉で私は浅倉透という存在に対する認識を改めて、信頼の一歩を踏み出したんだ。
このコロシアイの最中で、自分を追い込む発言だと分かっていながら、
歩み寄るために口にした言葉には確かな力があったのに、なぜ私はそんなことを忘れていたんだろう。
ルカ「そうだ……この島に来た理由、それは浅倉透が私たちを連れてきたから」
ルカ「なんで、なんでこんなことを忘れちまってたんだ……? なんだ、何が起きてる……? 私たちはコロシアイをしてたはずだろ? なんでこんな呑気にウォークラリーなんか……」
聻ち¿k亜亜亜01
疑問を持■な今はそのフェーズで■ない与えら■た役割を遂■しろ今はただ情報を■■だけの傀儡■なれ
11111胡000000
浅倉透を憎め感情■定■■れ■いる自分の感情は許さ■ていない■く次に進め記■はあとで■■てくる
ルカ「……あ?」
にちか「もう、ルカさん何やってるんですかー? 今大事なのは浅倉さんが私たちをこの島に連れてきた極悪犯ってことですよねー?」
美琴「うん、彼女のことは許しちゃいけないよ」
ルカ「ハッ……ハハッ、そうだよな。浅倉透は許さない、そうだ、そうだよ……なんだったんだ、今のは」
私が錯乱しているうちにいつの間にか浅倉透を真似た繊維は姿を消していた。
二人のいう通りだ、今大事なのは浅倉透は私たちをこの島に連れてきた憎むべき悪人だということ。
この感情に疑問なんて抱いちゃいけないのに、何を思っていたんだろう。
ルカ「……」
……そう、なんだよな?
コトダマゲット!【透の証言】
〔浅倉透はルカに対して、このコロシアイの参加者を集めたのは自分だと自白している。当初の希望ヶ峰学園歌姫計画は彼女とその仲間が計画したものであるらしい〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
莓\‘懿
最後ま■誰も疑■■かった信■た末に裏■■れて殺■れ■■った後■はし■ないけ■みん■と最■■でい■■なかっ■ことが■しい辛い
にちか「うっわ~~~……首から血噴き出してるんですけど……ちょっと、距離とってもらっていいです?」
そこに立っていたのは、和泉愛依の骸。
私たちがその死に直面した時と同様に、薄い布地の病人服を身に纏っているが、その半分は首から流れた血に塗れている。
美琴「でも、にちかちゃん。彼女何か持ってるよ? ヒントじゃないかな」
にちか「最悪……ルカさん、取ってきてください」
ルカ「オマエな……」
()乜***%ィ
二人は最■■で生■られ■のか■うち■け先■■なく■ってご■ん
私も近寄るのには生理的な嫌悪感を感じたが、ここで退くわけにもいかない。
まんじりとも動こうとしないにちかを尻目に、一歩踏み出て死体からその手のフォルダを引っ手繰るようにした。
ルカ「んだこれ……『新世界プログラム』?」
これまた仰々しいネーミングだなとため息交じりにそれを捲る。
にちか「メンタルヘルスを助ける、仮想現実による箱庭診療のアプローチプログラム……えーっと……」
美琴「どうやら、被験者さんの意識をコンピュータ上のバーチャル空間に送り込むプログラムみたいだね」
ルカ「トラウマとかの記憶を取り除いたうえで、仮想現実での生活を送らせることで精神疾患の治療を促す……か」
にちか「あはは、ルカさんもやってもらったらどうですか? 口を開けば『病んだ』ですしー!」
ぱっと見の印象では縁遠い世界の話。
精神疾患の診療なんて経験もないし、きっとにちかと美琴も同じことだろう。
ルカ「しかしすごいな……これ、一人に対するアプローチどころじゃなくて、複数人を同じ世界に同期できるって書いてあるぞ」
にちか「ネトゲみたいなもんですかね?」
ルカ「オーバーテクノロジーが一気に俗っぽくなるな……」
美琴「でも、一体こんなシステムがなんだって言うんだろうね」
ルカ「……さあな?」
気が付けば和泉愛依の骸は風化でもしたかのようにきれいさっぱりとその場から姿を消していた。
悪夢が何の意味も持たずに私たちの前に立ちふさがることなどない。
きっとそのはずだから、何か意味はあるんだろうが……
なんだろう、この感覚は。
ルカ「……」
これは……………………既視感?
コトダマゲット!【新世界プログラム】
〔精神疾患の診療のために使われる、仮想現実構成プログラム。複数人の意識を装置上で同期させ、同じ世界で生活させることができるらしい〕
怪しいところは大体調べ終わった。
そうなると次に待っているのは、死が裏返る奇術の時間だ。
先の2回ですっかり慣れてしまった私たちはもはや違和感なくそれを受け入れていた。
にちか「ほーら、死んでないでさっさと蘇ってくださいよ。他のチームに負けちゃいますー」
ルカ「おい、あんまぞんざいに扱うなって」
美琴「どうして? 死んじゃったらただの物だよね?」
ルカ「んまあそうだけどよ……」
にちか「……! 来ますよ!」
にちかの呼びかけ通り。死体が小刻みに震え出したかと思うとムクリ体を起こし、私たちに向き合った。
地面に衝突したせいで無惨な姿だったはずの死体は、その顔に影が落とされていてよく見えない。
ウサミによる配慮なのだろうか、これも今更という感じだが。
愉iii‼︎加
何も■えない■も聞こえ■■何も分か■ない闇の■■葬られ■勇気を出■■踏み出し■一■■踏み躙られ■無数の足跡■■に消え■もう見た■もない
にちか「おっ、出ましたね! パスワードは『ヤ』ですよ、メモメモ!」
ルカ「……それ言うなら自分でメモれよ、ったく」
美琴「これでパスワードは三つ目だね、残すところはあと二つみたい」
・:/螠⁂下
騙され■信じ■■のにも■■じ■だけ無駄裏切ら■るだけ■も信じな■ただ一人孤■■中で息絶■る方がい■
にちか「これでやっと折り返しですか……結構疲れますね、このラリー!」
ルカ「まあこれぐらい骨がないとやりごたえもないしな。ほら、さっさと次に行くぞ」
@↓\\\\禍
他人のこ■な■■誰に■分■■ない■か■たくない■か■れたくもない踏み込■ない■退いて近づ■■■でほしい一人■消えてい■か■
次のパスワードの場所を探すために背を向けると、後ろから物音がした。きっとあいつが物言わぬ骸に還ったのだろう。
そこになんの感慨も執着もない。
私たちの思考から彼女の存在はすっかり消え失せてしまった。
美琴「四つ目は……『箱入り娘が空を行く』か、どう? 二人とも」
にちか「うーん……私からは縁遠い言葉ですね……」
ルカ「まあ箱入り娘ってよりは世間知らず、だよな」
にちか「はー? それはルカさんの方でしょ! 一人じゃ交通定期券にお金も入れられなかったくせに!」
ルカ「テメ……いつの話ししてやがんだ!」
(……『箱入り娘』なんか、283の連中は大体該当しそうなもんだが)
(一体どこを探したもんかね……)
------------------------------------------------
『箱入り娘が空を行く』
【第四のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
にちか「うわ……なんなんですかこれ、血の匂いのそれとはまた違った意味合いで悪臭なんですけど」
美琴「焦げたような匂いに……ガソリンみたいな匂いが混ざった感じがするね」
一歩踏み出すたびにウッとなるのを堪えながら近づくと、見慣れない光景が目に入った。
本来非現実を求めて子供や大人たちが夢を託す観覧車のゴンドラが、過熟の末に落果した柘榴のようにへしゃげてオイルを吐き出し続けている図。
その中で腐った果肉のようになっているのが、有栖川夏葉の成れの果てだ。
にちか「どれだけ鍛えても爆死したら形なしってこと何ですかねー……うわー……」
美琴「このゴンドラ、相当頑丈なつくりなのに……すごい衝撃だったんだね」
ルカ「こいつ自身も体を改造された挙句のこれだからな……もし生身だったらと思うと震えるよ」
にちか「あはは! 脳みそとかも全部出ちゃったりして!」
ルカ「ハッ……そいつは勘弁願いたいな……」
にちかの悪趣味な冗談に苦笑しながら、辺りに手がかりを求めた。
1.水素の吸引機
2ロケットパンチ
↓1
(……なんだ、私は何を見ている?)
そして、自分自身の体はまるで地面に張り付いてしまったかのように動かない。
声を発そうとも口がパクパクと動くだけで何も出てこない。
全身を拘束されて、映像を見させられているような、そんな感覚に陥った。
そして実際、その喩えは間違っていない。
私の目の前で続いたそれは、私の中の記憶の上映会だったからだ。
透『そっか……私、死んでたんだ』
透『……ううん、知らない。私は、何も知らない。聞かされてもいなかったからさ、死んでたってのも』
美琴『ふざけるのもいい加減にしてもらえるかな』
美琴『あなたはにちかちゃんの命をかけた糾弾をどこまで時踏み躙りたいの。答えをいつまでも出さずに、バカにしているとしか思えない』
透『……ごめんなさい』
透『もう、言わざるを得ない……か』
透『私は、みんなの知ってる浅倉透とおんなじだけど違うんだ』
透『みんなが覚えてる浅倉透が今の『私』』
透『みんなの知らない浅倉透が写真の『私』』
透『……写真の『私』の過去の私が、今の『私』』
透『『浅倉透』のある部分までの記憶と人格とをコピーして作られたのが、『私』なんだよ』
(……!)
……そうだ。
私たちがこの島で接していた浅倉透という人間は全くの偽物。
本物とほとんど変わりない記憶と人格を持っていただけの、別人だったのだ。
そしてその肝心のオリジナルは……とうに死んでいる。
私たちよりも前に、コロシアイの中で命を落としてしまっていた。
そのことを知らされもせずに、ただ真似ていただけの不出来な人形がこの浅倉透なのである。
(……本物は、とっくに死んでいる)
私の記憶の再現が終わるとやがて黒煙は断ち消えた。
にちかと美琴も同じものを見ていたのかと尋ねるとキョトンとして首を振った。
彼女たちを包んだ黒煙は私とは別物だったのだろうか。
それとも私がただの幻を見たと言うのか。
(……今のは、私に何を見せたかったんだ)
ただ、私の脳内でなにかが錆び付いていることだけは確かだった。
コトダマゲット!【オリジナルの浅倉透】
〔この島にいる浅倉透の元となったオリジナルは既にコロシアイで命を落としている。コピー体の浅倉透はどうやらその事実を認識していなかったらしい〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
ルカ「今度は……『候補者リスト』? なんのことだ?」
美琴「……心当たりはないけど、読んでみたらわかるんじゃない? 開いてみて」
ルカ「おう……」
美琴に促されるままにページをめくる。
丁寧で丈夫に綴じられている書類は、情報の整理に加えて保管の性質が蓄えているだろうことを窺わせる。
実際、これまでにみてきた活字の波とは少しその様相が異なっていた。
続々と並ぶ顔写真に、その横に付記される詳細な情報の数々。
にちか「これ、書類ってより名簿って感じじゃないです?」
小学、中学、高校。それらの過程を経るたびに押し付けられた、無駄に根の張る嵩張るだけの一冊。
思い出の押し売りと揶揄したアレに、よく似ていた。
美琴「……私たち一人ひとりの名前と、他の誰かが羅列されてるんだね」
その既視感は私たちの個人情報がおしげもなく書き広げられたページのせい。
後から見返すのが小っ恥ずかしくなる作りをしているのがそっくりだ。
にちか「うわー……私の分もありますよ、これ」
ルカ「……これ、とりあえず全員分の纏めとくか。簡単にな」
美琴「そうだね、どれが誰に対応しているかは押さえておこうか」
風野灯織…【超高校級の占い師】飯田数秀
三峰結華 …【超大学生級の写真部】蜷川卓
田中摩美々…【超高校級の服飾委員】喜多川新菜
小宮果穂…【超小学生級の道徳の時間】本城ハヤ太
園田智代子 …【超高校級のインフルエンサー】不破アルル
有栖川夏葉… 【超大学生級の令嬢】菱井友安
桑山千雪… 【超社会人級の手芸部】四季衛児
芹沢あさひ…【超中学生級の総合の時間】上蔵居鶴
黛冬優子…【超専門学校生級の広報委員】永瀬美奈
和泉愛依…【超高校級のギャル】 藤村美優
市川雛菜…【超高校級の帰宅部】小野田・K・ユーサク
七草にちか…【超高校級の幸運】苗木誠
緋田美琴…【超高校級のシンガー】夜々中亜道
斑鳩ルカ…【超高校級のダンサー】関口小春
ルカ「……大体全員に他の誰かがあてがわれてるな」
にちか「ないのは月岡さんと浅倉さんの二人だけですねー」
美琴「まあ、コロシアイの黒幕と偽物の二人だからしょうがないんじゃない?」
ルカ「にしてもこいつら誰なんだ? 正直名前に全く心当たりはないぞ」
私たちの横に並んだ名前は、どれをみても聞き覚えが欠片もない。なにを持っての『候補』なのか、どういう選考基準なのか。
全くもって意味のわからない文字の並びに、取り残されるばかりだ。
にちか「それに、なんか気色悪いですよこのリスト。私たちのこともそうですけど、この候補者さん?たちのところも」
美琴「……『自分に自信はないが正義感は強い。献身的な思考が根底にあるが、自己犠牲が過ぎる面もある』」
ルカ「プロフィール……にしてはなんか詳細だな」
にちか「うわ、なんですかこれ。今に至るまでの主たる出来事……? プライバシーガバガバが過ぎますよ」
一人の人間について網羅するには十分すぎるだけの情報量。
さっきまではこの一冊を名簿として表現していたが、それでは生ぬるい。これではもう、図鑑と言ってしまった方が正しいのではないだろうか。
(……誰が、何のためにこんなものを?)
コトダマゲット!【候補者リスト】
〔今回のコロシアイの参加者から恋鐘と透を除いたメンバーと、他の誰かの名前が書き連ねられたリスト。才能の他に異様なまでに細かい個人情報が付記されている〕
にちか「今回、死体バラバラですけどちゃんとパスワード貰えるんですかねー?」
にちかはそんなことを言いながら頭を持ち上げてその場で何度も振り回した。
光を失った瞳の頭部は振り回されるのに合わせてカラカラと玩具箱のように音を立てる。
無邪気さに裏打ちされた空虚さが胸を刺す。
美琴「そもそも死体と言えるのか疑問だものね、これはほとんど故障品のようなものだから」
にちか「あはは、ホントですねー! パスワードもらえなかったらジャンク品で売り飛ばしちゃいますかー!」
(……)
美琴「……どうしたの、ルカ?」
ルカ「あ、いや……なんでもない」
にちか「ちょっと、何面食らってるんですか。ただの死体なんですよ、ただの物なんですよ? なのにそんなふうに感情移入するのっておかしくないですか?」
*膩△豸∫
所詮は希望のた■の踏■■なんです■こ■で消費さ■■だけ■存■な■■そん■物なんで■皆さ■■希■にな■た■■存在■■ですから死■な■■に躓■てる場合じゃな■■です
ルカ「……ああ、悪い」
にちかの言うことは全面的に正しい。正論だ。
希望はなによりも素晴らしく、何物も犯してはならない、尊く強いものである。
弱者の死への感傷のせいで希望を曇らせるなどあってはならない。
より眩い希望を手にするための糧にするのが道理なのであり、そのために消費されるなら死者も冥利に尽きると言う物だ。
ありとあらゆる犠牲の上に立つのが希望である。そのためなら殺戮も肯定される。それが人類としての美学なのである。
美琴「ほら、ルカも手伝って。バラバラの死体をもっとめちゃくちゃに破壊しよう」
にちか「そうですよ! 死者の尊厳をめちゃくちゃに踏み躙って、踏み台にしましょう!」
ルカ「おう、そうだよな……それが希望のためだもんな……」
ふらふらと死体の左腕を持ち上げた。
剥き出しのケーブルには漏れ出したオイルが伝い、その下の地面に緑色の水溜まりを作っている。
ルカ「じゃあ、これをぶっ壊すか」
目一杯振り上げたその瞬間……
ナ?腫
彼女は背後に立っていた。
にちか「あれ、人間の姿ですよ。うわー……全身火傷しちゃってます、痛そー……」
美琴「赤く爛れて……衣服が皮膚と一体化しちゃってるね」
ルカ「……」
爲ツツツツツツ¡¿瀉
私の選■■間違っ■いな■■た力が■■なかった■け守■な■■たのは■の弱■のせい私■も■■しっかり■■いれ■■がもっと強け■ば私が■っ■何か■てあ■■ことができてい■なら
にちか「おっ、パスワードゲットです! 四つ目は『ク』です!」
美琴「やったね、にちかちゃん」
にちか「はい!」
(……)
死者を蘇らせて、パスワードを喋らせるだけ喋らせたら骸に還す。
最後の最後まで死を踏みにじる行為には吐き気を催すが、それが希望のためなのである。
偉大なる希望のためには瑣末な犠牲など無視される。
人権なんてものも希望の前には塵芥同然、人間の意志など大いなる意志に従属するのが道理。
何も考える必要はない何も悼む必要もない。希望のために全てを消化し呑み下せ
美琴「……ルカ、さっきからぼうっとしてどうしたの?」
にちか「そんなバッチい死体なんか無視してさっさと次行っちゃいましょう! 時間は待ってくれないんですよ!」
ルカ「……お、おう」
死体はまた私たちの目の前で膝から崩れ落ちた。
力が入っていない肉体は自立しようとすることもなく、損壊も厭わずにクシャクシャの形で地面に額をぶつける。
あれほど気高かかった女性でも、死んでしまえばこんな醜態を晒す。
(なんだ、なんなんだよ……さっきから)
希望のための犠牲、そう割り切るべきなのに……胸中に湧き上がる異物が、息苦しかった。
にちか「で、いよいよラストですね! 『収穫祭』……どこか畑とかありましたっけ?」
美琴「……これまでと同じなら、何かを例えた表現なんだろうね」
ルカ「……収穫、な」
------------------------------------------------
『収穫祭』
【第五のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
そこにあったのは、首のない死体。
両手を椅子の肘置きに固定され、美容室のように首から下にはシートをかけられている異様な姿。
断面から滴り落ちた血液は、まだ乾いていない。
ぱっと見では誰とも分からないその姿に、私はつい怯んでしまった。
にちか「これ、誰なんですかねー?」
死体に臆す必要など何もないのに。
にちかは少しも怯む様子もなくぺたりと死体に被さられているシートを捲った。まだ乾ききっていない血が飛び散り、その額にかかった。
にちか「これ、服装的に市川さんじゃないですか? まあ制服も血で汚れちゃってますけど」
ルカ「……っぽいな」
にちか「ちょっと、何やってるんですか。ほら、もっと近づいてみてくださいよ」
ルカ「……わかってるよ」
にちかに促されて私も死体を覗き込んだ。
やはり見立て通りこの死体の身元は市川雛菜なのだろう。
肉付きのいい体に、すらりとした手足。
それに纏っている制服には私でも見覚えがあった。
彼女が愛してやまないキャラクターのアップリケも血に汚れてしまっている。
美琴「彼女が最後のパスワードを握っているのかな」
にちか「なら、さっさと見つけちゃいましょうよ! そこら辺に市川さんの頭、転がってないです?」
(……それは、流石に勘弁願いたいな)
1.エグイサルのリモコン
2.エレクトボム
↓1
にちか「わ、わ、わ〜〜〜!!」
例の如く、ウサミの魔法だ。
リモコンは宙でその姿を変え、バインダーに綴じられた一枚の資料となって私たちの手に落ちた。
『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』
そこには『実験』と称される詳細不明な研究の記録が残されていた。
写真のようなものも殆どなく、具体的な名称も検閲の対象となっているのか悉く記述を避けられている。
ここにある被験体αというものが、どんな形状のどんな性質なものなのか。ここからだけでは読み解くこともできない。
にちか「……これ、もしかして人間の話をしてます?」
ルカ「人間だぁ……?」
にちか「ほら、ここ……『性格』って書いてますよ? 動物とかだったら言わなくないです?」
美琴「それは……どうなんだろうね」
ルカ「いや、人体実験の記録ってことか……? そんなの、法が許さないんじゃ……」
司法がなんだ希望より先に立つルールなどないこの世界に希望をもたらすためなら多少の逸脱は看過されるべき
自戒せよ我々は世界のために生きている社会のために生きているのではない秩序よりも優先されるべき使命というものがある
ルカ「……あ゛っ、ガッ……」
美琴「どうしたの、ルカ?」
(……一体なんなんだ、さっきから頭ん中が……)
コトダマゲット!【被験体α】
〔捜査の中で見つけた怪しい実験記録。『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
にちか「……これ、元々は浅倉さんの持ち物なんですよね?」
ルカ「……え? あ、お、おう……確か……そのはず……」
美琴「エレクトボムを使って誰かと連絡を取っているのを目撃したからこそにちかちゃんは殺害を考えたんだよね」
にちか「ですです! 裏切り者だ、殺せー!ってなって」
《にちか「初めから、裏切ってたんですよ。浅倉さんは。私たちが外の世界と連絡が取れないことに焦っていた中で、別の誰かと連絡を取っていて……一人だけこの孤立無援の恐怖を感じていなかった」
にちか「だから私思ったんです。ああ、この人はちがう……私たちの仲間じゃない、モノクマとの内通者なんだって」
透「……」
夏葉「……透、説明してもらえるかしら。あなたの口で」
透「あー……」
透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」》
にちか「だって怪しすぎじゃないですか! みんなこの島に幽閉されて孤立無縁のはずなのに、一人だけ外部と連絡を取ってたなんて……絶対絶対裏切り者じゃないですか!」
ルカ「……いや、でもあいつはオマエが死んだ後は誠実に___」
深酷ト、
にち■ち■■の言う通り浅■透は私た■■敵私■ちを殺し■■は彼女惨劇■引き起■■たのも彼女全■■責任は彼■■ある
‼︎尓…チ
浅倉透■許すな浅■透を吊■せ浅倉透を弾■せよ
ルカ「……浅倉、は」
浅倉透がいなければ私たちは大事な存在を失うこともなかった。
浅倉透がいなければこんな思いをすることもなかった。
浅倉透がいなければ私は私のままでいられた。
《透「……死にたくない、以上に裏切りたくない」
透「だから、高望みするよ。勝つって、黒幕ぶっ倒すって」》
ルカ「……あ、ぐ、う」
Command01
浅倉透を憎しみ続けろ
Command02
浅倉透を恨み続けろ
……違う、私たちがこの島の生活の中で見てきた浅倉透は憎まれ、恨まれるような存在じゃない。
あの時にちかの目撃した姿だって、きっと。
コトダマゲット!【透の外部との通信】
〔第一の事件の前日、透はエレクトボムを使用して黒幕からの干渉を拒絶した上で島の外の人間と連絡を取っていた〕
にちか「やっとこれで最後のパスワードですね……他のチームはもうクリアしちゃってるのかな」
ルカ「どうだろうな……途中で他の連中に会うことはなかったが」
美琴「会うも何も、みんな死んじゃってるからじゃない?」
にちか「あはは、確かにー!」
骸を前にしていつもながらの談笑。
もうこれで五度目のこと、たとえ死に怯える幼い子供でももう慣れてしまっても当然の域だ。
だが、私は対照的に……数を重ねるごとに違和感を募らせていた。
なぜ私は死体を前にして平然とできる?
なぜ私は死体を前にして笑顔を浮かべられる?
なぜ私は……一度見た死体をもう一度見ている?
にちか「でも、今回はどうやってパスワードを教えてもらえるんですかね? 喋ろうにも首が取れちゃってますよ?」
美琴「そうだね、首もどこに行ったのか分からないし……引っ付けたところで戻るわけじゃないからね」
にちか「うーん……どうすればいいのかな……」
にちか「……あっ!」
死は何度でも私たちを嘲笑う。
頭を抱えて悩んだところで、平然と裏返り、情緒の一切を踏み潰すのだ。
ルカ「……うっ」
首のない死体は椅子から身を起こし、千鳥脚に私たちの前に立ち塞がった。
断面から噴き上がった血が宙でうねり、やがて歌舞伎の隈取りでもするかのように人の顔を象った。
市川雛菜の顔というにもあまりにも不出来な、落書きのようであった。
非\9亡
暗■動けな■怖い■■起き■■わからな■全身が痛■雛■が何をしたの誰■■庇うの■そん■■悪いこ■なの
にちか「うーわ……これ今までの中でも最悪じゃないです?」
美琴「……ちょっと、ギョッとしちゃうね」
ルカ「……」
市川雛菜の骸に対して冷ややかな反応をする二人を見て、私はやけに冷静な視点だった。
気がついた時には私もすでに飲まれてしまっていたが、この二人の反応は明らかに異常……
どう考えたって、こんな状況でこんな反応をするような二人じゃない。
姿、記憶、人格……それらは元の二人と対して変わりないが、それ以外のものが……大切な何かが欠落しているのだ。
そして、それは先ほどまでの私も同じ。
幾多の死に接したことで逆に冷静さを取り戻し、我に返った私からすればこの半日のことが不気味で仕方ない。
(……どうして)
それなのに、体が言うことを聞かない。
私の意識は椅子に縛り付けられたようで、私でない何者かが私を演じているのを見せつけられている。
&鄙:儺&
雛菜■首を返して■雛■の右手を返し■よみん■と一■■笑っ■たしあ■せを返して■楽し■■た学■生活を返■てよ
にちか「うわっ、うーわ! ちょっと近寄らないでくれますー? 血がこっちまで飛んでくるんですけどー!」
美琴「ほらにちかちゃん、パスワードも喋ってるよ。ちゃんと彼女の言葉を聞かなきゃ」
〓nul无《
守りたい■■を守■■だけなのにど■して恨まれな■■いけな■の■菜は雛■のや■たいことをや■ただけな■■どう■て
にちか「あー……最後のパスワードは『ミ』みたいですね。はい、もう聞けたんで適当に死んじゃっといてくれていいですよ」
にちかが右手で適当にあしらうと、すぐに死体は膝からその場に崩れ落ちた。
人の顔を象っていた血液は重力の支配に再度戻り、鉄板の床にびしゃびしゃと音を立てて散らばった。
にちか「ほんと最悪……ちょっと汚れちゃいましたよ、服」
ルカ「ハッ、いいじゃねえか。地味の地味過ぎる制服にいいアクセントだ」
美琴「大丈夫? ハンカチ、使う?」
にちか「い、いえ! ちゃんと自分のもありますから!」
5つの骸からパスワードを受け取ったところで懐から紙を取り出した。
このウォークラリーの初めにウサミから受け取った紙には、おあつらえ向きに五文字の空白が設けられている。
ルカ「ここに一文字ずつ入れ込んで……と」
美琴「ここで集めたパスワードが、ノートパソコンのログインのパスワードになるんだよね?」
にちか「はい! どうです、ルカさん? パスワードは何になりました?」
ルカ「……『ヤクモナミ』」
にちか「……!? そ、それ……!」
美琴「それって、にちかちゃんにとっては憧れのアイドルで……」
ルカ「私にとっちゃ……唯一の肉親だった人だ。もう、死んじまってるけどな」
_____『八雲なみ』
昭和の一時代を築いた伝説的なアイドルの一人。
発表された楽曲はあっという間に世間の評判を集め、あらゆるヒットチャートに彼女の名前を刻みつけた。
同世代はもちろん老若男女の話題を掻っ攫い、アイドル全盛期の時代を席巻した少女。
そんな彼女は……絶頂の最中に自ら命を絶った。
世間には隠して私を身籠もっていた彼女は、仕事とレッスンの過酷さや当時のプロデューサーからの精神的圧力に耐えかねたらしい。
デビューから数年と経たないうちの出来事に、当時はそれなりに話題にもなった。
そんな名前が、どうしてここで。
ルカ「……ウサミのやつ、どういうつもりなんだよ」
美琴「考えるのは後にしようか。とりあえず今はホテルに戻って入力するのが先」
にちか「ですね! 他チームに負けたくないですし! ほら、ルカさん!」
ルカ「……おう」
胸がいやにざわつくのを抑えることはできなかった。
仕事の都合で遅くなりました……
候補者リストの元ネタは更新終わりに答え合わせします
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【第1の島 ホテル レストラン】
ホテルに戻ると、そこにはウサミがただの一人。
どうやら他チームの連中はまだ島を捜索中らしい、つまりは私たちが一番乗りだ。
ウサミは手を叩いて私たちを労って歓待した。
ウサミ「こんぐらっちゅれーしょん! シーズのお二人と斑鳩さんの仲良しチームが一番乗りでちゅよー!」
ルカ「……おら、退け。さっさとパスワードを入力させやがれ」
ウサミを乱暴にグッと押しやり、机に腰掛けた。
ノートパソコンは開きっぱなしで電源もつけられたまま。
にちかと美琴の二人に見守られながら、一文字ずつ丁寧に入力していく。
ルカ「『ヤクモナミ』……っと」
『確認』にカーソルを合わせてクリック。
液晶でしばらく白い丸が渦巻いたかと思うと、すぐに起動音と共に『ようこそ』の文字列が浮かび上がった。
美琴「正解だったみたいだね」
にちか「やったー! これでクリアー!」
ルカ「おし……サンキュー、二人とも」
ウサミ「おめでとうございまちゅ! うるうる……あんなに非協力的だった斑鳩さんがこうやって仲間を労っているなんて、あちしはその変化に涙ちょちょぎれでちゅよ!」
ルカ「ちょちょ切れるもなにもぬいぐるみがどうやって涙流すんだよ」
にちか「そんなどうでもいいことよりルカさん、何かポップアップしてますよ!」
ルカ「ん? あ、おう……」
にちかに促されるまま視線を液晶に戻す。
ログインと同時にパソコンでは何かが立ち上がっていた。どうやらこれはメールボックスらしい。
いくつかのメールが未開封なままに残されている。
美琴「開けちゃってもいいのかな。これ」
ウサミ「問題ありまちぇんよ! このノートパソコンはミナサンにプレゼン・フォー・ユー! 中に入っている情報も何もかもミナサンのためのものなんでちゅからね!」
ルカ「おし……確かめてみるよ」
とりあえず目についたメールを右クリック。
旧型のパソコンなのか、少し時間をかけてからメールは展開された。
『A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む』
ルカ「……はぁ?」
美琴「どういう意味なんだろうね」
にちか「なんか『A』?って人が離反したみたいな文面ですけど……」
ルカ「それに、こいつはそれなりの立場にある人間みたいだぞ」
美琴「そんな人が組織の意向に背いてまで成し遂げたかったこと……なんなんだろうね」
コトダマゲット!【Aへのメール】
〔ウサミのウォークラリーの末にロックを解除したノートパソコンに入っていたメール。『A』という人物が組織の意向に背いて独断で動いた旨が記されている〕
《「んだよこれ……!?」
そこに写っていたのは私たち。
この島にやってきた連中が全員横並びになって……目を瞑っている。
目を瞑ってコールドスリープ用の機械に横たわっている姿が写っていた。
だが、それで終わらない。
この情報の持つ意味、その一番大きなところは……その上。
「なんで、なんでこいつら……」
風野灯織、田中摩美々、和泉愛依、園田智代子、市川雛菜。
前回のコロシアイの生き残りだと名前が上がっていた連中は……白衣を着て、私たちを見下ろしていた。
____その機械でまるで、人体実験でもしているかのように。》
冬優子を裁判で処刑したあの晩に、無理矢理に押し付けられた混迷の一枚が再び私の前に立ち塞がったのだ。
にちか「え? これ、どういうことなんですか……? ちょっと、意味がわからないんですけど……」
美琴「この五人は……何をしているの? 私たちを見下ろして……」
結局、私はこの写真については共有を避けた。
そこに写っているものが何を意味しているのか、これが本当に正しい写真なのか。その詳細の一切が不明で、必要以上の混乱を招くと思ったからだ。
きっとその判断は間違っていなかったはず。二人がこれほどまでに当惑しているのだから。
ルカ「……今は、一旦置いとくぞ。情報は情報としてだけ受け取っておけ。邪推はすんな」
<<黹Qa*
前回のコ■■アイを生き抜い■者た■■器はす■■熟し■いる
麼/:‖亊
残すは彼■らも共に薪■焚べ■■け輝■■踏み台に才■を世に送り■■■だ
ルカ「……ああ」
コトダマゲット!【冬優子の写真】
〔冬優子が裁判終わりにルカに託した一枚の写真。前回のコロシアイの生き残り5人が、今回の参加者を機械に繋いで見下ろしている様子が写っている〕
『私が……この、赤いエグイサルに乗っているのが……っ!』
「緋田美琴だから」
何が起きたのか、理解ができなかった。
突然に顔の横を突き抜けていった突風と熱。
爆音が全てをかき消す中で、瓦礫が後ろに飛んでいくのを目視しながら自分の目が覚めていくのを感じていた。
……悪い夢を見ていた。
悪霊に取り憑かれたように、自分の体は何者かによって操られ、思考の一つ一つも導かれて、肉体と精神は完全に私の支配の外にあった。
そこで抱いた感情も、私が口から吐き出した言葉も、その全てが粘土で作られた模造品。
むせ返るような図工室の香りに、私は嘔吐感で膝を折った。
(……私は、今の今まで何と話してたんだ)
あたりにこぼれた直近の記憶を拾い集めてみると、顔が黒塗りされた誰かと談笑している自分の姿。
人の死を嘲るような言葉をつらつらと楽しそうに語っていた。
「ざけんな……ざっけんな……!」
胃からせり上げるものを必死に抑え込んだ。
記憶に蓋をすることはできても、取り替えることはできない。
連中の死を玩具にしたことに対する嫌悪が湯水のように湧いてくる。
「マジで……死ねよ、私……」
それと同時に認知が蘇る。
今目の前で起きたことは、忌まわしき記憶の再現。
その受け入れ難さを前にして、嚥下を拒絶し、現実から逃避することに決めた死別。
和解をすることも叶わないままに迎えたエンドロールは、私に改めて後悔と無力感を痛感させるには事足りていた。
深淵の闇に堕ちた心境とは裏腹に、その視界は開けていた。
俯くことすらできずにいた私は、砂煙が捌けた後に現れた城の内部をそのまま受け止めることとなる。
「……なんだ、これ」
ルカ「オマエは……死んだはずだろ、なんで……こんな……」
思わず詰め寄る私を、軽くあしらうようにする。
恋鐘?「死んだ? ……ああ、そげなこつ気にせんでよかよ、今更生きるとか死ぬとか些細な話たい」
ルカ「はぁ……?」
恋鐘?「さっきまでルカは何見とったか思い出さんね! 誰と一緒に話して、誰と一緒に行動ばしとった?」
ルカ「……あんなんは偽物だ、あんなのが、二人なわきゃねえ……!」
恋鐘?「んー……ルカん気持ちは分かるけど、話し方も体の動かし方も全部二人のそのまんまだったばい?」
ルカ「だとしてもだ……中身が、まるっきり別もんだっての……!」
恋鐘?「それはルカがそう思いたい、ってだけの話とやろ?」
ルカ「なっ……ちげーよ! オマエも283の人間ならわかんだろ! 美琴もにちかも……人の死を嘲るような下品で始末に追えないやつなんかじゃないって!」
恋鐘?「だから、それが推測に過ぎないって話ばい。目の前で話してる相手が何を考えているのかも本当の意味では分からん」
恋鐘?「相手がどんな人物か、なんてエスパーか神様でもないと読み取ったりなんか出来んからね!」
ルカ「うっせえ……それ以上美琴を穢すならタダじゃおかねえからな」
恋鐘?「んー……ルカも結構剛情やね……」
不可解と不快で募った苛つきに解答は与えちゃくれない。
私の見ていた夢が何かについて、具体的な言及はまるでせずに月岡恋鐘は自分の言いたいことだけを押し付ける。
恋鐘?「まあ、こんな押し問答に意味はなか! さっさと本題に入るばい!」
ルカ「本題……?」
恋鐘?「ルカは今ウォークラリーばしとる最中! うちはルカに最後のパスワードを伝えるためのチェックポイントでしかなかもん」
ルカ「ああ、そういやそうだったな……」
恋鐘?「それじゃあ早速言わせてもらうばい! パスワードは……『0816』の数字4桁! ちゃんと覚えて帰ってね!」
ルカ「……? なんの数字だよ、それ」
恋鐘?「うーん……うちにも意味は分からん……」
ルカ「はぁ……?」
恋鐘?「ま、とりあえず伝えることは伝えたばい! これで用件はおしまい!」
傲慢にもここで背を向けた。
話したいこと以外話す気はないという意思表示なのだろう。
ルカ「は?! ちょ、ちょっと待てよ! どこに行く気だ?!」
思わずその左腕を掴んだ。
手の中に伝わる熱の感触は、なんとなく気味が悪い。
恋鐘?「どこに行くも何も……元あるべき場所に戻るだけの話ばい」
ルカ「そんな無責任な話があるかよ、オマエは黒幕なんだろ? だったら今こうやってウォークラリーをさせてるのもオマエの意志のはずだ」
ルカ「オマエは私に何がさせたい? 何を伝えたい? さっきから断片的な情報ばかり与えて、何を目論んでる?」
恋鐘?「ちょっと待たんね! そげん質問矢継ぎ早にされても答えられん!」
答えられないと言う言葉には、何か含みを感じさせた。
自分の唇を噛むようにして腕をブンブンと振り回す。窮屈さを感じて駄々をこねる子供のようなそぶりだ。
そこから捻り出すような譲歩を彼女は口にする。
恋鐘?「んー……そいなら、一個だけルカに教えてあげてもよかよ!」
ルカ「……一個だけ?」
恋鐘?「時間が圧しとるから、一個だけ! ルカの質問に正直に答えてあげる!」
与えられた権利は手狭だ。
頭の中には無限の疑問符が浮かんでいる。
今の自分も過去の自分も、未来にいるはずの自分も、何もかも未知と不可解に侵されている中で、導として掴むには何が良いのか。
そんなのいくら考えても答えが出るものではない。
ルカ「……聞きたいことは山ほどある」
ルカ「だけど、その中でも一つだけ、どうしてもはっきりさせておきたいことがある」
恋鐘?「なんね?」
ルカ「……天井努だ」
それなら、と私は私自身のルーツを手に取った。
この思考の、この感情の、この言動の、根幹とも言うべきはその男への憎しみ。
他の人間なら誰しもが持つものを、持つという権利すら与える間も無く奪い去ったこの男を許しておけるはずがない。
ましてその男が凶行に走り、その凶行に感化された人間がいるとなるとその事の次第を明らかにしたいと思うのは正常な反応だろう。
恋鐘?「……!」
ルカ「私にとって親の仇とも言うべき男、あいつとオマエは繋がって……このコロシアイを仕掛けた、そういう話だったはずだ」
ルカ「オマエと天井の繋がり、それをハッキリさせろ。この前はそれをちゃんと聞く前にオマエがくたばっちまったからな」
月岡恋鐘は、表情では反応は見せなかった。
余計なことを悟らせまいとしているのか、ただ不器用なだけなのか。いまいち読みきれない。
恋鐘?「ルカが聴きたいのは、うちと社長がどんな関係かって話でよか?」
ルカ「ああ、このコロシアイを仕掛けたオマエたちについて。聞かせてもらうぞ」
深呼吸を一度してから、ゆっくりと語り始めた。
恋鐘?「ルカたちももう知っとる話やけど、社長は283プロのアイドルば対象にして行われたコロシアイの1回目の黒幕ばい」
恋鐘?「そんコロシアイは、時代を超えてみんなの希望になるアイドルを生み出すのが目的やったとよ」
恋鐘?「うちはそん思想に賛同して、社長の仲間……チーム・ダンガンロンパの仲間になったばい」
ルカ「……その、チーム・ダンガンロンパってのはコロシアイを興行にしている組織なんだろ? 天井はそこの重役なのか?」
恋鐘?「ジェネラルマネージャー……幹部とも言い換えれるばい」
ルカ「なるほどな、それで資金繰りや物資の投入が可能だったわけか……オマエもその恩恵にあやかってたのか?」
恋鐘?「社長はもう死んどるから、リアルタイムでどうこうなんて話ではなかね。でも、社長には色々と助けてもらったのは事実ばい」
恋鐘?「コロシアイのいろはを仕込んでもらったし、今回のプログラムだって骨組みは社長が作ったものでうちはそれに手を加えた形やけんね」
ルカ「オマエと社長はいつから共謀関係にあったんだ?」
恋鐘?「1回目のコロシアイよりももっと前……283プロにおる今のユニットが全部揃った頃ぐらいから」
ルカ「……そんな前からかよ」
恋鐘?「はじめは社長がうちにコロシアイの映像を見せてきて……そこで魅せられてしまったばい」
恋鐘?「コロシアイの中で生まれる希望……その力強さと気高さは、他では生み出すことはできんけんね」
ルカ「……よくわかったよ、オマエがずっと初めから狂ってたってことは」
恋鐘?「人がせっかく親切に答えたのに随分な口ぶりばい……」
コトダマゲット!【恋鐘の証言】
〔1回目のコロシアイの黒幕である天井とはユニットが揃った時からの共謀関係。恋鐘はその思想に強烈な賛同を示しており、コロシアイ運営のいろはも彼に仕込まれたものだという〕
ルカ「ああ、いや……悪い」
美琴「いいよ、にちかちゃん。大丈夫」
にちか「でも……この人! ぜんっぜん周り見てないっていうか……!」
千雪「ウォークラリーももうこれで終わりなんだもん、走りたくもなっちゃうよね」
ルカ「千雪……人をガキみたいに言うんじゃねーよ」
摩美々「今度こそこれで終わりですかぁ……? これ以上歩くのとか、もう勘弁なんですケドー……」
結華「ウサミは遺跡でパスワードを入力すれば終わりって言ってたよね?」
灯織「はい……そのはずです。パスワードは恋鐘さんから教わった『0816』。これで扉が開くといいんですが……」
風野灯織が一瞥した先には重厚な扉。
鋼鉄でできた扉には『未来』と克明に刻まれている。
智代子「問題は、それを誰が入力するかだよね……」
あさひ「わたし、入力してみたいっす!」
夏葉「待って。扉の横にマシンガンが取り付けられているのを見ても、危険の伴う行為だわ。入力は慎重に行うべきよ」
雛菜「じゃあジャンケンで決めよ〜?」
透「オッケー。私、グーね」
愛依「おっ、透ちゃんサクシ〜! じゃあうちはパー出す!」
冬優子「そんな浅知恵で挑む勝負じゃないっての……下手すりゃ死ぬのよ?」
どこまでも緊張感のない連中に忘れそうになるが、今は最終局面。
このコロシアイ南国生活の進退が決しようとしている最中、自分の命も駆け引きの材料とする覚悟を求められている。
ルカ「……私がやる」
そんなものは、とっくに備わっていた。
正確には覚悟ではなく、苛つきに近い。ここまでの横暴を許したこと、自分達を散々弄んだこと……要因は無限にある。
虫唾がフルマラソンを走る中で、このコロシアイを終わらせることができるのなら自分の命なんて安いくらいだ。
果穂「ルカさん、あぶないです!」
ルカ「いいんだよ、どうせ誰かがやらないといけない……だったらヨゴレの私がやるべきだ」
千雪「ま、待って! ちゃんと話し合いをしてから……」
ルカ「そんな時間はないだろ……今は一刻も早くこの遺跡の中を確かめないと」
結華「だとしても……! そんな、三峰たちを勝手に傍観者にしないでよ……!」
ルカ「……」
制止の声には耳を閉ざした。
おそらく何を言ってもこいつらは聞く耳を持たない。
自分達はみんな平等。
誰かを危険に晒して自分は安全圏なんてもってのほか。
だから、結論は一生出せない。
誰かが一歩踏み出せば、それを引き戻す。
お互いがお互いの命綱を握っているからこそ、彼女たちは賭けに挑むことはできないのだ。
冬優子「ルカ……あんたにもしものことがあったら夢見が悪いのよ……!」
でも、それじゃあコロシアイには勝てない。
命を賭けるという前提に成り立つ秩序の中にいるのに、そこから目を逸らしている彼女たちは啄まれるだけの餌と変わりない。
食い物にされるだけなんて私はゴメンだし、食い物にされている連中を見るのも不快。
灯織「斑鳩さん……一人で背負わないでください、私たちで別の方法を何か考えてもいいですし……」
指で一つ一つ数字を丁寧に確認しながら入力していった。
にちか「……あー、もう! なんでそうやって一人でいっつも突っ走るかなー!」
一文字でも間違えれば蜂の巣。
そのことが頭をよぎるたびに、唾液が込み上げた。
美琴「ルカ……死なないで」
ようやく……最後の一文字を入力し終えた。
ピピッ
入力パネルは全面が同時に緑色に点灯。
それとほぼ同時に扉の向こうから動作音が聞こえた。噛み合わされていた閂が外れるような音に、思わず振り返る。
愛依「……開い、た? もしかして」
ルカ「……みたいだな」
果穂「す、す、す、す……」
果穂「すごいですーーーーー!! これでウォークラリー、完全コンプリート、です!」
私に一斉に駆け寄ってくる283の連中。
さっきまで私の独断を非難し、その身を案じていたというのにすっかりそんなことは他所にやって成功に歓喜している。
両手を掴んでブンブンと振り回されるのに鬱陶しさを感じながら私は視線を逸らした。
冬優子「もう……成功したからいいものの、こんな真似すんじゃないわよ……こっちの身が持たない」
千雪「本当……心配で心配でしょうがなかったんだから」
ルカ「……誰かがやらなきゃいけなかったんだから。しょうがないだろ」
本当に、私はただ自分がやりたかったことをしただけ。
あのどうしようもない膠着を打破したくて、自分の命を差し出しただけなのだ。
それなのに、見当違いな感謝がそこら中から投げ込まれて参ってしまう。
息のつける場所を求めてそこかしこを見遣ると、一人の女と目が合った。
灯織「……斑鳩さん。ありがとうございました、そしてごめんなさい」
そいつは、これ幸いとばかりに私につむじを見せびらかした。
そこまでの角度をつけてのお辞儀など、見慣れていない。
ルカ「あ?」
溢れた声も動揺の発露に近い。
私から反応があったことを確かめると、風野灯織は上体を起こして弁明した。
灯織「あなたは283プロダクションの人間でもないのに、私たちの命を背負ってここまで連れてきてくれた。そのことには感謝と申し訳なさを感じずにはいられないんです」
なるほどその理屈は分かる。
こいつの目線から見れば、私は突如として目の前に現れた救世主にでも見えているのだろう。
だけど私にはそんな後光なんて差していない。私に付き纏っているのは常に逆光だけだ。
ルカ「別に……こっちも背負ったつもりなんかねーよ」
灯織「……え?」
ルカ「にちかの裁判の時言っただろ? 私は私がやりたいようにやるだけ。だからその過程で別の誰かの願いや希望を私が偶然叶え、思いを背負うことになったとしてもそれに引け目なんか感じなくていい」
ルカ「こっちは救おうと思ってやってるわけじゃないんだからな」
ここまでに事態が転がったのは本当にただの偶然なのだ。
偶然に283の連中に見とめられ、偶然に言葉を交わすこととなり、偶然に同じ時間を過ごした。
近づこうと思って近づいたことなど一度もなかった。それなのに、気がつけばジリジリと空間は狭まっていた。
磁力で引き寄せられるかのような、不可抗力だったのだろうと思う。
にちか「……ホント、一丁前なこと言いますよね」
ルカ「オマエはその筆頭だ」
にちか「……知ってます!」
ルカ「だから、オマエら283の連中も好きにしろ。私についてきてもこっちも何も言わねえ。歓迎の挨拶も、厄介払いの悪態もな」
だから、今更その不可抗力を弾くこともしない。
その方が面倒だし、労力もかかる。
ルカ「ほら、さっさと行くぞ」
最後まで風野灯織の言葉は受け取ることなく、私は背を向けた。
背中には、他の連中の視線を感じる。
羨望でもない、誹謗でもない。そこに帯びているものは私にはわからない。
具体的な繋がりなど何もないもの同士、その関係性を語る言葉はないはずだ。
ルカ「決着をつけるぞ」
____これで本当に終わり。そして、ここからすべてが始まる。
あさひ「じゃあ早く行くっす! もう待ちきれないっすよ!」
蜀ャ蜆ェ蟄「縺ゅs縺溘?窶ヲ窶ヲ縺ゥ縺薙∪縺ァ蜻第ー励↑縺ョ繧医?ゅ∪縺ゅ?∵ー玲戟縺。縺ッ繧上°繧九¢縺ゥ」
諢帑セ「繧「繝上ワ縲√≠縺輔?縺。繧?s縲ゅ∩繧薙↑縺ァ荳?邱偵↓陦後%? 縺ュ?」
あさひ「あははっ! 分かってるっすよ、みんなで一緒に……っすよね!」
私は孤独に、ただ一人で歩み続ける……そのことには恐怖を抱かない……とは言い切れない。
だけど、迷いはない。
自分で決めた道を途中で変えた先にある凋落を、私は知っているから。
邨占庄「縺サ繧峨?√∪縺ソ縺ソ繧薙?ゅ≠縺ィ繧ゅ≧縺。繧?▲縺ィ縺?縺九i縺包シ」
鞫ゥ鄒弱?「縺オ繧上=窶ヲ窶ヲ蟶ー縺」縺溘i縺贋シ代∩繧ゅi繧上↑縺阪c縺?縺ュ繝シ」
邨占庄「縺昴l縺ッ縺セ縺や?ヲ窶ヲ莠、貂画ャ。隨ャ?」
自分の道を歩み続ける中で、拾い上げることになった不可視の粒の数々。
これ自体には何の力もない。
卵を砕くことも、紙を破くことすらもできない。
蜊?妛「縺ァ繧ゅ?√h縺九▲縺溘↑窶ヲ窶ヲ縺ソ繧薙↑縺ァ縺薙≧縺励※隧ヲ邱エ繧剃ケ励j蛻?k縺薙→縺後〒縺阪※」
轣ッ郢「縺ッ縺??∫ァ√b逧?&繧薙?縺雁鴨縺ォ縺ェ繧後※縺?◆縺ョ縺ェ繧」
蜊?妛「轣ッ郢斐■繧?s縺ッ遶区エセ繧医?ゅ∩繧薙↑繧剃ス募コヲ繧ょシ輔▲蠑オ縺」縺ヲ縺上l縺溘@窶ヲ窶ヲ縺阪▲縺ィ螳溘j縺ョ縺ゅk逕滓エサ縺ォ縺ェ縺」縺溘→縺翫b縺?o」
でも、それは確かに存在するようで。
他の連中が言うには、
その粒は胸の中で静かに燃え盛り、
なぜか手は無意識にそれを掴み、
他の連中はそれをもっともらしく弁舌に尽くし、
それを導にして道を決めているらしい。
智代子「終わっちゃうと思うとちょっとだけ寂しさもあるね……」
譫懃ゥ「縺ッ縺??ヲ窶ヲ縺ェ繧薙□縺倶ソョ蟄ヲ譌?。後r蜈亥叙繧翫@縺溘∩縺溘>縺ァ縲√Ρ繧ッ繝ッ繧ッ縺励∪縺励◆?」
螟剰痩「縺オ縺オ縲∽サ雁コヲ縺ッ繝励Λ繧、繝吶?繝医〒縺ソ繧薙↑縺ァ譌?。後↓陦後¢繧九→縺?>繧上?縲ゅ?繝ュ繝?Η繝シ繧オ繝シ縺ォ繧りゥア縺励※縺ソ縺セ縺励g縺」
_______283の連中はそれを【絆】と呼んだ。
希望や絶望という漠然としたものではなく、明確な存在としての【絆】。
それがある限り、歩み続けることに恐怖なんてしない。
髮幄除「謌サ縺」縺溘i蟄ヲ譬。陦後°縺ェ縺阪c縺?縲懌?ヲ窶ヲ髮幄除蟲カ縺ォ谿九▲縺ヲ繧ゅ>縺?°繧ゅ↑縲」
透「それな。あるかも、一理」
髮幄除「縺ゅ?縲懶シ」
今回ばかりは私の歩む道が偶然にその【絆】に、部分的に沿っていた。
そこで意図せず繋がってしまったのだ。
ルカ「さあ、行くぞ……帰るんだ、ステージの上に」
鄒守清「縺昴≧縺?縺ュ縲∝セ?▲縺ヲ縺上l縺ヲ縺?k莠コ縺後>繧九°繧」
縺ォ縺。縺「縺薙s縺ェ縺ィ縺薙m縺倥c縲∵ュ「縺セ縺」縺ヲ繧峨l縺ェ縺?〒縺吶h縺ュ?」
だから私も、嫌々ながらその陽の下にいる。
図々しい陽の光は私たちをひとまとめに暖めながら、遥か先の一点を向いている。
その一点を目掛けて、一歩を踏み出すのだ。
_______私たちは“目的地”を、目指し続ける。
「私たちの日常を、取り返すんだ」
扉から、光が差し込んできた。
ルカ「なん、で……」
モノミ「どうしまちた? 気分が優れないみたいでちゅけど……」
ルカ「なんで、遺跡の中が此処になってんだよ……ここはモノクマロックの地下にある裁判場なんじゃ……」
モノミ「ああ、ちょっとびっくりしちゃったんでちゅね? 何も恐ることはないんでちゅ、答えはシンプルな話なんでちゅ。入口が二つあるお部屋ってだけなんでちゅよ!」
ルカ「モノクマロックと遺跡とじゃそもそも島が違うだろうが……」
モノミ「うーん……答えてあげてもいいんでちゅが、それはネタバレでちゅからね……」
モノミ「一旦、その疑問は押し入れに押し込んでおいてくれまちゅか?」
ルカ「はぁ?」
モノミ「そんなことより、これからのことを説明しないといけまちぇん! ……ね、お二人さんも聞いてくれまちゅか?」
モノミの呼びかけでまさかと思って振り返る。
ハッタリやごまかしの類かと思いきや、そこには明確な二人の影。
この島の生活を共に過ごしてきた……このコロシアイを共に生き抜いてきた二人。
あさひ「……どういうことっすか? これ。冬優子ちゃんと愛依ちゃんは……どこに行ったんっすか?」
智代子「果穂と夏葉ちゃんも……何が起きてるの?」
ルカ「オマエら……オマエらも、私と同じものを見てたのか?」
二人も私と状況は同じらしい。
さっきの今まで、死が裏返る信じ難い夢の中にいた。
そして訳もわからぬままにこの裁判場へと送り込まれている。
モノミ「あちしからのプレゼントはどうでちたか? 久しぶりにお友達と話せて嬉しかったかな?」
ルカ「……は?」
モノミ「御三方はさっきまで、死んじゃったはずのお友達と一緒にいまちたよね? それがあちしからのプレゼントなんでちゅ」
ルカ「……!」
モノミ「ほら、だってミナサンこの前の裁判で相当堪えてそうだったから! 元気だちて行きましょう、栄養剤!」
智代子「あんなの見せられて……元気を出せって言う方が無理だよ……」
あさひ「モノミ、さっきまでのはなんなんっすか? どうして二人はわたしの前に再び現れることができたんっすか?」
モノミ「さあ、どうしてでちょうね?」
ルカ「……答える気はないってか」
モノミ「さあさ、それよりもミナサンにはこれからビッグイベントが待ち構えてまちゅよ!」
ルカ「ビッグイベント……?」
モノミ「このコロシアイ南国生活における、最後の学級裁判でちゅ!」
あさひ「最後の学級裁判……?」
モノミ「黒幕の月岡さん亡き今、このコロシアイ南国生活は存続の危機でちゅ! ここで終わりを迎えるのかどうなのか、ミナサンの話し合いで決定するんでちゅ!」
智代子「私たちの話し合い……? そんなの、結論は決まりきってるよ!」
智代子「コロシアイはもう終わり! これ以上続ける理由も何もないよ!」
モノミ「あー、いや……そういうことではないんでちゅ。ここで話し合うのはコロシアイを続けるかどうかではなくて、もっと別の謎を解明してでちゅね」
モノミ「ま、やってみれば分かりまちゅ! あちしが音頭を取るのでそれに従ってくだちゃい!」
智代子「な、投げやり?!」
ルカ「なんだっていいさ」
モノミ「はれ?」
ルカ「もう……なんだっていい。この生活が終わるんだったらなんだっていい」
ルカ「さっさと終わりにしようぜ……こんなの」
この虚脱感はどこから来ているのだろうか。
美琴という拠り所を喪ったこと、
自分は目の前にいたのに救うことができなかったこと、
その後に現れた幻影に易々とつけこまれてしまったこと、
自分の感情を弄ばれてここまで運ばれてしまったこと。
無力感や自己嫌悪、ありとあらゆるマイナス感情を煮詰めて蓄えた体はいつも以上に重力を感じていた。
全身にどっしりとのしかかるものを下ろせるのなら、そのレギュレーションなど問う気力もなかったのである。
モノミ「分かりまちた! それなら早速始めまちょう! ミナサン、それぞれの席についてくだちゃい!」
智代子「う、うぅ……やるしかないの?」
あさひ「選択肢はないと思うっす。今がどういう状況なのか全くわかんないし!」
智代子「はぁ……そうだよね」
前向きなのか後ろ向きなのかもわからないスタンスで自分の席に着く。
円形に並べられた証言台には空席が目立ち、もはや代理で建てられた遺影の方が大多数。
そのあいだ間に立っている生き残り3名はいずれも沈痛な表情をしている。
さっきまで自分にとって都合のいい夢を見せられて踊らされていたのがかなり堪えている上に、これから始まる裁判は詳細が一切不明。
不安を抱くなという方が無理な話だ。
私だって例に漏れずその一人だ。
今自分の胸はかつてない程に重たい。
喉と肺には薄灰色の煙が充満して、
心臓は肋骨にぶつかりながら拍動していて、
背中に何か重いものを載せているせいで上体をまともに起こせない。
……それでも、やるしかない。
ここですべてを投げ出してしまえば、この重みに潰されてしまうだけじゃ済まない。
自分がこれまでに積み上げてきたものが根底から瓦解してしまう、そんな危惧がサイレンになって鳴り喚いている。
だから何があろうとも進むしかないんだ。
泥濘に足を取られ、脚をもつれさせながらでも。
この先に何が待っているというのか
_________誰も、何もわからないのに。
というわけでCHAPTER06の非日常編はここまで。
次回より最後の学級裁判へと移ります。
仕事が多忙気味なので、次回更新は少し先にさせてください。また告知します。
それでは最後に候補者リストのオリジナルネーミングの元ネタ答え合わせを。
風野灯織…【超高校級の占い師】飯田数秀
ゲッターズ飯田・細木和子・島田秀平から
三峰結華 …【超大学生級の写真部】蜷川卓
映画監督としても知られる著名な写真家の蜷川実花・新井卓から
田中摩美々…【超高校級の服飾委員】喜多川新菜
「その着せ替え人形は恋をする」主人公二人の名前から
小宮果穂…【超小学生級の道徳の時間】本城ハヤ太
初代ウルトラマン・ハヤタ隊員
初代仮面ライダー・本郷猛
初代戦隊ヒーロー・アカレンジャー(海城剛)から
園田智代子 …【超高校級のインフルエンサー】不破アルル
人気ブロガーARuFaのもじり
有栖川夏葉… 【超大学生級の令嬢】菱井友安
4代財閥の頭文字
桑山千雪… 【超社会人級の手芸部】四季衛児
『U19』主人公、紅童衛児
『すばらしきこのせかい』主人公の一人、シキ
糸と針を使うキャラの候補があまり思いつかなかった……
芹沢あさひ…【超中学生級の総合の時間】上蔵居鶴
カムクライズル、言わずもがな
黛冬優子…【超専門学校生級の広報委員】永瀬美奈
今の時代を牽引する女優の永野芽郁、広瀬すず、浜辺美波、橋本環奈4名から一文字ずつ
和泉愛依…【超高校級のギャル】 藤村美優
藤田ニコル・木村有希(ゆきぽよ)・池田美憂(みちょぱ)から
市川雛菜…【超高校級の帰宅部】小野田・K・ユーサク
第二次世界大戦終結後29年経って日本へ帰還した小野田寛郎氏と名曲「home」をリリースした歌手・木山裕作から
七草にちか…【超高校級の幸運】苗木誠
いわずもがなダンガンロンパの主人公
緋田美琴…【超高校級のシンガー】夜々中亜道
いわゆる夜行性と呼ばれる令和世代のシンガーたちからイメージで取った苗字+Ado
斑鳩ルカ…【超高校級のダンサー】関口小春
世界的にも評価の高いダンサー・関口メンディー
紅白の米津玄師の振り付けでも有名な振り付け師菅原小春から
>>520 >>524の両名とも大体正解ですね
特に手芸部の元ネタはよくわかりましたね……
【6章段階での主人公の情報】
‣習得スキル
・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕
・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕
・【つづく、】
〔学級裁判中発言力がゼロになった時、一度だけ失敗をなかったことにしてやり直すことができる(発言力は1で復活する)〕
・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕
・【ピトス・エルピス】
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕
・【ジャンプ!スタッグ!!!】
〔集中力を使用した際の効果が増幅する〕
‣【霧・音・燦・燦】
〔発言力ゲージが+2される〕
‣【おみくじ結びますか】
〔集中力ゲージが+2される〕
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【ファーマフラー】
【ジャバイアンジュエリー】
【オスシリンダー】×2
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【七支刀】
【オカルトフォトフレーム】
‣通信簿および親愛度
【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…5.5【DEAD】
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0【DEAD】
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0【DEAD】
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0【DEAD】
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…11.0
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…12.0【DEAD】
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…12.0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…12.0【DEAD】
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0【DEAD】
【超高校級の???】 浅倉透…12.0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…7.0【DEAD】
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…4.0【DEAD】
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
なお、希望のカケラの所持数がゼロのため、スキルの交換は今回はありません。
指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。
‣ルカの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…182枚】
-------------------------------------------------
【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕
【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕
【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕
【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕
【金の鍵】… 60枚
〔閉じかけた記憶と経験とを呼び覚ます不思議な鍵。コロシアイ南国生活の中で命を落とした仲間から得られるはずだったスキルを獲得できる〕
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
愛依と灯織選択を採用します。
本日21時ごろから学級裁判は開始予定です。
-------------------------------------------------
【金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×2、プロデュース手帳×2を購入しました!】
【モノクマメダル残り枚数……2枚】
-------------------------------------------------
【金の鍵を使いました】
【きらめく鍵が閉ざされた世界の扉を開く……】
【失われたはずの繋がりが、新たな力とともに結び直された】
【和泉愛依との間に確かなつながりを感じる……!】
【アイテム『鼬毛の小筆』を獲得しました!】
〔幼い頃から修めている書道で愛用の小筆。手入れの行き届いた毛先は何年経とうともその運筆を滞らせることはない〕
【スキル『メイ・ビー』を習得しました!】
〔学級裁判中誤答するたびに選択肢が絞られてわかりやすくなる〕
【風野灯織との間に確かなつながりを感じる……!】
【アイテム『アンケート用紙』を獲得しました!】
〔その質問はあなたを知るために。ファンからの気持ちにこたえるため、彼女はペンを執った〕
【スキル『星掬い藍仰ぐ』を習得しました!】
〔学級裁判中集中力ゲージを使用するたびに発言力を回復する〕
主人公のスキル
・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕
・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕
・【つづく、】
〔学級裁判中発言力がゼロになった時、一度だけ失敗をなかったことにしてやり直すことができる(発言力は1で復活する)〕
・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕
・【ピトス・エルピス】
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕
・【ジャンプ!スタッグ!!!】
〔集中力を使用した際の効果が増幅する〕
‣【霧・音・燦・燦】
〔発言力ゲージが+2される〕
‣【おみくじ結びますか】
〔集中力ゲージが+2される〕
‣【星掬い藍仰ぐ】
〔学級裁判中集中力ゲージを使用するたびに発言力を回復する〕
‣【メイ・ビー】
〔学級裁判中誤答するたびに選択肢が絞られてわかりやすくなる〕
発言力:♡×12
集中力:☆×7
で開始となります。
【コトダマ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
〔希望ヶ峰学園のノウハウを活かして283プロダクションのアイドルの中から新時代の歌姫を育成するプログラム。コロシアイの参加者が元々持ちかけられた計画と名前は同じだが、その実態には明確に引っかかる点がある。〕
‣【にちかの証言】
〔捜査資料に写っていた実姉・七草はづきの泣きぼくろに違和感を覚えたらしい〕
‣【行方不明の十人】
〔前回のコロシアイが起きた時から、10人の人間が行方不明となっていたらしい。今回のコロシアイの参加者のうち、前回の生き残りと透を除けば丁度10名〕
‣【チーム・ダンガンロンパ】
〔恋鐘と努が生前所属していた組織。コロシアイをエンターテインメントと定義し、リアルタイム配信を行なっていた。コロシアイを運営するのはこれが初めてではなく、既に何回もコロシアイが行われていた〕
‣【ジャバウォック島再開発計画】
〔未来機関という組織がジャバウォック島を再開発し、新たに本部を構えるまでの記録。中央の島には行政機関があったらしいが、そんな痕跡は今現在の島には全くない。未来機関が上陸時に、既に標的の姿は島になかったという〕
‣【プログラムエラー】
〔何らかのシステムにおけるエラーメッセージ。システム内部に何かウイルスが侵入した事でセキュリティシステムが異常作動を起こし、外部の干渉を完全に遮断してしまったらしい〕
‣【満月】
〔この島に来てからずっと月の形は変わらないまま〕
‣【透の証言】
〔浅倉透はルカに対して、このコロシアイの参加者を集めたのは自分だと自白している。当初の希望ヶ峰学園歌姫計画は彼女とその仲間が計画したものであるらしい〕
‣【オリジナルの浅倉透】
〔この島にいる浅倉透の元となったオリジナルは既にコロシアイで命を落としている。コピー体の浅倉透はどうやらその事実を認識していなかったらしい〕
‣【候補者リスト】
〔今回のコロシアイの参加者から恋鐘と透を除いたメンバーと、他の誰かの名前が書き連ねられたリスト。才能の他に異様なまでに細かい個人情報が付記されている〕
‣【被験体α】
〔捜査の中で見つけた怪しい実験記録。『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』〕
‣【透の外部との通信】
〔第一の事件の前日、透はエレクトボムを使用して黒幕からの干渉を拒絶した上で島の外の人間と連絡を取っていた〕
‣【Aへのメール】
〔ウサミのウォークラリーの末にロックを解除したノートパソコンに入っていたメール。『A』という人物が組織の意向に背いて独断で動いた旨が記されている〕
‣【島の電波環境】
〔ジャバウォック島には電波の類が一切なく、外部から完全に隔絶されている〕
‣【冬優子の写真】
〔冬優子が裁判終わりにルカに託した一枚の写真。前回のコロシアイの生き残り5人が、今回の参加者を機械に繋いで見下ろしている様子が写っている〕
‣【方舟計画】
〔ノートパソコンに入っていた謎のフォルダ。その情報量はかなり多いようだが、ロックがかけられており解錠はできない〕
‣【恋鐘の証言】
〔1回目のコロシアイの黒幕である天井とはユニットが揃った時からの共謀関係。恋鐘はその思想に強烈な賛同を示しており、コロシアイ運営のいろはも彼に仕込まれたものだという〕
モノミ「まずは一言、おめでとうを言わせてくだちゃい」
モノミ「ミナサンはこの島にたどり着いた全16名でのコロシアイを勝ち抜いた、アイドルの中のアイドル。まさに希望の象徴である3人でちゅ」
モノミ「これからの時代を引っ張って行くのはミナサンのような存在だろうと今あちしは確信していまちゅ」
モノミ「でも、そんなミナサンの希望の輝きがどれほどのものなのか……確かめる必要がありまちゅ」
モノミ「この島での生活がミナサンにどれほどの変化を生んだのか、あちしに見定めさせてくだちゃい!」
モノミ「……というわけで、コロシアイ南国生活・最後の卒業試験を今ここに開始しまちゅ!」
(ついに……始まる)
(ここで過ごした一ヶ月弱、その中で生まれた惨劇)
(その全てを終わらせるための戦いが……!)
あさひ「ねえ、モノミ。さっきの言葉でも気になったんすけど、なんで生き残りが3人ってことになってるっすか?」
あさひ「殺し合いを生き抜いたのは、わたしと智代子ちゃんとルカさん、それに透ちゃんもいるはずっす」
あさひ「だけどこの裁判場にいるのも透ちゃんを除いた3人だけ。これってどういうことなんっすか?」
智代子「もしかして、透ちゃんが本物の透ちゃんじゃないから……?」
智代子「そんな差別は許せないよ! クローン差別だよ!」
モノミ「違いまちゅ違いまちゅ! 確かにカノジョは本物の浅倉さんではありまちぇん。でも、だからといってこの生活を生き抜いた実力をわざわざ見過ごしたりはしまちぇんよ!」
モノミ「浅倉さんには別室にいてもらってミナサンとは別の試験を受けてもらっていまちゅ。これからミナサンの挑む試験には、浅倉さんが居ると【不都合】なんでちゅ」
あさひ「不都合……?」
モノミ「はい! これからミナサンには、卒業をかけてこの島の秘密を解き明かしてもらいまちゅ!」
モノミ「この島で過ごすうちに直面した謎の数々……それを今この場所で明らかにしてもらいまちゅよ!」
ルカ「やっぱり……そう来やがったか」
モノミ「はれれ? 斑鳩さん、もう緋田さんのことはいいんでちゅか? あんなにへちゃむくれだったのに……」
ルカ「それはオマエがあんな気分悪い物を見せるからだろ……!」
(美琴が……他の連中が……生きてるような幻覚を見せやがって……!!)
ルカ「別に、吹っ切れたとかそんなのでもない……私は、自分が一番可愛いんだよ。自分が生き残るためだけに、その目的を果たすためだけの行動を取ってるだけだ」
あさひ「……ルカさんがどんな気持ちでここにいるのかは関係ないっす」
あさひ「結果としてわたしたちと一緒に戦うことになるのなら、協力して欲しい。それだけっすから」
智代子「うん! 力を貸して、ルカちゃん!」
ルカ「チッ、そんなの今更だろ」
モノミ「うぅ……あちしの涙腺がじわじわ来てるでちゅ、ミナサンの麗しき友情、これこそがあちしの見たかった理想でちゅ!」
モノミ「きっとその友情があれば、今から挑む試験も乗り越えられるはずでちゅよ!」
ルカ「チッ……友情だなんだの、連呼しやがって……安っぽすぎて言葉も出ねえ」
あさひ「それでモノミ、この島の謎を解き明かすって何をすればいいっすか?」
モノミ「あちしがこれから出す三つの質問に正しい答えを出すことができればいいんでちゅ。要は一問一答の卒業試験でちゅね!」
智代子「卒業試験……」
モノミ「学級裁判の体裁こそとっていまちゅけど、誰かを犠牲にする必要はもうないでちゅから、仲間と一緒に協力して挑んでくだちゃい!」
モノミ「それでは早速第一問!」
★このコロシアイを始めた黒幕・月岡恋鐘の正体は?★
あさひ「恋鐘ちゃんの、正体……?」
ルカ「おい、問題の意味がわからねーぞ。あいつは私たちを裏切った黒幕だったのは確かだけど、それ以上の何があるってんだよ」
モノミ「ぷすー、くすくす! それがなんなのか話し合うのも卒業試験の一環なんでちゅよ!」
智代子「うぅ……ヒントをくれる気はないみたいだね」
あさひ「だったらまずはわたしたちの知っている情報を整理するところから始めるっすよ。恋鐘ちゃんに関する情報の中に、まだ私たちに見えていないものがあるかもしれないっす」
(月岡恋鐘に関する情報か……)
(あいつの行動や目的、改めて見直してみるか)
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「いや、待て。あいつは黒幕ではあったはずだけど……私たちを拉致したわけではないはずだ」
智代子「え、あれ……?」
あさひ「あくまで私たちを拉致したのは透ちゃんとその仲間っす。その正体はまだ見えてないっすけど、このことは透ちゃん自身が認めてることっすよ」
智代子「そ、そっか……! 透ちゃんたちの元々の計画を恋鐘ちゃんが乗っ取ったんだったよね!」
ルカ「ああ、だから月岡恋鐘は元々浅倉透に誘拐されたうちの一人だったはずだ。私たちと同じでな」
智代子「そうなると今度気になるのは、どうして透ちゃんが私たちを連れ去ったのか……だよね」
ルカ「本人に聞ければ一番早いわけだが……」
モノミ「……」
ルカ「……ハァ、あいつが言ってたのはそういうことか」
あさひ「近道はダメ、ってことっすかね」
ルカ「なら、自分達でひとまず考えるしかなさそうだな。私たちをどうして浅倉透が連れ去ったのか、そして浅倉透の仲間とは何者なのか」
あさひ「そうっすね、次は透ちゃんのことについて話し合ってみるっすよ」
あさひ「恋鐘ちゃんの議論からは少し逸れちゃうけど、きっと行き着く先には恋鐘ちゃんに繋がる結論もあるはずっす」
智代子「よーし! がんばっちゃおう!」
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「この島でコロシアイを行ったのは浅倉透を除けば15人。それは間違いない」
ルカ「けど、浅倉透の組織はその全員を一気に誘拐したわけじゃあないはずだ」
あさひ「……? そうなんっすか?」
ルカ「こいつを見ろ。私たちの前に行われた、【前回のコロシアイ】その捜査資料だ」
智代子「……ッ! 私も知らないうちに参加していたコロシアイ、だよね」
ルカ「大事なのはその事後捜査の話だ。コロシアイと同時期に283プロの人間は【10人】も姿を同時にくらませている」
智代子「もしかして、今回私たちでやったコロシアイはその時から……?」
ルカ「いや、それだと数が合わねえし……前回のコロシアイ、その生存者が参加している理由の説明には不十分なんだ」
ルカ「少なくとも一気に15人が姿を眩ませたって考えるのは不適切だと思うぜ」
あさひ「そっか、そういう意味だったんっすね」
ルカ「この行方不明が今回と無関係だとは思わねえが……これだけで終わる話でもないはずだ」
智代子「ねえ、この後の続きとなる捜査資料は見つかってないんだったよね?」
ルカ「え? おう……」
智代子「だとすれば、この10人の誘拐が透ちゃんが関与していないとは言い切れないってことであってる?」
ルカ「ああ、あくまで今は一気に15人が姿を消したことの否定。あいつの行動の目的も誘拐も、否定はしちゃいないさ」
智代子「なら、この10人の行方不明の後に生存者5人をを連れ去った可能性は全然あるんだよね?」
ルカ「……」
智代子「……ごめん、少し話し合ってもいいかな? これは私たちが前に進むための議論だから」
智代子「透ちゃんにかける信用の、その進退の議論だよ」
【発言力:♡×12→11】
智代子「ううん、それじゃあ否定はできないよ」
智代子「ルカちゃんの言いたいことはわかるけど……その計画だって、ルカちゃんはすべてを知ってるわけじゃないよね」
智代子「透ちゃんの当初の目的がコロシアイじゃなかった証拠には不十分じゃないかな)
(チッ……希望ヶ峰学園歌姫計画とやらは私たちにとってもまだ謎の残るもの、証拠材料には使えないか……)
(何かもっと根本で否定できるようなものはなかったか……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×11
集中力:☆×7
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【発言力:♡×11→10】
智代子「透ちゃんと違う組織だったかどうか、恋鐘ちゃんが言ってた?」
智代子「本人がそう言ってないならまだ分からないよね!」
(……考え方は間違ってないはずだ)
(浅倉透の一味がチーム・ダンガンロンパとは別物である証拠を提示すればいい)
(……これまでの生活の中で、あいつが確実に別の組織の人間だとわかった瞬間がなかったか?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×10
集中力:☆×7
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【集中力:☆×7→6】
【集中力を使用しました】
【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】
【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】
【清らかなる星の流れが私たちを導く……】
【発言力:♡×10→11】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×11
集中力:☆×6
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【にちかの証言】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ対象の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
マジでバカやってました、すみません……
スキル効果完全に忘れてました
発言力と集中力とか全部すっとばします
ついでに次のコンマ判定行きづまることあればそれも飛ばします
許してください
-------------------------------------------------
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「浅倉透が天井努と協力関係……それはねーぞ」
智代子「え、ええ……っ?! それって言い切れるの?!」
智代子「確かに透ちゃんはずっと私たちの味方って言ってたけど……」
ルカ「あいつがこっち側なのは結構前から確定してんだよ」
あさひ「前っすか……?」
ルカ「天井努は283の連中にコロシアイを強いたクソ野郎。当然、そのコロシアイの成り行きも全部知ってたはずだ。オリジナルの浅倉透が死んでたことも、全部な」
ルカ「だとしたら当然、あいつの仲間だってオリジナルの浅倉透の死を知っているはずだ。なのに、あのコピーの浅倉透はそれを知らなかった」
智代子「そ、そういえば……ジェットコースターではじめて前回のコロシアイを知った時、透ちゃんも私たちと同じ反応だった……!」
ルカ「勿論月岡恋鐘もあん時は同じような素振りを取っちゃいたが……浅倉透とは訳が違う」
ルカ「私たちは全員であいつに詰め寄った。それでもその反応にボロは一切なかった……心からオリジナルの死に驚愕していた様子だった」
ルカ「あれは信用してもいい情報のはずだ」
智代子「……そっか、そうだよね。あんな反応、演技じゃできないよね」
あさひ「透ちゃんは島での生活の初めから、ずっと仲間だって言い続けてきたっす。その言葉をわたしは信じたいっす」
モノミ「うるうる……積み重ねた時間と信頼が紡いだ、絆のレヴューでちゅ……星の輝きどころじゃなく眩しいでちゅよ……」
ルカ「それに、天井努と浅倉透が繋がっていたんだとしたらあいつの言葉に大きな矛盾が生じることになるんだよ」
智代子「えっ、何かそんな矛盾した発言なんていつ……」
ルカ「記憶にも新しいあいつ自身の自白だよ」
あさひ「……」
-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
ルカ「オマエだ!」
【解!】
ルカ「今回のコロシアイを引き起こした黒幕、月岡恋鐘だよ」
智代子「恋鐘ちゃんの自白……」
あさひ「恋鐘ちゃんの発言で重要なのは最後の最後に言い残した、恋鐘ちゃんの所属する組織のことっす」
智代子「アンティーカ……?」
ルカ「じゃなくて……チーム・ダンガンロンパってやつだよ」
《恋鐘「そう! うちも社長も、チームダンガンロンパのメンバーやけんね!」》
ルカ「月岡恋鐘と天井努はその組織でつながっていた。浅倉透までその所属だとしたら、月岡恋鐘が計画を乗っ取ったっていう構図に矛盾が生じちまうだろ?」
智代子「た、たしかに……透ちゃんと恋鐘ちゃんは敵対してる感じなんだもんね……」
あさひ「敵対かは分からないっすけど、協力してメリットがある関係ではなかったはずっす」
あさひ「同じ組織に属してる人間同士とはちょっと思いづらいっすよ」
智代子「うーん……じゃあこのコロシアイには二つの組織が絡んでいるってことなのかな?」
ルカ「ああ、その二つの組織の存在ならもうわかってるよな」
あさひ「このコロシアイを仕切っていたチーム・ダンガンロンパ。それにジャバウォック島を再開発した組織の未来機関っすね」
智代子「未来機関……そういえばそんな名前も聞いたような」
ルカ「多分浅倉透はその未来機関に属する人間なんだろうな。こっちの組織はまだまだ不明な点が多い訳だが……」
ルカ「チーム・ダンガンロンパの方はある程度知れているはずだ」
智代子「じゃあ今度はそのチーム・ダンガンロンパ について話し合ってみるんだね?」
あさひ「やっと恋鐘ちゃんの正体を解き明かす議論っぽくなってきたっすね」
モノミ「……」
(チーム・ダンガンロンパ……このコロシアイを仕切っていた連中の母体)
(つまりはあのモノミにも強い関係のある組織ってことだ)
(……絶対に、その組織の全貌を解き明かしてやる!)
ルカ「それは違うぞ!」
【解!】
ルカ「あいにくとスマホは没収されてるせいで、詳しい事の次第はわからねえわけだが……」
ルカ「この島はミステリなんかでよく聞く、絶海の孤島っていう条件には当てはまってるもんだと思うぜ」
智代子「えーっと、それってつまり……この島は外部とのつながりが遮断されてるってこと……?」
ルカ「おう、ついさっき……モノミに最悪な幻覚を見させられてる時、私たちは全員でノートパソコンをアンロックしただろ?」
あさひ「そうだったっすね、島を巡ってパスコードを集めたっす」
ルカ「その結果開いたパソコンは外部に全く繋がっていなかった。それ自体はまあおかしなことでもないけど」
ルカ「そもそも電波が一つも拾えないってのはおかしな話だろ。端末によって拾える電波の強さには差異があるとは思うけど……」
ルカ「チーム・ダンガンロンパがコロシアイを生中継しようってんなら電波が一つも感知できないなんてことはないはずだ」
智代子「な、なるほど……」
智代子「あれ? でもそうなると、どうやってチーム・ダンガンロンパはコロシアイを中継してたの?」
あさひ「そもそも中継なんかしてなかったんじゃないっすか? この島のあちこちに監視カメラはあったっすけどそれが外にデータとして持ち出されていたかどうかは話が別っす」
智代子「そうか……ただの私たちの監視目的だったんだね」
ルカ「まあ監視カメラの本来の目的はそれだからな……」
智代子「でも、それならチーム・ダンガンロンパは今回は中継放送をしなかったのはなんでなのかな?」
智代子「組織が興行にしてきたコロシアイと私たちの参加したコロシアイ、何か違うのかな?」
(今回のコロシアイとこれまでのコロシアイの違い……か)
あさひ「肝心のこれまでもコロシアイがわからないから、比較もできないっすね」
あさひ「だったら、今回のコロシアイについてもっと考えてみるしかないっすよ。そしたら、何か際立っておかしなところがあるかもしれないっす」
ルカ「……だな」
智代子「与えられたカードで勝負するしかない! ……ってやつだね?」
智代子「よーし、それじゃ張り切っていっちゃいますよー!」
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「いや……おかしいぞ、あいつの証言って、めちゃくちゃ変じゃないか……?!」
智代子「ど、どうしたのルカちゃん?!」
ルカ「なあ、コロシアイを生中継してないって話はついさっきしたばかりだよな?」
あさひ「そうっすけど……それがどうかしたんっすか?」
ルカ「その結論に至ったのはこの島には外部接続できる電波が一切存在しないから。ノートパソコンで無線の一つも何も拾えなかったからだ」
ルカ「だとしたら浅倉透の七草にちかの事件の時の証言って……めちゃくちゃおかしなことを言ってないか?」
智代子「透ちゃんの証言……?」
《透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」
摩美々「……それは、認めたってことでいいのー?」
透「えっと……うん、大体は。にちかちゃんの言う通り」
結華「と、とおるん……? それ、本気……?」
透「え、うん」
智代子「に、にちかちゃんが聞いたっていう話も全部本当なの?!」
透「マジ」
愛依「そ、そんな……で、でも透ちゃん、別に悪い人と話してたわけじゃないんでしょ?!」
愛依「だ、誰と話してたん?! う、うちらの味方なんでしょ?!」
透「……言えないんだよね、トップシークレット」》
ルカ「一切の電波が遮断されている場所で、どうやって外部と連絡を取るって言うんだよ」
智代子「あっ……!」
あさひ「いや、そうとも限らないっすよね。アマチュア無線とかなら電子機器とは使う電波も違うし、もしかしたら外部と繋がった可能性だってあるっす」
ルカ「アマチュア無線……」
あさひ「平たく言えばトランシーバーみたいなものっすね。Wi-Fiとかモバイルデータ通信を利用しなくても通話が可能なんっすよ」
智代子「こ、これってどうなるの……? 透ちゃんの行動に矛盾はないってこと……?」
ルカ「いや、その可能性は低いんじゃないか。私たちの知っている通り、浅倉透は一度エレクトボムを黒幕……月岡恋鐘に一度取り上げられている」
ルカ「トランシーバーなんて分かりやすい通信手段を使っていたんだったらそれも合わせて回収する方が自然じゃないか?」
あさひ「……だとしたら、透ちゃんは逆にどうやって外部と連絡を取ってたんっすか?」
あさひ「ルカさんの言ってることってつまり、エレクトボム以外に何も使わない方法で連絡を取っていたってことっすよね?」
智代子「エレクトボム以外に何も使わない方法……? そ、そんなものがあるの……?」
(……ああ、最初から違和感を覚えていたんだ)
(外部との連絡を取っていたことも自白した相手から取り上げるのが、干渉を妨げる道具だけだなんて)
(……でも、一体どうやるって言うんだ? そんな方法なんて、どこに……?)
ルカ「……悪い、私もその方法までは」
あさひ「……とりあえず今のところはこの矛盾は矛盾として置いておくしかなさそうっすね」
あさひ「ジャバウォック島は外部と繋がる電波が何もないけど、透ちゃんは外部の人間と何らかの手段を用いて連絡を取っていた」
あさひ「それを事実として置いといたまま次に進むっすよ」
智代子「えっと……今の推理の本筋は……」
智代子「そうだ! コロシアイを配信する組織のチーム・ダンガンロンパがなぜこの島でコロシアイを始めたのか、だったよね!」
ルカ「よく覚えてたな、砂糖漬けの脳みそにしては上出来だ」
(今回のコロシアイ……前回のコロシアイとも何かしらの繋がりがあるはずだ)
(胸糞悪いこの組織……一体何を考えてやがった?!)
【集中力:☆×7→6】
【集中力を使用しました】
【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】
【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×6
コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」
智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは【不自然】だよね」
あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」
あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」
あさひ「その【目的】さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」
ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」
ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」
智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【発言力:♡×12→11】
あさひ「希望ヶ峰学園歌姫計画、これってチーム・ダンガンロンパの目的なんっすか?」
あさひ「それがコロシアイと矛盾してるっすか?」
あさひ「よくわからないっす、チーム・ダンガンロンパの全貌も見えてないのになんでそんなことが言えるっすか?」
(チッ……可愛くないガキだ)
(だけどこいつの言うことも一理ある……チーム・ダンガンロンパの目的って、本当に月岡恋鐘の証言通りなのか?)
(まだ私たちが見落としている……何か別の可能性はないのか?)
【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】
【コトダマの数が減少した!】
【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】
【ロンパ候補の発言の数が減少した!】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×11
集中力:☆×6
コトダマ
‣【Aへのメール】
智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」
智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは不自然だよね」
あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」
あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」
あさひ「その目的さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」
ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」
ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」
智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
↓1
【集中力:☆×6→6.5】
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「今回のコロシアイの舞台になったジャバウォック島の電波環境、それにエレクトボムの存在を放置したこと」
ルカ「この二つを見ても、今回のコロシアイはこれまでの通り興行としての目的は薄かったんだろうな」
あさひ「何かチーム・ダンガンロンパには他に目的があったってことっすね?」
ルカ「いや、そうじゃない。他に目的があったのは……今回の黒幕だ」
智代子「う〜ん……? それって何が違うの?」
ルカ「黒幕という言葉が示すのは月岡恋鐘1人だけ。あいつの所属する組織とは別だよ」
ルカ「今回の捜査中発見したメールだ、これはチーム・ダンガンロンパから『A』という人物に宛てて送られたメールらしいんだが……中身を見てみろ」
智代子「こ、これって……組織からの、離反……?」
ルカ「ああ、どうやらチーム・ダンガンロンパの意志とは異なる方向性で暴走する舵取りをした人間がいるみてえだな」
ルカ「これは偶然かもしれないが、月岡恋鐘と繋がっていた前回のコロシアイの黒幕……天井努のイニシャルも丁度Aだ」
あさひ「前回のコロシアイと今回のコロシアイ、共にチーム・ダンガンロンパの思惑とは無関係に行われたコロシアイだったってことっすか?」
ルカ「このAって人間は組織からの再三の忠告を無視して単独行動をおこなっていたらしい」
ルカ「きっと、組織の資金力や資本力なんかを頼りにして……踏み台にしてやったつもりなんだろうな」
智代子「天井社長がこのAって人物と同一なら……前回のコロシアイもその目的のためだったことになるんだよね?」
智代子「その目的って……」
(天井努が前回のコロシアイで目指した目的……)
(きっとそれは今回のコロシアイでも通じる話だ)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
【発言力:♡×11→10】
(いや、そうじゃない……天井努が前回のコロシアイで実現を目指した計画はこれじゃなかったはずだ)
(希望ヶ峰学園歌姫計画はあくまで見せかけの舞台設定で、本当の狙いはもう一つの計画じゃなかったか?)
(……ん?)
(今、私なんで……)
(天井努が前回のコロシアイで目指した目的……)
(きっとそれは今回のコロシアイでも通じる話だ)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「今回の調査中……気になる資料を見つけたんだ」
ルカ「私たちが元々この島に連れてこられたのは、【希望ヶ峰学園歌姫計画】とかいう計画だった。それはそこにいるモノミ自体が言ってたことだし、それ自体に嘘はねえんだろう」
ルカ「ただ……それとは別に、気になる名前の計画の存在を見つけてな」
智代子「ルカちゃん、その計画っていうのは……?」
ルカ「方舟計画、だとよ」
ルカ「私でも知ってる神話に似たような名前の話があった。身勝手な神が世界を濁流で飲み込んじまう中、神のお気に入りの人間と、その周りの存在だけが方舟に匿われて助かった……そんな話だった」
ルカ「この計画も、そんなクソみてえな神話に近いニュアンスの計画らしい」
智代子「え……? で、でもコロシアイを強いられていたんじゃ、私たちは匿われるどころか危険に晒されてるんじゃ……」
ルカ「私たちは、方舟の『ガワ』なんだよ。本当に守りたいものは、私たちじゃない」
ルカ「私たちはそれを守り続けるための容器なんだ」
あさひ「ルカさんには、計画の全貌が見えてるんっすね」
あさひ「教えてほしいっす、天井社長と恋鐘ちゃんが実現を目指した方舟計画、その狙いを」
(……方舟計画、その全てを私が知っているわけではない)
(でも、これまでに集めてきた情報から、その姿は見えてきつつあるはずだ)
(あいつらが方舟に入れて守ろうとしたもの)
(この世界に持ち込もうとしたもの、その正体が……!)
【正しいコトダマを選べ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「……2人に聞いてもいいか?」
ルカ「この島に来た時、最初の目的はなんだって聞いた?」
あさひ「それ、さっきも言った通りっすよ。希望ヶ峰学園歌姫計画で、新時代のアイドルを作り出すための候補にわたしたちが選ばれたっす」
智代子「う、うん……! 私もそう聞いて、ここにいるんだけど……」
ルカ「それじゃ、もう一つ訊いていいか?」
ルカ「その、希望ヶ峰学園ってのは……なんだ?」
智代子「え……? ル、ルカちゃんどうしちゃったの? 希望ヶ峰学園のことを知らない人なんて、今時いないよ!?」
智代子「これからの時代を引っ張っていく、まさに希望の象徴となるような人材を育成するための国家レベルの予算が投入されている最先端教育機関……それが希望ヶ峰学園でしょ?」
智代子「実際、ここを卒業した学生はあらゆる分野で活躍してて……」
ルカ「その、実際の学生ってのは……誰のことを指してる?」
智代子「な、なに……そんな詰め寄るような……」
ルカ「いいから……!」
智代子「え、えっと…………」
智代子「あ、あれ……?」
智代子「ど、ド忘れしちゃった……のかな? で、出てこないや……あさひちゃん、どう?」
あさひ「これ……どういうことっすか?」
あさひ「わたしも智代子ちゃんと同じっす。希望ヶ峰学園の存在、そしてそれがどんな学校なのかは分かっているのに……不自然に、その関連情報に思い出せない部分があるっす」
あさひ「まるで、そこだけ綺麗に抜き取られたみたい……」
あさひ「……いや、違う」
あさひ「最初から、そこに何もなかった……みたいに」
智代子「……へ?」
ルカ「……二人とも、今度はこれを見てくれ。これは『候補者リスト』と銘打たれた書類で、希望ヶ峰学園の生徒が十数人書き連ねられているリストみたいなんだが……」
智代子「この人たち、私たちとおんなじ才能を持ってるんだね。……というより、もしかして私たちの才能に合わせて、集められた……?」
あさひ「それよりも、このリストなんだか変じゃないっすか? 生徒さんの名前、身長に体重、住所……個人情報が入ってるのは分かるんっすけど、性格や考え方、社交性とか人となりまで細かすぎるぐらいに書いてあるっす」
あさひ「これじゃ名簿っていうよりも、【設定資料】っす」
ルカ「ああ、全くもってお前のいう通りなんだよ。このリストはあまりにも内容が細かすぎる。プライバシーの侵害どころじゃない領域まで踏み込んで書かれていて……こんなのって、他者がそう容易に書けるような内容じゃない」
ルカ「張本人か、それに近しい親族とかでもない限りはな」
智代子「じゃあご家族の協力のもとに、これが書かれたってこと?」
あさひ「……ルカさん、さっきの質問ってそういうことだったっすか?」
智代子「あさひちゃん?」
あさひ「さっきルカさんは希望ヶ峰学園の記憶そのものに疑問を持っていることを共有した。それに加えてこのリストの提示、となるとその二つを繋ぐある可能性が浮き上がってくるっす」
あさひ「全部全部、作り物っす」
あさひ「希望ヶ峰学園なんて学校も、そこで学んでいた生徒さんたちも、このリストに載ってる人たちも、全部全部作り物」
あさひ「フィクションってことっす」
智代子「い、いや……いやいやいやいや……」
智代子「そ、そんなの……流石に飲み込めないといいますか、突飛すぎて、信用するとかしないとか、それ以前の問題と言いますか……」
ルカ「私だって未だに半信半疑……いや、頭は理解を拒んでるレベルの話だ」
ルカ「希望ヶ峰学園という存在は、ちっちゃい頃から頭に染み付いていた感覚なんだ、だけど……その記憶に存在する綻びを看過はできない」
智代子「で、でもそんなの……あり得ないよ! 2人のいうことが本当だとしたら、私たち全員の記憶を改竄したってことになるよね?!」
智代子「記憶を改竄だなんて……そんなの出来っこ……」
ルカ「何言ってんだ、それが可能なことは誰よりもオマエが1番よく知ってるだろ」
智代子「え?」
ルカ「オマエは前回のコロシアイの生き残りサマだろ」
智代子「あ……!」
あさひ「それに、この島に来るまでの記憶がわたしたち全員から抜け落ちてる。ただ意識を失ってただけじゃ説明がつかない出来事っすよ」
ルカ「任意の記憶を抜き取ることができるなら、その逆だって不可能じゃないかもしれない。少なくとも今はその可能性を放り捨てるのは賢い選択じゃないと思う」
智代子「だ、だとしても……そんなの、通しちゃったらこれまでの推理も何もかも……無駄になっちゃわない……!?」
ルカ「やめろ、思考を放棄するな」
智代子「……!!」
ルカ「これまでに積み重ねたものがつき崩れるんだったら、その崩れ落ちた瓦礫の隙間から見えて来るもんだってあるはずだ。この暗中模索の状況下で、思考を放棄したらその瞬間全部終わっちまうぞ……!」
あさひ「……いったんここで整理をするっすよ」
あさひ「わたしたちは希望ヶ峰学園歌姫計画を主導する透ちゃんとその仲間によってこの島に連れてこられた」
あさひ「そこで天井社長の遺志を受け継ぐ恋鐘ちゃん、モノクマ、モノミによって透ちゃんたちの計画は乗っ取られてしまった」
あさひ「チーム・ダンガンロンパの力だけ利用し、組織とは断絶状態だった社長たちは方舟計画という別の計画の実現を目指していた」
あさひ「その計画には『希望ヶ峰学園』という架空の学園、そして『候補者リスト』に記載される個人情報にしても詳しすぎるリストが必要だった」
あさひ「ルカさん、そろそろ教えてもらっていいっすか? ルカさんの考える、方舟計画の全貌について」
(……月岡恋鐘自身が、最後の最後に言っていたことではあるんだ。希望の象徴であるアイドルを作り出すって)
(でも、その言葉の本当の意味を私たちは理解しちゃいなかった。コロシアイを乗り越えたことで強くなった私たちの事、なんて都合のいい解釈に縋って、そこより先に進むことをさぼっていたんだ)
(あいつの本当の目論見は、こんなもんじゃない……!)
-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】
〔く/く/ん/か/の/か/う/じ]を入れ込む計画
【正しい順番に並べ替えろ!】
↓1
ルカ「これだ!」
【解!】
智代子「こ、これは……何かのレポート用紙……? これまでの書類とはちょっと雰囲気が違うね……何かの実験で使ったもの、なのかな」
あさひ「そうっすね、多分実験っすよ」
あさひ「さっきルカさんが口にした計画の」
ルカ「ああ、ここに書いてあるのは別人の人格を被検体αと言われる人物に入れ込んだ、その実験の記録だ」
ルカ「機密情報なのか所々が隠匿されている様子だが、入れ込む予定の人格と入れられる人間の人格との間には親和性があったらしい。そのおかげで入れ込んだとしても拒否反応が起きづらい……ってよ」
智代子「そ、それじゃあルカちゃんの考える方舟計画は、実際に行われてたってことになるの……!?」
あさひ「前に本で読んだことがあるっす。人っていう存在は記憶によって作り上げられるものらしいんっすよ」
あさひ「ちっちゃい頃にどんな人とどんな話をして、どんなところでどんな遊びをして、どんな学校でどんな勉強をして……そういう記憶が積み重ねられることで一人の人間が完成するんだって」
あさひ「だから、逆に言えばその記憶さえ得ることができれば、もう一つの人格を獲得したも同然だと思うっす」
ルカ「……あの候補者リストって一人ひとりの人間に対して異様に詳しい記載があったよな」
あさひ「それに、わたしたちは知ってるっす。本来別の人間だった存在が、本物とほとんど変わりない人格を獲得し、その人になった成功例を」
智代子「透ちゃん……!」
ルカ「私たちにその記憶がないだけで、本当なら常識レベルの話……だったのかもしれない。DNAをいじってクローンをつくるなんかよりもっとずっと単純なレベルの話」
ルカ「成りたい人間、この世に存在させたい人間がいるなら……その人格を別の誰かに入れてしまえばいいんだってな……!!」
智代子「で、でも……たとえ同じ記憶を持っていたとしても、そう簡単にうまくいくのかな……」
ルカ「ああ、それじゃ終始しないってのはこの被検体αの書類にも書いてある」
ルカ「『適合させたい人格、その記憶をよりスムーズに適合させるにはその記憶に近い実体験があることが望ましい。より強烈で刺激的な記憶であるほど、人格同士の結びつきを強めることができる』……ってな」
あさひ「生まれ育ちが近い方が、お互いの理解が進む……とかそういう話っすかね」
智代子「記憶を貰うだけじゃなくて、肉体にもその経験がある方が適合率が上がる……理解はできる、かな……納得は出来ないけど」
モノミ「なるほど、世の先生が小テストをあんなにチマチマいっぱい作る気持ちがわかりまちたよ」
モノミ「あれは、快感だったんでちゅね。自分の作った問題を、自分の振りまいたヒントを適切に拾い上げて、その導線に従って解いてくれるエクチュタチー」
モノミ「あちしの熱い感情の中綿がうっかり零れてしまいそうなほどの快感でちゅ……!」
モノミ「でも、ミナサンお忘れじゃないでちゅか? あちしが卒業試験の第一問として提示したのは、『月岡さんの正体』でちゅ」
モノミ「『月岡さんの目的』を明らかにするだけじゃ、答えとしては不十分でちゅよ!」
ルカ「……だとよ」
智代子「そ、そっか……脱線しすぎちゃったね……」
あさひ「いや、脱線なんかじゃないっすよ。今のモノミの話、総合すれば『ルカさんの推理は今のところ全部正しい』、『その推理の延長線上に答えはある』ってことになるっす」
ルカ「……!!」
あさひ「やっぱり、希望ヶ峰学園なんか無かった。この記憶はぜんぶ嘘ってことになるっす」
智代子「そ、そんな……」
ルカ「おい、モノミ」
モノミ「はい! なんでちょうか!」
ルカ「私たちはさっきあさひが言った通りで認識していいのか? これは卒業試験の進行自体に関わる話だ、答える義務があると思うぞ」
モノミ「そうでちゅね、芹沢さんは流石の洞察力でちゅ。花マルをあげまちゅよ」
あさひ「わーい!」
モノミ「斑鳩さんの推理通りでちゅ。希望ヶ峰学園なんて存在しまちぇん、超高校級の才能なんてのも、存在しまちぇん」
モノミ「全部全部、ダンガンロンパの世界にだけ存在するフィクションでちゅ」
ルカ「チッ……やっぱりそうなのかよ……」
あさひ「……?」
智代子「あさひちゃん?」
あさひ「恋鐘ちゃんの所属してた組織の名前にもなってたっすけど、その【ダンガンロンパ】ってなんなんすか?」
ルカ「……そういえばそうだな、何度となく聞いたフレーズだけど、どういう意味の言葉なんだ?」
モノミ「あれま! ミナサン、ダンガンロンパをご存じじゃないんでちゅか?」
智代子「教えて! 全然知らないんだ!」
モノミ「しょうがないでちゅね、今回だけでちゅよ?」
モノミ「あのね、ダンガンロンパはね、サスペンシブルでエキサイティングでマーベラスな、この世界に革命を起こした伝説的なゲームの事なんでちゅ」
智代子「げ、ゲーム……?」
モノミ「平和すぎて退屈で仕方がない世界を吹き飛ばすぐらい革新的で攻めた設定のゲームで、リリース直後からカルト的な人気を博しているんでちゅ」
モノミ「プレイヤーたちと同じ目線に立つ高校生たちが自分たちの命、そして夢や希望をかけて血なまぐさくコロシアイながら友情や愛情を育んでいく……そして最後まで折れることなく立ち上がり続けて、最後には絶望を打ち負かして希望が勝利する」
モノミ「究極の勧善懲悪な物語……最高のエンターテインメントじゃないでちゅか!」
ルカ「希望ヶ峰学園や、超高校級ってのはそのゲームの中の設定なのか……?」
モノミ「はい、その通りでちゅ。だからこそゲームの中で生きる彼らはあちしたちプレイヤーにとっての希望になるんでちゅよ」
智代子「そんなゲームが……本当に、大人気なの……? 人が人の命を奪い去る、そんな光景を……ゲーム、娯楽として楽しむ人たちが……いっぱいいるの……?」
ルカ「……これも、抜け落ちた記憶なのかは分からねえ。でも、そういう娯楽を楽しむ人間がいるってのは理解はできる」
ルカ「殺人鬼の目線の独白小説、陰惨たる光景が延々続くスプラッター映画。そういう娯楽もひとつの娯楽の在り方として存在し続けて来たし、そこに今更倫理を問うような人間はいない」
ルカ「人は誰でも、そっちに振り切れるだけの素質を持っている……かもしれない」
あさひ「チーム・ダンガンロンパという組織はそのゲームのダンガンロンパをもとにして発足した組織なんっすか?」
モノミ「はい! ゲームの開発元とは母体は異なりまちゅ。チーム・ダンガンロンパという組織はコンテンツとしてのダンガンロンパに心酔した人間たちの集まりなんでちゅ」
モノミ「自分たちもあの日魅せられたコロシアイを、今度は自分たちの手で世界に広めていきたい。そういった希望を語り継ごうとする意志の集合体がチーム・ダンガンロンパなんでちゅね!」
智代子「そんな思想に、社長も、恋鐘ちゃんも賛同してたの……?」
ルカ「……信じられないだろうが、ほかならぬモノミがそれを認めてるんだ。ここは飲み込むほかない」
あさひ「……」
あさひ「……いや、ちょっと待ってほしいっす」
ルカ「……は?」
あさひ「モノミの言っていることは全部本当だと思うっす。モノミは黒幕側の存在で、かつ裁判を公平に進行する義務を背負っているから嘘はつけないはずっすから」
ルカ「じゃあなんで今止める必要が……」
あさひ「ルカさんも智代子ちゃんも、気づいてないっすか?」
智代子「な、なんのこと……?! わ、私何かまずいことでも言った……!?」
あさひ「んーと……気づいてないなら、直接ぶつけたほうが早いかもしれないっすね」
ルカ「お、おい何する気だ……あさひ!」
あさひ「二人とも、わたしの推理を聞いてもらうっすよ」
【あさひ「それは違うっすよ」】反論!
(……モノミの言うことは全部正しい)
(つまり、ルカさんの推理も全部正しいんだ。でも、ルカさんの考えてることって本当に全部正しいのかな)
(……ルカさん自身は気づいてない。それならわたしが指摘するしかないんだよね)
(よーし、やるからには本気でやるぞ!)
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 中編
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 後編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 前編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 中編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 後編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 前編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 中編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 後編
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】 完結
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 前編
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 中編
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 後編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 二章
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 三章 前編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 三章 後編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 四章 前編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 四章 後編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】五章 前編
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】5章 後編
421: 先日はすみません、少しだけ進めさせてもらいます ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:27:57.76 ID:qALyBpIn0
「……ごめんな、みんなをこんな危険なことにまた巻き込んでしまって」
422: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:28:53.38 ID:qALyBpIn0
「そ、そんな……最終的には私たちの方から志願した話ですし、謝っていただくようなことでは……!」
「みんなも事件の当事者……無傷ではないんだ。まだ治療も終わって間もないタイミング、体も疲れているだろうに……」
「疲れ……てなくはないけどさ? それよりも、みんなを助けられるかもしれないことの嬉しさの方が勝っちゃってる感じだし、全然ヘーキ!」
「……あの学園生活で、私は無力感を何度も感じさせられました。守るべきだったもの、守れたかもしれないもの……それが零れ落ちるたびに、何度も」
「××ちゃん……」
「でも、だからこそ……今この状況では、不思議と活力に満ちているんです。掌の中で何か熱いものが燃え滾っている……ここから逃げるわけにはいかないんです」
「ありがとうな、みんな……そう言ってもらえると心強いよ」
「それより×××の方こそ大丈夫なん? うちらの事件からずっと出突っぱっしょ?」
「いや、大丈夫だ。何もしないで休んでいる方が今はストレスだからな……ははっ」
「や、それ笑えないんですケドー……」
423: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:30:14.81 ID:qALyBpIn0
「あ、そろそろ見えてきたかも〜! ほら、あれじゃない〜?」
「本当だ! あの島が目的地なんですよね?」
「そろそろ準備をしないとな。同行してくれてる鎮圧部隊にも声をかけてくるよ」
「……いよいよですね」
「うぅ……やっぱなんかキンチョーするかも」
「島に賊軍はいるんでしたっけー?」
「……分からないです。みなさんがどんな状態でいるのかも、まだ」
「でも、やるしかないよ……! みんなを助け出さなくちゃ……!」
「……みんな、無茶だけはしないでくれよ」
「いや、無茶しますし……ここで無茶しないで、どこで無茶するっていうんですかぁ?」
「安全圏に引きこもってなんかいられませんよ! 私たちだって一緒に戦います!」
「……そうだよな、みんなだって戦いたいよな。勝手なことを言って悪かった」
「そうですよー、×××はいつもみたいに戦いは私たちに任せて、後はふんぞり返って司令官やってくれればいいと思いますー」
「そ、そんなふうに思ってたのか……?!」
「ふふー、冗談ですー」
424: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:31:03.72 ID:qALyBpIn0
「ねえ、もう着くよ〜?」
「あ……! すまん、急がなくちゃな」
「ふふ……戦いの直前だというのにしまりませんね」
「ま、それがうちららしいんじゃん?」
「かもねー、肩の力ほぐしていきましょー」
「みんな……絶対、一緒に帰ろうな」
「ここにいる人も……みんなも、ですね!」
「勿論です……絶対に、取り返してみせますよ」
「私たちの日常を……!」
425: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:32:02.33 ID:qALyBpIn0
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CHAPTER 06
絶望、あるいは逃げられぬ希望
非日常編
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CHAPTER 06
絶望、あるいは逃げられぬ希望
非日常編
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426: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:33:00.84 ID:qALyBpIn0
……朝だ。
空に登る陽の光が心地よく、目を開けると同時に胸に風が吹き抜けるような爽やかさ。
人々は夢と希望をその胸に抱きながら、1日の行動を開始する。
「はぁ、よく寝た……」
私もゆっくりと体を起こし、うんと伸びを一つ。
それだけの動作なのに、腕や脚には鈍い痛みが走る。
でも、今の私からすればこの痛みには愛おしさや心地よさを感じる部分もある。
外の世界では久しく忘れていた、自分を締め上げるようなこの感覚。
私の存在を何よりも声高に証明してくれるそれは、地に足をつける感覚というにふさわしい。
その痛みに体をさすりながら、鏡の前へ。メイクもなし、寝起きの髪はボサボサ。
こんな姿ファンには見せられないよな、と手入れを開始。
「眠た……」
この島にはファンなんざ一人もいないのは事実なのだが、う私だって20歳という世間では花の盛りの年齢。
それに、大前提として私はアイドルであり、カミサマなのだ。
こんなところで失望を与えるようなことがあってはならない……なんて、そんなプロ意識も、この島に来てからあいつに教わったことだ。
「最後は、赤のリップで」
427: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:34:09.53 ID:qALyBpIn0
私はどちらかというと夜型。
仕事のないオフの日は時計の針が12時を示す直前まで眠りこけていることもザラではあるけれど、
この島に来てからの規則的な生活にもいつしか慣れてしまっていた。
というのも、その影響は彼女によるところが大きいだろう。
……いや、彼女“たち”か。
ピンポーン
「……ったく、相変わらず早すぎだろ」
鬱陶しそうな口ぶりで、はにかみながら。
足取りに迷いはなく、一直線に進んで扉を開けた。
「おはよう、ルカ」
「もう、ルカさん相変わらず寝坊助ですよねー! 早くしないと自主練先にやっちゃいますよー?」
「……ハッ、悪い悪い。練習、行こうぜ。美琴、にちか」
428: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:36:59.62 ID:qALyBpIn0
-------------------------------------------------
【第1の島 ビーチ】
美琴「……よし、おしまい。お疲れ様、二人とも」
にちか「はぁ……つっかれたー! 美琴さん、相変わらず朝から飛ばし過ぎですよー!」
ルカ「おいおい、こんなので根を上げてんのか? なっさけねえな……そんなので美琴の相手が務まんのか?」
にちか「はー?! 本音と建前ってご存知ですー?!」
美琴「ふふ、いつかはどうなるかと思ったけど。二人ともすぐに仲良くなって良かったね」
「どこがだよ?!」
「どこがですかー?!」
こっちに来てからは毎朝3人で自主練するのがすっかりルーティンになった。
美琴とにちかの二人で、歪ながらも積み重ねたもの。
私が単身磨き上げたもの。
そして、私と美琴で生み出してきたもの。
それら三つを擦り合わせながら、共有と研鑽。
長らく忘れていた協力という概念を再び自分のもとに手繰り寄せる。
【第1の島 ビーチ】
美琴「……よし、おしまい。お疲れ様、二人とも」
にちか「はぁ……つっかれたー! 美琴さん、相変わらず朝から飛ばし過ぎですよー!」
ルカ「おいおい、こんなので根を上げてんのか? なっさけねえな……そんなので美琴の相手が務まんのか?」
にちか「はー?! 本音と建前ってご存知ですー?!」
美琴「ふふ、いつかはどうなるかと思ったけど。二人ともすぐに仲良くなって良かったね」
「どこがだよ?!」
「どこがですかー?!」
こっちに来てからは毎朝3人で自主練するのがすっかりルーティンになった。
美琴とにちかの二人で、歪ながらも積み重ねたもの。
私が単身磨き上げたもの。
そして、私と美琴で生み出してきたもの。
それら三つを擦り合わせながら、共有と研鑽。
長らく忘れていた協力という概念を再び自分のもとに手繰り寄せる。
429: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:38:28.52 ID:qALyBpIn0
美琴「とりあえず、休憩しよう。二人とも、少し座ろうか」
にちか「はい!!」
美琴を挟むようにして、私とにちかは横に座り込んだ。
美琴「二人とも、良くなってる。初めの頃はバラバラだったけど、すっかり息もあって。振り付けのタイミングだってバッチリだよ」
ルカ「まあな、にちかのやつ鈍臭いから合わせるのには苦労したよ」
にちか「いやいや……変な癖のついたルカさん矯正するのにどんだけかかったと思ってるんですか」
ルカ「あ? 調子乗んなよオマエ」
美琴「にちかちゃんは2回目のツイストの角度がまだ甘いかな。ルカが上手だから、教えてもらって」
ルカ「ほらな、私もそう思ってたんだよ!」
にちか「むぅ……」
美琴「ルカは手に力を込めすぎなところがあるから、随所随所で脱力を心がけて。その方がシルエットも綺麗に見えるから」
にちか「ぷっ、ダンス初心者みたいなアドバイスもらってませんか?」
ルカ「あ? ざっけんなオマエ、蓬餅みたいな頭しやがって!」
美琴を挟んでいがみ合うこの構図にももう慣れたものだ。
美琴もすっかり日常の光景といった感じで、今更言及も調停もしない。涼しい顔して、次の練習のことを考えている。
430: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:39:33.03 ID:qALyBpIn0
ルカ「大体オマエはダンス以外もそうなんだよ、飯の時も好物先に食ってガキみてえな食い方してんじゃねーよ!」
にちか「それを言ったらルカさんなんかいつも人殺しそうな目して、他の皆さん怯えてますよー!?」
ルカ「それは取り方次第だろうが! オマエの悪意が滲み出すぎだ!」
にちか「あーもう、バカバカバーカ!」
ルカ「このガキ! ガキガキガキ!」
にちか「バーカバーカあほまぬけーーーーー!!」
ルカ「このチンチクリン! 雑魚! 雑魚雑魚雑魚!」
美琴「……出し切った?」
にちか「……はい」
お互いが叫び尽くして息切れ。
それで一旦はこの喧嘩も幕引きとなる。
もう何回これを繰り返してきただろう、にちかも私も、この形に慣れすぎてもはやそこに敵意なんかない。
ただの馴れ合いとかした喧嘩ごっこに、実りはない。
美琴「それじゃあ、朝ごはんにしよう。みんな待ってるよ」
ルカ「……だな」
散々不満を吐き尽くして空いた胃袋に栄養素を流し込む。
ここまでのワンセットを、私たちは『自主練』と呼んだ。
何に対する練習なのか、いつに向けての練習なのか。
それはまだ、私たちには分からない。
それは今から作り出すもの、そして私たちの手で生み出すものだから。
にちか「ほーらルカさん! ボヤボヤしてると置いて行っちゃいますからね!」
ルカ「……チッ、うるせーな!」
431: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:42:19.68 ID:qALyBpIn0
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【ホテル レストラン】
美琴を尾にしてYの字で行進。
私とにちかはずっと道中もいがみ合いながら。
扉を二人で乱暴に開けると、キョトンとした顔して連中が出迎える。
灯織「おはようございます。シーズのお二人に、ルカさん」
千雪「おはようルカちゃん、今日も二人と一緒なのね」
ルカ「私としては美琴だけでいいんだけどな」
にちか「こっちのセリフですー!」
愛依「アハハ、喧嘩するほどナントカって言うじゃん?」
結華「もうにっちゃんとルカルカの絡みは漫才の域だからね〜」
美琴「本当にね、二人とも仲良しだから」
摩美々「ほら、さっさと席ついてよー。摩美々はお腹ぺこぺこで餓死寸前ですー」
私とにちかを仲良しということにして丸め込もうとする283の連中は気に食わない。
とんだお気楽思考、誰しもが最終的に関係性を丸い形に治めるのをよしとすると思うな。
【ホテル レストラン】
美琴を尾にしてYの字で行進。
私とにちかはずっと道中もいがみ合いながら。
扉を二人で乱暴に開けると、キョトンとした顔して連中が出迎える。
灯織「おはようございます。シーズのお二人に、ルカさん」
千雪「おはようルカちゃん、今日も二人と一緒なのね」
ルカ「私としては美琴だけでいいんだけどな」
にちか「こっちのセリフですー!」
愛依「アハハ、喧嘩するほどナントカって言うじゃん?」
結華「もうにっちゃんとルカルカの絡みは漫才の域だからね〜」
美琴「本当にね、二人とも仲良しだから」
摩美々「ほら、さっさと席ついてよー。摩美々はお腹ぺこぺこで餓死寸前ですー」
私とにちかを仲良しということにして丸め込もうとする283の連中は気に食わない。
とんだお気楽思考、誰しもが最終的に関係性を丸い形に治めるのをよしとすると思うな。
432: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:43:44.46 ID:qALyBpIn0
冬優子「ほら、さっさと座んなさい。こいつも文句ばっか言ってやかましくて敵わないのよ」
あさひ「みんな早く席に着くっすよー! もうお腹ぺこぺこなんっすもんー」
ルカ「ハッ……相変わらずガキのお守りで大変そうだな」
冬優子「他人事だと思って……」
愛依「アハハ、あさひちゃんモースグ朝ごはん食べれるから! 」
やっときたとばかりの冬優子のうんざりとした顔。
こいつのこんな顔にも見慣れたもんだ。
私の元にこんな煩わしい存在がいなくて本当に助かったと思う。
灯織「朝ご飯、お持ちしました! すみません、お手数ですが各テーブルごとに取りにきていただけますか?」
席に着くとすぐに、ホクロ女が料理の支度を終えた報告。
いつものようにテーブルに呼びかけ、私たちがそれに応じる。
にちか「あ、私行ってきますね! ルカさんはセルフでお願いしますー」
ルカ「元々一人じゃ持ってける量じゃねーだろうが。はなから行く気だ、こっちは」
にちか「風野さん、お願いします!」
灯織「はい、ではにちかさんと美琴さんの分……それとこちらが斑鳩さんと千雪さんの分です」
ルカ「……おう」
にちか「あはは、やっぱり美琴さんの担当は私ですよねー!」
灯織「あ、割り振りに他意は特になく……」
ルカ「わかってる、いちいち言うな。このチンチクリンが調子に乗るだろうが」
にちかと私で朝食を運び、再び席に着く。
美琴は簡潔に手で礼をし、千雪は年甲斐もなく「わぁ…」と声を漏らす。
433: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:44:49.30 ID:qALyBpIn0
千雪「ルカちゃん、ありがとう。今日も美味しそうなご飯ね」
ルカ「私は運んだだけだ、礼ならあのホクロ女に言いな」
にちか「風野さんの料理、確かにすごく上手ですよねー! 283でも一番じゃないですか?」
美琴「……どうだろう、アンティーカの彼女がいるでしょう?」
にちか「あー……」
ルカ「月岡恋鐘、か」
千雪「恋鐘ちゃん、本来なら私たちと一緒に来る予定だったのに……直前で熱を出しちゃうなんて残念よね」
にちか「一番はしゃいでたぐらいなのに、本当運命って残酷ですよねー。おかげさまでルカさんはお溢れにあやかれたわけですけど!」
ルカ「別に私だって来る気なんかなかったよ」
美琴「そうなの?」
ルカ「……まあ、な」
今ここにい■メンバーは283プロの中か■選■■た、■■■宿に■■■ている連中■。
私は別に28■プロの人■■■ない、今回の■■に応じ■のは事務■の■■、私の■■なん■そこに■■もない。
たまた■月岡恋鐘が病■となっ■ことで■■席が回ってきたの■。
434: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:46:44.52 ID:qALyBpIn0
ウサミ「ミナサン、今日もらーぶらーぶで何よりでちゅ!」
果穂「あっ! ウサミだ! おはようございますーーーー!!」
ウサミ「はいっ! 小宮さん朝からいいご挨拶でちゅ! あちしも朝から元気がもらえてルンルンでちゅよ」
夏葉「それでウサミ、今日はどうすればいいのかしら? この合宿の方針を示してちょうだい」
ウサミ「はい! 今日ミナサンにやってもらうのは、これでちゅ! 『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!』でちゅ!」
結華「ひらがなに織り交ぜて何やら物騒な文字列が並んでますけど!?」
透「パスワードってなんの? スマホ?」
あさひ「冬優子ちゃんのスマホのパスワードは××××っす」
冬優子「あさひちゃ〜ん、後でふゆとお話ししよっか〜」
ウサミ「ミナサンがこの島を探索しているときに発見したこのノートパソコン! 今日はこのアンロックに挑戦してもらいまちゅ!」
ルカ「パソコンのアンロックだぁ……? んなもん、片っ端から入力すりゃあ……」
摩美々「それこそ何時間かかるんですかぁ……」
ウサミ「大丈夫でちゅ! ちゃんとヒントがありまちゅからね、このシートに書かれたヒント通りの場所に行けばパスワードを手に入れるための手がかりが手に入りまちゅ!」
果穂「わぁ! それってつまり、ウォークラリーってことですか!?」
夏葉「なるほど、それなら確かに運動もできるし仲間との協力もできる。まさに合宿にうってつけね!」
あさひ「楽しそう! ウサミ、早くシートを見せてよ!」
ウサミ「はい! こちらがそのシートでちゅ! 一番最初にパスワードを解除したチームにはご褒美もありまちゅからね! 頑張って探してみてくだちゃい!」
愛依「ゴホービ……なになに、何がもらえんの?!」
ウサミ「それはクリアしてみてのお楽しみでちゅ! えへへ、みんなきっと喜んでくれまちゅよ!」
こいつの言うことなんだし、大したもんではないだろう。
至って冷静に冷めた目線を送る私とは対照的に湧き上がる連中。
つくづく私とこいつらの空気感は合わない。
435: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:48:04.24 ID:qALyBpIn0
ウサミ「ひぃふぅみぃ……ここには全員で15人いまちゅから、3人ずつで5チーム作れまちゅね!」
美琴「にちかちゃん、ルカ。いいかな」
にちか「もちろんです! 美琴さん、一緒にがんばりましょう!」
ルカ「おう、美琴。さっさと終わらせるぞ」
レクリエーションなんてのに興味はない。
無理やりに入れ込まれたこの合宿から早く撤収するためには、とやかく言わずクリアしたほうが早い。
ただそれだけの理由。
ルカ「おら、マップがあんならさっさと出しな」
ウサミ「はいっ! 斑鳩さん、ノリノリでちゅね〜!ぷー、くすくす! なんだか可愛いところ見ちゃったな〜!」
ルカ「……」
ウサミ「うぅ……冗談でちゅよ、今にも耳を引っこ抜きそうな目はやめてくだちゃい……」
ウサミの手からピンクに塗れた胃もたれしそうな地図を引ったくる。
なるほど、いくつかのヒントが書かれていて、この謎を解いて場所を導き出せばいいらしい。
436: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:49:42.56 ID:qALyBpIn0
『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!
◎ミナサンで力を合わせてパスワードを解読でちゅ!◎
第一のヒント
正義を穿つ闇の眠るところ
第二のヒント
慈愛の女神が辿り着いた果て
第三のヒント
落ちて、堕ちて、墜ちる
第四のヒント
箱入り娘が空を行く
第六のヒント
収穫祭
☆それぞれのヒントは特定の場所を示していまちゅ!』
437: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 20:50:39.85 ID:qALyBpIn0
にちか「なんですかこれ? さっぱり意味わかんないんですけど……」
ルカ「このヒントが示している場所を巡れば、パソコンのパスワードがわかんのか……美琴、どうだ? 何か分かりそうか?」
美琴「うーん……どうだろう、ウサミちゃんのことだから私たちの仲が深まるような、私たちに関連するヒントだとは思うけれど」
ルカ「あいにく心当たりはまるでないな……しょうがねえ、行き当たりばったりでどうにかするか」
他の連中も地図を眺めながら首を捻ったり、弱い声を漏らしたり。
まだ回答にすぐさまたどり着けそうな人間はいなさそうだ。
別にご褒美とやらにつられたわけではないが、さっさと課題はこなしてしまいたい。
早いところ回答を導き出して、パスワードとやらを手に入れてやるか。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆ウォークラリーについて
今チャプターでは、これまでの捜査時間に当たる形でウォークラリーを行っていただきます。
与えられたヒントの指し示す場所を推理していただき、そこに眠るキーワードを5つ集めることが目的です。
……まあ、正直その場所は考えるまでもないとは思いますが。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
ルカ「まずは第一のヒントの場所からだな……」
【第一のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
438: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/06(日) 21:27:02.06 ID:qALyBpIn0
突発なので上記安価だけ出して終わっておきます。
少し最近仕事が立て込んでいるので、確実なことは言えないのですが
今のところ11/9(火)の21:00~はいけそうなのでこのぐらいに再開の予定にさせておいてください。
ダメそうだったらまた連絡します……
『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!
◎ミナサンで力を合わせてパスワードを解読でちゅ!◎
第一のヒント
正義を穿つ闇の眠るところ
第二のヒント
慈愛の女神が辿り着いた果て
第三のヒント
落ちて、堕ちて、墜ちる
第四のヒント
箱入り娘が空を行く
第六のヒント
収穫祭
☆それぞれのヒントは特定の場所を示していまちゅ!』
【第一のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
441: 少し遅刻ですが再開します ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:11:32.83 ID:PGzGnqfO0
【正解】
-------------------------------------------------
【ホテル 旧館】
にちか「ちょっとルカさん? なんでこんなぼろっちい建物なんです? これのどこに正義の要素があるっていうんですかー……」
ルカ「うるさい、見当もつかないからには片っ端から調べていくしかねえだろ。誰も足を踏み入れそうにないこういうところにこそヒントがあるかもしれない」
美琴「……結構、埃っぽいね」
にちか「わ、わ~~~! 美琴さんはいいです、こんなところ! 美琴さんの清潔な肺が汚れちゃいますよ!」
美琴「ありがとう、にちかちゃん。でも、みんなで協力して謎は解かないと」
美琴とにちかを連れてどんどん奥へ。旧館にはまともに電気も通っていないらしく、壁伝いにようやっとで進んでいく。
一歩一歩、脚を踏み下ろすたびに床板がギイギイと軋む。
でも、どちらかというとその都度にちかのやつが文句をぶうぶうと垂らす方が耳障りだ。
ルカ「……ここ、大広間みたいだな」
しばらくすると両開きのデカい扉に行き当たった。
特に鍵などはかかっていないが、長いこと動かされていない扉には埃も溜まり、金具もその形で固定されてしまっていた。
にちか「ねえ、本気でこんなところにヒントがあると思ってますー? 無駄足、マジで勘弁してほしいんですけど……ねえ、美琴さん」
美琴「今回のウォークラリー、まるで見当もつかないから。試せることは試してみないとダメじゃないかな」
にちか「ルカさん、早く扉開けてください」
ルカ「……」
442: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:12:30.09 ID:PGzGnqfO0
重い扉を何故か一人で開けさせられ、それだけで不機嫌が五割増し。
ゆっくりと扉が開いて、大広間が私たちの前に姿を現していく。
長い間誰も受け入れていなかったであろう空間は少しの隙間からかびたような匂いを鼻へと届けた。
誰も足を踏み入れていない場所、この大広間に出入りするには今私が押し開けた扉以外には通用口も何もない。
だから、この匂いこそが本来なら不正解であることの証明になるわけだが。
この島では、私たちの常識は通らない。
時が止まったような空間、埃の被った机やテーブルクロス。
その中で不自然なほどに綺麗な状態で、【それ】はあった。
にちか「あ、もしかしてあれじゃないですか!? パスワードのヒントって!」
美琴「うん、みたいだね」
ルカ「ハッ、見たかよ……やっぱり私の勘は当たるんだ」
さて、どこから調べようか……?
1.風野灯織
2.胸に突き刺さった鉄串
↓1
444: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:16:53.28 ID:PGzGnqfO0
1 選択
-------------------------------------------------
【風野灯織】
にちか「あ、この死体がパスワードのヒントなんですかね?」
ルカ「だろうな、これ見よがしに横たえられて……こんなの、他の所にはなかったからな」
美琴「でも、どこを見ればいいのかな。これってまるっきりただの死体でしょ?」
にちか「うーん……腕とか脚とか引きちぎってみちゃいます?」
ルカ「おいおい……どこにそんな力があるんだよ」
にちか「あはは、冗談ですって!」
美琴「……少し、死体自体を調べてみようか。ポケットとかに、何か持ってるかもしれない」
にちか「流石です美琴さん! その発想は盲点でした!」
美琴の提案通り、私たちは三人で死体を足先から頭の先まで調べてみることにした。
物言わぬ人形と化した風野灯織、図々しくも全体重を私たちの手に載せてくる。
ポケットをまさぐるために動かすのも重労働だ。
-------------------------------------------------
【風野灯織】
にちか「あ、この死体がパスワードのヒントなんですかね?」
ルカ「だろうな、これ見よがしに横たえられて……こんなの、他の所にはなかったからな」
美琴「でも、どこを見ればいいのかな。これってまるっきりただの死体でしょ?」
にちか「うーん……腕とか脚とか引きちぎってみちゃいます?」
ルカ「おいおい……どこにそんな力があるんだよ」
にちか「あはは、冗談ですって!」
美琴「……少し、死体自体を調べてみようか。ポケットとかに、何か持ってるかもしれない」
にちか「流石です美琴さん! その発想は盲点でした!」
美琴の提案通り、私たちは三人で死体を足先から頭の先まで調べてみることにした。
物言わぬ人形と化した風野灯織、図々しくも全体重を私たちの手に載せてくる。
ポケットをまさぐるために動かすのも重労働だ。
445: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:18:11.23 ID:PGzGnqfO0
にちか「あ、なんですかね。この紙きれ」
にちかのやつが一枚の紙片を見つけた。
私と美琴は慌てて駆け寄り、にちかが目の前でその紙片を広げていく。
にちか「あー……またウサミの魔法か……」
するといつものように、物理法則を完全無視した動きで紙片はその姿を変えていくではないか。
どんどんとにちかの手の中で大きくなっていったそれは、やがてプラスチック製の表紙を伴った冊子状の見た目へと変貌を遂げた。
美琴「これは……何かのファイル?」
にちか「希望ヶ峰学園歌姫計画……って書いてますね。これって確か、島に来た最初にウサミが言ってたやつじゃないですか?」
ルカ「あー……なんか言ってたかもな」
≪ウサミ「そうなんでちゅ! ビッグさぷらーいず! ミナサンは希望ヶ峰学園が主催する、【希望ヶ峰学園歌姫計画】の参加者に選ばれたんでちゅ!」
美琴「これもさっき話してたと思うんだけど……」
にちか「す、すみません……完全に聞いてませんでした」
ウサミ「ミナサンもよく知る通り、希望ヶ峰学園は世界中から超一流の才能を持つ高校生を集めて才能の研究を行う研究学術機関なんでちゅ。歌姫計画はその延長線上にある、大規模プロジェクトなんでちゅよ!」
にちか「な、なんだかすごく大きな話になってきた……」
ウサミ「希望ヶ峰学園の才能研究のノウハウを生かして、ミナサンの持つ才能の種、それをアイドルとしての個性・才能まで育むことを目的とした計画なんでちゅ! 新時代のエンタメ産業をけん引するような超一流のアイドルになれるように、頑張りまちょうね!」
にちか「……!!」
(そ、そんな計画に……私が……?!)
美琴「この計画の舞台に選ばれたのがこの島ってことみたい」
ウサミ「はい! でも安心してくだちゃいね、人体実験とか人格移植だとかそんな物騒なことは行いまちぇん。ちゃんとミナサンが自分自身の力で未来を切り開けるような教育プログラムをご用意してまちゅから!」≫
446: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:19:22.92 ID:PGzGnqfO0
にちか「特にあれ以降説明はなかったですけど、今の私たちが参加してるこのレクリエーションとかもその一部なんですよね?」
美琴「多分、そうだろうね。毎日みんなと何かしらのタスクをこなすように日程が組まれているから。この合宿自体がそうなんだと思うよ」
ルカ「ま、とりあえず読んでみるか」
『希望ヶ峰学園歌姫計画』
『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』
『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』
『計画には現役の283プロダクション所属のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』
ルカ「ふーん……私たちのやってるコレって、希望ヶ峰の生徒が協力してたのか」
にちか「その割には普通の合宿と大した違いは感じないですけどねー……」
美琴「私たちの元々持っているものを引き出して伸ばそうとするプログラム……プロデューサーがこの合宿に推薦してくれた理由、なんとなくわかるな」
ルカ「……まあ、私たちの今置かれている状況の説明としては納得のいく記述……か」
(でもなんだ……? この何か引っかかるような感覚は……?)
コトダマゲット!【希望ヶ峰学園歌姫計画】
〔希望ヶ峰学園のノウハウを活かして283プロダクションのアイドルの中から新時代の歌姫を育成するプログラム。コロシアイの参加者が元々持ちかけられた計画と名前は同じだが、その実態には明確に引っかかる点がある。〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
447: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:20:51.59 ID:PGzGnqfO0
-------------------------------------------------
【胸に刺さった鉄串】
美琴「どうやらこの胸に刺さった鉄串が直接の死因みたいだね」
にちか「みたいですねー……心臓まで直接一刺しって感じっぽいです!」
ルカ「まあこれもウサミのヒントなんだろ。とりあえず抜いてみるぞ」
にちか「あ、それじゃあお願いしますー! 一思いに抜いちゃってくださーい!」
(……やれやれ)
野菜の収穫でもするかのように力いっぱいに引き抜いた。
肉を裂き、内臓を傷つけ、血液はポンプのように噴き出しながら、殊の外あっさりと鉄串は引き抜くことができた。
にちか「うわーーーー!! ちょっと、こっちまで血飛沫散ったんですけど! 美琴さん、ばっちいので離れた方がいいですよ!」
ルカ「オマエなぁ……」
呆れる私の手の中で鉄串はその姿をみるみるうちに変えていく。
長細い形状は極端に短くなり、やがてそのシルエットは扁平に。
さっきのファイルとはまた別のファイルへとその姿を変えた。
【胸に刺さった鉄串】
美琴「どうやらこの胸に刺さった鉄串が直接の死因みたいだね」
にちか「みたいですねー……心臓まで直接一刺しって感じっぽいです!」
ルカ「まあこれもウサミのヒントなんだろ。とりあえず抜いてみるぞ」
にちか「あ、それじゃあお願いしますー! 一思いに抜いちゃってくださーい!」
(……やれやれ)
野菜の収穫でもするかのように力いっぱいに引き抜いた。
肉を裂き、内臓を傷つけ、血液はポンプのように噴き出しながら、殊の外あっさりと鉄串は引き抜くことができた。
にちか「うわーーーー!! ちょっと、こっちまで血飛沫散ったんですけど! 美琴さん、ばっちいので離れた方がいいですよ!」
ルカ「オマエなぁ……」
呆れる私の手の中で鉄串はその姿をみるみるうちに変えていく。
長細い形状は極端に短くなり、やがてそのシルエットは扁平に。
さっきのファイルとはまた別のファイルへとその姿を変えた。
448: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:22:07.40 ID:PGzGnqfO0
にちか「【283プロダクション連続殺人事件捜査資料】って書いてありますよ?」
ルカ「連続殺人……もしかして、前回のコロシアイってやつか?」
美琴「……多分、ここで死んでいる彼女の参加したコロシアイのことだね」
にちか「ルカさん、早く見せてくださいよ!」
ルカ「お、おう……」
促されるままにページをパラパラと捲る。
そこに書いてあったのはこれまでの生活で私たち自身が得てきた情報と同じ記述。
参加者、死亡者、そして首謀者。
私にとっても馴染み深い名前が名を連ね、凄惨な事件の全貌を綴る。
ルカ「……こっから先は見たことねーな」
にちか「事件の、その後……です?」
美琴「このコロシアイを生き抜いた彼女たちがどうなったのかが書いてあるみたいだね」
ルカ「……どうやら生存者5人はそのまま身柄をが当局預かりになって、保護観察処分となったみたいだな」
にちか「えーっと……それって、カウンセリングみたいなやつです?」
美琴「うん、平たく言えば検査入院みたいなものだよ」
にちか「なるほど! さすが、一発で分かりましたよ!」
449: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:23:08.41 ID:PGzGnqfO0
『〇保護観察対象者:風野灯織
保護観察を開始してから二週間余りが経過。
フラッシュバックなど精神衛生に支障をきたす症状は期間中確認されず。
観察者との対話も特に問題なし。
事態認識も正常。事件で命を落とした友人らも正確に把握しており、記憶の自主改竄など自己防衛に走る様子もない。
日常生活の復帰に十分な回復を認めるものとし、保護観察を本日打ち切ると決定』
ルカ「……特にこの5人に異常はなかったらしいな。二週間余りで終わったみたいだ」
にちか「目の前で人が死んだってのに、たくましい人たちですねー」
美琴「ふふ……それを言ったら、今だって目の前に死体があるよ、にちかちゃん」
にちか「あはは、言われてみればー!」
ルカ「おいおい流石に不謹慎だっての……」
450: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:24:20.92 ID:PGzGnqfO0
『〇283プロダクション連続殺人事件の捜査状況について
主犯格とみられる天井努の経営していた芸能プロダクション『283プロダクション』から社用PCならびに私用PCを押収。
情報捜査担当者に回し、解析結果が本日到着したため、報告に挙がっていた情報をここに記す。
・本連続殺人事件を『コロシアイ合宿生活』と題して外部に公開していた確定的な証拠は発見されなかった。
海外サーバーを経由していたものと思われ、その履歴も消去されてしまっているため復元はほぼ不可能。
保護観察対象者から得られた証言の裏付けとなる根拠には欠ける。
『チーム:ダンガンロンパ』と呼ばれる組織の特定を急ぐ』
ルカ「二週間も経ちゃあ捜査も結構進んでんだな」
にちか「はぁ……ていうかうちの社長がコロシアイの黒幕ってマジでなんなんですかー……あんなダンディぶっといて中身性悪とか、普通にショックなんですけどー……」
美琴「それを言ったら今回の黒幕は恋鐘ちゃんでしょ?」
にちか「あはは、確かにー! 私たち恋鐘さんのエゴでぶっ殺されたんでしたー!」
(……さっきも見たよな、このやりとり)
ルカ「それにしてもこの『チーム・ダンガンロンパ』っての、月岡恋鐘も言ってた組織名だよな?」
美琴「うん、彼女はこのコロシアイをその組織と共謀して起こしたって言ってた。彼女自身がそのメンバーだとも言ってたね」
にちか「なんか悪趣味なシンボルマークですよねー」
ルカ「このチーム・ダンガンロンパってのは一体なんなんだろうな」
にちか「全然聞いたことないですけどねー。なんでしたっけ、コロシアイを興行としてやってるんでしたっけ?」
美琴「もう少し調べてみないといけなそうだね」
451: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:25:37.86 ID:PGzGnqfO0
『・芸能事業とは別の帳簿データを確認。
巨額が闇口座に注ぎ込まれている不正な流れがあり、当事務所の従業員・七草はづきに確認をしたところ、完全に知覚していないものだとの証言が取れる。
天井努が事務所の経営資金と別に蓄えていた金についても、その入手手段、流用先を調査するものとする。』
にちか「……ん?」
ルカ「どうした、鈴カステラ喉に詰まらせたみたいな顔しやがって」
にちか「無理やり子供扱いするのやめてもらえますー? いや、あの……なんかここ、すごい違和感あるんですけど」
美琴「……そうなの? 帳簿の管理は基本はづきさんにお任せしていたし、何もおかしなところはないように思うけど」
にちか「んー? なんだろなー、この違和感……」
ルカ「なんなんだよ、オマエがはっきりしないとこっちもなんか気持ち悪いだろうが」
にちか「……あ! このお姉ちゃん、泣きぼくろがある! お姉ちゃんにこんなほくろなんかありましたっけ?」
美琴「……言われてみると、そうかも」
にちか「うーん……あったような気もするけど……なかったような気も……いや、3:7でなかったな……」
(死ぬほどどうでもいいな……)
コトダマゲット!【にちかの証言】
〔捜査資料に写っていた実姉・七草はづきの泣きぼくろに違和感を覚えたらしい〕
452: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:27:20.10 ID:PGzGnqfO0
『・外部との通信履歴に不審な送信先を確認。
連絡は数度に渡り、一定の頻度で行われている様子。
主要通信業大手に照会するも該当はなし。
位置情報を解析し、送信先の人物と事件との関連性について追求していくことが目下の捜査方針となる』
美琴「……これ、不審な送信先っていうのが恋鐘ちゃんのことなのかな」
ルカ「可能性として高いのはそうだろうな。あいつの口ぶりからして、前回のコロシアイの時から協力関係にあったんだ。ずっとやりとりをしてたんだろうさ」
にちか「じゃあこの時に特定できてたら、私たち死ななくてよかったんじゃないですか? あーあ、日本の警察ってダメダメだなー!」
ルカ「身も蓋もねえな……」
『・本件が発生してより行方不明となっている10名との関連も併せて調査する』
ルカ「行方不明の10名……ってこれ」
美琴「私たちのこと、だよね? 多分」
にちか「あー、肝心の行方不明者の名前が黒塗りになってるー! なんでこんなことするんですかー!」
ルカ「まあ、普通に考えればこのコロシアイに参加している人間。前回の生き残り5人と私を除いた10人、だろうな」
美琴「……前回のコロシアイ、その記憶が私たちにはない。この行方不明となっている時に私たちの身に何が起きていたのかも、誰も覚えていないんだよね」
(……失われた記憶の中で、何が起きて、何が起きなかったのか)
(そしてその結果、どうして私たちがここに来ることになったのか)
(……それを明らかにしないことには、前に進めないよな)
コトダマゲット!【行方不明の十人】
〔前回のコロシアイが起きた時から、10人の人間が行方不明となっていたらしい。今回のコロシアイの参加者のうち、前回の生き残りと透を除けば丁度10名〕
453: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:29:47.45 ID:PGzGnqfO0
美琴「死体は一通り調べたけど……」
にちか「肝心のウォークラリーのヒントがないですね……」
ルカ「……そういえばそんなのやってたんだったな。死体が用意されてたあたり、間違っちゃいなかったと思うんだけどな」
死体から得られたのは私たちの置かれた状況に関する手がかりのみ。
でも、そんなことどうだっていい。
だって私たちは希望ヶ峰学園の意志を受け継ぐものであり人格を入れ込む器でしかない希望希望希望希望希望
希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希
にちか「やっぱり死体の腕とか脚とか引きちぎるしかないですってー!」
美琴「あまり気は進まないけど、そうするしかないのかもね」
ルカ「じゃあ私は頭をぶち抜くぞ」
それぞれが体の一部分を両手で持ち、今まさに力を入れようとしたその時。
手の中で冷たくなっている物言わぬ屍が、起きた。
にちか「わ、わわ?! な、何が起きてるんですー?!」
美琴「これもウサミちゃんの魔法……なのかな」
手に持っていた体の一部分は私たちの体をすり抜けたかと思うと、そのまま血だらけの体のまま私たちに正対。
そして口をモゴモゴと動かし始めた。
454: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:32:42.63 ID:PGzGnqfO0
非\ォりり
【私はただ皆さんを守りたかっただけなのに理不尽心臓に空いた穴が痛い血が漏れ出て息もできない苦しい助けて辛い』
にちか「ありがとうございますー! パスワードの一文字めは『ナ』みたいですね!」
ルカ「チッ……正解の場所なら勿体ぶらずさっさと教えやがれってんだ」
美琴「他のチームはどうなんだろう、私たちが出遅れてないといいけど」
にちか「もうここでの用事は済んだことですし、早く戻りましょう! 負けてらんないです!」
ルカ「そうするか、二つめのヒントは『慈愛の女神の行き着く果て』……」
美琴「慈愛の女神……誰のことだろうね」
どうやら私の推理は間違っちゃいないらしい。
ウサミのやつ、きっかり私たちにゆかりの深い場所をキーワードの場所に設定してやがるな。
あいつにいいように動かされているのは癪だが、ここは大人しく従って駆けずり回るしかなさそうだ。
にちか「それじゃあさっさとしゅっぱーつ!」
ヒ唹”#咦
[置いていかないで守らせて私が今度こそ守って見せるから後悔したくない手放したくない≫
ルカ「おい! 何突っ走ってんだ!」
------------------------------------------------
『慈愛の女神の行き着く果て』
【第二のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
456: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:40:21.66 ID:PGzGnqfO0
【正解】
------------------------------------------------
【第2の島 図書館】
普段自分からは足を踏み入れようとはしない場所。
この令和の時代、絵の情報だろうが活字の情報だろうがスマートフォンの中に押し込めて閉じ込められるのに、
わざわざ手間暇をかけてまで足を運ぶのは流石に手間だろう。
私が風趣を介さないつまらない若者、というわけでもない。
この時代よくいる若者が、私だ。
にちか「ルカさんって活字読めなさそ〜、読書感想文とかググってた性質ですよね?」
ルカ「なんで不正してたことが前提なんだよ、それぐらいは読んでたわ」
美琴「ルカ、本とか読むんだ」
ルカ「……」
なんとなく会話を続けたくなかったので率先して私が扉を開けた。
無駄に重厚な扉はギィという音と共に私たちを文字の世界へと誘う。
扉を開けた瞬間に、かびたような時間の止まった匂いが鼻口をくすぐった。
にちか「で、今更なんですけどどうして図書館が第二のヒントの場所なんです?」
ルカ「ああ、えっと……なんだっけな……」
ついさっきの思いつき、私には確かな心当たりがあってこの場所を選んだはず。
だというのに、私の頭にはポッカリと穴が空いていてそこから記憶が流れ出てしまったかのようで、まるでその時の記憶を掘り起こすことはできなかった。
457: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:41:18.70 ID:PGzGnqfO0
にちか「……あっ! あれ!」
でも、記憶なんかもうどうでもいい。
大事なのは過程よりも結果。
私がどんな思いつきで図書館にたどり着いたなんかよりも、今目の前に千雪の死体が転がっていることが全てだ。
にちか「死体見―――――っけ!」
ルカ「よし……正解みたいだな。千雪のやつ、腹を弓矢でブッ刺されて死んでるぞ」
美琴「彼女、最後の力で引き抜いたのかな。矢が地面に転がってるみたいだけど」
ルカ「……」
(……あ? なんだ、この感覚……)
さっきも死体は目の前で見た。
これだって、なんてことないただの死体だ。
ただの、桑山千雪の死体だ。
それなのに、なぜ私は右手で自分の胸を抑えているのだろう。
何を吐き出そうというのか、何を堪えているのか。
その答えは図書館のどの本、どのページを開いても見つけることはできないだろう。
……やっぱり、活字なんて今更クソ喰らえだ。
美琴「……ルカ、どうしたの?」
ルカ「いや、なんでもない……」
私は自分の苦悶と衝動から目を背けた。
1.死体付近に落ちている矢
2.ボウガン
3.死体の抱える本
↓1
459: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:52:18.49 ID:PGzGnqfO0
1 選択
------------------------------------------------
【死体付近に落ちている矢】
死体に突き刺さっていたであろう矢を拾い上げる。
誰かが握っていたのだろうか、本来無機質な冷たさであるはずの鉄の柱はほのかに熱を有している。
ルカ「……」
にちか「ルカさん、何をそんなにジロジロ見てるんですか? 何か気になることでもありますー?」
ルカ「いや、なんでもねーよ」
美琴「二人とも、これも正解みたいだよ」
美琴の指摘通り、私の手の中で矢はその姿をみるみると変えていく。
魔法の感触というのは随分と心地が悪い。
手に纏わりつく泡のような物質は鬱陶しいばかり、キラキラとした光の粒子も目に五月蝿い。
ルカ「……今度はなんだ? なんだかチラシっていうか、パンフレットみたいになったわけだが」
さっきまでのコピー用紙とは違ってすべすべとした手触りの紙切れ。
組織のロゴマークとは対照的に青や白で飾られて、いかにもベンチャー企業といった印象。
この外面だけの良さは、外部の人間に向けられたアピール用、なのだろう。
------------------------------------------------
【死体付近に落ちている矢】
死体に突き刺さっていたであろう矢を拾い上げる。
誰かが握っていたのだろうか、本来無機質な冷たさであるはずの鉄の柱はほのかに熱を有している。
ルカ「……」
にちか「ルカさん、何をそんなにジロジロ見てるんですか? 何か気になることでもありますー?」
ルカ「いや、なんでもねーよ」
美琴「二人とも、これも正解みたいだよ」
美琴の指摘通り、私の手の中で矢はその姿をみるみると変えていく。
魔法の感触というのは随分と心地が悪い。
手に纏わりつく泡のような物質は鬱陶しいばかり、キラキラとした光の粒子も目に五月蝿い。
ルカ「……今度はなんだ? なんだかチラシっていうか、パンフレットみたいになったわけだが」
さっきまでのコピー用紙とは違ってすべすべとした手触りの紙切れ。
組織のロゴマークとは対照的に青や白で飾られて、いかにもベンチャー企業といった印象。
この外面だけの良さは、外部の人間に向けられたアピール用、なのだろう。
460: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:54:22.70 ID:PGzGnqfO0
にちか「……『チーム・ダンガンロンパ』、これって月岡さんが言ってたやつじゃないですか?」
美琴「透ちゃんも知ってたみたいだったよね」
《恋鐘「そう! うちも社長も、チームダンガンロンパのメンバーやけんね!」
智代子「チーム……ダンガンロンパ?」
あさひ「ダンガン、ロンパ……」
透「……ちょっと待ってそれって」
恋鐘「まあ、そん辺りのややこしか話はうちが死んだ後の真相究明編でやればよかとやけん、割愛するばい」
智代子「え、ええっ?! そんな勝手な……?!」
恋鐘「チームダンガンロンパはあくまで裏方、メインはコロシアイに参加しとるみんなやけんね。そこに割くべき尺も文量もなかよ」》
《あさひ「それに、大事なことは隠したままっす。恋鐘ちゃんと天井社長のバックにいるチームダンガンロンパ。これが分からないんじゃ、何も解決してないっす」
透「その組織自体は、聞いたことある」
智代子「え、本当に……?!」
透「一応、ね。詳しいことは知らないけど、前回のコロシアイ……どころかこれまでにも何度もコロシアイを仕掛けてきたんだって」
あさひ「コロシアイって……今回と前回だけじゃないんっすか?」
透「……みたい。それを裏で取り仕切っているのがチームダンガンロンパ、とか」
智代子「そ、そんなの……聞いたこともないよ……」》
これまでの人生で一度も聞いたことがないような組織だった。
コロシアイなんてものすら人生で触れることはまずないのに、それを取り仕切っているだなんてSF小説にしてもくだらない。
もはや信じるとか信じないとか、そんな前提にすらないようなお話で、私は両手を手放してしまっていた。
それなのに、目の前の紙切れは実在だと声高に主張してくる。
461: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 21:56:34.29 ID:PGzGnqfO0
『チーム・ダンガンロンパは刺激の足りない毎日を送る皆様にこれまでにない画期的なエンターテインメントを提供するソーシャルエグゼクティブなグループです!』
『我々は人と人が命をかけて生存を争う様子を【コロシアイ】と題してリアルタイムな配信を行なっています! 平穏に飼い潰されてしまった日常に、刺激的な時間をお届け!』
『コロシアイは正真正銘の本物! 本当に実際の人間が血を流し、苦しみ、命を落としています!』
ルカ「マジでこんな組織があるってのか……?」
コロシアイ、なんて文字列と共に並んでいるのはスタッフであろう人間のお手本のような笑顔。
キラキラとした表情に血生臭い文言ばかりが並んで、その取り合わせがなんとも言えない不快感を抱かせる。
にちか「でも、確かに需要はありそうですよねー。スプラッタ映画とかって昔からコアなファンがいるじゃないですか」
ルカ「いやいや……あれは作り物だろ? 生身の人間でのコロシアイだなんて、そんなのそもそもが法を犯してて……」
美琴「だからこそ、じゃないかな」
美琴「日常の範疇から逸脱しているからこそ、人の目を引く。ラインを超えてでも見てみたい、そういうふうに思う人はそう珍しくもないんじゃない?」
ルカ「まあそうなのかもしれねえけど……」
ニ猇kkkkkk
『あははは! そうですよね、私だって人が死ぬところ見てみたいですもん! あははははは!:
深コ菟
【人のお腹を裂くとどんなふうに内臓が出てくるのかな人の首を切るとどんなふうに血が飛ぶのかな人は命を落とす時どんな声を漏らすのかな≫
¿尼Ch果
:コロシアイはもう一大エンターテインメントなんですよ無責任に人の生き死にを笑いたい惨たらしい死に様を嘲笑いたい「
ルカ「ふーん……まあそういうもんか」
私だって同じことが繰り返されるような日常には飽き飽きしているんだ。
コロシアイという刺激に飛びつく人間がいたとしてもそれはおかしくもないのかもな。
コトダマゲット!【チーム・ダンガンロンパ】
〔恋鐘と努が生前所属していた組織。コロシアイをエンターテインメントと定義し、リアルタイム配信を行なっていた。コロシアイを運営するのはこれが初めてではなく、既に何回もコロシアイが行われていた〕
1.ボウガン
2.死体の抱える本
↓1
463: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:05:30.05 ID:PGzGnqfO0
1 選択
------------------------------------------------
【ボウガン】
本が群れをなす中にひっそりと、その群れの中に姿を隠すようにして置かれたものがある。
いかにも重要そうな手がかりみたいな面をしておいて、実際は事件とは無関係な偽装された証拠だと言うのだからタチが悪い。
美琴「ボウガン……千雪さんに刺さっているのとは型番が違ったんだよね」
ルカ「おう、これを置いたのは月岡恋鐘……狸だよ。冬優子を秘密で釣っておいて、罪をこれでなすりつけようとしたわけだ」
にちか「これもヒントみたいですね、弓がなんかぐにゃりだしましたよ!」
ボウガンは飴細工のように捻じ曲がったかと思うと、今度私たちの前に突然と浮き上がる。
そこに壁などないのに、何かにぶつかり溶け込むようにして、長方形の板のような形に変わった。
それを一言で言うなら、ゲームのウィンドウだ。
にちか「うわ……なんかアルファベットと数字の羅列……これってプログラミングってやつじゃないです?」
美琴「……みたいだね、すごい情報量」
ルカ「おいおい、こんなもんパッと見せられても私たちじゃ全く意味わかんねー……」
美琴「……エラーが発生してるみたいだね」
ルカ「あ?」
にちか「み、美琴さん! プログラミング分かるんです?!」
美琴「ううん、そうじゃなくて。ほら、単純にこの一部分には〔error〕の表示があるよね?」
ルカ「あ、言われてみれば」
美琴「テキストメッセージとして出ているものだけ拾えば、少しくらいは読み解けるんじゃないかな」
にちか「だ、だったら任せて下さい! 英語は得意科目……ってほどでもないですけど、一応現役なので!」
美琴「うん、頼めるかな」
------------------------------------------------
【ボウガン】
本が群れをなす中にひっそりと、その群れの中に姿を隠すようにして置かれたものがある。
いかにも重要そうな手がかりみたいな面をしておいて、実際は事件とは無関係な偽装された証拠だと言うのだからタチが悪い。
美琴「ボウガン……千雪さんに刺さっているのとは型番が違ったんだよね」
ルカ「おう、これを置いたのは月岡恋鐘……狸だよ。冬優子を秘密で釣っておいて、罪をこれでなすりつけようとしたわけだ」
にちか「これもヒントみたいですね、弓がなんかぐにゃりだしましたよ!」
ボウガンは飴細工のように捻じ曲がったかと思うと、今度私たちの前に突然と浮き上がる。
そこに壁などないのに、何かにぶつかり溶け込むようにして、長方形の板のような形に変わった。
それを一言で言うなら、ゲームのウィンドウだ。
にちか「うわ……なんかアルファベットと数字の羅列……これってプログラミングってやつじゃないです?」
美琴「……みたいだね、すごい情報量」
ルカ「おいおい、こんなもんパッと見せられても私たちじゃ全く意味わかんねー……」
美琴「……エラーが発生してるみたいだね」
ルカ「あ?」
にちか「み、美琴さん! プログラミング分かるんです?!」
美琴「ううん、そうじゃなくて。ほら、単純にこの一部分には〔error〕の表示があるよね?」
ルカ「あ、言われてみれば」
美琴「テキストメッセージとして出ているものだけ拾えば、少しくらいは読み解けるんじゃないかな」
にちか「だ、だったら任せて下さい! 英語は得意科目……ってほどでもないですけど、一応現役なので!」
美琴「うん、頼めるかな」
464: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:06:29.81 ID:PGzGnqfO0
妙に息巻いてウィンドウを流れるメッセージを読み解いていくにちか。
言葉を辿々しく拾い集めると、恐る恐るその解答を口にする。
にちか「多分……なんですけど、このエラーは何かウイルスが混入して発生したみたいです」
美琴「ウイルス? これは病気になってるの?」
(おいおい……)
にちか「誰かが持ち込んだウイルスによってシステムに異常が起きてて……多分、外からじゃどうにもならない……みたいな感じだと思います」
ルカ「外から? プログラムに外も中もないだろ」
にちか「うるさいなー、私だってよくわかんない分野の話なんですから黙っててくださいよ」
ルカ「なっ、生意気な……」
美琴「もしかして、セキュリティの話なんじゃない? ハッキングを防ぐためのファイアーウォールとか……そういう話だったりして」
にちか「さ、さすがは美琴さん……! どこぞのニュース解説者より分かり易い解説です……!」
ルカ「無駄に喧嘩を売るなっての……」
(まあ、言い方はさておいて……ウイルスの侵入によるセキュリティ異常ってのは覚えておいてもいいかもな)
(何のシステムのメッセージかはわからないけど、外部とは完全に遮断されたことは大きな意味を持つはずだ)
コトダマゲット!【プログラムエラー】
〔何らかのシステムにおけるエラーメッセージ。システム内部に何かウイルスが侵入した事でセキュリティシステムが異常作動を起こし、外部の干渉を完全に遮断してしまったらしい〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
466: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:09:50.70 ID:PGzGnqfO0
------------------------------------------------
【死体の抱える本】
千雪が何やら大事そうに手にしている本がある。
彼女の腹部から漏れ出たものであろう血は、手のひらを経由して紙の装丁の表紙にべったりと張り付いている。
元々の表紙、そのタイトルは今からは解読不能だろう。
ルカ「……」
何故だか、私はその本から目が離せなかった。
別になんてことはない、死体が握っていただけの一冊。
それこそダイイングメッセージの一つでも蓄えた宝箱くらいの認識で足りるはず。
私が抱いているのは、一体なんの感慨なんだ。
にちか「何ボケーっとしてるんですか、さっさと検証しましょうよ」
にちかはそんな私を他所に死体から乱暴に本を引ったくる。
この本も例に漏れずウサミの魔法がかけられていたようで、血に塗れた表紙はチカチカしたピンクの光と共に移り変わり、既視感のある一冊へと変わった。
ルカ「……これって、確かモノクマの工場かなんかで見つけたやつじゃ」
『ジャバウォック島再開発計画』のタイトルに掲げられている通り、
ここに記されているのは時代に取り残された観光島・ジャバウォック島の事業再生を目指す計画書。
その先導に立つのは、私たちの前にその存在を何度か仄めかした『未来機関』だ。
【死体の抱える本】
千雪が何やら大事そうに手にしている本がある。
彼女の腹部から漏れ出たものであろう血は、手のひらを経由して紙の装丁の表紙にべったりと張り付いている。
元々の表紙、そのタイトルは今からは解読不能だろう。
ルカ「……」
何故だか、私はその本から目が離せなかった。
別になんてことはない、死体が握っていただけの一冊。
それこそダイイングメッセージの一つでも蓄えた宝箱くらいの認識で足りるはず。
私が抱いているのは、一体なんの感慨なんだ。
にちか「何ボケーっとしてるんですか、さっさと検証しましょうよ」
にちかはそんな私を他所に死体から乱暴に本を引ったくる。
この本も例に漏れずウサミの魔法がかけられていたようで、血に塗れた表紙はチカチカしたピンクの光と共に移り変わり、既視感のある一冊へと変わった。
ルカ「……これって、確かモノクマの工場かなんかで見つけたやつじゃ」
『ジャバウォック島再開発計画』のタイトルに掲げられている通り、
ここに記されているのは時代に取り残された観光島・ジャバウォック島の事業再生を目指す計画書。
その先導に立つのは、私たちの前にその存在を何度か仄めかした『未来機関』だ。
467: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:12:19.82 ID:PGzGnqfO0
にちか「うーん……でも変ですよね、この島って私たち以外にまるで人はいない感じなのに。このファイルにはずーーっと人が住んでて生活が営まれてる体で書かれてますよね」
美琴「……姿を消したにしても大規模だよね」
ルカ「それに、この島で見つけた被験体……ってのは誰の何を指してるんだ……?」
にちか「島の中央の行政施設を解体して未来機関の拠点にする……はー、かんっっぜんにサッパリです!」
ルカ「あの遺跡を作って何がしたかったのかも分からないし……マジで謎だな」
にちか「こうなったらあの遺跡に入ってみる以外なくないです? 他のことはなーんにもわかんないですし」
ルカ「おいおい、またパスワードかよ……めんどくせえな」
私たちの前に何重にも立ち塞がる謎という壁。
その一つ一つが分厚く、そして全貌の見えぬほどに高い。
美琴「……ルカ、これは前に見た書類と完全に一緒?」
ルカ「ん? おう……あさひと見た時と一緒……だな。元々この島には住んでいる人間がいて、中央の島の行政機関をぶっ潰す形で『未来機関』ってのがここに拠点を持ったらしい」
美琴「その後のこれは?」
ルカ「……『先遣部隊が上陸時、既に標的の姿は島にはなく、鎮圧自体は何ら妨害を受けることもなく成功した』」
ルカ「まあ、見たことない記述だけど……そんなに重要なのか?」
美琴「……」
にちか「なんかほんとどこまでも小学生の自由帳みたいな話ですよねー」
ルカ「どこまで信用できるのかは疑問だな……」
コトダマゲット!【ジャバウォック島再開発計画】
〔未来機関という組織がジャバウォック島を再開発し、新たに本部を構えるまでの記録。中央の島には行政機関があったらしいが、そんな痕跡は今現在の島には全くない。未来機関が上陸時に、既に標的の姿は島になかったという〕
468: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:14:38.30 ID:PGzGnqfO0
ルカ「後はこの死体ぐらいのものか……」
千雪の亡骸の近くに散らばっている物は一通り拾い上げて、その正体も確かめた。
しかしながら、まだパスワード自体は分かっていない。手がかりを残すのは、この死体だけ。
にちか「じゃあ今度こそ死体を分解しますかねー。両腕引きちぎっちゃいます?」
美琴「そうだね……その前に眼球を抉ったりして、小さなところから確かめようか」
(……)
不思議な感覚だった。
真実を知ろうとしているだけ、先に進むために探索をしているだけなのに、なぜかにちかと美琴の言葉の一つ一つに胸がざわつく。
そんな感情は無用な感情だ死体は死体でしかないそんな感慨なんて抱いたところで無意味
屍を踏み越えて私たちは先に進む希望に停滞はない希望に行き止まりはないただ前に進むだけ
ルカ「よし、それじゃあ舌をペンチでぶっこ抜くところからだな!」
死体をぶち壊して情報を啜ろうとしたその一歩手前。
またしても死が裏返った。
美琴「……!」
踟¡逝キ
|私が一■黙って■■ばい■罪■背■って■を閉ざしてい■■誰も傷つ■ない私だ■■犠牲に■ればいい
にちか「あ、またパスワード教えてくれるやつですかね! ほら、早く言っちゃってください! ゲロった方が楽になりますよ!」
ルカ「取り調べじゃないんだから……」
チ$裄:;
■を貫く鉄芯が■■い本当■■れでよか■たの■な私が■■意味はあっ■のかな■が信じ■あげ■■よかったの■な私は疑うこ■を■■てよかっ■のかな
美琴「パスワードは『モ』……ありがとう、後はもうゆっくり休んで」
ルカ「これで2個目、か」
にちか「このペースじゃ日が暮れちゃいますよ! さっさと次行っちゃいましょう!」
私たちがパスワードを獲得すると、千雪はその場に崩れ落ちてまた物言わぬ骸に戻った。
死体を傷付けずともヒントが得られた。そのことに安堵せずにはいられない自分がいたが、二人には悟られないように取り繕っていた。
469: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:16:11.54 ID:PGzGnqfO0
美琴「次のヒントは『落ちて、堕ちて、墜ちる』……」
にちか「どこか高いところなんですかねー……? 崖の上とか!」
ルカ「今日は火曜日でもないしサスペンスでもないぞ。それにこの島にそれらしい崖なんかないだろ……」
(まあ高いところってのは間違いなさそうだな……考えてみるか)
------------------------------------------------
『落ちて、堕ちて、墜ちる』
【第三のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
471: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:22:27.88 ID:PGzGnqfO0
【正解】
------------------------------------------------
【第3の島 病院 駐車場】
西部劇を思わせる荒野に突如として現れるコンクリートの絨毯。
すっかり砂をかぶっているため、その表面はざらついており、ソールが叩いてもコツンという足音には雑音が混じる。
高所とは真逆の印象もあるこの場所に、なぜ足を運んだのか……相変わらず自分自身でもわからないままだ。
にちか「えー、病院? どこか体でも悪くしてるんですかー?」
美琴「ルカ、どういう推理なの?」
ただ、その不可解はすぐに接頭語も外れることとなる。
ルカ「……ビンゴみたいだな」
私たちの前に現れたのは血の海に正面から顔を浸し、うんともすんとも言わなくなった三峰結華の死体。
その頭上をハゲタカが獲物を狙うように、ドローンが飛び交っていた。
にちか「うぇー……なんかあの死体、顔面グロい感じになってる気じゃないです……? ルカさん、ちゃっちゃと捲って見てきてくださいよ」
ルカ「私はオマエの小間使いじゃねえぞ……チッ、とりあえず死体の周りで情報を集めようぜ」
美琴「まあ……それが良さそうかな」
やたらと照りつける日差しが厳しい島だ。野外の操作は手早にしておかないとこちらの体力が持っていかれる。
それに……腐臭も増していくばかりだ。
1.結華のメガネ
2.青い繊維
3.ゲッカビジン
↓1
------------------------------------------------
【第3の島 病院 駐車場】
西部劇を思わせる荒野に突如として現れるコンクリートの絨毯。
すっかり砂をかぶっているため、その表面はざらついており、ソールが叩いてもコツンという足音には雑音が混じる。
高所とは真逆の印象もあるこの場所に、なぜ足を運んだのか……相変わらず自分自身でもわからないままだ。
にちか「えー、病院? どこか体でも悪くしてるんですかー?」
美琴「ルカ、どういう推理なの?」
ただ、その不可解はすぐに接頭語も外れることとなる。
ルカ「……ビンゴみたいだな」
私たちの前に現れたのは血の海に正面から顔を浸し、うんともすんとも言わなくなった三峰結華の死体。
その頭上をハゲタカが獲物を狙うように、ドローンが飛び交っていた。
にちか「うぇー……なんかあの死体、顔面グロい感じになってる気じゃないです……? ルカさん、ちゃっちゃと捲って見てきてくださいよ」
ルカ「私はオマエの小間使いじゃねえぞ……チッ、とりあえず死体の周りで情報を集めようぜ」
美琴「まあ……それが良さそうかな」
やたらと照りつける日差しが厳しい島だ。野外の操作は手早にしておかないとこちらの体力が持っていかれる。
それに……腐臭も増していくばかりだ。
1.結華のメガネ
2.青い繊維
3.ゲッカビジン
↓1
473: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:26:27.22 ID:PGzGnqfO0
1 選択
------------------------------------------------
【結華のメガネ】
死体は真っ正面から激しい衝撃を受けているので、みるも無残な有様という他ないが、
その脇に落ちているメガネはあり得ないほどに綺麗なまま。
事件の鍵を握っていた重要なパーツ……パスワードのヒントがあると言うのなら、ここだろう。
ルカ「……やっぱりな」
天に透かすようにしてみると、度の入ったはずの視界は鮮明になるどころか、反対に別のものを映し出した。
まだ太陽は高く登っている、周りには遮蔽物もない。
それなのに、レンズの先はまるで別世界のように真っ暗だ。
にちか「うわ……ルカさん死体から剥ぎ取ったメガネかけてますよ。どこの羅生門なんですかそれ」
ルカ「捜査のためだ……うるさいな。それに羅生門は髪の毛だろうが」
一つの仮説を立て、自分自身でメガネを装着。
そのまま顔を上げて天を仰いでみると、仮説を裏付ける根拠が顔を覗かせた。
------------------------------------------------
【結華のメガネ】
死体は真っ正面から激しい衝撃を受けているので、みるも無残な有様という他ないが、
その脇に落ちているメガネはあり得ないほどに綺麗なまま。
事件の鍵を握っていた重要なパーツ……パスワードのヒントがあると言うのなら、ここだろう。
ルカ「……やっぱりな」
天に透かすようにしてみると、度の入ったはずの視界は鮮明になるどころか、反対に別のものを映し出した。
まだ太陽は高く登っている、周りには遮蔽物もない。
それなのに、レンズの先はまるで別世界のように真っ暗だ。
にちか「うわ……ルカさん死体から剥ぎ取ったメガネかけてますよ。どこの羅生門なんですかそれ」
ルカ「捜査のためだ……うるさいな。それに羅生門は髪の毛だろうが」
一つの仮説を立て、自分自身でメガネを装着。
そのまま顔を上げて天を仰いでみると、仮説を裏付ける根拠が顔を覗かせた。
474: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:28:15.48 ID:PGzGnqfO0
ルカ「……やっぱり、このメガネを通してみると夜の状態の島の様子が見えるんだな」
夜空に散らばる星の数々、その中央に鎮座する真円の満月。
この島に来てからずっと見てきた夜空そのものと全く変わりない光景がそこにはあった。
ルカ「……」
自然と、あの夜のことを思い出す。
にちかを犠牲に生き残ったあの晩に、息が詰まるような切迫感の逃げ道を空に探した時のことを。
あの時から、この空は何も変わらない。
星の配置も、月の満ち欠けも。
まるで時が止まってしまったかのように変わらないのである。
ルカ「なあ、二人はどうしてこの月の形が変わらないんだと思う?」
爾|#戈
そんなこ■を気にする必要はありませ■私た■は使命に従■■生き■だ■彼女た■を■■るために育て■だけそれ■■が生きる理由な■です■
m萎k悪t苧
私た■は舞台装■彼■たちをステ■ジに立たせるた■■舞■装置■だけ見せ■だ■そこ■思■■必要ない■■要らな■
ルカ「……そう、だよな」
私は何を気にしていたんだ。月の形が変わらないからってなんなんだ?
考えたところで答えが見つかるわけでもないのに烏滸がましい身分不相応図に乗っているダメだ却下拒絶断絶中断終了
コトダマゲット!【満月】
〔この島に来てからずっと月の形は変わらないまま〕
------------------------------------------------
1.青い繊維
2.ゲッカビジン
↓1
476: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:36:43.38 ID:PGzGnqfO0
1 選択
------------------------------------------------
【青い繊維】
空を飛んでいるドローンを調べようにも、手を伸ばしたところで届くはずもない。そうなると視線は自然と死体に戻ってくるわけで。
……だとしても、なぜこんな糸屑に私の視線は止まってしまったのだろう。
死体の纏っている衣服のどれとも違う、青い色合いの繊維。
ほんの一ドットほどの違和感が私を捉えた。
ルカ「まさかこんな所に眠ってたりしないよな……?」
だが、その違和感はもはや確証に等しかった。
このレクリエーションが始まってから、明らかに私は異常だ。
何かに手を引かれているかのように行動の全てが他の誰かの意思の上にある。
導かれた先の悉くで、それに出会う。
にちか「わ! またモノミの魔法ですよ!」
美琴「……今度は資料とかじゃないね、どんどん大きくなっていく」
私の手を離れたところで繊維は粒子を巻き込んで大きくなっていき、やがて一つのものを形作る。
これまでの紙や冊子の形状とは全くの別物。
そこに出てきたのは……
ルカ「浅倉、透……?」
私たちが共同生活を続けてきたやつと全く同じ姿形で、化けて出たのである。
------------------------------------------------
【青い繊維】
空を飛んでいるドローンを調べようにも、手を伸ばしたところで届くはずもない。そうなると視線は自然と死体に戻ってくるわけで。
……だとしても、なぜこんな糸屑に私の視線は止まってしまったのだろう。
死体の纏っている衣服のどれとも違う、青い色合いの繊維。
ほんの一ドットほどの違和感が私を捉えた。
ルカ「まさかこんな所に眠ってたりしないよな……?」
だが、その違和感はもはや確証に等しかった。
このレクリエーションが始まってから、明らかに私は異常だ。
何かに手を引かれているかのように行動の全てが他の誰かの意思の上にある。
導かれた先の悉くで、それに出会う。
にちか「わ! またモノミの魔法ですよ!」
美琴「……今度は資料とかじゃないね、どんどん大きくなっていく」
私の手を離れたところで繊維は粒子を巻き込んで大きくなっていき、やがて一つのものを形作る。
これまでの紙や冊子の形状とは全くの別物。
そこに出てきたのは……
ルカ「浅倉、透……?」
私たちが共同生活を続けてきたやつと全く同じ姿形で、化けて出たのである。
477: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:38:06.85 ID:PGzGnqfO0
美琴「ホログラム……のようなものなのかな」
にちか「浅倉さーん……? これ、どうなってるんですかー?」
透「……」
透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」
ルカ「……あ?」
それは、不思議な感覚だった。
脳の隅をほじくり返したと言うべきか、押入れの隅で埃をかぶっていた衣服を引っ張り出した時のようなむず痒さを伴った。
無意識化に押しやっていたことに対する、罪悪感にも近い割り切れない感情。
透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」
にちか「え、なにこれ……壊れたレコードか何かですか」
美琴「この言葉に意味があるってことなのかな」
(私は……知っている、こいつの、この言葉を)
何度も繰り返される言葉が、深層の底に落ちていた記憶をゆっくりと引き上げていく。
それは、私の記憶に紐づいた、記憶の証言の記憶。
あの病院で、惨劇が起きる前の、一歩を踏み出すトリガーになった、明確な分岐点の、在りし日の、忘れ難き、記憶。
478: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:39:37.33 ID:PGzGnqfO0
《透「思い出しちゃ、ダメなんだよ」
透「忘れといて、そのまま」
ルカ「……お前が私たちの記憶を奪ったのか?」
透「……」
ルカ「いつからの記憶がないかを把握してるってことはそういうことだろ? お前はこの希望ヶ峰学園歌姫計画の参加者じゃなくて……運営する側の人間なんじゃないか?」
透「……私が奪ったって言うか」
透「私たちが、奪った」》
ルカ「……!!」
一気に記憶が間欠泉のように噴き出した。
眠っていた記憶が即座に蘇る。
あの言葉で私は浅倉透という存在に対する認識を改めて、信頼の一歩を踏み出したんだ。
このコロシアイの最中で、自分を追い込む発言だと分かっていながら、
歩み寄るために口にした言葉には確かな力があったのに、なぜ私はそんなことを忘れていたんだろう。
ルカ「そうだ……この島に来た理由、それは浅倉透が私たちを連れてきたから」
479: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/08(火) 22:40:59.51 ID:PGzGnqfO0
ルカ「なんで、なんでこんなことを忘れちまってたんだ……? なんだ、何が起きてる……? 私たちはコロシアイをしてたはずだろ? なんでこんな呑気にウォークラリーなんか……」
聻ち¿k亜亜亜01
疑問を持■な今はそのフェーズで■ない与えら■た役割を遂■しろ今はただ情報を■■だけの傀儡■なれ
11111胡000000
浅倉透を憎め感情■定■■れ■いる自分の感情は許さ■ていない■く次に進め記■はあとで■■てくる
ルカ「……あ?」
にちか「もう、ルカさん何やってるんですかー? 今大事なのは浅倉さんが私たちをこの島に連れてきた極悪犯ってことですよねー?」
美琴「うん、彼女のことは許しちゃいけないよ」
ルカ「ハッ……ハハッ、そうだよな。浅倉透は許さない、そうだ、そうだよ……なんだったんだ、今のは」
私が錯乱しているうちにいつの間にか浅倉透を真似た繊維は姿を消していた。
二人のいう通りだ、今大事なのは浅倉透は私たちをこの島に連れてきた憎むべき悪人だということ。
この感情に疑問なんて抱いちゃいけないのに、何を思っていたんだろう。
ルカ「……」
……そう、なんだよな?
コトダマゲット!【透の証言】
〔浅倉透はルカに対して、このコロシアイの参加者を集めたのは自分だと自白している。当初の希望ヶ峰学園歌姫計画は彼女とその仲間が計画したものであるらしい〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
484: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 20:38:12.39 ID:nQKkMRrM0
------------------------------------------------
【ゲッカビジン】
ルカ「……確かこの花、夜の間しか咲かないんじゃなかったか?」
ドローンと同じく宙をなぞるようにしてそこに在った一輪の花が差された花瓶。
どこか神聖な雰囲気をも携えて青白い花弁を広げているその花は前に見た覚えがあった。
にちか「え、ルカさんお花とか知ってるんですね。めっちゃ意外」
ルカ「前に見かけたことがあっただけ……べつに花が好きとかそんなんでもない」
美琴「これ、なんていうお花なの?」
ルカ「ゲッカビジン……一晩の間しか花弁を広げないんだとよ」
にちか「へー、なんかコスパ悪い花ですね」
ルカ「風情がねぇな……」
花を手に取って太陽の光に透かして見た。
薄い花びらには目立った色彩もなく、煌々とした陽の光ではその中に埋もれてしまう。
やはりこの淡さというのは夜にしか映えないものなのだろう。
美琴「……ルカ、それ」
そして、更にその淡さを台無しにするのがウサミの下品な魔法。
絵の具をベタ塗りしたようなくどいピンクの光がすべてを飲み込んだ。
にちか「わ、なんかこれ……いつも以上に眩しくありません!?」
ホワイトアウトならぬピンクアウト。
目の前が何も見えなくなってから数秒、世界が落ち着きを取り戻す頃。
私たちの心は再び揺れ動かされることとなる。
【ゲッカビジン】
ルカ「……確かこの花、夜の間しか咲かないんじゃなかったか?」
ドローンと同じく宙をなぞるようにしてそこに在った一輪の花が差された花瓶。
どこか神聖な雰囲気をも携えて青白い花弁を広げているその花は前に見た覚えがあった。
にちか「え、ルカさんお花とか知ってるんですね。めっちゃ意外」
ルカ「前に見かけたことがあっただけ……べつに花が好きとかそんなんでもない」
美琴「これ、なんていうお花なの?」
ルカ「ゲッカビジン……一晩の間しか花弁を広げないんだとよ」
にちか「へー、なんかコスパ悪い花ですね」
ルカ「風情がねぇな……」
花を手に取って太陽の光に透かして見た。
薄い花びらには目立った色彩もなく、煌々とした陽の光ではその中に埋もれてしまう。
やはりこの淡さというのは夜にしか映えないものなのだろう。
美琴「……ルカ、それ」
そして、更にその淡さを台無しにするのがウサミの下品な魔法。
絵の具をベタ塗りしたようなくどいピンクの光がすべてを飲み込んだ。
にちか「わ、なんかこれ……いつも以上に眩しくありません!?」
ホワイトアウトならぬピンクアウト。
目の前が何も見えなくなってから数秒、世界が落ち着きを取り戻す頃。
私たちの心は再び揺れ動かされることとなる。
485: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 20:42:46.90 ID:nQKkMRrM0
莓\‘懿
最後ま■誰も疑■■かった信■た末に裏■■れて殺■れ■■った後■はし■ないけ■みん■と最■■でい■■なかっ■ことが■しい辛い
にちか「うっわ~~~……首から血噴き出してるんですけど……ちょっと、距離とってもらっていいです?」
そこに立っていたのは、和泉愛依の骸。
私たちがその死に直面した時と同様に、薄い布地の病人服を身に纏っているが、その半分は首から流れた血に塗れている。
美琴「でも、にちかちゃん。彼女何か持ってるよ? ヒントじゃないかな」
にちか「最悪……ルカさん、取ってきてください」
ルカ「オマエな……」
()乜***%ィ
二人は最■■で生■られ■のか■うち■け先■■なく■ってご■ん
私も近寄るのには生理的な嫌悪感を感じたが、ここで退くわけにもいかない。
まんじりとも動こうとしないにちかを尻目に、一歩踏み出て死体からその手のフォルダを引っ手繰るようにした。
ルカ「んだこれ……『新世界プログラム』?」
これまた仰々しいネーミングだなとため息交じりにそれを捲る。
486: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 20:43:32.62 ID:nQKkMRrM0
にちか「メンタルヘルスを助ける、仮想現実による箱庭診療のアプローチプログラム……えーっと……」
美琴「どうやら、被験者さんの意識をコンピュータ上のバーチャル空間に送り込むプログラムみたいだね」
ルカ「トラウマとかの記憶を取り除いたうえで、仮想現実での生活を送らせることで精神疾患の治療を促す……か」
にちか「あはは、ルカさんもやってもらったらどうですか? 口を開けば『病んだ』ですしー!」
ぱっと見の印象では縁遠い世界の話。
精神疾患の診療なんて経験もないし、きっとにちかと美琴も同じことだろう。
ルカ「しかしすごいな……これ、一人に対するアプローチどころじゃなくて、複数人を同じ世界に同期できるって書いてあるぞ」
にちか「ネトゲみたいなもんですかね?」
ルカ「オーバーテクノロジーが一気に俗っぽくなるな……」
美琴「でも、一体こんなシステムがなんだって言うんだろうね」
ルカ「……さあな?」
気が付けば和泉愛依の骸は風化でもしたかのようにきれいさっぱりとその場から姿を消していた。
悪夢が何の意味も持たずに私たちの前に立ちふさがることなどない。
きっとそのはずだから、何か意味はあるんだろうが……
なんだろう、この感覚は。
ルカ「……」
これは……………………既視感?
コトダマゲット!【新世界プログラム】
〔精神疾患の診療のために使われる、仮想現実構成プログラム。複数人の意識を装置上で同期させ、同じ世界で生活させることができるらしい〕
487: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 20:46:20.42 ID:nQKkMRrM0
怪しいところは大体調べ終わった。
そうなると次に待っているのは、死が裏返る奇術の時間だ。
先の2回ですっかり慣れてしまった私たちはもはや違和感なくそれを受け入れていた。
にちか「ほーら、死んでないでさっさと蘇ってくださいよ。他のチームに負けちゃいますー」
ルカ「おい、あんまぞんざいに扱うなって」
美琴「どうして? 死んじゃったらただの物だよね?」
ルカ「んまあそうだけどよ……」
にちか「……! 来ますよ!」
にちかの呼びかけ通り。死体が小刻みに震え出したかと思うとムクリ体を起こし、私たちに向き合った。
地面に衝突したせいで無惨な姿だったはずの死体は、その顔に影が落とされていてよく見えない。
ウサミによる配慮なのだろうか、これも今更という感じだが。
愉iii‼︎加
何も■えない■も聞こえ■■何も分か■ない闇の■■葬られ■勇気を出■■踏み出し■一■■踏み躙られ■無数の足跡■■に消え■もう見た■もない
にちか「おっ、出ましたね! パスワードは『ヤ』ですよ、メモメモ!」
ルカ「……それ言うなら自分でメモれよ、ったく」
美琴「これでパスワードは三つ目だね、残すところはあと二つみたい」
488: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 20:47:43.60 ID:nQKkMRrM0
・:/螠⁂下
騙され■信じ■■のにも■■じ■だけ無駄裏切ら■るだけ■も信じな■ただ一人孤■■中で息絶■る方がい■
にちか「これでやっと折り返しですか……結構疲れますね、このラリー!」
ルカ「まあこれぐらい骨がないとやりごたえもないしな。ほら、さっさと次に行くぞ」
@↓\\\\禍
他人のこ■な■■誰に■分■■ない■か■たくない■か■れたくもない踏み込■ない■退いて近づ■■■でほしい一人■消えてい■か■
次のパスワードの場所を探すために背を向けると、後ろから物音がした。きっとあいつが物言わぬ骸に還ったのだろう。
そこになんの感慨も執着もない。
私たちの思考から彼女の存在はすっかり消え失せてしまった。
美琴「四つ目は……『箱入り娘が空を行く』か、どう? 二人とも」
にちか「うーん……私からは縁遠い言葉ですね……」
ルカ「まあ箱入り娘ってよりは世間知らず、だよな」
にちか「はー? それはルカさんの方でしょ! 一人じゃ交通定期券にお金も入れられなかったくせに!」
ルカ「テメ……いつの話ししてやがんだ!」
(……『箱入り娘』なんか、283の連中は大体該当しそうなもんだが)
(一体どこを探したもんかね……)
------------------------------------------------
『箱入り娘が空を行く』
【第四のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
490: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:00:40.88 ID:nQKkMRrM0
------------------------------------------------
【第4の島 観覧車】
にちか「なんかこういうファンシーなとここそウォークラリーって感じがしますねー!」
美琴「そうかも、レクリエーションってこういうのをイメージしてた」
ルカ「小学校の遠足とか、遊園地に行きがちだよな」
にちか「ですねー。まあルカさんの失った青春を取り返すのを手伝ってあげますか!」
ルカ「そんな虚しい理由でここに来たわけじゃねーよ。四つめのパスワードだ」
美琴「『箱入り娘が空を行く』……ここに?」
にちか「うわ……自分のこと箱入り娘になぞらえてアトラクションに乗ろうとしてます?」
ルカ「だから……私をやたら悲しく飾り立てるのはやめろって。あれだよあれ」
近づいた瞬間に漂ってきた異臭。
嗅いだことのないその匂いに思わず手の甲で鼻を塞いだ。
【第4の島 観覧車】
にちか「なんかこういうファンシーなとここそウォークラリーって感じがしますねー!」
美琴「そうかも、レクリエーションってこういうのをイメージしてた」
ルカ「小学校の遠足とか、遊園地に行きがちだよな」
にちか「ですねー。まあルカさんの失った青春を取り返すのを手伝ってあげますか!」
ルカ「そんな虚しい理由でここに来たわけじゃねーよ。四つめのパスワードだ」
美琴「『箱入り娘が空を行く』……ここに?」
にちか「うわ……自分のこと箱入り娘になぞらえてアトラクションに乗ろうとしてます?」
ルカ「だから……私をやたら悲しく飾り立てるのはやめろって。あれだよあれ」
近づいた瞬間に漂ってきた異臭。
嗅いだことのないその匂いに思わず手の甲で鼻を塞いだ。
491: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:01:48.52 ID:nQKkMRrM0
にちか「うわ……なんなんですかこれ、血の匂いのそれとはまた違った意味合いで悪臭なんですけど」
美琴「焦げたような匂いに……ガソリンみたいな匂いが混ざった感じがするね」
一歩踏み出すたびにウッとなるのを堪えながら近づくと、見慣れない光景が目に入った。
本来非現実を求めて子供や大人たちが夢を託す観覧車のゴンドラが、過熟の末に落果した柘榴のようにへしゃげてオイルを吐き出し続けている図。
その中で腐った果肉のようになっているのが、有栖川夏葉の成れの果てだ。
にちか「どれだけ鍛えても爆死したら形なしってこと何ですかねー……うわー……」
美琴「このゴンドラ、相当頑丈なつくりなのに……すごい衝撃だったんだね」
ルカ「こいつ自身も体を改造された挙句のこれだからな……もし生身だったらと思うと震えるよ」
にちか「あはは! 脳みそとかも全部出ちゃったりして!」
ルカ「ハッ……そいつは勘弁願いたいな……」
にちかの悪趣味な冗談に苦笑しながら、辺りに手がかりを求めた。
1.水素の吸引機
2ロケットパンチ
↓1
493: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:10:53.45 ID:nQKkMRrM0
------------------------------------------------
【水素の吸引機】
冬優子が美容のために病院からせしめていた機械も、どうやら爆発に巻き込まれていたらしい。
水素を閉じ込めていたボンベはその面影もないほどに弾け飛んでおり、吸引のためのパイプは根元からひんまがっている。
こうなっては美しさから最も遠い所にある機械かもしれない。
ルカ「あーあ、これじゃ使い物になんねーな。ったく、水素なんか本当に意味ある物なのかね」
にちか「うーわ、そういう一歩引いたスタンスとってるのマジでダサいですよ。分かってるアピールしないと気が済まないんですか?」
美琴「これもウサミのヒントだったみたいだね」
使い物にならないはずのボタンを美琴が押してみると、すけたたましい轟音と共に機械は水素ではない何か別のものを吐き出し始めた。
すっかり淀み切った黒煙が現れたかと思うと、そのまま私たちを取り囲むようにして、一寸先の仲間の顔も見えないほどに充満した。
ルカ「お、おい……なんだこれ……何が起きてる……!」
にちかと美琴を探して煙を掻き分けるようにした。手の振りに合わせて煙は退いたが、そこに在ったのはその二人の姿ではなく。
美琴『……【浅倉透】、このコロシアイであなたは命を落としていると書かれているけれど、どうしてここにあなたがいるのかな』
浅倉透と美琴の二人の姿だった。
だけど、さっきまでの美琴とはどこか違う。
さっきまでにはなかった明確な敵意と殺意を込めた視線に、これまで感じたことのない熱。
今一緒にレクに参加していたのとは、まるっきりの別人と言ってしまった方がいい。
【水素の吸引機】
冬優子が美容のために病院からせしめていた機械も、どうやら爆発に巻き込まれていたらしい。
水素を閉じ込めていたボンベはその面影もないほどに弾け飛んでおり、吸引のためのパイプは根元からひんまがっている。
こうなっては美しさから最も遠い所にある機械かもしれない。
ルカ「あーあ、これじゃ使い物になんねーな。ったく、水素なんか本当に意味ある物なのかね」
にちか「うーわ、そういう一歩引いたスタンスとってるのマジでダサいですよ。分かってるアピールしないと気が済まないんですか?」
美琴「これもウサミのヒントだったみたいだね」
使い物にならないはずのボタンを美琴が押してみると、すけたたましい轟音と共に機械は水素ではない何か別のものを吐き出し始めた。
すっかり淀み切った黒煙が現れたかと思うと、そのまま私たちを取り囲むようにして、一寸先の仲間の顔も見えないほどに充満した。
ルカ「お、おい……なんだこれ……何が起きてる……!」
にちかと美琴を探して煙を掻き分けるようにした。手の振りに合わせて煙は退いたが、そこに在ったのはその二人の姿ではなく。
美琴『……【浅倉透】、このコロシアイであなたは命を落としていると書かれているけれど、どうしてここにあなたがいるのかな』
浅倉透と美琴の二人の姿だった。
だけど、さっきまでの美琴とはどこか違う。
さっきまでにはなかった明確な敵意と殺意を込めた視線に、これまで感じたことのない熱。
今一緒にレクに参加していたのとは、まるっきりの別人と言ってしまった方がいい。
494: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:12:28.63 ID:nQKkMRrM0
(……なんだ、私は何を見ている?)
そして、自分自身の体はまるで地面に張り付いてしまったかのように動かない。
声を発そうとも口がパクパクと動くだけで何も出てこない。
全身を拘束されて、映像を見させられているような、そんな感覚に陥った。
そして実際、その喩えは間違っていない。
私の目の前で続いたそれは、私の中の記憶の上映会だったからだ。
透『そっか……私、死んでたんだ』
透『……ううん、知らない。私は、何も知らない。聞かされてもいなかったからさ、死んでたってのも』
美琴『ふざけるのもいい加減にしてもらえるかな』
美琴『あなたはにちかちゃんの命をかけた糾弾をどこまで時踏み躙りたいの。答えをいつまでも出さずに、バカにしているとしか思えない』
透『……ごめんなさい』
透『もう、言わざるを得ない……か』
透『私は、みんなの知ってる浅倉透とおんなじだけど違うんだ』
透『みんなが覚えてる浅倉透が今の『私』』
透『みんなの知らない浅倉透が写真の『私』』
透『……写真の『私』の過去の私が、今の『私』』
透『『浅倉透』のある部分までの記憶と人格とをコピーして作られたのが、『私』なんだよ』
(……!)
495: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:13:27.67 ID:nQKkMRrM0
……そうだ。
私たちがこの島で接していた浅倉透という人間は全くの偽物。
本物とほとんど変わりない記憶と人格を持っていただけの、別人だったのだ。
そしてその肝心のオリジナルは……とうに死んでいる。
私たちよりも前に、コロシアイの中で命を落としてしまっていた。
そのことを知らされもせずに、ただ真似ていただけの不出来な人形がこの浅倉透なのである。
(……本物は、とっくに死んでいる)
私の記憶の再現が終わるとやがて黒煙は断ち消えた。
にちかと美琴も同じものを見ていたのかと尋ねるとキョトンとして首を振った。
彼女たちを包んだ黒煙は私とは別物だったのだろうか。
それとも私がただの幻を見たと言うのか。
(……今のは、私に何を見せたかったんだ)
ただ、私の脳内でなにかが錆び付いていることだけは確かだった。
コトダマゲット!【オリジナルの浅倉透】
〔この島にいる浅倉透の元となったオリジナルは既にコロシアイで命を落としている。コピー体の浅倉透はどうやらその事実を認識していなかったらしい〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
496: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:14:43.28 ID:nQKkMRrM0
------------------------------------------------
【ロケットパンチ】
ゴンドラの天井の内壁を大きく歪曲させている異物。
この中で最も焦げ付いているパーツはこれになるだろう。
爆炎の中心部にあったであろうパーツは元がなんだったのか即座にはわからないほどに黒ずみ、開いたはずの指は熱で接合されて固く閉じられている。
本来ならこの手のひらでユニットの最年少の頭を撫でていたであろうに、無情なことだ。
にちか「どれだけ強化されても、それで自分自身を殺しちゃうんじゃ意味ないですけどね。文字通りのブーメランってやつです」
美琴「彼女、鍛えた自分の体に自信があっただろうに。こんな形で踏み躙られちゃうんだね」
ニ!黹¡蠃
元々持ってい■希望と理想が■■ゃぐちゃ■潰さ■■様は美しいんで■■そこか■立ち■■か■こそコロシア■はエン■■テイン■■トと■て素晴ら■■んです
ルカ「ま、これにもウサミの魔法がかけられてるのは間違いないみたいだな。……ほら」
またしてもけったいな発光と共にその姿は変化した。
少し久しぶりの長方形、情報がファイリングされた書類形態になって私の手の中に収まった。
【ロケットパンチ】
ゴンドラの天井の内壁を大きく歪曲させている異物。
この中で最も焦げ付いているパーツはこれになるだろう。
爆炎の中心部にあったであろうパーツは元がなんだったのか即座にはわからないほどに黒ずみ、開いたはずの指は熱で接合されて固く閉じられている。
本来ならこの手のひらでユニットの最年少の頭を撫でていたであろうに、無情なことだ。
にちか「どれだけ強化されても、それで自分自身を殺しちゃうんじゃ意味ないですけどね。文字通りのブーメランってやつです」
美琴「彼女、鍛えた自分の体に自信があっただろうに。こんな形で踏み躙られちゃうんだね」
ニ!黹¡蠃
元々持ってい■希望と理想が■■ゃぐちゃ■潰さ■■様は美しいんで■■そこか■立ち■■か■こそコロシア■はエン■■テイン■■トと■て素晴ら■■んです
ルカ「ま、これにもウサミの魔法がかけられてるのは間違いないみたいだな。……ほら」
またしてもけったいな発光と共にその姿は変化した。
少し久しぶりの長方形、情報がファイリングされた書類形態になって私の手の中に収まった。
497: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:18:53.37 ID:nQKkMRrM0
ルカ「今度は……『候補者リスト』? なんのことだ?」
美琴「……心当たりはないけど、読んでみたらわかるんじゃない? 開いてみて」
ルカ「おう……」
美琴に促されるままにページをめくる。
丁寧で丈夫に綴じられている書類は、情報の整理に加えて保管の性質が蓄えているだろうことを窺わせる。
実際、これまでにみてきた活字の波とは少しその様相が異なっていた。
続々と並ぶ顔写真に、その横に付記される詳細な情報の数々。
にちか「これ、書類ってより名簿って感じじゃないです?」
小学、中学、高校。それらの過程を経るたびに押し付けられた、無駄に根の張る嵩張るだけの一冊。
思い出の押し売りと揶揄したアレに、よく似ていた。
美琴「……私たち一人ひとりの名前と、他の誰かが羅列されてるんだね」
その既視感は私たちの個人情報がおしげもなく書き広げられたページのせい。
後から見返すのが小っ恥ずかしくなる作りをしているのがそっくりだ。
にちか「うわー……私の分もありますよ、これ」
ルカ「……これ、とりあえず全員分の纏めとくか。簡単にな」
美琴「そうだね、どれが誰に対応しているかは押さえておこうか」
風野灯織…【超高校級の占い師】飯田数秀
三峰結華 …【超大学生級の写真部】蜷川卓
田中摩美々…【超高校級の服飾委員】喜多川新菜
小宮果穂…【超小学生級の道徳の時間】本城ハヤ太
園田智代子 …【超高校級のインフルエンサー】不破アルル
有栖川夏葉… 【超大学生級の令嬢】菱井友安
桑山千雪… 【超社会人級の手芸部】四季衛児
芹沢あさひ…【超中学生級の総合の時間】上蔵居鶴
黛冬優子…【超専門学校生級の広報委員】永瀬美奈
和泉愛依…【超高校級のギャル】 藤村美優
市川雛菜…【超高校級の帰宅部】小野田・K・ユーサク
七草にちか…【超高校級の幸運】苗木誠
緋田美琴…【超高校級のシンガー】夜々中亜道
斑鳩ルカ…【超高校級のダンサー】関口小春
498: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:20:09.30 ID:nQKkMRrM0
ルカ「……大体全員に他の誰かがあてがわれてるな」
にちか「ないのは月岡さんと浅倉さんの二人だけですねー」
美琴「まあ、コロシアイの黒幕と偽物の二人だからしょうがないんじゃない?」
ルカ「にしてもこいつら誰なんだ? 正直名前に全く心当たりはないぞ」
私たちの横に並んだ名前は、どれをみても聞き覚えが欠片もない。なにを持っての『候補』なのか、どういう選考基準なのか。
全くもって意味のわからない文字の並びに、取り残されるばかりだ。
にちか「それに、なんか気色悪いですよこのリスト。私たちのこともそうですけど、この候補者さん?たちのところも」
美琴「……『自分に自信はないが正義感は強い。献身的な思考が根底にあるが、自己犠牲が過ぎる面もある』」
ルカ「プロフィール……にしてはなんか詳細だな」
にちか「うわ、なんですかこれ。今に至るまでの主たる出来事……? プライバシーガバガバが過ぎますよ」
一人の人間について網羅するには十分すぎるだけの情報量。
さっきまではこの一冊を名簿として表現していたが、それでは生ぬるい。これではもう、図鑑と言ってしまった方が正しいのではないだろうか。
(……誰が、何のためにこんなものを?)
コトダマゲット!【候補者リスト】
〔今回のコロシアイの参加者から恋鐘と透を除いたメンバーと、他の誰かの名前が書き連ねられたリスト。才能の他に異様なまでに細かい個人情報が付記されている〕
499: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:22:28.02 ID:nQKkMRrM0
にちか「今回、死体バラバラですけどちゃんとパスワード貰えるんですかねー?」
にちかはそんなことを言いながら頭を持ち上げてその場で何度も振り回した。
光を失った瞳の頭部は振り回されるのに合わせてカラカラと玩具箱のように音を立てる。
無邪気さに裏打ちされた空虚さが胸を刺す。
美琴「そもそも死体と言えるのか疑問だものね、これはほとんど故障品のようなものだから」
にちか「あはは、ホントですねー! パスワードもらえなかったらジャンク品で売り飛ばしちゃいますかー!」
(……)
美琴「……どうしたの、ルカ?」
ルカ「あ、いや……なんでもない」
にちか「ちょっと、何面食らってるんですか。ただの死体なんですよ、ただの物なんですよ? なのにそんなふうに感情移入するのっておかしくないですか?」
*膩△豸∫
所詮は希望のた■の踏■■なんです■こ■で消費さ■■だけ■存■な■■そん■物なんで■皆さ■■希■にな■た■■存在■■ですから死■な■■に躓■てる場合じゃな■■です
ルカ「……ああ、悪い」
にちかの言うことは全面的に正しい。正論だ。
希望はなによりも素晴らしく、何物も犯してはならない、尊く強いものである。
弱者の死への感傷のせいで希望を曇らせるなどあってはならない。
より眩い希望を手にするための糧にするのが道理なのであり、そのために消費されるなら死者も冥利に尽きると言う物だ。
ありとあらゆる犠牲の上に立つのが希望である。そのためなら殺戮も肯定される。それが人類としての美学なのである。
500: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:23:18.94 ID:nQKkMRrM0
美琴「ほら、ルカも手伝って。バラバラの死体をもっとめちゃくちゃに破壊しよう」
にちか「そうですよ! 死者の尊厳をめちゃくちゃに踏み躙って、踏み台にしましょう!」
ルカ「おう、そうだよな……それが希望のためだもんな……」
ふらふらと死体の左腕を持ち上げた。
剥き出しのケーブルには漏れ出したオイルが伝い、その下の地面に緑色の水溜まりを作っている。
ルカ「じゃあ、これをぶっ壊すか」
目一杯振り上げたその瞬間……
ナ?腫
彼女は背後に立っていた。
にちか「あれ、人間の姿ですよ。うわー……全身火傷しちゃってます、痛そー……」
美琴「赤く爛れて……衣服が皮膚と一体化しちゃってるね」
ルカ「……」
501: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:25:17.89 ID:nQKkMRrM0
爲ツツツツツツ¡¿瀉
私の選■■間違っ■いな■■た力が■■なかった■け守■な■■たのは■の弱■のせい私■も■■しっかり■■いれ■■がもっと強け■ば私が■っ■何か■てあ■■ことができてい■なら
にちか「おっ、パスワードゲットです! 四つ目は『ク』です!」
美琴「やったね、にちかちゃん」
にちか「はい!」
(……)
死者を蘇らせて、パスワードを喋らせるだけ喋らせたら骸に還す。
最後の最後まで死を踏みにじる行為には吐き気を催すが、それが希望のためなのである。
偉大なる希望のためには瑣末な犠牲など無視される。
人権なんてものも希望の前には塵芥同然、人間の意志など大いなる意志に従属するのが道理。
何も考える必要はない何も悼む必要もない。希望のために全てを消化し呑み下せ
美琴「……ルカ、さっきからぼうっとしてどうしたの?」
にちか「そんなバッチい死体なんか無視してさっさと次行っちゃいましょう! 時間は待ってくれないんですよ!」
ルカ「……お、おう」
502: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:26:19.15 ID:nQKkMRrM0
死体はまた私たちの目の前で膝から崩れ落ちた。
力が入っていない肉体は自立しようとすることもなく、損壊も厭わずにクシャクシャの形で地面に額をぶつける。
あれほど気高かかった女性でも、死んでしまえばこんな醜態を晒す。
(なんだ、なんなんだよ……さっきから)
希望のための犠牲、そう割り切るべきなのに……胸中に湧き上がる異物が、息苦しかった。
にちか「で、いよいよラストですね! 『収穫祭』……どこか畑とかありましたっけ?」
美琴「……これまでと同じなら、何かを例えた表現なんだろうね」
ルカ「……収穫、な」
------------------------------------------------
『収穫祭』
【第五のヒントが指し示す場所を選べ!】
↓1
504: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:34:40.44 ID:nQKkMRrM0
------------------------------------------------
【第五の島 ワダツミインダストリアル】
南国の情緒を正面からぶち壊す工業地帯、その中でもぶっちぎりな巨大な工場がここ。
収穫祭なんてのどかな情緒からは程遠い排気ガスに咳き込みながら、そのシャッターを上げる。
にちか「うるさー……会話もままならないじゃないですか、こんなの」
ルカ「だな……そこかしこで金属音がしてやがる」
にちか「えー?! 何か言いましたー?!」
美琴「そこかしこで金属音がしているから声が届かないねって」
にちか「あ、確かにー! ですです、それを思ってたんですよー!」
ルカ「……」
金網や鉄板で仕立てられた足場を歩いて行くと、やがてそこに行き当たる。
工場というよりはガレージに近い開けた空間。
といっても自動車なんかをしまうようなこじんまりしたものではなく、航空機だとかの規模の体育館のような高さと広さ。
そこに堂々と鎮座しているのは、私たちを何度も脅かしてきた……あの機体だ。
にちか「エグイサル……しかも全色揃ってますよ」
美琴「それに……何かを取り囲んでいるみたい。あれは……椅子? 何か座っているようだけど」
ルカ「……!」
【第五の島 ワダツミインダストリアル】
南国の情緒を正面からぶち壊す工業地帯、その中でもぶっちぎりな巨大な工場がここ。
収穫祭なんてのどかな情緒からは程遠い排気ガスに咳き込みながら、そのシャッターを上げる。
にちか「うるさー……会話もままならないじゃないですか、こんなの」
ルカ「だな……そこかしこで金属音がしてやがる」
にちか「えー?! 何か言いましたー?!」
美琴「そこかしこで金属音がしているから声が届かないねって」
にちか「あ、確かにー! ですです、それを思ってたんですよー!」
ルカ「……」
金網や鉄板で仕立てられた足場を歩いて行くと、やがてそこに行き当たる。
工場というよりはガレージに近い開けた空間。
といっても自動車なんかをしまうようなこじんまりしたものではなく、航空機だとかの規模の体育館のような高さと広さ。
そこに堂々と鎮座しているのは、私たちを何度も脅かしてきた……あの機体だ。
にちか「エグイサル……しかも全色揃ってますよ」
美琴「それに……何かを取り囲んでいるみたい。あれは……椅子? 何か座っているようだけど」
ルカ「……!」
505: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:35:28.49 ID:nQKkMRrM0
そこにあったのは、首のない死体。
両手を椅子の肘置きに固定され、美容室のように首から下にはシートをかけられている異様な姿。
断面から滴り落ちた血液は、まだ乾いていない。
ぱっと見では誰とも分からないその姿に、私はつい怯んでしまった。
にちか「これ、誰なんですかねー?」
死体に臆す必要など何もないのに。
にちかは少しも怯む様子もなくぺたりと死体に被さられているシートを捲った。まだ乾ききっていない血が飛び散り、その額にかかった。
にちか「これ、服装的に市川さんじゃないですか? まあ制服も血で汚れちゃってますけど」
ルカ「……っぽいな」
にちか「ちょっと、何やってるんですか。ほら、もっと近づいてみてくださいよ」
ルカ「……わかってるよ」
にちかに促されて私も死体を覗き込んだ。
やはり見立て通りこの死体の身元は市川雛菜なのだろう。
肉付きのいい体に、すらりとした手足。
それに纏っている制服には私でも見覚えがあった。
彼女が愛してやまないキャラクターのアップリケも血に汚れてしまっている。
美琴「彼女が最後のパスワードを握っているのかな」
にちか「なら、さっさと見つけちゃいましょうよ! そこら辺に市川さんの頭、転がってないです?」
(……それは、流石に勘弁願いたいな)
1.エグイサルのリモコン
2.エレクトボム
↓1
507: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:41:52.12 ID:nQKkMRrM0
1 選択
------------------------------------------------
【エグイサルのリモコン】
死体の脇に落ちている妙ちくりんな装置。
やたらゴテゴテしたボタンが取り付けられた板からは、いかにもなアンテナが伸びている。
にちか「これ、もしかしてエグイサルの操縦に使うやつですかね?」
ルカ「……おい、ボタン押したりすんなよ? 誤作動で殺されるとかマジで勘弁だからな」
にちか「しませんよ! いちいちうるさいなー」
美琴「きっとそれもウサミのヒントだよね、にちかちゃん怪しいところはない?」
にちか「は、はい……うーん、どうなんですかね。見たところ変わったところは……」
美琴「……なら、ボタンを押してみるしかないんじゃないかな」
ルカ「……は?! ちょっ、待」
にちか「はい! ぽちっとな!」
私の制止は一瞬で棄却。にちかは迷うこともなくボタンを押してしまった。
そして、それがトリガーになった。
------------------------------------------------
【エグイサルのリモコン】
死体の脇に落ちている妙ちくりんな装置。
やたらゴテゴテしたボタンが取り付けられた板からは、いかにもなアンテナが伸びている。
にちか「これ、もしかしてエグイサルの操縦に使うやつですかね?」
ルカ「……おい、ボタン押したりすんなよ? 誤作動で殺されるとかマジで勘弁だからな」
にちか「しませんよ! いちいちうるさいなー」
美琴「きっとそれもウサミのヒントだよね、にちかちゃん怪しいところはない?」
にちか「は、はい……うーん、どうなんですかね。見たところ変わったところは……」
美琴「……なら、ボタンを押してみるしかないんじゃないかな」
ルカ「……は?! ちょっ、待」
にちか「はい! ぽちっとな!」
私の制止は一瞬で棄却。にちかは迷うこともなくボタンを押してしまった。
そして、それがトリガーになった。
508: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:45:26.34 ID:nQKkMRrM0
にちか「わ、わ、わ〜〜〜!!」
例の如く、ウサミの魔法だ。
リモコンは宙でその姿を変え、バインダーに綴じられた一枚の資料となって私たちの手に落ちた。
『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』
そこには『実験』と称される詳細不明な研究の記録が残されていた。
写真のようなものも殆どなく、具体的な名称も検閲の対象となっているのか悉く記述を避けられている。
ここにある被験体αというものが、どんな形状のどんな性質なものなのか。ここからだけでは読み解くこともできない。
にちか「……これ、もしかして人間の話をしてます?」
ルカ「人間だぁ……?」
にちか「ほら、ここ……『性格』って書いてますよ? 動物とかだったら言わなくないです?」
美琴「それは……どうなんだろうね」
ルカ「いや、人体実験の記録ってことか……? そんなの、法が許さないんじゃ……」
司法がなんだ希望より先に立つルールなどないこの世界に希望をもたらすためなら多少の逸脱は看過されるべき
自戒せよ我々は世界のために生きている社会のために生きているのではない秩序よりも優先されるべき使命というものがある
ルカ「……あ゛っ、ガッ……」
美琴「どうしたの、ルカ?」
(……一体なんなんだ、さっきから頭ん中が……)
コトダマゲット!【被験体α】
〔捜査の中で見つけた怪しい実験記録。『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』〕
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
509: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:46:40.35 ID:nQKkMRrM0
------------------------------------------------
【エレクトボム】
死体の懐からこぼれ落ちたであろう毒々しいピンク色の球体。
団子の串ように上部にささったピンが、その正体を物語る。
にちか「ば、爆弾……?! これ、ヤバくないですか……!?」
といっても、その正体を私たちは知っている。
これは浅倉透、そのコピーが島に持ち込んだジャミング装置。
炸裂した近辺の電波を一時的に機能停止にし、特定の周波数のもの以外通さなくなるらしい。
美琴「……」
ルカ「……」
にちか「あれ? ルカさん? 美琴さん? どうしちゃいましたー?」
この爆弾のことなど知り尽くしているはずなのに、私と美琴は凍りついてしまう。
まるで張り付いてしまったように、この爆弾が手から離れない。
ルカ「……これが、これがあれば美琴は死なずに済んだのに」
にちか「……」
その言葉を口にしていたのは、知らずの私だった。
意味も所在もわからぬままに飛び出した言葉に、自分自身で困惑していた。
【エレクトボム】
死体の懐からこぼれ落ちたであろう毒々しいピンク色の球体。
団子の串ように上部にささったピンが、その正体を物語る。
にちか「ば、爆弾……?! これ、ヤバくないですか……!?」
といっても、その正体を私たちは知っている。
これは浅倉透、そのコピーが島に持ち込んだジャミング装置。
炸裂した近辺の電波を一時的に機能停止にし、特定の周波数のもの以外通さなくなるらしい。
美琴「……」
ルカ「……」
にちか「あれ? ルカさん? 美琴さん? どうしちゃいましたー?」
この爆弾のことなど知り尽くしているはずなのに、私と美琴は凍りついてしまう。
まるで張り付いてしまったように、この爆弾が手から離れない。
ルカ「……これが、これがあれば美琴は死なずに済んだのに」
にちか「……」
その言葉を口にしていたのは、知らずの私だった。
意味も所在もわからぬままに飛び出した言葉に、自分自身で困惑していた。
510: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:48:00.95 ID:nQKkMRrM0
にちか「……これ、元々は浅倉さんの持ち物なんですよね?」
ルカ「……え? あ、お、おう……確か……そのはず……」
美琴「エレクトボムを使って誰かと連絡を取っているのを目撃したからこそにちかちゃんは殺害を考えたんだよね」
にちか「ですです! 裏切り者だ、殺せー!ってなって」
《にちか「初めから、裏切ってたんですよ。浅倉さんは。私たちが外の世界と連絡が取れないことに焦っていた中で、別の誰かと連絡を取っていて……一人だけこの孤立無援の恐怖を感じていなかった」
にちか「だから私思ったんです。ああ、この人はちがう……私たちの仲間じゃない、モノクマとの内通者なんだって」
透「……」
夏葉「……透、説明してもらえるかしら。あなたの口で」
透「あー……」
透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」》
にちか「だって怪しすぎじゃないですか! みんなこの島に幽閉されて孤立無縁のはずなのに、一人だけ外部と連絡を取ってたなんて……絶対絶対裏切り者じゃないですか!」
ルカ「……いや、でもあいつはオマエが死んだ後は誠実に___」
511: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:48:42.03 ID:nQKkMRrM0
深酷ト、
にち■ち■■の言う通り浅■透は私た■■敵私■ちを殺し■■は彼女惨劇■引き起■■たのも彼女全■■責任は彼■■ある
‼︎尓…チ
浅倉透■許すな浅■透を吊■せ浅倉透を弾■せよ
ルカ「……浅倉、は」
浅倉透がいなければ私たちは大事な存在を失うこともなかった。
浅倉透がいなければこんな思いをすることもなかった。
浅倉透がいなければ私は私のままでいられた。
《透「……死にたくない、以上に裏切りたくない」
透「だから、高望みするよ。勝つって、黒幕ぶっ倒すって」》
ルカ「……あ、ぐ、う」
Command01
浅倉透を憎しみ続けろ
Command02
浅倉透を恨み続けろ
……違う、私たちがこの島の生活の中で見てきた浅倉透は憎まれ、恨まれるような存在じゃない。
あの時にちかの目撃した姿だって、きっと。
コトダマゲット!【透の外部との通信】
〔第一の事件の前日、透はエレクトボムを使用して黒幕からの干渉を拒絶した上で島の外の人間と連絡を取っていた〕
512: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:51:12.39 ID:nQKkMRrM0
にちか「やっとこれで最後のパスワードですね……他のチームはもうクリアしちゃってるのかな」
ルカ「どうだろうな……途中で他の連中に会うことはなかったが」
美琴「会うも何も、みんな死んじゃってるからじゃない?」
にちか「あはは、確かにー!」
骸を前にしていつもながらの談笑。
もうこれで五度目のこと、たとえ死に怯える幼い子供でももう慣れてしまっても当然の域だ。
だが、私は対照的に……数を重ねるごとに違和感を募らせていた。
なぜ私は死体を前にして平然とできる?
なぜ私は死体を前にして笑顔を浮かべられる?
なぜ私は……一度見た死体をもう一度見ている?
にちか「でも、今回はどうやってパスワードを教えてもらえるんですかね? 喋ろうにも首が取れちゃってますよ?」
美琴「そうだね、首もどこに行ったのか分からないし……引っ付けたところで戻るわけじゃないからね」
にちか「うーん……どうすればいいのかな……」
にちか「……あっ!」
死は何度でも私たちを嘲笑う。
頭を抱えて悩んだところで、平然と裏返り、情緒の一切を踏み潰すのだ。
513: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:53:57.97 ID:nQKkMRrM0
ルカ「……うっ」
首のない死体は椅子から身を起こし、千鳥脚に私たちの前に立ち塞がった。
断面から噴き上がった血が宙でうねり、やがて歌舞伎の隈取りでもするかのように人の顔を象った。
市川雛菜の顔というにもあまりにも不出来な、落書きのようであった。
非\9亡
暗■動けな■怖い■■起き■■わからな■全身が痛■雛■が何をしたの誰■■庇うの■そん■■悪いこ■なの
にちか「うーわ……これ今までの中でも最悪じゃないです?」
美琴「……ちょっと、ギョッとしちゃうね」
ルカ「……」
市川雛菜の骸に対して冷ややかな反応をする二人を見て、私はやけに冷静な視点だった。
気がついた時には私もすでに飲まれてしまっていたが、この二人の反応は明らかに異常……
どう考えたって、こんな状況でこんな反応をするような二人じゃない。
姿、記憶、人格……それらは元の二人と対して変わりないが、それ以外のものが……大切な何かが欠落しているのだ。
そして、それは先ほどまでの私も同じ。
幾多の死に接したことで逆に冷静さを取り戻し、我に返った私からすればこの半日のことが不気味で仕方ない。
(……どうして)
それなのに、体が言うことを聞かない。
私の意識は椅子に縛り付けられたようで、私でない何者かが私を演じているのを見せつけられている。
514: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:56:46.31 ID:nQKkMRrM0
&鄙:儺&
雛菜■首を返して■雛■の右手を返し■よみん■と一■■笑っ■たしあ■せを返して■楽し■■た学■生活を返■てよ
にちか「うわっ、うーわ! ちょっと近寄らないでくれますー? 血がこっちまで飛んでくるんですけどー!」
美琴「ほらにちかちゃん、パスワードも喋ってるよ。ちゃんと彼女の言葉を聞かなきゃ」
〓nul无《
守りたい■■を守■■だけなのにど■して恨まれな■■いけな■の■菜は雛■のや■たいことをや■ただけな■■どう■て
にちか「あー……最後のパスワードは『ミ』みたいですね。はい、もう聞けたんで適当に死んじゃっといてくれていいですよ」
にちかが右手で適当にあしらうと、すぐに死体は膝からその場に崩れ落ちた。
人の顔を象っていた血液は重力の支配に再度戻り、鉄板の床にびしゃびしゃと音を立てて散らばった。
にちか「ほんと最悪……ちょっと汚れちゃいましたよ、服」
ルカ「ハッ、いいじゃねえか。地味の地味過ぎる制服にいいアクセントだ」
美琴「大丈夫? ハンカチ、使う?」
にちか「い、いえ! ちゃんと自分のもありますから!」
515: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:57:28.27 ID:nQKkMRrM0
5つの骸からパスワードを受け取ったところで懐から紙を取り出した。
このウォークラリーの初めにウサミから受け取った紙には、おあつらえ向きに五文字の空白が設けられている。
ルカ「ここに一文字ずつ入れ込んで……と」
美琴「ここで集めたパスワードが、ノートパソコンのログインのパスワードになるんだよね?」
にちか「はい! どうです、ルカさん? パスワードは何になりました?」
ルカ「……『ヤクモナミ』」
にちか「……!? そ、それ……!」
美琴「それって、にちかちゃんにとっては憧れのアイドルで……」
ルカ「私にとっちゃ……唯一の肉親だった人だ。もう、死んじまってるけどな」
516: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/09(水) 21:58:13.75 ID:nQKkMRrM0
_____『八雲なみ』
昭和の一時代を築いた伝説的なアイドルの一人。
発表された楽曲はあっという間に世間の評判を集め、あらゆるヒットチャートに彼女の名前を刻みつけた。
同世代はもちろん老若男女の話題を掻っ攫い、アイドル全盛期の時代を席巻した少女。
そんな彼女は……絶頂の最中に自ら命を絶った。
世間には隠して私を身籠もっていた彼女は、仕事とレッスンの過酷さや当時のプロデューサーからの精神的圧力に耐えかねたらしい。
デビューから数年と経たないうちの出来事に、当時はそれなりに話題にもなった。
そんな名前が、どうしてここで。
ルカ「……ウサミのやつ、どういうつもりなんだよ」
美琴「考えるのは後にしようか。とりあえず今はホテルに戻って入力するのが先」
にちか「ですね! 他チームに負けたくないですし! ほら、ルカさん!」
ルカ「……おう」
胸がいやにざわつくのを抑えることはできなかった。
525: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:31:57.28 ID:IHQOUw1J0
仕事の都合で遅くなりました……
候補者リストの元ネタは更新終わりに答え合わせします
------------------------------------------------
【第1の島 ホテル レストラン】
ホテルに戻ると、そこにはウサミがただの一人。
どうやら他チームの連中はまだ島を捜索中らしい、つまりは私たちが一番乗りだ。
ウサミは手を叩いて私たちを労って歓待した。
ウサミ「こんぐらっちゅれーしょん! シーズのお二人と斑鳩さんの仲良しチームが一番乗りでちゅよー!」
ルカ「……おら、退け。さっさとパスワードを入力させやがれ」
ウサミを乱暴にグッと押しやり、机に腰掛けた。
ノートパソコンは開きっぱなしで電源もつけられたまま。
にちかと美琴の二人に見守られながら、一文字ずつ丁寧に入力していく。
ルカ「『ヤクモナミ』……っと」
『確認』にカーソルを合わせてクリック。
液晶でしばらく白い丸が渦巻いたかと思うと、すぐに起動音と共に『ようこそ』の文字列が浮かび上がった。
美琴「正解だったみたいだね」
にちか「やったー! これでクリアー!」
ルカ「おし……サンキュー、二人とも」
ウサミ「おめでとうございまちゅ! うるうる……あんなに非協力的だった斑鳩さんがこうやって仲間を労っているなんて、あちしはその変化に涙ちょちょぎれでちゅよ!」
ルカ「ちょちょ切れるもなにもぬいぐるみがどうやって涙流すんだよ」
にちか「そんなどうでもいいことよりルカさん、何かポップアップしてますよ!」
ルカ「ん? あ、おう……」
526: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:32:55.06 ID:IHQOUw1J0
にちかに促されるまま視線を液晶に戻す。
ログインと同時にパソコンでは何かが立ち上がっていた。どうやらこれはメールボックスらしい。
いくつかのメールが未開封なままに残されている。
美琴「開けちゃってもいいのかな。これ」
ウサミ「問題ありまちぇんよ! このノートパソコンはミナサンにプレゼン・フォー・ユー! 中に入っている情報も何もかもミナサンのためのものなんでちゅからね!」
ルカ「おし……確かめてみるよ」
とりあえず目についたメールを右クリック。
旧型のパソコンなのか、少し時間をかけてからメールは展開された。
『A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む』
ルカ「……はぁ?」
美琴「どういう意味なんだろうね」
にちか「なんか『A』?って人が離反したみたいな文面ですけど……」
ルカ「それに、こいつはそれなりの立場にある人間みたいだぞ」
美琴「そんな人が組織の意向に背いてまで成し遂げたかったこと……なんなんだろうね」
コトダマゲット!【Aへのメール】
〔ウサミのウォークラリーの末にロックを解除したノートパソコンに入っていたメール。『A』という人物が組織の意向に背いて独断で動いた旨が記されている〕
527: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:34:10.06 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
にちか「他のメールはどうです?」
ルカ「んー……あとはスパムメールとか……あんま碌な情報は残ってなさそうだな」
メールをいくら開封しても役に立ちそうな情報はなし。
明らかに作為的に与える情報は絞られている印象だ。
ウサミの奴、味方ぶって見せるわりには一丁前に検閲をしているらしい。
ルカ「この『A』ってのがパソコンの所有者っぽいんだが……詳細はわからないな」
美琴「メールの送信者元はわからないの?」
ルカ「アドレス以外は特に残ってねえな……」
にちか「じゃあそのアドレスをクリックですよ! もしかしたらそこから手がかりが……」
ルカ「……ダメだな、そもそもこのパソコンがネットワークに接続してない」
にちか「じゃあ適当に電波の一つでも拾って……」
ルカ「……あ? どうなってんだ?」
美琴「どうしたの?」
ルカ「いや、今周りの電波環境をパソコンで検索したんだけどよ……まるで電波の類がないんだ。ネットワークに接続する以前の問題だぞ」
にちか「えー? それじゃテレビやラジオもダメってことですー?」
美琴「まさに絶海の孤島……だね」
(それじゃ、どうやってこのメールは送られたんだ……?)
コトダマゲット!【島の電波環境】
〔ジャバウォック島には電波の類が一切なく、外部から完全に隔絶されている〕
にちか「他のメールはどうです?」
ルカ「んー……あとはスパムメールとか……あんま碌な情報は残ってなさそうだな」
メールをいくら開封しても役に立ちそうな情報はなし。
明らかに作為的に与える情報は絞られている印象だ。
ウサミの奴、味方ぶって見せるわりには一丁前に検閲をしているらしい。
ルカ「この『A』ってのがパソコンの所有者っぽいんだが……詳細はわからないな」
美琴「メールの送信者元はわからないの?」
ルカ「アドレス以外は特に残ってねえな……」
にちか「じゃあそのアドレスをクリックですよ! もしかしたらそこから手がかりが……」
ルカ「……ダメだな、そもそもこのパソコンがネットワークに接続してない」
にちか「じゃあ適当に電波の一つでも拾って……」
ルカ「……あ? どうなってんだ?」
美琴「どうしたの?」
ルカ「いや、今周りの電波環境をパソコンで検索したんだけどよ……まるで電波の類がないんだ。ネットワークに接続する以前の問題だぞ」
にちか「えー? それじゃテレビやラジオもダメってことですー?」
美琴「まさに絶海の孤島……だね」
(それじゃ、どうやってこのメールは送られたんだ……?)
コトダマゲット!【島の電波環境】
〔ジャバウォック島には電波の類が一切なく、外部から完全に隔絶されている〕
528: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:35:51.47 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
ルカ「……しょうがねえ、メールボックス以外のところを見てみるか」
美琴「外に接続できないのなら、中の情報を見るしかなさそうだね」
にちか「ほら、ルカさんフォルダを展開、展開!」
ルカ「わーってるよ、急かすんじゃねえ」
メールボックスを一旦閉じて、今度はフォルダを開いた。
写真、ドキュメント、音楽……ぱっと見は普通のパソコンと変わりない。
しかし、その右に表示されているストレージの残量ゲージを見てみると並ならぬ量がそこに注ぎ込まれていることが一目でわかる。
間違いない、宝石はここに眠っている。
にちか「ファイル、結構大雑把に分けられてますねー。大半は使い物にならなそうですけど」
ルカ「だな、風景写真やら観光地の案内やら……何かのカモフラージュのつもりか?」
美琴「……待って、この写真。開いてもらえる?」
ルカ「ん? おう」
美琴の目に止まった一枚の写真。
それがポップアップした途端、私にも僅かにあった違和感は完全なる既視感に転換した。
ルカ「この写真は……!」
ルカ「……しょうがねえ、メールボックス以外のところを見てみるか」
美琴「外に接続できないのなら、中の情報を見るしかなさそうだね」
にちか「ほら、ルカさんフォルダを展開、展開!」
ルカ「わーってるよ、急かすんじゃねえ」
メールボックスを一旦閉じて、今度はフォルダを開いた。
写真、ドキュメント、音楽……ぱっと見は普通のパソコンと変わりない。
しかし、その右に表示されているストレージの残量ゲージを見てみると並ならぬ量がそこに注ぎ込まれていることが一目でわかる。
間違いない、宝石はここに眠っている。
にちか「ファイル、結構大雑把に分けられてますねー。大半は使い物にならなそうですけど」
ルカ「だな、風景写真やら観光地の案内やら……何かのカモフラージュのつもりか?」
美琴「……待って、この写真。開いてもらえる?」
ルカ「ん? おう」
美琴の目に止まった一枚の写真。
それがポップアップした途端、私にも僅かにあった違和感は完全なる既視感に転換した。
ルカ「この写真は……!」
529: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:37:28.03 ID:IHQOUw1J0
《「んだよこれ……!?」
そこに写っていたのは私たち。
この島にやってきた連中が全員横並びになって……目を瞑っている。
目を瞑ってコールドスリープ用の機械に横たわっている姿が写っていた。
だが、それで終わらない。
この情報の持つ意味、その一番大きなところは……その上。
「なんで、なんでこいつら……」
風野灯織、田中摩美々、和泉愛依、園田智代子、市川雛菜。
前回のコロシアイの生き残りだと名前が上がっていた連中は……白衣を着て、私たちを見下ろしていた。
____その機械でまるで、人体実験でもしているかのように。》
冬優子を裁判で処刑したあの晩に、無理矢理に押し付けられた混迷の一枚が再び私の前に立ち塞がったのだ。
にちか「え? これ、どういうことなんですか……? ちょっと、意味がわからないんですけど……」
美琴「この五人は……何をしているの? 私たちを見下ろして……」
結局、私はこの写真については共有を避けた。
そこに写っているものが何を意味しているのか、これが本当に正しい写真なのか。その詳細の一切が不明で、必要以上の混乱を招くと思ったからだ。
きっとその判断は間違っていなかったはず。二人がこれほどまでに当惑しているのだから。
ルカ「……今は、一旦置いとくぞ。情報は情報としてだけ受け取っておけ。邪推はすんな」
<<黹Qa*
前回のコ■■アイを生き抜い■者た■■器はす■■熟し■いる
麼/:‖亊
残すは彼■らも共に薪■焚べ■■け輝■■踏み台に才■を世に送り■■■だ
ルカ「……ああ」
コトダマゲット!【冬優子の写真】
〔冬優子が裁判終わりにルカに託した一枚の写真。前回のコロシアイの生き残り5人が、今回の参加者を機械に繋いで見下ろしている様子が写っている〕
530: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:39:29.79 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
にちか「それと、やっぱりこのフォルダが気になりますよね!」
ルカ「ああ……ぶっちぎりで一つだけ容量の大きなフォルダ。意味がないって方が無茶な話だ」
そのフォルダは明らかに異様だった。
容量の大きさもさることながら、更新日時の日も浅く、かつ文書や画像、映像も一緒くたに取り込まれているのだ。
まめに整理をする様子ではなかった持ち主のことだから、乱雑にぶち込まれてしまっているのだろうが、それにしても悪目立ちしている。
美琴「……でもこれ、開けられないね」
美琴の指摘通り、残念ながらその中身を見ることができないというのがネックなのだが。
クリックして展開の指示を出しても、アラーム音と共に錠前に阻まれる。
美琴「フォルダ名は……『方舟計画』? なんのことだろうね」
ルカ「つーかせっかくパス解除したのにまたロックがあるのは反則だろ?」
ウサミ「えーっと……それに関してはすみまちぇん……」
にちか「申し訳なく思うなら解除の一つでもしたらどうです?」
ウサミ「それも……すみまちぇん」
にちか「えー、めちゃくちゃケチですねー! なんでなんですかー?」
ウサミ「お、乙女の秘密って奴でちゅよ!」
ルカ「持ち主はオマエじゃねえだろうが……」
(歯切れが悪い奴だな……)
でも、歯切れの悪さはここに眠っている情報が重要なであることを証明している。
このパソコンに眠っていた『方舟計画』という言葉だけでも覚えておいて損はないだろうな。
コトダマゲット!【方舟計画】
〔ノートパソコンに入っていた謎のフォルダ。その情報量はかなり多いようだが、ロックがかけられており解錠はできない〕
にちか「それと、やっぱりこのフォルダが気になりますよね!」
ルカ「ああ……ぶっちぎりで一つだけ容量の大きなフォルダ。意味がないって方が無茶な話だ」
そのフォルダは明らかに異様だった。
容量の大きさもさることながら、更新日時の日も浅く、かつ文書や画像、映像も一緒くたに取り込まれているのだ。
まめに整理をする様子ではなかった持ち主のことだから、乱雑にぶち込まれてしまっているのだろうが、それにしても悪目立ちしている。
美琴「……でもこれ、開けられないね」
美琴の指摘通り、残念ながらその中身を見ることができないというのがネックなのだが。
クリックして展開の指示を出しても、アラーム音と共に錠前に阻まれる。
美琴「フォルダ名は……『方舟計画』? なんのことだろうね」
ルカ「つーかせっかくパス解除したのにまたロックがあるのは反則だろ?」
ウサミ「えーっと……それに関してはすみまちぇん……」
にちか「申し訳なく思うなら解除の一つでもしたらどうです?」
ウサミ「それも……すみまちぇん」
にちか「えー、めちゃくちゃケチですねー! なんでなんですかー?」
ウサミ「お、乙女の秘密って奴でちゅよ!」
ルカ「持ち主はオマエじゃねえだろうが……」
(歯切れが悪い奴だな……)
でも、歯切れの悪さはここに眠っている情報が重要なであることを証明している。
このパソコンに眠っていた『方舟計画』という言葉だけでも覚えておいて損はないだろうな。
コトダマゲット!【方舟計画】
〔ノートパソコンに入っていた謎のフォルダ。その情報量はかなり多いようだが、ロックがかけられており解錠はできない〕
531: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:41:30.88 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
ルカ「……で、一通り中身は見終わったわけだが。これでどうしろってんだ?」
ノートパソコンの中には重要な情報があるにはあったが、それも可能性と疑問止まり。
私たちにとって具体的な形で助けになるかと言われればそれは違う。
ウサミの狙いを計りかねて、つい乱暴な口振りになる。
ウサミ「はい! 御三方はあちしのレクリエーションのファーストステージをクリアされまちた! ここから先はセカンドステージでちゅ!」
美琴「セカンドステージ?」
ウサミ「この島にはもう一つパスワードのロックをされてる場所があったのは覚えてまちゅか?」
にちか「この方舟計画とはまた別で、ってことです?」
ウサミ「はい! 今回のウォークラリーのメインはそこなんでちゅ、ミナサンの手で新しい場所を開拓して欲しいんでちゅ!」
美琴「それって……第2の島にあった遺跡のことかな」
ルカ「そういえばそんなもんあったな……あのマシンガンが付いてる並ならぬ奴」
美琴「遺跡のパスワードはノートパソコンとはまた別物なの?」
ウサミ「はい! 遺跡のパスワードは、もう一つの未開の地に眠っていまちゅ!」
にちか「もう一つの……未開の地?」
ウサミ「その場所を探り当てることができれば、自ずと遺跡のパスワードも分かるはずでちゅ!」
(じゃあ実際のところはその未開の地とやらを探し当てるのがセカンドステージってところか……)
にちか「じゃあちゃっちゃっと見つけちゃいましょう! 絶対一番でこのレクリエーションを終わらせましょうね!」
ルカ「……ったく、あちこち移動させやがって。面倒なレクリエーションこの上ないな」
とはいえこのウォークラリーで全ての島は渡り歩いたはずだ。
まだ足を踏み入れていない場所など残っていただろうか?
【誰も足を踏み入れていない未開の地とはどこ?】
↓1
ルカ「……で、一通り中身は見終わったわけだが。これでどうしろってんだ?」
ノートパソコンの中には重要な情報があるにはあったが、それも可能性と疑問止まり。
私たちにとって具体的な形で助けになるかと言われればそれは違う。
ウサミの狙いを計りかねて、つい乱暴な口振りになる。
ウサミ「はい! 御三方はあちしのレクリエーションのファーストステージをクリアされまちた! ここから先はセカンドステージでちゅ!」
美琴「セカンドステージ?」
ウサミ「この島にはもう一つパスワードのロックをされてる場所があったのは覚えてまちゅか?」
にちか「この方舟計画とはまた別で、ってことです?」
ウサミ「はい! 今回のウォークラリーのメインはそこなんでちゅ、ミナサンの手で新しい場所を開拓して欲しいんでちゅ!」
美琴「それって……第2の島にあった遺跡のことかな」
ルカ「そういえばそんなもんあったな……あのマシンガンが付いてる並ならぬ奴」
美琴「遺跡のパスワードはノートパソコンとはまた別物なの?」
ウサミ「はい! 遺跡のパスワードは、もう一つの未開の地に眠っていまちゅ!」
にちか「もう一つの……未開の地?」
ウサミ「その場所を探り当てることができれば、自ずと遺跡のパスワードも分かるはずでちゅ!」
(じゃあ実際のところはその未開の地とやらを探し当てるのがセカンドステージってところか……)
にちか「じゃあちゃっちゃっと見つけちゃいましょう! 絶対一番でこのレクリエーションを終わらせましょうね!」
ルカ「……ったく、あちこち移動させやがって。面倒なレクリエーションこの上ないな」
とはいえこのウォークラリーで全ての島は渡り歩いたはずだ。
まだ足を踏み入れていない場所など残っていただろうか?
【誰も足を踏み入れていない未開の地とはどこ?】
↓1
533: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:46:23.43 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
【第四の島 ネズミー城】
ジャバウォックの島々の中でこの空間は唯一と言ってもいい。
理由はわからないがモノクマもモノミも足を踏み入れようとしない聖域。
とはいえその城には出入り口らしいものも見当たらず、真っ白なレンガの絶壁に阻まれるため、私たちも息をつくことも叶わないのだが。
ルカ「未開の地といえばここぐらいのもんだろ? この城の中にパスワードのヒントは眠ってるはずだ」
にちか「言われてみれば、誰もまだ入ったことない場所ですよね」
美琴「……でも、どうやって入るの? こんな壁、人の力だけじゃどうしようもないよね?」
ルカ「ああ……何か爆弾でもないとな」
美琴「……」
ルカ「……?」
美琴「ねえ、さっきのエグイサル……使えないかな」
ルカ「はぁ? エグイサルを使うったって……どうやってだよ」
美琴「えっと……口で説明するより、実際に見せた方が早いかな」
ルカ「……あ?」
【第四の島 ネズミー城】
ジャバウォックの島々の中でこの空間は唯一と言ってもいい。
理由はわからないがモノクマもモノミも足を踏み入れようとしない聖域。
とはいえその城には出入り口らしいものも見当たらず、真っ白なレンガの絶壁に阻まれるため、私たちも息をつくことも叶わないのだが。
ルカ「未開の地といえばここぐらいのもんだろ? この城の中にパスワードのヒントは眠ってるはずだ」
にちか「言われてみれば、誰もまだ入ったことない場所ですよね」
美琴「……でも、どうやって入るの? こんな壁、人の力だけじゃどうしようもないよね?」
ルカ「ああ……何か爆弾でもないとな」
美琴「……」
ルカ「……?」
美琴「ねえ、さっきのエグイサル……使えないかな」
ルカ「はぁ? エグイサルを使うったって……どうやってだよ」
美琴「えっと……口で説明するより、実際に見せた方が早いかな」
ルカ「……あ?」
534: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:48:20.35 ID:IHQOUw1J0
『私が……この、赤いエグイサルに乗っているのが……っ!』
「緋田美琴だから」
535: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:50:26.63 ID:IHQOUw1J0
何が起きたのか、理解ができなかった。
突然に顔の横を突き抜けていった突風と熱。
爆音が全てをかき消す中で、瓦礫が後ろに飛んでいくのを目視しながら自分の目が覚めていくのを感じていた。
……悪い夢を見ていた。
悪霊に取り憑かれたように、自分の体は何者かによって操られ、思考の一つ一つも導かれて、肉体と精神は完全に私の支配の外にあった。
そこで抱いた感情も、私が口から吐き出した言葉も、その全てが粘土で作られた模造品。
むせ返るような図工室の香りに、私は嘔吐感で膝を折った。
(……私は、今の今まで何と話してたんだ)
あたりにこぼれた直近の記憶を拾い集めてみると、顔が黒塗りされた誰かと談笑している自分の姿。
人の死を嘲るような言葉をつらつらと楽しそうに語っていた。
「ざけんな……ざっけんな……!」
胃からせり上げるものを必死に抑え込んだ。
記憶に蓋をすることはできても、取り替えることはできない。
連中の死を玩具にしたことに対する嫌悪が湯水のように湧いてくる。
「マジで……死ねよ、私……」
それと同時に認知が蘇る。
今目の前で起きたことは、忌まわしき記憶の再現。
その受け入れ難さを前にして、嚥下を拒絶し、現実から逃避することに決めた死別。
和解をすることも叶わないままに迎えたエンドロールは、私に改めて後悔と無力感を痛感させるには事足りていた。
深淵の闇に堕ちた心境とは裏腹に、その視界は開けていた。
俯くことすらできずにいた私は、砂煙が捌けた後に現れた城の内部をそのまま受け止めることとなる。
「……なんだ、これ」
536: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:52:09.44 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
【ネズミー城 内部】
ふざけた外観からは予想だにできない、色彩と空間。
黒と青がタイルのように散らばる部屋は異様な無機質さで、漂う透明なキューブは電子を纏う。
床と壁には絶えず文字列が走り、毛細血管のようにタイルの合間にLEDが張り巡らされている。
近未来という言葉で飾るなら、こういう部屋だろうと思う。
「なん、で……」
しかし、私を驚かせたのは部屋だけで終わらない。
「なんでオマエが……ここにいんだよ……!」
そこには、あの女の姿があったから。
「ふふーん、昨日ぶりなのにご挨拶やね! ルカ!」
不気味なまでに朗らかな表情、押し付けがましさすらある明朗快活な声量。
見慣れたその立ち居振る舞いそのままに、いるはずのない彼女はそこに立っていた。
【ネズミー城 内部】
ふざけた外観からは予想だにできない、色彩と空間。
黒と青がタイルのように散らばる部屋は異様な無機質さで、漂う透明なキューブは電子を纏う。
床と壁には絶えず文字列が走り、毛細血管のようにタイルの合間にLEDが張り巡らされている。
近未来という言葉で飾るなら、こういう部屋だろうと思う。
「なん、で……」
しかし、私を驚かせたのは部屋だけで終わらない。
「なんでオマエが……ここにいんだよ……!」
そこには、あの女の姿があったから。
「ふふーん、昨日ぶりなのにご挨拶やね! ルカ!」
不気味なまでに朗らかな表情、押し付けがましさすらある明朗快活な声量。
見慣れたその立ち居振る舞いそのままに、いるはずのない彼女はそこに立っていた。
537: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:53:52.90 ID:IHQOUw1J0
ルカ「オマエは……死んだはずだろ、なんで……こんな……」
思わず詰め寄る私を、軽くあしらうようにする。
恋鐘?「死んだ? ……ああ、そげなこつ気にせんでよかよ、今更生きるとか死ぬとか些細な話たい」
ルカ「はぁ……?」
恋鐘?「さっきまでルカは何見とったか思い出さんね! 誰と一緒に話して、誰と一緒に行動ばしとった?」
ルカ「……あんなんは偽物だ、あんなのが、二人なわきゃねえ……!」
恋鐘?「んー……ルカん気持ちは分かるけど、話し方も体の動かし方も全部二人のそのまんまだったばい?」
ルカ「だとしてもだ……中身が、まるっきり別もんだっての……!」
恋鐘?「それはルカがそう思いたい、ってだけの話とやろ?」
ルカ「なっ……ちげーよ! オマエも283の人間ならわかんだろ! 美琴もにちかも……人の死を嘲るような下品で始末に追えないやつなんかじゃないって!」
恋鐘?「だから、それが推測に過ぎないって話ばい。目の前で話してる相手が何を考えているのかも本当の意味では分からん」
恋鐘?「相手がどんな人物か、なんてエスパーか神様でもないと読み取ったりなんか出来んからね!」
ルカ「うっせえ……それ以上美琴を穢すならタダじゃおかねえからな」
恋鐘?「んー……ルカも結構剛情やね……」
不可解と不快で募った苛つきに解答は与えちゃくれない。
私の見ていた夢が何かについて、具体的な言及はまるでせずに月岡恋鐘は自分の言いたいことだけを押し付ける。
538: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 21:55:15.02 ID:IHQOUw1J0
恋鐘?「まあ、こんな押し問答に意味はなか! さっさと本題に入るばい!」
ルカ「本題……?」
恋鐘?「ルカは今ウォークラリーばしとる最中! うちはルカに最後のパスワードを伝えるためのチェックポイントでしかなかもん」
ルカ「ああ、そういやそうだったな……」
恋鐘?「それじゃあ早速言わせてもらうばい! パスワードは……『0816』の数字4桁! ちゃんと覚えて帰ってね!」
ルカ「……? なんの数字だよ、それ」
恋鐘?「うーん……うちにも意味は分からん……」
ルカ「はぁ……?」
恋鐘?「ま、とりあえず伝えることは伝えたばい! これで用件はおしまい!」
傲慢にもここで背を向けた。
話したいこと以外話す気はないという意思表示なのだろう。
ルカ「は?! ちょ、ちょっと待てよ! どこに行く気だ?!」
思わずその左腕を掴んだ。
手の中に伝わる熱の感触は、なんとなく気味が悪い。
539: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:01:36.11 ID:IHQOUw1J0
恋鐘?「どこに行くも何も……元あるべき場所に戻るだけの話ばい」
ルカ「そんな無責任な話があるかよ、オマエは黒幕なんだろ? だったら今こうやってウォークラリーをさせてるのもオマエの意志のはずだ」
ルカ「オマエは私に何がさせたい? 何を伝えたい? さっきから断片的な情報ばかり与えて、何を目論んでる?」
恋鐘?「ちょっと待たんね! そげん質問矢継ぎ早にされても答えられん!」
答えられないと言う言葉には、何か含みを感じさせた。
自分の唇を噛むようにして腕をブンブンと振り回す。窮屈さを感じて駄々をこねる子供のようなそぶりだ。
そこから捻り出すような譲歩を彼女は口にする。
恋鐘?「んー……そいなら、一個だけルカに教えてあげてもよかよ!」
ルカ「……一個だけ?」
恋鐘?「時間が圧しとるから、一個だけ! ルカの質問に正直に答えてあげる!」
与えられた権利は手狭だ。
頭の中には無限の疑問符が浮かんでいる。
今の自分も過去の自分も、未来にいるはずの自分も、何もかも未知と不可解に侵されている中で、導として掴むには何が良いのか。
そんなのいくら考えても答えが出るものではない。
540: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:02:59.01 ID:IHQOUw1J0
ルカ「……聞きたいことは山ほどある」
ルカ「だけど、その中でも一つだけ、どうしてもはっきりさせておきたいことがある」
恋鐘?「なんね?」
ルカ「……天井努だ」
それなら、と私は私自身のルーツを手に取った。
この思考の、この感情の、この言動の、根幹とも言うべきはその男への憎しみ。
他の人間なら誰しもが持つものを、持つという権利すら与える間も無く奪い去ったこの男を許しておけるはずがない。
ましてその男が凶行に走り、その凶行に感化された人間がいるとなるとその事の次第を明らかにしたいと思うのは正常な反応だろう。
恋鐘?「……!」
ルカ「私にとって親の仇とも言うべき男、あいつとオマエは繋がって……このコロシアイを仕掛けた、そういう話だったはずだ」
ルカ「オマエと天井の繋がり、それをハッキリさせろ。この前はそれをちゃんと聞く前にオマエがくたばっちまったからな」
月岡恋鐘は、表情では反応は見せなかった。
余計なことを悟らせまいとしているのか、ただ不器用なだけなのか。いまいち読みきれない。
541: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:04:20.26 ID:IHQOUw1J0
恋鐘?「ルカが聴きたいのは、うちと社長がどんな関係かって話でよか?」
ルカ「ああ、このコロシアイを仕掛けたオマエたちについて。聞かせてもらうぞ」
深呼吸を一度してから、ゆっくりと語り始めた。
恋鐘?「ルカたちももう知っとる話やけど、社長は283プロのアイドルば対象にして行われたコロシアイの1回目の黒幕ばい」
恋鐘?「そんコロシアイは、時代を超えてみんなの希望になるアイドルを生み出すのが目的やったとよ」
恋鐘?「うちはそん思想に賛同して、社長の仲間……チーム・ダンガンロンパの仲間になったばい」
ルカ「……その、チーム・ダンガンロンパってのはコロシアイを興行にしている組織なんだろ? 天井はそこの重役なのか?」
恋鐘?「ジェネラルマネージャー……幹部とも言い換えれるばい」
ルカ「なるほどな、それで資金繰りや物資の投入が可能だったわけか……オマエもその恩恵にあやかってたのか?」
恋鐘?「社長はもう死んどるから、リアルタイムでどうこうなんて話ではなかね。でも、社長には色々と助けてもらったのは事実ばい」
恋鐘?「コロシアイのいろはを仕込んでもらったし、今回のプログラムだって骨組みは社長が作ったものでうちはそれに手を加えた形やけんね」
ルカ「オマエと社長はいつから共謀関係にあったんだ?」
恋鐘?「1回目のコロシアイよりももっと前……283プロにおる今のユニットが全部揃った頃ぐらいから」
ルカ「……そんな前からかよ」
恋鐘?「はじめは社長がうちにコロシアイの映像を見せてきて……そこで魅せられてしまったばい」
恋鐘?「コロシアイの中で生まれる希望……その力強さと気高さは、他では生み出すことはできんけんね」
ルカ「……よくわかったよ、オマエがずっと初めから狂ってたってことは」
恋鐘?「人がせっかく親切に答えたのに随分な口ぶりばい……」
コトダマゲット!【恋鐘の証言】
〔1回目のコロシアイの黒幕である天井とはユニットが揃った時からの共謀関係。恋鐘はその思想に強烈な賛同を示しており、コロシアイ運営のいろはも彼に仕込まれたものだという〕
542: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:05:27.01 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
恋鐘?「ルカともっとおしゃべりしたいところやけど、もう時間ばい。ルカは次のステージに進まなきゃいかん!」
ルカ「な……待て、まだ聞きたいことが!」
恋鐘?「ぶっぶー! 質問は一個だけってそう言ったはずばい!」
おどけた様子でまるで相手にしない。
混迷の水位がまた上がりだす。
恋鐘?「それに……うちにわざわざ聞かなくても、ルカはこれから嫌でも知ることになるけん」
ルカ「……あ?」
恋鐘?「とにかく、今は遺跡に行くことだけ考えて! 知りたい真実はそこに眠っとるよ!」
ルカ「おい! 待て!」
最後まで耳を貸すことはなく、月岡恋鐘はその姿を消した。
ずっと目の前で見ていたはずなのに、どこに消えたのかも、どうやって消えたのかも何も分からないままで、私だけが部屋に取り残された。
ルカ「……考える間にさっさと進めってことかよ」
狐にはもう摘まれ慣れた。
今目の前で起きた異常にどうこう言うのも煩わしい。
ルカ「……遺跡、だったな」
恋鐘?「ルカともっとおしゃべりしたいところやけど、もう時間ばい。ルカは次のステージに進まなきゃいかん!」
ルカ「な……待て、まだ聞きたいことが!」
恋鐘?「ぶっぶー! 質問は一個だけってそう言ったはずばい!」
おどけた様子でまるで相手にしない。
混迷の水位がまた上がりだす。
恋鐘?「それに……うちにわざわざ聞かなくても、ルカはこれから嫌でも知ることになるけん」
ルカ「……あ?」
恋鐘?「とにかく、今は遺跡に行くことだけ考えて! 知りたい真実はそこに眠っとるよ!」
ルカ「おい! 待て!」
最後まで耳を貸すことはなく、月岡恋鐘はその姿を消した。
ずっと目の前で見ていたはずなのに、どこに消えたのかも、どうやって消えたのかも何も分からないままで、私だけが部屋に取り残された。
ルカ「……考える間にさっさと進めってことかよ」
狐にはもう摘まれ慣れた。
今目の前で起きた異常にどうこう言うのも煩わしい。
ルカ「……遺跡、だったな」
543: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:07:24.51 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
【第2の島 遺跡】
最初にここに来たのは随分と前、最後にここに来たのも随分と前。
要は、探索の時以来まともに近寄ろうともしていなかった領域だ。
来るものを真正面から全て拒絶する盤石すぎるセキュリティ設備に、調査を進めようという意欲も削がれてその存在そのものを忘れ去ってしまっていた。
ルカ「……此処が最終目的地になるなんてな」
散々と島中を歩かされたが、これでいよいよラスト。
いつの間にか靴にくっついていた砂粒を、コンクリを爪先で叩いて振り払った。
「もー! ルカさん人のペース考えて歩いてくださいよ! どんだけがっつくんですかー!」
置き去りにしたにちかが背後から大声で叫ぶ。文句ばかり言うお荷物も、美琴の手前置いて行くことはできない。
形だけでも悪びれておいた。
【第2の島 遺跡】
最初にここに来たのは随分と前、最後にここに来たのも随分と前。
要は、探索の時以来まともに近寄ろうともしていなかった領域だ。
来るものを真正面から全て拒絶する盤石すぎるセキュリティ設備に、調査を進めようという意欲も削がれてその存在そのものを忘れ去ってしまっていた。
ルカ「……此処が最終目的地になるなんてな」
散々と島中を歩かされたが、これでいよいよラスト。
いつの間にか靴にくっついていた砂粒を、コンクリを爪先で叩いて振り払った。
「もー! ルカさん人のペース考えて歩いてくださいよ! どんだけがっつくんですかー!」
置き去りにしたにちかが背後から大声で叫ぶ。文句ばかり言うお荷物も、美琴の手前置いて行くことはできない。
形だけでも悪びれておいた。
544: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:08:48.28 ID:IHQOUw1J0
ルカ「ああ、いや……悪い」
美琴「いいよ、にちかちゃん。大丈夫」
にちか「でも……この人! ぜんっぜん周り見てないっていうか……!」
千雪「ウォークラリーももうこれで終わりなんだもん、走りたくもなっちゃうよね」
ルカ「千雪……人をガキみたいに言うんじゃねーよ」
摩美々「今度こそこれで終わりですかぁ……? これ以上歩くのとか、もう勘弁なんですケドー……」
結華「ウサミは遺跡でパスワードを入力すれば終わりって言ってたよね?」
灯織「はい……そのはずです。パスワードは恋鐘さんから教わった『0816』。これで扉が開くといいんですが……」
風野灯織が一瞥した先には重厚な扉。
鋼鉄でできた扉には『未来』と克明に刻まれている。
智代子「問題は、それを誰が入力するかだよね……」
あさひ「わたし、入力してみたいっす!」
夏葉「待って。扉の横にマシンガンが取り付けられているのを見ても、危険の伴う行為だわ。入力は慎重に行うべきよ」
雛菜「じゃあジャンケンで決めよ〜?」
透「オッケー。私、グーね」
愛依「おっ、透ちゃんサクシ〜! じゃあうちはパー出す!」
冬優子「そんな浅知恵で挑む勝負じゃないっての……下手すりゃ死ぬのよ?」
どこまでも緊張感のない連中に忘れそうになるが、今は最終局面。
このコロシアイ南国生活の進退が決しようとしている最中、自分の命も駆け引きの材料とする覚悟を求められている。
545: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:10:30.99 ID:IHQOUw1J0
ルカ「……私がやる」
そんなものは、とっくに備わっていた。
正確には覚悟ではなく、苛つきに近い。ここまでの横暴を許したこと、自分達を散々弄んだこと……要因は無限にある。
虫唾がフルマラソンを走る中で、このコロシアイを終わらせることができるのなら自分の命なんて安いくらいだ。
果穂「ルカさん、あぶないです!」
ルカ「いいんだよ、どうせ誰かがやらないといけない……だったらヨゴレの私がやるべきだ」
千雪「ま、待って! ちゃんと話し合いをしてから……」
ルカ「そんな時間はないだろ……今は一刻も早くこの遺跡の中を確かめないと」
結華「だとしても……! そんな、三峰たちを勝手に傍観者にしないでよ……!」
ルカ「……」
制止の声には耳を閉ざした。
おそらく何を言ってもこいつらは聞く耳を持たない。
自分達はみんな平等。
誰かを危険に晒して自分は安全圏なんてもってのほか。
だから、結論は一生出せない。
誰かが一歩踏み出せば、それを引き戻す。
お互いがお互いの命綱を握っているからこそ、彼女たちは賭けに挑むことはできないのだ。
546: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:11:18.14 ID:IHQOUw1J0
冬優子「ルカ……あんたにもしものことがあったら夢見が悪いのよ……!」
でも、それじゃあコロシアイには勝てない。
命を賭けるという前提に成り立つ秩序の中にいるのに、そこから目を逸らしている彼女たちは啄まれるだけの餌と変わりない。
食い物にされるだけなんて私はゴメンだし、食い物にされている連中を見るのも不快。
灯織「斑鳩さん……一人で背負わないでください、私たちで別の方法を何か考えてもいいですし……」
指で一つ一つ数字を丁寧に確認しながら入力していった。
にちか「……あー、もう! なんでそうやって一人でいっつも突っ走るかなー!」
一文字でも間違えれば蜂の巣。
そのことが頭をよぎるたびに、唾液が込み上げた。
美琴「ルカ……死なないで」
ようやく……最後の一文字を入力し終えた。
547: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:12:23.71 ID:IHQOUw1J0
ピピッ
入力パネルは全面が同時に緑色に点灯。
それとほぼ同時に扉の向こうから動作音が聞こえた。噛み合わされていた閂が外れるような音に、思わず振り返る。
愛依「……開い、た? もしかして」
ルカ「……みたいだな」
果穂「す、す、す、す……」
果穂「すごいですーーーーー!! これでウォークラリー、完全コンプリート、です!」
私に一斉に駆け寄ってくる283の連中。
さっきまで私の独断を非難し、その身を案じていたというのにすっかりそんなことは他所にやって成功に歓喜している。
両手を掴んでブンブンと振り回されるのに鬱陶しさを感じながら私は視線を逸らした。
冬優子「もう……成功したからいいものの、こんな真似すんじゃないわよ……こっちの身が持たない」
千雪「本当……心配で心配でしょうがなかったんだから」
ルカ「……誰かがやらなきゃいけなかったんだから。しょうがないだろ」
本当に、私はただ自分がやりたかったことをしただけ。
あのどうしようもない膠着を打破したくて、自分の命を差し出しただけなのだ。
それなのに、見当違いな感謝がそこら中から投げ込まれて参ってしまう。
息のつける場所を求めてそこかしこを見遣ると、一人の女と目が合った。
548: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:13:38.00 ID:IHQOUw1J0
灯織「……斑鳩さん。ありがとうございました、そしてごめんなさい」
そいつは、これ幸いとばかりに私につむじを見せびらかした。
そこまでの角度をつけてのお辞儀など、見慣れていない。
ルカ「あ?」
溢れた声も動揺の発露に近い。
私から反応があったことを確かめると、風野灯織は上体を起こして弁明した。
灯織「あなたは283プロダクションの人間でもないのに、私たちの命を背負ってここまで連れてきてくれた。そのことには感謝と申し訳なさを感じずにはいられないんです」
なるほどその理屈は分かる。
こいつの目線から見れば、私は突如として目の前に現れた救世主にでも見えているのだろう。
だけど私にはそんな後光なんて差していない。私に付き纏っているのは常に逆光だけだ。
549: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:14:25.62 ID:IHQOUw1J0
ルカ「別に……こっちも背負ったつもりなんかねーよ」
灯織「……え?」
ルカ「にちかの裁判の時言っただろ? 私は私がやりたいようにやるだけ。だからその過程で別の誰かの願いや希望を私が偶然叶え、思いを背負うことになったとしてもそれに引け目なんか感じなくていい」
ルカ「こっちは救おうと思ってやってるわけじゃないんだからな」
ここまでに事態が転がったのは本当にただの偶然なのだ。
偶然に283の連中に見とめられ、偶然に言葉を交わすこととなり、偶然に同じ時間を過ごした。
近づこうと思って近づいたことなど一度もなかった。それなのに、気がつけばジリジリと空間は狭まっていた。
磁力で引き寄せられるかのような、不可抗力だったのだろうと思う。
にちか「……ホント、一丁前なこと言いますよね」
ルカ「オマエはその筆頭だ」
にちか「……知ってます!」
ルカ「だから、オマエら283の連中も好きにしろ。私についてきてもこっちも何も言わねえ。歓迎の挨拶も、厄介払いの悪態もな」
だから、今更その不可抗力を弾くこともしない。
その方が面倒だし、労力もかかる。
ルカ「ほら、さっさと行くぞ」
最後まで風野灯織の言葉は受け取ることなく、私は背を向けた。
背中には、他の連中の視線を感じる。
羨望でもない、誹謗でもない。そこに帯びているものは私にはわからない。
具体的な繋がりなど何もないもの同士、その関係性を語る言葉はないはずだ。
ルカ「決着をつけるぞ」
550: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:15:31.29 ID:IHQOUw1J0
____これで本当に終わり。そして、ここからすべてが始まる。
あさひ「じゃあ早く行くっす! もう待ちきれないっすよ!」
蜀ャ蜆ェ蟄「縺ゅs縺溘?窶ヲ窶ヲ縺ゥ縺薙∪縺ァ蜻第ー励↑縺ョ繧医?ゅ∪縺ゅ?∵ー玲戟縺。縺ッ繧上°繧九¢縺ゥ」
諢帑セ「繧「繝上ワ縲√≠縺輔?縺。繧?s縲ゅ∩繧薙↑縺ァ荳?邱偵↓陦後%? 縺ュ?」
あさひ「あははっ! 分かってるっすよ、みんなで一緒に……っすよね!」
私は孤独に、ただ一人で歩み続ける……そのことには恐怖を抱かない……とは言い切れない。
だけど、迷いはない。
自分で決めた道を途中で変えた先にある凋落を、私は知っているから。
551: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:16:22.79 ID:IHQOUw1J0
邨占庄「縺サ繧峨?√∪縺ソ縺ソ繧薙?ゅ≠縺ィ繧ゅ≧縺。繧?▲縺ィ縺?縺九i縺包シ」
鞫ゥ鄒弱?「縺オ繧上=窶ヲ窶ヲ蟶ー縺」縺溘i縺贋シ代∩繧ゅi繧上↑縺阪c縺?縺ュ繝シ」
邨占庄「縺昴l縺ッ縺セ縺や?ヲ窶ヲ莠、貂画ャ。隨ャ?」
自分の道を歩み続ける中で、拾い上げることになった不可視の粒の数々。
これ自体には何の力もない。
卵を砕くことも、紙を破くことすらもできない。
552: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:17:06.39 ID:IHQOUw1J0
蜊?妛「縺ァ繧ゅ?√h縺九▲縺溘↑窶ヲ窶ヲ縺ソ繧薙↑縺ァ縺薙≧縺励※隧ヲ邱エ繧剃ケ励j蛻?k縺薙→縺後〒縺阪※」
轣ッ郢「縺ッ縺??∫ァ√b逧?&繧薙?縺雁鴨縺ォ縺ェ繧後※縺?◆縺ョ縺ェ繧」
蜊?妛「轣ッ郢斐■繧?s縺ッ遶区エセ繧医?ゅ∩繧薙↑繧剃ス募コヲ繧ょシ輔▲蠑オ縺」縺ヲ縺上l縺溘@窶ヲ窶ヲ縺阪▲縺ィ螳溘j縺ョ縺ゅk逕滓エサ縺ォ縺ェ縺」縺溘→縺翫b縺?o」
でも、それは確かに存在するようで。
他の連中が言うには、
その粒は胸の中で静かに燃え盛り、
なぜか手は無意識にそれを掴み、
他の連中はそれをもっともらしく弁舌に尽くし、
それを導にして道を決めているらしい。
553: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:17:58.27 ID:IHQOUw1J0
智代子「終わっちゃうと思うとちょっとだけ寂しさもあるね……」
譫懃ゥ「縺ッ縺??ヲ窶ヲ縺ェ繧薙□縺倶ソョ蟄ヲ譌?。後r蜈亥叙繧翫@縺溘∩縺溘>縺ァ縲√Ρ繧ッ繝ッ繧ッ縺励∪縺励◆?」
螟剰痩「縺オ縺オ縲∽サ雁コヲ縺ッ繝励Λ繧、繝吶?繝医〒縺ソ繧薙↑縺ァ譌?。後↓陦後¢繧九→縺?>繧上?縲ゅ?繝ュ繝?Η繝シ繧オ繝シ縺ォ繧りゥア縺励※縺ソ縺セ縺励g縺」
_______283の連中はそれを【絆】と呼んだ。
希望や絶望という漠然としたものではなく、明確な存在としての【絆】。
それがある限り、歩み続けることに恐怖なんてしない。
554: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:18:42.32 ID:IHQOUw1J0
髮幄除「謌サ縺」縺溘i蟄ヲ譬。陦後°縺ェ縺阪c縺?縲懌?ヲ窶ヲ髮幄除蟲カ縺ォ谿九▲縺ヲ繧ゅ>縺?°繧ゅ↑縲」
透「それな。あるかも、一理」
髮幄除「縺ゅ?縲懶シ」
今回ばかりは私の歩む道が偶然にその【絆】に、部分的に沿っていた。
そこで意図せず繋がってしまったのだ。
555: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:19:28.38 ID:IHQOUw1J0
ルカ「さあ、行くぞ……帰るんだ、ステージの上に」
鄒守清「縺昴≧縺?縺ュ縲∝セ?▲縺ヲ縺上l縺ヲ縺?k莠コ縺後>繧九°繧」
縺ォ縺。縺「縺薙s縺ェ縺ィ縺薙m縺倥c縲∵ュ「縺セ縺」縺ヲ繧峨l縺ェ縺?〒縺吶h縺ュ?」
だから私も、嫌々ながらその陽の下にいる。
図々しい陽の光は私たちをひとまとめに暖めながら、遥か先の一点を向いている。
その一点を目掛けて、一歩を踏み出すのだ。
_______私たちは“目的地”を、目指し続ける。
556: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:20:15.86 ID:IHQOUw1J0
「私たちの日常を、取り返すんだ」
扉から、光が差し込んできた。
557: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:21:37.72 ID:IHQOUw1J0
------------------------------------------------
【???】
ルカ「……あ?」
……悪い夢を見ていた。
一度完全に醒めたはずなのに、気がつけば微睡の中にいた。
工場から排出されるヘドロのように、真っ黒で、ベトベトと纏わりつく不快なだけの夢。
モノミ「おかえりなちゃい! 今度こそパーフェクト、完全クリアでちゅよ〜!」
かといって現実に戻ったからと好転するでもない。
目を覚ました私たちを待ち受けていたのは、
このコロシアイそのものを象徴するような醜悪なマスコットと、網膜に焼き付いた生と死をないまぜにする裁判場。
【???】
ルカ「……あ?」
……悪い夢を見ていた。
一度完全に醒めたはずなのに、気がつけば微睡の中にいた。
工場から排出されるヘドロのように、真っ黒で、ベトベトと纏わりつく不快なだけの夢。
モノミ「おかえりなちゃい! 今度こそパーフェクト、完全クリアでちゅよ〜!」
かといって現実に戻ったからと好転するでもない。
目を覚ました私たちを待ち受けていたのは、
このコロシアイそのものを象徴するような醜悪なマスコットと、網膜に焼き付いた生と死をないまぜにする裁判場。
558: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:22:42.62 ID:IHQOUw1J0
ルカ「なん、で……」
モノミ「どうしまちた? 気分が優れないみたいでちゅけど……」
ルカ「なんで、遺跡の中が此処になってんだよ……ここはモノクマロックの地下にある裁判場なんじゃ……」
モノミ「ああ、ちょっとびっくりしちゃったんでちゅね? 何も恐ることはないんでちゅ、答えはシンプルな話なんでちゅ。入口が二つあるお部屋ってだけなんでちゅよ!」
ルカ「モノクマロックと遺跡とじゃそもそも島が違うだろうが……」
モノミ「うーん……答えてあげてもいいんでちゅが、それはネタバレでちゅからね……」
モノミ「一旦、その疑問は押し入れに押し込んでおいてくれまちゅか?」
ルカ「はぁ?」
モノミ「そんなことより、これからのことを説明しないといけまちぇん! ……ね、お二人さんも聞いてくれまちゅか?」
モノミの呼びかけでまさかと思って振り返る。
ハッタリやごまかしの類かと思いきや、そこには明確な二人の影。
この島の生活を共に過ごしてきた……このコロシアイを共に生き抜いてきた二人。
あさひ「……どういうことっすか? これ。冬優子ちゃんと愛依ちゃんは……どこに行ったんっすか?」
智代子「果穂と夏葉ちゃんも……何が起きてるの?」
ルカ「オマエら……オマエらも、私と同じものを見てたのか?」
559: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:23:24.42 ID:IHQOUw1J0
二人も私と状況は同じらしい。
さっきの今まで、死が裏返る信じ難い夢の中にいた。
そして訳もわからぬままにこの裁判場へと送り込まれている。
モノミ「あちしからのプレゼントはどうでちたか? 久しぶりにお友達と話せて嬉しかったかな?」
ルカ「……は?」
モノミ「御三方はさっきまで、死んじゃったはずのお友達と一緒にいまちたよね? それがあちしからのプレゼントなんでちゅ」
ルカ「……!」
モノミ「ほら、だってミナサンこの前の裁判で相当堪えてそうだったから! 元気だちて行きましょう、栄養剤!」
智代子「あんなの見せられて……元気を出せって言う方が無理だよ……」
あさひ「モノミ、さっきまでのはなんなんっすか? どうして二人はわたしの前に再び現れることができたんっすか?」
モノミ「さあ、どうしてでちょうね?」
ルカ「……答える気はないってか」
560: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:25:18.15 ID:IHQOUw1J0
モノミ「さあさ、それよりもミナサンにはこれからビッグイベントが待ち構えてまちゅよ!」
ルカ「ビッグイベント……?」
モノミ「このコロシアイ南国生活における、最後の学級裁判でちゅ!」
あさひ「最後の学級裁判……?」
モノミ「黒幕の月岡さん亡き今、このコロシアイ南国生活は存続の危機でちゅ! ここで終わりを迎えるのかどうなのか、ミナサンの話し合いで決定するんでちゅ!」
智代子「私たちの話し合い……? そんなの、結論は決まりきってるよ!」
智代子「コロシアイはもう終わり! これ以上続ける理由も何もないよ!」
モノミ「あー、いや……そういうことではないんでちゅ。ここで話し合うのはコロシアイを続けるかどうかではなくて、もっと別の謎を解明してでちゅね」
モノミ「ま、やってみれば分かりまちゅ! あちしが音頭を取るのでそれに従ってくだちゃい!」
智代子「な、投げやり?!」
ルカ「なんだっていいさ」
モノミ「はれ?」
ルカ「もう……なんだっていい。この生活が終わるんだったらなんだっていい」
ルカ「さっさと終わりにしようぜ……こんなの」
561: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:26:38.25 ID:IHQOUw1J0
この虚脱感はどこから来ているのだろうか。
美琴という拠り所を喪ったこと、
自分は目の前にいたのに救うことができなかったこと、
その後に現れた幻影に易々とつけこまれてしまったこと、
自分の感情を弄ばれてここまで運ばれてしまったこと。
無力感や自己嫌悪、ありとあらゆるマイナス感情を煮詰めて蓄えた体はいつも以上に重力を感じていた。
全身にどっしりとのしかかるものを下ろせるのなら、そのレギュレーションなど問う気力もなかったのである。
モノミ「分かりまちた! それなら早速始めまちょう! ミナサン、それぞれの席についてくだちゃい!」
智代子「う、うぅ……やるしかないの?」
あさひ「選択肢はないと思うっす。今がどういう状況なのか全くわかんないし!」
智代子「はぁ……そうだよね」
前向きなのか後ろ向きなのかもわからないスタンスで自分の席に着く。
円形に並べられた証言台には空席が目立ち、もはや代理で建てられた遺影の方が大多数。
そのあいだ間に立っている生き残り3名はいずれも沈痛な表情をしている。
562: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:27:45.95 ID:IHQOUw1J0
さっきまで自分にとって都合のいい夢を見せられて踊らされていたのがかなり堪えている上に、これから始まる裁判は詳細が一切不明。
不安を抱くなという方が無理な話だ。
私だって例に漏れずその一人だ。
今自分の胸はかつてない程に重たい。
喉と肺には薄灰色の煙が充満して、
心臓は肋骨にぶつかりながら拍動していて、
背中に何か重いものを載せているせいで上体をまともに起こせない。
……それでも、やるしかない。
ここですべてを投げ出してしまえば、この重みに潰されてしまうだけじゃ済まない。
自分がこれまでに積み上げてきたものが根底から瓦解してしまう、そんな危惧がサイレンになって鳴り喚いている。
だから何があろうとも進むしかないんだ。
泥濘に足を取られ、脚をもつれさせながらでも。
この先に何が待っているというのか
563: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:31:35.66 ID:IHQOUw1J0
_________誰も、何もわからないのに。
564: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/11(金) 22:35:52.53 ID:IHQOUw1J0
というわけでCHAPTER06の非日常編はここまで。
次回より最後の学級裁判へと移ります。
仕事が多忙気味なので、次回更新は少し先にさせてください。また告知します。
それでは最後に候補者リストのオリジナルネーミングの元ネタ答え合わせを。
風野灯織…【超高校級の占い師】飯田数秀
ゲッターズ飯田・細木和子・島田秀平から
三峰結華 …【超大学生級の写真部】蜷川卓
映画監督としても知られる著名な写真家の蜷川実花・新井卓から
田中摩美々…【超高校級の服飾委員】喜多川新菜
「その着せ替え人形は恋をする」主人公二人の名前から
小宮果穂…【超小学生級の道徳の時間】本城ハヤ太
初代ウルトラマン・ハヤタ隊員
初代仮面ライダー・本郷猛
初代戦隊ヒーロー・アカレンジャー(海城剛)から
園田智代子 …【超高校級のインフルエンサー】不破アルル
人気ブロガーARuFaのもじり
有栖川夏葉… 【超大学生級の令嬢】菱井友安
4代財閥の頭文字
桑山千雪… 【超社会人級の手芸部】四季衛児
『U19』主人公、紅童衛児
『すばらしきこのせかい』主人公の一人、シキ
糸と針を使うキャラの候補があまり思いつかなかった……
芹沢あさひ…【超中学生級の総合の時間】上蔵居鶴
カムクライズル、言わずもがな
黛冬優子…【超専門学校生級の広報委員】永瀬美奈
今の時代を牽引する女優の永野芽郁、広瀬すず、浜辺美波、橋本環奈4名から一文字ずつ
和泉愛依…【超高校級のギャル】 藤村美優
藤田ニコル・木村有希(ゆきぽよ)・池田美憂(みちょぱ)から
市川雛菜…【超高校級の帰宅部】小野田・K・ユーサク
第二次世界大戦終結後29年経って日本へ帰還した小野田寛郎氏と名曲「home」をリリースした歌手・木山裕作から
七草にちか…【超高校級の幸運】苗木誠
いわずもがなダンガンロンパの主人公
緋田美琴…【超高校級のシンガー】夜々中亜道
いわゆる夜行性と呼ばれる令和世代のシンガーたちからイメージで取った苗字+Ado
斑鳩ルカ…【超高校級のダンサー】関口小春
世界的にも評価の高いダンサー・関口メンディー
紅白の米津玄師の振り付けでも有名な振り付け師菅原小春から
>>520 >>524の両名とも大体正解ですね
特に手芸部の元ネタはよくわかりましたね……
571: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/16(水) 20:43:07.62 ID:RKd7+OaO0
【6章段階での主人公の情報】
‣習得スキル
・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕
・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕
・【つづく、】
〔学級裁判中発言力がゼロになった時、一度だけ失敗をなかったことにしてやり直すことができる(発言力は1で復活する)〕
・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕
・【ピトス・エルピス】
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕
・【ジャンプ!スタッグ!!!】
〔集中力を使用した際の効果が増幅する〕
‣【霧・音・燦・燦】
〔発言力ゲージが+2される〕
‣【おみくじ結びますか】
〔集中力ゲージが+2される〕
‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【ファーマフラー】
【ジャバイアンジュエリー】
【オスシリンダー】×2
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【七支刀】
【オカルトフォトフレーム】
572: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/16(水) 20:43:34.69 ID:RKd7+OaO0
‣通信簿および親愛度
【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…5.5【DEAD】
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0【DEAD】
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0【DEAD】
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0【DEAD】
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…11.0
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…12.0【DEAD】
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…12.0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…12.0【DEAD】
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0【DEAD】
【超高校級の???】 浅倉透…12.0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…7.0【DEAD】
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…4.0【DEAD】
573: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/16(水) 20:44:48.85 ID:RKd7+OaO0
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
なお、希望のカケラの所持数がゼロのため、スキルの交換は今回はありません。
指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。
‣ルカの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…182枚】
-------------------------------------------------
【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕
【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕
【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕
【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕
【金の鍵】… 60枚
〔閉じかけた記憶と経験とを呼び覚ます不思議な鍵。コロシアイ南国生活の中で命を落とした仲間から得られるはずだったスキルを獲得できる〕
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
588: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 17:17:26.82 ID:DfWBCM8k0
愛依と灯織選択を採用します。
本日21時ごろから学級裁判は開始予定です。
-------------------------------------------------
【金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×2、プロデュース手帳×2を購入しました!】
【モノクマメダル残り枚数……2枚】
-------------------------------------------------
【金の鍵を使いました】
【きらめく鍵が閉ざされた世界の扉を開く……】
【失われたはずの繋がりが、新たな力とともに結び直された】
【和泉愛依との間に確かなつながりを感じる……!】
【アイテム『鼬毛の小筆』を獲得しました!】
〔幼い頃から修めている書道で愛用の小筆。手入れの行き届いた毛先は何年経とうともその運筆を滞らせることはない〕
【スキル『メイ・ビー』を習得しました!】
〔学級裁判中誤答するたびに選択肢が絞られてわかりやすくなる〕
【風野灯織との間に確かなつながりを感じる……!】
【アイテム『アンケート用紙』を獲得しました!】
〔その質問はあなたを知るために。ファンからの気持ちにこたえるため、彼女はペンを執った〕
【スキル『星掬い藍仰ぐ』を習得しました!】
〔学級裁判中集中力ゲージを使用するたびに発言力を回復する〕
589: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 17:20:53.45 ID:DfWBCM8k0
主人公のスキル
・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕
・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕
・【つづく、】
〔学級裁判中発言力がゼロになった時、一度だけ失敗をなかったことにしてやり直すことができる(発言力は1で復活する)〕
・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕
・【ピトス・エルピス】
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕
・【ジャンプ!スタッグ!!!】
〔集中力を使用した際の効果が増幅する〕
‣【霧・音・燦・燦】
〔発言力ゲージが+2される〕
‣【おみくじ結びますか】
〔集中力ゲージが+2される〕
‣【星掬い藍仰ぐ】
〔学級裁判中集中力ゲージを使用するたびに発言力を回復する〕
‣【メイ・ビー】
〔学級裁判中誤答するたびに選択肢が絞られてわかりやすくなる〕
発言力:♡×12
集中力:☆×7
で開始となります。
590: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 17:22:47.78 ID:DfWBCM8k0
【コトダマ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
〔希望ヶ峰学園のノウハウを活かして283プロダクションのアイドルの中から新時代の歌姫を育成するプログラム。コロシアイの参加者が元々持ちかけられた計画と名前は同じだが、その実態には明確に引っかかる点がある。〕
‣【にちかの証言】
〔捜査資料に写っていた実姉・七草はづきの泣きぼくろに違和感を覚えたらしい〕
‣【行方不明の十人】
〔前回のコロシアイが起きた時から、10人の人間が行方不明となっていたらしい。今回のコロシアイの参加者のうち、前回の生き残りと透を除けば丁度10名〕
‣【チーム・ダンガンロンパ】
〔恋鐘と努が生前所属していた組織。コロシアイをエンターテインメントと定義し、リアルタイム配信を行なっていた。コロシアイを運営するのはこれが初めてではなく、既に何回もコロシアイが行われていた〕
‣【ジャバウォック島再開発計画】
〔未来機関という組織がジャバウォック島を再開発し、新たに本部を構えるまでの記録。中央の島には行政機関があったらしいが、そんな痕跡は今現在の島には全くない。未来機関が上陸時に、既に標的の姿は島になかったという〕
‣【プログラムエラー】
〔何らかのシステムにおけるエラーメッセージ。システム内部に何かウイルスが侵入した事でセキュリティシステムが異常作動を起こし、外部の干渉を完全に遮断してしまったらしい〕
591: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 17:24:11.49 ID:DfWBCM8k0
‣【満月】
〔この島に来てからずっと月の形は変わらないまま〕
‣【透の証言】
〔浅倉透はルカに対して、このコロシアイの参加者を集めたのは自分だと自白している。当初の希望ヶ峰学園歌姫計画は彼女とその仲間が計画したものであるらしい〕
‣【オリジナルの浅倉透】
〔この島にいる浅倉透の元となったオリジナルは既にコロシアイで命を落としている。コピー体の浅倉透はどうやらその事実を認識していなかったらしい〕
‣【候補者リスト】
〔今回のコロシアイの参加者から恋鐘と透を除いたメンバーと、他の誰かの名前が書き連ねられたリスト。才能の他に異様なまでに細かい個人情報が付記されている〕
‣【被験体α】
〔捜査の中で見つけた怪しい実験記録。『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』〕
592: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 17:25:12.99 ID:DfWBCM8k0
‣【透の外部との通信】
〔第一の事件の前日、透はエレクトボムを使用して黒幕からの干渉を拒絶した上で島の外の人間と連絡を取っていた〕
‣【Aへのメール】
〔ウサミのウォークラリーの末にロックを解除したノートパソコンに入っていたメール。『A』という人物が組織の意向に背いて独断で動いた旨が記されている〕
‣【島の電波環境】
〔ジャバウォック島には電波の類が一切なく、外部から完全に隔絶されている〕
‣【冬優子の写真】
〔冬優子が裁判終わりにルカに託した一枚の写真。前回のコロシアイの生き残り5人が、今回の参加者を機械に繋いで見下ろしている様子が写っている〕
‣【方舟計画】
〔ノートパソコンに入っていた謎のフォルダ。その情報量はかなり多いようだが、ロックがかけられており解錠はできない〕
‣【恋鐘の証言】
〔1回目のコロシアイの黒幕である天井とはユニットが揃った時からの共謀関係。恋鐘はその思想に強烈な賛同を示しており、コロシアイ運営のいろはも彼に仕込まれたものだという〕
593: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 20:43:49.70 ID:DfWBCM8k0
------------------------------------------------
【学級裁判 開廷!】
------------------------------------------------
【学級裁判 開廷!】
------------------------------------------------
594: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 20:44:58.58 ID:DfWBCM8k0
モノミ「まずは一言、おめでとうを言わせてくだちゃい」
モノミ「ミナサンはこの島にたどり着いた全16名でのコロシアイを勝ち抜いた、アイドルの中のアイドル。まさに希望の象徴である3人でちゅ」
モノミ「これからの時代を引っ張って行くのはミナサンのような存在だろうと今あちしは確信していまちゅ」
モノミ「でも、そんなミナサンの希望の輝きがどれほどのものなのか……確かめる必要がありまちゅ」
モノミ「この島での生活がミナサンにどれほどの変化を生んだのか、あちしに見定めさせてくだちゃい!」
モノミ「……というわけで、コロシアイ南国生活・最後の卒業試験を今ここに開始しまちゅ!」
(ついに……始まる)
(ここで過ごした一ヶ月弱、その中で生まれた惨劇)
(その全てを終わらせるための戦いが……!)
595: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 20:46:15.52 ID:DfWBCM8k0
あさひ「ねえ、モノミ。さっきの言葉でも気になったんすけど、なんで生き残りが3人ってことになってるっすか?」
あさひ「殺し合いを生き抜いたのは、わたしと智代子ちゃんとルカさん、それに透ちゃんもいるはずっす」
あさひ「だけどこの裁判場にいるのも透ちゃんを除いた3人だけ。これってどういうことなんっすか?」
智代子「もしかして、透ちゃんが本物の透ちゃんじゃないから……?」
智代子「そんな差別は許せないよ! クローン差別だよ!」
モノミ「違いまちゅ違いまちゅ! 確かにカノジョは本物の浅倉さんではありまちぇん。でも、だからといってこの生活を生き抜いた実力をわざわざ見過ごしたりはしまちぇんよ!」
モノミ「浅倉さんには別室にいてもらってミナサンとは別の試験を受けてもらっていまちゅ。これからミナサンの挑む試験には、浅倉さんが居ると【不都合】なんでちゅ」
あさひ「不都合……?」
モノミ「はい! これからミナサンには、卒業をかけてこの島の秘密を解き明かしてもらいまちゅ!」
モノミ「この島で過ごすうちに直面した謎の数々……それを今この場所で明らかにしてもらいまちゅよ!」
596: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 20:47:22.50 ID:DfWBCM8k0
ルカ「やっぱり……そう来やがったか」
モノミ「はれれ? 斑鳩さん、もう緋田さんのことはいいんでちゅか? あんなにへちゃむくれだったのに……」
ルカ「それはオマエがあんな気分悪い物を見せるからだろ……!」
(美琴が……他の連中が……生きてるような幻覚を見せやがって……!!)
ルカ「別に、吹っ切れたとかそんなのでもない……私は、自分が一番可愛いんだよ。自分が生き残るためだけに、その目的を果たすためだけの行動を取ってるだけだ」
あさひ「……ルカさんがどんな気持ちでここにいるのかは関係ないっす」
あさひ「結果としてわたしたちと一緒に戦うことになるのなら、協力して欲しい。それだけっすから」
智代子「うん! 力を貸して、ルカちゃん!」
ルカ「チッ、そんなの今更だろ」
モノミ「うぅ……あちしの涙腺がじわじわ来てるでちゅ、ミナサンの麗しき友情、これこそがあちしの見たかった理想でちゅ!」
モノミ「きっとその友情があれば、今から挑む試験も乗り越えられるはずでちゅよ!」
ルカ「チッ……友情だなんだの、連呼しやがって……安っぽすぎて言葉も出ねえ」
597: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 20:48:19.04 ID:DfWBCM8k0
あさひ「それでモノミ、この島の謎を解き明かすって何をすればいいっすか?」
モノミ「あちしがこれから出す三つの質問に正しい答えを出すことができればいいんでちゅ。要は一問一答の卒業試験でちゅね!」
智代子「卒業試験……」
モノミ「学級裁判の体裁こそとっていまちゅけど、誰かを犠牲にする必要はもうないでちゅから、仲間と一緒に協力して挑んでくだちゃい!」
モノミ「それでは早速第一問!」
★このコロシアイを始めた黒幕・月岡恋鐘の正体は?★
あさひ「恋鐘ちゃんの、正体……?」
ルカ「おい、問題の意味がわからねーぞ。あいつは私たちを裏切った黒幕だったのは確かだけど、それ以上の何があるってんだよ」
モノミ「ぷすー、くすくす! それがなんなのか話し合うのも卒業試験の一環なんでちゅよ!」
智代子「うぅ……ヒントをくれる気はないみたいだね」
あさひ「だったらまずはわたしたちの知っている情報を整理するところから始めるっすよ。恋鐘ちゃんに関する情報の中に、まだ私たちに見えていないものがあるかもしれないっす」
(月岡恋鐘に関する情報か……)
(あいつの行動や目的、改めて見直してみるか)
598: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 20:49:41.59 ID:DfWBCM8k0
------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【透の証言】
‣【Aへのメール】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【島の電波環境】
‣【候補者リスト】
‣【冬優子の写真】
‣【満月】
‣【オリジナルの浅倉透】
ルカ「月岡恋鐘は私たちをコロシアイに仕向けた【黒幕】だ」
ルカ「コロシアイに巻き込まれたふりをして事件を裏でかき乱したりなんかしてた」
ルカ「【狸】とも完全同一人物なんだよ」
あさひ「モノクマを雛菜ちゃん殺害に利用してたし」
あさひ「モノミも恋鐘ちゃんが死んでから役割を引き継いだのを見ても」
あさひ「モノクマとモノミと恋鐘ちゃん、3人は【グル】だったんっすね」
智代子「恋鐘ちゃんは283プロの私たちとルカちゃんを【拉致】して」
智代子「ジャバウォック島でのコロシアイを強制した」
智代子「確かに、一人じゃできないことだし……」
智代子「恋鐘ちゃんの裏には誰かがいるのかも……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
高級ヒーリングタルト×2
プロデュース手帳×2
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【透の証言】
‣【Aへのメール】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【島の電波環境】
‣【候補者リスト】
‣【冬優子の写真】
‣【満月】
‣【オリジナルの浅倉透】
ルカ「月岡恋鐘は私たちをコロシアイに仕向けた【黒幕】だ」
ルカ「コロシアイに巻き込まれたふりをして事件を裏でかき乱したりなんかしてた」
ルカ「【狸】とも完全同一人物なんだよ」
あさひ「モノクマを雛菜ちゃん殺害に利用してたし」
あさひ「モノミも恋鐘ちゃんが死んでから役割を引き継いだのを見ても」
あさひ「モノクマとモノミと恋鐘ちゃん、3人は【グル】だったんっすね」
智代子「恋鐘ちゃんは283プロの私たちとルカちゃんを【拉致】して」
智代子「ジャバウォック島でのコロシアイを強制した」
智代子「確かに、一人じゃできないことだし……」
智代子「恋鐘ちゃんの裏には誰かがいるのかも……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
高級ヒーリングタルト×2
プロデュース手帳×2
↓1
600: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 21:09:33.60 ID:DfWBCM8k0
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「いや、待て。あいつは黒幕ではあったはずだけど……私たちを拉致したわけではないはずだ」
智代子「え、あれ……?」
あさひ「あくまで私たちを拉致したのは透ちゃんとその仲間っす。その正体はまだ見えてないっすけど、このことは透ちゃん自身が認めてることっすよ」
智代子「そ、そっか……! 透ちゃんたちの元々の計画を恋鐘ちゃんが乗っ取ったんだったよね!」
ルカ「ああ、だから月岡恋鐘は元々浅倉透に誘拐されたうちの一人だったはずだ。私たちと同じでな」
智代子「そうなると今度気になるのは、どうして透ちゃんが私たちを連れ去ったのか……だよね」
ルカ「本人に聞ければ一番早いわけだが……」
モノミ「……」
ルカ「……ハァ、あいつが言ってたのはそういうことか」
あさひ「近道はダメ、ってことっすかね」
ルカ「なら、自分達でひとまず考えるしかなさそうだな。私たちをどうして浅倉透が連れ去ったのか、そして浅倉透の仲間とは何者なのか」
あさひ「そうっすね、次は透ちゃんのことについて話し合ってみるっすよ」
あさひ「恋鐘ちゃんの議論からは少し逸れちゃうけど、きっと行き着く先には恋鐘ちゃんに繋がる結論もあるはずっす」
智代子「よーし! がんばっちゃおう!」
601: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 21:10:38.37 ID:DfWBCM8k0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
‣【被験体α】
‣【方舟計画】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【候補者リスト】
‣【透の外部との通信】
‣【満月】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【行方不明の十人】
あさひ「透ちゃんがわたしたちを誘拐したのは間違いない」
あさひ「そうなると透ちゃんの目的とその仲間を考えなくちゃいけないっす」
ルカ「あいつが頑なに隠してきたことだから不用意に踏み込んでいいのかは若干気がひけるけどな……」
智代子「この島に集められたのって透ちゃんを除いたら【15人】だよね?」
あさひ「そんな人数を【一度に全員誘拐する】ってなるとかなりの労力っす」
あさひ「少なくとも仲間は一人二人の話じゃなさそうっすね」
ルカ「それに、浅倉透は【コピー】であって本物じゃねえ」
ルカ「そんな真似ができるのは、アングラな組織だろうな」
智代子「それに相当な科学技術だよ!」
智代子「もしかすると世界征服を目論む【悪の秘密結社】とか……?」
ルカ「それがなんで私たちのコロシアイに結びつくんだよ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
‣【被験体α】
‣【方舟計画】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【候補者リスト】
‣【透の外部との通信】
‣【満月】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【行方不明の十人】
あさひ「透ちゃんがわたしたちを誘拐したのは間違いない」
あさひ「そうなると透ちゃんの目的とその仲間を考えなくちゃいけないっす」
ルカ「あいつが頑なに隠してきたことだから不用意に踏み込んでいいのかは若干気がひけるけどな……」
智代子「この島に集められたのって透ちゃんを除いたら【15人】だよね?」
あさひ「そんな人数を【一度に全員誘拐する】ってなるとかなりの労力っす」
あさひ「少なくとも仲間は一人二人の話じゃなさそうっすね」
ルカ「それに、浅倉透は【コピー】であって本物じゃねえ」
ルカ「そんな真似ができるのは、アングラな組織だろうな」
智代子「それに相当な科学技術だよ!」
智代子「もしかすると世界征服を目論む【悪の秘密結社】とか……?」
ルカ「それがなんで私たちのコロシアイに結びつくんだよ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
603: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 21:24:27.57 ID:DfWBCM8k0
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「この島でコロシアイを行ったのは浅倉透を除けば15人。それは間違いない」
ルカ「けど、浅倉透の組織はその全員を一気に誘拐したわけじゃあないはずだ」
あさひ「……? そうなんっすか?」
ルカ「こいつを見ろ。私たちの前に行われた、【前回のコロシアイ】その捜査資料だ」
智代子「……ッ! 私も知らないうちに参加していたコロシアイ、だよね」
ルカ「大事なのはその事後捜査の話だ。コロシアイと同時期に283プロの人間は【10人】も姿を同時にくらませている」
智代子「もしかして、今回私たちでやったコロシアイはその時から……?」
ルカ「いや、それだと数が合わねえし……前回のコロシアイ、その生存者が参加している理由の説明には不十分なんだ」
ルカ「少なくとも一気に15人が姿を眩ませたって考えるのは不適切だと思うぜ」
あさひ「そっか、そういう意味だったんっすね」
ルカ「この行方不明が今回と無関係だとは思わねえが……これだけで終わる話でもないはずだ」
智代子「ねえ、この後の続きとなる捜査資料は見つかってないんだったよね?」
ルカ「え? おう……」
智代子「だとすれば、この10人の誘拐が透ちゃんが関与していないとは言い切れないってことであってる?」
ルカ「ああ、あくまで今は一気に15人が姿を消したことの否定。あいつの行動の目的も誘拐も、否定はしちゃいないさ」
智代子「なら、この10人の行方不明の後に生存者5人をを連れ去った可能性は全然あるんだよね?」
ルカ「……」
智代子「……ごめん、少し話し合ってもいいかな? これは私たちが前に進むための議論だから」
智代子「透ちゃんにかける信用の、その進退の議論だよ」
604: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 21:25:52.42 ID:DfWBCM8k0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
606: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 21:41:48.70 ID:DfWBCM8k0
【発言力:♡×12→11】
智代子「ううん、それじゃあ否定はできないよ」
智代子「ルカちゃんの言いたいことはわかるけど……その計画だって、ルカちゃんはすべてを知ってるわけじゃないよね」
智代子「透ちゃんの当初の目的がコロシアイじゃなかった証拠には不十分じゃないかな)
(チッ……希望ヶ峰学園歌姫計画とやらは私たちにとってもまだ謎の残るもの、証拠材料には使えないか……)
(何かもっと根本で否定できるようなものはなかったか……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×11
集中力:☆×7
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
608: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 21:49:41.91 ID:DfWBCM8k0
【発言力:♡×11→10】
智代子「透ちゃんと違う組織だったかどうか、恋鐘ちゃんが言ってた?」
智代子「本人がそう言ってないならまだ分からないよね!」
(……考え方は間違ってないはずだ)
(浅倉透の一味がチーム・ダンガンロンパとは別物である証拠を提示すればいい)
(……これまでの生活の中で、あいつが確実に別の組織の人間だとわかった瞬間がなかったか?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×10
集中力:☆×7
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
610: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:08:14.04 ID:DfWBCM8k0
【集中力:☆×7→6】
【集中力を使用しました】
【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】
【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】
【清らかなる星の流れが私たちを導く……】
【発言力:♡×10→11】
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【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×11
集中力:☆×6
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【にちかの証言】
智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」
智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」
智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」
智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」
智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」
智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」
智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」
智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」
智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」
智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ対象の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
612: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:13:16.28 ID:DfWBCM8k0
マジでバカやってました、すみません……
スキル効果完全に忘れてました
発言力と集中力とか全部すっとばします
ついでに次のコンマ判定行きづまることあればそれも飛ばします
許してください
-------------------------------------------------
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「浅倉透が天井努と協力関係……それはねーぞ」
智代子「え、ええ……っ?! それって言い切れるの?!」
智代子「確かに透ちゃんはずっと私たちの味方って言ってたけど……」
ルカ「あいつがこっち側なのは結構前から確定してんだよ」
あさひ「前っすか……?」
ルカ「天井努は283の連中にコロシアイを強いたクソ野郎。当然、そのコロシアイの成り行きも全部知ってたはずだ。オリジナルの浅倉透が死んでたことも、全部な」
ルカ「だとしたら当然、あいつの仲間だってオリジナルの浅倉透の死を知っているはずだ。なのに、あのコピーの浅倉透はそれを知らなかった」
智代子「そ、そういえば……ジェットコースターではじめて前回のコロシアイを知った時、透ちゃんも私たちと同じ反応だった……!」
ルカ「勿論月岡恋鐘もあん時は同じような素振りを取っちゃいたが……浅倉透とは訳が違う」
ルカ「私たちは全員であいつに詰め寄った。それでもその反応にボロは一切なかった……心からオリジナルの死に驚愕していた様子だった」
ルカ「あれは信用してもいい情報のはずだ」
智代子「……そっか、そうだよね。あんな反応、演技じゃできないよね」
あさひ「透ちゃんは島での生活の初めから、ずっと仲間だって言い続けてきたっす。その言葉をわたしは信じたいっす」
モノミ「うるうる……積み重ねた時間と信頼が紡いだ、絆のレヴューでちゅ……星の輝きどころじゃなく眩しいでちゅよ……」
ルカ「それに、天井努と浅倉透が繋がっていたんだとしたらあいつの言葉に大きな矛盾が生じることになるんだよ」
智代子「えっ、何かそんな矛盾した発言なんていつ……」
ルカ「記憶にも新しいあいつ自身の自白だよ」
あさひ「……」
-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
614: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:21:42.53 ID:DfWBCM8k0
ルカ「オマエだ!」
【解!】
ルカ「今回のコロシアイを引き起こした黒幕、月岡恋鐘だよ」
智代子「恋鐘ちゃんの自白……」
あさひ「恋鐘ちゃんの発言で重要なのは最後の最後に言い残した、恋鐘ちゃんの所属する組織のことっす」
智代子「アンティーカ……?」
ルカ「じゃなくて……チーム・ダンガンロンパってやつだよ」
《恋鐘「そう! うちも社長も、チームダンガンロンパのメンバーやけんね!」》
ルカ「月岡恋鐘と天井努はその組織でつながっていた。浅倉透までその所属だとしたら、月岡恋鐘が計画を乗っ取ったっていう構図に矛盾が生じちまうだろ?」
智代子「た、たしかに……透ちゃんと恋鐘ちゃんは敵対してる感じなんだもんね……」
あさひ「敵対かは分からないっすけど、協力してメリットがある関係ではなかったはずっす」
あさひ「同じ組織に属してる人間同士とはちょっと思いづらいっすよ」
智代子「うーん……じゃあこのコロシアイには二つの組織が絡んでいるってことなのかな?」
ルカ「ああ、その二つの組織の存在ならもうわかってるよな」
あさひ「このコロシアイを仕切っていたチーム・ダンガンロンパ。それにジャバウォック島を再開発した組織の未来機関っすね」
智代子「未来機関……そういえばそんな名前も聞いたような」
ルカ「多分浅倉透はその未来機関に属する人間なんだろうな。こっちの組織はまだまだ不明な点が多い訳だが……」
ルカ「チーム・ダンガンロンパの方はある程度知れているはずだ」
智代子「じゃあ今度はそのチーム・ダンガンロンパ について話し合ってみるんだね?」
あさひ「やっと恋鐘ちゃんの正体を解き明かす議論っぽくなってきたっすね」
モノミ「……」
(チーム・ダンガンロンパ……このコロシアイを仕切っていた連中の母体)
(つまりはあのモノミにも強い関係のある組織ってことだ)
(……絶対に、その組織の全貌を解き明かしてやる!)
615: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:23:09.77 ID:DfWBCM8k0
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【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
‣【満月】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【透の証言】
‣【冬優子の写真】
‣【透の外部との通信】
‣【島の電波環境】
‣【恋鐘の証言】
‣【被験体α】
あさひ「恋鐘ちゃん、それに天井社長」
あさひ「二人は【チーム・ダンガンロンパの人間だった】っすよ」
ルカ「チーム・ダンガンロンパはコロシアイをエンターテインメントとして提供している悪趣味な集団らしいな」
智代子「コロシアイはオンラインで生配信、いわゆる裏サイトってやつだよね」
あさひ「透ちゃんはその組織を知ってたっす」
あさひ「これまでにも何度もチーム・ダンガンロンパはコロシアイをやってきた」
あさひ「前回のコロシアイにも、【チーム・ダンガンロンパの資金が投じられた】んじゃないっすかね」
智代子「きっと今回もだよ」
智代子「私たちのコロシアイは……【全国中継】されてたんだ!」
ルカ「コロシアイを見世物として楽しむやつがいるなんて……」
ルカ「胸糞わるい話だ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
‣【満月】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【透の証言】
‣【冬優子の写真】
‣【透の外部との通信】
‣【島の電波環境】
‣【恋鐘の証言】
‣【被験体α】
あさひ「恋鐘ちゃん、それに天井社長」
あさひ「二人は【チーム・ダンガンロンパの人間だった】っすよ」
ルカ「チーム・ダンガンロンパはコロシアイをエンターテインメントとして提供している悪趣味な集団らしいな」
智代子「コロシアイはオンラインで生配信、いわゆる裏サイトってやつだよね」
あさひ「透ちゃんはその組織を知ってたっす」
あさひ「これまでにも何度もチーム・ダンガンロンパはコロシアイをやってきた」
あさひ「前回のコロシアイにも、【チーム・ダンガンロンパの資金が投じられた】んじゃないっすかね」
智代子「きっと今回もだよ」
智代子「私たちのコロシアイは……【全国中継】されてたんだ!」
ルカ「コロシアイを見世物として楽しむやつがいるなんて……」
ルカ「胸糞わるい話だ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
617: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:27:15.75 ID:DfWBCM8k0
ルカ「それは違うぞ!」
【解!】
ルカ「あいにくとスマホは没収されてるせいで、詳しい事の次第はわからねえわけだが……」
ルカ「この島はミステリなんかでよく聞く、絶海の孤島っていう条件には当てはまってるもんだと思うぜ」
智代子「えーっと、それってつまり……この島は外部とのつながりが遮断されてるってこと……?」
ルカ「おう、ついさっき……モノミに最悪な幻覚を見させられてる時、私たちは全員でノートパソコンをアンロックしただろ?」
あさひ「そうだったっすね、島を巡ってパスコードを集めたっす」
ルカ「その結果開いたパソコンは外部に全く繋がっていなかった。それ自体はまあおかしなことでもないけど」
ルカ「そもそも電波が一つも拾えないってのはおかしな話だろ。端末によって拾える電波の強さには差異があるとは思うけど……」
ルカ「チーム・ダンガンロンパがコロシアイを生中継しようってんなら電波が一つも感知できないなんてことはないはずだ」
智代子「な、なるほど……」
618: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:28:01.06 ID:DfWBCM8k0
智代子「あれ? でもそうなると、どうやってチーム・ダンガンロンパはコロシアイを中継してたの?」
あさひ「そもそも中継なんかしてなかったんじゃないっすか? この島のあちこちに監視カメラはあったっすけどそれが外にデータとして持ち出されていたかどうかは話が別っす」
智代子「そうか……ただの私たちの監視目的だったんだね」
ルカ「まあ監視カメラの本来の目的はそれだからな……」
智代子「でも、それならチーム・ダンガンロンパは今回は中継放送をしなかったのはなんでなのかな?」
智代子「組織が興行にしてきたコロシアイと私たちの参加したコロシアイ、何か違うのかな?」
(今回のコロシアイとこれまでのコロシアイの違い……か)
あさひ「肝心のこれまでもコロシアイがわからないから、比較もできないっすね」
あさひ「だったら、今回のコロシアイについてもっと考えてみるしかないっすよ。そしたら、何か際立っておかしなところがあるかもしれないっす」
ルカ「……だな」
智代子「与えられたカードで勝負するしかない! ……ってやつだね?」
智代子「よーし、それじゃ張り切っていっちゃいますよー!」
619: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:29:19.75 ID:DfWBCM8k0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
コトダマ
‣【島の電波環境】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【透の外部との通信】
‣【恋鐘の証言】
‣【行方不明の十人】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【冬優子の写真】
‣【候補者リスト】
あさひ「チーム・ダンガンロンパは普段はコロシアイを見せ物として生配信してるらしいっす」
あさひ「でも今回ばかりは【それをやってない】」
あさひ「どういうことなんっすかね?」
智代子「外界との通信を【完全に断絶してた】ってことは……」
智代子「すぐに助けが来ちゃうって思ったんじゃないかな」
ルカ「ジャバウォック島自体は風野灯織や有栖川夏葉も知ってた」
ルカ「場所を公開すれば海外だとしても……【救助はすぐに来た】かもな」
あさひ「そんな単純な話なんっすか?」
あさひ「……なんかしっくりこないんっすよね」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【ノンストップ議論開始】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
コトダマ
‣【島の電波環境】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【透の外部との通信】
‣【恋鐘の証言】
‣【行方不明の十人】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【冬優子の写真】
‣【候補者リスト】
あさひ「チーム・ダンガンロンパは普段はコロシアイを見せ物として生配信してるらしいっす」
あさひ「でも今回ばかりは【それをやってない】」
あさひ「どういうことなんっすかね?」
智代子「外界との通信を【完全に断絶してた】ってことは……」
智代子「すぐに助けが来ちゃうって思ったんじゃないかな」
ルカ「ジャバウォック島自体は風野灯織や有栖川夏葉も知ってた」
ルカ「場所を公開すれば海外だとしても……【救助はすぐに来た】かもな」
あさひ「そんな単純な話なんっすか?」
あさひ「……なんかしっくりこないんっすよね」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
621: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:41:43.55 ID:DfWBCM8k0
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「いや……おかしいぞ、あいつの証言って、めちゃくちゃ変じゃないか……?!」
智代子「ど、どうしたのルカちゃん?!」
ルカ「なあ、コロシアイを生中継してないって話はついさっきしたばかりだよな?」
あさひ「そうっすけど……それがどうかしたんっすか?」
ルカ「その結論に至ったのはこの島には外部接続できる電波が一切存在しないから。ノートパソコンで無線の一つも何も拾えなかったからだ」
ルカ「だとしたら浅倉透の七草にちかの事件の時の証言って……めちゃくちゃおかしなことを言ってないか?」
智代子「透ちゃんの証言……?」
《透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」
摩美々「……それは、認めたってことでいいのー?」
透「えっと……うん、大体は。にちかちゃんの言う通り」
結華「と、とおるん……? それ、本気……?」
透「え、うん」
智代子「に、にちかちゃんが聞いたっていう話も全部本当なの?!」
透「マジ」
愛依「そ、そんな……で、でも透ちゃん、別に悪い人と話してたわけじゃないんでしょ?!」
愛依「だ、誰と話してたん?! う、うちらの味方なんでしょ?!」
透「……言えないんだよね、トップシークレット」》
622: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:42:39.17 ID:DfWBCM8k0
ルカ「一切の電波が遮断されている場所で、どうやって外部と連絡を取るって言うんだよ」
智代子「あっ……!」
あさひ「いや、そうとも限らないっすよね。アマチュア無線とかなら電子機器とは使う電波も違うし、もしかしたら外部と繋がった可能性だってあるっす」
ルカ「アマチュア無線……」
あさひ「平たく言えばトランシーバーみたいなものっすね。Wi-Fiとかモバイルデータ通信を利用しなくても通話が可能なんっすよ」
智代子「こ、これってどうなるの……? 透ちゃんの行動に矛盾はないってこと……?」
ルカ「いや、その可能性は低いんじゃないか。私たちの知っている通り、浅倉透は一度エレクトボムを黒幕……月岡恋鐘に一度取り上げられている」
ルカ「トランシーバーなんて分かりやすい通信手段を使っていたんだったらそれも合わせて回収する方が自然じゃないか?」
あさひ「……だとしたら、透ちゃんは逆にどうやって外部と連絡を取ってたんっすか?」
あさひ「ルカさんの言ってることってつまり、エレクトボム以外に何も使わない方法で連絡を取っていたってことっすよね?」
623: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:43:51.51 ID:DfWBCM8k0
智代子「エレクトボム以外に何も使わない方法……? そ、そんなものがあるの……?」
(……ああ、最初から違和感を覚えていたんだ)
(外部との連絡を取っていたことも自白した相手から取り上げるのが、干渉を妨げる道具だけだなんて)
(……でも、一体どうやるって言うんだ? そんな方法なんて、どこに……?)
ルカ「……悪い、私もその方法までは」
あさひ「……とりあえず今のところはこの矛盾は矛盾として置いておくしかなさそうっすね」
あさひ「ジャバウォック島は外部と繋がる電波が何もないけど、透ちゃんは外部の人間と何らかの手段を用いて連絡を取っていた」
あさひ「それを事実として置いといたまま次に進むっすよ」
智代子「えっと……今の推理の本筋は……」
智代子「そうだ! コロシアイを配信する組織のチーム・ダンガンロンパがなぜこの島でコロシアイを始めたのか、だったよね!」
ルカ「よく覚えてたな、砂糖漬けの脳みそにしては上出来だ」
(今回のコロシアイ……前回のコロシアイとも何かしらの繋がりがあるはずだ)
(胸糞悪いこの組織……一体何を考えてやがった?!)
624: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 22:45:14.79 ID:DfWBCM8k0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【Aへのメール】
‣【プログラムエラー】
‣【冬優子の写真】
‣【満月】
‣【にちかの証言】
‣【恋鐘の証言】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【にちかの証言】
智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」
智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは【不自然】だよね」
あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」
あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」
あさひ「その【目的】さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」
ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」
ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」
智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×7
コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【Aへのメール】
‣【プログラムエラー】
‣【冬優子の写真】
‣【満月】
‣【にちかの証言】
‣【恋鐘の証言】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【にちかの証言】
智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」
智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは【不自然】だよね」
あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」
あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」
あさひ「その【目的】さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」
ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」
ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」
智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
626: なんかにちかの証言二個ありましたね… ◆vqFdMa6h2. 2022/11/23(水) 23:05:10.81 ID:DfWBCM8k0
【集中力:☆×7→6】
【集中力を使用しました】
【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】
【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×12
集中力:☆×6
コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」
智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは【不自然】だよね」
あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」
あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」
あさひ「その【目的】さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」
ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」
ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」
智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2
↓1
632: 昨日の判定を反映したものです、人がいれば少しだけ更新します ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 20:39:26.26 ID:lCZw4HqC0
【発言力:♡×12→11】
あさひ「希望ヶ峰学園歌姫計画、これってチーム・ダンガンロンパの目的なんっすか?」
あさひ「それがコロシアイと矛盾してるっすか?」
あさひ「よくわからないっす、チーム・ダンガンロンパの全貌も見えてないのになんでそんなことが言えるっすか?」
(チッ……可愛くないガキだ)
(だけどこいつの言うことも一理ある……チーム・ダンガンロンパの目的って、本当に月岡恋鐘の証言通りなのか?)
(まだ私たちが見落としている……何か別の可能性はないのか?)
【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】
【コトダマの数が減少した!】
【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】
【ロンパ候補の発言の数が減少した!】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×11
集中力:☆×6
コトダマ
‣【Aへのメール】
智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」
智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは不自然だよね」
あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」
あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」
あさひ「その目的さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」
ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」
ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」
智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3
↓1
635: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 21:11:38.87 ID:lCZw4HqC0
【集中力:☆×6→6.5】
ルカ「それは違うぞ!」
【BREAK!】
ルカ「今回のコロシアイの舞台になったジャバウォック島の電波環境、それにエレクトボムの存在を放置したこと」
ルカ「この二つを見ても、今回のコロシアイはこれまでの通り興行としての目的は薄かったんだろうな」
あさひ「何かチーム・ダンガンロンパには他に目的があったってことっすね?」
ルカ「いや、そうじゃない。他に目的があったのは……今回の黒幕だ」
智代子「う〜ん……? それって何が違うの?」
ルカ「黒幕という言葉が示すのは月岡恋鐘1人だけ。あいつの所属する組織とは別だよ」
ルカ「今回の捜査中発見したメールだ、これはチーム・ダンガンロンパから『A』という人物に宛てて送られたメールらしいんだが……中身を見てみろ」
智代子「こ、これって……組織からの、離反……?」
636: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 21:12:50.53 ID:lCZw4HqC0
ルカ「ああ、どうやらチーム・ダンガンロンパの意志とは異なる方向性で暴走する舵取りをした人間がいるみてえだな」
ルカ「これは偶然かもしれないが、月岡恋鐘と繋がっていた前回のコロシアイの黒幕……天井努のイニシャルも丁度Aだ」
あさひ「前回のコロシアイと今回のコロシアイ、共にチーム・ダンガンロンパの思惑とは無関係に行われたコロシアイだったってことっすか?」
ルカ「このAって人間は組織からの再三の忠告を無視して単独行動をおこなっていたらしい」
ルカ「きっと、組織の資金力や資本力なんかを頼りにして……踏み台にしてやったつもりなんだろうな」
智代子「天井社長がこのAって人物と同一なら……前回のコロシアイもその目的のためだったことになるんだよね?」
智代子「その目的って……」
(天井努が前回のコロシアイで目指した目的……)
(きっとそれは今回のコロシアイでも通じる話だ)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
638: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 21:23:02.02 ID:lCZw4HqC0
【発言力:♡×11→10】
(いや、そうじゃない……天井努が前回のコロシアイで実現を目指した計画はこれじゃなかったはずだ)
(希望ヶ峰学園歌姫計画はあくまで見せかけの舞台設定で、本当の狙いはもう一つの計画じゃなかったか?)
(……ん?)
(今、私なんで……)
(天井努が前回のコロシアイで目指した目的……)
(きっとそれは今回のコロシアイでも通じる話だ)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
640: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 21:50:54.27 ID:lCZw4HqC0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「今回の調査中……気になる資料を見つけたんだ」
ルカ「私たちが元々この島に連れてこられたのは、【希望ヶ峰学園歌姫計画】とかいう計画だった。それはそこにいるモノミ自体が言ってたことだし、それ自体に嘘はねえんだろう」
ルカ「ただ……それとは別に、気になる名前の計画の存在を見つけてな」
智代子「ルカちゃん、その計画っていうのは……?」
ルカ「方舟計画、だとよ」
ルカ「私でも知ってる神話に似たような名前の話があった。身勝手な神が世界を濁流で飲み込んじまう中、神のお気に入りの人間と、その周りの存在だけが方舟に匿われて助かった……そんな話だった」
ルカ「この計画も、そんなクソみてえな神話に近いニュアンスの計画らしい」
智代子「え……? で、でもコロシアイを強いられていたんじゃ、私たちは匿われるどころか危険に晒されてるんじゃ……」
ルカ「私たちは、方舟の『ガワ』なんだよ。本当に守りたいものは、私たちじゃない」
ルカ「私たちはそれを守り続けるための容器なんだ」
あさひ「ルカさんには、計画の全貌が見えてるんっすね」
あさひ「教えてほしいっす、天井社長と恋鐘ちゃんが実現を目指した方舟計画、その狙いを」
(……方舟計画、その全てを私が知っているわけではない)
(でも、これまでに集めてきた情報から、その姿は見えてきつつあるはずだ)
(あいつらが方舟に入れて守ろうとしたもの)
(この世界に持ち込もうとしたもの、その正体が……!)
【正しいコトダマを選べ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
642: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:07:30.58 ID:lCZw4HqC0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「……2人に聞いてもいいか?」
ルカ「この島に来た時、最初の目的はなんだって聞いた?」
あさひ「それ、さっきも言った通りっすよ。希望ヶ峰学園歌姫計画で、新時代のアイドルを作り出すための候補にわたしたちが選ばれたっす」
智代子「う、うん……! 私もそう聞いて、ここにいるんだけど……」
ルカ「それじゃ、もう一つ訊いていいか?」
ルカ「その、希望ヶ峰学園ってのは……なんだ?」
智代子「え……? ル、ルカちゃんどうしちゃったの? 希望ヶ峰学園のことを知らない人なんて、今時いないよ!?」
智代子「これからの時代を引っ張っていく、まさに希望の象徴となるような人材を育成するための国家レベルの予算が投入されている最先端教育機関……それが希望ヶ峰学園でしょ?」
智代子「実際、ここを卒業した学生はあらゆる分野で活躍してて……」
643: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:08:51.31 ID:lCZw4HqC0
ルカ「その、実際の学生ってのは……誰のことを指してる?」
智代子「な、なに……そんな詰め寄るような……」
ルカ「いいから……!」
智代子「え、えっと…………」
智代子「あ、あれ……?」
智代子「ど、ド忘れしちゃった……のかな? で、出てこないや……あさひちゃん、どう?」
あさひ「これ……どういうことっすか?」
あさひ「わたしも智代子ちゃんと同じっす。希望ヶ峰学園の存在、そしてそれがどんな学校なのかは分かっているのに……不自然に、その関連情報に思い出せない部分があるっす」
あさひ「まるで、そこだけ綺麗に抜き取られたみたい……」
あさひ「……いや、違う」
あさひ「最初から、そこに何もなかった……みたいに」
644: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:12:28.41 ID:lCZw4HqC0
智代子「……へ?」
ルカ「……二人とも、今度はこれを見てくれ。これは『候補者リスト』と銘打たれた書類で、希望ヶ峰学園の生徒が十数人書き連ねられているリストみたいなんだが……」
智代子「この人たち、私たちとおんなじ才能を持ってるんだね。……というより、もしかして私たちの才能に合わせて、集められた……?」
あさひ「それよりも、このリストなんだか変じゃないっすか? 生徒さんの名前、身長に体重、住所……個人情報が入ってるのは分かるんっすけど、性格や考え方、社交性とか人となりまで細かすぎるぐらいに書いてあるっす」
あさひ「これじゃ名簿っていうよりも、【設定資料】っす」
ルカ「ああ、全くもってお前のいう通りなんだよ。このリストはあまりにも内容が細かすぎる。プライバシーの侵害どころじゃない領域まで踏み込んで書かれていて……こんなのって、他者がそう容易に書けるような内容じゃない」
ルカ「張本人か、それに近しい親族とかでもない限りはな」
智代子「じゃあご家族の協力のもとに、これが書かれたってこと?」
あさひ「……ルカさん、さっきの質問ってそういうことだったっすか?」
智代子「あさひちゃん?」
あさひ「さっきルカさんは希望ヶ峰学園の記憶そのものに疑問を持っていることを共有した。それに加えてこのリストの提示、となるとその二つを繋ぐある可能性が浮き上がってくるっす」
645: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:13:51.99 ID:lCZw4HqC0
あさひ「全部全部、作り物っす」
あさひ「希望ヶ峰学園なんて学校も、そこで学んでいた生徒さんたちも、このリストに載ってる人たちも、全部全部作り物」
あさひ「フィクションってことっす」
智代子「い、いや……いやいやいやいや……」
智代子「そ、そんなの……流石に飲み込めないといいますか、突飛すぎて、信用するとかしないとか、それ以前の問題と言いますか……」
646: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:15:23.92 ID:lCZw4HqC0
ルカ「私だって未だに半信半疑……いや、頭は理解を拒んでるレベルの話だ」
ルカ「希望ヶ峰学園という存在は、ちっちゃい頃から頭に染み付いていた感覚なんだ、だけど……その記憶に存在する綻びを看過はできない」
智代子「で、でもそんなの……あり得ないよ! 2人のいうことが本当だとしたら、私たち全員の記憶を改竄したってことになるよね?!」
智代子「記憶を改竄だなんて……そんなの出来っこ……」
ルカ「何言ってんだ、それが可能なことは誰よりもオマエが1番よく知ってるだろ」
智代子「え?」
ルカ「オマエは前回のコロシアイの生き残りサマだろ」
智代子「あ……!」
あさひ「それに、この島に来るまでの記憶がわたしたち全員から抜け落ちてる。ただ意識を失ってただけじゃ説明がつかない出来事っすよ」
ルカ「任意の記憶を抜き取ることができるなら、その逆だって不可能じゃないかもしれない。少なくとも今はその可能性を放り捨てるのは賢い選択じゃないと思う」
智代子「だ、だとしても……そんなの、通しちゃったらこれまでの推理も何もかも……無駄になっちゃわない……!?」
ルカ「やめろ、思考を放棄するな」
智代子「……!!」
647: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:18:20.23 ID:lCZw4HqC0
ルカ「これまでに積み重ねたものがつき崩れるんだったら、その崩れ落ちた瓦礫の隙間から見えて来るもんだってあるはずだ。この暗中模索の状況下で、思考を放棄したらその瞬間全部終わっちまうぞ……!」
あさひ「……いったんここで整理をするっすよ」
あさひ「わたしたちは希望ヶ峰学園歌姫計画を主導する透ちゃんとその仲間によってこの島に連れてこられた」
あさひ「そこで天井社長の遺志を受け継ぐ恋鐘ちゃん、モノクマ、モノミによって透ちゃんたちの計画は乗っ取られてしまった」
あさひ「チーム・ダンガンロンパの力だけ利用し、組織とは断絶状態だった社長たちは方舟計画という別の計画の実現を目指していた」
あさひ「その計画には『希望ヶ峰学園』という架空の学園、そして『候補者リスト』に記載される個人情報にしても詳しすぎるリストが必要だった」
あさひ「ルカさん、そろそろ教えてもらっていいっすか? ルカさんの考える、方舟計画の全貌について」
(……月岡恋鐘自身が、最後の最後に言っていたことではあるんだ。希望の象徴であるアイドルを作り出すって)
(でも、その言葉の本当の意味を私たちは理解しちゃいなかった。コロシアイを乗り越えたことで強くなった私たちの事、なんて都合のいい解釈に縋って、そこより先に進むことをさぼっていたんだ)
(あいつの本当の目論見は、こんなもんじゃない……!)
-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】
〔く/く/ん/か/の/か/う/じ]を入れ込む計画
【正しい順番に並べ替えろ!】
↓1
649: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:31:45.86 ID:lCZw4HqC0
-------------------------------------------------
架空の人格を入れ込む計画
-------------------------------------------------
ルカ「……!」
【COMPLETE!!】
ルカ「方舟っていうのは、外の世界の厄災から遮断して中のものを大切に最後の最後まで守り続けるための乗り物。私たちの思う船とは全くの別物だ」
ルカ「そして、計画の中で言われている方舟とは私たち自身のこと。それはさっき確認した通り、後はその方舟に何を入れて、どこからどこへと運び出すかを明らかにするのが必要だ」
ルカ「そして、さっきまでの話で希望ヶ峰学園という学校、そしてそこにまつわる記憶のすべてがデタラメだったと明らかになった今。方舟に入れようとしていた中身はとっくに明らかになってるはずだ」
ルカ「このリストが『候補者リスト』なんて名前になってる理由も、それで説明がつく」
あさひ「希望ヶ峰学園の生徒を、現実のものにしようとしたってことっすか?」
ルカ「あの【候補者】は、私たちに入れ込む人格の【候補】なんじゃねーのか?」
智代子「な、何を言ってるの……? ぜんぜん、ぜんぜんわからないよ……」
ルカ「自分でも言ってる言葉が荒唐無稽すぎて、しんどくなってくる」
ルカ「ただ、これを裏付ける証拠だって存在しちまってるんだよ」
智代子「しょ、証拠が……? 証拠があるの……?」
(……迷うな)
(もうここまで来たら、行くとこまで行くしかねえだろ……!)
【正しいコトダマを選べ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
架空の人格を入れ込む計画
-------------------------------------------------
ルカ「……!」
【COMPLETE!!】
ルカ「方舟っていうのは、外の世界の厄災から遮断して中のものを大切に最後の最後まで守り続けるための乗り物。私たちの思う船とは全くの別物だ」
ルカ「そして、計画の中で言われている方舟とは私たち自身のこと。それはさっき確認した通り、後はその方舟に何を入れて、どこからどこへと運び出すかを明らかにするのが必要だ」
ルカ「そして、さっきまでの話で希望ヶ峰学園という学校、そしてそこにまつわる記憶のすべてがデタラメだったと明らかになった今。方舟に入れようとしていた中身はとっくに明らかになってるはずだ」
ルカ「このリストが『候補者リスト』なんて名前になってる理由も、それで説明がつく」
あさひ「希望ヶ峰学園の生徒を、現実のものにしようとしたってことっすか?」
ルカ「あの【候補者】は、私たちに入れ込む人格の【候補】なんじゃねーのか?」
智代子「な、何を言ってるの……? ぜんぜん、ぜんぜんわからないよ……」
ルカ「自分でも言ってる言葉が荒唐無稽すぎて、しんどくなってくる」
ルカ「ただ、これを裏付ける証拠だって存在しちまってるんだよ」
智代子「しょ、証拠が……? 証拠があるの……?」
(……迷うな)
(もうここまで来たら、行くとこまで行くしかねえだろ……!)
【正しいコトダマを選べ!】
>>590 >>591 >>592
↓1
651: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:45:20.65 ID:lCZw4HqC0
ルカ「これだ!」
【解!】
智代子「こ、これは……何かのレポート用紙……? これまでの書類とはちょっと雰囲気が違うね……何かの実験で使ったもの、なのかな」
あさひ「そうっすね、多分実験っすよ」
あさひ「さっきルカさんが口にした計画の」
ルカ「ああ、ここに書いてあるのは別人の人格を被検体αと言われる人物に入れ込んだ、その実験の記録だ」
ルカ「機密情報なのか所々が隠匿されている様子だが、入れ込む予定の人格と入れられる人間の人格との間には親和性があったらしい。そのおかげで入れ込んだとしても拒否反応が起きづらい……ってよ」
智代子「そ、それじゃあルカちゃんの考える方舟計画は、実際に行われてたってことになるの……!?」
あさひ「前に本で読んだことがあるっす。人っていう存在は記憶によって作り上げられるものらしいんっすよ」
あさひ「ちっちゃい頃にどんな人とどんな話をして、どんなところでどんな遊びをして、どんな学校でどんな勉強をして……そういう記憶が積み重ねられることで一人の人間が完成するんだって」
あさひ「だから、逆に言えばその記憶さえ得ることができれば、もう一つの人格を獲得したも同然だと思うっす」
ルカ「……あの候補者リストって一人ひとりの人間に対して異様に詳しい記載があったよな」
あさひ「それに、わたしたちは知ってるっす。本来別の人間だった存在が、本物とほとんど変わりない人格を獲得し、その人になった成功例を」
智代子「透ちゃん……!」
ルカ「私たちにその記憶がないだけで、本当なら常識レベルの話……だったのかもしれない。DNAをいじってクローンをつくるなんかよりもっとずっと単純なレベルの話」
ルカ「成りたい人間、この世に存在させたい人間がいるなら……その人格を別の誰かに入れてしまえばいいんだってな……!!」
652: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:46:44.45 ID:lCZw4HqC0
智代子「で、でも……たとえ同じ記憶を持っていたとしても、そう簡単にうまくいくのかな……」
ルカ「ああ、それじゃ終始しないってのはこの被検体αの書類にも書いてある」
ルカ「『適合させたい人格、その記憶をよりスムーズに適合させるにはその記憶に近い実体験があることが望ましい。より強烈で刺激的な記憶であるほど、人格同士の結びつきを強めることができる』……ってな」
あさひ「生まれ育ちが近い方が、お互いの理解が進む……とかそういう話っすかね」
智代子「記憶を貰うだけじゃなくて、肉体にもその経験がある方が適合率が上がる……理解はできる、かな……納得は出来ないけど」
モノミ「なるほど、世の先生が小テストをあんなにチマチマいっぱい作る気持ちがわかりまちたよ」
モノミ「あれは、快感だったんでちゅね。自分の作った問題を、自分の振りまいたヒントを適切に拾い上げて、その導線に従って解いてくれるエクチュタチー」
モノミ「あちしの熱い感情の中綿がうっかり零れてしまいそうなほどの快感でちゅ……!」
モノミ「でも、ミナサンお忘れじゃないでちゅか? あちしが卒業試験の第一問として提示したのは、『月岡さんの正体』でちゅ」
モノミ「『月岡さんの目的』を明らかにするだけじゃ、答えとしては不十分でちゅよ!」
ルカ「……だとよ」
653: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:47:32.39 ID:lCZw4HqC0
智代子「そ、そっか……脱線しすぎちゃったね……」
あさひ「いや、脱線なんかじゃないっすよ。今のモノミの話、総合すれば『ルカさんの推理は今のところ全部正しい』、『その推理の延長線上に答えはある』ってことになるっす」
ルカ「……!!」
あさひ「やっぱり、希望ヶ峰学園なんか無かった。この記憶はぜんぶ嘘ってことになるっす」
智代子「そ、そんな……」
ルカ「おい、モノミ」
モノミ「はい! なんでちょうか!」
ルカ「私たちはさっきあさひが言った通りで認識していいのか? これは卒業試験の進行自体に関わる話だ、答える義務があると思うぞ」
モノミ「そうでちゅね、芹沢さんは流石の洞察力でちゅ。花マルをあげまちゅよ」
あさひ「わーい!」
モノミ「斑鳩さんの推理通りでちゅ。希望ヶ峰学園なんて存在しまちぇん、超高校級の才能なんてのも、存在しまちぇん」
654: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:48:14.01 ID:lCZw4HqC0
モノミ「全部全部、ダンガンロンパの世界にだけ存在するフィクションでちゅ」
655: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:50:44.75 ID:lCZw4HqC0
ルカ「チッ……やっぱりそうなのかよ……」
あさひ「……?」
智代子「あさひちゃん?」
あさひ「恋鐘ちゃんの所属してた組織の名前にもなってたっすけど、その【ダンガンロンパ】ってなんなんすか?」
ルカ「……そういえばそうだな、何度となく聞いたフレーズだけど、どういう意味の言葉なんだ?」
モノミ「あれま! ミナサン、ダンガンロンパをご存じじゃないんでちゅか?」
智代子「教えて! 全然知らないんだ!」
モノミ「しょうがないでちゅね、今回だけでちゅよ?」
モノミ「あのね、ダンガンロンパはね、サスペンシブルでエキサイティングでマーベラスな、この世界に革命を起こした伝説的なゲームの事なんでちゅ」
智代子「げ、ゲーム……?」
モノミ「平和すぎて退屈で仕方がない世界を吹き飛ばすぐらい革新的で攻めた設定のゲームで、リリース直後からカルト的な人気を博しているんでちゅ」
モノミ「プレイヤーたちと同じ目線に立つ高校生たちが自分たちの命、そして夢や希望をかけて血なまぐさくコロシアイながら友情や愛情を育んでいく……そして最後まで折れることなく立ち上がり続けて、最後には絶望を打ち負かして希望が勝利する」
モノミ「究極の勧善懲悪な物語……最高のエンターテインメントじゃないでちゅか!」
656: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:51:41.05 ID:lCZw4HqC0
ルカ「希望ヶ峰学園や、超高校級ってのはそのゲームの中の設定なのか……?」
モノミ「はい、その通りでちゅ。だからこそゲームの中で生きる彼らはあちしたちプレイヤーにとっての希望になるんでちゅよ」
智代子「そんなゲームが……本当に、大人気なの……? 人が人の命を奪い去る、そんな光景を……ゲーム、娯楽として楽しむ人たちが……いっぱいいるの……?」
ルカ「……これも、抜け落ちた記憶なのかは分からねえ。でも、そういう娯楽を楽しむ人間がいるってのは理解はできる」
ルカ「殺人鬼の目線の独白小説、陰惨たる光景が延々続くスプラッター映画。そういう娯楽もひとつの娯楽の在り方として存在し続けて来たし、そこに今更倫理を問うような人間はいない」
ルカ「人は誰でも、そっちに振り切れるだけの素質を持っている……かもしれない」
あさひ「チーム・ダンガンロンパという組織はそのゲームのダンガンロンパをもとにして発足した組織なんっすか?」
モノミ「はい! ゲームの開発元とは母体は異なりまちゅ。チーム・ダンガンロンパという組織はコンテンツとしてのダンガンロンパに心酔した人間たちの集まりなんでちゅ」
モノミ「自分たちもあの日魅せられたコロシアイを、今度は自分たちの手で世界に広めていきたい。そういった希望を語り継ごうとする意志の集合体がチーム・ダンガンロンパなんでちゅね!」
智代子「そんな思想に、社長も、恋鐘ちゃんも賛同してたの……?」
ルカ「……信じられないだろうが、ほかならぬモノミがそれを認めてるんだ。ここは飲み込むほかない」
657: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:52:57.70 ID:lCZw4HqC0
あさひ「……」
あさひ「……いや、ちょっと待ってほしいっす」
658: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/24(木) 22:54:05.54 ID:lCZw4HqC0
ルカ「……は?」
あさひ「モノミの言っていることは全部本当だと思うっす。モノミは黒幕側の存在で、かつ裁判を公平に進行する義務を背負っているから嘘はつけないはずっすから」
ルカ「じゃあなんで今止める必要が……」
あさひ「ルカさんも智代子ちゃんも、気づいてないっすか?」
智代子「な、なんのこと……?! わ、私何かまずいことでも言った……!?」
あさひ「んーと……気づいてないなら、直接ぶつけたほうが早いかもしれないっすね」
ルカ「お、おい何する気だ……あさひ!」
あさひ「二人とも、わたしの推理を聞いてもらうっすよ」
【あさひ「それは違うっすよ」】反論!
(……モノミの言うことは全部正しい)
(つまり、ルカさんの推理も全部正しいんだ。でも、ルカさんの考えてることって本当に全部正しいのかな)
(……ルカさん自身は気づいてない。それならわたしが指摘するしかないんだよね)
(よーし、やるからには本気でやるぞ!)
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