-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×6.5

‣【にちかの証言】
‣【候補者リスト】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【恋鐘の証言】
‣【島の電波環境】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【被験体α】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【満月】


ルカ「希望ヶ峰学園歌姫計画として題され、この島に私たちは集められた」

ルカ「それを乗っ取ったのが黒幕連中」

ルカ「私たちを入れ物にしてダンガンロンパの登場人物を現実世界に持ち込もうとした方舟計画」

ルカ「クソみたいな御伽噺のようだが、実際この推理を聞いてモノミは認めてる」

ルカ「あさひ、オマエ自身がモノミに確認したことだろ?」

ルカ「何をいまさら引っ掛かることがあるんだよ……」

◆◇◆◇◆◇

【発展!】

あさひ「モノミはルカさんの現時点での推理を正しいとしただけっす」

あさひ「ルカさんの考えのすべてを認めたわけじゃないっすよ」

あさひ「都合よく考えちゃダメっす」

◆◇◆◇◆◇

ルカ「はぁ?! 何を言ってんだよ……」

ルカ「私の推定する方舟計画の全貌も」

ルカ「希望ヶ峰学園とその生徒が【フィクション】だって話も」

ルカ「ダンガンロンパとかいうカルトゲームから【コロシアイの組織が発足した】話も」

ルカ「そこにオマエんとこの【社長と月岡恋鐘が所属してた】話も」

ルカ「全部モノミ自身が証言したことだ」

ルカ「何もかも、すべて正しいはずだろ?」

ルカ「いまさら何を突っかかってきてんだよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ90以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

664: 被りミスりました、すみません! ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:26:31.81 ID:5aq02Vnv0

【コンマ34+15→49】

【発言力:♡×10→9】

ルカ「私の推理は間違ってない……なのに何を噛みついてくることがあんだよ!」

ルカ「ホントに、聞き訳のないガキだな……!」

(ありゃ、わたしの言葉は届かなかったみたい)

(わたしの推理は間違ってないはず。それならわかってもらえるまでぶつけるしかないかな)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×6.5

‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【恋鐘の証言】
‣【被験体α】


ルカ「希望ヶ峰学園歌姫計画として題され、この島に私たちは集められた」

ルカ「それを乗っ取ったのが黒幕連中」

ルカ「私たちを入れ物にしてダンガンロンパの登場人物を現実世界に持ち込もうとした方舟計画」

ルカ「クソみたいな御伽噺のようだが、実際この推理を聞いてモノミは認めてる」

ルカ「あさひ、オマエ自身がモノミに確認したことだろ?」

ルカ「何をいまさら引っ掛かることがあるんだよ……」

◆◇◆◇◆◇

【発展!】

あさひ「モノミはルカさんの現時点での推理を正しいとしただけっす」

あさひ「ルカさんの考えのすべてを認めたわけじゃないっすよ」

あさひ「都合よく考えちゃダメっす」

◆◇◆◇◆◇

ルカ「はぁ?! 何を言ってんだよ……」

ルカ「私の推定する方舟計画の全貌も」

ルカ「希望ヶ峰学園とその生徒がフィクションだって話も」

ルカ「ダンガンロンパとかいうカルトゲームからコロシアイの組織が発足した話も」

ルカ「そこにオマエんとこの【社長と月岡恋鐘が所属してた】話も」

ルカ「全部モノミ自身が証言したことだ」

ルカ「何もかも、すべて正しいはずだろ?」

ルカ「いまさら何を突っかかってきてんだよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ90以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

667: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:32:21.80 ID:5aq02Vnv0

【コンマ90】

【集中力:☆:6.5→7】

あさひ「それは違うっすよ!」

【BREAK!】

あさひ「ルカさん、だから都合よく解釈しちゃダメっす」

あさひ「モノミが証言したことは全部正しい。それは間違いないっす。でも今のルカさんの話では、証言者のすり替えが起きてるっす」

ルカ「あ……?」

あさひ「社長と恋鐘ちゃんがチーム・ダンガンロンパに属していた。そのことはわたしたちが推理の上でしか口にしていない話っすよ?」

ルカ「た、確かにそうかもしれないけど……モノミは今までの私たちの推理は全部正しい、つったうえでさっきの話をしたんだ。今の話だって包含してるんじゃ……」

あさひ「いや、直接的に二人の所属はちゃんと話してないっす。恋鐘ちゃんはあくまで社長の意志に賛同していたとこまでしか話してない」



あさひ「それに……わたしはふたりの協力関係も怪しいと思ってるっす」



ルカ「はぁ……?!」


668: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:33:13.27 ID:5aq02Vnv0

あさひ「ルカさんの考える、人格を入れ込む方舟計画が正しいってなった時から思ってたんっすよ。これって完全に他人に置き換わるわけじゃなくて、人格を統合させることが目的なんっすよね」

ルカ「ああ、被検体αを見ても、人格がすり替わるんじゃなくて、統合っていう言葉が使われてるしな」

あさひ「なら、わたしたちの感じた違和感もそれで説明がつくんじゃないかなって」

ルカ「……何のことだ?」

あさひ「智代子ちゃん、コロシアイのこれまでに納得してるっすか?」

智代子「え……?」

あさひ「黒幕が恋鐘ちゃんって言われて納得してるっすか?」

智代子「そ、そんなの……」

あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの前に見せた、本当の素顔に納得してるっすか?」

智代子「してるわけ……!」



あさひ「あれは本当にわたしたちの知ってる恋鐘ちゃんだったんすかね?」



ルカ「……えっ」

あさひ「この候補者リスト、恋鐘ちゃんと同じ才能の人だけ載ってないんっすよ。黒幕だからそれも当然なのかなって思ったんすけど、社長の思想と本当に賛同しているアイドルなら、自分も実験に参加しそうっすよね?」

669: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:34:04.39 ID:5aq02Vnv0





あさひ「だから、もしかしたら、恋鐘ちゃんは既に人格を統合した後なんじゃないかって」






670: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:35:06.49 ID:5aq02Vnv0

智代子「最後の最後まで姿かたち、喋り方、笑顔……ほとんどが恋鐘ちゃんのままだった。でも、その中に通っている芯である考え方においてだけは、私たちの知っている恋鐘ちゃんとは全くの別物だった」

智代子「あさひちゃんの推理、私は納得できるよ」

ルカ「お、おい……それじゃあなんだ……? あいつは本当は黒幕じゃないって……?」

あさひ「いや、今回の黒幕が恋鐘ちゃんだったのは間違いないっす。それは何度も確認したことっすよ。ただ、ここで疑問視されるのは恋鐘ちゃんが自分の意志で天井社長に協力していたのかってことっす」

あさひ「入れ込まれた人格によっては、行動が左右されることだってあるはずっすよ。それこそ、ダンガンロンパはわたしたちと同じコロシアイのゲームなんすよね?」

あさひ「コロシアイの黒幕をやらせるのなら、これ以上なくうってつけの人格があると思うっす」

(よし、二人ともここまで連れてこられた)

(後は、恋鐘ちゃんを絶望に染め上げ、コロシアイの黒幕という役割を無理やりに背負わせた人格を明らかにするだけ)



(……あれ?)



(なんなんだろう、この感覚)


(ずっと蓋をしていて、埃をかぶったおもちゃ箱を開けようとして……ずっと眠っていた、眠っているべき何かを起こしかけているというか……)


(脳が、かゆい)



671: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:36:29.93 ID:5aq02Vnv0
-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×7


〔このましゅんじえ〕


【正しい順番に並べ替えろ!】


1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)

↓1

674: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:45:20.20 ID:5aq02Vnv0

あさひ「こ、これって……」

【COMPLETE!!】

あさひ「なんなんすかね、これ」

あさひ「自分の推理を口にした瞬間に、頭に浮かんできた名前があるんっすよ。でも、そんな人知らないし、聞いたこともないはず。それなのに、ずっと前から知ってたような気すらする……この感覚は、何?」

ルカ「あさひ……?」

あさひ「なんかムカムカしてむず痒いっすよ、なんで、なんで分からないのか……それが分からないし、これまでに感じたことのない感じっす」



あさひ「江ノ島盾子って、2人はわかるっすか?」



モノミ「……うぷ、うぷぷぷぷ」

ルカ「……なんなんだ、その名前。そんな人間、私は知らねえ」

ルカ「なのになんだ、この名前を聞いた瞬間に首筋を虫が這ったような不快感は」

智代子「私も身に覚えは全くないはずなのに、なんだか寒気が……」

モノミ「ミナサンが感じているのは、本能的なものなんでちゅ。畏れ、警戒、忌避。いずれも絶望に対する根源的反応なんでちゅ」

モノミ「希望の象徴であるミナサンからすれば対極の存在であるがゆえ、より一層ミナサンを引き立てる踏み台であるがゆえにその反応を拒絶はできないんでちゅね」

ルカ「何言ってんだ……何者なんだよ、その江ノ島盾子ってのは……!!」

675: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:46:16.34 ID:5aq02Vnv0





モノミ「ダンガンロンパの原点、超高校級の絶望でちゅ」





676: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:46:58.12 ID:5aq02Vnv0

ルカ「超高校級の絶望だと……?!」

モノミ「やることなすこと絶望的、思考の全てはどうすればもっと絶望を与え、味わうことができるかのためにある」

モノミ「まさにダンガンロンパそのものとも言うべき存在が、彼女なんでちゅよ」

あさひ「その人の人格が、恋鐘ちゃんの中に入ってたんっすか?」

モノミ「さあ、どうでちゅかね。でもきっと、もし江ノ島さんがこの現実世界にいて、社長さんの計画を聞いていたのなら」



「絶望の前菜にはちょうどいいかもしれませんね、ええ、ちょうどいい。犬の餌にはちょうどいいぐらいでしょう」



モノミ「ぐらいに賛同はしていたかもしれまちぇんね!」

ルカ「……そ、それってオマエ……認めたってことでいいのか……?」

モノミ「さ、そろそろお時間でちゅよ! 卒業試験の第一問の解答を提出してもらいまちゅ!」

モノミ「これまでの議論の中で、ミナサンはその答えを導き出すことができまちたかね?」

ルカ「……第一問は確か、『月岡恋鐘の正体』だったな」

あさひ「わたしたちはその過程で恋鐘ちゃんたちが実現を図った『方舟計画』を明らかにした」

あさひ「そして、わたしたちの記憶の中にあった希望ヶ峰学園も、超高校級の生徒達も、全部偽物だったことも」

智代子「方舟計画は私たちの中にダンガンロンパの登場人物の人格を入れ込む計画だったんだよね」

智代子「そのためのリストが、この候補者リスト」

(これらの推理を総合すれば、ここで答えるべきなのは……そういうことだ)

677: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:47:54.95 ID:5aq02Vnv0


ルカ「モノミ、回答だ」

ルカ「月岡恋鐘は間違いなく今回のコロシアイの黒幕だ。私たちをコロシアイの渦の中に引き摺り込み、これまでに積み重ねたものや、手にしてきたものを奪い取り……その過程を経させることで新しいアイドルを生み出そうとした、イカれたやつ」

ルカ「……でも、その『イカれ』はあいつがもともと持っていたもの、じゃなかったのかもしれない」

ルカ「私たちを実験体にした『方舟計画』。ダンガンロンパというゲームのキャラクター、その人格を私たちの中に入れ込んで元の人格と統合させるのが目的の計画だったわけだが」

ルカ「月岡恋鐘自身も、それと同じ実験を受けていた可能性がある」

ルカ「あいつに入れ込まれた人格は、ダンガンロンパそのもの」

ルカ「絶望のために生まれ、絶望のために生き、絶望のために逝く。その宿命さえも絶望して嘆く。全てを絶望で上塗りするためだけにある存在」



ルカ「【江ノ島盾子の人格が入れ込まれてた】んだ……!!」



(……なんて、今さっき名前を知ったばかりの存在なのになんで私はこんなにも自信満々に口にしてんだろうな)



678: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:50:08.60 ID:5aq02Vnv0

モノミ「なるほど、それがミナサンの解答なんでちゅね。わかりまちた! それでは卒業試験第一問の判定に移りまちゅ!」

モノミ「ミナサンの答えてくれた、その回答は________」





モノミ「お見事! 百点満点の答えでちゅ!」





智代子「やった……って、手放しで喜ぶようなものでもないよね」

ルカ「……前に進んだのは進んだんじゃねえのか」

679: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:51:36.62 ID:5aq02Vnv0

モノミ「ミナサンをコロシアイに巻き込んだ黒幕の月岡さん、彼女もまた方舟計画の被験者さんだったんでちゅね」

あさひ「被験者……? でも、恋鐘ちゃんの名前は候補者リストには載ってなかったっすよ」

モノミ「月岡さんはミナサンとはまた別のリストに乗ってるんでちゅ。ミナサンは実験段階でちゅけど、彼女は既に成功例になった身ということでちゅね」

ルカ「つまり、あいつは黒幕の役割を与えられただけの傀儡だったってことかよ……!!」

智代子「えっ……」

あさひ「そうなるっすね、きっとそれをやったのは天井社長っす。前回のコロシアイで死んじゃったみたいっすけど、その遺志を受け継ぐスペアが必要として、たまたま恋鐘ちゃんに役割が与えられちゃったんっすよ」

ルカ「あいつは自分の意志で私たちを裏切ったんじゃない……裏切るように、内側から人格を食い破られたんだ……」

智代子「そ、そんな……」

あさひ「どっちの方がよかったんっすかね。恋鐘ちゃんが自分の意志のままにわたしたちを裏切るのと、他の人に裏切りを強いられてやっちゃうのと」

ルカ「あ?」

あさひ「少なくとも、今わたしたちがたどり着いた答えは……わたしたちのよく知る恋鐘ちゃんはわたしたちを裏切ってないってことだと思うっすよ」


あさひ「優しくてポカポカな恋鐘ちゃんは、嘘なんかじゃないっす」


ルカ「……オマエ」

智代子「……そっか、そうだね。さすがあさひちゃん、頭の回転が速いなぁ!」

あさひ「……? そっすか?」

(……別に励まそうとして言ったわけじゃないのか)

(ハッ……冬優子の言う通りだ、考えなしにとる行動が自然と周りにいい結果をもたらしてしまう。だからこそこいつはやりづらい)

(本当に、掴みどころのないやつだよ)

680: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:52:59.94 ID:5aq02Vnv0

モノミ「さて、それではひと段落ついたようだし、次の試験に行きまちゅよ!」

智代子「ま、まだあるの!?」

モノミ「当たり前でちゅ! こんなものじゃ、ミナサンの到達すべき答えの一割にも満たない到達点でちゅからね!」

モノミ「ミナサンはもっともっと残酷で、目も背けたくなるような真実と向き合う必要があるんでちゅ」

モノミ「でも大丈夫! あちしはミナサンならそれも乗り越えられるって信じてまちゅからね!」

ルカ「おーおー、心強いことで」

モノミ「えへへ、あちしってば後方支援タイプでちゅから。ワイルドダウンでちゅから」

(皮肉が通じねえ)

モノミ「それでは二問目でちゅ! これを教えてくだちゃい!」




★ミナサンのいるこの島の正体は?★




681: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:54:06.14 ID:5aq02Vnv0

ルカ「……は?」

ルカ「いやいや、それってジャバウォック島が答えだろ!? 質問も何も、オマエがこの島に来てすぐに教えて来たんだろうが!」

モノミ「それで十分なんだと思うなら、それで答えてくだちゃい! まだ議論が必要だと思うならご自由に! 進むも止まるもミナサンの民意で決めるのがこの卒業試験でちゅから!」

(どういうことだ……? 一体どんなつもりでこんな質問を……?)

智代子「まあ、こうやって聞いてくるからにはただジャバウォック島ってだけじゃ答えにはならないんだろうね……」

あさひ「うーん、ここは今持っている情報でこの島について話し合ってみるほかなさそうっす。とりあえず議論をすれば、状況を打開できるかもしれないっすね」

ルカ「わかった、やるだけやってみるぞ」


(議論、全てはここから始まる……)


(でも、なんだこの胸のざわつきは……)


(私たちは今、何の扉に手をかけている……?)



682: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 21:57:10.21 ID:5aq02Vnv0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×7

コトダマ
‣【島の電波環境】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【被験体α】
‣【恋鐘の証言】
‣【満月】
‣【冬優子の写真】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【透の外部との通信】


ルカ「私たちのいるこの島はジャバウォック島だ」

ルカ「南国の島がいくつも集まってできた諸島」

ルカ「でも、それ以上に何かあるのか……?」

あさひ「この島は随分前から【廃島になってた】らしいっす」

あさひ「昔は観光地としても栄えていたみたいっすけど、そんな様子はどこにもないっすね」

智代子「さっきまでの議論でもあったけど、【この島に電波の類はまるで無い】んだよね」

智代子「外の世界とのつながりを絶たれた絶海の孤島ってところかな!」

ルカ「もともとこの島に私たちを連れてきたのは浅倉透だから」

ルカ「あいつなら【もっと色々知ってる】かもな」

あさひ「うーん、なにか新しい事実はないっすかねぇ……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


685: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:02:59.15 ID:5aq02Vnv0

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「そういえば……この矛盾をずっと置き去りにしたままだったな」

あさひ「どうしたっすか、ルカさん」

ルカ「ジャバウォック島の存在を風野灯織と有栖川夏葉は以前から知っていた様子で、生前も私たちにその話をしてくれた」

ルカ「だけど、あいつらが死んでから第五の島で見つけた資料には、あいつらの話とは矛盾する記述が載ってたんだよ」

智代子「あっ……! そ、そういえばそうだった……!」

あさひ「ジャバウォック島にはもともと人が住んでいて、中央の島の行政機関を解体して未来機関の本部を創設する……わたしたちの知るジャバウォック島とは矛盾する話っすね」

智代子「うーん、時系列が違うとか? 未来機関が本部を作った後に廃島になって……」

ルカ「未来機関ってのは現存する組織なんだろ? 本部を作ったのが廃島になるぐらい前の話ってのはいまいちピンとこねえ」

あさひ「じゃあ、この矛盾は何なんすかね?」

(……そうだ、この矛盾を解消しないことには前には進めない)

(私たちのいるこの島における食い違い……どういうことなんだ?)


686: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:04:15.78 ID:5aq02Vnv0
-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×9

Q1.灯織たちの言うジャバウォック島と再開発計画のあったジャバウォック島、どちらの情報が正しい?
A.灯織たちの言うジャバウォック島 B.再開発計画のあったジャバウォック島 C.どちらも正しい

Q2.どうしてジャバウォック島の情報が食い違っている?
A.ジャバウォック島は二つあった B.時系列が違う C.解釈の違い

Q3.黒幕がコロシアイを行うためにこの島に行った工作とは?
A.地図から島を消した B.島の名前を変えた C.島そのものを作った

【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】


↓1

688: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:13:30.69 ID:5aq02Vnv0
------------------------------------------------
【CAC】
-------------------------------------------------

ルカ「それは違うぞ!」

【解!】

ルカ「……なるほどな、そういうことか。それなら合点がいく」

智代子「ルカちゃん? 矛盾を解決する答えが見つかったの?!」

ルカ「ああ、答えは私たちが思ってるよりずっとずっと単純なものだったんだ」

ルカ「同一の島で起きてるとは思い難い矛盾……それなら前提からして違っていたんだよ。この二つの情報が指す島は【別物】なんだ」

あさひ「別? それなら……わたしたちのいるジャバウォック島とは別に、他のジャバウォック島があるってことっすか?」

智代子「中央の島に行政機関が存在したジャバウォック島のことだよね! ……でも、そんなことって本当にあるのかな」

智代子「島の名前が一緒になる事はまああってもおかしくはないけど、6つの島からなる群島で、その配置まで同じっていうのは……」

ルカ「無いだろうな。それを模したものをそのまま作らない限りは」

智代子「だ、だよねー……」



あさひ「それって逆に言えば、模して作れば可能って事っすか?」



689: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:14:23.22 ID:5aq02Vnv0

智代子「ええっ?! し、島を作るってそんなのアリなの?!」

智代子「こんな広大な島、一つ作るのだって何百トンって土が必要だし……植物だって、建物だって……いったい何千億、何百兆のお金がかかるの……?」

ルカ「多分、ゼロ円だろうな」

智代子「資本主義をご存知でない!?」

ルカ「バカ、それは現実世界でのコストの話だろ? その島づくりを全部データ上でやるならどうだ?」

智代子「で、データ……?」

あさひ「現物じゃないならいくらでも出来るっすね。ただのデータなんだし、島だろうとタワーだろうと国だろうと、いくらでも建築できるっす」

智代子「話の意図が読めないんだけど……未来機関が本部を建てた方のジャバウォック島はデータの中の話、この現実世界の話じゃないってことでいいのかな」

(……私たちの見ている世界と、書類上の世界)

(どっちが本当の世界なのか、私は知っているはずだ)

(この島に来た時から感じている違和感を、今こそぶつけるときだ……!)

【正しいコトダマを選べ!】

>>589 >>590 >>591

↓1

691: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:18:42.03 ID:5aq02Vnv0

ルカ「……」

【解!】

ルカ「なあ、オマエらはこの島に来てから、空を見上げた事はあるか」

智代子「ルカちゃんらしくなくロマンチックな語り口だね」

ルカ「茶化すな! この島からでも夜空には綺麗な月が見えるんだけどよ」

智代子「ルカちゃん……こんなところでそんな大胆に……!」

ルカ「文豪的な表現じゃねえ! 本筋に戻るぞ、その月のなんだが重要なのはその形だ。この島に来た時見上げた夜空にあった月は……一部分たりとて欠けていない満月だった」

ルカ「それが昨晩見上げた時の月の形も……変わらない満月だったんだよ」

あさひ「わたしたちがこの島に来てからは一ヶ月経たないぐらいっす。本来なら、まだ満ち欠けの周期は一周してないっすね」

ルカ「それどころか、いつ見上げてもあの夜空の月は満月のままだ。そんなの、あり得ないだろ」

智代子「ど、どうなってるの?!」

あさひ「これも答えは簡単っすね」

692: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:20:06.91 ID:5aq02Vnv0





あさひ「月の満ち欠けなんかプログラミングされてないんっすよ」





693: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:21:15.23 ID:5aq02Vnv0

ルカ「……この考えがよぎったことは何度かあった。でも、そんなの荒唐無稽すぎて、きっと世界のどこかならこういうことがあってもおかしくはないだろって、そう思って」

ルカ「____逃げてたんだ」

智代子「恋鐘ちゃんのおしおきの後、黒幕としての権限が全部モノミに移ったよね」

智代子「その時のモノミの言葉は……今思えば、プログラムを管理しているシステムみたいだったかも……しれない」

あさひ「ぐー、ぱー。ぐー、ぱー」

あさひ「……うん、指の一本一本。その先っぽまで全部わたしのものっす」

あさひ「でも、この感覚も、これを確かめている感情も、全部データの中の出来事なんっすかね」

ルカ「……私は、知っている。これだけのことを、世界を作り出すなんてことを可能にする、そのプログラムを」


【正しいコトダマを選べ!】

>>590 >>591 >>592



694: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:23:44.30 ID:5aq02Vnv0

すみません、ここの解答は経験者なら正直明らかだとは思うんですが
>>484 >>485 >>486に示されているコトダマがずっとリストにないままにやっていました。
ここは正答判定で飛ばして進行します…

-------------------------------------------------
【新世界プログラム】
-------------------------------------------------

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「新世界プログラム。それが今私たちのいるこのセカイの正体だ」

あさひ「ルカさん、それは?」

ルカ「さあな、よくわからねえが、あのイかれた世界の中で、いる筈のないやつに渡された情報だ」

ルカ「とある組織が作ったプログラムで、元々は精神療法のためのプログラムらしい。箱庭療法って聞いたことあるだろ?」

智代子「治療を受ける人がサンドボックスの中で世界を作って、それをもとに診療するんだっけ……」

ルカ「それに近いアプローチだ。被験者が仮想現実の世界でどんな行動をとるのか、またそれにはどんな思考が紐づいているのかを観察する。プログラムのやりようによっては、任意の記憶の抜き取った状態で行うことだって可能らしい」

あさひ「ログイン時……世界に繋がった時に記憶に処理を施すことができるんっすね」

ルカ「心理的なショックとかを体験する前の状態を観察できるってことだな」

智代子「に、任意の記憶を抜き取る……?!」

あさひ「これで繋がったっすね」

ルカ「ああ、私たちが揃いも揃ってここに来るまでの記憶、そして前回のコロシアイの記憶を失っていた理由は_____」


695: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:24:42.46 ID:5aq02Vnv0





ルカ「私たち全員が新世界プログラムの被験者だからなんだよ」





696: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:27:22.67 ID:5aq02Vnv0

あさひ「文字通り、世界が逆さまになっちゃったっすね」

あさひ「本当だと思っていたものが嘘だった、どころか……それそのものが現実には存在しなかった。観測しているわたしたちの方が嘘だったんっすから」

ルカ「嘘……なんて単純な言葉で括れたらもっと楽だったんだけどな」


(私たちの前に横たわるのは、表か裏かなんて議論で収まらない渦)


(黒も白も、それ以外の色も何もかも巻き込んで、螺旋の中に果てを仕舞い込むだけの渦)


(私自身の意識も、気を抜けばその渦に呑まれてしまうだろう)


(自分自身で行った指摘が、ここまで自分を狂わせようとは思いもしなかった)


697: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:28:50.06 ID:5aq02Vnv0

智代子「ここにきて、モノミの狙いが見えてきた気がするよ。卒業試験だなんて言って、こんな学級裁判の場を設けた意味」

智代子「コロシアイを経た私たちを、更に絶望させるためだったんだね……!」

モノミ「違いまちゅ、誤解でちゅよ! なんどだって言いまちゅけど、あちしはミナサンの味方なんでちゅ。間違っても絶望を与えようなんかしていまちぇん!」

モノミ「あちしは、希望を呼び起こしたい。今ミナサンが感じているムカムカモヤモヤは、そのための呼び水なんでちゅよ」

ルカ「ああ、けった糞悪い……最悪の気分だよ」

あさひ「でも、どうなんすかね。この世界が全部データの中のお話だったら、今までに死んだみんなはどうなるんっすか?」

ルカ「……!!」

(そうだ、この島はあくまでデータ上の存在。この島で起きることは全部、そのデータの上でしかない)

(これまでに私たちが直面してきた絶望的な現実だって、その枠からは外れない……)


(これまでの絶望が全部全部、ひっくり返る可能性だって_____)





モノミ「それはお答えできまちぇんね」


698: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:30:12.57 ID:5aq02Vnv0

ルカ「……は?」

ルカ「いやいや、そんなの……一番大事なところじゃねえか……! オマエの言う希望だって、この答次第でその所在が……」

モノミ「だからこそでちゅよ。あちしはそんなに楽に生まれる希望も、そんな単純に陥る絶望も望んでいないんでちゅ。ミナサンが頑張って頑張って最後に辿り着く現実だからこそ、意味があると思うんでちゅ」

モノミ「答えは卒業試験の後で! でちゅよ!」

ルカ「……チッ」

あさひ「まあ、そう簡単には教えてくれないっすよね」

あさひ「それなら、こっちがさっさと真実にたどり着けばいいんっすよ! 第二問の答えも無事に分かったところで、第三問もパパパって解いちゃえばいいんっす!」

智代子「そう……だよね! あさひちゃんの言う通り、モノミが最後の最後まで答えを明かさないって言うなら、私たちが早くのその最後の最後までたどり着けばいいんだ!」



ルカ「……」



あさひ「……あれ?」



699: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:30:55.32 ID:5aq02Vnv0

(……この世界が現実世界じゃない、いかにも黒幕連中が好きそうなどんでん返しの解答)

(でも、なんだこの何か足りないような感覚は……)

(もっと重要な何かを見落としているような……)

ルカ「……悪い。回答する前に、今一度ここまでの話を整理させてくれねーか?」

智代子「見かけに合わず慎重だね、ルカちゃん」

ルカ「悪かったな。……でも、これは本当に最後の戦いなんだ。手を抜いて失敗、なんて情けない終わり方はしたくない」

あさひ「わたしは別にいいっすよ。満足するまで付き合うっす」

ルカ「随分と聞き訳がよくなったもんだな問題児」

智代子「もちろん! 不肖、園田智代子もお助けいたしますとも!」

ルカ「おう、それじゃあ付き合ってもらうぞ。あのへちゃむくれにギャフンと言わせてやるまで……!!」

700: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:33:26.66 ID:5aq02Vnv0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×7

‣【透の証言】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【候補者リスト】
‣【冬優子の写真】
‣【プログラムエラー】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【行方不明の十人】
‣【にちかの証言】


ルカ「私たちのいるこのジャバウォック島は」

ルカ「新世界プログラムによってつくられた【仮想現実】だったんだ……!!」

智代子「陸地も、海も、空も……なにもかもがデータでしかなかったんだね……」

智代子「私たち自身も、生身の身体じゃなくて」

智代子「意識だけを写し取った【データ】、ってことなんだよね」

あさひ「わたしたちは、【全員何者かにこの新世界プログラムにログインさせられた】っす」

あさひ「この島に来た記憶がないのも、新世界プログラムで記憶を抜き取られていたからなんっすね」

ルカ「私たちは一緒にこの島に幽閉されたってより」

ルカ「【同じ世界に繋がれただけのユーザーの集まり】だったってことかよ……」

智代子「なんだかMMOの世界みたいだね……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

703: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:39:13.74 ID:5aq02Vnv0

ルカ「それは違うぞ!」

【解!】

ルカ「いや、おかしい……私たち全員がこの新世界プログラムにログインしている……この状況は妙だぞ……」

あさひ「……? でも、この世界は仮想現実なんっすよね? 何が変なんっすか?」

あさひ「この島で死んでいった人たちも合わせて16人、みんな同じ世界にログインしてたってことなんじゃないっすか?」

ルカ「ああ、その事実自体は変わらない。私たちは同じ仮想現実にログインさせられたユーザー同士。多分それを強いったのは浅倉透とその一味……なんだろう」

ルカ「けど、新世界プログラムの存在が明らかになった今、意味合いが変わってくる証拠があるんだ」

智代子「意味合いが、変わる……?」

ルカ「こいつを見てくれ」

あさひ「なんっすか、この写真? わたしたち……が寝てる?」

智代子「頭には見たことのない機械が付けられてるね……まさか、これが新世界プログラムの機械……?」

ルカ「……だと思う、見事にここにいた連中ばかりが、同じ機械をつけてるんだからな」

ルカ「一部例外を除いて」

あさひ「灯織ちゃん、摩美々ちゃん、愛依ちゃん、雛菜ちゃん、それに智代子ちゃんは機械をつけてないし、白衣を着てるっす」

智代子「あ、あれ……!? な、なんで……!?」

ルカ「それに浅倉透の姿はない。まああいつのオリジナルは前回のコロシアイとやらで死んじまってるんだから当然と言えば当然だが……」

ルカ「前回のコロシアイで生き残った五人は、どうして私たちと一緒に機械に繋がれていないんだろうな」

あさひ「……ルカさんは、その答えがわかるっすか?」

ルカ「わかる……というより答えは自然とそこに行きつくんじゃないか?」

(新世界プログラムの目的、そしてこれまでのあいつの証言を合わせると……ただ一つだ)


・5人は遅れて装置に繋がれた
・5人が新世界プログラムに同期させた犯人
・新世界プログラムにいたのは5人のコピー

【正しい選択肢を選べ!】

↓1

705: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:42:14.89 ID:5aq02Vnv0


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「もしかして、浅倉透の仲間ってのは……前回の生き残り連中の事だったんじゃないか?」

ルカ「浅倉透は私たち全員を島に拉致した事実を認めていた……これまでの議論から、その拉致という言葉の意味合いは『新世界プログラムに同期させる』ことに変わったわけだ」

ルカ「そうなってくると、私たちを機械につないでいる前回の生き残り連中の姿はその関与を何よりも雄弁に語ってくれる」

智代子「ちょ、ちょっと待ってよ! たまたまみんなが新世界プログラムに繋がっている場所で、白衣を着てたってだけでそんな疑いをかけられても……」

ルカ「別に必死に否定しなくてもいい。浅倉透は私たちにとって敵じゃない……そのことはこれまでの生活でよくわかってる」

ルカ「それに、新世界プログラムの元々の目的を考えれば、生き残り5人が私たちに敵意を持っていたわけじゃないのはよくわかる」

智代子「もともとの目的……?」

あさひ「精神療養のためのプログラムってことっすね!」

ルカ「私たちにその当時の記憶はない……それこそ新世界プログラムによって抜き取られているんだろうからな。私たちの多くは何らかの理由によって深刻な精神的外傷を負わされたとかで後の5人の手で治療を受けていたんだろう」

ルカ「その時を写した写真がこの一枚だったってワケだ」

智代子「……私たち、そして透ちゃんの行動がみんなにとって害をなす者じゃないって言ってくれたのは嬉しいよ」

智代子「でも、今のルカちゃんの話って……」

ルカ「……ああ、現実世界の私たちは」



ルカ「まず、まともな状態じゃないんだろうな」



智代子「……!!」


706: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:43:32.90 ID:5aq02Vnv0

ルカ「仮想現実にぶち込んで、記憶を抜き取ってまでの治療なんだ。私たちの想像の域を出たレベルで深刻な状態なんだろう。それこそ、対話療法も不可能なくらいに精神が汚染されてる」

智代子「そ、そんな……」

ルカ「何をいまさらそんなにめげることがあんだよ。散々もっと最悪な死のかたちを見て来ただろうが」

智代子「それはそうかもしれないけど……はぁ……」

(精神汚染がどうとか言われても……今更だ)

(ユニットの解散から散々荒んで散々ゲロ吐いてきたんだ、自分の打たれ弱さは自分が一番よく知ってる)

(……ああ、この島に来る前の私ならそうなっていてもおかしくはないなって)

(でも……確かに他の連中までそんな状態だったのは、なんだか違和感を感じるか)

(それこそ美琴が……そんな精神的に参るなんて……いったい何があったんだ?)

智代子「うーん、とりあえずは今の話で納得するけど……だとしたら今度はもう一つの疑問が浮かんでくるよ。私たち前回のコロシアイの生き残りは新世界プログラムを体験させる側の人間だったわけだよね?」

智代子「それなのに、どうしてルカちゃんたちと同じくジャバウォック島にログインしているのかな? 透ちゃんの仲間なんだったら、誰かに強制的にログインさせられた……って話にはならないよね」

(前回のコロシアイの生き残りたちがこの島にいた理由……か)

(奴らはこのシステムを管理する側の存在だった、となると誰かに無理やり……ではなく能動的にこの世界にログインしたことになる)

(その結果……コロシアイに参加させられることになった。それもあいつらにとっては想定通りだったんだろうか……?)


【正しいコトダマを選べ!】

>>590 >>591 >>592

↓1

709: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:46:39.24 ID:5aq02Vnv0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「あいつらにとってもこの世界にログインするのは想定外だったはず……相当なイレギュラーだっただろうな」

智代子「イレギュラーって……私たちが自分で用意したプログラムだったんだよね?」

ルカ「自分で用意したにもかかわらず、だ。さっきの捜査の合間に世界の歪みの中に見つけたメッセージなんだがよ」

ルカ「どうやらとあるプログラム上の世界に未定義のエラー、本来のユーザーと異なる人間によって改ざんされた痕跡があった……それを検出したメッセージが表示されてたんだ」

ルカ「その時は意味も分からないし、まして自分たちのいる世界が仮想現実だなんて思ってもいなかったから放っていたんだが……もしかして、このエラーこそが、前回の生き残りも巻き込んだコロシアイが起きてしまった原因なんじゃないのか?」

智代子「プログラムのことはよくわからないけど、これがエラーメッセージっていうのは私でも分かるかも……」

あさひ「でも、エラーが出たからってどうしてみんなこっちの世界に来る必要があったんっすか? 外の世界から管理すればいいんじゃないっすか?」

ルカ「いや……それが、このエラーはセキュリティも書き換えちまってるみたいで元々の管理者権限を外部からの侵入だと判定して拒むようになっちまっているらしい」

智代子「そうか! それで、内側から補修しようとしたんだね! 新世界プログラムは仮想現実、本来の自分と変わりない行動をとることもできるから、内部プログラムから干渉をしようとしたんだ!」


710: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:47:47.50 ID:5aq02Vnv0

ルカ「だけど、エラーは想定よりも多くの異常をきたしていた。管理者のはずだった連中は、その記憶も剥奪され、持っていた特権も意味を持たず……私たちほか10名と同じ立場に立たされることになってしまった」

智代子「ミイラ取りがミイラになる……だね!」

あさひ「そのミイラって智代子ちゃんっすよ」

ルカ「月岡恋鐘、モノクマ、そしてモノミの黒幕連中の証言と併せて考えても筋が通るな。浅倉透らの本来の計画を乗っ取ったってのは、新世界プログラムのシステムそのものを改変したって意味合いなんだろう」

あさひ「本来は治療に使われるはずの装置が、コロシアイを体験させるための拷問器具に変わり果てたってことっすね」

智代子「……あれ、そういえば、なんだけど」

ルカ「どうした、そんな銀紙間違って嚙んじまったみたいな顔して」

智代子「そのエラーって、恋鐘ちゃんが起こしたってことで考えて問題ないんだよね? 恋鐘ちゃんは江ノ島盾子の人格を入れ込まれて、今回のコロシアイにおいては黒幕になってたわけなんだし……」

ルカ「まあ、そうなるよな……」

智代子「だとしたら、恋鐘ちゃんは新世界プログラム内で、記憶を保持していたってこと? 恋鐘ちゃんもほかのみんなと同じで治療を受ける側に混ざってたわけだし……」

ルカ「……言われてみれば妙な話だな。あいつが新世界プログラムを管理していたならまだしも、私たちに混ざっていて同じ扱いを受けていたんだったらログインする段階で江ノ島盾子の人格ごと弾かれていたっておかしくない」

あさひ「天井社長に江ノ島盾子の人格をいつ植え付けられたのかは分からないっすけど……管理者権限を持つ人間じゃないと、その人格を保持するように働きかけることは不可能っす」

(……どうなってる? なんであいつは、新世界プログラムにログインしても黒幕のままでいられたんだ……?)

(考えろ……何か、前提を覆すような発想の転換が……あるはずだ……!!)


711: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:49:23.91 ID:5aq02Vnv0
-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×9


Q1.今回のコロシアイの黒幕は?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.斑鳩ルカ D.緋田美琴

Q2.月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されたのは?
A.今回のコロシアイが起きる前 B.今回のコロシアイの最中 C.前回のコロシアイが起きる前

Q3.新世界プログラムを起動したのは誰?
A.前回のコロシアイの生き残り B.月岡恋鐘 C.天井努 D.別の人物

Q4.新世界プログラムを起動した最初の目的は?
A.コロシアイの追体験 B.精神療養 C.娯楽目的 D.ショービジネス


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

713: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 22:57:24.36 ID:5aq02Vnv0

発言力:♡×9→8

(……いや、そうじゃない。月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されていたという前提で推理を考えていくと、明確な矛盾がある)

(人格の統合にはコロシアイの経験が必要なはず……それに、そんな大掛かりなことをしていれば流石に今回のコロシアイの最中に誰かが気づいたはずだ)

(……ともすれば、月岡恋鐘が人格を引き受けたタイミングって)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×8


Q1.今回のコロシアイの黒幕は?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.斑鳩ルカ D.緋田美琴

Q2.月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されたのは?
A.今回のコロシアイが起きる前 B.今回のコロシアイの最中 C.前回のコロシアイが起きる前

Q3.新世界プログラムを起動したのは誰?
A.前回のコロシアイの生き残り B.月岡恋鐘 C.天井努 D.別の人物

Q4.新世界プログラムを起動した最初の目的は?
A.コロシアイの追体験 B.精神療養 C.娯楽目的 D.ショービジネス


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

716: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 23:06:27.35 ID:5aq02Vnv0

発言力:♡×8→7

(……惜しいな)

(新世界プログラムは確かに精神療養のためのプログラムだ。だけど……本当に、その目的で使われてたのか?)

(適正な使われ方をしていたのであれば……月岡恋鐘の人格が改変されるとか以前に、電源を落としたりとか何が出来そうなもんだが……)

(……一度、その前提から考え直してみるべきかもな)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×7


Q1.今回のコロシアイの黒幕は?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.斑鳩ルカ D.緋田美琴

Q2.月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されたのは?
A.今回のコロシアイが起きる前 B.今回のコロシアイの最中 C.前回のコロシアイが起きる前

Q3.新世界プログラムを起動したのは誰?
A.前回のコロシアイの生き残り B.月岡恋鐘 C.天井努 D.別の人物

Q4.新世界プログラムを起動した最初の目的は?
A.コロシアイの追体験 B.精神療養 C.娯楽目的 D.ショービジネス


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

718: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 23:14:07.50 ID:5aq02Vnv0

ルカ「推理は繋がった!」

【COMPLETE!!】

ルカ「……そうか、私たちはまた見誤っていたんだな。新世界プログラムがもともと精神療養向けに開発された、その情報に飛びついてしまったがゆえに大事なことを見落としてしまっていた。勝手に思い込んでしまっていた」

ルカ「この写真は、新世界プログラムに繋がれた私たちと前回のコロシアイの生き残りを映しただけ。それ以上でもそれ以下でもない」

智代子「ルカちゃん……?」

ルカ「これが治療の真っ最中の写真だなんて保証はどこにもないだろ」

智代子「えっ……!!」

ルカ「むしろ、治療なはずがねえんだよ。ちゃんとした目的で活用されていたなら、前回のコロシアイの生き残り連中が管理していたなら、この世界の中では月岡恋鐘の人格は以前のままだったはずだ」

ルカ「それが、コロシアイの黒幕として私たちの前に立ちふさがった以上は……記憶を管理する立場にあったのは、黒幕側ということになる。ともすれば、新世界プログラム自体、起動したのは黒幕側になるんだよ」

智代子「ちょ、ちょっと待ってよ! このコロシアイって本来精神療養をやっていたところにエラーでプログラムを書き換えられてしまって生じたものだったんだよね?!」

ルカ「その前提が違ったんだ。むしろその逆、コロシアイをするためだけの仮想現実になっていた新世界プログラムに無理やり介入して、元のあるべき世界に戻そうとしたが故のエラーだったんだ」

あさひ「そう考えると、新世界プログラムにログインしてきたみんなはわたしたちを救い出そうとしてたってことになるっすか?」

ルカ「ああ、自分の命も顧みずにな」

智代子「……私たちが、自分の意志で……」

719: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 23:15:05.24 ID:5aq02Vnv0

ルカ「それに、新世界プログラムがもともと黒幕側のものだったって言うんなら他にも納得できる部分があるんだよ」

ルカ「月岡恋鐘の人格だよ。あいつは江ノ島盾子の人格を既に入れこまれていたわけだが、それを入れ込むタイミングなんか元々の推理じゃ存在しないよな?」

智代子「今回のコロシアイが起きる前ならいつでもいいわけじゃないの?」

あさひ「人格を適合させるには、その記憶に類する体験が必要になるっす。ダンガンロンパのキャラクターの人格を入れるためにはコロシアイの体験が必要なはずっすよ」

ルカ「でも、月岡恋鐘は前回のコロシアイの参加者じゃない。もっと他のコロシアイに参加した可能性もないわけじゃないが……オマエらが事務所で見た限りは、そんな様子はなかっただろ?」

智代子「うん……恋鐘ちゃんは寮暮らしだし、そんな不審に数週間もいなくなるようなことはなかったはずだよ」

ルカ「私たちは全員記憶喪失になっているわけだから、どこまでが信用できるのかはわからないが……冬優子の遺した写真を見ても、容姿にさほど変化はないし期間はそう空いてはいないだろう」

ルカ「となると、人格を入れ込むタイミングはそう今回のコロシアイの直前になるはずだ」

智代子「そこで経験したコロシアイを、生き抜いたってこと……?」

ルカ「……いや、どうだろうな。そうとも限らないだろ」

あさひ「そっか、新世界プログラムの中で恋鐘ちゃんは一度コロシアイを経験してるんっすね」

ルカ「そうじゃないと、江ノ島盾子の人格をもって今回の黒幕になったことの理由がつかないんだ」

智代子「そ、そんな……私たちだけじゃなく、恋鐘ちゃんまでコロシアイを一度経験していたなんて……」

720: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 23:16:11.02 ID:5aq02Vnv0




あさひ「恋鐘ちゃんどころじゃないっすよ」





721: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 23:16:42.21 ID:5aq02Vnv0

智代子「……え?」

あさひ「冬優子ちゃんの写真、見たっすよね? あそこには、わたしたち全員が繋がってたんっすよ?」

ルカ「……ああ、つまりはそういうことだ」

ルカ「モノミ、第二問の解答だ。準備はいいか」

モノミ「はい! その麗しい美声で、自信満々、声高々と教えてくだちゃい!」

モノミ「ミナサンのたどり着いた、その答えを!」

722: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/25(金) 23:17:40.36 ID:5aq02Vnv0




ルカ「この島は仮想現実、しかも2周目だ」




ルカ「私たち10人も一度、コロシアイを既に経験していたんだよ。当然、その記憶は残っちゃいないがな」

智代子「そ、そんなことって……」


モノミ「大正解でちゅ〜〜〜!! 完全解答、パーフェクト、エクセレント、マーベラスでちゅ〜〜〜!!」

あさひ「……灯織ちゃんたちが生き残った現実世界での前回のコロシアイ。そして、わたしたちの今の記憶による今回のコロシアイ」

あさひ「そして、恋鐘ちゃんが人格を入れ込まれた『1周目のコロシアイ』。283プロのコロシアイは全部で3回行われていたってことっすね」


コトダマゲット!【1周目のコロシアイ】
〔新世界プログラムを用いて今回のコロシアイの直前に行われたコロシアイ。月岡恋鐘はこのコロシアイの結果に江ノ島盾子の人格を引き受けることとなり、今回のコロシアイで黒幕になることとなった〕

727: それでは再開します ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:01:36.07 ID:eBhCCQ9W0

智代子「前回のコロシアイも1周目のコロシアイも、今の記憶には残ってなかったんだけどね……」

ルカ「だが、体は覚えている。コロシアイという非日常に身を置いていたという事実は体に染み付いて、ダンガンロンパのキャラクターを受け入れるだけの器ができてしまっている」

智代子「……あれ? そういえば、2周目のコロシアイを始めた理由って何? ルカちゃんの言った通り、一回でもコロシアイを経験すれば器は完成するんだよね?」

ルカ「まあ、そこは月岡恋鐘にしか人格が入っていないところを見るに、うまくいかなかったんだろうな」

あさひ「恋鐘ちゃん以外のわたしたちは囮に使われたのかもしれないっすね。前回の生き残り5人も巻き込むために!」

ルカ「意図までは完全にはわからないが、2周のコロシアイを行ったことには何かしらの意味はあるんだろうよ」

モノミ「うるうる……あちし、感涙の極みでちゅ。ミナサンで力を合わせて、まさかここまで辿り着くことができるなんて」

ルカ「ケッ、もともとコロシアイをするためのプログラムの癖によく言うよ」

モノミ「あと少し……あと少しでちゅ! あと少しでミナサンはたどり着くべき高み。全ての真実に辿り着くことができるはずでちゅ!」

あさひ「次が最終問題ってことっすか?」

モノミ「はい! 卒業試験は次の問題でおしまいになりまちゅ!」

728: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:03:15.84 ID:eBhCCQ9W0

智代子「ねえ、それならそろそろ透ちゃんを解放してよ! まだダメなの!?」

ルカ「ああ、この世界が新世界プログラムで作られた2周目のコロシアイの世界だと確定した今、あいつに聞きたいことだって山ほどあるんだ」

モノミ「うーん……そうでちゅね、彼女はこれまでの二問に置いて、裁判の場にいたらトッチラケだったんでちゅが……」

モノミ「最終問題は彼女がいたところで変わらないでちゅし、まあいてもいいかな!」

モノミ「カモーン、浅倉さん! 出番でちゅよ〜!」


モノミがステッキを天に向かって振り上げると、浅倉透が立つべき証言台のその空間に目に優しくない配色の文字や数字が湯水の方に湧き上がる。
0と1の電子配列が幕のように上がったかと思うと、そこには初めからそこに居たかのように浅倉透の姿が浮かび上がってきた。
口元には少し力がこもっていたが、いつものような儚げな表情で私たちを見据えた。



透「……やっほ」



729: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:05:01.54 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「浅倉透……」


私がそこに抱く感慨は仲間との再会に対する歓喜などではなく、ましてここまで辿り着いたという達成感などでもない。
今自分達が直面している現実に対して鍵を握る人物。
詰め寄りたいという衝動ばかりが込み上げて、自然と奥歯を噛みつぶした。


透「聞いてたよ、今までの話も全部」

あさひ「透ちゃんには聞きたいことがいっぱいあるっす。透ちゃんの仲間って前回のコロシアイの生き残り5人で間違いないっすか?」

透「あー、イエス。部分的に」

ルカ「部分的?」

透「5人以外にもいるんだって。社長たちに対抗するための協力者はもっといて、チームなんだ」

智代子「他の、協力者……」

あさひ「それはチーム・ダンガンロンパじゃないんっすよね? なんで今まで教えてくれなかったんっすか?」

透「うん、チーム・ダンガンロンパじゃない。むしろ、私たちはみんなをチーム・ダンガンロンパから救い出す側」



透「【未来機関】、って言うんだけど」



730: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:05:58.45 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「未来機関だと……?! それじゃ、現実世界のジャバウォック島を改造したのって……」

智代子「わ、私たち……?! ……の、協力者さんたちってことだったんだ」

透「それと、これまで言えなかった理由」

透「これまでの話でも出たけど、新世界プログラムは人の記憶に直接干渉するから」

透「抜き取った記憶を下手にもう一度呼び覚ますようなことをしたら、中でエラーが起きかねないんだよ。アバター自身にさ」

ルカ「……なるほど、もともと精神療養のための装置。トラウマを消し去ったはずなのに、それを中で呼び覚ますようなことをするのは想定されてない挙動だわな」

透「どこまでなら踏み込んでいいのか分かんなかったから、不親切な話しかできなかったよね。ごめん」

あさひ「じゃ、透ちゃん。もう一個いいっすか?」


あさひ「透ちゃんは、結局何者なんっすか?」


透「……」

あさひ「オリジナルの透ちゃんと相違ない人格を持っているう人間。別の誰かが成り代わってるのかと思ってたっすけど、この写真からじゃ別の誰かすら見えてこないっす」

あさひ「もうここまで来て、その正体を隠す必要もないっすよね?」


透「えー……」



透「あー……うーん……」


731: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:07:23.09 ID:eBhCCQ9W0



モノミ「新世界プログラムの管理NPCでちゅよ」



透「えっ、ちょっ」

モノミ「新世界プログラムは人と人の意識をつなぐ仮想現実。万一の事態に備えて、その手綱を握る存在が常時必要なんでちゅ」

モノミ「プログラムに生じた脆弱な部分を補修したり、侵入してきたウイルスを排除したり。そのためにプログラミングされたNPCがデフォルトで存在するんでちゅね」

モノミ「だからもし浅倉さんがコロシアイの中で命を落としてたら世界自体が危うかったんでちゅけど……生き抜いてくれてよかったでちゅね!」


コトダマゲット!【浅倉透の正体】
〔今回のコロシアイに参加している浅倉透は、新世界プログラムの管理AIの役割を担っている。モノミ曰くコロシアイの中で命を落とすことがあれば世界の存続自体が怪しかったらしい〕

732: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:08:26.62 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「お、おい……今の話はマジなのか……?!」

あさひ「NPCってことは現実世界での体はないんすよね。私たちみたいに意識だけ切り出された存在ってわけでもなく、全てがデータ上の存在」

智代子「現実世界には存在しない人ってこと……なんだよね」

透「……」

ルカ「……なるほどな、NPCを私たちの中に紛れ込ませるのなら既に死んでいる283プロのアイドルってのはうってつけだわな」

智代子「私たちの誰も、死んだことを覚えてないんだもんね……」

透「仲間への思いを利用したみたいで、悪いとは思ってる」

透「……ごめん」

あさひ「むー、わたしが聞きたいのはそれだけじゃないっすよー」

あさひ「透ちゃんはずっとわたしたちの味方って言ってきたっすけど、それって本当なんっすか?」

ルカ「ああ、今一度オマエの言葉は精査しなくちゃなんねえ」

透「……」

智代子「え、ええ……? ここからは透ちゃんも合流して、チームプレイで頑張ろうって話じゃなかったの……?」

ルカ「学級裁判は……この島でのコロシアイは……そんな単純な話じゃねえ。議論の流れで敵と味方が二転も三転もする。信じられるのは議論の中で導き出される真実だけ」

ルカ「今までだってそうだったろ……!!」

(浅倉透の正体はNPC、新世界プログラムを内部から管理するAIだった)

(だとしたら、あいつの本当の立ち位置は……どうなるんだ……?)

733: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:09:50.53 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×7

‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【新世界プログラム】
‣【プログラムエラー】
‣【透の外部との通信】
‣【一周目のコロシアイ】
‣【満月】
‣【Aへのメール】
‣【冬優子の写真】
‣【にちかの証言】


モノミ「浅倉さんは【NPC】なんでちゅ」

モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」

モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」

あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」

あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」

あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」

智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に【拉致したことも認めてた】よね」

智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」

透「コロシアイなんかさせたくない」

透「【敵じゃない】んだって……100」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

735: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:22:54.70 ID:eBhCCQ9W0

【発言力:♡×7→6】

あさひ「透ちゃんの通信が不自然なのは間違いないっすけど、それが何を目的としてたかはまだ分かってないっすよね?」

あさひ「だとしたら、それで擁護するのはちょっと苦しいっすよ」

(チッ……それもそうか)

(あいつが、未来機関が……こっち側の存在なのだとしたら、その根拠になる何か証拠は無かったろうか)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×7

‣【チーム・ダンガンロンパ】】
‣【プログラムエラー】
‣【一周目のコロシアイ】
‣【満月】
‣【にちかの証言】


モノミ「浅倉さんはNPCなんでちゅ」

モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」

モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」

あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」

あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」

あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」

智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に拉致したことも認めてたよね」

智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」

透「コロシアイなんかさせたくない」

透「【敵じゃない】んだって……100」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

737: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:37:31.20 ID:eBhCCQ9W0
【集中力:☆×7→6】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】

【清らかなる星の流れが私たちを導く……】

【発言力:♡×6→7】

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×6

‣【プログラムエラー】


モノミ「浅倉さんはNPCなんでちゅ」

モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」

モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」

あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」

あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」

あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」

智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に拉致したことも認めてたよね」

智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」

透「コロシアイなんかさせたくない」

透「【敵じゃない】んだって……100」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

739: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:43:10.67 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「新世界プログラムにはシステム管理を行うAIが標準搭載されている。今回のプログラムで、その役割は浅倉透が担っていた」

ルカ「多分、モノミのその言葉は正しいんだろう……部分的に」

モノミ「……」

ルカ「さっきも確認した新世界プログラムのエラーコードをもう一度見てくれ。この未定義のエラーにより、内部セキュリティが内側から改変され、外からの干渉はされなくなったというメッセージ……」

ルカ「これと同時に、もう一つ。内部にウイルスが侵入したってメッセージがあるだろ?」

透「……!」

ルカ「システムセキュリティの改変……これ、ウイルスの侵入と併せて考えると防衛機構が働いただけとも取れないか?」

智代子「取れないこともないけど……だとしても、それがどう変わるの? 結局、エラーが起きて外の世界と隔絶されたっていう事実は変わらないんだよね?」

ルカ「新世界プログラムはコロシアイを目的としたプログラムだった、この前提を持った状態で見直すとどうだ?」

あさひ「コロシアイを阻害する何かが侵入したから、外から手出しされないようにした……?」

740: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:44:09.63 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「そうだ、内部プログラムからすればその目的と対極になる存在が侵入しないとこのメッセージは出てこない」

ルカ「このメッセージが出たからこそ、前回の生き残り連中五人が新世界プログラムにログインするようになったんだとすれば、ウイルスとみなされたものの正体……浅倉透である可能性が高いんじゃねーのか?」

智代子「待って! モノミはシステム管理のAIは新世界プログラムに標準搭載されているって言ってたんだよ! 後から透ちゃんが出てくるんじゃ、その基本原則に反してない?」

モノミ「ちなみに、浅倉さんがそのAIだということは証明ができまちゅよ。ログインしているユーザーには、そのユーザーが実在する人物かどうかを示すフラグがデータとして盛り込まれているんでちゅが……」

モノミ「浅倉さんのフラグは『management』、あちしたちとおんなじで新世界プログラムを管理するAIのフラグでちゅ!」

智代子「このフラグがある以上は、透ちゃんはコロシアイを取り仕切る側になってしまう……こればっかりはどうしようもないよ!」

ルカ「いや、浅倉透は【正常な】新世界プログラムの管理AIだ。異常をきたしている新世界プログラムに対し、それを元に戻すために導入されたんだろう」

ルカ「それに、【異常を起こしている】新世界プログラムの管理AIはほかにいる。もともとこの新世界プログラムの管理AIはそいつだったんだろうな」

あさひ「そっか……ほかにもAIがいたなら、透ちゃんが後から入ったAIだとしても新世界プログラムの管理AIの標準搭載にも説明がつくんだ」

智代子「そうかもしれないけど……そうなると私たちの中に、他にもNPCがいたってこと……?」

智代子「でも、透ちゃん以外のみんなはこの写真に映ってるんだよ……?」

ルカ「何言ってんだ、丁度いるじゃねーか。私たちのコロシアイ、その場に居ながらこの写真にはその姿を映していないあからさまなNPC野郎が」

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1

742: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:52:21.12 ID:eBhCCQ9W0


ルカ「オマエだ!」

【解!】

ルカ「モノミ、さっきオマエは言ったな。浅倉透のフラグはオマエと同じ『management』だって」

智代子「あっ……!」

ルカ「別にこいつは浅倉透が今回の新世界プログラムの管理AIだとは言ってない、あくまでこいつはその役割を持っているAIというだけでコロシアイの運営側だとは一度も言ってないんだよ」

ルカ「そして、その解釈をするなら浅倉透の今までの言葉、これまでの議論の流れ、そしてあの写真に映っていた事実。いずれにおいても整合性が取れる」

ルカ「私たち10人を巻き込んだコロシアイを起こすための機械と化した新世界プログラム、それを正常に戻すために前回のコロシアイの生き残り5人を構成員とする未来機関がプログラム内に侵入させた正常化のための管理AI。それが浅倉透だったんだ」

あさひ「それじゃあ透ちゃんは、敵じゃないんっすね!」

智代子「ご、ごめん……! この期に及んで疑うような真似して……」

透「いいって、いいって。わかってもらえたら、それで」

ルカ「モノミ、わざと情報を断片的にしか伝えなかったり、議論に関わってきたり、ここにきていよいよ形振り構わなくなってきたじゃねえか。この卒業試験は私たちの実力で乗り越えるのに意味があるんじゃなかったか?」

モノミ「別にミナサンを妨害しているわけじゃないでちゅよ、ミナサンには真実のすべてを知ってほしい。そのために必要な干渉なんでちゅ」

あさひ「それじゃあ、そろそろ最終問題を出してほしいっす」

智代子「そういえば、まだ出されてないんだったね……透ちゃんを前にして興奮しちゃったや……」

モノミ「わかりまちた! ミナサンが仲間を仲間だと認識したところで、いよいよ最後の問題に移りまちゅ!」

モノミ「これが、卒業試験の最終問題でちゅ!」


743: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:53:37.97 ID:eBhCCQ9W0




★ 今回のコロシアイの参加者はなんの記憶をなくしている?




モノミ「さあ、シンキングタイム……スターティン!」

ルカ「……は? いや、おいおい……オマエ、今までの話は聞いてたのか?」

ルカ「私たちはとっくにその話は終えてる……! 前回のコロシアイの話も、今までずっとずっと忘れていた……月岡恋鐘に記憶を植え付けるための一周目のコロシアイだって、思い出したんだぞ……!」

ルカ「これ以上、一体何を求めるってんだ……!」

あさひ「まさか、そのコロシアイの顛末まで詳細に思い出さなくちゃいけないんっすか?」

智代子「そんなの無理だよ! ……いや、できることなら思い出したい、けど」

744: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:55:01.79 ID:eBhCCQ9W0





透「深呼吸、一つ」






745: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:55:57.15 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「ああ?!」

透「肺いっぱいに吸い込んで……吐きましょう……」

透「ほら、落ち着いて。トランキーロ」

ルカ「これが取り乱されずにいられるかよ……こんな問題、何をどう答えろって……」

透「だからこそじゃん。今までの問題だって、モノミにははっきりした意図?があったし。この問題も、やみくもじゃないんじゃない?」

あさひ「何か、私たちに思い出させたい……重要な記憶があるってことっすか?」

智代子「これ以上の何かがある……なんだか自分の記憶が怖くなってくるね」

ルカ「チッ……」

透「私には思い出す記憶も何も、ないからさ。赤ちゃんみたいなもんだよ」

智代子「私たちの記憶……これまでの議論の延長線上で導き出すしかなさそうだね」

ルカ「これまでの議論……なぁ」

あさひ「やっぱり、わたしたちが参加していたのに忘れていた1周目のコロシアイが関係するっすかね?」

ルカ「よし、そこから議論してみるか……」

(私たちが忘れてしまっていた、1周目のコロシアイ……)

(すべての始まりを、私たちは知らない……)

(この忘却のどこかに、重要なヒントが眠っているはずなんだ……!)

746: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 21:57:48.62 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×6.5

‣【一周目のコロシアイ】
‣【恋鐘の証言】
‣【行方不明の十人】
‣【新世界プログラム】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【にちかの証言】


あさひ「わたしたちはみんな、この島に来た記憶がない」

あさひ「でも、どこまでを忘れてるんっすかね?」

智代子「私も参加した前回のコロシアイ」

智代子「そのコロシアイの生き残りを除いたみんなが参加した1周目のコロシアイ」

智代子「今回のコロシアイは、【3回目のコロシアイ】に当たるんだよね!」

透「1回目のコロシアイの黒幕は【社長】」

透「新世界プログラムでのコロシアイの黒幕は【恋鐘ちゃん】」

透「みんなが思い出せたのは、参加者と黒幕……ぐらいかな」

あさひ「それぞれで誰がどんな死に方をしたとかまでは流石に思い出せないっすよ~」

あさひ「これ以上何を思い出せばいいんっすか~」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

748: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:04:04.54 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「……そうか、私たちはまだ思い出すべきところを思い出せちゃいなかったんだ」

透「おっ、来た? 天啓」

ルカ「ああ、その記憶にライトを当ててくれたのはオマエだよ。浅倉透」

透「しゃー、功労賞」

ルカ「これまでの議論の中で明らかになった一周目のコロシアイの存在。私たちはそれについて、まだ何も知らないんだよな」

智代子「うん……恋鐘ちゃんがそのコロシアイを経たせいで、江ノ島盾子の人格を貰っちゃったってことだけ」

ルカ「そう、このコロシアイがあったからこそ今回のコロシアイでは月岡恋鐘が黒幕になったんだ」

ルカ「……じゃあ、1周目のコロシアイは誰が始めたんだ?」

749: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:04:55.35 ID:eBhCCQ9W0

あさひ「それは……社長じゃないんっすか?」

ルカ「いや、それはないはずだ。今回のコロシアイが始まる前の段階で撮影された例の写真。ここに前回の生き残りの5人が映っている、つまりはこの段階で【前回のコロシアイ】は終わっている。天井努は死んでいるんだよ」

ルカ「天井努でなく、月岡恋鐘でもない第三者が……もう一人の黒幕が絶対にいる筈なんだ……!!」

あさひ「わたしたちが思い出すべき記憶って……その黒幕なんっすか……!?」

智代子「新世界プログラムを起動した人間……それを当てなくちゃなんだね!」

ルカ「浅倉透、オマエは管理AIなんだろ? なんかその、ログとかは見れないのか?」

透「ううん、フラグとしては管理者だけどその権限はすぐに剥奪されちゃった。持ってたらこんなコロシアイさせてないって」

ルカ「それもそうか……」

あさひ「その黒幕って何者なんっすかね。社長とは最初から協力関係だったんだとは思うっすけど、283プロの人なんすか?」

ルカ「そうとも限らねえが……これだけの人数を集めるうえで、関係者であるとかなり工程は楽になるだろうな」

智代子「でも、みんなコロシアイに巻き込まれてるし、候補になるような人はもういないよね?」

(一週目のコロシアイを始めた黒幕……ひいては今回のコロシアイの真の黒幕とも言うべき存在だ)

(こいつを引きずり出さないことには……終われない!)


750: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:05:57.83 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×7

‣【方舟計画】
‣【冬優子の写真】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【Aへのメール】
‣【新世界プログラム】
‣【島の電波環境】
‣【にちかの証言】
‣【一周目のコロシアイ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】


透「コロシアイをするための仮想空間になった新世界プログラム」

透「それを起動した人間が、誰かいる筈なんだよね」

智代子「前回のコロシアイ、二周目のコロシアイ」

智代子「どっちも283プロの人間が黒幕だったし、やっぱり新世界プログラムを起動した人も【283プロの人間】なのかな……」

あさひ「わたしたちアイドルは全員がコロシアイに参加してるっす」

あさひ「真の黒幕になることは誰にもできないんじゃないっすか?」

透「プロデューサーにはづきさん……」

透「二人も捜査資料に登場してるし【黒幕にはなれそうにない】よね」

智代子「社長はチーム・ダンガンロンパを裏切る時に協力者を連れて裏切ってるみたいだし」

智代子「やっぱり、【その関係の誰か】なのかな……」

あさひ「そんなの、わたしたちが知ってるわけないじゃないっすか~」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

752: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:13:16.35 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「……いや、283プロの人間でもう一人……黒幕になることができる可能性がある人物がいるはずだ」

透「なんか、めっちゃフワフワしてる」

ルカ「断言はできねえんだよ。一人の証言だけで疑うって話だから……」

あさひ「そんな証言をした人がいるんっすか?」

ルカ「ああ、でもそいつの発言は信ぴょう性がある程度はあるはずだぞ。なんたって、その黒幕候補の肉親、なんだからな」

智代子「肉親……? 283プロダクションの中でそんな関係性になり得る人って……」

ルカ「七草にちかだ」

あさひ「にちかちゃん、っすか……? でも、にちかちゃんはもう死んでるっすよ……?」

ルカ「んなことは分かってる。でも、私たちは全員がその目で見たはずだ、骸が目覚めて私たちと刹那の時を過ごした瞬間を」

智代子「……学級裁判前の、捜査時間だよね」

753: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:14:12.39 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「私はあの時、七草にちかの亡霊と美琴の亡霊と一緒に捜査をしていた。その時に捜査資料を見つけて……あいつが口にしたんだよ」

ルカ「こんな泣きボクロなんかあったっけ……ってな」

あさひ「はづきさんに泣きボクロ……? うーん、あったっすかね……」

智代子「言われてみれば、あったような……なかったような……」

ルカ「同じ時間を過ごしていた人間だとは言え、記憶なんてのは朧気だ。んなもん何の当てにもならない」

ルカ「でも、幼少期から一緒に育ち、共に暮らしてきた人間ならどうだ? 身体的特徴なんて、そうそう見紛うもんじゃないはずだ」

透「それってさ、あの資料に載ってたはづきさんは別人だっていいたいの?」

ルカ「ああ。顔は整形で合わせに行けばいい、人格は方舟計画の技術を流用すればいい。後は身分証なりなんなり……本人の協力があればどうにでもなる」

ルカ「七草はづきという人間は283プロダクションにとって大きく関係しているが、コロシアイにも参加していない例外的な人物。283プロダクションの人間を集めて、新世界プログラムを使ってコロシアイを強いるうえではこれ以上ない最適者だ……!」

あさひ「納得はできるっす。でも、証拠がないっすよ」

754: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:15:40.86 ID:eBhCCQ9W0

あさひ「それに、条件ならプロデューサーさんだって同じじゃないっすか? プロデューサーさんも捜査資料に登場はしてるっすけど、いくらでも成り代わることはできるしコロシアイにも参加してないっす」

透「……いや、それだけはないよ」

ルカ「そう断言するからには理由があるんだよな?」



透「うん、にちかちゃんに疑われたあの時……連絡を取っていたのがプロデューサーだから」



智代子「えっ……!!」

透「私……正常な管理AIを新世界プログラムに侵入させたのがそもそもプロデューサーなんだよ。外からの干渉は拒絶されてしまったけど、内側から外部に通信をとることはできたから、エレクトボムを使うことで黒幕に気づかれないように連絡とってた」

透「だから、プロデューサーは違うと思う。みんなを守ろうとしてる」

智代子「プロデューサーさん……」

755: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:16:24.97 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「……まあ、これで絞れたわけだ。真の黒幕の可能性が一番高いのは七草はづき。それに異存はないな」

あさひ「可能性の話はそうっすけど……でも、やっぱり確定は出来ないっす。わたしたちの知らない人だって可能性も、全然あるし」

智代子「……私は、はづきさんが黒幕だとは思いたくないよ」

智代子「だって、はづきさんだってプロデューサーさんと同じでいつも私たちをすぐそばでサポートしてくれて……私たちが挑戦するのを応援し続けてくれた人なんだよ」

智代子「そんな人が……私たちの在り方を否定して、別の人格を入れるなんて考え方に同意するとは思えないんだ」

ルカ「……」

智代子「ねえ、はづきさんが本当に真の黒幕なのかどうか、精査する方法はないのかな」

(……七草はづきの容疑を検証する方法か)

(園田智代子からすれば、七草はづきは黒幕ではないという証拠が欲しいところだろうな)

(そんなもの、あっただろうか……?)

756: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:17:16.55 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------

【検討プロセッシング開始!】

新世界プログラムを使った二度のコロシアイ。
二周目のコロシアイの黒幕は月岡恋鐘が担わされたが、その役割を背負わせた真の黒幕……最初に新世界プログラムを起動した人間がいる。
いわば真の黒幕と言い換えてもいい。
現状、その真の黒幕の可能性が高いのは七草はづき、283プロの事務員だ。
実妹が成り代わりを指摘しており、これだけの人数を集め、コロシアイを実行・運営できるだけの素質もある。
でも、その証拠は存在しない。論理上怪しい、というだけ。
どうだろう、七草はづきは本当に真の黒幕なのだろうか?

まず、真の黒幕が満たすべき要件から考えてみるか……

Q1.1周目のコロシアイが起きたのは前回のコロシアイよりも?
A.前回のコロシアイ以前 B.前回のコロシアイ以降

↓1

758: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:23:35.29 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------
B
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

前回のコロシアイよりは一周目のコロシアイが起きたのは後になっているはずだ。
事件の捜査資料からしても、事件の発生と同時期に私たちは姿を消したと書かれている。
早くても同時期……普通に考えて、天井努の死後に行われているものとみていいだろう。

つまり、前回のコロシアイで死んでいる人間はまず除外して考えていい。

Q2.1周目のコロシアイが起きた時、真の黒幕はどこにいた?
A.希望ヶ峰学園を模して作られた建物 B.ジャバウォック島 C.283プロダクション 

↓1

760: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:29:10.32 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------
B
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

……そうだ、二周目のコロシアイが、今回のコロシアイが始まった時。
浅倉透という正常化管理AIが投じられ、更には【前回のコロシアイ】の生き残り5人までログインしてきた。
つまり、二周目が始まろうとしていたその瞬間、現実世界のジャバウォック島には関与している全員が集結していた。
私たちを救うために未来機関が集まっていたのなら、その場で真の黒幕を抑えてしまえばいい。

だけど、こうしてコロシアイは止められることもなく、
今ここに至っているということは未来機関が踏み込んだ時には真の黒幕の姿はそこにはなかったということになる。

島の外に逃げ出した?
いや、そんなことはできない。二周目を始めるための指示が機械に与えることができないからだ。
二周目を始めるのにも、やっぱりその場に黒幕がいる必要がある。
だのに、その身柄を抑えることができなかったということは……

Q4.真の黒幕は誰?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.七草はづき D.今回のコロシアイに参加している誰か

↓1

762: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:37:01.79 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------
D
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

未来機関に拘束されることなく、姿を消し、かつ今回のコロシアイを行うことができる方法はただ一つ。

自分自身がコロシアイに参加することだ________!


【FORGING!】


ルカ「……園田智代子、朗報だ。七草はづきは真の黒幕じゃない。真の黒幕にはなり得ない」

智代子「え、ど、どうしたの!? 突然の手のひら返し!」

ルカ「考えてみれば当然なんだ。今回のコロシアイは新世界プログラムという大掛かりな装置を使い、それに加えて二周目を起こすために再起動までかけてる」

ルカ「真の黒幕も私たちと同じ場所に、装置のある現実世界のジャバウォック島にいなくちゃいけないんだ」

あさひ「リモートで制御するには複雑な操作が必要になりそうっすよね」

ルカ「だけど、未来機関の鎮圧の記録から見ても……私たちがコロシアイを強いられた新世界プログラムの装置の現場には真の黒幕の姿はなかった」

透「二周目だけ始めさせて、ドロンとかは?」

ルカ「月岡恋鐘に黒幕をやらせたうえでの二周目だぞ? そんな絶好の肴をわざわざ放ってどっかに行くと思うか?」

智代子「でも、実際いなかったわけだし……」

ルカ「いや、黒幕自身はその場にいたんだよ。一番の特等席で、な」

智代子「特等席……?」

ルカ「簡単な話だ、自分自身がコロシアイに参加すればいい」

智代子「えッ……」



智代子「ええええええええええええええええ!?!?!??!」



763: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:38:04.34 ID:eBhCCQ9W0

ルカ「それに身を隠す上でもこの上なくうってつけなんだよ。他の参加者に紛れてしまえば見分けもつかないし、証拠も残らない」

あさひ「それじゃ、未来機関の5人、AIの透ちゃん、今回のコロシアイの黒幕の恋鐘ちゃんを除いたうちの誰かが……一周目のコロシアイを始めた真の黒幕なんっすか?」

ルカ「私はそう思う。どうだ、朗報だったろ?」

智代子「ど、どこが……!? さっきよりも状況、滅茶苦茶に悪くなってるよ……!!」

智代子「ここにきて、また仲間を疑わないといけないなんて……そんなの、いやだよ……!」

あさひ「……じゃあ、ここでいったん絶交っすね」

智代子「あ、あさひちゃん……?」

あさひ「進むしかないんだって、止まってる時間はないんだって。それは智代子ちゃんだって分かってるっすよね?」

智代子「……うぅ」

あさひ「それでも、仲良しなせいで、仲間を疑えない。前に進めない。それなら、今は仲良しをやめなくちゃダメっすよ」

ルカ「あさひ……」

あさひ「疑うことが進むことなら、わたしはその道を進むことを躊躇しないっす。今までに死んだみんなのためにも」

モノミ「うぅ、本当に強くなりまちたね、芹沢さん。和泉さんも黛さんも、冥界からその成長を喜んでくれていると思いまちゅよ」

あさひ「その冬優子ちゃんだって、黒幕候補っすよ」

モノミ「……! これは、想像以上でちゅ……!」

あさひ「ルカさんは付き合ってくれるっすよね。この絶交に」

(絶交、か……その言葉を聞くと、あいつのことを思い出すな)

(……ああ、私にとっても絶交は前に進むための手段。なら、あさひが示してくれた道から私が退く理由はない)

ルカ「おう、オマエのことも疑い尽くしてやる。見つけ出してやるよ、真の黒幕を……!」


764: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:38:53.84 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------
【検討プロセッシング開始!】

一周目のコロシアイ、そこに謎のすべては眠っているが……その記憶もまた眠っている。
脳髄を引きずり出したとて、それを呼び起こすことは適わないだろう。
私たちにできるのは、今のこの記憶に溶けだしている一周目のコロシアイの残滓を掬い集めることだけだ。
どんなに微かで、薄くて、小さくても……その残滓を見逃しちゃダメだ……!

Q1.一周目のコロシアイと二周目(今回)のコロシアイ、その違いは?
A.舞台 B.参加者 C.設定 D.期間

↓1

766: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 22:42:48.56 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------
B
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。
これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

>>590 >>591 >>592

↓1

768: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 23:03:08.57 ID:eBhCCQ9W0

【発言力:♡×7→6】

(いや……これは参加者の違いを示す証拠であって、これにより歪みが生じたことを示す証拠じゃない)

(もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。
そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。

これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

>>590 >>592

↓1

770: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 23:08:11.34 ID:eBhCCQ9W0

【発言力:♡×6→5】

(いや……違う、これじゃない)

(もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。
そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。

これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

>>590

↓1

772: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 23:15:29.12 ID:eBhCCQ9W0
【発言力:?×5→4】

(いや……違う、これじゃない)

(もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。
そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。

これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

?【希望ヶ峰学園歌姫計画】
?【にちかの証言】
?【ジャバウォック島再開発計画】

↓1

774: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 23:25:16.71 ID:eBhCCQ9W0
【発言力:♡×4→3】

【スキル効果によりコトダマが減少しますが、候補が残らないため自動で進行します】

-------------------------------------------------
【希望ヶ峰学園歌姫計画】
-------------------------------------------------

【CORRECT!】

この島に来た時、そういえばモノミのやつが言っていた。
この島の暮らしは希望ヶ峰学園による才能研究の一環で、学園の技術を用いてアイドルとしての潜在能力を引き出すことを目的としている。
そのプログラムには283プロのアイドルと私が参加し、それを収録して一つの番組にする……とかなんとか。
それを総合した呼称が、『希望ヶ峰学園歌姫計画』だったはずだ。

でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ?
「283プロダクションのアイドル」の参加には言及はあるが、私の参加には一切言及もない。
まるで、そもそも参加なんか意図されていないように……
私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。

……この食い違いは。

Q3.なぜ『希望ヶ峰学園歌姫計画』の対象が予定と実際で食い違っている?

A.黒幕の参加に合わせて修正したから
B.黒幕の参加に合わせて修正したから
C.黒幕の参加に合わせて修正したから
D.黒幕の参加に合わせて修正したから

↓1

776: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 23:30:25.28 ID:eBhCCQ9W0
-------------------------------------------------
A
-------------------------------------------------

【CORRECT!】

(……)

【FORGING!】


ルカ「あさひ、礼は言っておく。オマエのおかげで、どれだけ酷な真実があろうとも受け止めるだけの覚悟ができた。腹を括れたよ」

あさひ「ルカさんが言ったことっすから。進むのをためらうなって」

ルカ「ああ、だから私も足を止めなかった。この島での暮らしを、はじめから疑った。私たちがここに来た理由から、全部な」

智代子「もともとは希望ヶ峰学園歌姫計画……希望ヶ峰学園のプログラムの才能育成の一貫だって聞かされてたんだっけ」

透「希望ヶ峰学園自体、植え付けられた記憶……なんだけどさ」

ルカ「ま、それはそういう舞台設定だったんだろう。そういう希望に満ちた始まりからコロシアイのどん底に落とされることで絶望を一層引き立てる……いかにも黒幕が好きそうな話じゃねえか」

ルカ「ただ、その設定を一周目ならず二周目までも採用しちまったのは失策だったんだよ。本来の設定の現行の状況との間に食い違いが生じてしまったからな」

あさひ「食い違いって何のことっすか?」

ルカ「本当に小さな食い違いなんだけどな、元々この希望ヶ峰学園歌姫計画ってのは『283プロダクションのアイドルのみ』を対象としたものという設定なんだよ」

777: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 23:31:28.16 ID:eBhCCQ9W0

智代子「あっ……ルカちゃんが含まれてない……!?」

ルカ「そういうことだ。モノミは283と私とでの合同ロケ、なんて理由づけをしてたが随分と苦しい言い訳じゃないか?」

モノミ「そ、そんなことはないでちゅよ……」

透「二周目と一周目の違いはその参加者。うちら未来機関と、一周目を起こした黒幕」

透「混じったことで、折り合いがつかなくなっちゃったんだ」

ルカ「そう、綻びははじめからあったんだ。ただ、それに気づくことは外の世界を忘れてしまった私たちには不可能だったんだけどな」



あさひ「……えっ」



智代子「あさひちゃん、どうしたの?」

あさひ「……」

ルカ「……あさひ、相変わらずオマエは察しがいいな。まあ、ここまでいえば全部話したも同然だけどな」

智代子「ルカちゃんまで……ど、どうしたの……」

ルカ「オマエだって本当は気づいてるんだろ? 今の話で、真の黒幕はすぐに分かっちまうって」


(……私が歩んできた道は、間違いじゃなかった)

(それは、胸を張って言える)


(……だけど、ここから先にも)



(道は繋がっているのだろうか)

778: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/26(土) 23:32:22.22 ID:eBhCCQ9W0





【真の黒幕を指摘しろ!】

↓1





788: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 20:53:05.12 ID:EggkbfIo0
------------------------------------------------





CHAPTER 00

幕間

ナポリタン一皿のイマージュ





------------------------------------------------

789: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 20:53:52.42 ID:EggkbfIo0





____マジでどの面下げて私の前に現れてんだって。






790: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 20:54:47.34 ID:EggkbfIo0

ナポリタンに醤油やお酢をぶっかけられたような最悪の気分。
苦虫を噛み潰してすり潰し、それを濃縮して煎じた薬でも飲んだような顔をしていただろうと思う。
目の前の席についた男に、目を細め侮蔑の視線を送る。

この男は私にとって親の仇だ。
若くして私を身籠ったママは妊娠していたにも関わらず無理なプロデュースにより活動を強いられ、
そして身を壊し、精神も消耗し、最終的には私を産み落とした後に自殺という選択を取った。

その結末を齎したのは間違いなく目の前のこいつ。
こいつは今、そのことに触れることもなく悠々とした様子でワイングラスを口元へと運んでいる。


「そんなに美味いかよ……屍の山の上で飲む酒は」
「山、とは大層だな」
「一人や二人じゃ目でもないって……? 笑えるね、何がアイドルのプロデューサーだよ」


黒いスーツには年季が入っていた。手入れを尽くしても隠しきれない折り目に、その面に走る皺。
私の身に纏う服との取り合わせは倒錯した時間の流れを印象付けた。
母の歩んだ道の上を死に急ぐように走る私と、死の生まれた地点で立ち止まってばかりのこいつ。はじめはそう思っていた。

791: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 20:56:35.79 ID:EggkbfIo0

「ああ、ホントまっずい……最悪の店だね」
「人に見られる仕事をしている以上は、最低限他の人間にどうみられるか気にした方がいい」


退席を促す、鬱憤だけの暴言。その悉くが眼前の標的からは逸れていた。
的を射ないばかりに、男からは私を逆なでするような言葉ばかりが飛んでくる。
こちらの怒りの感情には耳を傾けないばかりか、反省の色も覗かせない。
さも自分は出来ている人間だ、とばかりの言葉面。


「あんたこそ、こんな店には似合わないよ。老いぼれがこういう、若者の集まる店に入っていいと思ってんの?」


実際、この店にこの男がいるとは思いもせず。
普段の客層からしてもそう、私が注文している品からしてもそう。
私に父親はいないが、こういう歳の男は普通もっと閉鎖的な空間で夜を過ごす者ではないのだろうか。
居酒屋で愚痴垂れたり、バーで傷をなめあったり、そういう加齢臭のこもった哀愁がお似合いだ。

私の指摘にこの男は『やれやれ』と言わんばかりにため息をつくと、言葉を返すことなく目の前の料理を口に運ぶ。
フォークの先で巻き取ったパスタからは、ウィンナーが零れ落ちた。


「……苦いな」


男の一口分には、ピーマンばかりが巻き取られていた。


792: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 20:57:58.86 ID:EggkbfIo0

「……萎えた」


平然と食事を続ける男を前に、何か言ってやろう、ぶつけてやろうという意欲はいつの間にか立ち消えてしまった。
フラストレーションをぶちまけたところでそれが昇華される保証もない。
それに、親の仇をとるならもっと望ましい形があることを私は知っていた。


「代金はそっち持ち、不快にさせた分くらいは払えよ」


こいつがアイドルのプロデュース業の前線から身を引いて、事務所を立てたと聞いたとき。
はらわたが煮えくり返りそうになるのと同時に、やっと復讐の好機が回ってきたと拳を突き上げてもいた。
こいつがずっと手に入れようとして手に入れられなかった、安泰の『家』、それを為す『家族たち』。
私の手でぶち壊すことができたのならどれだけ胸がすくことだろう。
ステージという華々しい舞台の上で、歓声と支持を全て私のもので上書きして、その上であの男の起こした仕打ちのすべてを白日の下に晒す。
架けたはずの虹は陰雨のもとに折れ、背中の翼は羽の一つ一つまでが毟り取られる。

咎を求めるなら、その方が効果的だろうと悟っていた。


793: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 20:59:54.46 ID:EggkbfIo0

「待て」


完全に背を向けていた私に、男が声をかけた。
さっきまで席についていたのに、なぜ離席したタイミングで呼びつける。
その横柄さに虫唾を走らせながら、振り向く。


「話がある」


咽喉まで出かかった言葉が霧散した。
そこに座っていた男はさっきまでとは別物に映ったからだ。
肉親の仇という先入観が視野を曇らせていたのか。

否、そうではない。男自体がさっきまでは擬態をしていた。
枯れた柳のように、のらりくらりとしていたばかりの男とは思い難く。
皺を走らせてかっぴらいた眼球は禍々しくも血走り、絡め合わせた指は歪に擦れあう。



___刹那、男の中に死神を見た。


794: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:02:13.88 ID:EggkbfIo0


「私からのスカウトを受けてみる気はないか」


邪悪は、呪詛を吐いた。


「はぁ? あんた正気じゃないね、イかれてるよ」


その深度を測りかねて、蹴って退ける言葉で動揺を繕う。
それを見透かしたように、男は言葉をつづけた。


「君を誘っているのはステージ上へではない、その対極だ」
「意味わかんないこと言うなって……」


気が付けばレストランに人は私とこの男の二人だけだった。
食器に食器がぶつかる音、給仕が机に料理を運ぶ足音、飲み物を片手に語らう人々……そのいずれも虚無へと消えた。
私の意識に降りた分厚い幕は、見なくていいもの、聞かなくていいもののすべてを覆い隠す。

ただ、男の言葉だけに耳を傾ける。

795: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:02:59.49 ID:EggkbfIo0


「この世界の真裏を見てみる気はないか」


何よりも重たく、何よりも甘美な響きだった。


「あんた……わ、私にママと同じように……死ねって言いたいのかよ……?!」


違う、そうじゃない。私の言葉が的外れなことを自覚しながら、それを発した。
男のにやけ面、その裏に透ける悍ましい何かに心を惹かれていることを認めたくはなかったのだ。


「君に見せたい世界がある」


男はポケットからスマートフォンを取り出すとそれを横向きに机の上へ。人差し指で机を二度叩き着座を促してくる。


「……」


何も言わずに、浅く腰掛けた。食べかけのナポリタンは草臥れている。


「……すまん、まだ操作には不慣れでな」


たどたどしい手つきで画面をタップ。
何やら意味の分からない文字列を入力するたびに、そこに映るものはどんどん物々しくなっていく。
発色は暗いものに変わり、そこに踊る字も陰惨な響きの物に。


最終的に行きついたのは、

796: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:03:52.04 ID:EggkbfIo0





「……コロシアイ?」

B級映画でも今時目にしないような5文字だった。





797: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:05:04.59 ID:EggkbfIo0

「私に見せたいのって、これ……なの……? いや、やっぱあんた頭おかしいよ……」


残虐すぎて、一周回って幼稚なそのフレーズに、何の笑いなのかもわからずにはにかみながら男の顔を見た。
ただでさえ、彫の深いその顔立ちは、日が沈んだかのようで何故だか表情が見えなかった。


「再生するぞ」


私の反応は一切の無視。男は迷うこともなく、その指先を横向きの三角形に添わせた。



「これが、君を待っている世界だ」


798: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:06:20.40 ID:EggkbfIo0



ケチャップ。



その食卓にはテーブルマナーはない。
あるのはドレスコード、血染めのシューズワンセットだけ。
好きに席を立ち、好きに同席者を殴りつけたっていい。
食事をするための道具で、眼球をえぐり出したっていい。
ナイフで割かれた肉が床を転がり、フォークでリブステーキを持ち上げる。
付け合わせのソースは自分の眼球から零れる雫に、胃袋から噴き上げる酸味のあるジュレ。
シェフらは自らの首をねじ切ろうともがき、手のひらから血が噴き出すほどに床を殴りつける。


最悪で括れないだけの数分ばかりの底が、流れた。

799: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:08:32.66 ID:EggkbfIo0

「これは、その一端だ」


ダブルタップすると、画面の八割以上を赤が占拠していた映像が一時停止。
そのまま液晶の明かりを落として、男はポケットにスマホをしまいこんだ。
私はというと、ただ茫然とスマホがあった場所一点を凝視していた。
つい先ほどまでそこに非日常が、無秩序が、無倫理が、醜悪なる厭悪がそこに在った。
その記憶はとりもちのように私の眼球を捉えて離さなかった。


「これは非日常。私たちの日常のすぐ真裏の、な」


体をめぐる血管に、これまでと違う血が流れているのを感じていた。
血管の末端までその一つ一つが拍動しているようでうるさい。
皮膚の下で異様な熱気を放つのに、なぜか体は震えている。
奥歯は火花を立てようかという勢いでぶつかり合い、呼吸は間がない程に浅い。


「私は今、アイドルのプロデュース業とは別にこの興行を取り仕切る立場にある」


当然のように自身の非人道的な行いを語る。
自己紹介をするかのように、呼吸をするかのように。

800: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:09:41.92 ID:EggkbfIo0

「もし君が私を告発すれば、今すぐにでも牢の中に投げ込まれるだろうな」


でも、君はそれをしないだろう?

そう言いたげな視線が鬱陶しくて、そこでようやっと首を振るという反応を示すことができた。
とはいえ男の言葉を否定する意味合いで首を振ったのではなく、あくまで煩わしさから出ただけの反応。
凝り固まっていた関節がほぐれただけのこと。


「あんた、私にその犯罪の片棒をかつげって……?」


男の言うスカウトとはつまりそういうことなのだろうと思った。
共犯者を募っている。断頭台の上で一緒になって踊る人間を探し求めているのだ。


「ああ、そうなるな」


そんな最悪の意図を明け透けにして取り繕うともしない。

801: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:10:31.89 ID:EggkbfIo0

「……」


なのに、その誘いを棄却できなかった。
悩むことなんてない、表舞台で生き続けたいのなら蹴り飛ばしてこいつを通報なりなんなりすればいい。

それなのに、どうしてさっきのあんな凄惨な光景に心惹かれてしまっているのだろう。
生まれた時から親がいない。死という存在が自分自身のルーツだから。
そんな理由をつけようと思えば付けれたかもしれない。


「あんた、本当に終わってるね。ママ殺して、行くとこまで行った?」
「狂いへの道程はまだ道すがらだ」
「ハッ……ホント、イカれすぎ」


でも、自分自身が1番わかっている。
この衝動の根っこは、ただの好奇心だ。

802: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:11:20.37 ID:EggkbfIo0







「話、もっと聞かせなよ」






803: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:14:00.55 ID:EggkbfIo0
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

しばらくしてからこのコロシアイのルーツが『ダンガンロンパ』というカルトゲームだということを知った。
私とほぼ同年代の登場人物たちがエゴを剥き出しにして、文字通り殺し合う。
そのコロシアイには裏で糸を引く存在があり、最終的にはその黒幕を打ち破り希望が輝いて終わる……というあらすじ。

私がなぜこのコロシアイに魅せられたのか、それで合点がいった。

私はずっと地の底を這っていたんだ。
生まれた時から母親の仇を取る、それだけを生き甲斐にしてきたし、自分の青春は全て復讐のために投げ打った。
その中でもようやっと見つけた他にない相棒とも、別離し、絶縁し、自暴自棄の果て。
心の中に拠り所をずっと追い求めていた。
このコロシアイの中で幾度と生まれる『希望』を、自分も手にしたいと思った。


「……好きな女守って終わり、か。綺麗な終わり方なこって」


モニターには愛した女性に覆いかぶさり庇うようにした骸が映る。
生憎ながら、その骸ごと鉄芯が両者を貫いているため、庇うことは叶わずにいるが。


「これが、今回の希望の形……自己犠牲ってとこか?」
「もう一端の評論家気取りか」
「ハッ……そんなんじゃねえ」


804: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:14:56.41 ID:EggkbfIo0

男はどこか冷めた目つきで顛末を見届けていた。
参加者たちが無惨で悲劇的な死を遂げようが、感情が波を立てることもない。
顎に手を添えて、ため息混じりの声をこぼす程度。
同じ仕事をするようになってからは、男のそんな仕草ばかりを目にしていた。

かくいう私も似たようなものだ。
あのレストランで見せられたコロシアイは、はじめこそ魅力的なものではあったが、回数を重ねるごとに自然と色褪せ、私の中にも慣れが生じてきた。


「……なあ、あんた。本当は何がしたいんだ?」
「と、いうと」
「ただコロシアイを興行にするだけじゃねえんだろ」


そんな退屈にこいつが誘い込むばかりとは私には思い難かった。

この男は、悪魔だ。
自分のために他人を振り回すことを屁とも思わず、嗜虐の限りを尽くして使い潰す。
私が今見ている姿には、その側面が不足していた。


「何か目的があってコロシアイをやってる、それに私を誘ったのもその目的あってこそだろ」
「……」


私の問いかけに少し考え込むそぶりを見せた。

805: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:16:19.53 ID:EggkbfIo0

「私は、アイドルのプロデュース業を今でも1番に考えている」
「はぁ……?」


男の発言の意図を図りかねて、思わず問い返す。


「ひいては、このコロシアイもプロデュース業に活かしたいと思っている」
「いや、アイドルとコロシアイなんて対極だろ……世界の真裏だってあんたも言ったよね?」
「表裏一体という言葉がある」


コインの表と裏は文字通りピッタリとくっついており、そこに開きはひとつもない。
生まれながらにしての隣り合わせ、男はそう言いたいらしい。

間違っている。
アイドルの真裏がコロシアイ?
華やかなステージの幕裏には死体が積まれている?
そんなことあり得ない。
ステージに立つものは、おおよそ命のやり取りとは程遠いところにいる。
スパンコールが光を乱反射させることはあっても、血飛沫を帯びることなどない。
そんな荒唐無稽な言説を、取り下げようともせずに男は続ける。

806: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:17:43.40 ID:EggkbfIo0

「君の母親が自ら命を絶った時のことだ」
「!」
「私は自身の愚かさに頭を擡げると同時に、アイドルとしての器量のあり方に疑問を抱いた。羨望と声援を恣にするアイドル、だが真に世界に希望を齎すにはそれでは不十分だと」


親の仇が当時の心境を語る。
熱帯夜なんか目じゃない不快感に、爪を立てる。
その爪で顔を引き裂かなかったのは、話を聞きたいという衝動が蓋をしたから。
ここまで来たら、どれほどこの男が狂っているのかを明らかにせねばいけない。その責任すら感じていた。


「どんな絶望に直面しようとも立ち上がり、立ち向かう……その姿にこそ人は耀きを見るのではないか」
「まさか、あんたは自分のアイドルにコロシアイをさせようってんじゃ……」



「そうではない」


時間が、止まった。

807: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:18:34.27 ID:EggkbfIo0


「それでは不十分だ」


それは、盲信。
はるか昔に胸に打ち込んだ楔。


「彼女たちの翼は儚く、脆い。虹を抱くには、羽根にはしなやかさを携えていなければならない。私は、その羽根に新しい色を加えたいのだ」


既にその芯は朽ち果てて、ただの墓標に化していた。


「ダンガンロンパに出てきた希望の象徴たる参加者たち、その人格を伴うことができたなら、その羽はより一層の輝きとなるだろう」


ただその墓標の根元に縋り、いつまでも天を見上げている。
天井努とは、そういう“故障品”だった。

808: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:19:56.76 ID:EggkbfIo0

「……ハッ」


なんだ、私が手を下さずとも復讐は既に母の手によってなされていたのだ。
母を使い潰して、自殺にまで追い込んだ相手は、いつの間にか母の幻影に囚われ、魅入られていた。


「あんた、最高だよ。いい趣味してんじゃん」


それなら、ここから先は嗜虐の範疇だ。
壊れてしまった相手を、もう戻りようもないほどに痛めつける。
飛んでしまったネジを掴んで捻じ曲げる。
二度とその穴を埋めることができないように、埋めようとしすれば却って穴が広がってしまうように。


「付き合わせろよ、私にも」


男は一瞬面食らったかと思うと、すぐに吹き出した。


「元よりそのつもりだったよ」


809: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:21:14.07 ID:EggkbfIo0
◆◇◆◇◆◇◆◇

283プロの連中でのコロシアイのセッティングは異常なまでに順調に進んだ。
事務所の社長が主犯格ということもあるが、コロシアイを既に何回も興行として成功させてきた経験が私にも天井にも蓄積されていたところが大きい。
発見を遅らせるための根回し、物資の確保、会場の用意……気が遠くなる額のお金がとんだ。
これまでのコロシアイとは比べ物にならない額だ。
天井努はここで、全てを終わらせ、全てを始めるつもりだったらしい。

コロシアイの参加者に選んだのは16人。
283プロダクションの中で、高校生の年にあたる者から七草にちかを除いたものだ。
なぜ七草にちかを除いたのかというと、親友の娘だからだと返答。
この期に及んでそんな人の情のようなものがあったのかと呆れ返ったものだ。


「残りの連中はどうするんだ?」
「コロシアイの動機になる。身柄は参加者と同様に押さえておけ」


なるほど、ユニットの中でも年齢がバラけているところもあるし動機としてメンバーの存在を活用するのは効果的だろう。
天井は私に残りの連中のリストを手渡す。

810: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:23:01.42 ID:EggkbfIo0

「……美琴」


リストの字面を目で追えば、自然と彼女が目についた。
283のアイドルでは最も私のとって馴染み深い存在。私にとってのもう片翼。
彼女がコロシアイの毒牙から免れていたことには安堵を禁じ得なかった。


「七草、にちか」


それと同時に、目につく名前。つい先ほど天井が『こいつだけは』と逃れさせた贔屓目。
私と天井の贔屓目同士が、偶然にもユニットを組んでいる。
これ以上に不愉快なことはなかった。


「コロシアイに参加しない面々には実害は加えない、誘拐する絵だけ撮れればあとは解放していい」


天井からの指示はそれだけ。
実動部隊はほぼ私に任せっきりになっていたし、天井はコロシアイの運営に向けての準備で手一杯だ。

私への監視の目は、確実に緩んでいた。

811: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:24:47.87 ID:EggkbfIo0

「美琴、もうオマエは……私の知ってる美琴じゃないんだよな」

「私の知ってる美琴は、もう帰ってこない……」


私は天井の考えに同調なんてしていない。
別の人間の人格を入れてしまえば、統合がうまくいったとてそれが臨むべき形であるはずがない。
元々の彼女はその時点で死に、『別の誰か』になってしまうだろう。


「それなら」


だからこそ、好都合。



「私が美琴を殺さないと」



812: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:26:40.77 ID:EggkbfIo0

緋田美琴を完全に、壊す。
天井の計画を利用して、生き残ろうとも死のうとも、緋田美琴という存在をこの世から消し去ってやる。
私が愛してやまなかった彼女の姿を借りて、今ものうのうと生きている『美琴』、その横暴をこれ以上赦しておくわけにはいかない。
私をこれ以上否定させるわけにはいかない。


「……私。あのさ、283のコロシアイで使う動機の人質連中……こっちに預けて。そう、天井からの指示だから」


だからそのために、他の283の連中にも協力してもらう。
私の目的に年齢なんか関係ない。幼かろうが私より年上だろうが、どうだっていい。
どうせみんな、壊れて元通りにはならない。
人格が統合されて出来る、紛い物にして醜態を晒し続けさせてやる。
もちろんその中には七草にちかだって。


「ハッ……」


この時を私は生まれた時から待ち侘びていた。
母の命を奪い去ったこの世の無条理、誑かし欺き食い潰すばかりの悪魔、私の拠り所を掠め去っていく泥棒連中……
その全てに復讐する時が今やってきたのだ。
この方舟計画が成功したその時こそが私の宿願なのだと悟った。

813: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:27:33.46 ID:EggkbfIo0


「穏やかな顔して寝てるね、美琴」


瞳を閉じて、寝息も立てず意識を失っている美琴の頬に触れる。
私生活なんてだらしないものなのに、アイドルには必要だからと身につけたスキンケアの賜物だろうか。
肌はきめ細やかで、赤子のような弾力もある。
指をむにっと押し込んでみると、クッションのような低反発でそれを受け入れる。


「……」


指先は、その先でわずかな熱を感じ取る。


「……変わってない、のかな」


美琴はいつも静かに燃えていた。
ステージのライトを一身に浴びる、それは彼女にとって夢というよりも生きる理由だった。
レッスンのたびにその話を聞かされては、涼しげな表情と情熱的な野望とのチグハグさに呆気に取られていた記憶がある。


「もう、私にはわからない」


ただ、もう昔の話だ。
時間は、全てを解決するし、全てを流し去ってしまう。

814: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:28:39.74 ID:EggkbfIo0

「じゃあな、『美琴』」


少しばかり胸が痛むのを感じながら、背を向けた。
これが私の見る最後の『美琴』の顔になる。次に見るとき、そこにあるのはきっと『美琴』ではない紛い物。
今生の別離という奴だ。


「……そろそろ始めるか、復讐」


連中を繋いでいる仰々しい装置、その操作盤の前に腰掛ける。
組織に所属してから叩き込まれたのでもうこの手の操作には慣れたもの。
プログラムのコードだって空で書けるほど。

だから、書き換えることも容易だった。
彼女たちが見ている楽園を一転、地獄にすることだって今の私なら苦でもない。
指先一つで、それは適う。


「ハッ……神にでもなった気分。最悪」


カミサマだなんて、周りの連中が押し付けてきた私の商品価値のイメージ。
だのに、今この局面になってレッテルが実態に追いついてきた。

弱者に対する圧倒的な優位。
きっと神なんて概念はその優位を畏敬と錯誤してしまうがゆえに生まれてしまったミステイクなのだろう。


「あー」

815: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:29:26.20 ID:EggkbfIo0




「神は神でも、死神だったんだ。私」




Role:managementによってルールが変更されました
Objectの配列が変更されます
新しいプラグインを導入しています
この端末に変更を加えています

>ハコフネケイカク ジッコウカイシ
019838299193782919163929298163891928
017382891849298471939938273819919939
182732894929284728919184820409171839


816: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:30:40.40 ID:EggkbfIo0
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CHAPTER 00

幕間

ナポリタン一皿のイマージュ

END





------------------------------------------------

817: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:31:25.99 ID:EggkbfIo0





「モノミ、回答だ」

「私たちは1周目のコロシアイに関する記憶を失っている。283の連中はコロシアイに参加した記憶を」

「私は、コロシアイに連中を巻き込んだ記憶を」






818: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:32:35.75 ID:EggkbfIo0

モノミ「大正解でちゅ〜! 天晴、お見事、マーベラス! ミナサン、全ての謎を自分たちの手で解き明かすことができまちたね!」


モノミに提示された卒業試験。
全3問に私たちは完答することが出来た。
でも、そこに待っていた答えはどれも私たちが俯くには充分すぎるだけの酷なもの。
モノミの賞賛ばかりが裁判上には空虚に響き渡る。


モノミ「あちしも達成感を感じまちゅ。満ち足りた達成感を感じまちゅ。中綿から縫い合わせの糸までがあったかくなるような達成感を感じまちゅ」

モノミ「ミナサンと過ごしたこの島での時間。それには重要な意味があったんだと再確認できまちた」

ルカ「……ホント、悪趣味だな。ここまで来て、これほどまでに胸糞悪い気分になるとは思わなかったよ」

ルカ「過去の自分、なんて恨んでも恨みきれねえ……!」

モノミ「うんうん、斑鳩さんのお気持ちは察して余りありまちゅ」

モノミ「緋田さんも七草さんも……」

モノミ「風野さんも桑山さんも田中さんも三峰さんも和泉さんも小宮さんも有栖川さんも黛さんも市川さんも月岡さんも」



モノミ「全部全部死んじゃったのは元を辿れば斑鳩さんのせいなんでちゅからね!」

ルカ「……ッ!」


819: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:33:53.22 ID:EggkbfIo0

あさひ「モノミ、わたしたちの答えは本当に全部合ってるっすか?」

モノミ「はい! バッチリもバッチリ! 完全回答でちゅよー!」

あさひ「……なら、ルカさんならこの状況をひっくり返せるんじゃないっすか?」

ルカ「……え?」

あさひ「コロシアイの全てを始めたのがルカさんなら、全てを終わらせられるのも……ルカさんだけじゃないっすか?」

智代子「そ、そうだよ! ルカちゃんなら、新世界プログラムを解除することだって……死んじゃったみんなを生き返らせることだって……!」

智代子「だって、このコロシアイは2周目……1周目で死んじゃった子も参加してたんだよね?!」

透「……」

モノミ「どうやら、浅倉さんには見えているようでちゅね。流石は管理AIさんでちゅ!」

あさひ「どういう意味っすか?」

透「私とかモノクマモノミとおんなじなんだよ」

820: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:34:47.57 ID:EggkbfIo0

透「ユーザー側にはフラグ……役職がついてるんだけど、本来は。今のコロシアイ、みんな役職が同じなんだよ」

ルカ「同じ……?」

透「要は、普通の参加者と一緒。システムを書き換えることもできないし、記憶も取り上げられてる」

透「その記憶も別メモリに取られてるから、今この場じゃどうにもならないんだよ」

ルカ「……すまん」

あさひ「……」

モノミ「でも、当たり前でちゅよね。そうでもしなきゃ未来機関に捕まっちゃうんでちゅから。新世界プログラムに紛れるには潔白な小市民を演じる必要がありまちゅ」

モノミ「下手に管理者である証拠を残していたら台無しでちゅからね。それに……」

モノミ「チーム・ダンガンロンパに所属していた人間なんでちゅから少なからず殺し合いに憧れる気持ちもあったんでちゅよ!」

ルカ「……」


明らかに、連中の私に向ける視線は変わっていた。
島の生活の中で少しずつ、積み重ねていたはずの信頼はこの裁判で突き崩されてしまった。
かけがえのない仲間たちが命を奪いあい、罪を背負わされたこのコロシアイ。その全ての責任は、私にある。
今までと同じように会話などできるはずもない。


821: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:35:45.46 ID:EggkbfIo0

透「これさ、こっからどうするの? 卒業試験自体は、もう終わりなんだよね?」

モノミ「そうでちゅね、問題自体は完答していただきまちたし、もう試験は終わりでちゅね」

あさひ「試験『は』?」

モノミ「はい! ミナサンは卒業の資格を今手にしたんでちゅ、ここから先はその卒業についての説明をしなくちゃいけまちぇん!」

ルカ「卒業って……このコロシアイが終わりってことじゃないのか?」

智代子「まさか……3周目……?!」

モノミ「いやいや、そんなことはありまちぇんよ。そこまでの権限はあちしにはないでちゅ」

モノミ「ミナサンにはこのコロシアイの終わり方を選んでもらいまちゅ」

ルカ「終わり方って、私たちが解放される以外の終わり方があるのか?」

モノミ「そうでちゅね……その説明をしなくちゃいけないんでちゅが……ちょっと込み入った話になるんでちゅよね」

智代子「今更込み入るも何もないよ! ちゃんと教えて!」

822: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:37:04.22 ID:EggkbfIo0

モノミ「さっきまでのお話の流れでこのコロシアイの目的が方舟計画にあることは確認しまちたよね?」

ルカ「それを……私が望んでいたらしいな」

モノミ「斑鳩さんの意志は生きていまちゅ。このコロシアイからの『卒業』は方舟計画の実行を意味しまちゅ」

智代子「それってつまり、私たちに人格を入れ込むの……?!」

透「……」

モノミ「コロシアイの経験値は十分すぎるはず、ミナサンにはダンガンロンパの人格を受け入れるだけの器がもう完成しているはずでちゅからね」

ルカ「島を出るには、それを受け入れるしかないのか……?」

モノミ「はい! 勿論でちゅ、それはあなた自身が望んだことなんでちゅよ?」

ルカ「……クソが」

あさひ「入れ込む人格は、この候補者リストの通りっすかね。……どんな風になるんだろ」

智代子「そんなの……嫌だよ……」

智代子「私は自分自身のままでいたい……チョコアイドル園田智代子は、今この自分だってそう思うから……!」

モノミ「勿論無理強いはしまちぇん。でも、卒業を選べば、コロシアイはちゃんと終わりまちゅ」

823: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:37:56.12 ID:EggkbfIo0





モノミ「今までに犠牲になったミナサンも、復活しまちゅよ!」





824: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:38:58.33 ID:EggkbfIo0

ルカ「……は?」

モノミ「新世界プログラムはあくまで仮想空間でちゅから。データ上死亡となっていても、その死亡したデータを返さなければしっかりと蘇生はしまちゅ」

あさひ「冬優子ちゃん、愛依ちゃん……みんなが、生き返る……?」

モノミ「方舟計画はダンガンロンパのキャラクターをこの世界に降すのが目的でちゅ。死亡したミナサンもコロシアイを経験したというデータは十分に蓄積されていまちゅからね」

モノミ「そんな素材を捨て置くのは勿体無いでちゅからね、しっかりとお返ししまちゅよ!」

ルカ「方舟計画の実行対象として、だよな」

モノミ「それはモチロン!」

あさひ「生き返るみんなも、わたしたちも……ダンガンロンパのキャラクターの受け皿として蘇生する」

モノミ「重ね重ね言いまちゅけど、あくまで方舟計画は人格の統合を目的としていまちゅ。ミナサンの元々の記憶や人格が消え失せるわけではないんでちゅよ」

モノミ「希望の象徴として、生まれ変わるだけなんでちゅ」

モノミ「アタシ、再生産!……って奴でちゅね」

智代子「多分それだけは違うと思う! ……多分だけど!」

ルカ「元の人格が残るとはいえ、それは他の何かが入った時点でもう別物だ」

あさひ「その別物を生み出そうとしてたのがルカさんっすよね」

ルカ「……」

智代子「ねえ、モノミ。終わり方を選びってことは、他にも選択肢があるんだよね?」

モノミ「はい。方舟計画の実行を阻止するという選択もありまちゅ」

ルカ「……! マジか……!」

モノミ「でも、それは希望を前にして背を向けるに等しい、背徳的な停滞でちゅ」

あさひ「停滞ってことは、まさか」

825: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:40:02.29 ID:EggkbfIo0





モノミ「この島から一生出ることはできなくなりまちゅ」





826: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:40:56.22 ID:EggkbfIo0

ルカ「なっ……!」

モノミ「それに、殺し合いで死んだミナサンが生き返ることもありまちぇん。骸は骸のまま、沈黙に全てを投げ打つことになりまちゅ」

モノミ「終わらない『留年』ってところでちゅかね!」

智代子「現実世界には私たちの体だけがずっと残り続ける……」

ルカ「クソが……自分達の生き方だけじゃなく、他の連中の命まで背負わせやがって……」

ルカ「どこまで趣味が悪いんだよ……!」

モノミ「ぷすー、くすくす! その発言、丸ごと全部ブーメランになってまちゅよ!」

あさひ「これってルカさんも同じ条件なんっすか?」

モノミ「はい! 真の黒幕であるルカさんもこのコロシアイにはミナサンと同じ条件で参加していまちゅから、基本は一緒でちゅ」

ルカ「基本……?」

モノミ「ダンガンロンパのコロシアイは最終局面は黒幕との直接対決って決まってるんでちゅよ。対決とはつまり、裁判の審議……おしおきをかけた究極の駆け引きでちゅ」

智代子「お、おしおきってまさか……」

827: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:42:27.73 ID:EggkbfIo0





モノミ「ミナサンが卒業した暁には斑鳩さんには死んでもらいまちゅ!」





828: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:43:22.98 ID:EggkbfIo0

モノミ「やっぱり、それぐらいリスキーじゃないとね!」

智代子「『卒業』すれば……ルカちゃんが死ぬ……?」

あさひ「……」

モノミ「あちしはミナサンのことを信じていまちゅ。ミナサンは希望の象徴になるべきアイドルたちなんでちゅから、どんな犠牲があろうとも進むべき道をしっかりと選んでくれると信じていまちゅ」

モノミ「それに、斑鳩さんはミナサンにとっては仇以外の何者でもないんでちゅからね!」

あさひ「……!」
智代子「……!」

(クソ……最悪だ……)

(自分の命が危ういことなんかどうだっていい……)

(かつての私に、言いようにされて打開策も何も見当たらないこの手詰まりの状況が、最悪だ)

(こんなの、どうすればいい……どうしたって絶望しか待ってないよ……!)

829: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:45:02.90 ID:EggkbfIo0

モノミ「じゃあ、お手元のボタンでささっと斑鳩さんに投票してくだちゃいね!」

ルカ「お、おい待てよ……!」

モノミ「斑鳩さん、往生際が悪いでちゅね。これはあなたが始めた物語でちゅよ?」

智代子「モノミ……私たちも一緒だよ。まだ、『卒業』をそうすぐには選べない。ちゃんと考えて……話し合ってから決めたいんだ」

ルカ「園田智代子……」

あさひ「……そうっすね。私もそう思うっす」

モノミ「まあ、ここまで引っ張っておいてこのままフィナーレじゃあ消化不良は否めまちぇんよね。分かりまちた!」

モノミ「それでは学級裁判はこれより最終フェーズに移りまちゅ! 『卒業』かそれとも『留年』か。ミナサンの議論で決めてくだちゃい!」

(……最終フェーズ)

(私は、どうすればいい……どっちに誘導すればいい……)

830: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:46:05.14 ID:EggkbfIo0

モノミ「でも、このメンバーでも議論も流石に食傷気味でちゅね……」

モノミ「そうだ! 思いついた! あちし今日は冴えてまちゅ!」

透「何する気? あんまいい感じじゃなさそうだけど」

モノミ「議論が物足りないなら、人数を補えばいいんでちゅ!」

ルカ「は? 何言って……」



モノミ「てんてれてーん! マジカルステッキ!」


モノミはいつ振りかのステッキを取り出したかと思うと、何やら呪文のようなものを唱え始める。
しばらくすると呼びかけに応えるが如くステッキの先はギラギラと輝き出す。下品なまでの光の粒子がそこに集い、渦を描き出す。


モノミ「えいやー! 死んじゃったみんなも、生き返れー!」


渦は爆ぜ、私たちの視界を俄に覆い尽くした。
瞳を庇う右腕を、下げた時。
次に私たちを待ち受けていたのは目を疑うような光景だった。

831: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:47:02.06 ID:EggkbfIo0





「久しぶり……いや、さっきぶりかな」

「……美琴?!」





832: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:47:55.19 ID:EggkbfIo0

円の形に並べられた証言台。
事件が数を重ねるたびに、証言台には空席が目立つようになっていた。
遺影代わりの写真にバツ印が付けられた冒涜的な墓標がそこには立てられ、視界にちらつく度に不快感が湧き立たずにはいられなかった。
その場所に、今。

_____葬られたはずの本人たちが立っている。


灯織「こ、これは……一体……」

果穂「あ、あたし……生きてるんですか……?」


しかも、裁判前に見せられたあの最悪な幻影とは違う。
私たちが共に過ごした時間がそのままの形で残っている、私たちのよく知る彼女たち。
紛い物でない本物が、そこにはいた。


智代子「か、果穂―――――!!!」

果穂「わっ! ちょこ先輩! ……えへへ、また会えてうれしいです!」

夏葉「智代子……生き延びてくれていたのね」

智代子「うん、夏葉ちゃん……お陰様で、今の今まで生き延びることが出来ました!」

833: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:48:57.85 ID:EggkbfIo0

雛菜「透ちゃん最後まで生きてたんだ〜! すごい〜〜〜!」

透「雛菜、ごめんね。守りきれなくて」

雛菜「別に気にしてないよ〜? 雛菜は守りたい人を守れてるし、大体しあわせかな〜」


愛依「あさひちゃんあさひちゃんあさひちゃん〜〜〜!!!」

あさひ「わっ! 急にわしゃわしゃしないでほしいっす」

冬優子「もう、愛依……落ち着きなさい。別に逃げやしないわよ」

愛依「や、そうだけどさ〜?!」


結華「ありゃりゃ、アンティーカは全滅だった感じですか?」

摩美々「恋鐘なら最後まで生き残ってもおかしくないと思ったんだけどー」

恋鐘「……」

摩美々「……なんか、恋鐘妙に静かじゃないー?」


灯織「何が起きてるんでしょう……」

千雪「まさか、生き返っちゃうなんて……でも、喜んじゃっていいのよね」

灯織「千雪さん……そうですね」

千雪「死んでしまったら、いつまでも孤独だもの。こうしてみんなにもう一度会えただけで儲け物よね」

834: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:49:49.71 ID:EggkbfIo0

にちか「ちょっと、ルカさん! なんで美琴さんが死んじゃってるんですか!?」

ルカ「……」

にちか「ルカさん、何か言い返してくださいよ! 黙ってちゃ何も分かりませんって!」

美琴「にちかちゃん、いいの」

にちか「でも……!」

美琴「……ルカ、ごめんね」


美琴の謝罪は私の頭上を通りすぎていった。
私には、それを受け取る権利なんてない。
こいつらの命を奪ったのは他でもない私だ。
私さえいなければ死別することもなく、こんな再会の場を設けずとも横に並ぶことができていた。
本来謝るべきは私の方、ただその謝罪もどこに向けるべきなのか定めかね、私は黙って俯くほかなかった。


835: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:50:43.46 ID:EggkbfIo0

モノミ「やっぱり、死んじゃったからって除け者にしちゃうのは可哀想だよね! この島で過ごしたお友達なんだもん! 最後はらーぶらーぶの議論でシメようね!」

ルカ「……どういうつもりなんだよ」

モノミ「はれ?」

ルカ「こんなことして、オマエになんのメリットがあんだよ……! 一体、何を企んでやがる……!」

モノミ「企むも何も……」





「それは1番君がよく知っていることだろう」





ルカ「……え?」

836: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:51:39.36 ID:EggkbfIo0

突然目の前のウサギのぬいぐるみの中から聞こえてきた、似つかわしくない余りにも渋すぎる声。
戸惑っている間も無く不可解は続く。


「君の持ち去った箱舟計画、どんなものなのかは覚えているだろう?」

「幼きヒナには翼が、旅立つ若人には導が必要だ」

「283プロのアイドルたちは、翼であり、導だ。この世界に芽生えようとする希望たちにとって、な」


ルカ「お、オマエ……死んだはずじゃ……」


「……死んだ? さっきの今で、目撃したものを忘れてしまったのか?」

「この世界では、死は何よりも軽いのだよ」


全てが裏返り、秩序は無秩序に。常識は出鱈目に。
死者は蘇らないという固定観念が覆された今、目の前の異常は平常に書き換えられてしまった。

これは死者の葬列ではない、生者の行進なのだ。

837: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:52:28.14 ID:EggkbfIo0





努「……久しぶりだな。283プロダクション代表、チーム・ダンガンロンパのゼネラルマネージャー、天井努だ」






838: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:53:54.09 ID:EggkbfIo0

灯織「しゃ、社長……あなたが……あなたが本当に、全ての元凶なのですか」

努「らしいな」

摩美々「なんでそんな他人事なんですかー?」

努「現に、他人事だからだ」

努「私はそこに立っている浅倉と同じなのだよ。知識や記憶こそオリジナルの天井努と同一ではあるが、本体は既に命を落とした身。あくまで私はAIによる再現にすぎない」

にちか「……加齢臭までAIって再現できるんですね」

努「……コホン」

努「それに、今回のコロシアイ……新世界プログラムのコロシアイに関しては私よりも憎むべき存在はハッキリしているんじゃないのか?」

ルカ「……テメェ、そんなことが言いたくてわざわざ出てきたってのか」

努「ああ、犠牲者たちを蘇らせたのもそのためだ」

果穂「ど、どういうことなんですか……!? にくむべきそんざいって……社長さんがいってることの意味が……」



あさひ「このコロシアイの本当の黒幕はルカさんなんだよ」




839: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:54:56.74 ID:EggkbfIo0

にちか「え……? は……?」

あさひ「この世界は仮想現実で、意識上のデータ空間っす。新世界プログラムっていうんすけど……」

あさひ「その新世界プログラムを書き換えてコロシアイを行うだけの世界にして、わたしたちを閉じ込めたのは元はルカさんだったんっすよ」

愛依「あ、あさひちゃん……さすがにジョーダンだよね?」

ルカ「……違う」

愛依「だ、だよね?! ダメだよあさひちゃん、今はホントのことを話してくれなきゃ______」

ルカ「冗談なんかじゃ、ない」

美琴「……ルカ?」

ルカ「私が、全ての元凶……黒幕だったんだ。今私にその時の記憶はないが、この島にオマエラを閉じ込めたのも、コロシアイを無理強いしたのも、そして箱舟計画の対象にしたのも」

ルカ「全部全部、過去の私がやったことだ」

否定することはできなかった。
自分で導き出した推理だから、というのもあるがそれ以上に、これ以上真実を隠すような逃げをしたくなかったというのがある。
この島で暮らすうちに身につけてしまった強さと弱さ、賢さと愚かさが分かりやすすぎるほどに如実に滲み出てしまった。


840: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:55:51.21 ID:EggkbfIo0

努「憎むべきものを憎め、私が言いたいのはそれだけだ」


裁判場に立ち込める混迷の空気。
肌がピリピリとするのはおそらく私だけ。
剥き出しで無防備の私に四方八方から向けられている敵意。
怒り、恨み、憎しみ……そういうものが全て私だけに注がれる。
さすがの私と言えど、肌の震えは抑えられなかった。


美琴「……」

努「さて、283プロダクション所属のアイドル諸君。決断の時だ」

努「諸君らの友情を違え、突然の別離を齎したこのコロシアイ南国生活」

努「この生活から生きたままの帰還、『卒業』を選ぶのか。それとも再度仲間たちを死体に還しこの島での暮らし、『留年』を選ぶのか」

努「さあ、どちらを選ぶかね」



「………………」


841: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:57:19.45 ID:EggkbfIo0

千雪「ま、待ってください……『留年』を選んだ場合、私たちはまた、死んでしまうんですか……?」

あさひ「そんなの、さっきは言ってなかったっすよね?」

努「状況が変わったのだよ。先ほどまではこの裁判に挑んでいたのは生き残りの4人のみ。だが、死者が蘇った今となってはそうではない」

努「選択にはリスクがつきものだ。『卒業』を選べば斑鳩ルカが死ぬ、それなら『留年』にもリスクがなければ釣り合いが取れないだろう」

結華「どう考えても数の上では釣り合いが取れてないよね、それ……」

冬優子「釣り合いは数以外のところで取ってるんでしょうね」


そういって私を一瞥する冬優子。
その視線が有する熱は、いつかの『ごっこ』の絶交とは比べ物にならないほどに冷たい。


愛依「ど、どーすんの……これ……うちら、どっちかを選ばないといけないの……?」

摩美々「選びたくはない、ケド……選ぶのなら……」

美琴「その選択肢は、明らかに見えているよね」

(美琴……!!)


あの時のことを思い出した。
美琴と組んでいたユニットを解散することになった時、彼女から感じたのは無関心。
同じステージに立つことから降りた私はその瞬間、舞台装置未満の存在に堕ちた。

842: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:58:16.01 ID:EggkbfIo0

あの時とおんなじだったのならどれほどよかっただろう。
今美琴から感じるのは圧倒的な失望と疎外感。
それもそのはずだ、命をかけてまで守ろうとした相手が、その相手こそが、自分から全てを奪っていたなんて。


美琴「『卒業』を選ぶことに私はなんの躊躇もない」

美琴「こんな地の底にいたところでステージのライトは当たらない」

美琴「私たちはここを出ていくべき、そうだよね?」


美琴が潮目になり、場の空気は一気に彼女の元に手繰り寄せられる。
一度死した、この島での暮らしに疲弊した連中は縋るようにその選択肢の足元へ。


夏葉「……ルカ、話が全て本当ならば、あなたを到底許すことはできないわ」

千雪「ルカちゃん……違う、違うのよね……?」

冬優子「……なんで言い返さないのよ、あんた」


その反応の全てが理解できた。
刃物の一つも突きつけてこない行儀の良さにお見それしているくらいだ。
もし私が逆の立場なら、今頃相手を八つ裂きにしているだろう。
それで足りないだけのことを私はしているのだ。
その記憶こそ、ないが。

843: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 21:59:23.00 ID:EggkbfIo0

(…………)

(…………………)


投票されて、私が死んで、こいつらが代わりに出て行く。
それだけならば、納得してやってもよかった。
別に自己犠牲に陶酔しているわけじゃない、美談になりたいわけじゃない。
踏み台になることにある程度の理由づけが為されているから、自分を説き伏せることができるというだけ。


(………………………………)


……だが、今回ばかりはその理由づけが不十分だ。

理由が理由の体を成していない。
連中は私を踏み台にして生き残るわけではないのだ。
島を出る時、彼女たちは器になる。
ダンガンロンパの傀儡として生まれ変わった彼女たちは生き残りというには余りにも無残で、余りにも空虚。
自らの翼、そこに映す鮮やかな虹に影を落とすだけ。




________黙っていて、いいのか?




844: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:00:50.03 ID:EggkbfIo0

私はいつだって孤独だ。
ステージの上で横に立つ者などいないし、私を応援してくれる人間とやらは盲信してばかりで、本当の私を見ようとしない。
応援してるだけ、心配してるだけ、関心を寄せているだけ。
自分達の理想の斑鳩ルカ、理想のカミサマから私が漏れてしまわないように、脱線しないように、監視を続けることをファンの使命だと思い込んでいる。
それに殉じたまま、もがき苦しんで生きていくことを、アイドルは求められている。



_____だから、なんだ?



そんなもん知ったこっちゃない。
他の誰が何を望もうが、私の歩む道は私が決める。
生きることを望む者がいようと、死にたければ勝手に死ぬし、死んでほしいと望むのなら、嘲笑ったまま生き永らえてやる。
他人の事情、勘定、心情なんだって目もくれてやらない。
私はカミサマなんかじゃない、もっともっと俗物的で、短絡的で、独善的なんだ。

845: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:02:19.56 ID:EggkbfIo0

私はやりたいようにやらせてもらう。
それが他の人間の胸を引き裂くことになろうとも、悲劇をもたらす結果となろうとも。
私は私のやりたいようにやる。
私は私にとって、理想である終わり方を追い求める。

他の誰かに提示されたぬるいだけの選択肢で、妥協点に落ち着くなんてクソ以下。
生き残るんだったら自分自身を保ち続けた上で、砂を引っ掛けてきた相手をぶっ飛ばした上で。
そうじゃないとこのイライラはどうにも鎮まりそうにない。
衝動を飼い慣らすためにはそれに見合うだけの餌が必要なのだ。


(……行こう)



(このままじゃ、終われねえ……!)




灯織「……卒業を選ぶ他、ないんですよね」

雛菜「まあそうじゃなきゃ雛菜たちはもういっかい死んじゃうしね〜」

にちか「ルカさんなんかのためにかける命はないんですよ、この裏切り者……!」

千雪「……」

846: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:03:11.37 ID:EggkbfIo0





ルカ「そうはいくかよ」






847: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:05:22.41 ID:EggkbfIo0

冬優子「あんた、相変わらず往生際が悪いのね」

ルカ「好きに言え、私は別に我が身可愛さで言ってるわけじゃねえ。このまま『卒業』をオマエらに選ばせるわけにはいかないってだけの話だ」

努「ほう……それはどういう理屈かね」

ルカ「どういう理屈も何も、この『卒業』は箱舟計画の遂行を意味する。生き残る代わりに傀儡になるなんて、そんな生ぬるい結末だけはゴメンなんだよ」

努「その結末を誰よりも望んでいたのが、かつての君なのだがね」

ルカ「『かつて』じゃなくて、今の話をしてんだよ」



にちか「ふざけないでくださいよ」



ルカ「……七草にちか」

848: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:07:06.36 ID:EggkbfIo0

にちか「ルカさんが今の話をするんなら私だって言っちゃいますけどねー?!」

にちか「散々人を裏切って思いを踏み躙っておいて、それでよく我儘が言えますよね……?! 自己中、最っ悪に自己中すぎませんか?! そんなの?!」

ルカ「自己中な、返す言葉もないよ」

にちか「はぁ……?!」

ルカ「でも、だからといって譲る気はない。『卒業』をみすみす許すような真似、絶対に出来ねえんだよ」

ルカ「ただ島を出るだけじゃない……方舟計画が遂行される、その意味を知りもしないで、甘えた選択してんじゃねえ!」

にちか「いいですよ、死ぬよりは!」

ルカ「死んだ方がマシだ!」

努「……何をしている?」

努「なんの足掻きだ? 何が狙いだ? もうとっくにことは決しているのに……今更騒いでなんになる?」

ルカ「さあな、AI如きにゃ読みきれねえだろうよ」

ルカ「0か1で表現し切れるほど、人間うまいことできちゃいねえんだ……!!」

849: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:08:11.41 ID:EggkbfIo0

(他の連中は冷ややかに私の足掻きを見つめている)

(だけど、だからといって引き下がりはしない)

(この状況を覆せるのは、今武器を取って立ち上がることができるのは、私を置いて他にはいない)

(行くぞ……絶対に全員を説得してやる……!!)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆舌戦シュートアウトについて

お久しぶりです、アナウンスでございます。
長きにわたる学級裁判もこれより最終局面。
『卒業』を阻止するための説得パートに移ります。
斑鳩様と相対するのは、この島で確かに友情を育んだはずのアイドル様方……
ですが、斑鳩様がこのコロシアイを始めたという事実が敵意へと変わり、斑鳩様の言葉はまるで届かない状態になっています。

そう、言葉ではもはや太刀打ちできないのです。
なれば、言葉でないものを武器にする他ない。

武器にするのは、相対するアイドルの様方と過ごした時間、その【経験】でございます。
絆や友情、なんて言葉では括れないほどの葛藤や衝突もあったことでしょう。
そうした記憶は双方が確かに有しているのです。
斑鳩様が目指すのは、その記憶の共振。

さあ、いよいよ最後の戦いの幕開けです。
【ケイケン】を握りしめ、大立ち回りと参りましょう。
ご武運を。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

850: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:10:33.43 ID:EggkbfIo0

にちか「あー、ホンッット……なんであなたみたいな人が美琴さんとペアだったんですかねー……」

にちか「マジで、ぜっったいあなただけは許しませんから」

にちか「大人しく死んどいてくださいよ!」


【にちか「ばーかばーかアホまぬけー!」】決戦!

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×7

ケイケン
【風野灯織のケイケン】
【小宮果穂のケイケン】
【黛冬優子のケイケン】
【浅倉透のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】


にちか「ルカさんからすればそりゃ卒業は不都合ですよね」

にちか「なんたってルカさんは私たちが島を出ていくための【犠牲】になるんですから」

にちか「多少の同情はしちゃいますけど……」

にちか「でも、美琴さんを……皆さんを殺した【罪】を持ってるのに」

にちか「わが身可愛さで島を出ていくのをやめろとかって流石に引きますよ!」

にちか「どんだけ自分が可愛いんですか!?」

にちか「どんだけ独善的なんですか!?」

にちか「【自分の都合だけ】で他の人を振り回して」

にちか「それ、すっっごくダサいんですけど!」


(私は確かに自分のためだけにここまで行動してきた)

(でも、その道は……必ずしも私だけじゃない)

(私がいつの間にか背負うことになった思いを……こいつに見せつけてやる……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

852: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:21:16.56 ID:EggkbfIo0

【発言力:♡×3→2】

にちか「はぁ?! 風野さんがルカさんと何か関わりありましたー?」

にちか「それともなんですか、私が殺した相手の名前出して罪悪感で抑え込もうってハラです?」

にちか「とにかく、そんなんじゃ私は靡かないのでー!」

(クソ……やかましい奴だ)

(こいつに、私が自分の都合だけで反論をしているんじゃないとわかってもらうには……私がコロシアイの中で誰かの都合を背負い込むことになったケイケンを示す必要があるな)

(そんな並みならぬ間柄のやつなんて……限られているか)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×7

ケイケン
【小宮果穂のケイケン】
【黛冬優子のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】


にちか「ルカさんからすればそりゃ卒業は不都合ですよね」

にちか「なんたってルカさんは私たちが島を出ていくための犠牲になるんですから」

にちか「多少の同情はしちゃいますけど……」

にちか「でも、美琴さんを……皆さんを殺した罪を持ってるのに」

にちか「わが身可愛さで島を出ていくのをやめろとかって流石に引きますよ!」

にちか「どんだけ自分が可愛いんですか!?」

にちか「どんだけ独善的なんですか!?」

にちか「【自分の都合だけ】で他の人を振り回して」

にちか「それ、すっっごくダサいんですけど!」


(私は確かに自分のためだけにここまで行動してきた)

(でも、その道は……必ずしも私だけじゃない)

(私がいつの間にか背負うことになった思いを……こいつに見せつけてやる……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

854: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:29:28.71 ID:EggkbfIo0

【集中力:☆×7→6】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【清らかなる星の流れが私たちを導く……】

【発言力:♡×2→3】

【ケイケンの候補の数が一つとなり、ロンパ候補も一つのため正答したものとみなします】

-------------------------------------------------
【黛冬優子のケイケン】→【自分の都合だけ】
-------------------------------------------------

ルカ「この太刀筋に迷いはない!」

【SLASH!!】

ルカ「わが身可愛さ……確かにそう見えるかもしれない。特に、オマエに見せてきた私の姿はずっとそういう姿だった」

ルカ「自分の都合のために、自分がやりたいことをする、自分がやるべきと思うことを貫く」

ルカ「その根本では変わっていない……そう思う」

にちか「はー?! それじゃもう黙っててくださいよ……! ちょっとでも私たちに悪いって思うんだったら、黙って死んじゃえばいいのに……」

ルカ「でも、その自分の都合の受け皿はこの島で暮らすうちに広くなったと思う」

にちか「……は?」

ルカ「私には、ずっと仲間なんていなかった。同胞も、友達も……家族も」

にちか「……かぞ、く」

ルカ「だから、他の人のために……なんて避けてきた。怖かったんだよ、期待に応えられない瞬間の落胆が、失望が。美琴の横に立とうとしていた時もずっとその強迫観念に追われていた」

ルカ「……そんな私に、無理やりに都合を押し付けてくる厚顔無恥な女がいたんだよ」

855: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:31:22.85 ID:EggkbfIo0


≪冬優子「お互い、利用しあいましょ。ストレスの発散先として」≫

≪冬優子「あさひ、最後に年長者っぽいことできてよかったわ。そのやってやった感のまま、終わらせてちょうだい」

あさひ「……うぅ」

冬優子「それと、ルカ……あさひのこと、頼んだわ。今やもう、頼れるのはあんただけだし」

冬優子「……それと、パートナーともうまくやりなさいよ」

ルカ「……おう」≫


ルカ「何を思ったのか、急に私のことを頼って、利用して、挙句死に際にそこのガキの面倒まで託してきた女だ」

ルカ「……だけど、そんな女に心を許していたのも事実だ。そこまでの踏み込みを許した時点で、私自身にもこいつの期待には応えたいって、そう思ってたんだよ」

ルカ「だからこそ、『卒業』なんてさせちゃならねえんだ……! あいつが私に託したのは、あさひを……他の連中を守ること。他の誰かの人格を入れ込まれるのを黙って見過ごすなんて、守ることからは一番遠い行為だろ……!?」

にちか「守るって……! そんな覚悟があったなら、美琴さんのことを守ってくださいよ!」

にちか「私の期待だって、背負ってくださいよ……!」

ルカ「ああ、背負ってやる」

にちか「はぁ……!?」

ルカ「今からでも、オマエを含めて、私以外の全員を守ってやるよ。出来ないわけない、なんたって私自身がオマエたちを脅かす黒幕なんだからな」

ルカ「現実だろうと運命だろうとひっくり返してでも、オマエらを守り抜いてみせる……」



【ルカ「それが私の、私自身のための都合だ……!!」】




856: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/27(日) 22:33:08.41 ID:EggkbfIo0

にちか「なんですか……それ。なんなんですか、それ……!!」

にちか「あー、やだ。絶対認めてやるか、ってそう思ってたのに」

にちか「ルカさん、美琴さんの隣に立ってた時期があるだけのことはあるんですね」

ルカ「ハッ……当たり前だ。こちとらあのワーカホリックモンスターのベテランだぞ。そんんじょそこらのことじゃ折れたりなんかしない」

にちか「ツイスタで病んだばっか言ってる人が何言ってるんですー?」

ルカ「……」

にちか「あはは、都合悪くなるとすぐ黙るー!」

ルカ「オマエな……」

にちか「分かりましたよ、ルカさん……一時休戦です。『卒業』で生き残る……それを阻止するために、力くらい貸してあげます」

にちか「美琴さんのこと、私だって守りたいんですから」

ルカ「マジか……!?」

にちか「その代わり、『卒業』を阻止した先に何も無かったら、針千本……いや、億兆京本飲ましますから!」

ルカ「ハッ……上等だよ!」


【七草にちかとの間に確かなつながりを感じる……】

【スキルを習得しました!】

【スキル:いカルかミにちかヅクまデ】
〔舌戦シュートアウトで七草にちかの協力が得られるようになる〕


860: 再開します ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:08:10.39 ID:5rpzWuxV0
 

-------------------------------------------------

愛依「……ごめん、ルカちゃん。うち……どうすればいいのかわかんない」

愛依「あさひちゃんに冬優子ちゃん……みんなとこうやってもう一度会えたことがマジで嬉しくて……」

愛依「もう、離したくない……離せないって、そう思っちゃってるから……」

愛依「でも……でも……!」


【愛依「……ごめん」】決戦!

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×6.5


愛依「ルカちゃんにも死んで欲しくなんかない!」

愛依「うちは、誰もギセーになんかしたくない……誰にも死んでほしくなんかないの……!」

愛依「誰かをギセーにするくらいなら、うちが……」

愛依「でも……またあさひちゃんを1人にするなんて……イヤ」

愛依「うち、どうすればいいのかな……」


にちか(愛依さんは迷ってる……愛依さんはすごく優しい人だから)

にちか(ルカさんに直接手をかけることに躊躇いもあるし、芹沢さんを遺して逝くことも恐れている)

にちか(突き崩すのなら、あの人の散り際の姿だ……!)

-------------------------------------------------

さ/わ/ひ/ざ/あ/せ/り

【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】

↓1

862: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:12:22.85 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------
芹沢あさひ
-------------------------------------------------

にちか「斬っちゃいますねー!」

【SLASH‼︎】

にちか「愛依さん、すごく優しいんですね。お人好しどころか“大”人好しって感じです。普通自分の命をさしおいて、人のことを思える人なんていませんよ」

愛依「そんなんじゃなくて、うちはただ……」

にちか「すごいなって純粋に思っただけです、謙遜とか大丈夫ですー」

愛依「にちかちゃん……」

にちか「本当に、芹沢さんのことが愛依さんは大切なんですね。それはすっごく感じました」

にちか「でも、それだったら……もっと芹沢さんのことを考えてあげてもいいんじゃないでしょうか」

愛依「……えっ?」

にちか「愛依さんがいつもそばに立って守ってあげること、それが芹沢さんにとって一番いい選択ばかりじゃないって。そう思うんです」

863: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:13:18.70 ID:5rpzWuxV0

《あさひ「……わたしだって、ずっとずっとつらいっす」

あさひ「起きる度に、体がなんだか重たいし、胸のあたりがずっとズキズキしてるっす」

あさひ「気を抜くと、愛依ちゃん、果穂ちゃん……みんなの顔が思い浮かぶし」

あさひ「夏葉さんの、あの優しくて、筋肉質な腕の感触が……蘇るっすよ」

あさひ「でも、だからって……それに縋ってちゃダメだって……冬優子ちゃんが戦えって、そう言うから……」

あさひ「……わたしは、負けられないっすよ」

あさひ「ストレイライトの芹沢あさひでい続ける限り、愛依ちゃんとも、プロデューサーさんとも約束したっすから」

あさひ「だから、凹んでいるよりも……もっと、次に続く何かがしたいっす。わたしに何ができるのか、わたしに何がわかるのか、ずっとずっと、考えたいっす」

あさひ「それに、果穂ちゃんが言ってたっす」

あさひ「わたしたちは大きくなれる、変わっていけるって」

あさひ「……なら、わたしがやるのは泣くことじゃないと思うっす」》


にちか「私たちが死んじゃった後も……芹沢さんは1人で生き続けてたんです。その歩みを、私たちが直接見ることはなかったですけど」

にちか「守ってくれた他の人たち、その思いや願いはちゃんと届いている。芹沢さんは小さな体でしっかりと受け止めて、1人でも一生懸命前に進もうとしてたんですよ」

にちか「愛依さんの気持ちはわかります。でも、『守ってあげなくちゃ』だけじゃなくて……もっと他のアプローチもあるんじゃないですかね」

愛依「あさひちゃんが、1人で……」

愛依「……うん、そだね。うち、ちょっとカホゴだったかもしんない。あさひちゃんってばすごいんだもん! うちの助けがなくたってやってけるよね!」

にちか「愛依さん……」

愛依「『卒業』させたげることがあさひちゃんを守ることになるって、そう思ってたけど……それってあさひちゃんの成長にフタをしちゃうことになるかもしれないんだね」

愛依「あさひちゃんなら、やれる。きっとうちらみんなが笑顔になれる、しっかりした答えを見つけられる」



【愛依「決めた……! うちはあさひちゃんの隣に立って、それを支えてあげるんだ!」】




864: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:14:55.53 ID:5rpzWuxV0

結華「ルカルカが真の黒幕で、今回のコロシアイの黒幕をこがたんに背負わせてた?」

結華「……許せなさすぎでしょ」

結華「ここまでこっぴどく裏切った斑鳩ルカのことも、それに踊らされて騙された自分自身のことも」

結華「もういい……私は何も信じない」

【結華「全部全部隠してしまえ」】決戦!

-------------------------------------------------

ルカ「……いくら謝っても謝り足りない、よな」

結華「謝罪なんて聞きたくもないけどね」

結華「でも、おかげで知ることができた。人を信じようとして迂闊な一歩を踏み出せば、それが死を招く」

結華「蛮勇なんて、持たない方がいいってこと」

(クソ……三峰結華のやつ、完全に心を閉ざしてしまったな)

(こいつを説得するには……こじ開けるしかない!)

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始】

発言力:♡×3
集中力:☆×6.5


結華「やめてよ」【防御力70】
結華「聞きたくもない」【防御力75】
結華「お願いだから……」【防御力80】
結華「近づかないで」【防御力85】
結華「分からないで」【防御力90】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】

‣アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1~5

870: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:24:51.54 ID:5rpzWuxV0

【発言力:♡×3→2】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

結華「知らない……! それ以上、踏み込んでこないでよ……!」

(なんつー拒絶だよ……そうだよな、私もこいつも同族……斥けることだけは一丁前)

(いいよ、どこまででも付き合ってやるよ……!)

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始】

発言力:♡×2
集中力:☆×6.5


結華「やめてよ」【BREAK!】
結華「聞きたくもない」【BREAK!】
結華「お願いだから……」【防御力46】
結華「近づかないで」【防御力58】
結華「分からないで」【BREAK!】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】

‣アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1~2

873: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:28:27.70 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】

ルカ「こじ開ける!」


【結華「誰かを信じるくらいなら、今ある自分の命を信じたい」】


な/い/な/ち/ひ/わ/か


【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】

↓1

876: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:31:30.74 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------
【市川雛菜のケイケン】
-------------------------------------------------

ルカ「届け……!」

【SLASH‼︎】

ルカ「……きっともうオマエは、私の言葉には耳を貸さない。貸してくれないだろうな、それだけのことを私はしたんだ」

結華「……」

ルカ「だから私のことを信じろなんて言わない、私のいうことに従えなんて言わない。ただ一つ、オマエの仲間のことをもう一度見てやってほしいんだ」

結華「……は? なにそれ、そんなこと言う資格あるの? その仲間を散々踏み躙ったのはどこの誰?」

ルカ「散々踏み躙られてなお、信じぬいた奴がいるんだよ……!」

結華「……!」


≪雛菜「薄々、感じてたんだ〜……透先輩、嘘とか隠し事とかすっごく下手な癖に……雛菜に全然何も喋ってくれないんだもん〜……」

透「……!」

雛菜「雛菜の大好きな透先輩と、なんだか違うなって場面が時々あって……」

雛菜「今、話を聞いて……意外とすっきりしてるんですよね〜」

智代子「雛菜ちゃん……」

雛菜「……そっか〜」

雛菜「じゃ、今度から『透ちゃん』って呼ぶね〜!」

透「えっ」

雛菜「あなたは雛菜がずっと同じ時間を過ごしてきた透先輩ではないけど、この島で一緒に過ごしてきたのは変わらないでしょ〜?」

雛菜「雛菜は透ちゃんと変わらず仲良くしたいから! それでいいよね〜?」≫



877: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:32:30.87 ID:5rpzWuxV0

ルカ「この島において偽物だったのは私ともう1人。浅倉透だ。あいつは記憶と人格を引き継いだコピーのAI……でも、そんなことを私たちに打ち明けるなんてできるはずもない」

ルカ「だから秘密は全部ひた隠しにして、都合の悪いことには口を閉ざして……そんなあいつを、市川雛菜はただ愚直に信じ続けたんだ」

ルカ「自分と過ごした時間、交わした言葉……そこに抱いた信頼。その標識を頼りにな」

結華「そんな、たったそれだけのことで……」

ルカ「挙句、あいつは自分の友人を真似ただけの存在をカバーして右手も失って、いよいよ命も落とした」

ルカ「でも、あいつはいつだって後悔なんかしていなかった。自分の行動は間違っていないって、誰かを信じることには意味があるって、信じ続けた」

ルカ「オマエにそれをしろなんてことは言わない、言えない。……でも、誰かを信じようとする自分の強さを否定するのはやめてくれ」

ルカ「オマエのあの日の一歩を否定するような真似だけはしないでくれよ……!」

結華「……ほんっと、どの口下げて言ってるの」

結華「本当にショックで、はらわたも煮えくりかえったんだから。今だって収まってないよ」

結華「……でも、他のみんなを信じることはできるよね。283プロのみんななら、こんな状況でもどうにかできるって、それだけの強さがあるって」

結華「それを教えてくれたことには感謝する、ルカルカ」

ルカ「……悪かった」


【結華「もういいよ、は言わないから」】


878: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:35:40.50 ID:5rpzWuxV0

灯織「……私には責任があった。元々皆さんを守るために、他の生き残りの方も巻き込んでこの世界に飛び込んだというのに」

灯織「何も成し遂げることもできず、そのまま自分自身も命を落とした」

灯織「……私は、一体……何のために……」

【灯織「それは違います!」】決戦!

-------------------------------------------------

にちか「違う……違うんだって……風野さんは必死に、私たちのことを守ろうとした……」

にちか「悪いのは、私……私なんですよ……っ!」

(風野さんを助けてあげられるのは私だけだ……)

(そして私が風野さんを助けてあげなきゃ、ダメでしょ……?!)

879: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:36:23.24 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×7

ケイケン
【桑山千雪のケイケン】
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】
【七草にちかのケイケン】
【小宮果穂のケイケン】


灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」

灯織「未来機関の人間として」

灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」

灯織「それなのに」

灯織「誰も守れなかった」

灯織「死なせてしまった」

灯織「奪われてしまった」

灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」

にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」

にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」

灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」

灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」

灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」

灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」


(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)

(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)

(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)

(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)

(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

881: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:47:58.17 ID:5rpzWuxV0

【発言力:♡×2→1】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

882: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:48:39.18 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×7

ケイケン
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】


灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」

灯織「未来機関の人間として」

灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」

灯織「それなのに」

灯織「誰も守れなかった」

灯織「死なせてしまった」

灯織「奪われてしまった」

灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」

にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」

にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」

灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」

灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」

灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」

灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」


(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)

(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)

(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)

(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)

(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

※複数指定可

↓1

885: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:51:35.31 ID:5rpzWuxV0
>>883
大丈夫です、選択肢はコピペしてるだけなのでロンパ候補が一つの場合はお気になさらず!

再安価
>>882

1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

※複数指定可

↓1

887: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:53:49.89 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

ケイケン
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】


灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」

灯織「未来機関の人間として」

灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」

灯織「それなのに」

灯織「誰も守れなかった」

灯織「死なせてしまった」

灯織「奪われてしまった」

灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」

にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」

にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」

灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」

灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」

灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」

灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」


(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)

(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)

(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)

(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)

(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

※複数指定可

↓1

889: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 21:59:31.97 ID:5rpzWuxV0

【コンマ48+15→63】

【発言力:♡×12→11】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1

892: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:04:29.56 ID:5rpzWuxV0

【コンマ21+15→36】

【発言力:♡×11→10】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1

894: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:07:27.50 ID:5rpzWuxV0

【コンマ05+15→20】

【発言力:♡×10→9】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1

896: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:11:01.67 ID:5rpzWuxV0

【コンマ80】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ 95】


にちか「斬っちゃいますねー!」

【SLASH‼︎】

にちか「風野さんが他のみんなのことを思ってくれてて、そのせいで責任を感じちゃってること……よく分かりました。その責任を感じるな、なんて言っても無理な話ですよね」

にちか「でも……だからって、取りこぼしを拾い上げられるなんて甘い言葉に拐かされちゃダメです!」

灯織「失った命は人の力ではどうやったって取り返しは効かないんです……! 世界の理を書き換えでもしない限りは……!」

にちか「なら、書き換えちゃいましょうよ!」

灯織「え……っ?」


≪冬優子「でも、三峰結華。あんたならそれが分かってあげられるんじゃないの? 今わかんないからって何なの、あんたは幽谷霧子の何を見てきたわけ?」

結華「は、はぁ……!?」

冬優子「そりゃ人なんだもの、知らない一面、理解できない一面だってあるでしょうよ。でも、そこから向き合うのを逃げてちゃ、一生あんたは一人なのよ」

結華「……!」

冬優子「あんたがいっつも周りのために自分を押し殺したり、場を回すために苦心したりしてんのはふゆも知ってる。てか、見りゃわかんのよそんなこと」

冬優子「でも、それってあんたが他の人の気持ちや考えに人一倍敏感なことの証拠でしょ? あんたは他の人のことを理解して、歩もうとすることができる、それだけの強さを持った人間だってことなのよ」

冬優子「だから、あんたも信じなさい。あんたがそうしてるように、他の連中だってあんたの気持ちを分かろうとしてる、あんたに歩み寄ろうとしてんだから」

冬優子「……そのことに自信が持てないってんなら、ふゆが第一号になるから」

冬優子「事なかれ主義の果てに『ふゆ』を演じ続けることになったふゆなら、あんたの理解者第一号にもうってつけなんじゃない?」

結華「……ぷっ、あはは!」

冬優子「ちょっと、何笑ってんのよ」

結華「だって、三峰の理解者第一号なんて……Pたんみたいなこと言うから」

冬優子「……はぁ? あいつ、こんなくっさいこと言ってたわけ?」

結華「まあでも、理解者第一号は流石にもううちの家族が取ってるからちょっとふゆゆは遅いけどね!」

冬優子「あら、それじゃあ……第何号になるのかしら?」

結華「六……か七ぐらい?」

冬優子「微妙な数字ね」≫

897: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:11:54.65 ID:5rpzWuxV0

にちか「結華さん、田中さんの事件の後すっっごく悩んでたんです。どうして気づいてあげられなかったんだって、どうして話してもらえなかったんだって」

にちか「ユニットの年長者で、他の誰よりも一番気配りしていた結華さんだからこそ、そのショックは大きかったはずです。でも、結華さんは……それに打ちひしがれて終わりはしなかった」

にちか「失った地点をスタートにして、そこからでも取り返そうと試みた。今からでも取りこぼしたものを、見つけ出そうともがき出した」

にちか「風野さんが今やろうとしているのは、その対極。取りこぼしたから、もう諦めて楽な道を選ぼうとしてるだけなんですよ」

灯織「そんなことは……! 私はただ、皆さんに生きていただきたくて……!」

にちか「じゃあなんで抵抗しないんですか!?」

にちか「なんで妥協しちゃうんですか!? なんで甘えちゃうんですか?!」

にちか「一度はコロシアイを生き抜いたんでしょ?! じゃあその時のことを思い出してくださいよ!」

にちか「風野さんたちが生き残ろうとした、その覚悟ってこんな簡単に折れちゃうものだったんですか?!」

灯織「七草さん……」

にちか「殺した私が言うのも何ですけど、風野さんって私なんかよりよっぽど芯が強いと思います」

にちか「また、私たちのことを引っ張っちゃってくださいよ。ルカさんなんかより、よっぽど頼りになりますから」

灯織「……私が、もう一度皆さんを率いるなんて」

灯織「……いや、ううん。そんな風に自分を卑下してばかりじゃダメだよね。そんなことじゃ、皆さんを守ることはできない」

灯織「虚勢だとしても、最初の一歩が大きくなくちゃ前には進めませんよね」



【灯織「決めました……! もう折れない、負けない、諦めない。私たちだけのもっと理想的な解答がこの裁判の果てにきっと待ち受けているから……!」】



898: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:13:01.07 ID:5rpzWuxV0

果穂「あたしは正義のヒーローになりたいんです。強くてカッコよくて、あこがれのヒーローに」

果穂「だから、悪い人はちゃんとこらしめなくちゃ……こらしめなくちゃいけないんです……」

果穂「……うぅ」

果穂「ルカさんは、本当に……悪い人なんですか……?」


【果穂「ヒーローは、絶対負けられないんです……!」】決戦!


(小学生が受け止めるには、この状況は複雑すぎるし、重すぎる)

(生と死なんて私にも整理のつかない命題、それを天秤にかけさせるのを強制するのは……流石に胸が痛いな)

(でも、だからこそ、絶対に間違った答えに導いちゃダメだ……!)

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

Q1.新世界プログラムのコロシアイでいちばん悪い人は?
A.天井努 B.月岡恋鐘 C.斑鳩ルカ D.浅倉透

Q2.正義と悪、最後に必ず勝つのは?
A.正義 B.悪

Q3.正義は悪に対してどうすべき?
A.やっつける B.とっちめる C.ぶっとばす D.わからない

【正しい道を選べ!】

↓1

901: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:22:43.21 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------
【CAD】
-------------------------------------------------

【CORRECT!】


Q4.このコロシアイの中で、一番ヒーローだったのは……?


(小宮果穂……こいつを導くためには、正義のあるべき姿を示してやらないといけない)

(私と言う悪に対して、これまでの生活と、今の感情と、どちらを優先すべきか計りかねているのだろう)

(……なら、こいつに近い存在で、“悪に”対してただ【罰を加えるだけでない答え】を導いた存在を示してやるべきだ)

(こいつにとってのヒーローは……)


【正しいケイケンを持つ者を選べ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1

903: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:28:19.96 ID:5rpzWuxV0

【発言力:♡×9→8】

(いや、こいつのことじゃない……)

(小宮果穂にとってのヒーローは、むしろ仲間を殺した冬優子という悪に対して断罪以外の方法を選んだ、勇気ある行動をとったあいつ)

(誰よりも近くにい続けたあいつのことだ……!)

-------------------------------------------------

Q4.このコロシアイの中で、一番ヒーローだったのは……?


(小宮果穂……こいつを導くためには、正義のあるべき姿を示してやらないといけない)

(私と言う悪に対して、これまでの生活と、今の感情と、どちらを優先すべきか計りかねているのだろう)

(……なら、こいつに近い存在で、“悪に”対してただ【罰を加えるだけでない答え】を導いた存在を示してやるべきだ)

(こいつにとってのヒーローは……)


【正しいケイケンを持つ者を選べ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1

906: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:32:39.63 ID:5rpzWuxV0
-------------------------------------------------
園田智代子のケイケン
-------------------------------------------------

ルカ「喰らいな!」

【SLASH‼︎】

ルカ「なあ、小学生。オマエは正義のヒーローってどんな存在だと思う」

果穂「誰よりも強くて、みんなに優しくて、すっごくすっっごくすっっっっごくかっこいい存在です!」

ルカ「だよな。だからオマエも憧れてるんだ、間違いない」

果穂「ルカさん……?」

ルカ「正義のヒーローになりたいオマエは、私に罰を与えるべきなのかどうか悩んでるんだよな」

ルカ「……酷だと思うよ。こんな大人でも割り切れない問題にオマエを引き摺り込んで」

果穂「あたしは、ルカさんと花火も海水浴も一緒にしたし、きらいにはなれません……でも、ルカさんがやったことはすごく、悪いことで……みんな、それにすごく怒っているから……」

ルカ「……ああ、到底許されないことをした」

ルカ「こんな時、オマエの近くにいるヒーローはどうしたと思う?」

果穂「……え?」

907: ◆vqFdMa6h2. 2022/11/28(月) 22:34:13.27 ID:5rpzWuxV0

≪冬優子「だからといって責任逃れをするつもりもない。あんたから大切な存在を奪った事実は変わらないんだから、ふゆはその咎めと謗りとを受け入れる義務はある」

冬優子「……存分に、詰ってくれていいわ」

智代子「……」

パンッ

智代子「きっと、夏葉ちゃんが生きてたら『私と冬優子は真っ向勝負で雌雄を決したの。結果が不服であっても、それに茶々は入れないでほしいわ』って言うと思う」

智代子「……だからこれは、果穂の時……ふゆちゃんが夏葉ちゃんの顔を叩いた分だよ」

冬優子「……優しいのね、あんた」

智代子「武士の情けだよ、ふゆちゃん」≫


ルカ「有栖川夏葉が冬優子に殺された時……園田智代子は完全に一人になった。ユニットでの生き残りは自分だけ、冬優子はただの仇にとどまらない……極悪人にすら映っただろうよ」

ルカ「あいつは、裁判で犯人が明らかになった時どうしたと思う?」

果穂「ちょこ先輩が……?」

ルカ「もちろん、冬優子を許すようなことはしなかった。それは死者を無碍にする行為だ。でも、私刑を加えるような真似もしなかった。そんなことをしても、溜飲は下がらない」

ルカ「頬を一発ぶつだけで、手打ちにしたんだよ」

果穂「……」

ルカ「目の前の存在は仇だ、でもそれと並行して、自分の大切な仲間であったことも確かなんだ。その二つを比べ、どちらかに天秤を傾けるのではなく、どちらでもない中間の選択肢を選んだ」

ルカ「割り切れることばかりじゃないんだよ、人生なんてのは。まして、罪や罰、人の感情なんてものはな」

ルカ「今オマエが抱いている葛藤……それに答えが見いだせず苦しんでいるのなら、その葛藤そのものを答えにしたっていいんだ。オマエが本当はどうしたいのか、それはゆっくりと見つけていけばいい」

ルカ「答えを出さないと前に進めない、なんて道理はどこにもないんだよ」

果穂「あたしは、いい人かわるい人のどっちかしかいないって……視野がせまくなっちゃってたんですね」

果穂「……あたしはまだまだ他のみなさんに比べるとおさなくて、世界のこともぜんぜん知らないことばっかりで。答えのわからないことばっかりなんです」

果穂「でも、なんだか安心しました。あたしだけじゃなくて、みんな分からないんですね。みんなわからなくて……なやみながら、がんばってすすんでいる」

果穂「あの……あたしも、もうちょっとなやんでもいいですか! こんなとき、正義のヒーローなら、ジャスティスファイブならどうするんだろうって……正義はどうあるべきなんだろうって、考えてみたいんです!」



【果穂「だから、『卒業』はもうちょっと待ってください! すみません!」】



引用元: 【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.4