1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 22:55:36.74 ID:cEWLpfiN0
凛(あっ。これ夢だ。懐かしいな)
凛(もうちょっとだけ、見ていようかな)
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 22:56:21.29 ID:cEWLpfiN0
P「あんのわからずやがあっ! あいつはわかってねえ! んなんっっっっっっっっっにもわかってねえ!!!」
P「ぜっってえ目にもの見せてやるかんな……!!」
凛(え。なにこれ。え?)
凛(……今なら入っていいかな)
ガチャ
P「おう。おはよう凛」ニコ
凛「……おはよう」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 22:57:30.91 ID:cEWLpfiN0
凛「あ……あのさ」
P「?」
凛「昨日のオーディション……ごめ」
P「昨日のことは気にすんな。凛は素質は充分なんだからすぐに引っ張りだこになるんだからさ! はい今日の予定」
凛「うん……」
凛(プロデューサー……。笑ってるけどさっきのってやっぱり、私がオーディションでミスしたのを……)
凛「……」
P「……」
P「……おっし凛! ちょっと外でよう!」
凛「?」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 22:59:26.90 ID:cEWLpfiN0
P「女子高生ならば……ここだあ!」
凛「スイパラ……」
P「さあ食え! 俺のおごりだ!」
凛「仕事中じゃないの?」
P「無論。アイドルとプロデューサーの打ち合わせだ。マジでいくらでも食ってよし! 交際費ってやつだな!」
凛「ちひろさんに何言われても知らないよ」
P「! やっやべえ……凛どどどどうしよう」ガタガタ
凛「……自腹でおごれば?」
P「ですよねー」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:02:02.43 ID:cEWLpfiN0
凛「ふう……」
P「く……くったなお前」
凛「まあね。財布大丈夫?」
P「もちろん。もちろんだぜはは!」
凛「そろそろ時間じゃない?」
P「おう行くか」
凛「加蓮と奈緒は?」
P「現地合流。送るって言ったんだけどなー」
凛(二人にあとでお礼しなきゃ)
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:04:07.12 ID:cEWLpfiN0
P「おつかれ! 帰りも送るよっ……てまた凛だけか?」
凛「うん(本当二人共ありがとう)」
P「俺……もしかして嫌われてる?」
凛「それはないよ。大丈夫」
P「ほっ……よかったあぁ……じゃいこっか」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:06:06.07 ID:cEWLpfiN0
凛「営業は大丈夫?」
P「おう! へっへぇ。いい話がまとまりそうでさあ。今度凛を驚かしてやるよ」
凛「期待してるよ。こっちも早くレッスンの成果みせたいし」
P「ああ。凛たちの頑張りを120%出せる場所を作ってやるさ」
凛「……」
P「スタドリは~♪あ~るいてこ~ない♪」
凛「あの」
P「一日ひゃっぽ……んどした?」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:09:56.88 ID:cEWLpfiN0
凛「この前のオーディションミスしてごめんなさい」ペコ
凛「次は絶対、受かります」
P「……」ポリポリ
P「てい」チョップ
凛「っ!? なに」
P「えい」ホオヲムニムニ
凛「ふぁ!? な…なに」
P「やれるさ凛なら。俺も全力でサポートするからさ」
凛「!……うん」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:11:22.31 ID:cEWLpfiN0
凛「この前のオーディションミスしてごめんなさい」ペコ
凛「次は絶対、受かります」
P「……」ポリポリ
P「てい」チョップ
凛「っ!? なに」
P「えい」ホオヲムニムニ
凛「ふぁ!? な…なに」
P「やれるさ凛なら。俺も全力でサポートするからさ」
凛「!……うん」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:15:33.86 ID:cEWLpfiN0
ブラウザバックすると二重投稿されんのか。すまんね
凛「ふう…………」
ベテトレ「いつもより頑張っているな。集中力もいい。なにかいいことでもあったのか?」
凛「はい。あ」
加蓮「ほほう? 未来の旦那さまとなにかあったのかな??」
奈緒「よかったな。凛」
凛「ち! ちがうって!」
加蓮「てれないてれない! ふふっ次はどういう手で行きましょうか」
凛「もう…ちがうって」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:19:09.17 ID:cEWLpfiN0
凛「あれ。プロデューサーは?」
ちひろ「今仮眠室で寝てるよ。しばらくしたら起きてくると思うから」
凛「やっぱり、疲れてる?」
ちひろ「どうだろうね。のわりにお酒のみに行ったりしてけど」
凛「飲むんだプロデューサー」
ちひろ「酔うとひどいんだよ。この前も大声で、あいつら凛達のかわいさを全然わかってないとか何とか」
『コンチクショウっ!!』
凛「あ」
ちひろ「まあ人のこと言う前にミスなくして、じゃんじゃんドリンク買って欲しいですけど」
凛「……たしかに」
ちひろ「まあ、でも」
ちひろ「アイドルのためにあんなに真摯に必死に、楽しそうに頑張る人、初めて見るよ。こっちもまけてらんない」
凛「……」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:26:13.84 ID:cEWLpfiN0
P「リハおつかれ。送るよ」
凛「うん」
P「さすがにお疲れだな。あんなに長い時間かけてやるとは」
凛「でも楽しいよ。本番が本当に今から楽しみ」
P「ああ。おっと、渋滞か……」
P「……」
凛「……ねえ」
P「?」
凛「プロデューサーって、直接社長にスカウトされたんだよね」
P「ああ。どした急に」
凛「教えてよ。プロデューサーのプロデューサーになる前の話」
P「……くだんねえ話さ。面白くないぞ」
凛「それでも聞きたい」
P「あー……」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:30:59.84 ID:cEWLpfiN0
本当に大した話じゃない。
ただ流されるまま生きてきて、親に言われるまま学校通って、周りの目の冷たさから逃れるためになんとか就職した。
仕事についてから、人生これで終わるのかって初めて考えた。10年20年、楽しくもないことを続けるのかって。
自分で進路決めなかったつけでさ。路傍に捨てらてる空き缶見て、まだリサイクルされる分こっちの方が価値があるなんて、そんなことばかり考えてた。
ある日仕事をやめた。衝動的、て言っても上司に切れたとかそんなんじゃなくて、気持ちが切れたっていうのかな。やる気が無くなった。
公園のベンチに座って空眺めて一日終わらすこともざらにあった。金はどんどんなくなってったけど、あん時は気にもとめてなかったあ。
そしたらびっくりしたよ。いきなりティンときたなんて言うオッサンにスカウトされてさ。正直この人見る目なさ過ぎだろって思ったよ。
まあでも、金が無いのは事実でさ。適当にやってつまんなかったらまたやめればいいだろなんて思って二つ返事で引き受けた。
それで凛に会ったんだ。
凛「え」
最初びっくりしたぜ。凛みたいな綺麗な子初めて見てさ。まだアイドル候補生って言われて冗談だと思った。
けどちょっと一緒に過ごせば、ああ確かにって思ったな。表情は硬いし、ダンスはこけるし、歌はまあ。
凛「ちょっ、ちょっと。話し変わってるっ」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:35:03.50 ID:cEWLpfiN0
でもさ、みるみるうちにうまくなってくんだもんな。
トレーナーさんも飲み込みが早くてやってるこっちも気持ちいいって言ってたし。あ、これ口止めされてたんだ。秘密な。
ちょうどいいライブバトル相手がいるから現状みるかって思ったら普通に勝っちゃうし。みくには内緒な。
営業から徐々に仕事増えていったのも、凛の努力だよ。
凛「……」
新しい宣材の時、すげえ自然な笑顔見せてカメラマンさんカメラ落としそうになってたしな。ありゃ絶対惚れたよ。やらねえけど。
予定表が埋まりだして、5回か落ちてたTVライブのオーデションで凛が初めて受かったとき、あの時の凛の顔見てさ。なんか胸にすって入ってきたんだよ。
『凛「プロ……デューサー。やった。私……私」グス』
光が差したんだ。
ああ、俺は、この子を誰よりも輝かせるために、この世に生まれてきたんだなって。
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:39:12.71 ID:cEWLpfiN0
凛「…………」プイ
P「?」
凛「プロデューサーあの時泣いてたでしょ」スン
P「げ。なんで知ってんの」
凛「だって目真っ赤だったもん」
P「あちゃあ、やっちまった。それでなに、俺凛に『こっからがスタート地点だぞ』とか偉そうにのたまってたの? 俺気持ちワリイ」
凛「何今更」
P「」
プロデューサーは
スケジュールミスはするし、ちひろさんには日がな怒られて、
感情ダダ漏れで、言ってること支離滅裂で。
私がどんなミスをしても守ってくれて。どんな時でも必死になって私のために仕事をとりにいって。
いつもいつも笑顔で送り出して、成功した時も失敗した時も笑顔で迎えてくれて、気づいた時には、もう事務所の皆があなたを……。
でも、それでも。
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:41:08.65 ID:cEWLpfiN0
凛「……プロデューサーは太陽だよ」
P「? ああ、そんな大層なもんじゃねえって」
凛「ううん。ファンが綺麗だなあって御月見する人で、私達アイドルが月。プロデューサーがいるから私達は輝ける」
P「トレーナーは?」
凛「……クレーター?」
P「泣くぞトレーナー」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:44:19.62 ID:cEWLpfiN0
エエ……ソンナカンジデ……
凛「ん……」
P「ワリ、起こしちまったか」
凛「……時間?」
P「いや、まだ最終リハまで一時間くらいか」
凛「そっか。楽しみ」
P「ああ」
凛「ねえ」
P「ん」
凛「こんなおっきいライブを一度きりじゃなくて、何度も何度もお客さん一杯にして、さらに大きな舞台でやろうね」
P「……ああ当然。こっからが始まりだ。楽しみだなあ」
凛「うん」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:47:06.75 ID:cEWLpfiN0
カイエンシマース スタンバーイ
ワアアアアアアアア……
P「準備、大丈夫だな」
凛「うん、どう?」
P「……めっちゃ綺麗だ……」
凛「……プロデューサー。一個だけわがままいい?」
P「おう! なんだって聞いちゃうぜ」
凛「……」スゥー
凛「私がここまで来れたのはプロデューサーがずっと支えてくれたから。ファンやトレーナーさん、事務所のみんなのおかげでもあるけど」
凛「でも辛い時や悲しい時に、いつも手をとって笑顔にしてくれたのはプロデューサーだから」
凛「だからこのライブの最後の一曲だけは、プロデューサーのためだけに歌いたい」
凛「それでも、いい?」
P「いいに決まってんじゃん。主役は凛だらかな」
凛「!……うん」
P「だが一つ言っておく!」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:51:01.36 ID:cEWLpfiN0
凛「ん」
ポン
P「一方的な関係なんてないさ。凛がここまで俺を連れてきてくれたんだ」
凛「……!!」
P「魅せつけてこい凛。お前のアイドルとしてのぜーんぶな!」バシ
凛「……うん!」
凛(プロデューサーにはまだ言えない、もう一つのわがままは)
凛(私が、アイドルとして全部やりたいことをやりにやりきったら)
凛(その時は……)
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/21(土) 23:54:02.83 ID:cEWLpfiN0
私のことを一番に考えてくれる。
手を握ると心から暖めてくれる。
輝く厳しい世界へ一緒に踏み出してくれる。
私のただ一人の、プロデューサー。
ずっと、みててね。
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