1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:17:30 Uv/Dy7sw
ミカサ「おはよう、クリスタ、ユミル」

クリスタ「おはよう、ミカサ。って近い。すごく近い。生暖かい」

ユミル「近すぎだろ、離れろ」グイグイ

ミカサ「縮めてみた」

ユミル「何をだ」

ミカサ「距離を」

ユミル「私が聞いてんのは、それじゃない」

ミカサ「?」クビカシゲ

クリスタ「どうして、あんなに近付いたの?」

ミカサ「距離を把握するために」

ユミル「だーかーらー。あーエレンか?」

ミカサ「そう、かも知れない」

クリスタ「曖昧だね」


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2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:21:41 Uv/Dy7sw
ミカサ「私はどうやらエレンに近すぎたようで、近づくなと言われた」ションボリ

クリスタ「年頃だから仕方ないと言えば、仕方ないんじゃないかな?」

ユミル「やっぱエレンじゃねぇか」

クリスタ「それで、人との距離を測っているの?」

ミカサ「そう」コクリ

ユミル「アルミン大先生か」

ミカサ「そう」コクリ

ユミル「大体分かった。ただ、何で私らなんだ?」

ミカサ「クリスタとユミルとは話せる方で、何より、付き合ってくれそうだから」

ユミル「面倒くせぇー」

クリスタ「私に出来る事なら何でも言ってね!」リョウテガシッ

ミカサ「お願いする」

ユミル「安請け合いすんなよ・・・」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:23:09 Uv/Dy7sw
クリスタ「困っているのなら、お互い様でしょ!?」カッ!

ユミル「困ってんのは、死に急ぎ野郎だ。私には関係ない」

ミカサ「お願いする」ゴゴゴゴゴ

ユミル「ちけぇし、顔こえぇよ!」

クリスタ「それで、距離を測っているみたいだけど、それって物理的なものだけなの?」

ミカサ「どういうこと?」

ユミル「甲斐甲斐しく介護するだけでいいのか?」

ミカサ「介護じゃない。手助け」キリッ

ユミル「大体な、お前はあいつに構いすぎるんだ」

クリスタ「ユミルが言えないような…」

ユミル「私はいいんだ」

ミカサ「何故?」

ユミル「嫌がってないだろ? なー」グリグリ

クリスタ「やめてよユミル! もー、髪の毛ぐしゃぐしゃ…」ナオシナオシ


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:24:45 Uv/Dy7sw
ミカサ「嫌がってる」

ユミル「怒っちゃいるが、啖呵は切ってない」

ミカサ「はっ! たしかに。口では文句を言いながら、嬉しそうにも見えた」

クリスタ「こういうのあんまりなかったから…。でも、嫌な時は本当に嫌って怒るよ?」

ユミル「それに、お前らの場合は男と女だ。そっからして微妙な関係になるわけだ」

ミカサ「エレンは家族」

ユミル「家族でベタベタすんのもやだろ」

クリスタ「それも含めて、エレンはくっつかれたら恥ずかしいと思うよ」

ミカサ「何故?」

ユミル「    押し付けられたら、た」

クリスタ「ユミル!」

ミカサ「た、何?」キョトン

クリスタ「いいの、ミカサは気にしないで」


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:26:23 Uv/Dy7sw
ユミル「主席様はそういうことも知らない、と」

ミカサ「だから、家族。そうはならない」キリッ

ユミル「…重病だが、どうする?」

クリスタ「とりあえず、ミカサの言う距離を測ってみようよ」

ミカサ「そうするべき」ニジリ

クリスタ「近い。すっごく近い。転けそう」

ミカサ「それは大変」ギュー

ユミル「何でそうなった!」

ミカサ「転けたら危ない」ギュー

クリスタ「ユミル、ユミル! 大変、大変!」

ユミル「何だよ。早く離れろよ」


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6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:27:13 Uv/Dy7sw
クリスタ「すっごい気持ちいい!」フカフカ

ユミル「大変に変 だ」ハァー

クリスタ「もっと硬いと思ってた」パフパフ

ミカサ「現在、強化中」

クリスタ「ダメよ!」パフパフ

ミカサ「何故?」

ユミル「腹筋お化けの最後の砦を壊しちゃいかんだろ」

クリスタ「それに、筋肉ばかりが力じゃないんだからね!」パフパフ

ミカサ「それも一理ある。でも、何で胸を」

ユミル「女らしい所も一つは残しとけ」

クリスタ「ミカサは女の子だよ。とっても可愛いよ」パフパフ

ユミル「へいへい、そうですねー。で、お前はいつまで顔埋めてんだ」

クリスタ「やみつきになりそう」パフパフ


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:27:58 Uv/Dy7sw
ユミル「そんなのよりこっちに来い!」バッ!

クリスタ「えっ」

ユミル「お前じゃねぇ!」ベシッ!

ミカサ「来いって言うから来た」

ユミル「何なんだ、何なんだお前は。何がしたいんだ」

ミカサ「距離を測ってみた」

クリスタ「・・・心の?」

ミカサ「ノリに乗ってみるのも、必要」

クリスタ「ミカサなりのジョークなわけね」

ミカサ「そう」コクリ

ユミル「ノリに乗るのはいいし、ノッてやったが無表情で来るな。せめて笑え」

ミカサ「」ニ゙ゴリ゙

ユミル「私が悪かった」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:29:26 Uv/Dy7sw
クリスタ「心の距離は、難しいよね」

ユミル「お前がにっこり笑ってりゃ、一気に縮まる」

クリスタ「そんなことないよ」

ミカサ「クリスタが笑うと暖かくなる」

クリスタ「ほんと?」

ユミル「だからって、安売りすんなよ」

クリスタ「別に安売りはしてないけど…」

ミカサ「クリスタハカワイイカラー」

ユミル「遠い! 遠すぎる! 戻って来い!」

ミカサ「戻った」シュタ

クリスタ「いきなり走るから止められなかったよ」

ミカサ「距離を測っている」

ユミル「もういい」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:31:27 Uv/Dy7sw
ミカサ「最近はエレンとの距離を測りかねている」

クリスタ「心の?」

ミカサ「」コクリ

ユミル「環境が変わっちまったからな、そりゃ仕方ねぇよ」

ミカサ「離れていくようで、寂しい」

クリスタ「でも、心の奥では繋がっているから、そんなに寂しがらなくても大丈夫だよ」

ミカサ「分かってる。だけど、数年前まではいつも一緒だった」ションボリ

ユミル「あのなー、家族って言っても、恋人が出来たり結婚したりすれば離れるんだ」

クリスタ「今はそれの練習みたいなものだと思ったら、どうかな」

ミカサ「エレンは私と一緒にいないと早死する」

ユミル「かも知れないが、四六時中一緒にはいられない」

クリスタ「くっつきたいのも分かるよ。でもね、エレンにはエレンの考えがあって、その距離を測らないと」


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:32:52 Uv/Dy7sw
ミカサ「心の?」

ユミル「物理的にもだ」

ミカサ「…難しい」

クリスタ「簡単なことでいいんだよ。例えば今日の朝食は私たちと食べる、とかね」ウィンク

ミカサ「それとどういった関係が?」

ユミル「距離を測るためにあえて距離を広げる。遠くから見たら見えるもんと見えないもんもある」

ミカサ「分かった。やってみる。さしあたって、いい?」

クリスタ「勿論だよ! 付き合うって言ったでしょ? ね、ユミル」

ユミル「しゃーねぇーなー、付き合ってやるか。で、何くれんの?」

クリスタ「ユミル!」


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:33:38 Uv/Dy7sw
ユミル「冗談だ。本気に取るなよ」

ミカサ「冗談か本気か分かりにくい」

ユミル「お前らが分からなすぎるんだ」

ミカサ「距離を測っているの?」

ユミル「……する必要がないだろ」

ミカサ「ユミルの距離感も難しい」

クリスタ「そんなことないよ。口が悪いだけで、本当は優しいんだから」

ユミル「女神様にそう言われちゃ、毒気も抜けちまうな。ま、飯でも食いに行こうや」

ミカサ「………」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:36:26 Uv/Dy7sw
-移動中-


ミカサ「ユミルは」

ユミル「あ?」

ミカサ「クリスタが大事」

ユミル「当たり前だ。愛してんぜ」

ミカサ「だけど、何かを恐れている」

ユミル「…」

ミカサ「私も分かるような気がする」

ユミル「お前のそれと私のそれは違う」

ミカサ「違わない。失うことは怖い」

クリスタ「ユミルー! ミカサー! ハヤクハヤクー!」 カタテブンブン

ミカサ「すぐに行く!」シュタ

クリスタ「ハヤッ! チカッ!」
ミカサ「ゼンハイソゲ」 キリッ

ユミル「……」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/09/27(金) 00:39:19 Uv/Dy7sw
ユミル(言えない、言いたくない。聞きたい、聞けない)

ユミル(そんなものがたくさんあって、誰しもが距離を測り合ってる)

ユミル(私も、クリスタも、ミカサだってそうだ)

ユミル(それでも、信じて欲しいと思うのは、勝手なんだろうな)

ユミル(自分で壁を作ったくせに、もっと自分を見てくれ、なんて虫が良すぎるだろうけど)

ユミル(いつか壁は壊れるんだろうか。壊してしまうんだろうか。それとも壊される?)

ユミル(その時、クリスタは笑っているかな)


クリスタ「ユミルー!」

ユミル「そんなに急かすなって」


ユミル(遠くて近い、この距離で)


おわり