1:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 01:54:35 ID:X8SygAi2
許嫁「そんなにショックだった?」

許嫁「当たり前じゃない、幼なじみっていうだけで婚約させられたんだから」


許嫁「…もっと普通の恋がしたかったわ」

許嫁「謝らなくて良いわよ、でも」

許嫁「あんまり私に話しかけないでちょうだい」

3:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:07:54 ID:X8SygAi2
許嫁「まあ、同棲させられなかっただけマシね」

許嫁「その点に関しては、家が近くて助かったわ」

許嫁「それならなおさ………。いえ、確かにあんたの言う通りね」

許嫁「家が近くなければ、こんな事にはならなかったし」

許嫁「本当についてないわ」

許嫁「だから謝らないでって言ってるでしょ。気持ち悪い…」

4:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:13:11 ID:X8SygAi2
許嫁「まあ、同棲させられなかっただけマシね」

許嫁「その点に関しては、家が近くて助かったわ」

許嫁「……え?」

許嫁「それならなおさ……。いえ、確かにあんたの言う通りね」

許嫁「家が近くなければこんな事にはならなかったし…」

許嫁「本当についてないわ」

許嫁「だから謝らないでって言ってるでしょ。気持ち悪い…」

5:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:18:26 ID:X8SygAi2
許嫁「とにかく、許嫁だからって学校で馴れ馴れしくしないでちょうだいね」

許嫁「わざわざ転校までさせられて…」

許嫁「あっちの学校には彼氏だっていたのに…」

許嫁「……」

許嫁「…冗談よ。……ちょっと、冗談だってば。顔上げなさい」

6:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:27:00 ID:X8SygAi2
許嫁「お詫びに膝枕でもしてあげましょうか?」

許嫁「…嘘に決まってるじゃない。何よ今の目つき。このケダモノ」

許嫁「ふん……そう簡単に体を許すような女じゃないんだから」

許嫁「…そんなにお願いしても駄目」

許嫁「…ッ」


パシーン

許嫁「…これで分かったかしら?この発情犬が」


許嫁「……」

許嫁「手を出したのは謝るわ。ごめんなさい」

許嫁「……もう良いわ。この話はおしまいにしましょう」

許嫁「じゃあ、私はもう帰るわ。こんな汚い部屋、長くはいられないもの」

7:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:33:43 ID:X8SygAi2
許嫁「…起きなさい。起きなさい!」

許嫁「…何よ。チャイムを何回鳴らしても出ないからここまで来たの」

許嫁「理由? 一つに決まってるでしょ」

許嫁「学校の道が分からないから、案内してもらわなきゃ困るのよ」

許嫁「…全く、何を期待したのかしら。前に言ったでしょ。あんたが嫌いだって」

許嫁「早く布団から出なさい」

8:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:38:32 ID:X8SygAi2
許嫁「ほら、おばさんが弁当を作ってくれたらしいわよ」

許嫁「ふうん…こういう事って珍しいんだ…」

許嫁「でも、仕方ないわね。ご両親が共働きだし」

許嫁「…弁当ごときでそんなに嬉しいの?」

許嫁「……そう」

9:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:46:41 ID:X8SygAi2
………

許嫁「へぇ……後はこの道を真っ直ぐね…」

許嫁「それじゃ、おつとめ苦労様」

許嫁「私は遅れて行くから、先に行って」

許嫁「当たり前でしょう?何であんたと仲良く登校しなきゃならないの」

許嫁「さっさと行って頂戴」

10:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:55:51 ID:X8SygAi2
…………

許嫁「OO高校から転校して来ました、許嫁です。これから宜しくお願いします」

ザワザワ

男子1「可愛い…」

男子2「ちょっと狙ってみようかな…」


許嫁「…先生、席は?」

先生「んー…ちょうど壁際が空いてるな、あそこに座ってくれ」

許嫁「……」

許嫁「…………はい、分かりました…」

先生「とはいえ、もうすぐ席替えがあるから仮って感じだと思っといてくれ」

許嫁「! はい」

11:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 02:59:23 ID:X8SygAi2
男(…許嫁の周りに凄い人だかりが…)

男(……)

男(レイガンを打ち込みたくなるな……)

12:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:06:29 ID:X8SygAi2
昼休み


許嫁「(これで休み時間…)」

許嫁「……」チラリ


女子「許嫁さーん」

許嫁「! な、何?」

女子「私と一緒にご飯食べない?」

許嫁「…ええ、喜んで」ニコリ

男子2「俺達も一緒に食って良い?」

女子「えぇー」

男子1「ちょ、ひっでー!」

ワイワイ

許嫁「……」

13:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:17:46 ID:X8SygAi2
男子3「気をつけー れーい」

さようならー


許嫁「……」キョロキョロ

女子2「あ、許嫁さん、一緒に帰らない?」

許嫁「ちょっと、校内を回りたいから遠慮するわ」

女子3「じゃーあたし達が案内してあげるー!」

許嫁「ありがとう、でも、一人で確認したいから大丈夫よ」

許嫁「それじゃ、また」

女子「バイバーイ」


女子2「…何か許嫁さんってミステリアス」

女子3「ねー。とりまぁ、マック行かなーい?」

女子4「賛成ー」


ぼっち「(とりまって何だよぶりっ子氏ね)」

14:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:19:55 ID:X8SygAi2
許嫁「……」スタスタ

キョロキョロ


許嫁「……」スタスタ

キョロキョロ


許嫁「…」スタスタ…スタ…

許嫁「……」

15:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:21:45 ID:X8SygAi2
許嫁「……」ジワ

グシグシ


許嫁「……」キョロ

許嫁「!!」

16:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:29:28 ID:X8SygAi2
許嫁「あら、こんな所に居たの」

許嫁「まさか。誰があんたを待つというのかしら」

許嫁「そういえば、今日は誰とも喋ってなかったわね」

許嫁「弁解は良いわよ。友達が居ないのなんて簡単に予想がつくわ」

許嫁「とりあえず、帰り道を送ってもらえるかしら?」

許嫁「仕方がないでしょう、万が一にでも迷ったら大変だもの」

許嫁「とはいえ、本当にこれっきりだからね」

17:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:33:46 ID:X8SygAi2
許嫁「……」

許嫁「そういえば、弁当は美味しかった?」

許嫁「そう」

許嫁「……」

許嫁「…え?寄りたい所?」

許嫁「私も道草に巻き込むつもり?」

許嫁「どちらにしろあんたについて行くしかないんだから」

許嫁「手短にね」

18:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:41:13 ID:X8SygAi2
許嫁「ここは…」

許嫁「……いつの話よ。こうして潮風に当たっていたのなんて、随分昔の事じゃない」

許嫁「分かってるわよ。どうせここで昔の約束とか持ち出して口説くつもりでしょう?」

許嫁「…図星ね」

許嫁「残念ながら、本当に残念ながら、私たちの結婚は確定してるのよ」

許嫁「丸めこむ必要がないのよ。良かったじゃない」

許嫁「素直に喜べば?私は喜ばないけど」


許嫁「ああもう、潮でべとついてたまらないわ。最悪」

許嫁「本当…さっさと死んでくれないかしら」

19:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:43:49 ID:X8SygAi2
許嫁「本音に決まってるわ。当然よ」

許嫁「私は先に帰らせてもらうわ」

20:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:45:08 ID:X8SygAi2
男「……」

男「……」


男「……」


……………

21:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 03:54:21 ID:X8SygAi2
スーパー

許嫁「(次は肉コーナー……)」

許嫁「(美味しいって…ふふ…)」

許嫁「(栄養バランスもしっかり、ボリュームもちゃんと…)」

許嫁「(……)」

許嫁「(……さっきの事は明日謝らなきゃ…)」


許嫁「…大体こんな感じかしら」

許嫁「…♪」スタスタ


ーーーーーー


男「……」


ザッパーン

22:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:03:50 ID:X8SygAi2
許嫁「……」パチッ

許嫁「…」ムクッ


許嫁「ふわぁぁ…」トントン

許嫁「えぇと…レンジで5分…と…」ピッ


ーーーーーー

ピ- ピ-

医者「依然心肺は停止!」

医者2「ッ…」

医者「おい、まだ諦めるな!もう一回蘇生措置を!」

医者3「はい!」

医者「……」


医者「もって後5分か…!」

23:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:10:00 ID:X8SygAi2
医者「クソッ…これが最後のチャンスだ!蘇生を!!」

ーーーーー

許嫁「よし、ご飯は炊けた……こっちは後10秒ね」

9

8

医者「頼む!」

7

6

プルルルル

許嫁「こんな時間に誰かしら…」

許嫁「男だったら…そんな訳ないわよね」カチャ


1


ピ----ッ

24:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:15:33 ID:X8SygAi2
ーーーーー


少女「私男のお嫁さんになるっ」

少年「えー!勝手に決めるなよー!」

少女「黙らっしゃい!」ゴツン

少年「いったぁ!もう少女なんてだいっ嫌い!!」

少女「良いもん、私はだい好きだもんっ!」

だもん……

もん……

ん…


フワッ…

25:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:21:22 ID:X8SygAi2




男(?)「……」パチッ

許嫁「うぅっ………っ!!!」

許嫁「あ…あぁぁあ…」ポロポロ

許嫁「っ!」ガバッ

男(?)「!!」ギュッ

許嫁「何で、何で…!」

男(?)「……」

許嫁「私があんな事を言ったから…ごめんなさい、ごめんなさい…っ!!」

男(?)「あの……」



男「どちら様ですか?」

26:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:26:47 ID:X8SygAi2
許嫁「え…?」

男「すみません、ここはどこですか?頭の中がぐちゃぐちゃで…」

許嫁「あ…いや……」

男「あーと……あなたって、もしかして」


  「知り合いとかですか?」


許嫁「いやあああぁっ!!」


…………

27:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:30:00 ID:X8SygAi2
男「あ…あの……」

許嫁「あっ…ああっ……」

男「な、何か、すいません…?」

許嫁「っ…………!!」

28:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:35:10 ID:X8SygAi2
許嫁「わ…私……」

男「ええと、人を呼んだ方が良いのかな…」キョロキョロ

許嫁「私……!」

ギュッ

男「えっ、ちょっと…何を!?」


許嫁「あ…あんたが……」

許嫁「大好きだもん!!」

29:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:37:08 ID:X8SygAi2
許嫁「はぁっ…はぁっ……うぅぅ…」ギュウウ

男「…………」






男「い、許嫁?」

許嫁「」

30:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:43:16 ID:X8SygAi2
許嫁「……」

男「あの…苦しいというか…ここ…病院?」

許嫁「……」

男「ああ、そうか…あの後、こうなって…」

許嫁「……」

男「ちょ、一旦離れて…ナースコール押せない…」

許嫁「……」ポチッ

31:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:50:10 ID:X8SygAi2
許嫁「…ごめんなさい…」

男「へ?…それよりも何で抱きついて」

許嫁「もう酷い事は言わないから…」

許嫁「頑張るから……」



許嫁「およめさんにして……」

男「」


男「ほ…本当に良いの…?」

許嫁「……」

男「そんな…てっきり嫌われてると…」

許嫁「…ごめんなさい」

男「いや、謝らなくて良いから…!」

32:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:54:05 ID:X8SygAi2
男「え…ええと」

許嫁「……」ジ-ッ

男「その…よろしくお願いします…」

許嫁「!!……………あっ」

男「え?……あ」




医者「」

ナース「」

33:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 04:59:05 ID:X8SygAi2
許嫁「早く起きなさいよ、このノロマ」

許嫁「本当、あんたは駄目な人間なんだから」

許嫁「っ…何笑ってるのよ」

許嫁「それは…悪いとは思うけど…」

許嫁「っ、仕方がないじゃない」


許嫁「…っ!!?」

許嫁「ちょっと、この前の事は忘れて!」

34:名無しの権兵衛殿:2013/10/11(金) 05:07:57 ID:X8SygAi2
許嫁「もう……」

グイ

許嫁「ふ、夫婦なんだから腕を組んで当たり前よ」

許嫁「……」カアア


許嫁「……」

許嫁「…あんたなんて……」

許嫁「ーーっ………んっ…んぅ…む……っ……ぷはっ」



許嫁「嫌いよ」






ぉ  ま