1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 17:53:06.06 ID:nHeltnhk0
日向子「というわけで、王様ゲームやりますよ!」

創真「……こんな晩に突然集められたと思ったら、どういうわけっすか?」

堂島「なに、たまたま遠月の近くに寄ったもんでな。せっかく合宿で親睦を深め合ったんだ」

堂島「色々と面白そうな一年を集めて、みんなで遊ばないかと思ってな。王様ゲームは乾の案だが」

日向子「楽しそうなので来ちゃいました。霧のやは定休日ですし」

恵「は、はぁ……で、何で王様ゲーム?」

日向子「そりゃもう男女混合、盛り上がる遊びといえばこれしかないですから!」



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:00:02.82 ID:nHeltnhk0
秘書子「王様ゲームですか……やったことないですね」

えりな「ふん、何かと思えば……馬鹿馬鹿しい」

アリス「そうかしら、楽しそうじゃない。それとも怖いの?」

えりな「そ、そんなわけないでしょう!」

郁魅(うぅ、えりな様もいるのか……ちょっと気まずいなぁ)

一色「呼んでいただけたのは嬉しいですけど、いいんですか? 僕は二年生ですが」

堂島「あぁ、君のことはよく覚えてるし、幸平や田所君の先輩だと聞いたからな」

タクミ「ふっふっふっ……早くも勝負の時が来たようだな、幸平創真ぁ!」

創真「王様ゲームでどう勝負するんだよ……」

郁魅(誰だっけこのイタリアン)

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:07:50.36 ID:nHeltnhk0
日向子「というわけで10人、十分な人数です。早速始めましょうか」

秘書子「あの、ちょっといいですか?」

日向子「はい、何でしょう?」

秘書子「その……王様ゲームって、あれですよね。王様の命令には絶対に従うっていう……」

日向子「はい、それですけど」

秘書子「正直、男子がいるというのは……その、変な命令されたりしたら……」ジトッ

創真(明らかに俺を見て言ったぞ……)

日向子「心配には及びません、一つだけルールを咥えますから。『公序良俗に反する命令は禁止』って」

堂島「まぁ、いざとなれば私からも強制的に中止にするさ」

秘書子「それならいいですけど……」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:13:39.49 ID:nHeltnhk0
日向子「王様以外の番号札は1~9ですね……よしっと。それじゃあ、いきますよ。引いてくださーい」

創真「王様ゲームかぁ。そういえばやるのは初めてだな」

恵「うぅ、ドキドキするよ……」

一色「楽しみだね」

郁魅(う、上手くすれば幸平と……いやいや、何考えてんだ私!)

タクミ「覚悟するがいい、幸平!」

えりな「さっさと終わらせて帰りましょう」

秘書子「は、はい」

アリス「さてさて、誰が王様かしら」

堂島「よし……みんな引いたようだな」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

創真「おっ、引いた」



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:21:15.62 ID:nHeltnhk0
堂島「幸平が王様が。どんな命令をするんだ?」

創真「うーん、そうですね……んじゃ、3番は一発芸をする!」

恵「ええと、3番、3番……」

郁魅「あ、私か」

創真「おぉ、にくみか。期待してんぜー」

日向子「   な芸はダメですよー。だっちゅーのとか」

郁魅「古っ!」

郁魅(と言われても、一発芸か……何か私にできるものがあったっけ……)

郁魅(……あ、そうだ。左手をこう、右手をこうして……)



郁魅「ゆ……指が取れます!」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:27:06.49 ID:nHeltnhk0
恵「…………」

えりな「…………」

秘書子「…………」

アリス「…………」

タクミ「…………」

一色「…………」

日向子「…………」

堂島「…………」



創真「え、ええと……その……すまん、にくみ」

郁魅「謝るなぁ! ますます悲しくなるだろうがぁ!」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:32:30.36 ID:nHeltnhk0
郁魅「うぅ、ぐすっ……無茶振りだぜ……」

創真「悪かったって、もう……」

日向子「さ、気を取り直して二回目いきますよー」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

一色「おや、僕みたいだね」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:37:25.80 ID:nHeltnhk0
創真「一色先輩が王様っすか」

一色「みたいだね。それじゃ、命令していいのかな?」

日向子「はい、どうぞ」

一色「 エプロンになる」

恵「……へ?」

えりな「……ごめんなさい、もう一度言ってもらえませんか?」

一色「 エプロンになる」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:42:44.52 ID:nHeltnhk0
えりな「ちょ、ちょっと! 何ですかその命令は!」

日向子「そうですよ! そういう命令はまだ早すぎます!」

堂島「……まだ?」

アリス「『公序良俗に反する命令は禁止』だったはずだけど?」

一色「ははは、大丈夫、心配ないさ」

一色「なぜなら…… エプロンになるのは、僕だからね!」バッ

タクミ「ま、まさかの自分への命令!?」

創真「命令する意味ねぇ!」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:47:18.92 ID:nHeltnhk0
秘書子「ちょ、ちょっと……そんな恰好で……」

日向子「うーん……まぁ男子だし、別にいいんじゃないですか?」

恵「正直、こっちの方が何だか落ち着きます」

創真「そうだな」

タクミ「お前ら、絶対おかしいぞ……」

アリス「あはは、十傑には変わった人が多いのね」

えりな「……どういう意味かしら?」

アリス「別にぃ」

郁魅(この人、十傑7位だよな……)

一色「さて、続けましょうか」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

堂島「む、私か」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:53:34.77 ID:nHeltnhk0
堂島「それじゃあ、命令だ。8番はスクワット30回。女子なら15回だ」

日向子「げ、私だ……何もこんなところで筋トレさせなくても」

堂島「料理でも何でも、基本は体力だ。肉体のメンテナンスは欠かしてはならん」

一色「そうそう、みんなも青春の汗をかこうじゃないか!」

秘書子( エプロンの人に言われても……)

えりな「ほっ……当たらなくてよかったわ」

郁魅「スクワットとか余裕じゃねえか」

日向子「仕方ないですね……ええと、女子は15回でしたっけ。出来るかなぁ」

堂島「何を言っている。もう女子と呼べる年齢じゃないだろう、30回だ」

日向子「」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 18:58:30.22 ID:nHeltnhk0
日向子「あ、あ、足が……」

恵「だ、大丈夫ですか?」

日向子「あ、ありがとう、恵ちゃん……」

堂島「運動不足だな。いかんぞ」

アリス「次いきましょ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

タクミ「ふっふっふっ……来たな、この僕の時代が!」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:03:21.45 ID:nHeltnhk0
日向子「アルディーニ君が王様ですか」

創真「なーに企んでやがんだ」

タクミ「命令だ。1番は僕に土下座しながら『私は負け犬ですタクミ様』と3回唱えろ!」

一同(((((うわぁ……)))))



タクミ(油断したな幸平……さっきチラッとだが番号札が見えたぞ)

タクミ(そう、1番はお前の番号だ! しっかり隠しておくべきだったな!)

タクミ(さぁ、僕にひざまづくがいい!)

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:07:44.07 ID:nHeltnhk0
恵「わ、私は負け犬ですタクミ様……私は負け犬ですタクミ様……私は負け犬ですタクミ様……」

タクミ「い、いえそんな……って、ちょっと待て幸平! お前の番号はいくつだ!」

創真「俺? 7番だけど」

タクミ(し、しまった! 1と7を見間違えた!)

恵「お、王様の命令だもんね、仕方ないよね……ぐすっ……」

郁魅「サイテーだなお前」

えりな「呆れたものね」

アリス「ていうかこれ、セーフなの?」

堂島「うーむ……まぁギリギリだな」

日向子「若いうちからそんなマニアックな趣味を持っていると、ろくな大人になりませんよ」

タクミ「誤解だあああああああああああああああ!」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:11:17.72 ID:nHeltnhk0
えりな「……何だか段々、おかしな方向に行ってません?」

日向子「気のせいですよ。それじゃ、いきますよ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

郁魅「うっ、私か……」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:15:33.29 ID:nHeltnhk0
郁魅「そ、そうだな……」

郁魅「…………」チラッ

創真「ん?」

郁魅「……2番は、好きな人を言う……とか……」

日向子「おぉー、来ましたねー!」

郁魅(つっても、9分の1なんてそうそう当たるわけ……)

創真「あ、俺だ」

郁魅(って、当たったよ!)


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:19:35.00 ID:nHeltnhk0
郁魅(ゆ、幸平の好きな人……)ドキドキ

恵(そ、創真くんの隙な人……)ドキドキ

えりな「…………」

アリス「気になる?」

えりな「はぁぁぁぁぁ!? そ、そんなわけないでしょ!」

アリス「そこまで熱くならなくてもいいじゃない」

創真「んー……好きっつーか、憧れっつーか、そんな感じなんすけど……」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:23:38.60 ID:nHeltnhk0
創真「……てなわけで、いつか親父を超えたいなーって思ってるっす」

日向子「……幸平くん」

創真「何すか?」

日向子「あなたという人は! もーっ、どうしてそこでお父さんが出てくるんですか!」

創真「え? え?」

日向子「全くもう、KYですよKY!」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:28:26.37 ID:nHeltnhk0
一色「あはは、無駄ですよ。彼はこういう人ですから」

恵「まぁ、創真くんらしいといえばらしいよね……」

郁魅(何だろう……ホッとしたような残念なような……)

えりな「ふん、つまらない話ね。子が子なら親も親で二流みたいね」

秘書子(なぜだろう……何だかえりな様、墓穴を掘っている気がする)

日向子「あなたにはガッカリです……って堂島先輩、何で満足そうな顔してるんです?」

堂島「ふっ……昔の知り合いを、ちょっと思い出してな」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

えりな「私ね」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:33:17.92 ID:nHeltnhk0
えりな「そうね……6番は今すぐ何か私に一品、軽く作って私に食べさせなさい」

堂島「ほう、遠月らしいな」

アリス(なんだかんだで、結構楽しんでるじゃない)

創真「……お、また俺か」

えりな「ふうん、君ね。いいでしょう、急ぎなさい」

創真「よし、ちょっと待ってな!」



数分後

創真「お待たせ! ちりめんじゃこの生クリーム和えだ!」

えりな「……や、やっぱりいいわ!」

創真「そうはいきませんぜ王様。『食べさせなさい』って命令は絶対なもんで。ほらほら」

えりな「~~~~~~~~~~~~!」

秘書子「こ、こらぁー!」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:38:23.91 ID:nHeltnhk0
秘書子「だ、大丈夫ですか!?」

えりな「うぅ……酷い目に遭ったわ……」

創真「皆さんもおひとついかがっすか?」

日向子「え、遠慮しておきます……って堂島先輩、何で満足そうな顔してるんです?」

堂島「ふっ……昔の知り合いを、ちょっと思い出してな。ところで遅くなってきたし、あと3回くらいにしておくか」

創真「へーい」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

アリス「あら、私みたい」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:43:06.22 ID:nHeltnhk0
アリス「それじゃあ、9番は今穿いてる下着の色を答えなさい」

えりな「な、な、な、何言いだすのよ!」

アリス「あら、これくらい別にいいじゃない。そうした方が盛り上がるわよ」

日向子「うんうん、その通りですね。下着の色くらいなら問題ないでしょう」

堂島「そ、そうなのか……?」

えりな「だ、ダメよダメダメ! そんな質問!」

一色「……うん、そうだね。残念ながらその質問には答えることは無理だ」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:49:31.94 ID:nHeltnhk0
一色「なぜならっ! 9番の僕は、見ての通り今下着を穿いてないからさ!」

アリス「あらら……よりによって、 エプロン先輩に当たっちゃうとはね」

郁魅「ふぅ、びっくりした……」

タクミ「ある意味、平和的に解決したな」

アリス「ちぇっ、えりなに当たれば面白かったのに」

えりな「ふ、ふざけないで! そんな質問、答えるわけないでしょう!」

アリス「あら、王様の命令は絶対よ。それともあなたは、ルールも守れないのかしら?」

えりな「なっ……馬鹿にしないで! 私はどんな命令でも、ちゃんと従うわよ!」

秘書子(えりな様……それはちょっとチョロすぎるのでは……)

堂島「さて、ラス前だ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

恵「あ、私だ」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:52:27.33 ID:nHeltnhk0
恵「えっとね……それじゃあ皆さんも少しお疲れかもしれないし、4番の人はみんなにお茶を淹れてください」

日向子「め、恵ちゃ~ん……なんていい子なのでしょう……」

創真「さすが田所だな」

秘書子「4番です。常識的な命令で助かりました」



数分後

秘書子「どうぞ、えりな様」

えりな「ありがとう」

秘書子「どうぞ、ゆ・き・ひ・ら・さ・ま!」

創真(な、何か言葉がトゲトゲしいような……気のせいか……?)


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 19:56:52.83 ID:nHeltnhk0
堂島「さて、最後の一回だな」

えりな「このまま穏便に終わってほしいものね」

アリス「面白い命令、期待してるわよ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

日向子「引きましたー!」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:01:31.94 ID:nHeltnhk0
タクミ「最後の最後で乾先輩か……何か不安だな」

日向子「大丈夫です。そんなに大した命令ではないですから」

秘書子「だから不安なんですけど……」

一色「どんな命令ですか?」

日向子「はい」



日向子「二人でお互い抱き合い、熱い口づけを交わしてください」

創真「大したことありまくりだったぁ!」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:06:27.15 ID:nHeltnhk0
郁魅「な、な、何なんだその命令は!」

一色「公序良俗という言葉に、真っ向から喧嘩を売ってますね」

日向子「えー、最後なんだし少々刺激的な方が面白いじゃないですか」

堂島「いや、さすがにそれは少々と言えるレベルでは……」

アリス「……ところで、何番?」

日向子「えーっと、そうですねぇ……じゃあ2番と、6番で」



創真「あ」

タクミ「あ」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:12:05.01 ID:nHeltnhk0
創真「タ、タクミ……お前まさか……6番?」

タクミ「ゆ、幸平……まさか2番か?」

創真「た、タンマタンマ! 冗談じゃねえよ!」

タクミ「無し無し! この命令は無しだ!」

日向子「男子同士でしたか。それならますます、何も問題ありませんね」

堂島「そ、そう……なのか……?」

創真「問題ありまくりだっつーの!」

タクミ「みんなも何か言ってくれよ!」

恵「うわわ……男の子同士でキスって……」

郁魅「ま、マジでやるのか……」

秘書子「す、凄いです……」

アリス「なかなか面白いものが見られそうね」

タクミ「何で満更でもなさそうなんだ!」



一色「……ん? ちょっとその番号札、見せてくれないか?」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:16:17.85 ID:nHeltnhk0
タクミ「えっ……はい」

一色「これ、6番じゃないよ。9番だね」

堂島「間違えて逆に読んでしまったようだな」

日向子「あら、タクミ君じゃなかったんですか……何だかちょっと残念なような……」

タクミ「た、助かった……」

創真「えっと……それじゃあ6番は誰だ?」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:19:22.82 ID:nHeltnhk0
タクミ「僕は9番で……」

創真「俺は2番だよな」

日向子「私は王様ですから違いますね」

一色「僕は3番だね」

堂島「7番だな」

郁魅「よ、4番……」

アリス「1番ね」

恵「私は2番です」

秘書子「えっと……8番です」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:23:22.09 ID:nHeltnhk0
郁魅「全員違うな」

恵「あと、言ってない人は……」

えりな「」

秘書子「……えりな様?」

えりな「」

アリス「ちょっと番号札、見せてもらえるかしら?」

えりな「」ポロッ



『6』


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:27:58.72 ID:nHeltnhk0
郁魅「全員違うな」

恵「あと、言ってない人は……」

えりな「」

秘書子「……えりな様?」

えりな「」

アリス「ちょっと番号札、見せてもらえるかしら?」

えりな「」ポロッ



『6』

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:29:37.38 ID:nHeltnhk0
ごめん上のはミス



一色「おやおや、薙切くんだったようだね」

えりな「や……や……やるわけないでしょこんな命令ぃ!」

日向子「ダメですよー。王様の命令は絶対です」

堂島「いや、しかしさすがにこれはちょっと……」

アリス「問題ないわよ。さっきえりなは自分で『私はどんな命令でも、ちゃんと従うわよ』って言ったのだから」

アリス「いざ自分に当たったらやっぱり止めたっていうのは、筋が通らないわよねぇ?」

えりな「……! ゆ、幸平君からも何か……!」

創真「うーん、薙切かぁ……まぁさすがにタクミよりはマシか……」

えりな「って、何でやる気なのよ!」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:33:16.23 ID:nHeltnhk0
日向子「じゃあ当事者を除いた多数決で決めましょう」

郁魅「反対だ反対! さすがにダメだろ!」

恵「そ、そうそう! やりすぎだべさ!」

秘書子「絶対に許されませんこんなの!」

アリス「いーじゃない、やっちゃえやっちゃえ」

一色「まぁ自分でどんな命令でも従うって言っちゃったしねぇ」

日向子「私は当然、賛成です」

タクミ「どうでもいい。好きにしてくれ」

堂島「う、うーむ、確かに自分でそう言ったが……いやしかし……でも……」

日向子「賛成3反対3無効2、よって王様のいる側の賛成多数ってことで」

えりな「そ、そんな……」



創真「あ、あのー……ちょっといいっすか?」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:36:33.75 ID:nHeltnhk0
日向子「何ですか、幸平君」

創真「その……やっぱやめませんか。薙切がこんなに嫌がってるんですから」

創真「やっぱキスとか、やりすぎかなとも思うし……せっかくだから、最後は楽しく終わりたいっすから」

創真「乾先輩だって、後味悪いの嫌でしょう?」

えりな「ゆ、幸平君……」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:38:50.75 ID:nHeltnhk0
堂島「……そうだな。彼の言う通りだ」

アリス「あらら、男らしいわね」

日向子「……そうですね。ちょっと調子に乗り過ぎちゃいました、ごめんなさい」

郁魅(ほっ……)

秘書子(ほっ……)

えりな「た、助かった……」



日向子「というわけで、キスは無し。お互いに抱き合うだけとしましょう」

えりな「……へ?」



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:41:24.48 ID:nHeltnhk0
日向子「さぁさぁどうぞ、お二方」

えりな「ちょ、ちょっと待って! どういうことですか!」

日向子「え? キスが問題なんだから、そこだけ除いたんですけど……」

えりな「は、はぁぁぁぁ!?」

郁魅「ま、まぁ……キスよりはマシだけど……」

堂島「最後だしな。抱き合うくらいすぐ終わるだろう」

秘書子「ファブリーズ取ってきます」

創真「そろそろ眠いし、さっさと終わらせて帰ろーぜ」

えりな(くっ……命令が急にグレードダウンしたせいで、みんな抵抗がなくなってる……)

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:45:24.59 ID:nHeltnhk0
一色「頑張れ、薙切くん!」

アリス「それとも、抱き合う程度の勇気もないのかしら?」

えりな「……! い、いいわよ! やってやろうじゃないの!」



日向子「さぁ、レッツゴーです!」

創真(うっ……さすがにちょっと緊張するな。てかまつ毛長いなオイ)

創真「ええと……いいのか?」

えりな「い、い、いつでも大丈夫よ!」



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:50:16.23 ID:nHeltnhk0
創真「んじゃ、失礼して……」ギュッ

えりな(~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!)

創真(うわっ、体やわらけー! なんかいい匂いもするし……)

えりな(~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!)

創真(ん、これってまるで……)



郁魅「…………」ギリギリギリギリ

秘書子「…………」ギリギリギリギリ

恵(こ、怖い……)

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:54:08.76 ID:nHeltnhk0
えりな「も、もういいでしょ!」

創真「……あ、そうだな」パッ

えりな「…………」

アリス「あはは。えりな、顔真っ赤ね」

えりな「あぁ!?」

秘書子「えりな様……おいたわしや……」

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 20:57:28.57 ID:nHeltnhk0
堂島「さぁ、それではお開きにしようか」

日向子「お疲れ様でしたー」

えりな「や、やっと終わった……」

秘書子「お疲れ様です、えりな様」

タクミ「散々な目に遭ったぞ……」

アリス「なかなか楽しかったわよ」

郁魅「やれやれ……」

恵「スリルあったねー」

創真「またやるんなら、ぜひ誘ってほしいっす」

一色「それじゃあ帰ろうか」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 21:01:07.12 ID:nHeltnhk0
日向子(薙切さん、ちょっと……)ヒソヒソ

えりな(……え?)

日向子(幸平くんに、助けられましたね)

えりな(……! あ、あれは元はといえば乾先輩が……!)

日向子(それは、すいませんでした。ところで……)




日向子(……というわけで、頑張ってください)

えりな(な、な……)

日向子(忘れないでください。王様の命令は……)

日向子(絶対、ですよ)



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 21:04:00.68 ID:nHeltnhk0
翌日

創真「ふぅ、今日も終わった終わった。さて、帰るか」

えりな「ゆ、幸平君……」

創真「ん? 薙切じゃねーか、昨日は大変だったなー」

えりな(くっ、全く気にしてない……私は昨日、寝られなかったというのに……)

創真「何か用か?」

えりな「その……ちょっと来てくれない?」



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 21:08:06.23 ID:nHeltnhk0
えりな「よし、誰もいないわね……」

創真「何だ? 何かの話か……」



ギュッ

創真「……へ?」

えりな「…………」

創真「お、おいおい! どういうわけだこりゃ!」

えりな「その……乾先輩の命令『二人でお互い抱き合う』ってことだったでしょ……」

えりな「昨日はあなたに、その……抱きしめてもらっただけだったから」

えりな「一応、私からもやらないと……命令は、絶対だし……」


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 21:12:01.11 ID:nHeltnhk0
創真(うわっ、やっぱり体やわらけーな!)

えりな「そ、それと……」

創真(うん、これってやっぱ……)

えりな「き、昨日は、その……あ、ありが……」

創真「薙切」

えりな「……え?」

創真「お前の体って、シャリアピンステーキみたいだな!」

えりな「」ブチッ


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 21:14:56.40 ID:nHeltnhk0
創真「ただいまー……」

榊「お帰り、幸平くん」

吉野「……って、どうしたのそれ!?」

一色「ほっぺたに綺麗な紅葉があるね」

創真「いや、薙切に思いっきり引っぱたかれて」

榊「薙切さんに!? な、何があったの……」

創真「薙切を抱いた。いや、抱いてもらったのか」

恵・吉野「「え、え、えええええええええええええっ!?」」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/12(土) 21:17:13.09 ID:nHeltnhk0
創真「女ってわけわかんねー……疲れたしちょっと寝てくるわ」

吉野「ま、待って、どういうこと!?」

恵「ちゃんと説明するべさ!」

榊「やれやれ……本当に彼の周りって、いつも騒がしいわね」

一色「ふふ……それは、彼が魅力的である証拠なのかもしれないね」

一色「遠月という星空に、強く輝く極星になるんだ、創真くん!」



秘書子「ど、どうしたんですか、えりな様!? ソファーに顔を埋めて手足をバタバタさせて!?」

えりな「幸平創真ぁ! やっぱり、絶対退学にしてやるわ!」