1 : ◆Tina2b6i.2 :2013/10/16(水) 23:42:53.67 ID:AHrGoO8h0
-あかりの部屋-

あかり「あとはネコさんの絵を描いて…」

あかり「~♪」

あかり「…でーきたっ!」

あかり「よぉーし! 早速渡しに行こーっと!」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/16(水) 23:46:39.83 ID:AHrGoO8h0

あかり「お姉ちゃーん!」

あかね「あら、どうしたの? あかり」

あかり「はいっ、これ!」

あかね「これは…?」

あかり「あかりの感謝の気持ちを込めて作ったんだよぉ」

あかね「…なんでも券?」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/16(水) 23:52:15.48 ID:AHrGoO8h0
あかり「うんっ! えっとね…」

あかり「いつも優しくしてくれるお姉ちゃんに、少しでも恩返しがしたくて作ったの!」

あかね「あかり…」

あかり「その券はね、使うとあかりがなんでもしてあげる券なんだよぉ」

あかね(な、ななな…)

あかね(なんでも!?)

あかり「でも三枚だけだから、よぉーく考えて使ってねっ!」

あかね(なんでもって事は…なんでもよね!?)

あかね(あかりとあーんな事やこーんな事とか…)

あかね(何に使っちゃおうかしら!?)

あかね(…そうだわ! もっと券を増やしてもらえば…)

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/16(水) 23:56:34.40 ID:AHrGoO8h0
あかね(……はっ! だ、だめよ!)

あかね(あかりの前では綺麗なお姉ちゃんでいなくちゃ!)

あかね(…でも本当に何にしようか迷うわ~!)

あかり「どうしたの? お姉ちゃん」

あかね「! ど、どうもしてないわよ!?」

あかり「…?」

あかね「こほんっ…とにかくありがとう、あかり」

あかね「大切に使わせて貰うわね」

あかり「うん! えへへ」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:01:06.05 ID:pC3Pc9xv0
-翌日、大学-

あかね(うふふ♪)

あかね(なんでも券…)

あかね(お姉ちゃん大好き! って言ってもらおうかしら?)

あかね(それとも、キスとかしてもらっちゃったり…!)

ともこ「あかねちゃん、何持ってるの?」

あかね「あら、ともこ」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:06:35.79 ID:pC3Pc9xv0
あかね「これはなんでも券よ」

ともこ「なんでも券?」

あかね「ええ、あかりからいつもありがとうって貰ったんだけどね」

あかね「これを使うと、あかりがなんでもしてくれるんですって!」

ともこ「な、なんでも…!」

ともこ(あかねちゃん嬉しそう…)

ともこ(私もあかねちゃんになんでも券、作ってみようかなぁ…)

ともこ(…な、なーんて)

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:11:11.89 ID:pC3Pc9xv0
あかね「ところでともこ、この券なんだけど…」

あかね「何か良い使い方とか無いかしら?」

ともこ「良い使い方?」

あかね「ええ、出来ればあまり変な事には使いたくないの」

ともこ「そうね……あっ、肩叩きとかはどうかしら?」

あかね「なるほど、それなら良いわね」

あかね「ありがとうともこ、参考にさせてもらうわ」

ともこ「ううんっ! どういたしまして!」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:18:28.88 ID:pC3Pc9xv0
-赤座家、リビング-

あかね「ただいま」

あかり「おかえり、お姉ちゃん!」

あかね「あかり、ちょっとお願いがあるんだけど…」

あかり「なぁに?」

あかね「これを使いたいんだけど、いいかしら?」

あかり「なんでも券? うん、いいよぉ!」

あかね「それじゃ…はいっ」

あかり「えへへ、あかりは何すればいいかなっ?」

あかね「お姉ちゃんちょっと疲れちゃったから、かたた…」

あかね「……ま、マッサージをお願い出来るかしら!?」

あかり「わかったよぉ、じゃあ寝転がってねぇ~」

あかね「ええ!」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:20:55.30 ID:pC3Pc9xv0
あかり「どの辺りをやればいい?」

あかね「全体的に! まんべんなく!」

あかり「はぁーい、じゃあ始めるねっ」

あかね「ええ、お願いするわ」

あかり「…んしょ、んしょ」

あかね(最高だわ~!)



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:25:48.32 ID:pC3Pc9xv0
あかり「どうかなぁ?」

あかね「とっても気持ちがいいわ! あかりは上手ねっ」

あかり「えへへ」

あかり「……よい、しょっ」

あかね「あ、もうちょっとこう…」

あかね「体を密着させるような感じで出来るかしら?」

あかり「こ、こう…かな?」

あかね「そう! それでお願い!」

あかり「わかったよぉ」

あかね(最っ高だわっ!)

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:30:49.85 ID:pC3Pc9xv0

あかね「ありがとう、すごく気持ち良かったわ!」

あかり「ふぅ、疲れたぁ~」

あかね(…!)

あかね「はい、あかり! これっ!」

あかり「えっ?」

あかね「なんでも券!」

あかり「え、えっと…」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:35:08.85 ID:pC3Pc9xv0
あかね「マッサージで疲れたでしょ?」

あかり「まぁ…」

あかね「じゃあ、ご飯の前にお姉ちゃんと一緒にお風呂に入りましょう!」

あかり「お風呂に!?」

あかね「だめかしら?」

あかり「ううん、全然大丈夫だよぉ!」

あかね「良かった、それじゃあ行きましょうか!」

あかり「うんっ」



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:38:24.51 ID:pC3Pc9xv0
お風呂

あかり「お姉ちゃんとお風呂入るのって久しぶりだねぇ」

あかね「そうね」

あかね「お湯、熱くない? 大丈夫?」

あかり「ちょうどいい位だよぉ」

あかね「……」

あかり「? お姉ちゃん、どうかしたの?」

あかね「あ、いえっ! な、なんでもないわ!」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:42:49.66 ID:pC3Pc9xv0
あかね「…そうだ! あかり、お姉ちゃんが背中を洗ってあげるわね」

あかり「わぁい! じゃあお願いしようかなぁ」


ゴシゴシ

あかね「これくらいで痛くない?」

あかり「うん、平気だよぉ」

あかね「……」

あかね「…あかり、大きくなったわね」

あかり「そうかなっ?」

あかね「ええ、とっても」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:48:29.81 ID:pC3Pc9xv0
あかり「……あかりね、お姉ちゃんみたいになりたいなぁ」

あかね「お姉ちゃんみたいに?」

あかり「うんっ!」

あかり「背も高くて、頭も良くて、それから…」

あかり「すっごく優しい、お姉ちゃんみたいになれたらいいなぁ…って、思うの」

あかね「あかり…」

あかね「…きっと…いえ、絶対になれるわ!」

あかね「お姉ちゃんよりも、ずーっと素敵な人に…ねっ」

あかり「ほんとっ?」

あかね「ええ、だってお姉ちゃんの自慢の妹だもの!」

あかり(自慢の妹…)

あかり「えへへっ」

あかね「ふふっ」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:52:26.36 ID:pC3Pc9xv0
-あかねの部屋-

あかね(……)

あかね(しまった…)

あかね(調子に乗って二枚も使っちゃったわ…!)

あかね(いや、でもあかりにマッサージしてもらって)

あかね(一緒にお風呂に入れたから満足かも…)

あかね(……とにかく、残り一枚)

あかね(最後くらいは慎重に、大切に使いましょう!)



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:56:15.16 ID:pC3Pc9xv0
-あかりの部屋-

あかり「お姉ちゃん、なんでも券喜んでくれたみたいで良かったなぁ」

あかり「優しい、あかりのお姉ちゃん…」

あかり「あかりもそんな風になれるかなぁ…」

あかり「えへへ、なれたらいいなぁ」

あかり「…あ、もう9時だ! そろそろ寝ないと」

カチッ

あかり「おやすみなさーい…」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:57:42.02 ID:pC3Pc9xv0
~~~
 
 
「……」
 
 
「…ちゃん!」
 
 
「お姉ちゃん!」
 
 
「待ってよぉ!」
 
 

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 00:59:13.57 ID:pC3Pc9xv0
「あかりを…」
 
 
「あかりを一人にしないでっ!」
 
 
「お姉ちゃんっ!」
 
 



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:03:41.57 ID:pC3Pc9xv0
~~~

あかね「あかり、起きて」

あかり「んっ…」

あかね「もうお昼よ」

あかり「…お姉…ちゃん」

あかね「土曜日だからって、いつまでも寝てちゃ…」

あかね「って、あかり…?」

あかり「なぁに?」

あかね「泣いてるの?」

あかり「えっ?」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:08:07.54 ID:pC3Pc9xv0
あかり「あ、あれっ? ほんとだ…」

あかり「おかしいなぁ…あはは…」

あかね「…何かあったの?」

あかり「ううん、なんでもないよぉ!」

あかね「そう…」

あかね「ご飯の準備出来てるから、先に行ってるわね」

あかり「うんっ、わかった!」

ガチャ

バタン

あかり「……」

あかり「お姉ちゃん…」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:13:36.18 ID:pC3Pc9xv0
-リビング-

あかね「あかり、ご飯粒こぼれてるわ」

あかり「あっ、ほんとだぁ」

あかね「あかり、お茶入れてあげるわね」

あかり「ありがとう!」

あかり「…ごちそうさまでしたっ」

あかね「あかり、お姉ちゃんが食器片付けておくわね」

あかり「うん、お願い!」

あかり(……)

あかり(優しい…お姉ちゃん)

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:18:43.37 ID:pC3Pc9xv0

あかね「~♪」

あかり「……」

あかり(やっぱり…やだよぉ…)

あかり「お姉ちゃん…」

ギュッ

あかね「あ、あかり!? どうしたの…?」

あかり「…あのね、あかり…怖い夢を見たの」

あかね「怖い夢?」

あかり「うん…」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:24:45.38 ID:pC3Pc9xv0
あかり「お姉ちゃんが、どこか遠くに行っちゃう夢…」

あかね「…でも、それは夢のお話でしょ?」

あかり「ううん…」

あかり「その夢を見て、気付いたんだ…」

あかり「…いつか、お姉ちゃんはあかりから離れていっちゃうって事…」

あかね「……」

あかり「あかり、そんなの絶対やだよぉ…ぐすっ」

あかり「お姉ちゃんと、えぐっ…ずっと、ずっと一緒にいたいよぉ…」

あかね「…あかり」

ギュッ

あかり「ふぇ…」



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:30:03.11 ID:pC3Pc9xv0
あかね「大丈夫、お姉ちゃんはずっとあかりと一緒にいるわ」

あかり「ほんと、にっ…?」

あかね「本当よ」

あかね「…あかり、これ」

あかり「これは…」

あかね「あかりがくれた、最後のなんでも券」

あかね「約束して?」

あかね「『お姉ちゃんと、ずっと一緒にいる』って」

あかり「…!」

あかり「うんっ! 約束だよぉっ!」

あかね「ええ、約束!」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:34:26.00 ID:pC3Pc9xv0
あかり「お姉ちゃん、あのね…」

あかり「…あかり、なんでも券たくさん作ったんだよぉ」

あかね(こ、こんなにいっぱい!?)

あかり「たくさんあれば、お姉ちゃんが喜んでくれるかなって!」

あかね(私の為に…)

あかね「あかりは優しいわね…」ナデナデ

あかり「えへへ」

あかね「…でも、お姉ちゃんにはもう要らないわ」

あかり「えっ?」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:38:35.53 ID:pC3Pc9xv0
あかね「だってこれを使っちゃうと、あかりが絶対になんでもしてくれる…」

あかね「…それって強制的みたいでお姉ちゃんは嫌なの」

あかり「そっか…」

あかね「イヤなものはイヤって言える…」

あかね「それって、すっごく幸せな事だと思うわ」

あかね「だから、あかりには自分がしたいって思った事をして欲しいの」

あかり「…うん!」

あかり(あかりの、したいと思った事…)


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/17(木) 01:41:41.00 ID:pC3Pc9xv0
あかり「お姉ちゃん…ちょっといいかな?」

あかね「どうしたの?」

あかり「もうちょっと…」

あかね「…?」

チュッ

あかね「えっ!?」

あかり「…あのねっ」


あかり「あかり、お姉ちゃんの事が大好きだよぉ!」