1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 20:13:38.43 ID:nDqozNm20
姉「男ー、スロット行くからお金貸してー」
男「仕方ないなぁ、ほら」
姉「サンキュ、勝ったらなんか奢るからね」
男「はいはい」
妹「お姉ちゃんはいつもお兄ちゃんにお金を借りる、たまに大きく当たって返すらしい」
妹「大きく当たるのかなぁ?」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 20:18:42.22 ID:nDqozNm20
弟「兄ちゃーん!」
男「んだよ、なんかあったのか?」
弟「あのさ、お金借りていい?」
男「……お前なぁ、新作が出たからって我慢しろよな、ほら」
弟「そんなこといいながら貸してくれるとこは好きだよ! ありがとう兄ちゃん!」
男「買ったら俺にもやらせろよー?」
弟「うんっ! それじゃあ買ってくるー!」
妹「弟ってばまたお金借りてる、ゲームなんてちょっと我慢したら安くなるのに」
妹「どうして飛びついちゃうのかなぁ、お兄ちゃんも貸しちゃうし……」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 20:28:46.28 ID:nDqozNm20
妹「お兄ちゃん」
男「んー?」
妹「働いてお金あるのはわかるけどさ、お姉ちゃんも弟もあんなに甘やかしちゃダメだよ」
男「まあまあ、姉貴だってその内結婚するだろうし好きにさせとけ、弟ももう何年かで受験したりで遊びたいだろうし」
妹「でも、都合の良い時にお金をせびるなんて……これじゃあATM扱いだよ」
男「ATMかー……まあそれでもまだ支障は来してないし良いじゃないか」
妹「……良くないもん」
男「ん?」
妹「良くないもん! お兄ちゃんの馬鹿!」
たったったっ
男「あー……なんか怒らせちゃったな……」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 20:36:08.59 ID:nDqozNm20
姉「ねぇねぇ男、今日は勝てそうな気がするんだよね、だから」
男「悪い、しばらく金は貸せないんだ」
姉「えー! お姉ちゃんが勝てそうって言ったら毎回勝ってきてたでしょ? 借りてた分返せるんだよ?」
男「それでもダメなんだ、というか前に通帳にちょっと入れてたの使えよ」
姉「あ、そっか、その手があった!」
男「……勝ったら全部通帳に入れとけよ?」
姉「はいはーい」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 20:43:02.78 ID:nDqozNm20
弟「兄ちゃー」男「ダメだ」
弟「ちょっと! まだなにも言ってないじゃんか!」
男「これからは金は貸さん」
弟「なんで、どうして?」
男「あんまり甘やかすのも良くないからな」
弟「そんなこと言いながら貸してくれるんだよね? ねっ?」
男「金は貸さない」
弟「そんなぁ……」
男「ほら、ほしをみるひと貸してやるからこれで我慢しろ」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 20:49:16.64 ID:nDqozNm20
男「それでも母さん、そう言ってたんだろ?」
母「うーん、でもねー……」
男「なあ親父、本当に無理なのか?」
父「……」
男「ああもう、なんでだよ!」
妹「最近のお兄ちゃんはお父さん達と話して苛立ってる」
妹「どうしたんだろう」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 20:57:18.60 ID:nDqozNm20
男「ただいま」
妹「お帰りお兄ちゃん」
男「うわっ、まだ起きてたのか」
妹「こんな時間まで何してたの?」
男「何でも良いだろ?」
妹「答えてよ」
男「はぁ、会社で仕事してたんだよ」
妹「最近、遅いよね」
男「あー、うん、まあ」
妹「お父さん達と喧嘩してることに関係あるの?」
男「喧嘩なんてしてないよ」
妹「してるよ」
男「……」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:01:51.68 ID:nDqozNm20
妹「どうして、お父さん達と喧嘩してるの?」
男「んー……やりたいことのためだな、うん」
妹「やりたいこと?」
男「やりたいこと」
妹「そんなに喧嘩してまで、何がしたいの?」
男「さあ、俺は知らん」
妹「へ?」
男「やりたいことのために話してるだけだからなぁ」
妹「意味わかんないよ」
男「まあ気にすんな、早く寝なさい」
妹「……うん」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:07:07.31 ID:nDqozNm20
妹「ほら弟、宿題はしたの?」
弟「待って、ジャンプがあと1増えたらやめるからそれまで待って」
妹「ちゃんと宿題しないならゲームもダメ」
弟「わあああああ!!! 消すのは待って!!! せめてレイガン買ってパスワードメモってから!!!!」
妹「もう、それしたら消すからね」
弟「ふたねーちゃんの鬼ー!」
妹「はいはい」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:11:25.59 ID:nDqozNm20
妹「お姉ちゃん、音楽聴くならヘッドホンして聞いてよ」
姉「なになに、また勉強すんの?」
妹「うん、だから静かにしてて」
姉「あははっ、妹も私と同じで馬鹿なんだからそんな勉強しなくて良いでしょ!」
妹「うるさいうるさい! 良いから静かにしてて!」
姉「大体大学なんて良いところじゃないよー、大学行ってる友達なんてサボりまくりで留年してるし」
妹「だからうるさいってば!」
姉「へいへーい、わかりましたよーだ」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:18:29.39 ID:nDqozNm20
姉「というわけで妹に追い出された、酷くない?」
弟「流石ひとねーちゃん、自分が悪いとは思わない」
姉「だって私は悪くないもーん」
弟「うわ、かりう投げたい、かりう投げて放置したい」
姉「かりう?」
弟「そんなことよりなんでこんなとこ来たの?」
姉「バイトバイト」
弟「ボクは?」
姉「バイトバイト」
弟「まだ16未満なんだけど……」
姉「友達のとこだしオッケーでしょ」
弟「ひとねーちゃんにかりう投げたい」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:22:28.84 ID:nDqozNm20
妹「え?」
母「ごめんねぇ、妹ちゃん」
妹「あっ、やっ、う、うん、気にしないでよ!」
妹「ほらそもそも私馬鹿だしさ! 大学なんて行ってもどうしようもないし!」
妹「だから、その、全然、全然……」
母「妹ちゃん……」
妹「それじゃあ私、部屋に戻るから!」
たったったっ
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:28:16.17 ID:nDqozNm20
男「……」
妹「お兄ちゃん、どいてよ」
男「……」
妹「部屋、入れないじゃん」
男「……」
妹「どいてってばお兄ちゃん!」
男「……妹、俺はお兄ちゃんじゃない」
妹「え?」
男「ATMだ」
妹「は?」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:36:36.94 ID:nDqozNm20
男「今なら預金と引き下ろしが出来るぞ」
妹「えっと……」
男「あ、預金は金じゃなくてもほっぺにキスとかでも大丈夫」
妹「うぅ、意味がわからないよ……」
男「まあまあ、預金残高とか気になるだろ、気になるよな?」
妹「そもそも預金なんてしてないし」
男「妹の残高は、これだ!」カタカタカタ
妹「電卓って……え?」
男「200万だな、当面は凌げるだろうな」
妹「じ、冗談言わないでよ! もうどいて!」
男「冗談じゃないよ妹、今は200万だ、明日には210万になる」
妹「明日って、お給料日じゃん……」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:43:37.61 ID:nDqozNm20
姉「というお話だったのさ」
客A「くぅっ、良い話だなぁ!」
姉「はい、良い話だと思ったらお捻り下さいな、諭吉で畳んだ諭吉を包んだおひねりね」
弟「うわぁ、ひとねーちゃんがめつい」
客B「あんなのよりも私の弟になったほうが良いよー」
弟「えー、でもボク、ゲームしたいしなぁ、ひとねーちゃんいっぱい買ってくれるしなぁー」チラッチラッ
客B「もー、おねだりなんて早いよー、しょうがないなー」
弟「……こんな技術をお姉ちゃんから学ぶなんてなぁ」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:51:47.25 ID:nDqozNm20
男「やりたいことがあるからさ、親父達と話してたんだよ」
男「でも、クズい姉貴に出費の嵩む弟がいるし、お前の大学行くための金があんまりなくてなぁ」
男「というわけで、いままで預金だけしてきたお前のために、一肌脱いじゃった、てへりん☆」
妹「で、でも預金なんて……」
男「俺が受験の時とか応援してくれたろ? もう一発で貯まったな」
妹「……馬鹿だよ、お兄ちゃん」
男「ほら、下ろさなくて良いのか?」
妹「……それじゃあ、下ろさせて?」
男「おう」
妹「……」
男「……」
妹「?」
男「銀行閉まってるし明日で良い?」
妹「もう、締まらないんだから、お兄ちゃんのばーか!」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/23(水) 21:58:18.89 ID:nDqozNm20
姉「こうして美しい兄妹愛の末に、妹は無事に大学に進学したのです、めでたしめでたし」
弟「でもさ、ひとねーちゃん?」
姉「ん?」
弟「ひとねーちゃんが家事手伝いのプーさんしてないで働いてたら兄貴が無理して働くことなかったんじゃない?」
姉「ばーか、200万の内の100万は私のだから」
弟「……ひとねーちゃん、兄貴から毎回いくら借りてたの?」
姉「三万」
弟「……ひとねーちゃんが借りてた回数、50回からは覚えてないんだよなぁ」
姉「あははっ! めでたしめでたしでいいの!」
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