1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:27:55.52 ID:5qyHwVZa0
<空き地>

中島「ボール投げるぞ、磯野ーっ!」

カツオ「オッケー!」

カツオ「──ん?」

ヒュルルルルル……

カツオ「中島、空からなにか降ってきた!」

中島「え!?」

ドスンッ!

ドラえもん「あだだだ……!」

中島「これは……タヌキ?」

カツオ「空からタヌキが! タヌキが降ってきた!」

ドラえもん「ぼくはタヌキじゃない!」ガバッ

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:32:30.81 ID:5qyHwVZa0
ドラえもん「うっ!」ズキッ…

ドラえもん「いたたたた……!」ガクッ

カツオ「大丈夫かい?」

中島「磯野、どこかに運んであげた方がいいんじゃないか?」

カツオ「じゃあボクたちが肩を貸してあげるよ。よいしょ、と」グイッ

中島「よっと」グイッ

ドラえもん「あ、ありがとう」

中島「どうする、磯野?」

カツオ「そうだなぁ……。よし、とりあえずボクの家に運ぼう!」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:35:44.95 ID:5qyHwVZa0
カツオ「よいしょ、よいしょ」

カツオ「ところで……君、名前はなんていうの?」

ドラえもん「ぼく、ドラえもん」

中島「ドラえもん? タヌキにしては変な名前だなぁ」

ドラえもん「だからタヌキじゃないっていってるでしょ!」

ドラえもん「ぼくは未来から来たネコ型ロボットだ!」

カツオ「ふうん……。よく分からないけど、しばらくウチで休んでいきなよ」

ドラえもん「ありがとう……いたたた……!」ヨタヨタ…



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:39:49.24 ID:5qyHwVZa0
<磯野家>

玄関──

カツオ「ただいま~!」

サザエ「あらカツオ、お帰り──ってどうしたのよ、そのタヌキ!?」

ドラえもん「だから、ぼくはタヌキじゃないです!」

カツオ「これはドラえもんっていうネコ型ロボットだよ」

カツオ「ケガしてるから、しばらく家で休ませてあげたいんだ」

カツオ「いいでしょ、姉さん?」

サザエ「ネコ型ロボット? ……なにいってんのよアンタ」

サザエ「ま、いいわ。あがってちょうだい」

ドラえもん「お、おジャマします……いたた……」ヨロヨロ…

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:44:14.40 ID:5qyHwVZa0
子供部屋──

カツオ「あ、ワカメとタラちゃんもいたのか」

ワカメ「お帰りなさい、お兄ちゃん! ──って、なによそのタヌキ!?」

タラ「青くて丸いタヌキさんですぅ~」

ドラえもん「だから、タヌキじゃないってば!」

カツオ「タヌキじゃなくて、ネコ型ロボットのドラえもんさ」

カツオ「ボクがケガしてるところを保護してあげたんだ」

カツオ「悪いんだけどさ、しばらくこの部屋で休ませてあげてよ」

ワカメ「ケガしてるの? 分かったわ」

タラオ「分かったですぅ~」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:47:45.17 ID:5qyHwVZa0
カツオ「ところでさ、ドラえもん」

ドラえもん「えぇと、カツオ君だっけ。なんだい?」

カツオ「さっきはどうして空から降ってきたの?」

カツオ「空から降ってきたってことは、つまり空にいたってことだろ?」

カツオ「でも、ネコにせよタヌキにせよロボットにせよ、空は飛ばないはずだけど……」

カツオ「なにしろ空き地のど真ん中に落ちてきたんだからねぇ」

ドラえもん「ああ、あれはタケコプターって道具で飛んでたんだよ」

カツオ「タケコプター?」

ドラえもん「うん、未来でもっともポピュラーな空飛ぶ道具のことだよ」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:51:11.52 ID:5qyHwVZa0
~ 回想 ~

<野比家>

ドラえもん「…………」ゴロゴロ…

ドラえもん(のび太君はしずちゃんちに遊びに行っちゃったし、ヒマだなあ)

ドラえもん(スズメが空を飛んでる……)

ドラえもん「ようし、ぼくもたまには一人で空の旅でもしてみようかな」ムクッ

ドラえもん「そうと決まれば……」ゴソゴソ…

ドラえもん「タケコプタ~!」



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:54:21.18 ID:5qyHwVZa0
<空>

プルルルルル……

ドラえもん(行き先を考えずに飛んでたら、知らない町に来ちゃったな)

ドラえもん(この辺りは未来でいうセタガヤブロックかな?)キョロキョロ

ドラえもん「──ん?」

カラス「カー、カー」バサバサ…

ドラえもん「わっ、カラス!」

カラス「カー、カー」ツンツン

ドラえもん「わっ、やめて! ぼくは生ゴミじゃないぞ! やめろってば!」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 00:58:36.57 ID:5qyHwVZa0
カラス「カー、カー」ツンツン

ドラえもん「シッ、シッ!」サッサッ

カラス「カァーッ!」ツンッ

ポロッ……

ドラえもん「ゲッ! タケコプターが!」

ドラえもん「うわぁぁぁっ!!!」

ヒュルルルルル……



ドスンッ!


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:03:21.65 ID:5qyHwVZa0
~ 現在 ~

ドラえもん「──というわけ」

カツオ「というわけ、っていわれてもねえ……」

カツオ「タケコプター? 空を飛ぶ? とても信じられないよ」

ワカメ「私も」

タラオ「ぼくもですぅ~」

ドラえもん「よぉ~し、だったら証拠を出そう」ゴソゴソ…

ドラえもん「タケ──」

サザエ「カツオたち、おやつよ~!」

カツオ「あっ、姉さん!」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:08:02.10 ID:5qyHwVZa0
カツオ「おやつの時間だけど……」

カツオ「ドラえもんはどうする? 食べてく? それとももう少し寝てる?」

ドラえもん「寝てようかな……まだ体が痛いし──」ゴロン…

ワカメ「お姉ちゃん、今日のおやつはなに?」

サザエ「どら焼きよ、さっき裏のおじいちゃんがくださったの」

ドラえもん「!」ピクッ

ドラえもん「ぼくも食べる!」ガバッ

カツオ「えっ!? だけど痛いって──」

ドラえもん「痛いけど、食べる!」ギロッ

カツオ「わ、分かったよ!」

カツオ(まるで人が変わったみたいになったぞ……!)



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:11:43.66 ID:5qyHwVZa0
居間──

ダダダッ!

ドラえもん「どら焼き!」ギンギン

フネ「これこれ、家の中を走り回るもんじゃありませんよ。はしたない」

フネ「──おや? 青いタヌキなんて珍しいねえ」

ドラえもん「ぼくはタヌキじゃないけど、今はそんなことはどうでもいいです」

ドラえもん「どら焼き!」

フネ(どら焼きが好きなタヌキなんているんだねえ)

フネ「いっぱいいただきましたから、あわてなくても大丈夫ですよ」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:14:53.49 ID:5qyHwVZa0
カツオ「ひどいや、ひどいや! 10個あったうちの7個を一人で食べちゃうなんて!」

ワカメ「目をはなしてたら、全部なくなってるんだもの!」

タラオ「食べすぎですぅ~」

ドラえもん「ごめんなさい……」シュン…

ドラえもん「ぼく、どら焼きには目がなくて……」

フネ「あらあら、ドラえもんって名前なだけのことはあるねえ」

サザエ「ドラ猫のドラ、かと思ったけどどら焼きのドラなのかもね」フフッ

ドラえもん(ぼくとしたことが……トホホ)



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:19:32.87 ID:5qyHwVZa0
ドラえもん「そ、そうだ!」

ドラえもん「カツオ君、ワカメちゃん、タラオ君」

ドラえもん「お詫びに、ぼくと一緒に空の旅をしよう!」ゴソゴソ…

ドラえもん「タケコプタ~!」

カツオ「これが……さっきいってたタケコプター?」

ワカメ「ただのタケトンボじゃない。ちょっと形が変わってるけど……」

タラオ「タケトンボ飛ばすですぅ~」

ドラえもん「フフフ……。ここじゃまずいから、庭に出てから出発しよう」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:23:06.99 ID:5qyHwVZa0
庭──

ドラえもん「さっきみたいに取れても大丈夫なようにヒモをつけて、と」

ドラえもん「これをこうやって頭につけるんだ」スッ

カツオ「こうかい?」スッ

ワカメ「こう?」スッ

タラオ「こうですか?」スッ

プルルルルル……

フワァ~……

カツオ「わ、飛んだ!」

ワカメ「飛んだわ!」

タラオ「飛んだですぅ~!」

ドラえもん「それじゃ出発!」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:26:22.89 ID:5qyHwVZa0
プルルルルル……

ドラえもん「三人とも、上手上手」

ドラえもん(のび太君は最初、全然ダメだったけど……)

カツオ「すごいや、すごいや!」

ワカメ「わぁ~!」

タラオ「空を飛んでるですぅ~」

ドラえもん「慣れてきたら、町中を飛び回ってみよう!」

プルルルルル……

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:29:36.57 ID:5qyHwVZa0
中島「磯野!?」ギョッ

中島「それにワカメちゃんにタラちゃんに、さっきのドラえもんまで!」


花沢「あら、目の錯覚かしら? 磯野君たちが空を飛んでるような──」

花沢「私ったらもう、磯野君のこと意識しすぎよねぇ~!」アハハッ


三郎「ん? あれはカツオ君たち!?」キキィッ

三郎「いや……多分そっくりな風船かなにかだよな……」ブロロロロ…


リカ「あれは……タラちゃん!? まさかねぇ」

リカ「人間が空を飛べるはずないもの!」


早川(ワカメちゃんやお兄さんが空を飛んでる?)

早川(いや……きっと飛行機と見間違えたんだろう、うん)


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:34:20.18 ID:5qyHwVZa0
イクラ「ハァ~イ、ハァ~イ!」

タイコ「どうしたの、イクラ?」

イクラ「バブー、バブー! チャーン!」スッ

タイコ「え、お空?」クルッ

タイコ(あら、あれはカツオちゃんたち? どうして空を飛んでいるのかしら?)

タイコ「私ったら、疲れてるのかしら……」


甚六「あれぇ? カツオ君たちが空を飛んでる!?」

ウキエ「えっ、どこに?」

甚六「あれ……? 今たしかに──」

甚六「俺もノイローゼかなぁ……こんな幻覚を見るなんて」

ウキエ「兄貴、受験勉強のしすぎじゃない? 少しはリラックスしないと」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:37:20.30 ID:5qyHwVZa0
庭──

カツオ「あ~……面白かった!」

ワカメ「私、こんな楽しいのはじめて!」

タラオ「ぼくもですぅ~!」

ドラえもん「楽しんでもらえて、ぼくも嬉しいよ」

ドラえもん(やれやれ、ホントはこんなこといけないかもしれないけど)

ドラえもん(これでどら焼きの借りは返せたかな……)ホッ…

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:41:00.33 ID:5qyHwVZa0
カツオ「ねえドラえもん、せっかくだから今夜は泊まっていったら?」

ワカメ「そうよ!」

タラオ「泊まるですぅ~」

ドラえもん「う~ん……」

ドラえもん「でもきっと、のび太君やママが心配すると思うし……」

カツオ「だったら、電話して聞いてみればいいじゃないか」

ドラえもん(きっとのび太君あたりが“帰ってこい”なんていうだろうけど)

ドラえもん(ここまでせがまれて、むげに断るのもなぁ)

ドラえもん「分かったよ、家に電話してみる」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:44:31.38 ID:5qyHwVZa0
ママ『あらそうなの? 分かったわ、ご迷惑をかけないようにね、ドラちゃん』

のび太『うん、分かった! じゃあまた明日ね!』



ドラえもん「…………」

ドラえもん(てっきり心配してくれたり帰ってこいといわれるかと思いきや……)

ドラえもん(ホッとしたけど、なんだか複雑な気分……)

ドラえもん「えぇと、カツオ君、オッケーをもらったから今夜は泊らせてもらうよ」

カツオ「やったぁ!」

ワカメ「よかったぁ」

タラオ「わ~いです!」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:48:27.63 ID:5qyHwVZa0
ハッハッハッハッハ……!

居間──

波平「いやはや驚いたよ」

波平「科学は日進月歩というが、未来ではこんなに賢いロボットができるのか」

波平「にわかには信じがたいが、実物を見てしまってはな」

マスオ「しかも自由に空を飛べる道具なんて、驚きですねぇ~、お父さん」

ドラえもん「いやぁ、それほどでも……」

波平「それにしても、タヌキのロボットとは珍しい!」

ドラえもん「…………」ムスッ

波平「え」

カツオ「お父さん、ドラえもんはタヌキじゃなくてネコなんだってば」ボソッ…

波平「……あ、こりゃ失礼」ショボン…


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:52:27.78 ID:5qyHwVZa0
マスオ「ところで、ドラえもん君のお腹にある大きなポケットはなんなんだい?」

ドラえもん「これは四次元ポケットといって、中に色んな道具が入っています」

マスオ「へぇ~」

カツオ「さっき話したタケコプターも、この中に入ってたんだよ」

ワカメ「そうそう、手品みたいだったわ」

タラオ「いっぱい入るですぅ~」

サザエ「ってことは、ポケットの中にはまだまだ道具がいっぱいあるの?」

ドラえもん「もっちろん!」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 01:57:43.16 ID:5qyHwVZa0
ワカメ「じゃあ私、可愛いお洋服を作る道具が欲し~い!」

タラオ「ぼくは絵本が欲しいですぅ~」

波平「コラコラ、ワカメもタラちゃんもよしなさい。ドラえもん君に悪いじゃないか」

フネ「そうですよ……お客さんなんですから」

カツオ「そうだぞ、二人とも!」

カツオ「ところでドラえもん、テストで楽に100点取れる道具なんてのは──」

波平「バッカモン!!!」

カツオ「てへへ……」

ドラえもん(カツオ君はかなりしっかりしてるけど)

ドラえもん(どことなくのび太君に似てるところがあるな)

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:01:50.49 ID:5qyHwVZa0
サザエ「呆れた」

サザエ「道具で100点取ったって、なんの意味もないでしょうが」

カツオ「はぁ~い」

サザエ「──ところで、未来の化粧品とかってあるの?」

ドラえもん「えぇとそれは……」

波平「サザエ、お前もなにをいっとるんだ! 化粧品ぐらい自分で買わんか!」

サザエ「えへへ、ごめんなさい」

ドラえもん(似たもの姉弟だなぁ)

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:06:19.12 ID:5qyHwVZa0
サザエ「マスオさんはなにかないの? こういう道具欲しいな、とか」

マスオ「ボクは特にないよ」

マスオ(新しいゴルフクラブ、なんていっちゃマズイだろうなぁ……)

サザエ「母さんは?」

フネ「私もありませんよ」

サザエ「じゃあ父さんは?」

波平「あるわけなかろう」

波平「ワシには母さんやみんながいれば、それでいいんだ」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:10:41.78 ID:5qyHwVZa0
カツオ「そう、家族がいればそれでいいんだ!」

カツオ「さっすが父さん! いよっ、大黒柱!」

波平「また調子に乗りよって、コイツめ」

カツオ「えへへ……」

フネ「ドラえもん君は、今夜はカツオたちの部屋で寝てちょうだいね」

フネ「布団は敷いておきますから」

ドラえもん「ありがとうございます」ペコッ

タマ「ニャァ~ン」

ドラえもん「いやぁ、そんなことないよ」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:15:51.81 ID:5qyHwVZa0
子供部屋──

カツオ「あのさ、ドラえもん」

カツオ「ドラえもんは未来から来たっていったけど、どうして未来からやってきたの?」

ドラえもん「う~ん、あまり詳しくは話せないんだけど」

ドラえもん「ある男の子を助けるためなんだ」

カツオ「いったいどんな子なんだい?」

ドラえもん「えぇ~と、優しくて、勇気があって、射撃が上手くて、よく眠る、かな」

カツオ「ふうん、わざわざ未来から来て助ける必要がある子には思えないけどなぁ」

ドラえもん(我ながら、よくいいすぎたかな)

ドラえもん(でもまあ、ウソはついてないよね、うん)

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:21:23.44 ID:5qyHwVZa0
カツオ「あ~あ、ボクもドラえもんみたいなロボットが来てくれたらなぁ~」

ドラえもん「ぼくのようなロボットが来ないってことは」

ドラえもん「きっと君は幸せな人生を歩むんだよ」

ドラえもん「キレイな女の人と結婚して、可愛い子供ができて……ってね」

カツオ「そういうものかなぁ」

ワカメ「お兄ちゃんの結婚相手は、きっと花沢さんね!」クスッ

カツオ「な、なにいってんだよ、ワカメ! なんで花沢さんなんだよ!」

ワカメ「だってお似合いなんだもん」

カツオ「あ~もう、この話は終わり! 寝るぞ!」ガバッ

ワカメ「おやすみ、お兄ちゃん、ドラえもんさん」ファサッ

ドラえもん「おやすみなさい」ガバッ

ドラえもん(ぼくの勘だけど、きっとカツオ君は花沢さんって人と結婚するだろうな)

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:26:29.48 ID:5qyHwVZa0
翌朝──

波平「ゆうべはよく眠れたかね?」

ドラえもん「おかげさまで、ぐっすりと」

ドラえもん(いつもなら、夜中にのび太君が宿題やってなかったって騒ぐもんな)

サザエ「また来てちょうだいね」

フネ「どら焼きで歓迎しますよ」

マスオ「同じ東京に住んでるのなら、気軽に来れるだろうからね」

ドラえもん「ありがとうございます!」

カツオ「それじゃあ、またね!」

ワカメ「また遊びに来てね!」

タラオ「バイバイですぅ~!」

タマ「ニャァ~ン」

ドラえもん「さようなら~!」プルルルル…

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:31:06.41 ID:5qyHwVZa0
マスオ「本当に飛んでいっちゃいましたねぇ~」

波平「世の中には、ワシらが知らないことがまだまだあるということだ」

波平「それにしても、まさかロボットが我が家にやってくる時代になるとはなぁ」

フネ「でも、ロボットとはいえ、ほとんど人間みたいでしたけどね」

サザエ「そうね、なんたってどら焼きが好物だし」

カツオ「食い意地は、人間である姉さんとどっこいどっこいってところかな?」

サザエ「コラッ、カツオ~!」ダダダッ

カツオ「うわぁ~!」ダダダッ

サザエ「待ちなさぁ~い!」ダダダッ

ハッハッハッハッハ……!



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 02:36:21.19 ID:5qyHwVZa0
洗面所──

波平「さて、髪を整えるか」

波平「…………」スッスッ…

波平「…………」サッサッ…

波平(あのドラえもん君に──)

波平(未来の髪を生やす薬を、もらっておけばよかったかもしれんな……)







                                     おわり