1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:03:05.03 ID:lihKwRUJ0
◯ある日の部室!
梓「…」
梓「…」
梓「…あれ、ここは」
澪「お、やっと気づいたか」
梓「えっと、私、どうして…」
唯「あずにゃんはね、ムギちゃんに抱きつかれて突然倒れちゃったんだよ」
梓「え…」
律「あぁ、びっくりしたんだぞ」
梓(あ、そっか)
梓(ムギ先輩に抱きつかれて、とっても柔らかくて…)
梓(それからとってもいい匂いがして…それで…倒れちゃったんだ)
梓(そういえばムギ先輩は?)
紬「…」
梓(律先輩の影で小さくなってる)
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:05:26.33 ID:lihKwRUJ0
紬「…」タタタ
梓(あ、私が見たらこっちに小走りで近づいてきた)
紬「…梓ちゃんっ!!!!」
梓「は、はい」
紬「ごめんなさいっ!!」
梓「ふふ…大丈夫です。別に気にしてませんから」
紬「そ、そう?」
梓「はい。あ、でも」
唯「でも?」
梓「突然抱きつくのはやめてください、また倒れたら大変なので」
紬「あ、うん。それはもちろんやめるね」
澪「まぁ、仕方ないな」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:08:22.66 ID:lihKwRUJ0
◯翌日!
唯「あずにゃーん」ダキッ
梓「あ、唯先輩」
澪「お、梓もきたか」
梓「みなさんおそろいで、何の話をしてたんですか?」
律「あぁ、ハサミを使わずにポテチの袋を開く方法についてだな」
梓「なんですか、それ…」
紬「はい、梓ちゃん。お茶をどうぞ」
梓「あ、どうも。ほら…そろそろ離れてください、唯先輩」バッ
唯「もう、あずにゃんのいけずー」プンスカ
紬「うふふ…」
梓(あれ?)
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:09:29.25 ID:lihKwRUJ0
◯その日の夜。琴吹家!
ピリリン♪
紬(あら、メールだわ)
紬(梓ちゃんから)
紬(なになに…)
紬(『練習…しませんか?』)
紬(練習って…楽器の練習よね。どういうことかしら?)
紬(…うん。電話してみましょうか)
ピポパポ♪
紬『もしもし、梓ちゃん』
梓『あ、ムギ先輩』
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:11:26.39 ID:lihKwRUJ0
紬『ねぇ、梓ちゃん。さっきのメールなんだけど』
梓『ムギ先輩、練習…しませんか』
紬『練習って、演奏の練習?』
梓『2人で練習したいんです』
紬『…特訓ね!』
梓『はい。秘密の特訓です! 週末、私の家でやりませんか?』
紬『いいわよ~』
梓『それじゃあ細かいことは明日にでも』
紬「ええ、じゃあおやすみなさい」
梓「おやすみなさい、ムギ先輩」
ピッ♪
紬(みんなに内緒で練習なんて、梓ちゃんはやっぱり頑張りやさんね~)
紬(ふふ、秘密の特訓だなんてわくわくしちゃう)
紬(週末が楽しみだわ~)
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:13:05.49 ID:lihKwRUJ0
◯あっという間に週末!
ピンポーン♪
ガチャ
紬「こんにちは~」
梓「ムギ先輩、いらっしゃいませ」
紬「ふふ、梓ちゃんの家に来るのも久しぶりね」
梓「そうですね。あ、どうぞあがってください」
紬「はぁい」
梓「こっちです」トコトコ
紬「防音室ね?」トコトコ
梓「はい。あの部屋以外じゃ近所に響いちゃいますから」トコトコ
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:14:16.46 ID:lihKwRUJ0
紬「ご両親は?」トコトコ
梓「二人共出かけてます」トコトコ
紬「そっかぁ、ご挨拶しておきたかったんだけど…」トコトコ
梓「さ、ここです」ガチャ
紬「うん」ドサッ
梓「さっそく練習しますか?」
紬「うん。私はそれでいいけど。あ、そうだ」
梓「どうしました?」
紬「うん。2人で秘密特訓ってことは、何か重点的にやりたいポイントとかあるのかしら?」
梓「あー、それはですね」
紬「うん」
梓「後の楽しみってことにしておいてください」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:15:38.24 ID:lihKwRUJ0
◯
紬と梓練習中…
紬と梓練習中…
紬と梓練習中…
◯
紬「うん。こうやって2人で練習するのもいいわね」
梓「どんどんムギ先輩と息が合っていって楽しかったです」
紬「ええ、5人だとこんなすぐには息が合わないものね…」
梓「まぁ、それはそれで楽しいんですが」
紬「そうね」
梓「それで、本題なんですが」
紬「…うん」
梓「ムギ先輩、ちょっと匂いを嗅がせてもらってもいいですか?」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:19:42.47 ID:lihKwRUJ0
紬「え?」
梓「///」
紬「…もしかしてくさかった?」
梓「そ、そういうのじゃないんです。そうじゃなくて…」
紬「…うん」
梓「この前ムギ先輩が抱きついた後、私倒れちゃったじゃないですか」
紬「うん」
梓「だから今度は倒れなくて済むように…練習したらいいんじゃないかなって」
紬「…」
梓「あ、私変なこと言ってますか。それなら今言ったことは全部忘れて…」
紬「ううん。変じゃないよ」
梓「…」
紬「梓ちゃんは優しいんだね。私がそわそわしてたのに気づいたんだ?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:22:47.14 ID:lihKwRUJ0
梓「それは…」
紬「ありがとう。でも、苦手なら無理しなくていいの。私は我慢できるから…」
梓「苦手なんかじゃないです!」
紬「えっと…」
梓「とってもいい匂いだし、むしろとってもいい匂いい過ぎて……あれしちゃったんです」
紬「…よくわからないけど、嫌いじゃないんだ?」
梓「はい」
紬「それじゃあ練習しましょうか」
梓「…! はいっ!」
紬「あ、でも、どうやって練習すればいいのかな」
梓「えっと…最初は手からお願いします」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:25:31.71 ID:lihKwRUJ0
紬「手? …はい」サッ
梓「では、失礼します…。…やっぱりムギ先輩の指って綺麗ですね」
紬「そう? ありがとう。それで匂いはどう?」
梓「えっと……」クンカクンカ
紬「…」
梓「弱くてあんまりわかりません。なんとなくいい匂いはするんですが…」
紬「そっかぁ」
梓「…」ペロッ
紬「ひゃっ…あ、梓ちゃん!?」
梓「あ…ごめんなさい。舐めてみたら何かわかるかなって思って」
紬「そ、そうなんだ。それでどうだった?」
梓「残念ながらわかりませんでした」
紬「そっかぁ」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:26:03.35 ID:lihKwRUJ0
梓「じゃあ次は足です」
紬「足? 今日はブーツ履いて来たから…」
梓「あ、それは願ってもない条件です」
紬「…ちょっと嫌だけど練習だものね。はい」
梓「では、失礼して…」クンカクンカ
紬「どうかな?」
梓「指よりずっと強い匂いがします…」クンクン
紬「うんうん」
梓「すーはーすーはー」
紬「あ、梓ちゃん!?」
梓「あ、ごめんなさい。思わず…」
紬「うふふ、仕方ないのね。でもそんなに嗅いでるってことは臭くはないんだ?」
梓「あ、流石にほんのちょっと臭いです。でもそれが逆に…」
紬「うぅ…」シュン
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:27:11.40 ID:lihKwRUJ0
梓「そんな気にするほどじゃないです。私の足だって少しは臭いですから…。ほら」
紬「…」クンクン
梓「ね」
紬「うん。ほんのすこしだけ…」
梓「ブーツを履いてまったく臭くならないほうがおかしいです」
紬「それもそうね」
梓「じゃあ次は…胸でしょうか?」
紬「胸?」
梓「はい。でもいきなり近づいたらこの前の二の舞いなので少しずつ慣らしていきたいと思います」
紬「どうやって?」
梓「まずは……この距離」
紬「梓ちゃんのお顔が近い…」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:28:10.88 ID:lihKwRUJ0
梓「この距離で匂いを嗅いで、慣れたら少しずつ近づいていきます」
紬「…なんだか恥ずかしいわ」
梓「もしかして、嫌ですか?」
紬「ううん。嫌ではないの。梓ちゃんがこんな練習をしようと言ってくれたのもとても嬉しいし」
梓「なら、我慢してください。…実は私もちょっと恥ずかしいですから」
紬「そっか。なら2人で我慢しよ」
梓「はい…」クンクン
紬「…」ドキドキ
梓「…」クンクン
紬「…」ドキドキ
梓「…」クンクン
紬「…」ドキドキ
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:29:35.01 ID:lihKwRUJ0
梓「少し近づきます…」
紬「…うん//」ドキドキ
梓「…//」クンクン
紬「…//」ドキドキ
梓「…//」クンクン
紬「…//」ドキドキ
梓「…//」クンクン
紬「…//」ドキドキ
梓「もうちょっとだけ//」
紬「うん///」ドキドキ
梓「…///」クンクン
紬「…///」ドキドキ
梓「…///」クンクン
紬「…///」ドキドキ
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:31:10.91 ID:lihKwRUJ0
梓「…うん///」
紬「終わったの?///」
梓「はい。もう大丈夫だと思います」
紬「じゃあ練習はおしまい?」
梓「まだです」
紬「そうなの?」
梓「はい。ムギ先輩が抱きついてみて大丈夫だとわかるまでは…」
紬「あ、そっか」
梓「そうです」
紬「…じゃあいくね」ゴクリ
梓「…はい」ゴクリ
紬「…」
梓「…」
紬「…」ダキッ
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:32:31.32 ID:lihKwRUJ0
梓「///」
紬「梓ちゃん?」
梓「///」
紬「梓ちゃんっ!!」
梓「///…ハッ!?」
紬「あ、正気に戻った」
梓「はい…あぁ、でもいい匂い///」
紬「うん。なんとか耐えられてるみたいね」
梓「はいですぅ///」
紬「ふふ、ずっと真っ赤な梓ちゃんなんて新鮮」
梓「///」プイッ
紬「うふふ。ここで拗ねちゃうんだ? ならこうよ」ムギュウウウ
梓「あわわ… が// が//」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:33:21.97 ID:lihKwRUJ0
◯事後!
紬「うん。ずっと抱きついてても、もう気絶することはないみたいね」
梓「はい…//」
紬「でも人前で抱きつくのはやめたほうがいいかしら?」
梓「…どうしてですか?」
紬「だって、こんなに真っ赤になっちゃうし」
梓「…別に、私は気にしませんから」
紬「そっか。じゃあ唯ちゃんみたいにどんどん抱きついちゃう」
梓「//」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:34:59.40 ID:lihKwRUJ0
紬「うふふ…」
梓「…」
紬「これからが楽しみだわ~」
梓「…スー」
紬「あれ、梓ちゃん……寝ちゃった?」
梓「スースー」
紬「可愛い寝息…」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:36:07.39 ID:lihKwRUJ0
◯数時間後!
梓母「あら…」
紬「スースー」ギュッ
梓「スースー」ギュッ
梓母「ずいぶんと仲良しさんなのね」
梓父「あれ、母さん。どうしたんだい?」
梓母「お父さんは入ってきちゃ駄目。邪魔になるから」
梓父「…?」
梓「ムニュムニュ…オダンゴガ-フタツノオオキナオダンゴガ-……スースー」
紬「スースー」
梓母「もう少し寝かせてあげましょうか」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:36:51.85 ID:lihKwRUJ0
◯そして月曜日!
唯「あずにゃんやーい」ダキッ
梓「ふぅ…まったくもう唯先輩は…」
唯「あれ、今日のあずにゃんは抵抗してこないね」
梓「いつもそんなに抵抗してませんってば」
唯「そうだっけ」
律「あぁ、抵抗はしてない気がするな」
唯「そっかぁ」パッ
紬「…」ソワソワ
澪「うん? ムギ、どうしたんだ?」
紬「あずさちゃーん!」ダキッ
梓「ムギ先輩//」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:37:29.60 ID:lihKwRUJ0
唯「ムギちゃんが」
律「梓を」
澪「抱きしめた?」
紬「うふふ、特訓の成果があったみたいね」
梓「はいです//」
唯「むむ~。特訓ってなんのこと?」
紬「うふふ、秘密の特訓だからないしょなの」
梓「そういうことです」
唯「う~ん、それなら仕方ないや」
律「おい、それで納得するのか」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:38:30.66 ID:lihKwRUJ0
澪「…」ウズウズ
紬「あら、澪ちゃん?」
梓「…澪先輩?」
澪「ど、どうしたんだ?」
紬「なんだかとってもウズウズしてたけど。…! わかったわ!」
澪「…!?」
紬「澪ちゃんも梓ちゃんを抱きしめてみたいんだ」
梓「まさか…」
澪「…うん」
梓「えっ?」
紬「じゃあね、澪ちゃん。澪ちゃんは右側から梓ちゃんを抱きしめて。私は左側から抱きしめるから」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:39:17.77 ID:lihKwRUJ0
澪「梓、いいのか?」
梓「はい…澪先輩がやってみたいなら」
澪「そっか、じゃあ」
澪・紬「それ」ムギュッ
梓(左側からはムギ先輩のいい匂い…)
梓(右の澪先輩は遠慮してるのか優しい抱きしめ方…)
梓(ふたりともとっても柔らかい…)
紬「もうちょっと近づきましょうか」
澪「あぁ。そうだな」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/14(木) 23:39:54.87 ID:lihKwRUJ0
梓(え… が… が近づいてくる!?)
梓(4つの が私の頭を挟んでる……!?)
梓(!?!?!?!?)
梓「///」キュー
澪「お、おい、梓!?」
紬「あ、梓ちゃん!?」
梓「///」キュー
律「…まただな」
唯「まったく、あずにゃんはしょうがないね」
こうしてまた練習の日々がはじまるけど、それはまた別の話!
おしまいっ!
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