1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 18:07:57.14 ID:1CLlTHrv0
れんげ「今日も誰もこないんなー」
れんげ「せっかくの夏休みなんだから、みんな駄菓子買って遊びに行けば良いん」
れんげ「暇」
れんげ「暇暇」
れんげ「暇なーん!!!」
れんげ「暇だから駄菓子屋が使ってたテレビ見るのん」
れんげ「お客が来たら途中でも見るのやめないといけないんなー、来なければ良いのに」
れんげ「……」
れんげ「……」
れんげ「本当に誰も来ない必要はないでしょーが!」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 18:16:22.87 ID:1CLlTHrv0
れんげ「……駄菓子屋どうやって生きてたん? うちは駄菓子屋の生活が心配なのん」
れんげ「都会でバイトする駄菓子屋」
れんげ「もしかして、駄菓子屋バイトしなきゃ生きてけないのん……?」
れんげ「でも今年は特別だって行ってたん、いつもはバイトしてないのん」
れんげ「実はご飯が必要なくて、生きるのにお金かからないとか……流石にないのんな」
れんげ「実は、人を脅して金品を……だ、駄菓子屋はそんなこと、するわけない、のん?」
れんげ「……」
れんげ「あ、アルバイトするん、駄菓子屋さんのアルバイトサボってたらダメなんな!」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 18:21:25.60 ID:1CLlTHrv0
れんげ「こまちゃんやなっつん、元気なんかなー」
れんげ「ほたるんやこのみちゃんも、最近あんまり会わないんな」
れんげ「みんな卒業して、うちだけ一人ぼっちなん」
れんげ「昔より、みんなが遠くに行っちゃったん」
れんげ「みんな……高校生もたまには駄菓子屋さんに来てもいいんよ?」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 18:31:48.71 ID:1CLlTHrv0
れんげ「まあ、流石に高校生にもなって駄菓子屋さんになんて来るはずな――」
れんげ「……」
れんげ「……」
れんげ「ふらぐって言うの立てたのに、おかしいのん、誰も来ないのん」
れんげ「こう言うときはなっつん辺りが」
れんげ「だっがしやー! きてやったぞー! トリックアンドトリート!!」
れんげ「って、季節外れにもほどがある台詞吐くんな」
れんげ「そしてこまちゃんがちわーって適当な挨拶して、ほたるんがどうもってお辞儀するのんな」
れんげ「そこでうちが、駄菓子屋、来てやったのん! ってなるん」
れんげ「……」
れんげ「……暇なんなー」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 18:38:09.91 ID:1CLlTHrv0
れんげ「Zzz...」
ゆさゆさ
れんげ「ん……なんなのん?」
卓「……」
れんげ「あ、にーにー、昨日ぶりなん……えっと、340円なん」
卓「……」チャリン
れんげ「毎度ありなんにーにー」
卓「……」コク
れんげ「またいらっしゃいなのん」
卓「……」コク
れんげ「今日初めてのお客なんなー……」
れんげ「……」
れんげ「今日は一人だけなんなー……」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 18:44:53.54 ID:1CLlTHrv0
れんげ「店じまいなん」
れんげ「ねーねーは畑仕事で忙しくしてたし、今日は駄菓子屋の家に泊まるん」
れんげ「昔から嗅いでた、駄菓子屋の匂いなんな」
れんげ「落ち着く匂いなのん」
れんげ「もう、駄菓子屋には甘えさせて貰えないん」
れんげ「でも、やっぱり駄菓子屋の側は落ち着くんなー」
れんげ「駄菓子屋が帰ってきたら、一日くらいは付き合ってもらうんな!」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 18:53:55.98 ID:1CLlTHrv0
れんげ「夏休みももうそろそろ終わります」
れんげ「駄菓子屋、一切の連絡を入れないなんて店はどうでも良いん?」
れんげ「大体30日、来客は70人なんなー」
れんげ「売り上げが大体二万円なのん」
れんげ「二万円?」
れんげ「ねーねーの十分の一くらい?」
れんげ「……」
れんげ「駄菓子屋本当にどうやって生きてたん?」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 19:36:17.36 ID:1CLlTHrv0
れんげ「Zzz...」
ひょい
れんげ「うぅん……」
ぽすっ
れんげ「ん……」
ぽんぽん
れんげ「Zzz...」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 19:42:52.87 ID:1CLlTHrv0
れんげ「ハッ! 寝ちまいました!」クワッ
楓「全く、店番頼んだのに寝るなんて、やっぱり店番頼むんじゃなかったなこりゃあ」
れんげ「え、駄菓子屋? なんでここに?」
楓「そりゃ私が駄菓子屋だからだよ、つかここは私の店だ」
れんげ「だって、都会でアルバイト……」
楓「んなもん終わったよ、だかられんげは今日でクビだクビ」
れんげ「……駄菓子屋、ずっと都会でお仕事お疲れ様でした」
楓「な、なんだよ急に」
れんげ「なんでもないのーん」
\
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 19:49:40.85 ID:1CLlTHrv0
楓「ほら、起きたならどけ」
れんげ「もうしばらくお膝を楽しみたいのん」
楓「楽しむな、ほら店の好きなもん一個くれてやるから帰れ」
れんげ「……」
楓「おい、聞いてんのか」
れんげ「じゃあ駄菓子屋貰うん」
楓「……は?」
れんげ「駄菓子屋はうちのだからこのお膝もうちのなのーん」
楓「はぁ……はいはい、少ししたらどけよな」
\
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 19:58:13.30 ID:1CLlTHrv0
楓「なあ、お前今何年だっけ」
れんげ「六年生なん」
楓「そうか、六年か。この間まで一年だったのになぁ……」
れんげ「ねーねーがアラサーになったんな」
楓「アラサーか……」
れんげ「駄菓子屋も四捨五入したら」楓「黙れ」
れんげ「むぐっ……むぐぐ」
楓「れんげももう中学生になるんだな、早かったなぁ」
楓(一体いつまでこんな店に来てくれるんだろうな……)
\
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 20:12:33.93 ID:1CLlTHrv0
楓「なあ、お前は高校出たらどうすんだ?」
れんげ「?」
楓「先輩みたいに教師になりたいとか、なんかあるだろ」
れんげ「んー」
れんげ「それなら駄菓子屋と二人で、駄菓子屋さんするほうが楽しそうなん」
楓「二人でって、こんな店に二人もいらねーよ」
れんげ「駄菓子屋とこうやって駄菓子屋さん、やるのんな!」
楓「……ふっ、わかったよ、仕方ないな」
\
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 20:23:13.94 ID:1CLlTHrv0
れんげ「駄菓子屋ー」
楓「んだよ、そろそろ店閉めるから帰れよ」
れんげ「今日、泊まってって良い?」
楓「ダメだ、帰れ」
れんげ「夏休み、ほとんど潰して駄菓子屋のために店番したん」
楓「……」
れんげ「駄菓子屋のためだけに夏休みほとんど潰したん」
楓「だ、だからなんだよ」
れんげ「駄菓子屋は、うちのためには何もしてくれないのん?」
楓「それは……」
れんげ「ずっと一人で、寂しいのも我慢したのんな、駄菓子屋の家も掃除したのんな、だから今日だけでも……ダメなん?」
楓「ああもうわかった、わかったよ! 泊まってけ!」
れんげ「やったのーん!」
\
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 20:34:07.37 ID:1CLlTHrv0
楓「おい」
れんげ「どうしたん駄菓子屋?」
楓「布団敷いてやっただろ、そっちで寝ろよ」
れんげ「駄菓子屋と一緒が良いのんな」
ぎゅっ
楓「お前な、もう小六だろ、いつまでも甘えんなって」
れんげ「まだ六年生なのん」
ぎゅうう
楓「……離せって」
れんげ「駄菓子屋の背中、久しぶりなんなー……」
スリスリ
楓「」
れんげ「駄菓子屋ー」
スリスリ
楓「これはあれだな……私のせいじゃないな、うん」
れんげ「駄菓子屋?」
\
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 20:41:52.36 ID:1CLlTHrv0
楓「れんげ、離せ」
れんげ「嫌なのん」
楓「……離せ」
れんげ「う……わ、わかったん」
楓「れんげ」
れんげ「な、なんなの――のんっ!?」
ぎゅうううう!!
れんげ「だ、駄菓子屋、苦しいのん……」
楓「うるさい、黙れ」
なでなでなでなで
れんげ「うぅ……もうちょっと、優しくして欲しいのん……駄菓子屋ぁ……」
楓「」
楓「れんげ、しばらく黙らないと本当に大変だから黙れ」
ぎゅうううう
\
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 20:47:48.64 ID:1CLlTHrv0
一方ほたるちゃんは
蛍「先輩とルームシェア出来て、本当に嬉しいです!」
小鞠「蛍ったらまだ言ってるの? 蛍なら家事もちゃんと分担してくれるし、家賃も払ってくれるからむしろ大歓迎だよ」
蛍「えへへぇ……」
\
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 21:04:29.67 ID:1CLlTHrv0
れんげ「……駄菓子屋は強引なんなー」
楓「わ、悪い……」
れんげ「強すぎて痛くて苦しかったんよ?」
楓「……すまん」
れんげ「頭も禿げるかと思ったのん」
楓「本当にすまなかった……」
れんげ「……でも」
楓「?」
れんげ「でも、やっぱり駄菓子屋にああされるのは、嬉しかったのんなー!」
楓「」
れんげ「だ、駄菓子屋?」
楓「」
れんげ「ま、待つのん! さっきみたいなのは、まっ、待っ――のんっ!」
今回はここまで
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 21:20:16.17 ID:1CLlTHrv0
そのころなっつんは
夏海「っべーわ、マジっべーわ! 兄ちゃん!」
卓「?」
夏海「ゼミの発表の準備するために駄菓子足んない! ちょっと駄菓子買ってきて! はい200円!」
卓「?」
夏海「なんでも良いよ! なんか面白くて美味しい奴!」
卓「」コク
夏海「さあ行け兄ちゃん! うちのために頑張れ!」
卓「」コク
てくてくてく
夏海「歩くな走れー!」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 21:29:43.41 ID:1CLlTHrv0
一方ほたるちゃんは
小鞠「でも良かったの蛍?」
蛍「なにがですか?」
小鞠「家賃半分ずつ出すなら、もうちょっと広いところでも良かったのに」
蛍「良いんです」
小鞠「でも寝室も一緒だし、私がいたら友達とか連れて来にくいでしょ?」
蛍「良いんです! むしろ私はここが良いんです!」
小鞠「そう? ならいいけど……」
蛍「そうだ、お風呂沸かしましたから入りましょう先輩!」
小鞠「え、蛍先入って良いよ?」
蛍「それじゃあお湯が冷めて勿体ないですから一緒に入りましょう、ねっ、先輩?」
小鞠「い、一緒に?」
蛍「二人ならお湯も少なくて済みますから!」
小鞠「えぇ、う、うん、わ、わかった」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 21:40:23.87 ID:1CLlTHrv0
そのころなっつんは
夏海「ぐぅー……ぐぅー……」
卓「……」
卓「……」ヒョイ
卓「……」ポスッ
卓「……」ファサッ
卓「……」ガサッ
卓「……」コク
てくてくてく
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 21:50:34.57 ID:1CLlTHrv0
一方ほたるちゃんは
蛍「はぁ……幸せでした……」
小鞠「一人暮らし用なのに意外と普通に入れたねー、まあ女二人だしあんなもんだよね」
蛍「ふふっ、そうですね」
小鞠「それにしても、案外このままの部屋でもなんとかなりそうだね」
蛍「はい、先輩とならなんでも大丈夫です!」
小鞠「ねえ蛍」
蛍「なんですか?」
小鞠「そのさ、これからよろしくねっ!」
蛍「ひ、ひゃい! よろしくおねがいしますせんぱぁい!」
こっちはここまで
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 21:55:25.90 ID:1CLlTHrv0
そのころなっつんは
夏海「んん……あれ?」
夏海「……」
夏海「あああああ!! もうこんな時間じゃん!!!」
夏海「まだゼミの発表の準備全然出来てないし!」
夏海「な、夏海ちゃん悪くないし!」
夏海「兄ちゃんなんで起こしてくんなかったのさ! 母ちゃんも夕飯とかあったよね!」
夏海「ああもう徹夜だよー! 兄ちゃん手伝ってよね!!」
こっちもここまで
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