3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 19:48:16.42 ID:y/WXKrot0

マミ「もう、今年も終わっちゃうわ」

マミ「年の瀬を一人で過ごすのも、もう慣れちゃった」

マミ「大掃除も、おせちの下ごしらえも済ませてるから、後はゆっくり終わりを迎えるだけでいいわね」

マミ「よしっ、準備万端!」

マミ「でも、少しだけ、分かりきってたことだけど……」

マミ「……人恋しいわ」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 19:51:22.89 ID:y/WXKrot0

マミ「あら、お湯を切らしてたわ。沸かさなくちゃ」

マミ「うぅ、やっぱり台所は寒いわね……」カチャカチャ


ピンポーン


マミ「こんな時間に……一体誰かしら」

マミ「はーい、今行きまーす」


ガチャリ


杏子「……よぉ」



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 19:57:36.17 ID:y/WXKrot0


杏子「……迷惑、だったか?」

マミ「いいや、ぜんぜん」

マミ「良く来たわね。寒かったでしょ。入って入って」

杏子「ああ、お邪魔するよ」

マミ「そうだ。佐倉さん、何飲みたい?」

杏子「うーんと……ココア」

マミ「そう。もう少しでお湯が沸くから、ちょっとだけ待っててね」



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:02:24.01 ID:y/WXKrot0

マミ「はい、ココアとケーキよ」

杏子「さんきゅー。外は寒くてさ、もうたまんなかったよ」

マミ「それにしても、どうしてわざわざ私の家に?」

杏子「……さb……いや、何でもねぇや」

マミ「え?」

杏子「……いや、やっぱり恥ずかしいからやめとく」

マミ「ちょっと! それって気になるじゃない!」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:08:01.51 ID:y/WXKrot0

マミ「言いなさい」

杏子「おーい、そんなにジト目で見なくたっていいだろー」

マミ「……」

杏子「……分かった。負けたよ」

マミ「それで、結局何なのかしら」

杏子「ぜ、ぜ、絶対笑うなよ! 絶対だぞ!」

マミ「はいはい。もし笑ったらお菓子100年分あげるわよ」

杏子「……ちょっぴり、ほんのちょっぴりだぞ!」

杏子「……さびしかった」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:12:20.32 ID:y/WXKrot0

マミ「奇遇ね。私もそうだったの」

マミ「さっき、佐倉さんが来てくれるまではね」

杏子「!!」

マミ「でも、今は全然。二人ってのは、良い物よ」

杏子「『楽しい時は二倍楽しめる、そして、苦しい時は半分で済む』だっけか?」

マミ「ええ。漫画の受け売りだけど」



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:15:04.84 ID:y/WXKrot0

杏子「それにしても、毎度のことながら、マミさんのケーキはうめぇな」

マミ「あら、嬉しいわ。なんと今回は……私の手作りよ!」

杏子「それは本当か!?」

マミ「嘘ついてどうするのよ。佐倉さん、まだまだあるからたくさん食べてね」

杏子「おう、これならいくつでも入るぞ!」

マミ「ココアのお替わりは?」

杏子「ん!(いる!)」ムグムグ


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:18:07.84 ID:y/WXKrot0

杏子「ふぃー、食った食った。もう一時間は何も食べられないな。マミさん、ごちそうさま」

マミ「お粗末様でした」

杏子「っと、出すの忘れてたんだけどさ、バイト先でこれ、貰ったんだよ」

マミ「佐倉さん、バイトなんてやってたの?」

杏子「短期だけどな。クリスマスには駅前でサンタの格好して、ケーキ売ったぞ」

マミ「それで、どうだったの?」

杏子「へへっ、それがさー、飛ぶように売れちゃって」

杏子「ガキ共には『サンタさんだー』って懐かれるし、オーナーには給料たっぷり弾んで貰って、いいこと尽くめだったよ」

マミ「そう。楽しそうで何よりだわ」

杏子「あ、話がそれちまったな。マミさんと話してると、ホント調子狂うよなぁ」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:20:52.75 ID:y/WXKrot0

マミ「それ、キャンドルじゃない」

杏子「……やるよ」

マミ「本当!? 凄く嬉しいわ。大事にするわよ!」

杏子「そんなに喜ばれると、なんだかこっちまで照れちまうな」


ピンポーン


杏子「おい、誰か来たぞ」

マミ「一体誰かしらね。出ましょうか」



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:24:09.38 ID:y/WXKrot0

ガチャリ


ほむら「……」

マミ「暁美さんまで……いらっしゃい」

杏子「今、旨いケーキ食ってたんだよ。ほむらも食おーぜー」

マミ「あったかいお茶にココアもあるわよ。さ、さ、座って座って」

ほむら「有難う。頂戴するわ」



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:28:46.83 ID:y/WXKrot0


ほむら「……あぁ、おいしい」

マミ「でしょ。自信作なの」

マミ「それにしても、こんな時間に暁美さんが一人で来るなんて珍しいわね。どうしたの?」

ほむら「実は……」


――――・・・


杏子「あははははは! 『ホラー映画を観てたら怖くなったから』だってよー」

マミ「こら! 笑わないの!」

ほむら「ひっぱたくわよ」プルプル

杏子「だって、まどかやさやかならともかく、ほむらだぞ! 幽霊も尻尾巻いて逃げだすって!」ケタケタ

ほむら「私の戦場は……あそこじゃない……」プルプル

マミ「佐倉さん、いい加減にしなさい。暁美さんが涙目じゃないの」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:34:35.05 ID:y/WXKrot0

杏子「むぅー、ゲンコツはねーだろゲンコツはよー」

マミ「残念ながら当然よ」

杏子「ちぇー」

マミ「まあ、でも、一人暮らしだとホラーはやっぱり敬遠しがちになるわよね」

ほむら「普段なら私もそんなジャンル、絶対に借りないわ」

ほむら「でも、その日は私の狙ってたモノがもう借りられてて……」

マミ「仕方なく、手に取ったと」

ほむら「ええ。今思い出しても最悪の選択ね」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:38:20.87 ID:y/WXKrot0

ほむら「そこで巴マミ、お願いがあるわ」

マミ「改まっちゃって、何かしら」

ほむら「年の瀬で本当に迷惑かも知れないけど……今日だけ、泊めてくれないかしら」

マミ「いいに決まってるじゃない」

ほむら「申し訳ないのだけれど……。……え、ほんとに?」

マミ「にぎやかになるのなら大歓迎よ。暁美さん」



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:42:30.47 ID:y/WXKrot0

マミ「むぅ、思ったよりお菓子が足りないわね。買い出しにでも行く?」

ほむら「付き合うわよ。お財布くらいは準備してきたわ」

杏子「んじゃー、コンビニでもいこーぜ」


――――・・・


マミ「うぅー、やっぱり外は寒いわね」

ほむら「雪降ってるじゃない……」

マミ「帰ったら、暖かいお蕎麦でも作ってあげるわよ」

杏子「うひょー。そいつは楽しみだな」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:44:01.41 ID:y/WXKrot0

――コンビニ――


マミ「えーと、このお菓子が○○カロリーで、あっちが△△カロリーよね……」

杏子「無駄な抵抗はやめろ!」

マミ「無駄じゃないわよ! 絶対に実を結ぶ時が来る!」

杏子「でも、ケーキ食べたじゃん」

マミ「えっそれは……」

ほむら「もう諦めなさい。巴マミ」

マミ「お菓子は女の子の栄養源よ!」

ほむら「うわぁ……」




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:48:01.14 ID:y/WXKrot0


ほむら「何てこと……肉まんが売切れてる……!」

杏子「ま、こういう事もあるわな」

ほむら「(あったかい、ふんわりとした肉まん……!)」

ほむら「(仕方ないわね)あの、すみません、あんまん一つ」

店員『すいません。こちらまだ蒸し上がっておりませんので、30分ほどお待ちいただかないといけないのですが……』

ほむら「(そう……これが絶望ね……)」ガクリ

杏子「(やべぇ。ほむらがガチで落胆してる……)」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:52:52.63 ID:y/WXKrot0

杏子「ふぃー、結構買ったなー」

マミ「もう、うまい棒は帰ってから食べなさいってば」

杏子「お菓子の魔力には抗えねーな……って、あれ」

ほむら「まどかとさやかね」

杏子「おーい! ぼんくらどもー!」

マミ「あ、気づいたわ。おーい」

ほむら「手を振ってるわ。こっちも行きましょ」



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:54:52.35 ID:y/WXKrot0


さやか「3人でよろしくやっちゃってたなんて、さやかちゃん妬いちゃいますよー」

マミ「もう、そんなんじゃないわよ」

まどか「うぇひひひ、ちょうど今からマミさんの家に行こうとしてたんです」

マミ「ご家族と過ごさなくて良かったの?」

まどか「それが、マミさんの話をしたら、『行ってやれ』って」

マミ「そう。嬉しい限りだわ」



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 20:57:49.10 ID:y/WXKrot0

――マミホーム――


さやか「あ、マミさんゲーム買ったんですね。みんなでやりましょうよ!」

マミ「いいわよー。コントローラーも出番が来て喜んでるわ」

ほむら「1コンを貰おうかしら」

杏子「駄目だ。1コンは持ち主の特権だぞ」

ほむら「そうなの。入院生活が長かったから、こういう事には疎いのよ、私」

杏子「んまー、気にするこたぁねーよ。これから覚えてこーぜ」

まどか「電源いれるよー」

さやか「私最初観てるから、最下位交代ねー」



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:00:18.09 ID:y/WXKrot0

まどか「ああああああ↑あああああああああ!」

さやか「まどか! 落ち着いて! まどか! 病室に戻ろう!」

マミ「(ショートカットに失敗したのね……)」

ほむら「……」カチカチ

マミ「(暁美さん、カートの動きに合わせて体が左右に揺れてる……)」

杏子「くっそー! 赤こうらは卑怯だぞ!」

マミ「何とでも言いなさい。私のカワイイお弟子さん」

杏子「負けねぇぞこらぁぁぁぁ!」



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:06:57.67 ID:y/WXKrot0

さやか「結局マミさんが最下位ですか……」

マミ「うう、スーパー安全運転の暁美さんにすら抜かれた……」

さやか「ドンマイですよ!」

杏子「今度はさやかが参戦か。ぶちのめしてやる」

さやか「なめんじゃないわよ! 望むところ!」

まどか「次も頑張ろうねー、ほむらちゃん」

ほむら「え、ええ」



57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:09:51.68 ID:y/WXKrot0

さやか「バナナで滑ったあああああああ!」

杏子「へっ、そんなんじゃ甘いよ。流石はクッパ! すごいパワーだ!」

まどか「えいっ!」

さやか「あああああああああああああああ!」

杏子「雷はないだろおおおおおおお!」

ほむら「ああっ! 私のヨッシーがぺっしゃんこに……」

まどか「ふぅー↑ 気持ちいい!」

マミ「(ある意味一番怖い……)」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:11:41.99 ID:y/WXKrot0

――――・・・


マミ「そういえば、カルタ見つけたんだけど、やってかない?」

さやか「あ、いいっすね。やりましょう」

まどか「それで、どんなカルタなんですか?」

マミ「ふんどし六尺祭りで貰ったものなんだけどね」

杏子「えっ、何それは……」

ほむら「何でも良いわ。とりあえず遊びましょ」



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:15:34.79 ID:y/WXKrot0

マミ「『【こ】れもうわかんねぇなぁ』」

さやか「はい!」

まどか「あー、また取られちゃった」

さやか「おいおい君たちぃ。私が優勝しちゃうぞー」

杏子「そんなに甘くねぇ事を、教えてやるよ」

マミ「はい、次読むわよー」

ほむら「(絵柄が汚すぎて触りたくない)」



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:19:47.30 ID:y/WXKrot0


マミ「ふぅ……。いよいよラスト1枚よ」

まどか「さやかちゃんが最初は大量リードしてたけど」

まどか「その後、杏子ちゃんが猛チャージ。枚数は互角になったよ」

さやか「……」ゴゴゴ

杏子「……」ゴゴゴ

まどか「まさに、『竜虎』だね。てぃひっ!」

ほむら「……」←現在3枚


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:21:58.40 ID:y/WXKrot0

――――・・・


さやか「いやー、楽しかった楽しかった」

杏子「くそっ、結局負けちゃったなぁ」

さやか「きょーこちゃん、私に商品の一つや二つ、差し出さないのかい?」

杏子「……ち、食うかい?」

さやか「んー、おいひぃ」

杏子「そ、そうかよ……」

まどか「あー、もうすぐ新しい年だよー」

さやか「嘘!? ゲームに夢中でおそば食べてなかった! さやかショック!」



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/31(土) 21:24:08.78 ID:y/WXKrot0

ほむら「時計、準備出来たわよ」

マミ「(今年もひとりぼっちだと思っていたけれど……)」

杏子「あっ、やべぇお賽銭どうしよう! 五円玉無い!」

マミ「(何時の間にやらこんなににぎやかに)」

まどか「初詣行く途中に、どこかで両替していこうよ」

マミ「(嗚呼、今が楽しくてたまらない)」

さやか「よーし、カウントダウンだー!」

マミ「(もう何も怖くないわ。だって、みんながいるもの!)」


終わり