1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 01:59:16.00 ID:MqXny0tf0
杏子「金は……、ねえよ……」

さやか「じゃあ、ダメじゃん」

杏子「……」

さやか「こっちだって慈善事業じゃないんだからさ」

杏子「……」

さやか「あんたも、少しは我慢しなよ」

杏子「無理だよ……」

杏子「なあ、さやか……」

さやか「お金、持ってきたらね」スタスタ

杏子「あ……」

杏子「……」

杏子「くそ……」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:01:16.18 ID:MqXny0tf0
――――
――――――

杏子「金か……」

杏子「……つっても、あたしはまだ中学生なんだぜ?」

杏子「真っ当に金を稼ぐ方法なんて……」

杏子「仕方ねえ……」

杏子「また、あそこに行くか……」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:05:16.09 ID:MqXny0tf0
――――
――――――


男「仕事?」

杏子「……ああ」

男「いやあ、そりゃあ、人手は欲しいけどさ」

男「お譲ちゃん、なんの仕事かわかってるの?」

杏子「……力には自信あるよ」

男「でもなあ……」

爺「あ、杏子ちゃん」

男「あれ? 知り合いですかい?」

爺「ああ。仕事探してるのかい?」

杏子「……」コクリ

爺「わかった、また、手伝ってもらおうかね」

杏子「お世話になります」ペコリ

爺「うん、じゃあ、頼むよ」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:07:41.72 ID:MqXny0tf0
爺「じゃあ、これ、30cmでね」

杏子「はい」

爺「全部で100取れる計算だから」

杏子「はい」

爺「あ」

杏子「……?」

爺「昼飯は?」

爺「食べるなら、頼んどくけど?」

杏子「お願いします」ペコ

爺「わかった」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:10:20.89 ID:MqXny0tf0
杏子「……」ガッチャンガッチャン

杏子「ふう……」

杏子(流石に体力仕事は辛いな……)

杏子(油の臭い凄えし……)

杏子(金属音もやべぇ……)

杏子(耳がいかれそうだ……)

杏子(でも、ここでしか雇ってもらえないし……)

杏子(それは感謝しなくちゃな……)



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:12:54.48 ID:MqXny0tf0
杏子(給料も日払いだし……)

杏子(これで、金もできるぞ……)

杏子(……)ガッチャン

杏子(よし、これで終わり……)

杏子(あ、あれ?)

杏子(……)カチャカチャ

杏子(98しかないぞ?)

杏子(あ……)

杏子(や、やば……)カチャ

――――――
――――

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:16:05.16 ID:MqXny0tf0
――――
――――――

爺「あー、やっぱり、留め金が緩んでら」

杏子「すんません……」

爺「一回一回、長さは確認するように言っておいたよね?」

杏子「すみません……」

爺「数多いと勘違いしやすいけど……」

爺「これ一本にもお金掛かってるんだよ?」

杏子「はい……」

爺「……」

杏子「……」

爺「まあ、やっちまったもんはしょうがねえけどさ」

爺「気をつけてくれよ」

杏子「はい……」



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:21:43.93 ID:MqXny0tf0
――昼休み


杏子(まずったな……)

杏子(ここのおっさんとはうまくやってたのに……)

杏子(もう、雇ってもらえねえかも……)

杏子(他に雇ってくれるところなんて……)

作業員「おい」

杏子「……?」

作業員「そこ、俺の場所だ」

杏子(……俺の場所だあ? そんなん誰が決めたんだよ)

杏子(でも、ここで揉め事起こしたら、それこそ、働けなくなる)チッ

杏子「……」スッ

杏子「……」スタスタ

作業員「おい」

杏子「……?」

ドカッ



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:26:06.54 ID:MqXny0tf0
杏子「ぐ……」ドサ

作業員「舌打ち、かましてんじゃねえぞ、あ? ガキ、コラ」

杏子(……野郎)ギロ

作業員「……」

作業員「お前、まだ中坊だろ?」

杏子「……」

作業員「働ける年だっけか? あ?」

杏子「……」

作業員「ちくられてえか?」

杏子「ぐ……」

作業員「へへ……」ニヤニヤ

杏子「……」スタスタ

作業員「ばーか」ヘラヘラ

杏子「……」ギロ

作業員「……」ニヤニヤ



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:31:21.36 ID:MqXny0tf0
――午後


杏子(クソ、いらいらする……)

杏子(あの野郎、魔法でぶっ殺してやろうか……)

杏子「……」

杏子(いや、ダメだ。私は、真っ当に生きるって決めたんだ)

杏子(負けねえぞ……)

杏子「……」ガッチャンガッチャン

杏子(仕事も、もうミスらねえ……!)

杏子(ぜってえ、あいつより、いい仕事してやる……)



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:37:20.39 ID:MqXny0tf0
――終業時間


杏子「あの……、おやっさん!」タタタッ

爺「……?」

杏子「きゅ、給料のことなんですけど……」

爺「……」

杏子「満額は貰えません」

爺「……どうして?」

杏子「今日、ミスしちゃったし……」

爺「ははっ、なんだそんなことか」

杏子「……」

爺「気にするな、ミスは誰にでもある」ポン

爺「それに給料は歩合じゃあない、時間給だ」

爺「貰っとけ」

杏子「……」

爺「また次も頑張りな」



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:38:45.92 ID:MqXny0tf0
杏子「ありがとうございます」ペコリ

爺「うん、じゃあ、お疲れ」

杏子「お先、失礼します!」

爺「ああ」


――――――
――――



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:44:42.65 ID:MqXny0tf0
――――
――――――

さやか「ねえ、次どこ行くー?」

まどか「うーん、どうしよっか?」

仁美「私、そろそろ帰りませんと……」

さやか「えー! まだいいじゃん!」

さやか「仁美が習い事ない日なんて滅多にないんだからさ!」

仁美「でも……、もう日が落ちますし……」

まどか「……そうだね。そろそろ帰ったほうがいいかも」

さやか「もー、まどかまで?」

まどか「だって……、あれ?」

さやか「……?」

まどか「杏子ちゃん?」

さやか「杏子?」チラッ

まどか「ほら、あそこ」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:49:30.94 ID:MqXny0tf0
杏子「……」

まどか「一人でどうしたんだろう?」

杏子「……」チラッ

さやか「……」ジッ

杏子「……」

さやか(私か……)

さやか「……」

さやか「うーん、二人がそう言うならしょうがない、か」

さやか「私は杏子を誘ってみるよ」

さやか「んじゃあねー!」タタタッ

まどか「あ……」

仁美「行ってしまいましたわね……」

まどか「うん」

仁美「帰りましょうか」

まどか「うん」ニコッ


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:55:27.97 ID:MqXny0tf0
さやか「よっ……」タタタッ

杏子「ああ……」

さやか「私に用だったんでしょ?」

杏子「あ、ああ……」

さやか「……」

杏子「あ、あのさ」ゴソゴソ

杏子「か、金、持ってきたんだ」サッ

杏子「こ、これで文句ないだろ?」

さやか「……その前にさ」

杏子「……?」

さやか「杏子、あんた油くさいよ?」

杏子「あ、え……」

さやか「どこ行ってたの?」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 02:59:27.87 ID:MqXny0tf0
杏子「は、働いてた……」

さやか「働くのはいいんだけどさ」

さやか「いや、本当は普通に学校に通うのが一番なんだけど……」

さやか「風呂ぐらい、済ませてきなさいよ」

杏子「……ごめん」

さやか「……?」

杏子「ごめんなさい」

さやか「な、何よ、えらくしょぼくれて……」

さやか「どうかした?」

杏子「別に……」

さやか「……」

杏子「……」

杏子「……仕事で、ちょっと」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:02:56.16 ID:MqXny0tf0
さやか「そっか……」

さやな「嫌なことあったんだ」

杏子「大した事じゃないよ……」

さやか「無理するな無理するな」ポンポン

さやか「アレで元気になればいいじゃん? ねえ?」

杏子「……」コクリ

さやか「特別に、今回はタダにしてあげるからさ」

杏子「……」

杏子「ありがとう……」



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:08:58.54 ID:MqXny0tf0
――マミホーム


さやか「お邪魔しまーす」

杏子「……」

マミ「はい、いらっしゃい」ニコッ

さやか「すみませんけど、またお願いします」

マミ「ええ、もちろん大丈夫よ」

さやか「いやあ、マミさんの家があって助かりますよ」エヘヘ

マミ「まあ、まるで私の家だけが目的みたいに」フフ

さやか「いやいや! 違いますよ! マミさん!」アセアセ

マミ「ふふ、冗談よ」ニコッ

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:10:37.46 ID:MqXny0tf0
杏子「風呂、借りるぞ?」

マミ「ええ、沸かしてあるわ」

杏子「じゃあ……」スタスタ


――――――
――――

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:12:25.74 ID:MqXny0tf0
――バスルーム

ジャー

杏子「……」

さやか『杏子、あんた油くさいよ?』

杏子「……」ゴシゴシ

杏子「……」ゴシゴシ

杏子「……」ゴシゴシ

杏子「……」ゴシゴシ

杏子「……」ゴシゴシ

杏子「……」ゴシゴシ



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:16:58.37 ID:MqXny0tf0
ガラッ

杏子「……」ビクッ!

さやか「じゃっじゃーん♪」

杏子「な、なんだよ……」

さやか「たまには一緒に入ろうよ」

杏子「別にいいけど……」

さやか「素っ気なくしちゃって……」ガチャ

さやか「本当は嬉しいくせに……」ニヤニヤ

杏子「……」////

さやか「――って、あんた肌真っ赤じゃん!」

さやか「強く洗いすぎじゃないの?」

杏子「……」

杏子「……そうか?」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:21:57.61 ID:MqXny0tf0
杏子「……」チラッ

さやか「あ、いま、胸見た」

杏子「ぐ……」////

さやか「世の中、気づかれてないと思ってる奴いるけどさー」

さやか「バレバレだからね?」ニヤニヤ

杏子「た、たまたま目がいっただけだ!」

さやか「ふーん」

さやか「じゃあ、興奮してないんだ?」

杏子「……」

さやか「杏子、こっち向いてみなよ」

杏子「や、やだよ……」

さやか「……」

さやか「イヤとかじゃないの」

さやか「私が向けって言ったら向きなよ」

杏子「……」



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:28:00.33 ID:MqXny0tf0
杏子「う……」プルプル

さやか「タオルもどけなよ」

杏子「そ、それは……」

さやか「……」パシッ

杏子「あ……」

さやか「ほら……」

さやか「やっぱり  てるじゃん」ニヤニヤ

杏子「うう……」////

さやか「朝から私のとこにきてさ……」

さやか「お金できたら風呂も入んないで私の所来ちゃうんだから」

さやか「興奮してない分けないよね」ニヤニヤ

杏子「しょ……」

杏子「しょうがねえだろ……」////


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:33:37.18 ID:MqXny0tf0
さやか「……」

杏子「……」////

さやか「ここでしたい?」

杏子「え……」

さやか「それとも、ベッドまでとっとく?」

杏子「あ、えっと……」

さやか「今日一日はタダだよ?」

さやか「何回してもね」ニッ

杏子「……」

さやか「ほら、言わないとわかんないよ?」

杏子「あ、あう……」////

さやか「どうすんの? 早くしなよ」

杏子「し、して……」

さやか「……違うでしょ?」

杏子「して……、ください」


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:38:30.30 ID:MqXny0tf0
さやか「しょうがないなー」ニヤニヤ

杏子「……」////

さやか「じゃあ、後ろ向いて」

杏子「……」ガタガタッ

さやか「ちょ、ちょっと杏子……」クスクス

杏子「……え?」

さやか「焦りすぎだよ」クスクス

杏子「う……」////

さやか「のんびりして私の気が変わったらイヤだもんねー?」クスクス

杏子「……」////

さやか「大丈夫だよ、杏子」

さやか「今日はたっぷり優しくしてあげる」ニコッ

杏子「……」////


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:44:05.94 ID:MqXny0tf0
さやか「じゃあ、後ろから失礼♪」ギュッ

杏子「あ、ああ!」////

さやか「ちょ、ちょっとちょっと! まだ、触っただけだよ?」

杏子「わ、わかってる、けど……」ハアハア…

さやか「優しくされて、気が抜けちゃったかな?」

杏子「さ、さやか……」

さやか「ん?」

杏子「な、名前、呼んでくれ」

さやか「……」

さやか(ふむふむ……)

さやか「杏子♪」ヒソッ

杏子「あ……」////

さやか「私が気持ちよくしてあげるよ、杏子」ヒソッ

杏子「ああ……!」////

さやか「……かわいいやつめえ」ニヤニヤ


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:54:11.54 ID:MqXny0tf0
さやか「杏子さ……」クニクニ

杏子「……?」

さやか「仕事、嫌なことあったの?」クニクニ

杏子「……」

杏子「……蹴っ飛ばされた」

さやか「そうなんだ……」

杏子「……」

さやか「やめちゃいなよ、そんな仕事」

杏子「だって、そうしたらお金が……」

さやか「いいじゃん、私だって、高校生になったらバイトぐらいするし……」

杏子「でも……」

さやか「ちゃんとした職に就けば、普通に二人で暮らせるじゃん」

さやか「といっても、私は高校出るまでは実家だろうけど」

 

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 03:57:41.31 ID:MqXny0tf0
杏子「さやかが言ったんだろ……」

杏子「二人で暮らそうって」

杏子「その為にお金ためようって……」

さやか「私は高校生になったら、あんたが一人暮らしできるって話をしたの」

杏子「そうしたら、二人でいられるって言ったから……」

杏子「それから、してくれなくなったし……」

さやか「あんたがしたがってばっかりだからだよ」

さやか「あんたがそこまで釣られるとは予想外だったけど」



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 04:03:08.58 ID:MqXny0tf0
さやか「おかげで随分貯まったしね」

杏子「全然使ってないのか?」

さやか「あったりまえじゃん! あれは二人のお金なんだから!」

杏子「……稼いだのはあたしだけどな」ボソッ

さやか「んー?」

さやか「なんか言ったかなー?」ギュウ

杏子「うう!」////

さやか「ふふん、私に意見するなら――」

さやか「少しは我慢を覚えてからにするんだね」ニヤニヤ

杏子「わ、わかったよ……、あたしの負けだ」////

さやか「とーぜん」ニコッ


                      おわり



100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/06(月) 05:10:52.84 ID:MqXny0tf0
――――――
――――

まど神「――という世界も見たんだよ」

ほむら「そう」

さやか「……」

             本当におわり