1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:09:18.40 ID:F6ycbs3K0
妹「いやぁぁぁぁぁっ!!?」
犯人「どうしたどうしたっ!!?」ドタドタ
妹「お、お兄ちゃんが…お兄ちゃんがぁ!!」ガクガク
犯人「こっ、これはぁっ!!?」
兄「」
犯人「しっ、死んでる…!」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:17:19.90 ID:F6ycbs3K0
妹「う…うぅう、グスッ」ポロポロ
犯人「い、一体誰がこんなことを…」
妹「お兄ちゃぁん…なんで、なんでぇ」
犯人「妹ちゃん…」
犯人(右胸に突き立つ包丁、それが死因と見て間違いないだろう…)
犯人(一体誰が…?)
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:23:49.02 ID:F6ycbs3K0
犯人「…妹ちゃん、辛いだろうけど君がここに来た時の状況を教えてくれないかな?」
妹「えっと…わ、わたし、お兄ちゃんに宿題教えてもらおうと思って…」
妹「そしたらっ、そしたらっ…うっ」
犯人「つまり、初めからこの状態だったんだね…?」
妹「……」コクッ
犯人「…なるほど」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:26:46.58 ID:F6ycbs3K0
犯人「…この家に、他に人は?」
妹「…いません、わたしとお兄ちゃんだけです」
犯人「ご両親は…?」
妹「…3年前に、事故で」
犯人「…そうか」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:36:46.24 ID:F6ycbs3K0
犯人(……強盗か?、いや、荒らされた形跡はない、初めから殺害目的の犯行だろう、恐らく)
犯人(誰かが侵入した…?、いや、…鍵はしっかりと掛かっているな)カチャカチャ
犯人(…だとしたら、一体誰が…)
犯人(この家には、私と妹ちゃんの二人しかいない)
犯人(そう、2人しか…)
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:41:47.10 ID:F6ycbs3K0
犯人「…妹ちゃん」
妹「はっ、はい」
犯人「残念なお知らせをしなければならない……」
妹「…な、何ですか…?」
犯人「犯人は………」
犯人「君と私のどちらかだッ!!!!!!!!」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:49:14.68 ID:F6ycbs3K0
妹「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえっ!!!!!!!!!!!!!!!」
犯人「……残念だけど、これは確実だ」
妹「そんなっ、そんなっ…」ガクガク
妹「そんな事、ありえませんっ!」
犯人「気持ちは、気持ちは分かるよ妹ちゃん」
犯人「だけどね…これしかあり得ないんだよ」
妹「嘘っ、うそよ……」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 15:55:34.47 ID:F6ycbs3K0
犯人「………妹ちゃん」
妹「絶対に違いますっ!、他にっ、何か見逃してる事があるかもしれませんっ!」
犯人「妹ちゃん」
妹「だってそんなのっ!おかしいじゃないですかっ!!こんなっ!!」
犯人「妹ちゃん!!!!!」
妹「……ッ!!?」ビクッ
犯人「冷静になるんだ」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:00:13.13 ID:F6ycbs3K0
妹「だって…、だって」
犯人「……ちょっと外の空気でも吸いに行こうか」
妹「……はい」
犯人(相当混乱しているようだな)
犯人(まぁ、仕方ないか…)
兄「」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:06:08.63 ID:F6ycbs3K0
犯人「…」フゥー
妹「…」
犯人「…君も吸うかい?ってはは、まだ早いか…」
妹「…」
犯人「…君は、お兄さんとは、仲は良かったのかい?」
妹「…はい、少なくとも、わたしは好きでした」
犯人「…そうかい、幸せ者だな、君の兄さんは」
妹「……」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:12:56.22 ID:F6ycbs3K0
妹「…実は私、普通じゃないんです」
犯人「…えっ?」
妹「ちょっと変わってて、それが原因でいろんな人から気味が悪いって言われて」
犯人「…」
妹「…両親にも、そう思われてたと思います」
妹「でも…お兄ちゃんだけは違った」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:18:54.89 ID:F6ycbs3K0
妹「お兄ちゃんは、どんな時でもわたしを守ってくれた」
妹「わたしに笑いかけてくれた」
妹「すごく…優しくて、あったかくて」
妹「正直、お父さんとお母さんが死んでもあんまり悲しく無かった」
妹「わたしは、お兄ちゃんさえ側に居てくれれば…それで……よかったんです」
妹「…それで…よかったんです」ポロポロ
犯人「……」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:27:44.87 ID:F6ycbs3K0
犯人「…とりあえず戻ろう」
妹「…はい」
兄「」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:40:44.63 ID:F6ycbs3K0
犯人「……相変わらずか、当然だが」
妹「……」
犯人「さて、本題に戻ろうか」
犯人「…兄さんを殺したのは、私と妹ちゃん…どちらかだ」
妹「……もういいんです」
犯人「えっ?」
妹「もういいんです全身黒タイツさん」
犯人「…………」
妹「分かったんです……全部」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:48:18.75 ID:F6ycbs3K0
犯人「…どう言う事だい?」
妹「……さっき、言いましたよね…わたし変わってるって」
犯人「ああ」
妹「…黒タイツさん、何か違和感を感じませんか」
犯人「…違和感…?」
犯人(…そう言えば、先程から足…つま先に鋭い痛みを感じるな…僅かだが)
妹「……思い当たるみたいですね」
犯人「…………」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 16:54:57.77 ID:F6ycbs3K0
妹「…それこそがわたしの『力』」
妹『周囲20m以内の人間の肉体にプリン体を生成し続ける能力ッ!!!!』
犯人「ッ!!!!!???」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 17:02:12.84 ID:F6ycbs3K0
妹「……残念な事に、この力は自分で制御できないんです」
妹「常に展開しています」
妹「それがどう言う事か…分かりますよね」
犯人「…そう言う事か」
犯人「僅かな時間側にいただけでこの痛み」
犯人「何年も側に居れば……考えただけでおぞましいな」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 17:09:46.47 ID:F6ycbs3K0
犯人「…つまり、何年も側に居た君の兄さんは…遂に我慢できなくなり」
犯人「自らの胸に刃を突き立てた…と」
妹「………」
妹「本当は分かってたんです」
妹「…でも、認めたくありませんでした」
犯人「…………」
妹「…ごめんなさい…ごめんなさいお兄ちゃん」ポタポタ
犯人「…………」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 17:19:21.69 ID:F6ycbs3K0
犯人「…辛いかい」
妹「………うっ、うぅぅ」ポロポロ
犯人「…生きるのは、辛いかい」
妹「…グスッ…」ポロポロ
犯人「君は、一人になってしまったね」
妹「………」
犯人「どうしても…無理と言うのなら…私が楽にしてあげよう」
妹「………」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 17:25:30.09 ID:F6ycbs3K0
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犯人「…………」ザッザッ
妹『…わたし、生きます』
犯人「…………」ザッザッザッ
妹『もうこれ以上、兄さんに甘えられませんから』
犯人「…………」ザッザッ
妹『…だから』
犯人「………」ピタッ
妹『生きます』
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/08(水) 17:30:23.47 ID:F6ycbs3K0
犯人「…すいません」
「何か?」
犯人「…自首しに来ました」
「は?」
犯人「…私は」
犯人「自分の妹を殺しました」
私はもう無理だけれど
どうか、彼女は幸せになれますように
完
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